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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】カメ型ロボット装置
(51)【国際特許分類】
   B63G 8/14 20060101AFI20240722BHJP
   B63G 8/24 20060101ALI20240722BHJP
   B63G 8/22 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
B63G8/14
B63G8/24
B63G8/22
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023151653
(22)【出願日】2023-09-19
【審査請求日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】112122689
(32)【優先日】2023-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511212376
【氏名又は名称】先鋒材料科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PIONEER MATERIAL PRECISION TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1F, NO.11, WUCYUAN 2ND RD., Wugu Dist., NEW Taipei City 248, Taiwan,
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホアン ウェイ ユィ
(72)【発明者】
【氏名】チェン タイ ユィ
(72)【発明者】
【氏名】イエ リー ユアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン チャン チー
(72)【発明者】
【氏名】リウ チン ホン
(72)【発明者】
【氏名】シェン チー ウェイ
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第115071933(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103085955(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63G 8/00 - 8/42
B63C 11/48 - 11/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体ユニットと、肢体ユニットと、制御ユニットと、を含むカメ型ロボット装置であって、
前記胴体ユニットは、本体と、前記本体の前側に接続されている頭部と、前記本体の頂側に接続されている甲羅部と、前記頭部及び前記甲羅部のうちの少なくとも一者を駆動して前記胴体ユニットの体積を変える少なくとも1つの駆動装置と、を含み、
前記肢体ユニットは、前記胴体ユニットに接続されている一対の前肢機構と、前記胴体ユニットに接続されている一対の後肢機構と、を含み、
前記制御ユニットは、水深を測定する水深測定器と、前記駆動装置と前記肢体ユニットと前記水深測定器とに電気的に接続されている回路モジュールと、を含み、且つ、前記回路モジュールが前記水深測定器の信号を受けてカメ型ロボット装置が目標水深位置に位置するか否かを判断し、該目標水深位置に位置していないと判断すると、前記駆動装置を制御して前記胴体ユニットの体積を変えて前記胴体ユニットの密度を調整することにより、カメ型ロボット装置の水中における位置である水深位置を調整するように構成されており
前記頭部は、前記本体に固定されるように接続されている固定部と、前記固定部に対して伸長位置と後退位置との間で前後移動することができるように前記固定部に設置されている可動部と、を含み、且つ、前記可動部が前記伸長位置にある場合の体積が前記可動部が前記後退位置にある場合の体積より大きくなるように構成されており、
前記駆動装置は、駆動モータと、前記駆動モータと前記可動部とに接続されている伝動モジュールと、を含み、
前記伝動モジュールは、前記駆動モータに駆動されて前記可動部を前記伸長位置または前記後退位置へ移動させる、
ことを特徴とするカメ型ロボット装置。
【請求項2】
前記伝動モジュールは、前記駆動モータに駆動されて回転するネジ棒と、前記可動部に固定されながら、前記ネジ棒と螺合するナットと、を含み、
前記ネジ棒の回転により、前記ナットが前記可動部と共に前記ネジ棒に対して移動する、ことを特徴とする請求項に記載のカメ型ロボット装置。
【請求項3】
前記可動部は、前記固定部に外嵌されており、
前記頭部は、前記固定部と前記可動部との間に設置されて液体の通過を防止する少なくとも1つのシールリングを更に含む、ことを特徴とする請求項に記載のカメ型ロボット装置。
【請求項4】
前記頭部は、前記固定部と前記可動部とに接続されて液体の通過を防止する防水弾性スリーブを更に含む、ことを特徴とする請求項に記載のカメ型ロボット装置。
【請求項5】
前記甲羅部は、前記本体に対して、上昇位置と降下位置との間に上下移動することができ、且つ、前記上昇位置にある場合の前記本体及び前記甲羅部全体の体積が前記降下位置にある場合の前記本体及び前記甲羅部全体の体積より大きくなるように構成されており、
前記駆動装置は、駆動モータと、前記駆動モータと前記甲羅部とに接続されている伝動モジュールと、を含み、
前記伝動モジュールは、前記駆動モータに駆動されて前記甲羅部を前記上昇位置または前記降下位置へ移動させる、ことを特徴とする請求項1に記載のカメ型ロボット装置。
【請求項6】
前記伝動モジュールは、前記駆動モータに駆動されて回転するネジ棒と、前記甲羅部に固定されながら、前記ネジ棒と螺合するナットと、を含み、
前記ネジ棒の回転により、前記ナットが前記甲羅部と共に前記ネジ棒に対して移動する、ことを特徴とする請求項に記載のカメ型ロボット装置。
【請求項7】
前記本体は、底壁と、前記底壁の周縁から上へ延伸する周壁と、を含み、
前記甲羅部は、前記底壁の上方で前記底壁と向き合っている頂壁と、前記頂壁の周縁から下へ延伸して前記周壁の内側に当接している側壁と、を含み、
前記胴体ユニットは、前記周壁と前記側壁との間に設置されて液体の通過を防止する少なくとも1つのシールリングを更に含む、ことを特徴とする請求項に記載のカメ型ロボット装置。
【請求項8】
前記胴体ユニットは、前記本体と前記甲羅部とに接続されて液体の通過を防止する防水弾性スリーブを更に含む、ことを特徴とする請求項に記載のカメ型ロボット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメ型ロボット装置に関し、特に密度を変化することができるカメ型ロボット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメ型ロボット装置、例えば特許文献1に記載されているカメ型ロボット装置は、主にカメの外見及び水中で泳ぐ動きを真似して製造された機械装置であり、活動できる一対の前肢及び一対の後肢を有し、且つ浮上や潜降を制御することができる。
【0003】
現在、カメ型ロボット装置の浮上や潜降を制御する方法は様々あり、その一種としては浮力調整である。そして、このようなカメ型ロボット装置における浮力調整技術の多様化に関しては、更なる発展の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】

【文献】中国特許出願公開第107140163号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、密度を変えて浮力を調整するカメ型ロボット装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明は、胴体ユニットと、肢体ユニットと、制御ユニットと、を含むカメ型ロボット装置であって、
前記胴体ユニットは、本体と、前記本体の前側に接続されている頭部と、前記本体の頂側に接続されている甲羅部と、前記頭部及び前記甲羅部のうちの少なくとも一者を駆動して前記胴体ユニットの体積を変える少なくとも1つの駆動装置と、を含み、
前記肢体ユニットは、前記胴体ユニットに接続されている一対の前肢機構と、前記胴体ユニットに接続されている一対の後肢機構と、を含み、
前記制御ユニットは、水深を測定する水深測定器と、前記駆動装置と前記肢体ユニットと前記水深測定器とに電気的に接続されている回路モジュールと、を含み、且つ、前記回路モジュールが前記水深測定器の信号を受けてカメ型ロボット装置が目標水深位置に位置するか否かを判断し、該目標水深位置に位置していないと判断すると、前記駆動装置を制御して前記胴体ユニットの体積を変えて前記胴体ユニットの密度を調整することにより、カメ型ロボット装置の水中における位置である水深位置を調整するように構成されている、ことを特徴とするカメ型ロボット装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、胴体ユニットと、肢体ユニットと、制御ユニットと、を含むカメ型ロボット装置であって、
前記胴体ユニットは、本体と、前記本体の前側に接続されている頭部と、前記本体の頂側に接続されている甲羅部と、前記本体に設置されて貯水と排水とにより前記胴体ユニットの重量を変える少なくとも1つの重量調整機構と、を含み、
前記肢体ユニットは、前記胴体ユニットに接続されている一対の前肢機構と、前記胴体ユニットに接続されている一対の後肢機構と、を含み、
前記制御ユニットは、水深を測定する水深測定器と、前記重量調整機構と前記肢体ユニットと前記水深測定器とに電気的に接続されている回路モジュールと、を含み、且つ、前記回路モジュールが前記水深測定器の信号を受けてカメ型ロボット装置が目標水深位置に位置するか否かを判断し、該目標水深位置に位置していないと判断すると、前記重量調整機構を制御して前記胴体ユニットの重量を変えて前記胴体ユニットの密度を調整することにより、カメ型ロボット装置の水中における位置である水深位置を調整するように構成されている、ことを特徴とするカメ型ロボット装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のカメ型ロボット装置は、胴体ユニットの体積または重量を変えることにより全体の密度を調整し、それにより、カメ型ロボット装置の浮上や潜降や水中の定位置での停留を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のカメ型ロボット装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
図2】上記の第1の実施形態を示す斜視図である。
図3】上記の第1の実施形態を示す部分部品分解図である。
図4】上記の第1の実施形態を示すブロック図である。
図5】上記の第1の実施形態の頭部が伸長位置にあることを示す部分断面図である。
図6】上記の第1の実施形態の頭部が後退位置にあることを示す部分断面図である。
図7】本発明のカメ型ロボット装置の第2の実施形態を示す斜視図である。
図8】上記の第2の実施形態の頭部が伸長位置にあることを示す部分断面図である。
図9】上記の第2の実施形態の頭部が後退位置にあることを示す部分断面図である。
図10】本発明のカメ型ロボット装置の第3の実施形態を示す斜視図である。
図11】上記の第3の実施形態の甲羅部が上昇位置にあることを示す断面図である。
図12】上記の第3の実施形態の甲羅部が降下位置にあることを示す断面図である。
図13】本発明のカメ型ロボット装置の第4の実施形態を示す斜視図である。
図14】上記の第4の実施形態の甲羅部が上昇位置にあることを示す断面図である。
図15】上記の第4の実施形態の甲羅部が降下位置にあることを示す断面図である。
図16】本発明のカメ型ロボット装置の第5の実施形態を示す斜視図である。
図17】上記の第5の実施形態の甲羅部が除去された状態を示す上視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の目的、技術手段、及び利点をより明確に説明するために、以下、本発明の実施形態の添付図面を組み合わせて、本発明の実施形態における技術手段に対して明確且つ完全に説明する。説明する実施形態は、本発明の一部の実施形態であり、すべての実施形態ではないことが明らかであろう。通常、添付図面に描きまた示す本発明の実施形態の部品は各種異なる配置で布置及び設計することができる。従って、以下、添付図面中に提供した本発明の実施形態の詳細説明は、本発明の保護範囲に対していかなる制限も構成せず、単に本発明の選択された実施形態を示すのみである。
【0011】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合には、参照符号または参照符号の末端部分が、対応するまたは類似する要素を示すために図間で繰り返されており、これらは任意に同様の特性を有することができることに留意されたい。
【0012】
本発明の説明において、「上」、「下」、「内」、「外」、「左」、「右」、「前」、「後」などの方位や位置関係を示す用語は、より簡単且つ明瞭に説明するために、図面に示される方位や位置関係、または本発明の製品を使用する際に習慣的に置かれる方位や位置関係に基づくものであり、対応する装置やデバイスが特定の方位、特定の方位における構造や操作などを有することを教示または示唆するものではなく、本発明に対する限定ではない。
【0013】
また、本発明の説明において、「第1」、「第2」などの用語は、ただ区別を目的として使用され、相対的な重要性を教示または示唆するものではない。
【0014】
本発明は、新しいカメ型ロボット装置を提供するものであるが、矛盾しない限り、本発明の各実施形態の特徴は組み合わせることができる。
【0015】
図1図4に示されるように、本発明のカメ型ロボット装置の第1の実施形態は、胴体ユニット1と、肢体ユニット2と、制御ユニット3とを含む。
【0016】
胴体ユニット1は、本体11と、本体11の前側に接続されている頭部12と、本体11の頂側に接続されている甲羅部13と、頭部12を駆動することにより胴体ユニット1の体積を変える1つの駆動装置14とを含む。
【0017】
本体11と甲羅部13とは共に収容空間15を画成する。
【0018】
図1図5図6に示されるように、第1の実施形態において、頭部12は、本体11に固定されるように接続されている固定部121と、固定部121に対して図5に示されるような伸長位置と図6に示されるような後退位置との間で前後移動することができるように固定部121に外嵌されている可動部122と、固定部121と可動部122との間に設置されて液体の通過を防止する2つのシールリング123とを含む。
【0019】
固定部121と可動部122とは、駆動装置14を収容するために中空に形成されている。
【0020】
第1の実施形態において、2つのシールリング123は、互いに間隔が空くように固定部121の先端に近い部分に環装されており、それにより、2つのシールリング123が二重の防水構造になって、防水効果が強化される。もちろん、1つのシールリング123を使用しても防水効果を達成できる。
【0021】
駆動装置14は、駆動モータ141と、駆動モータ141と可動部122とに接続されている伝動モジュール142とを含む。
【0022】
伝動モジュール142は、駆動モータ141に駆動されて回転するネジ棒142aと、可動部122に固定されながら、ネジ棒142aと螺合するナット142bとを含む。
【0023】
第1の実施形態において、可動部122は、支持板122aを含む。支持板122aには、ナット142bを設置するための貫通孔が形成されている。
【0024】
駆動モータ141に駆動されるネジ棒142aの回転により、ナット142bが可動部122と共にネジ棒142aに対して移動することで、可動部122を前記伸長位置または前記後退位置へ移動させる。即ち、頭部12は、可動部122の前記伸長位置と前記後退位置との間の前後移動により伸縮し、そして、頭部12の伸縮により胴体ユニット1が伸縮して体積が変わる。
【0025】
また、頭部12は、可動部122が前記伸長位置にある場合の体積が可動部122が前記後退位置にある場合の体積より大きくなるように構成されている。
【0026】
密度の計算公式(密度=重量/体積)により、重量が変わらない場合、体積が大きいほど密度が小さくなる。
【0027】
従って、可動部122が前記伸長位置にある場合、重量が変わらない胴体ユニット1の体積が大きくなって密度が小さくなり、逆に、可動部122が前記後退位置にある場合、胴体ユニット1の体積が小さくなって密度が大きくなる。
【0028】
図1及び図2に示されるように、肢体ユニット2は、胴体ユニット1に接続されている一対の前肢機構21と、胴体ユニット1に接続されている一対の後肢機構22とを含む。
【0029】
各前肢機構21は、前肢板体211と、第1のモータ212と、第2のモータ213と、第3のモータ214と、第4のモータ215とを含む。
【0030】
第1のモータ212は、前肢板体211を駆動して前肢板体211を前後搖動させるものである。
【0031】
第2のモータ213は、前肢板体211を駆動して前肢板体211を上下搖動させるものである。
【0032】
第3のモータ214は、前肢板体211を駆動して前肢板体211を湾曲させるものである。
【0033】
第4のモータ215は、前肢板体211を駆動して前肢板体211を回転させるものである。
【0034】
各後肢機構22は、後肢板体221と、後肢モータ222とを含む。
【0035】
後肢モータ222は、後肢板体221を駆動して後肢板体221を左右搖動させるものである。
【0036】
図2図4に示されるように、制御ユニット3は、収容空間15に位置している。且つ、制御ユニット3は、水深を測定する水深測定器31と、駆動装置14と肢体ユニット2と水深測定器31と電気的に接続されている回路モジュール32とを含む。
【0037】
第1の実施形態において、水深測定器31は、圧力測定器であって、シーラント(sealant)を用いて本体11から突出している連通管33に接続されている。
【0038】
連通管33が水中に延びることにより、水深測定器31が水圧を測定して水深を測定することができる。
【0039】
回路モジュール32は、マイクロ処理装置(microprocessor)と、駆動装置14及び肢体ユニット2内の全部のモータを制御する駆動制御器とを含む。
【0040】
制御ユニット3は、回路モジュール32が水深測定器31の信号を受けて、カメ型ロボット装置が目標水深位置に位置するか否かを判断し、該目標水深位置に位置していない場合には、駆動装置14を制御して胴体ユニット1の体積を変えて胴体ユニット1の密度を調整することにより、カメ型ロボット装置の水中における位置である水深位置を調整するように構成されている。
【0041】
具体的に、カメ型ロボット装置が目標水深位置より深い位置に位置する場合、回路モジュール32が駆動装置14を制御して可動部122を前記伸長位置に移動させることにより、胴体ユニット1の体積を増やして胴体ユニット1ないしカメ型ロボット装置全体の密度を下げる。それにより、カメ型ロボット装置の密度が水の密度より小さくなり、カメ型ロボット装置が浮上する。
【0042】
カメ型ロボット装置が目標水深位置より浅い位置に位置する場合、回路モジュール32が駆動装置14を制御して可動部122を前記後退位置に移動させることにより、胴体ユニット1の体積を減らして胴体ユニット1ないしカメ型ロボット装置全体の密度を上げる。それにより、カメ型ロボット装置の密度が水の密度より大きくなり、カメ型ロボット装置が潜降する。
【0043】
カメ型ロボット装置の密度が水の密度と相同すると、カメ型ロボット装置は、水中の定位置に留まり、いわゆるホバリングの状態になる。
【0044】
図7図9に示されるように、本発明のカメ型ロボット装置の第2の実施形態は、頭部12の防水構造以外、第1の実施形態と類似し、ここでは第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第1の実施形態との相違点のみ説明する。
【0045】
第2の実施形態において、頭部12は、固定部121と可動部122とに接続されて液体の通過を防止する防水弾性スリーブ124を更に含む。
【0046】
防水弾性スリーブ124の両端のそれぞれは、固定部121と可動部122とを外嵌するように接続され、金属製の2つの固縛環125を用いて、防水弾性スリーブ124の両端のそれぞれを固定部121と可動部122とに固定してシーラントを塗布して防水効果を強化する。
【0047】
防水弾性スリーブ124は、可動部122に伴って伸縮することができる。
【0048】
図10図12に示されるように、本発明のカメ型ロボット装置の第3の実施形態は、甲羅部13の伸縮により胴体ユニット1の体積を変えること以外、第1の実施形態と類似し、ここでは第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第1の実施形態との相違点のみ説明する。
【0049】
第3の実施形態において、甲羅部13は、本体11に対して、図11に示されるような上昇位置と、図12に示されるような降下位置との間に上下移動することができる。
【0050】
胴体ユニット1は、2つの駆動装置14を含んで2つの駆動装置14が共に甲羅部13を駆動する。
【0051】
本体11は、底壁111と、底壁111の周縁から上へ延伸する周壁112とを含む。
【0052】
甲羅部13は、底壁111の上方で底壁111と向き合っている頂壁131と、頂壁131の周縁から下へ延伸して周壁112の内側に当接している側壁132と、頂壁131と接続されている支持板133とを含む。
【0053】
胴体ユニット1は、周壁112と側壁132との間に設置されて液体の通過を防止する2つのシールリング16を更に含む。
【0054】
第3の実施形態において、2つのシールリング16は、互いに間隔が空くように側壁132の下端に近い部分に環装されており、それにより、2つのシールリング16が二重の防水構造になって、防水効果が強化される。もちろん、1つのシールリング16を使用しても防水効果を達成できる。
【0055】
2つの駆動装置14は、左右で間隔を開けて収容空間15に設置されている。
【0056】
各駆動装置14は、駆動モータ141と、駆動モータ141と甲羅部13とに接続されている伝動モジュール142とを含む。
【0057】
各伝動モジュール142は、駆動モータ141に駆動されて回転するネジ棒142aと、甲羅部13に固定されながら、ネジ棒142aと対応して合わせるナット142bとを含む。
【0058】
第3の実施形態において、支持板133には、2つのナット142bを設置するための2つの貫通孔が形成されている。
【0059】
駆動モータ141に駆動されるネジ棒142aの回転により、ナット142bが甲羅部13と共にネジ棒142aに対して移動することで、甲羅部13を前記上昇位置または前記降下位置へ移動させる。即ち、胴体ユニット1は、甲羅部13の前記上昇位置と前記降下位置との間の上下移動により伸縮して体積が変わる。
【0060】
甲羅部13は、前記上昇位置にある場合の本体11及び甲羅部13の体積が前記降下位置にある場合の本体11及び甲羅部13の体積より大きくなるように構成されている。即ち、甲羅部13が前記上昇位置へ移動するほど、胴体ユニット1の体積が大きくなって密度が小さくなり、逆に、甲羅部13が前記降下位置へ移動するほど、胴体ユニット1の体積が小さくなって密度が大きくなる
第3の実施形態は、第1の実施形態と同じ制御ユニット3を含み、且つ、カメ型ロボット装置の浮上や潜降や水中の定位置に留めることを制御する方法も第1の実施形態と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0061】
図13図15に示されるように、本発明のカメ型ロボット装置の第4の実施形態は、本体11と甲羅部13との間の防水構造以外、第3の実施形態と類似し、ここでは第3の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第3の実施形態との相違点のみ説明する。
【0062】
第4の実施形態において、胴体ユニット1は、本体11と甲羅部13とに接続されて液体の通過を防止する防水弾性スリーブ17を更に含む。
【0063】
防水弾性スリーブ17の両端のそれぞれは、本体11と甲羅部13とを外嵌するように接続され、金属製の2つの固縛環171を用いて、防水弾性スリーブ17の両端のそれぞれを本体11と甲羅部13とに固定してシーラントを塗布して防水効果を強化する。
【0064】
防水弾性スリーブ17は、甲羅部13の移動に伴って伸縮することができる。
【0065】
図16図17に示されるように、本発明のカメ型ロボット装置の第5の実施形態は、胴体ユニット1と、肢体ユニット2と、制御ユニット3とを含む。
【0066】
胴体ユニット1は、本体11と、本体11の前側に接続されている頭部12と、本体11の頂側に接続されている甲羅部13と、本体11に設置されて貯水と排水とにより胴体ユニット1の重量を変える2つの重量調整機構18とを含む。
【0067】
第5の実施形態において、各重量調整機構18は、末端181aが本体11から突出している貯水筒181と、貯水筒181内に設置されているピストンモジュール182と、ピストンモジュール182を駆動する駆動モータ183とを含む。
【0068】
ピストンモジュール182の貯水筒181内での移動により、吸水または排水を制御し、ピストンモジュール182が貯水筒181の末端181aから離れるように移動すると吸水することができ、ピストンモジュール182が貯水筒181の末端181aに近づくように移動すると排水することができる。
【0069】
貯水筒181内の水量が多いほど、胴体ユニット1の重量が増え、逆に、貯水筒181内の水量が少ないほど、胴体ユニット1の重量が減る。上記の密度の公式により、体積が変わらない場合、重量が大きいほど密度が大きくなる。
【0070】
従って、重量調整機構18内の水量が多いほど、胴体ユニット1の密度が増え、逆に、重量調整機構18内の水量が少ないほど、胴体ユニット1の密度が減る。
【0071】
第5の実施形態において、肢体ユニット2及び制御ユニット3は、第1の実施形態とほぼ同じであるので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0072】
第5の実施形態において、制御ユニット3によりカメ型ロボット装置の水中における位置である水深位置を制御する方法は、第1の実施形態とほぼ同じで、カメ型ロボット装置の全体の密度を調整することにより、カメ型ロボット装置の浮上や潜降や水中の定位置での停留を制御する。
【0073】
上記の構成によれば、本発明のカメ型ロボット装置は、胴体ユニット1の体積または重量を変えることにより全体の密度を調整し、それにより、カメ型ロボット装置の浮上や潜降や水中の定位置での停留を制御する。
【0074】
本発明は、例示的な実施形態と考えられるものに関連して説明されてきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、そのような修正及び同等の配置をすべて包含するように最も広い解釈の精神及び範囲内に含まれる様々な配置を対象とすることが意図されていることが理解される。
【0075】
上記実施形態は例示的に本発明の原理及び効果を説明するものであり、本発明を制限するものではない。本技術を熟知する当業者であれば本発明の精神及び範囲から離れないという前提の下、上記の実施形態に対して若干の変更や修飾が可能である。従って、当業者が本発明の主旨から離れないという前提の下、行った全ての変更や修飾も本発明の保護範囲に含まれるものとされるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、カメ型ロボット装置の提供に適する。
【符号の説明】
【0077】
1 胴体ユニット
11 本体
111 底壁
112 周壁
12 頭部
121 固定部
122 可動部
122a、133 支持板
123、16 シールリング
124、17 防水弾性スリーブ
125 固縛環
13 甲羅部
131 頂壁
132 側壁
14 駆動装置
141 駆動モータ
142 伝動モジュール
142a ネジ棒
142b ナット
15 収容空間
171 固縛環
18 重量調整機構
181 貯水筒
181a 末端
182 ピストンモジュール
183 駆動モータ
2 肢体ユニット
21 前肢機構
211 前肢板体
212 第1のモータ
213 第2のモータ
214 第3のモータ
215 第4のモータ
22 後肢機構
221 後肢板体
222 後肢モータ
3 制御ユニット
31 水深測定器
32 回路モジュール
33 連通管
【要約】      (修正有)
【課題】密度を変えて浮力を調整するカメ型ロボット装置の提供。
【解決手段】胴体ユニット1は、本体11と、本体11に接続されている頭部12と、本体11に接続されている甲羅部13と、頭部12及び甲羅部13のうちの少なくとも一者を駆動して胴体ユニット1の体積を変える少なくとも1つの駆動装置とを含む。肢体ユニット2は、一対の前肢機構21と、一対の後肢機構22とを含む。制御ユニットは、水深測定器と、駆動装置と肢体ユニット2と水深測定器とに電気的に接続されている回路モジュールとを含み、回路モジュールが前記水深測定器の信号を受けてカメ型ロボット装置が目標水深位置に位置するか否かを判断し、否の場合、駆動装置を制御して胴体ユニット1の体積を変えて密度を調整することにより、カメ型ロボット装置の水中における位置である水深位置を調整する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
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図5
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