(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】温度出力装置、空調システム、温度出力方法、及び空調システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/80 20180101AFI20240723BHJP
【FI】
F24F11/80
(21)【出願番号】P 2023116241
(22)【出願日】2023-07-14
【審査請求日】2023-12-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年8月10日~令和4年9月23日 関空第二ターミナルでの空調実証実験を通じて公開 令和4年7月19日 https://www.youtube.com/watch?v=FYPgYd2zco0を通じて発表 令和4年11月24日 関西イノベーションイニシアティブ及び株式会社三井住友銀行主催の「第2回 Challenge万博『いのち輝く未来社会』へ」において文書をもって発表(オンサイト及びオンライン同時開催) 令和5年1月10日 https://www.youtube.com/watch?v=dO-ym7rzEXIを通じて発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504150450
【氏名又は名称】国立大学法人神戸大学
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100121223
【氏名又は名称】森本 悟道
(72)【発明者】
【氏名】長廣 剛
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義康
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-179294(JP,A)
【文献】特開2011-146137(JP,A)
【文献】特開2020-085313(JP,A)
【文献】特開2012-255567(JP,A)
【文献】特開2006-234243(JP,A)
【文献】特開2013-064542(JP,A)
【文献】特開2009-192192(JP,A)
【文献】特開2022-157918(JP,A)
【文献】特開2013-040693(JP,A)
【文献】特開平10-288380(JP,A)
【文献】特開2002-013776(JP,A)
【文献】特開2008-157503(JP,A)
【文献】国際公開第2022/185411(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の空調空間が仮想的に分割されたM個(Mは2以上の整数である)のエリアのそれぞれの温度であるエリア温度を取得する温度取得部と、
前記エリア温度を
、当該エリア温度に対応するエリアの照明の色によって出力する出力部と、を備え
、
前記出力部は、より低いエリア温度を、より高い色温度の照明の色によって出力し、より高いエリア温度を、より低い色温度の照明の色によって出力する、温度出力装置。
【請求項2】
単一の空調空間が仮想的に分割されたM個(Mは2以上の整数である)のエリアのそれぞれの温度であるエリア温度を取得する温度取得部と、
前記エリア温度を、当該エリア温度に対応するエリアにおいて音によって出力する
出力部と、を備え、
前記出力部は、より低いエリア温度を、涼しく感じる音である川のせせらぎの音、波の音、または風鈴の音によって出力し、より高いエリア温度を、暖かく感じる音である焚火の音によって出力する、温度出力装置。
【請求項3】
単一の空調空間が仮想的に分割されたM個(Mは2以上の整数である)のエリアのそれぞれの温度であるエリア温度を取得する温度取得部と、
前記エリア温度を出力する出力部と、
空気の温度を調整する空調機と、
前記空調機によって温度の調整された空気を前記空調空間に供給する供給部と、
前記エリア温度を用いて、前記空調空間が所望の温度となるように前記供給部を制御する制御部と、を備え
、
前記空調空間は、N個(NはM以上の整数である)の区画に仮想的に分割されており、
1個のエリアは、1個または2個以上の区画によって構成されており、
前記供給部は、前記空調機によって温度の調整された空気を、前記N個の区画にそれぞれ独立して供給する複数の区画供給部を備え、
前記制御部は、前記M個のエリア温度がそれぞれ異なる目標温度となるように、前記複数の区画供給部を制御する、空調システム。
【請求項4】
前記制御部は、隣接するエリアの間の熱の移動がより小さくなるように、各エリアの目標温度を設定する、請求項
3記載の空調システム。
【請求項5】
前記温度取得部は、前記空調空間のペリメーターの温度であるペリメーター温度をも取得し、
前記制御部は、ペリメーターを有するエリアの目標温度と、当該ペリメーターのペリメーター温度との温度差がより小さくなるように、各エリアの目標温度を設定する、請求項
3記載の空調システム。
【請求項6】
前記空調空間に存在する人の人数を取得する人数取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記人数取得部によって取得された人数が閾値より少ない場合に、空調負荷が最も大きい目標温度のエリアを縮小する、請求項
3記載の空調システム。
【請求項7】
前記空調空間に存在する人の人数をエリアごとに取得する人数取得部と、
前記人数取得部によって取得されたエリアごとの人数を用いて、エリアごとの人密度を取得する人密度取得部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記人密度取得部によって取得された人密度が閾値より大きいエリアを拡大する、請求項
3記載の空調システム。
【請求項8】
単一の空調空間が仮想的に分割されたM個(Mは2以上の整数である)のエリアのそれぞれの温度であるエリア温度を取得するステップと、
前記エリア温度を
、当該エリア温度に対応するエリアの照明の色によって出力するステップと、を備え
、
前記エリア温度を出力するステップでは、より低いエリア温度を、より高い色温度の照明の色によって出力し、より高いエリア温度を、より低い色温度の照明の色によって出力する、温度出力方法。
【請求項9】
単一の空調空間が仮想的に分割されたM個(Mは2以上の整数である)のエリアのそれぞれの温度であるエリア温度を取得するステップと、
前記エリア温度を、当該エリア温度に対応するエリアにおいて音によって出力するステップと、を備え、
前記エリア温度を出力するステップでは、より低いエリア温度を、涼しく感じる音である川のせせらぎの音、波の音、または風鈴の音によって出力し、より高いエリア温度を、暖かく感じる音である焚火の音によって出力する、温度出力方法。
【請求項10】
空気の温度を調整する空調機と、前記空調機によって温度の調整された空気
を空調空間に供給する供給部と、を備えた空調システムの制御方法であって、
単一の空調空間が仮想的に分割されたM個(Mは2以上の整数である)のエリアのそれぞれの温度であるエリア温度を取得するステップと、
前記エリア温度を出力するステップと、
前記エリア温度を用いて、前記空調空間が所望の温度となるように前記供給部を制御するステップと、を備え
、
前記空調空間は、N個(NはM以上の整数である)の区画に仮想的に分割されており、
1個のエリアは、1個または2個以上の区画によって構成されており、
前記供給部は、前記空調機によって温度の調整された空気を、前記N個の区画にそれぞれ独立して供給する複数の区画供給部を備え、
前記供給部を制御するステップでは、前記M個のエリア温度がそれぞれ異なる目標温度となるように、前記複数の区画供給部を制御する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調空間における仮想的なエリアごとの温度を出力する温度出力装置、及び空調空間について空調を行う空調システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
単一の空調空間は、通常、均一な温度となるように空調される。そのような空調において省エネルギー化を促進するため、屋外への開放部にエアーカーテンを設けたり、開放部からの空気の流入が少なくなるように空調システムを制御したりすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
快適に感じる温度は人ごとに異なっている。したがって、空調空間を均一な温度に調節した場合には、例えば、ある人にとっては快適であっても、別の人にとっては快適でないということもあり得る。一方、空調空間に異なる温度の領域が存在していたとしても、空調空間にいる人がそのことに気付かなければ、快適に感じる温度の領域に移動することができない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、単一の空調空間における仮想的なエリアごとの温度を知ることができるようにするための温度出力装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様による温度出力装置は、単一の空調空間が仮想的に分割されたM個(Mは2以上の整数である)のエリアのそれぞれの温度であるエリア温度を取得する温度取得部と、エリア温度を出力する出力部と、を備えたものである。
このような構成により、空調空間における仮想的な各エリアの温度を知ることができるようになる。そのため、空調空間にいる人は、自らが快適に感じる温度のエリアに移動することができるようになる。
【0007】
また、本発明の一態様による温度出力装置では、出力部は、エリア温度を、エリア温度に対応するエリアの照明の色によって出力してもよい。
このような構成により、空調空間にいる人は、照明の色によって各エリアの温度を知ることができるようになる。
【0008】
また、本発明の一態様による温度出力装置では、出力部は、エリア温度を、エリア温度に対応するエリアにおいて音によって出力してもよい。
このような構成により、空調空間にいる人は、出力された音によって各エリアの温度を知ることができるようになる。
【0009】
また、本発明の一態様による空調システムは、温度出力装置と、空気の温度を調整する空調機と、空調機によって温度の調整された空気を空調空間に供給する供給部と、エリア温度を用いて、空調空間が所望の温度となるように供給部を制御する制御部と、を備えたものである。
このような構成により、例えば、空調機を用いた空調によってエリアごとに温度が異なるようになった場合に、そのエリアごとの温度を知ることができるようになる。
【0010】
また、本発明の一態様による空調システムでは、空調空間は、N個(NはM以上の整数である)の区画に仮想的に分割されており、1個のエリアは、1個または2個以上の区画によって構成されており、供給部は、空調機によって温度の調整された空気を、N個の区画にそれぞれ独立して供給する複数の区画供給部を備え、制御部は、M個のエリア温度がそれぞれ異なる温度となるように、複数の区画供給部を制御してもよい。
このような構成により、各エリアの温度が異なるように空調を行うことができる。
【0011】
また、本発明の一態様による空調システムでは、制御部は、隣接するエリアの間の熱の移動がより小さくなるように、各エリアの目標温度を設定してもよい。
このような構成により、効率のよい空調、すなわち省エネルギーな空調を行うことができる。
【0012】
また、本発明の一態様による空調システムでは、温度取得部は、空調空間のペリメーターの温度であるペリメーター温度をも取得し、制御部は、ペリメーターを有するエリアの目標温度と、ペリメーターのペリメーター温度との温度差がより小さくなるように、各エリアの目標温度を設定してもよい。
このような構成により、ペリメーターの温度を考慮した目標温度の設定を行うことができる。例えば、夕方には西側のペリメーターに面しているエリアの目標温度が高くなり、東側のペリメーターに面しているエリアの目標温度が低くなるように設定することによって、省エネルギー化を促進することができる。
【0013】
また、本発明の一態様による空調システムでは、空調空間に存在する人の人数を取得する人数取得部をさらに備え、制御部は、人数取得部によって取得された人数が閾値より少ない場合に、空調負荷が最も大きい目標温度のエリアを縮小してもよい。
このような構成により、空調空間に存在する人が少ない場合に、より負荷の小さい空調、すなわち省エネルギーな空調を行うことができる。
【0014】
また、本発明の一態様による空調システムでは、空調空間に存在する人の人数をエリアごとに取得する人数取得部と、人数取得部によって取得されたエリアごとの人数を用いて、エリアごとの人密度を取得する人密度取得部と、をさらに備え、制御部は、人密度取得部によって取得された人密度が閾値より大きいエリアを拡大してもよい。
このような構成により、ある目標温度のエリアの人密度が高くなることを解消することができる。その結果、空調空間における快適性を向上させることができる。
【0015】
また、本発明の一態様による温度出力方法は、単一の空調空間が仮想的に分割されたM個(Mは2以上の整数である)のエリアのそれぞれの温度であるエリア温度を取得するステップと、エリア温度を出力するステップと、を備えたものである。
【0016】
また、本発明の一態様による空調システムの制御方法は、空気の温度を調整する空調機と、空調機によって温度の調整された空気を空調空間に供給する供給部と、を備えた空調システムの制御方法であって、単一の空調空間が仮想的に分割されたM個(Mは2以上の整数である)のエリアのそれぞれの温度であるエリア温度を取得するステップと、エリア温度を出力するステップと、空調空間が所望の温度となるように供給部を制御するステップと、を備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様による温度出力装置等によれば、単一の空調空間における仮想的なエリアごとの温度を知ることができるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態による空調システムの構成を示す模式図
【
図2】同実施の形態による空調システムの機能を示すブロック図
【
図3A】同実施の形態における空調空間の区画とエリアとの一例を示す平面図
【
図3B】同実施の形態における空調空間の区画とエリアとの一例を示す平面図
【
図3C】同実施の形態における空調空間の区画とエリアとの一例を示す平面図
【
図3D】同実施の形態における空調空間の区画とエリアとの一例を示す平面図
【
図4】同実施の形態による空調システムの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明による空調システム、温度出力装置、空調システムの制御方法、及び温度出力方法について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。本実施の形態による空調システムは、単一の空調空間が仮想的に分割された複数のエリアのそれぞれの温度を出力すると共に、各エリアが異なる温度となるように制御するものである。
【0020】
図1は、本実施の形態による空調システム1の構成を示す模式図であり、
図2は、空調システム1の機能を示すブロック図である。
図3A~
図3Dは、それぞれ空調空間50の平面図である。なお、
図1では、空調空気の流れに関する構成について主に示しており、
図2では、制御に関連する構成について主に示している。空調空間50は、空調システム1が空調を行う対象となる空間である。単一の空調空間50は特に限定されないが、例えば、空港や病院などの待合等などの大規模な空間であってもよい。
【0021】
単一の空調空間50は、仮想的にN個の区画に分割されている。また、1個または2個以上の区画によって、1個のエリアが構成される。したがって、単一の空調空間50は、仮想的にM個のエリアに分割されていてもよい。後述するように、エリアごとに目標温度が異なるように制御される場合には、1個のエリアは、1つの目標温度に対応する領域であると考えてもよい。Mは2以上の整数であり、NはM以上の整数(N≧M)である。なお、エリアの拡大や縮小が行われる場合には、NはMより大きい整数(N>M)であってもよい。区画の個数、及びエリアの個数は特に限定されないが、本実施の形態では、
図1、
図3A~
図3Dで示されるように、空調空間50が、5個の区画51a~51e、及び3個のエリア53a~53cを有する場合、すなわちN=5であり、M=3である場合について主に説明する。なお、各区画51a~51eを特に区別しない場合には、区画51と呼ぶこともある。エリア53a~53cや、その他の構成についても同様であるとする。区画51及びエリア53は仮想的なものであるが、一例として、それらの個数、すなわちNやMは固定されていてもよい。
【0022】
図1、
図3A~
図3Dでは、区画51の境界を破線で示している。また、
図3A~
図3Dでは、エリア53を一点鎖線で示している。なお、区画51やエリア53の境界は仮想的なものであるため、空調空間50における区画51の境界やエリア53の境界に相当する実空間上の位置には、壁や仕切りなどの空間を隔てる構造物は存在しないものとする。複数の区画51や複数のエリア53は、通常、水平方向に隣接しているものとする。また、
図3A~
図3Dにおいて示している温度は、各エリア53の目標温度である。
【0023】
空調空間50の外気と接する部分には、ペリメーターが存在してもよい。本実施の形態では、
図1、
図3A~
図3Dで示されるように、空調空間50の対向する2個の壁面にペリメーター52a、52bが存在する場合について主に説明する。なお、本実施の形態では、一例として、ペリメーター52a、52bが、それぞれ空調空間50の東側、及び西側に存在する場合について説明するが、ペリメーター52の個数や位置は問わない。ペリメーター52は、一例として、窓などであってもよい。ペリメーター52に接する空調空間50の領域は、外気や日射の影響を受けやすくなる。
【0024】
本実施の形態による空調システム1は、温度出力装置10と、空調機21と、供給部22と、人数取得部24と、人密度取得部25と、制御部26とを備える。温度出力装置10は、温度取得部11と、出力部12とを備える。供給部22は、複数の区画供給部23a~23eを備える。
【0025】
温度取得部11は、複数のエリア53のそれぞれの温度であるエリア温度を取得する。なお、温度取得部11は、各エリア53のエリア温度を取得するため、各区画51の温度を取得してもよい。各区画51の温度は、複数の区画51にそれぞれ配置された温度センサ61a~61eによって取得され、温度取得部11に渡されてもよい。なお、各区画51の温度は、各区画51における複数の位置の温度の代表値であってもよい。また、あるエリア53のエリア温度は、そのエリア53に含まれる1以上の区画51の温度の代表値であってもよい。代表値は、例えば、平均値や中央値であってもよい。
【0026】
温度取得部11は、空調空間50のペリメーター52の温度であるペリメーター温度をも取得してもよい。ペリメーター温度は、ペリメーター52の近傍のペリメーターゾーンにおいて温度センサ62a、62bによって測定された温度であってもよい。温度センサ61、62によって測定された温度は、有線または無線を介して温度取得部11に渡されてもよい。なお、温度取得部11は、例えば、温度センサ61、62を含んでいてもよく、そうでなくてもよい。
【0027】
なお、後述するように、エリア53が拡大されたり、縮小されたりした場合には、温度取得部11は、そのエリア53の拡大縮小に応じて、エリア温度を取得するために用いる区画の温度を変更してもよい。例えば、エリア53aが区画51a、51bから構成される場合には、エリア53aのエリア温度は、区画51a、51bの温度の代表値であってもよい。また、例えば、エリア53aが縮小され、区画51aのみを含むようになった場合には、エリア53aのエリア温度は、区画51aの温度であってもよい。温度取得部11は、例えば、エリアを識別するエリア識別子と、そのエリアに含まれる区画を識別する区画識別子とを対応付ける対応情報によって示されるエリアと区画との対応関係を用いて、各エリア53のエリア温度を取得してもよい。対応情報は、例えば、制御部26によって管理されてもよい。
【0028】
出力部12は、エリア温度を出力する。出力部12は、一例として、あるエリア53のエリア温度を、そのエリア53において出力してもよい。具体的には、出力部12は、エリア温度を、そのエリア温度に対応するエリア53の照明の色によって出力してもよく、そのエリア温度に対応するエリア53において音によって出力してもよく、そのエリア温度に対応するエリア53において表示してもよい。エリア温度に対応するエリア53とは、そのエリア温度に関する測定の行われたエリア53のことである。このようにエリア53においてエリア温度が出力される場合には、各区画51に出力デバイス(例えば、照明やスピーカ、表示デバイスなど)が配置されており、その出力デバイスを介してエリア温度が出力されてもよい。また、例えば、1つのエリア53が2以上の区画51を含む場合には、その2以上の区画51において、同じエリア温度が出力されてもよい。照明の色によってエリア温度が示される場合には、例えば、
図1で示されるように、色を変更可能な照明63a~63eが各区画51に配置されていてもよい。なお、このエリア温度を色によって示す照明は、例えば、エリア53を明るくするための照明を兼ねていてもよく、または、エリア53を明るくするための照明とは別に、エリア温度を示すために用いられる照明であってもよい。また、音によってエリア温度が示される場合には、例えば、音を出力可能なスピーカ等が各区画51に配置されていてもよい。また、エリア温度が表示される場合には、例えば、ディスプレイなどの表示デバイスが各区画51に配置されていてもよい。
【0029】
エリア温度を照明の色によって出力する場合には、例えば、より低いエリア温度は、涼しく感じる色、すなわちより高い色温度の照明の色(例えば、寒色系の色)によって出力され、より高いエリア温度は、暖かく感じる色、すなわちより低い色温度の照明の色(例えば、暖色系の色)によって出力されてもよい。このような出力が行われる場合には、より低い温度が快適に感じられる人は、涼しく感じる照明の色のエリア53に移動すればよく、より高い温度が快適に感じられる人は、暖かく感じる照明の色のエリア53に移動すればよいことになる。
【0030】
エリア温度を音によって出力する場合には、例えば、より低いエリア温度は、涼しく感じる音、例えば、川のせせらぎの音や、波の音、風鈴の音などによって出力され、より高いエリア温度は、暖かく感じる音、例えば、焚火の音などによって出力されてもよい。このような出力が行われる場合には、より低い温度が快適に感じられる人は、涼しく感じる音のエリア53に移動すればよく、より高い温度が快適に感じられる人は、暖かく感じる音のエリア53に移動すればよいことになる。なお、エリア温度は、例えば、そのエリア温度を読み上げた音声によって出力されてもよい。
【0031】
エリア温度を表示する場合には、各エリア53に配置されたデジタルサイネージなどの表示デバイスにエリア温度、例えば「26℃」などが表示されてもよい。このような表示が行われる場合には、より低い温度が快適に感じられる人は、より低い温度の表示されているエリア53に移動すればよく、より高い温度が快適に感じられる人は、より高い温度の表示されているエリア53に移動すればよいことになる。
【0032】
なお、出力部12は、例えば、エリア53ごとのエリア温度を示す表示を、空調空間50に存在する人の情報処理端末(例えば、スマートフォンや、タブレット端末など)に送信してもよい。そして、その情報処理端末において、エリア53ごとのエリア温度が表示されてもよい。また、結果として、各エリア53のエリア温度を、そのエリア53に存在する人が知ることができるようになるのであれば、エリア温度の出力方法は問わない。また、後述するように、エリア53が拡大されたり、縮小されたりした場合には、それに応じて、出力部12は、エリア温度の出力先のエリア53を変更してもよい。例えば、エリア53aが区画51a、51bから構成される場合には、エリア53aのエリア温度は、区画51a、51bに出力されてもよい。また、例えば、エリア53aが縮小され、区画51aのみを含むようになった場合には、エリア53aのエリア温度は、区画51aにのみ出力されてもよい。出力部12は、例えば、エリアを識別するエリア識別子と、そのエリアに含まれる区画を識別する区画識別子とを対応付ける対応情報によって示されるエリアと区画との対応関係を用いて、エリア温度を、そのエリア温度に対応するエリア53において出力してもよい。対応情報は、例えば、制御部26によって管理されてもよい。
【0033】
また、出力部12は、例えば、エリア温度の値を示すための出力を行ってもよい。例えば、あるエリア53のエリア温度が26℃である場合に、出力部12は、そのエリア53の照明63が26℃に応じた色になるように制御してもよく、そのエリア53のスピーカから26℃を読み上げた音声を出力してもよく、そのエリア53に配置された表示デバイスに26℃の文字列を表示してもよい。このように温度に応じた照明が行われる場合には、例えば、エリア温度と、それに応じた色との対応関係があらかじめ決められていており、出力部12は、それに応じて照明63の色を決定してもよい。
【0034】
また、出力部12は、例えば、複数のエリア53に関する相対的な温度が分かるようにするための出力を行ってもよい。例えば、エリア53aのエリア温度が24℃であり、エリア53bのエリア温度が26℃であり、エリア53cのエリア温度が28℃である場合に、出力部12は、エリア53aの照明63がより低い温度に応じた青色になるように制御し、エリア53bの照明63が中ほどの温度に応じた白色になるように制御し、エリア53cの照明63がより高い温度に応じた赤色になるように制御してもよく、エリア53aのスピーカから、より低い温度に応じた川のせせらぎの音を出力し、エリア53bのスピーカから、中ほどの温度に応じた鳥のさえずりの音を出力し、エリア53cのスピーカから、より高い温度に応じた焚火の音を出力してもよく、エリア53aの表示デバイスに、より低い温度に応じた流氷の映像を表示し、エリア53bの表示デバイスに、中ほどの温度に応じた公園の映像を表示し、エリア53cの表示デバイスに、より高い温度に応じた砂漠の映像を表示してもよい。
【0035】
複数のエリア53に関する相対的な温度が分かるようにするための出力を行う場合には、出力部12は、例えば、各エリア53のエリア温度を相対的な温度に変換し、その相対的な温度に対応する出力を各エリア53において行ってもよい。相対的な温度は、例えば、高い温度、中ほどの温度、低い温度などであってもよい。例えば、M個のエリア53が存在する場合には、出力部12は、エリア温度の高い順に、エリア温度を高い温度、中ほどの温度などの相対的な温度に変換してもよい。また、M個の相対的な温度について、相対的な温度と出力内容とがあらかじめ対応付けられており、出力部12は、それを用いて、あるエリア53について、そのエリア53のエリア温度の相対的な温度に対応する出力を行ってもよい。
【0036】
ここで、出力部12による出力は、例えば、照明デバイスによる照明でもよく、スピーカによる音出力でもよく、表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど)への表示でもよく、所定の機器への通信回線を介した送信でもよい。なお、出力部12は、出力を行うデバイス(例えば、スピーカや表示デバイスなど)を含んでもよく、または含まなくてもよい。また、出力部12は、ハードウェアによって実現されてもよく、または、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0037】
空調機21は、空気の温度を調整する。この空調に、ボイラーや冷凍機を有する熱源機器20から供給される冷水や温水を用いてもよい。また、空調機21は、例えば、湿度の調整や、換気、空気の清浄を行ってもよい。空調機21によって調整された空気は、ダクトを介して供給部22に供給される。本実施の形態では、中央方式における空気供給方式によって空調が行われる場合について主に説明するが、その他の方式、例えば、中央方式における水・空気併用供給方式や水供給方式、分散方式における冷媒供給方式によって空調が行われてもよいことは言うまでもない。
【0038】
供給部22は、空調機21によって温度の調整された空気を空調空間50に供給する。本実施の形態では、
図1で示されるように、供給部22が、空調機21によって温度の調整された空気を、複数の区画51にそれぞれ独立して供給する複数の区画供給部23a~23eを有する場合について主に説明する。区画供給部23は、空調機21からダクトを介して供給された温度の調整された空気を、可変風量で各区画51に供給してもよい。区画供給部23は、例えば、可変風量装置(VAV:Variable Air Volume)であってもよく、インバータ制御等によって風量を調整できる送風機であってもよく、両者の組み合わせであってもよく、または、風量を調整できるその他の構成であってもよい。本実施の形態では、区画供給部23が可変風量装置である場合について主に説明する。なお、区画供給部23からの空気の供給口(吹出口)は、例えば、
図1で示されるように空調空間50の天井に設けられていてもよく、その他の箇所に設けられていてもよい。また、各区画51の供給口は、各区画51の全体に空調空気が供給される位置に存在することが好適である。例えば、供給口は、平面視において各区画51の中心や重心の位置、またはその近傍に設けられていてもよい。
【0039】
なお、
図1では図示していないが、空調空間50における空気を排気または循環させる構成が存在してもよい。例えば、空調空間50に設けられた吸込口から空気を吸い込み、その空気を排気したり、空調機21に還気したりするようにしてもよい。吸込口は、例えば、区画51ごとに設けられていてもよく、またはそうでなくてもよい。一例として、吸込口からの空気の一部が排気され、一部が還気されてもよい。
【0040】
人数取得部24は、空調空間50に存在する人の人数を取得する。人数取得部24は、例えば、空調空間50に存在する人の人数をエリア53ごとに取得してもよい。人密度取得部25によるエリア53ごとの人密度の取得が行われる場合には、人数取得部24は、エリア53ごとの人数を取得することが好適である。なお、空調空間50の全体の人数や、エリア53ごとの人数を取得するため、人数取得部24は、例えば、区画51ごとの人数を取得し、それを用いて、エリア53ごとの人数や、空調空間50全体の人数を取得してもよい。より具体的には、人数取得部24は、エリア53を構成する区画51の人数を合計することによって、エリア53の人数を取得してもよく、すべての区画51の人数を合計することによって、空調空間50の全体の人数を取得してもよい。本実施の形態では、この場合について主に説明する。
【0041】
人数取得部24が、空調空間50の人数や、エリア53ごと、または区画51ごとの人数を取得する方法は問わない。例えば、カメラ64による撮影画像を用いて、空調空間50に存在する人の人数や、エリア53ごと、または区画51ごとに存在する人の人数を取得してもよい。
図1では、一例として、1個のカメラ64のみを示しているが、例えば、1個または複数のカメラ64を用いて、空調空間50の人数や、エリア53ごと、または区画51ごとの人数が取得されてもよい。撮影画像を用いた人数の取得では、例えば、撮影画像において人物の検出を行い、その検出した人物をカウントすることによって、空調空間50の人数や、エリア53ごと、または区画51ごとの人数を取得してもよい。
【0042】
なお、人数取得部24は、他の方法によって空調空間50における人数の取得を行ってもよい。例えば、人数取得部24は、スマートフォンなどの携帯端末から送信される無線信号に含まれるMAC(Media Access Control)アドレスを用いて、空調空間50の人数や、エリア53ごと、または区画51ごとの人数を取得してもよい。
【0043】
人密度取得部25は、人数取得部24によって取得されたエリア53ごとの人数を用いて、エリア53ごとの人密度を取得する。人密度取得部25は、例えば、各区画51の面積を保持しており、それを用いて各エリア53の面積を算出してもよい。そして、人密度取得部25は、例えば、人数取得部24によって取得されたエリア53ごとの人数を、各エリア53の面積で除算することによって、各エリア53の人密度を算出してもよい。
【0044】
制御部26は、温度取得部11によって取得されたエリア温度を用いて、空調空間50が所望の温度となるように供給部22を制御する。より具体的には、制御部26は、複数のエリア温度がそれぞれ異なる温度となるように、複数の区画供給部23を制御してもよい。例えば、制御部26は、各エリア53のエリア温度が目標温度となるように、各エリア53に空調空気を供給する区画供給部23を制御してもよい。エリア53ごとの目標温度は、例えば、それぞれ異なっていてもよい。一例として、
図3Aで示されるように、エリア53a~53cの目標温度がそれぞれ28℃、26℃、24℃に設定されている場合には、制御部26は、エリア53aを構成する区画51a、51bの区画供給部23a、23bを制御して、エリア53aのエリア温度が目標温度28℃となるようにしてもよい。他のエリア53b、53cについても同様の制御が行われてもよい。また、エリア53が変更されたり、エリア53の目標温度が変更されたりした場合には、それに応じて、変更後のエリア53や目標温度を用いて、空調の制御が行われることになる。この制御は、例えば、フィードバック制御であってもよい。
【0045】
また、制御部26は、例えば、各エリア53の目標温度の設定も行ってもよい。制御部26は、例えば、隣接するエリア53の間の熱の移動がより小さくなるように、各エリア53の目標温度を設定してもよい。このようにすることで、より省エネルギーな空調を実現することができる。例えば、
図3A等で示されるように、複数のエリア53の境界の面積が同じである場合には、制御部26は、隣接するエリア53間のエリア温度の温度差の合計がより小さくなるように、各エリア53の目標温度を設定してもよい。一方、複数のエリア53の境界の面積が同じでない場合には、制御部26は、隣接するエリア53間のエリア温度の温度差に、その境界の面積に応じた値を乗算した結果の総和がより小さくなるように、各エリア53の目標温度を設定してもよい。境界の面積に応じた値は、例えば、境界の面積に、所定の正の係数を乗算した値であってもよい。なお、エリア53間の温度差は、0以上の実数であってもよい。すなわち、温度差を算出する際には、一方の温度から他方の温度を減算した結果の絶対値を算出してもよい。
【0046】
なお、M個のエリア53に割り当てられるM個の目標温度は、あらかじめ決められていてもよい。例えば、冷房が行われる場合であって、空調空間50に3個のエリア53が存在する場合には、3個のエリア53に割り当てられる3個の目標温度が、28℃、26℃、24℃にあらかじめ決められていてもよい。そして、制御部26は、あらかじめ決められているM個の目標温度を、それぞれM個のエリア53に割り当てることによって、各エリア53の目標温度を設定してもよい。
【0047】
例えば、
図3Aのように、複数のエリア53が一列に並んでいる場合には、制御部26は、その列に沿って目標温度が増加または減少するように目標温度を設定してもよい。一例として、
図3Aで示されるように、制御部26は、エリア53a~53cの目標温度を、それぞれ28℃、26℃、24℃に設定してもよい。このようにすることで、隣接するエリア53間のエリア温度の温度差の合計がより小さくなり、例えば、エリア53a~53cの目標温度を、それぞれ28℃、24℃、26℃に設定した場合よりも、隣接するエリア53の間の熱の移動がより小さくなるようにすることができる。一方、複数のエリア53がより複雑に配置されている場合には、制御部26は、各エリア53に各目標温度を割り当てたそれぞれの割り当て結果について、隣接するエリア53間のエリア温度の温度差に、その境界の面積に応じた値を乗算した結果の総和を算出し、最小の総和に対応する目標温度の割り当てとなるように、各エリア53の目標温度を設定してもよい。なお、M個のエリア53が存在する場合には、Mの階乗(M!)の目標温度の割り当てを行うことができる。したがって、制御部26は、例えば、M!個の総和を算出し、その最小の総和に対応する目標温度の割り当てが行われるように、各エリア53の目標温度を設定してもよい。
【0048】
なお、隣接するエリア53の間の熱の移動がより小さくなる目標温度の割り当てが複数存在する場合には、制御部26は、例えば、ランダムに選択した1個の割り当てに応じた目標温度の設定を行ってもよく、目標温度の複数の割り当てから、ペリメーター温度などを考慮して一つを選択し、その選択した割り当てに応じた目標温度の設定を行ってもよい。ペリメーター温度を考慮した目標温度の設定については後述する。
【0049】
また、制御部26は、例えば、人数取得部24によって取得された空調空間50に存在する人の人数が閾値より少ない場合に、空調負荷が最も大きい目標温度のエリア53を縮小してもよい。このようにすることで、空調の負荷を全体として減少することができ、省エネルギー化を促進することができる。なお、空調負荷が最も大きい目標温度は、例えば、冷房が行われている場合には、最も低い目標温度であり、暖房が行われている場合には、最も高い目標温度であってもよい。閾値は、あらかじめ決められていてもよい。この閾値は、例えば、空調空間50に人がまばらにしか存在しないと考えられる程度の小さい値に設定されてもよい。
【0050】
なお、空調負荷が最も大きい目標温度のエリア53に1個の区画51しか含まれない場合には、そのエリア53の縮小は行われなくてもよい。また、空調負荷が最も大きいエリア温度のエリア53に3個以上の区画51が含まれている場合には、例えば、縮小後のエリア53に含まれる区画51が1個になるように縮小が行われてもよく、エリア53に含まれる区画51の個数が1個減るように縮小が行われてもよい。また、空調負荷が最も大きい目標温度のエリア53が縮小された場合に、例えば、それに応じて隣接していたエリア53が拡大されてもよく、空調負荷の最も小さい目標温度のエリア53が拡大されてもよい。空調負荷の最も小さい目標温度は、例えば、冷房が行われている場合には、最も高い目標温度であり、暖房が行われている場合には、最も低い目標温度であってもよい。一例として、
図3Aのように目標温度の設定が行われている状況において、人数取得部24によって取得された空調空間50に存在する人の人数が閾値より少ない場合には、制御部26は、
図3Bで示されるように、空調負荷が最も大きい目標温度が24℃のエリア53cを縮小し、それに応じて、エリア53cに隣接する、目標温度が26℃のエリア53bを拡大してもよい。
【0051】
また、制御部26は、ペリメーター52を有するエリア53の目標温度と、そのペリメーター52のペリメーター温度との温度差がより小さくなるように、各エリア53の目標温度を設定してもよい。ペリメーター温度は、温度取得部11によって取得されたものであってもよい。このようにすることで、より省エネルギーな空調を実現することができる。例えば、太陽の日射の影響により、朝は東側のペリメーター52aのペリメーター温度が高くなり、夕方は西側のペリメーター52bのペリメーター温度が高くなることがある。したがって、そのペリメーター温度に応じて、朝には東側のエリア53の目標温度が高くなるように設定し、夕方には西側のエリア53の目標温度が高くなるように設定することによって、より省エネルギーな空調を実現することができる。
【0052】
制御部26は、例えば、隣接するエリア53の間の熱の移動がより小さくなるように、かつ、ペリメーター52を有するエリア53の目標温度と、そのペリメーター52のペリメーター温度との温度差がより小さくなるように、各エリア53の目標温度を設定してもよい。例えば、
図3Aで示されるように、複数のエリア53が一列に並んでいる場合には、制御部26は、その列に沿って目標温度が増加または減少するように目標温度を設定する際に、東側のエリア53から西側のエリア53に向かって目標温度が降順になるのか、または昇順になるのかを、ペリメーター温度を用いて決定してもよい。より具体的には、制御部26は、東側のエリア53から西側のエリア53に向かって目標温度が降順になる場合における、温度センサ62aで測定されたペリメーター温度とエリア53aのエリア温度との温度差、及び、温度センサ62bで測定されたペリメーター温度とエリア53cのエリア温度との温度差の合計と、東側のエリア53から西側のエリア53に向かって目標温度が昇順になる場合における、温度センサ62aで測定されたペリメーター温度とエリア53aのエリア温度との温度差、及び、温度センサ62bで測定されたペリメーター温度とエリア53cのエリア温度との温度差の合計とのうち、より小さい値の合計に応じた目標温度の並び順となるように、各エリア53の目標温度を設定してもよい。例えば、制御部26は、朝には、
図3Aで示されるように、東側のペリメーター52aを有するエリア53aの目標温度が高くなるように設定し、夕方には、
図3Cで示されるように、西側のペリメーター52bを有するエリア53cの目標温度が高くなるように設定してもよい。
【0053】
また、制御部26は、例えば、人密度取得部25によって取得された人密度が閾値より大きいエリア53を拡大してもよい。この閾値は、空調負荷が最も大きい目標温度のエリア53を縮小する際に用いられる閾値とは異なる閾値である。このようにすることで、特定のエリア53に人が密集することを解消でき、例えば、空調空間50における快適性を向上させることができる。なお、人密度が閾値より大きいエリア53が拡大された場合に、例えば、それに応じて隣接していたエリア53が縮小されてもよい。また、拡大されるエリア53に隣接していたエリア53に1個の区画51しか含まれない場合には、例えば、拡大されるエリア53に隣接していたエリア53は移動され、2以上の区画51を含むエリア53が縮小されてもよい。一例として、
図3Aのように目標温度の設定が行われている状況において、人密度取得部25によって取得されたエリア53bの人密度が閾値より大きくなった場合には、制御部26は、
図3Dで示されるように、人密度が閾値より大きいエリア53bを拡大し、それに応じて、エリア53bに隣接するエリア53a、53cを縮小してもよい。なお、人密度が閾値より大きいエリア53以外の各エリア53が1個の区画51のみを含む場合には、人密度が閾値より大きいエリア53の拡大は行われなくてもよい。
【0054】
ペリメーター温度に応じた目標温度の設定や、エリア53の拡大や縮小は、空調が行われている際に行われてもよい。このようにすることで、ペリメーター温度の変化や、空調空間50に存在する人の人数の変化、各エリア53の人密度の変化に応じた好適な空調を実現することができるようになる。
【0055】
次に、空調システム1の動作について
図4のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)制御部26は、各エリア53の目標温度を設定する。なお、例えば、空調空間50における複数のエリア53はあらかじめ決められていてもよい。そして、各エリア53の目標温度は、例えば、あらかじめ決められている初期値に設定されてもよく、隣接するエリア53の間の熱の移動がより小さくなるように設定されてもよい。
【0056】
(ステップS102)温度取得部11は、エリア温度等を取得するかどうか判断する。そして、エリア温度等を取得する場合には、ステップS103に進み、そうでない場合には、ステップS106に進む。なお、温度取得部11は、例えば、エリア温度等を取得すると定期的に判断してもよい。
【0057】
(ステップS103)温度取得部11は、温度センサ61a~61e、及び温度センサ62a、62bによって測定された温度を用いて、エリア温度及びペリメーター温度を取得する。この取得されたエリア温度等は、図示しない記録媒体で記憶されてもよい。
【0058】
(ステップS104)出力部12は、取得されたエリア温度を出力する。
【0059】
(ステップS105)制御部26は、各エリア53のエリア温度が目標温度となるように各エリア53の区画供給部23を制御する。そして、ステップS102に戻る。
【0060】
(ステップS106)制御部26は、エリアの拡大縮小や、目標温度の変更を行うかどうか判断する。そして、エリアの拡大縮小や、目標温度の変更を行う場合には、ステップS107に進み、そうでない場合には、ステップS102に戻る。なお、制御部26は、エリアの拡大縮小や、目標温度の変更を行うと定期的に判断してもよい。また、例えば、ステップS102においてエリア温度等を取得すると判断される頻度の方が、ステップS106においてエリアの拡大縮小等を行うと判断される頻度よりも高くてもよい。例えば、ステップS102では、1分ごとや10分ごとなどにYesと判断され、ステップS106では、30分ごとや1時間ごとなどにYesと判断されてもよい。
【0061】
(ステップS107)人数取得部24は、空調空間50の各エリア53の人数を取得する。また、人数取得部24は、各エリア53の人数を合計することによって、空調空間50の人数を取得してもよい。
【0062】
(ステップS108)人密度取得部25は、各エリア53の人数を用いて、各エリア53の人密度を取得する。
【0063】
(ステップS109)制御部26は、空調空間50に存在する人の人数が所定の閾値より少ないかどうか判断する。そして、空調空間50に存在する人の人数が、所定の閾値より少ない場合には、ステップS110に進み、そうでない場合には、ステップS111に進む。
【0064】
(ステップS110)制御部26は、空調負荷が最も大きい目標温度のエリア53を縮小する。そして、ステップS102に戻る。
【0065】
(ステップS111)制御部26は、人密度が所定の閾値より大きいエリア53が存在するかどうか判断する。そして、人密度が所定の閾値より大きいエリア53が存在する場合には、ステップS112に進み、そうでない場合には、ステップS113に進む。
【0066】
(ステップS112)制御部26は、人密度が所定の閾値より大きいエリア53を拡大する。そして、ステップS102に戻る。
【0067】
(ステップS113)制御部26は、複数のエリア53の目標温度の設定を変更する必要があるかどうか判断する。そして、目標温度の設定を変更する必要がある場合には、ステップS114に進み、そうでない場合には、ステップS102に戻る。なお、制御部26は、例えば、現在の目標温度の設定と比較して、ペリメーター52を有するエリア53の目標温度と、そのペリメーター52のペリメーター温度との温度差をより小さくすることができる他の目標温度の設定が存在する場合に、目標温度の設定を変更すると判断してもよい。ペリメーター温度は、最後に取得されたペリメーター温度、すなわち最新のペリメーター温度が用いられてもよい。
【0068】
(ステップS114)制御部26は、ペリメーター52を有するエリア53の目標温度と、そのペリメーター52のペリメーター温度との温度差がより小さくなるように、各エリア53の目標温度を設定する。そして、ステップS102に戻る。
【0069】
なお、
図4のフローチャートには含まれていないが、熱源機器20から空調機21に冷水や温水が供給されており、空調機21は、その冷水や温水を用いてあらかじめ決められた温度の空気を提供してもよい。また、
図4のフローチャートにおける処理の順序は一例であり、同様の結果を得られるのであれば、各ステップの順序を変更してもよい。例えば、ステップS108における人密度の取得処理は、ステップS111の判断処理が行われる直前に行われてもよい。また、
図4のフローチャートでは、ステップS106において、エリアの拡大縮小等を行うと判断された場合に、ステップS110、S112、S114のいずれか1個の処理のみが行われることになるが、そうでなくてもよい。ステップS110、S112、S114の2以上の処理が行われ得るようにしてもよい。この場合には、例えば、ステップS110からステップS111に進み、ステップS112からステップS113に進むようにしてもよい。なお、
図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0070】
次に、本実施の形態による空調システム1の動作について、具体例を用いて説明する。
まず、空調システム1の制御が開始されると、制御部26は、あらかじめ決められているように、各エリア53の目標温度を設定する(ステップS101)。本具体例では、
図3Aで示されるように、各エリア53の目標温度が設定されたとする。
【0071】
次に、温度の取得のタイミングになると、温度取得部11は、温度センサ61a~61eによって測定された温度を取得し、その温度を用いてエリア温度を取得して、出力部12、及び制御部26に渡す。また、温度取得部11は、温度センサ62a、62bによって測定されたペリメーター温度を取得して、制御部26に渡す(ステップS102、S103)。エリア温度を受け取ると、出力部12は、そのエリア温度を各エリア53に出力する(ステップS104)。例えば、エリア温度は、照明63の色によって出力されてもよい。このエリア温度の出力が行われることによって、空調空間50に存在する人は、各エリア53の現在の温度について知ることができ、快適に感じるエリア53に移動することができる。また、エリア温度を受け取ると、制御部26は、エリア53ごとに、エリア温度がそのエリア53の目標温度となるように、区画供給部23を制御する(ステップS105)。このエリア温度の取得と、エリア53ごとの区画供給部23の制御とが行われることによって、各エリア53のエリア温度は、目標温度に近づくことになる。
【0072】
また、エリアの拡大縮小や目標温度の変更を行うタイミングになると、人数取得部24は、空調空間50の各エリア53の人数、及び空調空間50の人数を取得して、各エリア53の人数を人密度取得部25に渡し、空調空間50の人数を制御部26に渡す(ステップS106,S107)。各エリア53の人数を受け取ると、人密度取得部25は、それを用いて、各エリア53の人密度を取得して制御部26に渡す(ステップS108)。
【0073】
空間50の人数、及び人密度を受け取ると、制御部26は、空調空間50に存在する人の人数が所定の閾値より少ないかどうか判断する(ステップS109)。この場合には、空調空間50の人数が所定の閾値より少なくなかったとする。すると、制御部26は、人密度が所定の閾値より大きいエリア53が存在するかどうか判断する(ステップS111)。この場合には、人密度が所定の閾値より大きいエリア53が存在しなかったとする。すると、制御部26は、複数のエリア53の目標温度の設定を変更する必要があるかどうか判断する(ステップS113)。制御部26は、例えば、現在のペリメーター温度と、そのペリメーター52を有するエリア53の目標温度との温度差の合計と、エリア53の目標温度を変更した際のその温度差の合計とを比較し、後者の温度差の合計の方が小さい場合に、複数のエリア53の目標温度の設定を変更する必要があると判断してもよい。この場合には、後者の温度差の合計の方が小さかったとする。すると、制御部26は、ペリメーター52b側のエリア53cから、ペリメーター52a側のエリア53aに向かって目標温度が低くなるように、目標温度を変更する(ステップS114)。その結果、例えば、
図3Cで示されるように目標温度が変更されてもよい。この変更が行われることによって、例えば、日射の影響などに応じて適切な目標温度を選択することができるようになり、省エネルギー化を促進することができる。
【0074】
なお、
図3Aのように目標温度が設定されている際に、空調空間50に存在する人の人数が所定の閾値より少なくなった場合には、制御部26は、例えば、
図3Bで示されるように、空調負荷が最も大きいエリア53c、すなわち冷房時の目標温度が最も低いエリア53cを縮小してもよい(ステップS110)。
【0075】
また、
図3Aのように目標温度が設定されている際に、エリア53bの人密度が所定の閾値より大きくなった場合には、制御部26は、例えば、
図3Dで示されるように、人密度が所定の閾値より大きいエリア53bを拡大してもよい(ステップS112)。
【0076】
以上のように、本実施の形態による空調システム1によれば、各エリア53の温度が異なるように空調を行うことができる。また、各エリア53のエリア温度が出力されることによって、空調空間50に存在する人は、各エリア53の温度を知ることができるようになる。したがって、空調空間50に存在する人は、自らが快適と感じる温度のエリア53に移動して滞在することができるようになる。また、隣接するエリア53の間の熱の移動がより小さくなるように、各エリア53の目標温度が設定されることによって、省エネルギーな空調を行うことができる。また、ペリメーター52を有するエリア53の目標温度と、そのペリメーター52のペリメーター温度との温度差がより小さくなるように、各エリア53の目標温度が設定されることによって、省エネルギー化をより促進することができるようになる。また、空調空間50に存在する人の人数が少ない場合に、空調負荷が最も大きい目標温度のエリア53を縮小することによって、より省エネルギーな空調を行うことができる。さらに、人密度が閾値より大きいエリア53を拡大することによって、特定の目標温度のエリア53の人密度が高くなることを解消することができ、空調空間50の各エリア53の人密度がより均等になるようにすることができる。
【0077】
なお、本実施の形態では、人密度に応じたエリア53の拡大を行う場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。人密度に応じたエリア53の拡大は行われなくてもよい。この場合には、空調システム1は、人密度取得部25を備えていなくてもよく、人数取得部24は、エリアごとの人数を取得しなくてもよい。
【0078】
また、本実施の形態では、空調空間50の人数に応じてエリア53の縮小を行う場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。空調空間50の人数に応じたエリア53の縮小は行われなくてもよい。空調空間50の人数に応じてエリア53の縮小を行わず、かつ、人密度に応じたエリア53の拡大を行わない場合には、空調システム1は、人数取得部24を備えていなくてもよい。また、エリア53の拡大も縮小も行われない場合には、例えば、エリア53は、区画51と一致していてもよい。
【0079】
また、本実施の形態では、ペリメーター52のペリメーター温度を考慮した目標温度の設定を行う場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。ペリメーター温度を考慮した目標温度の設定は行われなくてもよい。この場合には、温度取得部11は、ペリメーター温度を取得しなくてもよい。
【0080】
また、本実施の形態では、各エリア53のエリア温度が異なるようにするための制御を行う場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。例えば、
図3Aで示されるようにエリア53a~53cが並んでいる場合に、空調空気の供給をエリア53aにおいてのみ行い、排気または還気のための空気の吸い込みを、エリア53cにおいてのみ行ってもよい。この場合には、エリア53aからエリア53cに向かって、自然に温度勾配が存在することになる。したがって、空調空間50に存在する人は、このような状況において、出力部12によって出力されたエリア温度を参考にして、自らが快適と思うエリア53に移動するようにしてもよい。このように、各エリア53のエリア温度が異なるようにするための積極的な制御を行わない場合には、供給部22は、区画ごとの区画供給部23を有していなくてもよい。この場合には、供給部22は、例えば、空調空間50の少なくとも何れかのエリア53において空調空気を供給するものであってもよい。この供給部22も、例えば、区画供給部23と同様に、可変風量装置等を有していてもよい。また、複数のエリア53は、供給部22によって空調空気が供給されることによって、それぞれ異なる温度となるように設定されることが好適である。
【0081】
また、本実施の形態では、空調システム1に温度出力装置10が含まれる場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。温度出力装置10のみが独立して用いられてもよい。例えば、ある空調システムが空調空間について空調を行う際に、その空調空間に含まれる複数のエリアごとのエリア温度が異なることがある。例えば、空調システムが、空調空間に対して十分な能力を有していない場合にそのような状況になることがある。そのエリアごとのエリア温度を、温度出力装置10によって取得して出力することによって、各エリアのエリア温度を可視化または顕在化することができ、空調空間に存在する人は、その出力されたエリア温度を参考にして、快適と感じる温度のエリアに移動することができるようになる。なお、複数のエリア53は、それぞれ異なる温度となるように設定されることが好適である。
【0082】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、または、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0083】
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、または、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0084】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いる閾値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、または長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、または、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、または、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0085】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いる閾値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、または、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0086】
また、上記実施の形態において、空調システム1や温度出力装置10に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、または、別々のデバイスを有してもよい。
【0087】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、または、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、ソフトウェアにより実現可能な構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。また、そのプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。また、そのプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、または分散処理を行ってもよい。
【0088】
また、以上の実施の形態は、本発明を具体的に実施するための例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲及び均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
1 空調システム
10 温度出力装置
11 温度取得部
12 出力部
21 空調機
22 供給部
23、23a~23e 区画供給部
24 人数取得部
25 人密度取得部
26 制御部
【要約】
【課題】単一の空調空間における仮想的なエリアごとの温度を知ることができるようにするための温度出力装置を提供する。
【解決手段】温度出力装置10は、単一の空調空間50が仮想的に分割された複数のエリアのそれぞれの温度であるエリア温度を取得する温度取得部11と、温度取得部11によって取得されたエリア温度を出力する出力部12とを備える。このようにして、空調空間50に存在する人は、各エリアのエリア温度について知ることができるようになり、自らが快適に感じる温度のエリアに移動することができるようになる。
【選択図】
図1