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特許7525088試験測定装置用スイッチ・マトリクス及びその動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】試験測定装置用スイッチ・マトリクス及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20240723BHJP
【FI】
G01R31/26 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020097210
(22)【出願日】2020-06-03
(65)【公開番号】P2020201255
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】62/858,291
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/886,229
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505436014
【氏名又は名称】ケースレー・インスツルメンツ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Keithley Instruments,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・ソボレフスキ
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-520770(JP,A)
【文献】特開2005-300495(JP,A)
【文献】特開2010-133954(JP,A)
【文献】特開2005-321379(JP,A)
【文献】特開2008-081040(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105067863(CN,A)
【文献】米国特許第08410804(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0018565(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/182429(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/26-31/27、
31/28-31/3193、
H01L 21/64-21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験測定装置の第1出力端子に接続された中心導体とガードとを有する第1ケーブルと、
上記試験測定装置の第2出力端子に接続された中心導体とガードとを有する第2ケーブルと、
上記第1ケーブルとスイッチを介して接続され、被試験デバイスに接続された中心導体とガードとを有する第3ケーブルと、
上記第2ケーブルとスイッチを介して接続され、上記被試験デバイスに接続された中心導体及びガードを有する第4ケーブルと
上記第1ケーブルの上記ガードを上記第1出力端子又は第1ガード信号端子に選択的に接続する第1スイッチと、
上記第2ケーブルの上記ガードを上記第2出力端子又は第2ガード信号端子に接続する第2スイッチと
を具える試験測定装置用スイッチ・マトリクス。
【請求項2】
上記試験測定装置の上記第1出力端子からの信号がしきい値を超える場合に、上記第1スイッチは、上記第1ケーブルの上記ガードを上記第1出力端子に接続し、上記第2スイッチは、上記第2ケーブルの上記ガードを上記第2出力端子に接続する請求項の試験測定装置用スイッチ・マトリクス。
【請求項3】
上記第1ケーブルの上記ガードが上記第1出力端子に接続される場合に、上記被試験デバイスの第1端子に上記第3ケーブルの上記ガードを接続する第3スイッチと、
上記第2ケーブルの上記ガードが上記第2出力端子に接続される場合に、上記被試験デバイスの第2端子に上記第4ケーブルの上記ガードを接続する第4スイッチと
を更に具える請求項1又は2の試験測定装置用スイッチ・マトリクス。
【請求項4】
上記第1ケーブルの上記ガードが上記第1ガード信号端子に接続される場合に、上記第1ケーブルの上記中心導体を上記試験測定装置の上記第1出力端子に接続する第5スイッチと、
上記第2ケーブルの上記ガードが上記第2ガード信号端子に接続される場合に、上記第2ケーブルの上記中心導体を上記試験測定装置の上記第2出力端子に接続する第6スイッチと
を更に具える請求項からのいずれかの試験測定装置用スイッチ・マトリクス。
【請求項5】
上記試験測定装置の第1入力端子に接続された中心導体と上記第1ケーブルの上記ガードに接続されたガードとを有する第5ケーブルと、
上記試験測定装置の第2入力端子に接続された中心導体と上記第2ケーブルの上記ガードに接続されたガードとを有する第6ケーブルと、
上記被試験デバイスに接続された中心導体と上記第3ケーブルの上記ガードに接続されたガードとを有する第7ケーブルと
上記被試験デバイスに接続された中心導体と上記第4ケーブルの上記ガードに接続されたガードとを有する第8ケーブルと
を更に具える請求項1からのいずれかの試験測定装置用スイッチ・マトリクス。
【請求項6】
試験測定装置と被試験デバイスに接続されたスイッチ・マトリクスを動作させる方法であって、
第1ケーブルの中心導体及びガードを通して上記試験デバイスの第1端子に上記試験測定装置の第1出力信号を伝送する処理と、
第2ケーブルの中心導体及びガードを通して上記被試験デバイスの第2端子に上記試験測定装置の第2出力信号を伝送する処理と
を具え
上記第1ケーブルの上記ガードに上記第1出力信号を供給すると共に上記第2ケーブルの上記ガードに上記第2出力信号を供給する処理か、又は、上記第1ケーブルの上記ガードに第1ガード信号を供給すると共に上記第2ケーブルの上記ガードに第2ガード信号を供給する処理のいずれか一方の処理を選択的に行うスイッチ・マトリクス動作方法。
【請求項7】
上記第1出力信号がしきい値を超える場合に、上記第1ケーブルの上記ガードに上記第1出力信号を供給すると共に上記第2ケーブルの上記ガードに上記第2出力信号を供給する処理を選択する請求項のスイッチ・マトリクス動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験測定システムに関連するシステム及び方法、特に、ソース・メジャー・ユニット(SMU)などの試験測定装置と被試験デバイス(DUT)との間の相互に接続するシステム又はスイッチ・マトリクス(信号経路変更切替装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
試験測定システムは、DUTからの信号を受け取り、試験するように設計されている。SMUなどを含むいくつかの試験測定システムでは、試験測定システムは、所定値の電圧又は電流信号をDUTに供給して、そのときのDUTの応答を試験する(例えば、電圧又は電流値を測定する)。システムによっては、スイッチング・デバイスを使用して、試験測定システムの差動入出力端子とDUTとの間の接続関係を切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-149298号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】「ソースメジャーユニット GS610 取扱説明書」、特に第4-4頁「4.2 接続方式(リモートセンス/ローカルセンス)」の4端子接続の回路図、横河電機株式会社、初版発行2005年7月、第7版発行2019年8月、[online]、[2020年6月2日検索]、インターネット<https://tmi.yokogawa.com/jp/solutions/products/generators-sources/source-measure-units/gs610-source-measure-unit/#ダウンロード____downloads_9>
【文献】「ソースメジャーユニット GS610 カタログ」、特に第3頁の「発生および測定機能」の項の説明及び図、横河電機株式会社、2015年2月13日、[online]、[2020年6月2日検索]、インターネット<https://tmi.yokogawa.com/jp/solutions/products/generators-sources/source-measure-units/gs610-source-measure-unit/#ダウンロード____downloads_9>
【文献】「ソースメータ/ソース・メジャー・ユニット(SMU) 製品カタログ」、SMUの使用方法を紹介、テクトロニクス/ケースレー、文書番号:KIZ-60344-1、2017年6月発行、[online]、[2020年6月2日検索]、インターネット<https://jp.tek.com/source_meter_catalog_kiz-60344-1>
【文献】「ケースレーのソース・メジャー・ユニット」の紹介サイト、テクトロニクス/ケースレー、[online]、[2020年6月2日検索]、インターネット<https://jp.tek.com/keithley-source-measure-units>
【文献】「Source measure unit」の記事、Wikipedia(英語版)、[オンライン]、[2020年5月30日検索]、インターネット<https://en.wikipedia.org/wiki/Source_measure_unit>
【文献】「Triaxial cable(三軸ケーブル)」の記事、Wikipedia(英語版)、[オンライン]、[2020年6月2日検索]、インターネット<https://en.wikipedia.org/wiki/Triaxial_cable>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、このようなシステムでは、SMUとDUTを接続するのに、三軸ケーブル(triaxial cable)を用いた配線が利用される。しかし、三軸ケーブルは、特に高電圧用途において、中心導体の抵抗が比較的高い場合が多い。その結果として、高電圧アプリケーションでは、スイッチング・デバイスを通過する最大電流が非常に限られてしまう。
【0006】
本発明の実施形態は、これら及び他の従来技術の欠陥に取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ソース・メジャー・ユニット(SMU)のような試験測定装置と、被試験デバイス(DUT)との間を接続する複数の三軸ケーブルを用いた配線において、配線による接続関係を切り替える試験測定装置用スイッチ・マトリクスに関する。特に、SMUから高電流のフォース信号をDUTに供給するのに、スイッチ・マトリクスの三軸ケーブルのガードを通して行う。これによって、抵抗値が低くなる(図示せずも、ガードに適切な抵抗を結合しても良い)ことから、最大電流を大きくすることができる。もしフォース信号が低電流の場合には、高電流の場合より、リークの影響が相対的に大きくなることから、本発明のスイッチ・マトリクスの実施形態によっては、スイッチの切り替えにより、三軸ケーブルの中心導体にフォース信号を流しつつ、ガードにガード信号を流す低電流モードに切り替えられるようにしても良い。また、スイッチを更に増加させた本発明のいくつかの実施形態では、センス専用の経路を無くしながら、高電流でリモートセンス測定が可能となる一方、スイッチの切り替えにより、その同じ経路で低電流に適した低リーク経路も実現できる。
【0008】
このように、本発明の実施形態の1つとしては、SMUからの高電流をDUTに供給するのに適したスイッチ・マトリクスを提供できる。更に、別の実施形態では、スイッチを追加して、既存のスイッチ・マトリクスの基本構成を維持しながら、追加したスイッチの開閉(オン・オフ)状態の制御により、高電流供給に適したモードと、低電流供給に適した低リークのモードの2つモードの間で切り替え可能なスイッチ・マトリクスを実現できる。
【0009】
本開示の実施形態の態様の側面、特徴及び利点は、次のような追加図面を参照して実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明のいくつかの実施形態による例示的な試験システムのブロック図である。
図2図2は、本発明のいくつかの実施形態による図1のスイッチ・マトリクスの一例のブロック図である。
図3図3は、本発明のいくつかの実施形態による図1のスイッチ・マトリクスの別の例のブロック図である。
図4図4は、本発明のいくつかの実施形態による図1のスイッチ・マトリクスの別の例のブロック図である。
【0011】
試験測定システムの従来のスイッチ・マトリクスは、DUTを試験測定装置に接続するのに、多数のケーブル(通常は三軸ケーブル)を使用する。例えば、SMUをDUTに接続するには、スイッチ・マトリクスが、1つのHIフォース(force)ケーブル及び1つのLOフォース・ケーブルを少なくとも有しており、加えて、測定する内容によっては、1つのHIセンス(sense:検出)ケーブル及び1つのLOセンス・ケーブルを有することになろう。SMUにおいては、フォース・ケーブルは、例えば、信号(例えば、電流)をDUTに供給(又は印可)し、センス・ケーブルは、例えば、DUTからの測定値(例えば、電圧値)を試験測定装置に伝送する。
【0012】
三軸ケーブルには、中心導体に加えて、導電性の内部鎧装(sheath)又は内部シールドがあり、これは中心導体と同軸で、中心導体の周りを囲んでいる。導電性内部シールドは、ガードと呼ばれることもある。ガード信号は、中心導体を通るフォース信号及びセンス信号とともに、ガードを通って流れ、ケーブル配線とシステム中に存在するスイッチのエラー電流を最小限に抑える。三軸ケーブルには、導電性外部シールド(シェル又は外皮(casing)とも呼ぶ)があり、これは、中心導体及びガードの両方と同軸で、これらの周りを囲んでいる。しかし、三軸ケーブルは、特に三軸ケーブルが高電圧用途の場合に、中心導体の抵抗値が比較的高いという課題に苦しむことが多い。このような場合、三軸ケーブルを通る最大電流は非常に限定され、高電流のアプリケーションでは、こうしたスイッチング・デバイスを効果的に利用することができない。
【0013】
図1は、DUT104と試験測定装置106とに接続されたスイッチ・マトリクス102を含む例示的な試験システム100のブロック図の例を示す。スイッチ・マトリクス102は、試験測定装置106とDUT104との間で、試験信号を切り替えるよう構成される。スイッチ・マトリクス102には、スイッチ・マトリクス102内の複数のスイッチを制御する1つ以上のドライバ(駆動回路)108があっても良い。1つ以上のドライバ108には、1つ以上のコントローラ又はプロセッサがあっても良い。スイッチ・マトリクス102には、更に、1つ以上のドライバ又はプロセッサ108によって実行される命令を記憶するためのメモリ110があってもよい。実施形態によっては、1つ以上のドライバ108に対する指示は、試験測定装置106から送信される。
【0014】
当業者には理解されるように、スイッチ・マトリクス102は、試験測定装置106から独立して示されているが、実施形態によっては、スイッチ・マトリクス102が、試験測定装置106の構成要素として内部に含まれていても良い。
【0015】
図2は、本発明のいくつかの実施形態によるスイッチ・マトリクスの例を示し、スイッチ・マトリクス102として使用できる。図2に示すスイッチ・マトリクスは、SMUのような試験測定装置200と、DUT202とに接続される。図を簡潔にするため、図2のスイッチ・マトリクスは、抵抗器、演算増幅器(バッファを含む)、1つ以上のプロセッサ、ドライバ、メモリなど、スイッチ・マトリクスの中の他の様々な構成要素は示していない。
【0016】
当業者には理解されるように、SMUと共に利用されるスイッチ・マトリクスには、HI信号パスとLO信号パスの区別があり、加えて、フォース・パス(forcing path)及びセンス・パス(sensing path)の区別もある。スイッチ・マトリクスには、複数のフォース(force)ケーブル204、206、208及び210と、複数のセンス(sense)ケーブル212、214、216及び218がある。各ケーブルには、中心導体220とガード222とがあり、ガード222は、内部シールドと呼ばれることもある。試験測定装置200からのフォース信号(HI信号又はLO信号)は、フォース・ケーブル204、206、208及び210を介してDUT202に送られる一方で、DUT202からのセンス信号は、その値を測定するために、センス・ケーブル212、214、216及び218を介して試験測定装置200に送られる。
【0017】
試験測定装置200からのHI信号(HIフォース信号)は、フォース・ケーブル204及び206の中心導体220を通してDUT202に送られる。スイッチ224が、ケーブル204と206の間に設けられてもよい。フォース・ケーブル206の中心導体220は、DUT202の第1端子201に接続されている。フォース・ケーブル204の中心導体220は、試験測定装置200のHI端子に接続されている。
【0018】
DUT202からのHI信号(HIセンス信号)は、センス・ケーブル212及び214の中心導体220を通して試験測定装置200のセンスHI端子に送られる。スイッチ226が、センス・ケーブル212と214の間に設けられてもよい。センス・ケーブル214の中心導体220は、DUT202の第1端子201に接続されている。センス・ケーブル212の中心導体220は、試験測定装置200のセンスHI端子に接続されている。
【0019】
試験測定装置200からのLO信号(LOフォース信号)は、フォース・ケーブル208及び210の中心導体220を通してDUT202に送られる。スイッチ228は、フォース・ケーブル208と210の間に設けられてもよい。フォース・ケーブル210の中心導体220は、DUT202の第2端子203に接続されている。フォース・ケーブル208の中心導体220は、試験測定装置200のLO端子に接続されている。
【0020】
DUT202からのLO信号(LOセンス信号)は、センス・ケーブル216及び218の中心導体220を通して試験測定装置200のセンスLO端子に送られる。スイッチ230が、センス・ケーブル216と218の間に設けられても良い。センス・ケーブル218の中心導体220は、DUT202の第2端子203に接続されている。センス・ケーブル216の中心導体220は、試験測定装置200のセンスLO端子に接続されている。
【0021】
また、スイッチ232、234、236及び238を、HIフォース・ケーブル・ペア204及び206、HIセンス・ケーブル・ペア212及び214、LOセンス・ケーブル・ペア216及び218、並びに、LOフォース・ケーブル・ペア208及び210の夫々の間に設けて、これらケーブル・ペア夫々のガード222を選択的に接続/切断できるようにしても良い。ケーブル204及び212のガード222は互いに結合され、また、ケーブル206及び214のガード222は互いに接続される。ケーブル216及び208のガード222は互いに結合され、ケーブル218及び210のガード222は互いに接続される。
【0022】
しかし、従来のスイッチ・マトリクスとは異なり、各種のフォース及びセンス・ケーブル204、206、208、210、212、214、216及び218のガード222に、別個のガード信号は伝送されない。むしろ、フォース・ケーブル204及びセンス・ケーブル212夫々のガード222は、フォース・ケーブル204の中心導体220に短絡又は電気的に接続され、このため、HIフォース信号(HI force signal)は、ケーブル204及び212のガード222を通してDUTに送られる。また、フォース・ケーブル208及びセンス・ケーブル216夫々のガード222は、フォース・ケーブル208の中心導体220に短絡され、このため、LOフォース信号は、ケーブル208及び216のガード222を通してDUTに送られる。ケーブル206、210、214、及び218のガード222は、それぞれ、ケーブル206、210、214及び218のそれぞれの中心導体220に接続され、更に、DUT202にも接続される。
【0023】
また、ケーブル204、206、208、210、212、214、216及び218の夫々の外部シールド240は、図2に示すように、試験測定装置200のLO出力端子に1つにまとめて接続され、更に、DUT202に近い位置で1つにまとめて接続される。ケーブル204、206、208、210、212、214、216及び218夫々の外部シールド240をこのように接続することで、全体的な接続インダクタンスを低く維持し、高速、高電流パルスを可能にできる。
【0024】
図2のスイッチ・マトリクスは、独立したガード信号を有する従来のスイッチ・マトリクスに比較して、ガード222を通るパスの抵抗値がはるかに低く、従って、ずっと大きな電流を伝送する能力を提供する。後述のように、図2の実施形態では、ガード信号を利用しないが、供給する電流が大きいので、リークの影響は、相対的に小さくなることに注意されたい。なお、ケーブル間スイッチ224、226、228、230、232、234、236及び238をオフにすれば、当然ながら、試験測定装置200とDUT202間のフォース信号及びセンス信号の伝送を夫々切断でき、これは、スイッチ・マトリクスとしての基本的な機能の1つを提供する。また、図2に示されていないが、中心導体220に短絡されたガード222のないケーブルをシステムに追加しても良く、それでも、これら経路は、充分に低いリーク(漏れ)性能を提供できるであろう。
【0025】
図3は、本発明のいくつかの実施形態によるスイッチ・マトリクスの別の例を示し、図1のスイッチ・マトリクス102として使用できる。ここでも説明を簡潔にするため、図1の説明と同様に、図3のスイッチ・マトリクスの他の様々な構成要素は図3に示していない。また、図2に関して上述した構成要素で、図3のスイッチ・マトリクスにも含まれるものについては、同じ参照番号を付与し、図3に関して更に詳しい説明は行わない。
【0026】
図3のスイッチ・マトリクスでは、HIガード信号に関するスイッチ300が設けられ、HIガード信号を、フォース・ケーブル204及びセンス・ケーブル212のガード222に、選択的に供給又は切断可能になっている。また、もう1つのスイッチ302が、試験測定装置200のHI信号端子と、フォース・ケーブル204及びセンス・ケーブル212のガード222との間に設けられても良い。同様に、LOガード信号に関するスイッチ304が設けられ、LOガード信号を、フォース・ケーブル208及びセンス・ケーブル216のガード222に、選択的に供給又は切断可能になっている。更に、スイッチ306が、試験測定装置200のLO信号端子と、フォース・ケーブル208及びセンス・ケーブル216のガード222との間に設けられても良い。
【0027】
ケーブル206及び214のガード222が互いに接続され、また、ケーブル210及び218のガード222が互いに接続されている。ケーブル206及び214のガード222をDUT202の第1端子201に選択的に接続又は切断するために、スイッチ308を設けても良く、また、ケーブル210及び218のガード222をDUT202の第2端子203に選択的に接続又は切断するために、スイッチ310を設けても良い。
【0028】
また、スイッチ312及び314を、スイッチ・マトリクスの試験測定装置200側に設け、センス・ケーブル212及び216の中心導体220からのセンス(sensing)信号を、試験測定装置200のセンスHI端子及びセンスLO端子に夫々選択的に供給又は切断できるようにしても良い。
【0029】
これらスイッチを使用することで、図3のスイッチ・マトリクス(信号経路選択装置)は、リモートセンスで高電流の信号経路と、ガードで保護された低電流の信号経路の両方を選択的に提供できるという信号経路選択機能を提供できる。即ち、試験測定装置200から高電流を供給(フォース)する場合には、スイッチ300及び304をオフとしてガード信号を遮断し、代わりに、スイッチ302及び306をオンにして、試験測定装置202からのフォース信号(HI信号及びLO信号)が、フォース・ケーブルの夫々対応する中心導体220に加えて、フォース・ケーブル及びセンス・ケーブルの夫々対応するガード222にも供給される(図3に示す状態)。この場合、図2と同等の動作となることが理解できよう。一方、試験測定装置200から低電流をDUT202に供給する場合は、スイッチ300及び304をオンにして、HIガード信号及びLOガード信号を夫々対応するガード222に供給する一方で、スイッチ302、306、308及び310は、オフにする。この低電流モードでは、低電流であるために、リークの影響が高電流の場合と比較して相対的に大きくなるが、ガード信号をガード222に供給することで、リークの影響を低下させることができる。
【0030】
図4は、本発明のいくつかの実施形態によるスイッチ・マトリクスの更に別の例を示し、図1のスイッチ・マトリクス102として使用しても良い。ここでも、説明を簡潔にするために、図4のスイッチ・マトリクスの様々な他の構成要素は、図1で示したように、図4では図示しない。更に、図2及び3に関して上述した構成要素で、図4のスイッチ・マトリクスに含まれるものには、同じ参照番号を付与し、図4に関して更に詳しい説明はしない。
【0031】
図4のスイッチ・マトリクスでは、スイッチの切り替えにより、ケーブル204、206、208、210は、フォース・ケーブルとセンス・ケーブルの両方のどちらかとして選択的に使用できる。スイッチ400及び402を追加して、試験測定装置200からのHI信号及びLO信号を、ケーブル204及び208の中心導体220に、選択的に供給/遮断できるようにしても良い。
【0032】
図4のスイッチ・マトリクスを使用すると、既存の基本構成を維持しながら、高電流で、リモートセンス測定が可能となり、スイッチを切り替えれば、その同じ経路で低リーク機能も実現できる。即ち、図4は、試験測定装置200が高電流を供給する場合のスイッチの開閉(オン・オフ)状態を示し、試験測定装置200のHI端子及びLO端子夫々からのフォース信号は、ケーブルの対応するガード222を通してDUTに供給され、DUTからのセンス信号は、対応する中心導体220を通して試験測定装置200のセンスHI端子及びセンスLO端子に伝送される。一方、試験測定装置202から低電流をDUTに供給する場合は、スイッチ300及び304をオンにして、HIガード信号及びLOガード信号を夫々対応するガード222に供給しつつ、スイッチ302、306、308及び310はオフにすると同時に、スイッチ400及び402をオンにして、中心導体220にフォース信号が供給される。なお、センスHI端子及びセンスLO端子は、周知のように、高入力インピーダンスであり、理想的には、これら端子には電流が流れ込まないことに注意されたい。図4のスイッチ・マトリクスによれば、センス専用の経路を無くすことで、スイッチ・マトリクスのシステム・コストが削減され、同時に、スイッチ・マトリクス内の構成要素の数が減るために、サイズが小さくなり、信頼性が向上する。
【0033】
図2~4の各スイッチ・マトリクスにおいて、試験測定装置200のHI又はLO出力端子にガードを直接接続すると、より高い電流がスイッチ・マトリクスを通過でき、DUT202のリモートセンス測定が可能になる。これは、三軸ケーブルの小さくて、高い抵抗値の中心導体を前提にすると、三軸ケーブルを使用する従来のスイッチ・マトリクスでは行うことができないことである。スイッチ・マトリクスの1つ以上のドライバ108は、図2~4のスイッチ・マトリクスの各種スイッチを操作でき、これにより、試験測定装置200とDUT202との間で、フォース信号及びセンス信号を送信することが可能になる。いくつかの実施形態では、メモリ110が、1つ以上のドライバ108に関する命令を記憶する一方、別の実施形態では、命令が、試験測定装置200から送信されてもよい。
【0034】
例えば、図3及び図4のスイッチ・マトリクスでは、試験測定装置200は、上記で説明したような1つ以上のドライバ108を駆動するための命令を含んでもよい。例えば、低電流モードで動作しているときに、電流値がしきい値を超えたら、試験測定装置200は、試験測定装置からのHI又はLOフォース信号をケーブル204、208、212や216のガード222に接続するようにスイッチに指示し、自動で高電流モードにスイッチの設定状態を切り替えるようにしても良い。逆に、電流値がしきい値を下回ったら、自動で高電流モードから低電流モードにスイッチの設定状態を切り替えるようにしても良い。
【0035】
更に、スイッチ300、302、304、306、312、314、400及び402は、図3及び4のスイッチ・マトリクスの一部として示されているが、実施形態によっては、これらのスイッチは、試験測定装置200内に直接含まれていて、試験測定装置200内の1つ以上のプロセッサ又はドライバによって駆動されても良い。加えて、図3及び4において、スイッチ300及び302は、別々のスイッチとして図示しているが、試験測定装置のHI端子、ガードHI信号端子及びオープンのいずれかを選択して、ケーブル204のガードに接続する単一のスイッチとしても良い。同様に、スイッチ304及び306は、別々のスイッチとして図示しているが、試験測定装置のLO端子、ガードLO信号端子及びオープンのいずれかを選択して、ケーブル208のガードに接続する単一のスイッチとしても良い。
【0036】
当業者であれば理解できるように、いくつかの実施形態では、ケーブル204、206、208、210、212、214、216及び218の夫々の外側シールド240は、スイッチを介して試験測定装置200のLO出力端子で1つにまとめて接続される。例えば、外部シールド240は、DC高電流が必要な場合にのみ、試験測定装置200のLO出力端子に接続されなくても良い。
【0037】
本発明の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本発明の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本発明の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0038】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含むことができる。
【0039】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は排除される。
【0040】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含むことができる。
【0041】
実施例
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0042】
実施例1は、試験測定装置用スイッチ・マトリクスであって、
試験測定装置の第1出力端子に接続された中心導体とガードとを有する第1ケーブルと、
上記試験測定装置の第2出力端子に接続された中心導体とガードとを有する第2ケーブルと、
上記第1ケーブルとスイッチを介して接続され、被試験デバイスに接続された中心導体とガードとを有する第3ケーブルと、
上記第2ケーブルとスイッチを介して接続され、上記被試験デバイスに接続された中心導体及びガードを有する第4ケーブルと
を具えている。
【0043】
実施例2は、実施例1の試験測定装置用スイッチ・マトリクスであって、第1ケーブル、第2ケーブル、第3ケーブル及び第4ケーブル夫々の外部シールドが互いに接続されると共に、試験測定装置の第2出力端子に接続されている。
【0044】
実施例3は、実施例1又は2の試験測定装置用スイッチ・マトリクスであって、
上記試験測定装置の第1入力端子に接続された中心導体と上記第1ケーブルの上記ガードに接続されたガードとを有する第5ケーブルと、
上記試験測定装置の第2入力端子に接続された中心導体と上記第2ケーブルの上記ガードに接続されたガードとを有する第6ケーブルと、
上記被試験デバイスに接続された中心導体と上記第3ケーブルの上記ガードに接続されたガードとを有する第7ケーブルと
上記被試験デバイスに接続された中心導体と上記第4ケーブルの上記ガードに接続されたガードとを有する第8ケーブルと
を更に具えている。
【0045】
実施例4は、実施例3の試験測定装置用スイッチ・マトリクスであって、このとき、第5ケーブルのガードは、試験測定装置の第1出力端子に接続され、第6ケーブルのガードは、試験測定装置の第2出力端子に接続されている。
【0046】
実施例5は、実施例4の試験測定装置用スイッチ・マトリクスであって、第5ケーブルのガードを試験測定装置の第1出力端子に接続する第1スイッチを更に具えている。また、第6ケーブルのガードを試験測定装置の第2出力端子に接続する第2スイッチを更に具えていても良い。
【0047】
実施例6は、実施例5の試験測定装置用スイッチ・マトリクスであって、第1ケーブルのガード及び第5ケーブルのガードを第1ガード信号に接続する第1スイッチを更に具えている。
【0048】
実施例7は、実施例6の試験測定装置用スイッチ・マトリクスであって、第2ケーブルのガード及び第6ケーブルのガードを第2ガード信号に接続する第2スイッチを更に具えている。
【0049】
実施例8は、実施例1の試験測定装置用スイッチ・マトリクスであって、
上記第1ケーブルの上記ガードを上記第1出力端子又は第1ガード信号端子に選択的に接続する第1スイッチと、
上記第2ケーブルの上記ガードを上記第2出力端子又は第2ガード信号端子に接続する第2スイッチと
を更に具えている。
【0050】
実施例9は、実施例1又は2の試験測定装置用スイッチ・マトリクスであって、上記第1ケーブルの上記ガードが上記第1ガード信号端子に接続される場合に、第1ケーブルの中心導体を試験測定装置の第1出力端子に接続する第5スイッチと、上記第2ケーブルの上記ガードが上記第2ガード信号端子に接続される場合に、第2ケーブルの中心導体を試験測定装置の第2出力端子に接続する第6スイッチとを更に具えている。
【0051】
実施例10は、実施例9の試験測定装置用スイッチ・マトリクスであって、第1ケーブルの中心導体を試験測定装置の第1入力端子に接続する第7スイッチと、第2ケーブルの中心導体を試験測定装置の第2入力に接続する第8スイッチとを更に具えている。
【0052】
実施例11は、実施例1又は2の試験測定装置用スイッチ・マトリクスであって、
上記第1ケーブルの上記ガードが上記第1出力端子に接続される場合に、上記被試験デバイスの第1端子に上記第3ケーブルの上記ガードを接続する第3スイッチと、
上記第2ケーブルの上記ガードが上記第2出力端子に接続される場合に、上記被試験デバイスの第2端子に上記第4ケーブルの上記ガードを接続する第4スイッチと
を更に具えている。
【0053】
実施例12は、実施例1から11のいずれかの試験測定装置用スイッチ・マトリクスであって、第1ケーブル、第2ケーブル、第3ケーブル及び第4ケーブルのそれぞれが三軸ケーブルである。
【0054】
実施例13は、試験測定システムであって、実施例1の試験測定装置用スイッチ・マトリクスと、試験測定装置用スイッチ・マトリクスに接続された試験測定装置とを具え、上記試験測定装置が、上記第1ケーブルの上記ガードを上記第1出力端子又は第1ガード信号端子に選択的に接続する第1スイッチと、上記第2ケーブルの上記ガードを上記第2出力端子又は第2ガード信号端子に接続する第2スイッチとを有している。
【0055】
実施例14は、実施例13の試験測定システムであって、試験測定装置が、試験測定装置の第1出力端子に第1ケーブルの中心導体を接続する第5スイッチと、試験測定装置の第2出力端子に第2ケーブルの中心導体を接続する第6スイッチとを更に有している。
【0056】
実施例15は、実施例14の試験測定システムであって、試験測定装置が、第1ケーブルの中心導体を試験測定装置の第1入力端子に接続する第7スイッチと、第2ケーブルの中心導体を試験測定装置の第2入力端子に接続する第8スイッチとを更に有している。
【0057】
実施例16は、実施例13から15のいずれかの試験測定システムであって、試験測定装置が、第1出力端子又は第2出力端子からの電流がしきい値を超えた場合に、上記第1スイッチによって、上記第1ケーブルの上記ガードを上記第1出力端子に接続させ、上記第2スイッチによって、上記第2ケーブルの上記ガードを上記第2出力端子に接続させるように構成される1つ以上のプロセッサを更に具えている。
【0058】
実施例17は、試験測定装置と被試験デバイスに接続されたスイッチ・マトリクスを動作させる方法であって、第1ケーブルの中心導体及びガードを通して被試験デバイスの第1端子に試験測定装置の第1出力信号を送信する処理と、第2ケーブルの中心導体及びガードを通して被試験デバイスの第2端子に試験測定装置の第2出力信号を送信する処理とを具えている。
【0059】
実施例18は、実施例17の方法であって、第1ケーブルのガードに第1ガード信号を送信するようにスイッチを切り替える処理を更に具えている。
【0060】
実施例19は、実施例18の方法であって、第1ケーブルのガードに第1ガード信号を送信するようにスイッチを切り替える処理は、試験測定装置の第1出力端子からの電流がしきい値を下回った場合に、第1ケーブルのガードに第1ガード信号を伝送するようにスイッチを切り替える処理を含んでいる。
【0061】
実施例20は、実施例17~19のいずれかの方法であって、第1ケーブルの中心導体を試験測定装置の第1入力端子に接続するようにスイッチを切り替える処理と、第2ケーブルの中心導体を試験測定装置の第2入力端子に接続するようにスイッチを切り替える処理とを更に具えている。
【0062】
開示された主題の上述のバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべてのバージョンにおいて、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0063】
加えて、本願の記述は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例の状況において開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例の状況においても利用できる。
【0064】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0065】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲を除いて限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0066】
100 試験システム
102 スイッチ・マトリクス
104 DUT
106 試験測定装置
108 ドライバ
200 試験測定装置
201 被試験デバイスの第1端子
202 被試験デバイス(DUT)
203 被試験デバイスの第2端子
204 第1ケーブル
206 第3ケーブル
208 第2ケーブル
210 第4ケーブル
212 第5ケーブル(センス・ケーブル)
214 第7ケーブル(センス・ケーブル)
216 第6ケーブル(センス・ケーブル)
218 第8ケーブル(センス・ケーブル)
220 中心導体
222 ガード(内部シールド)
224 ケーブル間スイッチ
226 ケーブル間スイッチ
228 ケーブル間スイッチ
230 ケーブル間スイッチ
232 ケーブル間スイッチ
234 ケーブル間スイッチ
236 ケーブル間スイッチ
238 ケーブル間スイッチ
240 外部シールド
300 第1スイッチ
302 第1スイッチ
304 第2スイッチ
306 第2スイッチ
308 第3スイッチ
310 第4スイッチ
312 第7スイッチ
314 第8スイッチ
400 第5スイッチ
402 第6スイッチ
図1
図2
図3
図4