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特許7524810情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び車両
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240723BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240723BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240723BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240723BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/30
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021058025
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022154810
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】桜田 伸
(72)【発明者】
【氏名】西村 和也
(72)【発明者】
【氏名】金子 宗太郎
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/006060(WO,A1)
【文献】特開2020-190942(JP,A)
【文献】特開2012-146252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行する道路への横断歩道の表示を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
歩行者の状態に基づいて前記歩行者が前記道路を横断する確率を算出し、
前記横断歩道の表示を予告する予告情報の表示態様を前記歩行者が前記道路を横断する確率に基づいて決定し、
前記予告情報を前記車両の運転者に視認させるように表示装置に表示させる情報を出力する、情報処理装置。
【請求項2】
前記歩行者の状態は、前記歩行者の動き又は位置の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記歩行者の状態に基づいて前記歩行者が前記道路を横断する意思を有しているかを推定し、推定結果に基づいて前記歩行者が前記道路を横断する確率を算出する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記歩行者が前記道路を横断する確率に基づいて前記横断歩道を表示することが確定した場合の前記予告情報の表示色と前記横断歩道を表示することが未確定である場合の前記予告情報の表示色とを異ならせる、請求項1から3までのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記車両から前記横断歩道を表示する位置までの距離に基づいて前記予告情報の表示態様を決定する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記距離が短いほど前記予告情報を濃い色で表示させる、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記距離が短いほど前記予告情報を大きく表示させる、請求項又はに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記車両の速度に更に基づいて前記予告情報の表示態様を決定する、請求項からまでのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記横断歩道を表示するまでの時間に更に基づいて前記予告情報の表示態様を決定する、請求項から8までのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記予告情報を、前記車両が走行する路面、及び、前記車両が走行する道路の脇に位置する道路構造物の少なくとも一方に表示させる、請求項1から9までのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記車両の前の所定距離内を走行する先行車両が存在する場合、前記予告情報を前記先行車両に表示させる、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記予告情報が前記車両の運転者から見て前記車両が走行する路面、前記車両が走行する道路の脇に位置する道路構造物、及び前記車両の前の所定距離内を走行する先行車両の少なくとも1つに重畳するように、前記予告情報を虚像として表示させる、請求項10又は11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記横断歩道の手前における前記車両の停車位置を決定し、前記停車位置を示す情報を前記車両が走行する路面に表示させる、請求項1から12までのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記横断歩道の手前で停車する他車両の数に基づいて前記車両の停車位置を決定する、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか一項に記載の情報処理装置と、前記表示装置とを備える情報処理システム。
【請求項16】
車両が走行する道路への横断歩道の表示を制御する情報処理方法であって、
歩行者の状態に基づいて前記歩行者が前記道路を横断する確率を算出することと、
前記横断歩道の表示を予告する予告情報の表示態様を前記歩行者が前記道路を横断する確率に基づいて決定することと、
前記予告情報を前記車両の運転者に視認させるように表示装置に表示させる情報を出力すること
を含む、情報処理方法。
【請求項17】
前記歩行者の状態は、前記歩行者の動き又は位置の少なくとも一方を含む、請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記車両から前記横断歩道を表示する位置までの距離に基づいて前記予告情報の表示態様を決定することを更に含む、請求項16又は17に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記横断歩道の手前における前記車両の停車位置を算出することと、前記停車位置に関する情報を前記車両が走行する路面に表示させることとを更に含む、請求項16から18までのいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項20】
道路への横断歩道の表示を予告する予告情報が運転者から見て前記道路の路面及び前記道路の脇に位置する道路構造物の少なくとも一方に重畳するように、歩行者の状態に基づいて算出された前記歩行者の横断確率に応じた表示態様で前記予告情報を虚像として表示する表示装置を搭載する車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歩行者が道路の任意の場所を横断し始めると周辺車両に横断者が存在する旨を通知する構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-225151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常時に道路に横断歩道が表示されておらず、歩行者が横断するときだけ横断歩道を表示するシステムにおいて、車両の運転者から見れば横断歩道が突然出現する。突然の横断歩道の出現は、車両の運転に支障を生じさせ得る。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、横断歩道を表示する際に車両の運転に支障が生じる可能性を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、車両が走行する道路への横断歩道の表示を制御する制御部を備える。前記制御部は、前記横断歩道の表示を予告する予告情報を前記車両の運転者に視認させるように表示装置に表示させる情報を出力する。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理システムは、前記情報処理装置と、前記表示装置とを備える。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、車両が走行する道路への横断歩道の表示を制御する情報処理方法であって、前記横断歩道の表示を予告する予告情報を前記車両の運転者に視認させるように表示装置に表示させる情報を出力することを含む。
【0009】
本開示の一実施形態に係る車両は、道路への横断歩道の表示を予告する予告情報が運転者から見て前記道路の路面及び前記道路の脇に位置する道路構造物の少なくとも一方に重畳するように前記予告情報を虚像として表示する表示装置を搭載する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び車両によれば、横断歩道を表示する際に車両の運転に支障が生じる可能性が低減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す模式図である。
図2】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図3】車両の運転者から見た予告情報の表示態様の一例を示す図である。
図4】先行車両に予告情報を表示する構成例を示す図である。
図5】予告情報を表示する手順例を示すフローチャートである。
図6】横断確率に基づいて予告情報を表示する手順例を示すフローチャートである。
図7】先行車両に予告情報を表示する手順例を示すフローチャートである。
図8】停止位置に関する情報を表示する手順例を示すフローチャートである。
図9】予告情報をグラデーション表示する構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(情報処理システム1の構成例)
図1及び図2に示されるように、一実施形態に係る情報処理システム1は、サーバ10と、表示装置20とを備える。表示装置20は、車両60が走行する道路40に横断歩道25を表示するように構成される。また、表示装置20は、横断歩道25の表示を予告する情報を道路40又は道路40の周囲に位置する道路構造物42に表示するように構成される。横断歩道25の表示を予告する情報は、予告情報とも称される。サーバ10は、表示装置20に横断歩道25を表示させる位置又はタイミングに関する情報、及び、予告情報を表示させる情報を出力する。つまり、情報処理システム1は、道路40への横断歩道25の表示及び予告情報の表示を制御する。以下、情報処理システム1の構成例が説明される。
【0013】
<サーバ10>
サーバ10は、サーバ制御部11と、サーバインタフェース12とを備える。サーバインタフェース12は、サーバI/F12とも称される。
【0014】
サーバ制御部11は、サーバ10の各構成部を制御する。サーバ制御部11は、単に制御部とも称される。サーバ制御部11は、1つ以上のプロセッサを含んで構成されてよい。本実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であるが、これらに限られない。サーバ制御部11は、1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。サーバ制御部11は、プロセッサの代わりに専用回路を含んで構成されてもよいし、プロセッサとともに専用回路を含んで構成されてもよい。
【0015】
サーバ10は、記憶部を更に備えてよい。記憶部は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んでよい。記憶部は、サーバ10の動作に用いられる任意の情報を格納する。例えば、記憶部は、システムプログラム、又はアプリケーションプログラム等を格納してもよい。記憶部は、サーバ制御部11に含まれてもよい。
【0016】
サーバI/F12は、サーバ制御部11から情報又はデータ等を出力したり、サーバ制御部11に情報又はデータ等を入力したりする。サーバI/F12は、単にインタフェース又はI/Fとも称される。
【0017】
サーバI/F12は、ネットワーク30を介して表示装置20等と通信可能に構成される通信モジュールを含んでよい。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでよいが、これらに限られない。サーバI/F12は、通信モジュールに接続可能に構成されてもよい。
【0018】
サーバ10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置を含んでよい。サーバ10は、情報処理装置とも称される。
【0019】
<表示装置20>
表示装置20は、表示制御部21と、表示インタフェース22と、横断歩道表示部23と、予告表示部24とを備える。表示インタフェース22は、表示I/F22とも称される。
【0020】
表示制御部21は、表示装置20の各構成部を制御する。表示制御部21は、単に制御部とも称される。表示制御部21は、サーバ10のサーバ制御部11と同一又は類似に構成されてよい。表示制御部21は、1つ以上のプロセッサを含んで構成されてよい。表示制御部21は、1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICを含んでよい。表示制御部21は、プロセッサの代わりに専用回路を含んで構成されてもよいし、プロセッサとともに専用回路を含んで構成されてもよい。
【0021】
表示装置20は、記憶部を更に備えてよい。表示装置20の記憶部は、サーバ10の記憶部と同一又は類似に構成されてよい。記憶部は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んでよい。記憶部は、表示装置20の動作に用いられる任意の情報を格納する。例えば、記憶部は、システムプログラム、又はアプリケーションプログラム等を格納してもよい。記憶部は、表示制御部21に含まれてもよい。
【0022】
表示I/F22は、表示制御部21から情報又はデータ等を出力したり、表示制御部21に情報又はデータ等を入力したりする。表示I/F22は、単にインタフェース又はI/Fとも称される。
【0023】
表示I/F22は、サーバI/F12と同一又は類似に構成されてよい。表示I/F22は、ネットワーク30を介してサーバ10等と通信可能に構成される通信モジュールを含んでよい。通信モジュールは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでよいが、これらに限られない。表示I/F22は、通信モジュールに接続可能に構成されてもよい。
【0024】
横断歩道表示部23は、道路40の路面に横断歩道25を表示するように構成される。横断歩道表示部23は、例えば図1に示されるように、道路40の路面に埋め込まれるように設置されている光源を含んで構成されてよい。光源は、例えばLED(Light Emission Diode)又はLD(Laser Diode)等の発光素子を含んで構成されてよい。光源は、例えば電球又は蛍光灯等を含んで構成されてもよい。光源が道路40に設置される態様は、図1の例に限られない。
【0025】
横断歩道表示部23は、道路40を走行する車両60の運転者又は道路40を横断する歩行者80が光源から射出される光を視認しやすいように、光源から射出される光を拡散させる拡散板等を更に含んで構成されてもよい。
【0026】
予告表示部24は、道路40の路面に予告情報を表示するように構成されてよい。予告表示部24は、道路40の脇に位置する、例えばガードレール42a等の道路構造物42に予告情報を表示するように構成されてよい。道路構造物42は、ガードレール42aに限られず、側壁42b、路側帯又は中央分離帯等の種々の構造物を含んでよい。図1において、予告表示部24は、予告情報を、道路40の路面に路面表示マーク51として表示し、ガードレール42aに側面表示マーク52として表示している。予告表示部24は、横断歩道表示部23と同一又は類似の態様で、道路40の路面に埋め込まれるように設定されている光源を含んで構成されてよい。予告表示部24は、道路構造物42に設置されている光源を含んで構成されてよい。予告表示部24は、車両60の運転者が光源から射出される光を視認しやすいように、光源から射出される光を拡散させる拡散板等を更に含んで構成されてもよい。
【0027】
情報処理システム1が備える表示装置20の数は、1つに限られず、2つ以上であってよい。情報処理システム1は、横断歩道表示部23と予告表示部24とを両方とも有する表示装置20を備えてよい。情報処理システム1は、横断歩道表示部23を有し、予告表示部24を有しない表示装置20を備えてよい。情報処理システム1は、予告表示部24を有し、横断歩道表示部23を有しない表示装置20を備えてよい。
【0028】
<歩行者80を検出する構成>
情報処理システム1は、道路40を横断する可能性がある歩行者80が存在する場合に、道路40に横断歩道25を表示してよい。情報処理システム1は、道路40から所定距離以内に位置する歩行者80を検出し、検出した歩行者80が道路40を横断する可能性があるか判定してよい。
【0029】
情報処理システム1は、道路40から所定距離以内に位置する歩行者80を検出する構成として、必須ではないが検出装置70を更に備える。検出装置70は、例えばカメラ又は人感センサ等の歩行者80の存在を検出できるセンサを含んで構成されてよい。検出装置70は、例えば道路40の近傍に設置されてよい。検出装置70は、歩行者80の歩行速度又は位置等を検出するように構成されてもよい。歩行者80の歩行速度若しくは位置等は、歩行者80の状態とも総称される。
【0030】
検出装置70は、ネットワーク30を介して、サーバ10に歩行者80の検出結果を出力してよい。検出装置70は、ネットワーク30を介さずに、例えば近距離通信等によってサーバ10に歩行者80の検出結果を出力してもよい。歩行者80の検出結果は、歩行者80が道路40から所定距離以内に位置することの検出結果を含む。歩行者80の検出結果は、歩行者80の状態の検出結果を更に含んでもよい。サーバ10は、歩行者80の検出結果に基づいて、道路40を横断する可能性がある歩行者80が存在するか判定してよい。サーバ10は、道路40を横断する可能性がある歩行者80の数を算出してもよい。
【0031】
情報処理システム1は、道路40から所定距離以内に位置する歩行者80を検出する構成として、必須ではないが端末装置72を更に備える。端末装置72は、歩行者80によって所持されているとする。端末装置72は、歩行者80の位置情報を検出できるように、例えば衛星測位システムに対応する受信機を含んでよい。衛星測位システムに対応する受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機を含んでもよい。
【0032】
端末装置72は、ネットワーク30を介して、サーバ10に歩行者80の位置情報を出力してよい。端末装置72は、ネットワーク30を介さずに、例えば近距離通信等によってサーバ10に歩行者80の位置情報を出力してもよい。サーバ10は、歩行者80の位置情報に基づいて、道路40から所定距離以内に位置する歩行者80を検出する。サーバ10は、検出した歩行者80が道路40を横断する可能性があるか判定する。サーバ10は、道路40を横断する可能性がある歩行者80の数を算出してもよい。
【0033】
検出装置70又は端末装置72は、道路40を横断する可能性がある歩行者80を検出し、検出結果をサーバ10に出力してもよい。検出装置70又は端末装置72は、道路40を横断する可能性がある歩行者80の数を算出し、算出結果をサーバ10に更に出力してもよい。
【0034】
(情報処理システム1の動作例)
情報処理システム1は、例えば以下に述べるように動作することによって、歩行者80が道路40を横断できるように、道路40に横断歩道25を表示する。また、情報処理システム1は、横断歩道25を表示する前に予告情報を表示する。予告情報の表示によって、横断歩道25が道路40を走行する車両60の運転者に影響を及ぼしにくいように表示され得る。
【0035】
サーバ10のサーバ制御部11は、車両60が走行する道路40に横断歩道25を表示させるように表示装置20を制御する。つまり、サーバ制御部11は、車両60が走行する道路40への横断歩道25の表示を制御する。サーバ制御部11は、表示装置20に横断歩道25を表示させるように表示装置20の制御情報を生成して表示装置20に出力してよい。表示装置20は、制御情報に基づいて横断歩道表示部23によって道路40に横断歩道25を表示してよい。
【0036】
サーバ制御部11は、横断歩道25を表示させる位置又はタイミングを決定する。サーバ制御部11は、道路40を横断する歩行者80の状態に基づいて横断歩道25を表示させる位置又はタイミングを決定してよい。例えば、サーバ制御部11は、歩行者80が道路40に近づく動作を検出して歩行者80が道路40を横断する位置を推定し、推定結果に基づいて横断歩道25を表示させる位置を決定してよい。また、サーバ制御部11は、歩行者80の歩行速度に基づいて歩行者80が道路40の横断を開始するタイミングを推定し、推定結果に基づいて横断歩道25を表示させるタイミングを決定してよい。
【0037】
サーバ制御部11は、道路40の横を歩いている歩行者80の状態に基づいて、歩行者80が道路40を横断する確率を算出してよい。歩行者80が道路40を横断する確率は、横断確率とも称される。例えば、サーバ制御部11は、歩行者80の行動を推定して行動の確率を算出し、歩行者80の行動のうち道路40を横断する行動の確率を横断確率として算出してよい。例えば、サーバ制御部11は、道路40から歩行者80の位置までの距離が近いほど横断確率を高い値で算出してよい。
【0038】
サーバ制御部11は、歩行者80が道路40を横断する意思を有しているか推定し、横断確率を算出してもよい。具体的に、サーバ制御部11は、歩行者80の動きに基づいて歩行者80が道路40を横断する意思を有しているか判定してよい。サーバ制御部11は、歩行者80の動きとして、例えば道路40の脇で所定時間以上とどまっていたり道路40を走行してくる車両60を見ていたりする動きを検出した場合、歩行者80が道路40を横断する意思を有していると判定してよい。サーバ制御部11は、歩行者80が道路40を横断する意思を有していると判定した場合、横断確率を高い値で算出してよい。
【0039】
<予告情報の表示例>
サーバ制御部11は、図1に例示されるように路面表示マーク51が道路40の路面に表示されるように、予告表示部24に対して制御情報を出力してよい。サーバ制御部11は、図1に例示されるように側面表示マーク52がガードレール42a等の道路構造物42に表示されるように予告表示部24の制御情報を生成し、予告表示部24に対して出力してよい。
【0040】
予告表示部24は、車両60の運転者に予告情報を視認させるように予告情報を表示する。車両60の運転者は、図3に例示されるように予告情報を視認する。車両60の運転者は、道路40の路面に表示されている路面表示マーク51を視認できる。図3の例において、車両60の運転者は、近い位置に円形の路面表示マーク51を視認でき、遠い位置に星形の路面表示マーク51を視認できる。また、車両60の運転者は、ガードレール42a及び側壁42bを含む道路構造物42に表示されている側面表示マーク52を視認できる。図3の例において、車両60の運転者は、側面表示マーク52として車両60の進行方向に頂点が向いている三角形を視認できる。予告情報の表示態様は、これらの例に限られず他の種々の態様を含んでよい。予告情報の表示態様は、横断歩道25の表示位置からの距離に応じて連続的に変化してもよいし、離散的に変化してもよい。
【0041】
<<横断歩道25の表示位置からの距離に基づく表示>>
サーバ制御部11は、予告表示部24から横断歩道25の表示位置までの距離に基づいて予告情報の表示態様を異ならせてよい。予告表示部24から横断歩道25の表示位置までの距離は、予告距離とも称される。具体的に、サーバ制御部11は、予告情報を表示する予告表示部24が設置されている位置と横断歩道25の表示位置との間の距離を予告距離として算出する。サーバ制御部11は、予告距離に基づいて、各予告表示部24に予告情報を表示させるか決定する。サーバ制御部11は、予告情報を表示させると決定した予告表示部24に予告情報を表示させる態様を予告距離に基づいて決定する。サーバ制御部11は、決定した態様で予告情報を表示するように制御情報を生成し、予告表示部24に出力する。
【0042】
サーバ制御部11は、予告距離が短いほど、車両60の運転者に対して目立つ態様で予告情報を表示するように予告情報の表示態様を決定して制御情報を生成してよい。例えば、サーバ制御部11は、図1に示されるように、横断歩道25の表示位置から遠い位置に表示させる予告情報を円形の路面表示マーク51に決定し、横断歩道25の表示位置から近い位置に表示させる予告情報を星形の路面表示マーク51に決定してよい。また、サーバ制御部11は、予告距離が短いほど、予告表示部24に表示させる予告情報を大きいマークに決定してよい。サーバ制御部11は、予告情報の表示態様を連続的又は離散的に変化させることができる場合、予告距離に応じて予告情報の表示態様を細かく変化させてよい。
【0043】
<<車両60の速度に基づく表示>>
サーバ制御部11は、横断歩道25の表示位置に向けて走行する車両60の速度に更に基づいて予告情報の表示態様を異ならせてよい。具体的に、サーバ制御部11は、車両60の速度を取得する。サーバ制御部11は、車両60と通信して車両60の速度を取得してもよいし、道路40に設置されている検出装置70等で検出した車両60の速度を取得してもよい。サーバ制御部11は、車両60の速度が速いほど車両60の運転者が予告情報に気づきやすくなるように、各予告表示部24における予告情報の表示態様を決定してよい。
【0044】
サーバ制御部11は、予告表示部24に予告情報を表示させる態様を、予告表示部24から横断歩道25の表示位置までの距離に基づいて決定した後で、車両60の速度に基づいて変更してよい。例えば、サーバ制御部11は、車両60の速度が所定速度以上である場合に予告情報の表示態様をより一層目立つ態様に変更してよい。サーバ制御部11は、予告情報の表示態様を連続的又は離散的に変化させることができる場合、車両60の速度に応じて予告情報の表示態様を細かく変化させてよい。
【0045】
サーバ制御部11は、予告距離と、車両60の速度とに基づいて、車両60が予告表示部24を通過してから横断歩道25の表示位置に到達するまでにかかる時間を算出してよい。車両60が予告表示部24を通過してから横断歩道25の表示位置に到達するまでにかかる時間は、到達時間とも称される。サーバ制御部11は、到達時間に基づいて予告情報の表示態様を決定してよい。例えば、サーバ制御部11は、到達時間が短いほど車両60の運転者が予告情報に気づきやすくなるように、各予告表示部24における予告情報の表示態様を決定してよい。
【0046】
<<横断歩道25を表示する確率に基づく表示>>
サーバ制御部11は、横断歩道25が表示位置に実際に表示される確率に更に基づいて予告情報の表示態様を異ならせてよい。横断歩道25が表示位置に実際に表示される確率は、表示確率とも称される。具体的に、サーバ制御部11は、横断歩道25を表示するか決定する際に表示確率を算出してよい。サーバ制御部11は、道路40の特定の位置における表示確率を算出してよい。サーバ制御部11は、道路40の複数の位置それぞれにおける表示確率を算出し、道路40上における表示確率分布を生成してもよい。サーバ制御部11は、表示確率が高いほど車両60の運転者が予告情報に気づきやすくなるように、各予告表示部24における予告情報の表示態様を決定してよい。
【0047】
サーバ制御部11は、予告表示部24に予告情報を表示させる態様を、予告表示部24から横断歩道25の表示位置までの距離に基づいて決定した後で、車両60の速度に基づいて変更してよい。例えば、サーバ制御部11は、車両60の速度が所定速度以上である場合に予告情報の表示態様をより一層目立つ態様に変更してよい。サーバ制御部11は、予告情報の表示態様を連続的又は離散的に変化させることができる場合、車両60の速度に応じて予告情報の表示態様を細かく変化させてよい。
【0048】
サーバ制御部11は、表示確率が例えば100%又は90%等の所定値以上になった場合に横断歩道25を表示することを確定してよい。サーバ制御部11は、横断歩道25の表示を確定した場合と、横断歩道25の表示を確定していない場合とで、予告情報の表示態様を異ならせてよい。例えば、サーバ制御部11は、横断歩道25の表示が未確定の場合に予告情報を黄色で表示し、横断歩道25の表示が確定の場合に予告情報を赤色で表示してよい。サーバ制御部11は、横断歩道25の表示が未確定の場合と確定の場合とで予告情報として表示するマークの形状を異ならせてもよい。
【0049】
<<先行車両62への表示>>
図4に例示されるように、サーバ制御部11は、車両60の前方を走行する先行車両62が存在する場合、先行車両62に予告情報を表示させてよい。例えば、先行車両62がトラック等の大型車両である場合、予告表示部24が先行車両62の後面に設置されてよい。サーバ制御部11は、先行車両62の後面の予告表示部24に予告情報を表示させてよい。サーバ制御部11は、予告情報として車両表示マーク53を予告表示部24に表示させてよい。車両表示マーク53は、路面表示マーク51又は側面表示マーク52と同一又は類似のマークであってよいし、路面表示マーク51又は側面表示マーク52と異なるマークであってもよい。また、サーバ制御部11は、予告情報として横断歩道25の表示位置までの距離を数値で表示する文字情報54を予告表示部24に表示させてよい。
【0050】
サーバ制御部11は、先行車両62が車両60から所定距離以内を走行している場合に先行車両62の予告表示部24に予告情報を表示させてよい。サーバ制御部11は、予告情報を表示しようとする道路40の路面上に先行車両62が存在する場合に先行車両62の予告表示部24に予告情報を表示させてよい。予告情報が先行車両62の予告表示部24に表示されることによって、車両60の運転者が予告情報に気づきやすくなる。
【0051】
<<停止位置の表示>>
サーバ制御部11は、図1に示されるように横断歩道25とともに停止線26を表示させてよい。本実施形態において横断歩道表示部23が停止線26を表示する。サーバ制御部11は、道路40に横断歩道25を表示したときに、横断歩道25の表示位置の手前を走行する車両60の、横断歩道25の手前における停車位置を決定する。サーバ制御部11は、算出した停車位置を示す情報として停止線26を車両60が走行する道路40の路面に表示させてよい。サーバ制御部11は、停車位置を示す情報を、例示される停止線26に限られず、他の種々の形態で表示させてよい。
【0052】
サーバ制御部11は、横断歩道25の表示位置の手前を複数の車両60が走行している場合、横断歩道25の表示位置の手前で停車する車両60の数を算出してよい。サーバ制御部11は、各車両60が横断歩道25の表示位置の手前で何番目に停車するか算出してよい。サーバ制御部11は、各車両60の前で停車する他の車両60の数に基づいて各車両60の停止位置を決定してよい。サーバ制御部11は、各車両60の停止位置を、その停止位置の対象外の車両60から見えないように、例えば各車両60に搭載されている表示装置20に表示させてもよい。
【0053】
<予告情報の表示の手順例>
サーバ制御部11は、予告情報を表示するために、図5に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してもよい。情報処理方法は、サーバ制御部11を構成するプロセッサに実行させる情報処理プログラムとして実現されてもよい。
【0054】
サーバ制御部11は、道路40を横断する可能性がある歩行者80が存在するか判定する(ステップS1)。具体的に、サーバ制御部11は、検出装置70又は端末装置72から取得した情報に基づいて、道路40を横断する可能性がある歩行者80を検出してよい。サーバ制御部11は、道路40を横断する可能性がある歩行者80が存在しない場合(ステップS1:NO)、図5のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0055】
サーバ制御部11は、道路40を横断する可能性がある歩行者80が存在する場合(ステップS1:YES)、横断歩道25の表示位置を決定する(ステップS2)。サーバ制御部11は、横断歩道25の表示位置に基づいて、横断歩道25を表示する道路40を走行する車両60の運転者に視認させる予告情報を生成し、予告表示部24に表示させる(ステップS3)。具体的に、サーバ制御部11は、予告距離に基づいて予告表示部24に表示させる予告情報を生成してよい。サーバ制御部11は、車両60の速度に更に基づいて予告表示部24に表示させる予告情報を生成してもよい。
【0056】
サーバ制御部11は、予告情報の表示後、横断歩道25を横断歩道表示部23に表示させる(ステップS4)。具体的に、サーバ制御部11は、予告情報を表示させてから所定時間経過後に横断歩道25を表示させてもよい。サーバ制御部11は、予告情報を表示させてから車両60の運転者が予告情報を認識した場合に横断歩道25を表示させてもよい。サーバ制御部11は、ステップS4の手順の実行後、図5のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0057】
サーバ制御部11は、横断歩道25を表示するか未確定の場合にも横断歩道25を表示する確率に基づいて予告情報を表示するように、図6に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してもよい。
【0058】
サーバ制御部11は、道路40を横断する可能性がある歩行者80の状態を取得する(ステップS11)。具体的に、サーバ制御部11は、検出装置70又は端末装置72から取得した情報に基づいて、道路40を横断する可能性がある歩行者80の歩行速度又は位置等を歩行者80の状態として検出してよい。サーバ制御部11は、道路40を横断する可能性がある歩行者80の状態に基づいて、歩行者80が道路40を横断する確率を算出する(ステップS12)。歩行者80が道路40を横断する確率は、横断確率とも称される。横断確率は、サーバ制御部11が横断歩道25を表示する確率に対応する。
【0059】
サーバ制御部11は、横断確率が所定値以上であるか判定する(ステップS13)。サーバ制御部11は、横断確率が所定値以上でない場合(ステップS13:NO)、つまり横断確率が所定値未満である場合、横断歩道25を表示することが未確定の場合の予告情報を生成し、予告表示部24に表示させる(ステップS14)。サーバ制御部11は、ステップS14の手順の実行後、ステップS11の手順に戻る。
【0060】
サーバ制御部11は、横断確率が所定値以上である場合(ステップS13:YES)、横断歩道25を表示することを確定する(ステップS15)。サーバ制御部11は、横断歩道25の表示が確定した場合の予告情報を生成し、予告表示部24に表示させる(ステップS16)。サーバ制御部11は、予告情報を表示させた後、横断歩道25を横断歩道表示部23に表示させる(ステップS17)。サーバ制御部11は、ステップS17の手順の実行後、図6のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0061】
サーバ制御部11は、予告情報を道路40の路面に表示するか先行車両62に表示するかを決定するように、図7に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してもよい。
【0062】
サーバ制御部11は、予告情報を表示するか判定する(ステップS21)。サーバ制御部11は、予告情報を表示しない場合(ステップS21:NO)、図7のフローチャートの手順の実行を終了する。サーバ制御部11は、予告情報を表示する場合(ステップ21:YES)、車両60の前方の所定距離内に先行車両62が存在するか判定する(ステップS22)。サーバ制御部11は、先行車両62が存在する場合(ステップS22:YES)、先行車両62の予告表示部24に予告情報を表示させる(ステップS23)。サーバ制御部11は、先行車両62が存在しない場合(ステップS22:NO)、道路40の路面に予告情報を表示させる(ステップS24)。サーバ制御部11は、ステップS23又はS24の実行後、図7のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0063】
サーバ制御部11は、横断歩道25の表示位置の手前に車両60の停止位置を表示するように、図8に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してもよい。
【0064】
サーバ制御部11は、横断歩道25を表示するか判定する(ステップS31)。サーバ制御部11は、横断歩道25を表示しない場合(ステップS31:NO)、図8のフローチャートの手順の実行を終了する。サーバ制御部11は、横断歩道25を表示する場合(ステップS31:YES)、横断歩道25の表示位置の手前で停止する車両60を検出する(ステップS32)。サーバ制御部11は、横断歩道25の表示位置の手前における各車両60の停止位置を決定する(ステップS33)。サーバ制御部11は、各車両60の停止位置を表す情報を横断歩道表示部23に表示させる(ステップS34)。サーバ制御部11は、ステップS34の手順の実行後、図8のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0065】
<小括>
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理システム1は、車両60が走行する道路40に横断歩道25を表示する場合、予告情報を車両60の運転者に視認させるように表示できる。このようにすることで、車両60の運転者から見て横断歩道25が突然表示される事態が避けられ得る。その結果、横断歩道25の表示によって車両60の運転に支障が生じる可能性が低減され得る。
【0066】
(他の実施形態)
情報処理システム1は、上述してきた態様に限られず、他の種々の態様で実現されてよい。以下、他の実施形態が説明される。
【0067】
<予告情報のグラデーション表示>
サーバ制御部11は、予告情報を、道路40の路面又は道路構造物42に、グラデーションを有する帯状の態様で表示してよい。予告情報は、例えば図9に示されるように、ガードレール42aに、横断歩道25の表示位置に近づくほど濃い色になるグラデーションを有する帯状の態様で表示されてよい。サーバ制御部11は、予告距離が短いほど、予告情報を濃い色で表示してよい。具体的に、サーバ制御部11は、横断歩道25の表示位置から遠い位置に表示させる予告情報を薄い色のマークに決定し、横断歩道25の表示位置から近い位置に表示させる予告情報を濃い色のマークに決定してよい。
【0068】
サーバ制御部11は、予告距離に応じて、予告情報の表示色を赤、青又は緑等の原色の濃淡を変化させた色に決定してよい。また、サーバ制御部11は、予告距離に応じて、予告情報の表示色の色彩を変化させてよい。具体的に、サーバ制御部11は、予告距離が長い場合に予告情報の表示色を青色系に決定し、予告距離が短い場合に予告情報の表示色を赤色系の警告色又は黄色系の注意色に決定してよい。
【0069】
以上述べてきたように、横断歩道25の表示位置に近づくほど運転者が気づきやすい態様で予告情報を表示することによって、車両60の運転者は、横断歩道25が表示されることを予測しやすくなる。その結果、横断歩道25の表示による運転への影響が低減され得る。
【0070】
<表示装置20が車両60に搭載される構成例>
表示装置20の少なくとも一部は、車両60に搭載されてよい。例えば、車両60は、横断歩道表示部23又は予告表示部24を備えてよい。予告表示部24は、車両60に搭載される場合、予告情報が道路40の路面及び道路構造物42の少なくとも一方に重畳するように予告情報を虚像として表示してよい。また、横断歩道表示部23は、車両60に搭載される場合、横断歩道25又は停止線26が道路40の路面に重畳するように横断歩道25又は停止線26を虚像として表示してよい。車両60に搭載される横断歩道表示部23又は予告表示部24は、例えばHUD(Head Up Display)として構成されてよい。情報処理システム1は、車両60に搭載される予告表示部24が予告情報を表示して運転者に視認させることで、各車両60の運転者に対して異なる態様で予告情報を表示することができる。各車両60の運転者に対して異なる態様で表示できることによって、各車両60の運転者が視認しやすい態様で予告情報を表示できる。その結果、横断歩道25の表示による運転への影響が低減され得る。
【0071】
<サーバ10と表示装置20との一体化>
以上述べてきたサーバ10が横断歩道25の表示を制御する機能は、表示装置20によって実現されてもよい。つまり、サーバ10と表示装置20とは一体化されてよい。この場合、表示装置20は、サーバ10から情報を取得せずに、端末装置72又は検出装置70から取得した検出結果に基づいて道路40を横断する可能性がある歩行者80を検出し、横断歩道25の表示を制御してよい。また、表示装置20の表示制御部21は、横断歩道25を表示させる情報を横断歩道表示部23に出力する。
【0072】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 情報処理システム
10 サーバ(11:サーバ制御部、12:サーバI/F)
20 表示装置(21:表示制御部、22:表示I/F、23:横断歩道表示部、24:予告表示部)
25 横断歩道
26 停止線
30 ネットワーク
40 道路
42 道路構造物(42a:ガードレール、42b:側壁)
51 路面表示マーク
52 側面表示マーク
60 車両
62 先行車両
70 検出装置
72 端末装置
80 歩行者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9