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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】液滴吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/015 20060101AFI20240723BHJP
   B41J 2/045 20060101ALI20240723BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B41J2/015 101
B41J2/045
B41J2/01 401
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020128612
(22)【出願日】2020-07-29
(65)【公開番号】P2022025659
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 毅
(72)【発明者】
【氏名】荒金 覚
(72)【発明者】
【氏名】三本 匡雄
(72)【発明者】
【氏名】荒井 裕介
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-083369(JP,A)
【文献】特開平08-011298(JP,A)
【文献】特開平11-003190(JP,A)
【文献】特開2019-177657(JP,A)
【文献】特開2020-019201(JP,A)
【文献】特開2019-177558(JP,A)
【文献】特開2003-175587(JP,A)
【文献】特開平01-275046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 - 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルを有する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを一方向に相対移動させる相対移動手段と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記液滴吐出ヘッドを、前記ノズルから液滴を吐出させて被吐出媒体上に第1ドットを形成するための第1駆動波形、及び、前記ノズルから液滴を吐出させて被吐出媒体上に前記第1ドットよりも小さい第2ドットを形成するための、前記第1駆動波形よりも長さの短い第2駆動波形、のうちいずれかの駆動波形で選択的に駆動させ、
前記相対移動手段に前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを第1相対移動速度で相対移動させつつ、第1駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させる吐出動作、を行わせることを指示する吐出指令とともに、前記第1ドット及び前記第2ドットの配置を示すドット配置データを受信したときに、
前記ドット配置データに基づいて、前記液滴吐出ヘッドにおける、単位時間あたりの、最大の液滴の吐出量に対する実際の液滴の吐出量の割合であるデューティの情報を取得し、
前記デューティが所定値以上の場合に、前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第1駆動波形による駆動を含むと判断し、
前記デューティが前記所定値未満の場合に、前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第2駆動波形による駆動のみを含むと判断し、
前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第1駆動波形による駆動を含む場合には、
前記吐出動作において、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第1相対移動速度で相対移動させつつ、前記第1駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させ、
前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第2駆動波形による駆動のみを含む場合には、
前記吐出動作において、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第1相対移動速度よりも速い第2相対移動速度で相対移動させつつ、前記第1駆動周期よりも短い第2駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
ノズルを有する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを一方向に相対移動させる相対移動手段と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記液滴吐出ヘッドを、前記ノズルから液滴を吐出させて被吐出媒体上に第1ドットを形成するための第1駆動波形、及び、前記ノズルから液滴を吐出させて被吐出媒体上に前記第1ドットよりも小さい第2ドットを形成するための、前記第1駆動波形よりも長さの短い第2駆動波形、のうちいずれかの駆動波形で選択的に駆動させ、
前記相対移動手段に前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを第1相対移動速度で相対移動させつつ、第1駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させる吐出動作、を行わせることを指示する吐出指令を受信したときに、
前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第1駆動波形による駆動を含む場合には、
前記吐出動作において、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第1相対移動速度で相対移動させつつ、前記第1駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させ、
前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第2駆動波形による駆動のみを含む場合には、
前記吐出動作において、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第1相対移動速度よりも速い第2相対移動速度で相対移動させつつ、前記第1駆動周期よりも短い第2駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させ
前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が前記第1駆動波形による駆動を含む場合でも、前記第1駆動波形による駆動の回数が所定回数未満の場合には、
前記吐出動作において、前記第1駆動波形の代わりに第2駆動波形で前記液滴吐出ヘッドを駆動させるようにしたうえで、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第2相対移動速度で相対移動させつつ、前記第2駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項3】
前記液滴吐出ヘッドが、前記ノズルとして、
前記液滴として第1色のインク滴を吐出する第1ノズルと、
前記液滴として、前記第1色と異なる第2色のインク滴を吐出する第2ノズルと、を有し、
前記制御装置は、
前記吐出動作において、
前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第1ノズルについての前記第1駆動波形による駆動を含む場合でも、前記第1ノズルについての前記第1駆動波形による駆動の回数が前記所定回数未満の場合には、
前記第1ノズルについて、前記第1駆動波形の代わりに前記第2駆動波形で前記液滴吐出ヘッドを駆動させるようにしたうえで、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第2相対移動速度で相対移動させつつ、前記第2駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させ、
前記第2ノズルについて、前記ノズルから液滴を吐出させて被吐出媒体上に前記第1ドットよりも小さい第3ドットを形成するための、前記第1駆動波形よりも長さの短い第3駆動波形で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて、被吐出媒体の、前記第1駆動波形の代わりの前記第2駆動波形による駆動で前記第2ドットを形成したのと同じ部分に、前記第3ドットを形成させることを特徴とする請求項に記載の液滴吐出装置
【請求項4】
前記液吐出ヘッドは、
前記第1色としてのブラックのインク滴を吐出する前記第1ノズルと、
前記第2色としての複数色のカラーのインク滴を吐出する複数種類の前記第2ノズルと、を有し、
前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第1ノズルについての前記第1駆動波形による駆動を含む場合でも、前記第1ノズルについての前記第1駆動波形による駆動の回数が前記所定回数未満の場合には、
前記第1ノズルについて、前記液滴吐出ヘッドを前記第1駆動波形の代わりに前記第2駆動波形で駆動させるようにしたうえで、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第2相対移動速度で相対移動させつつ、前記第2駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させ、
複数種類の前記第2ノズルの各々について、前記第3駆動波形で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて、被吐出媒体の、前記第1駆動波形の代わりの前記第2駆動波形による駆動で前記第2ドットを形成したのと同じ部分に、前記複数色の各々についての前記第3ドットを形成させることを特徴とする請求項に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
前記被吐出媒体を搬送方向に搬送する搬送機構、を備え、
前記相対移動手段が、
前記液滴吐出ヘッドを搭載し、前記搬送方向と交差する、前記一方向としての走査方向に移動するキャリッジ、を有し、
前記制御装置は、
前記キャリッジを前記走査方向に移動させつつ、前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させる前記吐出動作としての吐出パスと、前記搬送機構に被吐出媒体を前記搬送方向に搬送させる搬送動作とを繰り返し行わせ、
さらに、
いずれかの前記吐出パスにおける前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第1駆動波形による駆動を含む場合には、
全ての前記吐出パスにおいて、前記キャリッジを前記第1相対移動速度で前記走査方向に移動させつつ、前記第1駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させ、
全ての前記吐出パスにおける前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第2駆動波形による駆動のみを含む場合には、
全ての前記吐出パスにおいて、前記キャリッジを前記第2相対移動速度で前記走査方向に移動させつつ、前記第2駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
前記被吐出媒体を搬送方向に搬送する搬送機構、を備え、
前記相対移動手段が、
前記液滴吐出ヘッドを搭載し、前記搬送方向と交差する、前記一方向としての走査方向に移動するキャリッジ、を有し、
前記制御装置は、
前記キャリッジを前記走査方向に移動させつつ、前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させる前記吐出動作としての吐出パスと、前記搬送機構に被吐出媒体を前記搬送方向に搬送させる搬送動作とを繰り返し行わせ、
さらに、
被吐出媒体の、液滴が吐出されない空白領域の前記搬送方向における一方側に隣接する第1領域、及び、前記空白領域の前記搬送方向における他方側に隣接する第2領域に、前記吐出パスによって液滴を吐出させるときに、
前記第1領域に液滴を吐出するいずれかの前記吐出パスにおける前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第1駆動波形による駆動を含む場合には、
前記第1領域に液滴を吐出する全ての前記吐出パスにおいて、前記キャリッジを前記第1相対移動速度で前記走査方向に移動させつつ、前記第1駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させ、
前記第1領域に液滴を吐出する全ての吐出パスにおける前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第2駆動波形による駆動のみを含む場合には、
前記第1領域に液滴を吐出する全ての前記吐出パスにおいて、前記キャリッジを前記第2相対移動速度で前記走査方向に移動させつつ、前記第2駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させ、
前記第2領域に液滴を吐出するいずれかの前記吐出パスにおける前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第1駆動波形による駆動を含む場合には、
前記第2領域に液滴を吐出する全ての前記吐出パスにおいて、前記キャリッジを前記第1相対移動速度で前記走査方向に移動させつつ、前記第1駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させ、
前記第2領域に液滴を吐出する全ての吐出パスにおける前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第2駆動波形による駆動のみを含む場合には、
前記第2領域に液滴を吐出する全ての前記吐出パスにおいて、前記キャリッジを前記第2相対移動速度で前記走査方向に移動させつつ、前記第2駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の液滴吐出装置。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記吐出動作において、
前記相対移動手段に、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第2相対移動速度で相対移動させるときに、前記第1相対移動速度で相対移動させるときよりも、前記第2相対移動速度と前記第1相対移動速度との差に応じて、前記第2駆動波形の立ち上がり及び立ち下がりのタイミングを遅らせることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の液滴吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルから液滴を吐出する液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルから液滴を吐出する液滴吐出装置の一例として、特許文献1には、ノズルからインク滴を吐出して記録を行うプリンタが記載されている。特許文献1に記載のプリンタでは、インクジェットヘッドを搭載するキャリッジを走査方向に移動させながらインクを吐出させるインク吐出動作と、搬送ローラによって記録用紙を所定量搬送する搬送動作とを交互に行わせることによって記録用紙に記録を行う。また、インク吐出動作の際には、インクジェットヘッドの複数の圧電素子の各々を、形成するドットのサイズに応じて駆動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-66843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1では、形成するドットのサイズが大きいときほど、長さの長い駆動波形で圧電素子を駆動させる。そして、インク吐出動作では、形成するドットのサイズが最も大きいときの駆動波形の長さよりも長い駆動周期で圧電素子を駆動させることになる。
【0005】
この場合、例えば、インク吐出動作が、サイズが最も大きいドットの形成のためのインクの吐出を含まない場合にも、上記の駆動周期で圧電素子を駆動させると、無駄な時間が発生することになり、記録にかかる時間が不必要に長くなってしまう。
【0006】
本発明の目的は、被吐出媒体への液滴の吐出に必要な時間を極力短くすることが可能な液滴吐出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の液滴吐出装置は、ノズルを有する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを一方向に相対移動させる相対移動手段と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記液滴吐出ヘッドを、前記ノズルから液滴を吐出させて被吐出媒体上に第1ドットを形成するための第1駆動波形、及び、前記ノズルから液滴を吐出させて被吐出媒体上に前記第1ドットよりも小さい第2ドットを形成するための、前記第1駆動波形よりも長さの短い第2駆動波形、のうちいずれかの駆動波形で選択的に駆動させ、前記相対移動手段に前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを第1相対移動速度で相対移動させつつ、第1駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させる吐出動作、を行わせることを指示する吐出指令とともに、前記第1ドット及び前記第2ドットの配置を示すドット配置データを受信したときに、前記ドット配置データに基づいて、前記液滴吐出ヘッドにおける、単位時間あたりの、最大の液滴の吐出量に対する実際の液滴の吐出量の割合であるデューティの情報を取得し、前記デューティが所定値以上の場合に、前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第1駆動波形による駆動を含むと判断し、前記デューティが前記所定値未満の場合に、前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第2駆動波形による駆動のみを含むと判断し、前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第1駆動波形による駆動を含む場合には、前記吐出動作において、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第1相対移動速度で相対移動させつつ、前記第1駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させ、前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第2駆動波形による駆動のみを含む場合には、前記吐出動作において、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第1相対移動速度よりも速い第2相対移動速度で相対移動させつつ、前記第1駆動周期よりも短い第2駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させる。
また、本発明の液滴吐出装置は、ノズルを有する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを一方向に相対移動させる相対移動手段と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記液滴吐出ヘッドを、前記ノズルから液滴を吐出させて被吐出媒体上に第1ドットを形成するための第1駆動波形、及び、前記ノズルから液滴を吐出させて被吐出媒体上に前記第1ドットよりも小さい第2ドットを形成するための、前記第1駆動波形よりも長さの短い第2駆動波形、のうちいずれかの駆動波形で選択的に駆動させ、前記相対移動手段に前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを第1相対移動速度で相対移動させつつ、第1駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させる吐出動作、を行わせることを指示する吐出指令を受信したときに、前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第1駆動波形による駆動を含む場合には、前記吐出動作において、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第1相対移動速度で相対移動させつつ、前記第1駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させ、前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が、前記第2駆動波形による駆動のみを含む場合には、前記吐出動作において、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第1相対移動速度よりも速い第2相対移動速度で相対移動させつつ、前記第1駆動周期よりも短い第2駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させ、前記吐出動作における前記液滴吐出ヘッドの駆動が前記第1駆動波形による駆動を含む場合でも、前記第1駆動波形による駆動の回数が所定回数未満の場合には、前記吐出動作において、前記第1駆動波形の代わりに第2駆動波形で前記液滴吐出ヘッドを駆動させるようにしたうえで、前記液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第2相対移動速度で相対移動させつつ、前記第2駆動周期で前記液滴吐出ヘッドを駆動させて前記ノズルから液滴を吐出させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吐出動作における液滴吐出ヘッドの駆動が第2駆動波形による駆動のみを含む場合に、第1駆動波形による駆動を含む場合よりも、液滴吐出ヘッドの駆動周期を短くし、相対移動速度を速くする。これにより、吐出動作に必要な時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成図である。
図2】(a)は、図1のエンコーダスケールを搬送方向の下流側から見た図であり、(b)は、エンコーダセンサがエンコーダスケールのスリットが形成された部分と対向している状態でのエンコーダスケール及びエンコーダセンサを走査方向の左側から見た図であり、(c)は、エンコーダセンサがエンコーダスケールのスリットが形成されていない部分と対向していない状態でのエンコーダスケール及びエンコーダセンサを走査方向の左側から見た図である。
図3】プリンタの電気的構成を示すブロック図である。
図4】(a)は大ドット用波形を示す図であり、(b)は中ドット用波形を示す図であり、(c)は小ドット用波形を示す図である。
図5】記録時の処理の流れを示すフローチャートである。
図6】(a)が空白部分のない画像を説明するための図であり、(b)が途中部分に空白部分のある画像を説明するための図である。
図7】(a)が遅延された中ドット用波形を示す図であり、(b)が遅延された小ドット用波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係るプリンタ1(本発明の「液滴吐出装置」)は、キャリッジ2(本発明の「相対移動手段」)、インクジェットヘッド3(本発明の「液滴吐出ヘッド」)、プラテン4、搬送ローラ5,6(本発明の「搬送機構」)、リニアエンコーダ7等を備えている。
【0012】
キャリッジ2は、走査方向(本発明の「一方向」)に延びた2本のガイドレールに支持されている。また、キャリッジ2は、図示しないベルトなどを介してキャリッジモータ56(図3参照)に接続されている。キャリッジモータ56を駆動させると、キャリッジ2がガイドレール11,12に沿って走査方向に移動する。なお、以下では、図1に示すように、走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。
【0013】
インクジェットヘッド3は、キャリッジ2に搭載されている。インクジェットヘッド3は、その下面に形成された複数のノズル10と、複数のノズル10に対して個別に設けられた複数の駆動素子57(図3参照)とを備え、複数の駆動素子57を駆動させることによって複数のノズル10からインク滴を吐出させることができる。駆動素子57は、例えば、ノズル10に連通する図示しない圧力室内のインクに圧力を付与する圧電素子などである。
【0014】
複数のノズル10は、走査方向と直交する搬送方向に配列されることによってノズル列9を形成している。また、インクジェットヘッド3は、走査方向に並んだ4列のノズル列9を備えている。複数のノズル10からは、走査方向の右側のノズル列9を形成するものから順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインク滴が吐出される。
【0015】
なお、本実施形態では、複数のノズル10のうち、最も右側のノズル列9を形成する、ブラック(本発明の「第1の色」)のインク滴を吐出するノズル10が、本発明の「第1ノズル」に相当する。また、複数のノズル10のうち、左側のノズル列9を形成する、3色のカラー(イエロー、シアン、マゼンタ、本発明の「第2の色」)のインク滴を吐出するノズル10が、本発明の「第2ノズル」に相当する。
【0016】
プラテン4は、インクジェットヘッド3の下方に位置し、複数のノズル10と対向している。プラテン4は、走査方向に記録用紙P(本発明の「被吐出媒体」)の全長にわたって延び、記録用紙Pを下方から支持する。
【0017】
搬送ローラ5は、搬送方向において、インクジェットヘッド3及びプラテン4よりも上流側に位置している。搬送ローラ6は、搬送方向において、インクジェットヘッド3及びプラテン4よりも下流側に位置している。搬送ローラ5,6は、図示しないギヤなどを介して搬送モータ58(図3参照)に接続されている。搬送モータ58を駆動させると、搬送ローラ5,6が回転して記録用紙Pを搬送方向に搬送する。
【0018】
リニアエンコーダ7は、エンコーダストリップ13と、エンコーダセンサ14とを有する。図2(a)に示すように、エンコーダストリップ13は、帯状の部材であり、ガイドレール12上に配置され、走査方向に延びている。エンコーダストリップ13には、走査方向に等間隔に並んだ複数のスリット13aが形成されている。
【0019】
エンコーダセンサ14は、キャリッジ2に搭載されている。エンコーダセンサ14は、発光素子14aと受光素子14bとを有している。発光素子14aと受光素子14bとは、エンコーダストリップ13を搬送方向に挟むように配置されている。発光素子14aは、受光素子14bに向けて光を照射する。
【0020】
発光素子14a及び受光素子14bが、エンコーダストリップ13のスリット13aが形成された対向している状態では、図2(b)に示すように、発光素子14aから照射された光がスリット13aを通過して受光素子14bに到達する。これにより、受光素子14bが発光素子14aからの光を受信する。
【0021】
発光素子14a及び受光素子14bが、エンコーダストリップ13のスリット13aが形成されていない部分と対向している状態では、図2(c)に示すように、発光素子14aから照射された光がエンコーダストリップ13によって遮断され、受光素子14bに到達しない。したがって、受光素子14bが発光素子14aからの光を受信しない。
【0022】
そして、エンコーダセンサ14は、受光素子14bが発光素子14aからの光を受信しているか否かに応じた信号を出力する。これにより、エンコーダセンサ14からの信号に基づいて、キャリッジ2の走査方向の位置や、キャリッジ2の移動速度の情報を取得することができる。また、本実施形態では、後述するように、エンコーダセンサ14からの信号に基づいて、ノズル10からインク吐出タイミング(後述の駆動波形の出力タイミング)を決定する。
【0023】
<プリンタの電気的構成>
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。図3に示すようにプリンタ1は、制御装置50を備えている。制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、フラッシュメモリ54、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)55等からなる。制御装置50は、キャリッジモータ56、インクジェットヘッド3の複数の駆動素子57、搬送モータ58等の動作を制御する。また、制御装置50には、エンコーダセンサ14からの信号が入力される。なお、図3では、便宜上、駆動素子57を1つだけ図示している。
【0024】
なお、制御装置50は、CPU51のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC55のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU51とASIC55とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、制御装置50は、1つのCPU51が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU51が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御装置50は、1つのASIC55が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC55が処理を分担して行うものであってもよい。
【0025】
<記録時の制御>
次に、プリンタ1において記録を行うときの制御装置50の制御について説明する。プリンタ1において記録を行うときには、制御装置50は、キャリッジモータ56を制御してキャリッジ2を走査方向に移動させることによって、インクジェットヘッド3と記録用紙Pとを走査方向に相対移動させつつ、インクジェットヘッド3の複数の駆動素子57を駆動させて複数のノズル10からインク滴を吐出させる記録パス(本発明の「吐出動作」、「吐出パス」)と、搬送モータ58を制御して搬送ローラ5,6に記録用紙Pを搬送方向に搬送させる搬送動作とを繰り返し行わせることによって、プリンタ1に記録用紙Pへの画像の記録を行わせる。
【0026】
また、このとき、制御装置50は、記録パスにおいて、複数の駆動素子57の各々を個別に、図4(a)に示すような大ドット用波形W1、図4(b)に示すような中ドット用波形W2、及び、図4(b)に示すような小ドット用波形W3のうち、いずれかの駆動波形で選択的に駆動させる。なお、本実施形態では、大ドット用波形W1が、本発明の「第1駆動波形」に相当し、中ドット用波形W2及び小ドット用波形W3が、本発明の「第2駆動波形」に相当する。
【0027】
駆動素子57を大ドット用波形W1により駆動させてノズル10からインク滴を吐出させると、記録用紙P上に大ドットが形成される。駆動素子57を中ドット用波形W2により駆動させてノズル10からインク滴を吐出させると、記録用紙P上に大ドットよりもサイズの小さい中ドットが形成される。駆動素子57を小ドット用波形W3により駆動させてノズル10からインク滴を吐出させると、記録用紙P上に中ドットよりもサイズの小さい小ドットが形成される。なお、本実施形態では、大ドットが本発明に係る「第1ドット」に相当し、中ドット及び小ドットが、本発明に係る「第2ドット」に相当する。
【0028】
また、中ドット用波形W2の長さL2は、大ドット用波形W1の長さL1よりも短く、小ドット用波形W3の長さL3は、中ドット用波形W2の長さL2よりも短い。ここで、大、中、小ドット用波形W1,W2,W3の長さL1,L2,L3とは、各駆動波形において、最初の信号の立ち上がりから、最後の信号の立ち下がりまでの期間の長さのことである。
【0029】
なお、駆動波形は、図4(a)~(c)に示すものとは異なるものであってもよい。また、本実施形態では、大、中、小ドット用波形W1,W2,W3が、立ち上がりの後に立ち下がりが生じるパルスによって形成される信号であるが、大、中、小ドット用波形W1,W2,W3は、立ち下がりの後に立ち上がりが生じるパルスによって形成される信号であってもよい。この場合、大、中、小ドット用波形W1,W2,W3の長さとは、各駆動波形において、最初の信号の立ち下がりから、最後の信号の立ち上がりまでの期間の長さのことである。
【0030】
次に、プリンタ1において記録を行うときの制御装置50の詳細な制御について説明する。プリンタ1では、記録を行うことを指示する記録指令(本発明の「吐出指令」)が入力されたときに、制御装置50が、図5のフローに沿って処理を行う。
【0031】
ここで、記録指令は、キャリッジ2の移動速度(以下、キャリッジ速度とすることがある)を第1キャリッジ速度V1(本発明の「第1相対移動速度」)として、記録パスを行わせることを指示するものである。また、本実施形態では、制御装置50は、記録パスにおいて、エンコーダセンサ14からの信号に基づいて、エンコーダセンサ14において受光素子14bが光を受信した状態と受信していない状態とが所定回数切り換わる毎に複数の駆動素子57を駆動させて複数のノズル10からインク滴を吐出させる。すなわち、記録パスにおける駆動素子57の駆動周期は、エンコーダセンサ14において受光素子14bが光を受信した状態と受信していない状態とが所定回数切り換わるのに必要な時間となる。そして、記録パスにおいて、キャリッジ速度を第1キャリッジ速度V1に設定すると、駆動素子57の駆動周期が第1駆動周期T1に設定される。第1駆動周期T1は、図4(a)に示すように、大ドット用波形W1の長さL1よりも長い。
【0032】
図5のフローでは、制御装置50は、まず、記録指令とともに入力される画像データ(本発明の「ドット配置データ」)に基づいて、記録される画像が、搬送方向における途中部分に、ドットの形成されない空白部分を有しているか否かを判定する(S101)。すなわち、記録される画像が、図6(a)に示す画像G1のような、搬送方向における途中部分に空白部分のない画像であるか、図6(b)に示す画像G2のような、搬送方向に間隔を空けて配置された複数の画像部分Fを有し、画像部分Fの間の部分が空白部分Eとなった画像であるかを判定する。ここで、画像データとは、記録用紙Pの各部分におけるドットの有無及びドットのサイズ(大ドット、中ドット及び小ドットの配置)を示すデータである。
【0033】
なお、本実施形態では、記録される画像が画像G2のような画像部分Fと空白部分Eとを有するものである場合に、記録用紙Pの各空白部分Eが配置される領域が、それぞれ、本発明の「空白領域」に相当する。また、記録用紙Pの、各空白領域に対して、搬送方向の下流側(一方側)に隣接する、画像部分Fが記録される領域が、本発明の「第1領域」に相当し、搬送方向の上流側(他方側)に隣接する、画像部分Fが記録される領域が、本発明の「第2領域」に相当する。
【0034】
例えば、図6(b)の画像G2の場合、記録用紙Pの、搬送方向の下流側の空白部分E(E1)が記録される空白領域に対して、記録用紙Pの、空白部分E1の搬送方向の下流側に隣接する画像部分F(F1)が記録される領域が本発明の「第1領域」に相当し、記録用紙Pの、空白部分E1の搬送方向の上流側に隣接する画像部分F(F2)が記録される領域が、本発明の「第2領域」に相当する。また、記録用紙Pの、搬送方向の上流側の空白部分E(E2)が記録される空白領域に対して、記録用紙Pの、画像部分F2が記録される領域が、本発明の「第1領域」に相当し、記録用紙Pの、空白部分E2の搬送方向の上流側に隣接する画像部分F(F3)が記録される領域が本発明の「第2領域」に相当する。
【0035】
記録される画像が空白部分を有していない場合には(S101:NO)、制御装置50は、記録される画像G1全体を、後述するS113の記録処理で記録を行う記録対象に設定する(S102)。記録される画像が空白部分を有している場合には(S101:YES)、制御装置50は、複数の画像部分Fのうち、搬送方向における最も下流側の画像部分Fを記録対象に設定する(S103)。
【0036】
S102及びS103のいずれかにおいて記録対象を設定した後、制御装置50は、画像データに基づいて、記録対象の記録のために行われる記録パスの中に、いずれかの色についてのデューティDが所定値D1以上の記録パスがあるか否かを判定する(S104)。ここで、デューティDとは、単位時間あたりの、最大のインク滴の吐出量に対する実際のインク滴の吐出量の割合のことである。また、所定値D1は、デューティDが所定値D1以上の記録パスにおける駆動素子57の駆動に、大ドット用波形W1による駆動が含まれ、且つ、デューティDが所定値D1未満の記録パスにおける駆動素子57の駆動に、中ドット用波形W2及び小ドット用波形W3による駆動のみが含まれる(大ドット用波形W1による駆動が含まれない)ような値に設定されている。
【0037】
記録対象の記録のために行われる記録パスの中に、いずれかの色のインクについてのデューティDが所定値D1以上の記録パスがある場合(S104:YES)、制御装置50は、画像データに基づいて、当該記録パスにおいて、デューティDが所定値D1以上の色のインクに対応する駆動素子57の、大ドット用波形W1による駆動回数Ndが所定回数Nd1以上であるか否かを判定する(S105)。
【0038】
駆動回数Ndが所定回数Nd1以上である場合には(S105:YES)、続いて、制御装置50は、記録パスにおけるキャリッジ速度を第1キャリッジ速度V1に設定する。また、キャリッジ速度を第1キャリッジ速度V1に設定することにより、記録パスにおける駆動素子57の駆動周期が第1駆動周期T1に設定される。
【0039】
続いて、制御装置50は、遅延フラグをオフにする(S107)。遅延フラグとは、駆動波形を遅延させるか否かを示すものであり、遅延フラグがオフであるときに、制御装置50は駆動波形を遅延させずに駆動素子57に出力し、遅延フラグがオンであるときに、制御装置50は駆動波形を遅延時間S(図7(a)、(b)参照)遅延させて駆動素子57に出力する。遅延時間Sは、第1キャリッジ速度V1と、後述する第2キャリッジ速度V2との差に基づいて設定された時間である。
【0040】
記録対象の記録のために行われる記録パスの中に、いずれかの色のインクについてのデューティDが所定値D1以上の記録パスがあるが(S104:YES)、駆動回数Ndが所定回数Nd1未満の場合には(S105:NO)、制御装置50は、ドットサイズ変換処理を実行する(S108)。ドットサイズ変換処理では、制御装置50は、記録対象における、カラーのインクの大ドットを中ドットに変換し、ブラックのインクの大ドットを小ドットに変換するように、画像データを変更する。すなわち、カラーのインクを吐出するノズル10に対応する駆動素子57について、大ドット用波形W1の代わりに中ドット用波形W2で駆動素子57を駆動させるようにし、ブラックのインクを吐出するノズル10に対応する駆動素子57について、大ドット用波形W1の代わりに小ドット用波形W3で駆動素子57を駆動させるようにする。
【0041】
続いて、制御装置50は、画像データに基づいて、記録対象が、S108で小ドットに変換されたブラックのドットを含むか否かを判定する(S109)。ここで、記録対象が、S108で小ドットに変換されたブラックのドットを含む場合とは、ブラックのインクについてのデューティDが所定値D1以上の記録パスがあり、且つ、当該記録パスにおいてブラックのインクに対応する駆動素子57(最も右側のノズル列9に対応する駆動素子57)の、大ドット用波形W1による駆動回数Ndが所定回数Nd1未満となる場合である。
【0042】
記録対象が小ドットに変換されたブラックのドットを含む場合には(S109:YES)、制御装置50は、カラードット追加処理を実行し(S110)、S111に進む。カラードット追加処理では、制御装置50は、S108で小ドットに変換されたブラックのドットと重なるイエロー、シアン、マゼンタの小ドット(本発明の「第3ドット」)を追加するように、画像データを変更する。
【0043】
また、記録対象が小ドットに変換されたブラックのドットを含まない場合(S109:NO)、及び、記録対象の記録のために行われる記録パスの中に、いずれかの色についてのデューティDが所定値D1以上の記録パスがない場合にも(S104:NO)、S111に進む。
【0044】
S111では、制御装置50は、記録パスにおけるキャリッジ速度を第2キャリッジ速度V2(本発明の「第2相対移動速度」)に設定する。第2キャリッジ速度V2は第1キャリッジ速度V1よりも速い速度である。また、キャリッジ速度を第2キャリッジ速度V2に設定すると、記録パスにおける駆動素子57の駆動周期が第2駆動周期T2に設定される。第2駆動周期T2は、図7(a)、(b)に示すように、第1駆動周期T1よりも短く、且つ、中ドット用波形W2の長さL2に遅延時間Sを加えた時間(L2+S)よりも長い。続いて、制御装置50は、遅延フラグをオンにする(S112)。
【0045】
S108及びS112のいずれかにおいて遅延フラグをオフ又はオンにした後、制御装置50は、記録処理を実行する(S113)。記録処理では、制御装置50は、記録パスと搬送動作とを繰り返し行わせることによって記録用紙Pに記録対象を記録させる。
【0046】
このとき、制御装置50は、記録パスにおいて、キャリッジモータ56を制御してキャリッジ2を設定されたキャリッジ速度(V1又はV2)で移動させる。また、制御装置50は、記録パスにおいて、エンコーダセンサ14からの信号に基づいて、キャリッジ速度によって決まる駆動周期(T1又はT2)で複数の駆動素子57を駆動させて複数のノズル10からインク滴を吐出させる。
【0047】
また、このとき、S107でキャリッジ速度を第1キャリッジ速度V1に設定し、駆動周期が第1駆動周期T1に設定された場合には、S108で遅延フラグがオフにされているため、図4(a)~(c)に示すように、大ドット用波形W1、中ドット用波形W2及び小ドット用波形W3が、遅延されることなく駆動素子57に入力される。
【0048】
一方、S111でキャリッジ速度を第2キャリッジ速度V2に設定し、駆動周期が第2駆動周期T2に設定された場合には、S112で遅延フラグがオンにされているため、図7(a)、(b)に示すように、中ドット用波形W2’及び小ドット用波形W3’が、それぞれ、中ドット用波形W2及び小ドット用波形W3に対して遅延時間S遅延されて駆動素子57に入力される。これにより、中ドット用波形W2’では、中ドット用波形W2よりも、信号の立ち上がり及び立ち下がりが遅延時間S遅延され、小ドット用波形W3’では、小ドット用波形W3よりも、信号の立ち上がり及び立ち下がりが遅延時間S遅延されたものとなる。
【0049】
また、このとき、S110のカラードット追加処理が行われている場合には、制御装置50が、駆動素子57を小ドット用波形W3で駆動させて、ノズル10からカラー3色のインク滴を吐出させることによって、記録用紙Pの小ドットに変換されたブラックのドットが形成されるのと同じ位置に、画像データに追加されたカラー3色の小ドットを形成させる。なお、本実施形態では、これらの小ドットを形成するための小ドット用波形W3が、本発明の「第3駆動波形」に相当する。
【0050】
S113記録処理の後、制御装置50が、未記録の記録対象があるか否かを判定する(S114)。未記録の記録対象がある場合に(S114:YES)は、現在記録対象となっている画像部分Fの上流側に位置する画像部分Fを記録対象に設定し(S115)、S103に戻る。未記録の記録対象がない場合には(S114:NO)は、制御装置50は処理を終了する。
【0051】
<効果>
本実施形態では、記録パスにおける駆動素子57の駆動が中ドット用波形W2及び小ドット用波形W3による駆動のみを含む場合に、大ドット用波形W1による駆動を含む場合よりも、記録パスでのキャリッジ速度を速くし、これに合わせて、駆動素子57の駆動周期を短くする。これにより、画像の記録に必要な時間を短くすることができる。
【0052】
また、記録パスにおけるデューティDが高い場合には、通常、記録パスにおける駆動素子57の駆動に大ドット用波形W1による駆動が含まれ、デューティDが低い場合には、通常、記録パスにおける駆動素子57の駆動に大ドット用波形W1による駆動が含まれない。そこで、本実施形態では、画像データから得られる記録パスでのデューティDが所定値D1未満であるか否かに基づいて、記録パスにおける駆動素子57の駆動に大ドット用波形W1による駆動が含まれるか否かを判定することができる。
に基づいて、
【0053】
また、画像の記録を行うための複数回の記録パスの中に、大ドット用波形W1による駆動素子57の駆動を含む記録パスと、大ドット用波形W1による駆動素子57の駆動を含まない記録パスとがある場合に、これらの記録パス間でキャリッジ速度を異ならせると、記録パス間で、インク滴の着弾位置が走査方向にずれてしまう虞がある。
【0054】
そこで、本実施形態では、記録される画像が空白部分のない画像であるときに、画像の記録のために行わせる複数回の記録パスの中に、大ドット用波形W1による駆動素子57の駆動を含む記録パスがある場合には、画像を記録するための全ての記録パスにおいて、キャリッジ速度を第1キャリッジ速度V1に設定し、駆動素子57の駆動周期を第1駆動周期T1に設定する。また、画像の記録のために行わせる複数回の記録パス全てにおける駆動素子57の駆動が、中ドット用波形W2及び小ドット用波形W3のいずれかによる駆動のみを含む場合には、全ての記録パスにおいて、キャリッジ速度を第2キャリッジ速度V2に設定し、駆動素子57の駆動周期を第2駆動周期T2に設定する。これにより、画像の記録に必要な時間を極力短くしつつも、インク滴の着弾位置のずれを抑えることができる。
【0055】
ただし、記録される画像が、搬送方向に間隔を空けて配置される複数の画像部分を有するものであるとき、すなわち、搬送方向における画像部分の間に配置された空白部分を有するものである場合には、異なる画像部分間で、インク滴の着弾位置が走査方向に多少ずれたとしても目立ちにくい。そこで、本実施形態では、画像部分毎に個別に、画像部分を記録させるために行わせる記録パスの中に、大ドット用波形W1による駆動素子57の駆動を含む記録パスがある場合には、全ての記録パスにおいて、キャリッジ速度を第1キャリッジ速度V1に設定し、駆動素子57の駆動周期を第1駆動周期T1に設定する。また、画像部分毎に個別に、画像部分の記録のために行わせる複数回の記録パス全てにおける駆動素子57の駆動が、中ドット用波形W2及び小ドット用波形W3のいずれかによる駆動のみを含む場合には、全ての記録パスにおいて、キャリッジ速度を第2キャリッジ速度V2に設定し、駆動素子57の駆動周期を第2駆動周期T2に設定する。これにより、各画像部分について、画像部分の記録に必要な時間を極力短くしつつも、インク滴の着弾位置のずれを抑えることができる。
【0056】
また、記録パスにおける駆動素子57の駆動が、大ドット用波形W1による駆動を含む場合において、大ドット用波形W1による駆動回数が少ない(記録される画像における大ドットの数が少ない)場合には、大ドット用波形W1の代わりに、中ドット用波形W2や小ドット用波形W3で駆動素子57を駆動させてドットのサイズを小さくしても、ドットのサイズが小さくなったことが目立ちにくい。
【0057】
そこで、本実施形態では、大ドット用波形W1による駆動素子57の駆動を含む記録パスがある場合も、大ドット用波形W1による駆動回数Ndが、所定回数Nd1数未満の場合には、大ドット用波形W1の代わりに、中ドット用波形W2あるいは小ドット用波形W3で駆動素子57を駆動させるようにしたうえで、記録パスにおけるキャリッジ速度を第2キャリッジ速度V2に設定し、記録パスにおける駆動素子57の駆動周期を第2駆動周期T2に設定する。これにより、画像の記録に必要な時間を短くすることができる。
【0058】
また、本実施形態では、大ドット用波形W1の代わりに小ドット用波形W3で駆動素子57を駆動させてノズル10から吐出させることによって、ブラックの大ドットの代わりにブラックの小ドットを形成するときに、記録用紙Pの当該ブラックの小ドットが形成されたのと同じ部分に、カラー3色の小ドットを形成する。3色のカラーインクが混ざるとブラックのドットが形成され、このドットが上記ブラックの小ドットと重なることにより、ブラックのドットのサイズが大きくなる。これにより、ブラックのドットのサイズを確保することができる。
【0059】
また、キャリッジ速度が速いときほど、ノズル10から吐出されたインク滴の飛翔速度の走査方向の成分が大きくなる。そのため、キャリッジ速度を第1キャリッジ速度V1に設定したときと、第2キャリッジ速度V2に設定したときとで、ノズル10からインク滴を吐出させるときのキャリッジ2の走査方向の位置が同じであると、キャリッジ速度を第1キャリッジ速度V1に設定したときと、第2キャリッジ速度V2に設定したときとで、インク滴の着弾位置が走査方向にずれてしまう。また、このインク滴の着弾位置のずれは、第1キャリッジ速度V1と第2キャリッジ速度V2との差が大きい場合ほど大きくなる。そこで、本発明では、キャリッジ速度を第2キャリッジ速度V2に設定したときに、第1キャリッジ速度V1に設定したときよりも、第2キャリッジ速度V2と第1キャリッジ速度V1との差に応じた遅延時間S、駆動波形(中ドット用波形W2、小ドット用波形W3)の立ち上がり及び立ち下がりのタイミングを遅らせる。これにより、キャリッジ速度の違いによるインク滴の着弾位置のずれを抑えることができる。
【0060】
<変形例>
以上、本発明の好適な第1、第2実施形態について説明したが、本発明は第1、第2実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。
【0061】
上述の実施形態では、制御装置50から駆動素子57への駆動波形の出力のタイミングを遅延させることによって、駆動波形の立ち上がり及び立ち下がりのタイミングを遅延させたが、これには限られない。例えば、駆動波形を、駆動周期の開始の時点から所定時間遅れたタイミングに最初の立ち上がりが生じるものとし、駆動周期の開始の時点から最初の立ち上がりまでの時間が長い駆動波形を出力することによって、駆動波形の立ち上がり及び立ち下がりのタイミングを遅延させてもよい。
【0062】
上述の実施形態では、キャリッジ速度を第2キャリッジ速度V2として記録パスを行わせるときに、駆動波形を遅延時間S遅延させて駆動素子57に入力させたが、これには限られない。例えば、キャリッジ速度を第1キャリッジ速度V1及び第2キャリッジ速度V2のいずれとして記録パスを行わせるときにも、駆動波形を遅延させずに駆動素子57に入力させてもよい。
【0063】
また、上述の実施形態では、ブラックの大ドットを小ドットに変換する場合に、変換されたブラックの小ドットに、カラー3色の小ドットが重なるように、ノズル10からブラック及びカラーのインクを吐出させたが、これには限られない。例えば、ブラックの大ドットを中ドット又は小ドットに変換し、中ドット又は小ドットに変換したブラックのドットに、3色のカラーインクのうちの1色又は2色の中ドット又は小ドットが重なるように、ノズル10からブラック及びカラーのインクを吐出させてもよい。
【0064】
また、例えば、3色のカラーインクのうちの1色の大ドットを中ドット又は小ドットに変換し、中ドット又は小ドットに変換した当該1色のドットに、3色のカラーインクのうち別の1色の中ドット又は小ドットが重なるように、ノズル10からカラーのインクを吐出させてもよい。
【0065】
また、中ドット又は小ドットに変換したドットに重なるように形成する別の色のドットは、中ドット及び小ドットであることにも限られない。例えば、大ドット用波形W1よりも長さが短く、且つ、中ドット用波形W2及び小ドット用波形W3のいずれとも異なる駆動波形(本発明の「第3駆動波形」)により駆動素子57を駆動させてノズル10からインク滴を吐出させることによって、記録用紙Pの、中ドット又は小ドットに変換したドットが形成されているのと同じ部分に、大ドットよりもサイズが小さく、且つ、中ドット及び小ドットのいずれともサイズの異なるドット(本発明の「第3ドット」)を形成してもよい。
【0066】
また、上述の実施形態では、大ドットを中ドット又は小ドットに変換する場合に、変換されたドットに、別の色のドットが重なるように、ノズル10からブラック及びカラーのインクを吐出させたが、これには限られない。変換されたドットに、別の色のドットを重ねなくてもよい。
【0067】
また、上述の実施形態では、いずれかの色についてのデューティDが所定値D1以上の記録パスがあり、且つ、当該記録パスにおける駆動回数Ndが所定回数Nd1以上の場合には、記録パスにおけるキャリッジ速度を第1キャリッジ速度V1とし、駆動素子57の駆動周期を第1駆動周期とする。一方で、いずれかの色についてのデューティDが所定値D1以上の記録パスがあっても、当該記録パスにおける駆動回数Ndが所定回数Nd1未満の場合には、大ドットを中ドット又は小ドットに変換し、記録パスにおけるキャリッジ速度を第2キャリッジ速度V2とし、駆動素子57の駆動周期を第2駆動周期T2とする。しかしながら、これには限られない。例えば、いずれかの色のインクについてのデューティDが所定値D1以上の記録パスがある場合に、当該記録パスにおける駆動回数Ndによらず、記録パスにおけるキャリッジ速度を第1キャリッジ速度V1とし、駆動素子57の駆動周期を第1駆動周期としてもよい。
【0068】
また、本実施形態では、記録される画像に空白部分がない場合には、画像全体の記録における記録パスでのキャリッジ速度及び駆動素子57の駆動周期を一律に設定し、記録される画像に空白部分がある場合には、画像部分ごとに個別に記録パスでのキャリッジ速度及び駆動素子57の駆動周期を設定したが、これには限られない。例えば、記録される画像に空白部分があるか否かによらず、空白部分がない場合と同様にして、画像全体の記録における記録パスでのキャリッジ速度及び駆動素子57の駆動周期を一律に設定してもよい。あるいは、例えば、記録パス毎に個別にキャリッジ速度を設定してもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では、記録パスにおけるデューティDが所定値D1以上であるか否かに基づいて、記録パスにおける駆動素子57の駆動に、大ドット用波形W1による駆動が含まれているか否かを判定したが、これには限られない。例えば、画像データが示す各ドットの配置及びサイズの情報を個別に取得し、この情報に基づいて、記録パスにおける駆動素子57の駆動に、大ドット用波形W1による駆動素子57の駆動が含まれているか否かを判定してもよい。
【0070】
さらには、画像データに基づいて、記録パスにおける駆動素子57の駆動に、大ドット用波形W1による駆動素子57の駆動が含まれているか否かを判定することにも限られない。例えば、記録指令とともに、画像データとは別に、例えば、記録される画像がテキストであるか絵であるかの情報が入力され、この情報に基づいて、記録パスにおける駆動素子57の駆動に、大ドット用波形W1による駆動素子57の駆動が含まれているか否かを判定してもよい。
【0071】
また、上述の実施形態では、エンコーダセンサ14において受光素子14bが光を受信しているか光を受信していないかの状態が所定回数切り換わるのに必要な時間が、記録パスにおける駆動素子57の駆動周期となっているため、キャリッジ速度が設定されることによって、駆動素子57の駆動周期が自動的に設定されるようになっていたが、これには限られない。例えば、制御装置50が、自身で駆動素子57の駆動周期を設定して駆動素子57を駆動させてもよい。
【0072】
また、上述の実施形態の場合、同じ画像を複数部記録するときに、1部目の記録から、デューティDや駆動回数Ndに応じて、記録パスでのキャリッジ速度を、第1キャリッジ速度V1及び第2キャリッジ速度V2のいずれかに選択的に設定し、これに対応して、記録パスでの駆動素子57の駆動周期を、第1駆動周期T1及び第2駆動周期T2のいずれかに選択的に設定する。しかしながら、これには限られない。
【0073】
例えば、同じ画像を複数部記録するときに、1部目の記録時には、デューティDや駆動回数Ndに関係なく、記録パスでのキャリッジ速度を第1キャリッジ速度V1に設定し、これに対応して、記録パスでの駆動素子57の駆動周期を第1駆動周期T1に設定し、2部目以降の記録時に、上述の実施形態と同様にして、記録パスでのキャリッジ速度及び駆動周期を設定してもよい。
【0074】
図5のフローに沿った処理を行うためには、画像データ全体を受信している必要がある。これに対して、記録される画像の画像データが、記録用紙Pの下流側の領域に記録される部分から順に入力されるような場合に、1部目の記録時から上述の実施形態と同様にして、上述の実施形態と同様にして、図5のフローに沿って記録パスでのキャリッジ速度及び駆動周期を設定しようとすると、画像データ全体の受信が完了するまで記録を開始することができず、記録開始までの待機時間が長くなってしまう。しかしながら、上記の場合には、画像データの受信の途中で1部目の記録を開始することができるので、上記待機時間を短くすることができる。一方で、2部目以降の記録時には、1部目の記録時に画像データの受信が完了しているので、上記待機時間が長くなってしまうことがない。
【0075】
また、以上では、キャリッジとともに走査方向に移動する、いわゆるシリアルヘッドを備えたプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。例えば、記録用紙の幅方向の全長にわたって延びたいわゆるラインヘッドを備えたプリンタに本発明を適用することも可能である。
【0076】
この場合には、記録用紙を搬送方向(本発明の「一方向」)に搬送させることによって、ラインヘッドと記録用紙とを相対移動させつつ、ラインヘッドを駆動させて複数のノズルからインク滴を吐出させることによって、記録用紙に画像を記録することができる。なお、この場合には、記録用紙を搬送する機構が、本発明の「相対移動手段」に相当する。また、この場合には、記録用紙を搬送方向に搬送させつつ、ラインヘッドを駆動させて複数のノズルからインク滴を吐出させる動作が、本発明の「吐出動作」に相当する。
【0077】
そして、この場合には、例えば、画像の記録時のラインヘッドの駆動が大ドットを形成するための駆動波形による駆動を含まない場合に、当該駆動波形による駆動を含む場合よりも、記録用紙の搬送速度を速くし、ラインヘッドの駆動素子の駆動周期を短くする。これにより、記録に必要な時間を短くすることができる。
【0078】
また、以上では、ノズルからインクを吐出して記録用紙Pに記録を行うプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。Tシャツ、屋外広告用のシート、スマートフォン等の携帯端末のケース、段ボール、樹脂部材など、記録用紙以外の被記録媒体に画像を記録するプリンタにも適用され得る。また、インク以外の液体、例えば、液体状にした樹脂や金属を吐出する液滴吐出装置にも適用され得る。
【符号の説明】
【0079】
1 プリンタ
2 キャリッジ
3 インクジェットヘッド
5,6 搬送ローラ
10 ノズル
50 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7