(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】ユニット連結構造
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20240723BHJP
H01R 31/06 20060101ALI20240723BHJP
H05K 5/06 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
H05K5/02 V
H01R31/06 Z
H05K5/02 T
H05K5/06 D
(21)【出願番号】P 2020182571
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】511146794
【氏名又は名称】株式会社Braveridge
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】植田 義孝
(72)【発明者】
【氏名】加藤 竜巳
(72)【発明者】
【氏名】吉原 将也
(72)【発明者】
【氏名】恒松 司
(72)【発明者】
【氏名】手嶋 俊彦
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-128774(JP,A)
【文献】特開2013-069263(JP,A)
【文献】特表2007-536590(JP,A)
【文献】特開2014-164156(JP,A)
【文献】実開昭58-094280(JP,U)
【文献】実開昭56-137545(JP,U)
【文献】特開2020-072068(JP,A)
【文献】実開昭61-081188(JP,U)
【文献】特開平07-288120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
H01R 31/06
H05K 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器が内蔵されたユニット同士を連結するためのユニット連結構造において、
前記ユニットは、前記電気機器が内部に収納され、円周面が形成された内筒部を有すると共に、前記内筒部の端部に形成され、他のユニットの連結面と対向する連結面を有する本体部と、前記本体部の円周面を回転自在に囲う円筒状のケース部とを備え、
前記連結面には、前記電気機器と電気的に接続されると共に、前記他のユニットの連結面に配置された一方のコネクタと電気的に接続するための他方のコネクタが配置され、
前記ユニットの端部には、前記連結面が前記ケース部の周縁より奥側に引っ込んでおり、前記ケース部の開口縁部に内側に向かって突出する突起部が形成された第1連結部が形成され、
前記第1連結部と連結する前記他のユニットの端部には、前記本体部が前記ケース部より突出した突出部の円周面に、前記突起部が差し込まれる凹溝が円周方向に沿って形成された第2連結部が形成され
、
前記内筒部には、開口縁部に立設され、挿抜方向に弾性的に移動する凸部が形成され、
前記ケース部には、前記ケース部が軸回転するときの前記凸部の初期位置と、嵌合が完了する終了位置とに凹部が一対形成されたユニット連結構造。
【請求項2】
前記凹溝は、嵌合方向とは反対の離脱方向に向かって側壁が開いた挿入部であり、前記突起部の円周方向の長さ以上の開口幅と突起部の挿抜方向の厚み以上の溝幅とを有する挿入部から円周方向に沿って進むに従って狭くなって前記突起部を円周方向に案内するように延びる円弧状に形成された請求項1記載のユニット連結構造。
【請求項3】
前記ケース部の内周面に凸部が形成され、
前記内筒部には、前記凸部が移動する切り欠き部が、前記ケース部が軸回転するときの前記凸部の初期位置から終了位置までの長さに形成された請求項1
または2記載のユニット連結構造。
【請求項4】
前記第1連結部における前記連結面には、前記他方のコネクタが配置される長方形状の貫通孔の周囲に凸部または凹部のいずれか一方による識別部が形成され、
前記第2連結部における前記連結面には、前記一方のコネクタが配置される長方形状の貫通孔の周囲に、前記一方の識別部と嵌る凸部または凹部のいずれか他方による識別部が形成され、
前記識別部は、前記貫通孔の一方の長辺側の幅が、他方の長辺側の幅より広い請求項1から
3のいずれかの項に記載のユニット連結構造。
【請求項5】
前記第1連結部における連結面の周縁には、パッキン部が形成された請求項1から
4のいずれかの項に記載のユニット連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種のユニットが交換可能に直列に連結できるユニット連結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
様々な機能を有する各種のユニットが連結して、多機能な装置を構成することが知られている。例えば、特許文献1に記載の卓上電源中継装置およびそれに用いる連結ユニットは、第1~第5の連結ユニットが統一されたデザインであり、かつ、相互に着脱可能であるため、連結順序を変更したり、いずれかの連結ユニットを離脱させたり、あるいは新たな機能を有する連結ユニットを増設させることができるというものである。
【0003】
この連結ユニットは、例えば、第2の連結ユニットを第1の連結ユニットに連結する際には、第2のACプラグが起立されて、第1の本体の第1のコネクタに接続され、また、第1の本体の第1の凹部に、第2の本体の第2の突出部が嵌入されることにより、第2の連結ユニットが第1の連結ユニットからの給電によってACタップとして利用できる。
【0004】
また、電子機器に増設装置を連結するものではあるが、特許文献2に記載されたものが知られている。
この特許文献2に記載の電子機器用増設装置の接続構造は、軸方向に2分割される円筒状連結具の一方を電子機器本体に設け、他方を増設装置に設けてなり、円筒状連結具の一方に、周方向へ沿うと共に、円筒の外観に向かって開放された係止用凹溝を2箇所設け、かつ円筒状連結具の他方に、係止用凹溝に嵌合する係止片を設け、円筒状の連結具の内側に増設装置用接続ケーブルを配線したというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-103165号公報
【文献】実開平3-104972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の卓上電源中継装置およびそれに用いる連結ユニットでは、第1の本体の第1の凹部に、第2の本体の第2の突出部が嵌入されることにより連結しているだけなので、簡単にはずれるおそれがある。
この点、特許文献2に記載の電子機器用増設装置の接続構造では、係止用凹溝に係止片を嵌合しているため、しっかりと嵌め合わせることが可能であるが、接続ケーブルが露出した状態であるため、取り扱い方によっては断線のおそれがある。
【0007】
そこで本発明は、電気的に高い接続信頼性が得られ、ユニット同士をしっかりと嵌合させることができるユニット連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のユニット連結構造は、電気機器が内蔵されたユニット同士を連結するためのユニット連結構造において、前記ユニットは、前記電気機器が内部に収納され、円周面が形成された内筒部を有すると共に、前記内筒部の端部に形成され、他のユニットの連結面と対向する連結面を有する本体部と、前記本体部の円周面を回転自在に囲う円筒状のケース部とを備え、前記連結面には、前記電気機器と電気的に接続されると共に、前記他のユニットの連結面に配置された一方のコネクタと電気的に接続するための他方のコネクタが配置され、前記ユニットの端部には、前記連結面が前記ケース部の周縁より奥側に引っ込んでおり、前記ケース部の開口縁部に内側に向かって突出する突起部が形成された第1連結部が形成され、前記第1連結部と連結する前記他のユニットの端部には、前記本体部が前記ケース部より突出した突出部の円周面に、前記突起部が差し込まれる凹溝が円周方向に沿って形成された第2連結部が形成されたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明のユニット連結構造によれば、本体部の連結面に配置されたコネクタ同士を接続して、ユニットのケース部を回転させて、ケース部の突起部を、他のユニットの本体部に形成された凹溝に嵌め込むことができるので、コネクタ同士を接続した状態で、ユニット同士を連結することができる。
【0010】
前記凹溝は、嵌合方向とは反対の離脱方向に向かって側壁が開いた挿入部であり、前記突起部の円周方向の長さ以上の開口幅と突起部の挿抜方向の厚み以上の溝幅とを有する挿入部から円周方向に沿って進むに従って狭くなって前記突起部を円周方向に案内するように延びる円弧状に形成されたものとすることができる。
嵌合方向とは反対の離脱方向に向かって側壁が開いた挿入部が、突起部の円周方向の長さ以上の開口幅と突起部の挿抜方向の厚み以上の溝幅とを有しているため、突起部を挿入部に挿入しやすく、ケース部を回転させると突起部を凹溝の奥側にスムーズに案内させることができる。
【0011】
前記内筒部には、開口縁部に立設され、挿抜方向に弾性的に移動する凸部が形成され、前記ケース部には、前記ケース部が軸回転するときの前記凸部の初期位置と、嵌合が完了する終了位置とに凹部が一対形成されたものとすることができる。
ケース部が軸回転し始めると、凸部が弾性的に移動して引っ込むことで一方の凹部から外れ、嵌合が終了すると、凸部を他方の凹部に嵌めることができる。従って、凸部が他方の凹部に嵌る際のクリック感により嵌合が終了したことを認知することができる。
【0012】
前記ケース部の内周面に凸部が形成され、前記内筒部には、前記凸部が移動する切り欠き部が、前記ケース部が軸回転するときの前記凸部の初期位置から終了位置までの長さに形成されたものとすることができる。ケース部を軸回転させ、嵌合が終了すると、ケース部の内周面に形成された凸部が、切り欠き部の端壁に当たることで、ケース部の軸回転を抑止することができる。
【0013】
前記第1連結部における前記連結面には、前記他方のコネクタが配置される長方形状の貫通孔の周囲に凸部または凹部のいずれか一方による識別部が形成され、前記第2連結部における前記連結面には、前記一方のコネクタが配置される長方形状の貫通孔の周囲に、前記一方の識別部と嵌る凸部または凹部のいずれか他方による識別部が形成され、前記識別部は、前記貫通孔の一方の長辺側の幅が、他方の長辺側の幅より広いものとすることができる。
そのため、両方のコネクタが小さくて台形状の接続口の向きが認知し難くても、識別部の向きを確認することで、コネクタの向きを認識できるため、スムーズに、かつ確実にコネクタ同士を接続することができる。
【0014】
前記第1連結部における連結面の周縁には、パッキン部が形成されたものとすることができる。ケース部より本体部が引っ込んだ第1連結部にパッキン部が形成されているため、パッキン部を第2連結部との連結を密着させる防水パッキンとして機能させることができるので、内筒部への水の浸入を阻止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のユニット連結構造によれば、コネクタ同士を接続した状態で、ユニット同士を連結することができるので、電気的に高い接続信頼性が得られ、ユニット同士をしっかりと嵌合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る監視装置を示す図である。
【
図2】
図1に示す監視装置の第1ユニットの図であり、(A)は第1ユニットの斜視図、(B)は第1ユニットの一部断面図である。
【
図3】
図1に示す監視装置の第2ユニットの図であり、(A)は第1連結部側から見た斜視図、(B)は第2連結部側から見た斜視図、(C)は内筒部に形成された凸部とケース部に形成された一対の凹部とを説明するための図、(D)はケース部に形成された凸部と内筒部に形成された切り欠き部とを説明するための図、(E)は第2ユニットの断面図である。
【
図4】
図1に示す監視装置の第3ユニットの図であり、(A)は第1連結部側から見た斜視図、(B)は(A)の第1連結部側を反対側から見た斜視図、(C)は第2連結部側から見た斜視図、(D)は内筒部に形成された凸部とケース部に形成された一対の凹部とを説明するための図、(E)はケース部の内周面に形成された凸部と、本体部の内筒部に形成された切り欠き部とを説明するための図である。
【
図5】
図1に示す監視装置の第4ユニットの図であり、(A)は円柱状の本体部の斜視図、(B)は第2連結部側から見た斜視図、(C)は第4ユニットの断面図である。
【
図6】
図1に示す監視装置に連結可能な第5ユニットの図であり、(A)は第5ユニットの正面図、(B)は第5ユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態に係るユニット連結構造を、監視装置を例に、図面に基づいて説明する。
図1に示す監視装置1は、屋外に設置され、例えば、水位を監視することができるものである。監視装置1は、第1ユニット10から第4ユニット40の各ユニットが交換可能に直列に連結されている。
【0018】
第1ユニット10は、支柱Pに連結するための連結用ユニットである。第2ユニット20は、電気機器の一例である電池が内蔵され、電源を供給する電源ユニットである。第3ユニット30は、カメラが内蔵され、撮影した画像を出力する撮影ユニットである。第4ユニット40は、入力した信号を無線信号により、監視センターに画像を送信する送信ユニットである。
【0019】
図2(A)に示すように、第1ユニット10は、支柱P(
図1参照)に巻かれる一対の環状のバンド11aが支柱の上下方向に沿って並べられた取付部11と、取付部11の上部に配置された軸部(図示せず)に、角度が変更可能に取り付けられた首部12と、首部12の上部に設けられ、他のユニットと連結するための頭部13とを備えている。頭部13は、下端部が首部12と一体的に接続された本体部14と、本体部14を囲う外筒となるケース部15とを備えている。
この本体部14とケース部15とにより、上端部に、雌型連結部である第1連結部110が形成されている。
【0020】
図3(A)および同図(B)に示すように、第2ユニット20は、図示しない電池が内蔵され、円周面が形成された本体部21と、本体部21の円周面を囲う外筒となるケース部22とを備えている。この本体部21とケース部22とにより、一方の端部に、雌型連結部である第1連結部110が形成され、他方の端部に他のユニットの第1連結部110に嵌合する雄型連結部である第2連結部120が形成されている。
【0021】
図4(A)および同図(B)に示すように、第3ユニット30は、カメラ31aが内蔵され、円周面が形成された本体部31と、本体部31の円周面を囲う外筒となるケース部32とを備えている。この本体部31とケース部32とにより、一方の端部に、第1連結部110が形成され、他方の端部に第2連結部120が形成されている。
【0022】
図5(A)および同図(B)に示すように、第4ユニット40は、図示しない通信機器が内蔵された円柱状の本体部41と、本体部41の円周面を囲う外筒となるケース部42とを備えている。この本体部41とケース部42とにより、底面となる端部に第2連結部120が形成されている。
【0023】
ここで、本実施の形態に係るユニット嵌合構造について、図面に基づいて詳細に説明する。
まず、第1ユニット10の第1連結部110について、
図2(A)および同図(B)に基づいて説明する。
【0024】
本体部14は、下端部が首部12と接続された椀状部141と、椀状部141の開口縁部から円筒状に延びて円周面が形成された周壁部142と、周壁部142の上端開口部を塞ぐ蓋部となる連結部143とが形成されている。
【0025】
椀状部141の縁部には、その幅が周壁部142の厚みより幅広く形成されていることから、棚部144が形成されている。棚部144には、ケース部15の下端が搭載されている。また、周壁部142とケース部15との間には、椀状部141にねじ止めされる連結部143の連結面1431の周縁から下方に延びる内筒部1432が配置されている。従って、本体部14の内筒部1432の周囲をケース部15が回転自在に配置されている。ケース部15と本体部14には、他ユニットとの連結後に固定するためのねじ孔16が形成され、ねじ17によりねじ止めされる。
【0026】
他のユニットと連結面と対向する連結面1431の中央部には、後述する雄型のコネクタを挿通させるための貫通孔1431aが長方形状に形成されている。
貫通孔1431aの周囲には、第1凸部1431b(凸部)が形成されている。第1凸部1431bは、コネクタが配置される長方形状の貫通孔1431aの一方の長辺側の幅が、他方の長辺側の幅より広い回転非対称に形成されている。
また、連結面1431には、半径方向に沿って延びる棒状の第2凸部1431cが形成され、反対側の半径方向には凸部が形成されていない。
第1凸部1431bと、第2凸部1431cとのそれぞれは、第1ユニット10における軸回転の向きを識別する識別部として機能する。
【0027】
第1凸部1431bには、後述するスイッチを収納するための凹部1431dが形成されている。更に、連結面1431の周縁には、環状のパッキン部18が配置されている。
【0028】
ケース部15の内周面の周縁には、等間隔の3箇所に、円弧状の突起部151が内側に向かって突出して形成されている。
本体部14の連結面1431がケース部15の周縁より奥側に引っ込んでいることにより、ケース部15の周縁と連結面1431とにより、第1連結部110が凹型(雌型)に形成されている。
【0029】
このように第1ユニット10が形成されていることで、本体部14の周囲をケース部15が軸線を中心に回転(以後、これを軸回転と称す。)することができる。また、第1ユニット10の上端部(本体部14とケース部15との上端部)に、雌型連結部である第1連結部110が形成されている。
【0030】
次に、第2ユニット20の嵌合構造について、
図3(A)から同図(D)に基づいて説明する。
図3(A)に示すように、第2ユニット20の第1連結部110は、
図2(A)に示す第1ユニット10の第1連結部110と同形状である。従って、
図3(A)においては、
図2(A)と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
【0031】
図3(A)から同図(D)に示す本体部21には、円筒状により円周面が形成された内筒部2111により、電池(電気機器)が収納される収納部211が形成されている。内筒部2111には、底面となり、内筒部2111の開口部を塞ぎ、他のユニットの連結面と対向する円形状の一方の連結面1431が内筒部2111と一体的に接続されている。
また、本体部21には、収納部211の一方の連結面1431を一方の端部としたときに、他方の端部の開口部を塞ぎ、他のユニットと連結面と対向する他方の連結面212が、収納部211にねじ止めされ、固定されている。
【0032】
第2ユニット20では、貫通孔1431aには、内蔵された電池と電気的に接続されると共に、ユニット間を電気的に接続する一方のコネクタである雌型のコネクタ24が配置されている。
ケース部22と本体部21とには、他ユニットとの連結後に固定するためのねじ孔16が形成され、ねじ孔16にねじ17がねじ止めされている。
【0033】
第2ユニット20の第1連結部110である一方の端部は、
図2(A)に示す第1ユニット10と同様に、本体部21の連結面1431がケース部22の周縁より奥側に引っ込んでいるが、
図3(B)に示す第2連結部120となる他方の端部は、本体部21がケース部22より突出している。
この突出した本体部21(内筒部2111)である突出部の円周面には、凹溝213が、等間隔の3箇所に円周方向F1に沿って形成されている。
【0034】
この凹溝213は、嵌合方向F21とは反対の離脱方向F22に向かって側壁が開いた挿入部213aから円周方向F1に沿って進むに従って嵌合方向F21に向かう円弧状に形成されている。
また、
図3(B)に示す連結面212には、貫通孔212aと、第1凸部1431b(
図2(A)参照)に対応する第1凹部212b(凹部)と、第2凸部1431c(
図2(A)参照)に対応する第2凹部212cとが形成されている。第1凹部212bと、第2凹部212cとのそれぞれは、第2ユニット20における軸回転の向きを識別する識別部として機能する。
【0035】
第2ユニット20では、貫通孔212aには、内蔵された電池(電気機器)と電気的に接続されると共に、ユニット間を電気的に接続するための他方のコネクタである雄型のコネクタ23が貫通することで突出した状態で配置されている。コネクタ23,24には、電池からの配線が接続されることで、第1連結部110または第2連結部120のいずれかに接続しても電源が供給される。
【0036】
図3(C)から同図(E)に示すように、収納部211(本体部21)の内筒部2111における他方の端部の開口縁部には、立設された半円状の凸部2111aが形成されている。また、凸部2111aの挿抜方向F3の移動を許容するために、凸部2111aに近接する周壁に貫通孔2111bが形成されていることで、凸部2111aを支持する弾性部2111cが形成されている。ケース部22の開口縁部は、内筒部2111の開口縁部を覆うように内側に迫り出しており、この迫り出し部分に凸部2111aが収容される凹部221が2箇所に形成されている。この一対の凹部221は、嵌合の際にケース部22が軸回転するときの凸部2111aの初期位置と、嵌合が完了する終了位置とに形成されている。
従って、嵌合の初期位置では、凸部2111aが一方の凹部221に嵌り、終了位置では他方の凹部221に嵌る。
【0037】
また、収納部211(本体部21)の内筒部2111の開口縁部には、ケース部22の内周面に形成された凸部222が移動する円弧状の切り欠き部2111dが形成されている。切り欠き部2111dは、ケース部22が軸回転するときの凸部222の初期位置から終了位置までの長さに形成されている。
【0038】
このように第2ユニット20が形成されていることで、本体部21の円周面をケース部22が回転自在に軸回転する。また、第2ユニット20の一方の端部(本体部21とケース部22との一方の端部)に、雌型連結部である第1連結部110が形成され、他方の端部(本体部21とケース部22との一方の端部)に、雄型連結部である第2連結部120が形成される。
【0039】
次に、第3ユニット30の嵌合構造について、
図4(A)から同図(E)に基づいて説明する。
図4(A)から同図(C)に示すように、第3ユニット30の第1連結部110および第2連結部120は、
図3(A)に示す第2ユニット20の第1連結部110と
図3(B)に示す第2連結部120と同形状であり、本体部31とケース部32とについても同様の構成である。従って、
図4(A)から同図(E)においては、
図3(A)から同図(E)と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
【0040】
本体部31の胴部には、カメラ31aのレンズを覗かせる透明部が形成されている。
このように、本体部31にカメラ31aが内蔵されていても、第2ユニット20(
図3参照)と同様に構成されることで、本体部31の円周面をケース部32が軸回転する。また、第1ユニット10の上端部(本体部31とケース部32との上端部)に、雌型連結部である第1連結部110が形成され、他方の端部(本体部31とケース部32との一方の端部)に、雄型連結部である第2連結部120が形成される。
【0041】
コネクタ23,24には、カメラ31aからの配線が接続されることで、第1連結部110または第2連結部120のいずれかに接続してもカメラ31aからの画像データを受信することができる。
【0042】
次に、第4ユニット40の嵌合構造について、
図5(A)から同図(C)に基づいて説明する。
図5(B)に示すように、第4ユニット40の第2連結部120は、
図3(B)および
図4(C)に示す第2ユニット20および
図3(B)に示す第2連結部120と同形状である。従って、
図5(A)においては、
図3(B)と
図4(C)と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
【0043】
本体部41には、無線通信を行うための回路部品と回路部品に電源を供給するための電池とを搭載するために、搭載面とした円形状の連結面212の周縁に、円筒状の周壁部411が立設されている。
ケース部42は、周壁部411の円周面を囲うと共に、本体部41の開口部を覆う形状に形成されている。ケース部42には、通信状態を示すLED(図示せず)からの光を外部に照射する導光体43が配置されている。
【0044】
図2(A)と、
図3(A)と、
図4(A)とに示すように、第1連結部110の凹部1431dに対応する位置に、電源のオンとオフとを切り替えるスイッチ44が設けられている。
このように第4ユニット40が形成されていることで、他方の端部(本体部41とケース部42との他方の端部)に、雄型連結部である第2連結部120が形成される。
【0045】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係るユニット嵌合構造の使用状態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態では、一方のユニットとして
図3に示す第2ユニット20と、他方のユニットとして
図4に示す第3ユニット30との連結を説明する。
まず、
図4(C)に示す第3ユニット30の第2連結部120を、
図3(A)に示す第2ユニット20に差し込む。このときケース部22の突起部151が凹溝213の挿入部213aに位置するようにして差し込む。そうすると、第3ユニット30の雄型のコネクタ23が第2ユニット20の雌型のコネクタ24に挿入され、接続される。
【0046】
次に、
図3(A)に示す第2ユニット20のケース部22を軸回転させる。ケース部22が本体部21の円周面を回転するため、雄型のコネクタ23と雌型のコネクタ24とが接続された状態でも、ケース部22を軸回転させることができる。
【0047】
ケース部22の軸回転に伴い、ケース部22の突起部151が挿入部213aから凹溝213の奥側に向かって移動する。
図4(C)に示す凹溝213は、突起部151の円周方向の長さ以上の開口幅と突起部151の挿抜方向F3の厚み以上の溝幅とを有する挿入部213aから円周方向F1に沿って進むに従って狭くなって突起部151を円周方向F1に案内するように延びている。そのため、突起部151を挿入部213aに挿入しやすく、ケース部22を回転させると突起部151を凹溝213の奥側にスムーズに案内させることができる。従って、しっかりと第2ユニット20と第3ユニット30とを連結することができる。
【0048】
このようにして、
図3に示す第2ユニット20と
図4に示す第3ユニット30とが、コネクタ23,24を接続した状態で、第2ユニット20のケース部22を回転させて、第3ユニット30の本体部31に嵌め込むことができる。そのため、第1連結部110と第2連結部120とによる連結は、電気的に高い接続信頼性が得られ、ユニット同士をしっかりと嵌合させることができる。
【0049】
図4(E)に示すように、ケース部22には内周面に凸部222が形成され、本体部21の内筒部2111には、切り欠き部2111dが形成されている。従って、ケース部22を軸回転させ、嵌合が終了すると、ケース部22の内周面に形成された凸部222が、切り欠き部2111dの端壁に当たりケース部22の軸回転を抑止する。従って、嵌合の際にケース部22を回し過ぎて突起部151が凹溝213の奥側の端壁に乗り上げてしまうことを防止することができる。
【0050】
また、
図3(C)に示す内筒部2111(本体部21)には凸部2111aが形成され、ケース部22には凸部2111aの嵌合時の初期位置と終了位置とに一対の凹部221が形成されている。従って、ケース部22が軸回転し始めると、凸部2111aが弾性的に移動して貫通孔2111b側に引っ込むことで一方の凹部221から外れ、嵌合が終了すると、凸部2111aが他方の凹部221に嵌る。
【0051】
そのため、凸部2111aが他方の凹部221に嵌る際のクリック感により嵌合が終了したことを認知することができるため、ケース部22を回し過ぎることを抑止することができる。
【0052】
図3(A)に示す連結面1431に雌型のコネクタ24が配置される長方形状の貫通孔1431aの周囲に第1凸部1431bが形成され、この第1凸部1431bは、貫通孔1431aの一方の長辺側の幅が、他方の長辺側の幅より広い。また、同様に、
図4(C)に示す連結面212に雄型のコネクタ23が配置される長方形状の貫通孔212aの周囲に第1凹部212bが形成され、この第1凹部212bは、貫通孔212aの一方の長辺側の幅が、他方の長辺側の幅より広い。
【0053】
そのため、コネクタ23,24が小さくて台形状の接続口の向きが認知し難くても、第1凸部1431bまたは第1凹部212bの向きを確認することで、コネクタ23,24の向きを認識できるため、スムーズに、かつ確実にコネクタ23,24同士を接続することができる。
【0054】
図3(A)に示す第2ユニット20の第1連結部110における連結面1431の周縁には、パッキン部18が形成されている。そのため、
図4(C)に示す第3ユニット30の第2連結部120における連結面212を、
図3(A)に示す第2ユニット20の第1連結部110における連結面1431に突き合わせたときに、連結面212と連結面1431と密着させることができるので、パッキン部18を水の浸入を阻止する防水パッキンとして機能させることができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、
図1に示すように支柱Pに第1ユニット10が連結され、第1ユニット10から第2ユニット20,第3ユニット30、第4ユニット40の順に積み上げるように連結されているが、第1連結部110と第2連結部120(例えば、
図3参照)との組み合わせであれば連結できるので、第2ユニット20と第3ユニット30とは入れ替えることができる。また、第2ユニット20と第3ユニット30とのいずれかを取り外すこともできる。
【0056】
更に、
図1に示す第1ユニット10の代わりに、
図6(A)に示す第5ユニット50を、第2ユニット20に連結することも可能である。
図6(A)および同図(B)に示す第5ユニット50は、水位計である。なお、
図6(B)においては、
図2(A)、
図3(A)および
図4(A)と同じ構成のものは同符号を付している。
【0057】
第5ユニット50には、頂部に第1連結部110が形成されている。この第5ユニット50の第1連結部110を、
図3に示す第2ユニット20に連結することで、第2ユニット20から電源が供給され、第4ユニット40に、第3ユニット30の画像と共に、水位データを出力することができ、第4ユニット40から水位データを無線通信により送信することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、様々な機能を有するユニットが連結できるので、機能を選択することができ、機能拡張も容易であるので、様々な装置に適用できる。
【符号の説明】
【0059】
1 監視装置
10 第1ユニット
11 取付部
11a バンド
12 首部
13 頭部
14 本体部
141 椀状部
142 周壁部
143 連結部
1431 連結面
1431a 貫通孔
1431b 第1凸部
1431c 第2凸部
1431d 凹部
1432 内筒部
144 棚部
15 ケース部
151 突起部
16 ねじ孔
17 ねじ
18 パッキン部
20 第2ユニット
21 本体部
211 収納部
2111 内筒部
2111a 凸部
2111b 貫通孔
2111c 弾性部
2111d 切り欠き部
212 連結面
212a 貫通孔
212b 第1凹部
212c 第2凹部
213 凹溝
213a 挿入部
22 ケース部
221 凹部
222 凸部
23,24 コネクタ
30 第3ユニット
31 本体部
31a カメラ
32 ケース部
40 第4ユニット
41 本体部
411 周壁部
42 ケース部
43 導光体
44 スイッチ
50 第5ユニット
110 第1連結部
120 第2連結部
P 支柱
F1 円周方向
F21 嵌合方向
F22 離脱方向
F3 挿抜方向