IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

特許7525007プログラム、情報処理方法、情報端末及び情報処理システム
<>
  • 特許-プログラム、情報処理方法、情報端末及び情報処理システム 図1
  • 特許-プログラム、情報処理方法、情報端末及び情報処理システム 図2
  • 特許-プログラム、情報処理方法、情報端末及び情報処理システム 図3
  • 特許-プログラム、情報処理方法、情報端末及び情報処理システム 図4A
  • 特許-プログラム、情報処理方法、情報端末及び情報処理システム 図4B
  • 特許-プログラム、情報処理方法、情報端末及び情報処理システム 図5A
  • 特許-プログラム、情報処理方法、情報端末及び情報処理システム 図5B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、情報端末及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/20 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
G06T11/20 600
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023092798
(22)【出願日】2023-06-06
(62)【分割の表示】P 2022042714の分割
【原出願日】2018-04-17
(65)【公開番号】P2023106630
(43)【公開日】2023-08-01
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 博和
【審査官】渡部 幸和
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-059420(JP,A)
【文献】特開2018-049308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと通信する情報端末に、
関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、
前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であり、前記関数を表すグラフを描画するため、第1の形式で表現された描画点の座標を含むデータを前記サーバから受信して記録することと、
前記描画点の座標に基づいて、グラフを描画することと、
第1の形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、記録された前記第1の形式で表現された描画点の座標の情報を用いて座標を表示することと、
数学的に正しい値を示す第2の形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、当該点の情報を前記サーバ宛に送信し、当該情報により示される前記点を表す、前記サーバが作成したデータであって、前記第2の形式で当該座標を表示するための数式データを受信して、当該数式データを用いて座標を表示することと
を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記第1の形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、座標を表示すべき点の指定位置が変更される度に、前記座標を表示することを繰り返し行うことを前記情報端末に実行させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2の形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、座標を表示すべき点の指定位置が変更された後に座標を表示すべき点の位置が定まったら、前記数式データを受信するために当該点の情報を前記サーバ宛に送信する、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1の形式で前記グラフの上の点の座標を表示しているときに、表示形式が前記第2の形式に変更されたことを検出したら、当該点の情報を前記サーバ宛に送信し、当該情報に基づいて前記サーバが作成した前記第2の形式で当該座標を表示するための数式データを受信して、当該数式データを用いて座標を表示することをさらに前記情報端末に実行させるための請求項1乃至3のうち何れか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2の形式で前記グラフの上の点の座標を表示しているときに、表示形式が前記第1の形式に変更されたことを検出したら、記録された前記第1の形式で表現された当該点の座標の情報を用いて座標を表示することをさらに前記情報端末に実行させるための請求項1乃至4のうち何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
サーバと通信する情報端末に、
関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、
前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であるグラフの描画点の座標であって、第1の形式と数学的に正しい値を示す第2の形式とで表現された前記座標の情報を含むデータを前記サーバから受信して記録することと、
前記第1の形式の前記描画点の座標に基づいて、前記グラフを描画することと、
前記グラフの上の点の座標を表示するときには、前記第1の形式で表示するか前記第2の形式で表示するかに応じて、記録された前記第1の形式の前記座標の情報又は前記第2の形式の前記座標の情報を用いて、座標を表示することと
を実行させるためのプログラム。
【請求項7】
サーバと通信する情報端末が、
関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、
前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であり、前記関数を表すグラフを描画するための、第1の形式で表現された描画点の座標を含むデータを前記サーバから受信して記録することと、
前記描画点の座標に基づいて、グラフを描画することと、
第1の形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、記録された前記第1の形式で表現された描画点の座標の情報を用いて座標を表示することと、
数学的に正しい値を示す第2の形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、当該点の情報を前記サーバ宛に送信し、当該情報により示される前記点を表す、前記サーバが作成したデータであって、第2の形式で当該座標を表示するための数式データを受信して、当該数式データを用いて座標を表示することと
を含む情報処理方法。
【請求項8】
サーバと通信する情報端末に、
関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、
前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であるグラフの描画点の座標であって、第1の形式と数学的に正しい値を示す第2の形式とで表現された前記座標の情報を含むデータを前記サーバから受信して記録することと、
前記第1の形式の前記描画点の座標に基づいて、前記グラフを描画することと、
前記グラフの上の点の座標を表示するときには、前記第1の形式で表示するか前記第2の形式で表示するかに応じて、記録された前記第1の形式の前記座標の情報又は前記第2の形式の前記座標の情報を用いて、座標を表示することと
を含む情報処理方法。
【請求項9】
サーバと通信する情報端末であって、
記憶装置と、
関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、
前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であり、前記関数を表すグラフを描画するための、第1の形式で表現された描画点の座標を含むデータを前記サーバから受信して前記記憶装置に記録することと、
前記描画点の座標に基づいて、グラフを描画することと、
第1の形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、記録された前記第1の形式で表現された描画点の座標の情報を用いて座標を表示することと、
数学的に正しい値を示す第2の形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、当該点の情報を前記サーバ宛に送信し、当該情報により示される前記点を表す、前記サーバが作成したデータであって、第2の形式で当該座標を表示するための数式データを受信して、当該数式データを用いて座標を表示することと
を実行するプロセッサと
を備える情報端末。
【請求項10】
サーバと通信する情報端末であって、
記憶装置と、
関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、
前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であるグラフの描画点の座標であって、第1の形式と数学的に正しい値を示す第2の形式とで表現された前記座標の情報を含むデータを前記サーバから受信して前記記憶装置に記録することと、
前記第1の形式の前記描画点の座標に基づいて、前記グラフを描画することと、
前記グラフの上の点の座標を表示するときには、前記第1の形式で表示するか前記第2の形式で表示するかに応じて、記録された前記第1の形式の前記座標の情報又は前記第2の形式の前記座標の情報を用いて、座標を表示することと
を実行するプロセッサと
を備える情報端末。
【請求項11】
情報端末とサーバとを含む情報処理システムであって、
前記情報端末は、
記憶装置と、
関数及び座標エリアの情報を含む第1のデータを前記サーバ宛に送信すること
を実行する第1のプロセッサと、を備え、
前記サーバは、
前記第1のプロセッサにより前記情報端末より送信された前記第1のデータを受信することと、
前記受信された第1のデータに基づいて、前記関数を表すグラフを描画するための第1の形式で表現された描画点の座標を含む第2のデータを取得し、前記第2のデータを前記情報端末へ送信することと、
を実行する第2のプロセッサを備え、
前記第1のプロセッサは更に、
前記送信された第2のデータを受信することと、
前記受信された第2のデータを前記記憶装置に記憶させることと、
前記第1の形式で前記グラフの上の点の座標を表示することが選択された場合は、前記第2のデータに基づいて、グラフを描画することと、
数学的に正しい値を示す第2の形式で前記グラフの上で指定された点の座標を表示することが選択された場合は、前記グラフの数式と前記グラフ上の点の情報を含む第3のデータを前記サーバに送信することと、
を実行し、
前記第2のプロセッサは更に、
前記送信された第3のデータを受信することと、
前記受信された第3のデータに基づいて、第2の形式で表示した場合の座標値を取得することと、
を実行し、
前記第1のプロセッサは更に、
前記取得された座標値に基づいて作成された座標値を示す画像を表示部に表示させることと、
を実行する情報処理システム。
【請求項12】
情報端末とサーバとを含む情報処理システムであって、
前記情報端末は、
記憶装置と、
関数及び座標エリアの情報を含む第1のデータを前記サーバ宛に送信することと、
を実行する第1のプロセッサと、を備え、
前記サーバは、
前記第1のデータに基づいて取得されるグラフの描画点の座標であって、第1の形式と数学的に正しい値を示す第2の形式とで表現された前記座標の情報を含む第2のデータを前記情報端末へ送信することと、
を実行する第2のプロセッサを備え、
前記第1のプロセッサは更に、
前記送信された第2のデータを受信することと、
前記受信された第2のデータを前記記憶装置に記憶させることと、
前記第2のデータに含まれる第1の形式の前記描画点の座標に基づいて、前記グラフを描画することと、
前記グラフの上の点の座標を表示部に表示するときには、前記第1の形式で表示するか前記第2の形式で表示するかに応じて、記録された前記第1の形式の前記座標の情報又は前記第2の形式の前記座標の情報を用いて、座標を表示することと、
を実行する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法、情報端末及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブブラウザ上で利用可能なグラフ描画アプリケーションが知られている。例えば、非特許文献1は、ウェブブラウザ上で動作する次のようなアプリケーションについて開示する。このアプリケーションでは、ユーザが式リストに入力した数式に基づいて演算が行われ、演算の結果に基づくグラフがウェブブラウザ上に描画される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Desmos,desmos ユーザーガイド,堀川由人 訳[online],[平成30年4月16日検索]、インターネット<URL:https://desmos.s3.amazonaws.com/Desmos_User_Guide_JA.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、優れたインターフェースを有するアプリケーションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、プログラムは、サーバと通信する情報端末に、関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であり、前記関数を表すグラフを描画するため、第1の形式で表現された描画点の座標を含むデータを前記サーバから受信して記録することと、前記描画点の座標に基づいて、グラフを描画することと、第1の形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、記録された前記第1の形式で表現された描画点の座標の情報を用いて座標を表示することと、数学的に正しい値を示す第2の形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、当該点の情報を前記サーバ宛に送信し、当該情報により示される前記点を表す、前記サーバが作成したデータであって、前記第2の形式で当該座標を表示するための数式データを受信して、当該数式データを用いて座標を表示することとを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、一実施形態に係るシステムの構成例の概略を示すブロック図である。
図2図2は、一実施形態に係る端末の動作の一部についての例の概略を示すフローチャートである。
図3図3は、一実施形態に係るグラフ描画処理の一例の概略を示すフローチャートである。
図4A図4Aは、一実施形態に係るトレース処理の一例の概略を示すフローチャートである。
図4B図4Bは、一実施形態に係るトレース処理の一例の概略を示すフローチャートである。
図5A図5Aは、端末に表示されるグラフ付箋に関する画面の一例を示す図である。
図5B図5Bは、端末に表示されるグラフ付箋に関する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、学校教育の場等で用いられるウェブを利用したアプリケーションに関する。本実施形態のアプリケーションは、特に数学教育で用いられる。
【0008】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係るシステム1の構成例の概略を示す図である。システム1は、クライアントとしての端末10と、Webサーバ20と、演算サーバ30とを含む。端末10は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型の情報端末、スマートフォン等といった各種の情報端末である。各端末では、ウェブブラウザが動作する。各端末は、ウェブブラウザを用いて、インターネットといったネットワーク50を介して演算サーバ30に接続されたWebサーバ20にアクセスし、ウェブアプリケーションを実行する。
【0009】
図1には、1台の端末10が示されているが、システム1に含まれる端末の台数は何台であってもよい。何台の端末がウェブアプリケーションを実行してもよい。
【0010】
端末10は、図1に示すように、バスライン19を介して互いに接続されたCentral Processing Unit(CPU)11と、Read Only Memory(ROM)12と、Random Access Memory(RAM)13と、ストレージ14と、入力装置15と、表示装置16と、通信装置17とを備える。CPU11は、各種信号処理等を行う。CPUに代えて又はCPUと共に、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Field Programmable Gate Array(FPGA)、又はGraphics Processing Unit(GPU)等の各種集積回路が用いられてもよい。すなわち、端末10では、各種プロセッサが用いられ得る。ROM12は、起動プログラム等を記録している。RAM13は、CPU11の主記憶装置として機能する。RAM13には、例えば、Dynamic RAM(DRAM)、Static RAM(SRAM)等が用いられ得る。ストレージ14には、例えば、Hard Disk Drive(HDD)、Solid State Drive(SSD)、Embedded Multi Media Card(eMMC)等が用いられる。ストレージ14には、CPU11で用いられるプログラム、パラメータ等各種情報が記録されている。RAM13及びストレージ14は、これに限らず各種記憶装置に置換され得る。入力装置15は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等である。表示装置16は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。通信装置17は、端末10の外部の機器と通信を行う際に用いられる。通信装置17は、例えばインターネットといったネットワーク50に接続する。
【0011】
Webサーバ20上には、ウェブアプリケーションのバッグエンドサーバが存在する。Webサーバ20は、ウェブアプリケーションの実現に必要な処理を担っている。Webサーバ20のさらに背後には、各種関数の演算を実行する演算サーバ30が存在している。演算サーバ30の演算エンジンには、Webサーバ20のバッグエンドサーバからのみアクセスでき、外部からは直接アクセスできないようになっており、演算エンジンは秘匿されている。
【0012】
演算サーバ30は、図1に示すように、バスライン39を介して互いに接続されたプロセッサ31と、ROM32と、RAM33と、ストレージ34と、通信装置35とを備える情報処理装置である。プロセッサ31は、各種信号処理等を行う。ROM32は、プロセッサ31の動作に用いられる情報を記録している。RAM33は、プロセッサ31の主記憶装置として機能する。ストレージ34には、各種記録媒体が用いられ得る。ストレージ34には、プロセッサ31で用いられるプログラム、パラメータ等各種情報が記録されている。
【0013】
本実施形態では、入力と表示とは、「付箋」と呼ぶ小さな枠を持つ表示領域の組み合わせを用いて行われる。付箋には複数の種類が存在する。端末10の表示装置16に表示される画面例を示す図5Aには、数式付箋110及びグラフ付箋130等が示されている。数式付箋110は、関数を表す数式が入力される付箋である。グラフ付箋130は、グラフが描画される付箋である。グラフ付箋130には、例えば数式付箋110に入力された式に関するグラフが表示される。数式付箋110とグラフ付箋130との間には互いに関連があるのでこのような付箋は、紐120と呼ばれる線で結びつけられている。
【0014】
[システムの動作]
本実施形態に係るシステム1は、多くの機能を有している。そのうちいくつかの例について説明する。各機能は、端末10、Webサーバ20及び演算サーバ30が協働することで実現される。例えば、ウェブブラウザが動作する端末10がWebサーバ20にアクセスしたとき、端末10はWebサーバ20からプログラムを取得する。端末10は、ウェブブラウザ上でこのプログラムを実行する。端末10は、ユーザが端末10の入力装置15を操作してウェブブラウザ上に入力した情報に基づいて、各種演算及び表示を行う。端末10は、演算サーバ30による演算が必要なとき、当該演算に必要な情報を、Webサーバ20を介して演算サーバ30へ送信する。演算サーバ30は、端末10から取得した情報に基づいて各種演算を行う。演算サーバ30は、演算結果を、Webサーバ20を介して端末10宛に送信する。端末10は、演算サーバ30から取得した情報に基づいて、表示装置16に各種画像を表示する。
【0015】
本実施形態に係る端末10の動作について、図2乃至4Bに示すフローチャートを参照して説明する。説明にあたって、図5A及び図5Bに示すグラフ付箋130に関連する画面例を適宜に参照する。
【0016】
図2は、端末10の動作の一部についての例の概略を示すフローチャートである。
【0017】
ステップS101において、端末10は、グラフを描画することに関する指示が入力されたか否かを判定する。グラフ描画に関する指示が入力されていないとき、処理はステップS103に進む。グラフ描画に関する指示が入力されたとき処理はステップS102に進む。
【0018】
ステップS102において、端末10は、グラフ描画処理を行う。グラフ描画処理について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0019】
ステップS201において、端末10は、表示装置16に空の数式付箋110を含む画面101を表示する。空の数式付箋110(不図示)とは、文字や数字、数式などが何も表示されていない状態の数式付箋110のことである。状態によって、カーソルが数式付箋110に表示されていてよい。この時点では、グラフ付箋130及び紐120は、まだ表示されていない。
【0020】
ステップS202において、端末10は、入力装置15を用いて数式付箋110へのユーザの入力を受け付ける。ユーザは、入力装置15のキーボードを用いて数式付箋110に数式を入力してもよいし、表示装置16に表示されるソフトウェアキーボードを用いて数式付箋110に数式を入力してもよい。端末10は、入力に応じて、数式付箋110の表示を更新する。ユーザは、所望の数式を入力し終わると、数式を確定する旨の入力を行う。
【0021】
ステップS203において、端末10は、数式付箋110に入力された数式が確定したか否かを判定する。数式が確定されるまで、処理はステップS202を繰り返し、数式付箋110への入力を受け付ける。数式が確定されたと判定されたとき、処理はステップS204に進む。
【0022】
ステップS204において、端末10は、確定された数式、グラフを描画する座標エリア、及び各種設定等の情報を特定し、それらの情報をWebサーバ20を介して演算サーバ30宛に送信する。図5Aの例では、y=√xという関数と、-1≦x≦5及び-1≦y≦5という座標エリアと、描画点の間隔などを含むその他の設定とを含むデータが、演算サーバ30宛にリクエストとして送信される。
【0023】
ステップS205において、演算サーバ30は、Webサーバ20を介して、端末10から送信された数式、座標エリア、各種設定等の情報を受信する。ステップS206において、演算サーバ30は、受信した情報に基づいて、関数を表すグラフを描画するために必要な描画点の座標を算出する。図5Aの例では、演算サーバ30は、-1≦x≦5の範囲で、指定された間隔で、y=√xを表す多数の描画点の各々の座標を算出する。ただし、-1≦x<0の範囲は描画点が存在しないことを示す情報が結果として出力される。ここで算出される座標は、適当な有効桁数を持つ小数で表現された、後述する小数表示形式で表現されたものである。
【0024】
また、ステップS206で、演算サーバ30は、上記で算出した、小数表示形式で表現された描画点の座標群のデータを、x座標の昇順又は降順で、ストレージ34に記録する。ここで、上記の指定された間隔は、例えば、表示装置16の画面で、グラフ付箋のグラフ表示エリア131のx座標の範囲(-1≦x≦5)に応じたピクセル幅に基づいて決定されてよく、x座標の範囲をピクセル幅で除した数をその最小の間隔としてよい。これにより、算出された座標を、できるだけ忠実に、表示装置16の画面で表示することができる。
【0025】
ステップS207において、演算サーバ30は、算出した描画点の座標群のデータを、Webサーバ20を介して端末10宛にレスポンスとして送信する。
【0026】
ステップS208において、端末10は、Webサーバ20を介して、レスポンスとしての描画点の座標群のデータを受信する。端末10は、受信した描画点の座標群の値を、当該数式等と共にストレージ14に記録する。
【0027】
ステップS209において、端末10は、画面101に、数式付箋110と紐120で関連付けられたグラフ付箋130を作成する。ステップS210において、端末10は、グラフ付箋のグラフ表示エリア131に、演算サーバ30が算出した各描画点の座標に基づいて、描画点をプロットする。端末10は、描画点同士を線で結ぶことで、グラフ136を描画する。
【0028】
以上で、グラフ描画処理は終了し、処理は図2を参照して説明しているメインフローに戻る。グラフ描画処理の後、処理はステップS103に進む。
【0029】
上述のようなグラフ描画は、例えば新しい数式が追加される度に行われ得る。1つのグラフ付箋130には、複数のグラフが描画されてもよいし、複数のグラフ付箋が作成され、その各々にグラフが描画されてもよい。また、グラフ表示エリア131のx座標の範囲及びy座標の範囲は、ユーザの操作等によって適宜に変更され得る。これらの範囲が変更されたときには、上述のグラフ描画処理のステップS204乃至ステップS210と同様の処理が行われる。すなわち、端末10から数式及び変更された座標エリア等が演算サーバ30宛に送信され、演算サーバ30が新たな描画点の座標群を算出し、この座標群に基づいて端末10がグラフを再描画する。
【0030】
ステップS103において、端末10は、トレース操作が行われたか否かを判定する。本実施形態のシステム1は、グラフィックカーソルがグラフエリア中に描画されたグラフ上の位置に合わせられると、当該位置の座標が表示される機能を有する。例えば、図5Aに示すように、グラフィックカーソル141がグラフ136上の点に配置されたとき、その点を表す第1のマーカ151が表示され、その点の座標を示す第1の座標値152が表示される。グラフィックカーソルの位置を矢印211で示すように移動させて、グラフィックカーソル142がグラフ136上の他の点に配置されたとする。このとき、その点を表す第2のマーカ155が表示され、その点の座標を示す第2の座標値156が表示される。図5Aでは作図の都合上、グラフィックカーソル141、第1のマーカ151及び第1の座標値152と、グラフィックカーソル142、第2のマーカ155及び第2の座標値156とが両方表示されている。しかし実際には、グラフィックカーソルの移動に伴って、前の表示は消され、各時点でのグラフィックカーソルの位置に応じてマーカと座標値とが表示される。
【0031】
さらに、本実施形態のシステム1は、座標の表示形式について、小数表示形式と数式表示形式とが選択され得るように構成されている。小数表示形式とは、図5Aの第2の座標値156の「(2,1.414)」のように、小数を用いて表記される形式である。小数表示形式は、Decimal形式とも呼ばれる。数式表示形式とは、図5Bに示す画面102の第4の座標値166の「(2,√2)」のように、数式・数学記号などを用いて表記される形式である。数式表示形式は、数学的に正しい値を表示するものであり、平方根、三角関数、分数、円周率(π)、ネイピア数(e)、log等を用いた表示形式である。数式表示形式は、Standard形式とも呼ばれる。
【0032】
小数表示形式が設定されている場合には、座標は、グラフを描画する際に用いられた描画点の座標情報を用いて素早く表示される。数式表示形式が設定されている場合には、端末10は、座標の値をサーバ側に問合せ、サーバで用意された画像を用いて座標を表示する。
【0033】
グラフィックカーソルをグラフ上に合わせるような操作が検出されたとき、ステップS103でトレース操作が行われたと判定される。トレース操作が行われていないとき、処理はステップS105に進む。トレース操作が行われたと判定されたとき、処理はステップS104に進む。ステップS104において、端末10は、トレース処理を実行する。トレース処理について図4A及び図4Bに示すフローチャートを参照して説明する。
【0034】
ステップS301において、端末10は、グラフィックカーソルによって指定された位置の情報を取得することを開始する。この後、端末10は、グラフィックカーソルによって指定された指定位置の取得を所定の周期などで定期的に繰り返し、得られた指定位置に応じた処理を行う。
【0035】
ステップS302において、端末10は、現在の表示設定が小数表示形式であるか数式表示形式であるかを判定する。現在の設定が数式表示形式であると判定されたとき、処理はステップS308に進む。現在の設定が小数表示形式であると判定されたとき、処理はステップS303に進む。
【0036】
ステップS303において、端末10は、ステップS208で記録された描画点の中から、ステップS301で取得された現在の指定位置に最も近い描画点を選択する。端末10は、選択した描画点について記録された座標値を読み出す。ステップS304において、端末10は、読み出した座標値に基づいて、小数表示形式で指定位置の座標値をグラフ表示エリア131に表示する。
【0037】
ステップS305において、端末10は、表示設定が数式表示形式に変更されたか否かを判定する。表示設定は、例えばマウスの右クリックで表示されるメニューから表示設定が選択されることで変更され得る。表示設定が数式表示形式に変更されたとき、処理はステップS308に進む。数式表示に変更されていないとき、処理はステップS306に進む。
【0038】
ステップS306において、端末10は、トレース処理を終了するか否かを判定する。例えば指定位置が現在選択されているグラフから所定距離以上離れたとき、本処理を終了すると判定される。終了すると判定されたとき、トレース処理は終了し、処理は図2を参照して説明しているメインフローに戻る。トレース処理を終了しないと判定されたとき、処理はステップS307に進む。
【0039】
ステップS307において、端末10は、指定位置が変化したか否かを判定する。指定位置が変化していないとき、処理はステップS305に戻る。すなわち、表示設定が数式表示形式に変更されていないか、トレース処理は終了しないかを繰り返し判定する。ステップS307で指定位置が変化したと判定されたとき、処理はステップS303に戻る。すなわち、指定位置に最も近い描画点が選択されて当該選択点の座標値が小数表示形式で表示される。このようにして、表示設定が小数表示形式であり、指定位置がグラフ上である間は、グラフィックカーソルで指定された指定位置の座標が図5Aに示すように次々と小数表示形式で表示される。
【0040】
表示設定が数式表示形式であるとき、或いは、数式表示形式に変更されたとき、端末10は、次のように動作する。ステップS308において、端末10は、ステップS208で記録された描画点の中から、指定位置に最も近い描画点を選択する。端末10は、グラフの数式と選択した描画点の座標値とを読み出す。ステップS309において、端末10は、読み出した数式と座標値とを、Webサーバ20宛に送信する。
【0041】
ステップS310において、Webサーバ20は、端末10によって送信された数式と選択された描画点の座標値とを受信する。ステップS311において、Webサーバは、選択された描画点に関して、数式表示形式で表示した場合の座標値を演算サーバ30に算出させる。ステップS311で、演算サーバ30は、受信した選択点の座標値(例えば、x座標)に基づいて、受信した選択点が、複数の描画点のうちの昇順又は降順で何番目の描画点であるかを決定する。決定した描画点の順位に基づいて、数式表示形式による座標値(x座標及びy座標)を決定する。
【0042】
Webサーバ20は、演算サーバ30から算出結果を取得する。Webサーバ20は、算出結果に基づいて、数式表示形式によって座標値を示す画像を作成する。ステップS312において、Webサーバ20は、選択点の座標を数式表示形式で表示する作成した画像又はWebサーバ20に保存された当該画像のアドレスを端末10宛に送信する。
【0043】
ステップS313において、端末10は、選択点の座標を数式表示形式で示す画像を受信する。ステップS314において、端末10は、受信した画像を用いて数式表示形式で指定位置の座標値をグラフ表示エリア131に表示する。
【0044】
ステップS315において、端末10は、表示設定が小数表示形式に変更されたか否かを判定する。小数表示形式に変更されたとき、処理はステップS303に戻る。すなわち、指定位置の座標が小数表示形式で表示される。ステップS315で小数表示形式に変更しないと判定されたとき、処理はステップS316に進む。
【0045】
ステップS316において、端末10は、トレース処理を終了するか否かを判定する。終了すると判定されたとき、トレース処理は終了し、処理は図2を参照して説明しているメインフローに戻る。終了しないと判定されたとき、処理はステップS317に進む。
【0046】
ステップS317において、端末10は、指定位置が変化したか否かを判定する。指定位置が変化していないとき、処理はステップS315に戻る。すなわち、表示設定が小数表示形式に変更されていないか、トレース処理を終了しないかを繰り返し判定する。ステップS317で指定位置が変化したと判定されたとき、処理はステップS318に進む。
【0047】
ステップS318において、端末10は、指定位置の変化が停止したか否かを判定する。指定位置の変化が停止していないと判定されたとき、停止するまで待機する。指定位置の変化が停止して、指定位置が定まったと判定されたとき、処理はステップS308に戻る。すなわち、指定位置の変化が停止した後に、端末10は、指定位置に最も近い描画点を選択する。端末10は、選択した描画点に関する情報をリクエストとしてWebサーバ20宛に送信し、レスポンスとして当該描画点の座標を数式表示形式で示す画像を受信する。端末10は、受信した画像に基づいて、座標を表示する。数式表示形式による座標表示では、端末10とWebサーバ20との間の通信が発生するため、指定位置が変化している最中に選択点の座標値を求め続けることは効率的でない。このため、指定位置の変化が停止した後に選択点の数式表示形式による座標値を求め、それを表示する。通信資源に余裕がある場合には、指定位置が変化している最中に選択点の座標値が連続的に求め続けられてもよい。
【0048】
上述の動作によって、例えば図5Bに示すように、グラフィックカーソル143がグラフ136上の点に配置されたとき、その点を表す第3のマーカ161が表示され、その点の座標を示す第3の座標値162が数式表示形式で表示される。グラフィックカーソルの位置を矢印212で示すように移動されて、グラフィックカーソル144がグラフ136上の他の点に配置されたとき、その点を表す第4のマーカ165が表示され、その点の座標を示す第4の座標値166が表示される。図5Bでは作図の都合上、グラフィックカーソル143、第3のマーカ161及び第3の座標値162と、グラフィックカーソル144、第4のマーカ165及び第4の座標値166とが両方表示されている。しかし実際には、グラフィックカーソルの移動に伴って、新しい表示がされるとき、前のマーカと座標値との表示は消され、新しいグラフィックカーソルの位置に応じて新しいマーカと座標値とが表示される。
【0049】
図2に戻って説明を続ける。ステップS105において、端末10は、本処理を終了するか否かを判定する。終了しないと判定されたとき、処理はステップS101に戻る。すなわち、上述の終了は繰り返される。ステップS105において終了すると判定されたとき、本処理は終了する。
【0050】
本実施形態によれば、グラフ表示エリア131中に描画されたグラフ136上の点が指定されたときにその点の座標が表示されるトレース処理が実行され得る。このトレース処理において、小数表示形式と数式表示形式との2種類の表示形式が選択され得る。小数表示形式による表示では、グラフ136を描画するときに用いられた描画点の座標が用いられるので、グラフィックカーソルの移動に応じた高い追従性が実現され得る。一方、数式表示形式による表示では、Webサーバ20との通信が必要となるため、追従性は悪くなるものの、近似値ではなくて数学的に正しい値が表示され得る。
【0051】
本実施形態に係るシステム1では、比較的複雑な演算は、Webサーバ20の背後にある演算サーバ30で行われる。このような構成によって、複雑な演算が高い処理能力を有する演算サーバ30を用いて実現され得る。端末10では複雑な処理が行われる必要がないため、端末10による処理が軽減される。端末10から送信される情報は、関数等であり、端末10が受信する情報は描画点の座標値であったり、それを数式表示形式で示した画像データであったりする。このため、演算サーバ30で行われる処理が秘匿化され得る。
【0052】
上述の実施形態では、座標を表示すべき点の位置を、ユーザがグラフィックカーソルで指定する例を挙げたが、位置指定の方法はこれに限らない。例えばグラフが表示される表示装置16にタッチパネルが重ねて設けられている場合、位置の指定はユーザが所望の位置をタッチパネル上でタッチすることによって行われてもよい。また、例えば指定位置のx座標をキーボードを使って入力することで位置が指定されてもよい。また、例えばグラフの交点の座標が表示されてもよく、この場合交わるグラフの関数が入力されることで、当該交点が指定されてもよい。
【0053】
上述の実施形態では、数式表示形式で座標を表示するためにWebサーバ20から端末10に送られるデータが、座標を表す画像である場合を例に挙げて説明したがこれに限らない。端末10が数式表示形式で座標を表示できれば、データ形式は問わない。数式表示形式で座標を表示するために必要なデータであってWebサーバ20から端末10に送信されるデータを数式データとしたときに、端末10がこの数式データに基づいて数式表示形式で座標を表示できれば、数式データはどのような形式であってもよい。
【0054】
また、上述の実施形態では、グラフ描画処理におけるステップS205乃至ステップS207において、演算サーバ30は、グラフの描画のために描画点の座標を小数表示形式でのみ算出し、その値を端末10宛に送信している。端末10は、数式表示形式の座標データを有していないので、数式表示形式で座標を表示する際には、トレース処理のステップS308乃至ステップS314の処理のように、その都度、Webサーバ20に数式表示形式の座標の情報をリクエストしている。これに対して、グラフ描画処理で演算サーバ30が全ての描画点について小数表示形式と数式表示形式とで座標データを作成し、端末10がこれらデータの全てを取得して保持してもよい。この場合、トレース処理では、表示設定が数式表示であっても、端末10は、Webサーバ20に座標情報をリクエストする必要はなく、予め保持したデータに基づいて素早く座標の表示を行える。
【0055】
ただし、全ての描画点について数式表示形式で座標を求めるには時間を要するので、グラフの描画を早く行うために、次のような順に処理が行われてもよい。すなわち、演算サーバ30は、まず小数表示形式で座標を算出し、それを端末10宛に送信する。端末10は、この情報に基づいてグラフを描画する。演算サーバ30とWebサーバ20とは、小数表示形式の座標データを送信後に、数式表示形式の座標データを順次作成し、それらを端末10宛に送信してもよい。
【0056】
あるいは、演算サーバ30は、まず小数表示形式で座標を算出し、ステップS207で、それを端末10宛に送信する。並行して、演算サーバ30とWebサーバ20とは、小数表示形式の座標データを送信後に、数式表示形式の座標データを順次作成し、ストレージ34に記憶しておく。ステップS312で、演算サーバ30は、ストレージ34に記憶された数式表示形式の座標データを読み出し、読み出された数式表示形式の座標データを、Webサーバ20が端末10宛に送信する。これにより、ステップS310で、数式と選択された描画点の座標値とを受信した後、数式表示形式の座標値を算出する処理を演算サーバ30が行うことなく、即時に、数式表示形式の座標データを端末10宛に送信することができ、ユーザによるトレース操作に対する応答時間を短縮できる。
【0057】
端末10で動作するプログラムは、例えばJavaScript(登録商標)を用いて記述され得る。端末10とWebサーバ20との間の送受信は、HTTPプロトコルを介して行われ、送受信される情報を例えばREST形式JSONデータとして、HTTP POST/GETを介して行われ得る。
【0058】
上述の実施形態では、数学教育のためのアプリケーション例を示したが、これに限らない。上述の技術は、各種教育用のアプリケーションに適用され得る。また、教育用に限らず、解析用のアプリケーション等、種々のアプリケーションに適用され得る。特に、数学、物理、化学その他の科学分野、或いは工学分野のアプリケーションに適用され得る。
【0059】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0060】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
サーバと通信する情報端末に、
関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、
前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であり、前記関数を表すグラフを描画するための、小数表示形式で表現された描画点の座標を含むデータを前記サーバから受信して記録することと、
前記描画点の座標に基づいて、グラフを描画することと、
小数表示形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、記録された前記小数表示形式で表現された描画点の座標の情報を用いて座標を表示することと、
数学的に正しい値を示す数式表示形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、当該点の情報を前記サーバ宛に送信し、当該情報により示される前記点を表す、前記サーバが作成したデータであって、数式表示形式で当該座標を表示するための数式データを受信して、当該数式データを用いて座標を表示することと
を実行させるためのプログラム。
[2]
前記小数表示形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、座標を表示すべき点の指定位置が変更される度に、前記座標を表示することを繰り返し行うことを前記情報端末に実行させるための[1]に記載のプログラム。
[3]
数式表示形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、座標を表示すべき点の指定位置が変更された後に座標を表示すべき点の位置が定まったら、前記数式データを受信するために当該点の情報を前記サーバ宛に送信する、[1]又は[2]に記載のプログラム。
[4]
前記小数表示形式で前記グラフの上の点の座標を表示しているときに、表示形式が前記数式表示形式に変更されたことを検出したら、当該点の情報を前記サーバ宛に送信し、当該情報に基づいて前記サーバが作成した数式表示形式で当該座標を表示するための数式データを受信して、当該数式データを用いて座標を表示することをさらに前記情報端末に実行させるための[1]乃至[3]のうち何れか1項に記載のプログラム。
[5]
前記数式表示形式で前記グラフの上の点の座標を表示しているときに、表示形式が前記小数表示形式に変更されたことを検出したら、記録された前記小数表示形式で表現された当該点の座標の情報を用いて座標を表示することをさらに前記情報端末に実行させるための[1]乃至[4]のうち何れか1項に記載のプログラム。
[6]
サーバと通信する情報端末に、
関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、
前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であるグラフの描画点の座標であって、小数表示形式と数学的に正しい値を示す数式表示形式とで表現された前記座標の情報を含むデータを前記サーバから受信して記録することと、
前記小数表示形式の前記描画点の座標に基づいて、前記グラフを描画することと、
前記グラフの上の点の座標を表示するときには、前記小数表示形式で表示するか前記数式表示形式で表示するかに応じて、記録された前記小数表示形式の前記座標の情報又は前記数式表示形式の前記座標の情報を用いて、座標を表示することと
を実行させるためのプログラム。
[7]
サーバと通信する情報端末が、
関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、
前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であり、前記関数を表すグラフを描画するための、小数表示形式で表現された描画点の座標を含むデータを前記サーバから受信して記録することと、
前記描画点の座標に基づいて、グラフを描画することと、
小数表示形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、記録された前記小数表示形式で表現された描画点の座標の情報を用いて座標を表示することと、
数学的に正しい値を示す数式表示形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、当該点の情報を前記サーバ宛に送信し、当該情報により示される前記点を表す、前記サーバが作成したデータであって、数式表示形式で当該座標を表示するための数式データを受信して、当該数式データを用いて座標を表示することと
を含む情報処理方法。
[8]
サーバと通信する情報端末に、
関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、
前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であるグラフの描画点の座標であって、小数表示形式と数学的に正しい値を示す数式表示形式とで表現された前記座標の情報を含むデータを前記サーバから受信して記録することと、
前記小数表示形式の前記描画点の座標に基づいて、前記グラフを描画することと、
前記グラフの上の点の座標を表示するときには、前記小数表示形式で表示するか前記数式表示形式で表示するかに応じて、記録された前記小数表示形式の前記座標の情報又は前記数式表示形式の前記座標の情報を用いて、座標を表示することと
を含む情報処理方法。
[9]
サーバと通信する情報端末であって、
記憶装置と、
関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、
前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であり、前記関数を表すグラフを描画するための、小数表示形式で表現された描画点の座標を含むデータを前記サーバから受信して前記記憶装置に記録することと、
前記描画点の座標に基づいて、グラフを描画することと、
小数表示形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、記録された前記小数表示形式で表現された描画点の座標の情報を用いて座標を表示することと、
数学的に正しい値を示す数式表示形式で前記グラフの上の点の座標を表示するときには、当該点の情報を前記サーバ宛に送信し、当該情報により示される前記点を表す、前記サーバが作成したデータであって、数式表示形式で当該座標を表示するための数式データを受信して、当該数式データを用いて座標を表示することと
を実行するプロセッサと
を備える情報端末。
[10]
サーバと通信する情報端末であって、
記憶装置と、
関数及び座標エリアの情報を含む送信データを前記サーバ宛に送信することと、
前記送信データに基づいて前記サーバが処理した結果であるグラフの描画点の座標であって、小数表示形式と数学的に正しい値を示す数式表示形式とで表現された前記座標の情報を含むデータを前記サーバから受信して前記記憶装置に記録することと、
前記小数表示形式の前記描画点の座標に基づいて、前記グラフを描画することと、
前記グラフの上の点の座標を表示するときには、前記小数表示形式で表示するか前記数式表示形式で表示するかに応じて、記録された前記小数表示形式の前記座標の情報又は前記数式表示形式の前記座標の情報を用いて、座標を表示することと
を実行するプロセッサと
を備える情報端末。
【符号の説明】
【0061】
1…システム、10…端末、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ストレージ、15…入力装置、16…表示装置、17…通信装置、19…バスライン、20…Webサーバ、30…演算サーバ、31…プロセッサ、32…ROM、33…RAM、34…ストレージ、35…通信装置、39…バスライン、50…ネットワーク。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B