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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】床ふく射対流式冷暖房システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 5/00 20060101AFI20240723BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20240723BHJP
   E04F 15/00 20060101ALI20240723BHJP
   E04F 15/18 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
F24F5/00 K
F24F13/02 C
E04F15/00 101Z
E04F15/18 Y
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021009397
(22)【出願日】2021-01-25
(65)【公開番号】P2022113280
(43)【公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-07-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1)配布による公開 [販売日]令和2年10月2日 [販売場所]京田辺市役所 [公開者]京村隆 [公開された発明の内容]特願2021-009397に係る床ふく射対流式冷暖房システムを記載した書類を配布した。
(73)【特許権者】
【識別番号】504215058
【氏名又は名称】STOコンサルティング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】521035819
【氏名又は名称】株式会社関西エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100146020
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 善光
(74)【代理人】
【識別番号】100062328
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 剛啓
(72)【発明者】
【氏名】石丸 政吉
(72)【発明者】
【氏名】京村 隆
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-51080(JP,A)
【文献】特開2007-162970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 5/00
F24F 13/02
E04F 15/00
E04F 15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床スラブ上に垂設された複数の支持体と、
前記支持体に支持され平行に列設された、冷暖風の流路を形成した長尺状の複数の金属製の大引と、
前記大引の上面に前記大引に対して直交する方向にかつ平行に列設された、部屋を構成する床材の下面に当接し前記床材を支持する、冷暖風の流路を形成した長尺状の複数の金属製の根太と、
前記大引の下面に上面が接するように配設され、部屋に設置した空調機からの冷暖風を前記大引に送給するための流路を形成するチャンバーと、を備え、
前記チャンバーと前記大引が接触する範囲に冷暖風が流動する第一貫通孔をそれぞれ設け、
前記大引と前記根太が交差しかつ接触する範囲に冷暖風が流動する第二貫通孔をそれぞれ設け、
前記根太の側面に冷暖風を床下空間に噴出可能な噴出孔を所定の間隔を設けて複数並列させ、
前記床材の前記部屋の周縁部周辺に前記床材の下方から上方へ冷暖風が貫流可能な貫流口を複数設け、
隣り合う前記大引間の上下方向の冷暖風の流動を遮断するように平板状の板状パネルを前記大引の下面と略同じ高さで敷設させて、前記床材と前記板状パネル間に冷暖風の流路を形成し、前記板状パネルと前記床スラブ間の冷暖房の流路を前記板状パネルの長さより短い幅の前記チャンバーのみとすることを特徴とする床ふく射対流式冷暖房システム。
【請求項2】
前記チャンバーの上壁及び前記板状パネルのそれぞれの、平面視で前記チャンバーと前記板状パネルとが重なり合う範囲に、冷暖風を流動可能な大開口部をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1に記載の床ふく射対流式冷暖房システム。
【請求項3】
前記大開口部の範囲が、平面視で前記チャンバーと前記板状パネルとが重なり合う全範囲であることを特徴とする請求項に記載の床ふく射対流式冷暖房システム。
【請求項4】
前記床材と前記板状パネル間を流動する冷暖風を、前記貫流口を通して自然対流又は強制対流手段により部屋に貫流させることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の床ふく射対流式冷暖房システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体育館、ビル又は家屋等の建物の床ふく射対流式冷暖房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、部屋の輪郭を形成する板状の区画材を前記部屋の裏側から支える第1の支持部材であって、内部に空気の流路が形成された第1の支持部材と、前記第1の支持部材を前記区画材との間に挟む位置で支える第2の支持部材であって、前記第1の支持部材に対して交差して配置されると共に内部に空気の流路が形成された第2の支持部材とを有し、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材とが前記交差により接触する位置に、互いの前記空気の流路が連絡する連絡孔が、前記第1 の支持部材及び前記第2の支持部材のそれぞれに形成され、前記第1の支持部材の前記空気の流路から前記部屋の裏側の空間に空気を導出する導出孔であって、該導出孔から導出された空気が前記区画材の裏面に沿って流れる向きに開口した導出孔が前記第1の支持部材に形成された支持部材セットと;前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材の内部を流れる空気の温度を事前に調節する空気温度調節機器とを備え;前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材を複数有し;複数の前記第2の支持部材がそれぞれ線状に形成され、かつ、所定の間隔を持って配列され;複数の前記第2の支持部材のそれぞれの一端に空気を供給する第1のチャンバーと;複数の前記第2の支持部材のそれぞれの他端に空気を供給する第2のチャンバーとをさらに備え;前記第1のチャンバーが、配列された前記第2の支持部材のそれぞれの前記一端に順番に空気が到達する方向に空気を流すように構成され;前記第2のチャンバーが、配列された前記第2の支持部材のそれぞれの前記他端に、前記一端に空気が到達する順番とは逆の順番で空気が到達する方向に空気を流すように構成された;冷暖房システムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、建物の床スラブに高さ調整可能な支持脚を所定間隔をおいて設置し、各支持脚の上部に設けた受け部間に断面ハット状の大引を配設し、かつ各大引を平行に配置し、上記大引の上部に、これら大引と直交する方向に根太を配置し、上記根太の上部に床面材を敷設した床構造に付属する体育施設用空調構造において、上記床スラブ上に、上記大引と直交する方向に断面長方形状の筒体からなる第一のチャンバーを配置し、この第一のチャンバーに、これと連通する空調機から送り出される暖気又は冷気などの空調用空気を流通させ、上記並置された隣り合う大引間にわたり、上記床面材の下方を覆う断熱シートを配置し、その際、各大引のフランジ部の上部及び上記受け部の上部に上記断熱シートの端部を固着して敷設して、床面材とこの断熱シートとの間に第二のチャンバーを形成し、上記第一のチャンバーを上記床スラブを二分する状態で直線状に配置する一方、上記第二のチャンバーを第一のチャンバーからこれと直交する両方向に向けて配置し、上記第一のチャンバーの所定間隔位置に、この第一のチャンバーを通過する空調用空気を吸引して上記第二のチャンバーに送風する送風機を配置し、上記第二のチャンバーを通過する空調用空気により上記床面材を暖め又は冷やして温度を調整し、この床面材の上部の床面からのふく射作用により室内の空調を行ない、上記建物の壁スラブに間隔保持具を配置し、これら間隔保持具間に配置したスタッド材の前面に壁板を張り付け、上記壁スラブとこの前方に配置した上記壁板との間の空間部に、上記第二のチャンバーと連通しこの第二のチャンバーからの空調用空気を上記壁面に設けた通風口まで送る第三のチャンバーを形成し、上記通風口から空調用空気を室内へ吹き出し、室内の空気の一部或いは全部を再び上記空調機に送り、新たな空調用空気として利用する体育施設用空調構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5335376号公報
【文献】特許第5348996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明は、根太の導出孔から噴射された冷暖風を床材から離れる方向に拡散することを抑制することを目的にしているので、より小さい空間を確保するために、根太の噴射口に最も近い高さとなる、根太のフランジの高さに閉塞板を設置している。この根太間の閉塞状板を境に上下方向の冷暖風の流動を遮断するので、床材の連通口から床上に貫流する冷暖風は一つの連通口で1つの根太間の冷暖風に限定されるので部屋への還流量が極めて少ないため、部屋の温度感知器の感知が遅れいつまでも冷房又は暖房がかかり放しという問題があり、一方還流量を増加させようとすると、すなわち全根太間の空間の冷暖風の貫流をやろうとすれば1つの根太間の空間ごとにそれぞれ連通口を設けざるを得ないという問題があり、施工コスト高、及び、多数の連通口が露わになることにより床面の外観が見劣りするという問題があった。
【0006】
特許文献2に記載の発明は、床下空間を冷やしたり暖かくする熱源は空調機のみであるので部屋を冷暖房する熱源が少ないという問題があり、部屋の冷暖房に時間がかかるという問題がある。また、空調機からの冷暖風が床下において最初に流動する第一のダクトが大引の下方をくぐらせて設置することと、体育館等の広いフロア全体に冷暖風を行き渡らせるためには床下面との間を広くすることを目的にしていることから、より大きい空間を確保するために、大引から下方に大きく垂れ下がる断熱シートを設置している。このため、床下面と断熱シートとに挟まれた空間が広すぎて冷暖房の効果がなかなか現れにくいという問題、又は、空調機の出力を大きくした場合は省エネ効果が悪化するという問題があった。
【0007】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、空調機からの冷暖風を最大に利用して空調機スイッチオンから短時間で部屋の冷暖房ができ、省エネ効果も期待できる床ふく射対流式冷暖房システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明において、熱伝達と対流は同義語であり、熱放射とふく射は同義語である。
【0009】
請求項1に記載の床ふく射対流式冷暖房システムは、床スラブ上に垂設された複数の支持体と、前記支持体に支持され平行に列設された、冷暖風の流路を形成した長尺状の複数の金属製の大引と、前記大引の上面に前記大引に対して直交する方向にかつ平行に列設された、部屋を構成する床材の下面に当接し前記床材を支持する、冷暖風の流路を形成した長尺状の複数の金属製の根太と、前記大引の下面に上面が接するように配設され、部屋に設置した空調機からの冷暖風を前記大引に送給するための流路を形成するチャンバーと、を備え、前記チャンバーと前記大引が接触する範囲に冷暖風が流動する第一貫通孔をそれぞれ設け、前記大引と前記根太が交差しかつ接触する範囲に冷暖風が流動する第二貫通孔をそれぞれ設け、前記根太の側面に冷暖風を床下空間に噴出可能な噴出孔を所定の間隔を設けて複数並列させ、前記床材の前記部屋の周縁部周辺に前記床材の下方から上方へ冷暖風が貫流可能な貫流口を複数設け、隣り合う前記大引間の上下方向の冷暖風の流動を遮断するように平板状の板状パネルを前記大引の下面と略同じ高さで敷設させて、前記床材と前記板状パネル間に冷暖風の流路を形成し、前記板状パネルと前記床スラブ間の冷暖房の流路を前記板状パネルの長さより短い幅の前記チャンバーのみとすることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の床ふく射対流式冷暖房システムは、請求項1において、前記チャンバーの上壁及び前記板状パネルのそれぞれの、平面視で前記チャンバーと前記板状パネルとが重なり合う範囲に、冷暖風を流動可能な大開口部をそれぞれ設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の床ふく射対流式冷暖房システムは、請求項において、前記大開口部の範囲が、平面視で前記チャンバーと前記板状パネルとが重なり合う全範囲であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の床ふく射対流式冷暖房システムは、請求項1~3のいずれかにおいて、前記床材と前記板状パネル間を流動する冷暖風を、前記貫流口を通して自然対流又は強制対流手段により部屋に貫流させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載の床ふく射対流式冷暖房システムは、空調機からの冷暖風を床下に流動させて、床下から床上に冷暖風を貫流させながら、冷温化又は暖温化させた床材からのふく射熱(熱放射)により部屋の冷暖房を行うシステムであり、冷暖風により大引及び根太を冷温化又は暖温化させ蓄熱させながら、根太から噴射させた冷暖風からの対流(熱伝達)と、前記大引及び前記根太からの熱放射と、根太からの熱伝導とにより床材を冷温化又は暖温化させて、その床材からのふく射熱(熱放射)で部屋の冷暖房を行うシステムである。本発明は、大引の下面と略同じ高さで敷設させた板状パネルと、床材の下面との上下方向の狭い床下空間に冷暖風を噴射させるので、従来の床スラブと床材の下面との上下方向の広くて大きい床下空間と比較して体積的に約1/2~1/10にかなり縮小するので、冷暖風の温度を変化しにくくしていることから、空調機の設定温度差との温度差を従来より小さくした床下空間から冷暖風を部屋に還流させながら、床材からのふく射熱により、部屋の冷暖房機のスイッチオンから床材を極めて短時間で部屋の温度を冷房化又は暖房化の設定温度に実現でき、人の出入りが多くても室温を床材からのふく射熱により維持でき、省エネ効果もあるという効果を奏する。
【0014】
また、板状パネルを、隣り合う前記大引間における上下方向の冷暖風の流動を遮断するように前記大引の下面と略同じ高さで敷設しているので、前記床材の下面と前記板状パネルとから形成される床下空間は全域に亘って、根太の下方と板状パネルとの上下方向の間が連通しているか、大引の上方と床材との上下方向の間が連通しているか、板状パネルと床材の下面とが連通しているので、根太から噴射された冷暖風は、前記床材の下方の空間全域に亘って流動自在である。
【0015】
請求項2に記載の床ふく射対流式冷暖房システムは、空調機の温度に近い温度の冷暖風を大引の流動路内に流入させるのと、同時に、板状パネルと床材の下面との間の狭い床下空間に流動させるので、前記床材と前記板状パネルとの従来より狭い床下空間に大量に空調機の温度に近い温度の冷暖風を流入させることから、冷暖風による床材への熱伝達(対流)、冷暖風による大引と根太への熱伝達(対流)、大引からの床材への熱放射(ふく射)、根太からの床材への熱伝導及び熱放射(ふく射)により強力に効果的に床材を冷暖化できる。また、貫流させる冷暖風の温度を従来より空調機の設定温度との差を小さくできるので、貫流させた冷暖風による部屋の温度への悪影響を最小限化することができる。よって、床材による部屋へのふく射熱(熱放射)と、貫流させた冷暖風の部屋の温度への悪影響の最小限化とによる相乗効果で部屋の冷暖房化の効率を高めることができる。
【0016】
請求項3に記載の床ふく射対流式冷暖房システムは、板状パネルと床材の下面との間の狭い床下空間にチャンバーからの冷暖風を最大限にして大量に流動させるので、床材による部屋へのふく射熱(熱放射)と、貫流させた冷暖風の部屋の温度への空調機の設定温度から遠ざける方向への悪影響の減少とによる相乗効果で部屋の冷暖房化の効率をさらに高めることができる。
【0017】
請求項4に記載の床ふく射対流式冷暖房システムは、冷暖風による部屋の空気の対流を促進させるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の床ふく射対流式冷暖房システムの概要構成説明用の斜視図である。
図2図1の床ふく射対流式冷暖房システムの構成部材を上下方向に離隔させた説明図である。
図3図1の斜視図において、床材と根太を除いた状態の説明図である。
図4図1の斜視図において、大引の下面と略同じ高さでかつ平面視でチャンバーの範囲も覆うようして、床下空間を遮断する板状パネルを設置した状態の説明図である。
図5図1の斜視図において、大引の下面と略同じ高さでかつ平面視でチャンバーの範囲は大開口部にして、床下空間を遮断する板状パネルを設置した状態の説明図である。
図6】板状パネルも概要図で、(a)は面視でチャンバーの範囲も覆う板状パネルの説明図で、(b)は平面視でチャンバーの範囲は大開口部にした板状パネルの説明図である。
図7図1の斜視図において、床材を部分的に除いた状態の説明図である。
図8図4において板状パネルを除いた状態の平面説明図で、大開口部を設けていない形態の場合のチャンバーから根太までの冷暖風の流れの説明図である。
図9図4において板状パネルを除いた状態の平面説明図で、大開口部を設けていない形態の場合の根太における冷暖風の流れの説明図である。
図10図4の正面説明図である。
図11図3におけるA部拡大説明図である。
図12図4におけるB部拡大説明図である。
図13】板状パネルの設置高さを示す説明図である。
図14図13のF部の拡大図である。
図15】板状パネルを有さない従来の形態の大引の長手方向の断面イメージ説明図である。
図16】板状パネルを有した本発明の形態の大引の長手方向の断面イメージ説明図である。
図17】チャンバーの説明図で、(a)は大引の短手方向の長さに合わせた第一貫通孔を有するチャンバーの概要説明斜視図で、(b)は部屋の長さに近い長さの大開口部を有するチャンバーの概要説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の床ふく射対流式冷暖房システム1は、体育館、ビル又は家屋等の建物の床ふく射対流式冷暖房システム1である。
【0020】
まず、現状の床ふく射対流式冷暖房システムについて説明する。図15に示すように、空調機50で任意の温度に設定された冷暖風は床材6に設けた流入口13を通過して床下のチャンバー4に流入し、第一貫通孔11を通過して大引2の流路に流入し、第二貫通孔12を通過して根太3の流路に流入し、根太3に設けた噴射孔10から床材6下面近くの床下空間25に噴射する。そして、噴射され床下空間25に流動する冷暖風は床材6に設けた貫流口から部屋100内に還流される。
【0021】
そして、使用者60が感じる温度は、第一に床材6からの熱放射と部屋100内の空気からの熱伝達である。前記床材6に伝わる熱は、第一に流路を流動する冷暖風から熱伝達され蓄熱された前記根太3からの床材6への熱伝導、第二に噴射孔10から噴射された冷 暖風の熱伝達、第三に流路を通過する冷暖風により熱伝達され蓄熱された大引2及び根太3からの熱放射である。また、床材6に設けた貫流口から部屋100内に還流する空気の温度が空調機50で設定した温度との差が小さいほど部屋100の室内温度を設定温度に早く到達しやすくし前記差が大きいほど部屋100の室内温度を設定温度になかなか 到達しにくくなる。
【0022】
そこで、発明者は、床下空間25に流動する冷暖風の温度を可能な限り空調機50から流動したときの温度に近づけ流量を増加させることができれば、冷暖風から大引2及び根太への熱伝達が増加して大引2及び根太から床材6への熱放射が増加し、根太3の噴射孔10から噴出する冷暖風の床材6への熱伝達が増加し、床材6と接触している箇所の根太3から床材6への熱伝導が増加し、かつ、床下の冷暖風の流路を狭くすれば、従来の大きな容積の流路の床下空間25に比較して、冷暖風の温度変化が小さくなることから部屋100の室温との差が小さくなった冷暖風を貫流することになり床冷暖房の効率を高めるという考えに到達し、本発明の床ふく射対流式冷暖房システム1を想到するに至った。
【0023】
本発明の床ふく射対流式冷暖房システム1は、図1又は図2に示すように、床スラブ20上に垂設された複数の支持体7と、前記支持体7に支持され平行に列設された、冷暖風の流路を形成した長尺状の複数の金属製の大引2と、前記大引2の上面に前記大引2に対して直交する方向にかつ平行に列設された、部屋を構成する床材6の下面に当接し前記床材6を支持する、冷暖風の流路を形成した長尺状の複数の金属製の根太3と、前記大引2の下面に上面が接するように配設され、部屋に設置した空調機からの冷暖風を前記大引2に送給するための流路を形成するチャンバー4と、を備え、前記チャンバー4と前記大引2が接触する範囲に冷暖風が流動する第一貫通孔11をそれぞれ設け、前記大引2と前記根太3が交差しかつ接触する範囲に冷暖風が流動する第二貫通孔12をそれぞれ設け、前記根太3の側面に冷暖風を床下空間25に噴出可能な噴出孔10を所定の間隔を設けて複数並列させ、前記床材6の前記部屋の周縁部周辺に前記床材6の下方から上方へ冷暖風が貫流可能な貫流口9を複数設け、隣り合う前記大引2間の上下方向の冷暖風の流動を遮断するように平板状の板状パネル8(8a又は8b)を前記大引2の下面と略同じ高さで敷設させて、前記床材6と前記板状パネル8(8a又は8b)間に冷暖風の流路を形成している。
【0024】
床ふく射対流式冷暖房システム1は、図1図10に示すように、床スラブ20上に垂設された支持体7、前記支持体7に支持された大引2、前記大引2の上に前記大引2の長手方向とは直交する方向に載置され固定された根太3、前記根太3の上面16に接して固定され支持された床材6、前記床材6が構成部材となる部屋100内に設置された空調機50、前記空調機50からの冷暖風を前記大引2に流入させる流路を形成するチャンバー4(4a又は4b)、所定の間隔をあけて列設する前記大引2間の上下方向の冷暖風の流動を遮断するように敷設された平板状の板状パネル8(8a又は8b)を備える。
【0025】
前記床材6は、図1に示すように、体育館などの部屋100の全域に亘り設置される床材6であり、水平蓄熱板としての機能を有する。冷やされた床材6又は暖められた床材6からの熱放射(ふく射)によって冷房効果又は暖房効果を得ることができる。また、前記床材6には、前記部屋100内に設置された空調機50からの冷暖風を、図4又は図5に示すように方向30で床下に流動させる流入口13を設け、図1又は図7に示すように前記床材6の部屋100の周縁部周辺に前記床材6の下方から上方へ冷暖風が貫流可能な貫流口9を複数設けている。
【0026】
次に、前記支持体7は、図1図2又は図10に示すように、床スラブ20上に垂設され、大引2を下方から支持するものであり、一本の大引2ごとに前記大引2が屈折しないように所定の間隔を空けて複数垂設している。前記支持体7は例えば螺子により高さ調整を可能にしており、前記大引2や前記床材6の水平状態を実現させることができる。
【0027】
次に、前記大引2は、図2又は図11に示すように、金属製であり、平行に列設された、下面に開口部を有し該開口部を底塞ぎ板17で覆って冷暖風の流路を形成した断面形状が略四角形状の、部屋100内の一方向の長さと略同じ長さにした長尺状であり、所定の間隔を空けて複数列設させている。下面に開口部を有する形態としては、例えばハット形状やミゾ形鋼状の形状などがある。前記大引2の下面は開口部となっているので、チャンバー4と接触しない範囲は開口部を塞ぐ底塞ぎ板17を取付けて、チャンバー4から流入する冷暖風の流路を形成している。前記チャンバー4には前記大引2と接触する位置に冷暖風を流動させる第一貫通孔11を設けている。前記大引2の下面は前記チャンバー4又は前記底塞ぎ板17で全面覆われている。
【0028】
前記大引2の材質を鋼材などの金属にすることによって、前記流路を流動する冷気又は暖気が直接に大引2に接したときに前記冷気又は暖気の温度が大引2に熱伝達(対流)され蓄熱され、床材6を熱放射(ふく射)で冷やしたり暖めることができる。
【0029】
次に、前記根太3は、図1図2又は図12に示すように、前記大引2の上面に前記大引2に対して直交する方向にかつ平行に複数列設され、部屋100を構成する床材6の下面に当接し前記床材6を支持する、下面に開口部を有し該開口部を底塞ぎ板15で覆って冷暖風の流路を形成した断面形状が略四角形状の長尺状で金属製である。下面に開口部を有する形態としては、例えばハット形状やミゾ形鋼状の形状などがある。平行に列設する間隔は、例えば体育館でスポーツ運動をしても床材6が長期間に亘る使用に耐えられるように所定の間隔とする。前記底塞ぎ板15に前記大引2との冷暖風が流動可能な孔として第二貫通孔12が設けられている。
【0030】
また、図12に示すように、前記大引2の上壁に、前記根太3と交差し接触する位置に冷暖風が流動する第二貫通孔12を設け、前記根太3の側面に冷暖風を床下空間25に噴出可能な噴出孔10を所定の間隔を設けて複数設けている。前記根太3の下面は前記大引2又は前記底塞ぎ板15で全面覆われている。
【0031】
前記根太3は金属製であり、前記根太3内の流路を流動する冷気又は暖気が直接に根太3に接することによって前記冷気又は暖気の温度が根太3に熱伝達(対流)されて蓄熱されて床材6を熱放射(ふく射)で冷やしたり暖め、かつ前記根太3の上面16と接触する床材6に熱伝導で冷やしたり暖める。
【0032】
次に、前記チャンバー4について説明する。前記チャンバー4は、図2図3図15又は図16に示すように、前記大引2の下方に配設され、前記部屋100内に設置された空調機50からの冷暖風を床材6の流入口13から方向30で流入させ、前記大引2に送給するための流路を形成する断面形状が四角形状の形態をしている。前記チャンバー4は断熱材料から造られ、一方端は開口しており前記空調機50から床材6に設けた流入口13を通して冷暖風風が流動可能に接続され、他端は冷暖風が漏洩しないように流路を閉鎖している。
【0033】
そして、前記チャンバー4には、図17(a)に示すように、大引2内への流動経路となる、前記大引2の短手方向の幅と略同じ幅を有する第一貫通孔11が設けられたチャンバー4a、又は、図17(b)に示すように、床材6と板状パネル8とにより形成された貫流流路への流動経路となる、前記部屋100の幅と略同じ幅を有する大開口部40が設けられたチャンバー4bがある。
【0034】
次に、前記板状パネル8について説明する。前記板状パネル8は、所定の間隔をあけて配設された前記大引2間における上下方向の冷暖風の流動を遮断するように、前記大引2の下面と略同じ高さで前記大引2間に敷設させた平板状のパネルである。また、前記板状パネル8の材質は冷暖風を上下方向で二分するものであればいずれでもよく、好ましくは断熱効果を有する材質から造られるのがよい。そして、床スラブ20と床材6との間で形成される前記床下空間25の一部に該当する、前記床材6と前記板状パネル8間の空間を冷暖風の貫流流路として形成している。
【0035】
前記板状パネル8を、列設された前記大引2間に前記大引2の下面と略同じ高さで敷設したので、前記根太3から噴出された冷暖風は、前記根太3が床材6と接触している箇所は根太3の下方と板状パネル8との上下方向の間が連通しているので、すべての冷暖風は床材6の下方で全域に亘って流動可能である。
【0036】
図13図16に示すように、前記全域流動可能の流路となる空間は、空間の一般的な高さが床材6と床スラブ20間の間隔に該当する高さHを有する大きな空間であるのに対して、本発明の空間は、床材6と板状パネル8間の間隔に該当する高さhである。前記高さhは、建物の用途や大きさによって種々異なるが、前記高さHの約1/2~1/10のうちのいずれかに相当する。例えば高さhと高さHに比較して、1/4、1/5、1/6とする。
【0037】
本発明の前記貫流流路を、図15に示すように、従来の床材6と床スラブ20間の間隔に該当する高さHを有する大きな空間の貫流流路から、図16に示すように、前記高さHの約1/2~1/10に相当する、床材6と板状パネル8間の間隔の高さhの狭い貫流流路にすることによって、根太3の噴出孔10から噴出される冷暖風の流出量が同じ場合、大きな貫流流路のときより狭い貫流流路の方が貫流流路内の空気の温度をあまり変化させないようにすることができ、すなわち従来より空調機50で設定した温度との差を小さくすることができる。
【0038】
これにより、狭い貫流流路内の温度を従来よりも空調機50で設定した温度との差を小さくできることにより、第一に、根太3の噴出孔10から噴出した冷暖風の温度を従来よりも空調機50で設定した温度に近づけた温度で時間的に長く保持でき、蓄熱された根太3及び大引2の温度を従来よりも空調機50で設定した温度に近づけた温度で時間的に長く保持でき、還流口9から貫流する冷暖風の温度を従来よりも空調機50で設定した温度に近づけた温度で貫流させることができる。
【0039】
これによって、還流させた冷暖風の温度を空調機50で設定した温度に近づけた温度にすることができるので、部屋100内の空気の温度への悪影響を抑制できることも含めて、床材6から部屋100内にいる使用者60及び部屋100の空気への熱放射(ふく射)をより一層効果的に高めることができる。
【0040】
また、前記板状パネル8には、図4又は図6(a)に示すように、長手方向の長さが前記大引2の全長と略同じ長さL1の形態Aと、図5又は図6(b)に示すように、長手方向の長さが前記大引2の全長から前記チャンバー4の幅の長さ分(長さL3)短くした長さL2の形態Bがある。
【0041】
次に、前記板状パネル8と前記チャンバー4との組み合わせについて説明する。例えば、図4又は図16に示すように、前記板状パネル8aと前記チャンバー4aの組み合わせA、又は、例えば、図5又は図16に示すように、前記板状パネル8bと前記チャンバー4bの組み合わせBがある。
【0042】
前記組み合わせAの場合は、所定の間隔をあけて列設する前記大引2間の上下方向の冷暖風の流動を遮断するように平板状の板状パネル8aを前記大引2の下面と略同じ高さで敷設させて、前記床材6と前記板状パネル8a間に冷暖風の流路を形成した場合であり、図16に示すように、前記高さHの約1/2~1/10に相当する、床材6と板状パネル8a間の高さhの狭い貫流流路を形成している。
【0043】
組み合わせAの場合は、図4に示すように、方向30で流入口13から流入した冷暖風は、図8及び図16に示すように、大引2の端部の個所に大引2及びチャンバー4aのそれぞれに設けた第一貫通孔11から大引2の流動路に流入する。そして、根太3の噴出孔10から噴出した冷暖風は床材6と板状パネル8aとの狭い間隔の貫流流路を流動して貫流口9を通過して部屋100に貫流される。
【0044】
また、前記組み合わせBの場合は、図4及び図5に示すように、前記チャンバー4aの上壁及び長さL1の前記板状パネル8aのそれぞれの、平面視で前記チャンバー4aと前記板状パネル8aとが重なり合う範囲(長さL3)に、冷暖風を流動可能な大開口部40をそれぞれ形成し、チャンバー4bと長さL2の板状パネル8bとの組み合わせにしている。そして、前記大開口部40が平面視で前記チャンバー4と前記板状パネル8とが重なり合う全範囲となる、チャンバー4bと板状パネル8bとの組み合わせもある。前記大開口部40の大きさは、前記チャンバー4と前記板状パネル8とが重なり合う範囲内で、部屋100の大きさや使用形態等から適する大きさ、例えば全範囲の約80%の大きさに可変可能である。
【0045】
組み合わせBの場合は、図5に示すように、方向30で流入口13から流入した冷暖風は、図5図8又は図16に示すように、チャンバー4bには前記部屋100の幅と略同じ幅を有する大開口部40が設けられ、前記部屋100の幅と略同じ長さを有する該大開口部40から前記部屋100の略全幅に亘って冷暖風が上方向である方向35に流動し、前記大引2の流路内に流入すると同時に、前記床材6と板状パネル8b間の間隔の高さhの狭い貫流流路に一気にかつ継続的に大量に流入する。
【0046】
よって、組み合わせBの場合は、狭い貫流流路内の温度を組み合せAの場合よりさらに空調機50で設定した温度と冷暖風の温度との差を小さくできる。これにより、狭い貫流流路内の温度を従来よりも一段とさらに空調機50で設定した温度との差を小さくできることにより、第一に、根太3の噴出孔10から噴出した冷暖風の温度を従来よりも一段とさらに空調機50で設定した温度に近づけた温度で時間的に長く保持でき、蓄熱された根太3及び大引2の温度を従来よりも一段とさらに空調機50で設定した温度に近づけた温度で時間的に長く保持でき、還流口9から貫流する冷暖風の温度を従来よりも一段とさらに空調機50で設定した温度に近づけた温度で貫流させることができる。
【0047】
これによって、還流させた冷暖風の温度を空調機50で設定した温度にさらに一段と近づけることができるので、還流させた冷暖風は一般的に部屋100内の空気の温度を空調機50で設定した温度から遠ざけるという悪影響をさらに強力に抑制できることも含めて、床材6から部屋100内にいる使用者60及び部屋100内の空気への熱放射(ふく射)をさらにより一層効果的に高めることができる。
【0048】
次に、前記貫流口9は、図1に示すように、床材6の部屋の周縁部に該当する複数の個所に設けた、前記床材6の下方から上方へ冷暖風を貫流させる開口部である。
【0049】
また、前記床材6と前記板状パネル8間の冷暖風を、前記貫流口9を通して自然対流又は強制対流手段により部屋を冷暖房可能に構成している。前記強制対流手段として例えば送風機を設置するが、床下のメンテナンス性を考慮すると、好ましいのは自然対流である。
【0050】
よって、前記根太3の噴射孔10から噴射された冷暖風は、前記床材6の下面と前記板状パネル8に上下方向で挟まれた床下空間25の前記貫流流路を、前記貫流口9に向かって静圧の対流となって流れ、そのときに根太3及び大引2に熱伝達しながら流れる。
【0051】
次に、冷暖風の流れを説明する。図2図8図9又は図16に示すように、前記空調機50からの冷暖風は方向30で流れてきて流入口13を経由してチャンバー4a又は4bに流入し方向K1に流動する。
【0052】
そして、チャンバー4aで板状パネル8aの組み合わせAの場合は、第一貫通孔11を経由して前記大引2に冷暖風が流入する。そして、前記大引2の流路内では方向K2に冷暖風が流れる。そして、前記大引2から前記根太3には、第二貫通孔12を経由して冷暖風が前記根太3の流路に流入し方向K3に流れる。そして、前記根太3の両側壁に配置した噴出孔10から冷暖風が床材6の下面近くの床下空間25に方向K4a又は方向K4bに噴出される。そして、前記床材6と板状パネル8b間の高さhの狭い貫流流路に噴出された冷暖風は前記床材6に熱伝達(対流)した後に、前記床材6の前記部屋100の周縁部周辺に複数設けた貫流口9を経由して、前記床材6の下方から上方へ冷暖風が部屋100内に貫流される。
【0053】
前記根太3の噴出孔10からの冷暖風を、前記床材6と板状パネル8b間の高さhの狭い貫流流路に噴出することにより、前記貫流流路の冷暖風の温度は従来よりも空調機50で設定した温度との差を小さくすることができるので、前記床材6に対する冷暖風からの熱伝達(対流)が高まり、前記床材6に対する前記根太3からの熱伝導が高まる等の前記床材6への伝熱効果が高まる。また、部屋100に貫流された冷暖風によって部屋100内の空気の温度を空調機50の設定した温度から遠ざけるという悪影響を抑制できる。これにより、従来よりも効果的に部屋100を冷暖房できるという有利な効果を奏する。
【0054】
また、チャンバー4bと板状パネル8bの組み合わせBの場合は、大開口部40を経由して前記大引2に冷暖風が流入し、前記大引2の流路内では方向K2に冷暖風が流れると同時に、前記チャンバー4b内を流動してきた冷暖風は前記床材6と板状パネル8b間の高さhの狭い貫流流路に一気にかつ継続的に大量に流入し、貫流流路を大引2、根太3及び床材6に熱伝達(対流)しながら流動し前記貫流口9から部屋100内に貫流される。
【0055】
前記根太3の噴出孔10からの冷暖風を、前記床材6と板状パネル8b間の高さhの狭い貫流流路に噴出することに加えて、前記狭い貫流流路に大開口部40を経由してチャンバー4bから直接的に冷暖風を大量に流入させるので、前記貫流流路の冷暖風の温度を従来よりもさらに一段と空調機50で設定した温度との差を小さくすることができる。これにより、前記床材6に対する冷暖風からの熱伝達(対流)がさらに一段と高まり、前記床材6に対する前記根太3からの熱伝導がさらに一段と高まる等の前記床材6への伝熱効果がさらに一段と高まる。また、部屋100に貫流された冷暖風によって部屋100内の空気の温度を空調機50の設定した温度から遠ざけるという悪影響をさらに一段と抑制できる。これにより、従来よりもさらに一段と効果的に部屋100を冷暖房できるという顕著で有利な効果を奏する。
【符号の説明】
【0056】
1 床ふく射対流式冷暖房システム
2 大引
3 根太
4 チャンバー
6 床材
7 支持体
8 板状パネル
9 貫流口
10 噴出孔
11 第一貫通孔
12 第二貫通孔
13 流入口
15 底塞ぎ板
16 上面
17 底塞ぎ板
20 床スラブ
25 床下空間
30 方向
35 方向
40 大開口部
50 空調機
60 使用者
100 部屋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10
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