(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20240722BHJP
【FI】
G06F21/62 318
(21)【出願番号】P 2023072114
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2019120741の分割
【原出願日】2019-06-28
【審査請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】村田 真昌
(72)【発明者】
【氏名】田中 義朗
(72)【発明者】
【氏名】大西 昭範
【審査官】岸野 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-238823(JP,A)
【文献】特開2018-011175(JP,A)
【文献】特開2014-016897(JP,A)
【文献】特開2004-054914(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0020117(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0323995(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置からファイルを取得して表示部に表示させる情報処理装置であって、
前記情報処理装置の識別情報を含む情報コードを前記表示部に表示させる第1処理部と、
携帯端末によって前記情報コードが読み取られて前記携帯端末から前記サーバ装置に前記情報処理装置の識別情報が送信された場合に、前記サーバ装置から、前記サーバ装置において生成される前記ファイルにアクセスするためのアクセス情報を取得する第2処理部と、
前記アクセス情報に基づいて前記サーバ装置から前記ファイルを取得し、取得した前記ファイルを前記表示部に表示させる第3処理部と、
を備え
、
前記サーバ装置は、複数の前記ファイルを記憶し、複数の前記ファイルのうち前記携帯端末において選択された前記ファイルに対応する前記アクセス情報を生成する、情報処理装置。
【請求項2】
前記携帯端末は、前記情報コードを読み取ることによって取得する前記情報処理装置の識別情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記携帯端末から取得する前記識別情報に対応する前記情報処理装置に前記アクセス情報を送信し、
前記第3処理部は、前記サーバ装置から取得する前記アクセス情報に基づいて前記ファイルを取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1処理部は、前記情報処理装置において生成される前記情報コードを前記表示部に表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ファイルの取得を開始する指示を受け付ける受付画面を前記表示部に表示させ、
前記受付画面におい
て利用者から前記ファイルの取得を開始する指示が受け付けられた場合に、前記アクセス情報に基づいて前記サーバ装置から前記ファイルを取得する、
請求項1~3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
サーバ装置からファイルを取得して情報処理装置の表示部に表示させる情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、
前記情報処理装置の識別情報を含む情報コードを前記表示部に表示さ
せ、
携帯端末によって前記情報コードが読み取られて前記携帯端末から前記サーバ装置に前記情報処理装置の識別情報が送信された場合に、前記サーバ装置から、前記サーバ装置において生成される前記ファイルにアクセスするためのアクセス情報を取得
し、
前記アクセス情報に基づいて前記サーバ装置から前記ファイルを取得し、取得した前記ファイルを前記表示部に表示さ
せ、
前記サーバ装置が、複数の前記ファイルを記憶し、複数の前記ファイルのうち前記携帯端末において選択された前記ファイルに対応する前記アクセス情報を生成する、情報処理方法。
【請求項6】
サーバ装置からファイルを取得して情報処理装置の表示部に表示させる情報処理プログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記情報処理装置の識別情報を含む情報コードを前記表示部に表示さ
せ、
携帯端末によって前記情報コードが読み取られて前記携帯端末から前記サーバ装置に前記情報処理装置の識別情報が送信された場合に、前記サーバ装置から、前記サーバ装置において生成される前記ファイルにアクセスするためのアクセス情報を取得
させ、
前記アクセス情報に基づいて前記サーバ装置から前記ファイルを取得
させ、取得
された前記ファイルを前記表示部に表示さ
せ、
前記サーバ装置に、複数の前記ファイルを記憶させ、複数の前記ファイルのうち前記携帯端末において選択された前記ファイルに対応する前記アクセス情報を生成させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイルをダウンロードして表示装置に表示させる表示システム、表示方法、及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ファイルサーバに記憶されたファイルをインターネットなどのネットワークを介して表示装置にダウンロードし、前記ファイルを前記表示装置に表示させる表示システムが知られている(例えば特許文献1参照)。例えば、利用者は、前記ファイルを利用する利用権限を予め取得する。利用権限を有する利用者は、前記ファイルを利用する際に例えば利用者IDなどのログイン情報を入力する。ファイルサーバは、前記ログイン情報に基づいて前記利用者の認証処理を行い、前記利用者を認証した場合に前記利用者の利用者端末に前記ファイルを送信する。これにより、前記利用者は前記利用者端末において前記ファイルを閲覧等することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような表示システムを、電子会議、電子掲示板など複数の利用者に情報を提示する表示システムに適用した場合、以下の問題が生じる可能性がある。例えば、電子会議を実施する会議室に設置される大型の電子黒板などの表示装置にネットワークを介してファイルをダウンロードする場合、利用者は、表示装置を構成するタッチパネルにおいてログイン情報(利用者ID、パスワードなど)を入力するログイン操作を行う。前記ログイン操作は、特に大型の表示装置の場合には利用者にとって操作性が悪いだけでなく、前記ログイン情報が他の利用者に漏洩してしまう可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、ファイルをダウンロードする際のログイン操作の操作性を低下させることなく、ログイン情報の漏洩を防止することが可能な表示システム、表示方法、及び表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様に係る表示システムは、ファイルを管理するサーバ装置と、表示部を備え、前記サーバ装置から前記ファイルを取得して前記表示部に表示させる表示装置とを備える表示システムであって、前記サーバ装置は、利用者端末において入力される利用者の認証情報に基づいて、前記ファイルの利用に対する前記利用者の認証を行う認証処理部と、前記認証処理部により前記ファイルの利用に対して前記利用者が認証された場合に、前記ファイルにアクセスするための第1アクセス情報を生成するアクセス情報生成部と、を備え、前記表示装置は、前記アクセス情報生成部により生成される前記第1アクセス情報に基づいて、前記サーバ装置から前記ファイルを取得するファイル取得部と、前記ファイル取得部により取得される前記ファイルを前記表示部に表示させる表示処理部と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様に係る表示方法は、ファイルを管理するサーバ装置と、表示部を備え、前記サーバ装置から前記ファイルを取得して前記表示部に表示させる表示装置とを備える表示システムにおいて前記ファイルを表示する表示方法であって、利用者端末において入力される利用者の認証情報に基づいて、前記ファイルの利用に対する前記利用者の認証を行う認証ステップと、前記認証ステップにより前記ファイルの利用に対して前記利用者が認証された場合に、前記ファイルにアクセスするための第1アクセス情報を生成するアクセス情報生成ステップと、前記アクセス情報生成ステップにより生成される前記第1アクセス情報に基づいて、前記サーバ装置から前記ファイルを取得するファイル取得ステップと、前記ファイル取得ステップにより取得される前記ファイルを前記表示部に表示させる表示ステップと、を一又は複数のプロセッサにより実行する。
【0008】
本発明の他の形態に係る表示プログラムは、ファイルを管理するサーバ装置と、表示部を備え、前記サーバ装置から前記ファイルを取得して前記表示部に表示させる表示装置とを備える表示システムにおいて前記ファイルを表示させる表示プログラムであって、利用者端末において入力される利用者の認証情報に基づいて、前記ファイルの利用に対する前記利用者の認証を行う認証ステップと、前記認証ステップにより前記ファイルの利用に対して前記利用者が認証された場合に、前記ファイルにアクセスするための第1アクセス情報を生成するアクセス情報生成ステップと、前記アクセス情報生成ステップにより生成される前記第1アクセス情報に基づいて、前記サーバ装置から前記ファイルを取得するファイル取得ステップと、前記ファイル取得ステップにより取得される前記ファイルを前記表示部に表示させる表示ステップと、を一又は複数のプロセッサに実行させための表示プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ファイルをダウンロードする際のログイン操作の操作性を低下させることなく、ログイン情報の漏洩を防止することが可能な表示システム、表示方法、及び表示プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る表示システムで使用されるファイル者情報の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る表示システムで使用される利用者情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る表示システムに含まれるアクセス情報データベースの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る表示システムの表示装置における表示例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る表示システムの表示装置における表示例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る表示システムの利用者端末における表示例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る表示システムの利用者端末における表示例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る表示システムの表示装置における表示例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る表示システムの表示装置における表示例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る表示システムで実行される第1表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係る表示システムで実行される第2表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に係る表示システムで実行される第3表示処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[表示システム100]
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る表示システム100は、ファイルを管理するサーバ装置1と、アクセス情報データベース2と、サーバ装置1から前記ファイルを取得して表示部43に表示させる表示装置4と、前記ファイルを利用する利用者が所持(携帯)する一又は複数の利用者端末3とを含む。サーバ装置1とアクセス情報データベース2と表示装置4と利用者端末3とは、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。
【0013】
表示装置4は、複数の利用者が利用可能であり、また複数の利用者に対して情報を提示(表示)する情報処理装置である。例えば、表示装置4は、電子会議において電子黒板(電子ボード装置)として利用される。この場合、表示装置4は、会議室に設置され、会議に参加する複数の利用者により利用される。例えば、表示装置4は、利用者の操作に基づいて、会議に使用する資料を表示させたり、インターネットを介してウェブサイトのページを表示させたりする。
【0014】
利用者端末3は、例えば会議に参加する参加者(利用者)が所持する情報処理装置である。利用者端末3は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータのような携帯端末である。
【0015】
サーバ装置1は、資料、映像、音声などのコンテンツデータ(以下、ファイルという。)を記憶、管理する情報処理装置(ファイルサーバ)である。アクセス情報データベース2は、サーバ装置1に記憶されるファイルにアクセスするための情報であるファイルアクセス情報(リンク情報)を記憶するデータベースである。前記ファイルアクセス情報は、本発明の第1アクセス情報の一例である。アクセス情報データベース2は、例えば利用者端末3から送信される前記ファイルアクセス情報を送信された順に取得して記憶領域に格納する。アクセス情報データベース2はサーバ装置1に含まれてもよい。
【0016】
本実施形態では、サーバ装置1、アクセス情報データベース2、表示装置4、及び利用者端末3が本発明に係る表示システムに相当する。なお、本発明に係る表示システムは、サーバ装置1及び表示装置4で構成されてもよい。
【0017】
[サーバ装置1]
図1に示されるように、サーバ装置1は、制御部11、記憶部12、及び通信部13などを備える。サーバ装置1は、ファイルを記憶、管理するファイルサーバである。サーバ装置1は、例えば、複数台の物理サーバにより構成される一つの仮想サーバ(クラウドサーバ)であってもよいし、1台の物理サーバであってもよい。
【0018】
通信部13は、サーバ装置1を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介してアクセス情報データベース2、利用者端末3、及び表示装置4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0019】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部12には、1又は複数のファイルに関するファイル情報121、前記ファイルを利用する利用者に関する利用者情報122などのデータが記憶される。また記憶部12には、1又は複数のファイルのデータが記憶される。
図2はファイル情報121の一例を示す図であり、
図3は利用者情報122の一例を示す図である。
【0020】
図2に示すように、ファイル情報121には、複数のファイルに関する情報が登録されている。各ファイルに対応して、ファイル名、及びファイルにアクセスするための前記ファイルアクセス情報が関連付けられている。
【0021】
具体的には、ファイル情報121には、ファイルごとに「ファイルID」、「ファイル名」、「ファイルアクセス情報」などの情報が含まれる。「ファイルID」はファイルを識別するための識別情報である。「ファイル名」は、ファイルの名前等である。「ファイルアクセス情報」は、ファイルにアクセスするための情報であり、例えば前記ファイルのリンク情報である。記憶部12に記憶される各ファイルには、ファイルID、ファイル名、及びファイルアクセス情報が関連付けられている。各ファイルのデータは、例えば利用者が利用者端末3において所定の操作(アップロード操作)を行うことにより記憶部12に記憶される。制御部11は、前記ファイルを取得すると、ファイルID、ファイル名、及びファイルアクセス情報などを生成してファイル情報121に登録する。
【0022】
図3に示すように、利用者情報122には、利用者ごとに「利用者ID」、「パスワード」、「利用者名」、「メールアドレス」などの情報が含まれる。「利用者ID」及び「パスワード」は利用者を識別するための識別情報(本発明の認証情報の一例)である。利用者ID及びパスワードは、前記ファイルの利用に対する利用者の認証を行う認証処理で使用される。「利用者名」は、利用者の氏名等である。「メールアドレス」は、利用者端末3に設定されるメールアドレスである。利用者端末3は、前記メールアドレスを用いてサーバ装置1等の外部装置とメールの送受信を行うことが可能である。利用者情報122は、例えば各利用者が利用者端末3において利用者情報を登録する登録画面に各種情報を入力した場合に、制御部11によって登録される。例えば、会議の参加者は会議の開始前に事前に利用者情報の登録を行う。利用者情報122に登録された利用者には、前記ファイルを利用する利用権限が付与される。利用権限を有する利用者は、ログイン操作(後述)により認証された場合に前記ファイルを利用することが可能となる。
【0023】
なお、他の実施形態として、ファイル情報121及び利用者情報122の一部又は全部が、サーバ装置1、アクセス情報データベース2、利用者端末3、又は表示装置4から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバに記憶されてもよい。
【0024】
また、記憶部12には、制御部11に後述の表示処理(
図11参照)を実行させるための表示プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記表示プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、サーバ装置1が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
【0025】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりサーバ装置1を制御する。
【0026】
具体的に、制御部11は、
図1に示されるように、認証処理部111、ファイル特定部112、アクセス情報生成部113などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記表示プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記表示プログラムは、複数のプロセッサを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0027】
認証処理部111は、利用者端末3において入力される利用者ID及びパスワードに基づいて、前記ファイルの利用に対する前記利用者の認証を行う。具体的には、認証処理部111は、利用者端末3から取得する利用者ID及びパスワード(ログイン情報)に基づいて、利用者のログイン処理及び認証処理を行う。
【0028】
例えば、制御部11は、表示装置4の表示部43にログイン端末選択画面(
図5参照)を表示させる。ログイン端末選択画面には、ログイン処理に利用する端末を選択する選択キーK1,K2が表示される。ここで、利用者が「表示装置」の選択キーK2を選択した場合、認証処理部111は、表示装置4の表示部43に利用者ID及びパスワードを入力するためのログイン画面を表示させる。表示装置4において前記ログイン画面に利用者ID及びパスワードが入力されると、認証処理部111は、表示装置4から利用者ID及びパスワードを取得して認証処理を行う。この場合のログイン操作は、上述のように、利用者にとって操作性が悪いだけでなく、利用者ID及びパスワードが他の利用者に漏洩してしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、利用者は利用者端末3を用いたログイン操作を選択することが可能である。
【0029】
利用者が「利用者端末」の選択キーK1を選択した場合、認証処理部111は、利用者端末3において入力される利用者ID及びパスワードを利用者端末3から取得する。例えば、利用者は、利用者端末3において所定のアプリケーションを起動させて、利用者端末3に表示されたログイン画面に利用者ID及びパスワードを入力する。前記ログイン画面に利用者ID及びパスワードが入力されると、認証処理部111は、利用者端末3から利用者ID及びパスワードを取得して認証処理を行う。利用者は、状況に応じて「表示装置」を用いたログイン操作又は「利用者端末」を用いたログイン操作を選択することが可能である。なお、本実施形態では、「利用者端末」を用いたログイン操作について説明する。
【0030】
認証処理部111は、利用者端末3から利用者ID及びパスワードを取得すると、取得した利用者ID及びパスワードに一致する利用者ID及びパスワードが利用者情報122(
図3参照)に登録されているか否かを判断する。認証処理部111は、利用者端末3から取得した利用者ID及びパスワードが、利用者情報122に登録されている場合に当該利用者IDに対応する利用者を認証する。なお、認証処理部111は、利用者端末3から取得した利用者ID及びパスワードが、利用者情報122に登録されていない場合には、利用者情報の登録処理を行った上で当該利用者IDに対応する利用者を認証してもよい。認証処理部111は、利用者を認証した場合、その旨を示す情報を表示装置4に送信する。認証処理部111は、本発明の認証処理部の一例である。
【0031】
ファイル特定部112は、認証処理部111により利用者が認証された場合に、当該利用者の利用者端末3のメールアドレス宛にファイル情報及びファイル選択画面のデータを送信する。前記ファイル情報には、ファイル情報121に登録された各種情報が含まれる。利用者端末3の操作表示部33には、例えば
図7に示すように、ファイル情報121に登録された複数のファイルのファイル情報を一覧にしたファイルリストを含むファイル選択画面が表示される。利用者は、前記ファイル選択画面において、所望のファイルを選択して決定キーK4を押下する。
図7では、ファイル名「F001」が選択された様子を示している。なお、利用者は、前記ファイル選択画面において複数のファイルを選択することも可能である。前記ファイル選択画面において少なくとも一つのファイルが選択されると、ファイル特定部112は、利用者端末3から送信される操作情報(選択ファイル情報)に基づいて、選択されたファイルを特定する。ここでは、ファイル特定部112は、ファイル名「F001」のファイルを特定する。
【0032】
アクセス情報生成部113は、認証処理部111により前記ファイルの利用に対して前記利用者が認証された場合に、前記ファイルにアクセスするための前記ファイルアクセス情報を生成する。具体的には、アクセス情報生成部113は、ファイル特定部112により特定された前記ファイルのファイルアクセス情報を生成する。すなわち、アクセス情報生成部113は、複数のファイルのうち利用者端末3において利用者により選択されたファイルに対応するファイルアクセス情報を生成する。
【0033】
上述の例では、アクセス情報生成部113は、例えば、ファイル名「F001」に対応するファイルアクセス情報「https://server/db/F001」を生成する。アクセス情報生成部113は、ファイルアクセス情報を生成すると、当該ファイルアクセス情報を利用者端末3に送信する。またアクセス情報生成部113は、前記ファイルアクセス情報をファイル情報121の「ファイルアクセス情報」に登録する。
図2には、ファイル名「F001」に対応するファイルアクセス情報「https://server/db/F001」が登録された状態を示している。なお、ファイル特定部112によりファイル名「F001」及び「F002」が特定された場合には、アクセス情報生成部113は、これら2つのファイルのファイルアクセス情報を生成してファイル情報121に登録する。アクセス情報生成部113は、本発明のアクセス情報生成部の一例である。
【0034】
また制御部11は、利用者の指示に基づいて、利用者により選択されたファイルを表示装置4に送信する処理(後述のダウンロード処理)を実行する。
【0035】
[利用者端末3]
図1に示すように、利用者端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、カメラ34、及び通信部35などを備える。利用者端末3は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータのような携帯端末である。
【0036】
通信部35は、利用者端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介してサーバ装置1、アクセス情報データベース2、表示装置4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0037】
カメラ34は、被写体の画像を撮像してデジタル画像データとして出力するデジタルカメラである。例えばカメラ34は、表示装置4の表示部43に表示されるQRコード(登録商標)のQRコード画像K3(
図6参照)を撮像することが可能である。QRコードは、本発明の情報コードの一例である。本発明の情報コードは、様々な種類の一次元コード、二次元コード、その他の識別標識を用いることができる。QRコードには、例えば、前記ファイルアクセス情報の格納場所にアクセスするための情報であるデータベースアクセス情報(URL)が含まれる。データベースアクセス情報は、本発明の第2アクセス情報の一例である。
【0038】
操作表示部33は、各種の操作画面、ウェブページなどを表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0039】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルに従ってサーバ装置1、アクセス情報データベース2、表示装置4等の外部装置との間で通信処理を制御部31に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、サーバ装置1及びアクセス情報データベース2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであってもよい。
【0040】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末3を制御する。
【0041】
具体的に、制御部31は、記憶部32に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部311として機能する。例えば、ブラウザ処理部311は、サーバ装置1から通信網N1を介して送信されるファイル選択画面(
図7参照)を操作表示部33に表示させ、操作表示部33に対するファイル選択操作をサーバ装置1に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、利用者端末3は、制御部31によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、サーバ装置1の操作用端末として機能することが可能である。また制御部31は、利用者により操作表示部33においてファイルが選択されると、選択されたファイルの情報を示す選択ファイル情報をサーバ装置1に送信する。なお、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0042】
また、制御部31は、サーバ装置1からファイルアクセス情報を取得する。上述の例では、制御部31は、サーバ装置1からファイル名「F001」のファイルアクセス情報「https://server/db/F001」を取得する。
【0043】
また、制御部31は、カメラ34により撮像されたQRコード画像K3(
図6参照)に基づいて、QRコードを読み取ってQRコードに含まれるデータベースアクセス情報(URL)を取得する。制御部31は、データベースアクセス情報を取得すると、当該データベースアクセス情報に対応する場所に、前記ファイルアクセス情報を送信する。ここでは、制御部31は、データベースアクセス情報が示す場所であるアクセス情報データベース2に、ファイルアクセス情報「https://server/db/F001」を送信する。アクセス情報データベース2は、利用者端末3から前記ファイルアクセス情報を取得すると、識別情報(キューID)を付与して所定の記憶領域に格納する(
図4参照)。
【0044】
[表示装置4]
図1に示されるように、表示装置4は、制御部41、記憶部42、表示部43、タッチパネル44、及び通信部45などを備える。ここでは、表示装置4は、電子黒板である。
【0045】
通信部45は、表示装置4を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介してサーバ装置1、アクセス情報データベース2、利用者端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0046】
表示部43は、各種の情報を表示するディスプレイであって、例えば液晶ディスプレイである。なお、表示部43は、液晶ディスプレイに限定されず、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、プロジェクタ等であってもよい。
【0047】
タッチパネル44は、静電容量方式のタッチパネルであってもよいし、感圧式又は赤外線遮断方式のタッチパネルであってもよい。すなわち、タッチパネル44は、タッチ等、利用者の操作入力を適宜受け付けることが可能な装置であればよい。表示部43及びタッチパネル44は、一体に形成されてもよい。
【0048】
記憶部42は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部42には、サーバ装置1からダウンロードされるファイル、サーバ装置1から送信される各種画面などのデータが記憶される。
【0049】
また、記憶部42には、制御部41に後述の表示処理(
図11参照)を実行させるための表示プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記表示プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、表示装置4が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部42に記憶される。
【0050】
制御部41は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部41は、前記ROM又は記憶部42に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより表示装置4を制御する。
【0051】
具体的に、制御部41は、
図1に示すように、表示処理部411、操作受付部412、QRコード生成部413、及びファイル取得部414などの各種の処理部を含む。なお、制御部41は、前記CPUで前記表示プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記表示プログラムは、複数のプロセッサを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0052】
表示処理部411は、各種情報を表示部43に表示させる。例えば、表示処理部411は、サーバ装置1から送信されるログイン端末選択画面(
図5参照)、ダウンロード受付画面(
図9参照)などを表示部43に表示させる。表示処理部411は、本発明の表示処理部の一例である。
【0053】
操作受付部412は、利用者の操作を受け付ける。例えば、操作受付部412は、前記ログイン端末選択画面(
図5参照)において、利用者からログイン端末を選択する操作を受け付ける。操作受付部412は、受け付けた情報をサーバ装置1に送信する。また、操作受付部412は、ダウンロード受付画面(
図9参照)において、利用者から前記ファイルのダウンロードを開始する指示を受け付ける。操作受付部412は、ダウンロードを開始する指示を受け付けると、その旨を示す情報をサーバ装置1に送信する。
【0054】
QRコード生成部413は、アクセス情報データベース2にアクセスするためのデータベースアクセス情報を含むQRコードを生成する。例えば、QRコード生成部413は、前記ログイン端末選択画面(
図5参照)においてログイン端末として「利用者端末」が選択された場合に前記QRコードを生成する。QRコード生成部413がQRコードを生成すると、表示処理部411は、生成されたQRコードを表すQRコード画像K3(
図6参照)を表示部43に表示させる。QRコード生成部413は、本発明の情報コード生成部の一例である。
【0055】
ファイル取得部414は、利用者端末3を介して前記ファイルアクセス情報を取得し、取得した前記ファイルアクセス情報に基づいてサーバ装置1から前記ファイルを取得する。具体的には、ファイル取得部414は、ダウンロード受付画面(
図9参照)において利用者から前記ファイルのダウンロードを開始する指示が受け付けられた場合に、前記ファイルアクセス情報に基づいてサーバ装置1から前記ファイルを取得する。例えば、ファイル取得部414は、ファイル名「F001」のファイルのダウンロードを開始する指示が受け付けられた場合に、ファイルアクセス情報「https://server/db/F001」を参照して、サーバ装置1から当該ファイルのダウンロード処理を実行する。ファイル取得部414がサーバ装置1から前記ファイルを取得すると、表示処理部411は、前記ファイルを表示部43に表示させる(
図10参照)。ファイル取得部414は、本発明のファイル取得部の一例である。
【0056】
前記ファイルが1ページで構成される場合、表示処理部411は、1枚のシート画像を表示部43に表示させる(
図10参照)。また、前記ファイルが複数ページで構成される場合、表示処理部411は、複数枚のシート画像を分けて表示部43に表示させる。なお、表示処理部411は、複数枚のシート画像を、上下方向、左右方向など所定の方向に並べて表示させてもよいし、それぞれが部分的に重なるように前後に並べて表示させてもよいし、サムネイル画像として一覧表示させてもよい。
【0057】
[表示処理]
以下、表示システム100において実行される表示処理について説明する。具体的に、本実施形態では、サーバ装置1の制御部11、利用者端末3の制御部31、及び表示装置4の制御部41によって前記表示処理が実行される。また、制御部11、31、41は、利用者端末3からのログイン操作に応じて表示処理を実行する。
【0058】
なお、本発明は、前記表示処理に含まれる一又は複数のステップを実行する表示方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記表示処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記表示処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11、31、41によって前記表示処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、複数のプロセッサによって当該表示処理における各ステップが分散して実行される表示方法も他の実施形態として考えられる。
【0059】
ここでは、表示システム100において実行される表示処理の具体例として、第1表示処理、第2表示処理、及び第3表示処理を例示する。第1表示処理、第2表示処理、及び第3表示処理のそれぞれを実行する各表示方法は、本発明の表示方法の一例である。
【0060】
[第1表示処理]
以下、
図11を参照して、表示システム100において実行される第1表示処理について説明する。
図11に示すフローチャートにおいて、各ステップ番号は、サーバ装置1、アクセス情報データベース2、利用者端末3、表示装置4の各符号に対応するように示している。
【0061】
まず、ステップS41において、表示装置4の制御部41は、前記ログイン端末選択画面(
図5参照)において、利用者からログイン端末を選択する操作を受け付ける。ここでは、利用者が「利用者端末」の選択キーK1を選択したものとする。制御部41は、受け付けた情報をサーバ装置1に送信する。
【0062】
また制御部41は、ログイン端末として「利用者端末」が選択されると、アクセス情報データベース2にアクセスするためのデータベースアクセス情報(URL)を含むQRコードを生成して、QRコード画像K3(
図6参照)を表示部43に表示させる(S42)。その後、制御部41は、アクセス情報データベース2を監視する(S43)。具体的には、制御部41は、アクセス情報データベース2に対してポーリング処理を実行して、アクセス情報データベース2にデータ(ファイルアクセス情報)が格納されたか否かを繰り返し判定する。
【0063】
次に、ステップS11において、サーバ装置1の制御部11は、利用者端末3から送信されるログイン情報を待機する。
【0064】
次に、ステップS31において、利用者端末3の制御部31は、利用者からログイン操作を受け付ける。具体的には、制御部31は、利用者端末3において入力されるログイン情報(利用者ID及びパスワード)を取得する。制御部31は、取得した前記ログイン情報をサーバ装置1に送信する。
【0065】
次に、サーバ装置1の制御部11は、利用者端末3から前記ログイン情報を取得し(S12)、利用者情報122(
図3参照)に基づいて利用者の認証を行う(S13)。ステップS13は、本発明の認証ステップの一例である。制御部11は、利用者を認証すると、ファイル情報121(
図2参照)に登録された複数のファイルのファイル情報を利用者端末3に送信する(S14)。
【0066】
次に、ステップS32において、利用者端末3の制御部31は、サーバ装置1から前記ファイル情報を取得する。制御部31は、取得したファイル情報に基づいて、ファイルリストを含むファイル選択画面(
図7参照)を操作表示部33に表示させる(S33)。次に、制御部31は、前記ファイル選択画面において、利用者からファイルの選択を受け付ける。制御部31は、利用者からファイルの選択を受け付けると、選択ファイル情報をサーバ装置1に送信する(S34)。
【0067】
次に、ステップS15において、サーバ装置1の制御部11は、利用者端末3から前記選択ファイル情報を取得すると、利用者により選択されたファイルを特定する。次に、制御部11は、選択されたファイルに対応するファイルアクセス情報を生成する(S16)。ステップS16は、本発明のアクセス情報生成ステップの一例である。次に、制御部11は、生成した前記ファイルアクセス情報を利用者端末3に送信する(S17)。また制御部11は、生成した前記ファイルアクセス情報を前記選択されたファイルに関連付けてファイル情報121(
図2参照)に登録する。
【0068】
次に、ステップS35において、利用者端末3の制御部31は、サーバ装置1から前記ファイルアクセス情報を取得する。次に制御部31は、表示装置4に表示されたQRコード画像K3を読み取り(
図8参照)(S36)、QRコードに含まれる前記データベースアクセス情報(URL)を取得する(S37)。制御部31は、前記データベースアクセス情報(URL)で特定されるアクセス情報データベース2に前記ファイルアクセス情報を送信する(S38)。
【0069】
次に、ステップS21において、アクセス情報データベース2は、利用者端末3から前記ファイルアクセス情報を取得すると、識別情報(キューID)を付与して所定の記憶領域に格納する(
図4参照)。
【0070】
アクセス情報データベース2に前記ファイルアクセス情報が格納されると、表示装置4の制御部41は、前記ポーリング処理により前記ファイルアクセス情報を認識して、アクセス情報データベース2から前記ファイルアクセス情報を取得する(S44)。次に、制御部41は、ダウンロード受付画面(
図9参照)を表示部43に表示させ(S45)、利用者から前記ファイルのダウンロードを開始する指示を受け付ける(S46)。
【0071】
制御部41は、利用者から前記ファイルのダウンロードを開始する指示を受け付けると(S46:YES)、前記ファイルアクセス情報に対応する前記ファイルのダウンロード要求をサーバ装置1に送信する(S47)。サーバ装置1の制御部11は、表示装置4から前記ダウンロード要求を取得すると、前記ファイルを表示装置4に送信する(S18)。そして、表示装置4の制御部41は、サーバ装置1から前記ファイルを取得すると、取得したファイルを表示部43に表示させる(S48)(
図10参照)。ステップS47は本発明のファイル取得ステップの一例であり、ステップS48は本発明の表示ステップの一例である。
【0072】
以上のように、前記第1表示処理では、表示装置4は、アクセス情報データベース2の場所を示すデータベースアクセス情報(URL)を含むQRコードを表示部43に表示させ、利用者端末3は、当該QRコードを読み取って前記データベースアクセス情報を取得して、サーバ装置1から取得するファイルアクセス情報をアクセス情報データベース2に送信する。そして、表示装置4は、アクセス情報データベース2に前記ファイルアクセス情報(リンク情報)が格納されると、前記ファイルアクセス情報に基づいてサーバ装置1からファイルをダウンロードして表示部43に表示させる。
【0073】
[第2表示処理]
以下、
図12を参照して、表示システム100において実行される第2表示処理について説明する。ここでは、
図11に示す前記第1表示処理と異なる処理について説明し、前記第1表示処理と同一の処理については説明を省略する。
【0074】
第2表示処理を実行する表示システム100では、アクセス情報データベース2は省略される。このため、第2表示処理では、表示装置4の制御部41は前記ポーリング処理を行わず、第1表示処理のステップS43は省略される。
【0075】
第2表示処理では、ステップS42において、表示装置4の制御部41は、自機である表示装置4の識別情報(表示装置ID)(例えばIPアドレス)を含むQRコードを生成して、QRコード画像K3を表示部43に表示させる。
【0076】
利用者端末3の制御部31は、表示装置4に表示されたQRコード画像K3を読み取り(S36)、前記表示装置IDを取得する(S371)。そして、制御部31は、前記表示装置IDをサーバ装置1に送信する(S381)。なお、制御部31は、サーバ装置1から取得する前記ファイルアクセス情報(S35)を前記表示装置IDに関連付けてサーバ装置1に送信してもよい。
【0077】
サーバ装置1の制御部11は、利用者端末3から前記表示装置IDを取得すると(S171)、前記表示装置IDに対応する表示装置4に前記ファイルアクセス情報を送信する(S172)。なお、制御部11は、ステップS16において生成した前記ファイルアクセス情報を表示装置4に送信してもよいし、利用者端末3から取得した前記ファイルアクセス情報を表示装置4に送信してもよい。
【0078】
表示装置4の制御部41は、サーバ装置1から前記ファイルアクセス情報を取得すると(S44)、ダウンロード受付画面(
図9参照)を表示部43に表示させ(S45)、利用者から前記ファイルのダウンロードを開始する指示を受け付ける(S46)。
【0079】
制御部41は、利用者から前記ファイルのダウンロードを開始する指示を受け付けると(S46:YES)、前記ファイルアクセス情報に対応する前記ファイルのダウンロード要求をサーバ装置1に送信する(S47)。サーバ装置1の制御部11は、表示装置4から前記ダウンロード要求を取得すると、前記ファイルを表示装置4に送信する(S18)。そして、表示装置4の制御部41は、サーバ装置1から前記ファイルを取得すると、取得したファイルを表示部43に表示させる(S48)(
図10参照)。
【0080】
以上のように、前記第2表示処理では、表示装置4は、表示装置4の識別情報(表示装置ID)(IPアドレス)を含むQRコードを表示部43に表示させ、利用者端末3は、当該QRコードを読み取って前記表示装置IDを取得し、前記表示装置IDをサーバ装置1に送信する。そして、サーバ装置1は、前記表示装置IDに対応する表示装置4にファイルを送信し、表示装置4は当該ファイルをダウンロードして表示部43に表示させる。
【0081】
前記第2表示処理を実行する表示システム100は、例えば以下の構成により実現される。表示装置4は、当該表示装置4の識別情報(表示装置ID)を含むQRコードを生成するQRコード生成部を備える。また表示装置4の表示処理部411は、QRコード生成部により生成されるQRコードを表示部43に表示させる。また利用者端末3は、表示部43に表示されるQRコードを読み取ることにより前記識別情報を取得し、取得した前記識別情報をサーバ装置1に送信する。またサーバ装置1のアクセス情報生成部113は、利用者端末3から取得する前記識別情報に基づいて、ファイルアクセス情報を表示装置4に送信する。そして、表示装置4のファイル取得部414は、サーバ装置1から前記ファイルアクセス情報を取得し、取得した前記ファイルアクセス情報に基づいてサーバ装置1から前記ファイルを取得する。
【0082】
[第3表示処理]
以下、
図13を参照して、表示システム100において実行される第3表示処理について説明する。ここでも、
図11に示す前記第1表示処理と異なる処理について説明し、前記第1表示処理と同一の処理については説明を省略する。
【0083】
前記第2表示処理を実行する表示システム100と同様に、第3表示処理を実行する表示システム100では、アクセス情報データベース2は省略される。このため、第3表示処理では、表示装置4の制御部41は前記ポーリング処理を行わず、第1表示処理のステップS43は省略される。
【0084】
第3表示処理では、サーバ装置1の制御部11は、利用者により選択されたファイルに対応するファイルアクセス情報を生成すると(S16)、当該ファイルアクセス情報を含むQRコードを生成して(S161)、当該QRコード情報を利用者端末3に送信する(S162)。
【0085】
利用者端末3の制御部31は、サーバ装置1から前記QRコード情報を取得すると(S351)、QRコード画像を操作表示部33に表示させる(S352)。
【0086】
利用者が利用者端末3に表示された前記QRコード画像を表示装置4の読取部(不図示)に翳すと、表示装置4の制御部41は、前記QRコードを読み取り(S441)、前記ファイルアクセス情報(リンク情報)を取得する(S44)。次に、制御部41は、ダウンロード受付画面(
図9参照)を表示部43に表示させ(S45)、利用者から前記ファイルのダウンロードを開始する指示を受け付ける(S46)。
【0087】
制御部41は、利用者から前記ファイルのダウンロードを開始する指示を受け付けると(S46:YES)、前記ファイルアクセス情報に対応する前記ファイルのダウンロード要求をサーバ装置1に送信する(S47)。サーバ装置1の制御部11は、表示装置4から前記ダウンロード要求を取得すると、前記ファイルを表示装置4に送信する(S18)。そして、表示装置4の制御部41は、サーバ装置1から前記ファイルを取得すると、取得したファイルを表示部43に表示させる(S48)(
図10参照)。
【0088】
以上のように、前記第3表示処理では、利用者端末3が、サーバ装置1により生成された前記ファイルアクセス情報を含むQRコードを表示させ、表示装置4が、当該QRコードを読み取って前記ファイルアクセス情報を取得する。そして、表示装置4は、前記ファイルアクセス情報に基づいてサーバ装置1からファイルをダウンロードして表示部43に表示させる。
【0089】
前記第3表示処理を実行する表示システム100は、例えば以下の構成により実現される。サーバ装置1は、ファイルアクセス情報を含むQRコードを生成し、生成したQRコードの情報を利用者端末3に送信するQRコード生成部を備える。また、利用者端末3は、QRコード生成部により生成されるQRコードを表示させる。そして、表示装置4のファイル取得部114は、利用者端末3に表示されるQRコードを読み取ることにより前記ファイルアクセス情報を取得し、取得した前記ファイルアクセス情報に基づいてサーバ装置1から前記ファイルを取得する。
【0090】
以上説明したように、本実施形態に係る表示システム100では、サーバ装置1が、利用者端末3において入力される利用者の認証情報に基づいて、ファイルの利用に対する前記利用者の認証を行い、前記利用者が認証された場合に、前記ファイルにアクセスするためのファイルアクセス情報(第1アクセス情報)を生成する。また、表示装置4は、サーバ装置1により生成される前記ファイルアクセス情報に基づいて、サーバ装置1から前記ファイルを取得し、前記ファイルを表示部43に表示させる。このように、利用者は、表示装置4に認証情報を入力せず、自身の携帯端末に認証情報(ログイン情報)を入力するため、認証操作の操作性を向上させることができ、かつ、他の利用者に認証情報が漏洩することを防止することができる。また、認証処理は前記ファイルを管理するサーバ装置1が行い、表示装置4と利用者端末3とは、前記認証情報のやり取りを行わないため、表示装置4を介して前記認証情報が漏洩することを防止することができる。また、表示装置4は、利用者により選択されたファイルを、ファイルアクセス情報(リンク情報)にアクセスするだけで取得することができるため、通信頻度を抑制でき、システム構成を簡略化することができる。
【0091】
なお、本発明に係る表示システム100は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された各実施形態を自由に組み合わせること、或いは各実施形態を適宜、変形又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 :サーバ装置
2 :アクセス情報データベース
3 :利用者端末
4 :表示装置
100 :表示システム
111 :認証処理部
112 :ファイル特定部
113 :アクセス情報生成部
114 :ファイル取得部
121 :ファイル情報
122 :利用者情報
311 :ブラウザ処理部
411 :表示処理部
412 :操作受付部
413 :QRコード生成部
414 :ファイル取得部