(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】監視制御装置及び監視システム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
G05B23/02 301Q
G05B23/02 T
(21)【出願番号】P 2021112386
(22)【出願日】2021-07-06
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平岡 信武
【審査官】渡邊 捷太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-199240(JP,A)
【文献】特開平09-198126(JP,A)
【文献】特開平09-330117(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0049543(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの機器から収集された
製品の製造プロセスのプロセスデータの値を
前記製造プロセスにおけるバッチ処理のバッチ単位ごとに時系列順に取得するデータ取得部と、
前記時系列をX軸とし、前記プロセスデータの値をY軸として、前記データ取得部によって取得された前記プロセスデータの値の変化を表す二次元グラフを
前記バッチ単位ごとに生成し、
前記バッチ単位ごとの前記二次元グラフを
前記プロセスデータに含まれる製品の最終品質の順にZ軸方向に並べて、前記
バッチ単位ごとの前記プロセスデータの値の変化を
前記最終品質の順に表す三次元グラフを生成するグラフ生成部と、
前記グラフ生成部によって生成された前記三次元グラフを所定の向きで表示するよう制御する表示制御部と、
を備えることを特徴とする監視制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の監視制御装置において、
前記表示制御部は、前記三次元グラフを所定方向に回転して表示するよう制御する
ことを特徴とする監視制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の監視制御装置において、
前記表示制御部は、前記三次元グラフを所定方向に伸縮して表示するよう制御する
ことを特徴とする監視制御装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の監視制御装置において、
前記グラフ生成部は、前記三次元グラフをYZ平面で切断した端面図を生成し、
前記表示制御部は、前記端面図に表れた点を繋いで折れ線グラフとして表示するよう制御する
ことを特徴とする監視制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の監視制御装置と、
前記プロセスデータの値を測定する測定装置と、
前記測定装置が測定した前記プロセスデータの値を記憶する記憶装置と、
前記監視制御装置により表示するよう制御されたグラフを表示する表示装置と、
を備えることを特徴とする監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元立体表示方法を用いた監視制御装置及び監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラントに設定されたセンサの計測値やコントローラの設定値等に基づいて、プラントの状態を模擬・推定するとともに、将来のプラントの状態を予測するシステムとして、プロセスシミュレータが用いられている。プロセスシミュレータによる予測結果は、プロセスデータのヒストリカルトレンドとともに表示画面上に予測トレンドとして表示される。
【0003】
そして、プラントの状態を模擬・推定し、将来のプロセス値の変化を予測する予測手段としてのプロセスシミュレータにおける予測結果をモニタ画面に立体的に表示する表示手段を備えるプロセスデータ表示システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の表示システムは、あくまで将来のプロセス値の変化を予測する予測手段としてのプロセスシミュレータにおける予測結果をモニタ画面に立体的に表示する表示手段を備えるものである。このため、特許文献1に記載の表示システムは、現在又は過去のプラントにおける機器の傾向や異常を瞬時に把握するものではない。
【0006】
一般に、現在又は過去のプラントの状態を把握するためには、HMI(Human Machine Interface:ヒューマンマシンインターフェース)装置におけるトレンド表示が用いられる。HMIは、マンマシンインターフェース(Man Machine Interface)とも称され、人間と機械が情報をやり取りするための手段や、そのための装置やソフトウェアなどの総称である。なお、コンピュータにおけるHMIは特にユーザインターフェース(UI:User Interface)とも称される。
【0007】
例えば、HMIは、人間が手足の動きなどを通して機械を操作したり、機械が現在の状態や結果を人間の視覚や聴覚、触覚などを通じて知らせたりする手段、及び、そのための器具や装置などのことを指す。人間が指示を与える手段としては、スイッチやボタン、ハンドル、ダイヤル、ペダル、リモコン、マイク、キーボード、マウスなどが含まれ、機械が情報を伝える手段としては液晶画面やメーター、ランプ、スピーカーなどが含まれる。産業機器などの場合、パソコンなどから遠隔で機械の状態を把握したり、設定や操作を行ったりするためのソフトウェアを「HMIソフトウェア」と呼び、これを指してHMIという場合もある。
【0008】
また、トレンド表示におけるトレンドとは、傾向、動向、風潮といった物事の流れを表し、トレンド表示とは、これをグラフにしたものである。例えば、「この10年間の平均気温のトレンド」とは、「この10年間の平均気温の推移」と同じ意味である。トレンド表示は、一般に、横軸が時間や年月日となっており、経時的な変化を追跡したグラフとなっている。
【0009】
そして、プロセス制御装置のHMI装置におけるトレンド表示は、必要とする単一または複数の機器信号を取り込み、表示する機器の信号の期間、数値の範囲を指定することによって表示することが標準的である。表示する機器の信号は、常時ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)等に代表される記憶媒体にて保存されるため、リアルタイムの信号だけでなく過去のデータを表示することが可能である。
【0010】
例えば、オペレータは、HMI装置の画面上に表示されるプラントフロー上に取り込まれている機器の信号を選択して表示させる。そして、オペレータは、連続的な機器信号のグラフ推移を確認するために複数の画面を、全画面表示機能を活用してトレンドグラフを表示することで機器の状態を確認し、機器の監視やチューニングを行う。
【0011】
また、オペレータは、必要に応じてトレンドグラフを表示する機器を複数にすること、機器信号の期間を調整すること、表示する値の上下限を指定することにより、グラフ推移の比較を行うことで目的の機器信号の傾向や異常を把握する。しかし、オペレータが機器信号の傾向や異常を把握するためには、上記の操作が必要であり、現在又は過去のプラントの機器の傾向や異常を瞬時に把握することができない。
【0012】
また、このような監視制御システムにおける主なトレンドグラフの表示方法は、表示する機器の信号の期間をX軸とし、表示する値の範囲をY軸とすることで画面に表示される。このため、表示する機器が一定の周期で繰り返して動作する場合、もしくは表示する機器が複数となる場合、X軸の期間及びY軸の範囲を共通とすることで比較を行うことが可能である。しかし、X軸はあくまでも単一の期間でしか表示することが出来ない。
【0013】
このため、データが単一の機器から成り立つ複数周期のもの、もしくは複数機器から成り立つものの場合、ある特定の時間における複数周期又は機器の信号の比較を監視制御システム上で行うことは難しい。すなわち、このようなトレンド表示システムは、周期的に動作する単一の機器信号からデータの予測を行うものであり、複数の機器からの傾向や異常を瞬時に把握することはできない。
【0014】
そこで、本件開示は、単一又は複数の機器から成り立つトレンドを立体的に表示することにより、現在又は過去のプラントの機器の傾向や異常を従来よりも早く把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一態様に係る監視制御装置は、プラントの機器から収集された所定のプロセスのプロセスデータの値を所定の単位ごとに時系列順に取得するデータ取得部と、時系列をX軸とし、プロセスデータの値をY軸として、データ取得部によって取得されたプロセスデータの値の変化を表す二次元グラフを生成し、二次元グラフを所定の単位ごとにZ軸方向に並べて、所定の単位ごとのプロセスデータの値の変化を表す三次元グラフを生成するグラフ生成部と、グラフ生成部によって生成された三次元グラフを所定の向きで表示するよう制御する表示制御部と、を備える。
【0016】
一態様に係る監視システムは、上記の監視制御装置と、プロセスデータの値を測定する測定装置と、測定装置が測定したプロセスデータの値を記憶する記憶装置と、監視制御装置により表示するよう制御されたグラフを表示する表示装置と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本件開示によれば、単一又は複数の機器から成り立つトレンドを立体的に表示することにより、現在又は過去のプラントの機器の傾向や異常を従来よりも早く把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】監視制御装置及び監視システムの一実施形態を示す図である。
【
図2A】
図1に示すセンサによって測定されたデータの一例を示す図である。
【
図2B】
図1に示すセンサによって測定されたデータの一例を示す図である。
【
図2C】
図1に示すセンサによって測定されたデータの一例を示す図である。
【
図3】
図1に示す監視制御装置によって表示が制御される三次元グラフの一例を示す図である。
【
図4A】
図3に示す三次元グラフが回転して表示された例を示す図である。
【
図4B】
図3に示す三次元グラフが回転して表示された例を示す図である。
【
図4C】
図3に示す三次元グラフが回転して表示された例を示す図である。
【
図5】
図1に示す監視制御装置によって表示が制御される三次元グラフの別の例を示す図である。
【
図6】
図5に示す三次元グラフが別の方向から表示された例を示す図である。
【
図7】
図5及び
図6に示す三次元グラフのYZ平面で切断された切断部端面図が折れ線グラフとして表示された例を示す図である。
【
図8】比較例に係る二次元グラフの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<一実施形態>
以下、本件開示の監視制御装置及び監視システムの一実施形態について、図面を用いて説明する。
【0020】
図1は、監視制御装置40及び監視システム1の一実施形態を示す図である。監視システム1は、例えば、飲食料品等のプラント(製造プラント)の各種プロセスを監視する。以下、本実施形態では、例えばビール等の発酵飲料を製造するプラントの各種プロセスを監視する監視システム1を例にとって説明する。
【0021】
図1に示すとおり、監視システム1は、プラント10と、機器20と、データサーバ30と、監視制御装置40と、モニタ60とを有する。監視システム1において、プラント10は、機器20と接続され、機器20は、データサーバ30と接続され、データサーバ30は、監視制御装置40と接続され、監視制御装置40は、モニタ60と接続される。
【0022】
プラント10は、例えば、発酵飲料の製造プラントである。本実施形態では、発酵飲料の製造プラントの一例として、ビールの製造プラントを例にとって説明する。プラント10は、複数の発酵槽10A、10B、10C・・・10Xを有する。各発酵槽10A~10Xには、例えば、煮沸消毒された糖質原料や酵母菌などが投入され、それらが投入された後、各発酵槽10A~10Xの内容物は、数時間~数日間発酵させられる。そして、発酵させられた後、フレーバー等が加えられ、フレーバー等が加えられた各発酵槽10A~10Xの内容物は、不図示の熟成槽に移されて熟成させられる。以下、各発酵槽10A~10Xは、これらをまとめて、プラント10、発酵槽10、又は各発酵槽10とも称する。
【0023】
一般に、上記のビールの製造プラントの製造工程において、発酵槽10における発酵工程や、不図示の熟成槽における熟成工程は、バッチ処理にて行われる。良い製品を製造するためには、バッチ処理中の各種プロセスデータを把握し、それを製品の品質に反映することが望ましい。
【0024】
なお、ここで、バッチ処理とは、バッチ単位で行われる処理であり、特に以下の2つの意味で用いられる。1つ目は、コンピュータでひとまとまりのデータを一括して処理する方式である。2つ目は、1つの設備である程度まとまった時間、又は単位操作ごとに処理を区切り、原材料をこの区切りごとにまとめて投入する処理のことである。なお、回分処理(かいぶんしょり)も同義であり、発酵工程やバッチ殺菌などは、典型的なバッチ処理である。
【0025】
本実施形態においては、1槽の発酵槽10における1回のビールの発酵工程が1バッチ単位のバッチ処理である。例えば、発酵槽10が5槽であった場合、5槽同時に又は5槽が所定の時間差で1回ずつ発酵工程を行った場合、5回のバッチ処理が行われたことになる。また、例えば、発酵槽10が1槽であった場合、当該1槽の発酵槽10で5回の発酵工程を行った場合もまた、5回のバッチ処理が行われたことになる。
【0026】
機器20は、各発酵槽10A、10B、10C・・・10Xに対応して、機器20A、20B、20C・・・20Xを有する。各機器20A、20B、20C・・・20Xは、それぞれ対応して、各種のセンサ21A、21B、21C・・・21Xを有する。以下、本明細書において、各機器20A~20Xは、これらをまとめて機器20又は各機器20とも称され、各種のセンサ21A~21Xは、これらをまとめてセンサ21又は各センサ21とも称される。
【0027】
機器20は、プラント10の動作を統括的に管理するものであり、各発酵槽10の各センサ21が測定した各発酵槽10の各種のプロセスデータの測定値等を取得し、取得した値を信号としてデータサーバ30に送信する。機器20は、例えば、当該信号を時系列順に連続してデータサーバ30に送信してもよく、バッチ単位ごとに区切ってデータサーバ30に送信してもよい。また、機器20は、各発酵槽10に対応して複数に分かれておらず、例えば、1つの機器20が各発酵槽10をまとめて管理していてもよい。また、機器20は、発酵槽10内の環境を変化させる装置、例えば冷却装置や加熱装置や攪拌装置や圧力調整装置を備えていてもよく、これらは機器20の不図示の制御装置や後述の監視制御装置40により制御されていてもよい。
【0028】
センサ21は、各種のプロセスデータを測定することが可能であり、各発酵槽10のバッチ処理の動作中に各種のプロセスデータを時系列順に測定する。また、センサ21は、製品の最終品質データを測定することも可能であり、各発酵槽10の内容物の最終品質を測定する。センサ21は、測定対象ごとに複数に分かれていてもよい。センサ21は、測定した各種のプロセスデータや最終品質を機器20に出力する。なお、センサ21は、各発酵槽10又は各機器20に対応して複数に分かれておらず、例えば、1つのセンサ21が各発酵槽10のプロセスデータをまとめて測定し、各機器20に出力してもよい。なお、プロセスデータには、前述の発酵槽10内の環境を変化させる装置の動作状況も含まれる。例えば、冷却装置の吸収熱量や発熱装置の加熱熱量や攪拌装置の回転数や圧力調整装置の調整量も含まれる。なお、センサ21は、測定装置の一例である。
【0029】
図2A~
図2Cは、
図1に示すセンサ21によって測定されたデータの一例を示す図である。
図2Aは、
図1に示す発酵槽10Aにおいて、センサ21Aによって測定されたデータの一例を示す。
図2Bは、
図1に示す発酵槽10Bにおいて、センサ21Bによって測定されたデータの一例を示す。
図2Cは、
図1に示す発酵槽10Cにおいて、センサ21Cによって測定されたデータの一例を示す。なお、以下、
図2A~
図2Cは、これらをまとめて
図2とも称される。
【0030】
例えば、
図2に示すように、センサ21は、発酵槽10A、10B、10Cの3槽において、それぞれ5回分の発酵バッチのプロセスデータ及び製品の官能特性データ(最終品質データ)を測定する。これにより、機器20は、センサ21から合計15バッチ分のデータを取得し、データサーバ30に出力する。
【0031】
図2において、時刻は、各バッチにおけるプロセス開始を起点とし、プロセス終了を終点とした時系列順の時刻である。センサ21によって、各種のプロセスデータ(液温度、圧力、糖度、アルコール濃度、水素イオン濃度等)が測定され、機器20によって取得される。なお、発酵槽10内の位置によって、液温度、アルコール濃度等に差異が生じることが想定される場合、センサ21は、複数の位置のプロセスデータを測定し、機器20は、複数の位置のプロセスデータを取得してもよい。
【0032】
また、センサ21は、各バッジ単位で、製品の最終品質データも測定し、機器20は、最終品質データを取得する。最終品質データは、例えば、各種官能データとして各種のセンサ21で測定され数値化された甘味、酸味、苦味、旨味、色合い、アルコール濃度等である。なお、これらの官能データは一例であり、例えば、不図示の辛味等の他の官能データが測定され数値化されてもよい。
【0033】
図1に戻り、データサーバ30は、機器20から出力された各種のプロセスデータの信号を有線又は無線LAN(Local Area Network)等の通信技術により取得する。取得される機器20の信号は、例えば、二種類の信号から成り立つ。例えば、1つは、単一の機器から成り立つ一定の間隔で同じ動作を繰り返して動作する信号、もしくは連続的な信号であり、一定の期間から周期的なデータとして切り分けることが出来るものである。2つ目は、同周期で動作する複数機器の信号である。データサーバ30は、機器20から取得したプラント10の現在又は過去のプロセスデータを例えば時系列順に記憶する。なお、データサーバ30は、記憶装置の一例である。また、データサーバ30は、例えば、機器20内又は監視制御装置40内に存在してもよく、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の揮発性又は不揮発性の記憶媒体であってもよい。
【0034】
監視制御装置40は、データ取得部41と、操作部42と、記憶部43と、表示I/F(interface)44と、制御部45と、システムバス46とを有する。データ取得部41と、操作部42と、記憶部43と、表示I/F44と、制御部45とは、システムバス46を介して相互に接続される。データ取得部41は、データサーバ30と接続され、制御部45の後述の動作制御部53は、機器20と接続され、表示I/F44は、後述のモニタ60と接続される。監視制御装置40は、機器20からの信号を監視し、機器20を介してプラント10の動作を統括的に制御する。
【0035】
データ取得部41は、プラント10の機器20からデータサーバ30によって収集された発酵工程の各種のプロセスデータの値をデータサーバ30からバッチ単位ごとに時系列順に取得する。データ取得部41は、例えば、各種のプロセスデータの値の信号を有線又は無線LAN等の通信技術により取得する。また、データ取得部41は、各発酵槽10における製品の最終品質をデータサーバ30から取得する。なお、データ取得部41は、データサーバ30を介さずに、直接機器20から各種のプロセスデータの値を示す信号や最終品質の値を示す信号等を取得してもよい。データ取得部41は、取得したバッチ単位のプロセスデータの値や最終品質の値等を、システムバス46を介して監視制御装置40内の各構成要素に出力する。
【0036】
操作部42は、不図示のオペレータによって操作されるマウス、キーボード、GUI(Graphical User Interface)形式のタッチパネル、リモートコントローラー等である。操作部42は、不図示のオペレータの操作に基づいて、制御部45や制御部45を介して機器20に対して指示を与える。操作部42は、例えば、不図示のオペレータの操作に基づいて、制御部45に、グラフの生成、変形、回転等を行うよう指示を与える。なお、操作部42は、監視制御装置40の外部に設けられ、有線又は無線で監視制御装置40と接続されおり、不図示のオペレータによって遠隔操作されてもよい。
【0037】
記憶部43は、例えば、HDDやSSDやメモリ等の揮発性又は不揮発性の記憶媒体であり、制御部45の動作に必要なプログラムを記憶する。また、記憶部43は、データ取得部41によって取得された現在又は過去のプロセスデータや品質の値、制御部45によって生成された現在又は過去のグラフ等を記憶する。また、記憶部43は、各種のプロセスデータの異常を示す閾値を記憶してもよい。なお、記憶部43は、監視制御装置40の外部に設けられ、有線又は無線で監視制御装置40と接続されていてもよく、データサーバ30と共通の記憶装置であってもよい。
【0038】
表示I/F44は、後述のモニタ60と接続され、オペレータから操作部42を介して受け付けた指示や制御部45の制御に従って、各種の情報やグラフ等を優先又は無線によりモニタ60に出力する。なお、表示I/F44は、監視制御装置40の外部のモニタ60に出力するものではなく、監視制御装置40の内部に存在する表示部であってもよい。
【0039】
制御部45は、システムバス46と接続され、例えば、プログラムを実行することにより動作するCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の不図示のプロセッサを有する。制御部45は、例えば、記憶部43に記憶された所定のプログラムを実行することにより不図示のプロセッサを動作させて、機器20や監視制御装置40の動作を統括的に制御する。また、制御部45は、オペレータから操作部42を介して受け付けた指示に従って、機器20や監視制御装置40の動作を制御してもよい。制御部45は、グラフ生成部51と、表示制御部52と、動作制御部53としても動作する。
【0040】
グラフ生成部51は、時系列をX軸とし、プロセスデータの値をY軸として、データ取得部41によって取得された各バッチの所定のプロセスデータの値の変化を表す二次元グラフを生成する。そして、グラフ生成部51は、二次元グラフをバッチごとにZ軸方向に並べて、バッチごとのプロセスデータの値の変化を表す三次元グラフを生成する。なお、グラフ生成部51によって生成される三次元グラフの詳細は、後述する。
【0041】
表示制御部52は、グラフ生成部51によって生成された三次元グラフを所定の向きで表示するよう制御する。また、例えば、表示制御部52は、グラフ生成部51によって生成された三次元グラフを所定の軸方向に回転して表示させるよう制御する。また、例えば、表示制御部52は、グラフ生成部51によって生成された三次元グラフを所定方向に伸縮させ、又は、三次元グラフの所定の位置を拡大又は縮小させて表示させるよう制御する。なお、表示制御部52によって表示が制御される三次元グラフの詳細は、後述する。
【0042】
動作制御部53は、オペレータから操作部42を介して受け付けた指示や制御部45の制御に従って、プラント10や機器20の動作を制御する。例えば、動作制御部53は、監視制御装置40からの制御又は不図示のオペレータからの指示に従って、プラント10や機器20に、バッチ処理を実行するよう動作させ、又は、プロセスデータを取得するよう動作させる。また、例えば、動作制御部53は、プラント10や機器20のトレンドに異常が発生した場合や製品の品質の低下が発生した場合に、監視制御装置40からの制御又は不図示のオペレータからの指示に従って、バッチ処理を中断又は修正するよう動作させる。例えば、修正する動作には、冷却、加熱、攪拌、圧力調整、水その他の材料の追加も含まれる。また、そうした修正処置もプロセスデータとして記録される。
【0043】
システムバス46は、監視制御装置40内部で各構成要素を結ぶデータ伝送路(バス)であり、制御部45と他の構成要素とを相互に接続する。システムバス46は、データ取得部41と、操作部42と、記憶部43と、表示I/F44と、制御部45とを相互に接続する。
【0044】
モニタ60は、表示I/F44と接続され、表示I/F44から出力された情報やグラフを表示する。モニタ60に表示される内容は、不図示のオペレータによって監視される。モニタ60は、監視制御装置40の内部に存在する表示部や、不図示の制御盤や携帯情報端末の画面等であってもよい。モニタ60は、例えば、不図示のオペレータによるタッチ操作やクリック操作等を受け付けるGUI形式の操作部42を兼ねていてもよい。なお、モニタ60は、表示装置の一例である。
【0045】
<三次元グラフ>
図3は、
図1に示す監視制御装置40によって表示が制御される三次元グラフの一例を示す図である。
図3に示すグラフは、例えば、機器20A、20B、20Cからデータ取得部41によって取得される、
図2に示す発酵槽10A、10B、10Cの3槽における各5回分のバッチ処理の所定のプロセスデータ(例えば液温度)の値を表示する。すなわち、
図3に示すグラフは、例えば、
図2に示す合計15バッチ分のプロセスデータの値を表示する三次元グラフである。なお、以下の説明では、プロセスデータの値は、
図2に示す液温度の値を例にとって説明する。
【0046】
グラフ生成部51は、時系列をX軸とし、液温度の値をY軸として、データ取得部41によって取得されたバッチごとの液温度の値の変化を表す二次元グラフを生成する。すなわち、
図3において、例えば、最も手前の二次元グラフは、
図2Aに示す発酵槽10AのバッチNo.1の液温度の値の変化を示すグラフである。
【0047】
そして、グラフ生成部51は、合計15バッチ分の二次元グラフをバッチごとにZ軸方向に並べて、バッチごとの液温度の値の変化を表す三次元グラフを生成する。すなわち、グラフ生成部51は、
図3において、
図2Aに示す発酵槽10AのバッチNo.1、No.2・・・No.5の二次元グラフを手前から奥のZ軸方向に向かって順に並べる。以下同様に、グラフ生成部51は、
図2Bに示す発酵槽10BのバッチNo.1から
図2Cに示す発酵槽10CのバッチNo.5まで二次元グラフを奥のZ軸方向に向かって順に並べる。これにより、グラフ生成部51は、バッチごとの液温度の変化を示す三次元グラフを生成する。
【0048】
表示制御部52は、グラフ生成部51によって生成された
図3に示す三次元グラフを
図3に示す向きで表示するよう制御し、表示I/F44に出力する。表示I/F44に出力された三次元グラフは、モニタ60に表示される。表示制御部52は、オペレータから操作部42を介して受け付けた指示や制御部45の制御に従って、モニタ60に表示された三次元グラフを回転して表示するよう制御する。また、表示制御部52は、オペレータから操作部42を介して受け付けた指示や制御部45の制御に従って、モニタ60に表示された三次元グラフを所定方向に伸縮又は所定の位置を拡大若しくは縮小して表示するよう制御してもよい。
【0049】
図4A~
図4Cは、
図3に示す三次元グラフが回転して表示された例を示す図である。
図4Aは、XY軸方向が正面になるように、
図3に示す三次元グラフが回転して表示された例を示す。
図4Bは、YZ軸方向が正面になるように、
図3に示す三次元グラフが回転して表示された例を示す。
図4Cは、ZX軸方向が正面になるように、
図3に示す三次元グラフが回転して表示された例を示す。なお、以下、
図4A~
図4Cは、これらをまとめて
図4とも称される。
【0050】
図3及び
図4に示すとおり、本実施形態では、表示制御部52は、データ取得部41によって取得されたプロセスデータをベースとして、プロセス開始を起点として時刻をX軸、液温度をY軸として、バッチデータごとにZ軸方向に並べて三次元表示させる。これにより、現在又は過去のプラント10の機器20の傾向や異常を従来よりも早く瞬時に把握することができる。
【0051】
本実施形態では、表示制御部52は、オペレータから操作部42を介して受け付けた指示や制御部45の制御に従って、モニタ60に表示された三次元グラフを回転して表示するよう制御する。これにより、例えば、
図4Aに示すとおり、三次元グラフをXY軸方向が正面になるように回転して表示すれば、所定の時刻において液温度の異常低下等があった場合、異常低下等があるバッチ処理を従来よりも早く瞬時に把握することができる。
【0052】
また、例えば、
図4Bに示すとおり、三次元グラフをY軸及びZ軸方向が正面になるように回転して表示すれば、各バッチの液温度の最大値を従来よりも早く瞬時に把握することができる。なお、
図4Bでは、X軸を開始時刻(液温度が0℃)から表示させている例が示されているが、例えば、所定時間経過後からX軸を表示させれば、所定時間経過後の各バッチの液温度の最大値だけでなく最小値も従来よりも早く瞬時に把握することができる。
【0053】
また、例えば、
図4Cに示すとおり、三次元グラフをZX軸方向が正面になるように回転して表示すれば、バッチ処理の中にデータの欠落や途切れ等があった場合、データが欠落している又は途切れているバッチ処理を従来よりも早く瞬時に把握することができる。
【0054】
また、本実施形態では、表示制御部52は、オペレータから操作部42を介して受け付けた指示や制御部45の制御に従って、モニタ60に表示された三次元グラフを所定方向に伸縮又は所定の位置を拡大若しくは縮小して表示するよう制御する。これにより、例えば、異常がある部分を拡大して表示することができるため、従来よりも早く異常の原因等を把握することができる。
【0055】
図5は、
図1に示す監視制御装置40によって表示が制御される三次元グラフの別の例を示す図である。
図5において、三次元グラフは、XY軸方向が正面となるように回転されている。そして、
図5に示す三次元グラフは、X軸の目盛りが25の位置に一点鎖線が表示されている。
【0056】
また、
図6は、
図5に示す三次元グラフが別の方向から表示された例を示す図である。
図6において、
図5に示した三次元グラフが、YZ軸方向が正面となるように回転されている。そして、
図6において、三次元グラフは、X軸の目盛りが25の位置に一点鎖線でYZ平面が表示されている。
【0057】
図7は、
図5及び
図6に示す三次元グラフのYZ平面で切断された切断部端面図が折れ線グラフとして表示された例を示す図である。すなわち、
図7は、
図5及び
図6に示された三次元グラフが、
図5及び
図6において一点鎖線で示されたYZ平面で切断され、切断部端面図に表れた各グラフの切断面である各点を繋いで、折れ線グラフとして表示された例を示している。
【0058】
すなわち、
図5から
図7に示すように、グラフ生成部51は、三次元グラフをX軸の目盛りが25の位置におけるYZ平面で切断した切断部端面図を生成する。そして、表示制御部52は、切断部端面図に表れた各グラフの切断面である各点を繋いで、折れ線グラフとして表示するよう制御する。
図7で示す例では、Z軸の目盛りが15の位置でY軸の値が大きく低下している。これは、例えば、X軸の目盛りが25の位置において、15バッチ目の処理の液温度が異常低下しており、他のバッチ処理の液温度は安定していることを示している。
【0059】
従って、本実施形態によれば、
図7で示すように、三次元グラフの断面を表示させることができるため、プラント10の機器20の傾向や異常を従来よりも早く瞬時に把握することができる。また、本実施形態によれば、より望ましいプロセスを判断することや、望ましくないプロセスを判断することができる。そして、望ましいプロセスの表示に現状の運転中のプロセスデータを重ねれば、現在の進行中のプロセスを(加熱、冷却、攪拌、減圧、加圧等により)望ましい方向に調節することができる可能性がある。この場合、動作制御部53は、機器20に対し、現在進行中のバッチ処理のプロセスを修正、調節、又は停止する指示を出力してもよい。
【0060】
<変形例>
なお、上記の実施形態では、グラフ生成部51は、
図2に示す合計15バッチ分の二次元グラフをバッチ処理順にZ軸方向に並べて、バッチごとのプロセスデータ(液温度)の値の変化を表す三次元グラフを生成した。しかし、Z軸方向への二次元グラフの並べ方は、バッチ処理順には限られない。
【0061】
すなわち、グラフ生成部51は、オペレータから操作部42を介して受け付けた指示や制御部45の制御に従って、Z軸方向に並べられた二次元グラフを所定の順序でZ軸方向に並べ替えた三次元グラフを生成してもよい。例えば、グラフ生成部51は、オペレータから操作部42を介して受け付けた指示や制御部45の制御に従って、Z軸方向に並べられた二次元グラフを最終品質順でZ軸方向に並べ替えた三次元グラフを生成してもよい。すなわち、グラフ生成部51は、例えば、
図2に示すとおり、甘味、酸味、苦味、旨味、色合い、アルコール濃度等の最終品質順でZ軸方向に並べ替えた三次元グラフを生成する。そして、表示制御部52は、並べ替えられた三次元グラフを表示するよう制御してもよい。
【0062】
上述のとおり、センサ21は、各バッジ単位で、製品の最終品質データを測定しており、機器20は、センサ21から最終品質データを取得し、データサーバ30に送信している。そして、データ取得部41は、各発酵槽10における製品の最終品質をデータサーバ30から取得している。このため、グラフ生成部51は、データ取得部41が取得した最終品質データを用いて、バッチ順にZ軸方向に並べられた二次元グラフを最終品質順でZ軸方向に並べ替えた三次元グラフを生成することができる。
【0063】
例えば、ビールの製造工程において、結局一番重要なことは、バッチ処理が終了した段階における苦味や旨味等の最終品質である。このため、Z軸方向への二次元グラフの並べ方は、バッチ処理順ではなく、最終品質の良い順、悪い順で並べ替えた方が、プロセスの傾向や異常をより正確に把握することができる。例えば、二次元グラフをZ軸方向に最終品質の良い順に並べ替えれば、最終品質の良いものと悪いものとのプロセスを比較することが可能となり、プロセス上のどこに良い点があるか、どこに悪い点があるかをより正確に評価することが可能となる。
【0064】
なお、二次元グラフを最終品質順でZ軸方向に並べ替えた三次元グラフが生成された後に、表示制御部52によって、当該三次元グラフが回転、伸縮、拡大縮小されて表示されるよう制御されてもよい。また、二次元グラフを最終品質順でZ軸方向に並べ替えた三次元グラフが生成された後に、
図5から
図7で示すように、表示制御部52によって、YZ平面で切断された切断部端面図に表れた切断面を繋いだ折れ線グラフが表示されるよう制御されてもよい。これにより、プラント10の機器20の傾向や異常を従来よりも早く正確に把握することができる。
【0065】
また、変形例によれば、最終品質をZ軸としてバッチデータごとに三次元表示させることにより、より望ましいプロセスを判断することや、望ましくないプロセスを判断することができる。そして、望ましいプロセスの表示に現状の運転中のプロセスデータを重ねれば、現在の進行中のプロセスを(加熱、冷却、攪拌、減圧、加圧、水その他の材料の追加等により)望ましい方向に調節することができる可能性がある。この場合、動作制御部53は、オペレータから操作部42を介して受け付けた指示や制御部45の制御に従って、機器20に対し、現在進行中のバッチ処理のプロセスを修正、調節、又は停止する指示を出力してもよい。
【0066】
<一実施形態及び変形例の作用効果>
以上、
図1から
図7に示した実施形態及び変形例によれば、単一又は複数の機器20から成り立つトレンドを立体的に表示することにより、現在又は過去のプラント10の機器20の傾向や異常を従来よりも早く瞬時に把握することができる。また、
図1から
図7に示した実施形態及び変形例によれば、最終品質をZ軸として三次元表示させることにより、より望ましいプロセスや望ましくないプロセスを従来よりも早く瞬時に、把握することや判断することができる。これにより、従来よりも早く正確に、現在進行中のバッチ処理のプロセスを修正、調節、又は停止することができる。
【0067】
また、
図1から
図7に示した実施形態及び変形例によれば、三次元の立体型トレンドグラフを用いることによって、必要となる機器20の信号を従来のX軸(期間)、Y軸(値の範囲)だけでなく、X軸の周期をZ軸に表示させることが可能となる。この三次元の立体型トレンドグラフは、
図5及び
図6に示したように各軸を回転することによって、目的に応じたグラフを表示することができる。そして、
図7に示されるX軸の特定の時間の断面図をYZ軸にて表示させることで、必要となる機器20の特定の時刻の周期的なデータを確認することができる。
【0068】
<比較例>
図8は、比較例に係る二次元グラフの一例を示す図である。
図8に示す比較例では、各バッチ処理が二次元グラフ上に重ねて表示されている。
【0069】
図8に示す比較例によれば、1つ1つのグラフを取り出して表示しなければ、何番目のバッチ処理が欠落しているのか把握することができない。また、
図8に示す比較例によれば、何番目のバッチ処理に異常が発生しているのか、各バッチ処理のプロセスの最大値や最小値を瞬時に把握することができない。また、
図8に示す比較例によれば、例えば液温度の異常低下があった時間帯において、他のバッチ処理の平均温度がどうなっているかなどの断面的なものを見ることができない。一方、
図1から
図7に示した実施形態及び変形例によれば、単一又は複数の機器20から成り立つトレンドを立体的に表示することにより、現在又は過去のプラント10の機器20の傾向や異常を
図8に示す比較例よりも早く瞬時に把握することができる。
【0070】
また、
図8に示す比較例によれば、最終品質順の並べ替えには意味が無く、最終品質が良かったバッチ処理と悪かったバッチ処理とのプロセスの相違を瞬時に把握し判断することができない。一方、
図1から
図7に示した実施形態及び変形例によれば、最終品質をZ軸としてバッチデータごとに三次元表示させることにより、より望ましいプロセスや望ましくないプロセスを、
図8に示す比較例よりも早く瞬時に、把握することや判断することができる。
【0071】
<実施形態の補足事項>
なお、上記の変形例において、制御部45は、最終品質の良否を判定する判定部として動作してもよい。この場合、記憶部43には、各種の最終品質(甘味、酸味、苦味、旨味、色合い、アルコール濃度等)の良否を判定する閾値が記憶されていてもよい。そして、制御部45は、記憶部43に記憶された閾値とデータ取得部41によって取得された最終品質のデータとを比較して、各バッチ処理における最終品質の良否を判定してもよい。
【0072】
なお、最終品質を計測するセンサは、発酵槽10の状態を測定するセンサ21に限定するものではない。例えば、発酵槽10のバッチに紐付けられた、図示されていない発酵槽10より後工程(例えば風味つけ、味付け、香つけ、熟成等)を終えた後の製造物の品質を計測するセンサであってもよい。そして、上記の後工程を終えた後の製造物の品質を計測するセンサにより測定された最終品質のデータによって、二次元グラフがZ軸方向に並び替えられてもよい。
【0073】
また、上記の場合、グラフ生成部51は、上記の判定結果に基づいて、Z軸方向に並べられた二次元グラフを所定の順序でZ軸方向に並べ替えた三次元グラフを生成してもよい。そして、この場合、動作制御部53は、当該判定結果に基づいて、機器20に対し、現在進行中のバッチ処理のプロセスを修正、調節、又は停止する指示を出力してもよい。これにより、自動的に、現在進行中のバッチ処理のプロセスを修正、調節、又は停止することができるため、従来よりも早く正確に、現在進行中のバッチ処理のプロセスを修正、調節、又は停止することができる。
【0074】
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
【符号の説明】
【0075】
1…監視システム;10,10A,10B,10C,10X…プラント(発酵槽);20,20A,20B,20C,20X…機器;21,21A,21B,21C,21X…センサ(測定装置);30…データサーバ(記憶装置);40…監視制御装置;41…データ取得部;42…操作部;43…記憶部;44…表示I/F;45…制御部;46…システムバス(バス);51…グラフ生成部;52…表示制御部;53…動作制御部;60…モニタ(表示装置)