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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】補助具
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/28 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
B65G47/28 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021009439
(22)【出願日】2021-01-25
(65)【公開番号】P2022113307
(43)【公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】高山 俊行
(72)【発明者】
【氏名】山本 隆
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-226696(JP,A)
【文献】特開2010-221143(JP,A)
【文献】特開昭58-099327(JP,A)
【文献】特開2002-068452(JP,A)
【文献】実開昭58-010610(JP,U)
【文献】特開昭63-306118(JP,A)
【文献】米国特許第5458033(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00-47/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のロール状部材を搬送面に載置されたのみの状態で搬送するための搬送路に付設され補助具であって、
可撓性の帯状部材と、
前記搬送路の上側で前記帯状部材を支持する支持体と、を具備し、
前記帯状部材は、
前記支持体に取り付けられた基部と、
前記ロール状部材の筒軸が搬送方向に沿う向きをなす姿勢で前記搬送路を搬送されている前記ロール状部材の上側を向いた面に接触して前記ロール状部材を上方から下方かつ前記搬送方向の下流側から上流側へ付勢する接触面を有し、前記基部から前記搬送方向の下流側に延出して環状に折り曲げ返され、前記基部を支点にしたしなりによって前記ロール状部材に付勢力を印加する本体部と、を備えた
ことを特徴とする補助具。
【請求項2】
前記支持体は、並列に配置された複数の前記搬送路を跨いで設けられ、
前記帯状部材は、前記複数の前記搬送路のそれぞれに対応する複数が前記支持体に支持された
ことを特徴とする請求項1に記載の補助具。
【請求項3】
前記搬送路における曲線路から直線路に移行した直後に配置された
ことを特徴とする請求項1または2に記載の補助具。
【請求項4】
前記搬送路における傾斜路の途中に配置された
ことを特徴とする請求項1または2に記載の補助具。
【請求項5】
前記搬送路で平坦路から傾斜路への接続箇所に配置された
ことを特徴とする請求項1または2に記載の補助具。
【請求項6】
前記搬送路に付設された前記ロール状部材の不良品を検出するための不良検出器よりも上流側に配置された
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状部材搬送するための搬送路に付設された補助具(以下、「搬送補助具」と称する)に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパーやキッチンペーパーなどのように原紙が芯材に巻回された円筒状のロール状部材を製造する技術の一つとして、ロール状部材を搬送する装置が知られている。たとえば、幅広の原紙が長尺の芯材に巻回されたログを筒軸方向の長さが製品のサイズとして予め設定された所定寸法となるように切り分け、ロール状部材の筒軸が搬送方向に沿う姿勢でコンベアの載置面に載置されたロール状部材が搬送される装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-181117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように載置されたのみのロール状部材は、搬送中の振動あるいは遠心力などの外乱によって不安定な状態で搬送されるおそれがある。
よって、ロール状部材の搬送性に改善の余地がある。
本件の搬送補助具は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、ロール状部材の搬送性を確保することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで開示する搬送補助具は、円筒状のロール状部材を前記ロール状部材の筒軸が搬送方向に沿う向きをなす所定の姿勢で搬送するための搬送路に付設され、前記ロール状部材の搬送を補助する。本搬送補助具は、可撓性の帯状部材と、前記帯状部材を支持する支持体と、を具備する。前記帯状部材は、前記支持体に取り付けられた基部と、前記搬送路の搬送面からの高さが前記ロール状部材の直径に対応する位置で前記ロール状部材を上方から下方かつ前記搬送方向の下流側から上流側へ付勢する接触面を有し、前記基部から前記搬送方向の下流側に延出して環状に折り曲げ返された本体部と、を備えている。
【発明の効果】
【0006】
本件の搬送補助具によれば、ロール状部材の搬送性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る搬送補助具の斜視図である。
図2図1の搬送補助具の上面図である。
図3図1の搬送補助具の側面図である。
図4】(a)は帯状部材を側面から視た説明図であり、(b)は帯状部材を(a)の矢印Aから視た説明図であり、(c)は帯状部材を(a)の矢印Bから視た説明図であり、(d)は帯状部材のみを示す斜視図である。
図5】搬送路における曲線路から直線路に移行した直後に配置された搬送補助具を例説する説明図である。
図6】搬送路における傾斜路に配置された搬送補助具を例説する説明図である。
図7】搬送路で平坦路から傾斜路への接続箇所に配置された搬送補助具を例説する説明図である。
図8】不良検出器の上流側に配置された搬送補助具を例説する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態としての搬送補助具を説明する。本実施形態の搬送補助具は、ロール状部材の搬送を補助する器具である。搬送対象のロール状部材は、搬送路に載置された状態で搬送される。
本実施形態では、ロール状部材が搬送される方向を「搬送方向」(図中には「MD」と記す)とし、搬送路に沿う面で搬送方向と直交する方向を「交差方向」(図中には「CD」と記す)とする。これらの搬送方向および交差方向の双方に直交する方向を「高さ方向」(図中には「TD」と記す)とする。この高さ方向は上下方向に対応する。なお、搬送方向を基準に上流および下流を定める。
【0009】
[I.一実施形態]
下記の一実施形態では、搬送補助具に関する機器構成を項目[1]で述べる。この項目[1]では、小項目〔1-1〕で搬送補助具のほか搬送補助具で搬送が補助されるロール状部材やこのロール状部材が載置される搬送路の構成を概説し、小項目〔1-2〕で搬送補助具の構成を詳説する。項目[2]では搬送補助具に関する配置構成を述べる。そして、項目[1],[2]による作用および効果を項目[3]で述べる。
【0010】
[1.搬送補助具に関する機器構成]
〔1-1.全体構成〕
本実施形態の搬送補助具10は、ロール状部材TP,TRの製造装置において搬送路5に付設されている。
【0011】
ロール状部材TP,TRは、帯状に連続しているシートが芯材TXに巻回された円筒状の部材である。
ロール状部材TP,TRは、幅広の原紙が長尺の芯材に巻回されたログが切り分けられて製造される。このように切り分けられたロール状部材TP,TRには、筒軸に沿う方向(以下「筒軸方向」と称する)の長さが製品サイズとして予め設定された所定寸法となるように切り分けられたロールTPのほか、筒軸に沿う方向の寸法が所定寸法に満たないトリムTRが混在しうる。
【0012】
ここでは、筒軸方向の寸法が外径(筒軸に直交する方向の直径)よりも大きいサイズにロールTPが切り分けられ、筒軸方向の寸法が外径よりも小さいサイズのトリムTRが切り分けられた例を挙げる。
ロールTPは、トイレットペーパーやキッチンペーパーといったロール紙製品の半製品であり、図示省略する製造過程の下流部で包装され、製品として出荷される。一方、トリムTRは、製品サイズに満たないことから製造過程で除去すべき不良品である。
【0013】
搬送路5は、ロール状部材TP,TRを搬送する経路をなし、ロール状部材TP,TRのコンベアに設けられている。図1では、四本の搬送路5が並設された例に挙げる(四本の搬送路5のうち一つにのみ符号を付す)。
なお、搬送路5の下流側には、ロールTPを包装するパート(工程)や、トリムTRを搬送路5から不良品として除去するパート(工程)などが設けられている。
【0014】
搬送路5では、ロールTPの脱落や転倒などの搬送不良を抑えたりトリムTRの除去漏れを防いだりする観点から、ロールTPやトリムTRを「適切な姿勢」で搬送する必要がある。
ロールTPの適切な姿勢は、筒軸方向が搬送方向MDに沿う姿勢(いわば「筒軸が寝た姿勢」)とされる。
【0015】
トリムTRの適切な姿勢は、筒軸方向が搬送路5の搬送面〔図4(a)の符号50〕に対して垂直をなす姿勢(いわば「筒軸が立ち上がった姿勢」)とされる。なお、トリムTRの適切な姿勢は、詳細を後述する不良検出器40(図8参照)でトリムTRを検知するために設定された所定の姿勢である。
【0016】
本実施形態の搬送補助具10は、図1図3に示すように、並列に配置された四つ(複数)の搬送路5を跨いで設けられた支持体20と、支持体20に支持された帯状部材30とを備えている。
支持体20は、搬送路5の上側で帯状部材30を支持する構造体であり、交差方向CDの両側に立設され搬送路5よりも上側へ延出した柱体22A,22Bと、搬送路5の上側で柱体22A,22Bとの間に架け渡された横架材24とを有する。このように門型の支持体20における横架材24の下方では、搬送されているロール状部材TP,TRが干渉せずに通過する。
【0017】
本実施形態の搬送補助具10には、四つの搬送路5のそれぞれに対応して四つ(複数)の帯状部材30が設けられている。
帯状部材30は、ロールTPやトリムTRを「適切な姿勢」に保持または誘導する機能を有する治具である。具体的には、それぞれの対応する搬送路5を搬送中のロールTPやトリムTRの上側を向いた面に接触して、ロールTPやトリムTRを所定の姿勢に倒したり、所定の姿勢で軽く押さえたりする機能を帯状部材30が有する。
【0018】
帯状部材30は、搬送方向MDの下流側へ向かって延出されており、交差方向CDに沿う帯広を有する可撓性のベルト状部材で形成されている。
帯状部材30には、上記の機能に応じた性質を有する可撓性材料が用いられる。例えば、ロールTPやトリムTRに接触した際の可撓性や反発性を発揮するプラスチック材が帯状部材30に採用される。
【0019】
帯状部材30は、上流側の基部31において、支持体20の横架材24に取り付けられている。
帯状部材30において基部31から下流側に延出した部位は、環状に折り曲げ返された環状部32(本体部)をなす。環状部32には、ロール状部材TP,TRを付勢する接触面33(図3参照)が設けられている。
【0020】
〔1-2.詳細構成〕
図4(a)~(d)を参照して帯状部材30の構成を詳述する。
帯状部材30は、搬送方向MDおよび高さ方向TDの双方に沿う面に沿って折り曲げ返されて延在する水滴型をなす。
帯状部材30は、折り曲げ返された部材が下流端部を除いて平面視で二重に設けられている。環状部32における下流側の部位は、高さ方向TDに沿って上流側へ湾曲して折り返されている。
【0021】
環状部32において下側を向いた下面部には、帯状部材30の下側を通過するロールTPやトリムTRの上側を向いた外周部を付勢する接触面33が設けられている。
接触面33は、環状部32自体の弾性変形や基部31を支点にしたしなりによって、適切な姿勢のロールTPや不適切な姿勢のトリムTRに付勢力を印加する機能部位である。この接触面33は、搬送路5の搬送面からの高さがロール状部材TP,TRの直径に対応する位置でロール状部材TP,TRを上方から下方かつ下流側から上流側へ付勢する。
【0022】
ロールTPやトリムTRに接触していない非接触状態(自然状態)の帯状部材30は、では、図4(a)において二点鎖線で示す位置に配置されている。
この非接触状態で帯状部材30は、接触面33で最も下側に配置された面が高さ位置P1に配置されている。高さ位置P1は、接触面33で最も下側の部位と搬送路5におけるロールTPやトリムTRの載置面50との高さ方向TDに離間する寸法H1が、ロールTP(およびトリムTR)の直径(径方向の寸法)H2よりもやや小さく設定されている。
【0023】
ロールTPやトリムTRの上側を向いた外周部が接触面33に接触した接触状態(変形状態)の帯状部材30は、図4(a)において実線で示すように、ロールTPやトリムTRの外周部に押し上げられることで基部31を支点にしな(変形す)る。このとき、接触面33で最も下側に配された部位は高さ位置P1よりも上側の高さ位置P2に変位する。このように変位した帯状部材30は、高さ位置P1へ復元しようとする反発力により、ロールTPやトリムTRの外周部を付勢する。この反発力が、ロールTPを所定の姿勢で軽く押さえたり、トリムTRを所定の姿勢へ転倒させたりする付勢力として作用する。
【0024】
そのほか、帯状部材30の搬送方向MDに沿う寸法(延在方向の寸法)L1は、図4(b)に示すようにロールTPの筒軸方向の寸法L2よりもやや大きく設定されている。帯状部材30は延在方向の寸法L1が長いほど、非接触状態から接触状態へ押し上げられるときの変形代を確保することができる。
なお、帯状部材30は、図4(c)に示すように交差方向CDにおける略中心位置をロールTPやトリムTRの径方向の中心に揃えて設置されることが好ましい。
【0025】
[2.搬送補助具に関する配置構成]
次に、図5図8を用いて搬送補助具10の配置箇所を例説する。
ここでは、ロールTPの脱落や姿勢の乱れなどの搬送不良が生じやすい箇所を搬送補助具10の配置箇所として例示する。具体的には、搬送路5における曲線路の直後,傾斜路,平坦路から傾斜路への接続箇所などの配置箇所を挙げて順次説明する。
【0026】
図5に例示する搬送補助具10は、曲線路5Aから直線路へ移行した直後に配置されている。曲線路5Aは、搬送路5で搬送方向MDが湾曲(カーブ)している部分である。直線路は、搬送路5で搬送方向MDが直線状に延びる部分である。なお、曲線路5Aから直線路へ移行した直後に配置された帯状部材30は、曲線路5Aから直線路へ移行した直後の箇所で、ロールTPやトリムTRを曲線路5Aで曲がった方向の内側へ向けて軽く押さえるように構成されていてよい。
【0027】
図6に例示する搬送補助具10は、傾斜路5Bの途中に配置されている。ここでいう傾斜路5Bは、搬送路5で水平面に対して上り勾配をなす部分である。
図7に例示する搬送補助具10は、平坦路から傾斜路への接続箇所5Cに配置されている。搬送補助具10は、帯状部材30の接触面33が接続箇所5Cのやや下流側(直後)の位置に配置されている。
【0028】
図8に例示する搬送補助具10は、不良検出器40に対して上流側の箇所5Dに配置されている。
不良検出器40は、搬送路5からトリムTR除去するためにトリムTRを検知する機器である。この不良検出器40には、高さ方向TDに離間した二つの光電管センサ(以下、「センサ」と略称する)41が設けられている。
センサ41は、高さ方向TDに離間する寸法がロールTPの直径H2と同じ寸法あるいは直径よりもやや小さい寸法に設定されている。
【0029】
不良検出器40は、二つのセンサ41の双方でロール状部材TP,TRが検知された場合には良品が搬送されていると判定し、二つのセンサ41のうち一方のみでロール状部材TP,TRが検知された場合には不良品が搬送されていると判定する。
そのため、不適切な姿勢のトリムTRが不良検出器40で検知されると、適切な姿勢のロールTPと同様に良品が搬送されているという内容の誤判定を招く。そこで、不良検出器40で検知される前に不適切な姿勢のトリムTRを予め適切な姿勢に倒すべく、不良検出器40よりも上流に搬送補助具10が配置されている。
【0030】
[3.作用および効果]
上述した実施形態の搬送補助具10は、上述のような構成を備えるため、下記のような作用および効果を得ることができる。
(1)帯状部材30は、接触面33にロールTPやトリムTRが接触したときに、環状部32自体の弾性変形や基部31を支点にした環状部32のしなりによって、ロールTPを適切な姿勢のまま押さえたり、不適切な姿勢のトリムTRを適切な姿勢に倒したりする。そのため、搬送路5においてロールTPの適切な姿勢を保持したりトリムTRの姿勢を修正したりすることができる。よって、ロールTPやトリムTRの搬送性を確保することができる。
【0031】
また、帯状部材30はベルト状部材を環状に折り返しただけで設けることができ、簡素な構造でロールTPやトリムTRの搬送性を確保することができる。
(2)複数の搬送路5を跨いで設けられた支持体20に複数の搬送路5のそれぞれに対応する複数の帯状部材30が支持されている。そのため、帯状部材30の支持する単体の支持体20を跨設するだけの簡素な構造によって、複数の搬送路5でロールTPやトリムTRの搬送性を確保することができる。
【0032】
(3)搬送補助具10が搬送路5で曲線路5Aから直線路に移行した直後に配置されていれば、姿勢が乱れやすい曲線路5Aから直線路へ移行した直後の箇所でロールTPを押さることにより、ロールTPの搬送性を効率よく高めることができる。
(4)搬送補助具10が搬送路5における傾斜路5Bの途中に配置されていれば、姿勢が乱れやすい傾斜路5BでロールTPを押さえることにより、ロールTPの搬送性を効率よく高めることができる。
【0033】
(5)搬送補助具10が搬送路5で平坦路から傾斜路への接続箇所5Cに配置されていれば、姿勢が乱れやすい接続箇所5CでロールTPを押さえることにより、ロールTPの搬送性を効率よく高めることができる。
(6)搬送補助具10が不良検出器40の上流側の箇所5Dに配置されているため、不良検出器40で検出される前に予め不適切な姿勢のトリムTRを適切な姿勢に転倒させることができる。延いては、不良検出器40で不良品と判定されたトリムTRを製造ラインから確実に除去することができる。そのため、不良品の混入によるロール状部材TP,TRの搬送性低下が抑制される。この点からも、ロールTPやトリムTRの搬送性を確保することができる。
【0034】
[II.変形例]
上述の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
【0035】
たとえば、搬送補助具の配置は、上述の箇所に限らず、搬送路の任意の箇所であってよい。搬送補助具の配置箇所の他例としては、搬送路で曲線路の途中や下り勾配をなす傾斜路の途中,傾斜部から平坦路への接続箇所などが挙げられる。
また、一つの搬送路に一つの帯状部材を設けるのに限らず、一つの搬送路に二つ以上の帯状部材を配備してもよい。具体的には、交差方向に沿って帯状部材を並設したり、搬送方向に沿って帯状部材を並設したりしてもよい。
【0036】
あるいは、複数の搬送路に一つの支持体を設けるのに限らず、搬送路のそれぞれに一つずつ支持体が設けられてもよい。
そのほか、帯状部材30の幅や、延出方向の寸法,環状部の寸法,非接触状態で搬送面の下側面の高さ位置などは適宜に設定されてよい。
なお、帯状部材の付勢対象であるロール状部材は、ロールのみであっても(トリムが混在していなくても)よい。
【符号の説明】
【0037】
5 搬送路
5A 曲線路
5B 傾斜路
5C 接続箇所
5D 不良検出器40に対して上流側の箇所
10 搬送補助具
20 支持体
22A,22B 柱体
24 横架材
30 帯状部材
31 基部
32 環状部(本体部)
33 接触面
40 不良検出器
41 光電管センサ
50 載置面
TD 高さ方向
TP ロール状部材
TR トリム
TX 芯材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8