(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】改変H因子結合タンパク質
(51)【国際特許分類】
C12N 15/31 20060101AFI20240723BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20240723BHJP
A61K 39/095 20060101ALI20240723BHJP
A61K 39/39 20060101ALI20240723BHJP
A61K 47/62 20170101ALI20240723BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240723BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240723BHJP
C07K 14/22 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
C12N15/31 ZNA
A61K35/76
A61K39/095
A61K39/39
A61K47/62
A61K48/00
A61P31/04
C07K14/22
(21)【出願番号】P 2019511993
(86)(22)【出願日】2017-08-31
(86)【国際出願番号】 GB2017052535
(87)【国際公開番号】W WO2018042178
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2020-08-28
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-29
(32)【優先日】2016-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516245900
【氏名又は名称】オックスフォード ユニバーシティ イノベーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OXFORD UNIVERSITY INNOVATION LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】タン,クリストフ エム
【合議体】
【審判長】長井 啓子
【審判官】名和 大輔
【審判官】天野 貴子
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-517377(JP,A)
【文献】特表2013-537884(JP,A)
【文献】国際公開第2016/083583(WO,A1)
【文献】PLOS Pathogens,Vol.8,Issue10,e10002981
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
BIOSIS/MEDLINE/EMBASE/CAplus(STN)
PubMed
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号45~79のいずれかによる配列を含むPorAループ、または1、2、3、4もしくは5つ以下のアミノ酸付加、欠失もしくは置換を有するその変異体から選択される外来ペプチドループの付加でさらに改変された、野生型fHbp、fHbpの野生型淋菌オルソログ(Ghfp)、または配列番号1~13の配列のいずれか1つと少なくとも75%の同一性を有するその変異体を含む、改変H因子結合タンパク質(fHbp)であって、
前記外来ペプチドループが8~20アミノ酸長であり、前記外来ペプチドループが、配列番号1のアミノ酸残基番号49~54、83~88、114~124、199~206、227~233および240~246、また
はそれらと同等の残基のいずれか1つに対応するアミノ酸位置に挿入される、
免疫原性を有する改変H因子結合タンパク質。
【請求項2】
前記改変fHbpが、H因子を結合できないように、または少なくともH因子結合活性を低下させるように改変される、請求項1に記載の改変H因子結合タンパク質。
【請求項3】
前記改変fHbpが2つ以上の外来ペプチドループを含むか、または
前記改変fHbpが1~7個の外来ペプチドループを含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の改変H因子結合タンパク質。
【請求項4】
前記改変fHbpまたはその変異体が、少なくとも2つの位置において外来ペプチドループで改変される、請求項1~3のいずれか一項に記載の改変H因子結合タンパク質。
【請求項5】
前記改変fHbpが、配列番号1~13のいずれか1つの配列またはその変異体を含み、
少なくとも1つの外来ペプチドループが、配列番号1~13のいずれかの1つの配列内の追加の挿入物である、請求項1~4のいずれか一項に記載の改変H因子結合タンパク質。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の改変fHbpをコードする核酸であって、任意で前記核酸がベクターであり、さらに任意でウイルスベクターである、核酸。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の改変fHbp、または請求項6に記載の核酸を含む、組成物であって、
任意で、前記組成物が2つ以上の異なる改変fHbp分子を含む、および/または
前記組成物が、薬学的に許容される担体ならびに/もしくはアジュバントを含む、組成物。
【請求項8】
前記組成物が、少なくとも1つの他の予防または治療活性分子をさらに含み、任意で
前記少なくとも1つの他の予防または治療活性分子が、
一価タンパク質:莢膜多糖ワクチン;または
結合型ワクチンであって、外来ペプチドループを保持するfHbp足場を含む抗原が、タンパク質担体分子として前記結合型ワクチンに組み込まれ
た、前記ワクチン
を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
薬剤としての使用のための、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
対象の病原性感染またはコロニー形成の治療または予防での使用のための、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項11】
請求項1~5のいずれか一項に記載の改変fHbp、請求項6に記載の核酸、または請求項7または8に記載の組成物と、少なくとも1つの他の予防または治療活性分子との組み合わせであって、
任意で少なくとも1つの他の予防または治療活性分子が、タンパク質:莢膜多糖ワクチンを含む、組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改変H因子結合タンパク質(fHbp)、および病原性感染またはコロニー形成に対する、例えば、髄膜炎菌または淋菌に対する免疫応答を誘発するその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
髄膜炎菌(Nm)は、依然として小児および若年層における敗血症および細菌性髄膜炎の主因である。疾患の発症が極めて早い場合があり、敗血症疾患の致死率は約10%であり1、生存者は、四肢喪失および神経学的欠損を含む重大な身体障害を患う恐れがある1。したがって、予防的免疫付与は、髄膜炎菌感染から個人を保護する最善の方法である。細菌莢膜に基づくワクチンを利用できる2が、現在UKで症例の80%超で生じる、地域特有の血清型B感染に利用できる部分的に有効なワクチンしか存在しない3;血清型B莢膜Nmの多糖は、神経組織のヒト糖タンパク質との構造的同一性を有するため、免疫原性が低く、ワクチンとして使用した場合に自己免疫を誘導する可能性があった4。したがって、新規なワクチンを生成することが急務であり、この重要な目標を達成するために産学両方で懸命な努力がなされている。
【0003】
髄膜炎菌外膜小胞(OMV)に対して誘発される免疫応答の主な標的はPorA16、17、18、髄膜炎菌の内在性外膜タンパク質(OMP)19である。しかし、このタンパク質の配列は多様であり、特定の変異体の優勢は、地理的領域によって異なり、OMVワクチンは主としてPorA特異的である。PorAの変異体は、タンパク質の可変領域(VR)の配列により同定され、これはタンパク質の表面露出ループに位置しており、免疫応答の標的である17。PorAは、7つの細胞外ループ有する。第4ループは、可変領域2(VR2)であり、自然感染後およびOMVでの免疫付与後PorAにより生じるほとんどの血清殺菌活性(SBA)の標的である16、18。SBAは、髄膜炎菌疾患に対する防御と相関していることが知られている。配列多様性にかかわらず、6つのPorAタンパク質を含有するワクチンが、UK分離株の約70%を占める(http://pubmlst.org/nesseria/PorA/)。
【0004】
細菌ワクチンの開発の主な障害は、PorAなどの内在性OMPをその天然立体配座で大量に産生することが困難であることである。これは、OMPが膜を貫通する疎水性ドメインを含有し、可溶性組換えタンパク質として発現させると正しく折り畳まれないためである。SBAが、タンパク質の直鎖ではなく立体配座エピトープにより誘発されるため、正しい折り畳みは、PorAにとって必須である20。PorAペプチドをワクチンとして使用する以前の試みは、それらが、十分に免疫原性でなく、PorAの免疫原性部分をその正確な立体配座で提示しないため成功しなかった。結果的に、開発中のPorAに基づくワクチンはOMVのみであり、これは、幼児における有効性が限られており2、反応原生であり21、規制問題をもたらすことが十分に定義されていない。免疫原性としてのOMVは、整合性および毒性が製造過程で問題となり得るため、好ましくない。例えば、OMVは、毒性リポ多糖(LPS)を含有し得る。
【0005】
髄膜炎菌H因子結合タンパク質(fHbp)は、2つのβバレルからなる表面露出リポタンパク質である
5(
図1A)。fHbpのN末端βバレルは、比較的開放的な構造を有し、C末端βバレルは、このバレルを形成する7つのβ鎖間の広範な水素結合により安定化される
5。
【0006】
重要なことに、fHbpは、Pfizer、GSKなどの製薬会社が開発中の血清型B Nmに対するワクチンにおいて重要な抗原であり、次世代OMVワクチンに含まれる6、7、8。Pfizerワクチンは、2つのfHbpからなり、GSKワクチンは、OMVを含む他の抗原のカクテルに単一fHbpを有する。fHbpは、マウスではなくヒトH因子(fH)9、10を結合し、補体系をダウンレギュレートする豊富な血漿タンパク質であり11、Nmに対する免疫の重大な側面である12。fHbpでの青年および成人の免疫付与によりSBAが誘発される13。
【0007】
fHbpは、その予想アミノ酸配列に基づき様々なスキームに分類されている。本願において、3つの変異体群(v1、v2およびv37)およびペプチド数(www.mlst.org)が認識される。重要なことに、v1 fHbpに対して提起された血清は、v2およびv3タンパク質を発現するNmに対してSBAを媒介せず、逆もまた同様である。GSKワクチンは、単一v1タンパク質(v1.1)を含有し、Pfizer製剤は、v1およびv3 fHbpを含む13、14。したがって、現在のワクチンは、v2 fHbpを含んでいないが、UKにおける疾患の大部分は、現在この変異体群からのfHbpを発現する株により引き起こされている3、15。
【0008】
国際公開第2011024072号は、宿主動物への投与後、広域殺菌性抗髄膜炎菌抗体を誘発できる配列を有するように選択または遺伝子操作されたfHbpの使用について記載する特許出願である。この文書は、さらなる髄膜炎菌抗原が、NまたはC末端融合タンパク質の形態の改変fHbpで提供され得ること教示している。しかし、このような提案により、多くの髄膜炎菌抗原の免疫原性部分を提示するタンパク質、例えば、PorAが、正確な立体配座で産生される可能性は低く、これらは十分に免疫原性ではないであろう。
【0009】
本発明の目的は、特に髄膜炎菌または淋菌の感染またはコロニー形成を予防または低減するための、病原性微生物に対するワクチン接種のための代替のおよび改善された免疫原性分子を提供することである。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、異なる抗原からの少なくとも1つの外来ペプチドループの付加での改変により、分子足場として作用する、fHbpまたはその変異体を含む改変H因子結合タンパク質(fHbp)が提供される。
【0011】
免疫原性ペプチド、例えば、PorAからの免疫原性ペプチドは、分子足場として作用する、H因子結合タンパク質(fHbp)に導入できることが、本明細書で示された。fHbpに導入されるペプチドは、免疫系に提示され、SBAなどの防御応答を誘発できる。有利には、fHbp分子は、エピトープの表示のため、特に、その天然立体配座での安定化および表示が困難なエピトープのためのペプチドループ、例えば、PorAなどの内在性OMPからのループを安定的に含むのに理想的な分子足場を提供する。これは、fHbpおよび追加の抗原の単純なN-またはC末端融合では、いくつかの抗原の固有の安定性および溶解性の問題が解決されないであろうという、国際公開第2011024072号などの教示と対照をなす。特に、PorAなどの多くのOMPは、その膜貫通ドメインが不溶性であるため発現が困難である。PorAは、鎖1と2(ループ1)、鎖7と8(ループ4)、鎖9と10(ループ5)および鎖11と12(ループ7)の間に表面露出ループを有する、16β鎖バレル構造を有し、最も有効な抗原であることが実証された。fHbpは、2つのβバレルを含有し、したがって、OMPからのペプチドループ配列を、fHbpのβ鎖間のループの先端に挿入して、内在性OMPからの細胞外ループフラグメントをその天然立体配座で提示し、免疫付与することができる。したがって、本発明の改変fHbp足場分子は、単一タンパク質が、2つの異なる抗原からの重要なエピトープを提示する、Nmまたは淋菌を対象とした予防および治療ワクチンとして使用できる。
【0012】
一実施形態において、fHbpは、髄膜炎菌fHbpである。別の実施形態において、fHbpは、淋菌fHbpである。fHbpは、変異体v1、v2およびv3のいずれか1つを含み得る。一実施形態において、fHbpは、fHbp v1を含み得る。別の実施形態において、fHbpは、fHbp v2を含み得る。別の実施形態において、fHbpは、fHbp v3を含み得る。
【0013】
一実施形態において、fHbp変異体v1は、変異体v1.1、v1.13、v1.14、v1.15、v1.4またはv1.55であり得る。一実施形態において、fHbp変異体v1は、v1.1でない場合がある。一実施形態において、fHbp変異体v1は、v1.55でない場合がある。一実施形態において、fHbp変異体v1は、v1.1またはv1.55でない場合がある。一実施形態において、fHbp変異体v2は、変異体v2.16、v2.19、v2.22またはv2.25であり得る。一実施形態において、fHbp変異体v3は、変異体v3.45であり得る。一実施形態において、fHbpはfHbp変異体v1.4、v2.25またはv3.45のいずれか1つを含む。
【0014】
fHbpの変異体は、fHbpのオルソログを含み得る。例えば、fHbpの変異体は、Ghfp、fHbpの淋菌ホモログを含み得る。Ghfpは非機能性であり、V3 fHbpに密に関連している(>95%のaa同一性、H因子との解離定数KD>100μM)。
【0015】
一実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKG LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQVYK QSHSALTAFQ TEQIQDSEHS GKMVAKRQFR IGDIAGEHTS FDKLPEGGRA TYRGTAFGSD DAGGKLTYTI DFAAKQGNGK IEHLKSPELN VDLAAADIKP DGKRHAVISG SVLYNQAEKG SYSLGIFGGK AQEVAGSAEV KTVNGIRHIG LAAKQ(配列番号1、fHbpV1.1 GI:316985482)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0016】
別の実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKS LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQVYK QSHSALTALQ TEQVQDSEHS GKMVAKRQFR IGDIAGEHTS FDKLPEGGRA TYRGTAFGSD DASGKLTYTI DFAAKQGHGK IEHLKSPELN VDLAASDIKP DKKRHAVISG SVLYNQAEKG SYSLGIFGGQ AQEVAGSAEV ETANGIRHIG LAAKQ(配列番号2、fHbpV1.4 GI:989557230)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0017】
別の実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKG LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGKLIT LESGEFQVYK QSHSALTALQ TEQVQDSEDS GKMVAKRQFR IGDIAGEHTS FDKLPKGGSA TYRGTAFGSD DAGGKLTYTI DFAAKQGHGK IEHLKSPELN VELATAYIKP DEKRHAVISG SVLYNQDEKG SYSLGIFGGQ AQEVAGSAEV ETANGIHHIG LAAKQ(配列番号3、fHbpV1.13 GI:752774533)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0018】
別の実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKS LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQVYK QSHSALTALQ TEQEQDPEHS GKMVAKRRFK IGDIAGEHTS FDKLPKDVMA TYRGTAFGSD DAGGKLTYTI DFAAKQGHGK IEHLKSPELN VELATAYIKP DEKHHAVISG SVLYNQDEKG SYSLGIFGGQ AQEVAGSAEV ETANGIHHIG LAAKQ(配列番号4、fHbpV1.14 GI:630057376)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0019】
別の実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、CSSGGGGSGG GGVAADIGAG LADALTAPLD HKDKGLKSLT LEDSISQNGT LTLSAQGAER TFKAGDKDNS LNTGKLKNDK ISRFDFIRQI EVDGQLITLE SGEFQVYKQS HSALTALQTE QVQDSEHSGK MVAKRQFRIG DIVGEHTSFG KLPKDVMATY RGTAFGSDDA GGKLTYTIDF AAKQGHGKIE HLKSPELNVD LAAADIKPDE KHHAVISGSV LYNQAEKGSY SLGIFGGQAQ EVAGSAEVET ANGIRHIGLA AKQ(配列番号5、fHbp V1.15 GI:504394462)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0020】
別の実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、CSSGGGGSGG GGVTADIGTG LADALTAPLD HKDKGLKSLT LEDSISQNGT LTLSAQGAEK TYGNGDSLNT GKLKNDKVSR FDFIRQIEVD GQLITLESGE FQVYKQSHSA LTALQTEQEQ DPEHSEKMVA KRRFRIGDIA GEHTSFDKLP KDVMATYRGT AFGSDDAGGK LTYTIDFAAK QGHGKIEHLK SPELNVDLAV AYIKPDEKHH AVISGSVLYN QDEKGSYSLG IFGEKAQEVA GSAEVETANG IHHIGLAAKQ(配列番号6、fHbp V1.55 GI:40353481)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0021】
別の実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKS LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQIYK QDHSAVVALQ IEKINNPDKI DSLINQRSFL VSGLGGEHTA FNQLPDGKAE YHGKAFSSDD AGGKLTYTID FAAKQGHGKI EHLKTPEQNV ELAAAELKAD EKSHAVILGD TRYGSEEKGT YHLALFGDRA QEIAGSATVK IGEKVHEIGI AGKQ(配列番号7、fHbp V2.16 GI:488155511)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0022】
別の実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKS LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQIYK QDHSAVVALQ IEKINNPDKI DSLINQRSFL VSGLGGEHTA FNQLPSGKAE YHGKAFSSDD AGGKLTYTID FAAKQGHGKI EHLKTPEQNV ELASAELKAD EKSHAVILGD TRYGGEEKGT YHLALFGDRA QEIAGSATVK IREKVHEIGI AGKQ(配列番号8、fHbp V2.19 GI:488148626)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0023】
別の実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKS LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQIYK QDHSAVVALQ IEKINNPDKI DSLINQRSFL VSGLGGEHTA FNQLPSGKAE YHGKAFSSDD PNGRLHYSID FTKKQGYGRI EHLKTPEQNV ELASAELKAD EKSHAVILGD TRYGGEEKGT YHLALFGDRA QEIAGSATVK IREKVHEIGI AGKQ(配列番号9、fHbp V2.22 GI:120865922)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0024】
別の実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TTPLDHKDKS LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQTIT LASGEFQIYK QNHSAVVALQ IEKINNPDKI DSLINQRSFL VSGLGGEHTA FNQLPDGKAE YHGKAFSSDD PNGRLHYSID FTKKQGYGRI EHLKTPEQNV ELASAELKAD EKSHAVILGD TRYGGEEKGT YHLALFGDRA QEIAGSATVK IREKVHEIGI AGKQ(配列番号10、fHbp 2.25 GI:488158712)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0025】
別の実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、CSSGSGSGGG GVAADIGTGL ADALTAPLDH KDKGLKSLTL EDSISQNGTL TLSAQGAEKT FKVGDKDNSL NTGKLKNDKI SRFDFVQKIE VDGQTITLAS GEFQIYKQDH SAVVALQIEK INNPDKIDSL INQRSFLVSG LGGEHTAFNQ LPSGKAEYHG KAFSSDDAGG KLTYTIDFAA KQGHGKIEHL KTPEQNVELA SAELKADEKS HAVILGDTRY GSEEKGTYHL ALFGDRAQEI AGSATVKIRE KVHEIGIAGK Q(配列番号11、fHbp V3.45 GI:284466869)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0026】
別の実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKG LKSLTLEDSI SQNGTLTLSA QGAEKTFKVG DKDNSLNTGK LKNDKISRFD FVQKIEVDGQ TITLASGEFQ IYKQNHSAVV ALQIEKINNP DKIDSLINQR SFLVSGLGGE HTAFNQLPGG KAEYHGKAFS SDDAGGKLTY TIDFAAKQGH GKIEHLKTPE QNVELAAAEL KADEKSHAVI LGDTRYGSEE KGTYHLALFG DRAQEIAGSA TVKIGEKVHE ISIAGKQ(配列番号12、fHbp V3.47 GI:284466897)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0027】
別の実施形態において、少なくとも1つの外来ペプチドループでさらに改変されるべきGhfpは、MTRSKPVNRT TFCCLSLTAG PDSDRLQQRR GGGGGVAADI GTGLADALTA PLDHKDKGLK SLTLEASIPQ NGTLTLSAQG AEKTFKAGGK DNSLNTGKLK NDKISRFDFV QKIEVDGQTI TLASGEFQIY KQDHSAVVAL RIEKINNPDK IDSLINQRSF LVSDLGGEHT AFNQLPDGKA EYHGKAFSSD DADGKLTYTI DFAAKQGHGK IEHLKTPEQN VELASAELKA DEKSHAVILG DTRYGGEEKG TYRLALFGDR AQEIAGSATV KIGEKVHEIG IADKQ(配列番号13、GHFP)の配列を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0028】
fHbpの変異体は、改変fHbpに提供される外来ペプチドル-プに加えて、野生型fHbpに対して、付加、欠失または置換を含む、1つ以上のアミノ酸残基の突然変異を含み得る。例えば、fHbpは、外来ペプチドループが提供される足場として作用し得、野生型に対する変異体は、外来ペプチドループの付着点の外側の領域の足場フレームワークにおけるアミノ酸突然変異を含み得る。野生型fHbpについての言及は、本明細書で考察されるfHbpの変異体のいずれか1つ、例えば、配列番号1~13のいずれか1つを指し得る。
【0029】
fHbpの変異体は、野生型タンパク質のアミノ酸と比較して、少なくとも1つのアミノ酸変化を含み得る。fHbpの変異体は、野生型タンパク質と比較して1つ以下のアミノ酸変化を含み得る。fHbpの変異体は、野生型タンパク質と比較して3つ以下のアミノ酸変化を含み得る。fHbpの変異体は、野生型タンパク質と比較して4つ以下のアミノ酸変化を含み得る。fHbpの変異体は、野生型タンパク質と比較して5つ以下のアミノ酸変化を含み得る。fHbpの変異体は、野生型タンパク質と比較して6つ以下のアミノ酸変化を含み得る。一実施形態において、野生型タンパク質と比較して6つのアミノ酸突然変異を含む、fHbpの変異体が提供される。
【0030】
アミノ酸置換は、保存的置換であり得る。例えば、突然変異残基は、野生型置換残基と実質的に同様の特性を含み得る。例えば、置換残基は、野生型置換残基と実質的に同様または同等の電荷または疎水性を含み得る。例えば、置換残基は、野生型置換残基と実質的に同様の分子量または立体的嵩を含み得る。
【0031】
一実施形態において、変異体fHbpは、野生型と少なくとも75%の同一性を有し得る。別の実施形態において、変異体fHbpは、野生型と少なくとも80%の同一性を有し得る。別の実施形態において、変異体fHbpは、野生型と少なくとも85%の同一性を有し得る。別の実施形態において、変異体fHbpは、野生型と少なくとも90%の同一性を有し得る。別の実施形態において、変異体fHbpは、野生型と少なくとも95%の同一性を有し得る。別の実施形態において、変異体fHbpは、野生型と少なくとも98%の同一性を有し得る。別の実施形態において、変異体fHbpは、野生型と少なくとも99%の同一性を有し得る。別の実施形態において、変異体fHbpは、野生型と少なくとも99.5%の同一性を有し得る。上記のパーセンテージの変化は、外来ペプチドループの付加に伴うパーセンテージ同一性の変化を含むことを意図するものではなく(すなわち、それが、野生型に対するfHbpの構成要素単独でのパーセンテージ同一性である)、他のタンパク質からのループが挿入されるサイトでのfHbp配列の欠失を含まない。
【0032】
改変fHbpは、H因子を結合できないように、または少なくともH因子結合活性を低下させるように改変され得る。改変fHbpは、野生型fHbpの機能と比較して非機能性であり得る。一実施形態において、改変fHbpは、野生型タンパク質と比較してKD>2桁でCFHを結合する能力が低下している。非機能性fHbpは、fHbp配列の突然変異により提供され得る。一実施形態において、非機能性fHbpは、H因子の結合サイトを妨害する外来ペプチドループの1つ以上により提供され得る。
【0033】
アミノ酸残基の突然変異は、改変fHbpの補体H因子との結合を妨害または低減し得る。別の実施形態において、アミノ酸残基の突然変異は、fHbpの機能に実質的に影響を及ぼさないであろう。一実施形態において、fHbpまたはその変異体におけるアミノ酸残基の突然変異は、v1.1 fHbpの85位、133位、134位、135位、136位、204位、206位、211位、212位、213位、222位、225位、227位、231位、および252位、または他のfHbpの対応する位置のアミノ酸からなる群から選択され得る。
【0034】
一実施形態において、アミノ酸残基の突然変異は、野生型残基の代わりにアラニンへの置換を含み得るか、またはこれからなり得る。一実施形態において、アミノ酸残基の変化は、野生型残基の代わりに任意の他のアミノ酸への置換を含み得るか、またはこれからなり得る。
【0035】
有利には、非機能性(すなわち、H因子をまったくまたはほぼ結合しない)fHbpを提供することにより、H因子の動員のワクチンの成功に対する何らかの悪影響を排除または低減できる。
【0036】
一実施形態において、アミノ酸残基の突然変異は、特に、改変fHbpの安定性を高め得、fHbp V2が提供される一実施形態において、fHbp V2は、fHbp V2配列の突然変異により安定化され得る。V2の安定のための突然変異の詳細は、参照により本明細書に援用される、国際公開第2014030003号に見出され得る。例えば、安定化のためのアミノ酸置換は、fHbp V2の35位、36位、42位、46位、107位、112位、114位、137位および138位のアミノ酸の1つ以上でのアミノ酸置換であり得る。安定化のための置換は、Ser35、Leu36、Asp42、Glu43、Arg46、Asp107、Val112、Leu114、Ser137およびGly138の1つ以上での置換であり得る。
【0037】
一実施形態において、外来ペプチドループは免疫原性である。外来ペプチドループは、外膜/表面露出タンパク質に由来し得る。
【0038】
外来ペプチドループは、原核生物起源であり得る。外来ペプチドループは、病原体の外膜タンパク質(OMP)などの細菌のタンパク質に由来し得る。OMPは、内在性OMPまたはリポタンパク質であり得る。外来ペプチドループは、髄膜炎菌外膜タンパク質などの髄膜炎菌タンパク質に由来し得る。外来ペプチドループは、淋菌などの別の病原体の外膜タンパク質に由来し得る。
【0039】
外来ペプチドループは、膜透過βバレルタンパク質のフラグメントを含み得る。外来ペプチドループは、βバレルポリンタンパク質のフラグメントを含み得る。外来ペプチドループは、PorAのフラグメントを含み得る。別の実施形態において、外来ペプチドループは、FetAのフラグメントを含み得る。
【0040】
PorAフラグメントなどの外来ペプチドループは、16アミノ酸長であり得る。一実施形態において、PorAフラグメントなどの外来ペプチドループは、8~20アミノ酸長であり得る。別の実施形態において、PorAフラグメントなどの外来ペプチドループは、8~16アミノ酸長であり得る。別の実施形態において、PorAフラグメントなどの外来ペプチドループは、10~16アミノ酸長であり得る。別の実施形態において、PorAフラグメントなどの外来ペプチドループは、12~16アミノ酸長であり得る。別の実施形態において、PorAフラグメントなどの外来ペプチドループは、14~18アミノ酸長であり得る。別の実施形態において、PorAフラグメントなどの外来ペプチドループは、免疫原性エピトープを提供するのに十分な任意の長さであり得る。別の実施形態において、PorAフラグメントなどの外来ペプチドループは、野生型のフラグメントに対して、免疫原性エピトープを提供し、天然立体配座を維持するのに十分な任意の長さであり得る。
【0041】
外来ペプチドループは、PorAループ1~7のいずれか1つまたはこれらのフラグメント;および/またはこれらの組み合わせから選択され得る。外来ペプチドループは、ループ1(β鎖1と2の間)、ループ4(β鎖7と8の間)、ループ5(β鎖9と10の間)およびループ7(β鎖11と12の間)のPorAループのいずれか1つ;またはこれらのフラグメント;および/またはこれらの組み合わせから選択され得る。
【0042】
外来ペプチドループは、PorAループ1(β鎖1と2の間);ループ4(βバレル7と8の間);およびループ5(β鎖9と10の間);またはこれらのフラグメント;および/またはこれらの組み合わせから選択される任意の1つのペプチドを含み得る。
【0043】
外来ペプチドループは、PorAループ1(βバレル1と2の間)またはそのフラグメントを含み得る。外来ペプチドループはPorAループ4(β鎖7と8の間)またはそのフラグメントを含み得る。外来ペプチドループはPorAループ5(β鎖9と10の間)またはそのフラグメントを含み得る。
【0044】
当業者は、PorAループの変異体配列が、野生型に対するわずかな突然変異で提供され得、エピトープとして依然として機能し得ることを理解するであろう。したがって、外来ペプチドループは、PorAループ変異体を含み得る。変異体は、野生型配列に対して1つ以上のアミノ酸付加、欠失または置換を含み得る。別の実施形態において、変異体は、野生型配列に対して1つ以下のアミノ酸付加、欠失または置換を含み得る。別の実施形態において、変異体は、野生型配列に対して2、3、4または5つ以下のアミノ酸付加、欠失または置換を含み得る。置換は保存的置換であり得る。例えば、実質的に同様の特性、例えば、電荷、疎水性、立体的嵩または分子量を有する代替のアミノ酸残基を提供する。変異体は、野生型PorAループ配列と少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含み得る。別の実施形態において、変異体は、野生型PorAループ配列と少なくとも90%、95%、98%、99%または99.5%の配列同一性を有する配列を含み得る。
【0045】
一実施形態において、改変fHbpは、2個以上の外来ペプチドループを含み得る。一実施形態において、改変fHbpは、3個以上の外来ペプチドループを含み得る。一実施形態において、改変fHbpは、1~7個の外来ペプチドループを含み得る。一実施形態において、改変fHbpは、1~5個の外来ペプチドループを含み得る。一実施形態において、改変fHbpは、1~3個の外来ペプチドループを含み得る。一実施形態において、改変fHbpは、2~7個の外来ペプチドループを含み得る。一実施形態において、改変fHbpは、3~7個の外来ペプチドループを含み得る。一実施形態において、改変fHbpは、2~5個の外来ペプチドループを含み得る。一実施形態において、改変fHbpは、3~5個の外来ペプチドループを含み得る。改変fHbpまたはその変異体は、少なくとも1つの位置において外来ペプチドループで改変され得る。改変fHbpまたはその変異体は、少なくとも2つの位置において外来ペプチドループで改変され得る。改変fHbpまたはその変異体は、少なくとも3つの位置において外来ペプチドループで改変され得る。改変fHbpまたはその変異体は、少なくとも4つの位置において外来ペプチドループで改変され得る。改変fHbpまたはその変異体は、少なくとも5つの位置において外来ペプチドループで改変され得る。改変fHbpまたはその変異体は、少なくとも6つの位置において外来ペプチドループで改変され得る。改変fHbpまたはその変異体は、少なくとも7つの位置において外来ペプチドループで改変され得る。
【0046】
ペプチドループは、H因子結合タンパク質の2つのβシート間に(例えば、fHbpを足場として使用して)提供され得る。ペプチドループは、PorAループなどの外来ペプチドループがv1.1 fHbpのアミノ酸49~54、83~88、114~124、199~206、227~233および240~246の間(範囲は、ループのすべての残基を含む)に挿入され得る位置または他のfHbpの対応する位置から選択されるアミノ酸位置の1つ以上で、fHbpまたはその変異体に挿入され得る。
【0047】
少なくとも1つの外来ペプチドループは、NまたはC末端融合として提供されない場合がある。
【0048】
外来ペプチドループが挿入され得るfHbpの配列は、以下のfHbp V1.1の一次アミノ酸配列に関連して下線が引かれたこれらの位置のいずれかであり得る。代替の変異体fHBPを使用する一実施形態において、挿入サイトは、等価な位置であり得る。
【0049】
fHbpの1位(p1)、残基83~88
P2、残基199~206
P3、残基227~233
P4、残基49~54
P5、残基114~124
P7、残基240~246
【化1】
【0050】
一実施形態において、外来ペプチドループの挿入サイトは、fHbpの1位(P1)、残基83~88(配列EVDGQL(配列番号15))であり得る。別の実施形態において、外来ペプチドループの挿入サイトは、P2位、残基199~206(配列KPDGKRHA(配列番号16))であり得る。別の実施形態において、外来ペプチドループの挿入サイトは、P3位、残基227~233(配列FGGKAQE(配列番号17))であり得る。別の実施形態において、外来ペプチドループの挿入サイトは、P4位、残基49~54(配列AAQGAE(配列番号18))であり得る。別の実施形態において、外来ペプチドループの挿入サイトは、P5位、残基114~124(配列IQDSEHSGKM(配列番号19))であり得る。別の実施形態において、外来ペプチドループの挿入サイトは、P7位、残基240~246(配列KTVNGI(配列番号20))であり得る。
【0051】
任意の所与の1位~7位の外来ペプチドループの挿入サイトは、fHbpの1位~7位で同定された残基のいずれかの間であり得る。あるいは、任意の所与の1位~7位の外来ペプチドループの挿入サイトは、fHbpの1位~7位で同定された最初の残基の前または最後の残基の後であり得る。例えば、外来ペプチドループが、4位で挿入される場合、挿入は、*AAQGAE(配列番号21)、A*AQGAE(配列番号22)、AA*QGAE(配列番号23)、AAQ*GAE(配列番号24)、AAQG*AE(配列番号25)、AAQGA*E(配列番号26)またはAAQGAE*(配列番号27)であり得、*は挿入サイトを示す。
【0052】
別の実施形態において、当業者は、挿入サイトの領域の1~5個の残基が、fHbp構造に顕著な影響を与えずにfHbpから除去され得る(例えば、ループで置き換えられ得る)ように、外来ペプチドループの挿入サイトは可変的であり得ることを理解するであろう。一実施形態において、同定された位置のアミノ酸残基の1個以上は、外来ペプチドループで置き換えられる/置換される。代替実施形態において、同定された位置のアミノ酸残基の2、3、4、5個以上は、外来ペプチドループで置き換えられる/置換される。別の実施形態において、挿入サイトの領域の1~3個の残基が、fHbp構造に顕著な影響を与えずにfHbpから除去され得る(例えば、ループに置き換えられ得る)ように、外来ペプチドループの挿入サイトは可変的であり得る。別の実施形態において、挿入サイトの領域の1または2個の残基が、fHbp構造に顕著な影響を与えずにfHbpから除去され得る(例えば、ループで置き換えられ得る)ように、外来ペプチドループの挿入サイトは可変的であり得る。別の実施形態において、挿入サイトの領域の1個の残基が、fHbp構造に顕著な影響を与えずにfHbpから除去され得る(例えば、ループで置き換えられ得る)ように、外来ペプチドループの挿入サイトは可変的であり得る。例えば、挿入サイトが、ループの一方の端部でアミノ酸残基86であり、ループの他方の端部で残基87である場合、変異体は、言及された挿入サイトの領域での5、4、3、2、または1個の残基とループとの置き換えを含み得る。代替実施形態において、同定された位置のアミノ酸残基の6個以上は、外来ペプチドループで置き換えられる/置換される。代替実施形態において、同定された位置のアミノ酸残基の7個以上は(該当する場合)外来ペプチドループで置き換えられる/置換される。代替実施形態において、同定された位置のアミノ酸残基の8個以上は(該当する場合)外来ペプチドループで置き換えられる/置換される。代替実施形態において、同定された位置のアミノ酸残基の9個以上は(該当する場合)外来ペプチドループで置き換えられる/置換される。挿入位置1~7のいずれかの全アミノ酸残基は、外来ペプチドループで置換され得る。
【0053】
例えば、外来ペプチドループが、4位で挿入され、1個以上の残基を置換する場合、挿入は、A*QGAE(配列番号28)、AA*GAE(配列番号29)、AA*AE(配列番号: 30)、AA*E(配列番号31)、AA*、A*GAE(配列番号32)、A*AE(配列番号33)、AA*E(配列番号34)、A*E、A*、 *AQGAE(配列番号35)、*QGAE(配列番号36)、*GAE(配列番号37)、*AE、*E、AAQ*AE(配列番号38)、AAQ*E(配列番号39)、AAQ*(配列番号40)、AAQG*E(配列番号41)、AAQG*(配列番号42)、AAQGA*(配列番号43)であり得、*は、挿入サイトを示し、1個以上の残基が、元の配列から除去される。
【0054】
当業者は、挿入サイトおよび/または外来ペプチドループでの置換の等価な組み合わせが、別の配列の他の同定された挿入位置1~7でなされ得ることを理解するであろう。
【0055】
一実施形態において、挿入サイトの領域は、任意の1位~7位の上流または下流に±5残基移動し得る。あるいは、挿入サイトの領域は、任意の1位~7位の上流または下流に±4残基移動し得る。あるいは、挿入サイトの領域は、任意の1位~7位の上流または下流に±3残基移動し得る。あるいは、挿入サイトの領域は、任意の1位~7位の上流または下流に±2残基移動し得る。あるいは、挿入サイトの領域は、任意の1位~7位の上流または下流に±1残基移動し得る。
【0056】
さらにまたはあるいは、ペプチドループは、fHbp:CFHの相互作用を立体的に妨害する位置に提供され得る。これらは、以下のV1の一次配列に下線が引かれた、残基114~124、199~206または240~246(例えば、2位、5位および7位)の間の任意の1つ以上のサイトに挿入される外来ペプチドループを含む:
【化2】
【0057】
本発明の一実施形態において、改変fHbpは免疫原性である。改変fHbpは組換えタンパク質であり得る。改変fHbpは、組換え融合タンパク質などの融合タンパク質であり得る。改変fHbpは、単離された改変fHbp分子であり得る。本発明の改変fHbp分子は、単一タンパク質多価ワクチンとして示され得る。改変fHbpはOMVワクチンに含まれ得る。
【0058】
1超の外来ペプチドループがfHbpまたはその変異体に挿入される実施形態において、外来ペプチドループが同じ、例えば、同じ配列、または実質的に同様であってよい。例えば、PorAエピトープなどのいくつかのエピトープは、fHbp上に個々に表示された場合、十分な機能応答を誘発できない。この場合、本発明を使用して、同じ改変fHbp分子上の複数のサイトに同じエピトープを提供することができ、それにより、エピトープの免疫原性認識が向上する。
【0059】
あるいは、外来ペプチドループは互いに対して異なり得る。例えば、外来ペプチドループは、PorAなどの単一タンパク質に由来する場合、各外来ペプチドループは、PorAなどのタンパク質の別個の領域に由来し得る。一実施形態において、各外来ペプチドループは、PorAなどのタンパク質の重複する領域および別個の領域に由来し得る。
【0060】
1超の外来ペプチドループが、fHbpまたはその変異体に挿入される実施形態において、外来ペプチドループは様々な種または株に由来し得る。例えば、多価ワクチンが様々な生物を含む複数の異なる抗原に所望される場合である。
【0061】
PorAペプチドループ配列は、表1に示される配列のいずれか(例えば、配列番号45~79のいずれか)から選択され得る。表1の各PorA配列の組み合わせは、本明細書に記載の挿入サイトP1~P7のいずれかに提供され得る(1サイトあたり1ループ)。さらにまたはあるいは、表1の同じPorA配列の2つ以上は、本明細書に記載の挿入サイトP1~P7のいずれかに提供され得る(1サイトあたり1ループ)。
【0062】
【0063】
当業者は、1つまたは2つまたはそれ以上のアミノ酸置換、付加または欠失を伴う変異体が、免疫原性機能を実質的に除去せずに表1のPorA配列のために提供され得ることを理解するであろう。置換は、例えば、同様のMW、電荷、疎水性もしくは部分を有する同様のアミノ酸残基、または合成類似体に対する置換であり得る。当業者は、変異体が表1のPorA配列のトランケーションであり得、トランケートされた変異体は、認識可能なエピトープを形成するのに十分なアミノ酸残基を提供することをさらに理解するであろう。一実施形態において、PorA配列は、表1の配列のいずれか1つと少なくとも80%の同一性を有する。別の実施形態において、PorA配列は、表1の配列のいずれか1つと少なくとも85%の同一性を有する。別の実施形態において、PorA配列は、表1の配列のいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有する。別の実施形態において、PorA配列は、表1の配列のいずれか1つと少なくとも95%の同一性を有する。別の実施形態において、PorA配列は、表1の配列のいずれか1つと少なくとも98%の同一性を有する。
【0064】
一実施形態において、外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、
【化3】
の配列を含み得るか、またはこれからなり得、表1の任意のPorA VR2ループの配列は、枠で強調された任意のアミノ酸またはアミノ酸の群に置き換わり得る。
【0065】
一実施形態において、外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、
【化4】
の配列を含み得るか、またはこれからなり得、表1の任意のPorA VR2ループの配列は、枠で強調された任意のアミノ酸またはアミノ酸の群に置き換わり得る。
【0066】
一実施形態において、外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、
【化5】
の配列を含み得るか、またはこれからなり得、表1の任意のPorA VR2ループの配列は、枠で強調された任意のアミノ酸またはアミノ酸の群に置き換わり得る。
【0067】
一実施形態において、外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、
【化6】
の配列を含み得るか、またはこれからなり得、表1の任意のPorA VR2ループの配列は、枠で強調された任意のアミノ酸またはアミノ酸の群に置き換わり得る。
【0068】
一実施形態において、外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、
【化7】
の配列を含み得るか、またはこれからなり得、表1の任意のPorA VR2ループの配列は、枠で強調された任意のアミノ酸またはアミノ酸の群に置き換わり得る。
【0069】
一実施形態において、外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、
【化8】
の配列を含み得るか、またはこれからなり得、表1の任意のPorA VR2ループの配列は、枠で強調された任意のアミノ酸またはアミノ酸の群に置き換わり得る。
【0070】
一実施形態において、外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、
【化9】
の配列を含み得るか、またはこれからなり得、表1の任意のPorA VR2ループの配列は、枠で強調された任意のアミノ酸またはアミノ酸の群に置き換わり得る。
【0071】
一実施形態において、外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、
【化10】
の配列を含み得るか、またはこれからなり得、表1の任意のPorA VR2ループの配列は、枠で強調された任意のアミノ酸またはアミノ酸の群に置き換わり得る。
【0072】
一実施形態において、外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、
【化11】
の配列を含み得るか、またはこれからなり得、表1の任意のPorA VR2ループの配列は、枠で強調された任意のアミノ酸またはアミノ酸の群に置き換わり得る。
【0073】
一実施形態において、外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、
【化12】
の配列を含み得るか、またはこれからなり得、表1の任意のPorA VR2ループの配列は、枠で強調された任意のアミノ酸またはアミノ酸の群に置き換わり得る。
【0074】
一実施形態において、外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、
【化13】
の配列を含み得るか、またはこれからなり得、表1の任意のPorA VR2ループの配列は、枠で強調された任意のアミノ酸またはアミノ酸の群に置き換わり得る。
【0075】
一実施形態において、外来ペプチドループでさらに改変されるべきfHbpは、
【化14】
の配列を含み得るか、またはこれからなり得、表1の任意のPorA VR2ループの配列は、枠で強調された任意のアミノ酸またはアミノ酸の群に置き換わり得る。
【0076】
改変fHbpは、配列番号92~109のいずれか1つの配列を含み得る。
【0077】
改変fHbpは、配列番号92~109の配列を含み得、そこで配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のVR2ループ配列で置き換えられる。
【0078】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKG LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDYYTKDT NNNLTLVPQL ITLESGEFQV YKQSHSALTA FQTEQIQDSE HSGKMVAKRQ FRIGDIAGEH TSFDKLPEGG RATYRGTAFG SDDAGGKLTY TIDFAAKQGN GKIEHLKSPE LNVDLAAADI KPDGKRHAVI SGSVLYNQAE KGSYSLGIFG GKAQEVAGSA EVKTVNGIRH IGLAAKQ(配列番号92、fHbp V1.1、GI:316985482、P1のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0079】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGSGSGGG GVAADIGTGL ADALTAPLDH KDKGLKSLTL EDSISQNGTL TLSAQGAEKT FKVGDKDNSL NTGKLKNDKI SRFDFVQKIE VDYYTKDTNN NLTLVPQTIT LASGEFQIYK QDHSAVVALQ IEKINNPDKI DSLINQRSFL VSGLGGEHTA FNQLPSGKAE YHGKAFSSDD AGGKLTYTID FAAKQGHGKI EHLKTPEQNV ELASAELKAD EKSHAVILGD TRYGSEEKGT YHLALFGDRA QEIAGSATVK IREKVHEIGI AGKQ (配列番号93、fHbp V3.45、GI:284466869、P1のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0080】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKS LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDYYTKD TNNNLTLVPQ LITLESGEFQ IYKQDHSAVV ALQIEKINNP DKIDSLINQR SFLVSGLGGE HTAFNQLPSG KAEYHGKAFS SDDAGGKLTY TIDFAAKQGH GKIEHLKTPE QNVELASAEL KADEKSHAVI LGDTRYGGEE KGTYHLALFG DRAQEIAGSA TVKIREKVHE IGIAGKQ(配列番号94、fHbp V2.19 GI:488148626、P1のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0081】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKG LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQVYK QSHSALTAFQ TEQIQDSEHS GKMVAKRQFR IGDIAGEHTS FDKLPEGGRA TYRGTAFGSD DAGGKLTYTI DFAAKQGNGK IEHLKSPELN VDLAAADIKP DYYTKDTNNN LTLVPKRHAV ISGSVLYNQA EKGSYSLGIF GGKAQEVAGS AEVKTVNGIR HIGLAAKQ(配列番号95、fHbp V1.1 GI:316985482、P2のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0082】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGSGSGGG GVAADIGTGL ADALTAPLDH KDKGLKSLTL EDSISQNGTL TLSAQGAEKT FKVGDKDNSL NTGKLKNDKI SRFDFVQKIE VDGQTITLAS GEFQIYKQDH SAVVALQIEK INNPDKIDSL INQRSFLVSG LGGEHTAFNQ LPSGKAEYHG KAFSSDDAGG KLTYTIDFAA KQGHGKIEHL KTPEQNVELA SAELKADYYT KDTNNNLTLV PKSHAVILGD TRYGSEEKGT YHLALFGDRA QEIAGSATVK IREKVHEIGI AGKQ(配列番号96、fHbp V3.45 GI:284466869、P2のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0083】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKS LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQIYK QDHSAVVALQ IEKINNPDKI DSLINQRSFL VSGLGGEHTA FNQLPSGKAE YHGKAFSSDD AGGKLTYTID FAAKQGHGKI EHLKTPEQNV ELASAELKAD YYTKDTNNNL TLVPKSHAVI LGDTRYGGEE KGTYHLALFG DRAQEIAGSA TVKIREKVHE IGIAGKQ(配列番号97、fHbp V2.19 GI:488148626、P2のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0084】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKG LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQVYK QSHSALTAFQ TEQIQDSEHS GKMVAKRQFR IGDIAGEHTS FDKLPEGGRA TYRGTAFGSD DAGGKLTYTI DFAAKQGNGK IEHLKSPELN VDLAAADIKP DGKRHAVISG SVLYNQAEKG SYSLGIFGYY TKDTNNNLTL VPKAQEVAGS AEVKTVNGIR HIGLAAKQ(配列番号98、fHbp V1.1 GI:316985482、P3のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0085】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGSGSGGG GVAADIGTGL ADALTAPLDH KDKGLKSLTL EDSISQNGTL TLSAQGAEKT FKVGDKDNSL NTGKLKNDKI SRFDFVQKIE VDGQTITLAS GEFQIYKQDH SAVVALQIEK INNPDKIDSL INQRSFLVSG LGGEHTAFNQ LPSGKAEYHG KAFSSDDAGG KLTYTIDFAA KQGHGKIEHL KTPEQNVELA SAELKADEKS HAVILGDTRY GSEEKGTYHL ALFGYYTKDT NNNLTLVPRA QEIAGSATVK IREKVHEIGI AGKQ(配列番号99、fHbp V3.45 GI:284466869、P3のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0086】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKS LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQIYK QDHSAVVALQ IEKINNPDKI DSLINQRSFL VSGLGGEHTA FNQLPSGKAE YHGKAFSSDD AGGKLTYTID FAAKQGHGKI EHLKTPEQNV ELASAELKAD EKSHAVILGD TRYGGEEKGT YHLALFGYYT KDTNNNLTLV PRAQEIAGSA TVKIREKVHE IGIAGKQ(配列番号100、fHbp V2.19 GI:488148626、P3のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0087】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKG LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QYYTKDTNNN LTLVPAEKTY GNGDSLNTGK LKNDKVSRFD FIRQIEVDGQ LITLESGEFQ VYKQSHSALT AFQTEQIQDS EHSGKMVAKR QFRIGDIAGE HTSFDKLPEG GRATYRGTAF GSDDAGGKLT YTIDFAAKQG NGKIEHLKSP ELNVDLAAAD IKPDGKRHAV ISGSVLYNQA EKGSYSLGIF GGKAQEVAGS AEVKTVNGIR HIGLAAKQ(配列番号101、fHbp V1.1 GI:316985482、P4のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0088】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGSGSGGG GVAADIGTGL ADALTAPLDH KDKGLKSLTL EDSISQNGTL TLSAQYYTKD TNNNLTLVPA EKTFKVGDKD NSLNTGKLKN DKISRFDFVQ KIEVDGQTIT LASGEFQIYK QDHSAVVALQ IEKINNPDKI DSLINQRSFL VSGLGGEHTA FNQLPSGKAE YHGKAFSSDD AGGKLTYTID FAAKQGHGKI EHLKTPEQNV ELASAELKAD EKSHAVILGD TRYGSEEKGT YHLALFGDRA QEIAGSATVK IREKVHEIGI AGKQ(配列番号102、fHbp V3.45 GI:284466869、P4のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0089】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKS LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QYYTKDTNNN LTLVPAEKTY GNGDSLNTGK LKNDKVSRFD FIRQIEVDGQ LITLESGEFQ IYKQDHSAVV ALQIEKINNP DKIDSLINQR SFLVSGLGGE HTAFNQLPSG KAEYHGKAFS SDDAGGKLTY TIDFAAKQGH GKIEHLKTPE QNVELASAEL KADEKSHAVI LGDTRYGGEE KGTYHLALFG DRAQEIAGSA TVKIREKVHE IGIAGKQ(配列番号103、fHbp V2.19 GI:488148626、P4のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0090】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKG LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQVYK QSHSALTAFQ TEQIQDSYYT KDTNNNLTLV PHSGKMVAKR QFRIGDIAGE HTSFDKLPEG GRATYRGTAF GSDDAGGKLT YTIDFAAKQG NGKIEHLKSP ELNVDLAAAD IKPDGKRHAV ISGSVLYNQA EKGSYSLGIF GGKAQEVAGS AEVKTVNGIR HIGLAAKQ(配列番号104、fHbp V1.1 GI:316985482、P5のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0091】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGSGSGGG GVAADIGTGL ADALTAPLDH KDKGLKSLTL EDSISQNGTL TLSAQGAEKT FKVGDKDNSL NTGKLKNDKI SRFDFVQKIE VDGQTITLAS GEFQIYKQDH SAVVALQIEK INNPYYTKDT NNNLTLVPKI DSLINQRSFL VSGLGGEHTA FNQLPSGKAE YHGKAFSSDD AGGKLTYTID FAAKQGHGKI EHLKTPEQNV ELASAELKAD EKSHAVILGD TRYGSEEKGT YHLALFGDRA QEIAGSATVK IREKVHEIGI AGKQ(配列番号105、fHbp V3.45 GI:284466869、P5のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0092】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKS LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQIYK QDHSAVVALQ IEKINNPYYT KDTNNNLTLV PKIDSLINQR SFLVSGLGGE HTAFNQLPSG KAEYHGKAFS SDDAGGKLTY TIDFAAKQGH GKIEHLKTPE QNVELASAEL KADEKSHAVI LGDTRYGGEE KGTYHLALFG DRAQEIAGSA TVKIREKVHE IGIAGKQ(配列番号106、fHbp V2.19 GI:488148626、P5のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0093】
一実施形態において、改変fHbpは、配列CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKG LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQVYK QSHSALTAFQ TEQIQDSEHS GKMVAKRQFR IGDIAGEHTS FDKLPEGGRA TYRGTAFGSD DAGGKLTYTI DFAAKQGNGK IEHLKSPELN VDLAAADIKP DGKRHAVISG SVLYNQAEKG SYSLGIFGGK AQEVAGSAEV KTVYYTKDTN NNLTLVPGIR HIGLAAKQ(配列番号107、fHbp V1.1 GI:316985482、P7のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0094】
一実施形態において、改変fHbpは、CSSGSGSGGG GVAADIGTGL ADALTAPLDH KDKGLKSLTL EDSISQNGTL TLSAQGAEKT FKVGDKDNSL NTGKLKNDKI SRFDFVQKIE VDGQTITLAS GEFQIYKQDH SAVVALQIEK INNPDKIDSL INQRSFLVSG LGGEHTAFNQ LPSGKAEYHG KAFSSDDAGG KLTYTIDFAA KQGHGKIEHL KTPEQNVELA SAELKADEKS HAVILGDTRY GSEEKGTYHL ALFGDRAQEI AGSATVKIRY YTKDTNNNLT LVPKVHEIGI AGKQ(配列番号108、fHbp V3.45 GI:284466869、P7のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0095】
一実施形態において、改変fHbpは、CSSGGGGVAA DIGAGLADAL TAPLDHKDKS LQSLTLDQSV RKNEKLKLAA QGAEKTYGNG DSLNTGKLKN DKVSRFDFIR QIEVDGQLIT LESGEFQIYK QDHSAVVALQ IEKINNPDKI DSLINQRSFL VSGLGGEHTA FNQLPSGKAE YHGKAFSSDD AGGKLTYTID FAAKQGHGKI EHLKTPEQNV ELASAELKAD EKSHAVILGD TRYGGEEKGT YHLALFGDRA QEIAGSATVK IRYYTKDTNN NLTLVPKVHE IGIAGKQ(配列番号109、fHbp V2.19 GI:488148626、P7のPorA VR2 P1.16)または同じ配列を含み得るか、またはこれからなり得、配列YYTKDTNNNLTLVP(配列番号68)は、任意のPorA VR2ループ配列、例えば、表1に示される任意のPorAループ配列で置き換えられる。
【0096】
当業者は、1、2、3または4つ以上のアミノ酸置換、欠失または付加が、その免疫原性機能を実質的に除去せずまたは安定性に影響を与えずに、本明細書の本発明の改変fHbpに対してなされ得ることを理解するであろう。置換は、例えば、同様のMW、電荷、疎水性もしくは部分を有する同様のアミノ酸残基、または合成類似体に対する置換であり得る。このような改変は、本発明の一部として想定される。一実施形態において、改変fHbpは、本明細書に記載の改変fHbpのいずれか1つと少なくとも75%の同一性を有し得る。一実施形態において、改変fHbpは、本明細書に記載の改変fHbpのいずれか1つと少なくとも80%の同一性を有し得る。一実施形態において、改変fHbpは、本明細書に記載の改変fHbpのいずれか1つと少なくとも85%の同一性を有し得る。一実施形態において、改変fHbpは、本明細書に記載の改変fHbpのいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有し得る。一実施形態において、改変fHbpは、本明細書に記載の改変fHbpのいずれか1つと少なくとも95%の同一性を有し得る。一実施形態において、改変fHbpは、本明細書に記載の改変fHbpのいずれか1つと少なくとも98%の同一性を有し得る。一実施形態において、改変fHbpは、本明細書に記載の改変fHbpのいずれか1つと少なくとも99%の同一性を有し得る。一実施形態において、改変fHbpは、本明細書に記載の改変fHbpのいずれか1つと少なくとも99.5%の同一性を有し得る。
【0097】
本発明の別の態様によれば、本明細書の本発明による改変fHbpを本質的にまたは少なくともコードする核酸が提供される。
【0098】
核酸は、ウイルスベクターなどのベクター中に存在し得る。
【0099】
本発明の別の態様によれば、本明細書の本発明による改変fHbpを含む組成物が提供される。
【0100】
組成物は、本明細書の本発明による2つ以上の異なる改変fHbp分子(例えば、その異なる形態/種)を含み得る。例えば、組成物は、本発明による改変fHbpの2つ以上の異なる変異体を含み得る。例えば、組成物は、fHbp変異体v1およびv2を含み得る。組成物は、fHbp変異体v2およびv3を含み得る。別の実施形態において、組成物は、少なくともfHbp変異体v2を含む。
【0101】
本発明の別の態様によれば、本明細書の本発明による核酸を含む組成物が提供される。
【0102】
組成物は薬学的に許容される担体を含み得る。組成物はアジュバントをさらに含み得る。
【0103】
本発明のさらなる態様によれば、薬剤としての使用のための本発明による改変fHbp、核酸または組成物が提供される。
【0104】
本発明のさらなる態様によれば、対象の病原性感染またはコロニー形成の治療または予防における使用のための、本発明による改変fHbp、核酸または組成物が提供される。
【0105】
本発明のさらなる態様によれば、本発明による改変fHbp、核酸または組成物の対象への投与を含む、対象の病原性感染またはコロニー形成の治療または予防方法が提供される。
【0106】
本発明のさらなる態様によれば、本発明による改変fHbp、核酸または組成物の対象への投与を含む、ワクチン接種法が提供される。
【0107】
投与は、治療有効量で行われ得る。当業者は、適正投与量および投与の反復を決定できるであろう。
【0108】
対象は、ヒトなどの哺乳動物であり得る。
【0109】
感染は、細菌感染であり得る。例えば、感染は、髄膜炎菌などの髄膜炎または淋菌であり得る。
【0110】
本発明のさらなる態様によれば、本発明による改変H因子結合タンパク質(fHbp)を含む、単一タンパク質多価ワクチンが提供される。
【0111】
ワクチンは、Nmを対象とした予防または治療ワクチンとして用いられ得る。
【0112】
使用は、薬学的に許容される担体との併用であり得る。さらにまたはあるいは、使用はアジュバントとの併用であり得る。好適な薬学的に許容される担体およびアジュバントは、当業者によく知られている。
【0113】
本発明のさらなる態様によれば、本発明による改変fHbpと少なくとも1つの他の予防または治療活性分子との組み合わせが提供される。
【0114】
少なくとも1つの他の予防または治療活性分子は、本明細書の本発明による改変fHbpと異なるワクチンまたは抗原を含み得る。組み合わせは、組み合わせワクチンまたは療法で用いられ得る。例えば、組み合わせは、別の髄膜炎菌抗原が提供される組み合わせワクチンまたは療法で用いられ得る。
【0115】
一実施形態において、少なくとも1つの他の予防または治療活性分子は、一価タンパク質:莢膜多糖ワクチンを含む。一価タンパク質:莢膜多糖ワクチンは、細菌トキソイドを有する血清型CまたはA莢膜の、(細菌トキソイドに結合させた血清型CおよびA莢膜多糖による)二価ワクチン、四価(血清型A、C、Y、W)または五価(血清型A、C、Y、W、X)結合型ワクチンのいずれかを含み得る。
【0116】
あるいは、少なくとも1つの他の予防または治療活性分子は結合型ワクチンを含み得、外来ペプチドループ(例えば、PorAループ)を保持するfHbp足場を含む抗原は、タンパク質担体分子として結合型ワクチンに組み込まれ得る。結合型ワクチンは、A、C、Y、WまたはX株からの血清型莢膜多糖のいずれかを個々にまたは組み合わせて含み得る。
【0117】
本発明の別の態様によれば、エピトープ表示足場としてのH因子結合タンパク質(fHbp)の使用が提供される。
【0118】
エピトープ表示足場としての使用は、本明細書に記載の改変のいずれかを含むH因子結合タンパク質(fHbp)の使用を含み得る。
【0119】
本発明による組成物または改変fHbpは、ワクチンとしてのそれらの潜在的使用に加えて、診断試薬として、およびワクチンの免疫能力の尺度として有用であり得る。
【0120】
用語「免疫原性」は、分子が、ヒトまたは動物の体内で免疫応答を誘発することができることを意味する。免疫応答は防御的であり得る。
【0121】
本発明の改変fHbpにより誘発される免疫応答は、本発明の改変fHbpで免疫した対象を感染させる髄膜炎菌(Nm)の能力に影響を与え得る。好ましくは、本発明の改変fHbpで免疫した対象を感染させるNmの能力が、阻害または妨害される。誘発された免疫応答はNmを認識および破壊し得る。さらにまたはあるいは、誘発された免疫応答はNmの複製を阻害または妨害し得る。さらにまたはあるいは、誘発された免疫応答は、ヒトまたは非ヒト動物においてNm起因疾患を阻害または予防し得る。
【0122】
本明細書で用いられる用語「ペプチドループ」は、両末端に固定された(例えば、fHbpなどの足場に固定された)一本鎖ポリペプチド配列を指すことが意図される。用語「ループ」は、ポリペプチドにより採用される任意の特定の二次構造を暗示または要求しない。
【0123】
「外来ペプチドループ」の文脈で用いられる用語「外来」は、ペプチドループが、fHbpタンパク質に対して異なる源に由来する(すなわち、fHbpまたはそのフラグメントでない)ことを意味することが理解される。しかし、fHbpと同じ生物に由来し得る。例えば、改変fHbpは、髄膜炎菌PorAに由来する(外来)ペプチドループで改変された髄膜炎菌fHbpを含み得る。
【0124】
本明細書で用いられる用語「融合タンパク質」は、異なる遺伝子産物または源からの配列の組み合わせを含むポリペプチドを意味することが理解される。
【0125】
用語「融合タンパク質」は、用語「キメラ分子」と互換的に用いられ得る。
【0126】
本明細書で用いられる配列「同一性」についての言及は、標準的なNCBI BLASTpパラメーター(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov)を用いた2つのアライメントした配列間のパーセント同一性を指し得る。
【0127】
用語「単離された」は、本発明の改変fHbpに適用される場合、(i)組換えDNA法を用いて核酸またはウイルスベクターによりコードされるか;または(ii)例えば、キメラ合成法により合成されるか;または(iii)生物学的物質から分離され、次いで精製される、タンパク質を意味する。本発明の単離されたポリペプチドは、タンパク質をコードする核酸配列から、またはタンパク質をコードする核酸配列を含有する組換えベクターから発現されたタンパク質を含む。
【0128】
用語「防御的」は、疾患の予防、疾患感染、伝播および/もしくは進行のリスクの低減、疾患の重症度の低減、状態もしくは疾患の治癒、症状の緩和、または疾患もしくは疾患症状の重症度の低減を意味する。
【0129】
用語「予防法」は、疾患の予防または防御的治療を意味する。予防法は、感染、伝播および/もしくは進行のリスクの低減、または疾患の重症度の低減を含み得る。
【0130】
用語「治療」は、状態または疾患の治癒、症状の緩和、または疾患もしくは疾患症状の重症度の低減を意味する。
【0131】
当業者は、本発明の一実施形態または態様の任意選択の特徴が、必要に応じて、本発明の他の実施形態または態様に適用可能であり得ることを理解するであろう。
【0132】
以下、単に例として添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【
図1A】キメラfHbp:PorAの設計(A)主な外膜の特徴、リポオリゴ糖およびtype4 pili、ならびに重要な抗原fHbpおよびPorAを示す髄膜炎菌の表面概略図。免疫原性PorA VR2ループは強調されており、fHbpがヒトCFHのドメイン6および7と相互作用することが示されている。
【
図1B】キメラfHbp:PorAの設計(B)PorAループが挿入されたキメラfHbp:PorAを産生するのに使用した6つの位置(P1~5およびP7)を示すCFHドメイン6および7を有するV1 fHbpの構造。注意:5位は、fHbp:CFHの界面にある。
【
図2A】分子足場としてのfHbpの使用A)キメラfHbp:PorAを産生するのに使用した6つの位置(P1~5およびP7)を有するfHbp V1.1のタンパク質構造(灰色、リボン表示)。B)fHbp V1.1の二次構造(灰色、矢印はβシートを表し、長方形はαらせんを表す)。VR2 P1.16 PorA挿入サイトの場所は、黒の実線で示され、数字は、PorA VR2ループが挿入され得る残基の範囲を示している(1Dの残基番号に対応)。C)野生型(WT V1.1)fHbpの1~5位または7位にPorA P1.16 VR2ループを有する精製されたfHbp:PorAのSDS-PAGEおよびウェスタンブロットによる分析。ブロットを、α-V1 fHbp pAbおよびα-P1.16 mAbでプローブした。D)他のタンパク質からのループが挿入され得る1~5位および7位の場所(下線)を示す、V1.1 fHbpの一次配列(配列番号1)
【
図2B】分子足場としてのfHbpの使用A)キメラfHbp:PorAを産生するのに使用した6つの位置(P1~5およびP7)を有するfHbp V1.1のタンパク質構造(灰色、リボン表示)。B)fHbp V1.1の二次構造(灰色、矢印はβシートを表し、長方形はαらせんを表す)。VR2 P1.16 PorA挿入サイトの場所は、黒の実線で示され、数字は、PorA VR2ループが挿入され得る残基の範囲を示している(1Dの残基番号に対応)。C)野生型(WT V1.1)fHbpの1~5位または7位にPorA P1.16 VR2ループを有する精製されたfHbp:PorAのSDS-PAGEおよびウェスタンブロットによる分析。ブロットを、α-V1 fHbp pAbおよびα-P1.16 mAbでプローブした。D)他のタンパク質からのループが挿入され得る1~5位および7位の場所(下線)を示す、V1.1 fHbpの一次配列(配列番号1)
【
図2C】分子足場としてのfHbpの使用A)キメラfHbp:PorAを産生するのに使用した6つの位置(P1~5およびP7)を有するfHbp V1.1のタンパク質構造(灰色、リボン表示)。B)fHbp V1.1の二次構造(灰色、矢印はβシートを表し、長方形はαらせんを表す)。VR2 P1.16 PorA挿入サイトの場所は、黒の実線で示され、数字は、PorA VR2ループが挿入され得る残基の範囲を示している(1Dの残基番号に対応)。C)野生型(WT V1.1)fHbpの1~5位または7位にPorA P1.16 VR2ループを有する精製されたfHbp:PorAのSDS-PAGEおよびウェスタンブロットによる分析。ブロットを、α-V1 fHbp pAbおよびα-P1.16 mAbでプローブした。D)他のタンパク質からのループが挿入され得る1~5位および7位の場所(下線)を示す、V1.1 fHbpの一次配列(配列番号1)
【
図2D】分子足場としてのfHbpの使用A)キメラfHbp:PorAを産生するのに使用した6つの位置(P1~5およびP7)を有するfHbp V1.1のタンパク質構造(灰色、リボン表示)。B)fHbp V1.1の二次構造(灰色、矢印はβシートを表し、長方形はαらせんを表す)。VR2 P1.16 PorA挿入サイトの場所は、黒の実線で示され、数字は、PorA VR2ループが挿入され得る残基の範囲を示している(1Dの残基番号に対応)。C)野生型(WT V1.1)fHbpの1~5位または7位にPorA P1.16 VR2ループを有する精製されたfHbp:PorAのSDS-PAGEおよびウェスタンブロットによる分析。ブロットを、α-V1 fHbp pAbおよびα-P1.16 mAbでプローブした。D)他のタンパク質からのループが挿入され得る1~5位および7位の場所(下線)を示す、V1.1 fHbpの一次配列(配列番号1)
【
図3】キメラfHbp:PorAの特性評価(A)α-P1.16mAbのFabを有するP1.16ループ(黒、PDBID:2mpa)で覆われたfHbp:PorAおよび1位、3位および7位にループを有するfHbp:PorAの構造。エピトープが、殺菌抗体により認識された立体配座であることを実証している。(B)20~120℃の温度勾配を使用して行われた示差走査熱量分析によるfHbpのfHbp N末端(NT)およびC末端(CT)βバレルの安定性。fHbp N末端(NT
TM)およびC末端(CT
TM)バレルの溶融温度が示されている。BIAcore CM5チップに結合させたfHbpおよびキメラfHbp:PorAでの、fHbp:PorAの補体H因子(CFH)およびmAbへの結合のSPR解析。CFH(fH67)を、0.5~32nMの希釈範囲で流し、解離定数(K
D)を計算した;fHbp:PorAの解離定数(K
D)からは、fHbp:CFHの界面にぶつかる5位にループを有するfHbpとCFHとの結合の欠如が確認される(
図2A)。NB=結合なし。
【
図4-1】キメラfHbp:PorAのために選択された抗原のレパートリー(A、B)Meningitis Research Foundation Genome Library(http://www.meningitis.org/research/genome)から2010~2015年のUKにおける髄膜炎菌疾患分離株における、fHbp変異体およびPorA VR2亜型各々の頻度。特定のfHbpおよびPorAの頻度が円グラフ(上)および表(下)で示されている。注意:V2 fHbpは、分離株の38.9%を占める。
【
図4-2】キメラfHbp:PorAのために選択された抗原のレパートリー(A、B)Meningitis Research Foundation Genome Library(http://www.meningitis.org/research/genome)から2010~2015年のUKにおける髄膜炎菌疾患分離株における、fHbp変異体およびPorA VR2亜型各々の頻度。特定のfHbpおよびPorAの頻度が円グラフ(上)および表(下)で示されている。注意:V2 fHbpは、分離株の38.9%を占める。
【0134】
【表2】
正確な配列マッチ
-Pfizerワクチン、3.02%
-Bexsero fHbp(V1.1)またはPorA(P1.16)、15.86%
-キメラfHbp:PorA、fHbpまたはPorA、72%(fHbpおよびPorAで23.5%)
【
図5】マウス免疫血清による髄膜炎菌fHbp(A)およびPorA(B)抗原の認識。髄膜炎菌株H44/76(WT)、H44/67ΔfHbpおよびH44/67ΔPorAからの全細胞溶菌液をSDS-PAGEにより分離し、PVDF膜に移し、マウス免疫血清でプローブした。P1、P2、P4、P5またはP7にVR2ループを有する精製されたfHbp-PorAキメラ20μgでBalbCマウスを3回免疫することにより、マウス免疫血清を得た。
【
図6】V2 fHbpの安定化:fHbp:PorAの構築および免疫原性(A)6(M6)または2(M2)つのa.a.置換を有するV2 fHbp V2.22およびV2.25の安定化。DSC分析を、20~120℃の温度勾配を用いてタンパク質20μMで行った。fHbp N末端(NT
TM)およびC末端バレル(CT
TM)の溶融温度を記録する。(B)キメラfHbp:PorAのPorAループを、対応するmAbにより認識する。P1.2、P1.4、P1.9、P1.14およびP1.15からのPorA VR2ループを、V2.25 fHbpの1位に挿入した。精製された野生型V2.25 fHbpおよびV3.45 fHbp-PorAキメラのSDS-PAGEおよびウェスタンブロット分析。ウェスタンブロットをfHbp V2.25 pAbおよびループ特異的PorA mAb(NIBSC)でプローブした。CFHとの結合が、正常なヒト血清およびCFH pAbでのファーウエスタンブロットにより検出された。
【
図7】キメラfHbp:PorAは防御免疫を誘発する。マウスをキメラfHbp:PorA、すなわちP(1)(1)(13)、P(2)(1)(13)およびP(3)(1)(13)で3回免疫し、SBAを、示された株に対して測定した;SBA>8は防御的とみなされる。ループが1位にある限りはfHbpバレルから突き出ないため、3位、すなわち、P(3)(1)(13)にVR2ループを有するPorAにより誘発されるSBAの欠如(すなわち、fHbp突然変異に対してSBA 0)が起こり得る。
【
図8A】UKにおいて2016年に単離された髄膜炎菌血清型B株(n=243)におけるPorA VR2(A)およびfHbp変異体(B)の頻度。データはMeningococcal Research Foundation、2017年6月27日からダウンロードした。他:<4の分離株で生じる残りの対立遺伝子。(C)組換えキメラ抗原のSDS-PAGEおよびウェスタンブロットによる分析。免疫ブロットを、α-PorA VR2 mAb:P1.4、P1.9、P1.14およびP1.15でプローブした。(D)キメラ抗原fHbpV
1.4:PorA
151/P1.1.10_1、fHbp
V1.4:PorA
151/P1.14およびfHbp
V1.4:PorA
151/P1.15、fHbp
V3.45:PorA
158/P1.4およびfHbp
V3.45:PorA
158/P1.9からのマウスポリクローナル抗血清による髄膜炎菌血清型B分離株のパネルにおけるPorAの検出。
【
図8B】UKにおいて2016年に単離された髄膜炎菌血清型B株(n=243)におけるPorA VR2(A)およびfHbp変異体(B)の頻度。データはMeningococcal Research Foundation、2017年6月27日からダウンロードした。他:<4の分離株で生じる残りの対立遺伝子。(C)組換えキメラ抗原のSDS-PAGEおよびウェスタンブロットによる分析。免疫ブロットを、α-PorA VR2 mAb:P1.4、P1.9、P1.14およびP1.15でプローブした。(D)キメラ抗原fHbpV
1.4:PorA
151/P1.1.10_1、fHbp
V1.4:PorA
151/P1.14およびfHbp
V1.4:PorA
151/P1.15、fHbp
V3.45:PorA
158/P1.4およびfHbp
V3.45:PorA
158/P1.9からのマウスポリクローナル抗血清による髄膜炎菌血清型B分離株のパネルにおけるPorAの検出。
【
図8C】UKにおいて2016年に単離された髄膜炎菌血清型B株(n=243)におけるPorA VR2(A)およびfHbp変異体(B)の頻度。データはMeningococcal Research Foundation、2017年6月27日からダウンロードした。他:<4の分離株で生じる残りの対立遺伝子。(C)組換えキメラ抗原のSDS-PAGEおよびウェスタンブロットによる分析。免疫ブロットを、α-PorA VR2 mAb:P1.4、P1.9、P1.14およびP1.15でプローブした。(D)キメラ抗原fHbpV
1.4:PorA
151/P1.1.10_1、fHbp
V1.4:PorA
151/P1.14およびfHbp
V1.4:PorA
151/P1.15、fHbp
V3.45:PorA
158/P1.4およびfHbp
V3.45:PorA
158/P1.9からのマウスポリクローナル抗血清による髄膜炎菌血清型B分離株のパネルにおけるPorAの検出。
【
図8D】UKにおいて2016年に単離された髄膜炎菌血清型B株(n=243)におけるPorA VR2(A)およびfHbp変異体(B)の頻度。データはMeningococcal Research Foundation、2017年6月27日からダウンロードした。他:<4の分離株で生じる残りの対立遺伝子。(C)組換えキメラ抗原のSDS-PAGEおよびウェスタンブロットによる分析。免疫ブロットを、α-PorA VR2 mAb:P1.4、P1.9、P1.14およびP1.15でプローブした。(D)キメラ抗原fHbpV
1.4:PorA
151/P1.1.10_1、fHbp
V1.4:PorA
151/P1.14およびfHbp
V1.4:PorA
151/P1.15、fHbp
V3.45:PorA
158/P1.4およびfHbp
V3.45:PorA
158/P1.9からのマウスポリクローナル抗血清による髄膜炎菌血清型B分離株のパネルにおけるPorAの検出。
【
図8E】UKにおいて2016年に単離された髄膜炎菌血清型B株(n=243)におけるPorA VR2(A)およびfHbp変異体(B)の頻度。データはMeningococcal Research Foundation、2017年6月27日からダウンロードした。他:<4の分離株で生じる残りの対立遺伝子。(C)組換えキメラ抗原のSDS-PAGEおよびウェスタンブロットによる分析。免疫ブロットを、α-PorA VR2 mAb:P1.4、P1.9、P1.14およびP1.15でプローブした。(D)キメラ抗原fHbpV
1.4:PorA
151/P1.1.10_1、fHbp
V1.4:PorA
151/P1.14およびfHbp
V1.4:PorA
151/P1.15、fHbp
V3.45:PorA
158/P1.4およびfHbp
V3.45:PorA
158/P1.9からのマウスポリクローナル抗血清による髄膜炎菌血清型B分離株のパネルにおけるPorAの検出。[実施例1]
【0135】
免疫原性ペプチドをH因子結合タンパク質(fHbp)に導入でき、ペプチドを免疫系に提示して、防御応答を誘発できることが示された(
図5および7)。この方式の原理を証明するために、内在性膜タンパク質PorAからのペプチドを使用した。PorAは、その膜貫通ドメインが不溶性であるため発現が困難である。分子の免疫原性部分は、免疫系に曝露される細胞外ループに存在する。しかし、有効な免疫応答は、正確な立体配座のループに対してのみ生じる;直鎖ペプチド配列は、機能性免疫応答を誘発しない。fHbp構造の知識から、PorAループをfHbpに導入し、PorAに対する当該応答を生成することが可能である。これにより、キメラ分子を生成する特定のサイトにfHbpおよびPorA配列に基づくキメラ分子が得られる。この方式は、任意の他の免疫原性内在性外膜タンパク質に使用できる。
【0136】
v2 fHbpがワクチンから除去される理由として考えられるのは、そのN末端βバレルの固有の不安定性であることが示された:i)この部分のv2 fHbpの原子構造の決定が不可能であった10、ii)v2 fHbpは、プロテアーゼ消化に感受性である(質量分析から、切断サイトが、N末端βバレルに存在することが実証される、図示せず)、およびiii)示差走査熱量測定は、不安定性がこの領域のv2 fHbpにあることを確証している10。
【0137】
安定なv2 fHbpの産生に成功した。N末端バレルに影響を与える突然変異誘発を行って、アミノ酸(a.a.s)を単独でまたは組み合わせて置換した。M6 fHbpでの6個のアミノ酸の置換により、v2 fHbpが安定化される(すなわち、このβバレルのc130a.a.sで6つの変化、<0.5%)(突然変異の詳細については国際公開第2014030003号参照)。これは、示差走査熱量測定(DSC)およびプロテアーゼ感受性から明らかである(詳細については国際公開第2014030003号参照)。変更された残基の側鎖は、N末端バレルのβ-シート間の相互作用を促進し、したがって、分子の中心に向かって配向される;変化は、予想通りタンパク質の免疫原性に影響を与えない(SBAまたはα-fHbp IgGレベルにおける相違なし、図示せず)。
【0138】
キメラv1.1 fHbpは、OMVワクチンのレシピエントにおいてSBAを誘発する、P1.16PorAからの13アミノ酸VR2を組み込むことにより産生された
16。内在性膜タンパク質は、疎水性(それゆえ不溶性)βバレルを含有し、fHbpは、高レベルで発現および精製され得る2つのバレルを含有する。VR2配列をfHbpの6つの異なる位置に導入した(
図2B);これらのサイトは、fHbpの構造全体を破壊する挿入の可能性が低減されるように、PorA
22およびfHbpの隣接するβシートの類似の間隔に基づき選択された(挿入の予想される影響については
図2B)。VR2を各fHbpに挿入した3つのfHbp(
図2B)の免疫原性を評価した。タンパク質はすべて、fHbpおよびPorAに対して認識する抗体応答を誘発し(
図5および7)、重要なことに、(サイト1または2にVR2を有する)これまでに試験した両方のタンパク質が、独立にfHbpおよびPorAに対してSBAを誘発する(Nm H44/76、512に対する、および両方のfHbpのNm H44/76αfHbp、256に対するSBA)。これにより、この方式の原理が証明される。
【0139】
多価ワクチンのための足場としてのfHbp
ワクチンとしての非機能性fHbp-fHbpの機能は、fHbp含有ワクチンの臨床試験の開始時は知られていなかった;fHbpは、変異体群にかかわりなくfH(解離定数<5nM)との高親和性相互作用を示し、fHは、fHbpの大部分を占める5。この相互作用は、i)免疫原性エピトープをブロックし、fHと競合し得る抗体の産生を妨害することにより、ならびにii)(fHの動員により)補体活性、およびそこから免疫誘導サイトでのB細胞の活性を低下させることにより、ワクチンとしてのfHbpの使用を損なう可能性があった。非機能性fHbpの使用により、これらの問題が回避される。fHとの相互作用に必要なv1、2および3 fHbpの重要なアミノ酸が同定され10、fHとの結合を妨害するv1、v2およびv3 fHbpの単一a.a.sの改変は、この重要なワクチン抗原の免疫原性を保持するかまたはさらに高めることが示された10、23。
【0140】
単一タンパク質多価ワクチン候補の産生および評価
Nmの(そのPorA配列で定義される)優勢な血清亜型からの防御PorAエピトープ15を、v1、安定なv2およびv3タンパク質に導入した;これらの安定性、ならびにPorAおよびfHbp mAbによる認識を決定した。PorA配列は、UKの分離株の多様性に対応するように選択されたが、髄膜炎菌株の任意のコレクションからのデータを使用できる。
【0141】
研究方法
ワクチン候補の産生および特性評価-組換えfHbpを、標準プラスミドベクターを用いて大腸菌に構築および発現させた;既存のワクチン(v1.1および3.45)のいずれかに存在するため、またはタンパク質(v2)での経験により、またはNm株でのそれらの優勢により、キメラv1、V2およびV3 fHbpのタンパク質陰イオン交換およびゲル濾過でPolyHisタグを用いてタンパク質を親和性精製した。PorAループを標準的な方法でfHbpに導入し、融合タンパク質が、PorAの一般的な血清亜型に対するmAbを結合することを実証した。この戦略を使用して、天然配列および設計された配列を比較し、候補の抗原結合およびfH結合のファインマッピングを行った。VPキャピラリーDSC(GEHealthcare)を用いてDSC、および先述のようにBiacore3000(GE Healthcare)またはProteOn XRP36(BioRad)でSPRを実施した。
【0142】
参考文献
【表3】
すべての参考文献が参照により本明細書に援用される。
【0143】
実施例2-免疫応答を生成する、拡大範囲のPorA VR2ループを含有するキメラ抗原
fHbp:PorAキメラ抗原の適合性を試験するために、fHbpとPorA VR2との様々な組み合わせからなるいくつかのキメラ抗原を産生した。UKで単離された株に利用できる包括的な髄膜炎菌ゲノムデータ(Public health England、the Wellcome Trust Sanger Instituteおよびthe University of Oxfordにより共同研究開発されたMeningitis Research Foundation Meningococcus Genome Library)から、所与の領域において最も一般的な抗原とマッチする正確な配列を有するキメラ抗原の構築が可能である。2016年、血清型B髄膜炎菌分離株で最も優勢なPorA VR2は、P1.4(15.2%)、P1.14(15.2%)、P1.9(12.8%)、P1.16(11.1%)およびP1.15(5.8%、
図8B)であった。VR2 P1.10_1は、血清型B分離株の1.6%に存在した。最も優勢な変異体1、変異体2および変異体3 fHbpは、V1.4、V2.19およびV3.45であり、各々血清型B髄膜炎菌分離株の21.8%、5.3%および4.9%に存在した(
図8C)。5つの異なるキメラ抗原を構築し、PorA VR2を、151位(V1.4)または158位(V3.45、
図8A)に挿入した。キメラ抗原の発現および精製後、ウェスタンブロット分析により、これらのキメラ抗原すべてがその同種α-VR2 mAbおよびα-fHbp pAbにより認識されるエピトープを保持することが確認された(
図8D)。野生型fHbp V1.1、V1.4およびV3.45ならびにキメラ抗原の熱的安定性を、示差走査熱量測定(DSC、表3)により決定した。
【0144】
免疫応答を誘発するこれらのfHbp:PorAキメラ抗原の能力を調べるために、CD1マウスの群を各キメラ抗原/alumで免疫した;免疫付与後に得られた抗血清をプールした。得られたPorA免疫応答を評価するために、プールした抗血清および血清型B髄膜炎菌疾患分離株のパネルにウェスタンブロットを行った。
図8Eは、すべてのキメラ抗原が、その同種PorA VR2を認識するα-PorA抗体を誘発したことを実証している。α-PorA SBA応答を評価するために、プールしたキメラ抗原/alum抗血清、およびfHbp交差防御を無効にするためにミスマッチfHbp変異体を有する血清型B髄膜炎菌株に血清殺菌アッセイを行った。力価は≧20~≧1280の範囲であり、髄膜炎菌に対する防御免疫の許容される相関に対する閾値≧8を上回る(Andrews, N.ら、Clin Diagn Lab Immunol 10、780~786(2003))(表4)。
【0145】
【0146】
【表5】
αPorA SBA力価は、プールしたキメラ抗原/alum抗血清、およびミスマッチfHbp変異体を有する血清型B髄膜炎菌分離株を用いて生成した。*fHbpは残基242でトランケートされた。
PorA VR2 P1.15を有する株のfHbpはミスマッチしないので、ΔfHbp株を産生する必要があったため、fHbp
V1.4:PorA
151/P1.15は試験しなかった。