IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サタケの特許一覧 ▶ 讃光工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-粉粒体袋詰装置 図1
  • 特許-粉粒体袋詰装置 図2
  • 特許-粉粒体袋詰装置 図3
  • 特許-粉粒体袋詰装置 図4
  • 特許-粉粒体袋詰装置 図5
  • 特許-粉粒体袋詰装置 図6
  • 特許-粉粒体袋詰装置 図7
  • 特許-粉粒体袋詰装置 図8
  • 特許-粉粒体袋詰装置 図9
  • 特許-粉粒体袋詰装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】粉粒体袋詰装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/54 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
B65B43/54 K
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020091793
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2021187453
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(73)【特許権者】
【識別番号】390038726
【氏名又は名称】讃光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】上瀬 功也
(72)【発明者】
【氏名】谷口 潤之介
(72)【発明者】
【氏名】唐谷 茂樹
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-073180(JP,U)
【文献】特開平02-070624(JP,A)
【文献】特開2001-335093(JP,A)
【文献】実開昭61-100955(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルコンテナバッグを保持する袋保持部材を備え、供給ホッパの下端に位置する充填シュートから前記袋保持部材に肩紐を掛けて保持された前記フレキシブルコンテナバッグに粉粒体を充填し袋詰めする粉粒体袋詰装置において、
前記袋保持部材は、前記充填シュートを挟む位置に平行に一対が水平状に延設して設けられる長尺部材であって、少なくとも上部が開放された略U字形又は略L字形の断面形状を有しており、前記袋保持部材は、当該袋保持部材に掛けられた前記フレキシブルコンテナバッグの前記肩紐との間にフォークリフトのフォークが水平方向から挿入可能な空間を形成し、
一対の前記袋保持部材は、上下に移動可能に設けられる支持部材に片持ち状に支持され、
前記支持部材は支柱に昇降可能に設けられる可動部材に取付けられてなり、前記支柱の上部に滑車が設けられ、前記滑車に掛け渡したワイヤの一端を前記可動部材に連結し、前記ワイヤの他端をバランスウエイトに連結することを特徴とする粉粒体袋詰装置。
【請求項2】
前記充填シュートの下方には、前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部が装着される可動シュートが前記充填シュートの下部を覆いかつ下方へ延びるように設けられ、
前記可動シュートは、前記可動部材の上方において前記可動部材と一体となって前記支柱に昇降可能に設けられる第2可動部材に片持ち状に支持され、前記充填シュートに対し上下動可能とされる請求項記載の粉粒体袋詰装置。
【請求項3】
前記充填シュートの下方には、前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部が装着される可動シュートが前記充填シュートの下部を覆いかつ下方へ延びるように設けられ、
前記可動シュートは、上部を支軸により支持され、前記袋保持部材が延設される方向に揺動可能とされる請求項1又は2記載の粉粒体袋詰装置。
【請求項4】
前記可動シュートの下端は、前記袋保持部材が延設される方向であって前記フレキシブルコンテナバッグが搬出される方向に向けて下向き傾斜状に形成される請求項記載の粉粒体袋詰装置。
【請求項5】
前記可動シュートの下端は、前記袋保持部材が延設される方向に向けて円弧状に形成される請求項2又は3記載の粉粒体袋詰装置。
【請求項6】
前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部は、前記可動シュートの外周面に圧縮バネにより押圧されクランプされる請求項3乃至5のいずれかに記載の粉粒体袋詰装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルコンテナバッグに粉粒体を袋詰めする粉粒体袋詰装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブルコンテナバッグ(以下、「フレコンバッグ」という。)に粉粒体を袋詰めする粉粒体袋詰装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
前記粉粒体袋詰装置は、吊り上げ用の肩紐をフックに引っ掛けてフレコンバッグを保持し、計量ホッパから前記フレコンバッグに所定量の粉粒体を充填し、粉粒体を充填した後は、前記フレコンバッグの前記肩紐にフォークリフトのフォークを挿入し、前記フックから前記肩紐を取り外した後、前記フレコンバッグを前記フォークリフトで持ち上げて搬出するものである。
【0004】
ところで、前記粉粒体袋詰装置は、粉粒体を充填した後の前記フレコンバッグを前記フォークリフトで持ち上げて搬出するに際し、前記肩紐Tを前記フック10から取り外す作業をフォークリフトの運転手や専用の作業員等が手作業で行う必要があり、作業性に問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-230912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、人手による作業を省略し、粉粒体の充填後におけるフレキシブルコンテナバッグの搬出作業を効率よく行うことができる粉粒体袋詰装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、
フレキシブルコンテナバッグを保持する袋保持部材を備え、供給ホッパの下端に位置する充填シュートから前記袋保持部材に肩紐を掛けて保持された前記フレキシブルコンテナバッグに粉粒体を充填し袋詰めする粉粒体袋詰装置において、
前記袋保持部材は、前記充填シュートを挟む位置に平行に一対が水平状に延設して設けられる長尺部材であって、少なくとも上部が開放された断面形状を有しており、当該袋保持部材に掛けられた前記フレキシブルコンテナバッグの前記肩紐との間にフォークリフトのフォークが水平方向から挿入可能な空間を形成することを特徴とする。
【0008】
本発明は、
一対の前記袋保持部材が片持ち状に支持され
【0009】
本発明は、
一対の前記袋保持部材が、上下に移動可能に設けられる支持部材に片持ち状に支持され
【0010】
本発明は、
前記支持部材が支柱に昇降可能に設けられる可動部材に取付けられてなり、前記支柱の上部に滑車が設けられ、前記滑車に掛け渡したワイヤの一端を前記可動部材に連結し、前記ワイヤの他端をバランスウエイトに連結す
【0011】
本発明は、
前記充填シュートの下方には、前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部が装着される可動シュートが前記充填シュートの下部を覆いかつ下方へ延びるように設けられ、
前記可動シュートは、前記可動部材の上方において前記可動部材と一体となって前記支柱に昇降可能に設けられる第2可動部材に片持ち状に支持され、前記充填シュートに対し上下動可能とされることが好ましい。
【0012】
本発明は、
前記充填シュートの下方には、前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部が装着される可動シュートが前記充填シュートの下部を覆いかつ下方へ延びるように設けられ、
前記可動シュートは、上部を支軸により支持され、前記袋保持部材が延設される方向に揺動可能とされることが好ましい。
【0013】
本発明は、
前記可動シュートの下端が、前記袋保持部材が延設される方向であって前記フレキシブルコンテナバッグが搬出される方向に向けて下向き傾斜状に形成されることが好ましい。
【0014】
本発明は、
前記可動シュートの下端が、前記袋保持部材が延設される方向に向けて円弧状に形成されることが好ましい。
【0015】
本発明は、
前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部が、前記可動シュートの外周面に圧縮バネにより押圧されてクランプされることが好ましい。
【0016】
本発明は、
前記袋保持部材が、略U字形の断面形状を有す
【0017】
本発明は、
前記袋保持部材が、略L字形の断面形状を有す
【発明の効果】
【0018】
本発明の粉粒体袋詰装置は、前記袋保持部材が、前記充填シュートを挟む位置に平行に一対が水平状に延設して設けられる長尺部材であって、少なくとも上部が開放された断面形状を有しており、当該袋保持部材に掛けられた前記フレキシブルコンテナバッグの前記肩紐との間にフォークリフトのフォークが水平方向から挿入可能な空間を形成するので、前記袋保持部材に肩紐を掛けて保持された前記フレキシブルコンテナバッグに粉粒体を充填し袋詰めした後、前記袋保持部材と前記肩紐との間に形成される前記空間に前記フォークリフトのフォークを水平方向から挿入し、前記フォークを上昇させることで、人手を介することなく前記袋保持部材から前記フォークに前記フレキシブルコンテナバッグの前記肩紐を受け渡すことができ、前記フレキシブルコンテナバッグを前記フォークリフトにより吊り上げて搬出することができる。
したがって、本発明の粉粒体袋詰装置によれば、人手による作業を省略し、粉粒体の充填後におけるフレキシブルコンテナバッグの搬出作業を効率よく行うことができる。
【0019】
本発明の粉粒体袋詰装置は、一対の前記袋保持部材が、上下に移動可能に設けられる支持部材に片持ち状に支持されるので、前記フォークを上昇させて前記フレキシブルコンテナバッグを吊り上げる際、前記フレキシブルコンテナバッグが前記袋保持部材に接触した場合でも、前記袋保持部材が前記フレキシブルコンテナバッグとともに上昇することができるので、前記接触による衝撃を緩和し、かつ、前記フレキシブルコンテナバッグの破損を防止することができる。
【0020】
本発明の粉粒体袋詰装置は、前記支持部材が支柱に昇降可能に設けられる可動部材に取付けられてなり、前記支柱の上部に滑車が設けられ、前記滑車に掛け渡したワイヤの一端を前記可動部材に連結し、前記ワイヤの他端をバランスウエイトに連結するので、前記フォークを上昇させて前記フレキシブルコンテナバッグを吊り上げる際、前記フレキシブルコンテナバッグが前記袋保持部材に接触した場合でも、前記バランスウエイトの作用により大きな力を必要とすることなく前記フレキシブルコンテナバッグを吊り上げることができる。
また、前記袋保持部材から前記フォークに前記フレキシブルコンテナバッグの前記肩紐を受け渡し、前記フレキシブルコンテナバッグを前記フォークリフトにより搬出した後は、前記バランスウエイトの作用により前記フレキシブルコンテナバッグとともに上昇した前記袋保持部材を自動的かつ緩やかに所定の高さ位置に下降させることができる。
【0021】
本発明の粉粒体袋詰装置は、前記充填シュートの下方には、前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部が装着される可動シュートが前記充填シュートの下部を覆いかつ下方へ延びるように設けられ、前記可動シュートは、前記可動部材の上方において前記可動部材と一体となって前記支柱に昇降可能に設けられる第2可動部材に片持ち状に支持され、前記充填シュートに対し上下動可能とされることとすれば、前記フォークを上昇させて前記フレキシブルコンテナバッグを吊り上げる際、前記フレキシブルコンテナバッグが前記充填シュートに接触することを防止できる。
また、前記フレキシブルコンテナバッグを吊り上げる際、前記フレキシブルコンテナバッグが前記袋保持部材に接触した後は、前記袋保持部材と前記可動シュートが一体となって上昇し、前記可動シュートと前記フレキシブルコンテナバッグの高さの位置関係が変化しないため、前記フレキシブルコンテナバッグをフォークリフトにより搬出する際、前記可動シュートに装着される前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部が外れにくくなる不具合がない。
【0022】
本発明の粉粒体袋詰装置は、前記充填シュートの下方には、前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部が装着される可動シュートが前記充填シュートの下部を覆いかつ下方へ延びるように設けられ、前記可動シュートは、上部を支軸により支持され、前記袋保持部材が延設される方向に揺動可能とされることとすれば、前記フレキシブルコンテナバッグをフォークリフトにより吊り上げて搬出する際、前記可動シュートが傾斜することで、前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部を人手によらず前記可動シュートから自動的に取り外すことができる。
【0023】
本発明の粉粒体袋詰装置は、前記可動シュートの下端が、前記袋保持部材が延設される方向であって前記フレキシブルコンテナバッグが搬出される方向に向けて下向き傾斜状に形成されることとすれば、前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部を前記可動シュートから引っ掛かりなく取り外すことができる。
【0024】
本発明の粉粒体袋詰装置は、前記可動シュートの下端が、前記袋保持部材が延設される方向に向けて円弧状に形成されることとすれば、前記フレキシブルコンテナバッグをフォークリフトにより吊り上げて搬出する際、前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部を人手によらず前記可動シュートから自動的に、かつ、引っ掛かりなく取り外すことができる。
【0025】
本発明の粉粒体袋詰装置は、前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部が、前記可動シュートの外周面に圧縮バネにより押圧されてクランプされることとすれば、前記フレキシブルコンテナバッグをフォークリフトにより吊り上げて搬出する際、前記フレキシブルコンテナバッグの投入口部を人手によらず前記可動シュートの外周面のクランプから自動的に引き抜くことができる。
【0026】
本発明の粉粒体袋詰装置は、前記袋保持部材が、略U字形の断面形状を有するので、前記袋保持部材に掛けられた前記フレキシブルコンテナバッグの前記肩紐との間にフォークリフトのフォークが水平方向から挿入可能な空間を形成することができる。
【0027】
本発明の粉粒体袋詰装置は、前記袋保持部材が、略L字形の断面形状を有するので、前記袋保持部材に掛けられた前記フレキシブルコンテナバッグの前記肩紐との間にフォークリフトのフォークが水平方向から挿入可能な空間を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施の形態における粉粒体袋詰装置の概略左側面図。
図2図1の粉粒体袋詰装置のB-B断面図。
図3図1の粉粒体袋詰装置の概略正面図。
図4図1の粉粒体袋詰装置をC-C断面から見た可動シュートの説明図。
図5】可動シュートにフレコンバッグをクランプするクランプ手段の説明図。
図6】充填後のフレコンバッグを吊り上げる様子を正面から見た説明図。
図7】充填後のフレコンバッグを吊り上げる様子を正面から見た説明図。
図8】充填後のフレコンバッグを吊り上げる様子を正面から見た説明図。
図9】充填後のフレコンバッグを搬出する様子を左側面から見た説明図。
図10】充填後のフレコンバッグを搬出した後の様子を正面から見た説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における粉粒体袋詰装置の概略左側面を示す。図2図1の粉粒体袋詰装置のB-B断面図を示す。図3図1の粉粒体袋詰装置の概略正面図を示す。
【0030】
本発明の実施の形態における粉粒体袋詰装置1は、基台2と、前記基台2の一側に立設される支柱3と、前記支柱3に昇降可能に設けられる可動部材4を備える。前記基台2は台秤とすることができる。
【0031】
前記可動部材4は、前記支柱3を挟んで左右に配設されるプレート41及び前記プレート41間であって前記支柱3を前後から挟む位置に回転可能に設けられるローラ42を有し、前記支柱3に対し昇降可能とされる。
【0032】
前記支柱3の上部には滑車31が設けられ、前記滑車31にはワイヤ32が掛け渡されて、前記ワイヤ32の一端が前記支柱3の背後において前記可動部材4に連結され、前記ワイヤ32の他端が前記支柱3の内部に配設されるバランスウエイト33に連結される。
【0033】
前記支柱3の左右両側面にはダンパ34が設けられ、前記プレート41の下端が前記ダンパ34に連結される。
【0034】
また、前記粉粒体袋詰装置1は、計量ホッパ5の下端に位置する充填シュート6を挟む位置に平行に水平状に延設して設けられる一対の袋保持ハンド7を備える。
【0035】
前記袋保持ハンド7は、長尺状の部材であって、少なくとも上部が開放された断面形状を有する。ここでは、前記袋保持ハンド7は、略U字形の断面形状を有するものであって、左右の高さが異なるものを例とする。
前記袋保持ハンド7は、当該袋保持ハンド7に掛けられたフレコンバッグFの肩紐Hとの間にフォークリフトのフォークが水平方向から挿入可能な空間を形成する。
【0036】
前記可動部材4において前記プレート41の前側には左右方向に延びる支持部材8が水平状に取付けられ、前記支持部材8が前記可動部材4とともに前記支柱3に対し昇降可能とされる。
前記袋保持ハンド7は、前記支持部材8の左右両側に一対が水平状に片持ち状に支持され、前記支柱3を昇降する前記可動部材4とともに上下に移動可能とされる。
【0037】
さらに、前記粉粒体袋詰装置1は、前記充填シュート6の下方に、前記フレコンバッグFの投入口部が装着される可動シュート62を備える。
前記可動シュート62は、前記充填シュート6の下部を覆い、かつ、下方へ延びるように設けられる。
【0038】
図4図1の粉粒体袋詰装置をC-C断面から見た可動シュートの説明図を示す。
前記可動部材4の上方には、上側可動部材9が前記可動部材4と連結され、前記可動部材4と一体となって前記支柱3に昇降可能に設けられる。
前記上側可動部材9は、前記支柱3を挟んで左右に配設されるプレート91及び前記プレート91間であって前記支柱3を前後から挟む位置に回転可能に設けられるローラ92を有し、前記支柱3に対し昇降可能とされる。
【0039】
前記上側可動部材9において前記プレート91の前側には前後方向に延びる一対のシュート支持部材93が水平状に取付けられる。
前記可動シュート62は、一対の前記シュート支持部材93の前側端部において片持ち状に支持され、前記支柱3を昇降する前記上側可動部材9とともに昇降し、前記充填シュート6に対し上下動可能とされる。
【0040】
また、前記可動シュート62は、一対の前記シュート支持部材93の前側端部において上部を支軸94により支持され、前記支軸94を支点として前記袋保持ハンド7が延設される方向に揺動可能とされる。
【0041】
前記可動シュート62の下端は、前記袋保持ハンド7が延設される方向であって、フォークリフトが後退し前記フレコンバッグFが搬出される方向に向けて下向き傾斜状に形成される。
【0042】
ここで、図4に示す例では、前記可動シュート62は、前後方向における中心よりも支柱3側にずれた位置で前記支軸94により支持されているが、前後方向における中心位置で支持することもできる。
前記可動シュート62が、前後方向において中心よりも支柱3側にずれた位置で前記支軸94により支持されるものであれば、前記可動シュート62の後側外周面を背後に設けられる当接部材95に当接させることができるため、粉粒体の充填時における前記可動シュート62の姿勢を安定させることができる。
【0043】
図5は可動シュートにフレコンバッグをクランプするクランプ手段の説明図を示す。
前記可動シュート62の外周面には、圧縮バネ66による一対のクランプ手段65が設けられる。
前記可動シュート62の外周面に装着される前記フレコンバッグFの投入口部は、前記圧縮バネ66の作用により前記クランプ手段65によって押圧されてクランプされる。
なお、図5以外の図面では、理解を容易とするため、前記フレコンバッグFの投入口部の寸法を前記可動シュート62の寸法よりも大きく記載しているが、実際には図5に示すように前記クランプ手段65によって前記可動シュート62の外周面に押し付けられクランプされる。
【0044】
図6乃至図8は、粉粒体の充填後においてフレコンバッグを吊り上げる様子を正面から見た説明図を示す。
前記袋保持ハンド7は、長尺状の部材であって、少なくとも上部が開放された断面形状を有するので、当該袋保持ハンド7に掛けられた前記フレコンバッグFの肩紐Hとの間にはフォークリフトのフォークTが水平方向から挿入可能な空間が形成されている。
そこで、図6に示すように、前記袋保持ハンド7と前記袋保持ハンド7に掛けられた前記フレコンバッグFの肩紐Hとの間に形成される空間にフォークリフトのフォークTを水平方向から挿入する。
【0045】
次に、図7に示すように、前記フォークリフトのフォークTを上昇させて、前記袋保持ハンド7から前記フォークTに前記フレコンバッグFの肩紐Hを受け渡す。
前記袋保持ハンド7は、長尺状の部材であって、少なくとも上部が開放された断面形状を有するので、前記フォークリフトのフォークTを上昇させることで、人手を介することなく前記袋保持ハンド7から前記フォークTに前記フレコンバッグFの肩紐Hを受け渡すことができる。
【0046】
そして、図8に示すように、前記フォークリフトのフォークTをさらに上昇させ、前記フレコンバッグFを吊り上げて前記基台2から持ち上げる。
その際、前記フレコンバッグFが前記袋保持ハンド7に接触した場合でも、前記袋保持ハンド7が前記可動部材4とともに上下に移動可能とされるので、前記袋保持ハンド7が前記フレコンバッグFとともに上昇することで、前記接触による衝撃を緩和し、かつ、前記フレコンバッグFの破損を防止することができる。
【0047】
また、前記充填シュート6の下方には、前記フレコンバッグFの投入口部が装着される可動シュート62が前記充填シュート6の下部を覆い、かつ、下方へ延びるように設けられ、前記可動シュート62が前記充填シュート6に対し上下動可能とされるので、前記フレコンバッグFを吊り上げる際、前記フレコンバッグFが前記充填シュート6に接触する不具合を防止することができる。
【0048】
さらに、前記フレコンバッグFを吊り上げる際、前記フレコンバッグFが前記袋保持ハンド7に接触した後は、前記袋保持ハンド7と前記可動シュート62が一体となって上昇し、前記可動シュート62と前記フレコンバッグFの高さの位置関係が変化しないため、前記フレコンバッグFを前記フォークリフトにより搬出する際、前記可動シュート62に装着される前記フレコンバッグFの投入口部が外れにくくなる不具合がない。
【0049】
図9は、粉粒体の充填後において吊り上げたフレコンバッグを搬出する様子を左側面から見た説明図を示す。
図8に示すように、フォークリフトのフォークTを上昇させてフレコンバッグFを吊り上げた後は、図9に示すように、前記フォークリフトを後退させて前記フレコンバッグFを搬出する。
【0050】
その際、前記可動シュート62は、上方部分を支軸94により支持され、前記支軸94を支点として前記袋保持ハンド7が延設される方向に揺動可能とされるので、前記可動シュート62が傾斜することで、前記可動シュート62に装着される前記フレコンバッグFの投入口部を人手によらず自動的に取り外すことができる。
【0051】
また、前記可動シュート62の下端は、前記袋保持ハンド7が延設される方向であって前記フレコンバッグFが搬出される方向に向けて下向き傾斜状に形成されるので、前記フレコンバッグFの投入口部を引っ掛かりなく取り外すことができる。
【0052】
さらに、前記フレコンバッグFの投入口部は、前記圧縮バネ66の作用により前記クランプ手段65によって押圧されて前記可動シュート62の外周面にクランプされるので、前記可動シュート62の外周面にクランプされる前記フレコンバッグFの投入口部を前記クランプ手段65から自動的に引き抜くことができる。
【0053】
図10は、粉粒体の充填後においてフレコンバッグを搬出した後の様子を正面から見た説明図を示す。
図10に示すように、前記フレコンバッグFを搬出した後は、前記袋保持ハンド7は前記支持部材8とともに所定の高さ位置に下降する。
その際、図1に示すように、前記支柱3の上部に滑車31が設けられ、前記滑車31にはワイヤ32が掛け渡されて、前記ワイヤ32の一端が前記支柱3の背後において前記可動部材4に連結され、前記ワイヤ32の他端が前記支柱3の内部に配設されるバランスウエイト33に連結されるので、前記フレコンバッグFとともに上昇した前記袋保持ハンド7を、自動的かつ緩やかに所定の高さ位置に下降させることができる。
【0054】
また、前記支柱3の左右両側面にはダンパ34が設けられ、前記可動部材4における前記プレート41の下端が前記ダンパ34に連結されているので、前記袋保持ハンド7を所定の高さ位置に下降させる際の衝撃を緩和することができる。
【0055】
本発明の実施の形態における粉粒体袋詰装置は、前記袋保持ハンド7が、前記充填シュート6を挟む位置に平行に一対が水平状に延設して設けられる長尺状の部材であって、少なくとも上部が開放された断面形状を有しており、前記袋保持ハンド7に掛けられた前記フレコンバッグFの前記肩紐Hとの間にフォークリフトのフォークTが水平方向から挿入可能な空間を形成することができるので、前記袋保持ハンド7に肩紐Hを掛けて保持された前記フレコンバッグFに粉粒体を充填し袋詰めした後、前記袋保持ハンド7と前記肩紐Hとの間に形成される前記空間に前記フォークリフトのフォークTを水平方向から挿入し、前記フォークTを上昇させることで、人手を介することなく前記袋保持ハンド7から前記フォークTに前記フレコンバッグFの前記肩紐Hを受け渡すことができ、前記フレコンバッグFを吊り上げて前記フォークリフトにより搬出することができる。
したがって、本発明の実施の形態における粉粒体袋詰装置によれば、人手による作業を省略し、粉粒体の充填後におけるフレコンバッグFの搬出作業を効率よく行うことができる。
【0056】
本発明の実施の形態において、前記袋保持ハンド7は、略U字形の断面形状を有するものであって左右の高さが異なるものを例としたが、略L字形の断面形状を有するものとすることもできる。前記袋保持ハンド7は、略U字形の断面形状を有するものであって左右の高さが異なるものであれば、略L字形の断面形状を有するものと同様に、肩紐Hの短いフレコンバッグFに対応することができる。
【0057】
本発明の実施の形態おいて、前記袋保持ハンド7は、少なくとも上部が開放された断面形状を有しており、当該袋保持ハンド7に掛けられた前記フレコンバッグFの前記肩紐Hとの間にフォークリフトのフォークTが水平方向から挿入可能な空間を形成するものであれば、略V字形など任意の断面形状とすることができる。
【0058】
上記本発明の実施の形態において、前記可動シュート62の下端は、前記袋保持ハンド7が延設される方向であって、フォークリフトが後退し前記フレコンバッグFが搬出される方向に向けて下向き傾斜状に形成されることとしたが、前記袋保持ハンド7が延設される方向に向けて円弧状に形成されることとすることもできる。
前記可動シュート62の下端が、前記袋保持ハンド7が延設される方向に向けて円弧状に形成される場合も、前記可動シュート62に装着される前記フレコンバッグFの投入口部を引っ掛かりなく取り外すことができる。
【0059】
また、前記可動シュート62の下端が、前記袋保持ハンド7が延設される方向に向けて円弧状に形成される場合、前記可動シュート62は、必ずしも揺動可能に支持されている必要はなく、その場合も、前記フレコンバッグFを前記フォークリフトにより吊り上げて搬出する際、前記可動シュート62に装着される前記フレコンバッグFの投入口部を人手によらず自動的に取り外すことができる。
【0060】
本発明の実施の形態において、前記袋保持ハンド7には、図1及び図2に示すように複数のフレコンバッグFをストックすることができる。
前記袋保持ハンド7に複数のフレコンバッグFをストックしておけば、粉粒体を充填したフレコンバッグFを搬出した後、ストックした前記フレコンバッグFを前記袋保持ハンド7上でずらして前記可動シュート62に投入口部を装着することができるので作業性が向上する。
【0061】
本発明の実施の形態おいて、前記粉粒体袋詰装置1は、前記計量ホッパ5及び前記充填シュート6とは独立した別装置とすることもできるし、一体の装置とすることもできる。
【0062】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、その構成を適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の粉粒体袋詰装置は、粉粒体を充填した後のフレキシブルコンテナバッグを搬出するに際し、人手による作業を省略し、フレキシブルコンテナバッグの搬出作業を効率よく行うことができるものであり、極めて有用である。
【符号の説明】
【0064】
1 粉粒体袋詰装置
2 基台
3 支柱
31 滑車
32 ワイヤ
33 バランスウエイト
34 ダンパ
4 可動部材
41 プレート
42 ローラ
5 計量ホッパ(供給ホッパ)
6 充填シュート
62 可動シュート
65 クランプ手段
66 圧縮バネ
7 袋保持ハンド(袋保持部材)
8 支持部材
9 上側可動部材(第2可動部材)
91 プレート
92 ローラ
93 シュート支持部材
94 支軸
95 当接部材
F フレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)
H 肩紐
T フォークリフトのフォーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10