(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】放電装置および電気集塵装置
(51)【国際特許分類】
B03C 3/41 20060101AFI20240723BHJP
B03C 3/62 20060101ALI20240723BHJP
H05H 1/24 20060101ALI20240723BHJP
H01T 19/00 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B03C3/41 B
B03C3/41 Z
B03C3/62
H05H1/24
H01T19/00
(21)【出願番号】P 2020034087
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 陽平
(72)【発明者】
【氏名】永吉 健太郎
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-227849(JP,A)
【文献】特開2013-078710(JP,A)
【文献】特開昭60-244355(JP,A)
【文献】国際公開第2015/076155(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/070526(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C 3/00-11/00
H05H 1/00- 1/54
H01T 7/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電電極と、当該放電電極に対向して配置される対向電極と、
を備え、
前記対向電極は、
導電部と、当該導電部の表面を被覆する絶縁部とを有し、
前記絶縁部は、細孔
と、前記導電部に対向する対向面と、空気中に露出する外表面と、を有
し、
前記細孔は、
前記絶縁部の前記対向面と前記外表面との間を連通する連通孔を含む、放電装置。
【請求項2】
前記放電電極に印加する電圧を制御する電圧印加部を備え、
前記電圧印加部は、
前記放電電極に直流電圧を印加することにより、前記対向電極の前記絶縁部が有する前記細孔を介して放電を発生させる、請求項1に記載の放電装置。
【請求項3】
前記放電は、
断続的に発生する放電である、請求項2に記載の放電装置。
【請求項4】
前記放電は、
前記電圧印加部により印加された電圧とは逆の極性の電荷による放電である、請求項2または3に記載の放電装置。
【請求項5】
前記絶縁部は、
多孔質の絶縁材料により形成されている、請求項1から
4のいずれか一項に記載の放電装置。
【請求項6】
前記絶縁部は、
前記細孔に相当する気泡を内包した絶縁材料により形成されている、請求項1から
4のいずれか一項に記載の放電装置。
【請求項7】
前記絶縁部は、セラミックにより形成される、請求項1から
6のいずれか一項に記載の放電装置。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載の放電装置を構成する荷電部と、当該荷電部により帯電された微粒子を静電気力により捕集する集塵部と、を備える、電気集塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電装置および電気集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気集塵装置の一例として、放電電極と、この放電電極と対で配置される対向電極とを有する放電装置を備えており、かかる放電装置における対向電極の表面を絶縁体で被覆したものが知られている(たとえば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
他方、絶縁体で被覆した対向電極を用いた場合、放電電極に印加する電圧を所定の電圧以上にすると、対向電極側からパルス性の放電が断続的に生じることが分かった。しかしながら、絶縁体で被覆された対向電極側からパルス性の放電が発生する現象を、放電装置やこれを用いた電気集塵装置に利用するためには、対向電極側から発生するパルス性の放電の発生頻度を高める必要がある。
【0005】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、絶縁体で被覆された対向電極側から断続的に発生するパルス性の放電の発生頻度を高めることのできる放電装置および電気集塵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の開示する放電装置の一態様は、放電電極と、当該放電電極に対向して配置される対向電極とを備える。前記対向電極は、導電部と、当該導電部の表面を被覆する絶縁部とを有し、前記絶縁部は、細孔と、前記導電部に対向する対向面と、空気中に露出する外表面と、を有する。前記細孔は、前記絶縁部の前記対向面と前記外表面との間を連通する連通孔を含む。
【発明の効果】
【0007】
本願の開示する放電装置および電気集塵装置の一態様によれば、絶縁体で被覆された対向電極側からの放電の発生頻度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る放電装置、および同放電装置を備える電気集塵装置が設けられた空気清浄機の概略構成図である。
【
図2】
図2は、同上の電気集塵装置の構成図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る放電装置の放電電極および対向電極を示す模式図である。
【
図4A】
図4Aは、実施形態に係る対向電極の絶縁部の第1変形例を示す模式図である。
【
図4B】
図4Bは、実施形態に係る対向電極の絶縁部の第2変形例を示す模式図である。
【
図4C】
図4Cは、実施形態に係る対向電極の絶縁部の第3変形例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る対向電極の絶縁部の第4変形例を示す模式図である。
【
図6A】
図6Aは、同上の放電装置において、絶縁部をセラミックとした場合における放電電流の波形を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、同上の放電装置において、絶縁部を、塩化ビニルテープとした場合における放電電流の波形を示す図である。
【
図7】
図7は、同上の放電装置における対向電極の絶縁破壊により印加電圧とは逆極性のパルス電流が発生する過程を示す説明図である。
【
図8】
図8は、同上の電気集塵装置が備える制御部を主とするブロック図である。
【
図9A】
図9Aは、同上の放電装置における対向電極板を模式的に示す斜視図である。
【
図9B】
図9Bは、同上の対向電極板を模式的に示す正面図である。
【
図9C】
図9Cは、同上の対向電極板における電極部分の説明図である。
【
図10A】
図10Aは、同上の放電装置における放電電極板を模式的に示す斜視図である。
【
図11】
図11は、同上の放電装置における電極部を模式的に示す正面図である。
【
図13】
図13は、他の実施形態に係る放電装置の対向電極を模式的に示す断面図である。
【
図14】
図14は、他の実施形態に係る放電装置の対向電極を模式的に示す図である。
【
図15】
図15は、他の実施形態に係る放電装置の対向電極を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願の開示する放電装置および電気集塵装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態によって、本願の開示する放電装置および電気集塵装置が限定されるものではない。また、以下の説明による構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。なお、実施形態の説明の全体を通じて同じ要素には同じ符号を付して説明する。また、以下の実施形態では、開示の技術にかかる放電装置を、空気清浄機が備える電気集塵装置に適用した場合を示した。しかし、これに限られず、開示の技術にかかる放電装置は、例えば、荷電によりイオンを発生させることのできる各種装置にも適用することができる。
【0010】
図1は、実施形態に係る放電装置および同放電装置を備える電気集塵装置が設けられた空気清浄機の概略構成図である。
図1に示すように、空気清浄機1は、空気を清浄化するための装置類を収納する筐体10を備えている。筐体10は、合成樹脂材で略直方体状に形成されており、室内の空気を吸引する吸込口11と、清浄化された空気を室内に吹き出す吹出口12とが形成される。
【0011】
また、かかる筐体10内には、吸引された空気から大きな塵埃を除去するプレフィルタ14と、プレフィルタ14を通過した空気中の塵埃を静電気力によって集塵する複数の電気集塵装置2と、電気集塵装置2を通過した空気を脱臭処理する脱臭フィルタ5とが設けられる。
【0012】
電気集塵装置2は、それぞれ荷電部3と集塵部4とを備える。荷電部3は、通過する空気中に含まれる塵埃などの微粒子を帯電させる。集塵部4は、荷電部3で帯電された微粒子を静電気力により捕集する。本実施形態では、荷電部3が放電装置として機能する。なお、本実施形態においては、3つの電気集塵装置2が筐体10内に配置されているが、配置される数は何ら限定されない。
【0013】
プレフィルタ14は、例えば糸状のPET材を編みこんだ網目構造を有し、図示しない樹脂枠で保持される。プレフィルタ14は、筐体10の内部に吸い込まれた空気に含まれている比較的大きな塵埃を捕集する。脱臭フィルタ5は、プレフィルタ14および電気集塵装置2で塵埃が除かれた空気から、触媒フィルタによって、例えばアンモニアやメチルメルカプタン等の臭気成分やホルムアルデヒド等の有害成分を取り除く脱臭処理を行う。
【0014】
また、筐体10内には、脱臭フィルタ5の下流側に配置されるファン6と、ファン6を回転させるファンモータ61と、空気清浄機1を制御する制御基板7とが設けられる。
【0015】
さらに、筐体10内には、吸込口11から吸引された空気の塵埃濃度を検出する埃センサ13と、運転開始操作、運転停止操作などを行う操作表示基板15とが設けられる。
【0016】
また、筐体10には、各電気集塵装置2の各集塵部4に電力を供給する単一の集塵部用の定電圧高圧電源部(以下「集塵部用高圧電源40」とする)が配置される。他方、荷電部3に電力を供給する荷電部用の定電流高圧電源部(以下「荷電部用高圧電源30」とする)は、3つの荷電部3にそれぞれ配置される。
【0017】
かかる構成により、空気清浄機1は、ファンモータ61により駆動されるファン6の回転により、矢印fで示すように、吸込口11から室内空気を吸引し、プレフィルタ14、電気集塵装置2、脱臭フィルタ5を通過させながら空気を清浄し、清浄された空気を吹出口12より室内に吹き出す。
【0018】
なお、空気清浄機1の風量設定は、操作表示基板15の操作に基づいて手動で風量を切換えることができるが、たとえば、埃センサ13の検出信号に基づいて、適切な風量に自動で切換わる自動風量モード設定を設けることもできる。
【0019】
ここで、実施形態に係る放電装置を備える電気集塵装置2について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、同電気集塵装置の構成図である。
【0020】
図2に示すように、電気集塵装置2は、荷電部3と集塵部4とを備える。荷電部3は、荷電部放電電極(以下「放電電極310」とする)および荷電部対向電極(以下「対向電極320」とする)を備えており、かかる荷電部3が放電装置として機能する。
【0021】
放電電極310と対向電極320とは、互いに異なる極性を有しており、共に板状に形成され、所定の間隔をあけて交互に配置されて電極部300を構成する(
図11参照)。
【0022】
集塵部4は、平板電極を多数枚平行に配列し、隣り合う電極間に高電圧が印加されるよう電気的に接続した構造であり、本実施形態においては、放電電極310と同極性のものを集塵部高圧電極(以下「高圧電極410」とする)、対向電極320と同極性のものを集塵部捕集電極(以下「捕集電極420」とする)と呼ぶ。
【0023】
荷電部3の放電電極310と対向電極320との間には、荷電部用高圧電源30によって直流の高電圧が印加される。荷電部用高圧電源30は、電源50から電力が供給され、制御基板7に搭載された制御部70の荷電部用電圧印加部720(
図8参照)により荷電部スイッチ301,302,303を介して駆動、制御される。
【0024】
集塵部4の捕集電極420と高圧電極410との間には、集塵部用高圧電源40により直流の高電圧が印加される。集塵部用高圧電源40は、電源50から電力が供給され、制御基板7に搭載された制御部70の集塵部用電圧印加部730(
図8参照)により集塵部スイッチ401を介して駆動、制御される。
【0025】
荷電部用高圧電源30は、電気集塵装置2が内蔵する荷電部3の個数と同数(ここでは3個)が設けられており、各電気集塵装置2の荷電部3と1対1に対応して接続される。集塵部用高圧電源40は、電気集塵装置2が内蔵する集塵部4の個数にかかわらず1つであり、すべての集塵部4が並列に接続される。
【0026】
ここで、
図3を参照して、実施形態における放電装置を構成する荷電部3の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る放電装置(荷電部3)の放電電極310および対向電極320を示す模式図である。なお、
図3において、放電電極310は、先端を鋭利な形状としているが、たとえばニードル状でもワイヤ状であっても構わない。
【0027】
対向電極320は、図示するように、平板状に形成されており、導電部321と絶縁部322とを有する。絶縁部322は、導電部321に対向する対向面322aと、空気中に露出する外表面322bとを有する。
【0028】
導電部321は、たとえばSUS304などのステンレスにより形成される。絶縁部322は、たとえば、アルミナを原料とするセラミックにより形成される。かかる絶縁部322により導電部321の表面が被覆された対向電極320は、放電電極310との間での放電電流を抑制することができる。また、放電電流を抑制することにより、オゾンの発生も抑制することが可能である。また、無機物を焼結させたセラミックを用いることにより、放電に伴う絶縁部322の劣化を抑制することができる。
【0029】
本実施形態における絶縁部322は、多孔質セラミックにより形成されており、図示するように、内部には複数の細孔330が形成されている。
【0030】
細孔330は、絶縁部322の中に封じ込められていてもよいが、
図4A~
図4Cに示す連通孔331~333のように、絶縁部322の対向面322aと外表面322bとの間を連通する(換言すれば、絶縁部322の厚み方向に貫通する)形状であってもよい。
【0031】
図4Aに示す第1変形例に係る絶縁部322の複数の連通孔331は、
図3に示した複数の細孔330が繋がり、結果的に絶縁部322の厚み方向に貫通している。
【0032】
図4Bに示す第2変形例に係る絶縁部322の複数の連通孔332は、絶縁部322の内部で三次元的なクランク状に屈曲しているとともに、絶縁部322の厚み方向に貫通している。なお、第1変形例に係る連通孔331も結果的には三次元的に屈曲していることになるが、このように三次元的に屈曲した連通孔331,332の形状については、何ら限定されることはない。
【0033】
図4Cに示す第3変形例に係る絶縁部322の複数の連通孔333は、絶縁部322の厚み方向に直線的に貫通している。
【0034】
ところで、
図4Aに示した複数の連続気孔を備える多孔質セラミックは、例えばセラミックの原料に発泡剤を添加して焼結することで形成できる。なお、連続気孔とは、複数の隣り合う気孔(細孔330)同士が直接繋がって連通した構造のことである。一方、
図4Bおよび
図4Cに示した連通孔332,333を始めとする三次元的に屈曲した連通孔を有するセラミックは、周知のセラミック用3Dプリンタなどで形成することができる。
【0035】
かかる荷電部3の構成を利用し、細孔330を有するセラミックからなる絶縁部322で導電部321を被覆した対向電極320を用いて、放電電極310への印加電圧を高めていく放電実験を行った。実験では、絶縁部322として、厚みが1.0mm、気孔(細孔330)の直径が約0.05~0.2mm、気孔率が約60%の多孔質セラミックを使用した。
【0036】
また、比較実験として、絶縁部322の厚み方向に貫通する細孔330の存在しない絶縁部322で導電部321を被覆した対向電極320を用いて、放電電極310への印加電圧を高めていった。
【0037】
その結果、絶縁部322がその厚み方向に貫通する細孔330を有する場合でも、絶縁部322がその厚み方向に貫通する細孔330を有しない場合でも、絶縁部322の対向面322a側から外表面322b側へと貫通するパルス状の放電が発生する現象が確認された。なお、このときのパルス性の放電における電荷の極性は、放電電極310への印加電圧とは逆極性である。そして、放電の発生頻度は、印加電圧を高めるほど高くなるが、高くし過ぎると、火花放電のような異常放電に遷移してしまうおそれがあることも分かった。
【0038】
かかる現象の中で、絶縁部322が細孔330を有する場合であれば、限られた一定範囲の印加電圧においては、絶縁された対向電極320からの断続的な放電の発生頻度が、相対的に高まる現象が確認された。
【0039】
すなわち、放電電極310に所定範囲の印加電圧で直流電圧を印加した場合、絶縁部322を厚み方向に貫通する細孔330を有する絶縁部322で被覆された対向電極320からは、絶縁部322を厚み方向に貫通する細孔330が存在しない絶縁部322で被覆された場合よりも、パルス性の断続的な放電電流が高い頻度で発生する。なお、ここで所定範囲の印加電圧とは、放電電極310近傍でコロナ放電が生じ始めるときの所定の印加電圧と、火花放電が生じ始めるまでの印加電圧との間の限られた範囲である。
【0040】
また、かかる放電電流の発生によって、対向電極320付近からイオンが発生する現象も確認された。しかも、対向電極320付近から発生するイオンの量は、コロナ放電が生じているときに放電電極310付近から発生するイオンの量よりも多いことが分かった。
【0041】
ところで、絶縁部322の材料としては、必ずしもセラミックである必要はない。たとえば、第1の変形例に係る絶縁部322の代わりに、
図5に示すように、第4の変形例に係る塩化ビニルテープで形成した絶縁部324を用いても、やはり、限られた範囲の印加電圧を放電電極310に印加した場合、絶縁部324で被覆された対向電極320からパルス性の放電電流が断続的に発生することが分かった。
【0042】
すなわち、
図5に示すように、塩化ビニルテープで導電部321を被覆して絶縁部324を形成した場合、絶縁部324の片面には、接着剤が塗布された接着面325が設けられる。そして、接着面325を介して絶縁部324は導電部321に対して接着される。このとき、接着面325を介して絶縁部324同士が一部重なり合うことで、絶縁部324同士の間には、空気層が形成されることが分かっている。かかる空気層が、セラミックの場合に例示した細孔330に相当すると考えられる。
【0043】
このように、安価に入手可能な塩化ビニルテープを用いて形成した絶縁部324であっても、限られた一定範囲の印加電圧において、対向電極320からパルス性の放電電流が断続的に発生する現象が生じることが分かった。このことから、絶縁部322としては、細孔330に相当する気泡を内包した樹脂もしくはゴムであっても構わない。すなわち、接着剤が塗布された接着面325を用いて塩化ビニルテープを導電部321に接合して形成した、気泡を内包する絶縁部324は、細孔330を備える樹脂もしくはゴムの一例となる。
【0044】
図6Aは、放電装置を構成する荷電部3において、絶縁部322を多孔質セラミックで形成した場合における放電電流の波形を示す図であり、
図6Bは、絶縁部324を、接着剤が塗布された接着面325を有する塩化ビニルテープを導電部321に接合して形成した場合における放電電流の波形を示す図である。なお、
図6Aの例では、印加電圧を6.0kVとした。また、
図6Bの例では、印加電圧を6.9kVとした。
【0045】
図示するように、いずれの場合においても、放電電流の値が小さい多数の連続的なパルスに混ざって、放電電流の値が大きい断続的なパルスが現れていることが分かる。放電電流の値が小さな連続的なパルスは、放電電極310付近から発生している、放電電極310への印加電圧と同極性(実施形態では正極性)の電荷による放電を示し、いわゆるバーストパルスコロナ放電によるものである。一方、放電電流の値が大きなパルスは、対向電極320付近から発生している、放電電極310への印加電圧とは逆の極性(実施形態では負極性)の電荷による放電を示す。
図6Aの例では、印加電圧が6.0kVのとき、大きなパルスのピーク電流値平均が1.0mAであって、大きなパルスのパルス頻度は106pulse/sであった。また、
図6Bの例では、印加電圧が6.9kVのとき、ピーク電流値平均が1.5mAであって、パルス頻度は9.8pulse/sであった。すなわち、単位時間Tにおける対向電極320付近からの断続的なパルス性の放電電流の発生回数は、
図6Aに示した絶縁部322にセラミックを用いた場合が、
図6Bに示した絶縁部322に塩化ビニルテープを用いた場合よりも格段に多い。よって、絶縁部322の素材として、断続的なパルス性の放電の発生頻度を高めるのに、多孔質セラミックは塩化ビニルテープよりも適している。また、絶縁部322をセラミックとした場合は、絶縁部324を塩化ビニルテープとした場合よりも印加電圧も小さくなっている。
【0046】
これらの実験結果から、対向電極320の導電部321を絶縁部322で被覆して、限られた範囲の直流の印加電圧を放電電極310に印加した場合、対向電極320付近から放電電極310に印加した印加電圧とは逆の極性の電荷によるパルス性の放電電流が断続的に発生することが分かった。しかも、絶縁部322が細孔330を有する場合、とりわけ絶縁部322がその厚み方向に貫通する連通孔(331、332、333)を備える場合には、放電電流の発生頻度が高くなり、また放電電流を安定的に発生させることができることが分かった。
【0047】
そして、絶縁部322としては、たとえば、空隙が存在する細孔330を有する構成が望ましい。そして、絶縁部322を形成する材料としては、多孔質セラミックを好適に用いることができるが、気泡を内包した樹脂もしくはゴムであってもよい。
【0048】
ここで、対向電極320からパルス性の断続的な放電電流が発生するメカニズムについて説明する。
図7は、荷電部3における対向電極320の絶縁破壊により、印加電圧とは逆極性の電荷によるパルス電流が発生する過程を示す説明図である。
【0049】
図7(a)に示すように、たとえば放電電極310に、所定の大きさの正の直流電圧を印加すると、コロナ放電により、放電電極310付近からプラスイオン(正極性のイオン)が発生し、対向電極320側へ引き寄せられる。すると、
図7(b)に示すように、対向電極320の絶縁部322の表面(
図4A~4Cにおける外表面322b)にプラスイオンが蓄積されていく。このとき、対向電極320の導電部321における絶縁部322近傍には電子が偏在することになり、絶縁部322の表面と導電部321における絶縁部322近傍との間に電位差(電圧)が生じる。
【0050】
電荷が蓄積すると、電位差が大きくなり、一定の電位差に達すると絶縁破壊が生じ、
図7(c)に示すように、対向電極320の導電部321の内部から電子が高速で飛び出す現象が生じる。このとき、絶縁部322に細孔330が存在する場合、たとえば、細孔330として、
図4Aに示すような連通孔331が存在する場合、連通孔331内の空気と連通孔331に面する絶縁部322との界面を通って、絶縁部322の対向面322aから外表面322bへと貫通する放電を生じる。すなわち、絶縁部322の外表面322bへの電荷の蓄積により対向電極320からパルス性の放電電流が断続的に発生する現象が生じる。この場合の放電の状態は、電荷が溜まる絶縁部322および連通孔331により形成される電気的抵抗が適切な場合に断続的なパルス性の放電になると考えられる。
【0051】
絶縁破壊によって対向電極320付近から高速で飛び出した電子は、大きなエネルギをもっているため、空気中に多く存在する窒素分子(N2)に次々と衝突していく。そして、各窒素分子(N2)への衝突時に、高速の電子が窒素分子(N2)から電子を弾き飛ばす。電子を失った窒素分子(N2)は正イオン(N2
+)となって対向電極320の方に引き付けられる。なお、正イオン(N2
+)は不安定であるため、近くの水分子から電子を奪い、安定した窒素分子(N2)に戻る。
【0052】
一方、窒素分子(N
2)から弾き飛ばされた電子は、
図7(d)に示すように、近くの酸素分子(O
2)と結びつく。電子と結びついて生じたマイナスイオン(O
2
-)は、電界に沿って放電電極310に引き付けられる。かかるマイナスイオンが、塵埃などの微粒子を負の極性に帯電させることになる。
【0053】
このように、放電電極310に、第1の極性(たとえば「正」)の印加電圧を印加して、放電電極310近傍でコロナ放電を生じさせると、放電電極310付近から第1の極性のイオンが発生するとともに、対向電極320の絶縁部322での絶縁破壊を生じることによって、対向電極320から大きな放電電流を伴うパルス性の放電が断続的に発生する。これにより、対向電極320側では第2の極性(たとえば「負」)のイオンが大量に発生することになる。
【0054】
上述した実験などから考察されるに、荷電部3の対向電極320付近から発生させたイオンを用いることによって、従来の装置に比べて塵埃への荷電量や荷電効率(放電装置が消費する電力に対する得られた荷電量)を向上させることができる電気集塵装置2の提供が可能となる。しかも、オゾンの発生も抑制することが期待できる。
【0055】
ここで、本実施形態に係る電気集塵装置2において、荷電部3における対向電極320からパルス性の放電を断続的に引き起こさせるように印加電圧を制御可能な制御部70について、
図8を参照しながら簡単に説明する。
図8は、電気集塵装置2が備える制御部70を主とするブロック図である。制御部70は、たとえばCPUやメモリなどのマイクロコンピュータにより構成されており、図示するように、記憶部710と、荷電部用電圧印加部720と、集塵部用電圧印加部730とを有する。そして、記憶部710から所定のプログラムを読み出して処理することで、荷電部用電圧印加部720および集塵部用電圧印加部730としての機能を果たす。
【0056】
なお、記憶部710は、各種プログラムの他、たとえば、各種の計測値、取得値、算出値、各種閾値などを記憶しており、これら各種の計測値、取得値、算出値は、計測タイミング、取得タイミング、算出タイミング毎に、時系列で記憶される。たとえば、対向電極320からのパルス性の放電電流の発生頻度が、望ましい値となるときの印加電圧の値(高い効率で塵埃を荷電できる印加電圧の値)として目標印加電圧値が記憶される。かかる目標印加電圧値は、コロナ放電が生じ始める印加電圧(たとえば4kV)と火花放電が生じ始める印加電圧(たとえば8kV)との間に予め設定される。
【0057】
荷電部用電圧印加部720は、通電を開始すると、放電電極310への直流印加電圧を徐々に上昇させていき、記憶部710に記憶された目標印加電圧値(たとえば6.0kV)の直流電圧を放電電極310に印加する。かかる通電制御により、放電電極310付近から第1の極性のイオンが発生する。そして、放電電極310への印加電圧が目標印加電圧値に達すると、第1の極性とは逆極性である第2の極性の電荷によるパルス性の放電が対向電極320から断続的に発生する。それに伴い、対向電極320付近からは第2の極性のイオンが発生する。なお、第1の極性は正であっても負であってもよい。第1の極性が正の場合、第2の極性は負となる。第1の極性が負の場合、第2の極性は正となる。
【0058】
こうして、対向電極320の絶縁部322に存在する細孔330を利用して、制御部70は、絶縁部322に効果的に絶縁破壊を生じさせて、放電電極310に印加した印加電圧の極性とは逆極性の電荷による放電を対向電極320から断続的に発生させることができる。その結果、放電電極310に印加した印加電圧の極性とは逆の極性のイオンについても対向電極320の側から発生させ、かかるイオンにより、荷電部3を通過する塵埃の微粒子を帯電させることができる。
【0059】
ここで、
図9A~
図12を用いて、本実施形態に係る電気集塵装置2における荷電部3(放電装置)の具体的な構成について説明する。
図9Aは、荷電部3における対向電極板を模式的に示す斜視図、
図9Bは、対向電極板を模式的に示す正面図である。また、
図9Cは、対向電極板における電極部分の説明図である。また、
図10Aは、荷電部3における放電電極板を模式的に示す斜視図、
図10Bは、放電電極板31を模式的に示す正面図である。また、
図11は、荷電部3における電極部300を模式的に示す正面図、
図12は、同電極部300の要部拡大図である。
【0060】
図9Aおよび
図9Bに示すように、荷電部3の複数の対向電極320は、略矩形形状に形成された1枚の板状の対向電極板32から、それぞれ切り起こし加工により形成されている。なお、対向電極板32としては、たとえば、アルミニウムやステンレスなどから形成した金属板を用いることができる。また、ここでは、便宜状、1枚の対向電極板32から4つの対向電極320を形成したものとしているが、対向電極320の枚数などは何ら限定されるものではない。
【0061】
このように、複数の対向電極320は、対向電極板32から、それぞれ根元連結部分3201が残るように矩形帯状に切り起こされて導電部321が形成されている。したがって、対向電極板32には、
図9Bに示すように、切り起こされた薄板状の対向電極320と、対向電極板32に残された対向電極320の切起こし跡となる開口部32aとが交互に形成される。
【0062】
そして、
図9Cに示すように、対向電極板32から切り起こされた導電部321に、別途形成した絶縁部322を被覆する。ここでは、絶縁部322を、多孔質セラミックを材料とするとともに、導電部321の厚みに対応する凹部を有する断面略コ字状に形成している。そして、かかる絶縁部322を、導電部321に嵌合し、重ね合わされた導電部321と絶縁部322の両端部を、絶縁性の合成ゴムにより形成したキャップ状のクリップ323により保持して対向電極320を形成している。なお、クリップ323について、本実施形態では合成ゴムを用いたが、絶縁機能を有し、対向電極320の導電部321と絶縁部322とを接合できる材料であれば特に限定されるものではない。
【0063】
次に、放電電極310について、
図10Aおよび
図10Bを参照しながら説明する。図示するように、荷電部3の複数の放電電極310は、略矩形形状に形成された1枚の板状の放電電極板31から、複数の先鋭部311が形成された状態で、それぞれ切り起こし加工により形成されている。なお、放電電極板31としては、たとえばタングステンやステンレスなどから形成した金属板を用いることができる。なお、ここでは、1枚の放電電極板31から4つの放電電極310を形成したものとしているが、放電電極310の枚数は、対向電極320と対応した数であればよい。なお、放電電極310の形状は、前述したように、ニードル状でもワイヤ状であっても構わない。
【0064】
このように、4枚の放電電極310は、放電電極板31から、それぞれ両端連結部分を残し、複数の先鋭部311を有する帯状に切り起こされて形成される。したがって、放電電極板31には、
図10Bに示すように、切り起こされた薄板状の放電電極310と、放電電極板31に残された放電電極310の切起こし跡となる開口部31aとが交互に形成されている。
【0065】
そして、
図11に示すように、対向電極320が形成された対向電極板32と、放電電極310が形成された放電電極板31とが重ね合わせられて電極部300が構成される。このとき、放電電極310と対向電極320とは、たとえば3mm程度の所定の間隔をあけて対向するように配置される。
【0066】
こうして、電気集塵装置2における荷電部3では、
図12に示すように、交互に配置された放電電極310と対向電極320との間を、電気集塵装置2の吸込口11(
図1参照)から吸引された室内空気が通過する(矢印f)。その際に、荷電部3で発生するイオンによって空気中に含まれる塵埃などの微粒子が帯電され、荷電部3の下手側に配置された集塵部4により、帯電された微粒子が静電気力により捕集される。
【0067】
(他の実施形態)
図13、
図14および
図15は、他の実施形態に係る放電装置(荷電部3)の対向電極320を模式的に示す断面図である。
【0068】
図13に示す対向電極320は、導電部321を絶縁部322で覆う構成は、上述してきた対向電極320と変わらないが、絶縁部322の構成が異なる。すなわち、
図13に示す絶縁部322は、絶縁材料で形成された外殻336の中に空気やその他の絶縁物337を封入した多数のマイクロカプセル335の集合が、シート状に形成されている。
【0069】
また、
図14に示す対向電極320は、導電部321を、金属製の棒状体3210により形成し、絶縁部322を、複数の細孔330を有する多孔質セラミックで形成した筒状体3220とし、この筒状体3220により棒状体3210を被覆した構成としている。この他の実施形態においては、多孔質セラミックで形成した筒状体3220の中空部3221に、金属製の棒状体3210を差し込んだ構成としている。
【0070】
また、
図15に示す対向電極320は、導電部321を、これも金属製の棒状体3210により形成し、絶縁部322を、複数の編目3231を有するセラミック編組3230とし、このセラミック編組3230により棒状体3210を被覆した構成としている。本実施形態における絶縁部322は、セラミック編組3230の編目3231が、セラミックで形成した絶縁部322の細孔330と同様な機能を奏すると考えられる。したがって、編目3231によって絶縁部322に効果的に絶縁破壊を生じさせ、対向電極320から印加電圧とは逆極性のパルス電流を発生させることが可能となる。
【0071】
なお、
図14および
図15で示した導電部321を構成する棒状体3210に代えてワイヤを用いることもできる。
【0072】
上述してきたように、実施形態に係る空気清浄機1は、電気集塵装置2が内蔵する荷電部3における対向電極320を、導電部321を絶縁部322で被覆した構成とした。その上で、絶縁部322を複数の細孔330を有する構成としたため、対向電極320の側から発生するパルス性の放電の発生頻度を著しく高めることができる。したがって、塵埃の捕集効率を高めることができるとともに、オゾンの発生の抑制も期待できる。
【0073】
以上、本願の実施例を図面に基づいて説明したが、あくまでも例示であって、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施すことができる。
【0074】
上述してきた実施形態より、以下に示す放電装置、放電方法および電気集塵装置2が実現できる。なお、以下における放電装置は、電気集塵装置2における荷電部3に相当する。
【0075】
(1)放電電極310と、この放電電極310に対向して配置される対向電極320と、を備え、対向電極320は、導電部321と、この導電部321の表面を被覆する絶縁部322とを有し、絶縁部322は、細孔330を有する放電装置(荷電部3)。
【0076】
かかる構成により、対向電極320の側からの放電の発生頻度を高めることができる。
【0077】
(2)上記(1)において、放電電極310に印加する電圧を制御する荷電部用電圧印加部720を備え、荷電部用電圧印加部720は、放電電極310に直流電圧を印加することにより、対向電極320の絶縁部322が有する細孔330を介して放電を発生させる放電装置(荷電部3)。
【0078】
かかる構成により、複雑な制御を行うことなく放電の発生頻度を確実に高めることができる。そのため、簡単な構成で塵埃等の微粒子への荷電量や荷電効率を高めることも可能となる。
【0079】
(3)上記(2)において、放電は、断続的に発生するパルス性の放電である放電装置(荷電部3)。
【0080】
かかる構成により、複雑な制御を行うことなく、断続的なパルス性の放電を発生させることができ、上記(2)の効果をより確実に奏することができる。
【0081】
(4)上記(2)または(3)において、放電は、荷電部用電圧印加部720により印加された電圧とは逆の極性の電荷による放電である放電装置(荷電部3)。
【0082】
かかる構成により、上記(2)または(3)の効果に加え、荷電部3で発生するイオンの量を増加させることが可能となり、塵埃への荷電量や荷電効率(放電装置が消費する電力に対する得られた荷電量)を向上させることが期待できる。
【0083】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、絶縁部322は、導電部321に対向する対向面322aと、空気中に露出する外表面322bとを備え、細孔330は、絶縁部322の対向面322aと外表面322bとの間を連通する連通孔331,332,333を含む放電装置(荷電部3)。
【0084】
かかる構成により、細孔330を介して絶縁部322を貫通する放電が起きやすくなるため、上記(1)から(4)のいずれかの効果をより確実に高めることができる。
【0085】
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、絶縁部322は多孔質の絶縁材料により形成されている放電装置(荷電部3)。
【0086】
かかる構成により、絶縁部322の素材として、たとえば細孔330を形成する加工が難しいセラミックを用いた場合でも、絶縁部322を貫通する細孔330を形成することができ、上記(1)から(5)のいずれかの効果を確実に奏することができる。
【0087】
(7)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、絶縁部322は、細孔330に相当する気泡を内包した絶縁材料により形成されている放電装置(荷電部3)。
【0088】
かかる構成により、絶縁部322の素材として、たとえば樹脂もしくはゴムを用いた場合でも、細孔330を容易に形成することができ、上記(1)から(5)のいずれかの効果を、簡単かつ低コストで実現することができる。
【0089】
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、絶縁部322は、セラミックにより形成されている放電装置(荷電部3)。
【0090】
かかる構成により、上記(1)から(7)のいずれかの効果に加え、絶縁部322として、たとえば塩化ビニルテープなどの他の絶縁材料を用いた場合よりも、印加電圧を小さくすることができる。また、放電に伴う絶縁部322の劣化を抑制することができる。
【0091】
(9)上記(1)から(8)のいずれかに記載の放電装置を構成する荷電部3と、この荷電部3により帯電された微粒子を静電気力により捕集する集塵部4とを備える電気集塵装置2。
【0092】
かかる構成により、上記(1)から(8)のいずれかの効果を奏する電気集塵装置2を提供することができる。
【0093】
上述の実施形態および図示の具体的名称、処理、制御、各種のデータなどについては、一例を示すに過ぎず、適宜変更される場合がある。たとえば、上述の実施形態では、対向電極320の絶縁部322の材料として、セラミックや塩化ビニル樹脂を用いた。しかし、絶縁部322の材料としては、細孔330が含まれ、かつ絶縁性が担保できるものであれば、特に限定されるものではない。
【0094】
また、上述の実施形態のより広範な態様は、上述のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0095】
2 電気集塵装置
3 荷電部
4 集塵部
70 制御部
310 放電電極
320 対向電極
321 導電部
322 絶縁部(セラミック)
322a 対向面
322b 外表面
324 絶縁部(塩化ビニルテープ)
330 細孔
331 連通孔
332 連通孔
333 連通孔
720 荷電部用電圧印加部
3230 セラミック編組