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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】エンジン制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/16 20060101AFI20240723BHJP
   F02B 37/18 20060101ALI20240723BHJP
   F02D 43/00 20060101ALI20240723BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20240723BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20240723BHJP
   F01N 3/22 20060101ALI20240723BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20240723BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20240723BHJP
   B60W 20/10 20160101ALI20240723BHJP
   B60W 20/16 20160101ALI20240723BHJP
   B60W 20/50 20160101ALI20240723BHJP
【FI】
F02B39/16 F
F02B37/18 D
F02D43/00 301D
F02D43/00 301R
F02D45/00 366
F02D45/00 368F
F01N3/20 D
F01N3/22 311B
F01N3/24 T
B60W10/06 900
B60W20/10 ZHV
B60W20/16
B60W20/50
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021206379
(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公開番号】P2023091574
(43)【公開日】2023-06-30
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】片山 章弘
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-247560(JP,A)
【文献】特開2010-151038(JP,A)
【文献】特開2015-094300(JP,A)
【文献】特開2018-105244(JP,A)
【文献】特開2017-172476(JP,A)
【文献】特開2020-192841(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0049093(US,A1)
【文献】特開2011-190778(JP,A)
【文献】特開2012-241545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 39/16
F02B 37/18
F02D 43/00
F02D 45/00
F01N 3/20
F01N 3/22
F01N 3/24
B60W 10/06
B60W 20/10
B60W 20/16
B60W 20/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合気の燃焼が行われる燃焼室と、前記燃焼室から排出された排気が流れる排気通路と、前記排気通路に設けられたタービンを有するターボチャージャと、前記排気通路における前記タービンよりも上流側の部分において同排気通路から分岐するとともに同排気通路における前記タービンよりも下流側の部分において同排気通路に合流するバイパス通路と、前記バイパス通路を開閉するウェイストゲートバルブと、前記排気通路における前記タービンよりも下流側の部分に設置された空燃比センサと、前記排気通路における前記空燃比センサよりも下流側、かつ前記排気通路における前記バイパス通路の合流位置よりも下流側の部分に設置された排気浄化用の触媒装置と、を備えるエンジンの制御を行う装置であって、
前記エンジンの冷間始動時に前記ウェイストゲートバルブを開弁して前記触媒装置の活性化を促進する触媒早期活性化制御と、
前記触媒早期活性化制御の実行中の前記空燃比センサの出力変動の振幅に基づき、前記ウェイストゲートバルブの閉弁固着の有無を診断する診断処理と、
前記診断処理の実行中に、前記燃焼室で燃焼させる前記混合気の空燃比を変動させる空燃比変動制御と、
を実行するエンジン制御装置。
【請求項2】
前記診断処理として、前記空燃比変動制御を実行していない状態で前記閉弁固着の有無を診断する第1診断処理と、前記空燃比変動制御を実行し状態で前記閉弁固着の有無を診断する第2診断処理と、を有しており、かつ前記第2診断処理は、前記第1診断処理よりも後に実施される請求項に記載のエンジン制御装置。
【請求項3】
混合気の燃焼が行われる燃焼室と、前記燃焼室から排出された排気が流れる排気通路と、前記排気通路に設けられたタービンを有するターボチャージャと、前記排気通路における前記タービンよりも上流側の部分において同排気通路から分岐するとともに同排気通路における前記タービンよりも下流側の部分において同排気通路に合流するバイパス通路と、前記バイパス通路を開閉するウェイストゲートバルブと、前記排気通路における前記タービンよりも下流側の部分に設置された空燃比センサと、前記排気通路における前記空燃比センサよりも下流側、かつ前記排気通路における前記バイパス通路の合流位置よりも下流側の部分に設置された排気浄化用の触媒装置と、を備えるエンジンの制御を行う装置であって、
前記エンジンの冷間始動時に前記ウェイストゲートバルブを開弁して前記触媒装置の活性化を促進する触媒早期活性化制御と、
前記触媒早期活性化制御の実行中の前記空燃比センサの出力変動の振幅に基づき、前記ウェイストゲートバルブの閉弁固着の有無を診断する診断処理と、
前記診断処理の実行中に、前記エンジンの吸気量を増量する吸気増量制御と、
を実行するエンジン制御装置。
【請求項4】
前記診断処理として、前記吸気増量制御を実行していない状態で前記閉弁固着の有無を診断する第3診断処理と、前記吸気増量制御を実行した状態で前記閉弁固着の有無を診断する第4診断処理と、を有しており、かつ前記第4診断処理は、前記第3診断処理よりも後に実施される請求項に記載のエンジン制御装置。
【請求項5】
当該エンジン制御装置は、前記エンジンに駆動連結された発電電動機を備えるハイブリッド車両に搭載されて前記エンジン及び前記発電電動機の双方のトルク調整を通じて前記ハイブリッド車両の駆動力を制御するものであり、
かつ前記吸気増量制御の実行中、同吸気増量制御による前記エンジンのトルクの増加分の少なくとも一部を前記発電電動機のトルク調整により吸収するトルク吸収制御を実行する
請求項又は請求項に記載のエンジン制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボチャージャを備えるエンジンを制御するエンジン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボチャージャにおいて、タービンを迂回して排気を流すバイパス通路と、バイパス通路を開閉するウェイストゲートバルブと、を有するものがある。そして、特許文献1には、バイパス通路及びウェイストゲートバルブを有するターボチャージャを備えるエンジンの制御を行うエンジン制御装置が記載されている。同文献に記載のエンジン制御装置は、エンジンの冷間始動時に、ウェイストゲートバルブを開弁することで、触媒装置が活性化する時期を早める触媒早期活性化制御を行っている。ウェイストゲートバルブを開弁すると、触媒装置の排気当たりが同装置の一部に集中する。そのため、触媒装置全体に均等に排気が吹き付けられる場合よりも、触媒が活性化した部分が形成される時期が早くなる。よって、触媒早期活性化制御を実行することで触媒装置が排気浄化を開始する時期を早められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-145914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エンジンの停止中にウェイストゲートバルブが閉弁固着することがある。こうした閉弁固着が生じると、開弁を指令してもウェイストゲートバルブが開かないため、上記触媒早期活性化制御を適切に実行できなくなる。そのため、触媒早期活性化制御の実行に際しては、ウェイストゲートバルブが閉弁固着していないことを予め確認しておくことが望ましい。そこで、触媒早期活性化制御の開始前に、ウェイストゲートバルブの閉弁固着の有無を診断することが考えられる。しかしながら、そうした場合には、診断に要する時間の分、触媒早期活性化制御の開始が、ひいては触媒装置が排気浄化を開始する時期が遅れてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するエンジン制御装置は、混合気の燃焼が行われる燃焼室と、燃焼室から排出された排気が流れる排気通路と、排気通路に設けられたタービンを有するターボチャージャと、排気通路におけるタービンよりも上流側の部分において同排気通路から分岐するとともに同排気通路におけるタービンよりも下流側の部分において同排気通路に合流するバイパス通路と、バイパス通路を開閉するウェイストゲートバルブと、排気通路におけるタービンよりも下流側の部分に設置された空燃比センサと、排気通路における空燃比センサよりも下流側、かつ排気通路におけるバイパス通路の合流位置よりも下流側の部分に設置された排気浄化用の触媒装置と、を備えるエンジンの制御を行う。同エンジン制御装置は、エンジンの冷間始動時にウェイストゲートバルブを開弁して前記触媒装置の活性化を促進する触媒早期活性化制御と、触媒早期活性化制御の実行中の空燃比センサの出力変動の振幅に基づき、ウェイストゲートバルブの閉弁固着の有無を診断する診断処理と、を実行する。
【0006】
ウェイストゲートバルブの開弁時と閉弁時とでは、空燃比センサに吹き付ける排気の量が変化する。なお、バイパス通路や空燃比センサ等の配置により、ウェイストゲートバルブの開弁時よりも閉弁時の方が空燃比センサへの排気の吹き付け量が多くなる場合と少なくなる場合とがある。そして、排気の吹き付け量が多いときには、同吹き付け量が少ないときよりも、燃焼室で燃焼された混合気の空燃比の変化が空燃比センサの出力に反映され易くなる。
【0007】
エンジンの冷間始動時には、燃焼が安定し難いことから、空燃比が変動し易い。一方、触媒早期活性化制御の実行中にウェイストゲートバルブが正常に開弁している場合と、閉弁固着のためにウェイストゲートバルブが開弁しなかった場合とでは、空燃比センサの排気の吹き付け量に違いが生じる。そして、吹き付け量の違いにより、空燃比の変動が、空燃比センサの出力に反映され易くなったり、反映され難くなったりする。そのため、触媒早期活性化制御の実行中の空燃比センサの出力変動の振幅の大小により、ウェイストゲートバルブが正常に開弁しているか否かを、すなわち閉弁固着の有無を判定できる。こうした閉弁固着の診断は、触媒早期活性化制御を継続しながら実施できる。したがって、上記エンジン制御装置では、触媒装置の排気浄化の開始時期の遅延を抑えつつ、ウェイストゲートバルブの固着診断を実施できる。
【0008】
上記エンジン制御装置は、診断処理の実行中に、燃焼室で燃焼させる混合気の空燃比を変動させる空燃比変動制御を実行するように構成してもよい。こうした場合には、固着診断中の空燃比の変動が大きくなり、閉弁固着時と正常時との空燃比センサの出力変動の振幅の差が大きくなる。そのため、閉弁固着の診断精度を高められる。
【0009】
さらに、上記空燃比変動制御を実行する場合の上記エンジン制御装置は、診断処理として、空燃比変動制御を実行していない状態で閉弁固着の有無を診断する第1診断処理と、空燃比変動制御を実行し状態で閉弁固着の有無を診断する第2診断処理と、を有し、かつ第2診断処理は、第1診断処理よりも後に実施する構成としてもよい。空燃比変動制御を実行した状態で診断処理を行えば、診断精度は高まるが、エンジンの始動直後の燃焼が不安定となり易い状態では、燃焼の悪化を招く虞がある。一方、空燃比を変動させても、燃焼が悪化しなくなるのを待って診断を行えば、閉弁固着の発見が遅れてしまう。そのため、まずは空燃比変動制御を実行せずに診断を行い、その後に空燃比変動制御を実行して診断を行うようにするとよい。
【0010】
また、上記エンジン制御装置は、診断処理の実行中に、エンジンの吸気量を増量する吸気増量制御を実行するように構成してもよい。吸気量を増量すれば排気の流量が増えるため、ウェイストゲートバルブが正常に開弁している場合と閉弁固着している場合との空燃比センサの排気の吹き付け量の差が大きくなる。そのため、閉弁固着の診断精度を高められる。
【0011】
さらに、吸気増量制御を実行する場合の上記エンジン制御装置は、診断処理として、吸気増量制御を実行していない状態で閉弁固着の有無を診断する第3診断処理と、吸気増量制御を実行した状態で閉弁固着の有無を診断する第4診断処理と、を有し、かつ第4診断処理は、第3診断処理において診断結果を確定できなかった場合に実施する構成としてもよい。吸気増量制御を実行した状態で診断処理を行えば、診断精度は高まるが、エンジンの始動直後の触媒が未活性の状態ではエンジンの排気性能が悪化する虞がある。一方、吸気を増量しても排気性能が悪化しなくなるのを待って診断を行えば、閉弁固着の発見が遅れてしまう。そのため、まずは吸気増量制御を実行せずに診断を行い、その後に吸気増量制御を実行して診断を行うようにするとよい。
【0012】
また、上記エンジン制御装置が、エンジンに駆動連結された発電電動機を備えるハイブリッド車両に搭載されてエンジン及び発電電動機の双方のトルク調整を通じてハイブリッド車両の駆動力を制御する装置である場合には、吸気増量制御の実行中、同吸気増量制御によるエンジンのトルクの増加分の少なくとも一部を発電電動機のトルク調整により吸収するトルク吸収制御を実行するとよい。エンジンの吸気量を増量すると、エンジントルクが増加する。そのため、吸気増量制御と共に上記のようなトルク吸収制御を実行して、吸気の増量によるエンジントルクの増加分がハイブリッド車両の駆動力にそのまま反映されないようにすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態のエンジン制御装置の構成を模式的に示す図である。
図2】同エンジン制御装置が実行する触媒早期活性化制御の処理手順を示すフローチャートである。
図3】同エンジン制御装置が適用されるエンジンにおいてウェイストゲートバルブが閉弁しているときのタービン下流側の排気の流れを示す図である。
図4】同エンジン制御装置が適用されるエンジンにおいてウェイストゲートバルブが開弁しているときのタービン下流側の排気の流れを示す図である。
図5】第2実施形態のエンジン制御装置が触媒早期活性化制御を実行しているときの、(A)はウェイストゲートバルブの開度の推移を、(B)は空燃比の推移を、それぞれ示すタイムチャートである。
図6】第3実施形態のエンジン制御装置が診断処理を実施しているときの、(A)はウェイストゲートバルブの開度の推移を、(B)は吸気量の推移を、(C)はMGトルクの推移を、それぞれ示すタイムチャートである。
図7】第4実施形態のエンジン制御装置が実行する触媒早期活性化制御の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、エンジン制御装置の第1実施形態を、図1図4を参照して詳細に説明する。
<エンジン制御装置の構成>
まず、図1を参照して、本実施形態のエンジン制御装置の構成を説明する。本実施形態のエンジン制御装置が適用されるエンジン10は、混合気の燃焼を行う燃焼室11を備える。また、エンジン10は、燃焼室11への吸気の導入路である吸気通路12と、燃焼室11からの排気の排出路である排気通路13と、を備えている。エンジン10には、燃焼室11に導入される吸気中に燃焼を噴射するインジェクタ14と、燃焼室11内の混合気を火花放電により着火させる点火装置15と、を備えている。吸気通路12におけるコンプレッサ21よりも下流側の部分には、スロットルバルブ16が設置されている。スロットルバルブ16は、開度の変更に応じて燃焼室11に導入される吸気の量を調整する。そして、エンジン10は、燃焼室11での混合気の燃焼によりクランク軸17を回転することで、車両の駆動力を発生する。
【0015】
エンジン10は、ターボチャージャ20を備えている。ターボチャージャ20は、吸気通路12に設置されたコンプレッサ21と、排気通路13に設置されたタービン22と、を有している。コンプレッサ21は、回転に応じて吸気を圧縮する羽根車である。タービン22は、排気の流れを受けて回転する羽根車である。コンプレッサ21とタービン22とは、タービン軸23を介して連結されている。これにより、コンプレッサ21は、タービン22の回転に連動して回転する。また、排気通路13には、タービン22を迂回して排気を流すための通路であるバイパス通路24が設けられている。バイパス通路24は、排気通路13におけるタービン22よりも上流側の部分において同排気通路13から分岐している。そして、バイパス通路24は、排気通路13におけるタービン22よりも下流側の部分において同排気通路13に合流している。排気通路13へのバイパス通路24の合流位置には、バイパス通路24を開閉するWGV(WasteGate Valve:ウェイストゲートバルブ)25が設置されている。
【0016】
排気通路13には、燃焼室11で燃焼した混合気の空燃比を検出するためのセンサである空燃比センサ18が設けられている。空燃比センサ18は、排気通路13におけるタービン22よりも下流側、かつバイパス通路24の合流位置よりも下流側の部分に設置されている。さらに、排気通路13には、三元触媒などの排気浄化用の触媒が担持された触媒装置19が設置されている。触媒装置19は、排気通路13における空燃比センサ18よりも下流側の部分に設置されている。
【0017】
エンジン10は、エンジン制御装置としてのECM(エンジン制御モジュール)30により制御されている。ECM30は、処理装置31と記憶装置32とを備えている。記憶装置32には、エンジン制御用のプログラムやデータが記憶されている。処理装置31は、記憶装置32からプログラムを読み込んで実行することで、エンジン10を制御する。ECM30には、エンジン10の運転状況を検出するための各種センサの検出結果が入力されている。ECM30に検出結果が入力されるセンサには、上述の空燃比センサ18の他、エアフローメータ33、吸気温センサ34、水温センサ35、及びクランク角センサ36が含まれる。エアフローメータ33は、吸気通路12を流れる吸気の流量である吸気流量GAを検出するセンサである。吸気温センサ34は、吸気通路12に取り込まれた吸気の温度である吸気温THAを検出するセンサである。水温センサ35は、エンジン10の冷却水の温度であるエンジン水温THWを検出するセンサである。クランク角センサ36は、クランク軸17の回転角であるクランク角CRNKを検出するセンサである。ECM30は、これらセンサの検出結果に基づき、インジェクタ14の燃料の噴射量及び噴射時期、点火装置15の点火時期、スロットルバルブ16及びWGV25の開度等を制御している。なお、ECM30は、エンジン10の運転中の燃料噴射量を、基本的には、燃焼室11内で燃焼する混合気の空燃比が理論空燃比となるように制御している。
【0018】
<触媒早期活性化制御>
ECM30は、エンジン10の冷間始動時に、WGV25を開弁して触媒装置19の活性化を促進する触媒早期活性化制御を実行する。また、ECM30は、触媒早期活性化制御の実行中に、WGV25の閉弁固着の有無を診断する診断処理を実施している。なお、以下の説明では、バイパス通路24を通じた排気の流通を遮断した状態となるときのWGV25の開度を全閉開度と記載する。また、WGV25の開度の制御範囲の最大値となる開度を全開開度と記載する。そして、全閉開度よりも大きく、かつ全開開度よりも小さいWGV25の開度を中間開度と記載する。
【0019】
図2に、エンジン10の始動完了後にECM30が実行する触媒早期活性化制御ルーチンの処理手順を示す。本ルーチンを開始するとECM30はまずステップS100において、触媒装置19が未活性の状態にあるか否かを判定する。本実施形態では、この判定をエンジン始動時の吸気温THA及びエンジン水温THWに基づき行っている。そして、ECM30は、触媒装置19が未活性の状態にあると判定した場合(YES)にはステップS110に処理を進める。一方、エンジン10の温間始動時のように、この時点で触媒装置19が既に活性化している場合には(NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理を終了する。
【0020】
ステップS110に処理を進めると、ECM30はそのステップS110において、WGV25の開弁を指令する。この開弁の指令は、既定開度、例えば全開開度の保持をWGV25に指令するものである。その後、ECM30は、診断実行条件の成立を待って(S120:YES)、ステップS130に処理を進める。診断実行条件は、例えばエンジン回転数やエンジン負荷率が安定していること、となっている。
【0021】
診断実行条件が成立してステップS130に処理を進めると、ECM30はそのステップS130において、空燃比センサ18の出力変動の振幅Sを測定する。そして、ECM30は、ステップS140において、振幅Sが既定の固着判定値X以上であるか否かを判定する。振幅Sが固着判定値X以上の場合(S140:YES)には、ECM30は、ステップS150においてWGV25が閉弁固着していると診断する。一方、振幅Sが固着判定値X未満の場合(S140:NO)には、ECM30は、ステップS160においてWGV25が閉弁固着していないと診断する。なお、ECM30は、WGV25が閉弁固着していると診断する(S140)と、同閉弁固着に対応した異常時処理を実行する。この異常時処理の例としては、インジケータの点灯等により異常の発生をユーザに通知する処理や、エンジン10の出力を制限する処理がある。なお、本実施形態では、図2のステップS130~S160の処理が診断処理に対応している。
【0022】
その後、ECM30は、触媒装置19の活性化の完了(S170:YES)を待って、今回の冷間始動時における触媒早期活性化制御の処理を終了する。その後、ECM30は、エンジン10の運転状況に応じたWGV25の開度制御を実施する。
【0023】
本実施形態では、触媒装置19の活性化が完了しているか否かの判定を、始動時水温、吸気温THA、及び積算吸気量に基づき行っている。始動時水温は、エンジン10始動時におけるエンジン水温THWの値である。積算吸気量は、エンジン10の始動後の吸気流量GAの積算値である。上記のように、ECM30は、燃焼室11内で燃焼する混合気の空燃比を理論空燃比とするように燃料噴射量を制御している。よって、燃焼室11から排出される排気の熱量は、吸気流量GAが多いほど多くなる。そのため、エンジン10の始動後に触媒装置19が排気から受け取った熱量は、積算吸気量から求められる。一方、エンジン10の始動時の触媒装置19の触媒温度は、始動時水温から求められる。さらに、触媒装置19から外気への放熱量は、触媒装置19と外気との温度差が大きいほど多くなる。そして、外気の温度は吸気温THAから求められる。したがって、触媒が活性化に必要な温度に達したかどうかは、始動時水温、吸気温THA、及び積算吸気量から判定できる。
【0024】
<実施形態の作用、及び効果>
本実施形態の作用及び効果について説明する。なお、以下の説明では、触媒装置19における排気の流れ方向上流側の端面を同触媒装置19の前端と記載する。
【0025】
図3に、WGV25の閉弁時におけるタービン22の下流側の排気の流れを示す。WGV25の閉弁時には、タービン22を通って排気が流れる。タービン22を通過した排気の流れは旋回流となって、広い範囲に拡散される。そのため、このときには、触媒装置19の前端の広い範囲に排気が吹き付ける。
【0026】
図4に、WGV25の開弁時におけるタービン22の下流側の排気の流れを示す。このときには、排気の多くがバイパス通路24を通って流れる。バイパス通路24を通った排気の流れは噴流となる。そのため、このときには、触媒装置19の前端の一部に集中的に排気が吹き付ける。よって、WGV25を開弁した場合には、閉弁している場合よりも早期に、触媒が活性化した部分Rが触媒装置19に形成される。これにより、触媒早期活性化制御では、エンジン10の冷間始動後の触媒装置19が排気浄化を行えない期間を短縮している。
【0027】
ところで、エンジン10の冷間始動時には、燃焼が安定し難いことから、空燃比が変動し易い状態にある。一方、図3及び図4に示すように、図1のエンジン10における空燃比センサ18は、バイパス通路24を通過した排気は当たり難いが、タービン22を通過した排気は当たり易い部位に設置されている。よって、触媒早期活性化制御中の空燃比センサ18への排気の吹き付け量は、WGV25が正常に開弁している場合には少なくなり、閉弁固着している場合には多くなる。そして、排気の吹き付け量が少ない場合には、実際の空燃比の変動が空燃比センサ18の出力に反映され難くなる。そのため、WGV25が閉弁固着している場合には、閉弁固着が生じていない場合に比べて、触媒早期活性化制御中の空燃比センサ18の出力変動の振幅Sが大きくなる。そこで、本実施形態では、触媒早期活性化制御中の空燃比センサ18の出力変動の振幅Sの大小により、WGV25の閉弁固着の有無を診断している。
【0028】
以上の本実施形態のエンジン制御装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)触媒早期活性化制御中の空燃比センサ18の出力変動の振幅Sに基づくことで、WGV25の閉弁固着の有無を的確に診断できる。
【0029】
(2)WGV25の開弁を維持したまま診断を行える。そのため、触媒早期活性化制御による触媒装置19の活性化が診断により遅延しない。
(3)エンジン10の始動直後に実行する触媒早期活性化制御中に診断を行っている。そのため、エンジン10の始動から短時間で、WGV25の閉弁固着の発生を確認できる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、エンジン制御装置の第2実施形態を、図5を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施形態にあって、上記実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0031】
本実施形態のエンジン制御装置においても、第1実施形態と同様に触媒早期活性化制御を実行する。そして、本実施形態の場合にも、触媒早期活性化制御の実行中の空燃比センサ18の出力変動の振幅Sに基づき、WGV25の閉弁固着の有無を診断している。ただし、本実施形態のエンジン制御装置は、診断処理の実行中に、燃焼室11で燃焼させる混合気の空燃比を変動させる空燃比変動制御を実行するように構成されている。
【0032】
図5(A)は、本実施形態のエンジン制御装置による触媒早期活性制御の実行中のWGV25の開度の推移を示している。また、図5(B)は、同じく触媒早期活性制御の実行中の空燃比の推移を示している。
【0033】
図5の場合、ECM30は、時刻t0に、WGV25の開弁を指令して触媒早期活性化制御を開始している。そして、ECM30は、その後の時刻t1から時刻t2までの期間の空燃比センサ18の出力に基づき、WGV25の閉弁固着の診断処理を行っている。さらに、図5の場合、ECM30は、その後の時刻t3に、触媒早期活性化制御を終了している。そして、図5(B)に示すように、ECM30は、時刻t1から時刻t2までの診断処理を行っている期間に、燃焼室11で燃焼する混合気の空燃比を強制的に変動させる空燃比変動制御を実行している。具体的には、ECM30は、リッチ燃焼とリーン燃焼とを交互に行うようにインジェクタ14の燃料噴射量を制御することで、空燃比変動制御を行っている。ここでのリッチ燃焼は、インジェクタ14の燃料噴射量を理論空燃比の形成に必要な量よりも増量した状態で行われる燃焼を表している。また、リーン燃焼は、理論空燃比の形成に必要な量よりも減量した状態で行われる燃焼を表している。
【0034】
診断処理中に空燃比変動制御を実行すると、燃焼室11で燃焼する混合気の空燃比の変動が大きくなる。そしてその結果、WGV25の閉弁固着が発生している場合と発生していない場合との上記振幅Sの差が大きくなる。したがって、診断処理中に空燃比変動制御を実行することで、WGV25の閉弁固着の有無の診断精度が向上するという効果が得られる。
【0035】
(第3実施形態)
次に、エンジン制御装置の第3実施形態を、図6を併せ参照して詳細に説明する。診断処理の実行中に空燃比変動制御の代わりに吸気増量制御を実行する点が、第2実施形態のエンジン制御装置に対する本実施形態のエンジン制御装置の構成の相違点となっている。
【0036】
なお、本実施形態のエンジン制御装置は、図1に破線で示すように、エンジン10に駆動連結された発電電動機40を備えるハイブリッド車両に搭載されている。そして、本実施形態におけるECM30は、エンジン10及び発電電動機40の双方のトルク調整を通じてハイブリッド車両の駆動力を制御するように構成されている。
【0037】
図6(A)は、本実施形態のエンジン制御装置による触媒早期活性制御の実行中のWGV25の開度の推移を示している。また、図6(B)は、同じく触媒早期活性制御の実行中の吸気流量GAの推移を示している。さらに、図6(C)は、同じく触媒早期活性制御の実行中のMGトルクの推移を示している。なお、MGトルクは、発電電動機40のトルクを表している。
【0038】
図6の場合、ECM30は、時刻t10に、WGV25の開弁を指令して触媒早期活性化制御を開始している。そして、ECM30は、その後の時刻t11から時刻t12までの期間の空燃比センサ18の出力に基づき、WGV25の閉弁固着の診断処理を行っている。さらに、図6の場合、ECM30は、その後の時刻t13に、WGV25の閉弁を指令して触媒早期活性化制御を終了している。そして、図5(B)に示すように、ECM30は、時刻t11から時刻t12までの診断処理を行っている期間に、エンジン10の吸気量を増量させる吸気増量制御を実行している。
【0039】
吸気増量制御を実行すると、燃焼室11から排出される排気の流量も多くなる。そのため、WGV25の開弁時と閉弁時との、空燃比センサ18への排気の吹き付け量の差が大きくなる。その結果、WGV25の閉弁固着が発生している場合と発生していない場合との上記振幅Sの差が大きくなる。したがって、診断処理中に吸気増量制御を実行することでも、WGV25の閉弁固着の有無の診断精度が向上するという効果が得られる。
【0040】
なお、吸気流量GAを増量すると、エンジン10の軸トルクが増加する。そこで、ECM30は、吸気増量制御の実行中、図6(C)に示すように、MGトルクを減量することで、エンジン10の軸トルクの増加分を吸収するトルク吸収制御を実行している。これにより、ECM30は、吸気増量制御の実行に伴って、駆動力の増加やエンジン回転数の吹き上りが発生しないようにしている。
【0041】
(第4実施形態)
次に、エンジン制御装置の第4実施形態を、図7を併せ参照して詳細に説明する。
図7には、本実施形態のエンジン制御装置での診断処理の処理手順を示す。図7に示す一連の処理は、図2のステップS130~S160の処理の代わりに実行される処理となっている。よって、ECM30は、触媒早期活性化制御の開始後、診断実行条件の成立に応じて、図7の診断処理を開始する。そして、ECM30は、図7の処理を終了すると、図2のステップS170に処理を進める。
【0042】
診断処理を開始すると、ECM30はまずステップS200において、空燃比センサ18の出力変動の振幅Sを測定する。そして、ECM30は、ステップS210において、測定した振幅Sが既定の第1固着判定値X1以上であるか否かを判定する。振幅Sが第1固着判定値X1以上の場合(S210:YES)、ECM30はステップS220において、WGV25が閉弁固着していると診断して図7の処理を終了する。
【0043】
また、ステップS200で測定した振幅Sが第1固着判定値X1未満の場合(S210:NO)には、ECM30は、ステップS230において、空燃比変動制御、吸気増量制御の少なくとも一方を開始する。その後、ECM30は、ステップS240において、空燃比センサ18の出力変動の振幅Sを再び測定する。そして、ECM30は、振幅Sの再測定を完了するとステップS250において、ステップS230で開始した制御を終了する。次いでECM30は、ステップS260において、再測定した振幅Sが既定の第2固着判定値X2以上であるか否かを判定する。第2固着判定値X2は、第1固着判定値X1と同じ値を設定しても、異なる値を設定してもよい。
【0044】
再測定した振幅Sが第2固着判定値X2以上の場合(S260:YES)、ECM30は、上述のステップS220において、WGV25が閉弁固着していると診断して図7の処理を終了する。一方、再測定した振幅Sが第2固着判定値X2未満の場合(S240:NO)、ECM30は、ステップS270において、WGV25は閉弁固着していないと診断して図7の処理を終了する。
【0045】
なお、図7のステップS220において空燃比変動制御を開始する場合には、ステップS200及びステップS210の処理が第1診断処理に、ステップS240及びステップS250の処理が第2診断処理に、それぞれ対応する処理となる。また、図7のステップS220において吸気増量制御を開始する場合には、ステップS200及びステップS210の処理が第3診断処理に、ステップS240及びステップS250の処理が第4診断処理に、それぞれ対応する処理となる。
【0046】
<実施形態の作用効果>
上記のように、空燃比変動制御や吸気増量制御を診断処理中に実行することで、WGV25の閉弁固着の診断精度を向上できる。しかしながら、エンジン10の始動直後に空燃比を強制変動させると、燃焼が悪化する虞がある。また、エンジン10の始動直後の触媒が未活性の状態で吸気を増量すると、エンジン10の排気性能が悪化する虞がある。
【0047】
これに対して本実施形態では、診断処理に際してECM30はまず、空燃比変動制御や吸気増量制御を行っていない状態での空燃比センサ18の出力変動の振幅Sに基づき、WGV25の閉弁固着の有無を診断する。そして、その後に、ECM30は、空燃比変動制御や吸気増量制御を実行して再診断を行っている。最初の診断では、閉弁固着を検出できなかった場合にも、再診断で検出できる場合がある。また、再診断時には、エンジン10の始動からある程度時間が経過しているため、空燃比の強制変動による燃焼の悪化や、吸気の増量による排気性能の悪化が生じ難くなっている。そのため、燃焼や排気性能を悪化させずに診断精度を高められる。
【0048】
(その他の実施例)
図1のエンジン10の場合、図2及び図3に示すように、バイパス通路24を通過した排気は当たり易いが、タービン22を通過した排気は当たり難い部位に空燃比センサ18が設置されていた。これとは反対に、タービン22を通過した排気は当たり難いが、バイパス通路24を通過した排気は当たり易い部位に空燃比センサ18が設置されている場合もある。こうした場合の触媒早期活性化制御の実行中の空燃比センサ18の出力変動の振幅Sは、WGV25が閉弁固着している場合には、閉弁固着していない場合よりも小さくなる。よって、そうした場合にも、触媒早期活性化制御の実行中の空燃比センサ18の出力変動の振幅Sに基づき、WGV25の閉弁固着の有無を診断できる。なお、この場合には、図2のステップS140では振幅Sが固着判定値X以下であるか否かを判定する。そして、振幅Sが固着判定値X以下の場合にはWGV25が閉弁固着していると、振幅Sが固着判定値Xを超える場合にはWGV25が閉弁固着していないと、診断することになる。さらに、この場合には、図5のステップS210の判定は、振幅Sが第1固着判定値X1以下であるか否かの判定となる。また、図5のステップS260の判定は、振幅Sが第2固着判定値X2以下であるか否かの判定となる。
【0049】
さらに上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・エンジン10が高出力運転されて、排気流量が多い状態では、冷間始動後、触媒活性化制御を実行しなくても、許容可能な時間内に触媒装置19を活性化できる場合がある。そこで、診断処理の完了後に、排気流量が一定の量を超える状態となっている場合には、その時点で触媒早期活性化制御を中断、又は中止するようにしてもよい。さらに、中断後に排気流量が低下した場合には、触媒早期活性化制御を再開するようにしてもよい。
【0050】
・上記実施形態では、触媒早期活性化制御においてWGV25の開度を全開開度としていた。活性化した部位の早期形成に適した開度が全開開度以外に存在する場合等には、触媒早期活性化制御中のWGV25の開度を中間開度としてもよい。
【0051】
・第3実施形態では、吸気増量制御によるエンジン10の軸トルクの増加分をMGトルクの調整により吸収していたが、エンジン10の点火時期の遅角等の他の方法で吸収してもよい。また、吸気増量制御によるエンジン10の軸トルクの増加分の一部のみを吸収するようにトルク吸収制御を実行してもよい。そうした場合にも、吸気増量制御の実行に伴う駆動力の増加やエンジン回転数の吹き上りを抑えられる。さらに、吸気増量制御によるエンジン10の軸トルクの増加分がそのまま車両の駆動力に反映されても問題なければ、軸トルクの増加に対応する制御を行わずに吸気増量制御を実行してもよい。
【0052】
・第2実施形態に記載の空燃比変動制御、及び第3実施形態に記載の吸気増量制御の双方を、診断処理中に実行するようにしてもよい。
・触媒装置19の未活性の判定条件、活性化完了の判定条件、診断実行条件の内容は適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0053】
10…エンジン
11…燃焼室
12…吸気通路
13…排気通路
14…インジェクタ
15…点火装置
16…スロットルバルブ
17…クランク軸
18…空燃比センサ
19…触媒装置
20…ターボチャージャ
21…コンプレッサ
22…タービン
23…タービン軸
24…バイパス通路
25…ウェイストゲートバルブ
30…ECM(エンジン制御モジュール)
31…処理装置
32…記憶装置
33…エアフローメータ
34…吸気温センサ
35…水温センサ
36…クランク角センサ
40…発電電動機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7