(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240723BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G03G21/00 398
H02M3/28 H
G03G21/00 388
(21)【出願番号】P 2020182139
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸征
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-031993(JP,A)
【文献】特開平04-325801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に出力電圧を印加する高圧電源基板であって、前記出力電圧に応じたフィードバック信号を出力するフィードバック信号出力部と、前記高圧電源基板のバージョンごとに異なる検出抵抗と、を有する高圧電源基板と、
前記検出抵抗から前記フィードバック信号出力部へ流れる検出電流に応じたフィードバック信号の読取結果によって前記高圧電源基板のバージョンを判別する、制御部と、を備え、
前記高圧電源基板は、
前記フィードバック信号出力部へ前記検出電流が流れる、又は、流れないを切り換える切換回路を有する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記高圧電源基板が有する第1入力端子に入力電圧を入力し、
前記高圧電源基板は、
更に、制御信号に従って前記入力電圧を前記出力電圧に変換し前記出力電圧を出力する高圧電源回路、を有し、
前記第1入力端子から入力される前記入力電圧を前記高圧電源回路と、前記切換回路とにそれぞれ入力し、
前記切換回路は、
前記入力電圧の入力が有る場合、前記フィードバック信号出力部へ前記検出電流が流れない、
前記入力電圧の入力が無い場合、前記フィードバック信号出力部へ前記検出電流が流れるようにする回路である、
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記高圧電源基板が有する制御入力端子に制御信号を出力し、
前記高圧電源基板は、
更に、前記制御信号に従って入力電圧を前記出力電圧に変換し前記出力電圧を出力する高圧電源回路、を有し
前記制御入力端子から入力される前記制御信号を、前記高圧電源回路と前記切換回路とにそれぞれ入力し、
前記切換回路は、
前記制御信号の入力が有る場合、前記フィードバック信号出力部へ前記検出電流が流れない、
前記制御信号の入力が無い場合、前記フィードバック信号出力部へ前記検出電流が流れるようにする回路である、
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
更に、直流電源を有し、
前記直流電源から出力される直流電圧が前記高圧電源基板の第2入力端子に入力し、
前記高圧電源基板は、
前記第2入力端子から入力される前記直流電圧を前記切換回路に入力し、
前記切換回路は、前記直流電圧に基づいて前記検出抵抗へ流れる前記検出電流を生じさせ、
前記制御部は、
前記第2入力端子への前記直流電圧の入力の有無を切り換えることができる、
請求項2又は3記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
帯電回路や転写回路を有する高圧電源回路や、高圧電源回路を制御する制御基板を画像形成装置は備えている。制御基板は、高圧電源回路が出力する出力電圧に応じた信号であるフィードバック信号を監視し、出力電圧のフィードバック制御を行うことで、高圧電源回路に所要の出力電圧を出力させる。画像形成装置では、高圧電源回路のバージョンに応じて、制御基板がフィードバック制御のパラメータを変更する必要がある。
【0003】
特許文献1記載のレーザプリンタでは、高圧電源回路のバージョンに応じて異なる抵抗器が設けられ、抵抗器に流れる電流がフィードバック信号にも流れる構成になっており、制御基板は、高圧電源回路が出力電圧の出力を行っていないときに、制御基板のA/Dポートに入力されるフィードバック信号を読み取ることによって、高圧電源回路のバージョンを判別していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のレーザプリンタでは、高圧電源回路が出力電圧の出力を行っているときにおいても抵抗器に電流が流れ、抵抗器に流れる電流がフィードバック信号にも重畳されている。そのため、特許文献1の制御基板は、フィードバック信号を読み取る際の範囲が抵抗器に電流が流れる分、狭くなるため、精度の高いフィードバック制御ができないという課題があった。
【0006】
本発明の一態様は、高圧電源基板の出力電圧のフィードバック制御の精度を、従来に比べて改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に出力電圧を印加する高圧電源基板であって、前記出力電圧に応じたフィードバック信号を出力するフィードバック信号出力部と、前記高圧電源基板のバージョンごとに異なる検出抵抗と、を有する高圧電源基板と、前記検出抵抗から前記フィードバック信号出力部へ流れる検出電流に応じたフィードバック信号の読取結果によって前記高圧電源基板のバージョンを判別する、制御部と、を備え、前記高圧電源基板は、前記フィードバック信号出力部へ前記検出電流が流れる、又は、流れないを切り換える切換回路を有する。
【0008】
上記構成によれば、高圧電源基板のバージョンの判別を行う際、制御部は、切換回路に対してフィードバック信号出力部に検出電流が流れないように制御することができる。そのため、制御部は、検出抵抗を考慮することなくフィードバック信号を読み取ることができるため、精度の高いフィードバック制御を実行することができる。
【0009】
本発明の態様2に係る画像形成装置では、上記態様1において、前記制御部は、前記高圧電源基板が有する第1入力端子に入力電圧を入力し、前記高圧電源基板は、更に、制御信号に従って前記入力電圧を前記出力電圧に変換し前記出力電圧を出力する高圧電源回路、を有し、前記第1入力端子から入力される前記入力電圧を前記高圧電源回路と、前記切換回路とにそれぞれ入力し、前記切換回路は、前記入力電圧の入力が有る場合、前記フィードバック信号出力部へ前記検出電流が流れない、前記入力電圧の入力が無い場合、前記フィードバック信号出力部へ前記検出電流が流れるようにする回路であってもよい。
【0010】
制御部から高圧電源基板の切換回路に対して、フィードバック信号出力部に検出電流が流れる、又は、流れないを切り換えるための信号線を追加すると、別途、信号線が増えることになるが、上記構成によれば、高圧電源基板に入力される入力電圧の有無に応じて、切換回路がフィードバック信号出力部に検出電流を流すか否かを切り換えるため、制御部と高圧電源基板との間に、新たに検出電流が流れる、又は、流れないを切り換えるための信号線を追加する必要が無い。
【0011】
本発明の態様3に係る画像形成装置では、上記態様1において、前記制御部は、前記高圧電源基板が有する制御入力端子に制御信号を出力し、前記高圧電源基板は、更に、前記制御信号に従って入力電圧を前記出力電圧に変換し前記出力電圧を出力する高圧電源回路、を有し前記制御入力端子から入力される前記制御信号を、前記高圧電源回路と前記切換回路とにそれぞれ入力し、前記切換回路は、前記制御信号の入力が有る場合、前記フィードバック信号出力部へ前記検出電流が流れない、前記制御信号の入力が無い場合、前記フィードバック信号出力部へ前記検出電流が流れるようにする回路であってもよい。
【0012】
制御部から高圧電源基板の切換回路に対して、フィードバック信号出力部に検出電流が流れる、又は、流れないを切り換えるための信号線を追加すると、別途、信号線が増えることになるが、本構成によれば、高圧電源基板に入力される制御信号の有無に応じて、切換回路がフィードバック信号出力部に検出電流を流すか否かが制御されるため、新たに、検出電流が流れる、又は、流れないを切り換えるための信号線を追加する必要が無い。
【0013】
本発明の態様4に係る画像形成装置では、上記態様2または3において、前記制御部は、更に、直流電源を有し、前記直流電源から出力される直流電圧が前記高圧電源基板の第2入力端子に入力し、前記高圧電源基板は、前記第2入力端子から入力される前記直流電圧を前記切換回路に入力し、前記切換回路は、前記直流電圧に基づいて前記検出抵抗へ流れる前記検出電流を生じさせ、前記制御部は、前記第2入力端子への前記直流電圧の入力の有無を切り換えることができる構成を備えていてもよい。
【0014】
上記構成によれば、高圧電源回路が出力電圧の非出力時において、制御部は、第2入力端子への直流電圧の印加させないことで、直流電圧を印加している場合に比べて省電力を達成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、高圧電源基板の出力電圧のフィードバック制御の精度を、従来に比べて改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態1の画像形成装置の縦断面を概略的に示す図である。
【
図2】実施形態1の画像形成装置の電気系統の主要部の回路構成を概略的に示す図である。
【
図3】
図2の画像形成装置における切換回路の回路構成例を示す図である。
【
図4】
図2の画像形成装置におけるHVPSオンオフ回路の回路構成例を示す図である。
【
図5】実施形態2の画像形成装置の電気系統の主要部の回路構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔実施形態1〕
実施形態1の画像形成装置1について、以下に説明する。説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、以降の実施形態では同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。また、公知技術と同様の事項についても、説明を適宜省略する。本明細書中に示されている各数値および各構成は、単なる一例であることに留意されたい。
【0018】
なお、本明細書では、特に明示されない限り、「接続されている」という文言は、「電気的に接続されている」ことを意味する。また、各信号の値「ON」および「OFF」はそれぞれ、電圧信号のハイレベル値およびローレベル値に対応していてよい。なお、スイッチ素子の状態「ON」とは接続状態と読み替えられる。またスイッチ素子の状態「OFF」とは非接続状態あるいは遮断状態と読み替えられる。
【0019】
(画像形成装置1の概要)
図1は、画像形成装置1の縦断面を概略的に示す図である。画像形成装置1は、本体筐体2内の下部に配置されたトレイ3または手差しトレイ4から供給されるシート5に対し、プロセス部6にてトナー像を形成する。その後、画像形成装置1は、定着器7にてそのトナー像が形成されたシート5を加熱して定着処理を行い、最後に画像形成装置1は、排紙ローラにてそのシート5を本体筐体2内の上部に位置する排紙トレイ8に排紙する。このようにプロセス部6と定着器7とは、画像形成装置1の画像形成部を構成している。
【0020】
プロセス部6は、スキャナ部10、現像カートリッジ13、感光ドラム17、帯電器18、転写ローラ19等を備えている。スキャナ部10は、本体筐体2内の上部に配置されており、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー11、複数の反射鏡12および図示しない複数のレンズ等を備えている。スキャナ部10では、レーザ発光部から発射されたレーザ光を、ポリゴンミラー11、反射鏡12、レンズを介して一点鎖線で示すように感光ドラム17の表面上に高速走査にて照射させる。
【0021】
現像カートリッジ13は、本体筐体2に着脱可能に装着されており、その内部には、トナーが収容されている。また、現像カートリッジ13のトナー供給口には、現像ローラ14、供給ローラ15が互いに対向した状態で配置されている。現像カートリッジ13内のトナーは、供給ローラ15の回転により現像ローラ14に供給され、現像ローラ14に担持される。
【0022】
感光ドラム17の上方には、帯電器18が間隔を隔てて配置されている。また、感光ドラム17の下方には、転写ローラ19が感光ドラム17に対向して配置されている。感光ドラム17の表面は回転されつつ、まず帯電器18によって一様に、例えば、正極性に帯電される。次いで、スキャナ部10からのレーザ光により感光ドラム17上に静電潜像が形成される。
【0023】
その後、感光ドラム17が現像ローラ14と接触して回転するときに、現像ローラ14上に担持されているトナーが感光ドラム17の表面上の静電潜像に供給されて担持されることによってトナー像が形成される。その後、トナー像は、シート5が感光ドラム17と転写ローラ19との間を通る間に、転写ローラ19に印加される転写バイアスによって、シート5に転写される。
【0024】
定着器7は、プロセス部6に対してシート搬送方向の下流側に配置され、定着ローラ22、定着ローラ22を押圧する加圧ローラ23、および定着ローラ22を加熱するヒータ31等を備える。また、画像形成装置1は、印刷情報等を表示する表示部27を備える。画像形成装置1は更に、メイン基板100、高圧電源基板200、LVPS(Low Voltage Power Supply:低圧電源)300等を備える。これらについては以下に詳述される。
【0025】
(画像形成装置1の回路構成)
図2は、画像形成装置1の電気系統の主要部の回路構成を概略的に示す図である。画像形成装置1は、メイン基板100、高圧電源基板200、およびLVPS300を備えている。実施形態1では、LVPS300は、商用の交流電圧を直流電圧である入力電圧HVinに変換し、高圧電源基板200の入力電圧HVinを供給する、電圧24Vの直流電源である。
【0026】
メイン基板100は、制御部110、DC/DCコンバータ120、およびHVPS(High Voltage Power Supply)オンオフ回路130を備えている。制御部110は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって構成されていてよい。メイン基板100の制御部110は、高圧電源基板200を含む、画像形成装置1の各部を制御する。このようにメイン基板100は制御部110を備えており、画像形成装置1の各部を制御するための基板である。DC/DCコンバータ120は、直流電源の一例である。DC/DCコンバータ120およびHVPSオンオフ回路130については後述する。
【0027】
高圧電源基板200は、第1入力端子Ti、第2入力端子Ts、出力端子Tout、制御入力端子Tpおよびフィードバック端子TFを備えている。また高圧電源基板200は、高圧電源回路420、フィードバック信号出力部430を備えている。
【0028】
図2に示されるように、高圧電源基板200の第1入力端子Tiには、HVPSオンオフ回路130を介して、LVPS300から入力電圧HVinが印加される。高圧電源回路420はスイッチング素子を備えたスイッチング電源である。高圧電源回路420は、制御入力端子Tpに入力される制御信号に応じてスイッチング素子によるスイッチング動作を実行する。
【0029】
そうして高圧電源回路420は、第1入力端子Tiに印加された入力電圧HVinの直流電力を、出力電圧HVoutの直流電力に変換して、出力端子Toutから出力する。このようにして、高圧電源基板200は、出力端子Toutを介して、出力電圧HVoutを例えば転写ローラ19へと出力する。すなわち、出力電圧HVoutは、転写ローラ19における転写電圧として供給される。
【0030】
図2に示される高圧電源回路420の構成について説明する。高圧電源回路420は、第1入力端子Tiからの通電により1次巻線L1に蓄えられたエネルギーが逆起電力により2次巻線L2に伝わる自励式のトランスTRを備えている。また高圧電源回路420は、1次巻線L1に通電される電流をスイッチングするトランジスタQsと、トランジスタQsのベース電流を制御する駆動電圧制御部421とを備えている。
【0031】
トランジスタQsのベースと駆動電圧制御部421との間にはトランスTRの補助巻線Lsが設けられており、2次巻線L2に発生される電圧は、駆動電圧制御部421の出力電圧に応じて次のように制御される。駆動電圧制御部421から電流が出力されてトランジスタQsに補助巻線Lsを介してベース電流が流れると、トランジスタQsがオンとなる。
【0032】
すると、入力電圧HVinが印加された第1入力端子Tiから1次巻線L1を介してコレクタ電流が流れ、トランスTRの磁束は上昇していく。このコレクタ電流は、ベース電流の電流値をトランジスタQsの増幅率だけ増幅した上限電流値以上にはならないので、トランジスタQsのコレクタ電流は飽和する。1次巻線L1から供給された磁束の上昇がなくなり、補助巻線Lsの両端間の電位が減少し、トランジスタQsのベース電流が減少し、トランジスタQsは急激にオフする。
【0033】
このとき、トランスTRの逆起電力により、トランスTRに蓄えられたエネルギーが2次巻線L2に伝わり、電圧が昇圧されて、2次巻線L2に電圧が発生する。2次巻線L2には、整流用のダイオードD2が直列接続され、2次巻線L2、ダイオードD2からなる直列回路の両端には、平滑化用のコンデンサC2と放電用の抵抗R2とがそれぞれ接続されている。そして、平滑化用のコンデンサC2の両端から、出力電圧HVoutが、高圧電源回路420の出力電圧として出力される。
【0034】
駆動電圧制御部421は、制御入力端子Tpを通じて受信した後述するPWM(Pulse Width Modulation)信号PWMを、抵抗Rc、コンデンサCcを順次経由して接地する直列回路を備えている。また駆動電圧制御部421は、抵抗Rc、コンデンサCc間の電圧がベースに印加されるトランジスタQcを備えている。また、トランジスタQcのコレクタは、5Vの直流電源に接続され、エミッタは、抵抗Rs、コンデンサCsを順次経由して接地されている。そして、抵抗Rs、コンデンサCs間の電圧が、前述の補助巻線Lsに入力される。
【0035】
このため、高圧電源基板200が制御入力端子TpでPWM信号PWMを受信すると、PWM信号PWMの電圧は抵抗Rc、コンデンサCcにより平滑化されてトランジスタQcのベースに印加される。PWM信号PWMのデューティに従ったトランジスタQcのコレクタ電流が流れ、上述のトランジスタQsのオンオフが実行される。その結果、PWM信号PWMのデューティに従った出力電圧HVoutが高圧電源回路420の出力電圧として出力される。しかしながら、
図2に示される高圧電源回路420の回路構成は例示であって、公知のスイッチング電源回路が適宜に適用され得る。
【0036】
フィードバック信号出力部430は、出力電圧HVoutに応じたフィードバック信号FBを、フィードバック端子TFに出力する。
図2の具体例におけるフィードバック信号FBは、フィードバック端子TFに生じる電圧である。フィードバック信号出力部430は抵抗R11および抵抗R12を有している。出力端子Toutは、直列接続された抵抗R11および抵抗R12を介して接地されており、フィードバック端子TFが、これらの抵抗間に設けられている。
【0037】
つまり、フィードバック信号出力部430は出力電圧HVoutの分圧回路である。よって、フィードバック信号出力部430は、高圧電源基板200が出力電圧HVoutを出力しているときに、出力電圧HVoutをこれらの抵抗で按分した電圧をフィードバック信号FBとしてフィードバック端子TFに出力する。すなわち、
FB={R12/(R11+R12)}×HVout …(1)
の通り表現される。
【0038】
制御部110は、高圧電源基板200のフィードバック端子TFからフィードバック信号FBを取得し、出力電圧HVoutのフィードバック制御を行うための制御信号を生成する。そのため、制御部110は、フィードバック信号FBを取得するためのポートを備えている。このようなポートには、A/D(Analog/digital)ポートが好ましく適用される。制御部110は、出力電圧HVoutが所定電圧となるように、取得したフィードバック信号FBに基づいてPWM信号PWMを出力する。
【0039】
また、制御部110は、DCイネーブル信号DC_ENABLEを生成する。制御部110が出力するDCイネーブル信号DC_ENABLEは、DC/DCコンバータ120に入力される。
【0040】
DC/DCコンバータ120は、オンであるDCイネーブル信号DC_ENABLEが入力された場合に動作する。この場合にDC/DCコンバータ120はLVPS300の出力電圧をDC/DC変換し、高圧電源基板200の第2入力端子Tsに対して出力する。実施形態1では、例示として、DC/DCコンバータ120が、24Vの直流電圧を3.3Vの直流電圧に変換する。なお、実施形態1では、DC_ENABLE=ONとなるように設定されている。
【0041】
また加えて、制御部110は、HVPSオンオフ回路130を制御するための信号として、HVイネーブル信号HV_ENABLEを生成する。制御部110が出力するHVイネーブル信号HV_ENABLEはHVPSオンオフ回路130に入力される。HVPSオンオフ回路130の動作については後述する。
【0042】
高圧電源基板200は、更に、切換回路210と検出抵抗Rpuとを備えている。切換回路210は、端子Ta、端子Tbを備えており、第1入力端子Tiに入力電圧HVinが印加されているか否かによって、端子Taと端子Tbとの間の接続状態と非接続状態とを切り替える回路である。切換回路210と検出抵抗Rpuとは直列に接続されている。
図2では、端子Taが第2入力端子Tsに電気的に接続され、端子Tbが検出抵抗Rpuの一端に電気的に接続される。検出抵抗Rpuの他端は、抵抗R11と抵抗R12との接続部に電気的に接続され、またフィードバック端子TFに電気的に接続されている。
【0043】
(切換回路210の回路構成)
図3は、切換回路210の回路構成例を示す図である。切換回路210は、抵抗R1~R7およびスイッチ素子Q1~Q3を備えている。
図3の例では、スイッチ素子Q1およびスイッチ素子Q2はNPN型トランジスタであるが、Nチャネル型トランジスタであってもよい。スイッチ素子Q3はPNP型トランジスタであるが、Pチャネル型トランジスタであってもよい。端子Taには、直流電源であるDC/DCコンバータ120の出力電圧DCoutである3.3Vの直流電圧が印加されている。
【0044】
第1入力端子Tiには、入力電圧HVinが入力される。第1入力端子Tiは、HVPSオンオフ回路130の後述する端子Tdに接続されている。後述するように、HVPSオンオフ回路130によって、第1入力端子Tiへの24Vの入力電圧HVinの印加、非印加が切り替え可能である。HV_ENABLE=ONの場合、第1入力端子Tiには入力電圧HVinが印加される。HV_ENABLE=OFFの場合、第1入力端子Tiには入力電圧HVinが印加されない。
【0045】
図3に示されるように、切換回路210は、第1入力端子Tiに入力電圧HVinが印加されると、スイッチ素子Q3がオンとなり、第1入力端子Tiに入力電圧HVinが印加されないと、スイッチ素子Q3がオフとなる回路である。切換回路210の構成について、以下に簡単に説明する。
【0046】
スイッチ素子Q1のベースは、抵抗R1を介して第1入力端子Tiに接続されている。そして、スイッチ素子Q1のコレクタは、抵抗R3およびR4に接続されている。スイッチ素子Q1のエミッタは、接地されている。HV_ENABLE=OFFの場合、第1入力端子Tiに入力電圧HVinが印加されないので、スイッチ素子Q1はOFFとなる。他方、HV_ENABLE=ONの場合、第1入力端子Tiに入力電圧HVinが印加されて、スイッチ素子Q1はONとなる。
【0047】
スイッチ素子Q2のベースは、抵抗R3およびR4を介して、端子Taに接続されている。スイッチ素子Q2のコレクタは、抵抗R6を介して、スイッチ素子Q3のベースに接続されている。スイッチ素子Q2のエミッタは、接地されている。
図3の回路構成によれば、スイッチ素子Q1がOFFの場合、スイッチ素子Q2はONとなる。他方、スイッチ素子Q1がONの場合、スイッチ素子Q2はOFFとなる。
【0048】
スイッチ素子Q3のベースは、抵抗R7を介して、端子Taに接続されている。スイッチ素子Q3のエミッタは、端子Taと接続されている。スイッチ素子Q3のコレクタは、端子Tbと接続されている。そして、端子Tbは、検出抵抗Rpuに接続されている。
図3の回路構成によれば、スイッチ素子Q1がOFFでスイッチ素子Q2がONの場合に、スイッチ素子Q3はONとなる。他方、スイッチ素子Q1がONでスイッチ素子Q2がOFFの場合、スイッチ素子Q3はOFFとなる。
【0049】
以上の通り、切換回路210では、(i)HV_ENABLE=OFFの場合にスイッチ素子Q3がONとなり、(ii)HV_ENABLE=ONの場合にスイッチ素子Q3がOFFとなるように、構成されている。
【0050】
(i)スイッチ素子Q3がONの場合には、端子Taと端子Tbとの間が導通し、端子TbにはDC/DCコンバータ120の出力電圧DCoutが印加される。そうして検出抵抗Rpuからフィードバック信号出力部430へと検出電流Idが流れる。また、第1入力端子Tiに入力電圧HVinが印加されていないため、高圧電源回路420は出力電圧HVoutを出力できず、出力端子Toutの電圧は0Vである。従って、フィードバック端子TFには、近似的に式
Vb1={R12/(Rpu+R12)}×DCout …(2)
で表される電圧Vb1が印加される。
【0051】
他方、(ii)スイッチ素子Q3がOFFの場合には、端子Taと端子Tbとの間が遮断され、検出抵抗Rpuに検出電流Idは流れない。よって、検出抵抗Rpuは、高圧電源基板200が出力電圧HVoutを出力している時の動作には影響しない。フィードバック端子TFに印加される電圧は上述の式(1)で表される出力電圧HVoutに応じた電圧となる。
【0052】
(HVPSオンオフ回路130の回路構成)
図4は、HVPSオンオフ回路130の回路構成例を示す図である。HVPSオンオフ回路130は、端子Tc、端子Tdおよびスイッチ素子Q12、Q13を備えている。端子Tcには、LVPS300の出力電圧である24VのDC電圧が印加されている。端子Tdは、HVPSオンオフ回路130の出力端子である。HVPSオンオフ回路130は、HVイネーブル信号HV_ENABLEに従って、高圧電源基板200への入力電圧HVinを、端子Tdに生じさせる。
【0053】
HVPSオンオフ回路130におけるスイッチ素子Q12は、NPN型トランジスタであるが、Nチャネル型トランジスタであってもよい。スイッチ素子Q12のベースは、抵抗を介して、制御部110のHV_ENABLE信号を出力する端子に接続されている。このため、HV_ENABLE=OFFの場合、スイッチ素子Q12はOFFとなる。他方、HV_ENABLE=ONの場合、スイッチ素子Q12はONとなる。
【0054】
他方、スイッチ素子Q13は、Pチャネル型トランジスタである。より具体的には、
図4の例におけるスイッチ素子Q13は、Pチャネル型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。スイッチ素子Q13のゲートは、抵抗を介して、スイッチ素子Q12のコレクタと接続されている。スイッチ素子Q13のソース、ドレインは、それぞれ端子Tc、端子Tdに接続されている。
【0055】
図4の回路構成によれば、スイッチ素子Q12がOFFの場合、スイッチ素子Q13はOFFとなる。他方、スイッチ素子Q12がONの場合、スイッチ素子Q13はONとなる。スイッチ素子Q13がONの場合、端子Tdが端子Tcに接続される。この場合、端子Tdには、LVPS300の出力電圧が現れる。すなわち、LVPS300から高圧電源基板200に対して、高圧電源基板200の入力電圧HVinが供給されるようになる。
【0056】
他方、スイッチ素子Q13がOFFの場合、端子Tdは端子Tcから遮断される。この場合、LVPS300から高圧電源基板200に対して、高圧電源基板200の入力電圧HVinが供給されない。
【0057】
以上の通り、HVPSオンオフ回路130は、(i)HV_ENABLE=OFFの場合にスイッチ素子Q13がOFFとなり、LVPS300から高圧電源基板200への高圧電源基板200の入力電圧HVinの供給が遮断されるように構成されている。換言すれば、HVPSオンオフ回路130は、(i)HV_ENABLE=OFFの場合に高圧電源基板200の第1入力端子Tiに入力電圧HVinが印加されなくなるように構成されている。
【0058】
またHVPSオンオフ回路130は、(ii)HV_ENABLE=ONの場合にスイッチ素子Q13がONとなり、LVPS300から高圧電源基板200への高圧電源基板200の入力電圧HVinの供給がされるように構成されている。換言すれば、HVPSオンオフ回路130は(ii)HV_ENABLE=ONの場合に高圧電源基板200の第1入力端子Tiに入力電圧HVinが印加されるように構成されている。
【0059】
(画像形成装置1の動作の一例)
以上の通り、画像形成装置1では、切換回路210と検出抵抗Rpuとが直列に接続された直列接続回路の一端が、フィードバック端子TFに接続される。加えて、当該直列接続回路の他端が、DC/DCコンバータ120に接続されている。
【0060】
そして、HV_ENABLE=1の場合には、入力電圧HVinが高圧電源基板200の第1入力端子Tiに印加される。切換回路210の端子Tbは端子Taから遮断される。検出抵抗Rpuに検出電流Idは流れず、その結果、フィードバック端子TFには、式(1)に示されるような出力電圧HVoutに応じた電圧が、フィードバック信号FBとして生じる。
【0061】
HV_ENABLE=1の場合に制御部110は、フィードバック信号FBを参照して、高圧電源回路420の出力電圧HVoutのフィードバック制御を行う。換言すれば画像形成装置1では、制御部110は、出力電圧HVoutのフィードバック制御を行う場合には、切換回路210を遮断状態とし、検出電流Idが流れないように制御する。
【0062】
他方、HV_ENABLE=0の場合には、入力電圧HVinが高圧電源基板200の第1入力端子に印加されない。従って、高圧電源回路420は出力電圧Voutを出力できず、出力端子Toutの電圧は0Vとなる。切換回路210の端子Tbは端子Taと接続され、DC/DCコンバータ120の出力電圧DCoutが検出抵抗Rpuに印加されるようになる。検出抵抗Rpuからフィードバック信号出力部430に検出電流Idが流れるようになる。その結果、フィードバック端子TFには、式(2)に示される電圧Vb1が生じる。
【0063】
HV_ENABLE=0の場合には、HV_ENABLE=1の場合とは異なり、制御部110は、出力電圧HVoutのフィードバック制御を行わない。制御部110は、フィードバック端子TFの電圧Vb1を取得し、検出抵抗Rpuの抵抗値によって定まる当該電圧Vb1に基づいて、高圧電源基板のバージョンを判定する。高圧電源基板のバージョンの判定手法は、特許文献1と同様である。
【0064】
具体的には、高圧電源基板はそのバージョンによって異なった抵抗値の検出抵抗Rpuを有しており、制御部110は、電圧Vb1の大きさに基づいて、高圧電源基板のバージョンを判定する。制御部110は、判定した高圧電源基板のバージョンに基づいて、当該高圧電源基板に応じたフィードバック制御を実行する。
【0065】
(画像形成装置1の効果)
画像形成装置1では、特許文献1の画像形成装置とは異なり、高圧電源基板200において、切換回路210が検出抵抗Rpuに直列に接続されている。それゆえ、画像形成装置1では、出力電圧HVoutのフィードバック制御を行う場合に切換回路210が遮断状態となることで検出抵抗Rpuがフィードバック信号FBに影響を与えない。
【0066】
よって画像形成装置1では、出力電圧HVoutのフィードバック制御を行う場合のフィードバック信号は、その全ての電圧成分が出力電圧HVoutに応じたものとなる。従って画像形成装置1では、制御部110のA/Dポートの電圧検出範囲のフルレンジを出力電圧HVoutの検出のために割り当てることができる。
【0067】
一方、従来技術の特許文献1の画像形成装置では、出力電圧のフィードバック制御を行う場合にも、高圧電源基板のバージョンを判定するための検出電流がフィードバック信号出力部に流入する。そのためフィードバック信号には、検出電流に応じた電圧、すなわち高圧電源基板のバージョンを判定するための電圧が重畳されており、出力電圧に応じた電圧の成分はフィードバック信号の一部である。
【0068】
従って、制御部のA/Dポートの電圧検出範囲のフルレンジを出力電圧の検出のために割り当てることはできず、出力電圧の検出の精度が悪くなってしまう。よって、実施形態1に係る画像形成装置1によれば、高圧電源基板の出力電圧のフィードバック制御の精度を、従来に比べて改善することが可能となる。
【0069】
また、画像形成装置1では、HV_ENABLE=0の場合、すなわち、高圧電源基板200に出力電圧HVoutを出力させない場合に、切換回路210が接続状態に切り替わる。フィードバック端子TFは、検出抵抗Rpuを介して、DC/DCコンバータ120に接続される。その結果、式(2)に示される通り、フィードバック端子TFには、検出抵抗Rpuの抵抗値に応じた電圧Vb1が生じる。
【0070】
そうして、HV_ENABLE=0の場合に制御部110は、フィードバック端子TFに生じる電圧Vb1の大きさに基づいて、高圧電源基板200のバージョンを判定する。このように、制御部110が高圧電源基板200のバージョンを判定するために、フィードバックFBの監視のためのポートとは別途のポートを新たに設けることが不要である。それゆえ、画像形成装置の構成が複雑化することを防止できる。
【0071】
すなわち、制御部と高圧電源基板との間に、制御部から高圧電源基板の切換回路に対して、フィードバック信号出力部に検出電流が流れる、又は、流れないを切り換えるための信号線を追加すると、別途、信号線が増えることになる。画像形成装置1は、HVPSオンオフ回路130をさらに備えている。HVPSオンオフ回路130は、制御部110の制御によって、より具体的には、HV_ENABLEの値に応じて、高圧電源基板200の入力電圧HVinの有無を切り替えることができる。そして、高圧電源基板200では、入力電圧HVinの有無に応じて接続状態と遮断状態とが切り替わる切換回路210を有している。
【0072】
実施形態1に係る画像形成装置1によれば、高圧電源基板200に入力される入力電圧HVinの有無に応じて、切換回路210がフィードバック信号出力部430に検出電流Idを流すか否かが制御される。よって画像形成装置1では、新たに、検出電流が流れる、又は、流れないを切り換えるための信号線を追加する必要が無い。この点からも、画像形成装置の構成が複雑化することを防止できる。
【0073】
また画像形成装置1では、特許文献1の画像形成装置とは異なり、出力電圧HVoutのフィードバック制御を行うためのフィードバック信号FBとは関係しない電圧Vb1に基づいて、高圧電源基板200のバージョンが判定される。電圧Vb1は、制御部110のA/Dポートの電圧検出範囲のフルレンジに亘って設定することができ、よって制御部110は、高圧電源基板200のバージョンが多様であってもバージョンの正確な判定に対応できるようになる。
【0074】
また画像形成装置1では、高圧電源回路420が出力電圧HVoutを出力しない時に、制御部110が、第2入力端子TsへのDC/DCコンバータ120の出力電圧DCoutの印加をさせない。よって画像形成装置1では、この時に当該直流電圧を印加している場合に比べて省電力を達成することができる。
【0075】
〔実施形態2〕
図5は、実施形態2に係る画像形成装置1Aの電気系統の主要部の回路構成を概略的に示す図である。画像形成装置1Aのメイン基板および高圧電源基板をそれぞれ、メイン基板100Aおよび高圧電源基板200Aと称する。また、メイン基板100Aの制御部を、制御部110Aと称する。
【0076】
画像形成装置1Aのメイン基板100Aは、直流電源180AおよびHVPS181Aを有している。直流電源180Aは、電圧3.3Vの直流電源である。HVPS181Aは、電圧24Vの直流電源である。これらの電圧を発生させるための回路構成は、実施形態1と同様の構成であってよい。
【0077】
高圧電源基板200Aは、検出抵抗Rpuと切換回路230とが直列接続された回路を有している。
図5の具体例では検出抵抗Rpuが直流電源180Aに接続されており、切換回路230がフィードバック端子TFに接続されている。
【0078】
このように、本発明の一態様に係る画像形成装置の検出抵抗と切換回路との順序は、実施形態1の例に限定されない。本発明の一態様に係る画像形成装置では、検出抵抗と切換回路との直列接続回路の一端がフィードバック端子TFに接続されており、かつ、当該直列接続回路の他端が直流電源に電気的に接続されていればよい。
【0079】
また切換回路230には、制御入力端子Tpから制御信号が入力される。実施形態2の切換回路230では、2つの端子間の接続状態と遮断状態とが、制御信号の高圧電源基板200Aへの入力の有無によって切り替わる。また、実施形態2の切換回路230では、2つの端子間の接続状態と遮断状態との切替えは、実施形態1の切換回路210とは異なり、入力電圧HVinの有無によっては制御されない。
【0080】
より具体的には、
図5に示される通り、切換回路230は、制御部110Aから制御入力端子Tpを通じてPWM信号PWMを受信する。上述の通り、PWM信号PWMは、高圧電源基板200の出力電圧HVoutのフィードバック制御を行うための制御信号の一例である。切換回路230では、PWM信号PWMを受信している場合に2つの端子間が遮断状態となり、フィードバック信号出力部430に向けて検出電流Idが流れなくなる。
【0081】
他方、切換回路230では、PWM信号PWMを受信していない場合には、2つの端子間が接続状態となり、フィードバック信号出力部430に向けて検出電流Idが流れる。そうしてフィードバック端子TFに、検出抵抗に応じた電圧Vb1が生成される。このように、画像形成装置1Aでは、画像形成装置1とは異なり、制御部110Aが制御信号の送出を切り替えることで、切換回路230の制御が実行される。
【0082】
以上の通り、画像形成装置1Aでは、制御部110Aからの制御信号の送出の有無に連動して、切換回路230の制御が実行される。それゆえ、画像形成装置1Aにおいても、制御部110Aに切換回路230の制御を行うための信号線を接続するポートを設けることが不要となる。
【0083】
すなわち、制御部から高圧電源基板の切換回路に対して、フィードバック信号出力部に検出電流が流れる、又は、流れないを切り換えるための信号線を追加すると、別途、信号線が増えることになる。しかし、実施形態2に係る画像形成装置1Aでは、高圧電源基板200Aに入力される制御信号の有無に応じて、切換回路230がフィードバック信号出力部430に検出電流を流すか否かが制御される。よって、実施形態2に係る画像形成装置1Aでは、新たに、検出電流が流れる、又は、流れないを切り換えるための信号線を追加する必要が無い。実施形態2によっても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0084】
なお、切換回路230の具体的な回路構成としては、抵抗とコンデンサとで構成される
図5に示される平滑回路によって、PWM信号PWMを平滑化することで得られるPWM信号PWMの平均電圧値が、基準電圧以上であるか否かによって、スイッチ素子のON/OFFを切り替えるような回路を適用することができる。
【0085】
上記の各実施形態において、高圧電源基板200の出力電圧HVoutの出力先が、転写ローラ19である場合が例示された。しかしこれに限られるものでは無く、出力電圧HVoutの出力先は、帯電器18でもよく、この場合、出力電圧HVoutは、帯電器18における帯電電圧として供給される。あるいは出力電圧HVoutの出力先は、感光ドラム17でもよい。
【0086】
〔ソフトウェアによる実現例〕
画像形成装置1・1Aの制御ブロック(特に制御部110・110A)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0087】
後者の場合、画像形成装置1・2は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の一態様の目的が達成される。
【0088】
上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。
【0089】
また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0090】
〔付記事項〕
本発明の一態様は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の一態様の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
1、1A 画像形成装置
6 プロセス部(画像形成部)
7 定着器(画像形成部)
110、110A 制御部
120 DC/DCコンバータ(直流電源)
130 HVPSオンオフ回路
180A 直流電源
181A HVPS
200、200A 高圧電源基板
210、230 切換回路
300 LVPS
420 高圧電源回路
430 フィードバック信号出力部
HVin 入力電圧
HVout 出力電圧
Rpu 検出抵抗
Ti 第1入力端子
Tout 出力端子
Tp 制御入力端子
Ts 第2入力端子
TF フィードバック端子
FB フィードバック信号
PWM PWM信号(制御信号)