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特許7525013給電情報決定装置、給電情報決定方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】給電情報決定装置、給電情報決定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B64U 80/30 20230101AFI20240723BHJP
   B64U 70/90 20230101ALI20240723BHJP
   B64U 70/80 20230101ALI20240723BHJP
   B64U 80/25 20230101ALI20240723BHJP
【FI】
B64U80/30
B64U70/90
B64U70/80
B64U80/25
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023115626
(22)【出願日】2023-07-14
(62)【分割の表示】P 2022529219の分割
【原出願日】2020-06-03
(65)【公開番号】P2023126465
(43)【公開日】2023-09-07
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】水本 尚志
(72)【発明者】
【氏名】山下 敏明
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0299802(US,A1)
【文献】特開2017-177912(JP,A)
【文献】特開2012-071645(JP,A)
【文献】特開2019-016030(JP,A)
【文献】特許第7327668(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64U 80/30
B64U 70/90
B64U 70/80
B64U 80/25
B64C 39/02
B64F 1/36, 1/28, 1/12
G06Q 50/06
G05D 1/00- 1/87
H02J 7/00- 7/12, 7/34- 7/36
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律飛行可能な飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である、性能情報を含む飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた給電施設に関する施設情報、及び、気候環境情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得部と、
前記取得部で取得した、各飛行体の前記性能情報を含む前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記気候環境情報を含む前記場所情報に基づき、各飛行体の給電場所となる給電施設及び前記給電施設での給電開始時刻の決定を行う決定部と、
前記決定部で決定された各飛行体についての前記給電施設及び前記給電開始時刻を示す情報を、対応する前記飛行体に送信する通信部と、
を備えた、給電情報決定装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記周囲の領域における前記決定の対象とならない他の飛行体についての飛行状況を示す情報に基づき、前記決定を行
前記他の飛行体は、不審な飛行体を含む、
請求項1に記載の給電情報決定装置。
【請求項3】
前記決定は、予備的に空けておく前記給電施設の決定を含む、
請求項1又は2に記載の給電情報決定装置。
【請求項4】
前記飛行体情報は、前記飛行体の飛行目的を示す情報を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の給電情報決定装置。
【請求項5】
前記飛行体情報は、前記飛行体の機体状態を示す情報を含み、
前記機体状態を示す情報は、前記飛行体の故障状態を示す情報を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の給電情報決定装置。
【請求項6】
前記飛行体情報は、前記飛行体の現在座標、前記給電施設までの最短到達時間、前記給電施設までの平均的な飛行時間、前記給電施設までの距離、前記性能情報としての耐風性能、前記性能情報としての充電性能、前記性能情報としての、耐風性能及び充電性能以外の性能、予定飛行経路、及び飛行目的地のうちの少なくとも1つの情報を含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の給電情報決定装置。
【請求項7】
前記飛行体情報は、前記飛行体の機体状態を示す情報を含み、
前記機体状態を示す情報は、前記飛行体のバッテリの残量、飛行可能距離、及び飛行可能時間のうちの少なくとも1つの情報を含む、
請求項1~のいずれか1項に記載の給電情報決定装置。
【請求項8】
前記場所情報は、前記給電施設の座標、現給電施設空き数、及び使用可否のうちの少なくとも1つの情報を含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の給電情報決定装置。
【請求項9】
自律飛行可能な飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である、性能情報を含む飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた給電施設に関する施設情報、及び、気候環境情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した、各飛行体の前記性能情報を含む前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記気候環境情報を含む前記場所情報に基づき、各飛行体の給電場所となる給電施設及び前記給電施設での給電開始時刻の決定を行う決定ステップと、
前記決定ステップで決定された各飛行体についての前記給電施設及び前記給電開始時刻を示す情報を、対応する前記飛行体に送信する通信ステップと、
を備えた、給電情報決定方法。
【請求項10】
コンピュータに、
自律飛行可能な飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である、性能情報を含む飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた給電施設に関する施設情報、及び、気候環境情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した、各飛行体の前記性能情報を含む前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記気候環境情報を含む前記場所情報に基づき、各飛行体の給電場所となる給電施設及び前記給電施設での給電開始時刻の決定を行う決定ステップと、
前記決定ステップで決定された各飛行体についての前記給電施設及び前記給電開始時刻を示す情報を、対応する前記飛行体に送信する通信ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給電情報決定装置、給電情報決定システム、給電情報決定方法、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、屋外に設置される熱源機の上部に着脱可能な離着陸装置であって、無人航空機が離着陸可能なスペースを提供する離着陸部を備えたものが記載されている。
【0003】
特許文献2には、ドローンのバッテリを電磁波などを用いて非接触で充電する充電装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-006238号公報
【文献】特開2018-177135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、バッテリ駆動の無人航空機等の飛行体は、バッテリ容量に限りがあるため、天候等の環境変化や不審飛行体の飛行などの様々な周囲の領域の状況変化に応じて、着陸場所を変更する必要が生じることがある。よって、このような状況変化に応じて、飛行体を適切に充電させる方法が望まれるが、特許文献1,2に記載の技術では対応できるものではない。
【0006】
本開示の目的は、上記の課題を解決するためになされたもので、複数の飛行体についての給電に関する情報を、1又は複数の着陸場所それぞれの周囲の領域の状況変化に応じて効率的に決定できる給電情報決定装置、システム、方法、及び可読媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様に係る給電情報決定装置は、バッテリ駆動で自律飛行可能な垂直離発着機である飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得部と、前記取得部で取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設及びその施設への給電開始時刻及び待機期間の決定を行う決定部と、前記決定部で決定された各飛行体の施設、給電開始時刻、及び待機期間を示す情報を、対応する前記飛行体に送信する通信部と、を備えた、ものである。
【0008】
本開示の第2の態様に係る給電情報決定装置は、自律飛行可能な飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得部と、前記取得部で取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、前記周囲の領域を飛行している飛行体間での、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設を利用する優先度の決定を行う決定部と、を備えた、ものである。
【0009】
本開示の第3の態様に係る給電情報決定システムは、バッテリ駆動で自律飛行可能な垂直離発着機である飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得部と、前記取得部で取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設及びその施設への給電開始時刻及び待機期間の決定を行う決定部と、前記決定部で決定された各飛行体の施設、給電開始時刻、及び待機期間を示す情報を、対応する前記飛行体に送信する通信部と、を備えた、ものである。
【0010】
本開示の第4の態様に係る給電情報決定システムは、自律飛行可能な飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得部と、前記取得部で取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、前記周囲の領域を飛行している飛行体間での、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設を利用する優先度の決定を行う決定部と、を備えた、ものである。
【0011】
本開示の第5の態様に係る給電情報決定方法は、バッテリ駆動で自律飛行可能な垂直離発着機である飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設及びその施設への給電開始時刻及び待機期間の決定を行う決定ステップと、前記決定ステップで決定された各飛行体の施設、給電開始時刻、及び待機期間を示す情報を、対応する前記飛行体に送信する通信ステップと、を備えた、ものである。
【0012】
本開示の第6の態様に係る給電情報決定方法は、自律飛行可能な飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、前記周囲の領域を飛行している飛行体間での、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設を利用する優先度の決定を行う決定ステップと、を備えた、ものである。
【0013】
本開示の第7の態様に係るコンピュータ可読媒体は、コンピュータに、バッテリ駆動で自律飛行可能な垂直離発着機である飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設及びその施設への給電開始時刻及び待機期間の決定を行う決定ステップと、前記決定ステップで決定された各飛行体の施設、給電開始時刻、及び待機期間を示す情報を、対応する前記飛行体に送信する通信ステップと、を実行させるためのプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体である。
【0014】
本開示の第8の態様に係るコンピュータ可読媒体は、コンピュータに、自律飛行可能な飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、前記周囲の領域を飛行している飛行体間での、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設を利用する優先度の決定を行う決定ステップと、を実行させるためのプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体である。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、複数の飛行体についての給電に関する情報を、1又は複数の着陸場所それぞれの周囲の領域の状況変化に応じて効率的に決定できる給電情報決定装置、システム、方法、及び可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態1に係る給電情報決定システムを示す模式図である。
図2】給電情報決定システムの一構成例を示す模式図である。
図3】給電情報決定システムの制御ブロック図である。
図4】給電情報決定システムの他の制御ブロック図である。
図5】実施の形態1に係る給電情報決定方法を説明するためのフロー図である。
図6】その他の実施の形態に係る給電情報決定装置を示す模式図である。
図7】その他の実施の形態に係る給電情報決定方法を説明するためのフロー図である。
図8】ハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施の形態1.
本実施の形態1に係る給電情報決定システム1について、図1及び図2を用い説明する。図1は、給電情報決定システム1を模式的に示す図で、図2は、給電情報決定システム1の一構成例を示す模式図である。
【0018】
給電情報決定システム1は、飛行体の経路を決定する飛行体システムの一部として機能させることができる。給電情報決定システム1は、複数の飛行体100と、1又は複数の着陸場所(着陸施設200)と、給電情報決定装置300とを備えている。給電情報決定装置300は、1つの装置として構成することができるが、複数の装置において機能や処理対象の情報などを分散した分散システムとして構成することもでき、その場合、給電情報決定システムと称することができる。給電情報決定装置300は、複数の装置で構成する場合、例えば、各着陸施設200に設置しておくこともできる。
【0019】
飛行体100は、回転翼101を有する回転翼機である。回転翼101が回転駆動することで揚力、及び推力が発生する。なお、図1では、飛行体100が4枚の回転翼101を有しているが、回転翼数は特に限定されるものではない。また、複数の飛行体100は、同じ機種であってもよく、異なる機種であってもよい。
【0020】
飛行体100は、自律飛行可能で垂直離発着が可能な飛行体である。飛行体100は、ドローン、無人飛行機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)、空飛ぶ車(クルマ)などであり、そのサイズや形状などは問わない。飛行体100は電力式の垂直離着陸機(eVTOL[electric Vertical Take-Off and Landing Aircraft]機)であってもよい。飛行体100はティルトロータ機であってもよい。飛行体100はヘリコプターであってもよい。また、飛行体100は回転翼を有するものでなくても自律飛行が可能で且つ垂直離発着が可能なものであればよい。飛行体100は、荷物などを搭載する無人機であってもよく、搭乗者が搭乗する有人機であってもよい。
【0021】
飛行体100は、離陸場所から着陸場所までの飛行経路を自律飛行可能である。例えば、飛行体100は、離着陸施設から離陸して、飛行経路に沿って飛行する。飛行体100は、目的地に対応する着陸場所まで飛行すると、着陸場所に着陸する。飛行経路は、離陸場所から着陸場所までの3次元経路である。離陸場所及び着陸場所は予め指定された離発着施設とすることができる。なお、離陸場所及び着陸場所は着陸できるスペースがあれば、任意の場所であってもよいが、後述するように本実施の形態での決定の対象となる着陸場所は給電の施設がある場所となる。もちろん、離陸する離着陸施設と着陸する離着陸施設は同じ施設であってもよい。この飛行経路は、図示しない飛行経路生成装置又は給電情報決定装置300に組み込んだ飛行経路生成部にて生成しておくことができる。
【0022】
また、飛行体100は、二次電池(バッテリ)で駆動する駆動部を有する。その場合、着陸場所は、バッテリを充電する充電施設(給電施設)を複数備えることができる。特に、着陸施設200は、給電施設221と付属給電施設222とを備えている。給電施設221は、飛行体100に対し着陸状態での給電が可能な施設であり、付属給電施設222は、飛行体100に対し非着陸状態での給電が可能な施設である。着陸施設200に対して給電施設221は1つを基本とするが、複数台設けられていてもよく、その場合には給電施設221ごとに着陸施設200が存在するとして処理を実行してもよい。付属給電施設222は、給電施設221に対して1又は複数設けられている。
【0023】
図2に示すように、給電情報決定システム1は、飛行体100及び着陸施設(離着陸施設)200を備え、給電情報決定装置300も備えることができる。離着陸施設200は、フェンス201及びセンサ202を備えることができる。
【0024】
フェンス201は離着陸場所203を規定する。フェンス201は、離着陸場所203を囲むように設置されている。つまり、フェンス201の内側が離着陸場所203となる。フェンス201を防音フェンスであり、離着陸時の騒音を軽減する防音機能を有している。フェンス201は、透明なポリカーボネイトなどで形成されている。フェンス201の上方は開放している。
【0025】
また、給電施設221は、離着陸場所203の適所に設けておくことができる。さらに、離着陸施設200は、付属給電施設222として、有線給電施設222aと無線給電施設222bを備えることができ、これらは例えばフェンス201の周囲に取り付けられることができる。非接触給電施設(無線給電施設)222bは、電磁波などにより非接触で、飛行体100からケーブル102を介して垂れ下げられた端子104側に給電を行う給電部222baを有する。有線給電施設222aは、飛行体100からケーブル102を介して垂れ下げられた端子103に接続して給電を行う。このように、付属給電施設222は、有線給電施設及び非接触給電施設の少なくとも一方を含むことが好ましい。また、付属給電施設222及び給電施設221の少なくとも一方は、飛行体100に対し超伝導システムを利用した給電を行う施設であることが、給電効率の点から望ましい。
【0026】
なお、フェンス201の一部には、回転翼101の回転で発生する風を逃がすための構造等を有していてもよい。例えば、フェンス201の一部がメッシュ構造となっていてもよい。あるいは、フェンス201の一部に開口部など設けられていてもよい。フェンス201は、例えば、飛行体100が小型である場合、高さ10m程度とすることができる。図2では、フェンス201が離着陸場所203を囲むように、円形状(円筒状)に形成されているが、フェンス201の形状は特に限定されるものではない。例えば、上面視におけるフェンス201の形状は、一水平方向に数十m、それに垂直な他の水平方向に数十m程度の矩形となっていてもよい。
【0027】
センサ202は、フェンス201に取り付けられている。センサ202は、例えば、レーザ、カメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging)、レーザセンサ、距離センサ等である。センサ202は、フェンス201内に配置されている。センサ202は、飛行中の飛行体100の高度及び水平位置を検出するために、フェンス201に設けられている。センサ202は、フェンス201内を飛行中の飛行体100の位置を検出する。つまり、着陸中において、センサ202は、飛行体100の位置をトラッキングしている。
【0028】
また、図2では、フェンス201には、1つのセンサ202が配置されているが、複数のセンサ202が配置されていてもよい。複数のセンサは、フェンス201内の異なる位置に設置されていてもよい。さらに、異なるタイプのセンサを組み合わせて、飛行体100の位置を推定してもよい。複数のセンサを用いることで、位置の検出精度を向上することができる。さらに、センサ202は、付属給電施設222に対して個別に設けておくことができるが、給電施設221に対するものと共通のものであってもよい。
【0029】
飛行体100は、離着陸場所203内の着陸位置204に着陸する。例えば、飛行体100は、離着陸場所203の真上まで移動した後、徐々に高度を下げていく。そして、飛行体100が地表まで下降していく。飛行体100は着陸位置204を示す位置座標を記憶している。着陸位置204の高度を0としてもよい。したがって、飛行体100は、離陸場所から離着陸場所203又は着陸位置204を示す水平方向座標に向けて自律飛行する。もちろん、離陸場所と着陸場所は同じであってもよい。
【0030】
また、離着陸施設200は、離着陸台206及び送風機構231を備えることもできる。離着陸台206は、離着陸場所203を構成している。また、給電施設221は、離着陸台206に設けておくことができる。つまり、離着陸台206の上面が離着陸場所203となる。飛行体100は離着陸台206の上に着陸する。離着陸台206は、風を通す構造を有している。例えば、離着陸台206の少なくとも一部はメッシュ構造を有している。あるいは、離着陸台206の一部に開口部が設けられていてもよい。
【0031】
送風機構231は、離着陸場所203の下側に設けられている。送風機構231は、ファン等を備えており、着陸中の飛行体100に送風する。すなわち、送風機構231は鉛直方向上向きの風を発生する。
【0032】
制御部211は、位置情報に基づいて、送風機構231を制御する。このようにすることで、飛行体100の着陸をアシストすることができる。特に、飛行体100はホバリングの際に電力を多く消費するため、このようなアシストは有益である。例えば、飛行体100の高度に応じて、ファンの回転速度を制御する。飛行体100を徐々に下降させることができる。このように、着陸施設200側に、飛行体100に対して送風する送風機構231が設けられている。よって、着陸制御をより簡便かつ適切に行うことができる。また、送風機構231は、離陸時においても、飛行体100に対して送風してもよい。離陸制御をより簡便かつ適切に行うことができる。また、給電施設221だけでなく、付属給電施設222側にも送風機構231と同様の送風機構を備えることもできる。
【0033】
本実施の形態に係る給電情報決定装置300は、コンピュータの情報処理装置である。例えば、給電情報決定装置300は、インターネットなどのネットワークに接続されたサーバ装置である。給電情報決定装置300は物理的に単一な装置に限られるものではない。例えば、複数のプロセッサが協働して、後述する処理を行ってもよい。
【0034】
本実施の形態に係る給電情報決定装置300は、取得部301、決定部302、及び通信部303を備える。取得部301は、バッテリ駆動で自律飛行可能な垂直離発着機である飛行体100が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所(着陸施設200)のそれぞれについて、飛行体情報及び場所情報を取得する。
【0035】
飛行体情報は、着陸場所の周囲の領域(区域)を飛行している飛行体に関する情報である。飛行体情報は、各機体を識別するための識別番号等の機体IDを含むことができる。飛行体100には、固有の機体IDが付されている。場所情報は、着陸場所に設けられた給電施設221及び付属給電施設222を示す施設情報を含む、着陸場所(着陸施設200)に関する情報である。施設情報は、その施設の位置(座標)を示す情報を含むことができる。これらの飛行体情報及び場所情報の取得は、飛行体100との通信により、あるいはレーダー検知の後の飛行体100との通信により行うことができる。
【0036】
また、飛行体情報は、飛行体100の現在座標、施設までの最短到達時間、施設までの平均的な飛行時間、施設までの距離、充電性能、充電性能以外の性能、飛行目的、予定飛行経路(飛行目的地を含む)、飛行目的地、及び機体状態を含むことができる。また、飛行体情報は、現座標に加えてその施設を到着地又は経由地として含む飛行計画を含むこともできる。飛行体情報は、上述した情報のうちの少なくとも1つの情報を含むことが好ましい。飛行体情報が各飛行体100について存在するため、情報としては、その着陸場所の周囲の領域(区域)内を飛行している飛行体100の数も取得することができると言える。
【0037】
現在座標は、現状の予定飛行経路(予定飛行計画)からのズレを考慮するために用いることができる。また、充電性能を示す情報は、飛行体100の充電機能情報に該当する。充電機能情報は、例えば有線給電且つ無線給電が可能/有線給電のみ可能/無線給電のみ可能のいずれに該当するかを示す情報や、給電準備に必要な時間や電力を示す情報、着陸に必要な時間や電力を示す情報などを含むことができる。飛行目的は、人、積み荷の優先度などの情報を含めることができ、飛行の緊急性を示す情報も含めることができる。
【0038】
充電性能以外の性能を示す情報(性能情報)は、飛行体100の重量、サイズ、旋回能力、耐風性、飛行速度、飛行高度の少なくとも1つに関するデータを含むことができる。なお、飛行可能時間や動力源の残量は性能情報に含めることもできる。さらに、性能情報は、有人機又は無人機であるかを示す情報を含んでいてもよい。また、性能情報は、警察、消防、救急などの緊急機体であるか否かを示す情報を含んでいてもよい。取得部301は、機種や機体IDに基づいて、飛行体100の性能情報を特定してもよい。
【0039】
機体状態を示す情報は、飛行体100の故障状態、バッテリ(図3のバッテリ116)の残量、飛行可能距離、及び飛行可能時間のうちの少なくとも1つの情報を含むことが好ましい。これらの情報はいずれも、飛行体100の飛行能力情報として取り扱うこともできる。また、故障状態(故障の度合い)と上述した飛行の緊急性を示す情報とは、別途、飛行体100の緊急度合いを示す情報として取り扱うこともできる。バッテリの残量とは、電動モータ等を動力としてバッテリを動力源とする場合にはその充電残量(電池残量)が該当する。なお、情報としてバッテリ116の残量と飛行体情報における性能とが存在すれば、飛行可能距離や飛行可能時間を算出することができる。また、飛行可能距離及び性能に基づき飛行可能時間や残量を算出すること、飛行可能時間及び性能に基づき飛行可能距離や残量を算出することもできる。
【0040】
また、充電のために最大電力を消費するのは非効率であるため、上述のような飛行体情報(特に時間と距離に関する情報)を採用することで、ホバリング時が最も電力効率が悪いことを考慮して、単に経由地として給電するのかなどをも加味し、後述する決定が可能となる。
【0041】
また、場所情報は、施設(区域内の着陸場所の施設)の座標、その施設における現施設空き数、及びその現施設空き数のうちの使用可否、のうちの少なくとも1つの情報を含むことができる。施設の座標は、離着陸施設(離着陸ポート)又は着陸施設(着陸ポート)における各施設(給電施設又は付属給電施設)の位置(座標)を示している。場所情報は、その施設を示すIDであってもよい。区域内の着陸場所は1つに限らず、区域内に複数の着陸場所がある場合には、各着陸場所について、付属給電施設の数、座標、空き数、使用可否も含めることもできる。
【0042】
なお、本実施の形態では、距離や時間に関して各付属給電施設222までの距離や時間を考慮して説明しているが、付属給電施設222までの距離や時間はそれが取り付けられる着陸施設200又はその給電施設221までの距離や時間としてもよい。
【0043】
決定部302は、取得部301で取得した、各飛行体100の飛行体情報及び各着陸場所についての場所情報に基づき、各飛行体100の給電施設221及び付属給電施設222のいずれか一方の施設及びその施設への給電開始時刻及び待機期間の決定を行う。スケジューリングのため、決定対象には給電期間を含むことが好ましい。無論、給電開始時刻は、給電開始日時とすることもできる。また、この決定では、各飛行体100についての施設への飛行経路の決定も含むことができる。つまり、決定部302は上記区域内の飛行体100の数などに基づき施設等の決定を行うことになる。
【0044】
この飛行経路は、現在位置から施設までの移動経路である。飛行経路は、飛行体100の目標位置の軌跡を示す情報である。さらに、飛行経路において、目標位置のそれぞれに飛行予定時刻が対応付けられていてもよい。飛行経路は、例えば、目標位置を示す3次元座標の集合である。具体的には、飛行経路は、3次元座標が時系列に沿って並べられているデータである。3次元座標を繋ぎ合わせることで、飛行経路が生成される。
【0045】
また、決定部302は、例えば、上記区域内の各飛行体100の混雑度を示す指標(渋滞情報)に基づき、飛行経路を決定することもできる。決定部302は、上記区域(飛行領域)を複数の空間に分けておき、該空間に同時に含まれる飛行体数を渋滞情報として算出し、1つの空間における飛行体数が一定値を越えないように飛行経路を生成する。あるいは、渋滞情報は、飛行体間の距離に応じた値であってよい。決定部302は、1つの飛行体100と他の飛行体とが一定距離以上近づかないように、飛行経路を生成する。
【0046】
例えば、機体状態を示す情報として、飛行可能時間が含まれている場合、決定部302は飛行可能時間を越えないように飛行経路を生成する。具体的には、決定部302は、飛行可能時間が短い飛行体100に対しては、飛行距離を短くして、飛行可能時間を越えないような飛行経路を生成する。もちろん、決定部302は、飛行可能時間以外の他の性能を満たすように、飛行経路を生成することができる。
【0047】
さらに、飛行体情報に性能情報が含まれる場合には、決定部302は性能情報が示す性能を満たすように、飛行経路を生成することができる。さらに、飛行体100が緊急機体の場合、決定部302が、緊急機体の飛行体100の飛行経路を優先して生成してもよい。例えば、緊急機体である飛行体100が着陸場所により早く到着することができるように、飛行経路を生成する。
【0048】
さらに、決定対象には、飛行体100の着陸場所を含むこと(つまり給電施設221を含むこと)が望ましい。つまり決定部302は、取得部301で取得した各飛行体100の飛行体情報及び各着陸場所についての場所情報に基づき、各飛行体100の給電施設221及び付属給電施設222の少なくとも一方の施設及びその施設への給電開始時刻及び待機期間の決定を行う。さらに、決定対象(出力対象)には、決定された着陸場所への着陸指示を含むことが望ましい。この場合に飛行経路を決定対象に含めた場合、その飛行経路は、現在位置から必要に応じて施設を経由して着陸場所までの移動経路である。これにより、付属給電施設222で満充電まで或いは途中まで充電後に、最終的に着陸場所に着陸させることができる。
【0049】
以上のように、本実施の形態に係る給電情報決定装置300は、給電のための施設を決定する(飛行体100に割り当てる)ため、給電施設決定装置、あるいは給電施設割当装置と称することができる。
【0050】
さらに、決定部302における上記決定は、緊急時等のために予備的に空けておく施設(着陸場所(空ポート)、つまり給電施設221だけであってもよく、付属給電施設222を含んでもよい)の決定を含むことが好ましい。なお、施設の決定対象となる飛行体100がバッテリ駆動である場合でも、その飛行体100の飛行経路は、バッテリ駆動でない飛行体の飛行経路も考慮して決定してもよい。
【0051】
また、決定部302は、上記周囲の領域における飛行環境を示す環境情報に基づき、上記決定を行うことが好ましい。この環境情報は、決定部302における上記決定の対象とならない他の飛行体についての飛行状況を示す情報を含むことができる。環境情報は例えば、飛行領域の天候に関する天候情報を含んでいてもよい。
【0052】
環境情報は例えば、飛行領域の天候に関する天候情報を含んでいてもよい。天候情報は、例えば、雨、晴れ、風速、風向き、降水量などを含んでいてもよく、例えば台風の存在や規模なども含んでいてもよい。環境情報は上記区域ごとに取得することができるが、複数の区域ごとに取得して各区域の情報に割り当ててもよい。環境情報は、各飛行体100が自センサで検知した情報又は他のインフラとの通信で取得した情報とすること、あるいは、給電情報決定装置300等の管制側が地上インフラや気象レーダーから取得した情報とすることができる。
【0053】
例えば、決定部302は、雨が降っているエリアや風が強いエリアを避けるように、施設等を決定することができる。このように、環境情報を含めておくことで、例えば、緊急状態となり易いときには空ポートを多く確保するように上記決定を行うことできる。さらに、決定部302は、環境情報及び性能情報に基づいて、施設等を決定してもよい。例えば、性能情報には、耐風性が含まれているとする。環境情報として、エリア毎の風速が含まれているとする。決定部302は、耐風性で示される飛行可能風速を越えるエリアを避けるように、施設、給電開始時刻、及び待機期間を生成する。より安全かつ効率的に運用することができる。このように、決定部302は、環境情報や性能情報を参照して、施設、給電開始時刻、及び待機期間を決定することができる。
【0054】
あるいは、決定部302は、天候情報が変化した場合、既に決定した施設等を変化させてもよい。例えば、大雨や強風等の悪天候となった場合、決定部302は、悪天候のエリアを避けるように施設等を更新する。あるいは、天候が改善した場合、現在まで飛行できなかったエリアが飛行可能になる。この場合、新たに飛行可能となったエリアを通るように、決定部302が施設等を更新する。これにより、より効率的な運用が可能となる。この場合、耐風性等の性能を満たすように、決定部302が施設等を更新することができる。
【0055】
また、天候が悪化して強風となった場合、電池残量が初期の想定以上に減少してしまうことがある。あるいは、天候の変化により、電池残量が初期の想定よりも減少していないこともある。このような場合、最新の電池残量を示す性能情報に基づいて、決定部302が施設等を更新してもよい。つまり、給電情報決定装置300が電池残量を新たに取得した場合、決定部302が施設等を更新してもよい。
【0056】
また、上記他の飛行体は、不審ドローンのような不審な飛行体を含むこと、つまり、環境情報は、不審な飛行体の有無を示す情報を含むことができる。不審な飛行体は、機体IDが予め登録されていない飛行体などである。給電情報決定装置300や他の管制側と通信不可な飛行体についてはレーダー検知するか、あるいは他の地上インフラから不審な飛行体の情報を受信するなどにより、不審な飛行体を捉えることができる。さらに、環境情報は緊急機体の有無を示す情報を含んでいてもよい。例えば、飛行領域において、不審な飛行体や緊急機体が飛行する位置及び時間を示す情報を環境情報の一部とすること、あるいは、機体情報の一部としての「不審か否か」の情報に含めることができる。環境情報を検出するための各種センサが設けられていてもよい。例えば風速センサや雨量センサにより環境情報を測定してもよい。さらに、飛行体100に、各種センサを設けておき、飛行中の飛行体100から随時、環境情報を取得してもよい。
【0057】
環境情報として、不審機体が飛行していることを示す情報が取得された場合、決定部302が、施設等を更新する。例えば、不審機体がいるエリアを避けるように、決定部302が施設等を更新する。
【0058】
通信部303は、決定部302で決定された各飛行体100の施設(給電施設221又は付属給電施設222)、給電開始時刻、及び待機期間を示す情報を、対応する飛行体100に送信する。ここで、通信部303は、例えば、5G、4G、Wi-Fi(登録商標)、BlueTooth(登録商標)等の通信規格に沿った処理を行う。通信部303は、無線信号を飛行体100や後述する端末400に送信する。さらに、通信部303は、飛行体100や端末400から無線信号を受信する。これにより、飛行体100などのユーザ側と、給電情報決定装置300等のサーバ側との間でデータや情報の送受信が可能となる。また、通信部303は、着陸施設200にも有線又は無線での通信を行うように構成しておくことができる。通信部303により上述のような施設、給電開始時刻、及び待機期間を着陸施設200に送信することで、着陸施設200は、これらの情報に基づき給電を予定、実行することができる。
【0059】
このような通信により、各飛行体100は、決定された施設を設定し、その施設へ決定された給電開始時刻までに(待機時間だけ適宜待機しながら)自律飛行を行うことが可能になる。例えば、給電施設221に空きがあるか判定し、空きがない場合には付属給電施設222に誘導されるように施設が決定されることになる。なお、待機場所も1又は複数決定しておいてもよいし、施設近辺と予め決めておいてもよい。
【0060】
また、例えば、各飛行体100間の給電優先度(給電を急ぐ優先順位又は給電必要性)等に応じて施設や給電開始時刻を決定することができる。一例をあげると、充電残量や故障状態を考慮することで、例えば緊急時に充電残量が十分で故障のない飛行体100を遠い着陸場所に案内することが可能となる。また、空ポートの決定まで行うことで、このような通信により、緊急時に備えて空にしておく給電の施設を確保しておくこともできる。
【0061】
実際、飛行体100は、バッテリ容量に限りがあるため、天候等の環境変化や不審飛行体の飛行などの様々な周囲の領域の状況変化に応じて、着陸場所を当初の予定通り使用できずに変更する必要が生じることがある。極端な例では、例えば全機一斉に着陸しなければならないような状況も生じ得る。これに対し、本実施の形態では、1又は複数の着陸場所のそれぞれの周囲の領域の状況変化に対応して各飛行体100の給電施設(給電施設221及び付属給電施設222のいずれか)を確保することできる。このように、本実施の形態によれば、複数の飛行体についての給電に関する情報(ここでは給電で使用する施設等)を、1又は複数の着陸場所それぞれの周囲の領域の状況変化に応じて効率的に決定することが可能になる。それにより、各飛行体100を状況変化に応じて適切に充電させることができる。つまり、本実施の形態によれば、各飛行体100に効率的に給電できるように各飛行体100で使用する給電の施設をスケジューリングすることができる。
【0062】
なお、給電情報決定装置300は1つの着陸場所に設けられ、他の着陸場所についての決定も行うことができる。また、給電情報決定装置300は、複数の着陸場所に設けられることができる。給電情報決定装置300は、各着陸場所について、給電情報を決定することができる。但し、1つの着陸場所にその場所専用の1つの給電情報決定装置300を備えることもできる。
【0063】
また、決定部302は、取得部301で取得した情報を入力し、決定部302における上記決定の結果を出力する学習済みモデルを用いて、決定部302における上記決定を実行することもできる。この学習モデルの種類やそのアルゴリズムは問わないが、特に予測系のモデルが好適に利用できる。
【0064】
また、決定部302における上記決定は、1つ以上の飛行体100から着陸場所を指定した着陸要求を通信部303で受信した場合に実行するようにしてもよい。あるいは、決定部302における上記決定は、1つ以上の飛行体100から予定飛行経路には存在しなかった着陸場所への着陸要求を通信部303で受信した場合に実行するようにしてもよい。
【0065】
この例のように、決定部302は、動的に施設等を決定してもよい。例えば、給電情報決定装置300に新たな情報を取得した場合、既に決定した施設等を変更する。これにより、飛行中の飛行体100の利用する施設等が更新される。そして、給電情報決定装置300は、飛行中の飛行体100に対して、更新後の施設等を送信する。飛行体100は、更新された施設等を受信する。このように、飛行体100は、新たに更新された施設等に向かって飛行する。このようにすることで、より効率的に複数の飛行体100を運用することができる。
【0066】
次に、飛行体100及び着陸施設200の構成について説明する。図3は、主に飛行体100及び着陸施設200の構成を示す機能ブロック図である。飛行体100は、飛行制御部111、駆動機構112、機体側通信部113、機体側センサ114、表示部115、バッテリ116、及び充電部117を備えている。
【0067】
飛行制御部111は、各構成要素を制御する。例えば、駆動機構112は、回転翼101及びそのモータを備えており、飛行するための揚力や推力を発生させる。飛行制御部111は、駆動機構112を制御するための駆動信号を出力する。図1に示す例では、駆動機構112が4つの回転翼101が独立に駆動するように、飛行制御部111が駆動機構112を制御する。飛行制御部111は、着陸位置204(給電施設221)や付属給電施設222の座標をメモリなどに格納している。飛行制御部111は、飛行体100が着陸位置204又は付属給電施設222の上空まで自律飛行するように、駆動機構112を制御する。
【0068】
飛行制御部111は、例えば、図示しない飛行経路生成装置から受信した飛行経路をメモリなどに格納している。飛行制御部111は、給電情報決定装置300から受信した施設等の設定に基づき飛行するように、駆動機構112を制御する。例えば、飛行制御部111は、自機位置が飛行経路に沿って移動するように、駆動機構112を制御することもできる。風などにより、自機位置が飛行経路から離れた場合、飛行体100が飛行経路に近づくように飛行する。自機位置は、機体側センサ114により検出可能となっている。給電情報決定装置300から施設等の情報を受信した場合、上記メモリの飛行経路を更新するとよい。
【0069】
機体側通信部113は、地上側、つまり、着陸施設200や給電情報決定装置300と無線通信を行う。機体側通信部113は、例えば、5G、4G、Wi-Fi(登録商標)、BlueTooth(登録商標)等の通信規格に沿った処理を行う。機体側通信部113は、無線信号を地上側に送信する。機体側通信部113は、地上側から無線信号を受信する。これにより、飛行体100と離着陸施設200との間でデータや情報の送受信が可能となる。
【0070】
機体側センサ114は、飛行体100の飛行状態に関する情報を検出する。機体側センサ114は、例えば、機体の姿勢を検出するジャイロセンサなどを有している。さらに、機体の位置を検出する位置センサを有していてもよい。位置センサとしては、例えば、GPS等の衛星測位センサなどを用いることができる。飛行制御部111は、機体側センサ114の検出に基づいて、駆動機構112を制御する。これにより、飛行体100が着陸位置204の上空まで自律飛行することができる。また、機体側センサ114は、飛行体100の周辺を撮像するカメラを含んでいてもよい。機体側センサ114は、一つに限られるものでなく、複数のセンサを含んでいてもよい。
【0071】
表示部115は、搭乗者やユーザに対して、飛行中のカメラ画像を表示する。なお、カメラは、機体側に搭載されていてもよく、地上側に設けられていてもよい。カメラは、機体側センサ114に含まれていてもよく、地上側のセンサ202に含まれていてもよい。機体側のカメラが飛行体100の周辺の画像を撮像する。例えば、離着陸時において飛行体100は上空から、離着陸施設200の画像を撮像する。
【0072】
あるいは、地上側のカメラが離着陸中の飛行体100の画像を撮像する。つまり、地上側のカメラが飛行体100の降下の状況を撮像する。そして、降下の状況を搭乗者や操縦者に対して、表示部115は表示する。表示部115は、AR(Augmented Reality)により降下の状況を出力させることも可能である。また、表示部115は、カメラ画像だけではなく、離着陸をアシストするための情報を表示してもよい。例えば、表示部115は、位置情報やずれ量等を表示してもよい。センサ202は、位置情報又はずれ量は、後述するように、センサ202の検出結果に基づくものである。また、表示部115は、センサ202又は機体側センサ114のセンサ値などを表示してもよい。さらに、飛行体100に関する情報に応じて、表示内容が変わってもよい。例えば、有人飛行か無人飛行かであるか否かの情報に応じて、表示部115が表示内容を変えてもよい。あるいは、自動運転中又は手動運転中(操縦者による運転)を示す情報に応じて、表示部115が表示内容を変えてもよい。なお、無人機の場合、表示部115は省略可能である。バッテリ116は各機器に電力を供給し、充電部117は、給電施設221又は付属給電施設222から給電を受けてバッテリ116を充電する。
【0073】
着陸施設200は、飛行体100が着陸する場所である。また、着陸施設200は飛行体100が離陸する場所でもよい。例えば、飛行体100は着陸施設200に着陸した後、着陸施設200から離陸する。着陸施設200は、センサ202、制御部211、通信部213、着陸台203、給電施設221、及び付属給電施設222を備えている。センサ202は、上記の通り、飛行中の飛行体100の位置を検出する。センサ202は、離着陸場所203内及び離着陸場所203の上空及び付属給電施設222の上空がセンシング範囲となっている。したがって、センサ202は、着陸中の飛行体100の水平位置及び高度を検出する。
【0074】
制御部211は、センサ202の検出結果に基づいて、飛行体100の位置情報を生成する。例えば、制御部211は、複数のセンサ202の検出結果に基づいて、飛行体100の水平位置及び高度を推定して、位置情報とする。通信部213は、飛行体100の水平位置及び高度を示す位置情報を飛行体100に送信する。制御部211と通信部213は一体的に形成された回路であってもよい。通信部213は、フェンス201内に設置されていてもよい。
【0075】
位置情報は、飛行体100の高度、及び水平位置を示すデータである。例えば、制御部211は、センサ202からの検出信号に基づいて、フェンス201内の着陸位置204から飛行体100までのずれ量を算出する。制御部211は、水平方向の一方向、それに垂直な他の水平方向のそれぞれについて、ずれ量を求める。また、制御部211は、鉛直方向について、ずれ量(高度差)を求めてもよい。そして、通信部213は、ずれ量を位置情報として、飛行体100に送信する。機体側通信部113は、位置情報であるずれ量を受信する。
【0076】
飛行制御部111は、飛行体100が着陸位置204に着陸するように、位置情報に基づいて、駆動機構112を制御する。例えば、飛行制御部111は、ずれ量が小さくなるように駆動機構112を制御する。このようにすることで、飛行体100が着陸位置204に精度よく着陸することや付属給電施設222に精度よく位置付けすることができる。また、離陸時や離脱時においても同様に、飛行体100が着陸位置204や付属給電施設222から精度よく離陸や離脱することができる。
【0077】
あるいは、制御部211は、センサ202からの検出信号に基づいて、フェンス201に対する飛行体100の相対位置を算出する。制御部211は、水平方向の一方向、それに垂直な他の水平方向のそれぞれについて、フェンス201に対する飛行体100の相対位置を求める。つまり、制御部211は、水平平面内において、フェンス201と飛行体100の相対位置を算出する。このようにすることで、飛行体100がフェンス201と十分な距離を保ちながら、着陸位置204又は付属給電施設222に降下することができる。よってフェンス201に近づくことを防ぐことができる。よって、回転翼101からフェンス201で反射した風の影響を軽減することができる。
【0078】
このようにすることで、自律飛行可能な飛行体100を適切に着陸又は位置付けすることができる。具体的には、フェンス201に設けられたセンサ202が着陸中又は位置付け中の飛行体100の位置情報を検出している。よって、衛星測位システムを用いて位置情報を検出する場合よりも高精度に位置を検出することができる。例えば、衛星測位システムでは位置の測定誤差が大きい。さらに、離着陸場所203を囲むようにフェンス201がある場合、衛星信号を受信できないおそれがある。また、ビーコンでは水平位置及び高度を高い精度で検出することが困難である。さらに、センシング範囲も限定される。
【0079】
本実施の形態では、フェンス201内にセンサ202が設けられているため、離着陸施設に離着陸中又は位置付け中の飛行体の水平位置及び高度を精度よく検出することができる。さらに、離着陸場所203を囲むようにフェンス201が設けられているため、離着陸時の騒音を低減することができる。また、安全性を高めることができる。効率よく離着陸できるため、電力消費を抑制することができる。
【0080】
次に、端末400の構成について説明する。図4は、主に端末400の構成を示す機能ブロック図である。端末400は、飛行体100のユーザなどが必要な情報を入力するための装置である。端末400は、例えば、スマートフォンやパーソナルコンピュータの情報処理装置である。端末400は入力部401と表示部402と端末側通信部403と端末制御部404を備えている。飛行体100の機体側通信部113(図3)は、端末400とも無線通信を行う。なお、端末400の少なくとも一部の処理は、飛行体100内に搭載されたプロセッサなどで実行されてもよい。また、端末400は、飛行体100に設置されていてもよい。
【0081】
入力部401は、タッチパネル、キーボード、マウス、音声入力マイクなどの入力デバイスを有しており、ユーザからの入力を受け付ける。例えば、ユーザが入力部401を操作することで、目的地(受信した決定後の施設である場合を含む)や給電予定時刻(又は着陸予定時刻)や予定給電期間、離陸予定時間等を入力する。さらに、ユーザは入力部401を操作することで、経由地等を入力してもよい。表示部402はディスプレイ装置を有しており、ユーザが入力を行うための画面表示を行う。
【0082】
さらに、決定部302は、1つの飛行体100に対する飛行経路を決定する場合、複数の飛行経路を生成してもよい。通信部303が、複数の飛行経路を飛行経路候補として端末400又は飛行体100に送信する。給電情報決定装置300は、ユーザに対して、複数の飛行経路候補を提示する。端末400の表示部402が飛行経路候補を表示する。表示部402は、AR(Augmented Reality)表示又はVR(Virtual Reality)表示により、ユーザに対して飛行経路を提示してもよい。例えば、表示部402は、ヘッドマウントディスプレイなどで飛行経路を表示する。あるいは、表示部402は、フロントガラス等に飛行経路を含む表示画像を投影することで、AR表示を行ってもよい。そして、ユーザが入力部401を操作することで、表示された複数の飛行経路候補の中から1つの飛行経路候補を選択する。ユーザが選択した飛行経路候補が飛行経路として、飛行体100内のメモリに保存される。
【0083】
上記の説明では、給電情報決定装置300が、各種処理等を行ったが、飛行体100や端末400が少なくとも一部の処理を行ってもよい。また、給電情報決定装置300は、着陸施設200の一部として搭載してもよい。
【0084】
次に、図5を参照しながら、本実施の形態1に係る給電情報決定方法を説明する。図5は、実施の形態1に係る給電情報決定方法を説明するためのフロー図である。本実施の形態に係る給電情報決定方法は、飛行体情報及び場所情報を取得し(ステップS1)、取得した情報に基づき、施設、給電開始時刻、及び待機期間を決定し(ステップS2)、決定した情報を飛行体に送信する(ステップS3)。ステップS1,S2,S3は、それぞれに対応する取得ステップ、決定ステップ、通信ステップと称することができる。ステップS1では、バッテリ駆動で自律飛行可能な垂直離発着機である飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、飛行体情報と場所情報とを取得する。飛行体情報は、着陸場所の周囲の領域を飛行している飛行体に関する情報である。場所情報は、着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、着陸場所に関する情報である。ステップS2では、ステップS1で取得した、各飛行体の飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設及びその施設への給電開始時刻及び待機期間の決定を行う。ステップS3では、ステップS2で決定された各飛行体の施設、給電開始時刻、及び待機期間を示す情報を、対応する飛行体に送信する。なお、その他の例については、上述した説明した通りである。
【0085】
その他の実施の形態.
その他の実施の形態に係る給電情報決定装置500について、図6を用い説明する。給電情報決定装置500は、給電情報決定装置300と決定内容が異なり、各飛行体100の給電優先度を決定する装置である。よって、本実施の形態に係る給電情報決定装置は、給電優先度決定装置と称することができる。
【0086】
給電情報決定装置500は、取得部501及び決定部502を備えている。取得部501は、バッテリ駆動で自律飛行可能な垂直離発着機である飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している飛行体に関する飛行体情報と、着陸場所に関する場所情報と、を取得する。場所情報は、着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む。決定部502は、取得部501で取得した、各飛行体の飛行体情報及び各着陸場所についての場所情報に基づき、上記周囲の領域を飛行している飛行体間での、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設を利用する優先度の決定を行う。
【0087】
また、本実施の形態においても、実施の形態1で説明した、決定に用いる各情報や決定内容の応用例が適用できる。また、本実施の形態においても、給電情報決定装置500は、1つの装置として構成することができるが、複数の装置において機能や処理対象の情報などを分散した分散システムとして構成することもでき、その場合、給電情報決定システムと称することができる。
【0088】
本実施の形態に係る給電情報決定装置500によれば、上述のような構成により、複数の飛行体100についての給電優先度を示す情報を、1又は複数の着陸場所それぞれの周囲の領域の状況変化に応じて効率的に決定することが可能になる。
【0089】
また、本実施の形態では、給電情報決定装置(給電優先度決定装置)500が出力する給電優先度に基づき、各飛行体の施設(給電に利用する施設)、給電開始時刻、及び待機期間を決定する装置を別途システムに備えることができる。これにより、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0090】
次に、図7を参照しながら、本実施の形態に係る給電情報決定方法を説明する。図7は、その他の実施の形態に係る給電情報決定方法を説明するためのフロー図である。本実施の形態に係る給電情報決定方法は、ステップS1と同様に飛行体情報及び場所情報を取得し(ステップS11)、取得した情報に基づき、施設を利用する優先度を決定する(ステップS12)。ステップS12では、ステップS11で取得した、各飛行体の飛行体情報及び各着陸場所についての場所情報に基づき、上記周囲の領域を飛行している飛行体間での、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設を利用する優先度の決定を行う。なお、その他の例については、上述した説明した通りである。
【0091】
<ハードウェアの構成例>
実施の形態1又はその他の実施の形態における装置のハードウェア構成例について説明する。図8は、給電情報決定装置300,500、端末400、着陸施設200、飛行体100における情報処理を行うためのハードウェア構成例を示すブロック図である。図8を参照すると、給電情報決定装置300等は、ネットワークインタフェース601、プロセッサ602、及びメモリ603を含む。ネットワークインタフェース601は、ネットワークノード(e.g., eNB、MME、P-GW、)と通信するために使用される。ネットワークインタフェース601は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。ここで、eNBはevolved Node B、MMEはMobility Management Entity、P-GWはPacket Data Network Gatewayを表す。IEEEは、Institute of Electrical and Electronicsを表す。
【0092】
プロセッサ602は、メモリ603からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の各実施の形態において説明された給電情報決定装置300等の処理を行う。プロセッサ602は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ602は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0093】
メモリ603は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ603は、プロセッサ602から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ602は、図示されていないI/O(Input/Output)インタフェースを介してメモリ603にアクセスしてもよい。
【0094】
図8の例では、メモリ603は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ602は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ603から読み出して実行することで、上述の各実施の形態において説明された給電情報決定装置300等の処理を行うことができる。
【0095】
図8を用いて説明したように、上述の各実施の形態における給電情報決定装置300等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0096】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、この例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、この例は、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0097】
さらに、上述した各実施の形態において、給電情報決定装置における給電情報決定方法の手順を例示したように、本開示は、次の第1又は第2の給電情報決定方法としての形態も採り得る。第1の給電情報決定方法は、図5のステップS1,S2,S3のそれぞれに対応する取得ステップ、決定ステップ、及び通信ステップを備えることができる。第2の給電情報決定方法は、図7のステップS11,S12のそれぞれに対応する上記取得ステップ及び決定ステップを備えることができる。なお、その他の例については、上述した各実施の形態で説明した通りである。また、上記プログラムは、コンピュータに(あるいは給電情報決定装置が備える制御用のコンピュータに)、上述したような第1又は第2の給電情報決定方法における各ステップを実行させるためのプログラムであると言える。
【0098】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0099】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0100】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
バッテリ駆動で自律飛行可能な垂直離発着機である飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得部と、
前記取得部で取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設及びその施設への給電開始時刻及び待機期間の決定を行う決定部と、
前記決定部で決定された各飛行体の施設、給電開始時刻、及び待機期間を示す情報を、対応する前記飛行体に送信する通信部と、
を備えた、給電情報決定装置。
(付記2)
前記決定部は、前記周囲の領域における飛行環境を示す環境情報に基づき、前記決定を行う、
付記1に記載の給電情報決定装置。
(付記3)
前記環境情報は、前記決定の対象とならない他の飛行体についての飛行状況を示す情報を含む、
付記2に記載の給電情報決定装置。
(付記4)
前記他の飛行体は、不審な飛行体を含む、
付記3に記載の給電情報決定装置。
(付記5)
前記決定は、予備的に空けておく前記施設の決定を含む、
付記1~4のいずれか1項に記載の給電情報決定装置。
(付記6)
前記飛行体情報は、前記飛行体の現在座標、前記施設までの最短到達時間、前記施設までの平均的な飛行時間、前記施設までの距離、充電性能、充電性能以外の性能、飛行目的、予定飛行経路、飛行目的地、及び機体状態のうちの少なくとも1つの情報を含む、
付記1~5のいずれか1項に記載の給電情報決定装置。
(付記7)
前記機体状態を示す情報は、前記飛行体の故障状態、前記バッテリの残量、飛行可能距離、及び飛行可能時間のうちの少なくとも1つの情報を含む、
付記6に記載の給電情報決定装置。
(付記8)
前記場所情報は、前記施設の座標、現施設空き数、及び使用可否のうちの少なくとも1つの情報を含む、
付記1~7のいずれか1項に記載の給電情報決定装置。
(付記9)
前記決定部は、前記決定を、前記飛行体から前記着陸場所を指定した着陸要求を前記通信部で受信した場合に実行する、
付記1~8のいずれか1項に記載の給電情報決定装置。
(付記10)
前記決定部は、前記取得部で取得した情報を入力し、前記決定の結果を出力する学習済みモデルを用いて、前記決定を実行する、
付記1~9のいずれか1項に記載の給電情報決定装置。
(付記11)
前記付属給電施設は、有線給電施設及び非接触給電施設の少なくとも一方を含む、
付記1~10のいずれか1項に記載の給電情報決定装置。
(付記12)
前記付属給電施設及び前記給電施設の少なくとも一方は、前記飛行体に対し超伝導システムを利用した給電を行う施設である、
付記1~11のいずれか1項に記載の給電情報決定装置。
(付記13)
自律飛行可能な飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得部と、
前記取得部で取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、前記周囲の領域を飛行している飛行体間での、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設を利用する優先度の決定を行う決定部と、
を備えた、給電情報決定装置。
(付記14)
バッテリ駆動で自律飛行可能な垂直離発着機である飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得部と、
前記取得部で取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設及びその施設への給電開始時刻及び待機期間の決定を行う決定部と、
前記決定部で決定された各飛行体の施設、給電開始時刻、及び待機期間を示す情報を、対応する前記飛行体に送信する通信部と、
を備えた、給電情報決定システム。
(付記15)
自律飛行可能な飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得部と、
前記取得部で取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、前記周囲の領域を飛行している飛行体間での、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設を利用する優先度の決定を行う決定部と、
を備えた、給電情報決定システム。
(付記16)
バッテリ駆動で自律飛行可能な垂直離発着機である飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設及びその施設への給電開始時刻及び待機期間の決定を行う決定ステップと、
前記決定ステップで決定された各飛行体の施設、給電開始時刻、及び待機期間を示す情報を、対応する前記飛行体に送信する通信ステップと、
を備えた、給電情報決定方法。
(付記17)
自律飛行可能な飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、前記周囲の領域を飛行している飛行体間での、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設を利用する優先度の決定を行う決定ステップと、
を備えた、給電情報決定方法。
(付記18)
コンピュータに、
バッテリ駆動で自律飛行可能な垂直離発着機である飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設及びその施設への給電開始時刻及び待機期間の決定を行う決定ステップと、
前記決定ステップで決定された各飛行体の施設、給電開始時刻、及び待機期間を示す情報を、対応する前記飛行体に送信する通信ステップと、
を実行させるためのプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記19)
コンピュータに、
自律飛行可能な飛行体が着陸可能な設備を有する1又は複数の着陸場所のそれぞれについて、着陸場所の周囲の領域を飛行している前記飛行体に関する情報である飛行体情報と、前記着陸場所に設けられた、着陸状態での給電が可能な給電施設及び非着陸状態での給電が可能な付属給電施設を示す施設情報を含む、前記着陸場所に関する情報である場所情報と、を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した、各飛行体の前記飛行体情報及び各着陸場所についての前記場所情報に基づき、前記周囲の領域を飛行している飛行体間での、各飛行体の給電施設及び付属給電施設の少なくとも一方の施設を利用する優先度の決定を行う決定ステップと、
を実行させるためのプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0101】
100 飛行体
101 回転翼
111 飛行制御部
112 駆動機構
113 機体側通信部
114 機体側センサ
115 表示部
116 バッテリ
117 充電部
200 着陸施設(離着陸施設)
201 フェンス
202 センサ
203 離着陸場所
204 着陸位置
206 離着陸台
211 制御部
213 通信部
221 給電施設
222 付属給電施設
231 送風機構
300、500 給電情報決定装置
301、501 取得部
302、502 決定部
303 通信部
400 端末
401 入力部
402 表示部
403 端末側通信部
404 端末制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8