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特許7524506搬送情報システム、プログラム、及び記録媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】搬送情報システム、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018194565
(22)【出願日】2018-10-15
(65)【公開番号】P2020063108
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-09-29
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 謙二
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】中屋 裕一郎
【審判官】尾崎 和寛
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-113828(JP,A)
【文献】特開平5-42216(JP,A)
【文献】特開平9-285610(JP,A)
【文献】特開平11-292221(JP,A)
【文献】特開平7-277424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の間口を有する保管棚の近傍に配設され対象物品及び/もしくは対象物品包装体を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置の動作を制御もしくは管理する管理コンピュータと、
前記搬送装置の近傍に配置され、前記搬送装置によって搬送される前記対象物品及び/もしくは対象物品包装体についてのピッキング指示情報もしくはアソート指示情報であって数量を含む指示情報が表示される、複数の7セグメントLEDを有する表示部と、
少なくとも前記搬送装置に電力を供給し、前記複数の7セグメントLEDの各々の7セグメントLEDに対して通電する電力供給部と、
前記複数の7セグメントLEDの各々の7セグメントLEDについての前記電力供給部による通電状態を確認する通電状態確認部と、
前記通電状態確認部を動作させ、前記通電状態確認部が前記複数の7セグメントLEDのうち前記指示情報が表示される際の数量に対応した7セグメントLEDについての通電状態の異常を検出したときには前記表示部にエラー表示を行うことにより誤った数量を作業員にピッキングもしくはアソートさせないように制御する制御部と
を備えた搬送情報システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記通電状態確認部が前記複数の7セグメントLEDのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには、さらに、前記管理コンピュータに対して前記異常を検出したことを伝達し、
前記管理コンピュータは前記制御部から前記異常を検出したことを伝達されたときには前記搬送装置の動作を停止させる、
ことを特徴とする請求項1記載の搬送情報システム。
【請求項3】
前記管理コンピュータによって動作/制御される回転警告灯をさらに具備し、
前記制御部は、前記通電状態確認部が前記複数の7セグメントLEDのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには、さらに、前記管理コンピュータに対して前記異常を検出したことを伝達し、
前記管理コンピュータは前記制御部から前記異常を検出したことを伝達されたときには前記回転警告灯を動作させる、
ことを特徴とする請求項1もしくは2記載の搬送情報システム。
【請求項4】
前記管理コンピュータによって動作/制御される警告音発生装置をさらに具備し、
前記制御部は、前記通電状態確認部が前記複数の7セグメントLEDのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには、さらに、前記管理コンピュータに対して前記異常を検出したことを伝達し、
前記管理コンピュータは前記制御部から前記異常を検出したことを伝達されたときには前記警告音発生装置を動作させて警告音を発生させる、
ことを特徴とする請求項1~3のうち1項記載の搬送情報システム。
【請求項5】
搬送情報システムを制御するのに用いられるコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、
コンピュータを、
複数の間口を有する保管棚の近傍に配設され対象物品及び/もしくは対象物品包装体を搬送する搬送装置の動作を制御もしくは管理する管理部と、
前記搬送装置の近傍に配置され複数の7セグメントLEDを有する表示部に対して、前記搬送装置によって搬送される前記対象物品及び/もしくは対象物品包装体についてのピッキング指示情報もしくはアソート指示情報であって数量を含む指示情報を表示させる表示部と、
前記複数の7セグメントLEDの各々の7セグメントLEDについての通電状態を確認する通電状態確認部と、
前記通電状態確認部を動作させ、前記通電状態確認部が前記複数の7セグメントLEDのうち前記指示情報が表示される際の数量に対応した7セグメントLEDについての通電状態の異常を検出したときには前記表示部にエラー表示を行うことにより誤った数量を作業員にピッキングもしくはアソートさせないように制御する制御部と
として機能させる、コンピュータ読み取り可能なプログラム。
【請求項6】
前記制御部は、前記通電状態確認部が前記複数の7セグメントLEDのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには、さらに、前記管理部に対して前記異常を検出したことを伝達し、
前記管理部は前記制御部から前記異常を検出したことを伝達されたときには前記搬送装置の動作を停止させる、
ようにさらに前記コンピュータを動作させることを特徴とする請求項5記載のプログラム。
【請求項7】
前記搬送装置は、前記管理部によって動作/制御される回転警告灯及び警告音発生装置を備え、
前記制御部は、前記通電状態確認部が前記複数の7セグメントLEDのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには、さらに、前記管理部に対して前記異常を検出したことを伝達し、
前記管理部は前記制御部から前記異常を検出したことを伝達されたときには、
前記回転警告灯を動作させること、もしくは
前記警告音発生装置を動作させて警告音を発生させること、
の少なくともいずれかを行うようにさらに前記コンピュータを動作させることを特徴とする請求項もしくは6記載のプログラム。
【請求項8】
請求項5~7のいずれか1項に記載のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多くの物品を収容する収容手段において、収容された物品をピッキングするピッキングシステムに関し、特にピッキングシステムに使用する表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
物流におけるピッキングシステムは、物品の格納手段として物品棚を備えている。ピッキングシステムにおいて、物品棚には通常複数の保管箱が載置され、各保管箱に同一種類の物品が1つ以上収容されている。ピッキング作業者は、ピッキングシステムを管理する制御手段の指令に従って必要な物品を取り出して、コンベヤ上の集品箱等に入れ、出荷ラインに移送する。例えば、物品棚を多数横に配列し、それに沿うようにコンベヤによる搬送ラインを設け、ピッキング作業者は棚からピッキングすべき商品を取り出してから搬送ラインに流れている集品箱に投入する。
【0003】
この場合において、複数の保管箱の中から取り出すべき物品の保管箱をピッキング作業者が識別できるように、物品棚の前面に表示器が配置されている。表示器は、例えば7セグメントLEDで構成され、取り出すべき物品の数量を表示できるようになっている。
【0004】
表示器を使用するピッキングシステムとして、下記の特許文献1が知られている。特許文献1においては、図3に示すように、作業者は保管棚の複数段(図では4段)のそれぞれに載置された複数個(図では3個)の保管箱から必要な数量の物品を取り出す。この場合において、それぞれの保管箱に対応して表示部が設けられている。表示部は、ピッキング指示の表示部(図では42)及びピッキングする商品の数を指示するデジタル数値表示部(図では43)で構成されている。特許文献1に限らず一般に、デジタル数値表示部は、7セグメントLEDが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-222426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図3は、図1に示した表示装置4の外観図である。
【0007】
図3において、数量表示のためのデジタル表示部43と、ピッキング指示と作業完了入力を示すための点灯表示部42と、を有している。
【0008】
図4は、デジタル表示部43の正常な状態を示す図であり、図5は、図4に示したデジタル表示部43に異常が発生した状態を示す図である。
【0009】
図4において、7セグメントLED431、432が消灯状態で、7セグメントLED433が数量表示「8」点灯状態、すなわち「□□8」が示されている。
【0010】
ところで、上述した特許文献1に記載の表示装置4は、図4に示すように数量表示のため7セグメントのLED(Light Emitting Diode)が8の字形状に配置されており、例えば図4の右端がすべてのLEDを表示している場合には「8」が表示される。これらのLEDのうち例えば図5に示すように7セグメント433に異常、例えば断線が発生した場合には本来「8」と表示されるはずが「9」と表示されてしまう。このため、誤表示であるにもかかわらずピッキング作業は継続される。
【0011】
通常表示装置のチェックは、作業開始前に全ての表示装置4のデジタル表示部43のすべての7セグメントLED431、432、433に「8」を表示させて目視で検査し、作業終了後に再度全ての表示装置4のデジタル表示部43に「8」を表示させて目視で検査していた。このため、作業途中で表示装置4が誤表示してもそのまま作業が継続されることにより、誤った数量でピッキングが行われ、作業終了時に表示装置4の異常の発生に気が付いてから表示装置4を交換して全商品ピッキングしなおさなければならない。
【0012】
そこで、本発明の第一の目的は、作業開始前、作業中にかかわらず、常時表示装置の異常を検出することにあり、第二の目的は、表示装置に異常が発生した場合には、搬送システムを停止することにあり、第三の目的は、異常が発生した表示装置がエラー表示を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、複数のセグメントを有し通電を受けたセグメントを発光させる表示部と、前記複数のセグメントの各々についての前記通電の状態を確認する通電状態確認部と、前記通電状態確認部が前記複数のセグメントのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには前記表示部にエラー表示を行うように制御する制御部とを備えた表示装置として実現される。
【0014】
ここで、異常とは例えば7セグメントLEDの内部配線が断線して消灯したり、LED自体にフリッカ(ちらつき)が生じたりすることを含む。
【0015】
本願の上記態様によれば、表示器にセグメントの通電状態を確認できる機構を組み込むことで、電源投入時やコマンドの命令で、一瞬全セグメントを点灯させて診断を実行し、ピッキング作業を行う前に、セグメント切れを検出できる。また、ピッキング作業中も点灯状態を確認していることになるので、セグメント切れを即座に検出できる。異常検出時は、エラー表示を行い、関係者・周囲者等に異常発生を知らせることができる。
【0016】
本発明の第2の態様は、複数の間口を有する保管棚の近傍に配設され対象物品及び/もしくは対象物品包装体を搬送する搬送装置と、前記搬送装置の動作を制御もしくは管理する管理コンピュータと、前記搬送装置の近傍に配置され、前記搬送装置によって搬送される前記対象物品及び/もしくは対象物品包装体についてのピッキング指示情報もしくはアソート指示情報が表示される、複数のセグメントを有する表示部と、少なくとも前記搬送装置に電力を供給し、前記複数のセグメントの各々に対して通電する電力供給部と、前記複数のセグメントの各々についての前記電力供給部による通電状態を確認する通電状態確認部と、前記通電状態確認部を動作させ、前記通電状態確認部が前記複数のセグメントのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには前記表示部にエラー表示を行うように制御する制御部とを備えた情報システムとして実現される。
【0017】
本願の上記態様によれば、異常検出時は、エラーが起こっていることを管理コンピュータへ報告することで、管理コンピュータは、システムを停止することができる。これによって、エラーが拡大してしまうこと、つまり、間違った数量を作業員がピッキングしてしまう(たとえば、本来8個をピックすべきところを一部のセグメントが切れていることにより7個をピックしてしまう)というようなエラーが気づかれないままに推移し、客先に配送された時点で当該エラーが起こっていたことが判明する、というような事態を回避することができる。
【0018】
本発明の第3の態様として、本発明の第2の態様において、前記制御部は、前記管理コンピュータに備えられるとして構成してもよい。
【0019】
本発明の第4の態様として、本発明の第2もしくは第3の態様において、前記制御部は、前記通電状態確認部が前記複数のセグメントのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには、さらに、前記管理コンピュータに対して前記異常を検出したことを伝達し、前記管理コンピュータは前記制御部から前記異常を検出したことを伝達されたときには前記搬送装置の動作を停止させるように構成してもよい。
【0020】
本発明の第5の態様として、本発明の第2~第4のうちのいずれかの態様において、前記管理コンピュータによって動作/制御される回転警告灯をさらに具備し、前記制御部は、前記通電状態確認部が前記複数のセグメントのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには、さらに、前記管理コンピュータに対して前記異常を検出したことを伝達し、前記管理コンピュータは前記制御部から前記異常を検出したことを伝達されたときには前記回転警告灯を動作させるように構成してもよい。
【0021】
異常発生時に回転警告灯が作動することで、全作業者に注意喚起を促し、作業の停止を伝えることができる。
【0022】
本発明の第6の態様として、本発明の第2~第5のうちのいずれかの態様において、前記管理コンピュータによって動作/制御される警告音発生装置をさらに具備し、前記制御部は、前記通電状態確認部が前記複数のセグメントのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには、さらに、前記管理コンピュータに対して前記異常を検出したことを伝達し、前記管理コンピュータは前記制御部から前記異常を検出したことを伝達されたときには前記警告音発生装置を動作させて警告音を発生させるように構成してもよい。
【0023】
異常発生時に警告音発生装置が作動することで、全作業者に注意喚起を促し、作業の停止を伝えることができる。
【0024】
本発明の第7の態様は、搬送システムを制御するのに用いられるコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、コンピュータを、複数の間口を有する保管棚の近傍に配設され対象物品及び/もしくは対象物品包装体を搬送する搬送装置の動作を制御もしくは管理する管理部と、前記搬送装置の近傍に配置され複数のセグメントを有する表示部に対して、前記搬送装置によって搬送される前記対象物品及び/もしくは対象物品包装体についてのピッキング指示情報もしくはアソート指示情報を表示させる表示部と、前記複数のセグメントの各々についての通電状態を確認する通電状態確認部と、前記通電状態確認部を動作させ、前記通電状態確認部が前記複数のセグメントのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには前記表示部にエラー表示を行うように制御する制御部と、として機能させる、コンピュータ読み取り可能なプログラムとして実現される。
【0025】
本発明の第8の態様として、本発明の第7の態様において、前記制御部は、前記通電状態確認部が前記複数のセグメントのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには、さらに、前記管理部に対して前記異常を検出したことを伝達し、前記管理部は前記制御部から前記異常を検出したことを伝達されたときには前記搬送装置の動作を停止させる、ようにさらに前記コンピュータを動作させるように構成してもよい。
【0026】
本発明の第9の態様として、本発明の第7もしくは第8の態様において、前記搬送システムは、前記管理部によって動作/制御される回転警告灯及び警告音発生装置を備え、前記制御部は、前記通電状態確認部が前記複数のセグメントのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには、さらに、前記管理部に対して前記異常を検出したことを伝達し、前記管理部は前記制御部から前記異常を検出したことを伝達されたときには、前記回転警告灯を動作させること、もしくは前記警告音発生装置を動作させて警告音を発生させること、の少なくともいずれかを行うように前記コンピュータを動作させるように構成してもよい。
【0027】
本発明の第10の態様は、本発明の第7~第9のうちのいずれかの態様に係るプログラムを記録した記録媒体として実現される。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一態様によれば、作業開始前、作業中にかかわらず、常時表示装置の異常を検出することができ、表示装置に異常が発生した場合には、搬送システムを停止することができ、異常が発生した表示装置がエラー表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態のピッキングシステムにおいて物品を収容する保管箱から作業者が物品を取り出す様子を示す図である。
図2図1の物品棚の正面図である。
図3】従来の表示器を示す平面図である。
図4】デジタル表示部43の正常な状態を示す図である。
図5図4に示したデジタル表示部43に異常が発生した状態を示す図である。
図6】本発明の一実施例に係る搬送システムの概念図の一例である。
図7図6に示したシステムに用いられる表示装置の外観図の一例である。
図8】本発明の一実施例に係る表示装置付き搬送システムのハードウェアブロック図の一例である。
図9図8に示した表示装置のハードウェアブロック図の一例である。
図10A図9に示した7セグメントLEDの外観斜視図の一例である。
図10B図10Aに示した7セグメントLEDの回路図の一例である。
図11】本発明の一実施例に係る表示装置付き搬送システムの機能ブロック図の一例である。
図12A図8に示した表示装置付き搬送システムにおける表示装置の動作を示すフローチャートの一例の一部である。
図12B図12Aに示したフローチャートの残りである。
図13A図6に示した表示装置によるエラー表示の一例である。
図13B図6に示した表示装置によるエラー表示の一例である。
図13C図6に示した表示装置によるエラー表示の一例である。
図13D図6に示した表示装置によるエラー表示の一例である。
図13E図6に示した表示装置によるエラー表示の一例である。
図13F図6に示した表示装置によるエラー表示の一例である。
図13G図6に示した表示装置によるエラー表示の一例である。
図13H図6に示した表示装置によるエラー表示の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態にかかる搬送システムについて説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0031】
本発明の一実施形態に係る搬送システムは、複数の間口を有する保管棚の近傍に配設され対象物品及び/もしくは対象物品包装体を搬送する搬送装置と、この搬送装置の動作を制御もしくは管理する管理コンピュータと、上記搬送装置の近傍に配置され、当該搬送装置によって搬送される対象物品及び/もしくは対象物品包装体についてのピッキング指示情報もしくはアソート指示情報が表示される、複数のセグメントを有する表示部と、少なくとも上記搬送装置に電力を供給し、上記複数のセグメントの各々に対して通電する電力供給部と、当該複数のセグメントの各々についての上記電力供給部による通電状態を確認する通電状態確認部と、上記通電状態確認部を動作させ、上記通電状態確認部が上記複数のセグメントのいずれかについての通電状態の異常を検出したときには上記表示部にエラー表示を行うように制御する制御部とを備えて構成される。
【0032】
上記で、「対象物品包装体」とは、物流対象の物品を包装もしくは梱包或いは保護するものすべてをいい、いわゆる段ボールなどの包装箱、包装袋体、或いはいわゆる通い箱と呼ばれる構内流通箱(いわゆる「折り畳みコンテナ」といわれるものを含む)、クッション材、必要識別票を含む概念である。
【0033】
上記で、制御部が通電状態確認部を動作させるにおいては、電源投入時に一斉に動作させる方式、コマンドの命令によって一定のタイミングで自動的に動作させる方式、オペレータによる指示を受けた場合に動作させる方式、遠隔制御によるコマンドをたとえばネットワーク経由で受信した場合に動作させる方式、のいずれによってもよく、或いはこの組み合わせでもよい。さらに、これら以外の方式によって制御部が通電状態確認部を動作させてもよい。
【0034】
また、上記で「複数のセグメントのいずれかについての通電状態の異常を検出」する、とは、複数のセグメントの各々への通電状態を検出/確認することのできる機能を実現できるすべての公知のものを含む概念をいい、各セグメントの通電状態を電流等で検出、または、駆動させたセグメント分の電流の合計値との差異を検出する、等を含む。
【0035】
エラー表示としては種々の形態があってよい。たとえば、7セグメントLEDのいずれかのLEDが点灯できなくても、異なる英数字が交互に点灯する構成を採用することでパレイドリア現象により作業者が読み取ることができるが、上記の「エラー表示」にはこの構成を含むことができる。尚、パレイドリア現象とは、普段からよく知ったパターンを本来そこに存在しないにもかかわらず心に思い浮かべる現象をいう。
【0036】
本願の上記実施形態によれば、表示器にセグメントの通電状態を確認できる機構組み込まれているので、電源投入時やコマンドの命令で、一瞬全セグメントを点灯させて診断を実行し、ピッキング作業を行う前に、セグメント切れを検出できる。また、ピッキング作業中も点灯状態を確認していることになるので、セグメント切れを即座に検出できる。異常検出時は、エラー表示を行い、関係者・周囲者等に異常発生を知らせることができる。
【0037】
また、異常検出時は、エラーが起こっていることを管理コンピュータへ報告することで、管理コンピュータは、システムを停止することができる。これによって、エラーが拡大してしまうこと、つまり、間違った数量を作業員がピッキングしてしまう(たとえば、本来8個をピックすべきところを一部のセグメントが切れていることにより7個をピックしてしまう)というようなエラーが気づかれないままに推移し、客先に配送された時点で当該エラーが起こっていたことが判明する、というような事態を回避することができる。
【0038】
異常発生時に回転警告灯が作動したり、警告音発生装置が作動したりすることで、全作業者に注意喚起を促し、作業の停止を伝えることができる。
【0039】
なお、上記では、上述の構成を備える搬送システムとしての実施形態を説明したが、本発明の別の実施形態は、上記の機能を有する表示装置もしくは表示システムとして実現されることができる。
【実施例
【0040】
上記に示した本発明の実施形態を実際に実行する一実施例を以下に説明する。ただし、以下に説明するのは、本発明の一態様を実施する単なる一例として解釈されるべきものであって、本発明に係る技術思想は、上記実施形態並びに下記実施例に記載されたものに限定して解釈されるべきものではない。
【0041】
<概念図>
図6は、本発明の一実施例に係る搬送システムの概念図の一例である。
【0042】
本発明の一実施例に係る搬送システムは、水平方向に複数の間口が設けられ多段に構成される保管棚2の各列の水平方向に配置され、作業動作の完了時に入力する確認指示部と、ピッキング数を示す数量表示部とを有する表示装置100と、保管棚2と対向して配置され、保管棚2からピッキングされた物品を所定の場所まで搬送する搬送部としてのベルトコンベア(図示しない)とを有するシステムであって、表示装置100は、数量表示部を構成する7セグメントLEDの異常を検知する異常検知部と、異常が検知された数量表示部の発光素子によりエラー表示を表示させるエラー表示部と、異常の発生による搬送部の緊急停止の要求信号を発する緊急停止信号発生部とを具備し、搬送部の緊急停止の要求信号を受けると、搬送部を緊急停止させる管理部としてのPC(パーソナルコンピュータ)10とを具備した表示装置付き搬送システムである。400は搬送部の緊急停止時に作動する警告部としての回転警告灯である。
【0043】
<表示装置外観図>
図7は、図6に示したシステムに用いられる表示装置の外観図の一例である。
【0044】
表示装置100は、数量表示部としての7セグメントLED101、102、103と、ピッキング指示と作業完了入力を示すための確認指示部としての点灯表示部133(4)と、を有する。
【0045】
<ハードウェアブロック図>
<表示装置付き搬送システム>
図8は、本発明の一実施例に係る表示装置付き搬送システムのハードウェアブロック図の一例である。図8に示すシステムは、PC10、モータ12を駆動する駆動回路11、ベルトコンベア(図示しない)のモータ12、回転警告灯400、及びPC10に連結接続された多数の表示装置100を具備したものである。
【0046】
表示装置100は、CPU(Central Processing Unit)130、ROM(Read Only
Memory)131、RAM(Random Access Memory)132、確認指示部としてのスイッチ133、スイッチ133を内部から照光するLED134、7セグメントLED101、102、103、7セグメントLED101、102、103を駆動する駆動回路1001、1002、1003、電流測定回路104、105、106、及びインタフェースI/O137を具備したものである。
【0047】
CPU130は、表示装置100を統括制御、すなわち、命令を読み出し解読して実行する素子であり、例えばマイクロプロセッサが挙げられる。CPU130は、後述するROM131のどの位置から命令を読み出すかを示す番地が保存されているプログラムカウンタと、ROM131から読み出した命令を解読する命令デコード回路と、算術演算や論理演算を行う演算回路と、一時的な情報を保存する内部レジスタとを有する素子である。
【0048】
ROM131は、電源を切ってもデータが消えない読み出し専用のメモリであり、制御プログラムや定数を格納する素子であり、例えばマスクROMやフラッシュメモリが挙げられる。
【0049】
RAM132は、データの読み書きは可能であるが、電源を切ると内容が消えるメモリであり、ROM131から読み出された制御プログラムを展開する素子であり、例えばDRAM(Dynamic RAM)やSRAM(Static RAM)が挙げられる。
【0050】
スイッチ133は、単極単投式の復帰型の押し釦スイッチであり、内部に照光用のLED134を有する。LED134は、スイッチ133のオンオフ動作とは別にCPU130からの制御信号で点灯、消灯、もしくは点滅する。
【0051】
ここで、駆動回路1001、1002、1003、7セグメントLED101、102、103、及び電流測定回路104、105、106について図9を参照して説明する。
【0052】
<表示装置>
図9は、図8に示した表示装置のハードウェアブロック図の一例である。表示装置は、プロセッサ119、駆動回路1001、1002、1003、7セグメントLED101、102、103、電流測定回路104、105、106、及びスイッチ124を具備したものである。
【0053】
プロセッサ119は、CPU130、ROM131、RAM132、及びI/O137を有する回路であるが、1チップのIC(Integrated Circuit)で構成してもよい。プロセッサ119は電源ラインVcc、制御ラインCnt、警報ラインPtrl、クロックラインClk、及びアースラインGNDが接続されている。プロセッサ119には7セグメントLED101用のデコーダ116、7セグメントLED102用のデコーダ117、及び7セグメントLED103用のデコーダ118が接続されており、デコーダ116の出力側にはベース抵抗113が接続され、ベース抵抗113はNPN形のバイポーラトランジスタ110のベースに接続され、バイポーラトランジスタ10のコレクタにはコレクタ抵抗107が接続されている。
【0054】
各バイポーラトランジスタ110は、デコーダ116からのベース電流のオンオフによるスイッチング動作を行うことで7セグメントLEDの各LEDをオンオフするようになっている。
【0055】
各バイポーラトランジスタ110のエミッタ-アース間には電流測定用抵抗121が直列接続されている。電流測定用抵抗121の両端には電流測定回路104が接続されている。電流測定回路104は、例えば電流測定用抵抗121の両端の電圧を測定して電流値に変換するようにしても、オペアンプを用いて構成してもよく、電流値はプロセッサ119に入力される。プロセッサ119では電流測定回路104からの電流値と例えばRAM132のテーブルに格納された電流値と比較し、7セグメントLED101で表示すべき数量に対応した電流値か否かを判断するようになっている(バイポーラトランジスタの全エミッタに流れる電流は7セグメントLED101のコモン端子に流れる電流に等しい。)。
【0056】
尚、本実施の形態では、バイポーラトランジスタを用いた場合で説明したが、本発明の態様はこれに限定されるものではなく、CMOSトランジスタ、NMOSSトランジスタ、もしくはPMOSトランジスタを用いてもよい。本発明に係る技術思想としては、本実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態であってもよい。たとえば、機能ブロックについての図8は一例にすぎず本発明の技術思想はそれに限定されるものではなく、回路についての図9は一例にすぎず本発明の技術思想はそれに限定されるものではない。
【0057】
他のデコーダ117、118、ベース抵抗114、115、バイポーラトランジスタ111、112、コレクタ抵抗108、109、電流測定用抵抗122、123、及び電流測定回路105、106についても同様であるため、説明を省略する。
【0058】
<7セグメントLED>
図10Aは、図9に示した7セグメントLEDの外観斜視図の一例であり、図10Bは、図10Aに示した7セグメントLEDの回路図の一例である。
【0059】
7セグメントLED101は、LED本体101h、リード線101p、LED101a、101b、101c、101d、101e、101f、101gを具備したものである。LED本体101hの表面側にはLED101a、101b、101c、101d、101e、101f、101gが配置され、LED本体101hの裏面側にはリード線101pが配置されている。各LED101a、101b、101c、101d、101e、101f、101gのカソードは接続されて共通端子(common)101pに接続され、カソードは独立にリード線101pに接続されている。
【0060】
<機能ブロック図>
図11は、本発明の一実施例に係る表示装置付き搬送システムの機能ブロック図の一例である。
【0061】
図11に示すシステムは、管理部500、搬送部501、警告部502、及び表示装置503を具備している。
【0062】
管理部500は、本表示装置付き搬送システムを統括管理、すなわち、全表示装置503の位置、異常発生の有無、搬送部501の緊急停止、及び警告部502の作動を制御するものであり、例えばパーソナルコンピュータPC10によって実現される。
【0063】
搬送部501は、例えばベルトコンベア(図示しない)に相当するものであり、例えば図8に示す駆動回路11、モータ12及び図1に示したベルトコンベア(図示しない)用のコンベアベルトによって実現される。
【0064】
警告部502は、システムに異常が発生した場合に報知するものであり、例えば図8に示した回転警告灯400によって実現される。
【0065】
表示装置503は、制御部504、記憶部505、数量表示部506、測定部507、確認指示部508、異常検知部509、エラー表示部510、緊急停止信号発生部511、数量表示停止部512、緊急駆動部513、換算部514、及び判断部515を具備している。
【0066】
制御部504は、表示装置503を統括制御、すなわち、7セグメントLEDの数量表示に対する電流の測定値とテーブルに記憶した電流値とを比較することで異常の有無を判断するものであり、例えば図8に示したCPU130、ROM131、及びRAM132によって実現される。
【0067】
記憶部505は、表示装置503の制御プログラムを記憶し、読み出された制御プログラムを展開し、7セグメントLEDの数量表示における電流値の標準値を記憶するものであり、例えば図8に示したROM131、RAM132によって実現される。
【0068】
数量表示部506は、ピッキング数を示すものであり、例えば図8に示した7セグメントLED101、102、103、及び駆動回路1001、1002、1003によって実現される。
【0069】
測定部507は、7セグメントLED101、102、103、の発光素子のコモン端子に直列接続され駆動電流が流れる抵抗部の両端の電圧を測定するものであり、例えば図8に示した電流測定回路104、105、105によって実現される。
【0070】
確認指示部508は、ピッキング作業動作の完了時に作業者により入力されるものであり、例えば、図8に示したスイッチ133によって実現される。
【0071】
異常検知部509は、数量表示部506を構成する7セグメントLED101、102、103の異常を検知するものであり、例えば、図8に示したROM131、RAM132によって実現される。
【0072】
エラー表示部510は、異常が検知された数量表示部506の発光素子である7セグメントLED101、102、103によりエラー表示を表示させるものであり、例えば図8に示したROM131、RAM132によって実現される。
【0073】
緊急停止信号発生部511は、異常の発生による搬送部501の緊急停止の要求信号を管理部500に発するものであり、例えば図8に示したCPU130、ROM131、及びRAM132によって実現される。
【0074】
数量表示停止部512は、異常が発生した表示装置の数量表示を停止するものであり、例えば図8に示したCPU130、ROM131、及びRAM132によって実現される。
【0075】
緊急駆動部513は、7セグメントLED101、102、103、の発光素子のうち、異常が発生した旨のエラー表示を表現するため必要な発光素子のみ駆動させるものであり、例えば図8に示したCPU130、ROM131、及びRAM132によって実現される。
【0076】
換算部514は、測定部で測定した電圧値を電流値に換算するものであり、例えば図8に示したCPU130、ROM131、及びRAM132によって実現される。
【0077】
判断部515は、換算部514で換算した電流値と7セグメントLEDで表示すべき数量に対応した電流値とが略同一値であるか否かを判断するものであり、例えば図8に示したCPU130、ROM131、及びRAM132によって実現される。
【0078】
<フローチャート>
図12Aは、図8に示した表示装置付き搬送システムにおける表示装置の動作を示すフローチャートの一例の一部であり、図12Bは、図12Aに示したフローチャートの残りである。
【0079】
表示装置付き搬送システムの電源が投入されると(ステップS1)、管理部500は搬送部501を停止し、全表示装置100は7セグメントLED101、102、103で8の字(もしくは日の字)点灯させる(ステップS2)。全表示装置100の全7セグメントLED101、102、103の8の字点灯時の全7セグメントLED101、102、103、の電流の測定値が、RAM132のデータテーブルに記憶された数量表示における電流値の標準値と略等しい、すなわち正常か否かが判断され(ステップS3)、異常が発生した場合(ステップS3/NO)、表示装置100はエラーを表示し、異常が発生した表示装置100の番号(配置場所)及びエラーコードを管理部500に送信し、管理部500は警告灯を回転点灯させる(ステップS4)。異常表示装置の交換を行い(ステップS5)、再度8の字点灯し(ステップS3)、異常が無ければ(ステップS3/YES)、搬送部501を作動させる(ステップS6)。
【0080】
各表示装置100は、管理部500からの数量表示指示に従って数量表示を行う際の数量に対応した7セグメントLED101、102、103、の電流の測定値とRAM132のデータテーブルに記憶された数量表示における電流値の標準値と略等しい、すなわち正常か否かが判断され(ステップS7)、正常な場合にはステップS10に進み(ステップS7/YES)、異常が発生した場合(ステップS7/NO)、表示装置100はエラー表示し、表示装置の番号とエラーコードを管理部500に送信する。管理部500は、搬送部501を緊急停止し、警告部502を回転点灯させる(ステップS8)。
【0081】
ここで、緊急停止とはアラームを発報して搬送部501を急停止させることを言う。すなわち、アラームを発報せずに停止させる通常停止や危険時(人が巻き込まれた等)に最優先で停止させる非常停止とは異なる概念として用いている。
【0082】
さて、ステップS8の次には、異常が発生した表示装置を交換し(ステップS9)、搬送部501を再作動させ、再度表示装置で8の字点灯し、異常がなければ(ステップS7/YES)、ステップS10に進む。
【0083】
ステップS10では作業が終了したか否か判断し、終了でない場合は作業を続行し(ステップS10/NO)、作業が終了したら(ステップS10/YES)、管理部500は搬送部501を停止する(ステップS11)。異常が無ければ電源を停止して終了となる(ステップS15)。
【0084】
ここで、3個の7セグメントLEDを用いた表示装置におけるエラー表示について述べる。
【0085】
図13A図13Hは、図6に示した表示装置によるエラー表示の一例である。図13Aは、エラー表示が「E7」の場合であって、左端の7セグメントLEDが消灯の場合を示す一例である。
【0086】
すなわち、7セグメントLED101が消灯し、7セグメントLED102が「E」を表示し、7セグメントLED103が「7」を表示することにより「□E7」となる(□は消灯を示す。)。
【0087】
図13Bは、エラー表示が「E7」の場合であって、右端の7セグメントLEDが消灯の場合を示す一例である。
【0088】
すなわち、7セグメントLED101が「E」を表示し、7セグメントLED102が「7」を表示し、7セグメントLED103が消灯することにより「E7□」となる(□は消灯を示す。)。
【0089】
図13Cは、エラー表示が「7E」の場合であって、左端の7セグメントLEDが消灯の場合を示す一例である。
【0090】
すなわち、7セグメントLED101が消灯し、7セグメントLED102が「7」を表示し、7セグメントLED103が「E」を表示することにより「□7E」となる(□は消灯を示す。)。
【0091】
図13Dは、エラー表示が「7E」の場合であって、右端の7セグメントLEDが消灯の場合を示す一例である。
【0092】
すなわち、7セグメントLED101が「7」を表示し、7セグメントLED102が「E」を表示し、7セグメントLED103が消灯することにより「7E□」となる(□は消灯を示す。)。
【0093】
図13Eは、エラー表示が「E-7」の場合を示す一例である。
【0094】
すなわち、7セグメントLED101が「E」を表示し、7セグメントLED102が「-」を表示し、7セグメントLED103が「7」を表示することにより「E-7」となる。
【0095】
図13Fは、エラー表示が「7-E」の場合を示す一例である。
【0096】
すなわち、7セグメントLED101が「7」を表示し、7セグメントLED102が「-」を表示し、7セグメントLED103が「E」を表示することにより「7-E」となる。
【0097】
図13Gは、エラー表示が「-E7」の場合を示す一例である。
【0098】
すなわち、7セグメントLED101が「-」を表示し、7セグメントLED102が「E」を表示し、7セグメントLED103が「7」を表示することにより「-E7」となる。
【0099】
図13Hは、エラー表示が「-7E」の場合を示す一例である。
【0100】
すなわち、7セグメントLED101が「-」を表示し、7セグメントLED102が「7」を表示し、7セグメントLED103が「E」を表示することにより「-7E」となる。
【0101】
<プログラム>
以上で説明した本発明の一実施例に係る表示装置付きシステムは、コンピュータで処理を実行させるプログラムによって実現されている。コンピュータとしては、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用的なものが挙げられるが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。よって、一例として、プログラムにより本発明の一態様に係る機能を実現する場合の説明を以下で行う。
【0102】
例えば、
水平方向に複数の間口が設けられ多段に構成される保管棚の各列の水平方向に配置され、作業動作の完了時に入力する確認指示部と、ピッキング数を示す数量表示部と、保管棚と対向して配置され、保管棚からピッキングされた物品を所定の場所まで搬送する搬送部とを具備した表示装置付き搬送システムのコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
コンピュータに、
数量表示部を構成する7セグメントLEDの異常を検知する第1の機能と、
異常が検知された数量表示部の発光素子によりエラー表示を表示させる第2の機能と、
異常の発生による搬送部の緊急停止の要求信号を発する第3の機能と、
搬送部の緊急停止の要求信号を受けると、前記搬送部を緊急停止させる第4の機能と、
を実行させるためのコンピュータが読み取り可能なプログラムが挙げられる。
【0103】
このようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0104】
<記録媒体>
ここで、記録媒体としては、例えばCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体、フラッシュメモリ、RAM、ROM、FeRAM等の半導体メモリやHDDが挙げられる。
【0105】
CD-ROMは、Compact Disc Read Only Memoryの略である。フレキシブルディスクは、Flexible Disk:FDを意味する。CD-Rは、CD Recordableの略である。FeRAMは、Ferroelectric RAMの略で、強誘電体メモリを意味する。HDDは、Hard Disc Driveの略である。
【0106】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の一実施形態に係る表示装置、表示装置を用いた情報システム、プログラム、及び記録媒体は、工業的に製造することができ、また商取引の対象とすることができるため、経済的価値を有しており、産業上利用することができる発明である。
【符号の説明】
【0108】
2・・・ 保管棚
3・・・ 保管箱
4、100、503・・・ 表示装置
500・・・ 管理部
501・・・ 搬送部
502・・・ 警告部
504・・・ 制御部
505・・・ 記憶部
506・・・ 数量表示部
507・・・ 電流測定部
508・・・ 確認指示部
509・・・ 異常検知部
510・・・ エラー表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G
図13H