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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】ノズル装置及び流体散布装置
(51)【国際特許分類】
   A01M 7/00 20060101AFI20240723BHJP
   B05B 17/00 20060101ALI20240723BHJP
   B05B 1/02 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
A01M7/00 J
B05B17/00 101
B05B1/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022170465
(22)【出願日】2022-10-25
(65)【公開番号】P2024062560
(43)【公開日】2024-05-10
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】392003155
【氏名又は名称】二木 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】二木 哲郎
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】実公昭41-015106(JP,Y1)
【文献】特開昭52-148815(JP,A)
【文献】特開2002-018334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 7/00
B05B 17/00 ー 17/08
B05B 1/00 - 3/08
7/00 - 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を噴射するノズル本体と、
前記ノズル本体の噴出口に当接又は所定の間隔で離隔して対向して配置され、噴射される流体を受けて噴出口の噴射方向に交差する方向に面状拡散する均等拡散面を有する拡散手段と、を備え
前記拡散手段は、前記均等拡散面を形成する弾性板と、
前記弾性板を着脱可能に支持する固定板と、を有することを特徴とするノズル装置。
【請求項2】
前記ノズル本体の噴出口の周縁の一部に切り欠きが設けられるとともに、前記均等拡散面が前記ノズル本体の噴出口先端に当接されたことを特徴とする請求項1記載のノズル装置。
【請求項3】
前記均等拡散面は、前記ノズル本体の軸方向に対して略垂直に設定されたことを特徴とする請求項1記載のノズル装置。
【請求項4】
請求項1ないしのいずれかに記載のノズル装置と、
前記ノズル装置を支持するとともに、人が乗用できる乗用スペースを有する機体と、
前記機体を走行可能とする走行手段と、
流体を貯留するタンクと、
前記ノズル装置に前記タンク内の流体を圧送する圧送手段と、を備えたことを特徴とする流体散布装置。
【請求項5】
前記タンク内の流体を撹拌する撹拌手段を備えたことを特徴とする請求項記載の流体散布装置。
【請求項6】
前記撹拌手段は、前記圧送手段を介して前記タンク内の流体を循環させて前記タンク内の流体を撹拌する流体循環機構を含むことを特徴とする請求項記載の流体散布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率良く液体等を散布するノズル装置及び流体散布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鶏や牛、豚等の家畜の肥育場所や、野菜・果物等の農産物或いは田畑等を衛生的に保持するために、定期的又は不定期に消毒が行われている。従来、様々な場所を消毒する際には、背負式噴霧機などが利用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば、特許文献1記載の背負式噴霧器は、薬液タンクと、薬液ポンプと、エンジンと、散布ノズルとを有し、エンジンの駆動によって薬液タンクから消毒液をポンプで加圧してノズルに送り、消毒液をノズルから噴霧するものであった。
【0004】
作業者は消毒作業の際には、背負式噴霧器等を背負って、ノズルを手に持ち、歩行しながら手でノズルを操って対象物を消毒していく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-73096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、畜産業や農業では、鶏舎や牛舎、田畑等は広大な面積であることから、従来の背負式噴霧器での人力での消毒作業は、多大な労力、時間がかかる問題があった。
【0007】
さらに、消毒液を噴霧するノズルを手で持つことから、消毒液が手やその他人体の部位にかかるおそれがあり、安全性に乏しい問題があった。
【0008】
また、従来の背負式噴霧器のノズルでは、噴霧範囲が比較的狭く効率が悪いとともに、噴霧される消毒液もムラが生じやすい構造であった。
【0009】
さらに、人の手で噴霧ノズルを操作することもあいまって、消毒液の散布ムラが生じやすく、効率的な消毒液の散布技術が望まれている。
【0010】
一方、広い範囲に消毒液を散布できるように、所定間隔で複数の噴霧ノズルを並設させる構成も考えられるが、作業時間が長くなるとともに作業者への負担が大きく、散布ムラ等も発生するおそれがあった。
【0011】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、広範囲に効率的に液体等の流体を均等に散布することができるノズル装置及び流体散布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本発明に係るノズル装置は、流体を噴射するノズル本体と、前記ノズル本体の噴出口に当接又は所定の間隔で離隔して対向して配置され、噴射される流体を受けて噴出口の噴射方向に交差する方向に面状拡散する均等拡散面を有する拡散手段と、を備え、前記拡散手段は、前記均等拡散面を形成する弾性板と、前記弾性板を着脱可能に支持する固定板と、を有する
【0013】
また、前記ノズル本体21の噴出口の周縁の一部に切り欠き23が設けられるとともに、前記均等拡散面25が前記ノズル本体21の噴出口先端に当接されたこととしてもよい。
【0016】
また、前記均等拡散面25は、前記ノズル本体21の軸方向Zに対して略垂直に設定されたこととしてもよい。
【0017】
また、本発明の流体散布装置1は、請求項1ないし5のいずれかに記載のノズル装置2と、前記ノズル装置2を支持するとともに、人が乗用できる乗用スペース(31)を有する機体3と、前記機体3を走行可能とする走行手段4と、流体を貯留するタンク5と、前記ノズル装置に前記タンク5内の流体を圧送する圧送手段6と、を備える。
【0018】
また、前記タンク5内の流体を撹拌する撹拌手段7を備えたこととしてもよい。
【0019】
また、前記撹拌手段7は、前記圧送手段6を介して前記タンク5内の流体を循環させて前記タンク5内の流体を撹拌する流体循環機構72を含むこととしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のノズル装置によれば、流体を噴射するノズル本体と、前記ノズル本体の噴出口に当接又は所定の間隔で離隔して対向して配置され、噴射される流体を受けて噴出口の噴射方向に交差する方向に面状拡散する均等拡散面を有する拡散手段と、を備えたことから、広範囲にムラなく効率良く液体を散布することができる。さらに、構造が簡単で、低コストで製造することができる。さらに、装置の故障率も少なくて済み、使い勝手がよく実用性が高い。
【0021】
また、本発明の流体散布装置は、請求項1ないし5のいずれかに記載のノズル装置と、前記ノズル装置を支持するとともに、人が乗用できる乗用スペースを有する機体と、前記機体を走行可能とする走行手段と、流体を貯留するタンクと、前記ノズル装置に前記タンク内の流体を圧送する圧送手段と、を備えたことから、極めて省力で効率よく流体を広範囲に均一的に散布することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態における流体散布装置の概要を示す正面図である。
図2図1の流体散布装置の平面図である。
図3図1の流体散布装置のノズル装置部分の拡大説明図である。
図4図3のノズル装置の平面図である。
図5図1の流体散布装置のタンク周辺の構造の概略説明図である。
図6図1の流体散布装置のノズル支持部の周辺の構造の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、好適な実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施の形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
本発明のノズル装置及び流体散布装置は、例えば、水、消毒液、農薬、液体肥料等の液体、又は霧状、ガス状の流体を散布するのに適用できるものである。
【0025】
図1ないし図5は、本発明の流体散布装置の一実施形態を示している。本実施形態に係る流体散布装置1は、図1図2に示すように、ノズル装置2と、機体3と、走行手段4と、タンク5と、圧送手段6と、を備えている。
【0026】
機体3は、ノズル装置2、走行手段4、タンク5、圧送手段6等の流体散布装置1の構成要素が組付けられた流体散布装置の胴体部である。
【0027】
図1図2に示すように、本実施形態では、機体3は、人が乗用できる乗用スペースを形成した乗用部31と、乗用部31の後方に併設された荷台部32と、荷台部32に設けられたノズル支持部33と、を有している。なお、本実施形態では、乗用部31側が前方F、荷台部32側を後方Bとする。
【0028】
機体3の乗用部31は、例えば、作業者が乗って座れる座席、後述の走行手段や、圧送手段等を操作する操作部34が設けられている。
【0029】
また、機体3の前方側で乗用部31の側方には、エンジン等の走行手段4の駆動部42を支持するエンジン支持部35が設けられている。
【0030】
機体3の荷台部32は、タンク5を静置する底板と、後方を除く三方の周囲を囲むように該底壁から上方に立設された側板と、が設けられている。荷台部32には、圧送手段6のポンプ等も設置されている。
【0031】
機体3のノズル支持部33は、荷台部32の後端部に設けられている。本実施形態では、ノズル支持部33は、上下位置を調整できる上下調整機構36から構成されている。
【0032】
図6に示すように、上下調整機構36は、例えば、荷台部32の左右の側板の上端に枢軸361を介して枢支された左右一対の回動アーム362と、該回動アーム362の回転先端部間に架設された支持杆363と、を有している。支持杆363の左右中間位置にノズル装置2が支持されている。
【0033】
なお、本実施形態では、上下調整機構36が回動操作によってノズル装置2の上下位置を変更させる構成であるので、ノズル装置の噴射角度も変更できる噴射角度変更機構を兼ねているといえる。また、この上下調整(角度調整)により、流体の噴霧幅が変更されることとなり、噴霧幅調整機構を構成しているともいえる。
【0034】
走行手段4は、地面や床面等を走行移動可能とする走行手段である。図1に示すように、走行手段4は、走行部41と、走行部41を駆動させる駆動部42と、を含む
【0035】
走行部41は、例えば、周知のクローラからなり、機体3を走行可能に支持している。なお、走行部41は、クローラに限らず車輪、レール等のその他の構造でもよい。駆動部42は、例えば、エンジン等からなり、クローラからなる走行部41を前進又は後進駆動させる。走行手段4の走行部41と駆動部42は、機体3の乗用部31の操作部34により操作可能となっている。
【0036】
タンク5は、散布する流体を貯留する貯留空間を形成している。図1図2に示すように、タンク5は、例えば、数百リットルの液体を貯留できる容量で比較的大きなサイズの合成樹脂等で形成されている。
【0037】
なお、本実施形態では、散布する流体は、石灰と水を混合して形成した石灰水からなる消毒液としている。タンク5の上面側には、石灰や水等の消毒液の原料を投入できる開口が形成されている。タンク5の後部側の下端には、通水口51が設けられている。該通水口51には後述の吸水ホース又は循環ホースが接続されている。
【0038】
ノズル装置2は、消毒液(流体)を所定の圧力で所定の範囲に噴射する手段である。図3図4に示すように、ノズル装置2は、ノズル本体21と、拡散手段22と、を備えている。
【0039】
ノズル本体21は、中空の円筒部と、該円筒部の先端に一体的に設けられた中空円錐台状のテーパ部と、を有している。ノズル本体21の先端のテーパ部の先端が消毒液を噴射する噴出口となっている。
【0040】
ノズル本体21のテーパ部の噴出口の周縁部は、後方側の半周部分が切り欠き23されている。よって、ノズル本体21のテーパ部の噴出口は、前半側の半周部分に半円弧状の周縁部24が形成されている。なお、ノズル本体21の切り欠き23又は周縁部24の円弧の長さ(円周角)は任意でもよく、流体の散布角度に応じて設定するとよい。
【0041】
拡散手段22は、ノズル本体21の噴出口近傍に設置され、該噴出口から噴射される流体の噴射方向及び噴射範囲を変換して横広がりの広範囲に拡散散布するものである。
【0042】
ノズル本体21の噴出口の周縁部24の先端に当接対向して配置される均等拡散面25を有している。拡散手段22は、ノズル本体21の噴出口から所定の圧力で噴射される消毒液(流体)を該均等拡散面25で受けて、噴出口の噴射方向に交差する方向に面状に拡散して、消毒液を均等に拡散する。
【0043】
このように、ノズル本体21の噴射口の先端に均等拡散面25を有する拡散手段22を設置したことにより、簡単な構造で、均等に効率よく流体を散布することができる。なお、拡散手段22は、均等拡散面25がノズル本体21の噴出口の先端から所定の間隔で離隔して配置するように構成してもよい。
【0044】
拡散手段22の均等拡散面25は、平面状に形成されているとともに、ノズル本体の軸方向Zに対して略垂直に設定されている。
【0045】
本実施形態では、拡散手段22は、均等拡散面25を形成している弾性板26と、弾性板26の下面側に配置されてゴム板を着脱可能に固定支持する金属製の固定板27と、を備えている。
【0046】
弾性板26は、例えば、ゴム板からなり、平面視で略半円形状に形成されている。
【0047】
固定板27は、例えば、鉄等の硬質素材からなり弾性板26と略同じ外形輪郭で略半円形状に形成されている。固定板27の弦部分となる直線状の縁部が、接続板28を介して機体3のノズル支持部33の支持杆363に固定されている。接続板28は、例えば、金属等からなり、溶接により固定板27及び支持杆363と固定されている。
【0048】
固定板27と弾性板26とは、面状に重ね合わせた状態でネジ等の締結部材29を介して着脱可能に固定されている。所定の圧力で噴射される流体が直接当たるゴム素材等からなる弾性板を交換可能としている。
【0049】
なお、拡散手段22は、固定板の上に層状に弾性板をコーティングした構成としてもよい。また、拡散手段22は、金属板等任意の素材で構成してもよい。しかしながら、本出願人の実験により、ノズル本体21からの流体を受ける均等拡散面25が弾性素材で形成した方が、流体の拡散がムラが少なく均等に拡散できることがわかっている。
【0050】
圧送手段6は、ノズル装置2にタンク5内の消毒液(流体)を圧送し、該ノズル装置2から所定の圧力で消毒液を噴射させる手段である。
【0051】
図1図2に示すように、圧送手段6は、ポンプ61と、タンク5内の消毒液をポンプに吸引する吸引ホース62と、ポンプ61からの消毒液をノズルに圧送する圧送ホース63と、を含む。
【0052】
ポンプ61は、例えば、走行手段4の駆動部42であるエンジンにより駆動される。吸引ホース62は、タンク5の下端の通水口51に分岐管64を介して連通接続されている。よって、タンク5内の消毒液を残すことなくポンプ61に送って確実に散布することができる。圧送ホース63は、一端がポンプ61に切替管74を介して接続されるとともに、他端側がノズル本体21に接続されている。
【0053】
さらに、本実施形態では、散布する流体が石灰水であることから、石灰水の石灰の沈殿等による濃度ムラを防止するために均等に消毒液を撹拌する撹拌手段7を備える。
【0054】
図1に示すように、撹拌手段7は、タンク内に設置された撹拌羽根71を有する。撹拌羽根は、例えば、走行手段4の駆動部42を構成するエンジンで回転駆動される。
【0055】
さらに、撹拌手段7は、図2図5の矢印に示すように、前記圧送手段6のポンプ61を介して前記タンク5内の消毒液を圧送循環させて該タンク内5の貯留されている消毒液を撹拌する流体循環機構72を含む。
【0056】
流体循環機構72は、ポンプ61とタンク5の下端の通水口51に接続された循環ホース73を有している。
【0057】
循環ホース73の一端は、吸引ホース62が接続されている分岐管64を介して接続されている。分岐管64は、切替弁を切り替えることにより、タンク5と吸引ホース62の連通状態と、タンク5と循環ホース73の連通状態と、を切り替える。
【0058】
さらに循環ホース73の他端は、ポンプ61側に切替管74を介して接続されている。ポンプ側の切替管は、ポンプ61と圧送ホース63との連通状態と、ポンプ61と循環ホース73との連通状態と、を切り替える。
【0059】
流体循環機構72は、ポンプ61と循環ホース73とタンク5とを連通状態として、ポンプ61から消毒液を循環ホース73を介してタンク5の下部から圧送状に戻し入れることにより、図5に示すようにタンク内で消毒液を底部側から撹拌するような水流を発生させ、石灰の沈殿による消毒液の濃度ムラを解消することができる。同時に、流体循環機構72は、図2の二点鎖線矢線に示すように、タンク5内で消毒液を後方から前方への水流を発生させ、同タンク5内の前方の壁にぶつかって後方に戻る対流を生じさせて、消毒液を撹拌して濃度ムラを良好に解消することができる。
【0060】
本実施形態の流体散布装置1を使用する際には、作業者が機体3の乗用部31に乗った状態で走行手段4により走行移動しながら、ノズル装置2から消毒液を散布する。
【0061】
ノズル装置2は、前述のようにノズル本体21と拡散手段22で構成されているので、ノズル本体21から噴射される消毒液は均等拡散面25にあたり該均等拡散面25に沿って進みつつ、横に広がった範囲で拡散される結果、所定の横幅範囲を同時にかつ均一的に効率良く消毒液を散布することができる。
【0062】
作業者は、機体3に乗って走行するだけで均一的に消毒液を散布できるので、極めて省力で効率良く消毒液を散布することができる。
【0063】
したがって、例えば広い空間に流体を散布する際には、従来は、複数人数で長時間かかっていた作業を、本実施形態の流体散布装置を利用すると、一人で大幅に省力化してかつ短時間で行うことができる。さらに、むらなく効率よく均一的に流体を散布できる結果、従来と比較して同じ空間で使用する流体の総量も少なくて済み、低コスト消毒等の流体散布作業を行える。
【0064】
例えば、本出願人の実験では、約2万羽の鶏を収容しうる13.5m×100m程度の平面大きさの鶏舎内を消毒する作業で比較すると、従来の人力で消毒作業を行う場合には、3~4人の作業員で2時間程度かかっていた。一方、本実施形態の流体散布装置では、一人の作業者が該装置に乗って操作するだけで、約30分程度で作業を終了することができた。また、従来の人力での消毒作業では、消毒液に必要な石灰の量も5~6俵の量を使用していたのに対し、本実施形態の流体散布装置では、2~3俵程度の量で消毒を行えた。このように従来と比較して広大な鶏舎内の消毒作業を、少人数(一人)で低労力で短時間で行うことができるとともに、かつ消毒液の使用量を抑えて、経済的に行うことができ、実用性が高い流体散布装置を実現できることが確認できた。
【0065】
本発明のノズル装置及び流体散布装置は、例えば、水、消毒液、液体肥料、農薬等を広範囲に散布するのに良好に適用できる。
【符号の説明】
【0066】
1 流体散布装置
2 ノズル装置
21 ノズル本体
22 拡散手段
23 切り欠き
25 均等拡散面
26 弾性板
27 固定板
3 機体
4 走行手段
5 タンク
6 圧送手段
7 撹拌手段
72 流体循環機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6