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特許7524467ネットワークスライス決定方法、通信機器、システム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】ネットワークスライス決定方法、通信機器、システム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/14 20090101AFI20240722BHJP
   H04W 28/084 20230101ALI20240722BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20240722BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20240722BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20240722BHJP
【FI】
H04W48/14
H04W28/084
H04W48/18
H04W48/16
H04W76/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023514845
(86)(22)【出願日】2021-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 CN2021113058
(87)【国際公開番号】W WO2022048439
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202010911555.7
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】楊海城
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-511179(JP,A)
【文献】特表2019-519993(JP,A)
【文献】特開2013-162377(JP,A)
【文献】国際公開第2020/152984(WO,A1)
【文献】特表2019-511880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末が、スライスクエリ要求をサーバに送信するステップと、
前記端末が、前記サーバが前記スライスクエリ要求に応じて送信した、前記端末の利用可能なネットワークスライスを表すための利用可能なネットワークスライス情報を受信するステップであって、前記利用可能なネットワークスライス情報には、前記端末の現在位置での利用可能なネットワークスライスのネットワークスライス情報と、前記端末のユーザが購入契約を結んでいる利用可能なネットワークスライスのネットワークスライス情報との少なくとも一方が含まれ、前記利用可能なネットワークスライス情報には、利用可能なネットワークスライスの位置と、利用可能なネットワークスライスの適用可能な業務タイプが含まれるステップと、
前記端末が、前記利用可能なネットワークスライス情報に基づいて、前記利用可能なネットワークスライスの中からターゲットネットワークスライスを決定するステップと、
前記端末が、コアネットワークに前記ターゲットネットワークスライスを申請するステップと、
前記端末が、前記コアネットワーク側と前記ターゲットネットワークスライスに対応するセッションを確立するステップと、を含むネットワークスライス決定方法。
【請求項2】
前記スライスクエリ要求には、前記端末の現在位置を表す情報が含まれ、前記利用可能なネットワークスライス情報には、現在位置における前記端末の利用可能なネットワークスライスのネットワークスライス情報が含まれる請求項1に記載のネットワークスライス決定方法。
【請求項3】
前記端末が、前記スライスクエリ要求をサーバに送信する前記ステップの前に、
前記端末が、目的の標準に従って、前記端末の現在位置によってカバーされるネットワークを検索するステップをさらに含み、
前記端末が、前記スライスクエリ要求をサーバに送信する前記ステップは、
前記端末が、前記端末が現在位置にあるときにターゲットネットワーク内で利用可能なネットワークスライスのクエリを要求するための、検索された少なくとも1つのネットワークとしての前記ターゲットネットワークのネットワーク識別子であるネットワーク識別子を含む前記スライスクエリ要求を前記サーバに送信するステップを含む請求項1に記載のネットワークスライス決定方法。
【請求項4】
前記端末が、前記利用可能なネットワークスライス情報に基づいて、前記利用可能なネットワークスライスの中からターゲットネットワークスライスを決定する前記ステップは、
前記端末が、前記利用可能なネットワークスライスのうちのターゲットネットワークスライスを示すための入力されたスライス選択命令を受信するステップと、
前記端末が、前記スライス選択命令に従ってターゲットネットワークスライスを決定するステップと、を含む請求項1に記載のネットワークスライス決定方法。
【請求項5】
サーバが、端末からスライスクエリ要求を受信するステップと、
前記サーバが、前記スライスクエリ要求に応じて、前記端末の現在位置及び前記端末のユーザの契約情報の少なくとも一方に基づいて、前記端末に対応する利用可能なネットワークスライスを決定するステップと、
前記サーバが、前記端末が前記利用可能なネットワークスライスの中からターゲットネットワークスライスを選択するための、前記端末の利用可能なネットワークスライスを表す利用可能なネットワークスライス情報を端末に送信するステップであって、前記利用可能なネットワークスライス情報には、利用可能なネットワークスライスの位置と、利用可能なネットワークスライスの適用可能な業務タイプが含まれるステップと、を含むネットワークスライス決定方法。
【請求項6】
プロセッサと、メモリと、通信バスと、を含む通信機器であって、
前記通信バスは、前記プロセッサと前記メモリとの間の接続通信を可能にするものであり、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された1つ又は複数のプログラムを実行して、請求項1~4のいずれか1項に記載のネットワークスライス決定方法のステップを実現し、あるいは、前記メモリに記憶された1つ又は複数の前記プログラムを実行して、請求項5に記載のネットワークスライス決定方法のステップを実現する通信機器。
【請求項7】
コアネットワーク機器と、サーバと、複数の端末と、を含む通信システムであって、
前記端末は、請求項6に記載のプロセッサが、請求項1~4のいずれか1項に記載のネットワークスライス決定方法のステップを実現する通信機器であり、
前記サーバは、請求項6に記載のプロセッサが請求項5に記載のネットワークスライス決定方法のステップを実現する通信機器であり、
前記コアネットワーク機器は、前記プロセッサが、以下の方法のステップを実現する通信機器であり、
前記方法は、
前記端末によって送信されたスライス申請要求を受信するステップと、
前記スライス申請要求中のスライス識別子に基づいて、前記端末が使用を申請するターゲットネットワークスライスを決定するステップと、
前記端末と前記ターゲットネットワークスライスに対応するセッションを確立するステップと、を含む通信システム。
【請求項8】
1つ又は複数のプロセッサによって実行されて請求項1~4のいずれか1項に記載のネットワークスライス決定方法のステップを実現可能な第1ネットワークスライス決定プログラムと、
1つ又は複数のプロセッサによって実行されて請求項5に記載のネットワークスライス決定方法のステップを実現可能な第2ネットワークスライス決定プログラムとのうちの少なくとも1つが記憶されている記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が202010911555.7、出願日が2020年9月2日の中国特許出願に基づいて提出され、当該中国特許出願の優先権を主張しており、当該中国特許出願の全ての内容はここで参考として本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、通信分野に関するが、これに限定されるものではない。具体的には、ネットワークスライス決定方法、通信機器、システム及び記憶媒体に関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
5Gネットワークは、人と人、人と物、物と物の間の豊富な差別化された通信業務のニーズに直面することになるが、これらのニーズはネットワークに対する要件が多様化している。そのため、異なる業務を同じインフラやネットワーク要素に担当させると、ネットワークは複数の業務の要件を同時に満たすことができない可能性がある。ネットワークスライシング技術は、仮想化によって1つの物理ネットワークを複数の仮想論理ネットワークに分割し、それぞれの仮想ネットワークは異なる適用場面に対応するようにしたものであり、これによって、エネルギー効率に優れ、配置が容易なネットワークソリューションを提供する。一般に、同じ位置に複数のネットワークスライスが同時に存在することがあるので、端末はネットワークに接続するときに、自分がどのネットワークスライスやどちらのネットワークスライスに接続するように申請すべきかを把握する必要がある。端末のための適切なネットワークスライスを決定することはユーザの通信エクスペリエンスにとって特に重要であるが、現在、端末のためのネットワークスライスを選択する方式は理想的ではないため、ユーザエクスペリエンスは高くない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例によるネットワークスライス決定方法、通信機器、システム及び記憶媒体によって少なくともある程度解決される技術的課題は、端末のためのネットワークスライスを決定するための新しい手段を提供し、ユーザエクスペリエンスを向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上に鑑み、本願の実施例は、ネットワークスライス決定方法を提供する。前記方法は、
端末の利用可能なネットワークスライスを表すための前記端末の利用可能なネットワークスライス情報をサーバから取得するステップと、
前記利用可能なネットワークスライス情報に基づいて、前記利用可能なネットワークスライスの中からターゲットネットワークスライスを決定するステップと、
コアネットワークに前記ターゲットネットワークスライスを申請するステップと、
前記コアネットワーク側と前記ターゲットネットワークスライスに対応するセッションを確立するステップと、を含む。
【0006】
本願の実施例は、ネットワークスライス決定方法をさらに提供する。前記方法は、
端末に対応する利用可能なネットワークスライスを決定するステップと、
前記端末が前記利用可能なネットワークスライスの中からターゲットネットワークスライスを選択するための、前記端末の利用可能なネットワークスライスを表す利用可能なネットワークスライス情報を端末に送信するステップと、を含む。
【0007】
本願の実施例は、ネットワークスライス決定方法をさらに提供する。前記方法は、
端末によって送信されたスライス申請要求を受信するステップと、
前記スライス申請要求中のスライス識別子に基づいて、前記端末が使用を申請するターゲットネットワークスライスを決定するステップと、
前記端末と前記ターゲットネットワークスライスに対応するセッションを確立するステップと、を含む。
【0008】
本願の実施例は、通信機器をさらに提供する。前記通信機器は、プロセッサと、メモリと、通信バスと、を含む。
前記通信バスは、プロセッサとメモリとの間の接続通信を可能にするものである。
前記プロセッサは、メモリに記憶された1つ又は複数のプログラムを実行して、上記の1番目のネットワークスライス決定方法のステップを実現し、あるいは、メモリに記憶された1つ又は複数のプログラムを実行して、上記の2番目のネットワークスライス決定方法のステップを実現し、あるいは、メモリに記憶された1つ又は複数のプログラムを実行して、上記の3番目のネットワークスライス決定方法のステップを実現する。
【0009】
本願の実施例は、通信システムをさらに提供する。前記通信システムは、コアネットワーク機器と、サーバと、複数の端末と、を含む。
前記端末は、上記プロセッサが、上記の1番目のネットワークスライス決定方法のステップを実現する通信機器である。
前記サーバは、上記プロセッサが上記の2番目のネットワークスライス決定方法のステップを実現する通信機器である。
前記コアネットワーク機器は、上記プロセッサが上記の3番目のネットワークスライス決定方法のステップを実現する通信機器である。
【0010】
本願の実施例は、記憶媒体をさらに提供する。前記記憶媒体は、
1つ又は複数のプロセッサによって実行されて、上記の1番目のネットワークスライス決定方法のステップを実現可能な第1ネットワークスライス決定プログラムと、
1つ又は複数のプロセッサによって実行されて、上記の2番目のネットワークスライス決定方法のステップを実現可能な第2ネットワークスライス決定プログラムと、
1つ又は複数のプロセッサによって実行されて、上記の3番目のネットワークスライス決定方法のステップを実現可能な第3ネットワークスライス決定プログラムとのうちの少なくとも1つが記憶されている。
【0011】
本願のその他の特徴及び対応する有益な効果は説明書の後段で説明されており、有益な効果の少なくとも一部は本願の説明書における記載から明らかになっている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本願の実施例1によるネットワークスライス決定方法のフローチャートである。
図2】本願の実施例1による端末がターゲットネットワークスライスを決定するフローチャートである。
図3】本願の実施例1による、利用可能なネットワークスライス情報を表示する端末の第1表示インタフェースの概略図である。
図4】本願の実施例1による。利用可能なネットワークスライス情報を表示する端末の第2表示インタフェースの概略図である。
図5】本願の実施例1による、利用可能なネットワークスライス情報を表示する端末の第3表示インタフェースの概略図である。
図6】本願の実施例1による、利用可能なネットワークスライス情報を表示する端末の第4表示インタフェースの概略図である。
図7】本願の実施例1による、利用可能なネットワークスライス情報を表示する端末の第5表示インタフェースの概略図である。
図8】本願の実施例2によるネットワークスライス決定方法のフローチャートである。
図9】本願の実施例3による通信機器のハードウェア構成の概略図である。
図10】本願の実施例3による通信システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、具体的な実施形態を通じて図面を参照して本願の実施例をさらに詳細に説明する。なお、本明細書に記載された具体的な実施例は、単に本願を解釈するために使用され、本願を限定するために使用されない。
【0014】
実施例1
本分野のいくつかの場面では、端末がどのネットワークスライス又はどちらのネットワークスライスに接続するかは、ネットワーク側が各ネットワークスライスにおける端末の通信品質に基づいて決定される。この場合、端末の通信品質しか保証できず、端末の通信ニーズに確実に合うことができず、端末側のユーザの通信エクスペリエンスを制限する。この問題を解決するために、本実施例は、端末、サーバ、及びコアネットワークが協働して実現するネットワークスライス決定方法を提供する。以下、図1に示すネットワークスライス決定方法の一例のインタラクションのフローチャートを示す。
【0015】
S102:サーバは端末に対応する利用可能なネットワークスライスを決定する。
【0016】
本実施例のいくつかの例では、利用可能なネットワークスライスは端末が直ちに直接利用可能なネットワークスライスを指してもよい。このような場合、端末が利用可能なネットワークスライス情報をサーバから取得した後、ある利用可能なネットワークスライスについてコアネットワークに直接申請を開始することで、対応するネットワークスライスによって提供されるサービスを受けることができる。
【0017】
本実施例の他のいくつかの例では、利用可能なネットワークスライスは、端末が直ちに直接使用できるネットワークスライスだけでなく、端末が何らかの操作を行った後に使用できるネットワークスライスも含んでもよい。例えば、本実施例のいくつかの例では、利用可能なネットワークスライスは、端末の現在位置に配置されているネットワークスライスを含むが、端末が必ずしもこれらのネットワークスライスの全てを購入する契約を結んでいるとは限らないので、端末が現在利用可能なネットワークスライスのうちの1つを直接利用できるとは限らない。ただし、端末に対応する購入契約締結操作を完了すると、この利用可能なネットワークスライスを利用できるようになる。また、他のいくつかの例では、利用可能なネットワークスライスには、ユーザが購入契約を結んだすべてのネットワークスライスが含まれるが、これらのネットワークスライスは異なる位置に配置されている。そのため、端末は現在位置ではこれらのネットワークスライスの一部を使用できないが、端末がこれらのネットワークスライスのカバーエリア内に移動すれば、それらのネットワークスライスを使用できるようになる。
【0018】
本実施例のいくつかの例では、サーバは、端末の現在位置に基づいて、端末に対して利用可能なネットワークスライスを決定することができる。この例では、端末は、スライスクエリ要求をサーバに送信するときに、スライスクエリ要求に端末の現在位置を表すことができる情報を含ませる。いくつかの例では、スライスクエリ要求に含まれるのは、端末の現在の特定の位置情報又は正確な位置情報、例えば、端末のGPS位置情報であってもよい。他のいくつかの例では、スライスクエリ要求に含まれるのは、端末の現在位置を概略的に示すことができる情報、例えば、端末が現在サービスを提供しているセルのセル識別子などである。
【0019】
本実施例の他のいくつかの例では、サーバは、端末ユーザの契約情報に基づいて、端末のための利用可能なネットワークスライスを決定することができる。
【0020】
またいくつかの例では、サーバは、端末の現在位置及び端末ユーザの契約情報を参照して、端末に対して利用可能なネットワークスライスを決定することができる。例えば、サーバは、まず、端末の現在位置に基づいて、その位置に配置された利用可能なネットワークスライスをスクリーニングする。次に、サーバは、さらに、端末ユーザの契約情報を参照して、利用可能なネットワークスライスの中から、端末ユーザが契約を結んでいないネットワークスライスをスクリーニングして除去し、そして、残された利用可能なネットワークスライスを最終的な利用可能なネットワークスライスとする。もちろん、本実施例の他のいくつかの例では、サーバは端末ユーザの契約情報に基づいて利用可能なネットワークスライスをスクリーニングしてから、端末の現在位置を参照して更なるスクリーニングを行ってもよい。
【0021】
場合によっては、サーバは、端末の現在位置、ユーザの契約情報のうちの少なくとも1つに基づいて利用可能なネットワークスライスを決定する際に、他の情報を参照して利用可能なネットワークスライスをさらにスクリーニングしてもよい。例えば、本実施例の一例では、サーバは、端末のための利用可能なネットワークスライスをスクリーニングする際に、その端末ユーザが現在存在するネットワークにおいて購入契約を結んでいるネットワークスライスのみをスクリーニングしてもよい。本実施例の他の例では、サーバは、端末の現在位置に応じて、端末側で指定されたネットワーク識別子と合わせてネットワークスライスのスクリーニングを行うことができる。例えば、端末は、位置Yにある、中国移動社が配置したすべてのネットワークスライスを利用可能なネットワークスライスとしてスクリーニングするようにサーバに指示することができる。
【0022】
本実施例のいくつかの例では、端末は、スライスクエリ要求をサーバに送信する前に、目的の標準に従って、現在位置によってカバーされるネットワークを検索して、この現在位置にある目的の標準のすべてのネットワークを決定する。例えば、端末は5Gを目的の標準とし、その現在位置でのすべての5Gネットワークを検索することができる。例えば、ある位置には、通信事業者Aが配置した第1の5Gネットワークと、通信事業者Bが配置した第2の5Gネットワークが同時にカバーされている。端末は同期信号を検索した後、同期信号に含まれるシステムパラメータ、例えば公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN:Public Land Mobile Network)を解析することで、どの通信事業者のネットワークであるかを判定することができる。この場合、端末は、第1の5Gネットワークを使用するか第2の5Gネットワークを使用するかを選択することができ、もし第1の5Gネットワークを使用することを選択した場合、第1の5Gネットワークは端末の現在のターゲットネットワークであり、第1の5Gネットワークのネットワーク識別子及び位置情報は、スライスクエリ要求に含まれてサーバに送信され得る。
【0023】
上記の例では、サーバは、端末の要求に応じて、端末のための対応する利用可能なネットワークスライスを決定する。本実施例の他のいくつかの例では、サーバは、端末側の要求を受信していない場合に、端末のための対応する利用可能なネットワークスライスを能動的に決定してもよい。例えば、サーバは、各端末のための利用可能なネットワークスライスを定時的に、又は非定時的に決定してもよい。
【0024】
本実施例におけるサーバは、ユーザサーバ、サードパーティサーバ、スライスモール、アクセス・モビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function)ネットワーク要素などのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されるものではない。
【0025】
S104:サーバは、端末の利用可能なネットワークスライスを表す利用可能なネットワークスライス情報を端末に送信する。
【0026】
サーバが端末に送信する利用可能なネットワーク情報は、少なくとも利用可能なネットワークスライスのスライス識別子を含んでいなければならない。本実施例のいくつかの例では、1つの利用可能なネットワークスライスに対応する利用可能なネットワークスライス情報には、購入契約締結情報(ユーザが当該利用可能なネットワークスライスの購入契約を結ばれているか否かを表すもの)、所属通信事業者情報(該利用可能なネットワークスライスが所属する通信事業者を表すもの)、適用される業務タイプ、課金方法、サービス品質(QOS:Quality of Service)指標情報、データネットワーク名(DNN:Data Network Name)情報のうちの少なくとも1つがさらに含まれていてもよい。
【0027】
利用可能なネットワークスライス情報は、上記のいくつかに限定されるものではない。例えば、本実施例の一例では、利用可能なネットワークスライス情報には、使用中か否かの情報(端末が該利用可能なネットワークスライスを利用しているか否かを表すもの)及び/又は消費されたトラフィック(端末が過去に該利用可能なネットワークスライスを使用して消費したトラフィックを表すもの)も含まれる。
【0028】
本実施例の一例では、ユーザが購入契約を結んでいるネットワークスライスは、さまざまな位置に配置される場合がある。すなわち、サーバによって決定された端末の利用可能なネットワークスライスは、端末が現在利用可能でない場合がある。この場合、サーバは、端末が自身位置に応じて利用可能なネットワークスライスの中からターゲットネットワークスライスを選択するために、利用可能なネットワークスライスの各々の位置を端末に提供することもできる。
【0029】
S106:端末は、利用可能なネットワークスライス情報に基づいて、利用可能なネットワークスライスの中からターゲットネットワークスライスを決定する。
【0030】
端末は、サーバによって送信された利用可能なネットワークスライス情報を受信すると、利用可能なネットワークスライス情報に基づいて、これらの利用可能なネットワークスライスの中から接続しようとするネットワークスライスを選択することができる。選択されたネットワークスライスは、端末の現在のターゲットネットワークスライスである。
【0031】
本実施例のいくつかの例では、端末は、ユーザの関与を必要とせずにターゲットネットワークスライスを選択することができる。例えば、本実施例の一例では、端末は、ユーザがあるアプリケーション(APP:Application)を起動した後に、そのAPP業務用の、業務をベアラするターゲットネットワークスライスを選択する。このようにして、端末は、利用可能なネットワークスライスの中から、適用される業務タイプがそのAPP業務タイプと一致するネットワークスライスをターゲットネットワークスライスとして選択することができる。また、例えば、本実施例の一例では、端末は、ユーザの履歴スライス使用習慣を統計し、ユーザの使用習慣に適合する利用可能なネットワークスライスをターゲットネットワークスライスとして選択することができる。
【0032】
本実施例の他のいくつかの例では、端末は、ユーザの命令に従ってターゲットネットワークスライスを選択することができる。例えば、ユーザは、タッチパネル操作、音声入力などにより、端末にスライス選択命令を出し、端末は、このスライス選択命令に従ってターゲットネットワークスライスを決定する。例えば、端末は、利用可能なネットワークスライス情報をユーザに提示し、その後、ユーザの選択に応じて、ターゲットネットワークスライスを決定してもよい。例えば、本実施例の一例では、端末は、図2に示す流れに従ってターゲットネットワークスライスを決定することができる。
【0033】
S202:端末は、利用可能なネットワークスライス情報を表示する。
【0034】
端末は、利用可能なネットワークスライス情報を取得した後、利用可能なネットワークスライス情報を表示することができる。本実施例のいくつかの例では、端末は、図3に示すように、各利用可能なネットワークスライスのネットワークスライス情報を一緒にユーザに表示することができる。利用可能なネットワークスライスが多い場合や、1つの利用可能なネットワークスライスに対応するネットワークスライス情報が多い場合、端末は、図4に示すように、各利用可能なネットワークスライスに対応するネットワークスライス情報を独立したページに表示することができる。他のいくつかの例では、ユーザが複数の利用可能なネットワークスライスの中からターゲットネットワークスライスを迅速に選択することを容易にするために、本実施例のいくつかの例では、端末は、同じ種類の利用可能なネットワークスライス情報での複数の利用可能なネットワークスライスの比較結果を同じ表示ページに表示してもよい。例えば、利用可能なネットワークスライスの各々のQOS比較結果を1つのページに表示してもよい。また、例えば、図5に示すように、端末が3つの利用可能なネットワークスライスをそれぞれ使用した過去1週間の合計時間を1つのページに表示する。いくつかの例では、端末は、ユーザが選択するためのスクリーニングエントリをユーザに提供することができる。図6に示すように、ユーザが1つ又は複数のスクリーニングエントリを選択すると、端末は、これらのスクリーニングエントリに基づいて利用可能なネットワークスライスをスクリーニングし、次に、条件に適合する利用可能なネットワークスライスをユーザにさらに提示することができる。これによって、ユーザによる選択プロセスを簡略化し、ヒューマン・マシン・インタラクションの利便性を向上させることができる。また、いくつかの例では、端末は、利用可能なネットワークスライスの中から1つ又は複数の推奨ネットワークスライスを決定し、利用可能なネットワークスライス情報を表示するときに、ユーザに特に推奨ネットワークスライスを提示することができる。端末が提供する推奨ネットワークスライスは通常、ユーザの使用習慣に比較的適合しているか、あるいは現在のネットワーク状態が優れているネットワークスライスであるため、ユーザは端末が提供する推奨ネットワークスライスと合わせて、ターゲットネットワークスライスを比較的簡単に選択することができる。
【0035】
本実施例のいくつかの例では、端末は過去の所定期間における各タイプの業務の使用頻度に基づいて一般的な業務タイプを決定するようにしてもよい。例えば、端末はユーザの履歴使用データの統計に基づいて、過去1週間の一般的な業務がゲーム業務であると判定するようにしてもよい。その後、端末は、ゲーム業務に対応するネットワークスライスを推奨ネットワークスライスとして決定することができる。推奨ネットワークスライスは、端末がユーザに使用を推奨するネットワークスライスであり、例えば、利用可能なネットワークスライスのうちこのゲーム業務をベアラするのに適しているネットワークスライスであってもよい。次に、利用可能なネットワークスライス情報を表示する際に、推奨識別子を用いて、該推奨ネットワークスライスに対応するネットワークスライス情報を識別する。例えば、図7において、端末は、複数の利用可能なネットワークスライスに対応するネットワークスライス情報を表示する際に、ネットワークスライスdの後に「推奨」の文字を付して、ネットワークスライスdが推奨ネットワークスライスであることをユーザに知らせる。推奨識別子は、各利用可能なネットワークスライスのネットワークスライス情報から推奨ネットワークスライスのネットワークスライス情報を強調するためのものである。そのため、推奨識別子は必ずしも「推奨」や類似の文字ではなく、グラフィック(例えば、スターグラフィックなど)や、他の利用可能なネットワークスライス情報とは異なる背景色などであってもよい。
【0036】
本実施例の他のいくつかの例では、端末は、過去の所定期間において各利用可能なネットワークスライスを使用した時間と合わせて、推奨ネットワークスライスを決定してもよい。例えば、過去1週間のネットワークスライスa、b、c、dの4つのネットワークスライスについて、端末の合計使用時間がそれぞれ1.3日、0.8日、0.3日、1.5日であれば、端末は、合計使用時間が最も長いネットワークスライスdを推奨ネットワークスライスとして選択してもよい。また、端末は、各利用可能なネットワークスライスの使用頻度やユーザが自ら各ネットワークスライスを選択した回数などに基づいて、推奨ネットワークスライスを決定してもよい。
【0037】
S204:端末は、表示内容に基づいて発行されたスライス選択命令を受信する。
【0038】
ユーザがある利用可能なネットワークスライスをターゲットネットワークスライスとして選択すると、端末はスライス選択命令を受信する。例えば、タッチスクリーン端末の場合、1つの利用可能なネットワークスライスを選択するユーザのタッチ操作は、ユーザによるスライス選択命令に相当する。もちろん、本実施例の他のいくつかの例では、スライス選択命令はユーザが端末に出す音声命令であってもよい。ユーザが端末の音声収集機器に「ネットワークスライスcに接続する」と話すと、この音声命令は端末によって受信されたスライス選択命令である。
【0039】
S206:端末は、スライス選択命令に従ってターゲットネットワークスライスを決定する。
【0040】
端末は、スライス選択命令を受信すると、スライス選択命令を解析して、ユーザが選択したターゲットネットワークスライスがどれであるかを判定する。
【0041】
S108:端末は、コアネットワークにターゲットネットワークスライスを申請する。
【0042】
端末は、ターゲットネットワークスライスを決定した後、コアネットワークにターゲットネットワークスライスを申請することができる。端末は、スライス識別子など、ネットワークスライスを一意に識別することができる情報を含むスライス申請要求をコアネットワークに送信することができる。本実施例の一例では、端末は、ターゲットネットワークスライスのDNNに基づいてUEルート選択ポリシー(URSP:UE Route Selection Policy)ルールリストにクエリし、ターゲットネットワークスライスに対応する単一ネットワークスライス選択支援情報(S-NSSAI:Single Network Slice Selection Assistance Information)を決定し、その後、端末は、ターゲットネットワークスライスのS-NSSAIをスライス申請要求に含ませてコアネットワークに送信することができる。
【0043】
S110:コアネットワーク機器は、スライス申請要求中のスライス識別子に基づいて、端末が使用を申請するターゲットネットワークスライスを決定する。
【0044】
コアネットワークは、端末によって送信されたスライス申請要求を受信すると、スライス申請要求からスライス識別子を抽出し、このスライス識別子に基づいて、端末が申請したターゲットネットワークスライスがどれであるかを決定することができる。例えば、いくつかの例では、コアネットワークは、そのスライス申請要求からS-NSSAIを抽出し、S-NSSAIに基づいて対応するターゲットネットワークスライスを決定する。
【0045】
S112:コアネットワーク機器は、端末とターゲットネットワークスライスに対応するセッションを確立する。
【0046】
端末がコアネットワークにネットワークスライスを申請することは、実際にはネットワーク側との間で当該ネットワークスライスに対応するPDUセッションを確立し、後続のプロセスではこのPDUセッションに基づいて業務伝送を行うことを望むことである。したがって、端末がコアネットワークに送信するスライス申請要求は、実際にはPDUセッション作成要求とみなされてもよい。コアネットワークは、スライス申請要求に応じてターゲットネットワークスライスを決定した後、端末とターゲットネットワークスライスに対応するPDUセッションを確立することができる。
【0047】
もちろん、端末は、ターゲットネットワークスライスのPDUセッションに対応するネットワークポート及び関連するルーティングも設定する。
【0048】
本実施例によるネットワークスライス決定方法では、端末側が自ら接続対象のターゲットネットワークスライスを決定するものである。本実施例の手段は、本分野のいくつかの場面においてネットワーク側が決定する方式よりも、端末側に大きな自主性を提供し、端末により適切なネットワークスライスを選択させるのに有利である。さらに、本実施例では、端末は、利用可能なネットワークスライス情報をユーザに提示して、端末が接続可能なネットワークスライスがどのようなものを含むかをユーザに知らせることができ、また、ユーザ自身にターゲットネットワークスライスを選択させることもできる。それにより、ユーザが選択したターゲットネットワークスライスが、ユーザの業務ニーズにより適合し、ユーザエクスペリエンスを向上させることができる。
【0049】
また、端末は利用可能なネットワークスライス情報をユーザに表示する時に推奨識別子を通じて推奨ネットワークスライスを強調することもできる。このように、ユーザがターゲットネットワークスライスを選択するのを助けることができ、利用可能なネットワークスライスが複数である場合ユーザがどのように選択するかわからない状況の発生を避けて、ユーザの選択の負担を低減させ、ユーザのエクスペリエンスを最適化することができる。
【0050】
実施例2
前述のネットワークスライス決定方法の利点及び詳細について当業者により明確にするために、本実施例は、図8に示されているインタラクションフローチャートを参照して、例示を参照して本手段をさらに説明する。
【0051】
S802:端末は、現在のGPS測位情報を取得し、目的の標準に従ってエンドネットワークを検索する。
【0052】
本実施例では、端末はGPS測位により自身の現在位置を取得してもよいが、本実施例の他のいくつかの例では、基地局測位により自身の現在位置を取得してもよい。あるいは、端末は、測位を正確に行うことなく、自身が現在サービスを提供しているセルのセル識別子を直接取得して、サービスを提供しているセルのカバレッジから自身の現在位置を概略的に示してもよい。
【0053】
一方、端末は目的の標準に従ってネットワーク検索を行い、その位置におけるネットワークのカバレッジを決定することもできる。例えば、本実施例の一例では、端末は、3つの通信事業者が提供する5Gネットワークを1つの位置で同時に検索していれば、この3つのネットワークのネットワーク識別子を取得することができる。
【0054】
S804:端末は、GPS測位情報とターゲットネットワークのネットワーク識別子情報を含むスライスクエリ要求をサーバに送信する。
【0055】
端末は、スライスクエリ要求を生成することができる。スライスクエリ要求は、当該端末のGPS位置情報と、サーバによるクエリを必要とする利用可能なネットワークスライスが属するネットワークが属するネットワーク識別子、すなわちターゲットネットワークのネットワーク識別子とを含んでいる。
【0056】
スライスクエリ要求に含まれるネットワーク識別子は複数あってもよい。すなわち、端末は、端末の位置での複数のターゲットネットワークのネットワークスライスを同時にクエリするようサーバに要求することが可能である。例えば、前述の例では、端末が3つの通信事業者が提供する3つの異なる5Gネットワークを検索した場合、端末はこの3つの5Gネットワークのすべてをターゲットネットワークとしてもよい。
【0057】
S806:サーバは、GPS測位情報とネットワーク識別子とに基づいて、端末の利用可能なネットワークスライスを決定する。
【0058】
サーバはGPS測位情報に基づいて対応する位置でのすべてのネットワークスライスを決定することができ、さらにネットワーク識別子と合わせると、端末の利用可能なネットワークスライスをスクリーニングすることができる。本実施例では、サーバは、利用可能なネットワークスライスをスクリーニングする際に、ユーザによるネットワークスライスの購入契約を気にする必要がない。現在ユーザがあるネットワークスライスについて契約を結んでいなくても、当該ネットワークスライスを使用したい場合には、一時的に購入契約を結んで、当該ネットワークスライスを使用する権限を取得することができるためである。
【0059】
S808:サーバは利用可能なネットワークスライス情報を端末に送信する。
【0060】
サーバは、利用可能なネットワークスライスを決定した後、利用可能なネットワークスライスに対応する利用可能なネットワークスライス情報を端末に送信することができる。
【0061】
S810:端末は、利用可能なネットワークスライスの中から推奨ネットワークスライスを決定する。
【0062】
端末は、サーバによって送信された利用可能なネットワークスライス情報を受信すると、利用可能なネットワークスライス情報に基づいて、サーバによって選択された利用可能なネットワークスライスがどのようなものを含むかを決定することができる。一方、端末は、ユーザの業務使用習慣に合わせて、推奨ネットワークスライスを決定することができる。いくつかの例では、端末は、推奨ネットワークスライスを決定する際に、過去の所定期間におけるユーザによる業務の使用頻度、回数、及び累積時間のうちの少なくとも1つを考慮し、これらの情報に基づいて、過去の所定期間におけるユーザの一般的な業務タイプを決定し、次に、一般的な業務タイプに基づいて、対応する推奨ネットワークスライスを決定してもよい。本実施例の他のいくつかの例では、端末は、ネットワーク品質や課金方式などの要素に基づいて推奨ネットワークスライスを決定してもよい。例えば、端末は、各ネットワークスライスのQOS指標の良さや課金方式の手頃さなどを総合的に考慮した上で、コストパフォーマンスの高い利用可能なネットワークスライスを推奨ネットワークスライスとして選択してもよい。
【0063】
S812:端末は、利用可能なネットワークスライス情報を表示し、推奨識別子を用いて推奨ネットワークスライスを強調する。
【0064】
本実施例の一例では、端末がユーザに表示する利用可能なネットワークスライス情報は、購入契約締結情報、所属通信事業者情報、適用される業務タイプ、課金方式、QOS指標情報、DNN情報、情報を使用中か否か、及び消費されたトラフィックの少なくとも1つを含む。
【0065】
また、本実施例では、端末は、推奨ネットワークスライスに対応するネットワークスライス情報上に推奨識別子を表示し、推奨識別子を用いて推奨ネットワークスライスに対応するネットワークスライス情報を強調表示する。
【0066】
S814:端末は、ユーザによって発行されたスライス選択命令を受信する。
【0067】
本実施例では、端末がタッチスクリーン端末であるため、ユーザは端末のタッチスクリーン上で直接タッチ操作を行うことにより、選択したターゲットネットワークスライスを端末に指示することができる。端末が条件に合致するタッチ操作を検出すると、スライス選択命令を検出したことになる。端末がユーザのタッチ操作を解析する過程は、実際にはスライス選択命令を解析する過程である。スライス選択命令を解析することにより、端末は、ユーザによって選択されたターゲットネットワークスライスを決定することができる。
【0068】
S816:端末はコアネットワークにスライス申請要求を送信する。
【0069】
ユーザが接続を希望するターゲットネットワークスライスを決定した後、端末は、コアネットワークにスライス申請要求を送信し、スライス申請要求にターゲットネットワークスライスのスライス識別子を含ませてもよい。
【0070】
場合によっては、ターゲットネットワークスライスは、端末が現在存在するネットワークとは異なる通信事業者に属している可能性がある。例えば、端末は現在通信事業者Bの第2ネットワークに存在し、ターゲットスライスネットワークは通信事業者Cの第3ネットワークに属している可能性がある。この場合、端末はコアネットワークにターゲットネットワークスライスを申請する前に、ターゲットネットワークスライスが属するネットワークに自身が接続することを保証する。
【0071】
S818:端末は、ネットワーク側とターゲットネットワークスライスに対応するPDUセッションを確立し、このPDUセッションに基づいて業務伝送を行う。
【0072】
コアネットワークは、端末によって送信されたスライス申請要求を受信すると、スライス申請要求に含まれるスライス識別子に基づいて、端末側で選択されたターゲットネットワークスライスを決定し、該ターゲットネットワークスライスに対応するPDUセッションを確立することができる。一方、端末は、そのターゲットネットワークスライスに対応するネットワークポートとルーティングを設定する。その後、端末とネットワーク側は、確立されたPDUセッションに基づいて業務伝送を行うことができる。これによって、端末ユーザはターゲットネットワークスライスによって提供される通信サービスを受けることができる。
【0073】
本実施例によるネットワークスライス決定方法では、端末は、サーバから端末の現在位置にある利用可能なネットワークスライスを取得した後、利用可能なネットワークスライス情報をユーザに提示し、推奨識別子により推奨ネットワークスライスを強調し、ユーザ自身にターゲットネットワークスライスを選択させる。これによって、選択されたネットワークスライスが端末の業務ニーズに適合することを保証し、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0074】
実施例3
本実施例は、情報(コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、コンピュータプログラムモジュール、又は他のデータなど)を記憶するための任意の方法又は技術において実施される、揮発性又は不揮発性の、取り外し可能又は取り外し不可能な媒体を含む記憶媒体を提供する。記憶媒体には、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable read only memory)、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM:Compact Disc Read-Only Memory)、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセス可能な他の任意の媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
該記憶媒体には、1つ又は複数のプロセッサによって読み取られ、コンパイルされ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータプログラムが記憶されていてもよい。本実施例では、該記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されて、上記の実施例に記載のネットワークスライス決定方法のいずれか1つにおける端末側の流れを実現可能な第1ネットワークスライス決定プログラムと、1つ又は複数のプロセッサによって実行されて、上記の実施例に記載のネットワークスライス決定方法のいずれか1つにおけるサーバ側の流れを実現可能な第2ネットワークスライス決定プログラムと、1つ又は複数のプロセッサによって実行されて、上記の実施例に記載のネットワークスライス決定方法のいずれか1つにおけるコアネットワーク側の流れを実現可能な第3ネットワークスライス決定プログラムとのうちの少なくとも1つを記憶していてもよい。
【0076】
本実施例はまた、上記のようなコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な装置を含むコンピュータプログラム製品を提供する。本実施例におけるコンピュータ読み取り可能な装置は、上記したようなコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含んでもよい。例えば、該コンピュータプログラム製品は通信機器90を含み、図9に示すように、通信機器90は、プロセッサ91と、メモリ92と、プロセッサ91とメモリ92とを接続するための通信バス93とを含む。メモリ92は、第1端末通信制御プログラム及び第2端末通信制御プログラムのうちの少なくとも1つを記憶する前述の記憶媒体であってもよい。
【0077】
例えば、本実施例の一例では、通信機器90は端末であり、そのプロセッサ91は、第1ネットワークスライス決定プログラムを読み取ってコンパイルし実行し、上記実施例で説明したネットワークスライス決定方法における端末側の流れを実現することができる。
【0078】
プロセッサ91は、端末の利用可能なネットワークスライスを表すための前記端末の利用可能なネットワークスライス情報をサーバから取得する。次に、プロセッサ91は、前記利用可能なネットワークスライス情報に基づいて、前記利用可能なネットワークスライスの中からターゲットネットワークスライスを決定し、コアネットワークに前記ターゲットネットワークスライスを申請する。その後、プロセッサ91は、前記コアネットワーク側と前記ターゲットネットワークスライスに対応するセッションを確立する。
【0079】
本実施例のいくつかの例では、プロセッサ91は、端末の利用可能なネットワークスライス情報をサーバから取得する際に、まず、前記端末の現在位置を表す情報を含むスライスクエリ要求をサーバに送信することができる。次いで、プロセッサ91は、サーバがスライスクエリ要求に従って送信した利用可能なネットワークスライス情報を受信する。前記利用可能なネットワークスライス情報は、現在位置における前記端末の利用可能なネットワークスライスのネットワークスライス情報を含む。
【0080】
本実施例のいくつかの例では、プロセッサ91は、スライスクエリ要求をサーバに送信する前に、目的の標準に従って端末の現在位置によってカバーされるネットワークを検索してもよい。前記サーバにスライスクエリ要求を送信する際には、プロセッサ91は、前記端末が現在位置にあるときに前記ターゲットネットワーク内で利用可能なネットワークスライスのクエリを要求するための、検索された少なくとも1つのネットワークとしてのターゲットネットワークのネットワーク識別子であるネットワーク識別子を含むスライスクエリ要求をサーバに送信する。
【0081】
本実施例のいくつかの例では、プロセッサ91は、前記利用可能なネットワークスライス情報に基づいて、前記利用可能なネットワークスライスの中からターゲットネットワークスライスを決定するとき、前記利用可能なネットワークスライス情報を表示し、その後、表示内容に基づいて発行されたスライス選択命令を受信し、前記スライス選択命令に従ってターゲットネットワークスライスを決定することができる。前記スライス選択命令は、前記利用可能なネットワークスライスのうちのターゲットネットワークスライスを指示するものである。
【0082】
本実施例のいくつかの例では、プロセッサ91はまた、前記利用可能なネットワークスライス情報を表示する前に、前記端末による業務の使用頻度に基づいて一般的な業務タイプを決定し、次いで、前記一般的な業務タイプに対応するネットワークスライスを推奨ネットワークスライスとする。前記利用可能なネットワークスライス情報を表示する際に、プロセッサ91は、推奨識別子を用いて、前記推奨ネットワークスライスに対応するネットワークスライス情報を識別することができる。
【0083】
プロセッサ91が第1ネットワークスライス決定プログラムを実行し、端末側のネットワークスライス決定流れを実現する詳細については、上記した実施例の説明を参照してもよいため、ここでは詳しく説明しない。
【0084】
本実施例の一例では、通信機器90はサーバであり、そのプロセッサ91は、第2ネットワークスライス決定プログラムを読み取ってコンパイルし実行し、上記実施例で説明したネットワークスライス決定方法におけるサーバ側の流れを実現することができる。
【0085】
プロセッサ91は、端末に対応する利用可能なネットワークスライスを決定し、その後、前記端末の利用可能なネットワークスライスを表す利用可能なネットワークスライス情報を端末に送信する。前記利用可能なネットワークスライス情報は、端末が前記利用可能なネットワークスライスの中からターゲットネットワークスライスを選択するためのものである。
【0086】
いくつかの例では、プロセッサ91は、端末に対応する利用可能なネットワークスライスを決定する際に、まず、前記端末によって送信された、前記端末の現在位置を表す情報が含まれるスライスクエリ要求を受信できる。次いで、プロセッサ91は、前記端末の現在位置を表す前記情報に基づいて、前記現在位置における端末に対応する利用可能なネットワークスライスをクエリすることができる。
【0087】
プロセッサ91が第2ネットワークスライス決定プログラムを実行して、サーバ側のネットワークスライス決定流れを実現する詳細については、上記した実施例の説明を参照してもよいため、ここでは詳しく説明しない。
【0088】
また、いくつかの例では、通信機器90はコアネットワーク機器であり、そのプロセッサ91は、第3ネットワークスライス決定プログラムを読み取ってコンパイルし実行し、上記した実施例で説明したネットワークスライス決定方法におけるコアネットワーク側の流れを実現することができる。
【0089】
プロセッサ91は、端末によって送信されたスライス申請要求を受信し、前記スライス申請要求中のスライス識別子に基づいて、前記端末が使用を申請するターゲットネットワークスライスを決定し、端末と前記ターゲットネットワークスライスに対応するセッションを確立する。
【0090】
プロセッサ91が第3ネットワークスライス決定プログラムを実行して、コアネットワーク側のネットワークスライス決定流れを実現する詳細については、上記した実施例の説明を参照してもよいため、ここでは詳しく説明しない。
【0091】
本実施例は、コアネットワーク機器100と、サーバ101と、複数の端末102とを含む通信システム10をさらに提供する。図10に示すように、コアネットワーク機器100は、前記プロセッサ91が第3ネットワークスライス決定プログラムを実行する通信機器90であってもよい。サーバ101は、前記プロセッサ91が第2ネットワークスライス決定プログラムを実行する通信機器90であってもよい。端末102は、前記プロセッサ91が第1ネットワークスライス決定プログラムを実行する通信機器90であってもよい。
【0092】
本願の実施例によるネットワークスライス決定方法、通信機器、システム及び記憶媒体では、端末はサーバから取得した利用可能なネットワークスライス情報により、現在利用可能なネットワークスライスを把握し、そして、これらの利用可能なネットワークスライスの中からターゲットネットワークスライスを決定し、その後、コアネットワーク側にターゲットネットワークスライスを申請し、コアネットワーク側とターゲットネットワークスライスに対応するセッションを確立し、さらに該ターゲットネットワークスライスに基づいて通信を行い、ターゲットネットワークスライスが提供するサービスを受けることができる。したがって、本願の実施例では、端末が最終的にどのネットワークスライスに接続するかは端末側が決定し、端末側はターゲットネットワークスライスを決定するものであり、また、端末側は自身やユーザの通信要求をより明確にすることができる。そのため、端末側が自ら選択したターゲットネットワークスライスの方がユーザの通信要求を満たし、ユーザエクスペリエンスを向上させることができる。
【0093】
以上から、ここで開示された方法のステップの全部又は一部、システム、装置における機能モジュール/ユニットは、ソフトウェア(計算装置によって実行可能なコンピュータプログラムコードによって実装されてもよい)、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実装されてもよい。ハードウェアの実施形態では、上記の説明に記載された機能モジュール/ユニット間の区分は、必ずしも物理的な構成要素の区分に対応するものではない。例えば、1つの物理構成要素が複数の機能を有していてもよいし、複数の物理構成要素が協働して1つの機能又はステップを実行していてもよい。物理構成要素の一部又はすべては、中央処理装置、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして、又はハードウェアとして、又は特定用途向け集積回路などの集積回路として実装されてもよい。
【0094】
さらに、通信媒体は、一般に、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、コンピュータプログラムモジュール、又は搬送波や他の送信機構などの変調データ信号中の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含んでもよい。したがって、本願はいかなる特定のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにも限定されない。
【0095】
以上は、具体的な実施形態を参照して本願の実施例をさらに詳細に説明したものであり、本願の具体的な実施がこれらの説明のみに限定されているとは認められない。当業者にとっては、本願の構想を逸脱することなく、いくつかの簡単な推論又は代替を行うことができ、いずれも本願の特許範囲に属すると見なすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10