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特許7524998コアネットワークノード、及びその通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】コアネットワークノード、及びその通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 88/18 20090101AFI20240723BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20240723BHJP
   H04W 4/70 20180101ALN20240723BHJP
【FI】
H04W88/18
H04W76/10
H04W4/70
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023064486
(22)【出願日】2023-04-11
(62)【分割の表示】P 2021120946の分割
【原出願日】2014-09-04
(65)【公開番号】P2023089118
(43)【公開日】2023-06-27
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】P 2013247474
(32)【優先日】2013-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シャオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】プラサド アナンド ラガワ
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0027774(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアネットワークノードであって、
User Equipment(UE)から要求メッセージを受信する手段と、
前記要求メッセージに基づき、複数のネットワークノードにそれぞれ第1メッセージを送信する手段と、
前記複数のネットワークノードのそれぞれから返信メッセージを受信した後、第2メッセージを前記UEに送信する手段と、を有し、
前記返信メッセージはサービス識別情報を含む、
コアネットワークノード。
【請求項2】
コアネットワークノードの通信方法であって、
User Equipment(UE)から要求メッセージを受信し、
前記要求メッセージに基づき、複数のネットワークノードにそれぞれ第1メッセージを送信し、
前記複数のネットワークノードのそれぞれから返信メッセージを受信した後、第2メッセージを前記UEに送信し、
前記返信メッセージはサービス識別情報を含む、
コアネットワークノードの通信方法。
【請求項3】
コアネットワークノードであって、
User Equipment(UE)から要求メッセージを受信する手段と、
前記要求メッセージに基づき、複数のネットワークノードにそれぞれ第1メッセージを送信する手段と、
前記複数のネットワークノードのそれぞれから返信メッセージを受信した後、一つの第2メッセージをRadio Access Network(RAN)に送信する手段と、を有し、
前記返信メッセージはサービス識別情報を含む、
コアネットワークノード。
【請求項4】
コアネットワークノードの通信方法であって、
User Equipment(UE)から要求メッセージを受信し、
前記要求メッセージに基づき、複数のネットワークノードにそれぞれ第1メッセージを送信し、
前記複数のネットワークノードのそれぞれから返信メッセージを受信した後、一つの第2メッセージをRadio Access Network(RAN)に送信し、
前記返信メッセージはサービス識別情報を含む、
コアネットワークノードの通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、MTC(Machine-Type-Communication)のための装置、システム、及び方法に関し、特にUE(User Equipment)と複数のSCS(Service Capability Server)との間の通信に関する。
【背景技術】
【0002】
MTCのアーキテクチャは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)において検討されてきた。例えば、非特許文献1及び2は、典型的なMTC-IWF(MTC Inter-Working Function)とSCSとを開示する。さらに、非特許文献3は、MTCデバイスが1以上のSCSと通信可能であることを開示する。
【0003】
ここで、MTCデバイスは、MTCに備え、かつMTCサービスに加入したUEであり、MTCデバイスは、以下の記述において“MTC UE”又は“UE”とも呼ばれることがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP TS 29.368, "Tsp interface protocol between the MTC Interworking Function (MTC-IWF) and Service Capability Server (SCS) (Release 11)", V11.4.0, 2013-09, Clauses 4.2.1 and 4.2.2, pp. 7-8
【文献】3GPP TS 23.682, "Architecture enhancements to facilitate communications with packet data networks and applications (Release 11)", V11.5.0, 2013-09, Clause 4.4.2, pp. 12-13
【文献】3GPP TS 22.368, "Service requirements for Machine-Type Communications (MTC); Stage 1 (Release 12)", V12.2.0, 2013-03, Clause 5.1.2, pp. 8-9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献3において要求されるように、MTC及びそのサービスにおいて、1つのUEは複数のSCSからのサービスに加入することがあり得、複数のSCSと通信する必要があることがあり得る。
【0006】
しかしながら、本発明者らは、この場合においていくつかの問題が存在することを発見した。例えば、問題の1つは、メッセージを1つずつ送信することに伴いUEからMTC-IWFへのトラヒックが増加することである。別の問題は、UEはメッセージに対して機密及び/又は完全性保護を毎回実施しなければならないため、電力及び時間を消費することである。
【0007】
したがって、本発明の例示的な目的は、UEと複数のSCSとの間の通信を効率的に処理することに対する解決手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の例示的な態様に係るMTCデバイスは、1つのメッセージに、コアネットワークを通じてMTCデバイスと通信が可能な複数のSCS又はAS(Application Sever)に送信される複数のデータを含める包含手段と、前記第1のメッセージを、コアネットワークにおいて前記SCS又は前記ASからの通信に対してエントリポイント(entering point)として働くMTC-IWFに送信する送信手段とを有する。
【0009】
さらに、本発明の第2の例示的な態様に係るMTC-IWFは、コアネットワークを通じてMTCデバイスと通信が可能な複数のSCS又はASからの通信に対して、コアネットワークにおいてエントリポイントとして働く。このMTC-IWFは、前記MTCデバイスから、前記SCS又は前記ASに送信される複数のデータを含む1つのメッセージを受信する受信手段と、前記SCS又は前記ASに前記データを配付する配付手段とを含む。
【0010】
さらに、本発明の第3の例示的な態様に係るMTC-IWFは、コアネットワークを通じてMTCデバイスと通信が可能な複数のSCS又はASからの通信に対して、コアネットワークにおいてエントリポイントとして働く。このMTC-IWFは、前記SCS又は前記ASから、前記MTCデバイスに送信される複数のデータと、前記MTCデバイスに複数のデータのそれぞれが送信されるまで前記SCS又は前記ASがどれだけの時間許容できるかを示すインディケータ(indicators)とを受信する受信手段と、前記インディケータに基づいて、前記データをいつ前記MTCデバイスに転送するかを決定する決定手段とを含む。
【0011】
さらに、本発明の第4の例示的な態様に係るSCSは、コアネットワークを通じてMTCデバイスと通信が可能である。このSCSは、前記SCSからの通信に対して前記コアネットワークにおいてエントリポイントとして働くMTC-IWF、及び1以上の別のSCS又はASに、MTCデバイスに送信されるデータと、前記MTCデバイスに前記データが送信されるまで前記SCSがどれだけの時間許容できるかを示すインディケータとを送信する送信手段を含む。
【0012】
さらに、本発明の第5の例示的な態様に係る通信システムは、MTCデバイスと、コアネットワークを通じて前記MTCデバイスと通信可能な複数のSCS又はASと、前記SCS又は前記ASからの通信に対して前記コアネットワークにおいてエントリポイントとして働くMTC-IWFとを含む。MTCデバイスは、1つのメッセージに前記SCS又は前記ASに送信される複数のデータを含め、MTC-IWFに前記メッセージを送信する。MTC-IWFは、前記MTCデバイスからメッセージを受信し、前記SCS又は前記ASに前記データを配付する。
【0013】
さらに、本発明の第6の例示的な態様に係る通信システムは、MTCデバイスと、コアネットワークを通じて前記MTCデバイスと通信可能な複数のSCS又はASと、前記SCS又は前記ASからの通信に対して前記コアネットワークにおいてエントリポイントとして働くMTC-IWFとを含む。複数のSCS又はASのそれぞれは、前記MTC-IWFに、前記MTCデバイスに送信されるデータ、及び前記MTCデバイスに前記データが送信されるまで各SCS又はASがどれだけの時間許容できるかを示すインディケータとを送信する。MTC-IWFは、前記SCS又は前記ASから、前記データと前記インディケータとを受信し、前記インディケータに基づいて、前記データをいつ前記MTCデバイスに転送するかを決定する。
【0014】
さらに、本発明の第7の例示的な態様に係る方法は、MTCデバイスにおける動作を制御する方法を提供する。この方法は、1つのメッセージに、コアネットワークを通じて前記MTCデバイスと通信可能な複数のSCS又はASに送信される複数のデータを含め、前記SCS又は前記ASからの通信に対して前記コアネットワークにおいてエントリポイントとして働くMTC-IWFに前記メッセージを送信することを含む。
【0015】
さらに、本発明の第8の例示的な態様に係る方法は、コアネットワークを通じてMTCデバイスと通信可能な複数のSCS又はASに対して前記コアネットワークにおいてエントリポイントとして働くMTC-IWFにおける動作を制御する方法を提供する。この方法は、MTCデバイスから、前記SCS又は前記ASに送信される複数のデータを含む1つのメッセージを受信し、前記SCS又は前記ASに前記データを配付することを含む。
【0016】
さらに、本発明の第9の例示的な態様に係る方法は、コアネットワークを通じてMTCデバイスと通信可能な複数のSCS又はASからの通信に対して前記コアネットワークにおいてエントリポイントとして働くMTC-IWFにおける動作を制御する方法を提供する。この方法は、前記SCS又は前記ASから、MTCデバイスに送信される複数のデータと、MTCデバイスに複数のデータのそれぞれが送信されるまで前記SCS又は前記ASがどれだけの時間許容できるかを示すインディケータとを受信し、前記インディケータに基づいて、前記データをいつ前記MTCデバイスに転送するかを決定することを含む。
【0017】
さらに、本発明の第10の例示的な態様に係る方法は、コアネットワークを通じてMTCデバイスと通信が可能なSCSにおける動作を制御する方法を提供する。この方法は、前記SCSからの通信に対して前記コアネットワークにおいてエントリポイントとして働くMTC-IWF、及び1以上の別のSCS又はASに、MTCデバイスに送信されるデータと、前記MTCデバイスに前記データが送信されるまで前記SCSがどれだけの時間許容できるかを示すインディケータとを送信することを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上述した課題を解決することが可能であり、従って、UEと複数のSCSとの間の通信を効率的に処理することに対する解決手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る通信システムにおける第1の動作例を示すシーケンス図である。
図3図3は、実施形態に係る通信システムにおける第2の動作例を示すシーケンス図である。
図4図4は、実施形態に係る通信システムにおける第3の動作例を示すシーケンス図である。
図5図5は、実施形態に係る通信システムが適用されるビジネスモデルユースケースを示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係るMTCデバイスの構成例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態に係るSCSの構成例を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態に係るMTC-IWFの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るMTCデバイス、SCS、及びMTC-IWFの実施形態、並びにそれらMTCデバイス、SCS、及びMTC-IWFが適用される通信システムを、図面を参照して説明する。
【0021】
この実施形態において、UEと複数のSCSとの間の通信を管理し、伝送するために、MTC-IWFに対する効率的な解法が提案される。
【0022】
図1に示されるように、この実施形態に係る通信システムは、MTC UE10、コアネットワーク、及び複数のSCS20_1~20_n(これらはまとめて記号20で表されることがある)を含む。
【0023】
コアネットワークは、そのネットワークノードとして、MTC-IWF30、MME(Mobility Management Entity)、SGSN(Serving GPRS (General Packet Radio Service) Support Node)、及びHSS(Home Subscriber Server)などを含む。なお、図示は省略されているが、MTC UE10はRAN((Radio Access Network)を通じてコアネットワークに接続しており、RANは、複数の基地局(例えばeNBs(evolved Node Bs))で形成されている。MMEは、RANとMTC-IWFとの間のトラヒックを中継できる。SGSNは、MMEと同様に機能する。以下では、MME及び/又はSGSNは、“MME/SGSN”とも呼ばれることがあり、まとめて記号40で表されることがある。HSS50は、MTC UE10などのサブスクリプション情報を管理する。
【0024】
MTC UE10は、RANを通じてコアネットワークに接続し、それによってSCS20と通信する。
【0025】
SCS20は、コアネットワークに接続し、MTC UE10と通信する。MTC UE10は、1つ又は複数のMTCアプリケーションを提供できる。外部ネットワークにおける対応するMTCアプリケーションは、SCS20上で提供される。なお、図示は省略されるが、通信システムは複数のASを含み得る。SCS20と同様に、各ASは、コアネットワークに接続し、MTC UE10と通信することができる。MTCアプリケーションは、各AS上でも提供可能である。以下では、SCS20に関する説明は、ASに関する説明として同様に適用可能である。
【0026】
MTC-IWF30は、コアネットワークにおいてSCS20からの通信に対してエントリポイントとして働く。典型的には、MTC-IWF30は、MTC UE10とSCS20との間のトラヒックを送信する。
【0027】
次いで、本実施形態の動作例が、図2~4を参照して詳細に説明される。
【0028】
1.アウトバウンドメッセージ
アウトバウンドメッセージについて、MTC UE10は、1つのデータトランスミッションメッセージで、異なるSCSにメッセージを送信する。MTC UE10からMTC-IWF30に送信されるデータトランスミッションメッセージは、MTC UE10とMTC-IWF30との間で共有されるキーを用いて、機密性及び/又は完全性が保護される。MTC-IWF30からSCS20へ送信されるデータトランスミッションは、MTC-IWF30とSCS20との間のセキュリティを使用して、機密性及び/又は完全性の保護がなされるべきである。SCS20へのペイロードは、MTC UE10とSCS20との間で共有されるキーを用いて機密性が保護される。データトランスミッションAckは、完全性保護がなされるべきである。
【0029】
MTC-IWF30がメッセージを受信すると、MTC-IWF30は完全性チェックを実施し、メッセージを解読する。MTC-IWF30は、MTC UEの要求する通りに、ターゲットSCSにメッセージを配布する。
【0030】
具体的に、図2に示されるように、MTC UE10とコアネットワークとの間、MTC UE10とMTC-IWF30との間、及びMTC-IWF30とSCS20との間でセキュリティが確立されていると仮定する(ステップS11)。
【0031】
MTC UE10は、MTC UE10が異なるSCS20_1及びSCS20_2に送信したいデータを、MTC-IWF30への1つのデータトランスミッションメッセージで送信する(ステップS12)。MTC UE10は、MTC UE10がSCS20_1及びSCS20_2と共有するキーを用いてペイロードを暗号化する。MTC UE10は、MTC UE10がMTC-IWF30と共有するキーを用いて、メッセージを暗号化し、及び/又は完全性を保護する。データトランスミッションメッセージは、SCS20_1及び20_2のID(識別子)(以下、“SCS ID”と呼ぶ)を含むことができる。SCS20_1及び20_2の少なくとも一方が複数のMTCサービスを提供する場合、データトランスミッションメッセージは、MTCサービスのID(以下、“サービスID”と呼ぶ)を更に含むことができる。
【0032】
MTC-IWF30は、MTC UE10とMTC-IWF30との間で共有されるキーを用いて、メッセージの検証及び解読を実施する(ステップS13)。
【0033】
データトランスミッションメッセージの中のSCS IDに従って、MTC-IWF30は、正しいターゲットSCSにペイロードを送信できる(ステップS14)。データトランスミッションメッセージにサービスIDが含まれている場合、MTC-IWD30は、サービスIDに従って、正しいターゲットSCSにペイロードを送信することもできる。
【0034】
SCS20_1及び20_2のそれぞれは、データトランスミッションAck(acknowledgement)をMTC-IWF30に送信する。そして、MTC-IWF30は、個別に、データトランスミッションAckメッセージをMTC UE10に転送することができる(ステップS15)。
【0035】
図2に示される動作において、異なるSCSへの複数のデータが1つのメッセージで送信される。従って、MTC UEのバッテリ消費、及びアウトバウンドメッセージ送信に要求されるネットワークリソースを抑えることができる。
【0036】
上記ステップS15における動作の代用として、通信システムは、図3に示される動作を実施できる。
【0037】
具体的に、MTC-IWF30がSCS20_1及び20_2からデータトランスミッションAckメッセージを受信したとき(ステップS16)、MTC-IWF30は、それらのAckメッセージをMTC UE10に即時に転送しない必要がある。
【0038】
従って、MTC-IWF30は、MTC UE10のためのデータトランスミッションメッセージをSCS20へ再送信するタイマの前まで、同じMTC UE10へのそれらのAckメッセージを保持することができる(ステップS17)。タイマは、MTC-IWF30とMTC UE10とにおいて同期しているべきである。例えば、MTC-IWF30は、MTC-IWF30がMTC UE10からデータトランスミッションメッセージを受信すると、タイマを開始する。これに代えて、MTC UE10は、データトランスミッションメッセージに含めて、MTC-IWF30にタイマを送信することもできる。
【0039】
図3に示される動作では、異なるSCSからの複数の受信通知(acknowledgements)が1つのメッセージで送信される。従って、MTC UEのバッテリ消費、及びインバウンドメッセージ送信に要求されるネットワークリソースを抑えることも可能である。
【0040】
2.インバウンドメッセージ
インバウンドメッセージについて、いくつかの知識がMTC-IWF30に必要とされる。MTC-IWF30がターゲットUEが複数のSCSからのサービスに加入していることを知るとき、MTC-IWF30は、緊急性がない場合のときにより多くのメッセージが来るまで待つことができ、そして1つのデータトランスミッションメッセージでメッセージを送信できる。これは、SCS20がメッセージの配達許容タイムをMTC-IWF30に示すことを要求する。許容タイマがデータが即時に送信されなければならないことを示すならば、MTC-IWF30は、短い許容タイマのオーダーでデータトランスミッションを転送できる。
【0041】
SCS20からMTC-IWF30に送信されたデータトランスミッションは、機密及び/又は完全性が保護されるべきである。MTC-IWF30からMTC UE10に送信されるデータトランスミッションは、機密及び/又は完全性が保護されるべきである。ペイロードは、MTC UE10とSCS20との間で共有されるキーを用いて機密性が保護されるべきである。データトランスミッションAckは、完全性が保護されるべきである。
【0042】
具体的に、図4に示されるように、MTC UE10とコアネットワークとの間、MTC UE10とMTC-IWF30との間、及びMTC-IWF30とSCS20との間でセキュリティが確立されていると仮定する(ステップS21)。
【0043】
SCS20_1は、MTC-IWF30にデータトランスミッションを送信する(ステップS22)。SCS20_1は、SCS20_1がMTC UE10と共有するキーを用いてペイロードを暗号化する。SCS20_1は、SCS20_1がMTC-IWF30と共有するキーを用いて、メッセージを暗号化し、及び/又はメッセージの完全性を保護する。
【0044】
SCS20_2は、MTC-IWFにデータトランスミッションを送信する(ステップS23)。SCS20_2は、SCS20_2がMTC UE10と共有するキーを用いてペイロードを暗号化する。SCS20_2は、SCS20_2がMTC-IWF30と共有するキーを用いてメッセージを暗号化し、及び/又はメッセージの完全性を保護する。
【0045】
MTC-IWF30は、MTC-IWF30がSCS20_1及びSCS20_2と共有するキーを用いて、メッセージの検証及び解読を実施する。
【0046】
データトランスミッションにおいて示されるSCS20_1及びSCS20_2のそれぞれの許容タイマに従って、MTC-IWFは、データトランスミッションを個別に送信でき(ステップS26)、又は1つのメッセージで送信できる(ステップS27)。
【0047】
例示の許容タイマは、下記を含む。
-タイマは、例えば60秒や、2分など、正確にSCS20がどれだけの時間許容できるか(待てるか)を持つ、又は、
-タイマは、例えば、低、中、高のレベルを示すことができ、そしてMTC-IWF30は、いつMTC UE10にメッセージを転送するかをネットワークトラヒック状況に従って決定する。
【0048】
ステップS26において、データトランスミッションメッセージ中のSCS IDに従って、MTC-IWF30は、SCS20_1からのデータトランスミッションをMTC UE10に送信する(ステップS26_1)。
【0049】
MTC UE10は、データトランスミッションAckで応答する(ステップS26_2)。
【0050】
データトランスミッション中のSCS IDに従って、MTC-IWF30は、SCS20_2からのデータトランスミッションをMTC UE10に送信する(ステップS26_3)。
【0051】
MTC UE10は、データトランスミッションAckで応答する(ステップS26_4)。
【0052】
ここで、ステップS26_2及びS26_4におけるデータトランスミッションAckは、図2及び図3にそれぞれ示されるステップS12と同様に、1つのメッセージで送信されることができる。
【0053】
あるいは、ステップS27において、許容タイマが許すならば、MTC-IWF30は、MTC UE10に1つのデータトランスミッションメッセージでデータを転送することができる(ステップS27_1)。
【0054】
MTC UE10は、データトランスミッションAckで応答する(ステップS27_2)。
【0055】
そして、MTC-IWF30は、SCS20_1及び20_2に、データトランスミッションAckを個別に転送する(ステップS28)。
【0056】
ステップS27の動作において、異なるSCSからMTC UEへの複数のデータは、1つのメッセージで送信される。従って、MTC UEのバッテリ消費、及びインバウンドメッセージ送信に要求されるネットワークリソースを抑えることが可能である。
【0057】
次いで、通信システムが適用されるビジネスモデルユースケースが、図5を参照して説明される。
【0058】
図5に示される例において、MTC UEは自動販売機である。SCS20_1及びSCS20_2は、自動販売機で販売される製品を製造するメーカにより運用される。例えば、自動販売機はオープンであり、異なる飲料会社によって共有されるフラットフォームであり得る。この場合、自動販売機は、リアルタイムの市場分析のために、飲料会社にリポートできる。
【0059】
近年、自動販売機が1つ会社によって運営されることがよく見られる。複数の会社が同じ自動販売機を共有し、その結果、それら会社はコストを削減でき、サプライチェインを短縮することも可能である。換言すれば、飲料会社は、ただ彼らがすること、-飲料を作ること、に集中することができる。
【0060】
さらに、SCS20_nは、自動販売機を修理する修理会社によって運用される。自動販売機は、何か不具合が起こった場合に修理会社にリポートすることができる。
【0061】
図示は省略するが、残りのSCSの1つは、自動販売機に電気を供給する電力会社によって運用され得る。この場合、自動販売機は、電力会社と連絡することが可能である。
【0062】
なお、このユースケースは例示に過ぎず、アイデアは他のユースケースに拡張されることが可能である。
【0063】
ここで、運用者は、MTC-IWF30を保守する必要はない。MTC-IWF30は、運用者がコストを削減できるようにするために、サードパーティーによって所有され、かつ運営されることができる。
【0064】
次いで、図6から8を参照して、MTC UE10、SCS20、及びMTC-IWF30の構成例が説明される。なお、以下の説明において、この実施形態で特定される要素のみが説明される。しかしながら、MTC UE10、SCS20、及びMTC-IWF30は、それぞれ典型的なMTC UE、SCS、及びMTC-IWFとして機能するための要素も含まれることが理解されるであろう。
【0065】
図6に示されるようにMTC UE10は、少なくとも包含ユニット11及び送信ユニット12を含む。図2及び図3のそれぞれにステップS12で示されるように、包含ユニット11は、1つのデータトランスミッションメッセージ中に、SCS20_1~SCS20_nに送信される複数のデータを含める。さらに、包含ユニット11は、データトランスミッションメッセージに、SCS IDとサービスIDとを含めることができる。さらに、包含ユニット11は、データトランスミッションメッセージに、MTC UE10がデータトランスミッションメッセージをSCS20へ再送信するためタイマの値を含めることができる。一方、送信ユニット12は、データトランスミッションメッセージをMTC-IWF30に送信する。加えて、MTC UE10は、受信ユニット13を含むことができる。図3においてステップS17で示すように、受信ユニット13は、MTC-IWFから、SCS20_1~20_2からのAckメッセージが含まれるデータトランスミッションAckメッセージを受信する。ここで、これらのユニット11~13は、バスなどを通じて互いに相互接続される。これらユニット11~13は、例えば、RANを通じてMTC-IWF30との通信を行う送受信機と、この送受信機を制御するCPU(Central Processing Unit)などのコントローラとで構成され得る。
【0066】
図7に示されるように、SCS20は、送信ユニット21を含む。図4においてステップS22及びS23で示されるように、送信ユニット21は、MTC-IWF30に、MTC UE10へ送信されるデータ、及び上述の許容タイマ又はレベルを送信する。この送信ユニット21は、例えば、MTC-IWF30との通信を実施する送受信機と、この送受信機を制御するCPUなどのコントローラとにより構成され得る。
【0067】
図8に示されるように、アウトバウンドメッセージに対して、MTC-IWF30は、少なくとも受信ユニット31と配付ユニット32とを含む。図2及び3においてそれぞれステップS12で示すように、受信ユニット31は、MTC UE10からデータトランスミッションメッセージを受信する。図2及び図3においてそれぞれステップS14で示すように、配付ユニット32は、SCS20_1~20_nに、このデータトランスミッションメッセージに含まれる複数のデータを配付する。さらに、配付ユニット32は、SCS ID及びサービスIDを用いて、複数のデータが送信されるべきSCSを識別できる。加えて、MTC-IWF30は、受信ユニット33、包含ユニット34、及び送信ユニット35を含むことができる。図3においてステップS16で示されるように、受信ユニット33は、SCS20_1~20_nから、複数のデータの受信通知を受信する。ステップS17で示されるように、包含ユニット34は、データトランスミッションAckメッセージ中に受信通知を含め、送信ユニット35は、データトランスミッションAckメッセージをMTC UE10に送信する。インバウンドメッセージに対し、MTC-IWF30は、決定ユニット36を含む。図4においてステップS22及びS23で示されるように、受信ユニット33は、SCS20_1~20_nから、MTC UE10に送信される複数のデータ及び上述の許容タイマ又はレベルを受信する。ステップS25に示されるように、決定ユニット36は、MTC UE10にいつデータを転送するかを、許容タイマ又はレベルに基づいて決定する。許容タイマ又はレベルが許すならば、ステップS27に示されるように、包含ユニット34は、1つデータトランスミッションメッセージ中にデータを含め、送信ユニット35は、このデータトランスミッションメッセージをMTC UE10に送信する。一方、許容タイマ又はレベルが許さないならば、ステップS26に示されるように、送信ユニット35は、MTC UE10にデータを個別に送信する。ここで、これらユニット31~36は、バスなどを通じて互いに相互接続される。これらユニット31~36は、例えば、RANを通じてMTC UE10との通信を実施する送受信機と、SCS20との通信を実施する送受信機と、これら送受信機を制御するCPUなどのコントローラとにより構成され得る。
【0068】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の規定に基づいて当業者によって種々の変更がなされ得ることは、自明である。
【0069】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0070】
(付記1)
UEは、異なるSCSへのデータを1つのメッセージに含め、UEのバッテリ消費及びネットワークリソースを抑える。
【0071】
(付記2)
UEは、MTC-IWFがどのSCSに転送すべきかを決定できるように、データトランストランスミッションにおいてSCS ID及びサービスIDを示す。
【0072】
(付記3)
MTC-IWFは、異なるターゲットSCSにデータトランスミッションを配付する。
【0073】
(付記4)
SCSは、MTC-IWFが、データがUEに即時に送信されるべきか、又はより多くのSCSからのペイロードをターゲットUEに送信可能かを決定できるように、データトランスミッションメッセージにおいて許容タイマを示す。
【0074】
(付記5)
異なるUE又はSCSへ、及び異なるUE又はSCSからデータを配達するMTC-IWFの知識は、ネットワークトラヒックを削減し得る。
【0075】
この出願は、2013年11月29日に出願された日本出願特願2013-247474を基礎とする優先権を主張し、これらの開示の全ては参照によりここに取り込まれる。
【符号の説明】
【0076】
10 MTC UE
11、34 包含ユニット
12、21、35 送信ユニット
13、31、33 受信ユニット
20、20_1-20_n SCS
30 MTC-IWF
32 配付ユニット
36 決定ユニット
40 MME/SGSN
50 HSS
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8