(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】アクティブサスペンションシステム
(51)【国際特許分類】
B60G 17/015 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
B60G17/015 B
(21)【出願番号】P 2023504455
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2021070448
(87)【国際公開番号】W WO2022018168
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-01-20
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513208973
【氏名又は名称】ジャガー・ランド・ローバー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JAGUAR LAND ROVER LIMITED
【住所又は居所原語表記】Abbey Road,Whitley,Coventry,Warwickshire CV3 4LF GB
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルーク・バーチ
(72)【発明者】
【氏名】ジム・ケリー
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ローセカー
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-522342(JP,A)
【文献】特表2001-520602(JP,A)
【文献】米国特許第05601307(US,A)
【文献】特開2009-006882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 17/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用システムであって、
ピストンと、前記ピストンによって分離された第1の上部流体チャンバ及び第2の下部流体チャンバとを含む、油圧サスペンションアクチュエータ;
サブフレームに取り付けられ、前記油圧サスペンションアクチュエータから横方向に分離された少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールであって、1つ又は複数のアクチュエータシステム構成要素を含む、少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール;
前記油圧サスペンションアクチュエータ及び前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールの横方向の間に配置された縦ビーム;及び
前記油圧サスペンションアクチュエータ及び前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールを流体接続する少なくとも1つの導管であって、前記縦ビームの上を通過する、少なくとも1つの導管
を含
み、
前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールは、少なくとも1つのポンプ及び少なくとも1つのアキュムレータを含む、システム。
【請求項2】
前記システムは、前記第1の上部流体チャンバを前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールに流体接続する第1の導管と、前記第2の下部流体チャンバを前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールに流体接続する第2の別個の導管とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サブフレームは開口部を含み、前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールは、前記サブフレームの上面の下に突出する少なくとも1つの取り付けプレートを介して、前記開口部内で前記サブフレームに取り付けられる、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの取り付けプレートは、少なくとも1つのボルトを使用して前記サブフレームに固定される、請求項
3に記載のシステム。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1項に記載のシステムであって、
ピストンと、前記ピストンによって分離された第1の上部流体チャンバ及び第2の下部流体チャンバとを含む、第2の油圧サスペンションアクチュエータ;
前記第2の油圧サスペンションアクチュエータ及び前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールの横方向の間に配置された第2の縦ビーム;及び
前記第2の油圧サスペンションアクチュエータ及び前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールを流体接続する少なくとも1つの導管であって、前記第2の縦ビームの上を通過する、少なくとも1つの導管
を含む、システム。
【請求項6】
前記システムは、前記第2のアクチュエータの前記第1の上部流体チャンバを前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールに流体接続する第1の導管と、前記第2のアクチュエータの前記第2の下部流体チャンバを前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールに流体接続する第2の別個の導管とを含む、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1及び前記第2の油圧サスペンションアクチュエータは、前記車両の共通の車軸に関連付けられている、請求項
5又は
6に記載のシステム。
【請求項8】
請求項1~
7の少なくとも1つに記載のシステムを少なくとも1つを含む車両。
【請求項9】
車両用システムであって、
ピストンと、前記ピストンによって分離された第1の上部流体チャンバ及び第2の下部流体チャンバとを含む、油圧サスペンションアクチュエータ;
サブフレームに取り付けられ、前記油圧サスペンションアクチュエータから横方向に分離された少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールであって、1つ又は複数のアクチュエータシステム構成要素を含む、少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール;及び
前記油圧サスペンションアクチュエータ及び前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールを流体接続する少なくとも1つの導管であって、前記油圧サスペンションアクチュエータ及び前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールの横方向の間に配置された前記車両の縦ビームの上を通過するように構成される、少なくとも1つの導管
を含
み、
前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールは、少なくとも1つのポンプ及び少なくとも1つのアキュムレータを含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アクティブサスペンションシステムに関する。特に、乗用車のアクティブサスペンションシステムに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
サスペンションを備えた車両の車輪、又はトラックなどの他の地面に係合する構造は、車両の本体に対して動くことができる。このような車両の本体にはさまざまな自由度がある。重要な自由度は、「ヒーブ」、すなわち垂直方向の動きと、ピッチとロールである。例えば、サスペンションを備えた車両の本体は、旋回などの際にロール運動を経験する。車体のロールに対抗又は防止するように制御できるアクティブサスペンションシステムが知られている。しかし、特定のアクティブシステムは、実装が複雑で費用がかかる場合がある。サスペンションシステムなどのシステムを車両にパッケージングすることは、そうするための物理的及び技術的な制限を考慮すると困難な場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、先行技術に関連する欠点の1つ又は複数に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の態様及び実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載のシステム及び方法を提供する。
【0005】
本発明の一態様によれば、車両用システムが提供され、前記システムは、ピストンと、前記ピストンによって分離された第1の上部流体チャンバ及び第2の下部流体チャンバとを含む、油圧サスペンションアクチュエータ;サブフレームに取り付けられ、前記油圧サスペンションアクチュエータから横方向に分離された少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールであって、1つ又は複数のアクチュエータシステム構成要素を含む、少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール;前記油圧サスペンションアクチュエータ及び前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールの横方向の間に配置された縦ビーム;及び前記油圧サスペンションアクチュエータ及び前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール(66)を流体接続する少なくとも1つの導管であって、前記縦ビームの上を通過する、少なくとも1つの導管を含む。1つの利点は、導管のルーティングが効率的なパッケージングを提供し、導管の保護/保守も提供することである。
【0006】
前記システムは、前記第1の上部流体チャンバを前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールに流体接続する第1の導管と、前記第2の下部流体チャンバを前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールに流体接続する第2の別個の導管とを含むことができる。
【0007】
前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールは、少なくとも1つのポンプ及び少なくとも1つのアキュムレータを含むことができる。
【0008】
前記サブフレームは開口部を含むことができ、前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールは、前記サブフレームの上面の下に突出する少なくとも1つの取り付けプレートを介して、前記開口部内で前記サブフレームに取り付けられる。1つの利点は、これが効率的なパッケージングを提供できることである。
【0009】
前記少なくとも1つの取り付けプレートは、少なくとも1つのボルトを使用して前記サブフレームに固定することができる。
【0010】
前記システムは、ピストンと、前記ピストンによって分離された第1の上部流体チャンバ及び第2の下部流体チャンバとを含む、第2の油圧サスペンションアクチュエータ;前記第2の油圧サスペンションアクチュエータ及び前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールの横方向の間に配置された第2の縦ビーム;及び前記第2の油圧サスペンションアクチュエータ及び前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールを流体接続する少なくとも1つの導管であって、前記第2の縦ビームの上を通過する、少なくとも1つの導管を含むことができる。1つの利点は、導管のルーティングが効率的なパッケージングを提供し、導管の保護/保守も提供することである。
【0011】
前記システムは、前記第2のアクチュエータの前記第1の上部流体チャンバを前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールに流体接続する第1の導管と、前記第2のアクチュエータ前記第2の下部流体チャンバを前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールに流体接続する第2の別個の導管とを含むことができる。
【0012】
前記第1及び前記第2の油圧サスペンションアクチュエータは、前記車両の共通の車軸に関連付けることができる。本発明の別の態様によれば、前の段落のいずれかによる、及び/又は本明細書に記載の少なくとも1つのシステムを含む車両が提供される。いくつかの例では、車両は共有モビリティ車両である。
【0013】
本発明の別の態様によれば、車両用システムが提供され、前記システムは、ピストンと、前記ピストンによって分離された第1の上部流体チャンバ及び第2の下部流体チャンバとを含む、油圧サスペンションアクチュエータ;サブフレームに取り付けられ、前記油圧サスペンションアクチュエータから横方向に分離された少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールであって、1つ又は複数のアクチュエータシステム構成要素を含む、少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール;及び前記油圧サスペンションアクチュエータ及び前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールを流体接続する少なくとも1つの導管であって、前記油圧サスペンションアクチュエータ及び前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールの横方向の間に配置された前記車両の縦ビームの上を通過するように構成される、少なくとも1つの導管を含む。
【0014】
本発明の別の態様によれば、車両用システムが提供され、前記システムは、
サブフレームに取り付けられた少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールであって、1つ又は複数のアクチュエータシステム構成要素を含む、少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールを含み、前記サブフレームは開口部を含み、前記少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュールは、前記サブフレームの上面の下に突出する少なくとも1つの取り付けプレートを介して、前記開口部内で前記サブフレームに取り付けられる。1つの利点は、これが効率的なパッケージングを提供できることである。
【0015】
本出願の範囲内において、前の段落、特許請求の範囲、及び/又は以下の説明及び図面、特にその個々の特徴に記載されているさまざまな態様、実施形態、例、及び代替案は、独立して、又は任意の組み合わせで解釈できることが明示的に意図される。すなわち、すべての実施形態及び/又は任意の実施形態の特徴は、そのような特徴が両立しない場合を除き、任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わせることができる。出願人は、最初に提出された請求項を変更する権利、又はそれに応じて新しい請求項を提出する権利を留保する。これには、最初に提出された請求項を修正して、他の請求項に依拠するように修正する権利、及び/又は当初そのような方法で請求されていたかどうかにかかわらず、他の請求項の特徴を組み込む権利が含まれる。
【0016】
ここで、本発明の1つ又は複数の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は車両サスペンションシステム用のアクチュエータシステムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は車両サスペンションシステム用の複数のアクチュエータシステムの一例を示す図である。
【
図3】
図3は車両サスペンションシステム用のアクチュエータシステムの一例を示す図である。
【
図5】
図5はアクチュエータシステムを操作する方法の一例を示す図である。
【
図7】
図7は車両用システムの一例を示す図である。
【
図8】
図8は車両用システムの一例を示す図である。
【
図10】
図10は車両サスペンションシステム用のアクチュエータシステムの代替例を示す図である。
【
図11】
図11は車両サスペンションシステム用の複数のアクチュエータシステムの代替例を示す図である。
【
図12】
図12は車両サスペンションシステム用のアクチュエータシステムの代替例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、アクチュエータシステム10の一例を示す。図示の例では、アクチュエータシステム10は、サスペンションシステム12用のアクチュエータシステム10である。
【0019】
図1を参照すると、アクチュエータシステム10は、ピストン16と、第1の上部流体チャンバ18及び第2の下部流体チャンバ20とを含む第1のアクチュエータ14を含み、第1及び第2の流体チャンバ18、20はピストン16によって分離される。
【0020】
アクチュエータシステム10はまた、ピストン28と、第1の上部流体チャンバ29及び第2の下部流体チャンバ31とを含む第2のアクチュエータ26を含み、第1及び第2の流体チャンバ29、31はピストン28によって分離される。
【0021】
図1のアクチュエータシステム10はまた、第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18と第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31とを流体接続する第1の油圧ギャラリー22、及び、第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20と第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29とを流体接続する第2の油圧ギャラリー24を含む。
【0022】
図1のアクチュエータシステム10はまた、第1の油圧ギャラリー22と第2の油圧ギャラリー24との間で流体を圧送するように構成された少なくとも1つのポンプ30を含む。
【0023】
いつくかの例では、
図1のアクチュエータシステム10は、
図1に示されていない1つ又は複数の追加の構成要素を含むことができる。
【0024】
例えば、アクチュエータシステム10は、1つ又は複数の圧力制御バルブV1、1つ又は複数以上のダンパーバルブV2、1つ又は複数のチェックバルブV3などの1つ又は複数のバルブVを含むことができる。
【0025】
追加的又は代替的に、アクチュエータシステム10は、いくつかの例では、1つ又は複数のアキュムレータAを含むことができる。例えば、
図2及び3を参照されたい。
【0026】
1つ又は複数のバルブ及び/又は1つ又は複数のアキュムレータAは、アクチュエータシステム10の周りの流体の流れを制御するように構成することができる。
【0027】
図1に関連して言及された1つ又は複数の特徴は、他の図に見出すことができる。
【0028】
サスペンションシステム12は、1つ又は複数のばね及び/又は空気ばねなどの他の要素又は構成要素を含む。例えば、
図3を参照されたい。
【0029】
使用中、第1及び第2のアクチュエータ14、26は、アクチュエータシステム10に加えられる力に応答して伸長又は収縮することにより、車両46の乗り心地を改善するために使用される。
【0030】
例えば、使用中、第1のアクチュエータ14及び/又は第2のアクチュエータ26は、ピストン16、28の運動によって収縮又は伸長することができる。
【0031】
いくつかの例では、アクチュエータ14、26は、車両46の本体17を、関連付けられた車輪32、34に連結する。いくつかの実施形態では、車輪32、34は、共通の車軸36に関連付けることができる。あるいは、車輪は、異なる車軸36に関連付けることができる。
【0032】
したがって、使用中、本体17は、アクチュエータ14、26の伸長及び/又は収縮を通じて車輪32、34に対して移動することができる。
【0033】
図1の例では、第1の油圧ギャラリー22は、第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18と第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31とを流体接続する。
【0034】
第1の油圧ギャラリー22は、第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18と第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31との間で流体が移動又は流れることを可能にするものと考えることができる。
【0035】
いくつかの例では、第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18と第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31との間の流体接続を提供するための任意の適切な手段を使用することができる。例えば、任意の適切なホース、チューブ及び/又はパイプなどを使用することができる。
【0036】
追加的又は代替的に、第1の油圧ギャラリー22は、第1の上部及び第2の下部チャンバ18、31を直接的又は間接的に接続することができ、及び/又は任意の数の介在要素を含むことができる(介在要素がない場合も含む)。
【0037】
いくつかの例では、第1のアクチュエータ14の上部流体チャンバ18と第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31との間の任意の適切な数の接続部を使用することができる。
【0038】
図1では、第2の油圧ギャラリー24は、第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20と第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29とを流体接続する。
【0039】
第2の油圧ギャラリー24は、第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20と第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29との間で流体が移動又は流れることを可能にするものと考えることができる。
【0040】
いくつかの例では、第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20と第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29との間の流体接続を提供するための任意の適切な手段を使用することができる。例えば、任意の適切なホース、チューブ及び/又はパイプなどを使用することができる。
【0041】
追加的又は代替的に、第2の油圧ギャラリー22は、第2の上部及び第1の下部チャンバ20、29を直接的又は間接的に接続することができ、及び/又は任意の数の介在要素を含むことができる(介在要素がない場合も含む)。
【0042】
いくつかの例では、第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20と第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29との間の任意の適切な数の接続部を使用することができる。
【0043】
いくつかの例では、第1及び第2の油圧ギャラリーは、第1及び第2の油圧接続、リンク、アタッチメント、ネットワーク、カップリング、ジョイントなどと考えることができる。
【0044】
いくつかの例では、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24は、それらが接続される流体チャンバ18、31、20、29を含むと考えることができる。
【0045】
図1の例では、少なくとも1つのポンプ30は、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24の間で作動油などの流体を圧送するように構成される。任意の適切な作動油を使用することができる。
【0046】
いくつかの例では、任意の適切なポンプ(1つ又は複数)を使用することができる。
【0047】
アクチュエータシステム10は、第1の油圧ギャラリー22と第2の油圧ギャラリー24との間で流体を圧送するために、任意の適切な位置に任意の適切な数のポンプ30を含むことができる。
【0048】
これは、破線のポンプ30によって
図1の例に示されている。
【0049】
例えば、いくつかの例では、システム10は、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24の間で流体を圧送するように構成された単一の双方向ポンプ30を含む。例えば、
図2及び3を参照されたい。
【0050】
したがって、いくつかの例では、アクチュエータシステム10は、関連付けられた車輪32、34のセットごとに、又は車軸36ごとに単一のポンプ30を含むことができる。
【0051】
いくつかの例では、1つ又は複数のポンプ30を、2つの油圧ギャラリー22、24の間で流体を圧送できるようにする任意の適切な方法で、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24の間に接続することができる。
【0052】
第1及び第2の油圧ギャラリー22、24の間の流体の圧送は、車両46のアクティブな運動制御を可能にする。アクチュエータ14、26が、車両46の本体17を車両46のいずれかの側の車輪32、34に連結する実施形態(例えば共通の車軸に関連付けられている)では、第1の油圧ギャラリー22と第2の油圧ギャラリー24との間の流体の圧送は、車両46のアクティブなロール制御を可能にする。
【0053】
例えば、ポンプ30が、第1の油圧ギャラリー22から第2の油圧ギャラリー24に流体を圧送するように制御されたとき、流体は、第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18及び第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31から、第2の油圧ギャラリー24、第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20、及び第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29に移動される。
【0054】
いくつかの例では、ポンプ30が、第1の油圧ギャラリー22から第2の油圧ギャラリー24に流体を圧送するように制御されたとき、第1の油圧ギャラリー内(第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18及び第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31を含む)の圧力が低下し、第2の油圧ギャラリー24内(第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20及び第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29を含む)の圧力が上昇する。
【0055】
したがって、流体が第1の油圧ギャラリー22から第2の油圧ギャラリー24に圧送されると、第1のアクチュエータ14は伸張する傾向にあり、第2のアクチュエータ26は収縮する傾向にある。これにより、車両46の本体17は、
図1で見られるように右にロールする。
【0056】
ポンプ30が、第2の油圧ギャラリー24から第1の油圧ギャラリー22に流体を圧送するように制御されたとき、流体は、第1のアクチュエータ14の第2の下部チャンバ20及び第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29から、第1の油圧ギャラリー22、第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18、及び第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31に移動される。
【0057】
いくつかの例では、ポンプ30が、第2の油圧ギャラリー24から第1の油圧ギャラリー22に流体を圧送するように制御されたとき、第2の油圧ギャラリー24内(第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29及び第1のアクチュエータ14の第2の下部チャンバ20を含む)の圧力が低下し、第1の油圧ギャラリー内22(第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31及び第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18を含む)の圧力が上昇する。
【0058】
そのような例では、第2のアクチュエータ26は伸張する傾向があり、第1のアクチュエータ14は収縮する傾向がある。したがって、そのような例では、車両46の本体17は、
図1に見られるように左にロールする。
【0059】
アクチュエータ14、26が、車両46の本体17を異なる前車軸及び後車軸36に関連付けられた車輪32、34に連結する実施形態では、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24の間の流体の圧送により、車両46のアクティブなピッチ制御が可能になる。これにより、ある油圧ギャラリーから別の油圧ギャラリーへの流体の圧送は、車両46の本体17を前方又は後方にピッチさせる傾向にある。
【0060】
このようにして、車両46の本体17のロール及び/又はピッチは、アクチュエータシステム10の使用によってアクティブに制御することができる。
【0061】
特に、車両46の本体17のロール及び/又はピッチは、1つ又は複数のポンプ30を制御することによって制御することができる。
【0062】
いくつかの例では、これは、単純な油圧ネットワークを使用することによって実現され、これは例えば、車両の各車輪のフルアクティブサスペンションなどとは対照的である。
【0063】
さらに、
図1のアクチュエータシステム10は、単なるパッシブ制御ではなく、アクティブで制御可能なロール及び/又はピッチ制御を提供し、これは、例えばパッシブサスペンションシステムと比較して有利である。
【0064】
アクチュエータシステム10は、車両46の動きによって引き起こされる車体ロール及び/又はピッチを補償及び/又は修正するために使用することができる。
【0065】
アクチュエータ14、26が、車両46の本体17を車両46の両側の車輪32、34に連結する例では、車両46が左折しているとき、車両46の本体17が右にロールし、
図1の第2のアクチュエータ26を圧縮し、第1のアクチュエータ14を伸長させる傾向にある。
【0066】
いくつかの例では、ポンプ30は、そのような状況で、車両46の本体17のロールに対抗するために、第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18及び第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31内の圧力を増加させることによって、第2の油圧ギャラリー24から第1の油圧ギャラリー22に流体を圧送するように制御することができる。
【0067】
このようにして、車両46の本体17のロールをアクティブに制御することができる。
【0068】
いくつかの例では、アクチュエータ14、26が、車両46の本体17を車両46の両側の車輪32、34に連結する例では、車両46が右折しているとき、車両46の本体17が左にロールし、
図1の第1のアクチュエータ14を圧縮し、第2のアクチュエータ26を伸長させる傾向にある。
【0069】
いくつかの例では、ポンプ30は、そのような状況で、車両46の本体17のロールに対抗するために、第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20及び第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29内の圧力を増加させることによって、第1の油圧ギャラリー22から第2の油圧ギャラリー24に流体を圧送するように制御することができる。
【0070】
このようにして、車両46のロールをアクティブに制御することができる。
【0071】
ただし、アクチュエータシステム10は、車両46のアクティブなロール及び/又はピッチ制御を必要に応じて提供するように構成されている。例えば、特定の状況では、車両46の本体17を左又は右にロールさせることが望ましい場合があり、そのような状況では、少なくとも1つのポンプ30を制御して、アクチュエータシステム10内に流体を送り込み、車体17を左又は右にロールさせることができる。
【0072】
図2は、車両サスペンションシステム12のための複数のアクチュエータシステム10の例を示している。
【0073】
図2の例の1つ又は複数の要素は、
図1に関連して説明した通りであり得る。
【0074】
図2の例は、
図1に示した例と同様である。ただし、
図2の例では、車両46の前車軸及び前輪に関連付けられた第1のアクチュエータシステム10がある。これは、
図2に示される上部アクチュエータシステム10である。
【0075】
さらに、
図2の例では、車両46の後車軸に関連付けられた第2のアクチュエータシステム10がある。これは、
図2の例では下部アクチュエータシステム10として示されている。
【0076】
ただし、いくつかの例では、車両の任意の適切な数の車軸上に任意の適切な数のアクチュエータシステム10を設けることができる。
【0077】
したがって、
図2は、車両46の第1の車軸に関連付けられた第1のアクチュエータシステム10と、車両46の第2の異なる車軸に関連付けられた第2の別個のアクチュエータシステム10とを示している。
【0078】
図2のアクチュエータシステム10は、
図1と同様又は類似する第1及び第2のアクチュエータ14、26と、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24とを含む。
【0079】
図2の例では、アクチュエータシステム10は、アクチュエータシステム10の第1及び第2の油圧ギャラリー22、24の間で流体を圧送するように構成された単一の双方向ポンプ30を含む。
【0080】
図2のアクチュエータシステム10はまた、アクチュエータシステム10の周りの流体の移動を制御するために、いくつかの圧力制御バルブV1、ダンパーバルブV2、チェックバルブV3、及びアキュムレータAを含む。バルブ及びアキュムレータの使用については、本明細書では詳細に説明しない。
【0081】
また、
図2の例に示されるように、アクチュエータシステム10は、少なくとも1つのポンプ30を制御して、それぞれのアクチュエータシステム10の第1の油圧ギャラリー22と第2の油圧ギャラリー24との間で流体を圧送するように構成された少なくとも1つのコントローラ42を含む。
【0082】
図2の例では、単一のコントローラ42が示されている。しかしながら、いくつかの例では、任意の適切な数のコントローラ42を使用することができる。
【0083】
さらに、任意の適切なコントローラ42(1つ又は複数)を使用することができる。例えば、
図6を参照されたい。
【0084】
図2の例では、コントローラ42は、アクチュエータシステム10の単一の双方向ポンプ30を制御して、
図1に関して説明したように、車両46の本体17のロールを制御するように構成される。
【0085】
図2の例では、コントローラ42は、協同して又は独立して、アクチュエータシステム10の第1及び第2のアクチュエータ14、26の伸長又は収縮を制御するように構成されている。
【0086】
例えば、コントローラ42は、いくつかの例では、車両46の要求及び/又は環境及び/又はコンテキストに基づいて、協同して又は独立して、アクチュエータシステム10を制御するように構成される。
【0087】
図3は、車両サスペンションシステム12用のアクチュエータシステム10の例を示している。
【0088】
図3の1つ又は複数の要素は、
図1及び/又は
図2に関して説明した通りであり得る。
【0089】
図3に示されるアクチュエータシステム10は、第1及び第2のアクチュエータ14、26と、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24とを含む。
【0090】
図3のアクチュエータシステム10はまた、様々なバルブV1、V2、V3及びアキュムレータAを含む。
【0091】
さらに、
図3の例では、車両サスペンションシステム12は、車両46の本体17を、関連付けられた車輪32、34に連結するばね又は空気ばね58を含む。
【0092】
サスペンションシステム12はまた、トップマウント60を含む。
【0093】
図3の例の一実施形態では、第1のアクチュエータ14は第1の車輪32に連結され、第2のアクチュエータ26は第2の車輪34に連結され、第1及び第2の車輪32、34は共通の車軸36を共有する。そのような実施形態では、アクチュエータシステム10は、
図1及び/又は
図2に関して説明したように、車両46の本体17のロールを制御することができる。
【0094】
図3の例の代替的な実施形態では、第1のアクチュエータ14は第1の車輪32に連結され、第2のアクチュエータ26は第2の車輪34に連結され、第1及び第2の車輪32、34は、異なる前車軸及び後車軸36に関連付けられている。このような実施形態では、アクチュエータシステム10は、
図1及び/又は
図2に関して説明したように、車両46の本体17のピッチを制御することができる。
【0095】
図3の例では、アクチュエータシステム10はクロスオーバー接続部38を含み、クロスオーバー接続部38は、第1のアクチュエータ14の第1の流体チャンバ18と第2のアクチュエータ26の第2の流体チャンバ31とを流体接続し、第1のアクチュエータ14の第2の流体チャンバ20と第2のアクチュエータ26の第1の流体チャンバ29とを流体接続する。
【0096】
いくつかの例では、任意の適切なクロスオーバー接続部を使用できる。例えば、いくつかの例では、クロスオーバー接続部38は、アクチュエータシステム10のバルブブロックに含まれる。
【0097】
いくつかの例では、クロスオーバー接続部はバルブブロックの内部にあり、油圧ギャラリーごとにダブル出力を含む。
【0098】
いくつかの例では、クロスオーバー接続部は、パイプ、ホースなどの任意の適切な油圧接続によってポンプ30に接続された別個のマニホールドブロックである。
【0099】
システムとして、例えば前車軸のバルブブロックのポートと、例えば後車軸の別個のマニホールドのポートを組み合わせて使用することができる。
【0100】
図3の例では、アクチュエータシステム10は、
図1及び/又は
図2に関連して説明したように、車両46の本体17のロール及び/又はピッチを制御するために、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24の間で流体を圧送するように構成された単一の双方向ポンプ30を含む。
【0101】
図10は、アクチュエータシステム10の代替例を示す。
図10に示される例では、アクチュエータシステム10は、サスペンションシステム12用のアクチュエータシステム10である。
【0102】
図10を参照すると、アクチュエータシステム10は、ピストン16と、第1の上部流体チャンバ18及び第2の下部流体チャンバ20を含む第1のアクチュエータ14とを含み、第1及び第2の流体チャンバ18、20はピストン16によって分離される。アクチュエータシステム10はまた、ピストン28と、第1の上部流体チャンバ29及び第2の下部流体チャンバ31を含む第2のアクチュエータ26とを含み、第1及び第2の流体チャンバ29、31はピストン28によって分離される。
図1のアクチュエータシステム10はまた、第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18と第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29とを流体接続する第1の油圧ギャラリー22、及び、第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20と第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31とを流体接続する第2の油圧ギャラリー24を含む。
図1のアクチュエータシステム10はまた、第1の油圧ギャラリー22と第2の油圧ギャラリー24との間で流体を圧送するように構成された少なくとも1つのポンプ30を含む。
【0103】
いくつかの例では、
図10のアクチュエータシステム10は、
図10に示されていない1つ又は複数の追加の構成要素を含むことができる。例えば、アクチュエータシステム10は、1つ以上の圧力制御バルブV1、1つ以上のダンパーバルブV2、1つ以上のチェックバルブV3などの1つ以上のバルブVを含むことができる。追加的又は代替的に、アクチュエータシステム10は、いくつかの例では、1つ又は複数のアキュムレータAを含むことができる。例えば、
図11及び12を参照されたい。1つ又は複数のバルブ及び/又は1つ又は複数のアキュムレータAは、アクチュエータシステム10の周りの流体の流れを制御するように構成することができる。
【0104】
図10に関連して言及された1つ又は複数の特徴は、他の図に見出すことができる。
【0105】
サスペンションシステム12は、1つ又は複数のばね及び/又は空気ばねなどの他の要素又は構成要素を含む。例えば、
図12を参照されたい。
【0106】
いくつかの例では、アクチュエータ14、26は、車両46の本体17を関連付けられた車輪32、34に連結する。いくつかの実施形態では、車輪32、34は、共通の車軸36に関連付けることができる。あるいは、車輪は異なる車軸36に関連付けることができる。したがって、使用中、本体17は、アクチュエータ14、26の伸長及び/又は収縮によって車輪32、34に対して移動することができる。
【0107】
図10の例では、第1の油圧ギャラリー22は、第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18と第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29とを流体接続する。第1の油圧ギャラリー22は、第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18と第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29との間で流体が移動又は流れることを可能にするものと考えることができる。
【0108】
いくつかの例において、第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18と第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29との間の流体接続を提供するための任意の適切な手段を使用することができる。例えば、任意の適切なホース、チューブ及び/又はパイプなどを使用することができる。
【0109】
追加的又は代替的に、第1の油圧ギャラリー22は、第1の上部チャンバ18、29を直接的又は間接的に接続することができ、及び/又は任意の数の介在要素を含むことができる(介在要素がない場合も含む)。いくつかの例では、第1のアクチュエータ14の上部流体チャンバ18と第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29との間の任意の適切な数の接続部を使用することができる。
【0110】
図1では、第2の油圧ギャラリー24は、第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20と第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31とを流体接続する。第2の油圧ギャラリー24は、第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20と第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31との間で流体が移動又は流れることを可能にするものと考えることができる。
【0111】
いくつかの例において、第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20と第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31との間の流体接続を提供するための任意の適切な手段を使用することができる。例えば、任意の適切なホース、チューブ及び/又はパイプなどを使用することができる。
【0112】
追加的又は代替的に、第2の油圧ギャラリー22は、第2の下部チャンバ20、31を直接的又は間接的に接続することができ、及び/又は任意の数の介在要素を含むことができる(介在要素がない場合も含む)。いくつかの例では、第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20と第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31との間の任意の適切な数の接続を使用することができる。
【0113】
いくつかの例において、第1及び第2の油圧ギャラリーは、第1及び第2の油圧接続、リンク、アタッチメント、ネットワーク、カップリング、ジョイントなどと考えることができる。
【0114】
いくつかの例では、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24は、それらが接続される流体チャンバ18、31、20、29を含むと考えることができる。
【0115】
図1の例では、少なくとも1つのポンプ30は、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24の間で作動油などの流体を圧送するように構成される。任意の適切な作動油を使用することができる。いくつかの例では、任意の適切なポンプ(1つ又は複数)を使用することができる。
【0116】
アクチュエータシステム10は、第1の油圧ギャラリー22と第2の油圧ギャラリー24との間で流体を圧送するために、任意の適切な位置に任意の適切な数のポンプ30を含むことができる。
【0117】
例えば、いくつかの例では、システム10は、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24の間で流体を圧送するように構成された単一の双方向ポンプ30を含む。例えば、
図11及び12を参照されたい。したがって、いくつかの例では、アクチュエータシステム10は、関連付けられた車輪32、34のセットごと、又は車軸36ごとに単一のポンプ30を含むことができる。
【0118】
いくつかの例では、1つ又は複数のポンプ30を、2つの油圧ギャラリー22、24の間で流体を圧送できるようにする任意の適切な方法で、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24の間に接続することができる。
【0119】
第1の油圧ギャラリー22と第2の油圧ギャラリー24との間の流体の圧送は、車両46のアクティブな運動制御を可能にする。
図10から12に示されるシステム10の実施形態では、アクチュエータ14、26が、車両46の本体17を車両46の両側の車輪32、34に連結し(例えば共通の車軸に関連付けられている)、第1の油圧ギャラリー22と第2の油圧ギャラリー24との間の流体の圧送は、車両46のアクティブなピッチ及び/又はヒーブ制御を可能にする。
【0120】
例えば、ポンプ30が、第1の油圧ギャラリー22から第2の油圧ギャラリー24に流体を圧送するように制御されたとき、流体は、第1及び第2のアクチュエータ14、26の第1の上部流体チャンバ18、29から、第2の油圧ギャラリー24及び第1及び第2のアクチュエータ14、26の第2の下部流体チャンバ20、31に移動される。
【0121】
いくつかの例では、ポンプ30が、第1の油圧ギャラリー22から第2の油圧ギャラリー24に流体を圧送するように制御されたとき、第1の油圧ギャラリー(第1のアクチュエータ14の第1の上部流体チャンバ18及び第2のアクチュエータ26の第1の上部流体チャンバ29を含む)内の圧力が低下し、第2の油圧ギャラリー24(第1のアクチュエータ14の第2の下部流体チャンバ20及び第2のアクチュエータ26の第2の下部流体チャンバ31を含む)内の圧力が上昇する。
【0122】
したがって、流体が第1の油圧ギャラリー22から第2の油圧ギャラリー24に圧送されるとき、第1及び第2のアクチュエータ14、26は伸張する傾向にある。これにより、車両46の本体17が上昇する。
【0123】
ポンプ30が、第2の油圧ギャラリー24から第1の油圧ギャラリー22に流体を圧送するように制御されたとき、流体は、第1及び第2のアクチュエータ14、26の第2の下部チャンバ20、31から、第1の油圧ギャラリー22及び第1及び第2のアクチュエータ14、26の第1の上部流体チャンバ18、29に移動される。
【0124】
いくつかの例では、ポンプ30が、第2の油圧ギャラリー24から第1の油圧ギャラリー22に流体を圧送するように制御されたとき、第2の油圧ギャラリー24(第1及び第2のアクチュエータ14、26の第2の下部流体チャンバ20、31を含む)内の圧力が低下し、第1の油圧ギャラリー22(第1及び第2のアクチュエータ14、26の第1の下部流体チャンバ18、29を含む)内の圧力が上昇する。
【0125】
そのような例では、第1及び第2のアクチュエータ14、26は収縮する傾向にある。したがって、そのような例では、車両46の本体17が下降する。
【0126】
このようにして、車両46の本体17のピッチ及び/又はヒーブは、アクチュエータシステム10の使用によってアクティブに制御することができる。特に、車両46の本体17のピッチ及び/又はヒーブは、1つ又は複数のポンプ30を制御することによって制御することができる。いくつかの例では、これは、単純な油圧ネットワークを使用することによって実現され、車両の各車輪のフルアクティブサスペンションなどとは対照的である。
【0127】
さらに、
図10のアクチュエータシステム10は、単なるパッシブ制御ではなく、アクティブで制御可能なロール及び/又はピッチ制御を提供し、これは、例えばパッシブサスペンションシステムと比較して有利である。
【0128】
アクチュエータシステム10は、車両46の動きによって引き起こされる車体のピッチ及び/又はヒーブを補償及び/又は補正するために使用することができる。
【0129】
いくつかの例では、車両46が激しく加速している場合、車両46の本体17が後方にピッチングし、後輪に関連付けられたアクチュエータ14、26を圧縮し、前輪に関連付けられたアクチュエータ14、26を伸長させる傾向がある。
【0130】
いくつかの例では、前輪に関連付けられたアクチュエータ14、26を含むアクチュエータシステム10内で、ポンプ30は、そのような状況で、前輪に関連付けられたアクチュエータ14、26の伸張に対抗するために、第2の油圧ギャラリー24から第1の油圧ギャラリー22に流体を圧送するように制御することができる。追加的に/代替的に、後輪に関連付けられたアクチュエータ14、26を含むアクチュエータシステム10内で、ポンプ30は、そのような状況で、後輪に関連付けられたアクチュエータ14、26の圧縮に対抗するために、第1の油圧ギャラリー22から第2の油圧ギャラリー24に流体を圧送するように制御することができる。このようにして、車両46の本体17のピッチングをアクティブに制御することができる。
【0131】
いくつかの例では、車両46が激しく減速している場合、車両46の本体17が前方にピッチングし、後輪に関連付けられたアクチュエータ14、26を伸長させ、前輪に関連付けられたアクチュエータ14、26を圧縮する傾向がある。
【0132】
いくつかの例では、後輪に関連付けられたアクチュエータ14、26を含むアクチュエータシステム10内で、ポンプ30は、そのような状況で、後輪に関連付けられたアクチュエータ14、26の伸張に対抗するために、第2の油圧ギャラリー24から第1の油圧ギャラリー22に流体を圧送するように制御することができる。追加的に/代替的に、前輪に関連付けられたアクチュエータ14、26を含むアクチュエータシステム10内で、ポンプ30は、そのような状況で、前輪に関連付けられたアクチュエータ14、26の圧縮に対抗するために、第1の油圧ギャラリー22から第2の油圧ギャラリー24に流体を圧送するように制御することができる。このようにして、車両46の本体17のピッチングをアクティブに制御することができる。
【0133】
理解されるように、ヒーブ制御を提供するために、後輪及び前輪に関連付けられたアクチュエータ14、26を含むアクチュエータシステム10は、ポンプ30が第1の油圧ギャラリー22と第2の油圧ギャラリー24との間で流体を圧送するように制御することができ、これにより、前輪と後輪の両方に関連付けられたアクチュエータ14、26の圧縮に対抗し、又は、前輪と後輪の両方に関連付けられたアクチュエータ14、26の伸長に対抗する。
【0134】
しかしながら、アクチュエータシステム10は、車両46のアクティブなピッチ及び/又はヒーブ制御を必要に応じて提供するように構成されている。例えば、特定の状況では、車両46の本体17のピッチ及び/又はヒーブを促進することが望ましい場合があり、そのような状況では、少なくとも1つのポンプ30は、車体17のピッチ及び/又はヒーブを誘発するために、アクチュエータシステム10内の流体を圧送するように制御することができる。
【0135】
図11は、車両サスペンションシステム12のための複数のアクチュエータシステム10の例を示している。
図11の例における1つ又は複数の要素は、
図10に関して説明した通りであり得る。
【0136】
図11の例は、
図10に示した例に類似する。ただし、
図11の例では、車両46の前車軸及び前輪に関連付けられた第1のアクチュエータシステム10がある。これは、
図11に示される上部アクチュエータシステム10である。
【0137】
さらに、
図11の例では、車両46の後車軸に関連付けられた第2のアクチュエータシステム10がある。これは、
図11の例では下部アクチュエータシステム10として示されている。
【0138】
しかしながら、いくつかの例では、車両の任意の適切な数の車軸上に任意の適切な数のアクチュエータシステム10を設けることができる。
【0139】
したがって、
図11は、車両46の第1の車軸に関連付けられた第1のアクチュエータシステム10と、車両46の第2の異なる車軸に関連付けられた第2の別個のアクチュエータシステム10とを示している。
【0140】
図11のアクチュエータシステム10は、
図10と同様又は類似する第1及び第2のアクチュエータ14、26と、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24とを含む。
【0141】
図11の例では、アクチュエータシステム10は、アクチュエータシステム10の第1及び第2の油圧ギャラリー22、24の間で流体を圧送するように構成された単一の双方向ポンプ30を含む。
【0142】
図11のアクチュエータシステム10はまた、アクチュエータシステム10の周りの流体の移動を制御するために、いくつかの圧力制御バルブV1、ダンパーバルブV2、チェックバルブV3、及びアキュムレータAを含む。バルブ及びアキュムレータの使用については、本明細書では詳細に説明しない。
【0143】
また、
図11の例に示されるように、アクチュエータシステム10は、少なくとも1つのポンプ30を制御して、それぞれのアクチュエータシステム10の第1の油圧ギャラリー22と第2の油圧ギャラリー24との間で流体を圧送するように構成された少なくとも1つのコントローラ42を含む。
図11の例では、単一のコントローラ42が示されている。しかしながら、いくつかの例では、任意の適切な数のコントローラ42を使用することができる。さらに、任意の適切なコントローラ42又は複数のコントローラ42を使用することができる。例えば、
図6を参照されたい。
【0144】
図11の例では、コントローラ42は、アクチュエータシステム10の単一の双方向ポンプ30を制御して、
図10に関して説明したように、車両46の本体17のピッチ及び/又はヒーブを制御するように構成される。
【0145】
図11の例では、コントローラ42は、協同して又は独立して、アクチュエータシステム10の第1及び第2のアクチュエータ14、26の伸長又は収縮を制御するように構成される。
【0146】
例えば、コントローラ42は、例えば、協同して又は独立して、車両46の要求及び/又は環境及び/又はコンテキストに基づいて、アクチュエータシステム10を制御するように構成される。
【0147】
図12は、車両サスペンションシステム12用のアクチュエータシステム10の例を示している。
図12の1つ又は複数の要素は、
図10及び/又は
図11に関して説明した通りであり得る。
【0148】
図12に示されるアクチュエータシステム10は、第1及び第2のアクチュエータ14、26と、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24とを含む。
図12のアクチュエータシステム10は、様々なバルブV1、V2、V3及びアキュムレータAも含む。
【0149】
さらに、
図12の例では、車両サスペンションシステム12は、車両46の本体17を、関連付けられた車輪32、34に連結するばね又は空気ばね58を含む。サスペンションシステム12は、トップマウント60も含む。
【0150】
図12の例の一実施形態では、第1のアクチュエータ14は第1の車輪32に連結され、第2のアクチュエータ26は第2の車輪34に連結され、第1及び第2の車輪32、34は共通の車軸36を共有する。そのような実施形態では、アクチュエータシステム10は、
図10及び/又は
図11に関して説明したように、車両46の本体17のロールを制御することができる。
【0151】
図12の例では、アクチュエータシステム10はスルー接続部を含み、スルー接続部は、第1のアクチュエータ14の第1の流体チャンバ18と第2のアクチュエータ26の第1の流体チャンバ29とを流体接続し、第1のアクチュエータ14の第2の流体チャンバ20と第2のアクチュエータ26の第2の流体チャンバ31とを流体接続する。
【0152】
いくつかの例では、任意の適切なスルー接続部を使用できる。例えば、スルー接続部は、アクチュエータシステム10のバルブブロックに含まれ得る。いくつかの例では、スルー接続部はバルブブロックの内部にあり、油圧ギャラリーごとにダブル出力を含む。いくつかの例では、スルー接続部は、パイプ、ホースなどの任意の適切な油圧接続によってポンプ30に接続された別個のマニホールドブロックであり得る。
【0153】
システムとして、例えば前車軸のバルブブロックのポートと、例えば後車軸の別個のマニホールドのポートを組み合わせて使用することができる。
【0154】
図12の例では、アクチュエータシステム10は、
図10及び/又は
図11に関連して説明したように、車両46の本体17のピッチ及び/又はヒーブを制御するために、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24の間で流体を圧送するように構成された単一の双方向ポンプ30を含む。
【0155】
【0156】
図4の例に示されている車両46は、本発明の実施形態を実施できる道路車両の例を示している。いくつか(必ずしもすべてではない)の例では、車両10は、乗用車両又は自動車とも呼ばれる乗用車である。一般的に、乗用車の車両重量は4000kg未満である。乗用車の長さは通常7メートル未満である。他の例では、本発明の実施形態は、産業用車両などの他の用途のために実装することができる。
【0157】
図示の例では、車両46は、本体17と、2つのアクチュエータシステム10、26と、関連付けられた車両サスペンションシステム12とを含む。
【0158】
図4の例では、車両46は、車両46の前車軸及び後車軸に、アクチュエータシステム10及び車両サスペンションシステム12を含む。
【0159】
いくつかの例では、アクチュエータシステム10は、
図1~3及び/又は
図10~12に関して説明されたものであり得る。
【0160】
したがって、車両46の第1の車軸に関連付けられた第1のアクチュエータシステム10と、車両46の第2の異なる車軸に関連付けられた第2の別個のアクチュエータシステム10とを含む車両46が提供される。
【0161】
いくつかの例では、車両46は自動運転車両である。
【0162】
【0163】
方法500は、本明細書で説明する
図1~3及び/又は
図10~12に関して説明したアクチュエータシステム10を動作させる方法である。
【0164】
ただし、いくつかの例では、本明細書に記載のアクチュエータシステム10を操作する任意の適切な方法を使用することができる。
【0165】
ブロック502では、第1及び/又は第2のアクチュエータ14、26の第1及び第2の流体チャンバ18、20、29、31のうちの少なくとも1つの目標圧力が決定される。
【0166】
第1及び/又は第2のアクチュエータ14、26の第1及び第2の流体チャンバ18、20、29、31のうちの少なくとも1つの目標圧力を決定するために、任意の適切な方法を使用することができる。
【0167】
いくつかの例では、1つ又は複数のアルゴリズム/コンピュータプログラム/ソフトウェアなどに関連するセンサ(図示せず)及びコントローラは、流体チャンバ18、20、29、31のうちの1つ又は複数の適切な目標圧力を決定することができる。
【0168】
ブロック504で、少なくとも1つのポンプ30が制御されて、決定された1つ又は複数の目標圧力が生成される。
【0169】
例えば、少なくとも1つのポンプ30は、いくつかの例では、チャンバ18、20、29、31内で決定された目標圧力を達成するために、アクチュエータシステム10内の流体を圧送するように制御される。
【0170】
いくつかの例では、少なくとも1つのポンプ30を制御することは、少なくとも1つのポンプ30を制御して、第1の油圧ギャラリー22から第2の油圧ギャラリー24に流体を圧送することを含む。
【0171】
いくつかの例では、少なくとも1つのポンプ30を制御することは、少なくとも1つのポンプ30を制御して、流体を第2の油圧ギャラリー24から第1の油圧ギャラリー22に圧送することを含む。
【0172】
いくつかの例では、ブロック504では、ポンプが制御されて、第1及び第2の油圧ギャラリー22、24内の圧力を生成/制御すると考えることができる。
【0173】
いくつか(必ずしもすべてではない)の例では、方法500は、少なくとも1つのバルブを制御して、決定された1つ又は複数の目標圧力を生成することを含む。例えば、方法500は、少なくとも1つの圧力制御バルブV1、少なくとも1つのダンパーバルブV2、及び/又は少なくとも1つのチェックバルブV3を制御して、決定された目標圧力(1つ又は複数)を生成することを含むことができる。
【0174】
【0175】
いくつかの例では、コントローラ42は、複数のコントローラ42を含むことができ、制御システムと見なすことができる。
【0176】
図6のコントローラは、少なくとも1つの電子プロセッサ54;及び電子プロセッサ54に電気的に結合され、そこに格納された命令(例えば、コンピュータプログラム52)を有する少なくとも1つの電子メモリデバイス56を含み、少なくとも1つの電子メモリデバイス56及び命令52は、少なくとも1つの電子プロセッサ54により、本明細書に記載の方法のうちの任意の1つ又は複数を実行させるように構成される。
【0177】
例示的なコントローラ42は、アクティブアクチュエータシステムのアクチュエータを制御するためのアクティブアクチュエータシステムコントローラである。
【0178】
図6は、命令(コンピュータソフトウェア)52を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体50も示す。
【0179】
コントローラ/制御システム42は、高レベルコントローラを含むことができる。制御システムのポンプの制御への言及は、制御信号をポンプに直接提供すること、又は、制御信号に依拠して動作する低レベルコントローラなどの他のコントローラを介して間接的に制御信号を提供することを意味する。コントローラ/制御システム42の情報の受信への言及、及び判断を行うことへの言及は、生の未処理データを受信するか、又はコントローラ/制御システム42の外部のコントローラから処理済みデータを受信することを意味する。
【0180】
したがって、実行されると、本明細書に記載の方法を実行するように構成されたコンピュータソフトウェアが提供される。
【0181】
いくつかの例では、プロセッサ54によって実行されると、本明細書に記載の方法を実行させるコンピュータ可読命令52を含む非一時的なコンピュータ可読媒体50が提供される。
【0182】
図1~6及び/又は10~12に関連して説明したアクチュエータシステム10及び車両サスペンションシステム12などの車両46内の収容システムは、困難な場合がある。例えば、車両の重量及び/又はサイズ及び/又はレイアウトの制約により、様々な車両システムの機能を維持しながら、車両システムの様々な異なる構成要素を適切にパッケージ化することは難しい場合がある。
【0183】
例えば、構造構成要素など、車両の他の構成要素の周りに車両の導管を適切に配置することは困難な場合がある。
【0184】
【0185】
図7の例では、システム62は、ピストン65と、第1の上部流体チャンバ67及び第2の下部流体チャンバ69を含む油圧サスペンションアクチュエータ64とを含み、第1及び第2の流体チャンバ67、69は、ピストン65によって分離されている。いくつかの例では、油圧サスペンションアクチュエータ64は、
図1~6及び/又は10~12に関して説明したように、第1又は第2のアクチュエータ14、26とすることができる。
【0186】
システム62はまた、サブフレーム68に取り付けられ、油圧サスペンションアクチュエータ64から横方向に分離された少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66を含み、少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66は、1つ又は複数のアクチュエータシステム構成要素70を含む。
【0187】
したがって、アクチュエータシステムモジュール66は、車両46のばね上質量の一部を画定する。
【0188】
さらに、システム62は、油圧サスペンションアクチュエータ64及び少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66の横方向の間に配置された縦ビーム72と、油圧サスペンションアクチュエータ64及び少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66を流体接続する少なくとも1つの導管74とを含み、少なくとも1つの導管74は、縦ビーム72の上を通過する。
【0189】
いくつかの例では、油圧サスペンションアクチュエータ64は、
図1~6及び/又は10~12に関して説明したようなアクチュエータとすることができる。すなわち、いくつかの例では、油圧サスペンションアクチュエータ64は、
図1~6及び/又は10~12に関して説明したように、アクチュエータシステム10で使用するために構成することができる。
【0190】
ただし、いくつかの例では、任意の適切な車両サスペンションシステムで使用するための任意の適切な油圧式サスペンションアクチュエータ64を使用することができる。
【0191】
少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66は、車両46のサブフレーム68に取り付けられる。いつくかの例では、任意の適切なアクチュエータシステムモジュール66を使用することができる。追加的又は代替的に、任意の適切な数のアクチュエータシステムモジュール66を使用することができる。
【0192】
いくつかの例では、アクチュエータシステムモジュール66は、1つ又は複数のアクチュエータシステム構成要素70を含む。任意の適切なアクチュエータシステム構成要素70をアクチュエータシステムモジュール66に含めることができる。
【0193】
例えば、アクチュエータシステムモジュール66は、アクチュエータシステム内の油圧流体の流れを制御及び/又は誘導する際に使用するための任意の適切な構成要素(1つ又は複数)を含むことができる。
【0194】
いくつかの例では、アクチュエータシステムコンポーネント70は、1つ又は複数のバルブV、1つ又は複数のアキュムレータA、1つ又は複数のポンプ30など、
図1~6及び/又は10~12に関連して説明された1つ又は複数の構成要素を含むことができる。
【0195】
一般に、アクチュエータシステム構成要素70は、
図1~6及び/又は10~12に関して説明されたアクチュエータシステム10などのアクチュエータシステムで使用するための任意の適切な構成要素70であり得る。
【0196】
縦ビーム72は、油圧サスペンションアクチュエータ64及び少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66の横方向の間に配置される。例では、縦ビーム72は、油圧サスペンションアクチュエータ64とアクチュエータシステムモジュール66との間にあると考えることができる。
【0197】
縦ビーム72は、フレームレール及び/又はシャーシビームと見なすことができ、車両46のシャーシ構造を通る実質的に直線の荷重経路を提供するために、実質的に直線的であり得る。
【0198】
縦ビーム72は、車両46のシャーシの主軸又は縦軸と実質的に平行な方向に延びることができる。
【0199】
したがって、いつくかの例では、縦ビームは、縦方向に延在し、油圧サスペンションアクチュエータ64及び少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66の横方向の間に配置される。
【0200】
図7の例では、縦方向はページの奥行き方向であり、横方向はページを横切る方向である。
【0201】
縦ビーム72は、車両46のシャーシ構造の一部と見なすことができる。
【0202】
いくつかの例では、縦ビーム72の位置は、
図7の例に示される位置とは異なることができる。例えば、縦ビーム72は、
図7の例に示される位置よりも上又は下又は左又は右に配置することができる。
【0203】
図7では、少なくとも1つの導管74が、油圧サスペンションアクチュエータ64と少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66とを流体接続し、縦ビーム72の上を通過する。
【0204】
いくつかの例では、少なくとも1つの導管74は、縦ビーム72の上若しくは上方にルーティングされる、上若しくは上方を横切る、上若しくは上方を走る、及び/又は、上若しくは上方に配置されると考えることができる。
【0205】
少なくとも1つの導管74は、例えば、少なくとも1つのホース、少なくとも1つのチューブ、少なくとも1つのパイプなどであると考えることができる。
【0206】
いつくかの例では、少なくとも1つの導管74は、少なくとも1つの接続、リンク、少なくとも1つのアタッチメント、少なくとも1つのネットワーク、少なくとも1つのカップリング、少なくとも1つのジョイントなどであると考えることができる。
【0207】
いつくかの例では、少なくとも1つの導管74は、例えばアクチュエータシステム10の動作中に、流体が油圧サスペンションアクチュエータ64とアクチュエータシステムモジュール66との間を流れることを可能にするように構成される。
【0208】
少なくとも1つの導管74を縦ビーム72上に配置又はルーティングすることは、少なくとも1つの導管74の構造に損傷を与える危険(これは、少なくとも1つの導管74が別の方法でルーティングされた場合に生じる可能性がある)を冒すことなく、システム62の便利なパッケージングを提供するので有利である。
【0209】
例えば、少なくとも1つの導管74が縦ビーム72の下に通された場合、油圧サスペンションアクチュエータ64の圧縮下で少なくとも1つの導管72が路面と接触し、少なくとも1つの導管74が損傷する危険がある。
【0210】
いくつかの例では、システム62は、第1の上部流体チャンバ67を少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66に流体接続する第1の導管74Aと、第2の下部流体チャンバ69を少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66に流体接続する第2の別個の導管74Bとを含む。
【0211】
【0212】
図8は、車両46用のシステム62の例を示す。
図8に示されている例の1つ又は複数の構成要素は、
図7に関連して説明した通りであり得る。
【0213】
図8の例では、システム62は、
図7に関連して説明したように、油圧サスペンションアクチュエータ64、アクチュエータシステムモジュール66、及び縦ビーム72を含む。
【0214】
図8の例では、システム62は、油圧サスペンションアクチュエータ64の上部及び下部チャンバ67、69(
図8には図示せず)をアクチュエータシステムモジュール66に流体接続する2つの導管74A及び74Bを含む。
図8の例では、複数の導管74A、74Bが縦ビーム72を通過する/ルーティングされることが分かる。
【0215】
図8の例では、アクチュエータシステムモジュール66は、アキュムレータA及びポンプ30を含むアクチュエータシステム構成要素70を含む。
【0216】
したがって、少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66は、少なくとも1つのポンプ30及び少なくとも1つのアキュムレータAを含む。
【0217】
図8の例では、システム62は、ピストンと、第1の上部流体チャンバ及び第2の下部流体チャンバとを含む第2の油圧式サスペンションアクチュエータ82を含み、第1及び第2の流体チャンバは、ピストンによって分離される(
図8の例には図示せず)。
【0218】
図8のシステム62はまた、第2の油圧サスペンションアクチュエータ82及び少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66の横方向の間に配置された第2の縦ビーム90と、第2の油圧サスペンションアクチュエータ64及び少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66とを流体接続する少なくとも1つの導管88とを含み、少なくとも1つの導管88は、第2の縦ビーム90の上を通過する。
【0219】
いつくかの例では、第2の縦ビーム90は、
図7に関して説明された縦ビーム72と同じ/類似であり得る。
【0220】
いつくかの例では、縦ビーム72及び第2の縦ビーム90は、実質的に平行であり、車両46のシャーシの構造要素を形成する。
【0221】
いくつかの例では、油圧サスペンションアクチュエータ64及び第2の油圧サスペンションアクチュエータ82は、対応する油圧サスペンションアクチュエータと見なすことができる。すなわち、いくつかの例において、第1及び第2の油圧サスペンションアクチュエータ64は、共通の車軸92に関連付けられる。例えば、
図9を参照されたい。
【0222】
図8の例では、少なくとも1つの第2の導管88は、第1及び第2の導管88A及び88Bを含む。第2の縦ビーム90を横切る/上を通る導管88A及び88Bのルーティングは、システム62のパッケージング及び導管88A及び88Bの保守/保護に関して有利である。
【0223】
図8の例では、アクチュエータシステムモジュール66が、縦ビーム72、90と油圧サスペンションアクチュエータ64、82との間の実質的に中央に配置されていることが分かる。
【0224】
図8の例では、アクチュエータシステムモジュール66が取り付けられるサブフレーム68は、開口部76を含む。いくつかの例では、開口部76は、穴、ボイド、開口、オリフィス、窓、空間などと考えることができる。
【0225】
この例では、少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66は、サブフレーム68の上面80の下に突出する少なくとも1つの取り付けプレート78を介して、開口部76内のサブフレーム68に取り付けられる。
【0226】
すなわち、いくつかの例では、アクチュエータシステムモジュール66は、サブフレーム68の上面80に対して沈められていると考えることができる。
【0227】
追加的又は代替的に、取り付けプレート78は、サブフレーム68の開口部76に埋め込まれていると考えることができる。
【0228】
いつくかの例では、少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66は、任意の適切な手段を使用して取り付けプレートに固定することができる。例えば、1つ又は複数のボルトを使用する。
【0229】
追加的又は代替的に、取り付けプレート78は、任意の適切な手段を使用してサブフレーム68に固定することができる。いつくかの例では、少なくとも1つの取り付けプレート78は、少なくとも1つのボルトを使用してサブフレーム68に固定される。
【0230】
いつくかの例では、取り付けプレート78は、サブフレーム68の上面68及び/又は下面に固定することができる。
【0231】
サブフレーム68の開口部76に少なくとも1つのアクチュエータシステムモジュール66を取り付けることは、アクチュエータシステムモジュール66の高さを縮減できるので有利である。
【0232】
これは、例えば、システム62の構成要素及び車両46の他の構成要素の配置において有利である。
【0233】
いくつかの例では、
図8に示されるシステム62は、サスペンションシステムの様々な他の要素又は構成要素を含み得る。
【0234】
【0235】
図9の例に示されている車両46は、本発明の実施形態を実施できる道路車両の例を示す。いくつか(必ずしもすべてではない)の例では、車両46は、乗用車両又は自動車とも呼ばれる乗用車である。一般的に、乗用車の車両重量は4000kg未満である。乗用車の長さは通常7メートル未満である。他の例では、本発明の実施形態は、産業用車両などの他の用途のために実装することができる。
【0236】
図9の例では、車両46は、
図7及び/又は
図8に関して説明したような、本体17及びシステム62を含む。
【0237】
したがって、
図9は、
図7及び/又は
図8に関して説明したような、少なくとも1つのシステム62を含む車両46を示している。
【0238】
図9の例では、第1及び第2の油圧サスペンションアクチュエータ64、82は車両46の共通の車軸92に関連付けられている。しかしながら、代替の例及び/又は実施形態では、第1及び第2の油圧サスペンションアクチュエータは、車両46の異なる前車軸及び後車軸92に関連付けることができる。
【0239】
本開示の目的のために、本明細書に記載のコントローラはそれぞれ、1つ又は複数の電子プロセッサを有する制御ユニット又は計算装置を含むことができることを理解されたい。車両及び/又はそのシステムは、単一の制御ユニット又は電子コントローラを含んでもよく、あるいは、コントローラの異なる機能が、異なる制御ユニット又はコントローラで具現化又はホストされてもよい。実行されると、前記コントローラ又は制御ユニットに本明細書に記載の制御技術(記載の方法を含む)を実施させ命令セットを提供することができる。命令セットは、1つ又は複数の電子プロセッサに内蔵されてもよく、あるいは、命令セットは、1つ又は複数の電子プロセッサによって実行されるソフトウェアとして提供されてもよい。例えば、第1のコントローラは、1つ又は複数の電子プロセッサ上で実行されるソフトウェアで実装されてもよく、1つ又は複数の他のコントローラも、1つ又は複数の電子プロセッサ、1つ又は複数のプロセッサ(任意選択で第1のコントローラと同じ)で実行されるソフトウェアで実装されてもよい。しかし、他の構成も有用であり、したがって、本開示は特定の構成に限定されることを意図していないことを理解されたい。いずれにしても、上述の命令セットは、機械又は電子プロセッサ/計算デバイスによって読み取り可能な形式で情報を格納するための任意のメカニズムを含むことができる、コンピュータ可読記憶媒体(例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体)に埋め込むことができ、これらには、以下が含まれるが、これらに限定されない:磁気記憶媒体(例:フロッピーディスク);光学記憶媒体(例:CD-ROM);光磁気記憶媒体;読み取り専用メモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM);消去可能なプログラム可能なメモリ(例:EPROM及びEEPROM);フラッシュメモリー;又は、そのような情報/指示を保存するための電気的又はその他の種類の媒体。
【0240】
本出願の範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な変更及び修正を加えることができることを理解されたい。
【0241】
図5に示されるブロックは、方法におけるステップ及び/又はコンピュータプログラム26におけるコードのセクションを表すことができる。ブロックに対する特定の順序の説明は、ブロックに必要な順序又は好ましい順序が存在することを必ずしも意味するものではなく、ブロックの順序及び配置は変更可能である。さらに、一部の手順を省略できる場合もある。
【0242】
本発明の実施形態は、様々な例を参照して前の段落で説明されたが、与えられた例への変更は、特許請求される本発明の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解されたい。
【0243】
上記の説明で説明した特徴は、明示的に説明した組み合わせ以外の組み合わせで使用することもできる。
【0244】
特定の特徴を参照して機能を説明してきたが、それらの機能は、説明されているかどうかにかかわらず、他の特徴によって実行可能である場合がある。
【0245】
特定の実施形態を参照して特徴を説明してきたが、これらの特徴は、説明の有無にかかわらず、他の実施形態にも存在し得る。
【0246】
前述の明細書では、特に重要であると考えられる本発明の特徴に注意を向けるように意図されているが、出願人は、特に強調されているかどうかにかかわらず、本明細書で先に参照及び/又は図面に示された特許可能な特徴又は特徴の組み合わせに関して、保護を主張することを理解されたい。