(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240723BHJP
B41J 29/02 20060101ALI20240723BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20240723BHJP
H05K 5/03 20060101ALN20240723BHJP
【FI】
G03G21/16 120
G03G21/16 123
B41J29/02
B41J29/13
H05K5/03 D
(21)【出願番号】P 2020078195
(22)【出願日】2020-04-27
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【氏名又は名称】新保 元啓
(72)【発明者】
【氏名】平原 一尚
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-188160(JP,A)
【文献】特開平04-078559(JP,A)
【文献】特開平10-078737(JP,A)
【文献】特開2001-154436(JP,A)
【文献】特開2000-138470(JP,A)
【文献】特開2007-003806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
B41J 29/02
B41J 29/13
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状の柱と横梁とを組合わせることで形成され、互いに間隔を空けて第1方向において対向し上下方向に延びる一対の隅
柱を有する骨格フレームと、
シートが収容される給紙カセットと、
シートに対して画像を形成する画像形成部と、
前記骨格フレーム内において前記骨格フレームに装着される所定部材と、
前記一対の隅柱における互いの内側面からそれぞれ内側に突出する一対の支持軸と、
前記一対の支持軸により下端部が回動可能に支持され、前記一対の支持軸を支点に回動することで前記一対の隅柱の間を開閉可能な開閉部材と、を備え、
前記所定部材は、前記給紙カセットの側方に配置され、所定のシート搬送路に沿ってシートをガイドするガイド面を形成する給紙ベース部材であり、
前記骨格フレームは、前記一対の隅柱に対し前記骨格フレームの内側へオフセットした位置において前記第1方向に沿って水平に延びる支持梁を有し、
前記所定部材が前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記骨格フレームの外側から前記一対の隅柱の間を通って水平に移動して前記骨格フレームの内部に挿入されるときに、前記一対の支持軸の少なくとも一方は、前記所定部材を支持するガイド部として兼用され、
前記所定部材は、前記第2方向に延び、該所定部材の挿入過程で前記ガイド部により下方から支持される被支持面を有し、
前記支持梁は、前記所定部材の挿入過程において、前記所定部材の前記被支持面が前記ガイド部を通過し終える前に、該所定部材の支持を開始し、該所定部材の装着が完了するまで該支持を継続するように配置されている、画像形成装置。
【請求項2】
中空状の柱と横梁とを組合わせることで形成され、互いに間隔を空けて第1方向において対向し上下方向に延びる一対の隅
柱を有する骨格フレームと、
シートに対して画像を形成する画像形成部と、
前記骨格フレーム内において前記骨格フレームに装着される所定部材と、
前記一対の隅柱における互いの内側面からそれぞれ内側に突出する一対の支持軸と、
前記一対の支持軸により下端部が回動可能に支持され、前記一対の支持軸を支点に回動することで前記一対の隅柱の間を開閉可能な開閉部材と、
前記開閉部材に取付けられて、該開閉部材における開閉方向の内側に突出する一対のフック部材と、
前記一対の隅柱のそれぞれに連結された板金部材の内側面に突設され、前記開閉部材が開状態から閉状態に移行する際に、前記一対のフック部材と係合することで前記開閉部材を閉状態に保持する一対の係合軸と、を備え、
前記骨格フレームは、前記一対の隅柱に対し前記骨格フレームの内側へオフセットした位置において前記第1方向に沿って水平に延びる支持梁を有し、
前記所定部材は、前記画像形成部で画像が形成された前記シートを排出トレイへ排出する排出ユニットであり、
前記所定部材が前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記骨格フレームの外側から一対の隅柱の間を通って水平に移動して該骨格フレームの内部に挿入されるときに、
前記一対の係合軸の少なくとも一方は、前記所定部材を支持するガイド部として兼用され、
前記所定部材は、前記第2方向に延び、該所定部材の挿入過程で前記ガイド部により下方から支持される被支持面を有し、
前記支持梁は、前記所定部材の挿入過程において、前記所定部材の前記被支持面が前記ガイド部を通過し終える前に、該所定部材の支持を開始し、該所定部材の装着が完了するまで該支持を継続するように配置されている、画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記骨格フレームは、
前記所定部材の前記第1方向に延び、前記所定部材の装着完了状態において該所定部材の挿入方向の前側面に当接する位置決め梁とを有し、
前記位置決め梁は、前記所定部材の装着完了状態において、該所定部材の挿入方向の前側面に形成された係合部に係合することで該所定部材の位置決めを行う被係合部を有している、画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記所定部材は、前記係合部の上側に位置し且つ該所定部材の前記挿入方向の前側に向かって上側に傾斜する傾斜部を有していて、
前記傾斜部は、前記所定部材の装着が完了する直前に、該所定部材の移動に伴って、前記位置決め梁に当接しながら、該所定部材の係合部を、前記位置決め梁の前記被係合部に向けて案内するように形成されている、画像形成装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記所定部材における前記
第1方向の一側面には、該所定部材の前記挿入方向に延び、該
第1方向の外側に開放する断面コ字状の溝部が形成され、
前記被支持面は、前記溝部の上壁面により構成されている、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、中空状の柱及び横梁を組合わせて構成される骨格フレームを備えた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この骨格フレームでは、断面四角形状の角パイプにより柱及び横梁を構成している。骨格フレーム内には、画像形成プロセスを実行する画像形成ユニットや、画像形成ユニットにて用紙に形成されたトナー像を熱定着させる定着ユニット装着されている。骨格フレームの一側面は、メンテナンス用の開閉カバーにより覆われている(例えば、特許文献1の
図9参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すように、中空状の柱及び横梁を組み合わせた骨格フレーム(以下、パイプフレームという)を使用した場合、例えば板金部材を組み合わせた骨格フレーム(以下、板金フレームという)に比べて、フレーム剛性を高めることができる反面、骨格フレー内に画像形成ユニット等の各種ユニット(所定部材)を装着するためのガイドレール部を確保し難いという問題がある。
【0005】
すなわち、パイプフレーム構造を採用した場合、板金フレーム構造を採用した場合のように、板金部材の一部を切欠いて折曲げることでガイドレール部を形成するという手法を採用することができない。
【0006】
このため、特許文献1に示す従来のパイプフレームでは、ガイドレール部をフレームとは別部材で構成したり、先に取付けたユニットにレール形状を設けたりする必要があった。前者の場合、ガイドレール部を骨格フレームとは別部品化する必要があるためコスト増加及び重量増加を招くという問題がある。また、後者の場合には、ユニットにレール形状を設ける必要があるためユニットが大型化してコスト増加及び重量増加を招くという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、中空状の柱及び横梁を組み合わせた骨格フレームと、該骨格フレーム内に装着される所定部材とを備えた画像形成装置において、骨格フレーム内に所定部材を挿入する際のガイド部を、重量増加を招くことなく簡単且つ安価に構成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、中空状の柱及び横梁を組合わせることで形成される骨格フレームと、該骨格フレーム内に装着される所定部材とを備えている。
【0009】
そして、前記骨格フレームは、互いに間隔を空けて対向する一対の隅柱を有し、前記一対の隅柱における互いの内側面からそれぞれ内側に突出する一対の支持軸と、前記一対の支持軸により下端部が回動可能に支持され、前記一対の支持軸を支点に回動することで前記一対の隅柱の間を開閉可能な開閉部材とを備え、前記所定部材は、前記骨格フレームの外側から前記一対の隅柱の間を通って水平に移動して該骨格フレームの内部に装着されるものであり、前記一対の支持軸の少なくとも一方は、前記一対の隅柱の間から前記骨格フレームの内部に所定部材を挿入する際に該所定部材をガイドするガイド部として兼用されている。
【0010】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、中空状の柱及び横梁を組合わせることで形成される骨格フレームと、該骨格フレーム内に装着される所定部材とを備えている。
【0011】
そして、前記骨格フレームは、互いに間隔を空けて対向する一対の隅柱を有し、前記一対の隅柱における互いの内側面からそれぞれ内側に突出する一対の支持軸と、前記一対の支持軸により下端部が回動可能に支持され、前記一対の支持軸を支点に回動することで前記一対の隅柱の間を開閉可能な開閉部材と、前記開閉部材に取付けられて、該開閉部材における開閉方向の内側に突出するフック部材と、前記一対の隅柱のそれぞれに連結された板金部材の内側面に突設され、前記開閉部材が開状態から閉状態に移行する際に、前記一対のフック部材と係合することで前記開閉部材を閉状態に保持する一対の係合軸とを備え、前記所定部材は、骨格フレームの外側から一対の隅柱の間を通って水平に移動して該骨格フレームの内部に装着されるものであり、前記一対の係合軸の少なくとも一方は、前記一対の隅柱の間から前記骨格フレームの内部に前記所定部材を挿入する際に該所定部材をガイドするガイド部として兼用されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、中空状の柱及び横梁を組み合わせた骨格フレームと骨格フレーム内に装着される所定部材とを備えた画像形成装置において、骨格フレーム内に所定部材を挿入する際のガイド部を、重量増加を招くことなく簡単且つ安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態における画像形成装置を示す概略構成図である。
【
図2】
図2は、実施形態における画像形成装置の骨格フレームを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、骨格フレームの第三隅柱に取付けられた開閉カバーの支持軸を拡大して示す拡大斜視図である。
【
図4】
図4は、骨格フレームと、該骨格フレームに取付けられて開放状態にある開閉カバーとを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、開閉カバーに取付けられたフック部材を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、骨格フレームに給紙ベース部材が装着された状態を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、骨格フレームに給紙ベース部材が装着された状態を示す平面図である。
【
図10】
図10は、骨格フレームにおける給紙ベース部材の取付部を拡大して示す拡大側面図である。
【
図12】
図12は、骨格フレームに対する給紙ベース部材の装着作業を説明するための説明図であって、
図7のA-A線断面に相当する図である。
【
図13】
図13は、骨格フレームに対する給紙ベース部材の装着作業を説明するための説明図であって、
図7のA-A線断面に相当する図である。
【
図14】
図14は、骨格フレームに対する給紙ベース部材の装着作業を説明するための説明図であって、
図7のA-A線断面に相当する図である。
【
図15】
図15は、骨格フレームに対する給紙ベース部材の装着作業を説明するための説明図であって、
図7のA-A線断面に相当する図である。
【
図16】
図16は、給紙ベース部材のボス部が位置決め孔に係合する過程を説明するための説明図である。
【
図17】
図17は、変形例における骨格フレームに対する給紙ベース部材の装着作業を説明するための説明図であって、
図7のA-A線断面に相当する図である。
【
図18】
図18は、変形例における骨格フレームに対する給紙ベース部材の装着作業を説明するための説明図であって、
図7のA-A線断面に相当する図である。
【
図19】
図19は、変形例における骨格フレームに対する給紙ベース部材の装着作業を説明するための説明図であって、
図7のA-A線断面に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0015】
《実施形態》
図1は、実施形態における画像形成装置1を示す概略構成図を示す。尚、以下の説明において、前側、後側、左側及び右側は、画像形成装置1を基準とする方向であって各図に示す方向軸の定義にしたがうものとする。
【0016】
[画像形成装置の全体構成]
前記画像形成装置1は、例えば胴内排紙型の複写機により構成されていて、画像形成装置本体2と、画像形成装置本体2の上側に設けられた画像読取装置50とを有している。画像読取装置50は、原稿画像を光学的に読み取ってその画像データを生成する。
【0017】
画像形成装置本体2内には、画像読取装置50にて読取った原稿の画像データを基に用紙に画像を転写形成する画像形成部3が設けられている。画像形成部3の下方には、レーザー光を照射する露光装置4が配置され、画像形成部3の上方には、転写ベルト5が配置されている。露光装置4の下方には、シートの一例である用紙を貯留する給紙部6が上下二段に亘って配置されている。転写ベルト5の右側の上方には、用紙に転写形成された画像に定着処理を施す定着ユニット8が配置されている。画像形成装置本体2の上部には、定着ユニット8で定着処理が施された用紙を、画像形成装置本体2の上面に形成された排出トレイ2bに排出する排出ユニット9が設けられている。画像形成装置本体2内には、前記給紙部6から排出トレイ2bに向かって延びる主搬送路T1と、画像形成装置本体2の下端から上側に延びて主搬送路T1に合流するオプション搬送路T2と、主搬送路T1の上流側端部から分岐して主搬送路T1の上下方向の中間部に合流する反転搬送路T3と、画像形成装置本体2の左側面の手差しトレイ2dから水平方向に延びて主搬送路T1に合流する手差し用搬送路T4とが設けられている。オプション搬送路T2(所定のシート搬送経路)は、例えば画像形成装置本体2の下側にオプション用の給紙カセットを増設した場合に使用される。
【0018】
画像形成装置本体2における主搬送路T1及びオプション搬送路T2に隣接する右側壁部2aには矩形状の開口部7が形成されている。この開口部7は、開閉カバー20(開閉部材の一例)と補助カバー40によって閉塞されている。オプション用の給紙カセットを増設した場合には、補助カバー40の代わりにオプション用の給紙カセットの開閉部材が開閉カバー20の下端まで突出して、開口部7を閉塞する。
【0019】
前記画像形成部3は、転写ベルト5に沿って一列に配置された4つの画像形成ユニット10を備えている。各画像形成ユニット10は、感光体ドラム11を有している。各感光体ドラム11の直下には、帯電器12が配置され、各感光体ドラム11の左側には、現像装置13が配置され、各感光体ドラム11の直上には、一次転写ローラー14が配置され、各感光体ドラム11の右側には、感光体ドラム11の周面をクリーニングするクリーニング部15が配置されている。
【0020】
各感光体ドラム11は、帯電器12によって周面が一様に帯電され、当該帯電後の各感光体ドラム11の周面に対して、前記コンピューター等から入力された画像データに基づく各色に対応したレーザー光が露光装置4から照射される。この結果、各感光体ドラム11の周面に静電潜像が形成される。かかる静電潜像に現像装置13から現像剤が供給されて、各感光体ドラム11の周面にイエロー、マゼンタ、シアン、又はブラックのトナー像が形成される。これらトナー像は、一次転写ローラー14に印加された一次転写バイアスにより転写ベルト5にそれぞれ重ねて転写される。
【0021】
転写ベルト5の右側には、二次転写ローラー16が配置されている。二次転写ローラー16は、転写ベルト5と当接した状態で配置されている。二次転写ローラー16は、各給紙部6から主搬送路T1に沿って搬送されてくる用紙を転写ベルト5との間で挟持する。二次転写ローラー16には二次転写バイアスが印加されており、この印加された二次転写バイアスにより転写ベルト5上のトナー像が用紙に転写される。
【0022】
主搬送路T1における二次転写ローラー16の搬送下流側には前記定着ユニット8が設けられている。定着ユニット8は、互いに圧接された加熱ローラー8a及び加圧ローラー8bを定着ハウジング(図示省略)に収容して構成されている。そして、定着ユニット8は、これら加熱ローラー8a及び加圧ローラー8bにより用紙を挟持することで用紙を加圧しながら加熱する。そうして、定着ユニット8は、用紙に転写されたトナー像を用紙に定着させる。定着処理後の用紙は前記排出ユニット9に向けて送出される。
【0023】
排出ユニット9は、排紙口2c付近に配置された排出ローラー対9aと、排出ローラー対9aを有するハウジング9bとを有している。そして、排出ユニット9は、定着ユニット8から送出された用紙を受け入れて排出ローラー対9aによって排出トレイ2bに排出する。尚、用紙に両面印刷を行う際には、片面印刷が終了した後に、排出ローラー対9aによって用紙をスイッチバックさせて反転搬送路T3に供給し、該反転搬送路T3を介して主搬送路T1に用紙を再供給する。また、手差しトレイ2dにセットした用に印刷を行う場合には、手差し用搬送路T4を経由して主搬送路T1に用紙を供給して画像形成部3により当該用紙に印刷を行う。
【0024】
[開閉カバー20の構成]
前記開閉カバー20は開閉可能になっており、主搬送路T1又はオプション搬送路T2内でジャムが発生した場合には、開閉カバー20を開くことでジャム紙を容易に除去することができる。具体的には、開閉カバー20は、開口部7の形状に対応して略矩形板状に形成されている。開閉カバー20における下端部の幅方向の両側面はそれぞれ支持軸101により回動可能に支持されている。各支持軸101は、後述するように画像形成装置1の骨格フレーム100(
図2参照)に取付けられている。各支持軸101は、開閉カバー20の幅方向の両側面に形成された支持孔に挿入されている。そして、開閉カバー20は、一対の支持軸101回りに回動することで開口部7を開閉する。
図1は、開閉カバー20が開口部7を閉塞する閉状態を示している。開閉カバー20は、この閉状態から一対の支持軸101を支点として画像形成装置本体2の外側(
図1の右側)に回動することで開放される。
【0025】
開閉カバー20の内壁面20a(画像形成装置1の内方側の面)には搬送路形成部材21が取付けられている。搬送路形成部材21の上側半部には、主搬送路T1に接続された前記反転搬送路T3が形成されている。搬送路形成部材21の左側面は、主搬送路T1及びオプション搬送路T2に沿って延びる用紙ガイド面21aを形成している。
【0026】
用紙ガイド面21aには、二次転写ローラー16と、レジストローラー対17の一方のローラーと、搬送ローラー対18の一方のローラーと、搬送ローラー対19の一方のローラーとが設けられている。
【0027】
搬送路形成部材21の下端部におけるオプション搬送路T2を挟んで反対側には、給紙ベース部材31が設けられている。給紙ベース部材31の右側面には搬送ローラー対19の他方のローラー(搬送ローラー対19における前記一方のローラーに対向するローラー)が支持されている。また、給紙ベース部材31の内側には、上下の給紙部6に対応する給紙ユニット30が支持されている。給紙ベース部材31は、後述するように、画像形成装置本体2の骨格フレーム100の内部に右側から挿入される。
【0028】
[骨格フレーム100の構成]
図2に示すように、骨格フレーム100は、中空状の柱及び梁を組合せて構成されており、各柱及び横梁は例えば断面矩形状の中空パイプにより構成されている。
【0029】
より具体的には、骨格フレーム100は、前後方向(所定方向の一例)に間隔空けて配置された前側フレーム部110及び後側フレーム部120と、両フレーム部110,120を互いに連結する連結部130と、両フレーム部110,120の上端部に連結支持された上端フレーム部140とを有している。
【0030】
前側フレーム部110は、骨格フレーム100の前側の左右の隅部にて上下方向に延びる第一隅柱111及び第二隅柱112と、左右方向に延びて該第一隅柱111及び第二隅柱112を互いに連結する三つの横梁113、114,115とを有している。
【0031】
三つの横梁113、114,115はそれぞれ左右方向に水平に延びている。横梁113は、第一隅柱111の下端部と第二隅柱112の下端部とを連結している。他の二つの横梁114,115は、第一隅柱111の上下方向の中間部と第二隅柱112の上下方向の中間部とを連結している。横梁114は、横梁113に対して上側に間隔を空けて配置され、横梁115は、横梁114に対して上側に間隔を空けて配置されている。横梁114及び横梁115間の右側端部には、上下方向に長い矩形板状の板金部材128が設けられている。板金部材128は、第一隅柱111、横梁114及び横梁115に連結固定されている。
尚、本実施形態では、前側フレーム部110において、第一隅柱111及び第二隅柱112は横梁114を挟んで上下に分割されているが、これに限ったものではなく、各隅柱111,112を一本の柱で構成してもよいし、三つ以上に分割してもよい。
【0032】
後側フレーム部120は、骨格フレーム100の後側の左右の隅部にて上下方向に延びる第三隅柱121及び第四隅柱122と、左右方向に延びて該第三隅柱121及び第四隅柱122を互いに連結する三つの横梁123,124,125とを有している。
【0033】
三つの横梁123,124,125はそれぞれ左右方向に水平に延びている。横梁123は、第三隅柱121の下端部と第四隅柱122の下端部とを連結している。他の二つの横梁124,125は、第三隅柱121の上下方向の中間部と第四隅柱122の上下方向の中間部とを連結している。横梁124は、横梁123に対して上側に間隔を空けて配置され、横梁125は、横梁124に対して上側に間隔を空けて配置されている。これら二つの横梁124,125はそれぞれ、前側フレーム部110の各横梁114,115と同じ高さに位置している。二つの横梁124,125には、各色の画像形成ユニット10の後端面に当接する板金部材127が取付けられている。板金部材127は第三隅柱121にも連結されている。
尚、本実施形態では、後側フレーム部120において、第三隅柱121及び第四隅柱122は横梁124を挟んで上下に分割されているが、これに限ったものではなく、各隅柱121,122を一本の柱で構成してもよいし、三つ以上に分割してもよい。
【0034】
連結部130は、一対の下端連結梁131と、中間連結梁132と、上端連結梁133と、上側補助連結梁134と、下側補助連結梁135とを有している。各連結梁131~135はそれぞれ前後方向に水平に延びている。尚、以下の説明において、下端連結梁131の左右を区別する必要があるときは、左側、右側に対応する添字L,Rを付するものとする。
【0035】
一対の下端連結梁131は左右方向に間隔を空けて配置されている。左側の下端連結梁131Lは、前側フレーム部110に含まれる第二隅柱112の下端部と、後側フレーム部120に含まれる第四隅柱122の下端部とを連結している。右側の下端連結梁131Rは、前側フレーム部110に含まれる横梁113と、後側フレーム部120に含まれる横梁123とを連結している。右側の下端連結梁131Rは、第一隅柱111及び第三隅柱121よりも左側にオフセットした位置に配置されている。中間連結梁132は、前側フレーム部110に含まれる第二隅柱112の上下方向の中間部と、後側フレーム部120に含まれる第四隅柱122の上下方向の中間部とを連結している。上端連結梁133は、前側フレーム部110に含まれる第二隅柱112の上端と、後側フレーム部120に含まれる第四隅柱122の上端とを連結している。上側補助連結梁134は、前側フレーム部110に含まれる横梁115の左右方向の中間部と、後側フレーム部120に含まれる横梁125の左右方向の中間部とを連結している。下側補助連結梁135は、前側フレーム部110に含まれる横梁114の左右方向の中間部と、後側フレーム部120に含まれる横梁124の左右方向の中間部とを連結している。下側補助連結梁135には、上述した給紙ベース部材31の位置決めを行うための前後一対の位置決め孔135a(
図2では一方のみを示す)が形成されている。
【0036】
上端フレーム部140は、四つの横梁141を左右方向に長い矩形枠状に連結して構成されている。そして、上端フレーム部140の上面は画像読取装置50の載置面として機能する。上端フレーム部140の右側且つ後側の端部は第三隅柱121の上端及び補強柱126の上端に連結支持されている。また、上端フレーム部140の右側且つ前側の端部は、連結梁142を介して第一隅柱111の上端及び補強柱116の上端に連結支持されている。さらに上端フレーム部140の左側且つ後側の端部は一対の支持柱150を介して上端連結梁133の上面に連結支持されている。
【0037】
[骨格フレーム100に対する開閉カバー20の支持構造]
図2~
図4を参照して、骨格フレーム100に対する開閉カバー20の支持構造を説明する。
図2に示すように、開閉カバー20を支持する一対の支持軸101は、前記第一隅柱111及び第三隅柱121の互いの内側面の下端部から内側に突出するように配置されている。各支持軸101は、
図3に示すように、金属製の円柱状ピンにより構成されている。
図4に示すように、開閉カバー20の幅方向の両側端部にはそれぞれフック部材22(
図4では一方のみを示す)が取付けられている。各フック部材22は、開閉カバー20の開閉方向の内側に突出している。各フック部材22は、
図5に拡大して示すように、基端部が揺動軸23により揺動可能に支持されているとともに、不図示の付勢部材によって
図5の反時計回り方向(つまり先端部が下がる向き)に常時付勢されている。そして、開閉カバー20が開位置から全閉位置に移行する際に、このフック部材22が骨格フレーム100に設けられた係合軸102に係合することで開閉カバー20が閉位置に保持される。
【0038】
係合軸102は、
図2に示すように、骨格フレーム100における互いに対向する板金部材127及び板金部材128の内側面から内側に突出している。係合軸102は、支持軸101と同様に金属製の円柱状ピンにより構成されている。
【0039】
[給紙ベース部材31の構成]
図6及び
図7はそれぞれ、骨格フレーム100に給紙ベース部材31を装着した状態を示す斜視図及び平面図である。
【0040】
給紙ベース部材31は、開閉カバー20を骨格フレーム100に組付ける前に、骨格フレーム100の右側の二つの隅部に設けられた第一隅柱111及び第三隅柱121の間から骨格フレーム100内に挿入して装着される。
【0041】
給紙ベース部材31は、骨格フレーム100の下端部の前後方向の全体に延設さており、給紙ベース部材31の右側面がオプション搬送路T2(所定のシート搬送路)を形成している。
【0042】
図8及び
図9に示すように、給紙ベース部材31は、上下方向且つ前後方向に延びる鉛直ガイド部31aと、鉛直ガイド部31aの上端部から左側に突出する上側水平部31bと、鉛直ガイド部31aの下端部から左側に突出する下側水平部31cと、上下方向に延びて上側水平部31b及び下側水平部31cの後端部同士を連結する後側鉛直壁部31iとを有している。
【0043】
鉛直ガイド部31aの右側面はオプション搬送路T2(所定のシート搬送路)に沿ってシートをガイドするガイド面として機能する。鉛直ガイド部31aには、各給紙部6から搬送されるシートが通過するための搬入口31oが前後方向に延びて形成されている。各給紙部6のシートは搬入口31oを通して搬送路T1に搬送される。鉛直ガイド部31aの前側端部には、左右方向に貫通する挿通溝31m(
図8にのみ示す)が形成されている。挿通溝31mは、給紙ベース部材31を骨格フレーム100内に挿入する際に前側の支持軸101が通過するように形成されている。
【0044】
上側水平部31bの突出側の端面には、一対のボス部31dが突設されている。一対のボス部31dは前後方向に間隔を空けて形成されており、各ボス部31dが骨格フレーム100の下側補助連結梁135に形成された一対の位置決め孔135a(
図2参照)に係合することで給紙ベース部材31の位置決めがされる。ボス部31dが係合部に相当し、位置決め孔135aが被係合部に相当する。
【0045】
上側水平部31bにはさらに、該各ボス部31dの上側を覆うように配置された一対の突出ガイド部31eが形成されている。突出ガイド部31eは、各ボス部31dよりも挿入方向前側(画像形成装置1の左側)に突出している。突出ガイド部31eは、挿入方向前側から見て下側に開放するコ字状に形成されており、突出ガイド部31eの下端側の先端部は、挿入方向前側に向かって上側に傾斜する一対の傾斜縁31n(傾斜部に相当)により構成されている。
【0046】
上側水平部31bの前後方向の両端部には、左右方向に貫通する取付孔31fが形成されている。
図7に示すように、上側水平部31bの上面部には格子状のリブ板が突設されている。上側水平部31bの上面における取付孔31fに対応する箇所には、左右方向に延びるザグリ31pが形成されている。給紙ベース部材31を骨格フレーム100に固定する際には、後述するようにロボットがこのザグリに沿ってビス32を取付孔31fに挿通する。
【0047】
図8及び
図9に示すように、下側水平部31cの下面には、前後方向に間隔を空けて並ぶ一対の取付板31gが突設されている。各取付板31gには、厚さ方向に貫通する取付孔31fが形成されている。そうして、給紙ベース部材31には、上側水平部31bに形成された二つの取付孔31fと、下側水平部31cにおける一対の取付板31gに形成された二つの取付孔31fとの合計で四つの取付孔31fが設けられている。
【0048】
後側鉛直壁部31iの後側面(一側面)には、後側に開放する断面コ字状のガイド溝31j(溝部)が形成されている。ガイド溝31jは、後側鉛直壁部31iの上下方向の中央部よりも下側に位置していて後側鉛直壁部31iの左右方向の全体に亘って形成されている。
【0049】
ガイド溝31jの左側端部には、上下一対の面取部31kが末広がり状に形成されている。この面取部31kを設けることで、給紙ベース部材31の装着作業を行う際に、後側の支持軸101をガイド溝31j内に容易に導いて係合させることができる。
【0050】
[骨格フレーム100における給紙ベース部材31の取付け部の構成]
図10は、骨格フレーム100における給紙ベース部材31の取付部を示す図である。
骨格フレーム100の下側補助連結梁135には、前後方向に間隔を空けて並ぶ一対の位置決め孔135aが形成されている。後述するように、各位置決め孔135aには、給紙ベース部材31の各ボス部31dが係合(嵌合)する。一対の位置決め孔135aの前後方向の外側には、給紙ベース部材31の上側水平部31bを固定するための一対の螺子孔136が形成されている。下端連結梁131Rには、給紙ベース部材31の下側水平部31cを固定するための一対の螺子孔136が前後方向に間隔を空けて形成されている。そうして、骨格フレーム100には、給紙ベース部材31を取付けるための螺子孔136が合計で四つ設けられている。
【0051】
図11は、骨格フレーム100に対する給紙ベース部材31の取付けが完了した状態を示している。給紙ベース部材31は、一対のボス部31dを下側補助連結梁135の位置決め孔135aに係合させた状態で、前記四つの取付孔31fにビス32を挿通して骨格フレーム100の螺子孔136に螺合させることで固定されている。
【0052】
[給紙ベース部材31の装着手順]
次に、
図12~
図15を参照して、骨格フレーム100に対する給紙ベース部材31の装着手順を説明する。以下で説明する給紙ベース部材31の装着作業は、図示しないロボットにより行われる。尚、給紙ベース部材31の装着作業は人が手作業で行ってもよい。
【0053】
先ず、給紙ベース部材31を予め定めた準備位置に保持する。この準備位置では、
図12に示すように、給紙ベース部材31が骨格フレーム100の右側外方に配置される。準備位置では、給紙ベース部材31は、右側外方から見て第一隅柱111と第三隅柱121との間に位置しているとともに、給紙ベース部材31のボス部31dが下側補助連結梁135に対応する高さに位置している。
【0054】
次に、給紙ベース部材31を準備位置から左側に向かってゆっくりと移動させていく。そうすると、
図13に示すように、第三隅柱121に突設された開閉カバー20の支持軸101が後側鉛直壁部31iのガイド溝31j内に進入する。この結果、給紙ベース部材31は、支持軸101により挿入方向(左右方向)にガイドされる。また、支持軸101がガイド溝31jの上壁面に当接することで、給紙ベース部材31の上下方向の位置決めがなされる。
【0055】
図13の状態から給紙ベース部材31をさらに左側に移動させてゆくと、
図14に示すように、支持軸101がガイド溝31jに対して相対的に右側に移動して行き、やがてガイド溝31jの右側端に達する。
【0056】
図14の状態から給紙ベース部材31をさらに左側に移動させると、支持軸101がガイド溝31jの外側に抜け出て支持軸101による給紙ベース部材31の重力方向(上下方向)の支持がなくなってしまうが、本実施形態では、
図14に示すように、支持軸101がガイド溝31jの外側に抜け出る前に、下端連結梁131Rによって給紙ベース部材31の下方からの支持が開始される。
【0057】
そして、支持軸101がガイド溝31jから抜出た後は、下端連結梁131Rのみで給紙ベース部材31を下方から支持し、この状態で、給紙ベース部材31をさらに左側に移動させてゆくと、
図15に示すように、給紙ベース部材31のボス部31dが下側補助連結梁135の位置決め孔135aに係合して、給紙ベース部材31の位置決めがなされる。
【0058】
この位置決めに際しては、
図16に示すように、突出ガイド部31eの傾斜縁31n(傾斜部)が、下側補助連結梁135の右上のエッジ部135bに当接しながら給紙ベース部材31を正規の装着高さへと案内する。これにより、給紙ベース部材31の一対のボス部31dが、下側補助連結梁135の一対の位置決め孔135aにスムーズに係合する。そうして給紙ベース部材31の位置決めが完了した後、給紙ベース部材31の四つの取付孔31fにビス32を挿通して骨格フレーム100に形成された螺子孔136に螺合させることで、給紙ベース部材31の装着作業が完了する。
【0059】
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態では、骨格フレーム100は、互いに間隔を空けて対向する第一隅柱111及び第三隅柱121と、各隅柱111,121の互いの内側面からそれぞれ内側に突出する前後一対の支持軸101と、前後一対の支持軸101により下端部が回動可能に支持され、前後一対の支持軸101を支点に回動することで第一隅柱111及び第三隅柱121の間を開閉可能な開閉カバー20とを備えている。給紙ベース部材31は、骨格フレーム100の外側から、第一隅柱111及び第三隅柱121の間を通って水平に移動して骨格フレーム100の内部に装着される。
【0060】
そして、本実施形態では、後側の支持軸101は、給紙ベース部材31を第一隅柱111及び第三隅柱121の間から骨格フレーム100の内部に挿入する際に給紙ベース部材31をガイドするガイド部として兼用されている。
この構成によれば、骨格フレーム100に給紙ベース部材31を装着する際のガイド部を、重量増加を招くことなく簡単且つ安価に構成することができる。
【0061】
また、本実施形態は、骨格フレーム100は、給紙ベース部材31における挿入方向に直交する幅方向に延び、給紙ベース部材31を骨格フレーム100の内部に挿入する際に、該給紙ベース部材31を下方から支持する下端連結梁131(支持梁)と、給紙ベース部材31の挿入方向に直交する幅方向に延び、給紙ベース部材31の装着完了状態において給紙ベース部材31の挿入方向の前側面に当接する下側補助連結梁135(位置決め梁)とを有している。下側補助連結梁135は、給紙ベース部材31の装着完了状態において、給紙ベース部材31の挿入方向の前側面に形成されたボス部31d(係合部)に係合することで給紙ベース部材31の位置決めを行う位置決め孔135aを有している。
【0062】
この構成によれば、骨格フレーム100の一部である下端連結梁131により給紙ベース部材31を下方から支持しながら給紙ベース部材31の挿入作業を行うことができる。したがって、給紙ベース部材31がロボットにより片持ちされる状態を極力回避して、給紙ベース部材31の装着姿勢を安定化させることができる。延いては、給紙ベース部材31のボス部31dを、下側補助連結梁135の位置決め孔135aにスムーズに係合させることができる。
【0063】
また、本実施形態では、給紙ベース部材31は、その挿入方向に延びるガイド溝31jを有している。ガイド溝31jは、給紙ベース部材31の幅方向の外側に開放する断面コ字状に形成され、ガイド溝31jの上壁面は、給紙ベース部材31の挿入過程で後側の支持軸101により下方から支持される被支持面として機能する。そして、下端連結梁131は、給紙ベース部材31の入過程において、被支持面における挿入方向の後側端が後側の支持軸101を通過し終える前に、給紙ベース部材31の支持を開始し、給紙ベース部材31の装着が完了するまで該支持を継続するように配置されている(
図14及び
図15参照)。
【0064】
この構成によれば、給紙ベース部材31が支持軸101を通過し終える前に下端連結梁131による支持が開始するので、給紙ベース部材31が支持軸101を通過し終えた後も給紙ベース部材31の姿勢を安定化させることができる。よって、ロボットによる給紙ベース部材31の装着作業をより一層精度良く行うことができる。
【0065】
給紙ベース部材31は、一対のボス部31dの上側に突出ガイド部31eを有している。突出ガイド部31eには、給紙ベース部材31の挿入方向の前側に向かって上側に傾斜する傾斜縁31nが形成されている。この傾斜縁31nは、給紙ベース部材31の装着が完了する直前に、給紙ベース部材31の移動に伴って、下側補助連結梁135に当接しながら、給紙ベース部材31のボス部31dを、下側補助連結梁135の位置決め孔135aに向けて案内するように形成されている(
図16参照)。
【0066】
この構成によれば、突出ガイド部31eの傾斜縁31nによって、給紙ベース部材31のボス部31dを位置決め孔135aに案内することができるので、例えば下端連結梁131や給紙ベース部材31の寸法誤差によってボス部31dの上下位置が多少ずれたとしても、ボス部31dを位置決め孔135aに確実に係合させることができる。
【0067】
《変形例》
図17~
図18は前記実施形態の変形例を示している。前記実施形態では、給紙ベース部材31(所定部材)を骨格フレーム100に装着する際のガイド部として、支持軸101を利用しているのに対して、本変形例では、排出ユニット9(所定部材)を骨格フレーム100に装着する際のガイド部として、フック部材22の係合軸102を利用するようにしている。
【0068】
図17~
図18に示すように、排出ユニット9は、中空ケース状のハウジング9bと、ハウジング9bの上面の右側端部に立設され、前後方向に間隔を空けて並ぶ一対の突出板部9c(各図では一方のみを示す)と、各突出板部9cの左側面に突設されたボス部9dとを有している。右側の横梁141における一対のボス部9dに対応する箇所には位置決め孔141aが形成されている。尚、図示しないが、排出ユニット9のハウジング9bには、前記実施形態の給紙ベース部材31と同様にビスを挿通するため取付孔が形成され、右側の横梁141及び上側補助連結梁134にはビスが螺合する螺子孔が形成されている。
【0069】
図17は、排出ユニット9が準備位置にある状態を示している。この状態から排出ユニット9を左側に移動させて行くと、ハウジング9bの下面(被支持面に相当)が前後の係合軸102により支持され、排出ユニット9をさらに左側に移動させて行くと、
図18に示すように前後の係合軸102(図では一方のみを示す)が排出ユニット9の下面の右側端に達するが、これと略同時に、上側補助連結梁134による排出ユニット9の下面支持が開始する。そして、排出ユニット9をさらに左側に移動させ行くと、前後の係合軸102による排出ユニット9の下面支持が終了して、排出ユニット9は上側補助連結梁134のみで下方から支持され、この状態から排出ユニット9をさらに左側に移動させて行くと、
図19に示すように、排出ユニット9のボス部9dが横梁141の位置決め孔141aに係合して排出ユニット9が位置決めされる。この状態で、排出ユニット9の不図示の取付孔にビスを挿通して骨格フレーム100に形成された螺子孔に螺合させることで、排出ユニット9の装着作業が完了する。
【0070】
この変形例によれば、骨格フレーム100内に排出ユニット9を装着する際のガイド部として、フック部材22の係合軸102を利用するようにした。これにより、重量増加を招くことなく、排出ユニット9のガイド部を簡単且つ安価に構成することができる。
【0071】
《他の実施形態》
前記実施形態は、給紙ベース部材31の後側端部にのみガイド溝31jを設けて、後側の支持軸101によってのみ給紙ベース部材31をガイドするようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、給紙ベース部材31の前後両側にガイド溝31jを設けて、前後の支持軸101により給紙ベース部材31をガイドするようにしてもよい。これにより、給紙ベース部材31の挿入作業時に、給紙ベース部材31を前後の支持軸101により両端支持しながらガイドすることができ、給紙ベース部材31の挿入姿勢をより一層安定化させることができる。尚、給紙ベース部材31の前側端部にのみガイド溝31jを設けてもよいことは言うまでもない。
【0072】
前記変形例では、前後一対の係合軸102により排出ユニット9の下面(被支持面)を支持するようにしているが、いずれか一方の係合軸102のみで支持するようにしてもよい。
【0073】
また、支持軸101により支持される被支持面は、必ずしもガイド溝31jの上壁面である必要はなく、変形例に示すように所定部材(変形例では排出ユニット9)の下面全体であってもよい。また、変形例において、排出ユニット9の幅方向の側面に実施形態と同様にガイド溝を形成し、このガイド溝の上壁面を係合軸102により支持するようにしてもよい。また、変形例において、実施形態と同様に傾斜縁31n(傾斜部の一例)を設けてもよい。
【0074】
また、前記実施形態及び変形例では、所定部材の一例として給紙ベース部材31及び排出ユニット9を挙げて説明したが、これに限ったものではなく、所定部材として、例えば画像形成ユニット10や定着ユニット8を採用してもよい。
【0075】
前記実施形態及び変形例では、画像形成装置1の一例として複写機を挙げて説明したが、これに限ったものではなく、画像形成装置1は、プリンター、ファクシミリー、又は複合機(MFP)等により構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上説明したように、本発明は、画像形成装置に有用であり、特に、プリンター、ファクシミリー、複写機、又は複合機(MFP)について有用である。
【符号の説明】
【0077】
1 :画像形成装置
2b :排出トレイ
3 :画像形成部
9 :排出ユニット(所定部材)
22 :フック部材
31 :給紙ベース部材(所定部材)
31d :ボス部(係合部)
31j :ガイド溝(溝部)
31n :傾斜縁(傾斜部)
100 :骨格フレーム
101 :支持軸
102 :係合軸
111 :第一隅柱(隅柱)
121 :第三隅柱(隅柱)
127 :板金部材
128 :板金部材
131 :下端連結梁(支持梁)
134 :上側補助連結梁(支持梁)
135 :下側補助連結梁(位置決め梁)
135a :位置決め孔(被係合部)
141 :右側の横梁(位置決め梁)
T2 :オプション搬送路(所定のシート搬送路)