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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240723BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20240723BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021145427
(22)【出願日】2021-09-07
(65)【公開番号】P2023038615
(43)【公開日】2023-03-17
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辰本 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 行成
(72)【発明者】
【氏名】柏倉 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 寛之
(72)【発明者】
【氏名】谷口 裕彦
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-121126(JP,A)
【文献】特開2020-140508(JP,A)
【文献】特開2019-079092(JP,A)
【文献】国際公開第2022/030043(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の預入場所、前記荷物の預入日時、前記荷物の取り出し場所である第1の場所、及び前記荷物の取り出し日時である第1の日時を指定する情報を含む使用依頼を、ユーザが使用するユーザ端末から受信したことに応じて、車両に搭載された移動式のロッカーへの荷物預かりサービスに関わる情報処理を実行する情報処理装置であって、
前記第1の日時より前の所定のタイミングで、前記ユーザ端末に、前記第1の日時を含む第1の情報を送信する、制御部を備え、
前記所定のタイミングは、前記第1の日時より第2の時間長早い日時以降であって、且つ前記車両の現在位置と前記第1の場所との距離が第1の距離以下になるタイミングであり、
前記制御部は、
前記第1の日時より前記第2の時間長早い日時が到来しているかを判定することと、
前記第1の日時より前記第2の時間長早い日時が到来していると判定されたことに応じて、前記車両の現在位置を取得することと、
前記第1の場所と前記車両の前記現在位置との距離を演算することと、
前記第1の場所と前記車両の前記現在位置との前記距離が前記第1の距離以下であるかを判定することと、
前記第1の場所と前記車両の前記現在位置との前記距離が前記第1の距離以下であると判定されたことに応じて、前記第1の情報を前記ユーザ端末へ送信することと、
を実行する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1の情報として、前記第1の日時に加え、前記車両の現在位置、及び前記荷物を取り出す予定の第1の場所に前記車両が到着する予定日時を含む情報を、前記ユーザ端末へ送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
荷物の預入場所、前記荷物の預入日時、前記荷物の取り出し場所である第1の場所、及び前記荷物の取り出し日時である第1の日時を指定する情報を含む使用依頼を、ユーザが使用するユーザ端末から受信したことに応じて実行される、車両に搭載された移動式のロッカーへの荷物預かりサービスに関わる情報処理方法であって、
コンピュータが、前記第1の日時より前の所定のタイミングで、前記ユーザ端末に、前記第1の日時を含む第1の情報を送信する情報処理方法であり、
前記所定のタイミングは、前記第1の日時より第2の時間長早い日時以降であって、且つ前記車両の現在位置と前記第1の場所との距離が第1の距離以下になるタイミングであり、
前記コンピュータが、
前記第1の日時より前記第2の時間長早い日時が到来しているかを判定することと、
前記第1の日時より前記第2の時間長早い日時が到来していると判定されたことに応じて、前記車両の前記現在位置を取得することと、
前記第1の場所と前記車両の前記現在位置との距離を演算することと、
前記第1の場所と前記車両の前記現在位置との前記距離が前記第1の距離以下であるかを判定することと、
前記第1の場所と前記車両の前記現在位置との前記距離が前記第1の距離以下であると判定されたことに応じて、前記第1の情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を実行する、
情報処理方法。
【請求項4】
前記コンピュータが、
前記第1の情報として、前記第1の日時に加え、前記車両の現在位置、及び前記荷物を取り出す予定の第1の場所に前記車両が到着する予定日時を含む情報を、前記ユーザ端末へ送信する、
請求項3に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロッカーに関するユーザの使用要求に基づいて、ユーザが使用するロッカーを決定し、決定されたロッカーを備える自動運転車両をユーザに配車するロッカー管理システムが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-96201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、車両に搭載された移動式のロッカーへの荷物預かりサービスにおける荷物の取り出し忘れを抑制可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、
車両に搭載された移動式のロッカーに預け入れられた荷物を取り出す予定の第1の日時より前の所定のタイミングで、前記荷物を前記ロッカーに預け入れたユーザが使用するユーザ端末に、前記第1の日時を含む第1の情報を送信する、
制御部を備える、情報処理装置である。
【0006】
本開示の他の態様の一つは、
コンピュータが、
車両に搭載された移動式のロッカーに預け入れられた荷物を取り出す予定の第1の日時より前の所定のタイミングで、前記荷物を前記ロッカーに預け入れたユーザが使用するユーザ端末に、前記第1の日時を含む第1の情報を送信する、
情報処理方法である。
【0007】
本開示の他の態様の一つは、
ユーザ端末に、
車両に搭載された移動式のロッカーに預け入れられた荷物を取り出す予定の第1の日時より前の所定のタイミングで、前記第1の日時を含む第1の情報を出力させるための、
プログラムである。
【0008】
なお、本開示は、上記したプログラムを格納する非一時的記憶媒体として捉えることもできる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、車両に搭載された移動式のロッカーへの荷物預かりサービスにおける荷物の取り出し忘れを抑制可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態に係る移動ロッカーシステムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、センタサーバとユーザ端末とのハードウェア構成の一例である。
図3図3は、センタサーバ及びユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、ロッカー情報DBに保持される情報の一例である。
図5図5は、第1実施形態におけるサービス情報DBに保持される情報の一例である。
図6図6は、スケジュール情報DBに保持される情報の一例である。
図7図7は、ユーザ端末における第1の情報の表示画面の一例である。
図8図8は、第1実施形態において、所定の周期でセンタサーバにおいて実行される処理のフローチャートの一例である。
図9図9は、第2実施形態におけるサービス情報DBに保持される情報の一例である。
図10図10は、第2実施形態において、所定の周期でセンタサーバにおいて実行される処理のフローチャートの一例である。
図11図11は、第3実施形態におけるサービス情報DBに保持される情報の一例である。
図12図12は、第3実施形態において、所定の周期でセンタサーバにおいて実行される処理のフローチャートの一例である。
図13図13は、ユーザ端末におけるロッカー使用依頼画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ロッカーを搭載した車両の移動によって、ユーザによって指定された場所で当該ロッカーへの荷物の預け入れ又は取り出し可能な荷物の一時預かりサービスを提供するシステムがある。車両に搭載されて移動可能なロッカーを、以下、移動ロッカーと称する。移動ロッカーによる荷物の一時預かりサービスを、以下、移動ロッカーサービスと称する。
【0012】
移動ロッカーサービスを利用する場合には、ユーザは、例えば、荷物を預け入れる場所と日時、及び、荷物を取り出す場所と日時とを指定する。しかしながら、例えば、ユーザが、指定した日時に移動ロッカーから荷物を取り出す予定を忘れてしまう可能性がある。その場合、指定した場所で指定した日時に移動ロッカーから荷物の取り出しが行われないため、移動ロッカーを搭載した車両が運行スケジュールどおりに運行することができなくなる可能性もある。
【0013】
そこで、本開示の態様の一つでは、ユーザが指定した第1の日時(荷物を取り出す予定の日時)より前の所定のタイミングで、ユーザに第1の日時を含む第1の情報を通知するようにした。具体的には、本開示の態様の一つは、制御部を備える情報処理装置である。当該制御部は、車両に搭載された移動式のロッカーに預け入れられた荷物を取り出す予定の第1の日時より前の所定のタイミングで、荷物をロッカーに預け入れたユーザが使用するユーザ端末に、第1の日時を含む第1の情報を送信する。これにより、第1の日時に移動ロッカーから荷物を取り出す予定をユーザが忘れていても、第1の日時より前に当該予定をユーザに思い出させることができる。その結果、ユーザが第1の日時に移動ロッカーから荷物を取り出し忘れることを抑制することができる。
【0014】
情報処理装置は、例えば、サーバ等のコンピュータである。制御部は、例えば、コンピュータに備えられるCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。ユーザ
端末は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はウェアラブル端末等のように、ユーザが携帯可能な端末である。車両は、ドライバによる運転によって走行する車両、及び、ドライバによる運転無しに走行可能な自動走行車両の何れであってもよい。車両に搭載されたロッカーは、移動ロッカーに相当する。
【0015】
本開示の態様の1つでは、所定のタイミングは、第1の日時より第1の時間長早い日時
でもよい。その場合、制御部は、第1の日時より第1の時間長早いタイミングで、第1の情報をユーザ端末へ送信してもよい。これにより、第1の日時よりも第1の時間長早いタイミングで、第1の日時に移動ロッカーから荷物を取り出す予定を、ユーザに思い出させることができる。
【0016】
ここで、上記した第1の時間長は、荷物を取り出す予定の場所である第1の場所とユーザ端末の位置との距離に基づいて設定されてもよい。その場合、制御部は、ユーザ端末の位置を取得することと、第1の場所とユーザ端末の位置との距離が大きいほど、第1の時間長を長く設定することと、を実行するようにしてもよい。ここで、ユーザが携帯するユーザ端末の位置は、ユーザの位置と見なすことができる。そのため、ユーザ端末の位置と第1の場所との距離が大きいほど、ユーザが第1の場所からより離れた場所に位置していると推定される。ユーザの位置が第1の場所から離れているほど、ユーザが第1の場所へ移動するの要する時間が長くなる。これに対し、ユーザ端末の位置と第1の場所との距離が大きいほど、第1の時間長が長く設定されると、ユーザ端末の位置と第1の場所との距離が大きいほど、所定のタイミングがより早いタイミングとなる。つまり、ユーザの位置が第1の場所から離れているほど、より早いタイミングで、第1の日時に移動ロッカーから荷物を取り出す予定を、ユーザに思い出させることができる。これにより、ユーザが第1の場所から離れた場所に位置する場合であっても、ユーザが第1の日時までに第1の場所へ移動可能になる。その結果、ユーザは、第1の日時までに移動ロッカーから荷物を取り出すことが可能になる。
【0017】
なお、上記した第1の時間長は、ユーザが任意に指定することができるようにしてもよい。その場合、制御部は、ユーザ端末から、第1の時間長の指定を受け付けるようにしてもよい。これにより、ユーザは、任意のタイミングで、第1の情報を受け取ることができる。
【0018】
本開示の態様の1つでは、所定のタイミングは、第1の日時より第2の時間長早い日時以降であって、且つ車両の位置と第1の場所との距離が第1の距離以下になるタイミングに設定されてもよい。その場合、制御部は、車両の位置を取得することと、第1の日時より第2の時間長早い日時以降であって、且つ車両の位置と第1の場所との距離が第1の距離以下になるタイミングで、第1の情報をユーザ端末へ送信することと、を実行するようにしてもよい。これにより、第1の日時より第2の時間長早い日時(以下、「第2の日時」と記す場合もある。)より前に、車両の位置と第1の場所との距離が第1の距離以下になっても、第2の日時以降になるまでは、第1の情報がユーザ端末へ送信されない。つまり、第1の日時に比して過剰に早いタイミングで、車両の位置と第1の場所との距離が第1の距離以下になる事態が発生しても、第1の情報がユーザ端末へ送信されることを抑制することができる。
【0019】
本開示の態様の1つでは、所定のタイミングは、第1の日時より第3の時間長早い日時以降であって、且つユーザ端末の位置と第1の場所との距離が第2の距離以下になるタイミングに設定されてもよい。その場合、制御部は、ユーザ端末の位置を取得することと、第1の日時より第3の時間長早い日時以降であって、且つユーザ端末の位置と第1の場所との距離が第2の距離以下になるタイミングで、第1の情報をユーザ端末へ送信することと、を実行するようにしてもよい。これにより、第1の日時より第3の時間長早い日時(以下、「第3の日時」と記す場合もある。)より前に、ユーザ端末の位置と第1の場所との距離が第2の距離以下になっても、第3の日時以降になるまでは、第1の情報がユーザ端末へ送信されない。つまり、第1の日時に比して過剰に早いタイミングで、ユーザ端末の位置と第1の場所との距離が第2の距離以下になる事態が発生しても、第1の情報がユーザ端末へ送信されることを抑制することができる。
【0020】
本開示の態様の1つでは、所定のタイミングの設定条件をユーザが指定することができるようにしてもよい。例えば、制御部は、ユーザ端末から、(1)第1の日時より第1の時間長早いタイミングと、(2)第1の日時より第2の時間長早い日時以降であって且つ車両の位置と第1の場所との距離が第1の距離以下になるタイミングと、(3)第1の日時より第3の時間長早い日時以降であって且つユーザ端末の位置と第1の場所との距離が第2の距離以下になるタイミングと、のうちの何れかを所定のタイミングに指定することを受け付けるようにしてもよい。これにより、第1の情報がユーザ端末へ送信されるタイミングである所定のタイミングの設定条件を、ユーザが指定することができる。その結果、ユーザは、該ユーザに適したタイミングで、第1の情報を受け取ることができる。
【0021】
本開示の態様の1つでは、上記した(1)から(3)の何れかの指定は、移動ロッカーの使用依頼とともに行われるようにしてもよい。その場合、制御部は、ユーザ端末から、移動ロッカーの使用依頼とともに、当該指定を受け付けるようにしてもよい。これにより、ユーザは、移動ロッカーの使用依頼を行う際に、当該指定を行うことができる。
【0022】
本開示の態様の1つでは、制御部は、第1の情報として、第1の日時に加え、車両の現在位置、及び車両の第1の場所への到着予定日時を含む情報を、ユーザ端末に送信するようにしてもよい。これにより、ユーザは、第1の日時に加え、車両の現在位置、及び車両の第1の場所への到着予定日時を把握することができる。その結果、例えば、ユーザは、車両の現在位置およびまたは到着予定日時を考慮して、第1の場所へ移動することも可能になる。
【0023】
本開示は、他の態様の一つとして、コンピュータが実行する情報処理方法として特定することができる。当該情報処理方法は、コンピュータが、車両に搭載されたロッカーに預け入れられた荷物を取り出す予定の第1の日時より前の所定のタイミングで、前記荷物を前記ロッカーに預け入れたユーザが使用するユーザ端末に、前記第1の日時を含む第1の情報を送信する。当該コンピュータは、上記した情報処理装置として動作するコンピュータである。
【0024】
本開示は、他の態様の一つとして、プログラム、又は、当該プログラムを記録する非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として特定することができる。当該プログラムは、ユーザ端末に、車両に搭載されたロッカーに預け入れられた荷物を取り出す予定の第1の日時より前の所定のタイミングで、前記第1の日時を含む第1の情報を出力させる。その場合のユーザ端末は、荷物をロッカーに預け入れたユーザが使用する端末である。
【0025】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0026】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る移動ロッカーシステム100のシステム構成の一例を示す図である。移動ロッカーシステム100は、車両にコインロッカーを搭載させて走行させることで、移動式のコインロッカーを提供するシステムである。ユーザは、指定場所においてロッカーに荷物を預け、所定期間当該荷物を保管してもらい、指定場所において当該荷物をロッカーから取り出すことができる。荷物を預け入れる場所と荷物を取り出す場所とは異なっていてもよい。ユーザには、例えば、荷物を預かった時間長、及び、荷物を預け入れる場所と荷物を取り出す場所との距離等に応じて、利用料金が課される。
【0027】
移動ロッカーシステム100は、センタサーバ1と、ロッカー4と、ロッカー4を搭載する車両3と、サービスを利用するユーザのユーザ端末2とを含む。なお、移動ロッカーシステム100は、ロッカー4、車両3、及び、ユーザ端末2をそれぞれ複数含むが、図
1では便宜上、それぞれ1台ずつ示されている。
【0028】
ロッカー4は、1つの筐体に複数の収納部を備える。ロッカー4に備えられる各収納部は、それぞれ施解錠可能となっている。第1実施形態では、ロッカー4の各収納部は、電子錠を採用しているものとする。例えば、ロッカー4に採用される電子錠は、各収納部に備えられたテンキー等の入力装置を操作することによって施錠し、当該入力装置に暗証番号を入力することによって解錠されるものであってもよい。又は、ロッカー4に採用される電子錠は、所定の無線信号の受信機を備え、例えば、ユーザ端末2から認証情報とともに施錠又は解錠信号を送信し、当該受信機が保持する認証情報と受信した認証情報とが一致した場合に施錠又は解錠を行うものであってもよい。ただし、ロッカー4に採用される錠は、電子錠に限られず、物理的な鍵によって施錠又は解錠されるものであってもよい。以下、ユーザの荷物はロッカー4の収納部の一つに預け入れられるが、ロッカー4の収納部の一つを示す場合でも単に「ロッカー4」と表記する場合もある。
【0029】
移動ロッカーサービスでは、原則として、ロッカー4に荷物を預け入れるユーザとロッカー4から荷物を取り出すユーザとは同一人物であることが想定される。ただし、ロッカー4に荷物を預け入れたユーザが、他のユーザにロッカー4の認証情報又は物理鍵を受け渡して、荷物の取り出しを依頼することも可能である。
【0030】
車両3は、第1実施形態では、自律走行車両とする。ただし、車両3には、荷物の預け入れ又は取り出しを補助したり、荷物をロッカー4から取り出し、車両3から指定場所に運んだりするためのスタッフが乗車していてもよい。なお、ロッカー4から取り出された荷物の車両3から指定場所への運搬は、人員に限られず、例えば、ドローンや小型の運搬ロボット等によって行われてもよい。また、車両3は、ドライバの運転によって走行する車両であってもよい。車両3がドライバの運転によって走行する車両である場合には、ユーザサポートや荷物の車両3から指定場所への運搬を行うスタッフはドライバと同一人物であってもよい。第1実施形態では、車両3は、それぞれの担当エリアを走行しているものとする。また、車両3は、サービス利用の依頼の発生に応じて走行するオンデマンド方式で走行してもよいし、所定ルートを巡回していてもよい。第1実施形態では、車両3はオンデマンド方式で走行することとする。
【0031】
ユーザ端末2は、移動ロッカーシステム100のサービスを利用するユーザが利用する端末である。ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はウェアラブル端末等のように、ユーザが携帯可能な端末である。ユーザ端末2には、移動ロッカーシステム100のサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0032】
ユーザ端末2及び車両3は、ネットワークN1に接続しており、ネットワークN1を通じて、センタサーバ1と通信を行う。ネットワークN1は、例えば、インターネット等の公衆ネットワークである。車両3は、例えば、通信機能を備える装置を搭載しており、当該装置によって、ネットワークN1に接続し、センタサーバ1と通信可能である。
【0033】
センタサーバ1は、移動ロッカーシステム100を管理するサーバである。ユーザは、移動ロッカーシステム100のサービスを利用する場合に、ユーザ端末2のアプリケーションプログラムを通じて、ロッカー使用依頼をセンタサーバ1へ送信する。ロッカー使用依頼とともに、ユーザによって指定される、荷物を預け入れる場所と日時、及び、荷物を取り出す場所(第1の場所)と日時(第1の日時)の情報も、センタサーバ1へ送信される。
【0034】
センタサーバ1は、ユーザ端末2からロッカー使用依頼を受信すると、指定された日時
に指定された場所へ向かわせる車両3と、当該車両3に搭載されているロッカー4のうち荷物を収納する収納部とを決定する。第1実施形態では、ロッカー4には電子錠が採用されているので、センタサーバ1はロッカー4の認証情報をユーザ端末2へ通知する。その後、ユーザは、指定場所において車両3と落ち合い、車両3に搭載されるロッカー4に荷物を収納し、センタサーバ1から受信した認証情報を用いてロッカー4を施錠する。荷物を取り出す場合には、ユーザは、予め指定した第1の日時に、予め指定した第1の場所で車両3と落ち合い、センタサーバ1から受信した認証情報を用いてロッカー4を解錠し、ロッカー4から荷物を取り出す。
【0035】
ユーザは荷物を取り出す第1の場所及び第1の日時を予め指定しているが、第1の日時に第1の場所で車両3と落ち合い、車両3に搭載されるロッカー4から荷物を取り出す予定(以下、「第1の予定」と記す場合もある。)を、ユーザが忘れている場合も想定される。そこで、第1実施形態では、センタサーバ1は、第1の日時より前の所定のタイミングで、上記した予定に関する情報(第1の情報)を、ユーザ端末2へ送信する。所定のタイミングとしては、例えば、以下のタイミングを挙げることができる。
(1)第1の日時よりも第1の時間長早いタイミング。
(2)第1の日時より第2の時間長早い日時以降であって且つ車両3の現在位置と第1の場所との距離が第1の距離以下になるタイミング。
(3)第1の日時より第3の時間長早い日時以降であって且つユーザ端末2の位置と第1の場所との距離が第2の距離以下になるタイミング。
【0036】
所定のタイミングは、上記した(1)から(3)の何れかに予め決められていてもよく、又はロッカー使用依頼が行われる際にユーザが上記(1)から(3)の何れかを指定するようにしてもよい。第1実施形態では、上記した(1)のタイミングが所定のタイミングとして、予め決められている例について述べる。
【0037】
第1の情報は、第1の予定をユーザに思い出させるための情報であり、例えば、第1の日時を含む。なお、第1の情報は、第1の日時に加え、第1の場所、車両3の現在位置、及び第1の場所への車両3の到着予定日時等を含んでもよい。
【0038】
第1実施形態によれば、センタサーバ1は、第1の日時より第1の時間長早いタイミングである所定のタイミングで、第1の情報をユーザ端末2に送信する。これにより、センタサーバ1は、ユーザ端末2を通じて、第1の日時、第1の場所、及び車両3の現在位置をユーザに認識させることができる。その結果、ユーザが第1の予定を忘れている場合に、第1の日時が到来する前に、第1の予定をユーザに思い出させることができる。よって、ユーザが、第1の日時に第1の場所で車両3のロッカー4から荷物を取り出し忘れることを、抑制することができる。
【0039】
(ハードウェア構成)
図2は、センタサーバ1とユーザ端末2とのハードウェア構成の一例である。センタサーバ1は、例えば、サーバ専用のコンピュータ又は汎用のコンピュータである。センタサーバ1は、ハードウェア構成として、CPU101、メモリ102、外部記憶装置103、及び、通信部104を備える。メモリ102および外部記憶装置103は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。センタサーバ1は、「情報処理装置」の一例である。
【0040】
外部記憶装置103は、様々なプログラム、及び各プログラムの実行に際してCPU101が使用するデータを格納する。外部記憶装置103は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、又はハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)である。外部記憶装置103に保持されるプログラムには、例えば、オペレーティングシステム(OS
)、移動ロッカーシステム100の制御プログラム、及びその他様々なアプリケーションプログラムがある。
【0041】
メモリ102は、CPU101に、外部記憶装置103に格納されているプログラムをロードする記憶領域及び作業領域を提供したり、バッファとして用いられたりする記憶装置である。メモリ102は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のような半導体メモリを含む。
【0042】
CPU101は、外部記憶装置103に保持されたOS、及びその他様々なアプリケーションプログラムをメモリ102にロードして実行することによって、様々な処理を実行する。CPU101は、1つに限られず、複数備えられてもよい。CPU101は、「制御部」の一例である。
【0043】
通信部104は、例えば、NIC(Network Interface Card)等である。通信部104は、例えば、有線でLAN(Local Area Network)等のアクセスネットワークに接続し、当該アクセスネットワークを通じてネットワークN1に接続する。ただし。通信部104は、有線によってネットワークに接続する回路に限定されず、例えば、WiFi又は移動体通信方式等の無線通信方式に従った無線通信回路であってもよい。
【0044】
次に、ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はウェアラブル端末等のように、ユーザが携帯可能な小型のコンピュータである。ユーザ端末2は、ハードウェア構成として、CPU201、メモリ202、外部記憶装置203、無線通信部204、タッチパネルディスプレイ205、及び位置センサ206を備える。ただし、図2では、ユーザ端末2のハードウェア構成として、第1実施形態に係る処理を行うハードウェア構成要素が抽出して示されており、ユーザ端末2に含まれるハードウェア構成要素は図2に示される要素に限定されない。
【0045】
CPU201、メモリ202、及び外部記憶装置203は、それぞれ、CPU101、メモリ102、及び外部記憶装置103と同様である。ただし、外部記憶装置203として採用される記憶装置(ストレージ)は、例えば、フラッシュメモリである。外部記憶装置203として、SDカード等の可搬記録媒体が含まれてもよい。外部記憶装置203には、OS等に加えて、移動ロッカーシステム100のサービスを利用するためのアプリケーションプログラムも保持されている。
【0046】
無線通信部204は、例えば、5G(5th Generation)、6G、4G、及びLTE(Long Term Evolution)等の移動体通信方式、WiMAX、及び、WiFi等の無線通信方
式に従った無線通信回路である。無線通信部204は、無線通信によってネットワークN1に接続し、センタサーバ1との通信を可能にする。
【0047】
タッチパネルディスプレイ205は、CPU201からの指示に従って画像を出力し、ユーザから入力された信号をCPU201へ出力する。
【0048】
位置センサ206は、ユーザ端末2の現在位置を取得するセンサである。位置センサ206は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機であり、ユーザ端末2が
位置する場所の緯度及び経度を取得する。
【0049】
なお、図2に示されるセンタサーバ1及びユーザ端末2のハードウェア構成は一例であって、センタサーバ1及びユーザ端末2のハードウェア構成は図2に示されるものに限定されない。例えば、ユーザ端末2は、図2に示されるハードウェア構成要素の他に、マイクロフォン、スピーカ、及びカメラ等もハードウェア構成として含む。
【0050】
(機能構成)
図3は、センタサーバ1及びユーザ端末2の機能構成の一例を示す図である。センタサーバ1は、その機能構成として、制御部11、ロッカー情報DB12、スケジュール情報DB13、サービス情報DB14を備える。これらの機能構成要素は、例えば、センタサーバ1のCPU101が移動ロッカーシステム100の制御プログラムを実行することによって達成される。
【0051】
制御部11は、ロッカー4の使用状況を管理し、車両3の走行を制御する。具体的には、制御部11は、ユーザ端末2から、例えば、ロッカー使用依頼、預入完了通知、及び取出完了通知等を受信する。ロッカー使用依頼は、移動ロッカーの利用の依頼である。預入完了通知は、ロッカー4へ荷物の預け入れが完了したことの通知である。取出完了通知は、ロッカー4へ預け入れられた荷物がロッカー4から取り出されたことの通知である。
【0052】
制御部11は、ユーザ端末2からロッカー使用依頼を受信すると、車両3及びロッカー4の割り当てを行う。ユーザ端末2からは、ロッカー使用依頼とともに、荷物を預け入れる場所及び日時と、荷物を取り出す場所及び日時(第1の場所及び第1の日時)と、ユーザの識別情報とが、センタサーバ1へ送信される。以下、荷物を預け入れる場所及び日時を、それぞれ、預入場所及び預入日時、と称することもある。また、荷物を取り出す場所及び日時を、それぞれ、第1の場所及び第1の日時と称することもある。
【0053】
制御部11は、例えば、ロッカー使用依頼に対して割り当てられる車両3及びロッカー4を、後述のスケジュール情報DB13を参照して決定する。例えば、ロッカー使用依頼に対して割り当てられる車両3は、預入場所付近を預入日時に走行し、且つ、預入日時から少なくとも第1の日時まで予定が入っていない収納部を有するロッカー4を搭載する車両である。また、ロッカー使用依頼に対して割り当てられるロッカー4は、当該車両3に搭載されるロッカー4の収納部のうち、預入日時から少なくとも第1の日時まで予定が入っていない収納部の何れかである。なお、割り当てる車両3及びロッカー4の決定方法は、周知の方法の何れであってもよく、特定の方法に限定されない。
【0054】
なお、荷物を預ける車両3及びロッカー4は、例えば、地図上の車両3の位置情報からユーザによって指定されてもよい。この場合には、ユーザによって指定された車両3の識別情報がロッカー使用依頼とともにユーザ端末2からセンタサーバ1へ送信される。また、制御部11は、指定された車両3に搭載されるロッカー4の預入日時から第1の日時まで予定が入っていない収納部の何れかを、受信したロッカー使用依頼に対して割り当てる。
【0055】
その後、制御部11は、受信したロッカー使用依頼のサービスについて、割り当てられた車両3とロッカー4とスケジュールを作成し、作成したスケジュールを後述のスケジュール情報DB13に登録する。また、制御部11は、割り当てられた車両3について作成したスケジュールに基づいて、ユーザに指定された預入場所にユーザに指定された預入日時に到着し、ユーザに指定された第1の場所にユーザに指定された第1の日時に到着するように車両3の走行計画を作成する。作成された走行計画は、車両3へ送信される。走行計画には、例えば、走行の目的地と到着日時、及び、目的地までの経路情報等が含まれている。
【0056】
制御部11は、ロッカー使用依頼に対する承諾の応答と、割り当てたロッカー4に関する情報と、預入場所と、預入日時と、をユーザ端末2へ送信する。ロッカー4に関する情報には、例えば、車両3の識別情報、及び、ロッカー4の収納部の識別情報が含まれる。また、第1実施形態では、ロッカー4は電子錠を採用していることを想定しているので、
ロッカー4に関する情報には、ユーザ端末2に割り当てられた収納部の認証情報も含まれる。ただし、これに限られず、ロッカー使用依頼に対して割り当てられる収納部は、他のロッカー使用依頼との関係で変更される可能性もあるため、ロッカー4に関する情報はロッカー使用依頼に対する承諾の応答とは別にユーザ端末2へ送信されてもよい。例えば、預入日時から所定時間前の時刻になった場合に、割り当てられたロッカー4に関する情報がユーザ端末2へ送信されるようにしてもよい。
【0057】
また、制御部11は、第1の日時より前の所定のタイミングで、第1の情報をユーザ端末2へ送信する。第1実施形態における所定のタイミングは、前述したように、第1の日時より第1の時間長早いタイミングである。第1の時間長は、予め決められた時間(例えば、数十分から数時間)である。第1の情報は、前述したように、第1の予定(第1の日時に第1の場所で車両3と落ち合い、車両3のロッカー4から荷物を取り出す予定)をユーザに思い出させるための情報であり、第1の日時、第1の場所、車両3の現在位置、及び車両3の第1の場所への到着予定日時を含む。第1の日時、第1の場所、及び車両3の現在位置は、後述のサービス情報DB12から取得される。車両3の第1の場所への到着予定日時は、後述のスケジュール情報DB13から取得される。なお、第1の情報は、上記した情報に加え、ロッカー4の収納部の識別情報を含むようにしてもよい。
【0058】
ロッカー情報DB12、スケジュール情報DB13、及びサービス情報DB14は、例えば、センタサーバ1の外部記憶装置103の記憶領域に作成される。ロッカー情報DB12は、ロッカー4に関する情報を保持する。スケジュール情報DB13は、ロッカー4のスケジュールを保持する。サービス情報DB14は、移動ロッカーの使用のサービス情報を保持する。サービス情報は、1つのロッカー使用依頼に対して提供される移動ロッカーサービスに関する情報である。ロッカー情報DB12、スケジュール情報DB13、及びサービス情報DB14に保持される情報の詳細は後述される。
【0059】
ユーザ端末2は、その機能構成として、制御部21を備える。制御部21の処理は、ユーザ端末2のCPU202が外部記憶装置203に保持される移動ロッカーシステム100のアプリケーションプログラムを実行することによって達成される。制御部21は、タッチパネルディスプレイ205へのユーザからの入力に応じて、センタサーバ1へ、例えば、ロッカー使用依頼、預入完了通知、取出完了通知、及び、センタサーバ1からの各種問い合わせに対する応答を送信する。また、制御部21は、センタサーバ1から、ロッカー使用依頼に対する応答及びそれに伴う情報を受信する。また、制御部21は、センタサーバ1から、第1の情報を受信する。また、制御部21は、ユーザ操作に応じて画面を遷移させたり、センタサーバ1から受信された情報をタッチパネルディスプレイ205へ出力したりする。なお、センタサーバ1及びユーザ端末2の機能構成は一例であって、図3に示されるものに限定されない。
【0060】
図4は、ロッカー情報DB12に保持される情報の一例である。ロッカー情報DB12は、ロッカー4に関する情報を保持する。図4に示されるロッカー情報DB12の1レコードは、ロッカー4の1つの収納部に関する情報を示す。図4に示されるロッカー情報DB12の1レコードには、ロッカーID、車両ID、及び、認証情報のフィールドが含まれる。
【0061】
ロッカーIDのフィールドには、ロッカー4の収納部の識別情報が格納される。例えば、ロッカー4の収納部の識別情報は所定数の英数字の文字列であって、ロッカー4を示す上位部分と収納部を示す下位部分とを含む。同じロッカー4に含まれる複数の収納部の間では、識別情報のロッカー4を示す上位部分の値が同じ値となる。
【0062】
車両IDのフィールドには、収納部を含むロッカー4が搭載されている車両3の識別情
報が格納される。認証情報のフィールドには、収納部に設けられている電子錠の認証情報が格納される。収納部の認証情報は、固定であっても可変であってもよい。なお、図4に示されるロッカー情報DB12に保持される情報は一例であって、ロッカー情報DB12に保持される情報は図4に示されるものに限定されない。
【0063】
図5は、サービス情報DB14に保持される情報の一例である。サービス情報DB14は、サービス情報を保持する。図5に示されるサービス情報DB14の1レコードは、1つのロッカー使用依頼に対して提供されるサービスのサービス情報である。図5に示されるサービス情報DB14の1レコードには、サービスID、ユーザID、ロッカーID、預入日時、預入場所、取出日時(第1の日時)、取出場所(第1の場所)、車両の現在位置、所定のタイミング、及び、取出完了通知のフィールドが含まれる。
【0064】
サービスIDのフィールドには、サービスの識別情報が格納される。サービスの識別情報は、受信したロッカー使用依頼について、サービス提供が成立した場合に、制御部11によって割り当てられる。ユーザIDのフィールドには、ユーザの識別情報が格納される。ユーザの識別情報は、移動ロッカーシステム100へユーザ登録を行う際に制御部11によって割り当てられる。移動ロッカーシステム100へのユーザ登録は、移動ロッカーシステム100のクライアントアプリケーションを通じて行われる。ロッカーIDのフィールドには、当該サービスに割り当てられたロッカー4の収納部の識別情報が格納される。
【0065】
預入日時、預入場所、取出日時(第1の日時)、及び、取出場所(第1の場所)のフィールドには、それぞれ、預入日時、預入場所、第1の日時、及び、第1の場所を示す情報が格納される。預入場所及び第1の場所を示す情報は、例えば、住所、緯度及び経度、及び、ランドマーク名等である。預入日時及び第1の日時は、例えば、年月日時分で示される。
【0066】
車両の現在位置のフィールドには、該当のサービスに割り当てられたロッカー4を搭載する車両3の現在位置を示す情報が格納される。車両3の現在位置を示す情報は、例えば、住所、緯度及び経度、又はランドマーク名等である。
【0067】
所定のタイミングのフィールドには、第1の情報をユーザ端末2へ送信するタイミングを示す情報が格納される。第1実施形態では、所定のタイミングのフィールドには、取出日時(第1の日時)から第1の時間長早い日時を示す年月日時分が格納される。
【0068】
取出完了通知のフィールドには、該当のサービスに割り当てられたロッカー4から荷物が取り出されたことを示す取出完了通知の受信があったか否かを示す情報が格納される。取出完了通知の受信があったか否かを示す情報は、例えば、フラグ、コード、又は、キーワードである。
【0069】
制御部11は、ユーザ端末2からロッカー使用依頼を受信し、サービスの提供が成立した場合に、サービス情報DB14にレコードを追加する。レコードが追加されるとともに、制御部11は、成立したサービスに識別情報を割り当て、サービスIDのフィールドに格納する。また、ロッカーIDのフィールドには、制御部11によって割り当てられたロッカー4の収納部の識別情報が格納される。また、ユーザID、預入日時、預入場所、取出日時(第1の日時)、及び、取出場所(第1の場所)のフィールドには、制御部11によって、それぞれ、ロッカー使用依頼とともにユーザ端末2から受信された、ユーザの識別情報、預入日時、預入場所、第1の日時、及び、第1の場所が格納される。
【0070】
制御部11は、車両3の現在位置を周期的に取得し、車両3の現在位置を取得する都度
、車両の現在位置のフィールドに格納される情報を更新する。また、制御部11は、ユーザ端末2からロッカー使用依頼を受信し、サービスの提供が成立した場合に、ユーザ端末2から受信された取出日時から第1の時間長を減算することで、所定のタイミングを演算する。制御部11は、演算された所定のタイミングを、所定のタイミングのフィールドに格納する。
【0071】
取出完了通知のフィールドの初期値は、取出完了通知の受信がないことを示す情報である。取出完了通知のフィールドは、ユーザ端末2から取出完了通知が受信されると、制御部11によって、取出完了通知の受信があったことを示す情報に更新される。なお、サービス情報DB14に保持される情報は図5に示される情報に限定されない。
【0072】
図6は、スケジュール情報DB13に保持される情報の一例である。スケジュール情報DB13には、各ロッカー4及び車両3のスケジュールが格納されている。図6に示される例では、1台の車両3と、当該車両3に搭載されているロッカー4の各収納部とのある日の営業時間内におけるスケジュールが示されている。
【0073】
図6に示される例では、ロッカーID:001である収納部は、サービスID:001のサービスに割り当てられており、8時15分から17時00分まで予約されている。サービスID:001のサービスでは、預入日時が8時15分であり、取出日時(第1の日時)が14時00分に設定されている。
【0074】
図6に示される例では、各収納部の予約に応じて車両3のスケジュールが設定されている。ロッカーID:001の収納部に割り当てられたサービスID:001のサービスに対応する車両3のスケジュールアイテムとして、アイテム#100、アイテム#101、アイテム#200、及びアイテム#201が設定されている。
【0075】
アイテム#100及びアイテム#101は、サービスID:001のサービスの荷物の預け入れに対応するスケジュールアイテムである。アイテム#100は車両3の走行イベントのアイテムである。アイテム#100には、走行の目的地としてサービスID:001の預入場所、預入場所への車両3の到着予定日時としてサービスID:001の預入日時-αの日時が設定されている。アイテム#101は、車両3が停車するイベントのアイテムである。アイテム#101の車両3の停車のイベントは、ユーザがロッカー4に荷物を預け入れるためのイベントである。ユーザがロッカー4に荷物を預け入れる一連の動作には、車両3への乗車、収納部への荷物の収納、収納部の施錠、及び、車両3からの降車が含まれる。これらの一連の動作を実行するために十分な時間、車両3は停車する必要がある。したがって、アイテム#101には、停車の開始日時としてサービスID:001の預入日時-αの日時、停車の終了日時としてサービスID:001の預入日時+αの日時が設定されている。
【0076】
アイテム#100及びアイテム#101に対応する車両3に設定される走行計画は、預入日時-αに預入場所まで走行し、預入場所で預入日時-αから預入日時+αまで停車することを示す走行計画となる。
【0077】
アイテム#200及びアイテム#201は、サービスID:001のサービスの荷物の取り出しに対応するスケジュールアイテムである。アイテム#200は車両3の走行イベントのアイテムである。アイテム#200には、走行の目的地としてサービスID:001の取出場所(第1の場所)、取出場所(第1の場所)への車両3の到着予定日時としてサービスID:001の取出日時-αの日時が設定されている。アイテム#201は、車両3が停車するイベントのアイテムである。アイテム#201の車両3の停車のイベントは、ユーザがロッカー4から荷物を取り出すためのイベントである。ユーザがロッカー4
から荷物を取り出す一連の動作には、車両3への乗車、収納部の解錠、収納部からの荷物の取り出し、及び、車両3からの降車が含まれる。したがって、アイテム#201には、停車の開始日時としてサービスID:001の取出日時(第1の日時)-αの日時、停車の終了日時としてサービスID:001の取出日時(第1の日時)+αの日時が設定されている。
【0078】
アイテム#200及びアイテム#201に対応する車両3に設定される走行計画は、取出日時(第1の日時)-αに取出場所(第1の場所)まで走行し、取出場所(第1の場所)で取出日時(第1の日時)-αから取出日時(第1の日時)+αまで停車することを示す走行計画となる。
【0079】
車両3のスケジュールの空白期間では、例えば、制御部11がその時の前後のスケジュールに合わせた経路で車両3を走行させる。制御部11は、スケジュール情報DB13を参照して、ロッカー4の割り当て、及び、第1の場所及び第1の日時の提案等を行う。スケジュール情報DB13に保持される情報は、図6に示されるものに限定されない。
【0080】
(ユーザ端末の画面例)
図7は、移動ロッカーシステム100のクライアントアプリケーションによるユーザ端末2の画面の一例である。図7は、ユーザ端末2における第1の情報の表示画面の一例である。第1の情報の表示画面は、第1の予定(第1の日時に第1の場所で車両3と落ち合い、車両3に搭載されるロッカー4から荷物を取り出す予定)を、ユーザに思い出させるための情報をユーザに提示する画面である。第1の情報の表示画面は、センタサーバ1から第1の情報をユーザ端末2が受信したときに表示される。
【0081】
図7に例示する第1の情報の表示画面には、取出日時、取出場所、到着予定日時、及び車両3の現在位置を示す情報が含まれる。取出日時は、ユーザがロッカー使用依頼を行った際に指定した第1の日時の年月日時分を示す文字情報である。取出場所は、ユーザが依頼を行った際に指定した第1の場所を示す住所、緯度及び経度、又は、ランドマーク名等を示す文字情報である。到着予定日時は、車両3が第1の場所へ到着する予定の日時の年月日時分を示す文字情報である。
【0082】
車両3の現在位置は、地図上における車両3の現在位置を示す情報である。図7に示す例では、車両3の現在位置を示す情報として、地図上における車両3の現在位置に加え、当該地図上における第1の場所も示されている。これにより、ユーザは、第1の場所を基準にして、車両3の現在位置を把握することができる。また、上記した地図上には、車両3の現在位置と第1の場所とに加え、ユーザの現在位置(ユーザ端末2の現在位置)が表示されるようにしてもよい。その場合、ユーザは、地図上に示された、第1の場所とユーザの現在位置(ユーザ端末2の現在位置)とを参照することで、ユーザの現在位置から第1の場所)への移動経路、及び移動に要する時間を把握することも可能になる。
【0083】
なお、ロッカー使用依頼画面の構成は、図7に示される例に限定されない。
【0084】
(処理の流れ)
図8は、所定の周期(例えば、数分から数十分毎)でセンタサーバ1において繰り返し実行される処理のフローチャートの一例である。図8に示される処理の実行主体は、センタサーバ1のCPU101であるが、便宜上、機能構成要素を主体として説明する。
【0085】
図8において、センタサーバ1の制御部11は、サービス情報DB14にアクセスして、所定のタイミングが到来したレコードを検索する(ステップS101)。例えば、制御部11は、サービス情報DB14に登録されているレコードの中で、所定のタイミングフ
ィールドに格納されている日時が現在日時と一致、又は現在日時に近似(例えば、現在日時の前後数分又は前後数十分以内)するレコードを検索する。制御部11は、ステップS101の処理を実行し終えると、ステップS102の処理を実行する。
【0086】
ステップS102では、制御部11は、該当するレコードがあるかを判定する。つまり、制御部11は、サービス情報DB14に登録されているレコードの中に、所定のタイミングが到来したレコード(所定のタイミングフィールドに格納されている日時が現在日時と一致、又は現在日時に近似するレコード)があるかを判定する。サービス情報DB14に登録されているレコードの中に、該当するレコードがない場合(ステップS102で否定判定)、図8に示される処理が終了される。サービス情報DB14に登録されているレコードの中に、該当するレコードがある場合(ステップS102で肯定判定)、処理がステップS103へ進む。
【0087】
ステップS103では、制御部11は、第1の情報を生成するうえで必要となる各種データを、サービス情報DB14及びスケジュール情報DB13から抽出する。例えば、制御部11は、サービス情報DB14における該当レコードのサービスID、取出日時(第1の日時)、取出場所(第1の場所)、及び車両3の現在位置のフィールドに格納されている情報を抽出する。また、制御部11は、サービス情報DB14における該当レコードから抽出されたサービスIDを引数として、スケジュール情報DB13にアクセスすることで、上記サービスIDに対応するサービスのスケジュールアイテム(例えば、図6中のアイテム#200)から、車両3の取出場所(第1の場所)への到着予定日時を抽出する。制御部11は、ステップS103の処理を実行し終えると、ステップS104の処理を実行する。
【0088】
ステップS104では、制御部11は、ステップS103で抽出されたデータに基づいて、第1の情報を生成する。第1の情報は、前述したように、第1の日時、大地居場所、車両3の現在位置、及び車両3の第1の場所への到着予定日時を含む情報である。制御部11は、ステップS104の処理を実行し終えると、ステップS105の処理を実行する。
【0089】
ステップS105では、制御部11は、ステップS104で生成された第1の情報を、ユーザ端末2へ送信する。第1の情報の送信先となるユーザ端末2は、サービス情報DB14における該当レコードに対応するロッカー使用依頼を行ったユーザが使用する端末である。ステップS105の処理が実行されると、図8の処理が終了する。
【0090】
センタサーバ1からの第1の情報を受信したユーザ端末2では、制御部21が、図6に示したような画面を、タッチパネルディスプレイ205に出力させることで、第1の情報をユーザに提示する。これにより、第1の日時より前の所定のタイミングで、第1の予定(第1の日時に第1の場所で車両3と落ち合い、車両3に搭載されるロッカー4から荷物を取り出す予定)をユーザに思い出させることができる。なお、ユーザ端末2の制御部21は、図6に示したような画面をタッチパネルディスプレイ205に出力する際に、ユーザ端末2のスピーカから通知音を出力してもよい。これにより、第1の予定を、より確実にユーザに認識させることができる。
【0091】
(第1実施形態の作用効果)
第1実施形態では、ロッカー使用依頼を行うユーザによって指定された第1の日時より前の所定のタイミングで、第1の情報がユーザ端末2へ送信される。これにより、第1の予定(第1の日時に第1の場所で車両3と落ち合い、車両3に搭載されるロッカー4から荷物を取り出す予定)をユーザが忘れていても、第1の日時より前に第1の予定をユーザに思い出させることができる。その結果、ユーザが第1の日時に第1の場所で車両3のロ
ッカー4から荷物を取り出し忘れることを、抑制することができる。
【0092】
また、第1実施形態では、第1の日時に加え、第1の場所、車両3の現在位置、及び車両3の第1の場所への到着予定日時を含む第1の情報がユーザに提示される。これにより、ユーザは、車両3の現在位置およびまたは到着予定日時を考慮して、第1の場所へ移動することも可能になる。
【0093】
また、第1の情報が、第1の日時に加え、第1の場所、車両3の現在位置、及び車両3の第1の場所への到着予定日時に加え、ロッカー4の収納部の識別情報を含む場合には、ユーザが荷物を預け入れた収納部を忘れてしまった場合でも、該当する収納部をユーザに思い出させることも可能になる。
【0094】
(第1実施形態の変形例1)
所定のタイミングの決定に使用される第1の時間長は、第1の場所とユーザ端末2の位置との距離に応じて変更されるようにしてもよい。例えば、センタサーバ1の制御部11は、第1の場所とユーザ端末2の位置とが大きいほど、第1の時間長を長くしてもよい。
【0095】
本変形例では、制御部11は、第1の時間長の初期値にマージンを加算した時間長だけ第1の日時より早いタイミング(以下、「取得タイミング」と記す場合もある。)で、ユーザ端末2の位置情報を取得する。ユーザ端末2の位置情報は、ユーザ端末2の位置センサ206により取得された現在位置を示す情報である。斯様な位置情報を取得するにあたり、制御部11は、取得タイミングで、位置情報要求信号を、ユーザ端末2に送信してもよい。位置情報要求信号を受信したユーザ端末2では、制御部21は、位置センサ206を通じて、ユーザ端末2の現在位置を取得し、取得した現在位置を示す位置情報をセンタサーバ1へ送信してもよい。
【0096】
制御部11は、上記した方法で取得した位置情報に基づいて、ユーザ端末2の現在位置と第1の場所との距離を演算する。演算された距離が基準値より大きければ、制御部11は、第1の時間長の初期値に第1の補正値を加算した時間長を、第1の時間長に設定する。基準値は、例えば、第1の時間長の初期値以内に、ユーザが移動することができると推定される距離の最大値である。第1の補正値は、例えば、ユーザ端末2の現在位置と第1の場所との距離と、基準値と、の差が大きいほど、大きい値に設定される。
【0097】
また、ユーザ端末2の現在位置と第1の場所との距離が基準値より小さい場合は、制御部11は、第1の時間長の初期値から第2の補正値を減算した時間長を、第1の時間長に設定する。第2の補正値は、例えば、ユーザ端末2の位置と第1の場所との距離と、基準値と、の差が大きいほど、大きい値に設定される。
【0098】
また、ユーザ端末2の現在位置と第1の場所との距離が基準値と同等である場合は、制御部11は、第1の時間長の初期値を、第1の時間長に設定する。
【0099】
本変形例では、ユーザ端末2の現在位置と第1の場所との距離が大きいほど、第1の時間長が長く設定される。これにより、ユーザ端末2の現在位置と第1の場所との距離が大きいほど、所定のタイミングが、より早いタイミングとなる。つまり、ユーザ端末2の現在位置が第1の場所から離れているほど、より早いタイミングで、第1の情報がセンタサーバ1からユーザ端末2へ送信される。
【0100】
本変形例によれば、ユーザの現在位置が第1の場所から離れているほど、より早いタイミングで、第1の予定(第1の日時に第1の場所で車両3と落ち合い、車両3に搭載されるロッカー4から荷物を取り出す予定)を、ユーザに思い出させることができる。これに
より、ユーザが第1の場所から離れた場所に位置する場合であっても、ユーザが第1の日時までに第1の場所へ移動可能になる。その結果、ユーザは、第1の日時までにロッカー4から荷物を取り出すことが可能になる。
【0101】
(第1実施形態の変形例2)
所定のタイミングの決定に使用される第1の時間長は、ユーザにより任意に指定されるようにしてもよい。例えば、ユーザがロッカー使用依頼を行う場合に、預入場所及び預入日時と、第1の場所及び第1の日時と、に加え、第1の時間長が指定されるようにしてもよい。その場合、ユーザ端末2の制御部21が、ロッカー使用依頼とともに、ユーザによって指定される、預入場所、預入日時、第1の場所、及び第1の日時に加え、第1の時間長の情報も、センタサーバ1へ送信するようにしてもよい。
【0102】
センタサーバ1の制御部11は、ロッカー使用依頼とともに受信した、第1の時間長の情報に基づいて、所定のタイミングを設定してもよい。例えば、制御部11は、第1の日時よりも、ユーザによって指定された第1の時間長早いタイミングを、所定のタイミングに設定してもよい。
【0103】
本変形例によれば、ユーザは、任意のタイミングで、第1の情報の提示を受けることができる。
【0104】
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態について、図9から図10に基づいて説明する。ここでは、前述した第1実施形態と異なる構成について説明し、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0105】
前述した第1実施形態では、第1の日時より第1時間長早いタイミングを、所定のタイミングに設定する例について述べた。これに対し、第2実施形態では、第1の日時より第2の時間長早い日時以降であって、且つ車両3の現在位置と第1の場所との距離Ds1が第1の距離Thr1以下になるタイミングを、所定のタイミングに設定する例について述べる。
【0106】
図9は、第2実施形態におけるサービス情報DB14に保持される情報の一例である。図9に示されるサービス情報DB14の1レコードには、サービスID、ユーザID、ロッカーID、預入日時、預入場所、取出日時(第1の日時)、取出場所(第1の場所)、車両の現在位置、第2の日時、及び、取出完了通知のフィールドが含まれる。
【0107】
サービスID、ユーザID、ロッカーID、預入日時、預入場所、取出日時(第1の日時)、取出場所(第1の場所)、車両の現在位置、及び、取出完了通知のフィールドに格納される情報は、第1実施形態(図5)と同様である。第2の日時のフィールドには、第1の日時より第2の時間長早い日時(第2の日時)を示す年月日時分が格納される。第2の時間長は、第1実施形態における第1の時間長と同じ時間長でもよく、第1の時間長より長い時間長でもよく、又は第1の時間長より短い時間長でもよい。
【0108】
制御部11は、ユーザ端末2からロッカー使用依頼を受信し、サービスの提供が成立した場合に、ユーザ端末2から受信された第1の日時から第2の時間長を減算することで、第2の日時を演算する。制御部11は、演算された第2の日時を、第2の日時のフィールドに格納する。
【0109】
(処理の流れ)
図10は、所定の周期でセンタサーバ1において繰り返し実行される処理のフローチャ
ートの一例である。図10において、前述の図8と同様の処理には、図8と同一の符号を付している。
【0110】
図10のフローチャートでは、図8のフローチャートにおけるステップS101-S102の処理の代わりに、ステップS201-S205の処理が実行される。なお、図10に示される処理の実行主体は、図8と同様に、センタサーバ1のCPU101であるが、便宜上、機能構成要素を主体として説明する。
【0111】
ステップS201では、センタサーバ1の制御部11が、サービス情報DB14にアクセスして、第2の日時が到来しているレコードを検索する。例えば、制御部11は、サービス情報DB14に登録されているレコードの中で、第2の日時フィールドに格納されている日時が現在日時と一致、又は現在日時よりも前になるレコードを検索する。制御部11は、ステップS201の処理を実行し終えると、ステップS202の処理を実行する。
【0112】
ステップS202では、制御部11は、該当するレコードがあるかを判定する。つまり、制御部11は、サービス情報DB14に登録されているレコードの中に、第2の日時フィールドに格納されている日時が現在日時と一致、又は現在日時よりも前になるレコードがあるかを判定する。サービス情報DB14に登録されているレコードの中に、該当するレコードがない場合(ステップS202で否定判定)、図10に示される処理が終了される。サービス情報DB14に登録されているレコードの中に、該当するレコードがある場合(ステップS202で肯定判定)、処理がステップS203へ進む。
【0113】
ステップS203では、制御部11は、車両3の現在位置と第1の場所とを取得する。具体的には、制御部11は、サービス情報DB14の該当レコードにおける車両の現在位置フィールドに格納されている情報と、該当レコードにおける取出場所(第1の場所)フィールドに格納されている情報と、を抽出する。制御部11は、ステップS203の処理を実行し終えると、ステップS204の処理を実行する。
【0114】
ステップS204では、制御部11は、ステップS203で取得された情報に基づいて、車両3の現在位置と第1の場所との距離Ds1を演算する。制御部11は、ステップS204の処理を実行し終えると、ステップS205の処理を実行する。
【0115】
ステップS205では、制御部11は、ステップS204で演算された距離Ds1が第1の距離Thr1以下であるかを判定する。距離Ds1が第1の距離Thr1より大きい場合(ステップS205で否定判定)、図10の処理が終了される。また、距離Ds1が第1の距離Thr1以下である場合(ステップS205で肯定判定)、制御部11は、ステップS103-S105の処理を実行する。
【0116】
(第2実施形態の作用効果)
第2実施形態では、第2の日時(第1の日時よりも第2の時間長早い日時)よりも前に、車両3の現在位置と第1の場所との距離Ds1が第1の距離Thr1以下になっても、第2の日時以降になるまでは、第1の情報がセンタサーバ1からユーザ端末2へ送信されない。その結果、第1の日時に比して過剰に早いタイミングで、車両3が第1の場所に近づいても、第1の情報がセンタサーバ1からユーザ端末2へ送信されることを抑制することができる。
【0117】
<第3実施形態>
本開示の第3実施形態について、図11から図12に基づいて説明する。ここでは、前述した第1実施形態と異なる構成について説明し、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0118】
前述した第1実施形態では、第1の日時より第1時間長早いタイミングを、所定のタイミングに設定する例について述べた。これに対し、第3実施形態では、第1の日時より第3の時間長早い日時以降であって、且つユーザの現在位置と第1の場所との距離Ds2が第2の距離Thr2になるタイミングを、所定のタイミングに設定する例について述べる。
【0119】
図11は、第3実施形態におけるサービス情報DB14に保持される情報の一例である。図11に示されるサービス情報DB14の1レコードには、サービスID、ユーザID、ロッカーID、預入日時、預入場所、取出日時(第1の日時)、第1の場所、ユーザの現在位置、第3の日時、及び、取出完了通知のフィールドが含まれる。
【0120】
サービスID、ユーザID、ロッカーID、預入日時、預入場所、取出日時(第1の日時)、取出場所(第1の場所)、及び、取出完了通知のフィールドに格納される情報は、第1実施形態(図5)と同様である。ユーザの現在位置のフィールドには、ユーザの現在位置を示す情報として、ユーザ端末2の現在位置を示す情報が格納される。第3の日時のフィールドには、第1の日時より第3の時間長早い日時(第3の日時)を示す年月日時分が格納される。第3の時間長は、第1実施形態における第1の時間長と同じ時間長でもよく、第1の時間長より長い時間長でもよく、又は第1の時間長より短い時間長でもよい。
【0121】
制御部11は、ユーザ端末2からロッカー使用依頼を受信し、サービスの提供が成立した場合に、ユーザ端末2から受信された取出日時から第3の時間長を減算することで、第3の日時を演算する。制御部11は、演算された第3の日時を、第2の日時のフィールドに格納する。また、制御部11は、位置情報要求信号を周期的にユーザ端末2へ送信することで、ユーザ端末2の位置センサ206により取得された位置情報を周期的に取得する。制御部11は、ユーザ端末2からの位置情報を取得する都度、ユーザの現在位置フィールドに格納される情報を更新する。
【0122】
(処理の流れ)
図12は、所定の周期でセンタサーバ1において繰り返し実行される処理のフローチャートの一例である。図12において、前述の図8と同様の処理には、図8と同一の符号を付している。
【0123】
図12のフローチャートでは、図8のフローチャートにおけるステップS101-S102の処理の代わりに、ステップS301-S305の処理が実行される。なお、図12に示される処理の実行主体は、図8と同様に、センタサーバ1のCPU101であるが、便宜上、機能構成要素を主体として説明する。
【0124】
ステップS301では、センタサーバ1の制御部11が、サービス情報DB14にアクセスして、第3の日時が到来しているレコードを検索する。例えば、制御部11は、サービス情報DB14に登録されているレコードの中で、第3の日時フィールドに格納されている日時が現在日時と一致、又は現在日時よりも前になるレコードを検索する。制御部11は、ステップS301の処理を実行し終えると、ステップS302の処理を実行する。
【0125】
ステップS302では、制御部11は、該当するレコードがあるかを判定する。つまり、制御部11は、サービス情報DB14に登録されているレコードの中に、第3の日時フィールドに格納されている日時が現在日時と一致、又は現在日時よりも前になるレコードがあるかを判定する。サービス情報DB14に登録されているレコードの中に、該当するレコードがない場合(ステップS302で否定判定)、図12に示される処理が終了される。サービス情報DB14に登録されているレコードの中に、該当するレコードがある場
合(ステップS302で肯定判定)、処理がステップS303へ進む。
【0126】
ステップS303では、制御部11は、ユーザの現在位置(ユーザ端末2の現在位置)と第1の場所とを取得する。具体的には、制御部11は、サービス情報DB14の該当レコードにおけるユーザの現在位置フィールドに格納されている情報と、該当レコードにおける取出場所(第1の場所)フィールドに格納されている情報と、を読み出す。制御部11は、ステップS303の処理を実行し終えると、ステップS304の処理を実行する。
【0127】
ステップS304では、制御部11は、ステップS303で取得された情報に基づいて、ユーザの現在位置(ユーザ端末2の現在位置)と第1の場所との距離Ds2を演算する。制御部11は、ステップS304の処理を実行し終えると、ステップS305の処理を実行する。
【0128】
ステップS305では、制御部11は、ステップS304で演算された距離Ds2が第2の距離Thr2以下であるかを判定する。距離Ds2が第2の距離Thr2より大きい場合(ステップS305で否定判定)、図12の処理が終了される。また、距離Ds2が第2の距離Thr2以下である場合(ステップS305で肯定判定)、制御部11は、ステップS103-S105の処理を実行する。
【0129】
(第3実施形態の作用効果)
第3実施形態では、第3の日時(第1の日時よりも第3の時間長早い日時)よりも前に、ユーザの現在位置と第1の場所との距離Ds2が第2の距離Thr2以下になっても、第3の日時以降になるまでは、第1の情報がセンタサーバ1からユーザ端末2へ送信されない。その結果、第1の日時に比して過剰に早いタイミングで、ユーザが第1の場所に近づいても、第1の情報がセンタサーバ1からユーザ端末2へ送信されることを抑制することができる。
【0130】
<その他の実施形態>
【0131】
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。例えば、センタサーバ1の機能が、ユーザ端末2にインストールされるアプリケーションプログラムにより実現されてもよい。その場合、アプリケーションプログラムは、所定のタイミングで、第1の情報をユーザ端末2のタッチパネルディスプレイ205に出力させるように構成されてもよい。これにより、上記の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0132】
また、本開示において説明した処理及び手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。例えば、前述した第1から第3実施形態では、所定のタイミングが下記(1)から(3)の何れかに予め決めれている例を挙げたが、ロッカー使用依頼が行われる際にユーザが下記(1)から(3)の何れかを任意に指定することができるようにしてもよい。
(1)第1の日時よりも第1の時間長早いタイミング。
(2)第1の日時より第2の時間長早い日時以降であって且つ車両3の現在位置と第1の場所との距離が第1の距離以下になるタイミング。
(3)第1の日時より第3の時間長早い日時以降であって且つユーザ端末2の位置と第1の場所との距離が第2の距離以下になるタイミング。
【0133】
ユーザが任意に所定のタイミングを指定する構成においては、ユーザがロッカー使用依頼を行う場合に、図13に示すような画面がユーザ端末2のタッチパネルディスプレイ205に表示されるようにしてもよい。図13の画面は、ロッカー使用依頼画面の一例であ
る。ロッカー使用依頼画面は、移動ロッカーサービスの利用の依頼を行うための画面である。ロッカー使用依頼画面は、例えば、移動ロッカーシステム100のクライアントアプリケーションのメニューからロッカー使用依頼を選択すると表示される。
【0134】
図13に示されているロッカー使用依頼画面には、預入場所、預入日時、取出場所(第1の場所)、及び取出日時(第1の日時)の入力欄と、通知タイミングを入力欄と、ロッカー使用依頼のボタンと、が含まれる。
【0135】
預入場所及び取出場所の入力欄には、それぞれ、キーワードによる検索、地図から選択、及び、登録住所から選択の指定方法を選択するラジオボタンが備えられている。「キーワードによる検索」が選択されると、入力されたキーワードによる検索結果が表示され、検索結果から預入場所又は取出場所を選択することができる。キーワードによる検索結果として、例えば、地名、駅名、建物名、及び、住所等が表示される。「地図から選択」が選択されると、地図の表示画面に遷移し、地図上で預入場所又は取出場所を設定することができる。「登録住所から選択」が選択されると、登録されている住所のリストが表示され、当該リストから預入場所又は取出場所を選択することができる。
【0136】
預入日時及び取出日時の入力欄には、月日時分のそれぞれを選択するためプルダウンメニューが備えられている。分の選択は、例えば、5分単位、10分単位、15分単位、又は、30分単位で指定されるようにしてもよい。
【0137】
通知タイミングの入力欄には、上記(1)から(3)の何れかを所定のタイミングに指定するためのプルダウンメニューが備えられている。
【0138】
「依頼開始」ボタンが選択されると、ユーザ端末2の制御部21が、ロッカー使用依頼のユーザ操作を受け付け、センタサーバ1へロッカー使用依頼を送信する。ロッカー使用依頼とともに、ロッカー使用依頼画面において入力された預入場所、預入日時、取出場所、取出日時、所定のタイミング、及び、ユーザ識別情報も、ユーザ端末2からセンタサーバ1へ送信される。
【0139】
ユーザが任意に所定のタイミングを指定する構成によれば、ユーザは、任意のタイミングで第1の情報の提示を受けることができる。例えば、ユーザは、該ユーザの生活パターン又はスケジュール等に適したタイミングで、第1の情報の提示を受けることができる。
【0140】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0141】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0142】
1・・センタサーバ
2・・ユーザ端末
3・・車両
4・・ロッカー
11・・制御部
12・・ロッカー情報データベース
13・・スケジュール情報データベース
14・・サービス情報データベース
21・・制御部
100・・移動ロッカーシステム
101、201・・CPU
102、202・・メモリ
103、203・・外部記憶装置
104・・通信部
204・・無線通信部
205・・タッチパネルディスプレイ
206・・位置センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
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図13