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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】画像形成装置、規制解除方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G21/00 500
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020145974
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2022040988
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】望月 将行
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-232519(JP,A)
【文献】特開2017-198856(JP,A)
【文献】特開2017-198910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する現像剤収容部が装着される装着部と、
前記装着部に装着された前記現像剤収容部の当該装着部からの取り外しを規制する規制部と、
前記現像剤を用いて画像を形成する画像形成部に関する異常を検出する検出部を有し、前記画像形成部を制御する制御部と、
前記検出部によって前記異常が検出された場合に前記画像形成部を用いない処理を制限する制限処理部と、
前記制限処理部による制限後において前記検出部によって検出された前記異常が予め定められた第1異常である場合に、自装置の動作モードを通常モードから前記制御部が停止される停止モードに切り替えるとともに前記制限処理部による前記画像形成部を用いない処理の制限を解除可能な切替処理部と、
予め定められた特定操作が行われた場合において前記動作モードが前記停止モードである場合に、前記異常の検出の記録結果に基づいて前記異常のうち前記現像剤収容部の取り外しが必要な第2異常の継続中であるか否かを判断する判断処理部と、
前記判断処理部によって前記第2異常の継続中であると判断される場合に、前記規制部による前記現像剤収容部の取り外しの規制を解除する解除処理部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記装着部に装着された前記現像剤収容部の当該装着部からの取り外し時に開閉されるカバー部材を備え、
前記特定操作は、前記カバー部材の開扉操作を含む、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
原稿の画像を読み取る画像読取部を備える、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
現像剤を収容する現像剤収容部が装着される装着部と、前記装着部に装着された前記現像剤収容部の当該装着部からの取り外しを規制する規制部と、前記現像剤を用いて画像を形成する画像形成部に関する異常を検出する検出部を有し、前記画像形成部を制御する制御部と、を備える画像形成装置で実行される規制解除方法であって、
前記検出部によって前記異常が検出された場合に前記画像形成部を用いない処理を制限する制限ステップと、
前記制限ステップによる制限後において前記検出部によって検出された前記異常が予め定められた第1異常である場合に、自装置の動作モードを通常モードから前記制御部が停止される停止モードに切り替えるとともに前記制限ステップによる前記画像形成部を用いない処理の制限を解除可能な切替ステップと、
予め定められた特定操作が行われた場合において前記動作モードが前記停止モードである場合に、前記異常の検出の記録結果に基づいて前記異常のうち前記現像剤収容部の取り外しが必要な第2異常の継続中であるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって前記第2異常の継続中であると判断される場合に、前記規制部による前記現像剤収容部の取り外しの規制を解除する解除ステップと、
を含む規制解除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び画像形成装置で実行される規制解除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーなどの現像剤を収容するトナーコンテナなどの現像剤収容部が装着される装着部からの当該現像剤収容部の取り外しを規制可能な規制部を備える画像形成装置が知られている。例えば、この種の画像形成装置は、当該装置を統括的に制御する第1制御部とは別の第2制御部と、制限処理部とを備える。前記第2制御部は、前記現像剤を用いて画像を形成する画像形成部に関する異常を検出する検出部を有し、前記画像形成部を制御する。前記制限処理部は、前記検出部によって前記異常が検出された場合に自装置の動作を制限する。
【0003】
例えば、前記画像形成装置では、カバー部材の開扉のような予め定められた特定操作が行われた場合に、前記第2制御部との通信結果に基づいて前記異常のうち予め定められた第2異常の継続中であるか否かが判断される。そして、前記第2異常の継続中であると判断される場合に、前記規制部による前記現像剤収容部の取り外しの規制が解除される。これにより、発生原因の調査及び解消のために前記現像剤収容部の取り外しが必要な前記異常(前記第2異常)が発生した場合に、前記現像剤収容部を取り外すことが可能である。
【0004】
また、前記画像形成装置では、前記異常のうち予め定められた第1異常が検出された場合に、自装置の動作モードが通常モードから前記第2制御部が停止される停止モードに切り替わるとともに自装置の動作制限が解除されることがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-72318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記画像形成装置において、前記特定操作が行われた場合に前記動作モードが前記停止モードである場合には、前記第2制御部が停止されているため、前記第2異常の継続中であるとしても前記現像剤収容部の取り外しの規制が解除されない。そのため、ユーザーにおいて、前記現像剤収容部を取り外すために、前記動作モードを切り替える手間が生じる。
【0007】
本発明の目的は、画像形成部を制御する制御部の停止中に現像剤収容部を取り外すユーザーに生じる手間を軽減可能な画像形成装置、及び規制解除方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、装着部と、規制部と、制御部と、制限処理部と、切替処理部と、判断処理部と、解除処理部とを備える。前記装着部には、現像剤を収容する現像剤収容部が装着される。前記規制部は、前記装着部に装着された前記現像剤収容部の当該装着部からの取り外しを規制する。前記制御部は、前記現像剤を用いて画像を形成する画像形成部に関する異常を検出する検出部を有し、前記画像形成部を制御する。前記制限処理部は、前記検出部によって前記異常が検出された場合に自装置の動作を制限する。前記切替処理部は、前記検出部によって検出された前記異常が予め定められた第1異常である場合に、自装置の動作モードを通常モードから前記制御部が停止される停止モードに切り替えるとともに前記制限処理部による自装置の動作制限を解除可能である。前記判断処理部は、予め定められた特定操作が行われた場合において前記動作モードが前記停止モードである場合に、前記異常の検出の記録結果に基づいて前記異常のうち予め定められた第2異常の継続中であるか否かを判断する。前記解除処理部は、前記判断処理部によって前記第2異常の継続中であると判断される場合に、前記規制部による前記現像剤収容部の取り外しの規制を解除する。
【0009】
本発明の他の局面に係る規制解除方法は、現像剤を収容する現像剤収容部が装着される装着部と、前記装着部に装着された前記現像剤収容部の当該装着部からの取り外しを規制する規制部と、前記現像剤を用いて画像を形成する画像形成部に関する異常を検出する検出部を有し、前記画像形成部を制御する制御部と、を備える画像形成装置で実行され、以下の制限ステップと、切替ステップと、判断ステップと、解除ステップとを含む。前記制限ステップでは、前記検出部によって前記異常が検出された場合に自装置の動作が制限される。前記切替ステップでは、前記検出部によって検出された前記異常が予め定められた第1異常である場合に、自装置の動作モードが通常モードから前記制御部が停止される停止モードに切り替わるとともに前記制限ステップによる自装置の動作制限が解除可能である。前記判断ステップでは、予め定められた特定操作が行われた場合において前記動作モードが前記停止モードである場合に、前記異常の検出の記録結果に基づいて前記異常のうち予め定められた第2異常の継続中であるか否かが判断される。前記解除ステップでは、前記判断ステップによって前記第2異常の継続中であると判断される場合に、前記規制部による前記現像剤収容部の取り外しの規制が解除される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成部を制御する制御部の停止中に現像剤収容部を取り外すユーザーに生じる手間を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の外観を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像形成ユニットの構成を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の現像部の構成を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の外観を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のトナー補給装置の構成を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される動作モード切替処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される規制解除処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
[画像形成装置100の構成]
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。ここで、図2は画像形成装置100の外観を示す斜視図である。なお、図2には、ADF1が取り外された状態の画像形成装置100が示されている。
【0014】
なお、説明の便宜上、画像形成装置100が使用可能な設置状態(図2に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、図2に示される画像形成装置100の紙面右手前側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置100の正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0015】
画像形成装置100は、原稿の画像を読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能とともに、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像形成装置100は、プリンター装置、ファクシミリ装置、及びコピー機などであってもよい。
【0016】
図1及び図2に示されるように、画像形成装置100は、ADF(Auto Document Feeder)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、操作表示部5、記憶部6、第1制御部7、第2制御部8、及び筐体9を備える。
【0017】
ADF1は、前記スキャン機能による読取対象の原稿を搬送する。例えば、ADF1は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備える。
【0018】
画像読取部2は、前記スキャン機能を実現する。例えば、画像読取部2は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備える。
【0019】
画像形成部3は、前記プリント機能を実現する。具体的に、画像形成部3は、電子写真方式で画像を形成する。例えば、画像形成部3は、トナー(本発明の現像剤の一例)及びキャリアを含む現像剤を用いて画像を形成する。
【0020】
給紙部4は、画像形成部3にシートを供給する。例えば、給紙部4は、給紙カセット4A(図2参照)、シート搬送路、及び複数の搬送ローラーを備える。
【0021】
操作表示部5は、画像形成装置100のユーザーインターフェイスである。例えば、操作表示部5は、第1制御部7からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて第1制御部7に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を備える。
【0022】
記憶部6は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部6は、フラッシュメモリー及びEEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリ、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置である。
【0023】
第1制御部7は、画像形成装置100を統括的に制御する。図1に示されるように、第1制御部7は、CPU7A、ROM7B、及びRAM7Cを備える。CPU7Aは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM7Bは、CPU7Aに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM7Cは、CPU7Aが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性の記憶装置である。第1制御部7では、CPU7AによりROM7Bに予め格納された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置100が第1制御部7により統括的に制御される。
【0024】
第2制御部8は、画像形成部3を制御する。例えば、第2制御部8は、集積回路(ASIC、DSP)などの電子回路で構成される。第2制御部8は、本発明の制御部の一例である。
【0025】
筐体9は、画像形成装置100の各構成要素を収容する。図2に示されるように、筐体9は、略四角柱状に形成される。筐体9の下部には、給紙カセット4Aが前後方向D2に挿抜可能に設けられる。筐体9の正面には、前面カバー9Aが設けられる。前面カバー9Aは、下端部が左右方向D3に長尺な回動軸を中心に回動可能に支持されており、上部が前方に回動して開かれる。筐体9の上部には、左方及び前方に開放された排紙空間9Bが形成されている。排紙空間9Bには、画像形成部3によって画像が形成されたシートが排出される。
【0026】
[画像形成部3の構成]
次に、図3及び図4を参照しつつ、画像形成部3の構成について説明する。ここで、図3は筐体9の内部構成を示す断面図である。また、図4は画像形成ユニット11の構成を示す断面図である。
【0027】
図3に示されるように、画像形成部3は、複数の画像形成ユニット11~14、光走査装置15、中間転写ベルト16、二次転写ローラー17、定着装置18、及びトナー補給装置19を備える。
【0028】
画像形成ユニット11はY(イエロー)、画像形成ユニット12はC(シアン)、画像形成ユニット13はM(マゼンタ)、画像形成ユニット14はK(ブラック)に対応する電子写真方式の画像形成ユニットである。画像形成ユニット11~14は、図3に示されるように、画像形成装置100の左右方向D3に沿って、画像形成装置100の左方からイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの順に併設される。
【0029】
図4に示されるように、画像形成ユニット11は、感光体ドラム21、帯電ローラー22、現像部23、一次転写ローラー24、及びドラム清掃部25を備える。また、画像形成ユニット12~14各々も、画像形成ユニット11と同様の構成を備える。
【0030】
感光体ドラム21は、表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム21は、不図示のモーターから供給される回転駆動力を受けて、図4に示される回転方向D4に回転する。
【0031】
帯電ローラー22は、感光体ドラム21の表面を帯電させる。帯電ローラー22によって帯電された感光体ドラム21の表面には、光走査装置15から射出される画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。
【0032】
現像部23は、前記現像剤を用いて感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像する。これにより、感光体ドラム21の表面にトナー像が形成される。
【0033】
一次転写ローラー24は、現像部23により感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト16に転写する。
【0034】
ドラム清掃部25は、一次転写ローラー24によるトナー像の転写後の感光体ドラム21の表面に残存するトナーを除去する。
【0035】
光走査装置15は、画像形成ユニット11~14各々の感光体ドラム21の表面へ向けて、画像データに基づく光を射出する。
【0036】
中間転写ベルト16は、画像形成ユニット11~14各々の感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像が転写される無端状のベルト部材である。中間転写ベルト16は、駆動ローラー及び張架ローラーによって所定のテンションで張架される。中間転写ベルト16は、不図示のモーターから供給される回転駆動力を受けて前記駆動ローラーが回転することで、図3に示される回転方向D5に回転する。
【0037】
二次転写ローラー17は、中間転写ベルト16の表面に転写されたトナー像を給紙部4から供給されるシートに転写する。
【0038】
定着装置18は、二次転写ローラー17によってシートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる。
【0039】
トナー補給装置19は、画像形成ユニット11~14各々の現像部23にトナーを供給する。
【0040】
[現像部23の構成]
次に、図4及び図5を参照しつつ、現像部23の構成について説明する。ここで、図5図4におけるV-V矢視断面図である。
【0041】
図4及び図5に示されるように、現像部23は、筐体31、第1搬送部材32、第2搬送部材33、マグネットローラー34、現像ローラー35、及びトナーセンサー36を備える。
【0042】
筐体31は、図4に示されるように、第1搬送部材32、第2搬送部材33、マグネットローラー34、及び現像ローラー35を収容する。また、筐体31は、前記現像剤を収容する。具体的に、筐体31は、側壁及び底面41によって形成される内部空間において前記現像剤を収容する。現像部23は、筐体31に収容される前記現像剤を用いて、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像する。
【0043】
図5に示されるように、筐体31は、トナーを含む前記現像剤が搬送される第1搬送路42及び第2搬送路43を有する。具体的に、筐体31の底面41には、図4及び図5に示されるように、隔壁44が設けられている。筐体31の側壁、底面41、及び隔壁44により、筐体31の内部に前記現像剤が搬送される第1搬送路42及び第2搬送路43が形成される。
【0044】
第1搬送部材32は、図5に示されるように、第1搬送路42に設けられる。第1搬送部材32は、第1搬送路42において前後方向D2に沿った搬送方向D6に沿って前記現像剤を搬送するとともに、前記現像剤に含まれるトナーを帯電させる。具体的に、第1搬送部材32は、前記現像剤の搬送中に前記現像剤を撹拌して前記現像剤に含まれるトナーを帯電させる。例えば、第1搬送部材32はスクリュー状に形成された部材である。
【0045】
第2搬送部材33は、図5に示されるように、第2搬送路43に設けられる。第2搬送部材33は、第2搬送路43において前後方向D2に沿った搬送方向D7に沿って前記現像剤を搬送するとともに、前記現像剤に含まれるトナーを帯電させる。具体的に、第2搬送部材33は、前記現像剤の搬送中に前記現像剤を撹拌して前記現像剤に含まれるトナーを帯電させる。例えば、第2搬送部材33はスクリュー状に形成された部材である。
【0046】
隔壁44における搬送方向D6の下流側の端部には、第1搬送路42と第2搬送路43とを接続する第1接続部45が設けられている。一方、隔壁44における搬送方向D7の下流側の端部には、第1搬送路42と第2搬送路43とを接続する第2接続部46が設けられている。これにより、筐体31に収容された前記現像剤は、第1搬送部材32及び第2搬送部材33によって第1搬送路42及び第2搬送路43を循環して搬送される。
【0047】
マグネットローラー34は、第2搬送路43から第2搬送部材33によって搬送される前記現像剤を汲み上げる。そして、マグネットローラー34は、第2搬送路43から汲み上げた前記現像剤に含まれるトナーを現像ローラー35に供給する。現像ローラー35は、マグネットローラー34から供給されるトナーを用いて、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像する。
【0048】
なお、現像部23による現像方式は、以上に述べたトナー及びキャリアを含む前記現像剤を用いた2成分現像方式に限られない。例えば、現像部23の現像方式は、トナーのみを用いた一成分現像方式であってもよい。また、現像部23が、マグネットローラー34を備えない構成であってもよい。
【0049】
第1搬送路42の上側には、開口部47が設けられている。図4に示されるように、開口部47は、第1搬送路42の上側において第1搬送路42を覆う筐体31の上面部に設けられる。開口部47は、第1搬送路42における搬送方向D6の上流側の端部と対向して設けられる。開口部47は、後述するトナーコンテナ51から供給されるトナーの第1搬送路42への搬入に用いられる。具体的に、トナーコンテナ51から供給されるトナーは、開口部47を経由して、第1搬送路42の搬入位置P1(図5参照)に搬入される。搬入位置P1は、底面41における開口部47との対向位置である。
【0050】
トナーセンサー36は、第1搬送路42における搬入位置P1よりも搬送方向D6の下流側の検出位置P2(図5参照)におけるトナーの量を検出する。例えば、トナーセンサー36は、図4に示されるように、筐体31の底面部に設けられる。例えば、トナーセンサー36は、筐体31内に収容されている前記現像剤の透磁率に応じた電気信号を出力するLC発振回路を含む透磁率センサーである。
【0051】
例えば、画像形成装置100では、第1搬送部材32による搬入位置P1から検出位置P2までのトナーの搬送時間を超える検出期間中にトナーセンサー36によって検出される検出値各々が積算されて、筐体31内のトナーの収容量が取得される。例えば、前記検出期間は、第1搬送部材32によって搬送されるトナーが現像部23内を一巡する期間である。
【0052】
[トナー補給装置19の構成]
次に、図1図3図6図7を参照しつつ、トナー補給装置19の構成について説明する。ここで、図6図2に示される画像形成装置100からロックユニット53が取り外された状態を示す図である。また、図7はトナー補給装置19の構成を示す平面図である。
【0053】
トナー補給装置19は、図3に示される4つのトナーコンテナ51と、図6に示される容器装着部52と、図2に示されるロックユニット53とを備える。また、トナー補給装置19は、図1に示されるように、駆動部54と、データ取得部55と、開閉センサー56とを備える。
【0054】
4つのトナーコンテナ51は、画像形成ユニット11~14に対応して設けられる。例えば、図3に示されるトナーコンテナ51Aは、画像形成ユニット11に対応しており、イエローのトナーを収容する。
【0055】
4つのトナーコンテナ51は、互いに共通の構成を備える。具体的に、トナーコンテナ51各々は、前後方向D2に沿って長尺な略円柱形状の容器である。トナーコンテナ51各々は、内部に収容されるトナーを当該トナーコンテナ51の長手方向に沿って搬送する搬送部材(不図示)、及び当該トナーコンテナ51に関する特定データを格納するICタグ(不図示)を備える。例えば、前記特定データには、トナーコンテナ51の識別情報、トナーコンテナ51に収容されるトナーの種類、材質、及び色などに関するトナー情報、トナーコンテナ51におけるトナーの初期収容量を示す初期収容量情報などが含まれる。トナーコンテナ51は、本発明の現像剤収容部の一例である。
【0056】
容器装着部52には、4つのトナーコンテナ51が装着される。図3に示されるように、容器装着部52は、筐体9の上部に設けられる。また、図6に示されるように、容器装着部52は、筐体9における前面カバー9Aの裏面と対向する位置に設けられる。容器装着部52には、4つの開口部61(図6参照)、及び4つの装着部62(図3参照)が形成される。前面カバー9Aは、装着部62に装着されたトナーコンテナ51の当該装着部62からの取り外し時に開閉される。前面カバー9Aは、本発明のカバー部材の一例である。
【0057】
4つの開口部61は、4つのトナーコンテナ51に対応して設けられる。開口部61各々には、トナーコンテナ51が挿入される。例えば、図6に示される開口部61Aには、トナーコンテナ51Aが挿入される。
【0058】
4つの装着部62は、4つの開口部61に対応して設けられる。装着部62各々は、当該装着部62に対応する開口部61から画像形成装置100の後方向へ延在するトナーコンテナ51の収容空間を形成する。装着部62各々には、トナーコンテナ51が装着される。例えば、図3に示される装着部62Aには、トナーコンテナ51Aが装着される。
【0059】
ロックユニット53は、容器装着部52に装着されたトナーコンテナ51の容器装着部52からの取り外しを規制可能である。図2に示されるように、ロックユニット53は、容器装着部52の前側に取り付けられる。ロックユニット53は、4つの開口部61の開閉の制限の有無(ロックの有無)を個別に切り替え可能な4つのロック装置63を備える。
【0060】
4つのロック装置63は、互いに共通の構成を備える。具体的に、ロック装置63各々は、図7に示されるように、ロックカバー71、制限部材72、コイルばね73、ソレノイド74、及びリンク部材75を備える。ロック装置63各々の制限部材72、コイルばね73、ソレノイド74、及びリンク部材75は、装着部62の上面に設けられる。ロック装置63は、装着部62に装着されたトナーコンテナ51の当該装着部62からの取り外しを規制する。ロック装置63は、本発明の規制部の一例である。
【0061】
ロックカバー71は、開口部61に設けられており、開口部61を開閉する。ロックカバー71は、下端部が左右方向D3に長尺な回動軸を中心に回動可能に支持されている。即ち、ロックカバー71は、前面カバー9Aと同様に、上部が前方に回動して開かれる。
【0062】
ロックカバー71の上部には、制限部材72の係合部72Aと係合可能な被係合部71Aが設けられている。被係合部71Aは、図7に示されるように、ロックカバー71の裏面から突出して右方向に屈曲するフック形状に形成される。
【0063】
制限部材72は、ロックカバー71の被係合部71Aと係合可能な係合部72Aを有する。係合部72Aは、図7に示されるように、前方に向けて突出して左方向に屈曲するフック形状に形成される。制限部材72は、装着部62の上面に回動可能に設けられる。具体的に、制限部材72は、装着部62の上面において上下方向D1に平行に設けられた回動軸72Bによって回動可能に支持されている。
【0064】
制限部材72は、ロックカバー71の開放を制限可能なロック位置と、ロックカバー71の開放の制限(ロック)が解除される解除位置との間を回動することが可能である。ここで、前記ロック位置は、図7に示されるように、係合部72Aが閉塞状態のロックカバー71の被係合部71Aと係合可能な位置である。また、前記解除位置は、前記ロック位置よりもロックカバー71の内側の位置であって、係合部72Aとロックカバー71の被係合部71Aとの係合が外れる位置である(図7のロック装置63C参照)。ロック装置63では、ロックカバー71の開放が制限部材72により制限されることで、装着部62におけるトナーコンテナ51の着脱が規制される。
【0065】
コイルばね73は、制限部材72を前記ロック位置側へ付勢する。具体的に、コイルばね73は、図7に示されるように、装着部62の上面において左右方向D3に延在して設けられる。コイルばね73は、長手方向の一端が制限部材72の左側部に固定され、他端が装着部62の上面に固定される。コイルばね73は、自然長よりも伸長された状態で、制限部材72及び装着部62の上面に固定される。そのため、制限部材72は、コイルばね73によって左方向へ引っ張られて、前記ロック位置側へ付勢される。
【0066】
ソレノイド74は、図7に示されるように、制限部材72よりもロックカバー71の内側に設けられる。ソレノイド74は、通電に応じて駆動して制限部材72を前記解除位置へ移動させる。具体的に、ソレノイド74は、所謂プル型で駆動する構成であって、前後方向D2に沿って長尺状なプランジャーを有する。前記プランジャーは、前後方向D2に長尺なリンク部材75を介して制限部材72に連結されている。
【0067】
ソレノイド74は、第1制御部7の制御指示に基づく不図示の電源からの給電に応じて、前記プランジャーを後方向へ駆動する。これにより、リンク部材75を介して前記プランジャーに連結された制限部材72が前記ロック位置から前記解除位置へ移動されて、ロックカバー71のロックが解除される(図7のロック装置63C参照)。
【0068】
駆動部54は、装着部62各々に設けられる。駆動部54は、当該駆動部54に対応する装着部62に装着されたトナーコンテナ51の前記搬送部材に供給される回転駆動力を生成する。例えば、駆動部54はモーターである。駆動部54で生成される回転駆動力は、不図示の動力伝達機構を介して、装着部62に装着されたトナーコンテナ51の前記搬送部材に供給される。これにより、当該搬送部材が回転されて、トナーコンテナ51内のトナーが当該トナーコンテナ51に設けられたトナー排出口(不図示)へ搬送される。なお、装着部62に装着されたトナーコンテナ51の前記トナー排出口は、現像部23の開口部47(図4参照)に通じる不図示のトナー供給路に接続されている。前記トナー排出口からトナーコンテナ51の外部へ排出されるトナーは、前記トナー供給路及び開口部47を経由して現像部23に供給される。
【0069】
データ取得部55は、装着部62各々に設けられる。データ取得部55は、当該データ取得部55に対応する装着部62に装着されたトナーコンテナ51の前記ICタグから前記特定データを取得する。例えば、データ取得部55は、装着部62に装着されたトナーコンテナ51の前記ICタグと近距離無線通信を行うことで、前記ICタグから前記特定データを受信する。
【0070】
開閉センサー56は、筐体9の前面カバー9Aの開閉状態を検出する。例えば、開閉センサー56は、反射型の光センサーである。
【0071】
[第1制御部7及び第2制御部8の構成]
次に、図1を参照しつつ、第1制御部7及び第2制御部8の構成について説明する。
【0072】
図1に示されるように、第2制御部8は、検出部81を含む。
【0073】
検出部81は、画像形成部3に関する異常を検出する。
【0074】
例えば、前記異常には、駆動部54の異常、及びデータ取得部55の異常が含まれる。また、前記異常には、画像形成ユニット11~14の異常、光走査装置15の異常、中間転写ベルト16を回転させるモーターの異常、及び定着装置18の異常が含まれる。また、前記異常には、現像剤切れ、シート切れ、及び紙詰まりが含まれる。
【0075】
第2制御部8は、検出部81によって前記異常が検出された場合に、第1制御部7にその旨を通知する。
【0076】
また、図1に示されるように、第1制御部7は、制限処理部91、切替処理部92、判断処理部93、及び解除処理部94を含む。
【0077】
具体的に、第1制御部7のROM7Bには、第1制御部7のCPU7Aに後述の動作モード切替処理(図8のフローチャート参照)、及び規制解除処理(図9のフローチャート参照)を実行させるための規制解除プログラムが予め格納されている。そして、第1制御部7のCPU7Aは、ROM7Bに格納された前記規制解除プログラムを実行することにより、上述の各部として機能する。
【0078】
なお、前記規制解除プログラムは、CD、DVD、フラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて記憶部6などの記憶装置に格納されてもよい。
【0079】
なお、以下では、画像形成ユニット11~14各々に対応するトナーコンテナ51、装着部62、及びロック装置63のうち、画像形成ユニット11に対応するトナーコンテナ51A(図3参照)、装着部62A(図3参照)、及びロック装置63A(図2参照)を例に挙げて説明を行う。以下の説明は、画像形成ユニット12~14各々に対応するトナーコンテナ51、装着部62、及びロック装置63についても同様に当てはまる。
【0080】
制限処理部91は、検出部81によって前記異常が検出された場合に、自装置の動作を制限する。
【0081】
具体的に、制限処理部91は、第2制御部8から前記異常の検出が通知された場合に、実行中の処理を停止させるとともに、新たな処理の実行を禁止する。制限処理部91による制限対象には、画像読取部2を用いた画像読取処理のような、画像形成部3を用いない処理も含まれる。
【0082】
切替処理部92は、検出部81によって検出された前記異常が予め定められた第1異常である場合に、自装置の動作モードを通常モードから第2制御部8が停止される停止モードに切り替えるとともに、制限処理部91による自装置の動作制限を解除可能である。
【0083】
例えば、前記第1異常には、駆動部54の異常、及びデータ取得部55の異常が含まれる。また、前記第1異常には、画像形成ユニット11~14の異常、光走査装置15の異常、中間転写ベルト16を回転させるモーターの異常、及び定着装置18の異常が含まれる。なお、現像剤切れ、シート切れ、及び紙詰まりは、前記第1異常には含まれない。
【0084】
例えば、切替処理部92は、検出部81によって検出された前記異常が前記第1異常である場合に、自装置の動作モードの切替操作に用いられる切替画面を操作表示部5に表示させる。そして、切替処理部92は、前記切替画面における前記切替操作に応じて、自装置の動作モードを前記通常モードから前記停止モードに切り替えるとともに、制限処理部91による自装置の動作制限を解除する。前記停止モードでは、前記プリント機能が使用不能となる。なお、前記停止モードにおいても、前記スキャン機能は使用可能である。
【0085】
なお、切替処理部92は、検出部81によって検出された前記異常が前記第1異常である場合に、前記切替操作を受け付けることなく、自装置の動作モードを前記通常モードから前記停止モードに切り替えるとともに、制限処理部91による自装置の動作制限を解除してもよい。
【0086】
ところで、従来の画像形成装置では、前面カバー9Aの開扉操作のような予め定められた特定操作が行われた場合に、第2制御部8との通信結果に基づいて前記異常のうち予め定められた第2異常の継続中であるか否かが判断される。そして、前記第2異常の継続中であると判断される場合に、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が解除される。これにより、発生原因の調査及び解消のためにトナーコンテナ51Aの取り外しが必要な前記異常(前記第2異常)が発生した場合に、トナーコンテナ51Aを取り外すことが可能である。例えば、前記第2異常には、駆動部54の異常、及びデータ取得部55の異常が含まれる。
【0087】
ここで、従来の画像形成装置において、前記特定操作が行われた場合に自装置の動作モードが前記停止モードである場合には、第2制御部8が停止されているため、前記第2異常の継続中であるとしてもトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が解除されない。そのため、ユーザーにおいて、トナーコンテナ51Aを取り外すために、自装置の動作モードを切り替える手間が生じる。
【0088】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、第2制御部8の停止中にトナーコンテナ51Aを取り外すユーザーに生じる手間を軽減することが可能である。
【0089】
判断処理部93は、前記特定操作が行われた場合において、自装置の動作モードが前記停止モードではない場合には、第2制御部8との通信結果に基づいて、前記第2異常の継続中であるか否かを判断する。また、判断処理部93は、前記特定操作が行われた場合において、自装置の動作モードが前記停止モードである場合には、前記異常の検出の記録結果に基づいて、前記第2異常の継続中であるか否かを判断する。
【0090】
例えば、第1制御部7は、第2制御部8から前記異常の検出を通知された場合に、当該異常の検出を記録する。例えば、第1制御部7は、検出部81によって検出された前記異常に関する異常検出情報を記憶部6の予め定められた特定記憶領域に格納する。
【0091】
また、判断処理部93は、前記特定操作が行われた場合において、自装置の動作モードが前記停止モードである場合には、記憶部6の前記特定記憶領域の記憶内容に基づいて、前記第2異常の継続中であるか否かを判断する。
【0092】
例えば、判断処理部93は、開閉センサー56を用いて、前面カバー9Aの開扉操作(前記特定操作)を検出する。なお、前記特定操作は、操作表示部5における予め定められた操作であってもよい。
【0093】
なお、前記第2異常は、駆動部54の異常、及びデータ取得部55の異常に限られず、発生原因の調査及び解消のためにトナーコンテナ51Aの取り外しが必要な前記異常であればよい。
【0094】
また、判断処理部93は、前記特定操作が行われた場合において、自装置の動作モードに関わらず、前記異常の検出の記録結果に基づいて、前記第2異常の継続中であるか否かを判断してもよい。
【0095】
解除処理部94は、判断処理部93によって前記第2異常の継続中であると判断される場合に、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制を解除する。
【0096】
具体的に、解除処理部94は、ロック装置63Aのソレノイド74を駆動させて、ロック装置63Aの制限部材72を前記ロック位置から前記解除位置へ移動させることで、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制を解除する。
【0097】
[動作モード切替処理]
以下、図8を参照しつつ、画像形成装置100において第1制御部7により実行される動作モード切替処理の手順の一例とともに、本発明の規制解除方法の一部について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、第1制御部7により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記動作モード切替処理は、第2制御部8から前記異常の検出が通知された場合に実行される。
【0098】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、第1制御部7は、自装置の動作を制限する。ここで、ステップS11の処理は、本発明の制限ステップの一例であって、第1制御部7の制限処理部91により実行される。
【0099】
具体的に、第1制御部7は、実行中の処理を停止させるとともに、新たな処理の実行を禁止する。
【0100】
<ステップS12>
ステップS12において、第1制御部7は、第2制御部8から通知された前記異常の検出を記録する。
【0101】
例えば、第1制御部7は、検出部81によって検出された前記異常に関する前記異常検出情報を記憶部6の前記特定記憶領域に格納する。
【0102】
<ステップS13>
ステップS13において、第1制御部7は、第2制御部8から通知された前記異常の検出を報知する。
【0103】
例えば、第1制御部7は、前記異常が検出された旨、及び検出された前記異常の種類を示すエラーコードなどの情報を含む報知画面を操作表示部5に表示させる。
【0104】
<ステップS14>
ステップS14において、第1制御部7は、第2制御部8から通知された前記異常が前記第1異常であるか否かを判断する。
【0105】
ここで、第1制御部7は、第2制御部8から通知された前記異常が前記第1異常であると判断すると(S14のYes側)、処理をステップS17に移行させる。また、第2制御部8から通知された前記異常が前記第1異常でなければ(S14のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS15に移行させる。
【0106】
<ステップS15>
ステップS15において、第1制御部7は、第2制御部8から通知された前記異常が解消したか否かを判断する。
【0107】
例えば、第1制御部7は、操作表示部5における予め定められたユーザー操作に応じて、第2制御部8に前記異常の解消を確認させる。そして、第1制御部7は、第2制御部8から前記異常の解消が確認された旨の通知を受けた場合に、前記異常が解消したと判断する。
【0108】
ここで、第1制御部7は、第2制御部8から通知された前記異常が解消したと判断すると(S15のYes側)、処理をステップS16に移行させる。また、第2制御部8から通知された前記異常が解消していなければ(S15のNo側)、第1制御部7は、ステップS15で第2制御部8から通知された前記異常の解消を待ち受ける。
【0109】
<ステップS16>
ステップS16において、第1制御部7は、ステップS11による自装置の動作制限を解除する。
【0110】
<ステップS17>
ステップS17において、第1制御部7は、前記切替画面を操作表示部5に表示させる。
【0111】
<ステップS18>
ステップS18において、第1制御部7は、ステップS17で表示された前記切替画面において前記切替操作が行われたか否かを判断する。
【0112】
ここで、第1制御部7は、前記切替操作が行われたと判断すると(S18のYes側)、処理をステップS19に移行させる。また、前記切替操作が行われることなく前記切替画面の表示が終了した場合には(S18のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS15に移行させる。
【0113】
<ステップS19>
ステップS19において、第1制御部7は、自装置の動作モードを前記通常モードから前記停止モードに切り替える。
【0114】
<ステップS20>
ステップS20において、第1制御部7は、ステップS11による自装置の動作制限を解除する。ここで、ステップS19及びステップS20の処理は、本発明の切替ステップの一例であって、第1制御部7の切替処理部92により実行される。
【0115】
[規制解除処理]
次に、図9を参照しつつ、画像形成装置100において第1制御部7により実行される規制解除処理の手順の一例とともに、本発明の規制解除方法の残部について説明する。なお、前記規制解除処理は、前記特定操作が行われた場合に実行される。
【0116】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、第1制御部7は、自装置の動作モードが前記停止モードであるか否かを判断する。
【0117】
ここで、第1制御部7は、自装置の動作モードが前記停止モードであると判断すると(S21のYes側)、処理をステップS23に移行させる。また、自装置の動作モードが前記停止モードでなければ(S21のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS22に移行させる。
【0118】
<ステップS22>
ステップS22において、第1制御部7は、第2制御部8との通信結果に基づいて、前記第2異常の継続中であるか否かを判断する第1判断処理を実行する。
【0119】
<ステップS23>
ステップS23において、第1制御部7は、前記異常の検出の記録結果に基づいて、前記第2異常の継続中であるか否かを判断する第2判断処理を実行する。ここで、ステップS21及びステップS22の処理、又はステップS21及びステップS23の処理は、本発明の判断ステップの一例であって、第1制御部7の判断処理部93により実行される。
【0120】
例えば、第1制御部7は、記憶部6の前記特定記憶領域の記憶内容に基づいて、前記第2異常の継続中であるか否かを判断する。
【0121】
<ステップS24>
ステップS24において、第1制御部7は、前記第1判断処理又は前記第2判断処理の処理結果に応じて処理を分岐させる。具体的に、第1制御部7は、前記第2異常の継続中であると判断された場合には(S24のYes側)、処理をステップS25に移行させる。また、前記第2異常の継続中ではないと判断された場合には(S24のNo側)、第1制御部7は、前記規制解除処理を終了させる。
【0122】
<ステップS25>
ステップS25において、第1制御部7は、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制を解除する。ここで、ステップS25の処理は、本発明の解除ステップの一例であって、第1制御部7の解除処理部94により実行される。
【0123】
具体的に、第1制御部7は、ロック装置63Aのソレノイド74を駆動させて、ロック装置63Aの制限部材72を前記ロック位置から前記解除位置へ移動させることで、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制を解除する。
【0124】
このように、画像形成装置100では、前記特定操作が行われた場合において自装置の動作モードが前記停止モードである場合に、前記異常の検出の記録結果に基づいて前記第2異常の継続中であるか否かが判断される。これにより、自装置の動作モードに関わらず第2制御部8との通信結果に基づいて前記第2異常の継続中であるか否かを判断する構成と比較して、前記第2異常の継続中であるか否かを判断させるために自装置の動作モードを前記停止モードから前記通常モードに切り替える操作を行う手間を省くことが可能となる。従って、第2制御部8の停止中にトナーコンテナ51Aを取り外すユーザーに生じる手間を軽減することが可能である。
【0125】
なお、本発明は、インクジェット方式などの他の画像形成方式で画像を形成する画像形成装置に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0126】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 操作表示部
6 記憶部
7 第1制御部
8 第2制御部
9 筐体
19 トナー補給装置
51 トナーコンテナ
62 装着部
63 ロック装置
81 検出部
91 制限処理部
92 切替処理部
93 判断処理部
94 解除処理部
100 画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9