(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】ポンプ装置及び管理サーバ
(51)【国際特許分類】
F04B 49/10 20060101AFI20240723BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
F04B49/10 311
G05B23/02 301Z
(21)【出願番号】P 2020098757
(22)【出願日】2020-06-05
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雅之
(72)【発明者】
【氏名】玉川 充
(72)【発明者】
【氏名】志水 章記
(72)【発明者】
【氏名】豊田 耕司
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-270451(JP,A)
【文献】特開2008-019763(JP,A)
【文献】特開2008-009486(JP,A)
【文献】特開2001-355577(JP,A)
【文献】特開2002-312602(JP,A)
【文献】特開2017-167708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 49/10
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバに通信可能なポンプ装置であって、
前記ポンプ装置の運転状態を示す運転データを取得する取得部と、
前記ポンプ装置の識別データ及び前記運転データを前記管理サーバに周期的に送信する送信部と、を備え、
前記運転データは、前記取得された運転データのうちの最新のデータと、推奨する機種のポンプ装置を選定するための、過去の所定期間内に取得された運転データの最大値のデータとを含んで
おり、
前記管理サーバは、
ポンプ装置の機種及び運転データの定格を関連付けて記憶する第1記憶部と、
設置済みのポンプ装置から前記周期的に受信していた運転データに含まれる前記最大値のデータに基づいて、前記第1記憶部内の機種のうち、前記最大値のデータを上回る定格のうちの最小の定格に関連付けられた機種を、推奨する機種として選定する選定部と、
を備える、ポンプ装置。
【請求項2】
管理サーバに通信可能なポンプ装置であって、
前記ポンプ装置の運転状態を示す運転データを取得する取得部と、
前記ポンプ装置の識別データ及び前記運転データを前記管理サーバに周期的に送信
し、前記ポンプ装置の識別データ及び異常コードを前記管理サーバに非定期に送信する送信部と、を備え、
前記運転データは、前記取得された運転データのうちの最新のデータと、推奨する機種のポンプ装置を選定するための、過去の所定期間内に取得された運転データの最大値のデータとを含んで
おり、
前記管理サーバは、
ポンプ装置の機種及び運転データの定格を関連付けて記憶する第1記憶部と、
設置済みのポンプ装置から異常コードを受信すると、前記設置済みのポンプ装置から前記周期的に受信していた運転データに基づいて、前記第1記憶部内の前記機種のうち、推奨する機種を選定する選定部と、
を備え、
前記選定部は、前記周期的に受信していた運転データに含まれる前記最大値のデータを上回る定格のうち、最小の定格に関連付けられた機種を前記推奨する機種として選定する、ポンプ装置。
【請求項3】
前記最大値のデータは、最大値の圧力データ又は最大値の電流データを含んでいる、請求項1
又は2記載のポンプ装置。
【請求項4】
ポンプ装置に通信可能な管理サーバであって、
ポンプ装置の機種及び運転データの定格を関連付けて記憶する第1記憶部と、
設置済みのポンプ装置から当該ポンプ装置の識別データ及び運転データを周期的に受信する第1受信部と、
前記設置済みのポンプ装置から当該ポンプ装置の識別データ及び異常コードを非定期に受信する第2受信部と、
前記異常コードを受信すると、前記運転データに基づいて、前記第1記憶部内の前記機種のうち、推奨する機種を選定する選定部と
を備え、
前記運転データは、前記設置済みのポンプ装置で取得された運転データのうちの最新のデータと、過去の所定期間内に取得された運転データのうちの最大値のデータとを含んでおり、
前記選定部は、前記最大値のデータを上回る定格のうち、最小の定格に関連付けられた機種を前記推奨する機種として選定する、管理サーバ。
【請求項5】
前記ポンプ装置の機種及び在庫データを関連付けて記憶する第2記憶部と、
前記推奨する機種に基づいて、前記第2記憶部内の在庫データを検索する検索部と、
前記検索された在庫データ及び前記推奨する機種を出力する出力部と
を更に備えた請求項
4記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記在庫データ及び前記推奨する機種の出力先から出荷指示を受けると、前記推奨する機種が示す交換用のユニット又は部品の保管先に対して出荷指示を出力する出荷指示部、を更に備えた請求項
5記載の管理サーバ。
【請求項7】
前記受信した前記識別データ及び前記異常コードの件数が閾値を超えたとき、前記異常コードの送信元のポンプ装置を設置した地域に関する気象情報を取得する取得部と、
前記取得した気象情報が洪水注意報又は洪水警報を示すとき、前記地域内のポンプ装置に要求を送信し、前記要求に対する応答の有無を確認する確認部と、
前記地域内のポンプ装置の位置を示す地図情報に対し、前記確認した結果を関連付けて記述する地図情報処理部と
を更に備えた請求項
4乃至
6のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ装置の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
水の供給量を制御可能であって、遠隔通信が可能なポンプ装置が知られている。この種のポンプ装置は、例えば、運転状況を示す運転データを管理サーバに送信可能となっている。管理サーバは、例えば、受信した運転データを保存して管理可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、推奨する機種のポンプ装置を選定するための通信を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係るポンプ装置は、管理サーバに通信可能である。前記ポンプ装置は、取得部と、送信部とを備えている。前記取得部は、前記ポンプ装置の運転状態を示す運転データを取得する。前記送信部は、前記ポンプ装置の識別データ及び前記運転データを前記管理サーバに周期的に送信する。前記運転データは、前記取得された運転データのうちの最新のデータと、推奨する機種のポンプ装置を選定するための、過去の所定期間内に取得された運転データのうちの最大値のデータとを含んでいる。前記管理サーバは、第1記憶部と、選定部とを備えている。前記第1記憶部は、ポンプ装置の機種及び運転データの定格を関連付けて記憶する。前記選定部は、前記設置済みのポンプ装置から前記周期的に受信していた運転データに基づいて、前記第1記憶部内の前記機種のうち、前記最大値のデータを上回る定格のうちの最小の定格に関連付けられた機種を、推奨する機種として選定する。
【0006】
本発明の別の態様に係る管理サーバは、ポンプ装置に通信可能である。前記管理サーバは、第1記憶部と、第1受信部と、第2受信部と、選定部とを備えている。前記第1記憶部は、ポンプ装置の機種及び運転データの定格を関連付けて記憶する。前記第1受信部は、設置済みのポンプ装置から当該ポンプ装置の識別データ及び運転データを周期的に受信する。前記第2受信部は、前記設置済みのポンプ装置から当該ポンプ装置の識別データ及び異常コードを非定期に受信する。前記選定部は、前記異常コードを受信すると、前記運転データに基づいて、前記第1記憶部内の前記機種のうち、推奨する機種を選定する。前記運転データは、前記取得された運転データのうちの最新のデータと、過去の所定期間内に取得された運転データのうちの最大値のデータとを含んでいる。前記選定部は、前記最大値のデータを上回る定格のうち、最小の定格に関連付けられた機種を前記推奨する機種として選定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、推奨する機種のポンプ装置を選定するための通信を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係るポンプ装置及び管理サーバを含むポンプ装置管理システムを例示するブロック図。
【
図3】
図1の管理サーバに用いられる出荷データテーブルを例示する模式図。
【
図4】
図1の管理サーバに用いられる管理データテーブルを例示する模式図。
【
図5】
図1の管理サーバに用いられるユーザ情報テーブルを例示する模式図。
【
図6】
図1の管理サーバに用いられるマッピング情報テーブルを例示するブロック図。
【
図7】
図1の管理サーバに管理されるマップ情報を例示するブロック図。
【
図9】第1の実施形態における動作を例示するシーケンス図。
【
図10】第2の実施形態に係るポンプ装置及び管理サーバを含むポンプ装置管理システムを例示するブロック図。
【
図12】
図10の管理サーバに用いられる在庫テーブルを例示する模式図。
【
図13】
図10の管理サーバに用いられる交換品テーブルを例示する模式図。
【
図14】
図10の管理サーバに用いられる作業管理テーブルを例示する模式図。
【
図17】第2の実施形態における動作を例示するシーケンス図。
【
図18】第2の実施形態における動作を例示するシーケンス図。
【
図19】第2の実施形態における動作を例示するシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施形態の説明を述べる。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号及び/又は英小文字を用いることもある。
【0010】
なお、以降の説明において便宜上、管理対象となる機器をポンプ装置とするが、ポンプ装置は建物に給水する給水装置の他、消火ポンプ、排水水中ポンプ、清水水中ポンプなど、制御盤を搭載するポンプ装置であれば,用途を限定しない。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るポンプ装置及び管理サーバを含むポンプ装置管理システムを例示するブロック図である。このポンプ装置管理システムは、社内サーバとしての管理サーバ1と、クラウドサーバとしての管理サーバ2と、管理されるポンプ装置5-1、5-2、5-3、5-4、・・・とを備えている。
【0012】
なお、
図1における各装置の数は例示に過ぎない。例えば、管理サーバ1は、複数台のサーバとして冗長化されてもよい。ポンプ装置5の台数は任意であるので、4台より多くても少なくてもよい。
【0013】
管理サーバ1は、例えばポンプ装置5を生産、販売および/または保守する業者によって運用されるオンプレミスサーバである。管理サーバ1は、管理サーバ2と連携して、運転データを集中管理および利活用し得る。管理サーバ1は、例えば、新たに製造されたポンプ装置5の製造番号の登録を管理サーバ2に要求してもよい。
【0014】
管理サーバ2は、例えばクラウドサーバであって、各ポンプ装置5から運転データを収集し、これらを集約して蓄積する。例えば、管理サーバ2は、ポンプ装置5の個体識別番号に相当する製造番号に紐付けて当該ポンプ装置5に関する運転データを蓄積してもよい。また、管理サーバ2は、蓄積した運転データの利活用を行ってもよい。なお、クラウドサーバおよびオンプレミスサーバを併用することはオプションであり、管理サーバ1及び管理サーバ2はそのどちらかに統合させることもできる。本明細書中では、理解を容易にする観点から、管理サーバ1を統合させた管理サーバ2により、ポンプ装置5を管理する場合を例に挙げて述べる。
【0015】
管理サーバ2は、ポンプ装置5を管理する情報処理装置であって、ポンプ装置5に通信可能となっている。管理サーバ2は、
図2に例示するように、近距離無線通信器21、遠距離無線通信器22、インタフェース23、メモリ25及びプロセッサ26を備えている。プロセッサ26は、後述するように、通信接続部261、通常運用部262等の機能を実現可能となっている。通常運用部262の機能は、日常監視部262a、マップ処理部262b、設定部262c、書込処理部262d及び通信監視部262e等の機能を含んでいる。但し、マップ処理部262b、設定部262c、書込処理部262d及び通信監視部262e等の機能は、適宜、省略してもよい。なお、プロセッサ26内の各部の機能分担は、便宜的なものであり、適宜、変更可能である。
【0016】
ここで、近距離無線通信器21は、プロセッサ26により制御され、例えば、近距離無線通信技術を用いて、通信端末(図示せず)やポンプ装置5などの外部装置と通信可能な任意の通信インタフェースである。具体的には、近距離無線通信器21は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの(近距離)無線通信技術を用いて、通信端末やポンプ装置5等の外部装置に接続可能となっている。近距離無線通信器21は、USB(Universal Serial Bus)などの有線通信技術を用いて、通信端末やポンプ装置5等の外部装置に接続しても良い。
【0017】
遠距離無線通信器22は、プロセッサ26により制御され、例えば、遠距離無線通信技術を用いて、通信端末やポンプ装置5などの外部装置と通信可能な任意の通信インタフェースである。具体的には、遠距離無線通信器22は、例えば、移動通信(3G、4G、5G)、Wimax、sigfox(登録商標)などの無線通信技術を用いて、ネットワーク経由で通信端末やポンプ装置5等の外部装置に接続可能となっている。
【0018】
インタフェース23は、ネットワーク、典型的にはインターネット経由で、図示しない他の装置(他の管理サーバ1、2等)と通信をする通信インタフェースである。
【0019】
メモリ25は、プロセッサ26が各処理を実現するために当該プロセッサ26によって実行されるプログラム、および当該プロセッサ26によって使用されるデータ、などを記憶する。プログラムとしては、例えば、ファームウェア、OS(Operating System)、ポンプ管理プログラムなどが適宜、記憶される。データとしては、例えば、コード、
図3乃至
図6に例示するテーブル、
図7に例示するマップ情報(地図情報)などが適宜、記憶される。メモリ25は、かかるプログラム/データが展開されるワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)を含み得る。メモリに記憶されるテーブルとしては、例えば
図3乃至
図6に例示するように、出荷データテーブルT1、管理データテーブルT2、ユーザ情報テーブルT3、マッピング情報テーブルT4などが適宜、使用可能となっている。なお、各テーブルの名称は、適宜、変更して構わない。また、各テーブルは、適宜、統合してもよい。あるいは、各テーブルは、ポンプ装置5の製造番号(識別データ)及び制御盤の製造番号(識別データ)に関連付けられていれば、適宜、分割してもよい。また、各テーブルは、ポンプ装置5の製造番号(識別データ)及び制御盤の製造番号(識別データ)に関連付けられていれば、適宜、他のデータを記録してもよい。この種の他のデータとしては、例えば、プログラムのバージョン情報を示す改訂番号などが適宜、使用可能となっている。
【0020】
ここで、出荷データテーブルT1は、ポンプ装置5の出荷検査の際に書き込まれ、
図3に例示するように、ポンプ装置5の製造番号と、その制御盤の製造番号と、パラメータと、出荷検査時の運転データと、機種データと、出荷検査の日時とが関連付けられて記録される。ポンプ装置5の製造番号は、ポンプ装置5を識別する識別データの一例である。制御盤の製造番号は、制御盤を識別する識別データの一例である。出荷データテーブルT1は、ポンプ装置の機種及び運転データの定格を関連付けて記憶する第1記憶部の一例である。
【0021】
識別データは、例えば、ポンプ装置5又は制御盤としての対象設備の製品名に相当する形式情報および/または当該形式情報をコード化した製品番号と、当該対象設備の個体識別番号に相当する製造番号とを含み得る。これらの情報により、対象設備がどの製品のどの個体であるのかを識別することが可能となる。なお、製品番号および製造番号は、必ずしも別の情報要素でなくてもよく、1つの番号から製品および個体の両方が識別可能であるように設計することも可能である。識別データは、例えば、対象設備の電装部内の不揮発性記憶媒体、例えばマイクロコントローラに内蔵されたROM(Read Only Memory)などに書き込まれ得る。また、ポンプ装置5の識別データは、典型的には例えばQRコード(登録商標)に代表される二次元コードとしても使用可能であり、当該二次元コードを提示する銘板がポンプ装置5における撮影可能な位置に取り付けられてもよい。なお、銘板には、二次元コードの他に、例えば、製品のシリーズ名(愛称)、形式・品番、吸込管・吐出し間の管径、モータの定格出力(kW)、製造時期、その他(ポンプの仕様:制動揚程、吸込揚程、停止流量、揚水量、全揚程など)等を表す文字情報が記載されていてもよい。また、二次元コードは、前述した識別データをコード化した情報に限らず、これらの文字情報をコード化した情報を含んでもよい。
【0022】
パラメータは、例えばポンプ装置5の設定圧力、などのポンプ装置5の制御に関する設定値を含み得る。また、パラメータは、例えばポンプ装置5の定格圧力、定格電流などのポンプ装置5の仕様に関する値を含み得る。ここで、出荷データテーブルT2内のパラメータは「出荷パラメータ」と呼んでもよく、当該パラメータの設定値は出荷値と呼んでもよい。
【0023】
運転データは、ある運転点での、周波数、電流、電圧、圧力、流量、振動値、モータの絶縁抵抗、及び受水槽の設定などといった、ポンプ装置5の運転状態を示すデータである。ここで、出荷データテーブルT2内の運転データは、出荷検査時の運転点でのポンプ装置5の運転状態を示すデータであり、出荷運転データの一例である。補足すると、ポンプ装置5の運転データは、例えば、ポンプ装置5の最新の1つまたはロギングされた複数の時点におけるステータスであり得る。具体的には、運転データは、例えばポンプ装置5のインバータから取得した各時点の電圧/電流値、圧力センサから取得した各時点のセンシング信号またはこれに基づき算出された圧力値、流量センサから取得した各時点のセンシング信号またはこれに基づき算出された流量値、モータの各時点の回転周波数値、各時点の積算運転データ(積算運転時間及び積算運転回数の少なくとも一方)、などを含み得る。
【0024】
機種データは、ポンプ装置5及びその部品の各々といった製品の種類を識別するデータであり、例えば、形式及び品番を含むデータである。ここで、形式は製品の固有名であり、品番はその製品の番号である。すなわち、機種データによれば、どの種類の製品かを識別することが可能となる。補足すると、機種データは、ポンプ装置5に関しては、同一種類のポンプ装置5の集合を識別可能なデータである。機種データは、ポンプ装置5の部品に関しては、同一種類のポンプ装置5の部品の集合を識別可能なデータである。これに対し、前述したポンプ装置5の識別データは、一台一台のポンプ装置5を個別に識別可能なデータである。
【0025】
日時は、出荷検査の日時を示すデータであり、出荷検査の日付を示すデータであればよい。補足すると、出荷検査の日時のうち、出荷検査の時刻については、出荷検査の開始時刻と出荷検査の終了時刻との間のいずれの時刻でもよく、例えば、出荷検査中のデータ書き込み時刻としてもよい。あるいは、出荷検査の日時のうち、出荷検査の時刻は省略してもよく、午前/午後のように、まとめてもよい。出荷データテーブルT2及びメモリ25は、ポンプ装置5の出荷運転データをポンプ装置5の識別データに関連付けて記憶する記憶部の一例である。
【0026】
管理データテーブルT2は、ポンプ装置5の設置時、点検時及び部品交換時などのメンテナンス時に書き込まれ、
図4に例示するように、ポンプ装置5の製造番号と、その制御盤の製造番号と、パラメータと、メンテナンス時の運転データと、機種データと、メンテナンス情報と、位置情報と、担当者ID(Identification Data)と、関連ドキュメントとが関連付けられて記録される。管理データテーブルT2は、ポンプ装置の機種及び運転データの定格を関連付けて記憶する第1記憶部の他の一例である。
【0027】
ここで、ポンプ装置5の製造番号及びその制御盤の製造番号は、出荷管理テーブルT1に関して述べた通りである。
【0028】
パラメータは、例えばポンプ装置5の設定圧力、などのポンプ装置5の制御に関する設定値を含み得る。また、パラメータは、例えばポンプ装置5の定格圧力、定格電流などのポンプ装置5の仕様に関する値を含み得る。ここで、管理データテーブルT3内のパラメータは「設置パラメータ」等と呼んでもよく、当該パラメータの設定値は設置値と呼んでもよい。
【0029】
運転データは、出荷データテーブルT1に関して述べた通りである。管理データテーブルT2内の運転データは、メンテナンス時の運転点での、ポンプ装置5の運転状態を示すデータである。なお、メンテナンス時の大半は、1日に1回以上ある周期的な点検時である。
【0030】
機種データは、出荷データテーブルT1に関して述べた通りである。
【0031】
メンテナンス情報は、ポンプ装置5又は制御盤としての対象設備の設置日、点検日及び部品交換日を含んでいる。詳しくは、メンテナンス情報は、対象設備のメンテナンス/故障に関する履歴、例えば対象設備がいつどのようなメンテナンスをされた/故障をしたか、どのくらいメンテナンスをされた/故障したか、などを表し得る。また、メンテナンス情報は、例えば、ポンプ装置5の次の推奨点検タイミング、部品/全体の次の推奨交換タイミング、などであり得る。ここで、これらのタイミングは、例えばポンプ装置5の制御盤によって算出され、メモリに書き込まれ得る。制御盤は、最新の点検タイミングおよび/または部品/全体の最新の交換タイミングに所定期間、例えば10年、を加算することで、次の推奨点検タイミングおよび/または部品/全体の次の推奨交換タイミングを算出してもよいし、或いはポンプ装置5の運転データおよび/または故障情報に基づいてこれらのタイミングを予測してもよい。また、メンテナンス情報は、部品/全体の交換実施タイミングなどのメンテナンス履歴情報を含み得る。
【0032】
位置情報は、ポンプ装置5又は制御盤としての対象設備の設置位置を表し得る。例えば、位置情報は、地番又は住居表示などを含む住所データであり得る。位置情報としては、例えば、マンション名、住所などが適宜、使用可能となっている。なお、位置情報としては、連絡先情報を含んでもよく、GPS(Global Positioning System)等で得られる緯度データ及び経度データを含んでもよい。連絡先情報は、例えば、ポンプ装置5の運転データまたはポンプ装置5に関わるその他のデータを閲覧するためのWebページの所在を表すURL(Uniform Resource Locator)、ポンプ装置5の修理、点検、交換などを作業員のための窓口の連絡先、例えばポンプ装置5が設置された現場の最寄りの営業所の電話番号、などを含み得る。ここで、連絡先は、例えば、電話番号、メールアドレス、FAX番号、などであり得る。また、ポンプ装置5の故障時と非故障時とで異なる連絡先が用意されてもよいし、さらに故障要因別に異なる連絡先が用意されてもよい。
【0033】
担当者IDとしては、対象設備の設置、点検又は部品交換を行った担当者を識別する識別コードと、対象設備の営業担当者を識別する識別コードとの少なくとも一方が適宜使用可能となっている。
【0034】
関連ドキュメントとしては、据付寸法が記載された据付図、部品構成が記載された組立図、機種独自の取扱説明書、銘板データなどが適宜、使用可能となっている。
【0035】
ユーザ情報テーブルT3は、ポンプ装置5の設置時又は販売時に書き込まれ、
図5に例示するように、ポンプ装置5の製造番号と、ユーザ情報と、通知先情報とが関連付けられて記録される。ポンプ装置5の製造番号は、前述した通りである。ユーザ情報は、ポンプ装置5のオーナーであるユーザに関する情報であり、例えば、住所、氏名、連絡先などが適宜、使用可能となっている。通知先情報は、運転データ等から作成したレポートの通知先を示しており、ユーザ情報内の連絡先と同一でもよく、相違していてもよい。レポートの通知先としては、例えば、電話番号、FAX番号、電子メールアドレスなどが適宜、使用可能となっている。
【0036】
マッピング情報テーブルT4は、ポンプ装置5の設置時又は点検時などに書き込まれ、
図6に例示するように、ポンプ装置5の製造番号と、機種データと、位置情報と、表示態様とが関連付けられて記録される。ポンプ装置5の製造番号、機種データ及び位置情報については、前述した通りである。表示態様としては、各々のポンプ装置5の状態を区別するために用いられ、例えば、アイコンの色やアイコンの種類などが適宜、使用可能となっている。区別したい状態としては、例えば、交換目安の段階や、推奨する機種の有無(現機種が最適な機種か否か)といった任意の状態が使用可能となっている。マッピング情報テーブルT4内の情報は、
図7に例示する如き、設置済みのポンプ装置5を示すアイコンP1~P4をマップ情報に割り当てるために用いられる。ここで、アイコンP1,P2は、同一の色が表示態様に割り当てられている。アイコンP1,P2と、アイコンP3と、アイコンP4とは、互いに異なる色が表示態様に割り当てられている。
【0037】
プロセッサ26は、典型的にはCPU(Central Processing Unit)であるが、マイコン、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、またはその他の汎用または専用のプロセッサなどであってもよい。プロセッサ26は、ポンプ装置5を管理する処理を実行するものである。プロセッサ26は、メモリ25に保存されたプログラムを実行することで、
図2の通信接続部261、通常運用部262として機能し得る。通常運用部262の機能は、日常監視部262a、マップ処理部262b、設定部262c、書込処理部262d及び通信監視部262eの機能を含んでいる。
【0038】
通信接続部261は、遠距離無線通信器22を介して、ポンプ装置5又は通信端末との遠距離無線通信の接続を確立する。また、通信接続部261は、近距離無線通信器21を介して、ポンプ装置5又は通信端末との近距離無線通信の接続を確立する。但し、通信接続部261は、一般的に管理サーバ2から遠く離れた場所にポンプ装置5が設置されることから、近距離無線通信を確立することよりも、遠距離無線通信を確立することの方が多い。また、通信接続部261は、ポンプ装置5又は通信端末との接続を確立するための何らかのデータ、例えばポンプ装置5から点検時に送信されるリクエスト、又は通信端末から送信されるリクエスト、を受信することもあり得る。以下、特に述べないが、通常運用部262とポンプ装置5との間の通信に先行して、通信接続部261による接続の確立が行われている。
【0039】
通常運用部262は、日常監視部262a、マップ処理部262b、設定部262c、書込処理部262d及び通信監視部262eを含んでいる。
【0040】
日常監視部262aは、ポンプ装置5から送信されるデータを監視する。日常監視部262aは、例えば、ポンプ装置5の識別データ及びポンプ装置5の運転状態を示す運転データを受信すると、当該識別データ及び運転データをメモリ25内の管理データテーブルT2に保存する。運転データは、設置済みのポンプ装置5で取得された運転データのうちの最新のデータと、過去の所定期間内に取得された運転データのうちの最大値のデータとを含んでいる。過去の所定期間は、180日前から現在までの期間のように毎日更新される期間でもよく、5月から9月までの期間のように一定期間でもよい。日常監視部262aは、設置済みのポンプ装置から当該ポンプ装置の識別データ及び運転データを周期的に受信する第1受信部の一例である。
【0041】
日常監視部262aは、送信されるデータが異常コードを含む場合には、後述する異常時運用部を起動する。日常監視部262a及び異常時運用部は、設置済みのポンプ装置から当該ポンプ装置の識別データ及び異常コードを非定期に受信する第2受信部の一例である。
【0042】
補足すると、予めポンプ装置5の制御盤の製造番号ごとに決められた時間帯に、ポンプ装置5の識別データ及び運転データが送信(アップロード)される。ここで、遠距離無線通信に対応した全ての機種のポンプ装置5が同一時刻にデータをアップロードすると、管理サーバ2の仕様が高価になるため、アップロードされる時間帯を分散している。
【0043】
運転データのうちの最大値のデータに圧力ピークや電流ピークなどを含めると、次回のポンプ装置交換時に、推奨する機種を選定可能である。例えば、圧力ピークが低い場合には、出力の小さい機種を、推奨する機種として選定可能である。また、一時的に高負荷になる場合には、寿命の計算上、ワンランク上の出力が可能な機種を、推奨する機種として選定可能である。
【0044】
運転データに、1日24時間の時間帯ごとの起動停止回数を含めてもよい。この場合、ポンプ装置5が設置された建物の水の使用状態を管理できる。また、時間帯ごとの起動停止回数を毎日計測することで日々の差を判定し、配管の漏れなどが予測可能となる。時間帯ごとの起動停止回数に加え、時間帯ごとの流量を運転データに含めてもよい。この場合、次回のポンプ装置交換時に、流量の観点から、推奨するポンプ装置を選定可能となる。例えば、流量が少なければ、低出力の機種などを推奨可能となる。また、毎日の起動停止及び運転時間を運転データに含めることで、お年寄りの住まう一軒家等であれば、見守り機能を実現可能となる。また、毎日の運転データを記録するので、同じ流量に対して、回転数、電流値、消費電力などが増大した場合には、部品の劣化を推測できる。また、同じ流量に対して、起動回数が増加すると、圧力タンク(アキュムレータ)の劣化を推測できる。また、同じ流量に対して、振動値が大きくなると、モータのベアリングの劣化を推測できる。いずれにしても劣化が推測される場合、メンテナンスの提案をすることが可能となる。
【0045】
また、日常監視部262aは、日々の運転データを報告書テンプレートに記述することにより、レポート(報告書)を作成してもよい。日常監視部262aは、作成したレポートをユーザ情報テーブルT3に基づいて、自動音声、FAX、電子メール等で通知してもよい。レポートは、日報に限らず、日報をまとめた月報としても通知可能である。なお、このようなレポートは、ポンプ装置5のプロセッサ58が作成して管理サーバ2に送信してもよい。
【0046】
マップ処理部262bは、マッピング情報テーブルT4に基づいて、ポンプ装置5を表すアイコンをマップ情報に割り当てることでマップ情報を更新(作成)する。更新後のマップ情報は、メモリ25に保存してもよく、他の装置に送信してもよい。「マップ情報」は、「地図情報」と呼んでもよい。
【0047】
補足すると、マップ処理部262bは、設置時に記録したマッピング情報テーブルT4内の位置情報に基づき、マップ情報にアイコン表示する。これにより、ポンプ装置5の種類ごとに異なるアイコンを利用し、視覚的に捉えやすくする。また、マップ情報上のアイコンを選択すると、管理データテーブルT2を検索することにより、運転データ(設置時、点検時、部品交換時)、メンテナンス情報(履歴、推奨、予測)、関連ドキュメントを閲覧可能としている。
【0048】
推奨又は予測に係るメンテナンス情報としては、運転データに基づいて、閾値を上回った際に交換目安として算出される推奨交換タイミングや、ポンプごとの積算運転時間/積算運転回数が、所定の運転時間/運転回数を上回った際に交換目安として算出される推奨交換タイミングがある。マップ処理部262bは、交換目安に段階を設け、交換目安の段階ごとに異なる表示態様をマッピング情報テーブルT4に保存してもよい。異なる表示態様としては、例えば、交換目安が1年以上先の場合に「問題ない:青」、交換目安が半年以上1年未満の場合に「そろそろ問題あり:黄色」、交換目安が半年未満の場合に「問題が起きてもおかしくない:赤」等のように色を用いてもよい。あるいは、表示態様としては、絵柄(アイコンの種類)を用いてもよい。
【0049】
設定部262cは、外部機器からの入力に基づいて、ポンプ装置5から送信される運転データの送信タイミングや、送信される運転データの種類などを設定する。例えば、異常がない限り、ポンプ装置5は、予め設定された時刻に運転データを取得する。設定部262cは、この時刻を任意の他の時刻に設定し直すことにより、ユーザが任意のタイミングで運転データを取得することを可能とする。また、データの通信量に応じて通信料金が増加するため、取得する運転データは、最低限の種類がデフォルトとして決められている。しかしながら、設定部262cによれば、ユーザは、取得する運転データの種類を任意に変更可能である。
【0050】
書込処理部262dは、ポンプ装置5に対する書込処理を実行する。例えば、書込処理部262dは、外部機器からの入力に基づいて、ポンプ装置5の設定値やソフトウェアを遠隔で書き換えることが可能である。なお、ポンプ装置5側の保護設定により書込処理を制限してもよい。また、マップ情報を利用するユーザの権限により書込処理を制限してもよい。
【0051】
通信監視部262eは、ポンプ装置5に定期的に要求を送信し、当該要求に対する応答の有無を確認することにより、遠距離無線通信の電波状況を監視する。
【0052】
通信監視部262eについて補足する。基本的に全てのポンプ装置5は遠距離無線に対応しているが、一部のポンプ装置については電波状況が悪い場所に設置されたために遠距離無線を使用できず、作業員が点検している。そこで、通信監視部262eは、作業員が点検するポンプ装置に対し、定期的に通信接続を試みて電波状況を確認する。電波状況が悪い場所でも、電波塔が改善されている可能性があるので、定期的に電波状況を確認する価値はある。なお、逆に、ポンプ装置5の周囲に大きなビルが立ち並んで電波状況が悪化する場合もある。この場合、電波が不通になり、接続エラーとなるため、回線を休止する。
【0053】
一方、ポンプ装置5は、管理サーバ2に通信可能な装置である。係るポンプ装置5は、例えば、建物に給水する給水装置であり,水道本管に直結され、水道本管を流れる水を直接増圧し、建造物に設けられた蛇口やシャワーヘッド等の供給先に給水する、いわゆる直結増圧型給水装置であり得る。
【0054】
このポンプ装置5は、
図8に例示するように、制御盤50と、ポンプ部60と、図示されない吸込配管および吐出配管とを含む。ポンプ装置5は、ポンプ部60により、吸込配管を介して一次側にある水を取り込み、吐出配管を介して二次側へ給水する。吸込配管は、例えば、水道本管から分岐された水道分管およびポンプ部60を接続する。吐出配管は、ポンプ部60とその二次側の給水先とを接続する。
【0055】
なお、ポンプ装置5は、複数台のポンプ部60を含んでいてもよい。この場合に、ポンプ装置5は、複数台のポンプ部60を交互に駆動する交互運転、複数台のポンプ部60を同時に駆動する並列運転、などを行うことができる。また、
図7の例では、ポンプ部60は給水用のポンプであるが、これに限らず、任意の種類のポンプに置き換えられてよい。すなわち、ポンプ装置5は、建物に給水する給水装置の他、消火ポンプ、排水水中ポンプ、清水水中ポンプなど、制御盤を搭載するポンプ装置であれば、用途を限定しない。
【0056】
制御盤50は、ポンプ部60(のモータ)と電気的に接続され、当該ポンプ部60を制御する。具体的には、制御盤50は、各種センサからのセンシング信号に基づいて、インバータ54を介してポンプ部60のモータの駆動を制御する。
【0057】
例えば、制御盤50は、ポンプ装置5の吸込配管および吐出配管に取り付けられポンプの吸込圧力および吐出圧力を検出可能な圧力センサからのセンシング信号に基づいて、ポンプの運転中に例えば推定末端圧力一定制御または目標圧力一定制御を行い得る。また、制御盤50は、ポンプの運転中にモータを所望の回転数で駆動するように制御することができ、必要に応じてモータの回転数を増減させる。
【0058】
さらに、制御盤50は、ポンプ部60に含まれるポンプの二次側の配管に取り付けられ当該配管に流れる水の流量を検出可能な流量センサからのセンシング信号に基づいて、流量が小水量であることを検知するとポンプを停止させ得る。そして、制御盤50は、圧力センサからのセンシング信号に基づいてポンプの二次側の圧力が予め定められた始動圧力以下に低下したことを検知すると、ポンプを再駆動する。
【0059】
さらに、制御盤50は、かかるポンプ部60の制御に加えて運転データの出力を行う。詳細は後述するが、制御盤50は、ポンプ部60から運転データを取得し、コード化して出力することで、例えばBluetooth(登録商標)、NFC、Wi-Fi、ケーブル接続、などの通信を必要とせずに、例えば作業員が所持するスマートフォンなどの通信端末に運転データを取得させることができる。
【0060】
制御盤50は、近距離無線通信器51、遠距離無線通信器52、入力機器53、インバータ54、インタフェース55、表示機器56、メモリ57及びプロセッサ58を備えている。また、制御盤50のインタフェース55は、ポンプ部60に接続される。なお、入力機器53及び/又は表示機器56は、制御盤50とは別体であってもよいし、制御盤50に組み込まれていてもよい。
【0061】
近距離無線通信器51は、プロセッサ58により制御され、例えば、近距離無線通信技術を用いて、通信端末(図示せず)又は管理サーバ2などの外部装置と通信可能な任意の通信インタフェースである。具体的には、近距離無線通信器51は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、NFCなどの(近距離)無線通信技術を用いて、外部装置に接続可能となっている。近距離無線通信器51は、近距離無線通信部と呼んでもよい。また、近距離無線通信器51は、USBなどの有線通信技術を用いて、外部装置に接続しても良い。
【0062】
遠距離無線通信器52は、プロセッサ58により制御され、例えば、遠距離無線通信技術を用いて、通信端末又は管理サーバ2などの外部装置と通信可能な任意の通信インタフェースである。具体的には、遠距離無線通信器52は、例えば、移動通信(3G、4G、5G)、Wimax、sigfox(登録商標)などの無線通信技術を用いて、ネットワーク経由で外部装置に接続可能となっている。遠距離無線通信器52は、遠距離無線通信部と呼んでもよい。
【0063】
入力機器53は、例えば、操作パネル、タッチパネル、キーボード、マウス、などのユーザ入力を受け付ける装置と、圧力センサ、マイクロホン、カメラなどのセンサとを含み得る。
【0064】
インバータ54は、プロセッサ58からインバータ制御信号を受け取る。インバータ54は、このインバータ制御信号に応じて動作する。例えば、インバータ54は、運転停止信号または運転開始信号に相当するインバータ制御信号に応じて運転を停止または開始し得る。また、インバータ54は、回転数制御信号に相当するインバータ制御信号に応じて、その担当するモータの回転数を制御し得る。
【0065】
表示機器56は、典型的には液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイなどの表示デバイスを含み得るが、表示デバイスの代わりにまたは表示デバイスに加えて、スピーカ、LED(Light Emitting Diode)点灯部などを含み得る。
【0066】
メモリ57は、プロセッサ58が各処理を実現するために当該プロセッサ58によって実行されるプログラムおよび当該プロセッサ58によって使用されるデータなどを記憶する。プログラムとしては、例えば、ファームウェア、OS、ポンプ制御プログラムなどが適宜、記憶される。データとしては、例えば、コード、テーブルなどが適宜記憶される。メモリ57は、かかるプログラム/データが展開されるワークエリアを有するRAMを含み得る。メモリ57に記憶されるテーブルとしては、例えば、前述同様の出荷データテーブルT1、管理データテーブルT2などが適宜、使用可能となっている。
【0067】
プロセッサ58は、典型的にはマイコンであるが、CPU、GPU、FPGA、DSP、またはその他の汎用または専用のプロセッサなどであってもよい。プロセッサ58は、例えば、入出力制御、ポンプ制御、ユーザ認証、運転データの抽出、運転データのコード化、などを行う。
【0068】
プロセッサ58は、メモリ57に保存されたプログラムを実行することで、
図8の通信接続部581、監視処理部582、書込処理部583等として機能し得る。なお、プロセッサ58内の各部の機能分担は、便宜的なものであり、適宜、変更可能である。
【0069】
通信接続部581は、遠距離無線通信器52を介して、通信端末(図示せず)又は管理サーバ2との遠距離無線通信の接続を確立する。また、通信接続部581は、近距離無線通信器51を介して、通信端末又は管理サーバ2との近距離無線通信の接続を確立する。但し、通信接続部581は、一般的に管理サーバ2から遠く離れた場所にポンプ装置5が設置されることから、通信端末との間で近距離無線通信を確立し、管理サーバ2との間で遠距離無線通信を確立する場合が多い。通信接続部581は、通信端末とポンプ装置5との接続を確立するための何らかのデータ、例えばポンプ装置及び通信端末がそれぞれスキャナおよびアドバタイザとしてBluetoothで接続する場合には、スキャナとしての通信端末からのリクエスト、を受信することもあり得る。
【0070】
監視処理部582は、各種センサからのセンシング信号に基づいて、ポンプ装置5の運転状態を示す運転データを取得し、当該運転データをポンプ装置5の識別データに関連付けてメモリ57に保存する。また、監視処理部582は、メモリ57に保存されたポンプ制御プログラムによって決まる制御ポリシーに従い、最新のセンシング信号等に応じてインバータ制御信号を生成し、これをインバータ54へ送る。なお、監視処理部582は、積算運転時間、および/または積算運転回数を、ポンプ装置5の運転実態に応じて算出し、メモリ57に書き込んでもよい。また、監視処理部582は、ポンプ装置5の運転状態(例えば、正常、電力供給停止、故障、など)、などを判定してもよい。この場合、監視処理部582は、設置済みのポンプ装置5から当該ポンプ装置5の識別データ及び異常コードを非定期に管理サーバ2に送信する。なお、監視処理部582は、識別データ及び異常コードに限らず、異常判定時の運転データを更に送信してもよい。
【0071】
また、監視処理部582は、ポンプ装置5の識別データ及び運転データを管理サーバ2に周期的に送信する。例えば、監視処理部582は、複数の他のポンプ装置から管理サーバ2への送信の集中を緩和するように、予め割り当てた送信時刻に当該送信を行うことが好ましい。当該送信時刻は、例えば、ポンプ装置5又は制御盤50の製造番号を送信周期で除算し、当該除算により得られた余りに基づいて割り当ててもよい。この除算は、製造番号が連続番号であるとき、各々の製造番号を送信周期の長さをもつ時間帯内の各々の秒に分散させて割り当てる処理に対応する。
【0072】
具体的には例えば、あるポンプ装置5の製造番号が100000であり、1日に4回の送信を行うための送信周期が6時間であるとする。なお、6時間は、21600(=6×60×60)秒である。このとき、上記除算は、製造番号/送信周期(秒)=100000/21600=4、余り13600となる。余り13600を秒とみなして時間に換算すると、3時間46分40秒となる(13600=3×3600+46×60+40)。この場合、製造番号100000のポンプ装置5は、送信周期の長さを持つ時間帯の開始時刻から3時間46分40秒後の送信時刻に運転データを送信する。例えば、送信周期(6時間)の長さを持つ4つの時間帯の開始時刻が、1日のうちの0時0分0秒、6時0分0秒、12時0分0秒、18時0分0秒であるとする。この場合、送信時刻は、それぞれ3時46分40秒、9時46分40秒、15時46分40秒、21時46分40秒となる。
【0073】
上記除算において、商が4、余り13600ということは、100000台のポンプ装置5から管理サーバ2への送信が、各々の時間帯の1秒間当たりに4~5件あることになる。これに対し、分散せずに同時刻に送信した場合を比較例とすると、比較例では、100000台のポンプ装置5から管理サーバ2への送信が、所定の送信時刻の1秒間に100000件あることになる。従って、上記除算を用いた送信時刻の分散により、管理サーバ2への送信の集中を緩和可能となっている。
【0074】
また、運転データは、取得された運転データのうちの最新のデータと、過去の所定期間内に取得された運転データのうちの最大値のデータとを含んでいる。最大値のデータは、推奨する機種のポンプ装置を選定するためのデータであり、例えば、最大値の圧力データ又は最大値の電流データを含んでいてもよい。なお、管理サーバ2は、最大値のデータに基づいて、推奨する機種のポンプ装置を選定可能なサーバである。監視処理部582は、ポンプ装置の運転状態を示す運転データを取得する取得部と、当該ポンプ装置の識別データ及び当該運転データを前記管理サーバに周期的に送信する送信部との一例である。
【0075】
書込処理部583は、近距離無線通信器51又は遠距離無線通信器52を介して、管理サーバ2からパラメータを設定するためのコマンドを受け取り、これに従ってパラメータを設定する。例えば、書込処理部583は、メモリ57に保存されているパラメータを書き換えたり、新たなパラメータを書き込んだり、保存されているパラメータを削除したりする。なお、これに限らず、書込処理部583は、入力機器53からパラメータを設定するためのコマンドを受け取り、これに従ってパラメータを設定してもよい。
【0076】
以下、
図9を参照しながら、
図2の管理サーバ2及び
図8のポンプ装置5を用いて通常運用時の動作例を説明する。通常運用時の動作例は、主に、周期的な遠隔監視のステップS10を含んでいる。これに加え、ポンプ装置5の設定変更を行うステップS20と、ポンプ装置5の書込処理を行うステップS30と、ポンプ装置5の通信強度を監視するステップS40とが適宜、実行される。付け加えたステップS20~S40は、任意の付加的事項であり、適宜、省略可能である。また、ステップS10内でもステップS14~S16は、任意の付加的事項であり、適宜、省略可能である。以下、ステップS10~S40の動作例について順に述べる。
【0077】
(ステップS10:遠隔監視)
始めに、周期的な遠隔監視のステップS10は、ステップS11~S16により実行される。まず、ポンプ装置5のプロセッサ58は、ポンプ部60の運転データを取得すると共に、当該運転データを送信するか否かを判定する(ステップS11)。この判定は、具体的には例えば、送信周期に対応する送信時刻に現在時刻が達したか否かにより行う。ステップS11の判定の結果、否の場合にはステップS10を終了する。
【0078】
一方、ステップS11の判定の結果、送信する場合には、ポンプ装置5は、当該ポンプ装置5の識別データ及び運転データを管理サーバ2に送信する(ステップS12)。送信する運転データは、今回の送信周期内に取得された運転データのうちの最新のデータと、過去の所定期間内に取得された運転データのうちの最大値のデータとを含んでいる。
【0079】
一方、管理サーバ2のプロセッサ26は、ポンプ装置5から識別データ及び運転データを受信したか否かを判定し(ステップS13)、否の場合にはステップS10を終了する。
【0080】
また、ステップS13の判定の結果、受信した場合、管理サーバ2のプロセッサ26は、当該受信した識別データ及び運転データをメモリ25内の管理データテーブルT2に保存する。また、プロセッサ26は、受信した運転データに基づいて、出荷管理テーブルT1内の機種のうち、推奨する機種を選定する。具体的には例えば、プロセッサ26は、受信した運転データのうちの最大値のデータを上回る定格のうち、最小の定格に関連付けられた機種を、推奨する機種として選定する。選定した推奨する機種は、例えば、管理データテーブルT2のメンテナンス情報に保存する。
【0081】
ステップS13の終了後、プロセッサ26は、運転データ内の積算運転データと、複数の閾値とを比較し、比較結果に応じて交換目安の段階を求める。例えば、積算運転データが第1閾値以下の場合には、交換目安の段階「問題ない」を求める。また、積算運転データが第1閾値を超えて第2閾値以下の場合には、交換目安の段階「そろそろ問題あり」を求める。積算運転データが第2閾値を超えた場合には、交換目安の段階「問題が起きてもおかしくない」を求める。また、求めた段階に応じた表示態様をマッピング情報テーブルT4に保存する。これにより、プロセッサ26は、マッピング情報テーブルT4に基づいてマップ情報を更新する(ステップS14)。
【0082】
ステップS14の終了後、プロセッサ26は、レポートを出力するか否かを判定する(ステップS15)。この判定は、具体的には例えば、所定の出力時刻に現在時刻が達したか否かにより行う。ステップS15の判定の結果、否の場合にはステップS10を終了する。
【0083】
また、ステップS15の判定の結果、出力する場合、プロセッサ26は、ポンプ装置5の識別データと日々の運転データとを報告書テンプレートに記述することにより、レポートを作成する。具体的には例えば、レポート作成に用いる運転データの項目毎にデフォルト値を並べた報告書テンプレートを用い、デフォルト値を当該項目の運転データの値で置換することにより、報告書テンプレートからレポートを作成してもよい。しかる後、プロセッサ26は、作成したレポートをユーザ情報テーブルT3に基づいて、ポンプ装置5の識別データ(製造番号)に対応する通知先に出力する(ステップS16)。以上のステップS11~S16の実行により、ステップS10が終了する。
【0084】
(ステップS20:設定変更)
ステップS10の終了後、ポンプ装置5の設定変更を行うステップS20が、ステップS21~S23により実行される。まず、管理サーバ2のプロセッサ26は、ポンプ装置5の設定を変更するか否かを判定する(ステップS21)。この判定は、例えば、図示しない外部機器からネットワークを介してポンプ装置5の設定変更が入力されたか否かにより行う。否の場合にはステップS20を終了する。
【0085】
ステップS21の判定の結果、設定を変更する場合、プロセッサ26は、変更する設定内容をポンプ装置5に送信する(ステップS22)。変更する設定内容としては、例えば、運転データの送信タイミング(送信周期、送信時刻)や、送信される運転データの種類などが適宜、使用可能となっている。
【0086】
ステップS22の終了後、ポンプ装置5のプロセッサ58は、管理サーバ2から受信した設定内容に基づいて、設定変更を行う(ステップS23)。以後、ポンプ装置5は、変更後の設定内容に基づいて動作する。以上のステップS21~S23の実行により、ステップS20が終了する。
【0087】
(ステップS30:書込処理)
ステップS20の終了後、ポンプ装置5の書込処理を行うステップS30が、ステップS31~S33により実行される。まず、管理サーバ2のプロセッサ26は、ポンプ装置5にパラメータやソフトウェアの書き込みを行うか否かを判定する(ステップS31)。この判定は、例えば、図示しない外部機器からネットワークを介してパラメータやソフトウェアの書込指示及び書込内容が入力されたか否かにより行う。否の場合にはステップS30を終了する。
【0088】
ステップS31の判定の結果、書き込みを行う場合、プロセッサ26は、書込指示及び書込内容をポンプ装置5に送信する(ステップS32)。書込内容としては、例えば、ポンプ装置5の設定値やソフトウェアなどが適宜、使用可能となっている。なお、ここでいう設定値は、ポンプ部60の制御に用いる値を意図している。これに対し、前述したステップS20の設定変更は、運転データの送信に用いる設定を意図している。
【0089】
ステップS32の終了後、ポンプ装置5のプロセッサ58は、管理サーバ2から受信した書込指示、書込内容に基づいて、書込処理を行う(ステップS33)。以後、ポンプ装置5は、書込処理後の動作環境に応じて動作する。以上のステップS31~S33の実行により、ステップS30が終了する。
【0090】
(ステップS40:通信強度の監視)
ステップS30の終了後、ポンプ装置5の通信強度を監視するステップS40が、ステップS41~S44により実行される。まず、管理サーバ2のプロセッサ26は、ポンプ装置5毎に、当該ポンプ装置5の通信強度を監視するか否かを判定する(ステップS41)。この判定は、具体的には例えば、監視周期に対応する監視時刻に現在時刻が達したか否かにより行う。ステップS41の判定の結果、否の場合にはステップS40を終了する。なお、これに限らず、ステップS41の判定は、例えば、所定の送信周期よりも長い周期で運転データが収集されるポンプ装置5であるか否かにより実行してもよい。長い周期で運転データが収集されるポンプ装置5は、ステップS12の送信が実行されず、作業員が現場で運転データを取得しているポンプ装置5だからである。いずれにしても否の場合にはステップS40を終了する。
【0091】
ステップS41の判定の結果、監視する場合、管理サーバ2のプロセッサ26は、通信の接続要求をポンプ装置5に送信する(ステップS42)。
【0092】
ステップS42の終了後、ポンプ装置5のプロセッサ58は、当該接続要求を受信した場合には応答を返信し、受信しなかった場合には応答を返信しない(ステップS43)。
【0093】
ステップS43の終了後、管理サーバ2のプロセッサ26は、接続要求の送信後、所定時間内の応答の有無に応じて、ポンプ装置5毎に通信強度を監視する(ステップS44)。なお、ここでいう「通信強度を監視する」ことは、何らかの数値を計測して監視する意味ではなく、「通信可能であるか否かを監視する」ことを意味している。また、「通信強度」は「電波強度」又は「電波状況」などと読み替えてもよい。但し、読み替えた場合でも「通信可能であるか否かを監視する」ことに変わりはない。以上のステップS41~S44の実行により、ステップS40が終了する。ステップS40の終了後、ステップS10に戻る。以下同様に、ステップS10~S40の処理を繰り返し実行する。
【0094】
上述したように第1の実施形態によれば、ポンプ装置において、ポンプ装置の運転状態を示す運転データを取得し、ポンプ装置の識別データ及び運転データを管理サーバに周期的に送信する。当該運転データは、取得された運転データのうちの最新のデータと、推奨する機種のポンプ装置を選定するための、過去の所定期間内に取得された運転データのうちの最大値のデータとを含んでいる。従って、管理サーバにおいて、周期的に送信された運転データから、推奨する機種のポンプ装置を選定することが可能となる。このように、ポンプ装置と管理サーバとの間で、推奨する機種のポンプ装置を選定するための通信を実現することができる。また、管理サーバにおいて、設置済みのポンプ装置の機種が最適か否かを管理できるので、ポンプ装置の管理をより適切に行うことができる。
【0095】
また、第1の実施形態によれば、管理サーバから設定内容をポンプ装置に送信することにより、管理サーバからポンプ装置の設定を変更できるので、ポンプ装置の管理をより適切に行うことができる。
【0096】
また、第1の実施形態によれば、管理サーバから書込指示及び書込内容をポンプ装置に送信することにより、管理サーバからポンプ装置の書込処理を制御できるので、ポンプ装置の管理をより適切に行うことができる。
【0097】
また、第1の実施形態によれば、管理サーバから接続要求をポンプ装置に送信し、ポンプ装置からの応答の有無を判定することにより、管理サーバからポンプ装置の通信強度を監視できるので、ポンプ装置の管理をより適切に行うことができる。
【0098】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、通常運用時に関する第1の実施形態とは異なり、異常が発生した時の異常時運用に関する。これに伴い、
図1に示した構成に加え、
図10に示すように、作業員の通信端末7-1、7-2、7-3、7-4、・・・を図示している。なお、前述同様に、
図10における各装置の数は例示に過ぎない。例えば、通信端末7の台数は任意であるので、4台より多くても少なくてもよい。
【0099】
ここで、管理サーバ2のプロセッサ26は、
図11に示すように、前述した機能に加え、異常時運用部263の機能を実現可能となっている。異常時運用部263の機能は、異常時処理部263a、マップ処理部263b、決済処理部263c等の機能を含んでいる。但し、マップ処理部263b及び決済処理部263c等の機能は、適宜、省略してもよい。また、前述同様に、プロセッサ26内の各部の機能分担は、便宜的なものであり、適宜、変更可能である。また、管理サーバ2のメモリ25は、前述した記憶内容に加え、異常時運用部263の機能を実現するためのプログラムと、
図12乃至
図14に示すように、在庫テーブルT5、交換品テーブルT6及び作業管理テーブルT7等のデータとを更に記憶する。
【0100】
詳しくはメモリ25は、
図12に例示する在庫テーブルT5において、ポンプ装置5の機種データ及び在庫データを関連付けて記憶する。在庫テーブルT5は、ポンプ装置5の製造時又は出荷時のように、ポンプ装置5の在庫が変動するときに更新される。在庫テーブルT5は、ポンプ装置の機種及び在庫データを関連付けて記憶する第2記憶部の一例である。
【0101】
機種データは、前述した通り、ポンプ装置5及びその部品の各々といった製品の種類を識別するデータであり、例えば、形式及び品番を含むデータである。但し、在庫テーブルT5内の機種データは、設置済みのポンプ装置5ではなく、設置前の新品のポンプ装置5の機種を示している。新品のポンプ装置5の機種は、交換可能な交換機種及び推奨される推奨機種のいずれでもよい。
【0102】
在庫データは、当該機種データに対応する在庫の有無又は在庫の数を示すデータであり、更に、在庫の保管先を含んでもよい。
【0103】
メモリ25は、
図13に例示する交換品テーブルT6において、ポンプ装置5の機種データ、異常コード、交換機種、推奨機種及びモデルチェンジ情報を関連付けて記憶する。交換品テーブルT6は、ポンプ装置5の設計完了時、交換機種の設計完了時、推奨機種の設計完了時、モデルチェンジ内容の確定時などに書き込まれる。
【0104】
交換品テーブルT6内の機種データは、設置済みのポンプ装置5の機種を示している。
【0105】
異常コードは、当該機種データにおける異常の種類や内容を示すコードである。
【0106】
交換機種は、設置済みのポンプ装置5の機種に対して交換可能な機種(同等の機種)を示しており、設置済みのポンプ装置5の機種と同一の機種でもよく、異なる機種でもよい。交換品テーブルT6内の交換機種は、例えば、交換機種の設計完了時などに書き込まれる。
【0107】
交換品テーブルT6内の推奨機種は、設置済みのポンプ装置5の機種に対してメーカが推奨する機種を示しており、設置済みのポンプ装置5の機種と同一の機種でもよく、異なる機種でもよい。また、交換品テーブルT6内の推奨機種は、後述する運転データに基づいて選定される、推奨する機種(運転状況に応じた小型の機種)とは異なる。交換時には、例えば、運転データに基づいて推奨する機種(小型の機種)、メーカの交換機種(同等の機種)、メーカの推奨機種(例、高性能の機種)の順に、在庫のある機種が準備される。なお、交換品テーブルT6内の推奨機種は、推奨機種の設計完了時などに書き込まれる任意の付加的事項であり、省略してもよい。
【0108】
モデルチェンジ情報は、現在の機種に対する後継機種に関する情報であり、例えば、現在の機種と後継機種とを関連付けた情報とを含んでいる。モデルチェンジ情報は、さらに、両機種の性能や機能の違いを表す情報とを含んでもよい。モデルチェンジ情報は、モデルチェンジ内容の確定時などに書き込まれる。モデルチェンジ情報がある場合、モデルチェンジ情報内の後継機種と、交換品テーブルT6内の交換機種又は推奨機種とは同一の機種であってもよい。
【0109】
メモリ25は、
図14に例示する作業管理テーブルT7において、ポンプ装置5の製造番号、担当者ID、予定日時、作業予定項目、優先順位、位置情報、作業項目、延期有無、作業費用及び決済管理番号を関連付けて記憶する。作業管理テーブルT7は、メンテナンス前の作業予定作成時、メンテナンス後の決済処理時などに書き込まれる。
【0110】
ポンプ装置5の製造番号は、前述した通り、ポンプ装置5の識別データである。担当者IDは、ポンプ装置5の点検又は交換を行う予定の担当者を識別する識別コードである。
【0111】
予定日時は、ポンプ装置5の点検又は交換を行う予定の日時である。
【0112】
作業予定項目は、ポンプ装置5の点検又は交換において予定される作業項目である。
【0113】
優先順位は、当該作業予定項目の作業を優先する順位を示している。例えば、点検に対する作業予定項目の優先順位は、交換に対する作業予定項目の優先順位よりも低く設定される。また、古い機種の故障前の交換に対する作業予定項目の優先順位は、異常発生した機種の緊急の交換に対する作業予定項目の優先順位よりも低く設定される。
【0114】
位置情報は、前述した通り、設置済みのポンプ装置5の設置位置を表す情報である。
【0115】
作業項目は、実際に作業した項目であり、作業予定項目と同一でもよく、異なっていてもよい。
【0116】
延期有無は、予定日時に対して延期の有無を表すフラグであり、緊急の交換などで予定とは別の場所に派遣された場合に延期ありに更新される。
【0117】
作業費用は、実際の作業項目に対応する金額であり、決済処理に用いられる。
【0118】
決済管理番号は、決済処理が完了した場合に発行され、当該決済処理を管理する番号である。
【0119】
一方、異常時運用部263は、
図10に示したように、異常時処理部263a、マップ処理部263b、決済処理部263cを含んでいる。
【0120】
異常時処理部263aは、異常コードを受信した日常監視部262aに起動され、メモリ25における管理データテーブルT2内の運転データに基づいて、メモリ25の機種のうち、推奨する機種を選定する。メモリ25内の運転データは、設置済みのポンプ装置5で取得された運転データのうちの最新のデータと、過去の所定期間内に取得された運転データのうちの最大値のデータとを含んでいる。当該選定に用いる運転データは、最大値のデータである。異常時処理部263aは、当該最大値のデータを上回る定格のうち、最小の定格に関連付けられた機種を当該推奨する機種として選定する。定格は、出荷データテーブルT1及び管理データテーブルT2内にパラメータの一部として記憶されている。異常時処理部263a及び日常監視部262aは、設置済みのポンプ装置から当該ポンプ装置の識別データ及び異常コードを非定期に受信する第2受信部の一例である。異常時処理部263aは、異常コードを受信すると、運転データに基づいて、第1記憶部内の機種のうち、推奨する機種を選定する選定部の一例である。
【0121】
また、異常時処理部263aは、当該推奨する機種に基づいて、在庫テーブルT5内の在庫データを検索する。また、異常時処理部263aは、当該検索された在庫データ及び当該推奨する機種を出力する。また、異常時処理部263aは、当該在庫データ及び当該推奨する機種の出力先から出荷指示を受けると、当該推奨する機種が示す交換用のユニット又は部品の保管先に対して出荷指示を出力する。異常時処理部263aは、検索部、出力部及び出荷指示部の一例である。
【0122】
補足すると、ポンプ装置5に異常が発生した場合、日常監視時の送信タイミングとは無関係に、即時、ポンプ装置5の識別データ及び異常コードを含む異常発報を管理サーバ2に送信(アップロード)する。異常コードが示す異常内容が予め分かっていれば、交換用の機種(ユニット又は部品)を持参できるケースもあり、効率化につながる。例えば、夜間にポンプ装置5が故障し、メカニカルシール部品からの漏れであった場合、夜間にシステム上で在庫の確認から出荷準備までを行い、翌朝、早々に出荷する。また、異常が発生するとマップ情報上では特定の表示をしてもよく、故障機種一覧で抽出してもよい。異常内容に対して、対処方法、交換用の機種の選定結果などを表示できる。機種の選定結果としては、例えば、部品交換の場合には推奨部品、ユニット交換の場合には日々の運転状態を加味して推奨する機種などを表示可能である。
【0123】
部品交換の際に推奨部品を表示する処理は、設置済みの機種がモデルチェンジ済みであって、メーカからのモデルチェンジの通知書面をユーザが読まないか忘れた場合に、代替機種に関する、ユーザからメーカの問合せ窓口への電話相談を防止できる。すなわち、推奨部品を表示することで、電話相談に要する無駄な時間を省き、作業性の向上を図っている。
【0124】
マップ処理部263bは、ポンプ装置5から受信した識別データ及び異常コードの件数が閾値を超えたとき、当該異常コードの送信元のポンプ装置5を設置した地域に関する気象情報を取得する。また、マップ処理部263bは、当該取得した気象情報が洪水注意報又は洪水警報を示すとき、当該地域内のポンプ装置に要求を送信し、当該要求に対する応答の有無を確認する。また、マップ処理部263bは、当該地域内のポンプ装置5の位置を示すマップ情報(地図情報)に対し、当該確認した結果を関連付けて記述する。マップ処理部263bは、取得部、確認部及び地図情報処理部の一例である。
【0125】
補足すると、異常発報が一定地域内に一定数以上発生した場合、停電、洪水、地震などの災害が発生した可能性がある。天気予報やその他の気象情報と連携することで、マップ処理部263bは、洪水かどうかを判断する。洪水であって、異常内容が停電の場合、ポンプ装置5が水没している可能性が高くなるため、設置済みのポンプ装置5の情報から在庫の確認、生産計画を自動で行うこともできる。但し、停電や地震の場合、ポンプ装置5が故障しているとは限らないため、発注を自動で行うと無駄な場合がある。また、洪水は海抜が低い場所から発生し、丘の上などの高い場所には到達しない可能性がある。マップ情報が海抜を含むことから、災害時も給水可能なポンプ装置の位置を把握できる。なお、水道管が破裂した場合には、ポンプ装置5の保護機能により、洪水とは別の異常として検出できる。
【0126】
なお、作業員の位置情報をマップ情報に取り込むことで、異常発生時に、近くの作業員を派遣可能となっている。また、緊急でない作業を行う作業員には、優先順位を変えて、優先的に異常発生現場に向かうように要請することもできる。作業員ごとに、現在の作業、それにかかる時間、現場までの移動距離、移動時間等の作業予定を算出し、ユーザに到着までの時間を通知することも可能である。現在地と移動距離が分かるため、無駄な移動が無いよう、最適化して作業員に仕事を割り振ることが可能である。
【0127】
また、苦情などが発生すると、あるロットが全て不良品(NG)となることも多い。ポンプ装置の製造番号は、上2桁が年を表し、次の桁が月の数字となっている。あるロットが不良品となると、ロットに該当する製造番号で機種を抽出し、遡及を行う場合がある。自動車であればリコールする際、ユーザがディーラーに持ち込む場合が多い。ポンプ装置5は、走行しない設備であるので、メーカの作業員が設置場所に行き、遡及(交換)する。なお、ポンプ装置5の製造番号のうち、不良品のロットを示す条件で抽出した製造番号に基づいてマップ情報の表示形態(例、色)を変更してもよく、抽出した製造番号のリストを表示してもよい。いずれにしても管理の容易化を図ることが可能である。また、遡及が終了した機種は、検索条件から外すことで残務管理も容易となる。
【0128】
決済処理部263cは、ポンプ装置5のユニット交換又は部品交換等に要した作業費用の決済処理を支援する。具体的には例えば、決済処理部263cは、通信端末7からポンプ装置5の製造番号及び作業項目を含む作業終了通知を受けると、作業項目毎の費用と、所定の出張費用と、交換した機種の費用とを合計した作業費用を算出する。また、決済処理部263cは、算出した作業費用をポンプ装置5の製造番号に関連付けて作業管理テーブルT7に保存すると共に、当該作業費用をポンプ装置5に送信する。また、決済処理部263cは、ポンプ装置5又は通信端末7から支払い管理番号及びポンプ装置5の製造番号を受けると、当該支払い管理番号を承認し、当該支払い管理番号を当該製造番号に関連付けて作業管理テーブルT7に保存する。
【0129】
補足すると、管理サーバ2は、作業管理テーブルT7で作業員の作業予定等を管理する。作業終了後、支払い方法が振込みの場合、即時決済できないため、支払いが滞り易い。また、支払いが滞る場合でも、新規のメンテナンス指示があると、催促に行きにくい。支払いがメンテナンス作業終了と同タイミングであればよいが、カード決済は、氏名やクレジットカード番号といった個人情報を含む物理カードを提示する問題があり、利用しにくい状況にある。このため、本実施形態では、個人情報を提示しないコード決済(二次元コード支払いアプリ)を利用している。コード決済では、二次元コードの提示により、ユーザの端末上で支払い処理が実行されると、支払い管理番号が発行される。支払い管理番号は、当該コード決済による支払いを管理する識別情報であり、この名称に限らず、決済番号、決済管理番号などの他の名称を用いてもよい。
【0130】
一方、ポンプ装置5のプロセッサ58は、前述した構成において、監視処理部582が、設置済みのポンプ装置5から当該ポンプ装置5の識別データ及び異常コードを含む異常発報を非定期に管理サーバ2に送信する。なお、異常発報は、識別データ及び異常コードに加え、運転データを含んでもよい。
【0131】
また、プロセッサ58は、前述した構成に加え、
図15に示すように、決済処理部584を含んでいる。前述同様に、プロセッサ58内の各部の機能分担は、便宜的なものであり、適宜、変更可能である。
【0132】
決済処理部584は、ポンプ装置5のユニット交換又は部品交換等に要した作業費用の決済処理を支援する。具体的には例えば、決済処理部584は、管理サーバ2から作業費用を受けると、当該作業費用を二次元コードに変換し、当該作業費用及び二次元コードを表示機器56に表示する。また例えば、決済処理部584は、作業費用及び二次元コードの表示中に、入力機器53から支払い管理番号が入力されると、当該支払い管理番号及びポンプ装置5の製造番号を管理サーバ2に送信する。
【0133】
一方、通信端末7は、ポンプ装置5と、ポンプ装置5を管理する管理サーバ2とに通信可能な情報処理装置である。通信端末7は、例えば、PC、モバイル端末(例えば、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、フィーチャーフォンなど)などであり得るが、これらに限られない。
【0134】
このような通信端末7は、
図16に例示するように、近距離無線通信器71、遠距離無線通信器72、入力機器73、表示機器74、メモリ75及びプロセッサ76を備えている。プロセッサ76は、後述するように、通信接続部761、メンテナンス処理部762、決済処理部763等の機能を実現可能となっている。なお、プロセッサ76内の各部の機能分担は、便宜的なものであり、適宜、変更可能である。
【0135】
ここで、近距離無線通信器71は、プロセッサ76により制御され、例えば、近距離無線通信技術を用いて、管理サーバ2やポンプ装置5などの外部装置と通信可能な任意の通信インタフェースである。具体的には、近距離無線通信器71は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、NFCなどの(近距離)無線通信技術を用いて、管理サーバ2やポンプ装置5等の外部装置に接続可能となっている。また、近距離無線通信器71は、USBなどの有線通信技術を用いて、管理サーバ2やポンプ装置5等の外部装置に接続してもよい。
【0136】
遠距離無線通信器72は、プロセッサ76により制御され、例えば、遠距離無線通信技術を用いて、管理サーバ2やポンプ装置5などの外部装置と通信可能な任意の通信インタフェースである。具体的には、遠距離無線通信器72は、例えば、移動通信(3G、4G、5G)、Wimax、sigfox(登録商標)などの無線通信技術を用いて、ネットワーク経由で管理サーバ2やポンプ装置5等の外部装置に接続可能となっている。遠距離無線通信器72は、遠距離無線通信部と呼んでもよい。
【0137】
入力機器73は、ユーザ入力を受け付けるための入力I/Fであり、通信端末7に内蔵されてもよいし、通信端末7に外付けされてもよい。入力機器73は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、マイクロフォン、カメラなどであってもよいし、タッチスクリーンのように出力I/Fの機能を備えていてもよい。ユーザ入力は、典型的には、タップ、クリック、ドラッグ、特定のキーの押下などであり得る。このほか、ユーザ入力は、例えば、マイクロフォンによって捉えられる音声などを含むこともできる。また、ユーザ入力は、例えば、カメラにより撮影されたポンプ装置5のQRコード(登録商標)の画像を含んでもよい。また、ユーザ入力は、操作者の操作に応じたポンプ装置5の位置情報を含んでもよい。入力機器73は、ユーザである操作者の操作に応じて、ポンプ装置5の位置情報を入力する入力部の一例である。操作者は、作業員と呼んでもよい。
【0138】
表示機器74は、プロセッサ76の処理に応じて、画像及び/又は音声を出力するための出力I/Fの一例であり、動画像、静止画像、テキストなどを表示するための表示デバイスを含み得る。表示機器74は、音声、楽曲などを出力するためのスピーカを含んでもよい。「表示機器」は「出力機器」と読み替えてもよい。表示デバイスは、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(electroluminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどである。表示デバイスは、コンテンツを含む表示データを表示する。なお、表示デバイスは、タッチスクリーンのように入力I/Fの機能を備えていてもよい。
【0139】
メモリ75は、プロセッサ76が各処理を実現するために当該プロセッサ76によって実行されるプログラム、および当該プロセッサ76によって使用されるデータなどを記憶する。メモリ75は、かかるプログラム/データが展開されるワークエリアを有するRAMを含み得る。プログラムとしては、例えば、ファームウェア、OS、通信プログラムなどが適宜、記憶される。データとしては、例えば、コード、運転データ、テーブルなどが適宜、記憶される。
【0140】
プロセッサ76は、典型的にはCPUであるが、マイコン、GPU、FPGA、DSP、またはその他の汎用または専用のプロセッサなどであってもよい。プロセッサ76は、管理サーバ2とポンプ装置5との間に介在して、ポンプ装置5を管理する処理を実行するものである。プロセッサ76は、メモリ75に保存されたプログラムを実行することで、
図16の通信接続部761、メンテナンス処理部762及び決済処理部763として機能し得る。
【0141】
通信接続部761は、遠距離無線通信器72を介して、ポンプ装置5又は管理サーバ2との遠距離無線通信の接続を確立する。また、通信接続部761は、近距離無線通信器71を介して、ポンプ装置5又は管理サーバ2との近距離無線通信の接続を確立する。但し、通信接続部761は、一般的に管理サーバ2から遠く離れた場所のポンプ装置5の近くで使用されることから、ポンプ装置5との間で近距離無線通信を確立し、管理サーバ2との間で遠距離無線通信を確立する場合が多い。また、通信接続部761は、ポンプ装置5又は管理サーバ2との接続を確立するための何らかのデータを送信することや、操作者の操作に応じて、管理サーバ2にリクエストを送信することもあり得る。あるいは、通信接続部761は、通信端末7とポンプ装置5との接続を確立するための何らかのデータ、例えばポンプ装置5及び通信端末7がそれぞれスキャナおよびアドバタイザとしてBluetoothで接続する場合には、アドバタイザとしてのポンプ装置5からのリクエスト、を受信することもあり得る。
【0142】
メンテナンス処理部762は、作業者によるポンプ装置5のメンテナンスを支援する。具体的には例えば、メンテナンス処理部762は、管理サーバ2から受ける派遣通知を受けると、派遣通知に含まれるポンプ装置5の製造番号、担当者ID、予定日時、作業予定項目、優先順位、位置情報などを表示機器74に表示する。また、メンテナンス処理部762は、作業者による入力機器73の操作に応じて、ポンプ装置5が不良品の場合の当該ポンプ装置5の製造番号が入力されると、当該製造番号を含む不良品報告を管理サーバ2に送信する。
【0143】
決済処理部763は、ポンプ装置5のメンテナンス後の決済処理を支援する。具体的には例えば、決済処理部763は、ポンプ装置5から作業費用の二次元コード及びポンプ装置5の製造番号を受けると、当該二次元コードを表示機器74に表示する。また例えば、決済処理部763は、入力機器73の操作に応じて、作業費用の支払い管理番号が入力されると、当該ポンプ装置5の製造番号及び当該支払い管理番号を管理サーバ2に送信する。
【0144】
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0145】
以下、
図17乃至
図20を参照しながら、第2の実施形態における異常時運用の動作例を説明する。異常時運用の動作例は、主に、異常時処理に関するステップS50を含んでいる。これに加え、災害発生時のステップS60と、作業員派遣時のステップS70と、不良品報告時のステップS80と、決済処理のステップS90とが適宜、実行される。付け加えたステップS60~S90は、任意の付加的事項であり、適宜、省略可能である。以下、ステップS50~S90の動作例について順に述べる。ステップS50~S90は、
図17に示すように、前述したステップS10~S40よりも先行して実行される。
【0146】
(ステップS50:異常時処理)
始めに、異常時処理のステップS50は、ステップS51~S54により実行される。まず、ポンプ装置5のプロセッサ58は、ポンプ部60の運転データを取得(計測)すると共に(ステップS51)、当該運転データが異常か否かを判定する(ステップS52)。この判定は、具体的には例えば、運転データが閾値以上か否かを判定することにより行う。ステップS52の判定の結果、否の場合にはステップS50を終了し、ステップS10に移行する。
【0147】
一方、ステップS52の判定の結果、異常の場合、プロセッサ58は、当該ポンプ装置5の製造番号及び異常コードを含む異常発報を管理サーバ2に送信する(ステップS53)。異常発報は、異常発生時に送信されるため、非定期に送信される。
【0148】
ステップS53の終了後、管理サーバ2のプロセッサ26は、ポンプ装置5から受けた異常発報に基づき、異常時処理を実行する(ステップS54)。具体的には例えば、プロセッサ26は、異常発報内の製造番号に基づいて、管理データテーブルT2内の運転データのうちの最大値のデータと、パラメータのうちの定格とを検索する。また、プロセッサ26は、検索結果に基づいて、当該最大値のデータを上回る定格のうち、最小の定格を出荷データテーブルT1から抽出する。しかる後、プロセッサ26は、出荷データテーブルT1内で当該最小の定格に関連付けられた機種を当該推奨する機種として選定する。
【0149】
なお、推奨する機種の選定に加え、プロセッサ26は、異常発報内の製造番号に基づいて、管理データテーブルT2内の機種データを検索してもよい。また、プロセッサ26は、当該機種データと、異常発報内の異常コードとに基づいて交換品テーブルT6から交換機種や推奨機種を読み出してもよい。
【0150】
また、プロセッサ26は、当該推奨する機種に基づいて、在庫テーブルT5内の在庫データを検索し、当該検索した在庫データ及び当該推奨する機種を出力する。また、プロセッサ26は、当該在庫データ及び当該推奨する機種の出力先から出荷指示を受けると、当該推奨する機種が示す交換用のユニット又は部品の保管先に対して出荷指示を出力する。
【0151】
なお、プロセッサ26は、推奨する機種の出力先から出荷指示を受けず、別機種の出力指示を受けると、交換品テーブルT6から読み出した交換機種に基づいて在庫テーブルT5内の在庫データを検索し、当該検索した在庫データ及び当該交換機種を出力する。また、プロセッサ26は、当該在庫データ及び当該交換機種の出力先から出荷指示を受けると、当該交換機種が示す交換用のユニット又は部品の保管先に対して出荷指示を出力する。
【0152】
また、プロセッサ26は、交換機種の出力先から出荷指示を受けず、別機種の出力指示を受けると、交換品テーブルT6から読み出した推奨機種に基づいて在庫テーブルT5内の在庫データを検索し、当該検索した在庫データ及び当該推奨機種を出力する。また、プロセッサ26は、当該在庫データ及び当該推奨機種の出力先から出荷指示を受けると、当該推奨機種が示す交換用のユニット又は部品の保管先に対して出荷指示を出力する。
【0153】
以上のステップS51~S54の実行により、ステップS50が終了する。
【0154】
(ステップS60:災害発生時)
ステップS50の終了後、災害発生時のステップS60が、ステップS61~S63により実行される。まず、管理サーバ2のプロセッサ26は、ポンプ装置5から一定数の異常発報を受けたか否かを判定する(ステップS61)。この判定は、例えば、ポンプ装置5から受信した識別データ及び異常コードの件数が閾値(一定数)を超えたか否かを判定することにより行う。ステップS61の判定の結果、否の場合にはステップS60を終了する。
【0155】
一方、ステップS61の判定の結果、一定数の異常発報を受けた場合、プロセッサ26は、災害発生時のマップ処理を実行する(ステップS62)。例えば、プロセッサ26は、当該異常発報内の異常コードの送信元のポンプ装置5を設置した地域に関する気象情報を取得する。これは、例えば、予め登録した気象庁のホームページのURL等を用いて気象情報を取得する。また、プロセッサ26は、当該取得した気象情報が洪水注意報又は洪水警報を示すとき、洪水注意報又は洪水警報の地域をマップ情報内の地域に関連付ける。
【0156】
ステップS62の終了後、プロセッサ26は、当該地域内のポンプ装置5に要求を送信し、当該要求に対する応答の有無を確認する。また、プロセッサ26は、当該地域内のポンプ装置5の位置を示すマップ情報に対し、当該確認した結果を関連付けて記述する(ステップS63)。以上のステップS61~S63の実行により、ステップS60が終了する。
【0157】
(ステップS70:作業員派遣時)
ステップS60の終了後、
図18に示すように、作業員派遣時のステップS70が、ステップS71~S73により実行される。まず、管理サーバ2のプロセッサ26は、異常発報内のポンプ装置5の製造番号に基づいて、管理データテーブルT7内の位置情報を検索することにより、当該ポンプ装置5の設置場所を示す位置情報を取得する。続いて,プロセッサ26は、取得したポンプ装置5の位置情報に基づいて作業管理テーブルT7内の位置情報を検索することにより、ポンプ装置5の位置情報に中間一致する作業員の位置情報を取得する(ステップS71)。
【0158】
ステップS71の終了後、プロセッサ26は、取得した作業員の位置情報に基づいて、作業管理テーブルT7を修正することにより、当該作業員をポンプ装置5の設置場所に派遣するための派遣処理を実行する(ステップS72)。派遣処理においては、例えば、当初の作業予定に対する延期有無のフラグを延期なし「0」から延期有「1」に修正する。また、異常により交換作業を行うポンプ装置5の製造番号を記述し、当該ポンプ装置5の製造番号に関連付けて当初の予定日時及び担当者IDと、ポンプ装置5の位置情報と、作業予定項目「交換」と、優先順位「1」とを記述する。
【0159】
ステップS72の終了後、プロセッサ26は、派遣処理で記述したポンプ装置5の製造番号、担当者ID、予定日時、作業予定項目、優先順位、位置情報などを含む派遣通知を当該作業員の通信端末7に送信する(ステップS73)。しかる後、プロセッサ26は、当該派遣通知に対する受領通知を確認する。以上のステップS71~S73の実行により、ステップS70が終了する。
【0160】
(ステップS80:不良品報告時)
ステップS70の終了後、不良品報告時のステップS80が、ステップS81~S83により実行される。まず、派遣された作業員により、ポンプ装置5のユニット交換又は部品交換が行われる。ここで、故障したポンプ装置5のユニット又は部品が不良品だったとする。このとき、通信端末7のプロセッサ76は、作業者による入力機器73の操作に応じて、ポンプ装置5が不良品の場合の当該ポンプ装置5の製造番号が入力されると、当該製造番号を含む不良品報告を管理サーバ2に送信する(ステップS81)。
【0161】
ステップS81の終了後、管理サーバ2のプロセッサ26は、不良品報告内の製造番号に基づいて、当該製造番号のロットと同一ロットである製造番号を管理データテーブルT2から抽出する。また、プロセッサ26は、同一ロットの製造番号に対応する運転データを管理データテーブルT2から抽出し、当該運転データに基づいて、当該同一ロットのポンプ装置5が不良品か否かを判定する(ステップS82)。否の場合にはステップS80を終了する。
【0162】
一方、ステップS82の判定の結果、不良品の場合、プロセッサ26は、ロット不良時のマップ処理を実行する(ステップS83)。このマップ処理において、プロセッサ26は、例えば、同一ロットの製造番号に基づいて、マッピング情報テーブルT4内の表示態様を、不良品を示す色に変更する。これにより、マップ情報を表示したとき、マップ情報上で、不良品のロットに対応するポンプ装置5のアイコンが全て不良品を示す色で表示される。以上のステップS81~S83の実行により、ステップS80が終了する。
【0163】
(ステップS90:決済処理)
ステップS80の終了後、
図19に示すように、決済処理のステップS90が、ステップS91~S99により実行される。派遣された作業員により、ポンプ装置5のユニット交換又は部品交換の作業が終了したとする。通信端末7のプロセッサ76は、作業者による入力機器73の操作に応じて、前述した派遣通知と、実際の作業項目とを含む作業終了報告書を作成する(ステップS91)。なお、作業終了報告書は、これに限らず、ポンプ装置5の製造番号と、実際の作業項目とを含んでいればよい。
【0164】
ステップS91の終了後、通信端末7のプロセッサ76は、入力機器73の操作に応じて、作業終了報告書をメール本文に含む作業終了通知を管理サーバ2に送信する(ステップS92)。また同様に、作業終了通知は、これに限らず、ポンプ装置5の製造番号と、実際の作業項目とを含んでいればよい。
【0165】
ステップS92の終了後、管理サーバ2のプロセッサ26は、通信端末7からポンプ装置5の製造番号及び作業項目を含む作業終了通知を受けると、作業項目毎の費用と、所定の出張費用と、交換した機種の費用とを合計した作業費用を算出する(ステップS93)。
【0166】
ステップS93の終了後、管理サーバ2のプロセッサ26は、算出した作業費用をポンプ装置5の製造番号に関連付けて作業管理テーブルT7に保存すると共に、当該作業費用をポンプ装置5に送信する(ステップS94)。
【0167】
ステップS94の終了後、ポンプ装置5のプロセッサ58は、管理サーバ2から作業費用を受けると、当該作業費用を二次元コードに変換する(ステップS95)。
【0168】
ステップS95の終了後、ポンプ装置5のプロセッサ58は、当該作業費用及び二次元コードを表示機器56に表示する(ステップS96)。このとき、客先であるユーザの通信端末は、二次元コードを撮影し、二次元コードを変換して得られた作業費用に対して、コード決済による支払い処理を実行する。これにより、ユーザの通信端末には、コード決済完了時に発行される支払い管理番号が表示される。
【0169】
ステップS96の終了後、ポンプ装置5のプロセッサ58は、作業費用及び二次元コードの表示中に、ユーザの操作により、入力機器53から支払い管理番号が入力される(ステップS97)。
【0170】
ステップS97の終了後、ポンプ装置5のプロセッサ58は、ユーザによる入力機器53の操作により、当該支払い管理番号及びポンプ装置5の製造番号を管理サーバ2に送信する(ステップS98)。
【0171】
ステップS98の終了後、管理サーバ2のプロセッサ26は、ポンプ装置5から支払い管理番号及びポンプ装置5の製造番号を受けると、当該支払い管理番号を承認する(ステップS99)。しかる後、プロセッサ26は、当該支払い管理番号を当該製造番号に関連付けて作業管理テーブルT7に保存する。以上のステップS91~S99の実行により、
図19に示したステップS90が終了する。
【0172】
(ステップS90の変形例)
なお、ステップS90は、
図20に示すように変形してもよい。すなわち、ステップS96~S98に代えて、以下のようにステップS96a-1~S96a-3、S97a、S98a、S99を実行してもよい。
【0173】
ステップS96a-1~S96a-2では、ポンプ装置5のプロセッサ58は、当該作業費用を表示機器56に表示し、二次元コードを作業員の通信端末7に送信する。
【0174】
ステップS96a-3では、作業員の通信端末7は、ポンプ装置5から受けた二次元コードを表示機器74に表示する。このとき、客先であるユーザの通信端末は、二次元コードを撮影し、二次元コードを変換して得られた作業費用に対して、コード決済による支払い処理を実行する。これにより、ユーザの通信端末には、コード決済完了時に発行される支払い管理番号が表示される。
【0175】
ステップS97aでは、通信端末7のプロセッサ76は、二次元コードの表示中に、作業員の操作により、入力機器73から支払い管理番号が入力される。
【0176】
ステップS98aでは、通信端末7のプロセッサ76は、作業員による入力機器73の操作により、当該支払い管理番号及びポンプ装置5の製造番号を管理サーバ2に送信する。
【0177】
ステップS99では、管理サーバ2のプロセッサ26は、通信端末7から支払い管理番号及びポンプ装置5の製造番号を受けると、当該支払い管理番号を承認する。しかる後、プロセッサ26は、当該支払い管理番号を当該製造番号に関連付けて作業管理テーブルT7に保存する。以上の
図20に示したように、ステップS90を実行してもよい。いずれにしても、ステップS90は終了する。
【0178】
上述したように第2の実施形態によれば、管理サーバにおいて、ポンプ装置の機種及び運転データの定格を関連付けて記憶し、設置済みのポンプ装置から当該ポンプ装置の識別データ及び運転データを周期的に受信する。設置済みのポンプ装置から当該ポンプ装置の識別データ及び異常コードを非定期に受信し、異常コードを受信すると、運転データに基づいて、記憶している機種のうち、推奨する機種を選定する。当該運転データは、設置済みのポンプ装置で取得された運転データのうちの最新のデータと、過去の所定期間内に取得された運転データのうちの最大値のデータとを含んでいる。また、当該最大値のデータを上回る定格のうち、最小の定格に関連付けられた機種を推奨する機種として選定する。従って、異常コードを受信した際に、周期的に送信されていた運転データから、推奨する機種のポンプ装置を選定することが可能となる。このように、ポンプ装置と管理サーバとの間で、推奨する機種のポンプ装置を選定するための通信を実現することができる。また、管理サーバにおいて、設置済みのポンプ装置の機種が最適か否かを管理できるので、ポンプ装置の管理をより適切に行うことができる。
【0179】
また、第2の実施形態によれば、管理サーバにおいて、ポンプ装置の機種及び在庫データを関連付けて記憶する。推奨する機種に基づいて、当該記憶した在庫データを検索する。当該検索された在庫データ及び当該推奨する機種を出力する。従って、上記異常コードからポンプ装置の機種の交換が必要なときに、推奨する機種とその在庫を把握でき、異常発生時の対応を迅速に行うことができる。
【0180】
また、第2の実施形態によれば、在庫データ及び推奨する機種の出力先から出荷指示を受けると、推奨する機種が示す交換用のユニット又は部品の保管先に対して出荷指示を出力する。従って、在庫データ及び推奨する機種の出力と、当該推奨する機種に対する出荷指示との間に、在庫データ及び推奨する機種の出力先における確認作業を介在させることができる。このため、拙速な出荷指示を避けることができるので、ポンプ装置の管理をより適切に行うことができる。
【0181】
また、第2の実施形態によれば、管理サーバにおいて、受信した識別データ及び異常コードの件数が閾値を超えたとき、異常コードの送信元のポンプ装置を設置した地域に関する気象情報を取得する。また、当該取得した気象情報が洪水注意報又は洪水警報を示すとき、当該地域内のポンプ装置に要求を送信し、要求に対する応答の有無を確認する。また、当該地域内のポンプ装置の位置を示す地図情報に対し、当該確認した結果を関連付けて記述する。従って、自然災害による異常発生時の対応を迅速に行うことが期待できる。
【0182】
また、第2の実施形態によれば、管理サーバにおいて、作業員の位置情報に基づいて派遣処理を実行するので、異常発生時に、作業員の派遣を迅速に行うことができる。
【0183】
また、第2の実施形態によれば、管理サーバにおいて、不良品報告を受けると、同一ロットのポンプ装置が不良品か否かを判定し、不良品の場合に地図情報の表示態様を変更する。従って、不良品である同一ロットのポンプ装置を地図情報上で示すことができ、不良品の交換作業を迅速に行うことが期待できる。
【0184】
また、第2の実施形態によれば、二次元コードによるコード決済を組み込んだ決済処理により、ユーザの個人情報を保護しつつ、交換作業の決済を済ませることができる。
【0185】
上述の実施形態は、本発明の概念の理解を助けるための具体例を示しているに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図されていない。実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な構成要素の付加、削除または転換をすることができる。
【0186】
上述の実施形態では、いくつかの機能部を説明したが、これらは各機能部の実装の一例に過ぎない。例えば、1つの装置に実装されると説明された複数の機能部が複数の別々の装置に亘って実装されることもあり得るし、逆に複数の別々の装置に亘って実装されると説明された機能部が1つの装置に実装されることもあり得る。
【0187】
上記各実施形態において説明された種々の機能部は、回路を用いることで実現されてもよい。回路は、特定の機能を実現する専用回路であってもよいし、プロセッサのような汎用回路であってもよい。
【0188】
上記各実施形態の処理の少なくとも一部は、例えば汎用のコンピュータに搭載されたプロセッサを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
【0189】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0190】
1,2・・・管理サーバ、5-1,5-2,5-3,5-4・・・ポンプ装置、7-1,7-2・・・通信端末、21,51,71・・・近距離無線通信器、22,52,72・・・遠距離無線通信器、23,55・・・インタフェース、25,57,75・・・メモリ、26,58,76・・・プロセッサ、53,73・・・入力機器、56,74・・・表示機器、50・・・制御盤、54・・・インバータ、60・・・ポンプ部、261,581,761・・・通信接続部、262・・・通常運用部、262a・・・日常監視部、262b,263b・・・マップ処理部、262c・・・設定部、262d,583・・・書込処理部、262e・・・通信監視部、263・・・異常時運用部、263a・・・異常時処理部、263c,584,763・・・決済処理部、582・・・監視処理部、762・・・メンテナンス処理部、T1・・・出荷データテーブル、T2・・・管理データテーブル、T3・・・ユーザ情報テーブル、T4・・・マッピング情報テーブル、T5・・・在庫テーブル、T6・・・交換品テーブル、T7・・・作業管理テーブル。