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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】ABHD6アンタゴニスト
(51)【国際特許分類】
   C07D 409/14 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
C07D409/14 CSP
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023511731
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2022016679
(87)【国際公開番号】W WO2022211060
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】P 2021062790
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000185983
【氏名又は名称】小野薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】吉田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】百武 龍一
(72)【発明者】
【氏名】永島 臨
(72)【発明者】
【氏名】三須 良介
(72)【発明者】
【氏名】森 翔平
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-524411(JP,A)
【文献】特表2012-508737(JP,A)
【文献】特表2012-509940(JP,A)
【文献】特表2021-500345(JP,A)
【文献】特表2021-503443(JP,A)
【文献】特表2016-525092(JP,A)
【文献】DENG,H. et al.,European Journal of Medicinal Chemistry,2020年,Vol.198,112353(1-15),http://doi.org/10.1016/j.ejmech.2020.112353
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 409/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ABHD6阻害活性を有する化合物またはその薬学的に許容される塩、およびそれらを有効成分として含有する医薬に関する。詳しくは、一般式(I-A):
【化1】
(式中、全ての記号は後記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩(以下、本開示化合物という。)、およびそれらを有効成分として含有する医薬組成物等に関する。
【背景技術】
【0002】
ABHD6(alpha/beta-Hydrolase domain containing 6)は、セリン加水分解酵素として知られ、内因性カンナビノイドである2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)の代謝酵素の一つである。2-AGはエイコサノイドシグナル伝達経路の重要な脂質前駆体として働き、カンナビノイド受容体1および2(それぞれCB1およびCB2)の活性化のための内因性シグナル伝達脂質としても機能するため、ABHD6および2-AGは痛覚、神経伝達、炎症、インスリン分泌、脂肪褐色化、摂餌量、自己免疫障害、神経疾患および代謝疾患を含む様々な生理学的過程の調節に関与することが知られている(非特許文献1)。
【0003】
また、ABHD6を阻害することにより、外傷性脳損傷および多発性硬化症の動物モデルにおいて、神経炎症を有意に軽減し、神経保護を発揮することが知られており、ABHD6の阻害はカンナビノイド系による中枢性の副作用を引き起こすことなく、さまざまな炎症性および神経性疾患の予防および/または治療に有用であると考えられる(非特許文献2)。
【0004】
一方、特許文献1には、下記一般式(A)で示される化合物は、mAChR受容体拮抗活性を有する化合物であることが記載されている。
一般式(A)は、
【化2】
(式中、環Aは、N、O、Sから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5-6員ヘテロアリール環を表し、
は、NRaAまたはOを表し、
mAは0、1、または2を表し、
1Aは、ヘテロアリール、アリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ハロゲン、-ORbA、-NRcAdAおよびNHCOReAから選択され、
nAは1、または2を表し、
2Aは、水素、C1-4アルキル基、ハロゲン、および-ORfAから選択され、
3Aは、水素、およびC1-4アルキル基から選択され、
4Aは、-(CRgAhApA-Y’、水素、C1-8アルキル基、およびC1-8アルケニル基から選択され、
5Aは、水素、C1-4アルキル基、ハロゲン、C1-4ハロアルキル基、C1-4アルコキシ基、およびC1-4ハロアルコキシ基から選択され、
’は、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクル、アリール、およびヘテロアリールから選択され、
は、0-4の整数を表す。(基の定義を一部抜粋した。))である。
【0005】
また、特許文献2中の下記一般式(B)で示される化合物は、FAAH阻害作用を有する化合物であることが記載されている。
一般式(B)は、
【化3】
(式中、R2Bは、水素、フッ素、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基またはNR8B9B基を表し、
、n、oおよびpは、互いに独立して、0から3にわたる数であって、m+oおよびn+pのそれぞれが4以下であるような数を表し、
は、共有結合、酸素原子、C1-6アルキレン基または-O-C1-6アルキレン基(この場合、酸素原子によって表される末端は、基R1Bに結合され、およびアルキレン基によって表される末端は、二環の炭素に結合される。)を表し、
1Bは、非置換であるか、または1つ以上のR6Bおよび/またはR7Bで置換されている、R5Bを表し、
5Bは、フェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ナフチル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、インダゾリルおよびベントリアゾリルから選択される基を表し、
3Bは、水素、フッ素原子、C1-6アルキル基またはトリフルオロメチル基を表し、
4Bは、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾール、トリアゾリルおよびテトラゾリルから選択される5員複素環を表す。(基の定義を一部抜粋した。))である。
【0006】
また、特許文献3中の下記一般式(C)で示される化合物は、Caチャネル阻害作用を有する化合物であることが記載されている。
一般式(C)は、
【化4】
(式中、L1Cは、C(O)、S(O)、SON(R)、C(O)Oまたは-(CRaCbCmC-であり、
1Cは、アルキル、G1C、-CH(G1C、-(CRaCbCmC-G1C、-(CRaCbCmC-CH(G1C、-(CReCfCnC-N(R5C、-(CReCfCnC-N(R5C)-C(O)O(アルキル)、-(CReCfCnC-N(R5C)-C(O)(アルキル)または-(CReCfCnC-N(R5C)-SO6Cであり;
またはL1C-R1Cが一体となって、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、G1Cまたは-CH(G1Cであり、
2Cは、-(CRcCdCpC-、C(O)、C(O)N(R4C)、S(O)、SON(R5C)またはC(O)Oであり、
2Cは、アルキル、G2C、-C(RcC)(G2C)(G3C)、-(CRcCdCpC-G2C、-(CRcCdCpC-CH(G2C)(G3C)、-(CRgChCqC-N(R5C)-C(O)O(アルキル)、-(CRgChCqC-N(R5C)-C(O)O-G2C、-(CRgChCqC-N(R5C)-C(O)(アルキル)、-(CRgChCqC-N(R5C)-SO6C、-(CRgChCqC-N(R4C)(R5C)、-(CRgChCqC-N(R5C)-C(O)N(R5C)-(アルキル)または-(CRgChCqC-N(R5C)-C(O)N(R5C)-G2Cであり;
またはL2C-R2Cが一体となって、アルキル、G2Cまたは-C(RcC)(G2C)(G3C)であり、
1C、G2CおよびG3Cはそれぞれ独立に、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリールまたは複素環であり;G1C、G2CおよびG3Cはそれぞれ独立に、置換されていないか1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されており;G1Cはキノリン、キナゾリンジオンまたはピリドピリミジンジオン以外であり;
3Cは、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルを表す。(基の定義を一部抜粋した。))である。
【0007】
しかし、いずれの先行技術文献にも、本開示化合物がABHD6阻害活性を持つことについて記載も示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第2019/089676号パンフレット
【文献】国際公開第2010/130944号パンフレット
【文献】国際公開第2010/062927号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【文献】ユーロピアン・ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー、第198巻、記事番号112353、2020年(European Journal of Medicinal Chemistry 198 (2020) 112353)
【文献】ジャーナル・オブ・ニューロインフラメーション、第15巻、記事番号9、2018年(Journal of Neuroinflammation (2018) 15:9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、ABHD6に対して阻害活性を有する化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、後述の一般式(I-A)で示される化合物が、ABHD6に対して強力な阻害活性を有することを見出した。
すなわち、本開示は、一態様において、
[1]一般式(I-A):
【化5】

(式中、
、Xはそれぞれ独立して、(1)CH、(2)CR、または(3)Nを表し、ただし、XおよびXのうち少なくとも1つはNを表し、
は、ハロゲン原子を表し、
は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6ハロアルキル基、(7)C2-6ハロアルケニル基、(8)C2-6ハロアルキニル基、(9)C1-6ハロアルコキシ基、または(10)シアノ基を表し、
は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6ハロアルキル基、(7)C2-6ハロアルケニル基、(8)C2-6ハロアルキニル基、(9)C1-6ハロアルコキシ基、または(10)シアノ基を表し、
mが2以上のとき、複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
は、(1)水素原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C1-6ハロアルキル基、(4)3-10員環状基、(5)-(C1-6アルキレン)-(3-10員環状基)、(6)-(C1-6ハロアルキレン)-(3-10員環状基)を表し、該C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C1-6アルキレンおよびC1-6ハロアルキレン中の1~2個の炭素原子は、酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子で置き換わっていてもよく、
中の3-10員環状基は1~5個のR301で置換されていてもよく、
301は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C1-4ハロアルキル基、(5)C1-4ハロアルコキシ基、(6)COOR302 (7)CONR303304、(8)C3-6シクロアルキル基、(9)水酸基、(10)ニトロ基、(11)シアノ基、(12)-NR305306、(13)-SR307、(14)-SOR308、(15)-SO309、または(16)オキソ基を表し、
301が2個以上置換するとき、複数のR301は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
302、R303、R304、R305、R306、R307、R308、またはR309は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1-4アルキル基を表し、
がR中の(2)~(9)を表し、RがC1-6アルキル基を表すとき、RおよびRが結合する原子と一緒になって5-6員環状基を形成してもよく、
は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6ハロアルキル基、(7)C2-6ハロアルケニル基、(8)C2-6ハロアルキニル基、または(9)C1-6ハロアルコキシ基を表し、
nが2以上のとき、複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
同一炭素原子上に存在する二つのRがC1-6アルキル基を表すとき、結合する炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル基を形成してもよく、
ring1は、3-15員環状基を表し、
5-Aは、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6アルキルチオ基、(7)C1-6アルキルスルフィニル基、(8)C1-6アルキルスルホニル基、(9)C2-6アシル基、(10)3-6員環状基、(11)-LR5-(3-6員環状基)、(12)水酸基、(13)ニトロ基、(14)シアノ基、(15)オキソ基、(16)-NR501502、(17)-COOR503、(18)-CONR504505、または(19)-SONR506507を表し、該C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルスルフィニル基、C1-6アルキルスルホニル基、C2-6アシル基中の1~2個の炭素原子は、酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子で置き換わっていてもよく、
pが2以上のとき、複数のR5-Aは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
5-Aのうち(2)~(11)の基は、1~9個のR508で置換されていてもよく、
508は、(1)ハロゲン原子(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C2-6アシル基、(5)C3-6シクロアルキル基、(6)水酸基、または(7)-NR509510を表し、
508が2個以上置換するとき、複数のR508は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R5は(1)-O-、(2)-(C1-4アルキレン)-、(3)-O-(C1-4アルキレン)-、(4)-(C1-4アルキレン)-O-、(5)-NR511-、(6)-SO0-2-、を表し、
501、R502、R503、R504、R505、R506、R507、R509、R510、またはR511は、それぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アシル基、または(4)C1-6アルキルスルホニル基を表し、
mは0~2の整数を表し、
nは0~5の整数を表し、
pは0~5の整数を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、
[2]一般式(I):
【化6】
(式中、Rは、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6アルキルチオ基、(7)C1-6アルキルスルフィニル基、(8)C1-6アルキルスルホニル基、(9)C2-6アシル基、(10)3-6員環状基、(11)-LR5-(3-6員環状基)、(12)水酸基、(13)ニトロ基、(14)シアノ基、(15)オキソ基、(16)-NR501502、(17)-COOR503、(18)-CONR504505、または(19)-SONR506507を表し、
pが2以上のとき、複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
のうち(2)~(11)の基は、1~9個のR508で置換されていてもよく、
その他の記号は前記[1]に記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、
[3]前記[1]または[2]に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有し、さらに薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物、
[4]ABHD6阻害剤である、前記[3]に記載の医薬組成物等の実施態様を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本開示化合物は、ABHD6に対して阻害活性を有することから、ABHD6に関連する疾患の予防および/または治療剤の有効成分として使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示を詳細に説明する。
本明細書中、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素原子が挙げられる。
【0014】
本明細書中、C1-4アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル基、およびそれらの異性体が挙げられる。
本明細書中、C1-6アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル基、およびそれらの異性体が挙げられる。
【0015】
本明細書中、C2-6アルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ブタジエニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、ヘキサジエニル基、およびそれらの異性体が挙げられる。
【0016】
本明細書中、C2-6アルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ブタジイニル、ペンチニル、ペンタジイニル、ヘキシニル、ヘキサジイニル基、およびそれらの異性体が挙げられる。
【0017】
本明細書中、C1-4アルキレンとしては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、およびそれらの異性体が挙げられる。
本明細書中、C1-6アルキレンとしては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレンおよびそれらの異性体が挙げられる。
【0018】
本明細書中、C1-4ハロアルキル基とは、例えば、1つまたは複数のハロゲン原子によって置換されたアルキル基を意味し、具体的にはフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1-フルオロエチル基、2-フルオロエチル基、2-クロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1-フルオロプロピル基、2-クロロプロピル基、3-フルオロプロピル基、3-クロロプロピル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、4-ブロモブチル基、およびそれらの異性体等が挙げられる。
本明細書中、C1-6ハロアルキル基とは、例えば、1つまたは複数のハロゲン原子によって置換されたアルキル基を意味し、具体的にはフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1-フルオロエチル基、2-フルオロエチル基、2-クロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1-フルオロプロピル基、2-クロロプロピル基、3-フルオロプロピル基、3-クロロプロピル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、4-ブロモブチル基、5,5,5-トリフルオロペンチル基、6,6,6-トリフルオロヘキシル基、およびそれらの異性体等が挙げられる。
【0019】
本明細書中、C1-6ハロアルキレンとは、例えば、1つまたは複数のハロゲン原子によって置換されたアルキレンを意味し、具体的にはフルオロメチレン、クロロメチレン、ブロモメチレン、ヨードメチレン、ジフルオロメチレン、1-フルオロエチレン、2-フルオロエチレン、2-クロロエチレン、ペンタフルオロエチレン、1-フルオロプロピレン、2-クロロプロピレン、3-フルオロプロピレン、3-クロロプロピレン、4-ブロモブチレン、5-フルオロペンチレン、6-フルオロヘキシレン、およびそれらの異性体等が挙げられる。
【0020】
本明細書中、C2-6ハロアルケニル基とは、例えば、1つまたは複数のハロゲン原子によって置換されたアルケニル基を意味し、具体的には1-フルオロエテニル基、2-フルオロエテニル基、2-クロロエテニル基、1-フルオロプロペニル基、2-クロロプロペニル基、3-フルオロプロペニル基、3-クロロプロペニル基、4-ブロモブテニル基、5,5,5-トリフルオロペンテニル基、6,6,6-トリフルオロヘキセニル基、およびそれらの異性体等が挙げられる。
【0021】
本明細書中、C2-6ハロアルキニル基とは、例えば、1つまたは複数のハロゲン原子によって置換されたアルキニル基を意味し、具体的には2-フルオロエチニル基、2-クロロエチニル基、3-フルオロプロピニル基、3-クロロプロピニル基、4-ブロモブチニル基、5,5,5-トリフルオロペンチニル基、6,6,6-トリフルオロヘキシニル基、およびそれらの異性体等が挙げられる。
【0022】
本明細書中、C1-4アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基、およびそれらの異性体が挙げられる。
本明細書中、C1-6アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基、およびそれらの異性体が挙げられる。
【0023】
本明細書中、C1-4ハロアルコキシ基とは、例えば、1つまたは複数のハロゲン原子によって置換されたアルコキシ基を意味し、具体的にはフルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ヨードメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1-フルオロエトキシ基、2-フルオロエトキシ基、2-クロロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、1-フルオロプロポキシ基、2-クロロプロポキシ基、3-フルオロプロポキシ基、3-クロロプロポキシ基、4,4,4-トリフルオロブトキシ基、4-ブロモブトキシ基、およびそれらの異性体等が挙げられる。
本明細書中、C1-6ハロアルコキシ基とは、例えば、1つまたは複数のハロゲン原子によって置換されたアルコキシ基を意味し、具体的にはフルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ヨードメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1-フルオロエトキシ基、2-フルオロエトキシ基、2-クロロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、1-フルオロプロポキシ基、2-クロロプロポキシ基、3-フルオロプロポキシ基、3-クロロプロポキシ基、4,4,4-トリフルオロブトキシ基、4-ブロモブトキシ基、5,5,5-トリフルオロペンチルオキシ基、6,6,6-トリフルオロヘキシルオキシ基、およびそれらの異性体等が挙げられる。
【0024】
本明細書中、C1-6アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ基、およびそれらの異性体が挙げられる。
【0025】
本明細書中、C1-6アルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル基、およびそれらの異性体が挙げられる。
【0026】
本明細書中、C1-6アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル基、およびそれらの異性体が挙げられる。
【0027】
本明細書中、C3-6シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル基が挙げられる。
【0028】
本明細書中、C2-6アシル基としては、エタノイル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル基、およびそれらの異性体が挙げられる。
【0029】
本明細書中、3-6員環状基とは、C3-6炭素環および3-6員複素環を表わす。
本明細書中、C3-6炭素環としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、およびベンゼン環などが挙げられる。
本明細書中、3-6員複素環としては、例えば、アジリジン、アゼチジン、オキシラン、オキセタン、チイラン、チエタン、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、ピラン、チオフェン、チオピラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、およびジチアン環などが挙げられる。
【0030】
本明細書中、5-6員環状基とは、C5-6炭素環および5-6員複素環を表わす。
本明細書中、C5-6炭素環としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、およびベンゼン環などが挙げられる。
本明細書中、5-6員複素環としては、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、ピラン、チオフェン、チオピラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、およびジチアン環などが挙げられる。
【0031】
本明細書中、3-10員環状基とは、C3-10炭素環および3-10員複素環を表わす。
本明細書中、C3-10炭素環としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、シクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、パーヒドロナフタレン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.1.1]ヘキセン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプテン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクテン、ビシクロ[3.2.1]オクタンおよびビシクロ[3.2.1]オクテン環などが挙げられる。
本明細書中、3-10員複素環としては、例えば、前記3-6員複素環および、アゼピン、ジアゼピン、オキセピン、チエピン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン、アザスピロ[4.4]ノナン、オキサザスピロ[4.4]ノナン、ジオキサスピロ[4.4]ノナン、アザスピロ[4.5]デカン、チアスピロ[4.5]デカン、ジチアスピロ[4.5]デカン、ジオキサスピロ[4.5]デカン、オキサザスピロ[4.5]デカン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、オキサビシクロ[3.2.1]オクタン、チエノ[3,2-c]ピラゾール、チエノ[2,3-c]ピラゾール、チエノ[2,3-d]チアゾール、チエノ[2,3-d][1.2.3]トリアゾール、ジヒドロピラノ[3,4-d]チアゾール、ジヒドロチエノ[2,3-b]ピラン、ジヒドロチエノ[3,2-c]ピラン、ジヒドロチエノ[3,2-b]ピラン、ジヒドロチエノ[3,2-c]チオピラン、テトラヒドロチエノ[3,2-b]ピリジン、テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン、およびチエノ[3,2-c]ピリジン環などが挙げられる。
【0032】
本明細書中、3-15員環状基とは、C3-15炭素環および3-15員複素環を表わす。
本明細書中、C3-15炭素環としては、例えば、前記C3-10炭素環および、ヘプタレン、ビフェニレン、as-インダセン、s-インダセン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、およびアントラセン環などが挙げられる。
本明細書中、3-15員複素環としては、例えば、前記3-10員複素環および、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾジアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ベンゾオキセピン、ベンゾチエピン、ベンザゼピン、ジヒドロベンザゼピン、テトラヒドロベンザゼピン、ペリミジン、β-カルボリン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、ジヒドロジベンゾフラン、ジヒドロジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾフラン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアントレン、フェナジン、フェナントロリン、キサンテン、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン、アクリジン、フェナントリジン、およびジヒドロピロロ[1,2-b]チエノ[2,3-d]ピラゾール環などが挙げられる。
【0033】
本明細書中、「1~2個の炭素原子は、酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子で置き換わっていてもよく」とは、当該置換基中の、構造的に可能な位置にある1つまたは2つの炭素原子(-CH-)が、酸素原子(-O-)または酸化されていてもよい硫黄原子(-S-、-SO-、または-SO-)で置き換わっていてもよいことを意味し、具体的には、C1-6アルキル基の場合、例えば、CH-O-CH-基、CH-CH-O-CH-基、CH-O-CH-CH-基、CH-O-CH-CH-CH-基およびCH-CH-O-CH-CH-基等が挙げられる。
【0034】
本開示において、X、Xとして好ましくはNである。
【0035】
本開示において、Rとして好ましくは塩素原子または臭素原子である。
【0036】
本開示において、Rとして好ましくはハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、またはシアノ基であり、より好ましくは塩素原子、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはシアノ基である。
【0037】
本開示において、Rとして好ましくはハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、またはシアノ基であり、より好ましくは塩素原子、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはシアノ基である。
【0038】
本開示において、Rとして好ましくは水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、3-10員環状基、または-CH-(3-10員環状基)、であり、より好ましくは水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、シクロプロピル基、-CH-ベンゼン、-CH-ピリジン、または-CH-イミダゾ[2,1-b]チアゾールである。
【0039】
本開示において、Rとして好ましくは、ハロゲン原子、またはC1-6アルキル基
であり、より好ましくはフッ素原子またはメチル基である。
【0040】
本開示において、ring1として好ましくは3-10員環状基または
【化7】
(式中、*印はカルボニル基との結合位置を表す。)であり、より好ましくは
【化8】
(式中、*印はカルボニル基との結合位置を表し、NHで表された水素原子はR5-AまたはRで置き換わっていてもよい。)からなる群から選択される環構造であり、さらに好ましくは
【化9】
(式中、*印はカルボニル基との結合位置を表し、NHで表された水素原子はR5-AまたはRで置き換わっていてもよい。)からなる群から選択される環構造である。
本開示において、Rとして好ましくはハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、3-6員環状基、オキソ基、-NR501502、または-COOR503であり、より好ましくはC1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シクロプロピル基、フラン環、N-メチルピラゾール環、オキソ基、ジメチルアミノ基、または-COOCHであり、さらに好ましくはC1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、またはシクロプロピル基である。
【0041】
本開示において、R5-Aとして好ましくはハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、3-6員環状基、オキソ基、-NR501502、または-COOR503であり、より好ましくはC1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シクロプロピル基、フラン環、N-メチルピラゾール環、オキソ基、ジメチルアミノ基、または-COOCHであり、さらに好ましくはC1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、またはシクロプロピル基である。
【0042】
本開示において、mとして好ましくは、0、または1である。
【0043】
本開示において、nとして好ましくは、0、1、または2である。
【0044】
本開示において、pとして好ましくは、0、1、または2である。
【0045】
本開示において、一般式(I-A)または一般式(I)で示される化合物として好ましくは、一般式(I-1):
【化10】
(式中、R3-aは、(1)水素原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C1-6ハロアルキル基、(4)シクロプロピル基、または(5)-CH-Qを表し、
Qは(1)ベンゼン、(2)ピリジン、または(3)イミダゾ[2,1-b]チアゾールを表し、
ring1-aは下記の環構造;
【化11】
(式中、*印はカルボニル基との結合位置を表し、NHで表された水素原子はR5-aで置き換わっていてもよい。)からなる群から選択される環構造を表し、
5-aは、(1)C1-6アルキル基、(2)C1-6アルコキシ基、(3)C1-6ハロアルキル基、(4)C1-6ハロアルコキシ基、(5)シクロプロピル基、(6)フラン環、(7)N-メチルピラゾール環、(8)オキソ基、(9)ジメチルアミノ基、または(10)-COOCHを表し、
その他の記号は前記の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物である。
【0046】
本開示において、一般式(I-A)で示される化合物として好ましくは、前記のX、X、R、R、R、R、R5-A、ring1、n、m、およびpの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0047】
本開示において、一般式(I)で示される化合物として好ましくは、前記のX、X、R、R、R、R、R、ring1、n、m、およびpの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0048】
本開示において、一般式(I-A)または一般式(I)で示される化合物の別の態様として最も好ましくは、後記の実施例に記載の実施例化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0049】
本開示においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルコキシ基およびアルキレン基などには直鎖のものおよび分岐鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在などによる異性体(R、S体、α、β体、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本開示に含まれる。また、本開示においては、互変異性による異性体をもすべて包含する。
【0050】
本明細書において、化合物名に「rel-」と記載した化合物は、複数の不斉中心の立体配置が相対配置であることを示す。
【0051】
本開示においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号
【化12】
は紙面の向こう側(すなわちα-配置)に結合していることを表し、
【化13】
は紙面の手前側(すなわちβ-配置)に結合していることを表し、
【化14】
は、α-配置とβ-配置の任意の混合物であることを表す。
【0052】
[塩]
一般式(I-A)で示される化合物は、公知の方法で塩に変換される。
塩としては薬学的に許容される塩である。
塩は、水溶性のものが好ましい。
【0053】
薬学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、またはアミン塩などが挙げられる。
酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、またはグルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
アルカリ金属塩としては、例えば、カリウム塩およびナトリウム塩などが挙げられる。
アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩などが挙げられる。
アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
アミン塩としては、例えば、トリエチルアミン塩、メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、シクロペンチルアミン塩、ベンジルアミン塩、フェネチルアミン塩、ピペリジン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、リジン塩、アルギニン塩、およびN-メチル-D-グルカミン塩などが挙げられる。
【0054】
また、本開示化合物は、任意の方法でN-オキシド体にすることができる。N-オキシド体とは、一般式(I-A)で示される化合物の窒素原子が、酸化されたものを表す。
【0055】
一般式(I-A)で示される化合物およびその薬学的に許容される塩は、溶媒和していない形態で存在してもよいし、水、エタノールなどの薬学的に許容できる溶媒と溶媒和した形態で存在してもよい。溶媒和物として好ましくは水和物である。一般式(I-A)で示される化合物およびその薬学的に許容される塩は、溶媒和物に変換することができる。
【0056】
一般式(I-A)で示される化合物は、適切な共結晶形成剤と共結晶を形成することができる。共結晶としては、薬学的に許容される共結晶形成剤と形成される、薬学的に許容されるものが好ましい。共結晶は、典型的に、2種以上の異なる分子がイオン結合とは異なる分子間相互作用で形成される結晶として定義される。また、共結晶は中性分子と塩の複合体であってもよい。共結晶は、公知の方法、例えば、融解結晶化により、溶媒からの再結晶により、又は成分を一緒に物理的に粉砕することにより、調製することができる。適当な共結晶形成剤としては、WO2006/007448に記載のものを含む。
【0057】
本開示において、本開示化合物に関する言及はすべて、一般式(I-A)で示される化合物、その薬学的に許容される塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物(例えば、水和物)、もしくはその共結晶、または一般式(I-A)で示される化合物の薬学的に許容される塩のN-オキシド体、その溶媒和物(例えば、水和物)、もしくはその共結晶を包含する。
【0058】
[プロドラッグ]
一般式(I-A)で示される化合物のプロドラッグとは、生体内において酵素や胃酸などによる反応により一般式(I-A)で示される化合物に変換される化合物をいう。一般式(I-A)で示される化合物のプロドラッグとしては、例えば、一般式(I-A)で示される化合物がアミノ基を有する場合、該アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、一般式(I-A)で示される化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert-ブチル化された化合物など);一般式(I-A)で示される化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、一般式(I-A)で示される化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など)が挙げられ;一般式(I-A)で示される化合物がカルボキシ基を有する場合、該カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、一般式(I-A)で示される化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、1-{(エトキシカルボニル)オキシ}エチルエステル化、フタリジルエステル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル化、1-{[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ}エチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)などが挙げられる。これらの化合物はそれ自体公知の方法によって製造することができる。また、一般式(I-A)で示される化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、一般式(I-A)で示される化合物のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163~198頁に記載されているような、生理的条件において一般式(I-A)で示される化合物に変化するものであってもよい。
【0059】
さらに、一般式(I-A)で示される化合物を構成する各原子は、その同位元素(例えば、H、H、11C、13C、14C、15N、16N、17O、18O、18F、35S、36Cl、77Br、125Iなど)などで置換されていてもよい。
【0060】
[本開示化合物の製造方法]
本開示化合物は、公知の方法、例えば、以下に示す方法、これらに準ずる方法、Comprehensive Organic Transformations : A Guide to Functional Group Preparations, 3rd Edition (Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 2018)に記載された方法、または実施例に示す方法等を適宜改良し、組み合わせて用いることで製造することができる。出発原料は、塩を用いてもよい。それぞれの反応を行う順序は、導入されている保護基や反応条件によって適宜いれかえることができる。
【0061】
また、アミノ基、カルボキシル基、または水酸基を有する化合物は、必要に応じて、これらの基に対して汎用される保護基、例えばT. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 5th Edition, 2014に記載の保護基で保護された化合物を用いて、適切な反応工程の後、公知の脱保護反応を行って製造することができる。
【0062】
カルボキシル基の保護基としては、例えば、メチル、エチル、tert-ブチル、トリクロロエチル、ベンジル(Bn)、フェナシル、p-メトキシベンジル、トリチル、2-クロロトリチル等が挙げられる。
【0063】
アミノ基、またはテトラゾリル基の保護基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、1-メチル-1-(4-ビフェニル)エトキシカルボニル(Bpoc)基、トリフルオロアセチル基、9-フルオレニルメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、p-メトキシベンジル基、ベンジルオキシメチル(BOM)基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)基等が挙げられる。
【0064】
水酸基またはヒドロキサム酸の保護基としては、例えば、メチル、トリチル、メトキシメチル(MOM)、1-エトキシエチル(EE)、メトキシエトキシメチル(MEM)、2-テトラヒドロピラニル(THP)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、アセチル(Ac)、ピバロイル、ベンゾイル、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(Troc)等が挙げられる。
【0065】
脱保護反応は公知であり、以下の方法で行うことができる。例えば、
(1)アルカリ加水分解による脱保護反応、
(2)酸性条件下における脱保護反応、
(3)加水素分解による脱保護反応、
(4)シリル基の脱保護反応、
(5)金属を用いる脱保護反応、
(6)金属錯体を用いる脱保護反応、等が挙げられる。
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)アルカリ加水分解による脱保護反応は、例えば有機溶媒(例えば、メタノール、テトラヒドロフラン(以下、THF)、ジオキサン等)中、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)または炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を用いて、0~40℃で行われる。
(2)酸条件下での脱保護反応は、例えば有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、メタノール、イソプロピルアルコール、THF、アニソール等)中、有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トシル酸等)、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸等)もしくはこれらの混合物(例えば、臭化水素/酢酸等)中、2,2,2-トリフルオロエタノールの存在下または非存在下、0~100℃で行われる。
(3)加水素分解による脱保護反応は、例えば溶媒(例えば、エーテル系(例えば、THF、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等)、アルコール系(例えば、メタノール、エタノール等)、ベンゼン系(例えば、ベンゼン、トルエン等)、ケトン系(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル系(例えば、アセトニトリル等)、アミド系(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMF)等)、水、酢酸エチル、酢酸またはそれらの2以上の混合溶媒等)中、触媒(例えば、パラジウム-炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム-炭素、酸化白金、ラネーニッケル等)の存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、0~200℃で行われる。
(4)シリル基の脱保護反応は、例えば水と混和しうる有機溶媒(例えば、THF、アセトニトリル等)中、テトラブチルアンモニウムフルオライドを用いて、0~40℃で行われる。また、例えば、有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トシル酸等)、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸等)もしくはこれらの混合物(例えば、臭化水素/酢酸等)中、-10~100℃で行われる。
(5)金属を用いる脱保護反応は、例えば酸性溶媒(例えば、酢酸、pH4.2~7.2の緩衝液またはそれらの溶液とTHF等の有機溶媒との混合液)中、粉末亜鉛の存在下、必要であれば超音波をかけながら、0~40℃で行われる。
(6)金属錯体を用いる脱保護反応は、例えば有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、DMF、THF、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、エタノール等)、水またはそれらの混合溶媒中、トラップ試薬(例えば、水素化トリブチルスズ、トリエチルシラン、ジメドン、モルホリン、ジエチルアミン、ピロリジン等)、有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、2-エチルヘキサン酸等)および/または有機酸塩(例えば、2-エチルヘキサン酸ナトリウム、2-エチルヘキサン酸カリウム等)の存在下、ホスフィン系試薬(例えば、トリフェニルホスフィン等)の存在下または非存在下、金属錯体(例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)等)を用いて、0~40℃で行われる。
【0066】
一般式(I-A)で示される化合物は、反応工程式1で製造することができる。
【化15】
(反応工程式1中、PGはアミノ基の保護基を表し、Yはハロゲン原子を表し、Zはハロゲン原子を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)
【0067】
反応工程式1中、反応1-1はハロゲン置換反応またはクロスカップリング反応である。ハロゲン置換反応は公知であり、例えば、有機溶媒(DMF、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、THF、メチルt-ブチルエーテル等)中、塩基(ナトリウムエチラート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸三カリウム、フッ化セシウム、水酸化バリウム、フッ化テトラブチルアンモニウム等)またはその水溶液あるいはこれらの混合物の存在下、0~200℃で反応させることにより行なわれる。
【0068】
クロスカップリング反応は公知であり、例えば、有機溶媒(ベンゼン、トルエン、DMF、ジオキサン、THF、メタノール、アセトニトリル、ジメトキシエタン、アセトン等)中、塩基(ナトリウムエチラート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸タリウム、リン酸三カリウム、フッ化セシウム、水酸化バリウム、フッ化テトラブチルアンモニウム等)もしくはその水溶液、またはこれらの混合物および触媒(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl(PPh)、酢酸パラジウム(Pd(OAc))、パラジウム黒、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)ジクロロパラジウム(PdCl(dppf))、二塩化ジアリルパラジウム(PdCl(allyl))、ヨウ化フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PhPdI(PPh)等)存在下、室温~120℃で反応させることにより行われる。
【0069】
反応工程式1中、反応1-2はN-アルキル化反応である。N-アルキル化反応は公知であり、例えば、有機溶媒(DMF、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、THF、メチルt-ブチルエーテル等)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)もしくは炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)またはその水溶液あるいはこれらの混合物の存在下、0~100℃で反応させることにより行なわれる。
【0070】
反応工程式1中、反応1-3は脱保護反応であり、前記と同様の方法で実施することができる。
【0071】
反応工程式1中、反応1-4はアミド化反応である。アミド化反応は公知であり、例えば、
(1)酸ハライドを用いる方法、
(2)混合酸無水物を用いる方法、
(3)縮合剤を用いる方法、
等が挙げられる。これらの方法を具体的に説明すると、
(1)酸ハライドを用いる方法は、例えば、カルボン酸を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、THF等)中または無溶媒で、酸ハライド化剤(オキザリルクロライド、チオニルクロライド等)と-20℃~還流温度で反応させ、得られた酸ハライドを塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、アミンと有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、THF等)中、0~40℃の温度で反応させることにより行なわれる。また、得られた酸ハライドを有機溶媒(ジオキサン、THF等)中、アルカリ水溶液(重曹水または水酸化ナトリウム溶液等)を用いて、アミンと0~40℃で反応させることにより行なうこともできる。
(2)混合酸無水物を用いる方法は、例えば、カルボン酸を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、THF等)中または無溶媒で、塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、酸ハライド(ピバロイルクロライド、トシルクロライド、メシルクロライド等)、または酸誘導体(クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル等)と、0~40℃で反応させ、得られた混合酸無水物を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、THF等)中、アミンと0~40℃で反応させることにより行なわれる。
(3)縮合剤を用いる方法は、例えば、カルボン酸とアミンを、有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、ジエチルエーテル、THF等)中、または無溶媒で、塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)の存在下または非存在下、縮合剤(1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDC)、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)、2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨウ素、1-プロピルホスホン酸環状無水物(1-propanephosphonic acid cyclic anhydride、PPA)等)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)を用い、1-ヒドロキシベンズトリアゾール(HOBt)の存在下または非存在下、0~40℃で反応させることにより行なわれる。
これら(1)、(2)および(3)の反応は、いずれも不活性ガス(アルゴン、窒素等)雰囲気下、無水条件で行なうことが望ましい。
【0072】
一般式1aで示される化合物は、反応工程式2で製造することができる。
【化16】
(反応工程式2中、全ての記号は前記と同じ意味を表す。)
【0073】
反応工程式2中、反応2-1は環化反応であり、例えば有機溶媒(DMF、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、THF、メチルt-ブチルエーテル等)中、酸(トリフルオロ酢酸等)の存在下、0~100℃の温度で行なわれる。
【0074】
反応工程式2中、反応2-2はカルボニル基の還元反応であり、有機溶媒(ジクロロエタン、ジクロロメタン、DMF、THF、およびこれらの混合物等)中、還元剤(水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下、0~40℃の温度で行なわれる。
【0075】
反応工程式2中、反応2-3はトシル化反応であり、有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、THF、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン)中で塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、塩化p-トルエンスルホニルを0~100℃の温度で反応させることで実施することができる。
【0076】
反応工程式2中、反応2-4はアジド化反応であり、例えば有機溶媒(DMF、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、THF、メチルt-ブチルエーテル等)中、アジ化ナトリウムを0~100℃の温度で反応させることで実施することができる。
【0077】
反応工程式2中、反応2-5はアジド基の還元反応であり、有機溶媒(例えば、THF、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、DMF、酢酸エチル、酢酸、またはそれらの2以上の混合溶媒等)中、水素化触媒(パラジウム-炭素、パラジウム黒、パラジウム、水酸化パラジウム、二酸化白金、白金-炭素、ニッケル、ラネーニッケル、塩化ルテニウムなど)の存在下、酸(塩酸、硫酸、次亜塩素酸、ホウ酸、テトラフルオロホウ酸、酢酸、p-トルエンスルホン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸など)の存在下または非存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下、0~200℃で行なわれる。
【0078】
本明細書中の各反応において、出発原料として用いた、各々一般式1b、一般式1d、一般式1g、式2a、および一般式2bで示される化合物は公知であるか、あるいは公知の方法、例えば、Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations、3rd Edition(Richard C.Larock,John Wiley & Sons Inc,2018)等に記載された方法、または公知の方法を一部改変した方法等を組み合わせて用いることで容易に製造することができる。
【0079】
本開示化合物のうち、光学活性を有する化合物は、光学活性を有する出発原料または試薬を用いて製造するか、ラセミ体の製造中間体を光学分割し、次いで本開示化合物に導くか、あるいはラセミ体の本開示化合物を光学分割することで製造することができる。
この光学分割は公知であり、例えば、他の光学活性な化合物と塩・錯体などを形成させ、再結晶を行った後、目的とする化合物を単離するか、あるいは直接キラルカラムなどを用いて分離する方法などが挙げられる。
【0080】
本明細書中の各反応において、加熱を伴う反応は、当業者にとって明らかなように、水浴、油浴、砂浴またはマイクロウェーブを用いて行なうことができる。
【0081】
本明細書中の各反応において、適宜、高分子ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール等)に担持させた固相担持試薬を用いてもよい。
【0082】
本明細書中の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換樹脂、スカベンジャー樹脂あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶などの方法により精製することができる。精製は反応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。
【0083】
[毒性]
本開示化合物の毒性は低いものであるため、医薬品として安全に使用することができる。
【0084】
[医薬品への適用]
本開示化合物は、ABHD6に対して阻害活性を有するため、ABHD6に関連する疾患、例えば、疼痛、神経疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、代謝疾患、悪性腫瘍などの予防および/または治療剤として有用である。
【0085】
より具体的には、疼痛として、例えば、変形性関節症に伴う疼痛、癌性疼痛、化学療法に伴う疼痛、慢性腰痛症、骨粗鬆症に伴う腰痛、骨折痛、関節リウマチに伴う痛み、神経障害性疼痛、帯状疱疹後疼痛、糖尿病性神経障害に伴う疼痛、線維筋痛症、膵炎に伴う疼痛、間質性膀胱炎・膀胱痛症候群に伴う疼痛、子宮内膜症に伴う痛み、過敏性腸症候群に伴う疼痛、片頭痛、歯髄炎に伴う痛みなどが挙げられる。
【0086】
神経疾患として、例えば、振戦、ジスキネジー、ジストニア、痙縮、強制的(compulsive)及び強迫(obsessive)行動、うつ病、不安障害を含む精神障害(例えばパニック障害、急性ストレス反応、外傷後ストレス障害、強迫性障害、広場恐怖症、社会恐怖症)、気分障害、てんかん、外傷性脳損傷、脊髄損傷、多発性硬化症、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、睡眠障害などが挙げられる。
【0087】
炎症性疾患として、例えば、関節炎、関節リウマチ、変形性関節症、脊椎炎、痛風、血管炎、クローン病、過敏性腸症候群などが挙げられる。
【0088】
自己免疫疾患として、例えば、乾癬、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、AIDSなどが挙げられる。
【0089】
代謝疾患として、例えば、肥満症、メタボリックシンドローム、脂質異常症、糖尿病、脂肪肝などが挙げられる。
【0090】
悪性腫瘍として、例えば、乳がん、卵巣がん、大腸がん(例えば、結腸がんなど)、肺がん(例えば、非小細胞肺がんなど)、前立腺がん、頭頸部がん(例えば、口腔扁平上皮がん、頭頸部扁平上皮がん、咽頭がん、喉頭がん、舌がん、甲状腺がん、聴神経鞘腫など)、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫など)、ぶどう膜悪性黒色腫、胸腺腫、中皮腫、食道がん、胃がん、十二指腸がん、肝細胞がん、胆管がん、胆のうがん、膵臓がん、腎細胞がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、陰茎がん、精巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、皮膚がん(例えば、悪性黒色腫など)、悪性骨腫瘍、軟部肉腫、軟骨肉腫、白血病(例えば、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病など)、骨髄異形成症候群、脳腫瘍または多発性骨髄腫などが挙げられる。
【0091】
本明細書において悪性腫瘍の予防および/または治療には、例えば、(a)がん細胞の増殖を減少させるため、(b)がんに起因する症状を低減させるため、がん患者の生活の質を向上させるため、(c)既に投与されている他の抗がん剤またはがん治療補助薬の用量を低減させるため、(d)がんの進行を抑制させるため、(e)がんの再発を抑制させるため、および/または(f)がん患者の生存期間を延長させるために行われる治療を含む。また、「がんの進行を抑制」とは、がんの進行を遅延、がんに関連する症状を安定化および症状の進行を後退させることを意味する。「再発を抑制」とは、がん治療あるいは癌外科的切除術によってがん病変が完全にもしくは実質的に消滅または取り除かれた患者におけるがん再発を予防的に抑止することを意味する。
【0092】
本開示化合物を上記の疾患の予防および/または治療の目的に用いるには、有効成分である当該物質を、通常、各種の添加剤または溶媒などの薬学的に許容される担体とともに製剤化したうえで、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。ここで、薬学的に許容される担体とは、一般的に医薬品の製剤に用いられる、有効成分以外の物質を意味する。薬学的に許容される担体は、その製剤の投与量において薬理作用を示さず、無害で、有効成分の治療効果を妨げないものが好ましい。また、薬学的に許容される担体は、有効成分および製剤の有用性を高める、製剤化を容易にする、品質の安定化を図る、または使用性を向上させるなどの目的で用いることもできる。具体的には、薬事日報社2000年刊「医薬品添加物事典」(日本医薬品添加剤協会編集)などに記載されているような物質を、適宜目的に応じて選択すればよい。
【0093】
本開示化合物は、薬学的有効量で哺乳動物(好ましくはヒト、より好ましくはヒト患者)へ投与される。
【0094】
本開示化合物の投与量は年令、体重、症状、望まれる治療効果、投与の経路、治療の期間等に依存するため、必然的に変動が生じる。一般的に、患者一人当たり、一回につき、0.1ngから1000mgの範囲で経口投与されるか、または患者一人当たり、一回につき、0.01ngから100mgの範囲で非経口投与されるか、または静脈内に持続投与される。
【0095】
もちろん前記したように、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合もある。
【0096】
投与に用いられる剤型としては、例えば、経口投与用製剤(例:錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤など)、口腔用製剤(例:口腔用錠剤、口腔用スプレー剤、口腔用半固形剤、含嗽剤など)、注射用製剤(例:注射剤など)、透析用製剤(例:透析用剤など)、吸入用製剤(例:吸入剤など)、眼科用製剤(例:点眼剤、眼軟膏剤など)、耳科用製剤(例:点耳剤など)、鼻科用製剤(例:点鼻剤など)、直腸用製剤(例:坐剤、直腸用半固形剤、腸注剤など)、腟用製剤(例:腟錠、腟用坐剤など)、および皮膚用製剤(例:外用固形剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤など)などが挙げられる。
【0097】
[経口投与用製剤]
経口投与用製剤には、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤等が含まれる。また、経口投与用製剤には、製剤からの有効成分の放出性を特に調節していない速崩性製剤と、固有の製剤設計および製法により放出性を目的にあわせて調節した、例えば、腸溶性製剤や徐放性製剤等の放出調節製剤がある。腸溶性製剤は、有効成分の胃内での分解を防ぐ、または有効成分の胃に対する刺激作用を低減させる等の目的で、有効成分を胃内で放出せず、主として小腸内で放出するよう設計された製剤をいい、通常、酸不溶性の腸溶性基剤を用いて皮膜を施すことにより製造することができる。徐放性製剤は、投与回数の減少または副作用の低減を図る等の目的で、製剤からの有効成分の放出速度、放出時間、放出部位を調節した製剤をいい、通常、適切な徐放化剤を用いることにより製造することができる。経口投与用製剤のうち、カプセル剤、顆粒剤、錠剤等では、服用を容易にする、または有効成分の分解を防ぐ等の目的で、糖類または糖アルコール類、高分子化合物等適切なコーティング剤で剤皮を施すこともできる。
【0098】
(1)錠剤
錠剤は、経口的に投与される一定の形状を有する固形の製剤であり、素錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、多層錠、有核錠等の一般的に錠剤と称されるもののほか、口腔内速崩錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠等が含まれる。素錠を製造する際には、通常、下記の(a)、(b)、または(c)の手法:
(a)有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤等の添加剤を加えて混和して均質とし、水または結合剤を含む溶液を用いて適切な方法で粒状とした後、滑沢剤等を加えて混和し、圧縮成形する;
(b)有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤等の添加剤を加えて混和して均質としたものを、直接圧縮成形するか、または予め添加剤で製した顆粒に有効成分および滑沢剤等を加えて混和して均質とした後、圧縮成形する;
(c)有効成分に賦形剤、結合剤等の添加剤を加えて混和して均質とし、溶媒で湿潤させた練合物を一定の型に流し込んで成形した後、適切な方法で乾燥する;
が用いられる。フィルムコーティング錠は、通常、素錠に高分子化合物等の適切なコーティング剤で薄く剤皮を施すことにより製造することができる。糖衣錠は、通常、素錠に糖類または糖アルコールを含むコーティング剤で剤皮を施すことにより製造することができる。多層錠は、適切な方法により、組成の異なる粉粒体を層状に積み重ね、圧縮成形することにより製造することができる。有核錠は、内核錠を組成の異なる外層で覆うことにより製造することができる。また、錠剤は、公知の適切な手法を用いて腸溶錠または徐放錠とすることもできる。口腔内速崩錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、および溶解錠は、添加剤の適切な選択により錠剤に独特の機能を付与したものであり、前記錠剤の製造手法に準じて製造することができる。なお、口腔内速崩錠とは、口腔内で速やかに溶解または崩壊させて服用できる錠剤を;チュアブル錠とは、咀嚼して服用する錠剤を;発泡錠とは、水中で急速に発泡しながら溶解または分散する錠剤を;分散錠とは、水に分散して服用する錠剤を;溶解錠とは、水に溶解して服用する錠剤をいう。発泡錠は、適切な酸性物質、炭酸塩、炭酸水素塩等を添加剤に用いることにより製造することができる。
【0099】
(2)カプセル剤
カプセル剤は、カプセルに充填またはカプセル基剤で被包成形した製剤であり、硬カプセル剤、軟カプセル剤等が含まれる。硬カプセル剤は、有効成分に賦形剤等の添加剤を加えて混和して均質としたもの、または適切な方法で粒状もしくは成形物としたものを、カプセルにそのまま、または軽く成形して充填することにより製造することができる。軟カプセル剤は、有効成分に添加剤を加えたものを、グリセリン、D-ソルビトール等を加えて塑性を増したゼラチン等の適切なカプセル基剤で、一定の形状に被包成形することにより製造することができる。カプセル剤は、公知の適切な手法を用いて腸溶性カプセル剤または徐放性カプセル剤とすることもでき、また、カプセル基剤に着色剤または保存剤等を加えることもできる。
【0100】
(3)顆粒剤
顆粒剤は、粒状に造粒した製剤であり、一般的に顆粒剤と称されるもののほか、発泡性顆粒剤等も含まれる。顆粒剤を製造する際には、通常、下記の(a)、(b)、または(c)の手法:
(a)粉末状の有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤、またはその他の添加剤を加えて混和して均質にした後、適切な方法により粒状とする;
(b)予め粒状に製した有効成分に賦形剤等の添加剤を加えて混和し、均質とする;
(c)予め粒状に製した有効成分に賦形剤等の添加剤を加えて混和し、適切な方法により粒状とする;
が用いられる。顆粒剤には、必要に応じて剤皮を施すこともでき、また、公知の適切な手法を用いて腸溶性顆粒剤または徐放性顆粒剤とすることもできる。発泡顆粒剤は、適切な酸性物質、炭酸塩、炭酸水素塩等を添加剤に用いることにより製造することができる。なお、発泡顆粒剤とは、水中で急速に発泡しながら溶解または分散する顆粒剤をいう。顆粒剤は、粒子の大きさを調節することにより、細粒剤とすることもできる。
【0101】
(4)散剤
散剤は、粉末状の製剤であり、通常、有効成分に賦形剤またはその他の添加剤を加えて混和し、均質とすることにより製造することができる。
【0102】
(5)経口液剤
経口液剤は、液状または流動性のある粘稠なゲル状の製剤であり、一般的に経口液剤と称されるもののほか、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤等が含まれる。経口液剤は、通常、有効成分に添加剤および精製水を加え、混和して均質に溶解、または乳化もしくは懸濁し、必要に応じて濾過することにより製造することができる。エリキシル剤とは、甘味および芳香のあるエタノールを含む澄明な液状の経口液剤をいい、通常、固形の有効成分またはその浸出液に、エタノール、精製水、着香剤、および白糖、その他の糖類、または甘味剤を加えて溶かし、濾過またはその他の方法によって澄明な液とすることにより製造することができる。懸濁剤とは、有効成分を微細均質に懸濁した経口液剤をいい、通常、固形の有効成分に懸濁化剤またはその他の添加剤と精製水または油を加え、適切な方法で懸濁し、全体を均質とすることにより製造することができる。乳剤とは、有効成分を微細均質に乳化した経口液剤をいい、通常、液状の有効成分に乳化剤と精製水を加え、適切な方法で乳化し、全体を均質とすることにより製造することができる。なお、リモナーデ剤とは、甘味および酸味のある澄明な液状の経口液剤をいう。
【0103】
(6)シロップ剤
シロップ剤は、糖類または甘味剤を含む粘稠性のある液状または固形の製剤であり、シロップ用剤等が含まれる。シロップ剤は、通常、白糖、その他の糖類、もしくは甘味剤の溶液、または単シロップに有効成分を加えて溶解、混和、懸濁、または乳化し、必要に応じて混液を煮沸した後、熱時濾過することにより製造することができる。シロップ用剤とは、水を加えるとシロップ剤となる顆粒状または粉末状の製剤をいい、ドライシロップ剤とも称されることがある。シロップ用剤は、通常、糖類または甘味剤を添加剤として用いて、前記顆粒剤または散剤の製造手法に準じて製造することができる。
【0104】
(7)経口ゼリー剤
経口ゼリー剤は、流動性のない成形したゲル状の製剤であり、通常、有効成分に添加剤および高分子ゲル基剤を加えて混和し、適切な方法でゲル化させ一定の形状に成形することにより製造することができる。
【0105】
[注射用製剤]
(1)注射剤
注射剤は、皮下、筋肉内、または血管等の体内組織や器官に直接投与する、溶液、懸濁液、もしくは乳濁液、または用時溶解もしくは用時懸濁して用いる固形の無菌製剤であり、一般的に注射剤と称されるもののほか、凍結乾燥注射剤、粉末注射剤、充填済みシリンジ剤、カートリッジ剤、輸液剤、埋め込み注射剤、および持続性注射剤等が含まれる。注射剤を製造する際には、通常、下記の(a)または(b)の手法:
(a)有効成分をそのまま、または有効成分に添加剤を加えたものを注射用水、他の水性溶剤、または非水性溶剤等に溶解、懸濁、もしくは乳化して均質としたものを注射剤用の容器に充填して密封し、滅菌する;
(b)有効成分をそのまま、または有効成分に添加剤を加えたものを注射用水、他の水性溶剤、または非水性溶剤等に溶解、懸濁、もしくは乳化して均質としたものを無菌濾過するか、無菌的に調製して均質としたものを注射剤用の容器に充填して密封する;
が用いられる。凍結乾燥注射剤は、通常、有効成分をそのまま、または有効成分および賦形剤等の添加剤を注射用水に溶解し、無菌濾過し、注射剤用の容器に充填した後に凍結乾燥するか、または専用容器で凍結乾燥した後に直接の容器に充填することにより製造することができる。粉末注射剤は、通常、無菌濾過により処理した後、晶析により得た粉末またはその粉末に滅菌処理した添加剤を加えて注射剤用の容器に充填することにより製造することができる。充填済みシリンジ剤は、通常、有効成分をそのまま、または有効成分および添加剤を用いて溶液、懸濁液、または乳濁液を調製して注射筒に充填することにより製造することができる。カートリッジ剤とは、薬液が充填されたカートリッジを専用の注射器に入れて用いる注射剤をいい、薬液が充填されたカートリッジは、通常、有効成分をそのまま、または有効成分および添加剤を用いて溶液、懸濁液、または乳濁液を調製してカートリッジに充填することにより製造することができる。輸液剤とは、静脈内に投与される通常100mL以上の注射剤をいう。埋め込み注射剤とは、長期にわたる有効成分の放出を目的として、皮下、筋肉内等に埋め込み用の器具を用いて、または手術により適用する固形またはゲル状の注射をいう。埋め込み注射剤は、通常、生分解性高分子化合物を用い、ペレット、マイクロスフェア、またはゲル状にすることにより製造することができる。持続性注射剤とは、長期にわたる有効成分の放出を目的として、筋肉内等に適用する注射剤をいい、通常、有効成分を植物油等に溶解もしくは懸濁するか、または生分解性高分子化合物を用いたマイクロスフェアの懸濁液とすることにより製造することができる。
【0106】
本開示化合物は、
1)その化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、
2)その化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または
3)その化合物の副作用の軽減
のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
【0107】
本開示化合物と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本開示化合物を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本開示化合物を後に投与してもよい。それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
【0108】
上記併用剤により、予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、本開示化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
【0109】
本開示化合物の疼痛に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬、オピオイド薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、N-メチル-D-アスパラギン酸拮抗薬、筋弛緩薬、抗不整脈薬、ステロイド薬、およびビスホスホネート薬などが挙げられる。
非ステロイド系抗炎症薬としては、例えば、サザピリン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、アスピリン・ダイアルミネート配合などのアスピリン製剤、ジフルニサル、インドメタシン、スプロフェン、ウフェナマート、ジメチルイソプロピルアズレン、ブフェキサマク、フェルビナク、ジクロフェナク、トルメチンナトリウム、クリノリル、フェンブフェン、ナプメトン、プログルメタシン、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、マレイン酸プログルメタシン、アンフェナクナトリウム、モフェゾラク、エトドラク、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、ケトプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、チアプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、アルミノプロフェン、ザルトプロフェン、メフェナム酸、メフェナム酸アルミニウム、トルフェナム酸、フロクタフェニン、ケトフェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、ナパゲルン軟膏、エピリゾール、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、エモルファゾン、スルピリン、ミグレニン、サリドン、セデスG、アミピロ-N、ソルボン、ピリン系感冒薬、アセトアミノフェン、フェナセチン、メシル酸ジメトチアジン、メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、シメトリド配合剤、および非ピリン系感冒薬などが挙げられる。
オピオイド薬としては、例えば、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メサドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、プロポキシフェン、およびトラマドールなどが挙げられる。
抗うつ薬としては、例えば三環系抗うつ薬(例えば、塩酸アミトリプチリン、塩酸イミプラミン、塩酸クロミプラミン、塩酸ドスレピン、塩酸ノルトリプチリン、塩酸ロフェプラミン、マレイン酸トリミプラミン、アモキサピンなど)、四環系抗うつ薬(例えば、塩酸マプロチリン、塩酸ミアンセリン、マレイン酸セチプチリンなど)、モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害薬(塩酸サフラジン)、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)(例えば、塩酸ミルナシプラン、塩酸ベンラファキシンなど)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)(例えば、マレイン酸フルボキサミン、塩酸パロキセチン、塩酸フルオキセチン、塩酸シタロプラムなど)、およびセロトニン再取り込み阻害薬(例えば、塩酸トラゾドンなど)などが挙げられる。
抗てんかん薬としては、例えば、フェノバールビタール、プリドミン、フェニトイン、エトサクシミド、ゾニサミド、ニトラゼパム、クロナゼバム、カルバマゼピン、バルプロ酸ナトリウム、アセタゾラミド、およびスルチアムなどが挙げられる。
N-メチル-D-アスパラギン酸拮抗薬としては、例えば、塩酸ケタミン、塩酸アマンダジン、塩酸メマンチン、デキストロメトルファン、メサドンなどが挙げられる。
筋弛緩薬としては、例えば、スクシニルコリン、スキサメトニウム、臭化ベクロニウム、臭化バンクロニウム、およびダントロレンナトリウムなどが挙げられる。
抗不整脈薬としては、例えば、プロカインアミド、ジソピラミド、シベンゾリン、ピルメノール、リドカイン、メキシレチン、アプリンジン、ピルジカイニド、フレカイニド、プロパフェノン、プロプラノロール、アテノロール、ビソプロロール、アミオダロン、ソタロール、ベラパミル、ジルチアゼム、およびベプリジルなどが挙げられる。
ステロイド薬としては、例えば、外用薬として、プロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾン、フルオシノニド、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジフルプレドナート、プデソニド、吉草酸ジフルコルトロン、アムシノニド、ハルシノニド、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプロドン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンアセトニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、プロピオン酸アルクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、プレドニゾロン、プロピオン酸ペクロメタゾン、およびフルドロキシコルチドなどが挙げられる。
内服薬または注射薬としては、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、酢酸フルドロコルチゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、ブチル酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、酢酸ハロプレドン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロン、酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメサゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、パルミチン酸デキサメタゾン、酢酸パラメサゾン、およびベタメタゾンなどが挙げられる。
吸入薬としては、プロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、フルニソリド、トリアムシノロン、ST-126P、シクレソニド、デキサメタゾンパロミチオネート、モメタゾンフランカルボネート、プラステロンスルホネート、デフラザコート、メチルプレドニゾロンスレプタネート、およびメチルプレドニゾロンナトリウムスクシネートなどが挙げられる。
ビスホスホネート薬としては、例えば、エチドロネート、バミドロネート、アレンドロネート、リセドロネート、ゾレドロネート、およびミノドロネートなどが挙げられる。
他の薬剤は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。
【0110】
また、本開示化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
【0111】
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的、科学的用語、および略語は、本発明の分野に属する当業者によって普通に理解されるものと同様の意味を有する。
【0112】
また、本明細書において、明示的に引用される全ての特許文献および非特許文献もしくは参考文献の内容は、全て本明細書の一部としてここに引用し得る。
【0113】
本開示は、一態様において、下記の実施態様を提供する。
〔1〕一般式(I-A):
【化17】
(式中、
、Xはそれぞれ独立して、(1)CH、(2)CR、または(3)Nを表し、ただし、XおよびXのうち少なくとも1つはNを表し、
は、ハロゲン原子を表し、
は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6ハロアルキル基、(7)C2-6ハロアルケニル基、(8)C2-6ハロアルキニル基、(9)C1-6ハロアルコキシ基、または(10)シアノ基を表し、
は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6ハロアルキル基、(7)C2-6ハロアルケニル基、(8)C2-6ハロアルキニル基、(9)C1-6ハロアルコキシ基、または(10)シアノ基を表し、
mが2以上のとき、複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
は、(1)水素原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C1-6ハロアルキル基、(4)3-10員環状基、(5)-(C1-6アルキレン)-(3-10員環状基)、(6)-(C1-6ハロアルキレン)-(3-10員環状基)を表し、該C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C1-6アルキレンおよびC1-6ハロアルキレン中の1~2個の炭素原子は、酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子で置き換わっていてもよく、
中の3-10員環状基は1~5個のR301で置換されていてもよく、
301は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C1-4ハロアルキル基、(5)C1-4ハロアルコキシ基、(6)COOR302 (7)CONR303304、(8)C3-6シクロアルキル基、(9)水酸基、(10)ニトロ基、(11)シアノ基、(12)-NR305306、(13)-SR307、(14)-SOR308、(15)-SO309、または(16)オキソ基を表し、
301が2個以上置換するとき、複数のR301は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
302、R303、R304、R305、R306、R307、R308、またはR309は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1-4アルキル基を表し、
がR中の(2)~(9)を表し、RがC1-6アルキル基を表すとき、RおよびRが結合する原子と一緒になって5-6員環状基を形成してもよく、
は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6ハロアルキル基、(7)C2-6ハロアルケニル基、(8)C2-6ハロアルキニル基、または(9)C1-6ハロアルコキシ基を表し、
nが2以上のとき、複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
同一炭素原子上に存在する二つのRがC1-6アルキル基を表すとき、結合する炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル基を形成してもよく、
ring1は、3-15員環状基を表し、
5-Aは、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6アルキルチオ基、(7)C1-6アルキルスルフィニル基、(8)C1-6アルキルスルホニル基、(9)C2-6アシル基、(10)3-6員環状基、(11)-LR5-(3-6員環状基)、(12)水酸基、(13)ニトロ基、(14)シアノ基、(15)オキソ基、(16)-NR501502、(17)-COOR503、(18)-CONR504505、または(19)-SONR506507を表し、該C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルスルフィニル基、C1-6アルキルスルホニル基、C2-6アシル基中の1~2個の炭素原子は、酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子で置き換わっていてもよく、
pが2以上のとき、複数のR5-Aは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
5-Aのうち(2)~(11)の基は、1~9個のR508で置換されていてもよく、
508は、(1)ハロゲン原子(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C2-6アシル基、(5)C3-6シクロアルキル基、(6)水酸基、または(7)-NR509510を表し、
508が2個以上置換するとき、複数のR508は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R5は(1)-O-、(2)-(C1-4アルキレン)-、(3)-O-(C1-4アルキレン)-、(4)-(C1-4アルキレン)-O-、(5)-NR511-、(6)-SO0-2-、を表し、
501、R502、R503、R504、R505、R506、R507、R509、R510、またはR511は、それぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アシル基、または(4)C1-6アルキルスルホニル基を表し、
mは0~2の整数を表し、
nは0~5の整数を表し、
pは0~5の整数を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔2〕一般式(I):
【化18】
(式中、
、Xはそれぞれ独立して、(1)CH、(2)CR、または(3)Nを表し、ただし、XおよびXのうち少なくとも1つはNを表し、
は、ハロゲン原子を表し、
は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6ハロアルキル基、(7)C2-6ハロアルケニル基、(8)C2-6ハロアルキニル基、(9)C1-6ハロアルコキシ基、または(10)シアノ基を表し、
は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6ハロアルキル基、(7)C2-6ハロアルケニル基、(8)C2-6ハロアルキニル基、(9)C1-6ハロアルコキシ基、または(10)シアノ基を表し、
mが2以上のとき、複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
は、(1)水素原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C1-6ハロアルキル基、(4)3-10員環状基、(5)-(C1-6アルキレン)-(3-10員環状基)、(6)-(C1-6ハロアルキレン)-(3-10員環状基)を表し、該C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C1-6アルキレンおよびC1-6ハロアルキレン中の1~2個の炭素原子は、酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子で置き換わっていてもよく、
中の3-10員環状基は1~5個のR301で置換されていてもよく、
301は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C1-4ハロアルキル基、(5)C1-4ハロアルコキシ基、(6)COOR302 (7)CONR303304、(8)C3-6シクロアルキル基、(9)水酸基、(10)ニトロ基、(11)シアノ基、(12)-NR305306、(13)-SR307、(14)-SOR308、(15)-SO309、または(16)オキソ基を表し、
301が2個以上置換するとき、複数のR301は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
302、R303、R304、R305、R306、R307、R308、またはR309は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1-4アルキル基を表し、
がR中の(2)~(9)を表し、RがC1-6アルキル基を表すとき、RおよびRが結合する原子と一緒になって5-6員環状基を形成してもよく、
は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6ハロアルキル基、(7)C2-6ハロアルケニル基、(8)C2-6ハロアルキニル基、または(9)C1-6ハロアルコキシ基を表し、
nが2以上のとき、複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
同一炭素原子上に存在する二つのRがC1-6アルキル基を表すとき、結合する炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル基を形成してもよく、
ring1は、3-15員環状基を表し、
は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C1-6アルキルチオ基、(7)C1-6アルキルスルフィニル基、(8)C1-6アルキルスルホニル基、(9)C2-6アシル基、(10)3-6員環状基、(11)-LR5-(3-6員環状基)、(12)水酸基、(13)ニトロ基、(14)シアノ基、(15)オキソ基、(16)-NR501502、(17)-COOR503、(18)-CONR504505、または(19)-SONR506507を表し、
pが2以上のとき、複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
のうち(2)~(11)の基は、1~9個のR508で置換されていてもよく、
508は、(1)ハロゲン原子(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C2-6アシル基、(5)C3-6シクロアルキル基、(6)水酸基、または(7)-NR509510を表し、
508が2個以上置換するとき、複数のR508は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R5は(1)-O-、(2)-(C1-4アルキレン)-、(3)-O-(C1-4アルキレン)-、(4)-(C1-4アルキレン)-O-、(5)-NR511-、(6)-SO0-2-、を表し、
501、R502、R503、R504、R505、R506、R507、R509、R510、またはR511は、それぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アシル基、または(4)C1-6アルキルスルホニル基を表し、
mは0~2の整数を表し、
nは0~5の整数を表し、
pは0~5の整数を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔3〕ring1が3-10員環状基または
【化19】
(式中、*印はカルボニル基との結合位置を表す。)である、前記〔1〕または〔2〕に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔4〕ring1が下記の環構造;
【化20】
(式中、*印はカルボニル基との結合位置を表し、NHで表された水素原子はR5-Aで置き換わっていてもよい。)からなる群から選択される環構造である、前記〔1〕または〔3〕に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔5〕ring1が下記の環構造;
【化21】
(式中、*印はカルボニル基との結合位置を表し、NHで表された水素原子はRで置き換わっていてもよい。)からなる群から選択される環構造である、前記〔2〕または〔3〕に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔6〕ring1が下記の環構造;
【化22】
(式中、*印はカルボニル基との結合位置を表し、NHで表された水素原子はR5-AまたはRで置き換わっていてもよい。)からなる群から選択される環構造である、前記〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔7〕R5-AまたはRが、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C1-6アルコキシ基、(4)C1-6ハロアルキル基、(5)C1-6ハロアルコキシ基、(6)3-6員環状基、(7)オキソ基、(8)-NR501502、または(9)-COOR503である、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔8〕R5-AまたはRが、(1)C1-6アルキル基、(2)C1-6アルコキシ基、(3)C1-6ハロアルキル基、(4)C1-6ハロアルコキシ基、(5)シクロプロピル基、(6)フラン環、(7)N-メチルピラゾール環、(8)オキソ基、(9)ジメチルアミノ基、または(10)-COOCHである、前記〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔9〕Rが、(1)水素原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C1-6ハロアルキル基、(4)3-10員環状基、または(5)-CH-(3-10員環状基)である、前記〔1〕~〔8〕のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔10〕Rが、(1)水素原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C1-6ハロアルキル基、(4)シクロプロピル基、または(5)-CH-Qであり、
Qが(1)ベンゼン、(2)ピリジン、または(3)イミダゾ[2,1-b]チアゾールである、前記〔1〕~〔9〕のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔11〕X、XがいずれもNである、前記〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔12〕一般式(I-A)または一般式(I)で示される化合物が、一般式(I-1):
【化23】
(式中、R3-aは、(1)水素原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C1-6ハロアルキル基、(4)シクロプロピル基、または(5)-CH-Qを表し、
ring1-aは下記の環構造;
【化24】
(式中、*印はカルボニル基との結合位置を表し、NHで表された水素原子はR5-aで置き換わっていてもよい。)からなる群から選択される環構造を表し、
5-aは、(1)C1-6アルキル基、(2)C1-6アルコキシ基、(3)C1-6ハロアルキル基、(4)C1-6ハロアルコキシ基、(5)シクロプロピル基、(6)フラン環、(7)N-メチルピラゾール環、(8)オキソ基、(9)ジメチルアミノ基、または(10)-COOCHを表し、
その他の記号は前記〔1〕、〔2〕または〔10〕に記載の記号と同じ意味を表す。)である前記〔1〕~〔11〕のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔13〕ring1-aが下記の環構造;
【化25】
(式中、*印はカルボニル基との結合位置を表し、NHで表された水素原子はR5ーaで置き換わっていてもよい。)からなる群から選択される環構造である、前記〔12〕に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔14〕一般式(I-A)または一般式(I)で示される化合物が、
(1){(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}[5-(ジフルオロメチル)-2-チエニル]メタノン、
(2){(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}(5-メチル-2-チエニル)メタノン、
(3)[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン、
(4)[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン、
(5)[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン、
(6)[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](2-メチル-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-イル)メタノン、
(7)[(3aS,4R,6aR)-4-[ベンジル(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン、
(8)rel-6-クロロ-3-({(3aS,4R,6aR)-2-[(5-メチル-2-チエニル)カルボニル]オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-イル}アミノ)-4-ピリダジンカルボニトリル、
(9){(3aR,4R,6aS)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]-3a-フルオロヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン、および
(10)[(3aR,6R,6aS)-6-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]-4,4-ジフルオロヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノンからなる群から選択される化合物である、前記〔1〕または〔2〕に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔15〕一般式(I-A)または一般式(I)で示される化合物が、
(1)[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)(メチル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン、
(2)[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)(メチル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル]{5-[2-(2-フルオロエトキシ)エチル]-2-チエニル}メタノン、
(3)[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)(メチル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][5-(2-フルオロエトキシ)-2-チエニル]メタノン、および
(4)[(3aS,4R,6aR)-4-{(6-ブロモ-3-ピリダジニル)[2-(2-フルオロエトキシ)エチル]アミノ}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノンからなる群から選択される化合物である、前記〔1〕または〔2〕に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔16〕前記〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有し、さらに薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
〔17〕ABHD6阻害剤である、前記〔16〕に記載の医薬組成物。
〔18〕ABHD6に関連する疾患の治療および/または予防剤である、前記〔16〕または〔17〕に記載の医薬組成物。
〔19〕ABHD6に関連する疾患が、疼痛、神経疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、代謝疾患、または悪性腫瘍である、前記〔18〕に記載の医薬組成物。
〔20〕ABHD6に関連する疾患が疼痛であり、疼痛が、変形性関節症に伴う疼痛、癌性疼痛、化学療法に伴う疼痛、慢性腰痛症、骨粗鬆症に伴う腰痛、骨折痛、関節リウマチに伴う痛み、神経障害性疼痛、帯状疱疹後疼痛、糖尿病性神経障害に伴う疼痛、線維筋痛症、膵炎に伴う疼痛、間質性膀胱炎・膀胱痛症候群に伴う疼痛、子宮内膜症に伴う痛み、過敏性腸症候群に伴う疼痛、片頭痛、または歯髄炎に伴う痛みである、前記〔18〕または〔19〕に記載の医薬組成物。
〔21〕アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬、オピオイド薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、N-メチル-D-アスパラギン酸拮抗薬、筋弛緩薬、抗不整脈薬、ステロイド薬、およびビスホスホネート薬からなる群から選ばれる少なくとも1種以上と組み合わせて投与されることを特徴とする、前記〔16〕~〔20〕のいずれか一項に記載の医薬組成物。
〔22〕前記〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含有する、ABHD6に関連する疾患の治療および/または予防剤。
〔23〕前記〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、または前記〔16〕もしくは〔17〕に記載の医薬組成物を、ABHD6に関連する疾患の予防および/または治療を必要とする患者に投与することを特徴とする、ABHD6に関連する疾患の予防および/または治療方法。
〔24〕ABHD6に関連する疾患の予防および/または治療に使用される、前記〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔25〕ABHD6に関連する疾患の予防および/または治療剤を製造するための、前記〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用。
【0114】
[合成実施例]
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されるカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表す。
【0115】
NMRの箇所に示されているカッコ内の溶媒は、測定に使用した溶媒を示す。
【0116】
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、ACD/Name(登録商標)を用いるか、Chemdraw Ultra(バージョン12.0、Cambridge Soft社製)を用いるか、またはIUPAC命名法に準じて命名したものである。
【0117】
LC-MS/ELSDは、下記TFA条件またはギ酸条件で行った。
TFA条件;
カラム:YMC Triart C18(粒子径:1.9x10-6m;カラム長:30x2.0mm I.D.);流速:1.0mL/min;カラム温度:30℃;移動相(A):0.1%トリフルオロ酢酸水溶液;移動相(B):0.1%トリフルオロ酢酸-アセトニトリル溶液;グラジエント(移動相(A):移動相(B)の比率を記載):[0分]95:5;[0.1分]95:5;[1.2分]5:95;[1.6分]5:95;検出器:UV(PDA)、ELSD、MS。
ギ酸条件;
カラム:YMC Triart C18(粒子径:1.9x10-6m;カラム長:30x2.0mm I.D.);流速:1.0mL/min;カラム温度:30℃;移動相(A):0.1%ギ酸水溶液;移動相(B):0.1%ギ酸-アセトニトリル溶液;グラジエント(移動相(A):移動相(B)の比率を記載):[0分]95:5;[0.1分]95:5;[1.2分]5:95;[1.6分]5:95;検出器:UV(PDA)、ELSD、MS。
【0118】
HPLC保持時間は、別途記載がなければ前記LC-MS/ELSDに記載の条件での保持時間を示す。HPLC保持時間の箇所に示されているカッコ内の記載は、測定条件を示す。
【0119】
参考例1:2-ベンジルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4(1H)-オン
N-ベンジル-N-(メトキシメチル)-N-トリメチルシリルメチルアミン(CAS番号:93102-05-7、50g)のジクロロメタン溶液(600mL)に2-シクロペンテノン(CAS番号:930-30-3、17g)及びトリフルオロ酢酸(CAS番号:76-05-1、240mg)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液に、トリエチルアミン(430mg)を加え、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、表題化合物(30g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.65(TFA);
MS(ESI, Pos.):226(M+H)
【0120】
参考例2:(R)-N-((3aS,6aR,E)-2-ベンジルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4(1H)-イリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
参考例1で製造した化合物(20g)のTHF(300mL)溶液にチタン(IV)エトキシド(CAS番号:3037-36-3、46.6g)及び(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(CAS番号:196929-78-9、11.8g)を加え60℃で15時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びジクロロメタン中へゆっくり注ぎ、ろ過した。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(12.4g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.80(TFA);
MS(ESI, Pos.):319(M+H)
【0121】
参考例3:(3aS,6aR)-2-ベンジルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4(1H)-オン
参考例2で製造した化合物(20g)のTHF(60mL)溶液に2N塩酸(60mL)を加え室温で1時間撹拌した。反応液を2N水酸化ナトリウムで中和しジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0122】
参考例4:2-メチル-2-プロパニル (3aS,6aR)-4-オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシラート
参考例3で製造した化合物のTHF(60mL)溶液に二炭酸ジ-tert-ブチル(CAS番号:24424-99-5、9.4g)及び20%水酸化パラジウム(CAS番号:12135-22-7、700mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて15時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(7.0g)を得た。
H-NMR(CDOD):δ3.66-3.53, 3.14, 3.06-2.98, 2.76-2.71, 2.39-2.35, 2.21-2.12, 1.87 1.45。
【0123】
参考例5:2-メチル-2-プロパニル (3aS,4S,6aR)-4-ヒドロキシヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシラート
参考例4で製造した化合物(7.3g)のTHF(200mL)溶液に-78℃で1Mリチウム トリ-sec-ブチルボロヒドリド THF溶液(CAS番号:38721-52-7、49mL)を加え、-78℃で1時間撹拌した。反応液に0℃で35%過酸化水素水溶液をゆっくり発泡しなくなるまで加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(6.5g)を得た。
H-NMR(CDCl):δ4.30-4.25, 3.63-3.50, 3.38-3.30, 3.17-3.15, 2.67, 1.90-1.73, 1.73-1.54, 1.47。
【0124】
参考例6:2-メチル-2-プロパニル (3aS,4S,6aR)-4-{[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシラート
参考例5で製造した化合物(6.5g)のジクロロメタン(100mL)溶液にトリエチルアミン(12mL)、塩化p-トルエンスルホニル(CAS番号:98-59-9、8.2g)及びトリメチルアミン塩酸塩(CAS番号:75-50-3、820mg)を加え、室温で6時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(9.3g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.2(TFA);
MS(ESI, Pos.):382(M+H)
【0125】
参考例7:2-メチル-2-プロパニル (3aS,4R,6aR)-4-アジドヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシラート
参考例6で製造した化合物(9.3g)のジメチルスルホキシド(72mL)溶液にアジ化ナトリウム(CAS番号:26628-22-8、3.2g)を加え、60℃で6時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、精製せず次反応に用いた。
【0126】
参考例8:2-メチル-2-プロパニル (3aS,4R,6aR)-4-アミノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシラート
参考例7で製造した化合物(6.5g)のエタノール(240mL)溶液に20%水酸化パラジウム(930mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて15時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(4.5g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.77(TFA);
MS(ESI, Pos.):227(M+H)
【0127】
参考例9:2-メチル-2-プロパニル (3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシラート
参考例8で製造した化合物(1.5g)のN,N-ジメチルアセトアミド(以下、DMA)(25mL)溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(以下、DIPEA)(6.9mL)及び3,6-ジクロロピリダジン(CAS番号:141-30-0、1.5g)を加え、160℃で1時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(1.5g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.89(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):339(M+H)
【0128】
参考例10:(3aS,4R,6aR)-N-(6-クロロ-3-ピリダジニル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-アミン 二塩酸塩
参考例9で製造した化合物(1.2g)に4N塩酸(1、4-ジオキサン溶液、12mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮することで、表題化合物(1.0g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.59(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):239(M+H)
【0129】
参考例10-1:rel-(3aS,4R,6aR)-N-(6-クロロ-3-ピリダジニル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-アミン 二塩酸塩 ラセミ混合物
参考例3で製造した化合物の代わりに参考例1で製造した化合物を用いて、参考例4→参考例5→参考例6→参考例7→参考例8→参考例9→参考例10と同様の操作を行うことで表題化合物を得た。
【0130】
実施例1:{(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}[5-(ジフルオロメチル)-2-チエニル]メタノン
【化26】
参考例10で製造した化合物(30mg)のDMA(0.5mL)溶液にDIPEA(0.083mL)、5-(ジフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸(CAS番号:189330-23-2、19mg)及びO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(以下、HATU)(CAS番号:148893-10-1、38mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(32mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.88(TFA);
MS(ESI, Pos.):399(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.43, 7.18, 6.83, 6.63, 4.78-4.52, 4.12, 3.88, 3.67, 3.49, 2.99-2.80, 2.79-2.61, 2.36, 2.13, 1.69-1.57。
【0131】
実施例1-1~1-6
5-(ジフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸の代わりに対応するカルボン酸化合物を用い、参考例10で製造した化合物または参考例10で製造した化合物の代わりに参考例10-1で製造した化合物を用いて実施例1と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
【0132】
実施例1-1:rel-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}メタノン ラセミ混合物
【化27】
HPLC保持時間(分):1.10(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):400(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ8.23-8.14, 7.64-7.55, 7.42-7.30, 6.92, 4.44-4.27, 4.14-4.07, 4.24-4.03, 3.93-3.81, 3.78-3.66, 3.55-3.47, 3.35-3.24, 3.23-3.05, 3.00-2.70, 2.61-2.54, 2.26-2.16, 2.13-1.97, 1.66-1.49。
【0133】
実施例1-2:{(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}(5-メチル-2-チエニル)メタノン
【化28】
HPLC保持時間(分):0.85(TFA);
MS(ESI, Pos.):363(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.35-7.28, 7.16, 6.76-6.71, 6.65, 4.96, 4.14-3.96, 3.96-3.86, 3.82, 3.65, 2.88, 2.79-2.62, 2.50, 2.41-2.27, 2.18-2.04, 1.72-1.54。
【0134】
実施例1-3:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](チエノ[3,2-c]ピリジン-2-イル)メタノン
【化29】
HPLC保持時間(分):0.74(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):400(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ9.46-9.25, 8.63-8.43, 8.40-8.30, 8.29-8.14, 7.43-7.30, 6.97-6.83, 4.20-4.00, 3.99-3.65, 3.15-3.04, 3.04-2.79, 2.77-2.57, 2.27-2.15, 2.14-1.98, 1.70-1.58, 1.58-1.48。
【0135】
実施例1-4:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
【化30】
HPLC保持時間(分):0.83(TFA);
MS(ESI, Pos.):405(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.22-7.13, 6.66, 5.04, 4.76-4.65, 4.12, 3.98, 3.86, 3.64, 2.89, 2.70, 2.39-2.28, 2.17-2.07, 1.69-1.55。
【0136】
実施例1-5:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][4-(2-フリル)フェニル]メタノン
【化31】
HPLC保持時間(分):1.00(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):409(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ8.14-8.07, 8.07-7.93, 7.73-7.47, 7.43-7.22, 6.98-6.88, 6.88-6.78, 4.11-3.99, 3.99-3.88, 3.76-3.65, 3.10, 2.86-2.70, 2.21-2.09, 2.09-1.98, 1.98-1.84, 1.65-1.43, 1.43-1.29。
【0137】
実施例1-6:1-ベンゾフラン-2-イル[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル]メタノン
【化32】
HPLC保持時間(分):1.00(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):383(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.79-7.74, 7.71-7.65, 7.57-7.49, 7.49-7.43, 7.41-7.32, 7.31-7.25, 6.96-6.84, 4.14-4.01, 3.83-3.72, 3.34-3.25, 2.97-2.76, 2.73-2.66, 2.64-2.53, 2.25-2.15, 2.10-1.98, 1.65-1.57, 1.56-1.46。
【0138】
参考例11:2-メチル-2-プロパニル (3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシラート
参考例8で製造した化合物(4.0g)のDMA(25mL)溶液にDIPEA(18mL)及び3,6-ジブロモピリダジン(CAS番号:17973-86-3、6.3g)を加え、160℃で15時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(4.0g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.91(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):383(M+H)
【0139】
参考例12:(3aS,4R,6aR)-N-(6-ブロモ-3-ピリダジニル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-アミン 二塩酸塩
参考例11で製造した化合物(4.0g)に4N塩酸(1、4-ジオキサン溶液、12mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮することで、表題化合物(3.7g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.59(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):283(M+H)
【0140】
参考例12-1:rel-(3aS,4R,6aR)-N-(6-ブロモ-3-ピリダジニル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-アミン 二塩酸塩 ラセミ混合物
参考例3で製造した化合物の代わりに参考例1で製造した化合物を用いて、参考例4→参考例5→参考例6→参考例7→参考例8→参考例11→参考例12と同様の操作を行うことで表題化合物を得た。
【0141】
実施例2:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン
【化33】
参考例12で製造した化合物(3.0g)のDMA(20mL)溶液にDIPEA(2.9mL)、5-メチル-2-チオフェンカルボン酸(CAS番号:1918-79-2、6.6g)、及びHATU(3.8g)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(1.8g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.87(TFA);
MS(ESI, Pos.):407(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.33-7.27, 6.75-6.72, 6.54, 5.00, 4.15-3.99, 3.98-3.78, 3.66, 2.88, 2.68, 2.50, 2.39-2.29, 2.14-2.03, 1.68-1.59。
【0142】
実施例2-1~2-14
5-メチル-2-チオフェンカルボン酸の代わりに対応するカルボン酸化合物を用い、実施例2と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
【0143】
実施例2-1:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
【化34】
HPLC保持時間(分):0.93(TFA);
MS(ESI, Pos.):451(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.32-7.27, 7.17, 6.54, 4.77-4.63, 4.10, 4.04-3.93, 3.87, 3.65, 2.89, 2.69, 2.40-2.29, 2.17-2.07, 1.68-1.57。
【0144】
実施例2-2:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][5-(ジフルオロメチル)-2-チエニル]メタノン
【化35】
HPLC保持時間(分):1.00(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):443(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.63-7.56, 7.50-7.47, 7.46-7.43, 7.34-7.27, 7.32, 6.86-6.73, 4.11-3.87, 3.87-3.70, 3.71-3.54, 2.96-2.72, 2.71-2.56, 2.23-2.11, 2.09-1.95, 1.59, 1.51。
【0145】
実施例2-3:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)メタノン
【化36】
HPLC保持時間(分):0.96(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):408(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.77-7.68, 7.50-7.41, 7.41-7.28, 6.87-6.77, 4.29-3.93, 3.84-3.62, 3.18-3.04, 2.97-2.60, 2.24-2.11, 2.11-1.95, 1.66-1.54, 1.54-1.43。
【0146】
実施例2-4:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](チエノ[3,2-c]ピリジン-2-イル)メタノン
【化37】
HPLC保持時間(分):0.75(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):444(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ9.42-9.26, 8.60, 8.44-8.31, 8.31-8.17, 7.52-7.42, 7.42-7.31, 6.88-6.74, 4.17-4.00, 3.89-3.67, 3.14-3.06, 2.87, 2.28-2.14, 2.13-1.97, 1.70-1.45。
【0147】
実施例2-5:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-ピラノ[3,4-d][1,3]チアゾール-2-イル)メタノン
【化38】
HPLC保持時間(分):0.84(TFA);
MS(ESI, Pos.):452(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.31-7.27, 6.54, 4.85-4.78, 4.73, 4.34-4.27, 4.21, 4.15-3.97, 3.95-3.84, 3.78, 3.65, 2.97, 2.90-2.71, 2.69-2.59, 2.39-2.28, 2.18-2.01, 1.69-1.61。
【0148】
実施例2-6:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][2-(ジメチルアミノ)-1,3-チアゾール-5-イル]メタノン
【化39】
HPLC保持時間(分):0.74(TFA);
MS(ESI, Pos.):438(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.57, 7.26, 6.55, 4.92, 4.15-4.02, 3.98-3.89, 3.87, 3.78, 3.61, 3.15, 2.89, 2.69, 2.39-2.29, 2.17-2.07, 1.62-1.55。
【0149】
実施例2-7:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5,5-ジオキシド-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]チオピラン-2-イル)メタノン
【化40】
HPLC保持時間(分):0.88(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):497(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.46, 7.33, 6.82, 4.39, 4.11-3.99, 3.97-3.83, 3.81-3.65, 3.18-3.05, 2.99-2.72, 2.70-2.58, 2.24-2.09, 2.09-1.96, 1.58, 1.49。
【0150】
実施例2-8:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]チオピラン-2-イル)メタノン
【化41】
HPLC保持時間(分):1.00(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):465(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.46, 7.41-7.31, 6.86-6.77, 4.11-4.02, 4.02-3.86, 3.71, 3.69-3.58, 3.46, 3.15-3.05, 3.04-2.96, 2.94-2.88, 2.88-2.71, 2.25-2.12, 2.10-1.94, 1.68-1.54, 1.54-1.39。
【0151】
実施例2-9:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](1-メチル-1H-チエノ[2,3-c]ピラゾール-5-イル)メタノン
【化42】
HPLC保持時間(分):0.90(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):447(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.85, 7.69-7.57, 7.52-7.43, 7.43-7.28, 6.89-6.70, 4.12-4.00, 3.96, 3.92-3.67, 3.15-3.05, 2.96-2.75, 2.75-2.57, 2.26-2.11, 2.09-1.94, 1.66-1.55, 1.55-1.44。
【0152】
実施例2-10:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][2-(ジメチルアミノ)チエノ[2,3-d][1,3]チアゾール-5-イル]メタノン
【化43】
HPLC保持時間(分):0.88(TFA);
MS(ESI, Pos.):493(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.79, 7.44, 7.25, 6.79, 4.16-3.94, 3.86, 3.74, 3.56, 3.44-3.36, 3.31-3.23, 3.13, 2.87, 2.61, 2.19, 2.07-1.98, 1.63-1.47。
【0153】
実施例2-11:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](3-メチル-3H-チエノ[2,3-d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)メタノン
【化44】
HPLC保持時間(分):0.87(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):448(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.91, 7.46, 7.44-7.36, 6.84, 4.24, 4.14-3.98, 3.95-3.61, 3.00-2.79, 2.77-2.59, 2.27-2.16, 2.11-1.98, 1.65-1.57, 1.57-1.50。
【0154】
実施例2-12:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メトキシ-2-フリル)メタノン
【化45】
HPLC保持時間(分):0.80(TFA);
MS(ESI, Pos.):407(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.31-7.27, 7.05, 6.54, 5.31, 4.81-4.66, 4.12, 3.92, 3.94-3.77, 3.76-3.58, 2.95-2.76, 2.72-2.52, 2.34, 2.05, 1.66-1.56。
【0155】
実施例2-13:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](1,3-ジメチル-1H-チエノ[2,3-c]ピラゾール-5-イル)メタノン
【化46】
HPLC保持時間(分):0.93(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):461(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.62, 7.51-7.44, 7.45-7.36, 6.88-6.79, 4.13-4.04, 3.85, 4.01-3.66, 3.36-3.24, 2.95-2.80, 2.71-2.58, 2.37, 2.26-2.15, 2.11-2.00, 1.64-1.57, 1.56-1.48。
【0156】
実施例2-14:ビシクロ[2.2.2]オクト-2-イル[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル]メタノン
【化47】
HPLC保持時間(分):1.10(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):419(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.51-7.39, 7.38-7.25, 6.85-6.74, 4.07-3.85, 3.73-3.51, 3.29-3.16, 2.87-2.59, 2.18-1.82, 1.72-1.14。
【0157】
参考例13:メチル 5-[(1E)-3-エトキシ-3-オキソ-1-プロペン-1-イル]-4-ニトロ-2-チオフェンカルボキシラート
メチル 5-ブロモ-4-ニトロチオフェン-2-カルボキシラート(CAS番号:38239-32-6、120mg)の1,2-ジメトキシエタン(3mL)溶液にDIPEA(0.083mL)及びリン酸三カリウム(CAS番号:7778-53-2、1730mg)、(E)-エチル 3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アクリラート(CAS番号:1009307-13-4、300mg)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(CAS番号:13965-03-2、63mg)を加え、55℃で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(97mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.20(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):286(M+H)
【0158】
参考例14:メチル 4-アミノ-5-(3-エトキシ-3-オキソプロピル)-2-チオフェンカルボキシラート
参考例13で製造した化合物(50mg)のメタノール(2mL)溶液に20%水酸化パラジウム(100mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて1時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(30mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.80(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):258(M+H)
【0159】
参考例15:メチル 5-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキシラート
参考例14で製造した化合物(20mg)のメタノール(1mL)溶液にp-トルエンスルホン酸一水和物(CAS番号:6192-52-5、1.5mg)を加え、60℃で15時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(5mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.81(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):212(M+H)
【0160】
参考例16:メチル 4-メチル-5-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキシラート
参考例15で製造した化合物(5mg)のDMF(0.25mL)溶液に水素化ナトリウム(CAS番号:7646-69-7、2.9mg)、ヨードメタン(CAS番号:74-88-4、22mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(7mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.88(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):225(M+H)
【0161】
参考例17:4-メチル-5-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸
参考例16で製造した化合物(7mg)のメタノール(1mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加え、析出物をろ取し、表題化合物(5.0mg)を得た。
【0162】
参考例18:5-クロロ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-カルボアルデヒド
塩化ホスホリル(CAS番号:10025-87-3、1400mg)のジクロロメタン(5mL)溶液にDMF(0.70mL)を0℃で加え、0℃で1時間撹拌した。混合液にジヒドロ-2H-ピラン-3(4H)-オン(CAS番号:23462-75-1、900mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0163】
参考例19:メチル [(6-ホルミル-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-5-イル)チオ]アセタート
参考例18で製造した化合物のジクロロエタン(20mL)溶液にトリエチルアミン(2.5mL)及びチオグリコール酸メチル(CAS番号:2365-48-2、1100mg)を加え、70℃で15時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(300mg)を得た。
【0164】
参考例20:メチル 6,7-ジヒドロ-5H-チエノ[3,2-b]ピラン-2-カルボキシラート
参考例19で製造した化合物のメタノール(10mL)溶液に28%ナトリウムメトキシド(CAS番号:124-41-4、0.85mL)を加え、70℃で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、2N塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(220mg)を得た。
【0165】
参考例21:6,7-ジヒドロ-5H-チエノ[3,2-b]ピラン-2-カルボン酸
参考例20で製造した化合物(20mg)のメタノール(1mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
HPLC保持時間(分):1.00(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):449(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.55-7.43, 7.10, 6.89-6.60, 4.67-4.62, 4.17-4.07, 4.05-3.87, 3.73, 3.67, 3.42-3.40, 3.37-3.33, 3.30, 3.22-3.04, 2.79-2.70, 2.58-2.53, 2.17, 2.09-1.85, 1.71-1.37。
【0166】
参考例22:ジメチル 6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2,5(4H)-ジカルボキシラート
メチル 4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシラート(CAS番号:221316-61-6、50mg)のジクロロメタン(1mL)溶液にトリエチルアミン(0.11mL)、クロロギ酸メチル(CAS番号:79-22-1、72mg)を0℃で加え、室温で15時間撹拌した。反応液に2N塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0167】
参考例23:5-(メトキシカルボニル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸
参考例22で製造した化合物(20mg)のメタノール(1mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0168】
参考例24:4,4-ジメチル-6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピラン
2-(2-チエニル)エタノール(CAS番号:160774-13-8、400mg)のトルエン(4mL)溶液に2,2-ジメトキシプロパン(CAS番号:77-76-9、0.38mL)及びトリフルオロメタンスルホン酸鉄(III)(CAS番号:63295-48-7、15.7mg)を加え、70℃で17時間撹拌した。反応液にトリエチルアミン(0.22mL)を加え、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、表題化合物(284mg)を得た。
TLC:Rf 0.50(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:9);
HPLC保持時間(分):1.07(TFA);
MS(ESI, Pos.):169(M+H)
【0169】
参考例25:4,4-ジメチル-6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピラン-2-カルボン酸
参考例24で製造した化合物(284mg)のTHF(10mL)溶液に-78℃で1.6M n-ブチルリチウム溶液 ヘキサン溶液(CAS番号:109-72-8、1.2mL)を加え、-78℃で2時間撹拌した。その後、反応液にドライアイス(1g)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に水および1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、水層をメチルtert-ブチルエーテルで洗浄した。水層に1N塩酸水溶液を加え水層のpHを1とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、表題化合物(306mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.89(TFA);
MS(ESI, Pos.):213(M+H)
【0170】
参考例26:4H-ピラノ[3,4-d]チアゾール-7-オン
2-アミノ-4H-ピラノ[3,4-d]チアゾール-7-オン(CAS番号:1253281-38-7、873mg)のTHF(17.5mL)溶液に亜硝酸n-ペンチル(CAS番号:463-04-7、0.97mL)を加え、60℃で15時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(568mg)を得た。
TLC:Rf 0.28(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:2)。
【0171】
参考例27:7-メチレン-4H-ピラノ[3,4-d]チアゾール
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(CAS番号:1779-49-3、253mg)のTHF(1.5mL)溶液に0℃で1.3Nリチウム ビス(トリメチルシリル)アミド THF溶液(CAS番号:4039-32-1、0.55mL)を加え、0℃で1時間撹拌した。その後、参考例26で製造した化合物(100mg)を加え、0℃で40分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(90mg)を得た。
TLC:Rf 0.5(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:2)。
【0172】
参考例28:7-メチル-6,7-ジヒドロ-4H-ピラノ[3,4-d][1,3]チアゾール
参考例27で製造した化合物のメタノール(1.8mL)溶液に20%水酸化パラジウム(10mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて7時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(40mg)を得た。
【0173】
参考例29:7-メチル-6,7-ジヒドロ-4H-ピラノ[3,4-d][1,3]チアゾール-2-カルボン酸
参考例28で製造した化合物(40mg)のTHF(2mL)溶液に-78℃で1.6M n-ブチルリチウム ヘキサン溶液(0.16mL)を加え、-78℃で1時間撹拌した。その後、反応液にドライアイス(300mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水および1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、水層をメチルtert-ブチルエーテルで洗浄した。水層に1N塩酸水溶液を加え水層のpHを1とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、表題化合物(20mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.76(TFA);
MS(ESI, Pos.):200(M+H)
【0174】
参考例30:メチル 5-ヒドロキシ-2-チオフェンカルボキシラート
チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル-5-ボロン酸(CAS番号:876189-21-8、120mg)のポリエチレングリコール200(CAS番号:25322-68-3、0.64mL)溶液に30%過酸化水素水溶液(CAS番号:7722-84-1、0.11mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に水を加え、メチルtert-ブチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(23mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.84(TFA);
MS(ESI, Pos.):171(M+Na)
【0175】
参考例31:メチル 5-(ジフルオロメトキシ)-2-チオフェンカルボキシラート
参考例30で製造した化合物(23mg)のDMF(0.2mL)溶液にクロロジフルオロ酢酸(CAS番号:76-04-0、0.027mL)及び炭酸セシウム(CAS番号:534-17-8、142mg)を加え、100℃で10分間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(31mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.06(TFA);
MS(ESI, Pos.):209(M+H)
【0176】
参考例32:5-(ジフルオロメトキシ)-2-チオフェンカルボン酸
参考例31で製造した化合物(31mg)のTHF(0.2mL)溶液にメタノール(0.1mL)及び1N 水酸化リチウム水溶液(CAS番号:1310-65-2、0.2mL)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液に1N塩酸水溶液を加え水層のpHを1とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、表題化合物(21mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.91(TFA);
MS(ESI, Pos.):195(M+H)
【0177】
参考例33:メチル 3-ヨード-1H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 1H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート(CAS番号:1246552-43-1、185mg)のDMF(2mL)溶液に水酸化カリウム(CAS番号:1310-58-3、140mg)及びヨウ素(CAS番号:7553-56-2、570mg)を加え、0℃で1時間撹拌した。反応液に2N塩酸を加え、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサンと酢酸エチルで洗浄し、表題化合物(180mg)を得た。
【0178】
参考例34:メチル 3-(3-ヒドロキシ-1-プロピン-1-イル)-1H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート
参考例33で製造した化合物(40mg)のTHF(1mL)溶液にプロパルギルアルコール(CAS番号:107-19-7、11mg)、ヨウ化銅(I)(CAS番号:7681-65-4、2.5mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(CAS番号:14221-01-3、15mg)及びトリエチルアミン(0.09mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(23mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.84(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):237(M+H)
【0179】
参考例35:メチル 3-(3-ヒドロキシプロピル)-1H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート
参考例34で製造した化合物(23mg)のメタノール(1mL)溶液に20%水酸化パラジウム(25mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて6時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0180】
参考例36:メチル 7,8-ジヒドロ-6H-ピロロ[1,2-b]チエノ[2,3-d]ピラゾール-2-カルボキシラート
参考例35で製造した化合物(18mg)のトルエン(0.5mL)溶液にシアノメチレントリブチルホスホラン(CAS番号:157141-27-0、27mg)を加え、60℃で1時間撹拌した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(10mg)を得た。
H-NMR(CDCl):δ7.85, 4.38, 3.83, 3.10, 2.73。
【0181】
参考例37:7,8-ジヒドロ-6H-ピロロ[1,2-b]チエノ[2,3-d]ピラゾール-2-カルボン酸
参考例36で製造した化合物(20mg)のメタノール(1mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0182】
参考例38:メチル 5-メチル-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-チオフェンカルボキシラート
メチル 4-ブロモ-5-メチルチオフェン-2-カルボキシラート(CAS番号:237385-15-8、30mg)のトルエン(0.75mL)溶液に水(0.37mL)、1-メチル-1H-ピラゾール-4-ボロン酸(CAS番号:847818-55-7、48mg)、炭酸セシウム(124mg)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(15mg)を加え、80℃で13時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(10mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.00(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):237(M+H)
【0183】
参考例39:5-メチル-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-チオフェンカルボン酸
参考例38で製造した化合物(20mg)のメタノール(1mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0184】
参考例40:メチル 2,3-ジメチル-2H-チエノ[2,3-c]ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 3-メチル-1H-チエノ[2,3-c]ピラゾール-5-カルボキシラート(CAS番号:873072-42-5、20mg)のDMF(1.0mL)溶液に水素化ナトリウム(2.9mg)、ヨードメタン(22mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(10mg)を得た。
H-NMR(CDCl):δ7.69, 3.95, 3.89, 2.52。
【0185】
参考例41:2,3-ジメチル-2H-チエノ[2,3-c]ピラゾール-5-カルボン酸
参考例40で製造した化合物(20mg)のメタノール(1mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0186】
参考例42:メチル 2-メチル-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 1H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート(2.0g)のTHF(40mL)溶液に炭酸セシウム(7.2g)、ヨードメタン(1.6g)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(1.05g)を得た。
H-NMR(CDCl):δ7.70, 7.66, 4.06, 3.93。
【0187】
参考例43:2-メチル-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボン酸
参考例42で製造した化合物(20mg)のメタノール(1mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0188】
参考例44:メチル 2-シクロプロピル-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 1H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート(1.0g)のジクロロエタン(20mL)溶液にシクロプロピルボロン酸(CAS番号:873072-42-5、940mg)、炭酸ナトリウム(CAS番号:497-19-8、1200mg)、酢酸銅(II)(CAS番号:142-71-2、1.1g)、1,10-フェナントロリン(CAS番号:66-71-7、1.1g)を加え、70℃で15時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(200mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.00(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):223(M+H)
【0189】
参考例45:2-シクロプロピル-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボン酸
参考例44で製造した化合物(20mg)のメタノール(1mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0190】
参考例46:メチル 2-(ジフルオロメチル)-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 1H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート(500mg)のDMF(10mL)溶液にクロロジフルオロ酢酸ナトリウム(CAS番号:1895-39-2、2100mg)、炭酸カリウム(1900mg)を加え、100℃で20時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(85mg)を得た。
【0191】
参考例47:2-(ジフルオロメチル)-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボン酸
参考例46で製造した化合物(20mg)のメタノール(1mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0192】
参考例48:(1)メチル 2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート、および
(2)メチル 1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 1H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート(200mg)のDMF(5mL)溶液に炭酸セシウム(720mg)、トリフルオロメタンスルホン酸2,2,2-トリフルオロエチル(CAS番号:6226-25-1、510mg)を加え、室温で15時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物をそれぞれ(1)61mg、(2)71mg得た。
(1)TLC:Rf 0.31(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:3);
(2)TLC:Rf 0.34(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:3)。
【0193】
参考例49:2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボン酸
参考例48(1)で製造した化合物(60mg)のメタノール(1mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0194】
参考例50:1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボン酸
参考例48(2)で製造した化合物(60mg)のメタノール(1mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0195】
参考例51:2,3-ジメチル-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボン酸
メチル 3-メチル-1H-チエノ[2,3-c]ピラゾール-5-カルボキシラートの代わりにメチル 3-メチル-1H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-カルボキシラート(CAS番号:1379258-29-3)を用いて参考例40→参考例41と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
【0196】
実施例3:2-{[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-4-メチル-6,7-ジヒドロチエノ[3,2-b]ピリジン-5(4H)-オン
【化48】
参考例12で製造した化合物(5mg)と参考例17で製造した化合物(9.2mg)のDMA(0.25mL)溶液にDIPEA(0.016mL)及びHATU(10mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(4.7mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.89(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):476(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.44, 7.38, 7.28, 6.80, 4.10-3.96, 3.24, 3.18-3.03, 3.01-2.87, 2.85, 2.71-2.57, 2.25-2.10, 2.10-1.96, 1.62-1.45。
【0197】
実施例3-1~3-14
参考例17で製造した化合物の代わりに参考例21、参考例23、参考例25、参考例29、参考例32、参考例37、参考例39、参考例41、参考例43、参考例45、参考例47、参考例49、参考例50、または参考例51で製造した化合物を用い、参考例12で製造した化合物または参考例12で製造した化合物の代わりに参考例10で製造した化合物を用いて実施例3と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
【0198】
実施例3-1:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-5H-チエノ[3,2-b]ピラン-2-イル)メタノン
【化49】
HPLC保持時間(分):0.74(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):400(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ9.46-9.25, 8.63-8.43, 8.40-8.30, 8.29-8.14, 7.43-7.30, 6.97-6.83, 4.20-4.00, 3.99-3.65, 3.15-3.04, 3.04-2.79, 2.77-2.57, 2.27-2.15, 2.14-1.98, 1.70-1.58, 1.58-1.48。
【0199】
実施例3-2:メチル 2-{[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-6,7-ジヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシラート
【化50】
HPLC保持時間(分):0.97(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):506(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.49-7.44, 7.44-7.31, 6.86-6.78, 4.57-4.41, 4.07-4.00, 3.67, 3.64, 3.20-3.05, 2.81, 2.71-2.45, 2.27-2.12, 2.09-1.95, 1.64-1.54, 1.54-1.42。
【0200】
実施例3-3:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](4,4-ジメチル-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
【化51】
HPLC保持時間(分):0.88(TFA);
MS(ESI, Pos.):435(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.23, 7.18, 6.63, 4.70, 4.11, 3.98, 3.95-3.83, 3.66, 3.49, 2.89, 2.83, 2.69, 2.40-2.30, 2.17-2.08, 1.68-1.58, 1.48。
【0201】
実施例3-4:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](7-メチル-6,7-ジヒドロ-4H-ピラノ[3,4-d][1,3]チアゾール-2-イル)メタノン
【化52】
HPLC保持時間(分):0.88(TFA);
MS(ESI, Pos.):420(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.18, 6.63, 4.85-4.66, 4.25-4.17, 4.15-4.02, 3.85, 3.55-3.46, 3.22, 3.03-2.55, 2.35, 2.13, 1.68-1.57, 1.29。
【0202】
実施例3-5:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][5-(ジフルオロメトキシ)-2-チエニル]メタノン
【化53】
HPLC保持時間(分):0.91(TFA);
MS(ESI, Pos.):415(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.32-7.28, 7.26-7.16, 6.67-6.61, 6.64, 4.69, 4.16-4.06, 4.02, 3.87, 3.66, 3.66, 2.88, 2.70, 2.41-2.31, 2.18-2.08, 1.69-1.58。
【0203】
実施例3-6:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](7,8-ジヒドロ-6H-ピロロ[1,2-b]チエノ[2,3-d]ピラゾール-2-イル)メタノン
【化54】
HPLC保持時間(分):0.92(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):473(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.63, 7.50-7.42, 7.41-7.28, 6.88-6.76, 4.32-4.21, 4.10-3.95, 3.91-3.61, 3.07-2.96, 2.96-2.77, 2.68-2.58, 2.24-2.14, 2.10-1.92, 1.69-1.55, 1.55-1.46。
【0204】
実施例3-7:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][5-メチル-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-チエニル]メタノン
【化55】
HPLC保持時間(分):0.88(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):487(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ8.05-7.98, 7.78-7.70, 7.59, 7.49-7.42, 7.42-7.32, 6.87-6.76, 4.09-4.00, 3.88, 3.34-3.18, 2.94-2.75, 2.72-2.57, 2.48, 2.26-2.14, 2.09-1.95, 1.64-1.55, 1.55-1.46。
【0205】
実施例3-8:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](2,3-ジメチル-2H-チエノ[2,3-c]ピラゾール-5-イル)メタノン
【化56】
HPLC保持時間(分):0.83(TFA);
MS(ESI, Pos.):461(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.33-7.27, 7.26, 6.55, 4.80, 4.15-4.06, 4.02-3.93, 3.91, 3.69, 2.88, 2.70, 2.55-2.47, 2.39-2.24, 2.18-2.02, 1.69-1.61。
【0206】
実施例3-9:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](2-メチル-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-イル)メタノン
【化57】
HPLC保持時間(分):0.87(TFA);
MS(ESI, Pos.):447(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.57, 7.43, 7.33-7.27, 6.54, 4.83, 4.17-4.10, 4.10-4.02, 3.94, 3.91-3.80, 3.69, 2.92, 2.71, 2.40-2.30, 2.18-2.04, 1.70-1.61。
【0207】
実施例3-10:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](2-シクロプロピル-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-イル)メタノン
【化58】
HPLC保持時間(分):0.86(TFA);
MS(ESI, Pos.):473(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.67, 7.40, 7.34-7.27, 6.55, 4.92, 4.15-3.95, 3.93, 3.90-3.78, 3.68, 2.90, 2.70, 2.39-2.28, 2.18-2.03, 1.71-1.65, 1.30-1.09。
【0208】
実施例3-11:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][2-(ジフルオロメチル)-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-イル]メタノン
【化59】
HPLC保持時間(分):0.90(TFA);
MS(ESI, Pos.):483(M+H)
H-NMR(CDCl):δ8.02, 7.48, 7.42, 7.35-7.27, 7.18, 6.71-6.49, 4.14-3.98, 3.89, 3.69, 3.05-2.83, 2.74, 2.40-2.31, 2.15, 2.05, 1.68。
【0209】
実施例3-12:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-イル]メタノン
【化60】
HPLC保持時間(分):1.00(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):515(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.97, 7.89-7.81, 7.52-7.43, 7.43-7.33, 6.90-6.72, 5.48-5.31, 4.19-4.05, 4.04-3.92, 3.92-3.71, 3.01-2.63, 2.27-2.15, 2.12-2.00, 1.66-1.57, 1.57-1.47。
【0210】
実施例3-13:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-イル]メタノン
【化61】
HPLC保持時間(分):0.90(TFA);
MS(ESI, Pos.):515(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.71, 7.42, 7.26, 6.55, 4.90, 4.16-3.97, 3.94, 3.86, 3.68, 2.92, 2.72, 2.40-2.30, 2.15-2.07, 1.71-1.55。
【0211】
実施例3-14:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](2,3-ジメチル-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-イル)メタノン
【化62】
HPLC保持時間(分):0.91(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):461(M+H)
【0212】
参考例52:1-(5-((3aS,4R,6aR)-4-((6-ブロモピリダジン-3-イル)アミノ)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-カルボニル)チオフェン-2-イル)エタン-1-オン
参考例12で製造した化合物(10mg)のDMA(0.25mL)溶液に5-アセチルチオフェン-2-カルボン酸(CAS:4066-41-5、6.0mg)、DIPEA(0.030mL)及びHATU(20mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(15mg)を得た。
【0213】
実施例4:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][5-(2-ヒドロキシ-2-プロパニル)-2-チエニル]メタノン
【化63】
参考例52で製造した化合物(5mg)のTHF(0.3mL)溶液に3Mメチルマグネシウムブロミド(CAS:75-16-1、0.03mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(1.3mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.89(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):451(M+H)
【0214】
実施例5:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ヨード-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン
【化64】
実施例2で製造した化合物(10mg)の1、4-ジオキサン(0.1mL)溶液にヨウ化銅(I)(3.0mg)、ヨウ化ナトリウム(CAS:7681-82-5、7.4mg)、N,N’-ジメチルエチレンジアミン(CAS:110-70-3、2.8mg)を加え、110℃で18時間撹拌した。反応液にアンモニア水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(7.6mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.88(TFA);
MS(ESI, Pos.):455(M+H)
【0215】
実施例6:rel-{(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)(メチル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}(5-メチル-2-チエニル)メタノン ラセミ混合物
【化65】
参考例12で製造した化合物の代わりに参考例12-1で製造した化合物を用いて、実施例2→参考例16と同様の操作を行うことで表題化合物を得た。
HPLC保持時間(分):1.10(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):421(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.55, 7.38, 7.19-7.10, 6.83, 4.86, 3.62, 3.27, 3.22-3.05, 2.93, 2.81, 2.49-2.43, 2.06-1.96, 1.90-1.75, 1.58-1.45。
【0216】
実施例6-1~6-9
ヨードメタンまたはヨードメタンの代わりに対応するハロゲン化合物を用い、5-メチル-2-チオフェンカルボン酸または5-メチル-2-チオフェンカルボン酸の代わりに対応するカルボン酸を用い、参考例12で製造した化合物または参考例12で製造した化合物の代わりに参考例10-1で製造した化合物もしくは参考例12-1で製造した化合物を用いて、実施例2→参考例16と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
【0217】
実施例6-1:rel-{(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)(ブチル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}(5-メチル-2-チエニル)メタノン ラセミ混合物
【化66】
HPLC保持時間(分):1.30(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):463(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.51, 7.38, 7.12-7.05, 6.83, 4.66-4.58, 3.62, 3.47, 3.45-3.43, 3.35-3.25, 3.22-3.05, 2.84, 2.45, 2.06-1.91, 1.83-1.75, 1.54-1.40, 1.38-1.23, 1.18, 0.92。
【0218】
実施例6-2:[(3aS,4R,6aR)-4-[ベンジル(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン
【化67】
HPLC保持時間(分):1.20(TFA);
MS(ESI, Pos.):497(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.36-7.27, 7.21-7.16, 6.73, 6.48, 5.09, 4.60, 3.92-3.73, 3.62, 2.82, 2.50, 2.29-2.21, 2.14-2.03, 1.89, 1.62-1.56。
【0219】
実施例6-3:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)(メチル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
【化68】
HPLC保持時間(分):1.00(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):463(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.61-7.49, 7.32, 7.21-7.06, 4.95-4.81, 4.59, 3.87, 3.82-3.56, 3.37-3.29, 3.14-3.03, 2.92, 2.09-1.93, 1.84-1.71, 1.57-1.45。
【0220】
実施例6-4:rel-{(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)(3-メトキシプロピル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}[5-(ジフルオロメチル)-2-チエニル]メタノン ラセミ混合物
【化69】
HPLC保持時間(分):1.10(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):471(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.68-7.54, 7.52-7.42, 7.43-7.21, 7.25-7.15, 4.71-4.59, 4.04-3.84, 3.64, 3.44-3.41, 3.31, 3.26, 3.24-3.15, 3.01-2.71, 2.07-1.91, 1.85-1.68, 1.58-1.44。
【0221】
実施例6-5:rel-{(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)(イミダゾ[2,1-b][1,3]チアゾール-6-イルメチル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}[5-(ジフルオロメチル)-2-チエニル]メタノン ラセミ混合物
【化70】
HPLC保持時間(分):0.98(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):535(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.88-7.75, 7.71-7.53, 7.53-7.17, 5.03-4.78, 4.65, 4.03-3.59, 3.15-3.05, 2.97-2.74, 2.14-1.97, 1.96-1.79, 1.58-1.43。
【0222】
実施例6-6:rel-{(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)(4-ピリジニルメチル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}[5-(ジフルオロメチル)-2-チエニル]メタノン ラセミ混合物
【化71】
HPLC保持時間(分):0.88(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):490(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ8.61, 7.59, 7.53, 7.50-7.40, 7.24, 7.43-7.21, 4.93-4.83, 4.80, 3.95, 3.87, 3.66, 3.23-3.08, 3.00, 2.88, 2.78, 2.67, 2.55, 2.10, 1.99, 1.77-1.63, 1.62-1.45, 1.32-1.22, 1.18。
【0223】
実施例6-7:rel-2-{[(6-クロロ-3-ピリダジニル)((3aS,4R,6aR)-2-{[5-(ジフルオロメチル)-2-チエニル]カルボニル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-イル)アミノ]メチル}ベンゾニトリル ラセミ混合物
【化72】
HPLC保持時間(分):1.20(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):514(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.91-7.84, 7.62, 7.56-7.51, 7.50-7.40, 7.43-7.22, 7.27-7.19, 4.95-4.85, 4.87-4.76, 4.02-3.87, 3.71, 3.42, 3.32-3.24, 3.14-3.05, 2.96-2.67, 2.16-2.07, 2.06-1.94, 1.57-1.38。
【0224】
実施例6-8:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)(3-フルオロプロピル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン
【化73】
HPLC保持時間(分):1.10(TFA);
MS(ESI, Pos.):467(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.32-7.28, 6.79-6.72, 4.60, 4.48, 3.82, 3.71-3.52, 2.91, 2.51, 2.20-2.02, 1.98, 1.66-1.58, 1.50, 1.33-1.19, 0.82。
【0225】
実施例6-9:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)(メチル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン
【化74】
HPLC保持時間(分):0.93(TFA);
MS(ESI,Pos.):421(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.32-7.23, 6.78-6.65, 4.92-4.75, 4.01-3.85, 3.85-3.77, 3.64, 2.98, 2.92-2.77, 2.50, 2.17-2.05, 1.91-1.79, 1.61-1.52。
【0226】
参考例53:rel-(3aS,6aR)-ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4(1H)-オン 塩酸塩 ラセミ混合物
参考例3で製造した化合物の代わりに参考例1で製造した化合物を用いて、参考例4→参考例10と同様の操作を行うことにより表題化合物を得た。
【0227】
参考例53-1:(3aS,6aR)-ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4(1H)-オン 塩酸塩
参考例9で製造した化合物の代わりに参考例3で製造した化合物を用いて、参考例10と同様の操作を行うことにより表題化合物を得た。
【0228】
参考例54:rel-(3aS,6aR)-2-(5-メチルチオフェン-2-カルボニル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4(1H)-オン ラセミ混合物
参考例53で製造した化合物(5.0g)と5-メチル-2-チオフェンカルボン酸(6.6g)のDMA(100mL)溶液にDIPEA(22mL)及びHATU(17.6g)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に2N塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(7.0g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.88(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):250(M+H)
【0229】
参考例54-1:(3aS,6aR)-2-(5-メチルチオフェン-2-カルボニル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4(1H)-オン
参考例53で製造した化合物の代わりに参考例53-1で製造した化合物を用いて参考例54と同様の操作を行うことにより表題化合物を得た。
【0230】
参考例55:(rel-(3aS,4R,6aR)-4-(シクロプロピルアミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(5-メチルチオフェン-2-イル)メタノン ラセミ混合物
参考例54で製造した化合物(300mg)のジクロロメタン(10mL)溶液にシクロプロピルアミン(CAS:765-30-0、0.25mL)及び酢酸(0.34mL)を加え、室温で10分撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(CAS:56553-60-7、760mg)を加え、40℃で3時間攪拌した。反応液に2N水酸化ナトリウムを加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(22mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.78(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):291(M+H)
【0231】
実施例7:rel-{(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)(シクロプロピル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}(5-メチル-2-チエニル)メタノン ラセミ混合物
【化75】
参考例55で製造した化合物(20mg)のtert-アミルアルコール(CAS:75-85-4、0.3mL)溶液に3-ブロモ-6-フルオロピリダジン(CAS:1353854-35-9、39mg)及びDIPEA(0.083mL)を加え、封菅中180℃で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(1.0mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.20(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):447(M+H)
【0232】
参考例56:(rel-(3aS,4S,6aR)-4-ヒドロキシヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(5-メチルチオフェン-2-イル)メタノン ラセミ混合物
参考例54で製造した化合物(1.4g)のTHF(42mL)溶液に-78℃で1Mリチウム トリ-sec-ブチルボロヒドリド THF溶液(8.5mL)を加え、-78℃で1時間撹拌した。反応液に0℃で35%過酸化水素水溶液をゆっくり発泡しなくなるまで加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(600mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.86(TFA);
MS(ESI, Pos.):252(M+H)
【0233】
参考例57:rel-(3aS,4S,6aR)-2-(5-メチルチオフェン-2-カルボニル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-イル 4-メチルベンゼンスルホナート ラセミ混合物
参考例56で製造した化合物(3.6g)のジクロロメタン(70mL)溶液にトリエチルアミン(4mL)、塩化p-トルエンスルホニル(4.1g)及びトリメチルアミン塩酸塩(280mg)を加え、室温で撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(3.6g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.16(TFA);
MS(ESI, Pos.):406(M+H)
【0234】
実施例8:rel-[(3aS,4R,6aR)-4-(3-クロロ-5,6-ジヒドロ-7H-ピロロ[2,3-c]ピリダジン-7-イル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン ラセミ混合物
【化76】
参考例57で製造した化合物(10mg)のTHF(1mL)溶液に60%水素化ナトリウム(3mg)および3-クロロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[2,3-c]ピリダジン(CAS番号:2089649-63-6、7.7mg)を加え50℃で20時間撹拌した。反応液に水を加えた後、逆相カラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(1.3mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.90(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):389(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.45-7.38, 7.21-7.17, 6.88-6.80, 4.33-4.23, 3.67-3.59, 3.54-3.44, 3.08-2.99, 2.92-2.77, 2.29-2.14, 2.08-1.94, 1.94-1.76, 1.68-1.54, 1.57-1.42。
【0235】
実施例8-1~8-4
3-クロロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[2,3-c]ピリダジンの代わりに対応するアミン化合物を用い、実施例8と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
【0236】
実施例8-1:rel-[(3aS,4R,6aR)-4-(3-クロロ-7H-ピロロ[2,3-c]ピリダジン-7-イル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン ラセミ混合物
【化77】
HPLC保持時間(分):1.10(TFA);
MS(ESI, Pos.):387(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.69, 7.55, 7.33, 6.74, 6.46, 5.14-4.96, 4.01-3.86, 3.73, 3.35-3.25, 3.13, 2.62, 2.51, 2.48-2.29, 1.80-1.65。
【0237】
実施例8-2:rel-{(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-4-メトキシ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}(5-メチル-2-チエニル)メタノン ラセミ混合物
【化78】
HPLC保持時間(分):0.89(TFA);
MS(ESI, Pos.):393(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.35-7.28, 6.76-6.70, 6.56, 4.88, 4.34-4.26, 4.15-4.02, 3.94-3.73, 3.73-3.60, 2.85, 2.74, 2.50, 2.46-2.29, 2.17-1.99, 1.70-1.60。
【0238】
実施例8-3:rel-((3aS,4R,6aR)-4-((6-クロロピリジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(5-メチルチオフェン-2-イル)メタノン ラセミ混合物
【化79】
HPLC保持時間(分):1.10(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):362(M+H)
【0239】
実施例8-4:rel-((3aS,4R,6aR)-4-((4,6-ジクロロピリジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(5-メチルチオフェン-2-イル)メタノン ラセミ混合物
【化80】
HPLC保持時間(分):1.20(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):396(M+H)
【0240】
参考例58:rel-tert-ブチル (3aS,4R,6aR)-4-((6-クロロ-4-シアノピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシラート ラセミ混合物
参考例3で製造した化合物の代わりに参考例1で製造した化合物を用い、3,6-ジクロロピリダジンの代わりに3,6-ジクロロピリダジン-4-カルボニトリル(CAS番号:35857-93-3、45mg)を用いて、参考例4→参考例5→参考例6→参考例7→参考例8→参考例9と同様の操作を行うことで表題化合物を得た。
【0241】
参考例59:rel-6-クロロ-3-(((3aS,4R,6aR)-オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-イル)アミノ)ピリダジン-4-カルボニトリル ラセミ混合物
参考例58で製造した化合物(100mg)に4N塩酸(1、4-ジオキサン溶液、3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮することで、表題化合物(5mg)を得た。
【0242】
実施例9:rel-6-クロロ-3-({(3aS,4R,6aR)-2-[(5-メチル-2-チエニル)カルボニル]オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-イル}アミノ)-4-ピリダジンカルボニトリル ラセミ混合物
【化81】
参考例12で製造した化合物の代わりに参考例59で製造した化合物を用いて、実施例2と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
HPLC保持時間(分):1.10(TFA);
MS(ESI, Pos.):388(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.42, 7.37-7.27, 6.75, 5.11, 4.47-4.39, 4.05, 3.99-3.82, 3.68, 2.91, 2.74, 2.53-2.50, 2.50-2.42, 2.21-1.98, 1.78-1.54。
【0243】
実施例9-1
3,6-ジクロロピリダジンの代わりに対応するハロゲン化合物を用い、5-(ジフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸の代わりに対応するカルボン酸を用いて、参考例9→参考例10→実施例1と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
【0244】
実施例9-1:[(3aS,4R,6aR)-4-{[6-クロロ-4-(トリフルオロメチル)-3-ピリダジニル]アミノ}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
【化82】
HPLC保持時間(分):1.10(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):473(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.94-7.83, 7.37-7.24, 6.85-6.70, 4.60, 4.48-4.37, 3.88, 3.82-3.63, 2.84-2.78, 2.97-2.67, 2.29-2.12, 2.10-1.98, 1.83-1.70, 1.58-1.43。
【0245】
参考例60:(1)[(R)-4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3,5,6,6a-テトラヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-2-イル]-(5-メチル-2-チエニル)メタノン、および
(2)[(3aR,6aS)-6-{[ジメチル(2-メチル-2-プロパニル)シリル]オキシ}-3,3a,4,6a-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン
参考例54-1で製造した化合物(4.3g)のジクロロメタン(86mL)溶液にトリエチルアミン(2.4mL)及びtert-ブチルジメチルシリル トリフルオロメタンスルホン酸(CAS番号:69739-34-0、2.0mL)を加え40℃で2時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(1)(1.9g)および(2)(1.0g)をそれぞれ得た。
【0246】
参考例61:(3aR,6aS)-3a-フルオロ-2-(5-メチルチオフェン-2-カルボニル)-3,5,6,6a-テトラヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-4-オン
参考例60(1)で製造した化合物(1.9g)のアセトニトリル(38mL)溶液に1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)(CAS番号:140681-55-6、2.2g)を加え室温で20分間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(540mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.95(TFA);
MS(ESI, Pos.):268(M+H)
【0247】
参考例62:[(3aR,4S,6aS)-3a-フルオロ-4-ヒドロキシ-1,3,4,5,6,6a-ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イル]-(5-メチル-2-チエニル)メタノン
参考例61で製造した化合物(1.9g)のメタノール(19mL)およびTHF(19mL)溶液に0℃で水素化ホウ素ナトリウム(CAS番号:16940-66-2、405mg)を加え、0℃で1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(872mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.88(TFA);
MS(ESI, Pos.):270(M+H)
【0248】
参考例63:[(3aR,4R,6aS)-3a-フルオロ-2-(5-メチルチオフェン-2-カルボニル)-1,3,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-4-イル] 4-メチルベンゼンスルホナート
参考例62で製造した化合物(872mg)のジクロロメタン(13mL)溶液にトリエチルアミン(1.4mL)、塩化p-トルエンスルホニル(1.2g)及びトリメチルアミン塩酸塩(154mg)を加え、室温で23時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(1.0g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.16(TFA);
MS(ESI, Pos.):424(M+H)
【0249】
参考例64:[(3aR,4R,6aS)-4-アジド-3a-フルオロ-1,3,4,5,6,6a-ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イル]-(5-メチル-2-チエニル)メタノン
参考例63で製造した化合物(1.4g)のジメチルスルホキシド(13mL)溶液にアジ化ナトリウム(560mg)を加え、100℃で90時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
HPLC保持時間(分):1.08(TFA);
MS(ESI, Pos.):295(M+H)
【0250】
参考例65:[(3aR,4R,6aS)-4-アミノ-3a-フルオロ-1,3,4,5,6,6a-ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イル]-(5-メチル-2-チエニル)メタノン
参考例64で製造した化合物(892mg)のエタノール(18mL)溶液に20%水酸化パラジウム(1.8g)を加え、水素雰囲気下で室温にて15時間撹拌した。反応液をろ過、減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
HPLC保持時間(分):0.72(TFA);
MS(ESI, Pos.):269(M+H)
【0251】
実施例10:[(3aR,4R,6aS)-4-[(6-ブロモピリダジン-3-イル)アミノ]-3a-フルオロ-1,3,4,5,6,6a-ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イル]-(5-メチル-2-チエニル)メタノン
【化83】
参考例65で製造した化合物(470mg)の2-メチル-2-ブタノール(9.4mL)溶液にDIPEA(0.91mL)及び3-ブロモ-6-フルオロピリダジン(619mg)を加え、180℃で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(141mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.00(TFA);
MS(ESI, Pos.):427(M+H)
【0252】
参考例66:(3aR,4R,6aS)-N-(6-ブロモ-3-ピリダジニル)-3a-フルオロオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-アミン
実施例10で製造した化合物(40mg)のTHF(2mL)溶液にメタノール(1mL)及び5N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を加え、50℃で16時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0253】
実施例11:[(3aR,4R,6aS)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]-3a-フルオロヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
【化84】
参考例66で製造した化合物と6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-カルボン酸(14mg)のDMA(0.22mL)溶液にDIPEA(0.02mL)及びHATU(31mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に2N塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(22mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.89(TFA);
MS(ESI, Pos.):467(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.29, 7.24-7.16, 6.59, 4.78, 4.75-4.67, 4.56, 4.28, 4.22-4.08, 4.01-3.89, 3.61, 2.89, 2.51-2.40, 2.26-2.17, 1.86-1.75, 1.60, 1.52-1.34。
【0254】
実施例11-1~11-3
6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-カルボン酸の代わりに対応するカルボン酸化合物を用い、実施例11と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
【0255】
実施例11-1:[(3aR,4R,6aS)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]-3a-フルオロヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](2-シクロプロピル-2H-チエノ[3,2-c]ピラゾール-5-イル)メタノン
【化85】
HPLC保持時間(分):0.91(TFA);
MS(ESI, Pos.):491(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ8.17, 7.64, 7.47, 7.30, 6.92, 4.55-4.41, 4.00, 2.89, 2.73-2.68, 2.56-2.53, 2.29-2.16, 2.14-2.01, 1.87-1.72, 1.47-1.35, 1.28-1.12, 1.12-1.01。
【0256】
実施例11-2:[(3aR,4R,6aS)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]-3a-フルオロヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][5-(フルオロメチル)-2-チエニル]メタノン
【化86】
HPLC保持時間(分):0.92(TFA);
MS(ESI, Pos.):443(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.40, 7.31, 7.28, 7.10, 6.60, 5.54, 5.42, 4.84-4.74, 4.62-4.48, 4.27-4.13, 4.01-3.93, 3.87, 3.61, 3.49, 3.00-2.83, 2.50, 2.19, 2.28-2.14, 1.61-1.58, 1.53-1.36。
【0257】
実施例11-3:[(3aR,4R,6aS)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]-3a-フルオロヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][5-(2-フルオロエチル)-2-チエニル]メタノン
【化87】
HPLC保持時間(分):0.94(TFA);
MS(ESI, Pos.):457(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.36-7.27, 6.87, 6.59, 4.71, 4.59, 4.19, 4.01, 3.63, 3.49, 3.28-3.17, 2.98-2.79, 2.57-2.41, 2.28-2.14, 1.87-1.73, 1.61-1.57, 1.53-1.45。
【0258】
実施例12:{(3aR,4R,6aS)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]-3a-フルオロヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
【化88】
3-ブロモ-6-フルオロピリダジンの代わりに3,6-ジクロロピリダジンを用い、6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-カルボン酸の代わりに対応するカルボン酸を用いて、実施例10→参考例66→実施例11と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
HPLC保持時間(分):0.89(TFA);
MS(ESI, Pos.):423(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.22-7.15, 6.70, 4.85, 4.71, 4.66-4.47, 4.27, 4.19-4.09, 4.03-3.90, 3.61, 2.96-2.82, 2.45, 2.27-2.15, 1.88-1.66, 1.58-1.37。
【0259】
参考例67:(3aS,5R,6aR)-5-フルオロ-2-(5-メチルチオフェン-2-カルボニル)-1,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-オン
参考例60(2)で製造した化合物(1.3g)のアセトニトリル(25mL)溶液に1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)(1.5g)を加え室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(633mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.81(TFA);
MS(ESI, Pos.):304(M+H)
【0260】
参考例68:[(3aS,4R,5R,6aR)-5-フルオロ-4-ヒドロキシ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-2-イル]-(5-メチル-2-チエニル)メタノン
参考例67で製造した化合物(500mg)のメタノール(10mL)溶液に0℃で水素化ホウ素ナトリウム(106mg)を加え、0℃で1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(200mg)を得た。
【0261】
参考例69:[(3aS,4R,5R,6aR)-5-フルオロ-2-(5-メチルチオフェン-2-カルボニル)-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-4-イル] 4-メチルベンゼンスルホナート
参考例68で製造した化合物(120mg)のアセトニトリル(1.2mL)溶液にDIPEA(0.23mL)、塩化p-トルエンスルホニル(127mg)及びトリメチルアミン塩酸塩(21mg)を加え、室温で24時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(190mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.13(TFA);
MS(ESI, Pos.):424(M+H)
【0262】
参考例70:[(3aS,4S,5R,6aR)-4-アジド-5-フルオロヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン
参考例69で製造した化合物(190mg)のジメチルスルホキシド(0.8mL)溶液にアジ化ナトリウム(145mg)を加え、100℃で17時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
HPLC保持時間(分):1.05(TFA);
MS(ESI, Pos.):295(M+H)
【0263】
参考例71:[(3aS,4S,5R,6aR)-4-アミノ-5-フルオロ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-2-イル]-(5-メチル-2-チエニル)メタノン
参考例70で製造した化合物のエタノール(2mL)溶液に20%水酸化パラジウム(50mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて2時間撹拌した。反応液をろ過、減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
HPLC保持時間(分):0.75(TFA);
MS(ESI, Pos.):269(M+H)
【0264】
実施例13:[(3aS,4S,5R,6aR)-4-[(6-ブロモピリダジン-3-イル)アミノ]-5-フルオロ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-2-イル]-(5-メチル-2-チエニル)メタノン
【化89】
参考例71で製造した化合物(50mg)の2-メチル-2-ブタノール(0.23mL)溶液にDIPEA(0.19mL)及び3-ブロモ-6-フルオロピリダジン(132mg)を加え、160℃で1時間撹拌した。反応液を逆相カラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(8.9mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.94(TFA);
MS(ESI, Pos.):426(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.32, 7.28-7.26, 6.73, 6.62, 5.42-5.10, 4.89, 4.51-4.38, 4.13-3.88, 3.63, 3.09-2.99, 2.82-2.75, 2.50, 1.95-1.77。
【0265】
参考例72:(3aS,6aR)-2-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イルカルボニル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4(1H)-オン
参考例53-1で製造した化合物(2.8g)のDMA(230mL)溶液に6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-カルボン酸(4.6g)、DIPEA(13mL)及びHATU(9.5g)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(4.1g)を得た。
【0266】
参考例73:[(3aS,6aR)-6-{[ジメチル(2-メチル-2-プロパニル)シリル]オキシ}-3,3a,4,6a-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
参考例72で製造した化合物(2.0g)のジクロロメタン(40mL)溶液にトリエチルアミン(2.8mL)及びtert-ブチルジメチルシリル トリフルオロメタンスルホナート(2.3mL)を0℃で加え、50℃で22時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた表題化合物を精製せず次反応に用いた。
【0267】
参考例74:(3aS,5R,6aR)-2-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イルカルボニル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4(1H)-オン
参考例73で製造した化合物のDMF(10mL)溶液にヨードメタン(9.5g)、1M テトラ-N-ブチルアンモニウムフルオリド(CAS番号:429-41-4、0.74mL、THF溶液)を加え室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(100mg)を得た。
【0268】
実施例14:[(3aS,4R,5R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
【化90】
参考例61で製造した化合物の代わりに参考例74で製造した化合物を用いて、参考例62→参考例63→参考例64→参考例65→実施例10と同様の操作を行い、表題化合物を得た。
HPLC保持時間(分):0.86(TFA);
MS(ESI, Pos.):463(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.33-7.28, 7.13, 6.65-6.58, 5.21, 4.70, 4.04-3.83, 3.66, 2.93-2.85, 2.76, 2.55, 1.88-1.69, 0.95。
【0269】
参考例75:(3aS,6aR)-2-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-カルボニル)スピロ[3,3a,6,6a-テトラヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-5,1’-シクロプロパン]-4-オン
参考例72で製造した化合物(300mg)のジメチルスルホキシド(7.5mL)溶液に1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(CAS番号:6674-22-2、0.31mL)及びジフェニルビニルスルホニウムトリフラート(CAS番号:247129-88-0、410mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水および1N塩酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(100mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.90(TFA);
MS(ESI, Pos.):318(M+H)
【0270】
参考例76:[(3aS,4R,6aR)-4-ヒドロキシスピロ[1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5,1’-シクロプロパン]-2-イル]-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
参考例75で製造した化合物(138mg)のメタノール(2.8mL)溶液に0℃で水素化ホウ素ナトリウム(25mg)を加え、0℃で30分間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(95mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.91(TFA);
MS(ESI, Pos.):320(M+H)
【0271】
参考例77:[(3aS,4S,6aR)-4-アジドスピロ[1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5,1’-シクロプロパン]-2-イル]-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
参考例76で製造した化合物(95mg)のTHF(0.2mL)溶液にトリフェニルホスフィン(CAS番号:603-35-0、102mg)、2.2Mジエチル アゾジカルボキシラート溶液(CAS番号:1972-28-7、0.18mL)およびジフェニルホスホリルアジド(CAS番号:26386-88-9、82mg)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(43mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.08(TFA);
MS(ESI, Pos.):345(M+H)
【0272】
参考例78:[(3aS,4S,6aR)-4-アミノスピロ[1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5,1’-シクロプロパン]-2-イル]-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
参考例77で製造した化合物(43mg)のメタノール(1mL)溶液に20%水酸化パラジウム(20mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて30分間撹拌した。反応液をろ過、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(20mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.73(TFA);
MS(ESI, Pos.):319(M+H)
【0273】
実施例15:[(3aS,4S,6aR)-4-[(6-ブロモピリダジン-3-イル)アミノ]スピロ[1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5,1’-シクロプロパン]-2-イル]-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
【化91】
参考例78で製造した化合物(17mg)の2-メチル-2-ブタノール(0.5mL)溶液にDIPEA(0.92mL)及び3-ブロモ-6-フルオロピリダジン(18.9mg)を加え、180℃で4時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(13mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.97(TFA);
MS(ESI, Pos.):477(M+H)
H-NMR(CDOD):δ7.37, 7.34-7.18, 6.84, 4.68, 4.12-3.91, 3.80, 2.97, 2.93-2.81, 2.36, 2.07-1.95, 1.50, 1.41-1.17, 0.74-0.65, 0.60, 0.53-0.35。
【0274】
参考例79:2-メチル-2-プロパニル rel-[(3aS,4R,6aR)-2-ベンジル-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-イル]カルバマート ラセミ混合物
N-ベンジル-N-(メトキシメチル)-N-トリメチルシリルメチルアミン(3.6g)のジクロロメタン溶液(20mL)にtert-ブチル N-(4-オキソシクロペンタ-2-エン-1-イル)カルバマート(CAS番号:657396-97-9、17g)及びトリフルオロ酢酸(58mg)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液に、トリエチルアミン(430mg)を加え、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、表題化合物(300mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.86(TFA);
MS(ESI, Pos.):331(M+H)
【0275】
参考例80:2-メチル-2-プロパニル rel-[(3aS,4R,6aR)-2-ベンジル-6,6-ジフルオロオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-イル]カルバマート ラセミ混合物
参考例79で製造した化合物(300mg)のジクロロメタン(5mL)溶液に0℃でビス(2-メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド(CAS番号:202289-38-1、1.2g)を加え室温で15時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(120mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.91(TFA);
MS(ESI, Pos.):353(M+H)
【0276】
参考例81:2-メチル-2-プロパニル rel-[(3aS,4R,6aR)-6,6-ジフルオロオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-イル]カルバマート ラセミ混合物
参考例80で製造した化合物(120mg)のエタノール(10mL)溶液に20%水酸化パラジウム(120mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて2時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣を精製せず次反応に用いた。
【0277】
参考例82:2-メチル-2-プロパニル rel-[(3aS,4R,6aR)-2-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イルカルボニル)-6,6-ジフルオロオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-イル]カルバマート ラセミ混合物
参考例81で製造した化合物のDMA(3mL)溶液に6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-カルボン酸(112mg)、DIPEA(0.26mL)及びHATU(210mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(100mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.00(ギ酸);
MS(ESI, Pos.):429(M+H)
【0278】
参考例83:rel-[(3aR,6R,6aS)-6-アミノ-4,4-ジフルオロヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン ラセミ混合物
参考例82で製造した化合物(100mg)に4N塩酸(1,4-ジオキサン溶液、3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮することで、表題化合物(80mg)を得た。
【0279】
実施例16:[(3aR,6R,6aS)-6-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]-4,4-ジフルオロヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-2-イル)メタノン
【化92】
参考例83で製造した化合物(80mg)のDMA(1mL)溶液にDIPEA(0.24mL)及び3,6-ジブロモピリダジン(120mg)を加え、160℃で1時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、超臨界流体クロマトグラフィー(CHIRALPAK IC、CO2:メタノール=70:30)を用いて二種のジアステレオマーを分離し、低極性体(19mg)を取得した。
HPLC保持時間(分):1.00(TFA);
MS(ESI, Pos.):485(M+H)
H-NMR(DMSO-d):δ7.54-7.45, 7.36-7.35, 7.40-7.32, 6.85, 4.62, 4.23-4.15, 3.88, 3.57-3.50, 3.38-3.31, 3.31-3.16, 2.99-2.88, 2.83, 2.30-2.17。
【0280】
参考例84:2-ブロモ-5-[2-(2-フルオロエトキシ)エチル]チオフェン
2-(5-ブロモチオフェン-2-イル)エタン-1-オール(CAS番号:57070-78-7、653mg)のジメチルアセトアミド(15mL)溶液に1-ヨード-2-フルオロエタン(CAS番号:762-51-6、1.52mL)及び水素化ナトリウム(757mg)を加え、室温で17時間撹拌した。その後、60℃で24時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルとn-ヘキサンの混合溶媒で抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(396mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.828(TFA);
H-NMR(CDCl):δ6.86, 6.61, 4.66-4.61, 4.54-4.49, 3.77-3.66, 3.04。
【0281】
参考例85:5-[2-(2-フルオロエトキシ)エチル]-2-チオフェンカルボン酸
参考例84で製造した化合物(396mg)のTHF(1mL)溶液に水(0.135mL)及びトランスビスアセタトビス[2-(ジ-O-トリルホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(II)(CAS番号:172418-32-5、141mg)、DBU(0.673mL)、トリ-TERT-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(CAS番号:131274-22-1、43mg)、モリブデンヘキサカルボニル(CAS番号:13939-06-5、595mg)を加えた。反応液を120℃で1時間加熱した。反応液に1M塩酸水溶液と酢酸エチルを加え、ろ過した。有機層を水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(190mg)を得た。
H-NMR(CDCl):δ7.72, 6.91, 4.72-4.61, 4.55-4.49, 3.84-3.68, 3.15, 2.50。
【0282】
参考例86:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル]{5-[2-(2-フルオロエトキシ)エチル]-2-チエニル}メタノン
参考例12で製造した化合物(10mg)と参考例85で製造した化合物(9.2mg)のDMF(1.0mL)溶液にDIPEA(0.024mL)及びヘキサフルオロリン酸1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリピロリジノホスホニウム(以下、PyBOP、22mg、CAS番号:128625-52-5)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(5.0mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.88(TFA);
MS(ESI, Pos.):483(M+H)
【0283】
実施例17:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)(メチル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル]{5-[2-(2-フルオロエトキシ)エチル]-2-チエニル}メタノン
【化93】
参考例86で製造した化合物(5.0mg)のDMF(1.0mL)溶液に水素化ナトリウム(4.1mg)を加えた。室温で15分撹拌したのち、ヨードメタン(0.003mL)を加えて、さらに室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(3.9mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.95(TFA);
MS(ESI, Pos.):497(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.34-7.27, 6.82, 6.70, 4.84, 4.64-4.61, 4.53-4.49, 3.91, 3.83, 3.80-3.63, 3.11, 2.98, 2.92-2.77, 2.17-2.08, 1.90-1.80。
【0284】
参考例87:5-(2-フルオロエトキシ)-2-チオフェンカルボン酸
2-フルオロエタノール(CAS番号:371-62-0、1578mg)のDMA(15mL)溶液に水素化ナトリウム(1313mg)を室温で加えたのち、5-フルオロチオフェン-2-カルボン酸(CAS番号:4377-58-6、600mg)を加えた。反応液を100℃で2日間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルとn-ヘキサンの混合溶媒で抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をメタノール(4mL)に溶解させ、トリメチルシリルジアゾメタン(CAS番号:18107-18-1、1mL)を加えて室温で1時間撹拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、メチルエステル化合物(60mg)を得た。得られたメチルエステル化合物(60mg)をメタノール(4mL)に溶解させたのち、2M水酸化ナトリウム水溶液(1.5mL)を加えた。反応液を50℃で18時間撹拌した。反応液に1M塩酸を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、表題化合物(57mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.83(TFA);
MS(ESI, Pos.):191(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.53, 6.28, 4.84-4.79, 4.72-4.67, 4.38-4.27。
【0285】
参考例88:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][5-(2-フルオロエトキシ)-2-チエニル]メタノン
参考例12で製造した化合物(10mg)と参考例87で製造した化合物(8.1mg)のDMF(1.0mL)溶液にDIPEA(0.024mL)及びPyBOP(22mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(7.0mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.89(TFA);
MS(ESI, Pos.):455(M+H)
【0286】
実施例18:[(3aS,4R,6aR)-4-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル)(メチル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル][5-(2-フルオロエトキシ)-2-チエニル]メタノン
【化94】
参考例88で製造した化合物(7.0mg)のDMF(1.0mL)溶液に水素化ナトリウム(6.1mg)を加え、室温で15分撹拌した。その後、ヨードメタン(0.005mL)を加えてさらに室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(3.9mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.95(TFA);
MS(ESI, Pos.):469(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.28, 7.19, 6.71, 6.24, 4.91-4.78, 4.71-4.66, 4.37-4.33, 4.30-4.26, 3.95-3.78, 3.63, 2.98, 2.92-2.77, 2.17-2.09, 1.91-1.80, 1.60。
【0287】
参考例89:2-{2-[(6-ブロモ-3-ピリダジニル){(3aS,4R,6aR)-2-[(5-メチル-2-チエニル)カルボニル]オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-イル}アミノ]エトキシ}エチル 4-メチルベンゼンスルホナート
実施例2で製造した化合物(300mg)のDMF(7.4mL)溶液に水素化ナトリウム(88mg)を加え、室温で30分撹拌した。その後、ジエチレングリコールジトシラート(CAS番号:7460-82-4、305mg)を加えて室温で4時間撹拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(100mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.18(TFA);
MS(ESI,Pos.):649(M+H)
【0288】
実施例19:[(3aS,4R,6aR)-4-{(6-ブロモ-3-ピリダジニル)[2-(2-フルオロエトキシ)エチル]アミノ}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル](5-メチル-2-チエニル)メタノン
【化95】
参考例89で製造した化合物(100mg)のアセトニトリル(1.5mL)溶液にフッ化カリウム(27mg)及び4,7,13,16,21,24-ヘキサオキサ-1,10-ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン(CAS番号:23978-09-8、174mg)を加え80℃で40分撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物(41.6mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.05(TFA);
MS(ESI,Pos.):497(M+H)
H-NMR(CDCl):δ7.37-7.30, 7.28-7.21, 6.85, 6.73, 4.60-4.53, 4.48-4.41, 4.32-4.23, 3.89, 3.87-3.79, 3.78-3.61, 3.04-2.83, 2.50, 2.20-2.01, 1.98-1.87。
【0289】
薬理実験例1:ABHD6酵素阻害活性評価
50mM Tris-HCl(pH7.4)、100mM NaCl、0.05% BSAを含むアッセイバッファーに、終濃度10μmol/となるように基質である1-Arachidonoyl Glycerol(Cayman社)を調製し、化合物を終濃度0.0003、0.001、0.003、0.01、0.03、0.1、0.3、1、3又は10μmol/Lとなるよう添加した(DMSOは終濃度0.3%)。また、終濃度0.3%となるようDMSOを加えたものを化合物非添加群とした。基質と化合物の混合溶液に、同アッセイバッファーで調製されたリコンビナントヒトABHD6 (33-337) を終濃度300μg/mLとなるように加えることで酵素反応を開始した。なお、リコンビナントヒトABHD6 (33-337) はGSTタグ付きであり、大腸菌に発現させたのちにGlutathione-Sepharose 4Bレジンで精製後に濃縮したものを用いた。酵素反応は384ウェルポリプロピレン製のマイクロプレートを用いて室温で実施し、酵素非添加ウェルをBlank群とした。
酵素反応開始1時間後に、内部標準物質としてarachidonic acid-d8(Cayman社)および1%ギ酸を含むメタノールを添加して酵素反応を停止させた。酵素反応プレートの上部をアルミシールし、560gで5分間、室温にて遠心後、RapidFire(登録商標)-Mass Spectrometryシステムにて酵素反応生成物であるarachidonic acidと内部標準物質arachidonic acid-dを定量した。それぞれの定量値の比をとり、Blank群の平均値を100%阻害、化合物非添加群の平均値を0%阻害として、各化合物濃度におけるarachidonic acid産生阻害率を算出し、IC50値を求めた。
上記薬理実験により、本開示化合物が強力なABHD6阻害活性を有することがわかった。例えば、いくつかの本開示化合物のIC50値を下記の表1に示す。
【表1】
【0290】
薬理実験例2:ヒトABHD6に対する結合親和性測定
NanoLuc-ヒトABHD6融合たんぱく質を強制発現させたHEK293細胞を用いて、蛍光性のプローブ分子と被験化合物を競合的に作用させることで、プローブ分子とNanoLuc-ヒトABHD6融合たんぱく質の近接により誘起される生体発光共鳴エネルギー転移(以下、BRETと略記する。)を指標に、ヒトABHD6に対する被験化合物の結合親和性を測定した。
<化合物処理>
被験化合物および対照物質である実施例2に記載の化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)にて溶解し、10mmol/L溶液を調製した。調製した10mmol/L溶液は、使用時に解凍し、DMSOを用いて段階希釈を行い、実験に供した。
<細胞培養>
NanoLuc-ヒトABHD6融合たんぱく質発現HEK293細胞は、非働化(56℃、30分)した9.8vol%非透析-FBS(0.5vol%GENETICINおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含む)を用いて、5%CO存在下、37℃で静置培養した。継代培養は以下の方法で行った。
培地を除去し、Ca2+およびMg2+を含まないリン酸緩衝生理食塩水で1回洗浄した。適量のトリプシン-EDTAを加え、室温でインキュベーションし、細胞を剥離後、トリプシン-EDTA(0.05%)の10倍容量の培地を加え酵素反応を停止させた。遠心管に細胞を回収し120g、3分間室温で遠心分離した後、上清を除去した。細胞を適量の培地に懸濁し、培養フラスコに播種した。
NanoLuc-ヒトABHD6融合たんぱく質を発現させたHEK293細胞を調製後、CELLBANKER2中で5.0x10cells/mL/vialとなるように凍結保存したものを実験に供した。また、20mmol/L HEPES(pH7.3)、0.1%BSAを含むHBSS(+)を調製し、アッセイバッファーとして用いた。細胞を解凍し、2x10cells/mLとなるようにアッセイバッファーに懸濁した。被験化合物を予め添加した384ウェルアッセイプレートに、細胞懸濁液(25μL)を添加して反応を開始し、5%CO存在下、37℃で30分静置した後、蛍光団を有するプローブ分子(10mmol/L in DMSO)が終濃度100nmol/Lとなるようにアッセイバッファーで希釈し、15μLずつアッセイプレートに添加した。更に5%CO存在下、37℃で30分静置した後にNano-Glo(登録商標) Vivazine(商標) substrate(PROMEGA社)を、同社プロトコルに記載されている方法に順じてアッセイバッファーで希釈し、10μLずつアッセイプレートに添加し、室温下、1時間静置後にGloMax(登録商標) Discover systemを用いて発光及び蛍光強度測定を行った。450nmバンドパスフィルターを通した発光強度と、600nmロングパスフィルターを通した蛍光強度の比を各サンプルの測定値とし、対照物質を終濃度30μmol/Lで含む群の測定値を100%阻害、化合物非添加群の測定値を0%阻害として、各被験化合物濃度における測定値から被験化合物のIC50値を求めた。
上記細胞評価系において本開示化合物が強力なABHD6結合活性を有することが認められた。例えば、いくつかの本開示化合物のIC50値を下記の表2に示す。
【表2】
【0291】
薬理実験例3:ABHD6選択性の評価
ラット脳膜画分を用いて、蛍光性のプローブ分子と被験化合物を作用させ、電気泳動でタンパク分離した後、ABHD6、MAGL、FAAH の蛍光強度を指標として、被験化合物の結合親和性を測定した。
<化合物処理>
被験化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)にて溶解し、10mmol/L溶液を調製した。調製した10mmol/L溶液は、使用時に解凍し、DMSOを用いて段階希釈を行ない、終濃度の50倍濃い濃度に調製した。
<ラット脳膜画分調製>
ラットを麻酔下放血後、脳を摘出した。脳重量200mgあたり1mLの氷冷したPhosphate buffered saline(PBS、pH7.5)を添加し、ホモジナイザーでホモジナイズした。ホモジネート溶液を1000g、4℃、10分間遠心分離した後、上清を回収した。得られた上清を100000g、4℃、45分間遠心分離し、沈渣に氷冷PBSを加え、再懸濁させ、膜画分とした。調製した脳膜画分溶液タンパク濃度を定量し、使用まで-80℃冷凍庫で保存した。
<ABPP>
脳膜画分溶液はPBSで3mg/mLに調製した。3mg/mL膜画分溶液50μLにDMSOもしくは化合物溶液を1μL加え、37℃で30分間反応させた。その後、蛍光団を有するプローブ分子(ActivX(商品名) TAMRA-FP Serine Hydrolase Probe、終濃度1μmol/L、DMSO溶液)を1μL添加し、室温で30分間反応させた。4xsodium dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis(SDS-PAGE) loading bufferで反応を停止させた。サンプルを95℃、5分間加熱処理した後、10%アクリルアミドゲルを用い、SDS-PAGEでタンパク分離を行った。SDS-PAGE後のゲルは、ケミルミイメージングシステムで蛍光を可視化した。
ABHD6、MAGL、FAAHの各バンドにおいて、対照群(DMSO処置群)の蛍光バンド強度を0%阻害として、各被験化合物濃度における蛍光強度から被験化合物のIC50値を求めた。その結果、本開示化合物がMAGLおよびFAAHに対して、ABHD6に選択的な阻害活性を有することがわかった。
薬理実験例4:モノヨード酢酸ナトリウム惹起モデルラットに対する鎮痛作用
モノヨード酢酸ナトリウム(以下、MIAと略す。)(Sigma-Aldrich Japan)惹起モデルラットを用いて、本開示化合物の鎮痛作用を評価した。
(1)MIA惹起モデルラットの作製
イソフルラン麻酔下にラット右後肢膝周辺を毛剃りし、29G注射針付きの注射筒(BDロードーズ、日本ベクトン・ディッキンソン社)を用いて右後肢関節腔内に120mg/mLのMIA溶液を25μL投与した。正常対照群には生理食塩液を25μL投与した。
(2)群構成および群分け
正常対照群、発症対照群、被験物質投与群、およびトラマドール投与群またはモルヒネ投与群の群構成で行った。正常対照群以外は上記(1)の方法にて作製されたMIA惹起13若しくは14日後のモデルラットの右後肢負荷重量比率(測定方法は後述)を測定して、右後肢負荷重量比率が各群で偏りがないように群分けした。
(3)被験物質、トラマドール、またはモルヒネの投与
被験物質である本開示化合物を可溶化媒体(コリフォール:PEG=7:3溶液)で溶解して、0.4または8mg/mL溶液に調製した。調製した溶液を蒸留水で4倍希釈し、0.1または2mg/mL溶液に調製した(可溶化媒体の終濃度:25%)。陽性対照薬であるトラマドールを生理食塩液で溶解して、2mg/mL溶液に調製した。または陽性対照薬であるモルヒネを生理食塩液で溶解して、0.6mg/mL溶液に調製した。被験物質は5mL/kgで評価5時間前に経口投与を、トラマドールおよびモルヒネは5mL/kgで評価1時間前に皮下投与した。
(4)右後肢負荷重量比率の測定
Linton Incapacitance Tester(MJS Technology INC.,UK)を用いて左右後肢の負荷重量を測定した。すなわち、ラットをLinton Incapacitance Tester上の専用ケージに移し、左右の後肢が2対の重量測定センサーに別々に乗るように姿勢を正した。ラットの姿勢が左右および前後で偏りがないのを確認後、左および右後肢それぞれの負荷重量を3秒間測定した。負荷重量の測定を1個体当たり3回繰り返した。安定した測定値を得るために、MIA惹起当日から惹起14日後までの間に5日間以上ラットを専用ケージ内に入れて20分以上馴化させた。さらに、負荷重量測定直前にも約10分間馴化させて、負荷重量を測定した。MIA惹起14日後における群分け前、ならびに14日後における正常対照群、発症対照群、被験物質投与群(投与5時間後)、トラマドール投与群(投与1時間後)、およびモルヒネ投与群(投与1時間後)における左右後肢負荷重量を測定した。左右後肢負荷重量の平均値を基に下記の数式1から両後肢の負荷重量における右後肢の負荷重量比率を算出した。MIA惹起14日後の各群の右後肢負荷重量比率を基に、下記の数式2から被験物質である本開示化合物投与時における右後肢負荷重量比率の改善率を算出して、被験物質(本開示化合物)の鎮痛作用を評価した。
【数1】
:右後肢の負荷重量(同一個体を3回測定した値の平均値)
:左後肢の負荷重量(同一個体を3回測定した値の平均値)
【数2】
:正常対照群の右後肢負荷重量比率平均値
:発症対照群の右後肢負荷重量比率平均値
:被験物質投与群の右後肢負荷重量比率平均値
その結果、本開示化合物の鎮痛作用は鎮痛薬として汎用されているトラマドールおよびモルヒネと同等以上の鎮痛作用を有することが分かった。
【0292】
[製剤例]
製剤例
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤約1万錠が得られる。
・{(3aS,4R,6aR)-4-[(6-クロロ-3-ピリダジニル)アミノ]ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル}[5-(ジフルオロメチル)-2-チエニル]メタノン ……100g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) …… 20g
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) …… 10g
・微結晶セルロース ……870g
【産業上の利用可能性】
【0293】
本開示化合物は、ABHD6阻害活性を有するため、本開示化合物を有効成分として含む医薬品は、ABHD6に関連する疾患の予防および/または治療剤として有用である。