(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】情報管理システム、情報管理方法、及び情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 4/38 20180101AFI20240723BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20240723BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20240723BHJP
【FI】
H04W4/38
H04W16/26
H04W84/18 110
(21)【出願番号】P 2021020197
(22)【出願日】2021-02-10
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高篠 宏明
(72)【発明者】
【氏名】菅田 光留
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-046711(JP,A)
【文献】特開2012-065275(JP,A)
【文献】特開2015-128222(JP,A)
【文献】特開2018-061126(JP,A)
【文献】特開2019-186731(JP,A)
【文献】特開2018-084854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知データを生成する複数の端末装置と、
前記複数の端末装置の少なくとも1つから前記検知データを取得する複数の中継器と、
前記複数の中継器の少なくとも1つとデータの授受を行うサーバと、を備える情報管理システムにおいて、
前記複数の中継器は、それぞれ、前記複数の端末装置の少なくとも1つから検知データをあらかじめ受信し、
前記複数の中継器は、それぞれ、端末装置リストを保持し、
前記端末装置リストは、前記あらかじめ受信した複数の端末装置の少なくとも1つと、前記あらかじめ受信した時刻である最新受信時刻と、を示し、
前記複数の中継器は、前記複数の中継器の1つが前記複数の端末装置の1つから前記検知データを受信した最新受信時刻を、前記サーバを介して通知され、
前記複数の中継器は、前記通知された最新受信時刻に基づいて、前記端末装置リストにおける前記あらかじめ受信した複数の端末装置の少なくとも1つから検知データを取得するか否かを決定する、
情報管理システム。
【請求項2】
前記複数の中継器は、前記端末装置リストにおいて前記複数の端末装置の1つが記載されている場合、前記端末装置リストにおいて前記複数の端末装置の1つの最新受信時刻を、前記通知された最新受信時刻に更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】
前記複数の中継器が、それぞれ、前記端末装置リストにおける前記複数の端末装置のうち最新受信時刻が最も古い端末装置から検知データを取得することを決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報管理システム。
【請求項4】
前記複数の中継器は、前記端末装置リストにおける前記複数の端末装置を、最新受信時刻の古い順に並び替えることによって、最新受信時刻が最も古い端末装置を特定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報管理システム。
【請求項5】
前記複数の中継器は、それぞれ、前記複数の端末装置の少なくとも1つからアドバイタイズメントをあらかじめスキャンし、当該スキャンしたスキャン時刻を保持し、
前記複数の中継器は、それぞれ、前記端末装置リストにおける前記複数の端末装置のうち、前記スキャン時刻よりも古い最新受信時刻である端末装置から検知データを取得することを決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報管理システム。
【請求項6】
前記複数の中継器は、それぞれ、前記端末装置リストにおける前記複数の端末装置の前記最新受信時刻と、前記スキャン時刻とを比較し、
前記端末装置リストにおける前記複数の端末装置のうち、前記最新受信時刻が前記スキャン時刻よりも古い端末装置から検知データを取得することを決定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報管理システム。
【請求項7】
前記端末装置リストにおける前記複数の端末装置のうち、前記最新受信時刻が前記スキャン時刻よりも新しい端末装置から検知データを取得しないことを決定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報管理システム。
【請求項8】
前記検知データには、前記端末装置が記録した音声、及び前記端末装置に加わった加速度が含まれる、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の情報管理システム。
【請求項9】
検知データを生成する複数の端末装置と、
前記複数の端末装置の少なくとも1つから前記検知データを取得する複数の中継器と、
前記複数の中継器の少なくとも1つとデータの授受を行うサーバと、を備え、
前記複数の中継器は、前記複数の端末装置の少なくとも1つから検知データをあらかじめ受信し、
前記複数の中継器は、それぞれ、端末装置リストを保持し、
前記端末装置リストは、前記あらかじめ受信した複数の端末装置の少なくとも1つと、前記あらかじめ受信した時刻である最新受信時刻と、を示す情報管理システムにおいて実行される情報管理方法であって、
前記複数の中継器の1つが前記複数の端末装置の1つから前記検知データを受信した最新受信時刻を、前記サーバを介して前記複数の中継器全てに通知するステップと、
前記通知した最新受信時刻に基づいて、前記端末装置リストにおける前記複数の端末装置の1つから検知データを取得するか否かを決定するステップと、を備える、
情報管理方法。
【請求項10】
検知データを生成する複数の端末装置と、
前記複数の端末装置の少なくとも1つから前記検知データを取得する複数の中継器と、
前記複数の中継器の少なくとも1つとデータの授受を行うサーバと、を備え、
前記複数の中継器は、前記複数の端末装置の少なくとも1つから検知データをあらかじめ受信し、
前記複数の中継器は、それぞれ、端末装置リストを保持し、
前記端末装置リストは、前記あらかじめ受信した複数の端末装置の少なくとも1つと、前記あらかじめ受信した時刻である最新受信時刻と、を示す情報管理システムにおいて前記複数の中機器の1つとして動作するコンピュータに、
前記複数の端末装置の1つから前記検知データを受信した最新受信時刻を、前記サーバを介して前記複数の中継器全てに通知するステップと、
前記通知した最新受信時刻に基づいて、前記端末装置リストにおける前記複数の端末装置の1つから検知データを取得するか否かを決定するステップを実行させる、
情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理システム、情報管理方法、及び情報管理プログラムに関し、特に、複数の端末装置と、複数の中継器と、サーバとを備える情報管理システム、情報管理方法、及び情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
このような情報管理システムの一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の情報管理システムは、複数のペリフェラルと、複数のセントラルとを備える。セントラルは、複数のペリフェラルの少なくとも1つから、検知データを取得する。特許文献1に開示の情報管理システムが、サーバを備える場合、複数のセントラルの少なくとも1つは、サーバと情報の授受を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者等は、以下の課題を発見した。
このような情報管理システムでは、複数の端末装置及び複数の中継器の配置関係によって、ある中継器が、別の中継器がすでに検知データを取得した端末装置から、再び検知データを取得することがある。これによって、通信接続及び通信切断の繰り返しが生じて、情報管理システム全体として、情報管理効率が低下するおそれがあった。
【0005】
本発明は、情報管理効率の低下のおそれを抑制する情報管理システム、情報管理方法、及び情報管理プログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施の態様に係る情報管理システムは、
検知データを生成する複数の端末装置と、
前記複数の端末装置の少なくとも1つから前記検知データを取得する複数の中継器と、
前記複数の中継器の少なくとも1つとデータの授受を行うサーバと、を備える情報管理システムにおいて、
前記複数の中継器は、それぞれ、前記複数の端末装置の少なくとも1つから検知データをあらかじめ受信し、
前記複数の中継器は、それぞれ、端末装置リストを保持し、
前記端末装置リストは、前記あらかじめ受信した複数の端末装置の少なくとも1つと、前記あらかじめ受信した時刻である最新受信時刻と、を示し、
前記複数の中継器は、前記複数の中継器の1つが前記複数の端末装置の1つから前記検知データを受信した最新受信時刻を、前記サーバを介して通知され、
前記複数の中継器は、前記通知された最新受信時刻に基づいて、前記端末装置リストにおける前記あらかじめ受信した複数の端末装置の少なくとも1つから検知データを取得するか否かを決定する。
【0007】
このような構成によれば、複数の中継器が、複数の中継器の1つが複数の端末装置の1つから検知データを受信した時点である最新受信時刻に基づいて、検知データをすでに取得済みの端末装置から再び検知データを取得することを回避することができる。また、複数の中継器は、検知データが複数の中継器の1つから取得されていない端末装置を選択し、この選択した端末装置から検知データを取得することができる。これによって、情報管理システム全体において、ある中継器が、別の中継器による検知データをすでに取得された端末装置に再び通信接続することによる通信接続及び通信切断の繰り返しを抑えることができる。そのため、情報管理システム全体の情報管理効率の低下のおそれを抑制することができる。
【0008】
本発明の一実施の態様に係る情報管理方法は、
検知データを生成する複数の端末装置と、
前記複数の端末装置の少なくとも1つから前記検知データを取得する複数の中継器と、
前記複数の中継器の少なくとも1つとデータの授受を行うサーバと、を備え、
前記複数の中継器は、前記複数の端末装置の少なくとも1つから検知データをあらかじめ受信し、
前記複数の中継器は、それぞれ、端末装置リストを保持し、
前記端末装置リストは、前記あらかじめ受信した複数の端末装置の少なくとも1つと、前記あらかじめ受信した時刻である最新受信時刻と、を示す情報管理システムにおいて実行される情報管理方法であって、
前記複数の中継器の1つが前記複数の端末装置の1つから前記検知データを受信した最新受信時刻を、前記サーバを介して前記複数の中継器全てに通知するステップと、
前記通知した最新受信時刻に基づいて、前記端末装置リストにおける前記複数の端末装置の1つから検知データを取得するか否かを決定するステップと、を備える。
【0009】
本発明の一実施の態様に係る情報管理プログラムは、
検知データを生成する複数の端末装置と、
前記複数の端末装置の少なくとも1つから前記検知データを取得する複数の中継器と、
前記複数の中継器の少なくとも1つとデータの授受を行うサーバと、を備え、
前記複数の中継器は、前記複数の端末装置の少なくとも1つから検知データをあらかじめ受信し、
前記複数の中継器は、それぞれ、端末装置リストを保持し、
前記端末装置リストは、前記あらかじめ受信した複数の端末装置の少なくとも1つと、前記あらかじめ受信した時刻である最新受信時刻と、を示す情報管理システムにおいて前記複数の中機器の1つとして動作するコンピュータに、
前記複数の端末装置の1つから前記検知データを受信した最新受信時刻を、前記サーバを介して前記複数の中継器全てに通知するステップと、
前記通知した最新受信時刻に基づいて、前記端末装置リストにおける前記複数の端末装置の1つから検知データを取得するか否かを決定するステップを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、情報管理効率の低下のおそれを抑制する情報管理システム、情報管理方法、及び情報管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係る情報管理システムの一例を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る情報管理システムの管理端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る情報管理システムの中継器の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1に係る情報管理システムにおいて実行される処理の一例を示すシーケンスである。
【
図5】実施の形態1に係る情報管理システムにおいて実行される情報管理方法の一例を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態1に係る情報管理システムにおいて実行される処理の別の一例を示すシーケンスである。
【
図7】実施の形態1に係る情報管理システムにおいて実行される情報管理方法の別の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0013】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る情報管理システムの一例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、情報管理システム100は、端末装置1~14と、中継器21~23と、サーバ30とを含む。端末装置1~14及び中継器21~23は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の種々の無線通信規格に準拠した無線通信により、相互にデータを通信することができる。中継器21~23及びサーバ30は、LAN(Local Area Network)及びWAN(Wide Area Network)の少なくとも1つを含むネットワーク40を介して、相互にデータを通信することができる。
【0015】
なお、
図1は、中継器21~23及びサーバ30は、有線によってデータ通信を行う構成を示しているが、中継器21~23及びサーバ30は、無線通信により、相互にデータ通信を行ってもよい。また、
図1に示す情報管理システム100には、3個の中継器が含まれるが、情報管理システム100に含まれ得る中継器の数は、これに限定されず、2以上であればよい。また、
図1に示す情報管理システム100には、14個の端末装置が含まれるが、情報管理システム100に含まれ得る端末装置の数は、これに限定されず、2以上であればよい。
【0016】
端末装置1~14は、検知データを生成して提供する装置である。端末装置1~14の具体例としては、ウェアラブル端末等の可搬型の端末装置や自立的に移動可能な端末装置等が挙げられる。端末装置1~14は、マイクロフォン及び加速度センサを備えることができる。端末装置1~14が生成する検知データには、端末装置1~14のマイクロフォンが記録した当該端末装置の周囲の音声、及び端末装置1~14の加速度センサに加わった加速度が含まれる。端末装置1~14は、生成した検知データを、自機が備える記憶装置に保存する。
【0017】
端末装置1~14は、それぞれ自機の識別情報を定期的に送信する。例えば、端末装置1~14は、自機の識別情報を含むアドバタイズパケットを送信することができる。本実施形態では、端末装置1~14の識別情報として、当該端末装置のMACアドレスやシリアル番号等の種々の識別情報を採用することができる。端末装置1~14が自機の識別情報を送信する時間間隔は、例えば300ミリ秒等とすることができる。端末装置1~14が送信した識別情報は、当該端末装置と通信可能な中継器によって受信される。
【0018】
また、端末装置1~14は、中継器21~23からの要求に応じて、各端末装置の記憶装置に保存されている検知データを、当該要求を送信した中継器に提供する。端末装置1~14は、検知データを中継器に提供すると、記憶装置から当該検知データを削除する。
【0019】
図2は、第1の実施形態に係るサーバ30の構成を示すブロック図である。サーバ30は、端末装置1~14が生成した検知データを、中継器21~23を介して取得する情報処理装置である。サーバ30は、制御部300と、通信インタフェース310と、記憶装置320とを備える。
【0020】
制御部300は、サーバ30が備える電子回路及び装置を制御するCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の演算装置である。制御部300は、プログラムを記憶装置320から読み出して実行する。当該プログラムには、通信制御部301と、端末装置リスト更新部302と、通知部303とが含まれる。
【0021】
通信制御部301は、サーバ30と中継器21~23との間の通信を制御するプログラムモジュールである。通信制御部301は、中継器21~23から端末装置1~14の検知データを受信すると、当該検知データを記憶装置320に保存する。なお、通信制御部301は、サーバ30がネットワーク40を介してアクセス可能なデータサーバに検知データを保存してもよい。
【0022】
また、通信制御部301は、中継器21~23から、当該中継器が通信可能な端末装置の識別情報、検知データ、及び最新受信時刻を含む情報を受信する。通信制御部301は、この受信した情報を端末装置リスト更新部302に提供する。
【0023】
端末装置リスト更新部302は、端末装置リストを更新するプログラムである。端末装置リストには、端末装置1~14の識別情報と、検知データと、最新受信時刻とが関連付けて登録される。端末装置リストは、端末装置1~14の識別情報と、検知データと、最新受信時刻との各組がそれぞれ列毎に1対1対応で紐づけられるように登録されるとよい。
【0024】
最新受信時刻は、端末装置1~14の各検知データが各中継器21、22、23に受信された最新の時刻である。端末装置リスト更新部302は、通信制御部301が上記した情報を受信すると、当該検知データを生成した端末装置の識別情報に関連付けられている最新受信時刻を更新する。
【0025】
本実施形態では、中継器21~22の識別情報として、中継器21~22のMACアドレスやシリアル番号等の種々の識別情報を採用することができる。端末装置1~14の接続順番は、中継器21~23が接続対象である当該端末装置に通信接続する順番である。
【0026】
通知部303は、通信インタフェース310を介して、端末装置リスト更新部302が更新した最新受信時刻を、中継器21~23へ通知するプログラムである。
【0027】
通信インタフェース310は、中継器21~23とデータ通信を行うインタフェースである。通信インタフェース310は、中継器21~23から種々のデータを受信すると、これらのデータを制御部300に提供する。また、通信インタフェース310は、制御部300の制御下で、種々のデータを中継器21~23に送信することができる。
【0028】
記憶装置320は、端末装置リスト、及び検知データ等の種々のデータが保存される記憶装置である。
【0029】
図3は、第1の実施形態に係る中継器21の構成を示すブロック図である。以下、
図3を参照して、中継器21の構成について説明する。なお、中継器22、23は、中継器21と同一の構成を有する。
【0030】
中継器21は、制御部200と、通信インタフェース210と、通信インタフェース220と、記憶装置230とを備える。
【0031】
制御部200は、中継器21が備える電子回路及び装置を制御するCPUやMPU等の演算装置である。制御部200は、中継器21と通信可能な端末装置の識別情報を含む端末装置リストを定期的に生成し、端末装置リストを当該サーバ30に送信する。制御部200が端末装置リストを生成及び送信する時間間隔は、例えば、30秒等とすることができる。
【0032】
具体的には、制御部200は、中継器21と通信可能な端末装置をスキャンする。より具体的には、制御部200は、中継器21と通信可能な端末装置が送信したアドバタイズパケットに含まれる端末装置の識別情報を取得する。このとき、制御部200は、端末装置1~14がアドバタイズパケットを送信する時間間隔(例えば300ミリ秒等)の間、端末装置1~14が送信したアドバタイズパケットを待機し、その間に受信したアドバタイズパケットに基づいて端末装置リストを生成してもよい。これにより、中継器21と通信可能な端末装置の識別情報を含む端末装置リストを生成する。また、制御部200は、サーバ30から端末装置リストにおける端末装置の最新受信時刻を取得して、この取得した最新受信時刻に基づいて端末装置リストを生成してもよい。また、制御部200は、中継器21と通信可能な端末装置をスキャンしたスキャン時刻を計測し、この計測したスキャン時刻を記憶装置230に記憶してもよい。また、スキャンする可能性のある端末装置と、これに紐付けされる仮の最新受領時刻とを全て記憶装置230に予め記憶させ、スキャン済みの端末装置と、これに紐付けされる仮の最新受領時刻とを記憶装置230から読み出して、端末装置リストを生成してもよい。
【0033】
また、制御部200は、決定部201と、端末装置リスト更新部202とを備える。制御部200は、端末装置リスト更新部302が更新した最新受信時刻をサーバ30から受信する。また、制御部200は、端末装置1~14から、端末装置1~14の識別情報及びその最新受信時刻を受信する。端末装置リスト更新部202は、端末装置1~14又はサーバ30から受信した最新受信時刻に基づいて、端末装置リストを更新する。
【0034】
通信インタフェース210は、端末装置1~14と無線データ通信を行うインタフェースである。通信インタフェース210は、端末装置1~14から種々のデータを受信すると、これらのデータを制御部200に提供する。また、通信インタフェース210は、制御部200の制御下で、種々のデータを端末装置1~14に送信することができる。
【0035】
通信インタフェース220は、サーバ30とデータ通信を行うインタフェースである。通信インタフェース220は、サーバ30から種々のデータを受信すると、これらのデータを制御部200に提供する。また、通信インタフェース220は、制御部200の制御下で、種々のデータをサーバ30に送信することができる。
【0036】
記憶装置230は、端末装置1~14から受信したアドバタイズパケット、端末装置リスト、スキャン時刻、制御部200が実行する情報管理プログラム等の種々のデータが保存される記憶装置である。制御部200が当該情報管理プログラムを実行することによって、決定部201及び端末装置リスト更新部202が機能する。
【0037】
(処理の一例)
次に、
図4を参照して、情報管理システム100において実行される処理の一例について具体的に説明する。
図4は、情報管理システム100において実行される処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0038】
中継器21が各端末装置のアドバタイズメントをスキャンする(ステップST101)。具体的には、中継器21が各端末装置からアドバタイズパケットを受信し、当該アドバタイズパケットから端末装置IDを取得する。
図4に示す例では、中継器21が、端末装置1~4からアドバタイズパケットを受信し、当該アドバタイズパケットから端末装置IDを取得する。
【0039】
続いて、中継器22が各端末装置のアドバタイズメントをスキャンする(ステップST102)。具体的には、中継器22が各端末装置からアドバタイズパケットを受信し、当該アドバタイズパケットから端末装置IDを取得する。
図4に示す例では、中継器22が、端末装置1、3、5、6からアドバタイズパケットを受信し、当該アドバタイズパケットから端末装置IDを取得する。なお、ステップST101とステップST102とは、逆の順に実施してもよいし、略同じ時点に実施してもよい。
【0040】
続いて、中継器21は、端末装置リストL11を生成する(ステップST103)。端末装置リストL11は、中継器21がステップST101において取得した端末装置IDを最新受信時刻の古い順に並び替えることによって生成されてもよい。
図4に示す端末装置リストL11の一例では、端末装置1~4は、最新受信時刻の古い順、すなわち、端末装置1、2、3、4の順に上から下に向かって並ぶ。端末装置1~4の最新受信時刻は、あらかじめサーバ30から中継器21へ送信してもよい。
【0041】
同様に、中継器22は、端末装置リストL21を生成する(ステップST104)。端末装置リストL21は、中継器22がステップST102において取得した端末装置IDを最新受信時刻の古い順に並び替えることによって生成されてもよい。
図4に示す端末装置リストL21の一例では、端末装置1、3、5、6は、最新受信時刻の古い順、すなわち、端末装置5、1、6、3の順に上から下に向かって昇順に並ぶ。端末装置1、3、5、6の最新受信時刻は、あらかじめサーバ30から中継器22へ送信してもよい。
【0042】
続いて、中継器21は、最新受信時刻に基づいて端末装置リストL11において端末装置1~4のうち1つを選択し、この選択した端末装置から検知データを取得する(ステップST110)。具体的には、中継器21は、端末装置リストL11において最も古い最新受信時刻の端末装置を選択する。中継器21は、この選択した端末装置に通信接続し、その接続した端末装置に検知データの要求を送信する。その接続した端末装置は中継器21から検知データの要求を受信すると、その接続した端末装置が保持している検知データを中継器21へ送信し、送信済みの検知データを削除する。
図4に示す一例では、中継器21は、端末装置リストL11において最初に並んだ端末装置1を選択する。中継器21は、端末装置1に通信接続して、端末装置1から検知データを取得する。
【0043】
続いて、中継器21は、ステップST110において取得した検知データ等をサーバ30へ送信する(ステップST111)。具体的には、中継器21は、当該検知データと、その取得した時刻である最新受信時刻とをサーバ30へ送信する。さらに、中継器21は、当該最新受信時刻をサーバ30によって全ての中継器21,22に通知する要求をサーバ30に送信する。
図4に示す一例では、中継器21は、端末装置1から取得した検知データと、その取得した時刻である端末装置1の最新受信時刻1000000033とをサーバ30へ送信する。
【0044】
続いて、サーバ30は、ステップST111において送信された端末装置の最新受信時刻を全ての中継器に通知する(ステップST112)。サーバ30は、当該検知データと、その取得した時刻である最新受信時刻とを記憶装置320に記憶するとよい。
図4に示す一例では、サーバ30は、端末装置1の最新受信時刻1000000033を中継器21、22に通知する。
【0045】
続いて、全ての中継器は、それぞれ、中継器毎に端末装置リストを更新する(ステップST113、114)。具体的には、全ての中継器は、端末装置リストの端末装置の最新受信時刻を、ステップST112において通知された最新受信時刻に更新する。その後、全ての中継器は、中継器毎の端末装置リストにおいて、端末装置IDを最新受信時刻の古い順に並び替える。最新受信時刻が更新された端末装置は、端末装置リストにおいて、最後列に移動する。
図4に示す一例では、中継器21、22は、それぞれ、端末装置リストL11、L21において、端末装置1の最新受信時刻1000000019をステップST112において通知された端末装置1の最新受信時刻1000000033に置き換えることによって更新する。その後、中継器21、22は、それぞれ、端末装置リストL11、L21において、端末装置IDを最新受信時刻の古い順に並び替える。その結果、端末装置1の最新受信時刻1000000033は、端末装置リストL11、L21における他の端末装置の最新受信時刻と比較して、最も新しい。そのため、端末装置1は、端末装置リストL11、L21において最後列に移動する。
【0046】
続いて、中継器22は、ステップST110と同様に、最新受信時刻に基づいて端末装置リストL21において端末装置1、3、5、6のうち1つを選択し、この選択した端末装置から検知データを取得する(ステップST120)。具体的には、中継器22は、端末装置リストL21において最も古い最新受信時刻の端末装置を選択する。中継器22は、この選択したに通信接続し、その接続した端末装置に検知データの要求を送信する。その接続した端末装置は中継器22から検知データの要求を受信すると、その接続した端末装置が保持している検知データを中継器22へ送信し、送信済みの検知データを削除する。
【0047】
図4に示す一例では、中継器22は、端末装置リストL21において最初に並んだ端末装置5を選択する。中継器22は、端末装置5に通信接続して、端末装置1から検知データを取得する。ここで、端末装置リストL21において最も古い最新受信時刻の端末装置は、端末装置リストL21の最前列にある端末装置5であり、ステップST114において最新受信時刻が更新された端末装置1でない。よって、中継器22は、中継器21が通信接続して検知データを取得済みの端末装置1に接続することなく、端末装置5に接続し、端末装置5から検知データを取得する。よって、中継器22は、中継器21が通信接続して検知データを取得済みの端末装置1に接続しない。
【0048】
続いて、中継器22は、ステップST111と同様に、ステップST120において取得した検知データ等をサーバ30へ送信する(ステップST121)。
図4に示す一例では、中継器22は、端末装置5から取得した検知データと端末装置5の最新受信時刻1000000035とをサーバ30へ送信する。
【0049】
続いて、サーバ30は、ステップST112と同様に、ステップST121において送信された端末装置の最新受信時刻を全ての中継器に通知する(ステップST122)。
図4に示す一例では、サーバ30は、端末装置5の最新受信時刻1000000035を中継器21、22に通知する。
【0050】
続いて、全ての中継器は、ステップST113、114と同様に、それぞれ、端末装置リストを更新する(ステップST123、124)。具体的には、全ての中継器は、それぞれ、端末装置リストの端末装置の最新受信時刻を、ステップST122において通知された端末装置の最新受信時刻に更新する。その後、全ての中継器は、自己の端末装置リストにおいて、端末装置IDを最新受信時刻の古い順に並び替える。
図4に示す一例では、中継器22は、端末装置リストL21において、端末装置5の最新受信時刻1000000010をステップST122において通知された端末装置1の最新受信時刻1000000035に置き換えることによって更新する。その後、中継器22は、端末装置リストL21において、端末装置IDを最新受信時刻の古い順に並び替える。なお、中継器21も、同様に、上記更新等をするが、端末装置リストL11は、端末装置5の最新受信時刻が元々記載されていないので、ステップST123前後において見かけ上変化が無い。
【0051】
これ以降、検知データを未だ取得されていない端末装置について、ステップST110~ST114、又はステップST120~ST124と同様のステップを実施してもよい。これらのステップを繰り返して、端末装置リストL11、L21の終端に示された端末装置についてステップST110~ST114、又はステップST120~ST124と同様のステップを実施した後、再びステップST101までに戻ってもよい。
【0052】
具体的には、中継器21は、ステップST110と同様に、最新受信時刻に基づいて端末装置リストL11において端末装置1~4のうち1つを選択し、この選択した端末装置から検知データを取得する(ステップST130)。
図4に示す一例では、中継器21は、端末装置リストL11において最初に並んだ端末装置2を選択する。中継器21は、端末装置2に通信接続して、端末装置2から検知データを取得する。さらに、ステップST111~ST114と同様に、この取得した検知データを、サーバ30を介して全ての中継機器に通知することによって共有する。
【0053】
続いて、中継器22は、ステップST120と同様に、最新受信時刻に基づいて端末装置リストL21において端末装置1、3、5、6のうち1つを選択し、この選択した端末装置から検知データを取得する(ステップST140)。
図4に示す一例では、中継器22は、端末装置リストL11において最初に並んだ端末装置6を選択する。中継器22は、端末装置6に通信接続して、端末装置6から検知データを取得する。さらに、ステップST121~ST124と同様に、この取得した検知データを、サーバ30を介して全ての中継機器に通知することによって共有する。
【0054】
続いて、検知データを未だ取得されていない端末装置3、4について、ステップST110~ST114、又はステップST120~ST124と同様のステップを実施する。端末装置3は、端末装置1と同様に、中継器21及び中継器22の両方に検知データを取得されない。中継器21及び中継器22の他方が検知データを取得済みの端末装置3に接続しない。
【0055】
以上より、上記した一例によれば、中継器21、22が互いにスキャンした端末装置1、3を、中継器21、22が共に通信接続し検知データを取得することを回避することができる。よって、情報管理システム100全体を考慮すると、情報管理効率が低下するおそれを抑制することができる。
【0056】
(処理の一例)
次に、
図5を参照して、
図4に示す中継器21において実行される処理の一例について概略的に説明する。この処理の一例は、中継器22においても同様に実行することができる。また、この処理の一例は、中継器21、22において、同一期間内に同時並行して実行される。
【0057】
まず、各端末装置のアドバタイズメントをスキャンする(ステップST11)。続いて、端末装置リストを生成する(ステップST12)。続いて、端末装置リスト内の端末装置を最新受信時刻の古い順に並び替え(ソート)する(ステップST13)。
【0058】
続いて、端末装置リストの最前列の端末装置を選択し、この選択した端末装置から検知データを取得する(ステップST14)。続いて、端末装置リストの最前列の端末装置の最新受領時刻をサーバ30を介して全ての中継器21、22と共有する(ステップST15)。
【0059】
続いて、ステップST11でされたスキャンから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップST16)。スキャンから所定時間が経過していない場合(ステップST16:NO)、ステップST13に戻る。つまり、スキャンから所定時間が経過するまで、ステップST13~ST15を繰り返し実施する。
【0060】
一方、スキャンから所定時間が経過した場合(ステップST16:YES)、当該処理を終了する。なお、スキャンから所定時間が経過した場合、再びステップST11に戻ってもよい。
【0061】
以上より、ステップST15において、中継器21、22は、最前列の端末装置の最新受領時刻を共有する。この共有した最前列の端末装置の最新受領時刻は、元々の最前列の端末装置の最新受領時刻よりも新しい。よって、中継器22において実行される処理のステップST14では、この共有した最前列の端末装置は、中継器22の端末装置リストの最前列よりも後ろにあるので、選択されることが無く、検知データも取得されることが無い。したがって、中継器22は、中継器21が検知データ取得済みの端末装置から、検知データを取得することが無い。また、これは中継器21と中継器22とを置き換えても同様である。よって、中継器22は、中継器21が検知データ取得済みの端末装置に通信接続し検知データを取得することを回避することができる。すなわち、情報管理効率の低下を抑制することができる。
【0062】
(処理の一例)
次に、
図6を参照して、情報管理システム100において実行される処理の別の一例について具体的に説明する。
図6は、情報管理システム100において実行される処理のシーケンスの別の一例を示す図である。
【0063】
中継器21が各端末装置のアドバタイズメントをスキャンし、そのスキャンしたスキャン時刻を記録する(ステップST201)。具体的には、中継器21が各端末装置からアドバタイズパケットを受信し、当該アドバタイズパケットから端末装置IDを取得する。中継器21が、例えば、その受信した時刻をスキャン時刻として記録する。
図6に示す例では、中継器21が、端末装置1~4からアドバタイズパケットを受信し、当該アドバタイズパケットから端末装置IDを取得する。中継器21は、スキャン時刻1000000030を記録する。
【0064】
続いて、中継器22が各端末装置のアドバタイズメントをスキャンし、そのスキャンしたスキャン時刻を記録する(ステップST202)。具体的には、中継器22が各端末装置からアドバタイズパケットを受信し、当該アドバタイズパケットから端末装置IDを取得する。中継器21が、例えば、その受信した時刻をスキャン時刻として記録する。
図6に示す例では、中継器22が、端末装置1、3、5、6からアドバタイズパケットを受信し、当該アドバタイズパケットから端末装置IDを取得する。中継器22は、スキャン時刻1000000031を記録する。なお、ステップST201とステップST202とは、逆の順に実施してもよいし、略同じ時点に実施してもよい。
【0065】
続いて、中継器21は、
図4に示すステップST103と同様に、端末装置リストL11aを生成する(ステップST203)。端末装置リストL11aは、中継器21がステップST201において取得した端末装置IDを最新受信時刻の古い順に並び替えることによって生成されてもよい。
【0066】
同様に、中継器22は、
図4に示すステップST104と同様に、端末装置リストL21aを生成する(ステップST204)。端末装置リストL21aは、中継器22がステップST202において取得した端末装置IDを最新受信時刻の古い順に並び替えることによって生成されてもよい。
【0067】
続いて、中継器21は、最新受信時刻に基づいて端末装置リストL11aにおいて端末装置1~4のうち1つを選択し、この選択した端末装置から検知データを取得する(ステップST210)。具体的には、中継器21は、端末装置リストL11aにおいて最前列の端末装置から順番に、各端末装置の最新受領時刻とスキャン時刻とを比較する。端末装置の最新受領時刻がスキャン時刻と比較して新しい場合、次の端末装置の最新受領時刻とスキャン時刻とを比較する。端末装置の最新受領時刻がスキャン時刻と比較して古い場合、中継器21は、当該端末装置を選択し、当該端末装置から検知データを取得する。中継器21は、当該端末装置に通信接続し、検知データの要求を送信する。当該端末装置は中継器21から検知データの要求を受信すると、当該端末装置が保持している検知データを中継器21へ送信し、送信済みの検知データを削除する。
【0068】
図6に示す一例では、端末装置リストL11aにおいて端末装置1が最前列にある。端末装置1の最新受領時刻がスキャン時刻と比較して古い。よって、中継器21は、端末装置リストL11aにおいて端末装置1を選択し、端末装置1に通信接続して、端末装置1から検知データを取得する。
【0069】
続いて、中継器21は、ステップST111と同様に、ステップST210において取得した検知データ等をサーバ30へ送信する(ステップST211)。
図6に示す一例では、中継器21は、端末装置1から取得した検知データと端末装置1の最新受信時刻1000000033とをサーバ30へ送信する。
【0070】
続いて、サーバ30は、ステップST112と同様に、ステップST211において送信された端末装置の最新受信時刻を全ての中継器に通知する(ステップST212)。
図6に示す一例では、サーバ30は、端末装置1の最新受信時刻1000000033を中継器21、22に通知する。
【0071】
続いて、全ての中継器は、それぞれ、中継器毎に端末装置リストを更新する(ステップST213、214)。具体的には、全ての中継器は、端末装置リストの端末装置の最新受信時刻を、ステップST212において通知された端末装置の最新受信時刻に更新する。
図6に示す一例では、中継器21、22は、それぞれ、端末装置リストL11a、L21aにおいて、端末装置1の最新受信時刻1000000019をステップST212において通知された端末装置1の最新受信時刻1000000033に置き換えることによって更新する。
【0072】
続いて、中継器22は、ステップST210と同様に、最新受信時刻に基づいて端末装置リストL21aにおいて端末装置1、3、5、6のうち1つを選択し、この選択した端末装置から検知データを取得する(ステップST220)。
図6に示す一例では、端末装置リストL21aにおいて端末装置5が最前列にある。端末装置5の最新受領時刻がスキャン時刻と比較して古い。よって、中継器22は、端末装置リストL21aにおいて端末装置5を選択し、端末装置5に通信接続して、端末装置5から検知データを取得する。
【0073】
続いて、中継器22は、ステップST211と同様に、ステップST220において取得した検知データ等をサーバ30へ送信する(ステップST221)。
図6に示す一例では、中継器22は、端末装置5から取得した検知データと端末装置5の最新受信時刻とをサーバ30へ送信する。
【0074】
続いて、サーバ30は、ステップST212と同様に、ステップST221において送信された最新受信時刻を全ての中継器に通知する(ステップST222)。
図6に示す一例では、サーバ30は、端末装置5の最新受信時刻を中継器21、22に通知する。
【0075】
続いて、全ての中継器は、ステップST213、214と同様に、それぞれ端末装置リストを更新する(ステップST223、224)。具体的には、全ての中継器は、それぞれ、中継器自体の端末装置リストの端末装置の最新受信時刻を、ステップST222において通知された端末装置の最新受信時刻に更新する。
図6に示す一例では、中継器22は、端末装置リストL21aにおいて、端末装置5の最新受信時刻1000000010をステップST222において通知された端末装置5の最新受信時刻1000000035に置き換えることによって更新する。なお、中継器21も、同様に、上記更新等をするが、端末装置リストL11aは、端末装置5の最新受信時刻を元々有していないので、更新されることが無く、ステップST223前後において見かけ上変化が無い。
【0076】
これ以降、検知データを未だ取得されていない端末装置について、ステップST210~ST214、又はステップST220~ST224と同様のステップを実施してもよい。これらのステップを繰り返して、端末装置リストL11a、L21aの最後列に示された端末装置についてステップST110~ST114、又はステップST120~ST124と同様のステップを実施した後、再びステップST201までに戻ってもよい。
【0077】
具体的には、中継器21は、ステップST210と同様に、最新受信時刻に基づいて端末装置リストL11aにおいて端末装置1~4のうち1つを選択し、この選択した端末装置から検知データを取得する(ステップST230)。
図6に示す一例では、端末装置1、2がこの順に並ぶ。中継器21は、端末装置リストL11aにおいて端末装置1、2の最新受領時刻とスキャン時刻とをこの順番に比較する。端末装置1の最新受領時刻がスキャン時刻と比較して新しいため、中継器21は、端末装置リストL11aにおいて端末装置1を選択しない。よって、中継器21は、端末装置1から検知データを取得しない。端末装置2の最新受領時刻がスキャン時刻と比較して古い。よって、中継器21は、端末装置リストL11aにおいて端末装置2を選択し、端末装置2に通信接続して、端末装置2から検知データを取得する。さらに、ステップST211~ST214と同様に、この取得した検知データを、サーバ30を介して全ての中継機器に通知することによって共有する。
【0078】
続いて、中継器22は、ステップST220と同様に、最新受信時刻に基づいて端末装置リストL21aにおいて端末装置1、3、5、6のうち1つを選択し、この選択した端末装置から検知データを取得する(ステップST240)。
図6に示す一例では、端末装置リストL21aにおいて端末装置5、1、6がこの順に並ぶ。端末装置5、1の最新受領時刻がスキャン時刻と比較して新しいため、中継器22は、端末装置リストL11aにおいて端末装置5、1を選択しない。端末装置6の最新受領時刻がスキャン時刻と比較して古い。よって、中継器22は、端末装置リストL21aにおいて端末装置6を選択し、端末装置6に通信接続して、端末装置6から検知データを取得する。さらに、ステップST221~ST224と同様に、この取得した検知データを、サーバ30を介して全ての中継機器と共有する。
【0079】
続いて、検知データを未だ取得されていない端末装置3、4について、ステップST210~ST214、又はステップST220~ST224と同様のステップを実施する。端末装置3は、端末装置1と同様に、中継器21及び中継器22の両方に検知データを取得されない。中継器21及び中継器22の他方が検知データを取得済みの端末装置3に接続しない。
【0080】
以上より、上記した一例によれば、中継器21、22が互いにスキャンした端末装置1を、中継器21、22が共に通信接続し検知データを取得することを回避することができる。よって、情報管理システム100全体を考慮すると、情報管理効率が低下するおそれを抑制することができる。
【0081】
(処理の一例)
次に、
図7を参照して、
図6に示す中継器21において実行される処理の別の一例について概略的に説明する。この別の一例は、中継器22においても同様に実行することができる。また、この別の一例は、中継器21、22において、同一期間内に同時並行して実行される。
【0082】
まず、各端末装置のアドバタイズメントをスキャンする(ステップST21)。このスキャンした時刻であるスキャン時刻を取得し、これを記憶装置230に記憶する。続いて、端末装置リストを生成する(ステップST22)。
【0083】
続いて、変数iを設定する(ステップST23)。変数iの初期値は、1である。変数iは、端末装置リストにおける端末装置の最前列からの順番である。
【0084】
変数iが、端末装置リストにおける端末装置の数n以下であるかを判定する(ステップST24)。変数iが、端末装置リストにおける端末装置リストの数nを超過する場合(ステップST24:NO)、当該処理を終了する。なお、変数iが、端末装置リストにおける端末装置リストの数nを超過する場合、再びステップST21に戻ってもよい。
【0085】
一方、変数iが、端末装置リストにおける端末装置リストの数n以下である場合(ステップST24:YES)、端末装置リストの第i番目の端末装置の最新受信時刻がスキャン時刻と比較して古いか否かを判定する(ステップST25)。
【0086】
一方、最新受信時刻がスキャン時刻と比較して新しい場合(ステップST25:NO)、第i番目の端末装置を通信接続対象でないと判定し、変数iをインクリメントし(ステップST251)、ステップST24に戻る。
【0087】
最新受信時刻がスキャン時刻と比較して古い場合(ステップST25:YES)、端末装置リストの第i番目の端末装置を選択し、この選択した端末装置から検知データを取得する(ステップST26)。
【0088】
続いて、第i番目の端末装置の最新受領時刻を、サーバ30を介して全ての中継器21、22と共有する(ステップST27)。
【0089】
続いて、スキャンから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップST28)。スキャンから所定時間が経過していない場合(ステップST28:NO)、変数iをインクリメントし(ステップST251)、ステップST24に戻る。
【0090】
一方、スキャンから所定時間が経過した場合(ステップST28:YES)、当該処理を終了する。なお、スキャンから所定時間が経過した場合、再びステップST21に戻ってもよい。
【0091】
以上より、ステップST27において、中継器21、22は、第i番目の端末装置の最新受領時刻を共有する。この共有した第i番目の端末装置の最新受領時刻は、スキャン時刻よりも新しいので、中継器22において実行される処理のステップST25では、この共有した第i番目の端末装置は通信接続対象でないと判定される。よって、中継器22は、中継器21が検知データ取得済みの第i番目の端末装置から、検知データを取得することが無い。また、これは、中継器21と中継器22とを置き換えても同様である。よって、中継器22は、中継器21が検知データ取得済みの端末装置に通信接続し検知データを取得することを回避することができる。すなわち、情報管理効率の低下を抑制することができる。
【0092】
なお、上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに提供することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに提供されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0093】
さらに、上述した様々な実施の形態において、情報管理システムにおける処理の例を説明したように、本開示は情報管理システムにおいて実行される情報管理方法としての形態も採り得る。この情報管理方法の一例は、
図5、及び
図7に示す。なお、その他の例については、上述した実施の形態で説明した通りである。また、上述のプログラムは、情報管理システムにこのような情報管理方法を実行させるためのプログラムであると言える。
【0094】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本発明は、上記実施の形態やその一例を適宜組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0095】
100 情報管理システム
1-14 端末装置 21-23 中継器
200 制御部 201 決定部
202 端末装置リスト更新部 210、220 通信インタフェース
230 記憶装置
30 サーバ
300 制御部
301 通信制御部 302 端末装置リスト更新部
303 通知部
310 通信インタフェース 320 記憶装置
L11、L11a、L21、L21a 端末装置リスト
ST10-ST12、ST101-ST104、ST110-ST114、ST120-ST124、ST130、ST140、ST21-ST28、ST201-ST204、ST251、ST210-ST214、ST220-ST224、ST230、ST240 ステップ