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特許7525092LEDが埋め込まれている布と物品、及びそれらの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】LEDが埋め込まれている布と物品、及びそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A41D 27/08 20060101AFI20240723BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240723BHJP
   D03D 1/00 20060101ALI20240723BHJP
   A41D 31/04 20190101ALI20240723BHJP
   A41D 13/01 20060101ALN20240723BHJP
【FI】
A41D27/08 C
H01L33/00 L
H01L33/00 H
H01L33/00 J
D03D1/00 Z
A41D31/04 G
A41D31/04 Z
A41D13/01
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019135395
(22)【出願日】2019-07-23
(65)【公開番号】P2020059964
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】18185233.6
(32)【優先日】2018-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507343327
【氏名又は名称】サンコ テキスタイル イスレットメレリ サン ベ ティク エーエス
【氏名又は名称原語表記】SANKO TEKSTIL ISLETMELERI SAN. VE TIC. A.S.
【住所又は居所原語表記】Organize Sanayi Bolgesi 3. Cadde 16400 Inegol-Bursa(TR)
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】オズギュル シバノグル
(72)【発明者】
【氏名】フェヒム チャグラル
(72)【発明者】
【氏名】セルカン メルツ
(72)【発明者】
【氏名】デニズ イイドアン
(72)【発明者】
【氏名】アドナン コジャメル
(72)【発明者】
【氏名】ハカン ディンジェル
(72)【発明者】
【氏名】エルトゥグ エルクシュ
【審査官】西尾 元宏
(56)【参考文献】
【文献】特許第6232622(JP,B1)
【文献】米国特許第04823240(US,A)
【文献】登録実用新案第3192015(JP,U)
【文献】中国実用新案第201365557(CN,Y)
【文献】米国特許出願公開第2013/0215604(US,A1)
【文献】カナダ国特許出願公開第02416101(CA,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3272281(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 27/00-27/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主層(1)、少なくとも1つのLED(2)、複数の電気的接続部(4)により前記LED(2)に接続された論理制御ユニット(6)、及び、前記複数の電気的接続部により前記論理制御ユニットに接続された検知装置(7)を含む布であって
前記論理制御ユニットは、前記検知装置(7)からの検知信号に基づいて、前記少なくとも1つのLED(2)を制御するように構成されており、
前記主層(1)には、前記少なくとも1つのLED(2)に対応して配置され、前記LEDから放射された光が通過できるように構成された、少なくとも1つの孔(5)又は少なくとも1つの被覆部(12)が設けられており、
前記検知装置(7)は、前記主層(1)に配置された検知部(9)を有し、前記検知部(9)は、ユーザが触れたタッチイベントの位置を検出するように構成されたタッチセンサ(8)を含み、前記検知信号は、前記検知部(9)上の前記タッチイベントを示し、
前記検知装置(7)は、さらに、加速度計を備えており、前記加速度計は、所定の方向の加速度を検出するように構成されており、
前記論理制御ユニット(6)は、前記布(10)の前記検知部(9)上で検出された前記タッチイベントの位置に応じて、または前記加速度が特定の閾値を超えたときの所定の方向の前記加速度に応じて、前記LED(2)を制御するように構成されていることを特徴とする布(10)。
【請求項2】
請求項1において、支持体(3)を備え、前記少なくとも1つのLED(2)は、前記支持体(3)の結合面(3a)に配置され、前記結合面(3a)は、前記主層(1)の内面(1a)に結合され、前記支持体(3)は前記複数の電気的接続部(4)を含んでいることを特徴とする布(10)。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記タッチセンサ(8)は、少なくとも1方向のみに沿って設けられ前記タッチイベントの位置を検出するように構成され、
前記論理制御ユニット(6)は、前記布(10)の前記検知部(9)上で検出された前記タッチイベントの位置応じて、前記LED(2)を制御するように構成されていることを特徴とする布(10)。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、前記被覆部(12)は、前記電気的接続部(4)および前記LED(2)を収容するための、実質的に管状のハウジングを形成していることを特徴とする布(10)。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、前記検知部の直線経路に沿って前記LED(2)が配置されており、前記論理制御ユニットは、前記検知部が検知した前記ユーザの触れた位置に対応する前記LEDをオンするように構成されていることを特徴とする布(10)。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項において、前記検知部を囲む2つの側面に沿って前記LED(2)が配置されており、前記論理制御ユニットは、前記検知部が検知した前記タッチイベントのX-Y座標に応じて、前記LEDを選択的にオンにするように構成されていることを特徴とする布(10)。
【請求項7】
主層(1)、複数のLED(2)、複数の電気的接続部(4)、論理制御ユニット(6)、及び、前記複数の電気的接続部により前記論理制御ユニットに接続された検知装置(7)を含む布であって
前記論理制御ユニットは、前記検知装置(7)からの検知信号に基づいて、前記複数のLED(2)を制御するように構成されており、
前記主層(1)には、前記複数のLED(2)の各々に対応して配置され、前記各LED(2)から放射された光が通過できるように構成された、被覆部(12)が設けられており、
前記検知装置(7)は、前記主層(1)に配置された検知部(9)を有し、前記検知部(9)は、ユーザが触れたタッチイベントの位置を検出するように構成されたタッチセンサ(8)を含み、前記検知部の直線経路に沿って前記複数のLED(2)が配置されており、前記検知信号は、前記検知部(9)上の前記タッチイベントを示し、
前記検知装置(7)は、さらに、加速度計を備えており、前記加速度計は、所定の方向の加速度を検出するように構成されており、
前記論理制御ユニット(6)は、前記タッチセンサによって検知された特定のイベントを示す前記検知信号を、前記検知装置から読み出し、前記タッチイベントの位置に応じて、または前記加速度が特定の閾値を超えたときの所定の方向の前記加速度に応じて、前記LED(2)を制御するように構成されていることを特徴とする布(10)。
【請求項8】
主層(1)、複数のLED(2)、複数の電気的接続部(4)、論理制御ユニット(6)、及び、前記複数の電気的接続部により前記論理制御ユニットに接続された検知装置(7)を含む布であって
前記論理制御ユニットは、前記検知装置(7)からの検知信号に基づいて、前記複数のLED(2)を制御するように構成されており、
前記主層(1)には、前記複数のLED(2)の各々に対応して配置され、前記各LED(2)から放射された光が通過できるように構成された、被覆部(12)が設けられており、
前記検知装置(7)は、前記主層(1)に配置された検知部(9)を有し、前記検知部(9)は、ユーザが触れたタッチイベントの位置を検出するように構成されたタッチセンサ(8)を含み、前記検知部を囲む2つの側面に沿って前記複数のLED(2)が配置されており、前記検知信号は、前記検知部(9)上の前記タッチイベントを示し、
前記検知装置(7)は、さらに、加速度計を備えており、前記加速度計は、所定の方向の加速度を検出するように構成されており、
前記論理制御ユニットは、前記検知部が検知した前記タッチイベントのX-Y座標に応じて、または前記加速度が特定の閾値を超えたときの所定の方向の前記加速度に応じて、前記LEDを選択的にオンにするように構成されていることを特徴とする布(10)。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の前記布(10)を含むことを特徴とする物品(11)。
【請求項10】
前記物品は、衣服であることを特徴とする請求項9に記載の物品(11)。
【請求項11】
前記物品は、フィジェットトイであることを特徴とする請求項9に記載の物品(11)。
【請求項12】
請求項10又は11のいずれか1項において、前記物品(11)は、前記布(10)を含むポケット(11a)を有し、前記検知装置(7)が、前記ポケット(11a)内に配置されていることを特徴とする物品(11)。
【請求項13】
請求項12において、前記論理制御ユニット(6)は、前記ポケット(11a)内の物体の在及び/又は不在を示す前記検知装置(7)から来る前記検知信号に応じて前記LED(2)を制御するように構成されていることを特徴とする物品(11)。
【請求項14】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の布(10)を製造する方法であって、
ステップ(a)複数の前記電気的接続部(4)を提供し、
ステップ(b)前記少なくとも1つのLED(2)を前記電気的接続部(4)に電気的に接続し、
ステップ(c)前記主層(1)に、前記少なくとも1つの孔(5)又は前記少なくとも1つの被覆部(12)を設け、
ステップ(d)前記少なくとも1つのLED(2)を、前記主層(1)に結合する、各ステップを有し、かつ
前記ステップ(d)において、前記少なくとも1つの孔(5)、又は前記少なくとも1つの被覆部(12)を、前記少なくとも1つのLED(2)によって放射された光を通過させるように、前記少なくとも1つのLED(2)に対応して配置することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、E-テキスタイルの分野(さらには、スマート衣服、スマート衣類、スマートテキスタイル、あるいはスマートファブリックとして知られている分野)に関する。
特に、本発明は、1個または複数のLED(発光ダイオード)が埋め込まれているスマートファブリック、及びそのスマートファブリックの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
E-テキスタイル、特にスマート衣類には、一般に、さまざまな目的に使用される衣料品(例えば、Tシャツ、靴、手袋、パンツなど)を提供するための電子部品(例えば、センサ、アクチュエーター、マイクロコントローラーなど)が付属している。
LEDを有する衣類として、例えば着用者のステップに応答してLEDが作動する子供用の靴、及び、布にLEDが連結されているTシャツやジャケットなどが知られている。
【0003】
これらの衣類は、例えば、派手な外観とするために、又は着用者の存在を知らせるために、(例えば、ジョギング中、又は、暗い道で自転車やバイクに乗っているときなどにおいて)使用される。
ただし、多くの場合、布の中にLEDが存在すると、特にLEDをオフにした場合に、衣服のスタイリッシュな外観を損なう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記した先行技術の欠点を克服し、美的外観を損なうことなく、物品に使用できる、1個または複数のLEDが埋め込まれた布を提供することである。
本発明のさらなる目的は、1個または複数のLEDが埋め込まれ、スタイリッシュな外観を有する物品に使用できる布を、簡単かつ信頼性の高い方法で製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの目的及び他の目的は、本発明の独立請求項に記載の布、物品、及び製造方法によって達成される。
本発明の好ましい態様は、従属請求項に記載されている。
【0006】
特に、本発明による布は、主層と少なくとも1つのLEDを備えている。
前記主層は、2つの表面の間に位置する、実質的に平面状を呈している。特に、前記主層は、実質的に二次元の広がり、すなわち、他の2つの次元に対して実質的に無視できる三次元の一つ(二面間の距離によって定義される厚さ)を有している。
前記主層は、内面と外面を備えている。前記主層は、例えば、織物層、編物層又は不織布層からなっている。
【0007】
本発明による前記布は、検知装置から来る検知信号に応じて、LEDを制御するようになっている論理制御ユニットに、1個または複数のLEDを電気的に接続する複数の電気的接続部を有している。
本発明の一態様によれば、前記主層は、前記LEDに対応して設けられた、少なくとも1つの孔、又は少なくとも1つの被覆部を有している。
【0008】
この態様のため、前記LEDは、オフにされるとユーザの視界から隠されるが、前記LEDが発する光は、孔又は被覆部を通過できる。すなわち、前記LEDが発する光は、外部からは見える。
前記の孔を通過する光の量を調整するために、前記の孔の寸法及び/又は位置をどのように選択するかは、当業者なら知っている事項である。
同様に、前記材料を選択する方法、及び/又は、前記被覆部を通過する光の量を調整するために、(例えば、被覆部の厚さ又は半透明性を選択することにより)前記被覆部をどのように構成すべきかは、当業者なら知っている事項である。
【0009】
前記被覆部は、好ましくは、LEDから放射された光を通過させるようにする材料からなる層である。例えば、前記被覆部は、プラスチック製の層、又は布層(例えば織物)であってもよい。
前記布は、主層、少なくとも1つのLED、及び支持体を含んでいることが好ましい。
【0010】
前記支持体は、2つの表面間に含まれる実質的に平面状を呈している。
特に、前記支持体は、実質的に二次元の広がりを有している。すなわち、他の2つの次元に対して実質的に無視できる、三次元の一つ(二つの表面間の距離により規定される厚さ)を有している。
前記支持体には、結合面と内面が設けられている。好ましくは、前記1個または複数のLEDが、前記支持体の結合面に配置されている。
前記支持体は、検知装置から来る検知信号に応じて、前記LEDを制御するように構成された論理制御ユニットに、前記LEDを電気的に接続するための複数の電気的接続部を含んでいる。
【0011】
本発明の1つの態様によれば、前記支持体の結合面は、前記主層の内面と結合される。前記主層には、好ましくは、前記LEDから放射された光を通過させるための、前記各LEDに対応して配置された少なくとも1つの孔が設けられている。
幾つかの実施形態では、前記主層に、前記LEDによって放射される光が通過できるようにするために、前記各LEDに対応して配置された少なくとも1つの被覆部を設けても良い。好ましくは、前記被覆部は不透明ではなく、より好ましくは、前記被覆部は半透明である。例えば、前記被覆部は、厚さの薄い(好ましくは、主層の厚さよりも薄い)布層であってもよい。例えば、前記被覆部は、ガーゼなどの白い布層を含んでいる。
【0012】
本発明の1つの態様によれば、前記被覆部は、前記電気的接続部と前記LEDとを収容するための、実質的に管状のハウジングを形成するように構成されている。
前記被覆部は、好ましくは、例えば、縫い合わせ、縫い付け、又は当技術分野で知られている他の同等の固定手段によって、前記主層に固定されている。
この態様により、前記LEDを、簡単で信頼性の高い方法で、布内に埋め込むことができる。
【0013】
好ましくは、前記布は、複数のLEDと複数の孔とを備え、各LEDに対して1つの孔が、対応して配置されている。
本発明の1つの態様によれば、前記検知装置は、好ましくは、前記主層の検知部に結合されている。好ましくは、前記検知装置には、タッチセンサ、より好ましくは静電容量式タッチセンサが含まれる。
幾つかの実施形態では、前記検知信号が、前記主層の検知部上におけるタッチイベントを示すように構成されている。
【0014】
本発明の1つの態様によれば、前記支持体はリボンとして形成されている。好ましくは、前記支持体は、プラスチック及び/又はテキスタイルで作られている。前記支持体は、弾性的に少なくとも10%伸縮可能であるのが良い。
【0015】
本発明の1つの態様によれば、前記孔の寸法は、前記LEDの寸法と実質的に同じである。言い換えれば、前記孔及び前記LEDを上方から見た面積は、実質的に同じである。すなわち、前記LEDが前記支持体に結合され、前記孔が前記主層に設けられている場合、前記支持体及び前記主層の両方に平行な平面上の前記LED及び前記孔の正射影は、実質的に同じ面積を有する。
好ましくは、前記LEDは、前記支持体の前記結合面から突出し、少なくとも部分的に前記孔を通過している。
本発明の1つの態様によれば、前記主層の前記孔は、レーザー切断によって作られている。
本発明の1つの態様によれば、前記支持体は、積層により前記主層に結合されている。
【0016】
本発明のさらなる目的は、本発明の前記布を含む物品を提供することにある。
好ましくは、前記物品は衣服である。
本発明の1つの態様によれば、前記物品には、本発明による前記布を含むポケットが設けられ、このポケット内に検知装置が配置される。
【0017】
本発明のさらなる目的は、本発明による布を製造する方法の提供にあり、この方法は、以下のステップを含んでいる。
(a)複数の電気的接続部を提供し、
(b)1つ又は複数のLEDを、前記電気的接続部に電気的に接続し、
(c)主層に、少なくとも1つの孔又は少なくとも1つの被覆部を設け、
(d)前記LEDを前記主層に結合する。
本発明の1つの態様によれば、前記ステップ(d)では、前記ステップ(c)で前記主層に設けられた前記孔又は前記被覆部が、前記LEDの発する光を通過させることができるように、前記LEDに対応して調整される。
【0018】
好ましくは、前記ステップ(a)では、前記複数の電気的接続部を有する支持体を提供し、前記ステップ(b)では、前記支持体の結合面上に、1個または複数のLEDを配置し、前記LEDを、前記支持体の電気的接続部に電気的に接続し、前記ステップ(d)では、前記支持体の前記結合面が前記主層の内面に結合されるようにして、前記支持体を前記主層に結合する。
好ましくは、前記支持体は、少なくとも10%弾性的に伸縮可能であり、本発明の製造方法は、前記ステップ(d)中に、前記支持体を伸張するさらなるステップを含んでいる。
本発明の1つの態様によれば、前記ステップ(d)は積層によって実行される。
好ましくは、前記主層に前記少なくとも1つの孔を設ける前記ステップ(c)は、レーザー切断により実行される。
好ましくは、前記主層に前記少なくとも1つの被覆部を設ける前記ステップ(c)は、前記被覆部を前記主層に固定することにより実行され、前記被覆部は、前記電気的接続部及び前記LEDを収容するための実質的に管状のハウジングを形成するように配置される。
【0019】
本発明のさらなる目的は、本発明の前記布を含む物品の、フィジェットデバイスとしての使用、又は、一般にユーザがそれで遊ぶことができるデバイスとしての使用を提供することにある。
フィジェットデバイス(「フィジェットトイ」とも呼ばれる)は、フィジェット(進行中のタスクやイベントに必須ではない方法で、落ち着きなく動き回る行為)の影響を軽減することを目的としている。
本発明によれば、本発明の物品(例えば衣服)を使用することにより、例えば自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)の生徒の集中力を向上させ、あるいは、一般のユーザがそれで遊ぶことができるデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による布を模式的に示す透視図である。
図2】本発明の一実施形態による、図1の布を製造する方法の主要なステップを模式的に示す平面図である。
図3図1の布を製造する方法の、主要なステップを模式的に示す平面図である。
図4図1の布を製造する方法の、主要なステップを模式的に示す平面図である。
図5図1の布を製造する方法の、主要なステップを模式的に示す平面図である。
図6図6Aは、図5に示す布の、A-A断面を模式的に示す図である。図6Bは、図6Aの一部の縦断面の拡大図である。
図7】本発明の他の実施形態による布を模式的に示す透視図である。
図8】本発明の一実施形態による物品を模式的に示す透視図である。
図9A】本発明の一実施形態による布の透視図である。
図9B図9Aの布のB-B断面を模式的に示す図である。
図10】本発明による布の1つの特定の実施形態を模式的に示す透視図である。
図11】本発明による布の他の特定の実施形態を模式的に示す透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の非限定的な図面を参照しながら、実施例を基に本発明をより詳細に説明する。
一般的な慣行の通り、図面のさまざまな特徴は必ずしも縮尺どおりではない。むしろ、さまざまな機能部の寸法は、それを明確にするために適宜拡大又は縮小されている。明細書及び図面全体を通して、同じ数字は、同じ要素を示している。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による、布10の平面を模式的に示している。特に、布10は、2つの表面(内面1a及び外面1b)の間に含まれる実質的に平らな、主層1を含んでいる。この主層1は、例えば、織物層、編物層、又は不織布層を含んでいる。この布10は、さらに、少なくとも1つのLED2と支持体3を備えている。
支持体3は、結合面3aと内面3bとを有している。LED2は、支持体3の結合面3a上に配置されている。特に、支持体3は、LED2が電気的に接続される複数の電気的接続部4を備えている。支持体3の結合面3aは、主層1の内面1aに結合されている。
主層1には、LED2によって放射された光が通過できるようにするために、LED2に対応して配置された、少なくとも1つの孔5が設けられている。
【0023】
図1の平面図は、主層1の下に配置された(点線で示されている)部分と、ブロック枠に接続された露出部分とを備える支持体3を模式的に示している。電気的接続部4は、LED2を、論理制御ユニット6に電気的に接続している。論理制御ユニット6は、検知装置7からの検知信号に応答してLED2を制御するように構成されている。
検知装置7は、1つ又は複数のタイプのセンサを備えている。特に検知装置7は、少なくとも1つの加速度計、及び/又は少なくとも1つの磁力計、及び/又は、少なくとも1つのジャイロメーター、及び/又は、少なくとも1つのタッチセンサを備えている。
以下に、より詳細に説明するように、論理制御ユニット6は、上記複数のセンサのうちの1個または複数によって検知された特定のイベントを示す検知信号を、検知装置7から読み出し、この検知信号に応答して、所定の論理関数に従って、LED2を制御する。
【0024】
図2図5は、本発明による布10を製造するための、可能な実施形態の主要なステップを示している。特に、本発明の製造方法は、以下のステップを含んでいる。
(a)複数の電気的接続部4を有する支持体3を設け、
(b)少なくとも1つのLED2を、前記電気的接続部4に電気的に接続し、
(c)前記主層1に、少なくとも1つの孔5(図4参照)、又は少なくとも1つの被覆部12(図9A図9B参照)を設け、
(d)前記1つ又は複数のLED2を、前記主層1に結合する。
【0025】
図2図5に示されている方法の特定の実施形態においては、好ましくは、以下の各ステップが実行される。
ステップ(a)では、複数の電気的接続部4を有する支持体3を設ける。
ステップ(b)では、支持体3の結合面3a上に1個または複数のLED2を配置し、このLED2を支持体3の電気的接続部4に電気的に接続する。
そして、ステップ(d)では、支持体3の結合面3aが主層の内面1aに結合されるように、支持体3を主層1に結合する。
言い換えると、図2図5に示されている方法の実施形態は、以下のステップを含んでいる。
(a)複数の電気的接続部4を有する支持体3を設け(図2)、
(b)支持体3の結合面3a上に、少なくとも1つのLED2を配置し、これらのLED2を電気的接続部4に電気的に接続し(図3)、
(c)少なくとも1つの孔5を、主層1に設け(図4)、
(d)支持体3の結合面3aが主層1の内面1aに結合されるようにして、支持体3を主層1に結合する(図5)。
【0026】
支持体3は、プラスチック及び/又はテキスタイルで形成されることが好ましい。
図6Aに明確に示されているように、支持体3は、結合面3aと内面3bとの間に含まれる、実質的に平面の形状を有する。
図2に示す支持体3は、好ましくはリボンとして形作られている。
支持体3は、プラスチックで形成されることが好ましい。支持体3は、好ましくは「カプトン」(登録商標)で形成されたプラスチックリボンであり、電気的接続部4は、リボンに沿って互いに平行に配置された導電性トラックである。「カプトン」は、1960年代後半にデュポン社によって開発されたポリイミドフィルムであり、幅広い温度範囲で安定しており、特にフレキシブルプリント回路などで、一般的に使用されている。
図2では、バッテリー又は適切な電源(図示略)から、LED2へ電力を供給するように構成された、2つの電気的接続部4のみを備える支持体3が示されている。
【0027】
他の実施形態として、支持体3は、例えば同じ支持体3に結合された複数のLED2を選択的に制御するために、複数の電気的接続部4を備え、かつ、通信バスを形成しても良い。
好ましくは、支持体3は可撓性である。すなわち、支持体3は、加えられた力に応じて、破損することなく容易に曲げられるか、又は変形することができる。その結果、支持体3が主層1に結合されたとき、布10もまた、例えば湾曲した表面、又は一般的には平坦でない表面に追従しうるように曲げられる。
【0028】
幾つかの実施形態において、支持体3はテキスタイル製でも良い。
例えば、支持体3は、電気的接続部4を形成する導電性糸でテキスタイル糸を織るか又は編むことにより形成されてもよい。支持体3は、少なくとも10%、弾性的に伸縮可能であることが好ましい。
換言すれば、支持体3の端部に所定の力を加えることにより、支持体3を、少なくとも10%引き伸ばす(すなわち、その長さを増加させることにより変形させる)ことができる。この力を取り除くと、支持体3は弾性的に元の寸法に戻る。
例えば、図2において、支持体3は、電気的接続部4を形成する導電性糸で織られるか又は編まれた、好ましくは伸縮性の伸縮性糸を含むテキスタイル材料で形成されている。
幾つかの実施形態では、支持体3の各電気的接続部4は、(例えば銅製の)導電性糸と(例えば撚ることにより)結合された、(例えば、弾性伸縮性コアを形成する)弾性伸縮性糸を含んでいる。
【0029】
他の実施形態(図示せず)では、支持体3の電気的接続部4は、波状(波状)又はジグザグ経路などの屈曲経路(すなわち、連続的な非線形経路)に沿って配置されていても良い。
電気的接続部4は、弛緩位置で、すなわち、伸張力が加えられたときよりも伸張力が存在しない状態で、より曲がった経路をたどる傾向がある。換言すれば、リボンに伸張力が加えられると、電気的接続部4は、より直線的な形状の経路をたどり、電気的接続部4は真っ直ぐになる。
【0030】
他の実施形態では、支持体3は、プラスチック及びテキスタイルの両方のリボンを含んでいても良い。例えば、支持体3は、LED2が結合される回路基板を形成するプラスチック材料(例えば、カプトン)の少なくとも一部と、LED2に電気的に接続された電気的接続部4を含むテキスタイル製のリボンとを含んでいてもよい。
好ましくは、リボンの電気的接続部4は、同軸ケーブルでもよい。より好ましくは、リボンは、少なくとも10%弾性的に伸縮可能であり、同軸ケーブルは曲がった経路に沿って配置される。
【0031】
支持体3の弾性伸縮性は、以下の基準で評価される。
ASSTM D4964-弾性布の張力と伸び(CRE引張試験機);
ASTM D6614-テキスタイルファブリックの伸縮特性-CRE法;
ASTM D5278/D5278M-09(2017)-狭い弾性布の伸びのための標準試験方法(静的負荷試験)。
好ましくは、支持体3の弾性伸縮性を評価するために使用される標準は、ASTM D5278/D5278M-09(2017)である。
【0032】
図3において、LED2は、例えば、はんだ付けにより、又は導電性ペーストにより、支持体3の電気的接続部4に電気的に接続される。
図4において、孔5が主層1に設けられ、内面1a及び外面1bを貫通する通路を形成する。孔5は、主層1の所定部分において、この主層1の材料を除去することにより作製される。孔5の寸法は、LED2の寸法と実質的に同じであることが好ましい。孔5は、所定の形状(好ましくはLEDの形状と実質的に同じ)を高精度で得るために、好ましくはレーザー切断によって作られる。
【0033】
図5に示すように、ステップ(d)において、支持体3は、LED2によって放射された光が孔5を通過できるように、LED2に対する孔5の位置を調整して、主層1に結合されている。
【0034】
好ましくは、少なくとも10%弾性的に伸張可能な支持体3の場合、本発明の方法の幾つかの実施形態では、ステップ(d)中に支持体3を伸張させるさらなるステップを含むことができる。その結果、結合面3aに結合された複数のLED2を有する同じ支持体3を、互いに異なる距離に配置された複数の孔5を有する異なる主層1に結合することができる。言い換えると、支持体3を伸張させるステップは、各LED2が、それらに対応する孔5を主層1上で見出せるようにして実行される。
【0035】
図6A及び図6Bに示すように、支持体3は、この支持体3の結合面3aが主層1の内面1aに結合されるようにして、主層1に結合されている。
好ましくは、支持体3は、積層によって主層1に結合される。例えば、主層1の内面1aと支持体3の結合面3aとの間に接着部が形成されるように、接着材料(積層体)を使用して積層を行うことができる。
【0036】
主層1の内面1aと支持体3の結合面3aとの間に、両面接着剤を有する積層材料(フィルム又はシート)を使用して、主層1と支持体3とを結合してもよい。このようにすると、支持体3は主層1に容易に結合され、主層1の孔5に対するLED2の正確な位置決めが可能になる。
【0037】
幾つかの実施形態では、支持体3の内面3b上にさらなる積層を行っても良い。
例えば、片面接着剤を有するさらなる積層材料(図示せず)を、支持体3の内面3b及び主層1の内面1aの周囲部分を覆うのに使用することができる。その結果、支持体3の内面3bは保護され、主層1と支持体3との間の結合はより信頼できるものとなる。
【0038】
図6Bの拡大図に示すように、LED2は、支持体3の結合面3aから突出し、少なくとも部分的に孔5を通過する。
幾つかの実施形態では、LED2が孔5を通過し、さらに主層1の外面1bからわずかに突出していても良い。
好ましくは、主層1の厚さ、及びLEDのタイプは、LED2が主層1の外面1bと実質的に同一面となるように選択される。
適切なLEDは、SMD LEDである。すなわち、表面実装技術(SMT=Surface Mount Technology)によるLEDであり、できれば、805、603、又は405のパッケージを使用するのが良い。
【0039】
図7は、支持体3の結合面3aに複数のLED2が繋がれ、電気的接続部4に電気的に接続されている布10の特別の実施例を示している。
主層1には、複数の孔5が設けられており、各LED2に対して各孔5がそれぞれに対応して配置されている。
例えば、LED2は、電気的接続部4に並列に電気的に接続され、検知装置7から来る検知信号に基づいて、論理制御ユニット6により全て一緒に制御されるようにしても良い。
【0040】
好ましくは、幾つかの実施形態では、例えば、所定の方向において、検知装置7により検出された加速度が特定の閾値を超えたとき、又は、タッチイベントが検知装置7によって検知されたときに、すべてのLED2が点灯する。
論理制御ユニット6により、さらなる論理機能を実行することもできる。例えば、論理制御ユニット6は、検知信号に応じてLED2に提供される電圧の値を制御することができる。特に、幾つかの実施形態では、LEDに提供される電圧の値が検知信号に応じて論理制御ユニットにより決定され、LED2が発する光の強度が、検知信号の関数となる。言い換えれば、LED2に供給される電圧の値は、好ましくは、オフ値(LED2がオフになり、光が放射されない)とオン値(LED2がオンになる)との間の値になり、LEDは、論理制御ユニット6によって決定されたON値に比例する強度で発光する。
【0041】
図8に示すように、布10は、物品、好ましくは衣服11に使用することができる。図8に示す衣服は、ポケット11aを含むズボンである。この実施形態では、物品である衣服11のポケット11aは、本発明による布10を含んでいる。特に、布10の主層1は、ポケット11aの外側に配置された外面1bを有する織布層(例えばデニム)である。ポケット11aは、布10に結合された(例えば縫われた)内側の裏地を含んでいる。
【0042】
図7に示した布10と同様に、図8のポケット11aは、主層1の内面1aに結合された(点線で示される)支持体3上に配置された複数のLED2を有する布10を含んでいる。各LED2の光は、これらのLED2と実質的に同じ寸法及び形状を有する孔5をそれぞれ通り抜けるので、衣服11の外側からは、LED2の光のみが見えるようになる。
【0043】
好ましくは、タッチセンサ8(例えば、静電容量式タッチセンサ)を備える検知装置7が、衣服11のポケット11a内に配置されている。検知装置7は、好ましくは、主層1の検知部9に結合されている。しかしながら、さらなる実施形態では、物品11は、それに結合された検知装置7を備えていても良い。例えば、幾つかの実施形態では、検知装置7が、ポケット裏地の内壁に結合されたタッチセンサ8を備えていても良く、これも、本発明の保護の範囲内である。
【0044】
図8に示す衣服11は、論理制御ユニット6(点線の正方形として記号的に示されている)をさらに含んでいる。この論理制御ユニット6は、布10の支持体3に結合されていてもよいし、衣服11の別の部分に配置されていてもよい。例えば、論理制御ユニット6は、物品の縫い目(例えば衣服の縫い目)内に配置されたワイヤ、導電性トレース又は導電性糸によって支持体3の電気的接続部4に電気的に接続されてもよい。
論理制御ユニット6は、例えば、タッチセンサ8によって検出されたタッチイベントに応答して、すべてのLED2をオンにするように構成されていてもよい。この実施形態では、ユーザがポケット11a内に配置されたタッチセンサ8に触れると、布10のLED2は、論理制御ユニット6によってオンにされる。
【0045】
幾つかの実施形態では、本発明の保護範囲内にある本発明の布10を有するポケット11aを含む衣服11(例えば、バッグ、フィジェットデバイスなど)以外の、他のタイプの物品を提供できる。
幾つかの実施形態では、物品11はハウジングを含み、例えば物品は、バッグ(図示せず)であっても良く、本発明の布10は、ハウジングの内壁に結合されている。そのため、ユーザがハウジング内に手を挿入したとき、又は物品の決められた部分に触れたとき、LEDが、物品に結合された検知装置(タッチセンサなど)からの検知信号に応答して、ハウジングの内部を点灯できるようになっている。
【0046】
図9A及び図9Bは、本発明による布10のさらなる実施形態を示すものである。特に、図9Aは、布10の平面を模式的に示している。布10は、主層1、1個または複数のLED2、このLED2を論理制御ユニット6に電気的に接続する電気的接続部4、及び、各LED2に対応して配置された被覆部12を備えている。
【0047】
被覆部12は、LED2によって放射された光がそこを通過することを可能にし、従って、使用者が外部から見ることができ、LEDがオフになったときも、LED2と電気的接続部4を隠すように構成されている。
例えば、被覆部12は、厚さを薄くした(好ましくは主層1の厚さよりも薄い)布層であってもよい。例えば、被覆部12は、ガーゼなどの白い布層を含んでいても良い。
図9Bの断面図に示すように、被覆部12は、電気的接続部4及びLED2を収容するための実質的に管状のハウジング12aを形成するように配置されていることが好ましい。
【0048】
被覆部12は、例えば、実質的にU字形に折り畳まれ、U字型となった被覆部12の端部を閉じて、主層1に固定することにより、例えば縫合わせ13により、又は当該技術分野で既知の他の同等の固定手段により、主層1に結合される。
【0049】
1個または複数のLEDが設けられたポケットを有する本発明の物品は、前記LEDがポケットに埋め込まれる方法とは独立して、本質的に独創的であることに留意されたい。ここで、前記LEDは、ポケット内に配置された検知デバイス(タッチセンサーなど)からの、ポケット内の物体の存在を示す検知信号に応じて、論理制御ユニットにより制御される。
言い換えれば、本発明のさらなる目的は、ポケットと、このポケットに結合された少なくとも1つのLED、前記ポケット内に配置された検知装置(好ましくはタッチセンサ)、及び、論理制御ユニットを含む物品(好ましくは衣類)の提供にある。論理制御ユニットは、ポケット内の物体の存在を示す検知装置から来る検知信号により、前記少なくとも1つのLEDを制御するように構成されている。
【0050】
幾つかの実施形態では、この論理制御ユニットは、検知装置からの信号が変化すると、1個または複数のLEDをオンにするように構成されている。例えば、物体がポケットに挿入された場合、及び/又は、物体がポケットから取り外された場合、LEDをオンにすることができる。
一般に、論理制御ユニットは、ポケット内の物体の存在及び/又は不在を示す検知装置から来る検知信号に応じて、LEDを制御するように構成されている。好ましくは、ポケットは、本発明の方法の実施形態として、又は当技術分野で既知の方法により、LEDが埋め込まれた布を含んでいる。
【0051】
本発明による布10は、衣服以外の他の物品11に使用してもよい。例えば、布10からなる物品11は、ソファ枕カバーやフィジェットデバイスでも良い。
【0052】
図10及び図11に示す、幾つかの実施形態では、布10が、一方向のみに沿って設けられ(図10参照)、又はXY平面上に設けられ(図11参照)、タッチイベントの位置を検出するように構成された、タッチセンサ8を備えている。このタッチセンサ8として、本願出願人の名義の欧州特許出願第No.EP18172676.1号(日本の特開2020-009418号)に記載され、以下のタイトルを有する、容量性タッチセンサを採用しても良い。
「位置感応型静電容量式タッチセンシング用複合糸」(特に9~15頁を参照)。この出願の内容は、参照のためにその全体が本願の明細書に組み込まれるものとする。

【0053】
これらの実施形態では、論理制御ユニット6は、布10の検知部9で検出されたタッチイベントの位置に応じて、LED2を制御するように構成されることが好ましい。例えば、物品11には、図10に示すように、直線経路に沿って配置された複数のLED2と、これらのLEDによって規定された経路に沿って配置された検知部9とを有する布10を設けることができる。
論理制御ユニット6は、LED2によって規定された経路の長さに対する検出されたタッチイベントの位置の関数として、1個または複数のLED2を選択的にオンにするように構成されている。例えば、ユーザが検知部9の中心に触れると、論理制御ユニット6は、LEDによって規定された経路の中心に配置されたLED2をオンにする。
【0054】
同様に、物品11には、図11に示すように、検知部9の2つ以上の側面に沿って配置された複数のLED2を有する布10を設けることができる。
論理制御ユニット6は、検知部9で検出されたタッチイベントのX-Y座標に応じて、1個または複数のLED2を選択的にオンにするように構成されている。例えば、図11に示す実施形態において、ユーザが検知部9の中心に触れると、論理制御ユニット6は、2つの側面の中央に配置されたLED2を点灯させる。
【符号の説明】
【0055】
1 主層
1a 主層の内面
1b 主層の外面
2 LED
3 支持体
3a 支持体の結合面
3b 支持体の内面
4 電気的接続部
5 孔
6 論理制御ユニット
7 検知装置
8 タッチセンサ
9 検知部
10 布
11 物品(衣服)
11a ポケット
12 被覆部
12a ハウジング
13 縫合わせ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11