(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】リレー駆動装置
(51)【国際特許分類】
H01H 47/04 20060101AFI20240723BHJP
H01H 47/00 20060101ALI20240723BHJP
H01H 47/22 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
H01H47/04
H01H47/00 K
H01H47/22 C
(21)【出願番号】P 2021087110
(22)【出願日】2021-05-24
【審査請求日】2023-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【氏名又は名称】北 裕介
(72)【発明者】
【氏名】青木 公甫
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-153556(JP,A)
【文献】特開平10-144195(JP,A)
【文献】特開2011-210385(JP,A)
【文献】国際公開第2008/142824(WO,A1)
【文献】特開2011-216229(JP,A)
【文献】特開2000-090797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 47/04
H01H 47/00
H01H 47/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ(72)と前記スイッチを駆動するコイル(74)とを有するリレー(70)を複数駆動するリレー駆動装置(20)において、
第1電圧(V1)と前記第1電圧よりも低い第2電圧(V2)とを出力する電源(29,30,40)と、制御装置(22)とを有し、
前記スイッチをON及びOFFの一方から他方に切り替えるのに必要な励磁電流(Ib)以上の電流を前記コイルに流し始める期間を、励磁開始期間(Ta)とし、
前記励磁開始期間よりも後の、前記スイッチを切り替えられた状態に保持するのに必要な保持電流(Ic)以上の電流を前記コイルに流し続ける期間を、電流維持期間(Tb,Tc)として、
前記制御装置は、前記励磁開始期間には、前記第1電圧が前記コイルに連続的に印加される第1電圧状態にし、前記電流維持期間における少なくとも所定期間には、前記第1電圧が前記コイルに印加されず前記第2電圧が前記コイルに連続的に印加される第2電圧状態に
し、
前記電流維持期間は、前記励磁電流以上の電流を前記コイルに流し続ける励磁維持期間(Tb)と、前記励磁維持期間よりも後の、前記保持電流以上の電流を前記コイルに流し続ける保持期間(Tc)と、を含み、
前記所定期間は、前記励磁維持期間及び前記保持期間のうちの少なくとも一方の期間を含み、
前記所定期間は、前記保持期間であり、
前記コイルは、所定スイッチ(35,45)と直列に、前記第1電圧を印加する電源(29,30)に電気的に接続されており、
前記制御装置は、前記励磁維持期間には、前記所定スイッチをDUTY制御することにより、前記第1電圧を前記コイルに断続的に印加させ、
複数の前記所定スイッチが前記DUTY制御される期間において、複数の前記所定スイッチは、複数のチャンネル(ch1,ch2,ch3)に分けられ、
前記チャンネルどうしの間で、前記DUTY制御におけるターンONタイミング(tON)どうし又はターンOFFタイミング(tOFF)どうしが、前記DUTY制御の波形における一周期(λ)を前記チャンネルの数(N)で除した値(λ/N)ずつずれている、リレー駆動装置。
【請求項2】
スイッチ(72)と前記スイッチを駆動するコイル(74)とを有するリレー(70)を複数駆動するリレー駆動装置(20)において、
第1電圧(V1)と前記第1電圧よりも低い第2電圧(V2)とを出力する電源(29,30,40)と、制御装置(22)とを有し、
前記スイッチをON及びOFFの一方から他方に切り替えるのに必要な励磁電流(Ib)以上の電流を前記コイルに流し始める期間を、励磁開始期間(Ta)とし、
前記励磁開始期間よりも後の、前記スイッチを切り替えられた状態に保持するのに必要な保持電流(Ic)以上の電流を前記コイルに流し続ける期間を、電流維持期間(Tb,Tc)として、
前記制御装置は、前記励磁開始期間には、前記第1電圧が前記コイルに連続的に印加される第1電圧状態にし、前記電流維持期間における少なくとも所定期間には、前記第1電圧が前記コイルに印加されず前記第2電圧が前記コイルに連続的に印加される第2電圧状態にし、
前記電流維持期間は、前記励磁電流以上の電流を前記コイルに流し続ける励磁維持期間(Tb)と、前記励磁維持期間よりも後の、前記保持電流以上の電流を前記コイルに流し続ける保持期間(Tc)と、を含み、
前記所定期間は、前記励磁維持期間及び前記保持期間のうちの少なくとも一方の期間を含み、
前記所定期間は、前記励磁維持期間であり、
前記コイルは、所定スイッチ(35,45)と直列に、前記電源に電気的に接続されており、
前記制御装置は、前記保持期間には、前記所定スイッチをDUTY制御することにより、所定電圧(V1,V2)を前記コイルに断続的に印加さ
せ、
複数の前記所定スイッチが前記DUTY制御される期間において、複数の前記所定スイッチは、複数のチャンネル(ch1,ch2,ch3)に分けられ、
前記チャンネルどうしの間で、前記DUTY制御におけるターンONタイミング(tON)どうし又はターンOFFタイミング(tOFF)どうしが、前記DUTY制御の波形における一周期(λ)を前記チャンネルの数(N)で除した値(λ/N)ずつずれている、リレー駆動装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記所定スイッチをONに維持した状態から、前記DUTY制御を実施する状態に移行させる際に、所望のDUTY比よりも高いDUTY比から、DUTY比を徐々に小さくすることにより前記所望のDUTY比にする、請求項
1又は2に記載のリレー駆動装置。
【請求項4】
スイッチ(72)と前記スイッチを駆動するコイル(74)とを有するリレー(70)を複数駆動するリレー駆動装置(20)において、
第1電圧(V1)と前記第1電圧よりも低い第2電圧(V2)とを出力する電源(29,30,40)と、制御装置(22)とを有し、
前記スイッチをON及びOFFの一方から他方に切り替えるのに必要な励磁電流(Ib)以上の電流を前記コイルに流し始める期間を、励磁開始期間(Ta)とし、
前記励磁開始期間よりも後の、前記スイッチを切り替えられた状態に保持するのに必要な保持電流(Ic)以上の電流を前記コイルに流し続ける期間を、電流維持期間(Tb,Tc)として、
前記制御装置は、前記励磁開始期間には、前記第1電圧が前記コイルに連続的に印加される第1電圧状態にし、前記電流維持期間における少なくとも所定期間には、前記第1電圧が前記コイルに印加されず前記第2電圧が前記コイルに連続的に印加される第2電圧状態にし、
前記電流維持期間は、前記励磁電流以上の電流を前記コイルに流し続ける励磁維持期間(Tb)と、前記励磁維持期間よりも後の、前記保持電流以上の電流を前記コイルに流し続ける保持期間(Tc)と、を含み、
前記所定期間は、前記励磁維持期間及び前記保持期間のうちの少なくとも一方の期間を含み、
前記所定期間は、前記保持期間であり、
前記コイルは、所定スイッチ(35,45)と直列に、前記第1電圧を印加する電源(29,30)に電気的に接続されており、
前記制御装置は、前記励磁維持期間には、前記所定スイッチをDUTY制御することにより、前記第1電圧を前記コイルに断続的に印加させ、
前記制御装置は、前記所定スイッチをONに維持した状態から、前記DUTY制御を実施する状態に移行させる際に、所望のDUTY比よりも高いDUTY比から、DUTY比を徐々に小さくすることにより前記所望のDUTY比にする、リレー駆動装置。
【請求項5】
スイッチ(72)と前記スイッチを駆動するコイル(74)とを有するリレー(70)を複数駆動するリレー駆動装置(20)において、
第1電圧(V1)と前記第1電圧よりも低い第2電圧(V2)とを出力する電源(29,30,40)と、制御装置(22)とを有し、
前記スイッチをON及びOFFの一方から他方に切り替えるのに必要な励磁電流(Ib)以上の電流を前記コイルに流し始める期間を、励磁開始期間(Ta)とし、
前記励磁開始期間よりも後の、前記スイッチを切り替えられた状態に保持するのに必要な保持電流(Ic)以上の電流を前記コイルに流し続ける期間を、電流維持期間(Tb,Tc)として、
前記制御装置は、前記励磁開始期間には、前記第1電圧が前記コイルに連続的に印加される第1電圧状態にし、前記電流維持期間における少なくとも所定期間には、前記第1電圧が前記コイルに印加されず前記第2電圧が前記コイルに連続的に印加される第2電圧状態にし、
前記電流維持期間は、前記励磁電流以上の電流を前記コイルに流し続ける励磁維持期間(Tb)と、前記励磁維持期間よりも後の、前記保持電流以上の電流を前記コイルに流し続ける保持期間(Tc)と、を含み、
前記所定期間は、前記励磁維持期間及び前記保持期間のうちの少なくとも一方の期間を含み、
前記所定期間は、前記励磁維持期間であり、
前記コイルは、所定スイッチ(35,45)と直列に、前記電源に電気的に接続されており、
前記制御装置は、前記保持期間には、前記所定スイッチをDUTY制御することにより、所定電圧(V1,V2)を前記コイルに断続的に印加させ、
前記制御装置は、前記所定スイッチをONに維持した状態から、前記DUTY制御を実施する状態に移行させる際に、所望のDUTY比よりも高いDUTY比から、DUTY比を徐々に小さくすることにより前記所望のDUTY比にする、リレー駆動装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記DUTY制御を実施する状態から、前記DUTY制御を実施しない状態に移行させる際に、前記所定スイッチが前記DUTY制御においてOFFのタイミングで、前記DUTY制御を実施する状態から実施しない状態に移行させる、請求項
1~5のいずれか1項に記載のリレー駆動装置。
【請求項7】
スイッチ(72)と前記スイッチを駆動するコイル(74)とを有するリレー(70)を複数駆動するリレー駆動装置(20)において、
第1電圧(V1)と前記第1電圧よりも低い第2電圧(V2)とを出力する電源(29,30,40)と、制御装置(22)とを有し、
前記スイッチをON及びOFFの一方から他方に切り替えるのに必要な励磁電流(Ib)以上の電流を前記コイルに流し始める期間を、励磁開始期間(Ta)とし、
前記励磁開始期間よりも後の、前記スイッチを切り替えられた状態に保持するのに必要な保持電流(Ic)以上の電流を前記コイルに流し続ける期間を、電流維持期間(Tb,Tc)として、
前記制御装置は、前記励磁開始期間には、前記第1電圧が前記コイルに連続的に印加される第1電圧状態にし、前記電流維持期間における少なくとも所定期間には、前記第1電圧が前記コイルに印加されず前記第2電圧が前記コイルに連続的に印加される第2電圧状態にし、
前記電流維持期間は、前記励磁電流以上の電流を前記コイルに流し続ける励磁維持期間(Tb)と、前記励磁維持期間よりも後の、前記保持電流以上の電流を前記コイルに流し続ける保持期間(Tc)と、を含み、
前記所定期間は、前記励磁維持期間及び前記保持期間のうちの少なくとも一方の期間を含み、
前記所定期間は、前記保持期間であり、
前記コイルは、所定スイッチ(35,45)と直列に、前記第1電圧を印加する電源(29,30)に電気的に接続されており、
前記制御装置は、前記励磁維持期間には、前記所定スイッチをDUTY制御することにより、前記第1電圧を前記コイルに断続的に印加させ、
前記制御装置は、前記DUTY制御を実施する状態から、前記DUTY制御を実施しない状態に移行させる際に、前記所定スイッチが前記DUTY制御においてOFFのタイミングで、前記DUTY制御を実施する状態から実施しない状態に移行させる、リレー駆動装置。
【請求項8】
スイッチ(72)と前記スイッチを駆動するコイル(74)とを有するリレー(70)を複数駆動するリレー駆動装置(20)において、
第1電圧(V1)と前記第1電圧よりも低い第2電圧(V2)とを出力する電源(29,30,40)と、制御装置(22)とを有し、
前記スイッチをON及びOFFの一方から他方に切り替えるのに必要な励磁電流(Ib)以上の電流を前記コイルに流し始める期間を、励磁開始期間(Ta)とし、
前記励磁開始期間よりも後の、前記スイッチを切り替えられた状態に保持するのに必要な保持電流(Ic)以上の電流を前記コイルに流し続ける期間を、電流維持期間(Tb,Tc)として、
前記制御装置は、前記励磁開始期間には、前記第1電圧が前記コイルに連続的に印加される第1電圧状態にし、前記電流維持期間における少なくとも所定期間には、前記第1電圧が前記コイルに印加されず前記第2電圧が前記コイルに連続的に印加される第2電圧状態にし、
前記電流維持期間は、前記励磁電流以上の電流を前記コイルに流し続ける励磁維持期間(Tb)と、前記励磁維持期間よりも後の、前記保持電流以上の電流を前記コイルに流し続ける保持期間(Tc)と、を含み、
前記所定期間は、前記励磁維持期間及び前記保持期間のうちの少なくとも一方の期間を含み、
前記所定期間は、前記励磁維持期間であり、
前記コイルは、所定スイッチ(35,45)と直列に、前記電源に電気的に接続されており、
前記制御装置は、前記保持期間には、前記所定スイッチをDUTY制御することにより、所定電圧(V1,V2)を前記コイルに断続的に印加させ、
前記制御装置は、前記DUTY制御を実施する状態から、前記DUTY制御を実施しない状態に移行させる際に、前記所定スイッチが前記DUTY制御においてOFFのタイミングで、前記DUTY制御を実施する状態から実施しない状態に移行させる、リレー駆動装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記DUTY制御を実施する状態において、前記リレーの温度が所定温度よりも高い場合に比べて前記所定温度よりも低い場合の方が、当該リレーに対応する前記所定スイッチのDUTY比を小さくする、請求項
1~8のいずれか1項に記載のリレー駆動装置。
【請求項10】
スイッチ(72)と前記スイッチを駆動するコイル(74)とを有するリレー(70)を複数駆動するリレー駆動装置(20)において、
第1電圧(V1)と前記第1電圧よりも低い第2電圧(V2)とを出力する電源(29,30,40)と、制御装置(22)とを有し、
前記スイッチをON及びOFFの一方から他方に切り替えるのに必要な励磁電流(Ib)以上の電流を前記コイルに流し始める期間を、励磁開始期間(Ta)とし、
前記励磁開始期間よりも後の、前記スイッチを切り替えられた状態に保持するのに必要な保持電流(Ic)以上の電流を前記コイルに流し続ける期間を、電流維持期間(Tb,Tc)として、
前記制御装置は、前記励磁開始期間には、前記第1電圧が前記コイルに連続的に印加される第1電圧状態にし、前記電流維持期間における少なくとも所定期間には、前記第1電圧が前記コイルに印加されず前記第2電圧が前記コイルに連続的に印加される第2電圧状態にし、
前記電流維持期間は、前記励磁電流以上の電流を前記コイルに流し続ける励磁維持期間(Tb)と、前記励磁維持期間よりも後の、前記保持電流以上の電流を前記コイルに流し続ける保持期間(Tc)と、を含み、
前記所定期間は、前記励磁維持期間及び前記保持期間のうちの少なくとも一方の期間を含み、
前記所定期間は、前記保持期間であり、
前記コイルは、所定スイッチ(35,45)と直列に、前記第1電圧を印加する電源(29,30)に電気的に接続されており、
前記制御装置は、前記励磁維持期間には、前記所定スイッチをDUTY制御することにより、前記第1電圧を前記コイルに断続的に印加させ、
前記制御装置は、前記DUTY制御を実施する状態において、前記リレーの温度が所定温度よりも高い場合に比べて前記所定温度よりも低い場合の方が、当該リレーに対応する前記所定スイッチのDUTY比を小さくする、リレー駆動装置。
【請求項11】
スイッチ(72)と前記スイッチを駆動するコイル(74)とを有するリレー(70)を複数駆動するリレー駆動装置(20)において、
第1電圧(V1)と前記第1電圧よりも低い第2電圧(V2)とを出力する電源(29,30,40)と、制御装置(22)とを有し、
前記スイッチをON及びOFFの一方から他方に切り替えるのに必要な励磁電流(Ib)以上の電流を前記コイルに流し始める期間を、励磁開始期間(Ta)とし、
前記励磁開始期間よりも後の、前記スイッチを切り替えられた状態に保持するのに必要な保持電流(Ic)以上の電流を前記コイルに流し続ける期間を、電流維持期間(Tb,Tc)として、
前記制御装置は、前記励磁開始期間には、前記第1電圧が前記コイルに連続的に印加される第1電圧状態にし、前記電流維持期間における少なくとも所定期間には、前記第1電圧が前記コイルに印加されず前記第2電圧が前記コイルに連続的に印加される第2電圧状態にし、
前記電流維持期間は、前記励磁電流以上の電流を前記コイルに流し続ける励磁維持期間(Tb)と、前記励磁維持期間よりも後の、前記保持電流以上の電流を前記コイルに流し続ける保持期間(Tc)と、を含み、
前記所定期間は、前記励磁維持期間及び前記保持期間のうちの少なくとも一方の期間を含み、
前記所定期間は、前記励磁維持期間であり、
前記コイルは、所定スイッチ(35,45)と直列に、前記電源に電気的に接続されており、
前記制御装置は、前記保持期間には、前記所定スイッチをDUTY制御することにより、所定電圧(V1,V2)を前記コイルに断続的に印加させ、
前記制御装置は、前記DUTY制御を実施する状態において、前記リレーの温度が所定温度よりも高い場合に比べて前記所定温度よりも低い場合の方が、当該リレーに対応する前記所定スイッチのDUTY比を小さくする、リレー駆動装置。
【請求項12】
前記電源は、前記第1電圧を出力する第1電源(30)と、前記第2電圧を出力する第2電源(40)とを有し、
前記コイルは、第1スイッチ(35)と直列に前記第1電源に電気的に接続されると共に、前記第2電源に電気的に接続されており、
前記制御装置は、前記第1スイッチをONに維持することにより前記第1電圧状態にし、前記第1スイッチをOFFに維持することにより前記第2電圧状態にする、
請求項
1~11のいずれか1項に記載のリレー駆動装置。
【請求項13】
前記電源は、出力電圧を前記第1電圧と前記第2電圧とに変更自在な可変電圧電源(29)であり、
前記制御装置は、前記出力電圧を前記第1電圧に制御することにより前記第1電圧状態にし、前記出力電圧を前記第2電圧に制御することにより前記第2電圧状態にする、
請求項
1~11のいずれか1項に記載のリレー駆動装置。
【請求項14】
複数の前記リレーは、電動車両(91)に搭載されているバッテリ(60)と、前記バッテリの電力を交流電力に変換して前記電動車両の走行用の回転電機(83)に供給するインバータ(82)と、の電気的接続のON,OFFを切り替えるリレー(70d~70f)を含む、請求項1~
13のいずれか1項に記載のリレー駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチとコイルとを有するリレーを駆動するリレー駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リレー駆動装置の中には、駆動スイッチを介して電源とリレーのコイルとを電気的に接続しているものがある。そして、励磁開始期間には、駆動スイッチをONに維持することにより、リレーのスイッチをOFFからONに切り替えるのに必要な励磁電流以上の電流をコイルに素早く流し始める。その後の電流維持期間には、駆動スイッチをDUTY制御することにより、電源電圧を断続的にコイルに印加して、リレーのスイッチをONに保持するのに必要な保持電流以上の電流をコイルに流し続ける。そして、このような技術を示す文献としては、次の特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の手法によれば、励磁開始期間には、駆動スイッチをONに維持して電源電圧をコイルに連続的に印加することにより、励磁電流以上の電流をコイルに素早く流し始めることができる。そして、電流維持期間には、DUTY制御を行うことにより、所望の大きさの電流をコイルに流し続けることができる。そのため、電流維持期間にまで、電源電圧をコイルに連続的に印加する場合に比べて、コイルに流れる電流を抑えて、リレー駆動装置の消費電力を抑えることができる。
【0005】
しかしながら、上記の手法では、電流維持期間には、DUTY制御により、電源電圧がコイルに断続的に印加される。その断続的な印加により、リレー駆動装置の回路にリップル電流が発生してしまう。そのリップル電流が、当該リップル電流により発生する磁力を介して周辺回路に伝播することにより、周辺回路にノイズが発生してしまう。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、リレー駆動装置の消費電力を抑えつつも、リップル電流の発生を抑えることを、主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のリレー駆動装置は、スイッチと、前記スイッチを駆動するコイルとを有するリレーを複数駆動する。前記リレー駆動装置は、第1電圧と前記第1電圧よりも低い第2電圧とを出力する電源と、制御装置とを有する。
【0008】
以下では、前記スイッチをON及びOFFの一方から他方に切り替えるのに必要な「励磁電流」以上の電流を前記コイルに流し始める期間を、「励磁開始期間」という。そして、前記励磁開始期間よりも後の、前記スイッチを切り替えられた状態に保持するのに必要な「保持電流」以上の電流を前記コイルに流し続ける期間を、「電流維持期間」という。
【0009】
前記制御装置は、前記励磁開始期間には、前記第1電圧が前記コイルに連続的に印加される第1電圧状態にする。他方、前記電流維持期間における少なくとも所定期間には、前記第1電圧が前記コイルに印加されず前記第2電圧が前記コイルに連続的に印加される第2電圧状態にする。
【0010】
本発明によれば、励磁開始期間には、第1電圧がコイルに印加され、所定期間には、第1電圧よりも低い第2電圧がコイルに印加される。そのため、所定期間にまで第1電圧がコイルに印加される場合に比べて、所定期間におけるリレー駆動装置の消費電力が抑えられる。
【0011】
しかも、励磁開始期間に第1電圧がコイルに連続的に印加されるのみならず、所定期間にも第2電圧がコイルに連続的に印加される。つまり、励磁開始期間のみならず所定期間にも、電圧がコイルに連続的に印加される。そのため、所定期間に電圧がコイルに断続的に印加されることによりリレー駆動装置の消費電量が抑えられる場合に比べて、リップル電流の発生を抑えることができる。
【0012】
以上、本発明によれば、リレー駆動装置の消費電力を抑えつつも、リップル電流の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態のリレー駆動装置及びその周辺を示す回路図
【
図3】コイルに印加する電圧及び流れる電流の推移を示すグラフ
【
図4】DUTY制御状態への切替時の第2スイッチのON/OFFを示すグラフ
【
図5】ターンONタイミングを2チャンネル間でずらした場合を示すグラフ
【
図6】ターンOFFタイミングを2チャンネル間でずらした場合を示すグラフ
【
図7】ターンOFFタイミングを3チャンネル間でずらした場合を示すグラフ
【
図8】第2実施形態におけるコイルの電圧及び電流の推移を示すグラフ
【
図9】第3実施形態におけるコイルの電圧及び電流の推移を示すグラフ
【
図10】第4実施形態のリレー駆動装置を示す回路図
【
図12】第5実施形態のリレー駆動装置を示す回路図
【
図13】第6実施形態のリレー駆動装置を示す回路図
【
図14】第7実施形態のリレー駆動装置を示す回路図
【
図15】第8実施形態における温度、DUTY比及び電流の推移を示すグラフ
【
図16】周波数の違いによる電流の違いを示すグラフ
【
図17】波高値の違いによる電流の違いを示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施できる。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態のリレー駆動装置20及びその周辺を示す回路図である。電動車両91には、バッテリ60と複数のリレー70とリレー駆動装置20とインバータ82と回転電機83とが搭載されている。以下では、「電気的に接続」されることを、単に「接続」されるという。
【0016】
各リレー70は、スイッチ72とコイル74とを有する。スイッチ72は、外力が加わっていない状態ではOFFとなるノーマリOFF(常開式)の機械式スイッチである。コイル74は、鉄心等に巻回されている。スイッチ72は、電流がコイル74に流れると、それにより発生する磁力によりコイル74に引き寄せられることによりONになり、電流がコイル74になくなると、OFFになる。
【0017】
以下では、「リレー70のスイッチ72がON」になることを、単に「リレー70がON」になるといい、「リレー70のスイッチ72がOFF」になることを、単に「リレー70がOFF」になるという。そして、「リレー70のスイッチ72を介して接続」されることを、単に「リレー70を介して接続」されるという。
【0018】
リレー駆動装置20は、各リレー70を駆動するリレー駆動回路28と、そのリレー駆動回路28を制御する制御装置22とを有する。
【0019】
バッテリ60は、第1組電池61と第2組電池62からなる。各組電池61,62は、それぞれ例えばリチウムイオン電池等のセル電池Bcの直列接続体を有する。複数の各リレー70としては、第1組電池61と第2組電池62との接続を直列接続と並列接続に切り替えるための第1~第3リレー70a~70cがある。
【0020】
第1組電池61の正極端子は、正極配線Lpに接続されており、第2組電池62の負極端子は、負極配線Lnに接続されている。第1組電池61の負極端子は、第3リレー70cを介して第2組電池62の正極端子に接続されている。さらに、第1組電池61の負極端子は、第2リレー70bを介して負極配線Lnに接続されており、第2組電池62の正極端子は、第1リレー70aを介して正極配線Lpに接続されている。
【0021】
以上の回路構成より、第3リレー70cがONになり、且つ第1リレー70a及び第2リレー70bがOFFになると、第1組電池61と第2組電池62とが直列に接続される。他方、第3リレー70cがOFFになり、且つ第1リレー70a及び第2リレー70bがONになると、第1組電池61と第2組電池62とが並列に接続される。
【0022】
具体的には、リレー駆動装置20は、バッテリ60を充電する充電時には、第3リレー70cをOFFにし、且つ第1リレー70a及び第2リレー70bをONにすることにより、第1組電池61と第2組電池62とを並列に接続する。その状態で、正極配線Lpに外部電源99の正極端子が接続され、負極配線Lnに外部電源99の負極端子が接続される。そのため、第1組電池61と第2組電池62とを直列に接続した際のバッテリ60の電圧よりも小さい電圧で、バッテリ60を充電できる。
【0023】
以上に示した第1~第3リレー70a~70c以外の各リレー70としては、バッテリ60とインバータ82との接続のON,OFFを切り替えるための第4~第6リレー70d~70fがある。
【0024】
正極配線Lpは、第4リレー70d及び抵抗75を直列に介して平滑コンデンサ81の正極側端子とインバータ82の正極側端子とに接続されている。さらに、正極配線Lpは、それら第4リレー70d及び抵抗75と並列に第5リレー70eを介して、平滑コンデンサ81の正極側端子及びインバータ82の正極側端子に接続されている。そして、負極配線Lnは、第6リレー70fを介して平滑コンデンサ81の負極側端子及びインバータ82の負極側端子に接続されている。
【0025】
リレー駆動装置20は、電動車両91の主電源スイッチがOFFからONに切り替えられた時には、第3リレー70cをONにして第1組電池61と第2組電池62とを直列に接続すると共に、第4リレー70dと第6リレー70fとをONにする。それにより、バッテリ60から抵抗75を介して平滑コンデンサ81に電流が流れ込む。それにより平滑コンデンサ81が充電されると、リレー駆動装置20は、第4リレー70dをOFFにすると共に、第5リレー70eをONにする。これにより、バッテリ60とインバータ82とが抵抗75を介さずに直接接続される。
【0026】
回転電機83は、電動車両91の走行用の回転電機である。インバータ82は、力行時には、バッテリ60から給電される直流電力を3相交流電力に変換して回転電機83に供給する。その3相交流電力により回転電機83が駆動されて、回転電機83が電動車両91の駆動輪等を駆動する。他方、回生時には、インバータ82は、回転電機83から供給される3相交流電力を直流電力に変換して、バッテリ60に供給する。これらインバータ82及び回転電機83については、公知のものでよいため、その詳細な説明は省略する。
【0027】
図2は、リレー駆動装置20を示す回路図である。リレー駆動回路28は、第1電源30と、複数の第1スイッチ35と、第2電源40と、複数の電源用ダイオード41と、複数の還流ダイオード44と、複数の第2スイッチ45とをを有する。第1スイッチ35と電源用ダイオード41と還流ダイオード44と第2スイッチ45とは、リレー70毎に設けられている。
【0028】
第1電源30及び第2電源40は、いずれも定電圧源であり、第1電源30の電圧よりも第2電源40の電圧の方が低い。各第1スイッチ35及び各第2スイッチ45は、いずれも、MOSFETやバイポータトランジスタやIGBT等の半導体スイッチ(図ではMOSFET)である。各第1スイッチ35及び各第2スイッチ45は、正極端子(図ではドレイン)と負極端子(図ではソース端子)と制御端子(図ではゲート端子)を有する。
【0029】
第1電源30の負極端子は、グランドに接続されており、第1電源30の正極端子は、各第1スイッチ35の正極端子に接続されている。第2電源40の負極端子は、グランドに接続されており、第2電源40の正極端子は、各電源用ダイオード41のアノードに接続されている。
【0030】
各コイル74の正極端子は、自身に対応する第1スイッチ35の負極端子と、自身に対応する電源用ダイオード41のカソードとに接続されている。各還流ダイオード44は、自身に対応するコイル74に逆並列に接続されている。各コイル74の負極端子は、自身に対応する第2スイッチ45の正極端子に接続されている。各第2スイッチ45の負極端子はグランドに接続されている。
【0031】
以上の回路構成により、各コイル74は、自身に対応する第1スイッチ35及び第2スイッチ45と直列に第1電源30に接続されると共に、自身に対応する第2スイッチ45と直列に第2電源40に接続されている。
【0032】
そのため、各コイル74は、自身に対応する第2スイッチ45がOFFに維持されると、第1電圧V1も第2電圧V2も印加されない「OFF状態」となる。そして、自身に対応する第1スイッチ35及び第2スイッチ45がONに維持されると、第1電圧V1が連続的に印加される「第1電圧状態」になる。
【0033】
そして、各コイル74は、自身に対応する第1スイッチ35がONに維持され且つ自身に対応する第2スイッチ45がDUTY制御されると、第1電圧V1が断続的に印加される「第1DUTY制御状態」となる。そして、自身に対応する第1スイッチ35がOFFに維持され且つ自身に対応する第2スイッチ45がONに維持されると、第2電圧V2が連続的に印加される「第2電圧状態」となる。
【0034】
各第1スイッチ35の制御端子と各第2スイッチ45の制御端子とには、制御装置22が接続されている。これにより、各第1スイッチ35及び各第2スイッチ45のON,OFFは、制御装置22により制御可能に構成されている。具体的には、制御装置22は、第1及び第2の各スイッチについて、当該スイッチをONに維持する際には、その制御端子に直流信号を入力する。他方、DUTY制御する際には、その制御端子に交流状のDUTY制御信号を入力する。そして、当該スイッチをOFFに維持する際には、その制御端子に電気信号を入力しない。
【0035】
図3は、一のリレー70をターンONしてから、その後ターンOFFするまでの制御を示すタイムチャートである。スイッチ72をOFFからONに切り替えるのに必要な電流を「励磁電流Ib」という。そして、当該ONに切り替えた後において、当該ONに保持するのに必要な電流を「保持電流Ic」という。また、以下では、所定の4つのタイミングを、時系列順に、それぞれ「第1タイミングt1」「第2タイミングt2」「第3タイミングt3」「第4タイミングt4」という。
【0036】
そして、第1タイミングt1よりも前の期間を、当該一のリレー70をOFFにする「OFF期間To」とする。そして、第1タイミングt1と第2タイミングt2との間の期間を、コイル74に励磁電流Ib以上の電流を流し始める「励磁開始期間Ta」とする。、そして、第2タイミングt2と第3タイミングt3との間の期間を、コイル74に励磁電流Ib以上の電流を流し続ける「励磁維持期間Tb」とする。そして、第3タイミングt3と第4タイミングt4との間の期間を、コイル74に保持電流Ic以上の電流を流し続ける「保持期間Tc」とする。そして、第4タイミングt4よりも後の期間を、当該一のリレー70を再びOFFにする「OFF期間To」とする。
【0037】
また以下では、第1及び第2の各スイッチ35,45について、DUTY制御せずにONに維持することを「ON維持」といい、DUTY制御せずにOFFに維持することを「OFF維持」という。
【0038】
第1タイミングt1よりも前のOFF期間Toには、当該一のリレー70に対応する第1スイッチ35及び第2スイッチ45のいずれも、OFF維持にする。そのため、電流がコイル74に流れず、OFF状態になる。
【0039】
その後の第1タイミングt1に、第1スイッチ35及び第2スイッチ45の双方をOFF維持からON維持に切り替える。これにより、それ以降の励磁開始期間Taには、第1電圧状態になり、コイル74に励磁電流Ib以上の電流が流れ始める。
【0040】
その後の第2タイミングt2に、第1スイッチ35のON維持を継続したまま、第2スイッチ45をON維持からDUTY制御に切り替える。これにより、それ以降の励磁維持期間Tbには、第1DUTY制御状態なり、励磁電流Ibを若干上回った大きさの電流がコイル74に流れ続ける。この間に、スイッチ72が、コイル74の磁力により引き寄せられて、ONになる。
【0041】
その後の第3タイミングt3に、第1スイッチ35をON維持からOFF維持に切り替えると共に、第2スイッチ45をDUTY制御からON維持に切り替える。これにより、それ以降の保持期間Tcには第2電圧状態になり、保持電流Icを若干上回った大きさの電流がコイル74に流れ続ける。これにより、リレー70が、コイル74の磁力により引き寄せられ続けて、リレー70がONに保持される。
【0042】
その後の第4タイミングt4に、第1スイッチ35のOFF維持を継続したまま、第2スイッチ45をON維持からOFF維持に切り替える。これにより、その後のOFF期間Toには再びOFF状態になり、電流がコイル74に流れなくなる。これにより、スイッチ72がコイル74に引き寄せられなくなり、スイッチ72がONからOFFに切り替わる。
【0043】
図4は、第2タイミングt2の前後の詳細を示すタイムチャートである。第2タイミングt2で、第1電圧状態から急に第1DUTY制御状態に切り替えると、コイル74に流れる電流が急激に減少してしまい、それによりスパイクノイズが強く発生するおそれがある。そこで、第2タイミングt2の直後、すなわち励磁維持期間Tbの初期には、所望のDUTY比よりも高いDUTY比でDUTY制御を開始して、徐々にDUTY比を低くしていくことにより、当該所望のDUTY比にする。具体的には、例えば、図に示すように、DUTY制御における第2スイッチ45のON期間Donを、徐々に短くしていくことにより、当該所望のDUTY比にする。
【0044】
また、前述の
図3に示す第3タイミングt3では、第2スイッチ45がDUTY制御においてONのときに、DUTY制御を実施しない第2電圧状態に変更すると、スパイクノイズが強く発生するおそれがある。そこで、第3タイミングt3では、第2スイッチ45がDUTY状態においてOFFのときに、第1DUTY制御状態から第2電圧状態に切り替える。
【0045】
次に
図5~
図7を参照しつつ、複数の第2スイッチ45を、同時期にDUTY制御にする場合について説明する。この場合には、当該同時期にDUTY制御する第2スイッチ45を複数のチャンネルに分ける。以下では、DUTY制御における、ターンONタイミングから次のターンONタイミングまでの期間、又はターンOFFタイミングから次のターンOFFタイミングまでの期間を「一周期λ」という。
【0046】
いずれのチャンネルでも、一周期λの長さは互いに同じにする。ただし、DUTY制御の波形自体は、チャンネルどうしの間やチャンネル内で異なっていてもよい。そして、チャンネルどうしの間で、ターンONタイミングどうし又はターンOFFタイミングどうしを、一周期λをチャンネル数Nで除した値(λ/N)ずつずらす。
【0047】
具体的には、
図5は、複数の第2スイッチ45を第1チャンネルch1と第2チャンネルch2とに分け、第1チャンネルch1でのターンONタイミングtONと、第2チャンネルch2でのターンONタイミングtONとを、一周期λの半分(λ/2)ずらした場合を示すタイムチャートである。この場合、チャンネルどうしの間でターンONタイミングどうしが揃っている場合に比べて、チャンネルどうしの間でのリップル電流の増幅を、抑えることができる。
【0048】
また、
図6は、
図5に示す状態から、ターンONタイミングtONどうしではなく、ターンOFFタイミングtOFFどうしを、一周期λの半分(λ/2)ずらすように変更した場合を示すタイムチャートである。つまり、第1チャンネルch1でのターンOFFタイミングtOFFと、第2チャンネルch2でのターンOFFタイミングtOFFとを、一周期λの半分(λ/2)ずらしている。これによっても、チャンネルどうしの間でのリップル電流の増幅を抑えることができる。
【0049】
なお、
図5に示すようにターンONタイミングtONどうしをずらすか、
図6に示すようにターンOFFタイミングtOFFどうしをずらすかは、より効率的にリップル電流の増幅を抑えられる方を選択すればよい。ただし、一般的には、ターンOFFタイミングtOFFどうしをずらす方が、より効率的にリップル電流を低減できる。
【0050】
また、
図7は、
図6に示す状態から、複数の第2スイッチ45を2チャンネルにではなく、3チャンネルに分けるように変更した場合を示すタイムチャートである。この場合、第1チャンネルch1でのターンOFFタイミングtOFFと、第2チャンネルch2でのターンOFFタイミングtOFFとを、一周期λの3分の1(λ/3)ずらす。そして、第2チャンネルch2でのターンOFFタイミングtOFFと、第3チャンネルch3でのターンOFFタイミングtOFFとを、一周期λの3分の1(λ/3)ずらす。そして、第3チャンネルch3でのターンOFFタイミングtOFFと、第1チャンネルch1でのターンOFFタイミングtOFFとを、一周期λの3分の1(λ/3)ずらす。
【0051】
本発明によれば、次の効果が得られる。
【0052】
励磁開始期間Taには、第1電圧V1が印加され、保持期間Tcには、第1電圧V1よりも低い第2電圧V2が印加される。そのため、保持期間Tcにまで第1電圧V1が印加される場合に比べて、保持期間Tcにおけるリレー駆動装置20の消費電力が抑えられる。
【0053】
しかも、励磁開始期間Taに第1電圧V1がコイル74に連続的に印加されるのみならず、保持期間Tcにも第2電圧V2がコイル74に連続的に印加される。つまり、励磁開始期間Taのみならず保持期間Tcにも、電圧がコイル74に連続的に印加される。そのため、保持期間Tcに電圧がコイル74に断続的に印加されることによりリレー駆動装置20の消費電量が抑えられる場合に比べて、リップル電流の発生を抑えることができる。
【0054】
そのため、そのリップル電流が、当該リップル電流により発生する磁力を介して周辺回路に伝播することにより、周辺回路にノイズが発生してしまうのを、抑制できる。そのため、周辺回路のノイズフィルタ等を、無くしたり小型にしたりすることができる。
【0055】
さらに、リレー駆動回路28は、第1電源30と第2電源40とを有する。そして、制御装置22は、第1スイッチ35をONに維持することにより、第1電圧状態にし、第1スイッチ35をOFFに維持することにより、第2電圧状態にする。そのため、可変電圧電源等を用いなくても、第1電源30と第2電源40との2つの定電圧源で、第1電圧状態と第2電圧状態とを実現できる。
【0056】
さらに、制御装置22は、励磁維持期間Tbには、第2スイッチ45をDUTY制御して第1DUTY制御状態にすることにより、第1電圧V1を断続的にコイル74に印加する。そのため、励磁維持期間Tbにまで第1電圧状態にする場合に比べて、リレー駆動装置20の消費電力を抑えることができる。
【0057】
さらに、複数の第2スイッチ45が同時期にDUTY制御される際には、それら複数の第2スイッチ45を、複数のチャンネルに分ける。そして、チャンネルどうしの間で、ターンONタイミングどうし又はターンOFFタイミングどうしを、一周期λをチャンネル数Nで除した値(λ/N)ずつずらす。そのため、チャンネルどうしの間でのリップル電流の増幅を抑えることができる。
【0058】
さらに、制御装置22は、第1電圧状態から第1DUTY制御状態に移行させる際に、所望のDUTY比よりも高いDUTY比から、DUTY比を徐々に小さくすることにより所望のDUTY比にする。そのため、急に所望のDUTY比にする場合に比べて、スパイクノイズを抑制できる。
【0059】
さらに、制御装置22は、第1DUTY制御状態から第2電圧状態に移行させる際に、第2スイッチ45がDUTY制御においてOFFのタイミングで、第1DUTY制御状態から第2電圧状態に移行させる。そのため、第2スイッチ45がDUTY制御においてONのタイミングで、第1DUTY制御状態から第2電圧状態に移行させる場合に比べて、スパイクノイズを抑制できる。
【0060】
さらに、リレー70毎に第1スイッチ35及び第2スイッチ45が設けられている。そのため、リレー70毎に自由にON,OFFを切り替えることができる。
【0061】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。以下の実施形態においては、それ以前の実施形態のものと同一の又は対応する部材等について同一の符号を付する。また、以下の実施形態については、第1実施形態をベースにこれと異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同一又は類似の部分については、適宜説明を省略する。
【0062】
図8は、第2実施形態において、一のリレー70をターンONしてから、その後ターンOFFするまでの制御を示すタイムチャートである。本実施形態は、第1実施形態と比較して、励磁維持期間Tbに、DUTY制御を行わず、それまでの第1電圧状態を維持する点で、相違している。具体的には、第2タイミングt2には、第1スイッチ35及び第2スイッチ45のいずれも、そのままON維持を継続する。これにより、それ以降の励磁維持期間Tbにも第1電圧状態が維持される。
【0063】
本実施形態によれば、励磁維持期間TbにおいてもDUTY制御を行わずに、第2スイッチ45をONに維持するため、よりリップル電流を抑制できる。
【0064】
[第3実施形態]
図9は、第3実施形態において、一のリレー70をターンONしてから、その後ターンOFFするまでの制御を示すタイムチャートである。本実施形態は、第2電圧V2が、第1実施形態のものよりも大きい点、及び励磁維持期間Tbではなく保持期間TcにDUTY制御を実施する点で、第1実施形態と相違している。
【0065】
第2タイミングt2には、第1スイッチ35をON維持からOFF維持に切り替えると共に、第2スイッチ45のON維持を継続する。これにより、それ以降の励磁維持期間Tbには、第2電圧状態になり、励磁電流Ibよりも若干大きい電流がコイル74に流れ続ける。
【0066】
その後の第3タイミングt3には、第1スイッチ35のOFF維持を継続したまま、第2スイッチ45をON維持からDUTY制御に切り替える。これにより、それ以降の保持期間Tcには、第2電圧V2がコイル74に断続的に印加される「第2DUTY制御状態」になり、保持電流Icよりも若干大きい電流がコイル74に流れ続ける。
【0067】
なお、第3タイミングt3の直後、すなわち保持期間Tcの初期には、第1実施形態における励磁維持期間Tbの初期の場合と同様に、所望のDUTY比よりも高いDUTY比から、DUTY比を徐々に小さくすることにより、当該所望のDUTY比にする。そして、第4タイミングt4では、第1実施形態における第3タイミングt3の場合と同様に、第2スイッチ45がDUTY制御においてOFFのときに、第2DUTY制御状態からOFF状態に切り替える。
【0068】
本実施形態では、保持期間Tcではなく、励磁維持期間Tbにリップル電流を抑制できる。そのため、本実施形態は、例えば、保持期間Tcよりも励磁維持期間Tbにリップル電流を抑制したい場合に有効である。
【0069】
[第4実施形態]
図10は、第4実施形態のリレー駆動回路28を示す回路図である。本実施形態は、第1実施形態と比較して、コイル74毎に、さらに中間電源37と中間ダイオード38と中間スイッチ39とが設けられている点で相違している。中間電源37は、第1電圧V1よりも低く且つ第2電圧V2よりも高い中間電圧Vcを出力する定電圧源である。中間スイッチ39は、第1スイッチ35や第2スイッチ45と同様の半導体スイッチである。各中間スイッチ39の制御端子は、制御装置22に接続されている。
【0070】
中間電源37の負極端子は、グランドに接続されており、中間電源37の正極端子は、各中間ダイオード38のアノードに接続されている。各中間スイッチ39の正極端子は、自身に対応する中間ダイオード38のカソードと、自身に対応する第1スイッチ35の負極端子とに接続されている。各中間スイッチ39の負極端子は、自身に対応するコイル74の正極端子に接続されている。
【0071】
以上の回路構成により、各コイル74は、自身に対応する第1スイッチ35、中間スイッチ39及び第2スイッチ45と直列に第1電源30に接続されると共に、自身に対応する中間スイッチ39及び第2スイッチ45と直列に中間電源37に接続されている。
【0072】
そのため、各コイル74は、自身に対応する第2スイッチ45がOFFに維持されると、第1電圧V1と中間電圧Vcと第2電圧V2とのいずれも印加されない「OFF状態」となる。そして、各コイル74は、自身に対応する第1スイッチ35と中間スイッチ39と第2スイッチ45とのいずれもがONに維持されると、第1電圧V1が連続的に印加される「第1電圧状態」となる。
【0073】
そして、各コイル74は、自身に対応する第1スイッチ35がOFFに維持され、中間スイッチ39と第2スイッチ45とがONに維持されると、第1電圧V1が印加されることなく中間電圧Vcが連続的に印加される「中間電圧状態」となる。そして、各コイル74は、自身に対応する第1スイッチ35及び中間スイッチ39がOFFに維持され第2スイッチ45がONに維持されると、第1電圧V1及び中間電圧Vcのいずれも印加されることなく第2電圧V2が連続的に印加される「第2電圧状態」となる。
【0074】
図11は、一のリレー70をターンONしてから、その後ターンOFFするまでの制御を示すタイムチャートである。
【0075】
第1タイミングt1よりも前のOFF期間Toには、当該一のリレー70に対応する第1スイッチ35と中間スイッチ39と第2スイッチ45とを、それぞれOFFに維持する。これによりOFF状態になる。
【0076】
その後の第1タイミングt1に、それら第1スイッチ35と中間スイッチ39と第2スイッチ45とを、それぞれOFF維持からON維持に切り替える。これにより、それ以降の励磁開始期間Taには、第1電圧状態になり、励磁電流Ib以上の電流がコイル74に流れ始める。
【0077】
その後の第2タイミングt2に、第1スイッチ35をON維持からOFF維持に切り替えると共に、中間スイッチ39と第2スイッチ45とのON維持を継続する。これにより、それ以降の励磁維持期間Tbには、中間電圧状態なり、励磁電流Ibを若干上回った大きさの電流がコイル74に流れ続ける。
【0078】
その後の第3タイミングt3に、第1スイッチ35のOFF維持を継続し、中間スイッチ39をON維持からOFF維持に切り替えると共に、第2スイッチ45のON維持を継続する。これにより、その以降の保持期間Tcには、第2電圧状態になり、保持電流Icを若干上回った大きさの電流がコイル74に流れ続ける。
【0079】
その後の第4タイミングt4に、第1スイッチ35及び中間スイッチ39のOFF維持を継続したまま、第2スイッチ45をON維持からOFF維持に切り替える。これにより、それ以降のOFF期間Toでは、再びOFF状態になり、電流がコイル74に流れなくなる。
【0080】
本実施形態によれば、励磁開始期間Taと励磁維持期間Tbと保持期間Tcとのいずれの期間においても、DUTY制御を行わず、第1スイッチ35と中間スイッチ39と第2スイッチ45との各スイッチ35,39,45を、それぞれON又はOFFに固定する。そのため、いずれの期間においても、リップル電流を抑えることができる。
【0081】
[第5実施形態]
図12は、第5実施形態のリレー駆動装置20を示す回路図である。本実施形態では、例えば第1リレー70aと第2リレー70bとの2つのリレー70について、必ず同時にON,OFFに切り替えることを想定している。そのため、それら2つのリレー70a,70bの各コイル74に対して、共通の1つの第1スイッチ35と、共通の1つの第2スイッチ45とが設けられている。
【0082】
本実施形態によれば、第1スイッチ35と第2スイッチ45との数を減らして、リレー駆動装置20の構造をシンプルにできる。
【0083】
[第6実施形態]
図13は、第6実施形態のリレー駆動装置20を示す回路図である。本実施形態では、例えば、第5リレー70eが並列に複数設けられており、リレー駆動装置20は、それら複数の第5リレー70eのみを駆動する。そして、他のリレー70a~70d,70eは、他のリレー駆動装置によって駆動される。
【0084】
本実施形態では、これら全ての第5リレー70eについて、必ず同時にON,OFFに切り替えることを想定している。そのため、全ての各コイル74に対して、共通の1つの第1スイッチ35と、共通の1つの第2スイッチ45とが設けられている。
【0085】
本実施形態によれば、全てのリレー70に対する第1スイッチ35と第2スイッチ45とを1つずつにして、構造をシンプルにすることができる。
【0086】
[第7実施形態]
図14は、第7実施形態のリレー駆動装置20を示す回路図である。本実施形態は、第1実施形態と比較して、第1電源30と第1スイッチ35と第2電源40と電源用ダイオード41との代わりに、出力電圧を第1電圧V1と第2電圧V2とに変更自在な可変電圧電源29が設けられている点で相違している。
【0087】
具体的には、可変電圧電源29の負極端子はグランドに接続されている。そして、可変電圧電源29の正極端子は、各コイル74の正極端子に接続されている。以上の回路構成により、各コイル74は、自身に対応する第2スイッチ45と直列に、可変電圧電源29に接続されている。制御装置22は、可変電圧電源29及び第2スイッチ45を制御する。
【0088】
各コイル74は、自身に対応する第2スイッチ45がOFFに維持されると、OFF状態となる。他方、各コイル74は、自身に対応する第2スイッチ45がONに維持され、且つ可変電圧電源29の出力電圧が第1電圧V1になると、第1電圧状態となる。そして、自身に対応する第2スイッチ45がONに維持され、且つ可変電圧電源29の出力電圧が第2電圧V2になると、第2電圧状態となる。
【0089】
本実施形態によれば、第1実施形態でいう第1電源30と第1スイッチ35と第2電源40と電源用ダイオード41との代わりに可変電圧電源29を設けることにより、構造をシンプルにできる。
【0090】
[第8実施形態]
次に第8実施形態について説明する。
図15は、第8実施形態のDUTY制御期間、つまり励磁維持期間Tbの制御を示すタイムチャートである。本実施形態は、第1実施形態と比較して、DUTY比を温度に基づいて変更する点で相違している。
【0091】
同じDUTY比でも、リレー70におけるコイル74の温度が低い場合の方が、コイル74での電気抵抗が小さくなることから、コイル74に流れる電流が多くなる。そのため、リレー70の温度が所定温度よりも高い場合に比べて低い場合の方が、当該リレー70に対応する第2スイッチ45のDUTY比を小さくする。具体的には、リレー70のコイル74の温度が低いほど、DUTY比を小さくする。なお、ここでのリレー70の温度は、温度センサ等により直接計測してもよいし、周辺の温度から推定してもよいし、電流値から推定してもよい。電流値から推定する場合、具体的には、例えば同じDUTY比なら、電流値が大きいほど、コイル74の抵抗が低いことを意味するため、温度が低いと推定できる。
【0092】
本実施形態によれば、同じDUTY比ならコイル74により多くの電流が流れる低温時に、DUTY比を小さくすることにより、低温時における電流の無駄を減らして、リレー駆動装置20の電力消費をより抑えることができる。
【0093】
なお、本実施形態は、第1実施形態をベースに実施しているため、励磁維持期間TbにDUTY制御を実施しているが、第6実施形態をベースに実施して、保持期間TcにDUTY制御を実施してもよい。この場合、保持期間Tcに、DUTY比を温度に基づいて変更するようにすればよい。
【0094】
[他の実施形態]
以上に示した実施形態は、例えば次のように変更して実施できる。
【0095】
第1~第8実施形態では、DUTY制御において、チャンネルどうしの間で、ターンONタイミングどうし又はターンOFFタイミングどうしをずらすことにより、電流リップルの増幅を減少させている。これに代えて又は加えて、
図16に示すように、DUTY制御の周波数を高くすることにより、リップル電流の振幅を減少させるようにしてもよい。
【0096】
さらに、これに代えて又は加えて、
図17に示すように、第1電圧V1を低くしてDUTY制御における電圧の波高値を低くすることにより、リップル電流の振幅を減少させるようにしてもよい。なお、これら両方の組み合わせによれば、リップル電流の低減について、相乗効果を期待できる。
【0097】
第1~第8実施形態では、各スイッチ72はノーマリOFFの機械式スイッチである。これに代えて各リレー70をノーマリONの機械式スイッチにしてもよい。そして、電流をコイル74に流すことにより、スイッチ72をコイル74に引き寄せてOFFに切り替えるようにしてもよい。
【0098】
第1実施形態等では、励磁維持期間TbにおけるDUTY制御では、第1スイッチ35をONに維持して、第2スイッチ45をDUTY制御している。これに代えて、第2スイッチ45をONに維持して、第1スイッチ35をDUTY制御するようにしてもよい。この場合には、第1電圧V1と第2電圧V2とが交互にコイル74に印加されることになる。
【0099】
第3実施形態では、励磁維持期間Tbに第2電圧状態にし、保持期間Tcに第2DUTY制御状態にしている。これに代えて、保持期間Tcに第1DUTY制御状態にしてもよい。つまり、保持期間Tcに、第1スイッチ35をDUTY制御し、第2スイッチ45をONに維持するようにしてもよい。また、第3実施形態において、励磁維持期間Tb及び保持期間Tcの双方の期間に、第2電圧状態にするようにしてもよい。つまり、励磁維持期間Tbでの第2電圧状態を、保持期間Tcにまで継続するようにしてもよい。
【0100】
第1~第8実施形態では、バッテリ60における第1組電池61と第2組電池62とは、直列と並列とに切替可能に構成されている。これに代えて、切替不能に直列に接続してもよい。そして、第1~第3リレー70a~70c等をなくしてもよい。
【0101】
第1~第8実施形態では、リレー駆動装置20は、電動車両91に搭載されている回路のリレー70を駆動するものである。これに代えて、電動車両91に搭載されている回路以外の各種回路のリレー70を駆動するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0102】
20…リレー駆動装置、22…制御装置、29…可変電圧電源、30…第1電源、40…第2電源、70…リレー、72…スイッチ、74…コイル、Ib…励磁電流、Ic…保持電流、Ta…励磁開始期間、Tb…励磁維持期間、Tc…保持期間、V1…第1電圧、V2…第2電圧。