(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】遊技台保持装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
A63F7/02 349A
(21)【出願番号】P 2024006519
(22)【出願日】2024-01-19
【審査請求日】2024-01-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000108247
【氏名又は名称】株式会社ジェッター
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100096105
【氏名又は名称】天野 広
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】舛本 貴司
【審査官】小泉 早苗
(56)【参考文献】
【文献】特許第7171110(JP,B1)
【文献】特開2023-087946(JP,A)
【文献】特開2003-024608(JP,A)
【文献】特開2011-115288(JP,A)
【文献】特開2004-195096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台を当該遊技台の周囲に配置されている遊技台設置用枠に対して解除可能に保持する遊技台保持装置であって、
前記遊技台保持装置は、
前記遊技台設置用枠に固定されたベース部材と、
鉛直面内において回動可能であるように前記ベース部材に支持されている操作レバーと、
前記遊技台の右側面及び左側面の何れか一方に当接する第一位置と前記遊技台の右側面及び左側面の何れか一方から離れた第二位置との間を
水平方向においてスライド可能に形成されている側面支持ユニットと、
前記操作レバーを前記側面支持ユニットに作動的に連結するリンク機構と、
を備えており、
前記リンク機構は前記操作レバーの回動動作を前記側面支持ユニットのスライド動作に変換し、前記操作レバーの回動の方向に応じて前記側面支持ユニットを前記第一位置から前記第二位置へ、または前記第二位置から前記第一位置へ
水平方向においてスライドさせるものである遊技台保持装置。
【請求項2】
前記側面支持ユニットは、
前記ベース部材に固定され、鉛直面を有する支持部材と、
パッドと、
を備えており、
前記ベース部材及び前記支持部材には相互に対向して水平方向に延びるスロットがそれぞれ形成されており、
前記パッドは、前記スロットに篏合し、前記スロット内をスライド可能な突出体を有しており、
前記パッドは、前記突出体が前記スロット内をスライドすることにより、前記第一位置と前記第二位置との間をスライドするものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技台保持装置。
【請求項3】
前記リンク機構は、
前記ベース部材に固定され、鉛直面を有するベース板と、
第一リンク部材と、
第一部分と、前記第一部分の先端から直角方向に延びる第二部分とを有する第二リンク部材と、
第三リンク部材と、
を備え、
前記第一リンク部材は、その一端において回動可能に前記ベース板に、その他端において回動可能に前記操作レバーにそれぞれ連結されており、
前記第二リンク部材は、前記第一部分の一端において前記第一リンク部材の前記一端より前記遊技台に近い位置で回動可能に前記ベース板に、前記第一部分の他端において前記第一リンク部材の前記他端より前記遊技台に近い位置で回動可能に前記操作レバーにそれぞれ連結されており、
前記第三リンク部材はその一端において前記第二リンク部材の前記第二部分の先端と回動可能に連結され、その他端において前記パッドと回動可能に連結されていることを特徴とする請求項2に記載の遊技台保持装置。
【請求項4】
前記ベース部材に固定され、鉛直面を有するベース板を備えており、
前記操作レバーは鉛直面内において回動可能であるように前記ベース板に支持されており、
前記ベース部材は水平面を備えており、前記ベース板は前記ベース部材の前記水平面に対してスライド可能であるように前記ベース部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技台保持装置。
【請求項5】
前記ベース板が前記ベース部材の前記水平面に対してスライドする長さを調節するスライド長さ調節機構を備えることを特徴とする請求項4に記載の遊技台保持装置。
【請求項6】
前記遊技台保持装置は、
前記遊技台設置用枠に固定され、かつ、前記遊技台の背面に対向する支持面を有する支持板に取り付けられ、前記遊技台の背面を支持する背面支持ユニットと、
前記側面支持ユニットが作動したときに前記側面支持ユニットの動作を前記背面支持ユニットに伝達する伝達部材と、
を備え、
前記背面支持ユニットは、前記遊技台の前記背面と直交する面内において回動可能であり、
前記パッドが前記第二位置から前記第一位置に回動すると、前記パッドの回動動作が前記伝達部材を介して前記背面支持ユニットに伝達され、前記背面支持ユニットは前記遊技台の前記背面と接触する位置に固定されるものであることを特徴とする請求項
2に記載の遊技台保持装置。
【請求項7】
前記伝達部材は非伸縮性のワイヤーからなり、
前記伝達部材は、前記側面支持ユニットが作動したときに前記側面支持ユニットの動作に応じてその長さ方向に移動し、長さ方向に移動することによって前記側面支持ユニットの動作を前記背面支持ユニットに伝達するものであることを特徴とする請求項6に記載の遊技台保持装置。
【請求項8】
前記背面支持ユニットは、
鉛直方向に延びる前記支持面を有する支持板と、
前記支持板の長さ方向における両端の間にある第一点を中心として前記支持板と直交する面内において回動可能な第一部材と、
前記第一部材を取り囲む第二部材であって、鉛直方向に延びる長孔を側壁に有する第二部材と、
前記長孔に沿ってスライド可能なスライド部材と、
を備え、
前記スライド部材は、前記第一点と前記第一部材の一端との間において前記第一部材と接しており、
前記スライド部材は前記伝達部材と連結されており、前記伝達部材がその長さ方向に移動すると、前記スライド部材が前記長孔に沿ってスライドし、前記スライド部材が前記長孔に沿ってスライドすると、前記第一部材が前記遊技台の前記背面と接触する位置に固定されるものであることを特徴とする請求項6に記載の遊技台保持装置。
【請求項9】
前記第一部材が前記遊技台の前記背面と接触する位置にあるように前記第一部材を付勢する弾性部材を備えることを特徴とする請求項8に記載の遊技台保持装置。
【請求項10】
前記第一部材が前記遊技台の前記背面から離れた位置にあるように前記第一部材を付勢する弾性部材を備えることを特徴とする請求項8に記載の遊技台保持装置。
【請求項11】
前記パッドが前記第一位置から前記第二位置に回動すると、前記パッドの回動動作が前記伝達部材を介して前記背面支持ユニットに伝達され、前記第一部材は前記遊技台の前記背面と接触する位置から、前記遊技台の前記背面から離れた位置に移行するものであることを特徴とする請求項10に記載の遊技台保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技台、スロット遊技台その他の遊技台を遊技台設置用枠に保持するための遊技台保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店などの遊技台設置店には複数個の遊技台が所定のスペース内に配置されており、このような複数個の遊技台が固まって配置されている領域(または、そのスペース内のそれらの複数個の遊技台)は「島」と呼ばれる。遊技台設置店においては、島ごとに複数個の板材や柱材を長方形状に組み合わせた遊技台設置用枠が構成されており、各遊技台はこの遊技台設置用枠に固定された状態で横一列に配置される。
遊技台を解除可能に遊技台設置用枠に固定する遊技台保持装置の一例として、特許文献1に記載された遊技台保持装置がある。
図26は横方向に一列に配置された複数個の遊技台700の正面図である。複数個の遊技台700の各々には特許文献1に記載された従来の遊技台保持装置500が取り付けられている。
図27は遊技台保持装置500の位置を明確にするために遊技台700を省略した場合の
図26に対する背面図である。
【0003】
横一列に配置された複数個の遊技台700の周囲には遊技台設置用枠800が配置されている。遊技台設置用枠800は、複数個の遊技台700の直下において遊技台700が並ぶ方向と同一の水平方向に延びる下部枠810と、下部枠810から奥に向かって水平方向に延びる第二下部枠(図示せず)と、遊技台700の後方かつ上方において下部枠810と平行に水平方向に延びる上部枠830と、下部枠810及び第二下部枠と上部枠830との各両端において上下方向(鉛直方向)に延び、下部枠810及び第二下部枠と上部枠830とを結合している側部枠(垂直枠)820と、を備えている。
各遊技台700に隣接して遊技媒体貸し出し機710が配置されている(遊技媒体貸し出し機710の機能を備えた遊技台としてスマートスロット機やスマートパチンコ機などがある。遊技媒体貸し出し機710はこれらの遊技台に対しては配置されないが、遊技台700にはこのようなスマート機も含むものとする)。遊技台700の利用者が遊技媒体貸し出し機710に紙幣(またはカード)を投入すると、投入した紙幣の額に応じた数の遊技媒体(パチンコ玉やメダルなど)が払い出される。
【0004】
各遊技台700は下部枠810上に載せられて保持されている。すなわち、遊技台700は下部枠810によってその下面を支持されている。
図26に示すように、各遊技台700の右側には遊技媒体貸し出し機710が隣接して配置され、遊技媒体貸し出し機710は側部枠820に接している。このように、各遊技台700は下部枠810に下面を支持され、遊技媒体貸し出し機710を介して側部枠820に右側面を支持されている。
図28は遊技台700の正面側から見たときの遊技台保持装置500の斜視図である。
図28に示すように、遊技台保持装置500は、上部枠830に固定されたベース部材510と、側面支持ユニット520と、から構成されている。
図29及び
図30は側面支持ユニット520の背面図(遊技台700の背面側から見た図)である。
【0005】
図29及び
図30に示すように、遊技台保持装置500は各遊技台700の上方に配置されており、遊技台700を上部枠830に対して解除可能に支持する機能を有している。
図28に示すように、ベース部材510はL字型の部材であり、ネジその他の結合手段によりL字型アングル510Cを介して上部枠830の上面に固定されている。
図29及び
図30に示すように、側面支持ユニット520は、ベース部材510に固定されたベース板521と、操作レバー522と、接触パッドユニット530と、操作レバー522と接触パッドユニット530とを作動的に連結するリンク機構540と、から構成されている。
図29及び
図30に示すように、リンク機構540は、直線状の第一リンク部材523と、L字型の第二リンク部材524と、直線状の第三リンク部材525と、から構成されている。
【0006】
第一リンク部材523は第一ピン527A及び第二ピン527Bを介してそれぞれベース板521及び操作レバー522と回動可能に連結され、第二リンク部材524は第三ピン527C及び第四ピン527Dを介してそれぞれベース板521及び操作レバー522と回動可能に連結され、さらに、第五ピン527Eを介して第三リンク部材525と回動可能に連結されている。
接触パッドユニット530は接触パッド533を備えており、接触パッド533は支点534を中心として回動可能である。具体的には、接触パッド533は、遊技台700の左側面700Aに接触し、
図29の左方向に向かって遊技台700を押圧する第一位置(
図29に示す位置)と、遊技台700の左側面700Aから離れ、左側面700Aとは接触していない第二位置(
図30に示す位置)との間において支点534を中心として回動する。
【0007】
接触パッド533はピン525Bを介して第三リンク部材525と回動可能に連結されている。このため、操作レバー522の回動動作はリンク機構540を介して接触パッド533に伝達され、支点534を中心とする接触パッド533の回動動作に変換される。
具体的には、操作レバー522を反時計回りの方向R(
図30)に回動させると接触パッド533は支点534を中心として時計回りの方向に回動し、遊技台700の左側面700Aに接する第一位置に達する(
図29)。操作レバー522を時計回りの方向S(
図29)に回動させると接触パッド533は支点534を中心として反時計回りの方向に回動し、遊技台700の左側面700Aから離れた第二位置に移行する(
図30)。
以上のように、遊技台保持装置500は遊技台700を解除可能に遊技台設置用枠800に固定することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の遊技台保持装置500には以下のような問題点があった。
第一の問題点はスペースの問題である。
図29及び
図30に示すように、接触パッド533は支点534を中心として回動するため、回動に必要な比較的大きなスペースが必要となる。しかしながら、遊技台700の周囲には狭いスペースしかなく、接触パッド533の回動に必要なスペースを確保することは困難が伴うことが多い。
第二の問題点は接触パッド533と遊技台700との接触の問題である。
図29に示すように、接触パッド533はその全面において遊技台700の左側面700Aに接することが要求される。すなわち、接触パッド533が遊技台700の左側面700Aに接するときには、接触パッド533の面が鉛直方向にあることが必要である。このためには、遊技台保持装置500と遊技台700との間の相対的位置関係を正確に定めることが必要になるが、それは遊技台700の設置現場においては困難であることが多い。
【0010】
例えば、遊技台保持装置500の位置(ひいては接触パッド533の位置)が
図29の位置から右または左にずれると、接触パッド533が遊技台700の左側面700Aに接するときに接触パッド533の面は鉛直方向から傾斜した方向にずれてしまい、接触パッド533はその上端または下端においてのみ遊技台700の左側面700Aに接することになり、遊技台700に対して十分な保持力を発揮することができなくなる。
本発明は以上のような従来の遊技台保持装置500における問題点に鑑みてなされたものであり、遊技台700を保持する際に最小限のスペースで足り、また、遊技台700に対して十分な保持力を発揮することを可能にする遊技台保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するため、本発明は、遊技台(700)を当該遊技台(700)の周囲に配置されている遊技台設置用枠(800)に対して解除可能に保持する遊技台保持装置(100)であって、前記遊技台保持装置(100)は、前記遊技台設置用枠(800)に固定されたベース部材(110)と、鉛直面内において回動可能であるように前記ベース部材(110)に支持されている操作レバー(120)と、前記遊技台(700)の右側面及び左側面の何れか一方(700A)に当接する第一位置と前記遊技台(700)の右側面及び左側面の何れか一方(700A)から離れた第二位置との間を水平方向においてスライド可能に形成されている側面支持ユニット(130)と、前記操作レバー(120)を前記側面支持ユニット(130)に作動的に連結するリンク機構(140)と、を備えており、前記リンク機構(140)は前記操作レバー(120)の回動動作を前記側面支持ユニット(130)のスライド動作に変換し、前記操作レバー(120)の回動の方向に応じて前記側面支持ユニット(130)を前記第一位置から前記第二位置へ、または前記第二位置から前記第一位置へ水平方向においてスライドさせるものである遊技台保持装置(100)を提供する。
【0012】
前記側面支持ユニット(130)は、例えば、前記ベース部材(110)に固定され、鉛直面(131B)を有する支持部材(131)と、パッド(132)と、を備えており、前記ベース部材(110)及び前記支持部材(131)には相互に対向して水平方向に延びるスロット(111D, 131D)がそれぞれ形成されており、前記パッド(132)は、前記スロット(111D, 131D)に篏合し、前記スロット(111D, 131D)内をスライド可能な突出体(132C)を有しており、前記パッド(132)は、前記突出体(132C)が前記スロット(111D, 131D)内をスライドすることにより、前記第一位置と前記第二位置との間をスライドするものであることを特徴とすることが好ましい。
【0013】
前記リンク機構(140)は、例えば、前記ベース部材(110)に固定され、鉛直面(144A)を有するベース板(144)と、第一リンク部材(141)と、第一部分(142A)と、前記第一部分(142A)の先端から直角方向に延びる第二部分(142B)とを有する第二リンク部材(142)と、第三リンク部材(143)と、を備え、前記第一リンク部材(141)は、その一端において回動可能に前記ベース板(144)に、その他端において回動可能に前記操作レバー(120)にそれぞれ連結されており、前記第二リンク部材(142)は、前記第一部分(142A)の一端において前記第一リンク部材(141)の前記一端より前記遊技台(700)に近い位置で回動可能に前記ベース板(144)に、前記第一部分(142A)の他端において前記第一リンク部材(141)の前記他端より前記遊技台(700)に近い位置で回動可能に前記操作レバー(120)にそれぞれ連結されており、前記第三リンク部材(143)はその一端において前記第二リンク部材(142)の前記第二部分(142B)の先端と回動可能に連結され、その他端において前記パッド(132)と回動可能に連結されていることを特徴とすることが好ましい。
【0014】
本発明に係る遊技台保持装置は、例えば、前記ベース部材(110)に固定され、鉛直面(144A)を有するベース板(144)を備えており、前記操作レバー(120)は鉛直面内において回動可能であるように前記ベース板(144)に支持されており、前記ベース部材(110)は水平面(110A)を備えており、前記ベース板(144)は前記ベース部材(110)の前記水平面(110A)に対してスライド可能であるように前記ベース部材(110)に取り付けられていることが好ましい。
本発明に係る遊技台保持装置は、前記ベース板(144)が前記ベース部材(110)の前記水平面(110A)に対してスライドする長さを調節するスライド長さ調節機構(210)を備えることができる。
【0015】
前記遊技台保持装置(100)は、例えば、前記遊技台設置用枠(800)に固定され、かつ、前記遊技台(700)の背面(700C)に対向する支持面(561A)を有する支持板(561)に取り付けられ、前記遊技台(700)の背面(700C)を支持する背面支持ユニット(550)と、前記側面支持ユニット(130)が作動したときに前記側面支持ユニット(130)の動作を前記背面支持ユニット(550)に伝達する伝達部材(580)と、を備え、前記背面支持ユニット(550)は、前記遊技台(700)の前記背面(700C)と直交する面内において回動可能であり、前記パッド(132)が前記第二位置から前記第一位置に回動すると、前記パッド(132)の回動動作が前記伝達部材(580)を介して前記背面支持ユニット(550)に伝達され、前記背面支持ユニット(550)は前記遊技台(700)の前記背面(700C)と接触する位置に固定されるものであることが好ましい。
【0016】
前記伝達部材(580)は非伸縮性のワイヤーからなり、前記伝達部材(580)は、前記側面支持ユニット(130)が作動したときに前記側面支持ユニット(130)の動作に応じてその長さ方向に移動し、長さ方向に移動することによって前記側面支持ユニット(130)の動作を前記背面支持ユニット(550)に伝達するものであることが好ましい。
前記背面支持ユニット(550)は、例えば、鉛直方向に延びる前記支持面(561A)を有する支持板(561)と、前記支持板(561)の長さ方向における両端の間にある第一点(562A)を中心として前記支持板(561)と直交する面内において回動可能な第一部材(562)と、前記第一部材(562)を取り囲む第二部材(563)であって、鉛直方向に延びる長孔(563A)を側壁に有する第二部材(563)と、前記長孔(563A)に沿ってスライド可能なスライド部材(564)と、を備え、前記スライド部材(564)は、前記第一点(562A)と前記第一部材(563)の一端との間において前記第一部材(562)と接しており、前記スライド部材(564)は前記伝達部材(580)と連結されており、前記伝達部材(580)がその長さ方向に移動すると、前記スライド部材(564)が前記長孔(563A)に沿ってスライドし、前記スライド部材(564)が前記長孔(563A)に沿ってスライドすると、前記第一部材(562)が前記遊技台(700)の前記背面(700C)と接触する位置に固定されるものであることが好ましい。
【0017】
遊技台保持装置(300)は、前記第一部材(562)が前記遊技台(700)の前記背面(700C)と接触する位置にあるように前記第一部材(562)を付勢する弾性部材(565)を備えることが好ましい。
遊技台保持装置(300)は、前記第一部材(562)が前記遊技台(700)の前記背面(700C)から離れた位置にあるように前記第一部材(562)を付勢する弾性部材(565A)を備えることが好ましい。
前記パッド(132)が前記第一位置から前記第二位置に回動すると、前記パッド(132)の回動動作が前記伝達部材(580)を介して前記背面支持ユニット(550)に伝達され、前記第一部材(562)は前記遊技台(700)の前記背面(700C)と接触する位置から、前記遊技台(700)の前記背面(700C)から離れた位置に移行するものであることが好ましい。
括弧内の参照符号は後述する実施形態との対応関係を示す目的のためにだけ使用されているものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る遊技台保持装置によれば、以下の効果を得ることができる。
第一の効果はスペース確保の問題を解決できることである。
従来の遊技台保持装置500においては、接触パッド533が回動するための比較的大きなスペースが必要となっていた。
これに対して、本発明に係る遊技台保持装置においては、側面支持ユニットは回動を行わず、水平方向にスライド動作を行うだけであるので、接触パッド533の回動に必要なスペースよりかなり小さいスペースがあれば十分に稼働することができる。
このように、本発明に係る遊技台保持装置は必要最小限のスペースがあれば稼働することができ、遊技台700の周囲において大きなスペースを確保することは不要となり、従来からのスペースの問題を解決することができる。
【0019】
第二の効果は遊技台に対して十分な支持力を発揮できることである。
従来の遊技台保持装置500においては、接触パッド533が遊技台700の左側面700Aに接するときに、接触パッド533の面が鉛直方向にあることが必要であった。
これに対して、本発明に係る遊技台保持装置においては、側面支持ユニットは常にその接触面が鉛直方向にあるため、側面支持ユニットが遊技台700の左側面700Aに接するときには、常に全面で接触することができる。このため、遊技台700に対して常時十分な保持力を発揮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る遊技台保持装置の背面図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態に係る遊技台保持装置の背面図である。
【
図3】
図3(A)及び
図3(B)はそれぞれベース部材の斜視図及び側面図である。
【
図4】操作レバー及びリンク機構の部分的な背面図である。
【
図5】操作レバー及びリンク機構の部分的な側面図である。
【
図8】パッドユニットがスライドするときの支持部材とパッドユニットとの位置関係を示す部分的な側面図である。
【
図9】本発明の第一の実施形態に係る遊技台保持装置の部分的な斜視図である。
【
図11】ベース板のスライド量を調節するスライド量調節機構の他の例を示す斜視図である。
【0021】
【
図12】スライド量調節機構に用いられるスライド位置調整部材の斜視図である。
【
図14】本発明の第三の実施形態に係る遊技台保持装置の斜視図である。
【
図20】
図20(A)及び
図20(B)はそれぞれ背面支持ユニットの斜視図及び側面図である。
【
図21】他の例のバネを用いた場合の背面支持ユニットの斜視図である。
【
図23】
図23(A)及び
図23(B)はそれぞれ背面支持ユニットの斜視図及び側面図である。
【0022】
【
図24】
図21に示した背面支持ユニットを用いた遊技台保持装置の斜視図である。
【
図25】バネの他の取り付け位置を示す部分的な側面図である。
【
図26】横方向に一列に配置された複数個の遊技台の正面図である。
【
図27】遊技台保持装置の位置を明確にするために遊技台を省略した場合の
図26に対する背面図である。
【
図28】遊技台の正面側から見たときの従来の遊技台保持装置の斜視図である。
【
図29】従来の遊技台保持装置における側面支持ユニットの背面図である。
【
図30】従来の遊技台保持装置における側面支持ユニットの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第一の実施形態)
図1及び
図2は本発明の第一の実施形態に係る遊技台保持装置100の
図29及び
図30と同様の背面図(遊技台700の背面側から見た図)である。
遊技台保持装置100は、従来の遊技台保持装置500と同様に、遊技台設置用枠800に固定された状態で使用される。
遊技台保持装置100は、遊技台設置用枠800に固定されたベース部材110と、鉛直面内において回動可能であるようにベース部材110に支持されている操作レバー120と、遊技台700の左側面700Aに当接する第一位置(
図1に示す位置)と遊技台700の左側面700Aから離れた第二位置(
図2に示す位置)との間を水平方向にスライド可能に形成されている側面支持ユニット130と、操作レバー120と側面支持ユニット130とを相互に作動的に連結するリンク機構140と、を備えている。
【0024】
後述するように、リンク機構140は操作レバー120の回動動作(
図1に示す時計回りの方向Sへの回動及び
図2に示す反時計回りの方向Rへの回動)を側面支持ユニット130のスライド動作に変換し、操作レバー120の回動の方向SまたはRに応じてそれぞれ側面支持ユニット130を第一位置から第二位置へ、または第二位置から第一位置へスライドさせる機能を有している。
図1及び
図2に示すように、遊技台保持装置100は各遊技台700の上方に配置されており、遊技台700を上部枠830に対して解除可能に支持する機能を有している。
図3(A)はベース部材110の斜視図、
図3(B)はベース部材110の側面図である。
【0025】
ベース部材110は、水平方向に延びる水平面110Aと、水平面110Aの一端から水平面110Aと直交する方向(鉛直方向)に延びる鉛直面110Bと、鉛直面110Bに固定的に取り付けられたL字型アングル110C(
図28に示したL字型アングル510Cと同様のもの)と、水平面110A及び鉛直面110Bの一端(
図3(A)の左端)において水平面110A及び鉛直面110Bに結合された平面110Dと、を備えており、ベース部材110はネジその他の結合手段によりL字型アングル110Cを介して上部枠830に固定されている。
図3(A)に示すように、水平面110Aには矩形状の開口111Aが形成されており、開口111Aの一方の側(
図3(A)では左側)には4個のネジ孔111B、開口111Aの他方の側(
図3(A)では右側)には2個の貫通孔111Cがそれぞれ形成されている。
鉛直面110Bにはその他端(
図3(A)の右端)付近において水平方向に延びる長孔状のスロット111Dが形成されている。
【0026】
図1及び
図2に示すように、リンク機構140は、一対の第一リンク部材141と、一対の第二リンク部材142と、一対の第三リンク部材143と、ベース板144と、から構成されている。
ベース板144は鉛直面144Aと水平面144Bとを有するL字型の平板状部材であり、水平面144Bにおいてベース部材110のネジ孔111Bにネジ止めされ、ベース部材110の水平面110A上に鉛直面144Aが直立している。ベース部材110は鉛直面110B及びL字型アングル110Cを介して上部枠830に固定されているので、ベース板144もベース部材110を介して間接的に上部枠830に固定されていることになる。
図4は操作レバー120及びリンク機構140の部分的な背面図、
図5は操作レバー120及びリンク機構140の部分的な側面図である。
【0027】
図4に示すように、ベース板144には二つの貫通孔144A、144Bが形成されている。貫通孔144Aは貫通孔144Bより上方に、すなわち、遊技台700からより離れて位置しているとともに、貫通孔144Bは貫通孔144Aよりも右側に、すなわち、操作レバー120により近い位置に形成されている。
操作レバー120は平板状の部材からなり、その一端(
図4においては上端)に取っ手120Aが取り付けられている。操作レバー120には2個の貫通孔120B、120Cが形成されている。貫通孔120Bは貫通孔120Cより上方に、すなわち、遊技台700から上方により離れて位置している。
一対の第一リンク部材141の各々は同一形状の平板状の部材であり、各第一リンク部材141には2個の貫通孔141A、141Bが形成されている。
図5に示すように、一対の第一リンク部材141はベース板144及び操作レバー120の両側にそれらを挟み込むようにしてそれぞれ回動可能に取り付けられている。
【0028】
ベース板144と第一リンク部材141とは、ベース板144の貫通孔144Aと第一リンク部材141の貫通孔141Aとに第一ピン145Aを通すことによって、相互に回動可能に連結されている。さらに、第一リンク部材141と操作レバー120とは、第一リンク部材141の貫通孔141Bと操作レバー120の貫通孔120Bとに第二ピン145Bを通すことによって、相互に回動可能に連結されている。
一対の第二リンク部材142の各々は同一形状の平板状の部材であり、
図5に示すように、一対の第二リンク部材142はベース板144及び操作レバー120の両側にそれらを挟み込むようにしてそれぞれ回動可能に取り付けられている。
各第二リンク部材142はL字型をなしており、具体的には、一方向(
図1においては水平方向)に延びる第一部分142Aと、第一部分142Aの先端(
図1においては右端)から直角方向(
図1においては下方向)に延びる第二部分142Bとから構成されている。第二部分142Bはベース部材110の水平面110Aに形成された開口111Aを介してベース部材110の水平面110Aの下方に突出している。
【0029】
第一部分142Aの先端(
図4においては左端)には貫通孔142Cが形成され、他端(
図4においては右端、すなわち、第一部分142Aと第二部分142Bとの交点)には貫通孔142Dが形成され、さらに、第二部分142Bの先端には貫通孔142Eが形成されている。
ベース板144と各第二リンク部材142とは、ベース板144の貫通孔144Bと各第二リンク部材142の貫通孔142Cとに第三ピン145Cを通すことによって、相互に回動可能に連結されている。さらに、第二リンク部材142と操作レバー120とは、各第二リンク部材142の貫通孔142Dと操作レバー120の貫通孔120Cとに第四ピン145Dを通すことによって、相互に回動可能に連結されている。
【0030】
図1及び
図2に示すように、第三リンク部材143は平板状の細長い部材からなり、一端(
図1及び
図2の左端)には第三リンク部材143の長さ方向に延びる長孔143A、他端(
図1及び
図2の右端)には貫通孔143Bがそれぞれ形成されている。
図4に示すように、第三リンク部材143は、長孔143A及び第二リンク部材142の貫通孔142Eに第五ピン145Eを通すことにより、第二リンク部材142に対して回動可能に、かつ、長孔143Aに沿ってスライド可能であるように連結されている。
図1及び
図2に示すように、側面支持ユニット130は支持部材131とパッドユニット132とを備えている。
図6は支持部材131の斜視図である。
【0031】
図6に示すように、支持部材131は、水平面131Aと、水平面131Aの一端から鉛直方向下方に延びる鉛直面131Bと、を有しており、水平面131Aには2個のネジ孔131Cが形成され、鉛直面131Bには水平方向に延びる長孔状のスロット131Dが形成されている。
支持部材131は、ベース部材110の水平面110Aに形成された2個の貫通孔111Cを介してネジ孔131Cにネジ止めされることにより、水平面110Aの裏面側に取り付けられる(
図1及び
図2においては、支持部材131の一部のみを図示)。支持部材131がベース部材110に取り付けられたとき、スロット131Dはベース部材110の鉛直面110Bに形成されたスロット111Dと水平方向において対向するようになっている。
図7はパッドユニット132の斜視図である。
【0032】
パッドユニット132は、水平面132Aと、水平面132Aの一端から鉛直方向下方に延びる鉛直面132Bと、を有している。
水平面132Aの両側縁には水平方向外側に突出する同一形状の突出体132Cが同一位置に形成されている。各突出体132Cはスロット111D及びスロット131Dに篏合可能な大きさを有しており、スロット111D及びスロット131Dの内部をスライド可能である。2個の突出体132Cがそれぞれスロット111D及びスロット131Dに篏合することにより、パッドユニット132は支持部材131に取り付けられた状態になる。
水平面132Aには2個の支持体134が2個の突出体132Cの間において相互に対向して直立して形成されている。各支持体134にはそれぞれ貫通孔134Aが形成されており、第三リンク部材143の右端に形成された貫通孔143Bと各貫通孔134Aとにピン145F(
図1及び
図2参照)を通すことにより、第三リンク部材143はパッドユニット132に対して回動可能に連結されている。
【0033】
鉛直面132Bの裏面側にはゴム製の接触パッド133が張り付けられており、接触パッド133が遊技台700の左側面700Aに接する。
図8はパッドユニット132がスライドするときの支持部材131とパッドユニット132との位置関係を示す部分的な側面図である。
以下、
図1、
図2及び
図8を参照して、遊技台保持装置100の動作を説明する。
遊技台700を設置する前の状態においては、
図2に示すように、側面支持ユニット130は第二位置にあるように維持される。この状態においては、操作レバー120は鉛直方向から時計回りの方向に傾斜しており、パッドユニット132は遊技台700の左側面700Aの接触予定位置からは離れた位置にある。また、2個の突出体132Cはそれぞれスロット111D及びスロット131Dに篏合しており、
図8(B)に示すように、スロット111D及びスロット131D内の右側に寄った位置にある。
【0034】
遊技台700を設置した後、操作レバー120を反時計回りの方向Rに回動させると、操作レバー120の回動動作はリンク機構140によって各第二リンク部材142の第二部分142Bの先端の水平直線運動に変換される。すなわち、第二部分142Bの先端は
図2の左方向に向かう直線運動を行う。
第三リンク部材143は第五ピン145Eを介して各第二リンク部材142の第二部分142Bの先端と連結されているため、第二部分142Bの先端が左方向に直線運動を行うと、第三リンク部材143も第二部分142Bに引っ張られて同様の直線運動を行う。
第三リンク部材143はその右端においてピン145Fを介してパッドユニット132と連結されているため、
図8(A)に示すように、2個の突出体132Cはスロット111D及びスロット131D内をスライドし、スロット111D及びスロット131D内の左端に近い位置まで移動する。すなわち、パッドユニット132は第二位置(
図2)から第一位置(
図1)に移行し、遊技台700の左側面700Aに接し、遊技台700を左側面700Aにおいて支持する(押さえる)。
【0035】
遊技台700の左側面700Aに対する支持を解除する場合には、操作レバー120を時計回りの方向Sに回動させる。これによって、上記とは逆の動作が行われ、2個の突出体132Cはスロット111D及びスロット131D内をスライドし、
図8(A)に示す位置から
図8(B)に示す位置に移行し、これに伴い、パッドユニット132は第一位置(
図1)から第二位置(
図2)に移行し、遊技台保持装置100による遊技台700の左側面700Aに対する支持は解除される。
以上のような動作を行う遊技台保持装置100によれば、以下の効果を得ることができる。
従来の遊技台保持装置500においては、接触パッド533が回動するための比較的大きなスペースが必要となっていた。
【0036】
これに対して、本実施形態に係る遊技台保持装置100においては、パッドユニット132(接触パッド533に対応する部材)は回動を行わず、水平方向にスライド動作を行うだけであるので、接触パッド533の回動に必要なスペースよりかなり小さいスペースがあれば足りる。
このように、本実施形態に係る遊技台保持装置100は必要最小限のスペースがあれば稼働することができ、遊技台700の周囲において大きなスペースを確保することは不要となり、スペースの問題を解決することができる。
さらに、従来の遊技台保持装置500においては、接触パッド533が遊技台700の左側面700Aに接するときに、接触パッド533の面が鉛直方向にあることが必要であるという問題点があった。
これに対して、本実施形態に係る遊技台保持装置100においては、パッドユニット132は常にその面が鉛直方向にあるため、パッドユニット132が遊技台700の左側面700Aに接するときには、常にパッドユニット132の全面で接触することができる。このため、遊技台700に対して常時十分な保持力を発揮することが可能である。
【0037】
(第二の実施形態)
以下、本発明の第二の実施形態に係る遊技台保持装置を説明する。本実施形態に係る遊技台保持装置は、第一の実施形態に係る遊技台保持装置100と比較して、側面支持ユニット130のスライド開始位置(またはスライド終了位置)を水平方向において左右に変位させる機構を有している。この点を除いて、本実施形態に係る遊技台保持装置は第一の実施形態に係る遊技台保持装置100と同一の構造を有している。
図9は本実施形態に係る遊技台保持装置の部分的な斜視図である。
本実施形態に係る遊技台保持装置は、第一の実施形態に係る遊技台保持装置100と比較して、スライド位置調整部材200を追加的に備えている。
図10はスライド位置調整部材200の斜視図である。
図10に示すように、スライド位置調整部材200は、鉛直方向に延びる鉛直面200Aと、鉛直面200Aの下端から鉛直面200Aと直交して水平方向に延びる水平面200Bと、を備えている。
【0038】
鉛直面200Aの幅は水平面200Bの幅より小さく、鉛直面200Aと水平面200Bとは共通の中心線(
図10において、水平面200Bの左右に延びる線)を有している。
水平面200Bには正方形の各頂点に位置するように4個のネジ孔200Cが形成されている。
ベース部材110の水平面110Aには矩形状の開口111Eが形成されている。開口111Eは、スライド位置調整部材200の鉛直面200Aが篏合可能な幅と、鉛直面200Aがベース部材110の長さ方向においてスライド可能であるような長さLを有している。すなわち、スライド位置調整部材200の鉛直面200Aは開口111E内において開口111Eの一端111Eaと他端111Ebとの間をスライド可能である。
【0039】
また、本実施形態におけるベース部材110の水平面110Aには、ベース部材110の長さ方向において隣接する2個のネジ孔111Bに代えて1個の長孔(計2個の長孔)が形成されている。各長孔はベース部材110の長さ方向に相互に平行に延びている。
スライド位置調整部材200は、ベース板144の水平面144Bに形成されている貫通孔及びベース部材110の水平面110Aに形成されている長孔を介して水平面200Bのネジ孔200Cにネジ止めされることにより、ベース部材110に取り付けられている。この状態においては、水平面200Bがベース部材110の水平面110Aの裏面に接し、鉛直面200Aは開口111Eから上方に突出している。
ベース板144はネジを介してベース部材110に対して固定されているが、ネジを緩めることによって、ネジ孔111Bに代えて形成されている長孔の範囲内においてスライド可能である。
【0040】
上記のように、スライド位置調整部材200とベース板144とは相互に連結されているため、ベース板144をベース部材110の長さ方向にスライドさせれば、スライド位置調整部材200もベース板144とともに長さLの範囲内においてスライドする。
以上のような構造を有する本実施形態に係る遊技台保持装置は以下のような機能・効果を奏する。
操作レバー120、側面支持ユニット130及びリンク機構140は直接的または間接的にベース板144に連結されている。このため、ベース板144が左右に移動(スライド)すれば、それに応じて、操作レバー120、側面支持ユニット130及びリンク機構140も左右に移動する。
【0041】
上記のように、スライド位置調整部材200はベース板144とともにスライド可能であるため、ベース板144をスライドさせれば、操作レバー120、側面支持ユニット130及びリンク機構140とともにスライド位置調整部材200も同方向にスライドする。
スライド量は長孔の長さ及び開口111Eの長さLにより画定され、長孔の長さ及び開口111Eの長さLを変えることにより、スライド量を調整することができる。
このように、ベース板144をスライドさせることにより、側面支持ユニット130のスライド開始位置(またはスライド終了位置)を左右に変位させることができ、ひいては、接触パッド133の位置を微調整することが可能になり、より確実に接触パッド133の面全体を遊技台700の左側面700Aに接触させることが可能である。
【0042】
図11はベース板144のスライド量を調節するスライド量調節機構の他の例を示す斜視図である。
このスライド量調節機構は、
図11に示すように、スライド位置調整部材200の他に、固定用部材210と、ネジ部材211と、固定用ナット212と、を備えている。
図12はスライド量調節機構に用いられるスライド位置調整部材200の斜視図である。
スライド量調節機構に用いられるスライド位置調整部材200は、
図10に示したスライド位置調整部材200と比較して、鉛直面200Aの中央にネジ孔200Dが追加的に形成されている。
図13は固定用部材210の斜視図である。
【0043】
固定用部材210は、
図12に示したスライド位置調整部材200と同様の形状をなしており、鉛直面210Aと水平面210Bとを有しており、鉛直面210Aには貫通孔210Cが、水平面210Bには2個のネジ孔210Dがそれぞれ形成されている。
ネジ部材211は通常のボルトからなり、固定用ナット212はネジ部材211が螺合可能なネジ孔を有しており、異なる直径の2個の円筒形からなるツマミとして形成されている。
固定用部材210は、ベース板144の水平面144Bに形成されている貫通孔を介して水平面210Bのネジ孔210Dにネジ止めされることにより、ベース部材110に取り付けられる。この状態においては、水平面210Bがベース部材110の水平面110Aの裏面に接し、鉛直面210Aは開口111Eから上方に突出し、スライド位置調整部材200の鉛直面200Aと相互に平行に対向しているとともに、固定用部材210の鉛直面210Aに形成された貫通孔210Cとスライド位置調整部材200の鉛直面200Aに形成されたネジ孔200Dとは同一水平線上に対向して位置している。
【0044】
図11に示すように、ネジ部材211はスライド位置調整部材200の鉛直面200Aに形成されたネジ孔200Dに固定的にネジ止めされ、その先端は固定用部材210の鉛直面210Aに形成された貫通孔210Cを通過して鉛直面210Aの外側に突出している。ネジ部材211の先端には固定用ナット212が螺合されている。
スライド量調節機構は以下のように用いられる。
ベース板144を右方向にスライドさせれば、ベース板144に連結されている操作レバー120、側面支持ユニット130及びリンク機構140も同方向にスライドするとともに、スライド位置調整部材200も同方向にスライドする。スライド位置調整部材200が右方向にスライドすると、スライド位置調整部材200の鉛直面200Aに固定されているネジ部材211ひいてはネジ部材211の先端にも螺合されている固定用ナット212も右方向に移動する。
【0045】
固定用ナット212が右方向に移動すると、固定用ナット212が固定用部材210の鉛直面210Aに当接し、固定用ナット212ひいてはベース板144のそれ以上の右方向へのスライドは阻害される。このように、固定用部材210はベース板144及びスライド位置調整部材200の右方向へのスライドに対するストッパーとして機能する。
ベース板144のスライド可能量は固定用部材210の鉛直面210Aと固定用ナット212との間の距離に等しい。このため、固定用ナット212を時計回りまたは反時計回りの方向に回すことにより、固定用部材210の鉛直面210Aと固定用ナット212との間の距離を調節することができるので、ベース板144及びスライド位置調整部材200のスライド可能量を増減させることが可能である。
図11はスライド量調節機構の構造の一例を示したものであって、スライド量調節機構を他の構造とすることも可能である。
【0046】
(第三の実施形態)
図14は本発明の第三の実施形態に係る遊技台保持装置300の斜視図、
図15及び
図16は遊技台保持装置100の
図1及び
図2と同様の背面図(遊技台700の背面側から見た図)である。
本実施形態に係る遊技台保持装置300は、第一の実施形態に係る遊技台保持装置100と比較して、遊技台700の背面を支持する背面支持ユニット550と、側面支持ユニット130と背面支持ユニット550とを作動的に連結する伝達部材としてのスティール製ワイヤー580と、を追加的に備えており、この点を除いて、第一の実施形態に係る遊技台保持装置100と同様の構造を有している。
【0047】
図17乃至
図20は背面支持ユニット550の構造及び動作を示す図であり、具体的には、
図17及び
図18は背面支持ユニット550の斜視図、
図19は正面図(後述する第二部材563を省略したもの)、
図20(A)及び
図20(B)はそれぞれ背面支持ユニット550の斜視図及び側面図である。
図14及び
図17に示すように、背面支持ユニット550は、遊技台700の背面700C(
図15及び
図16参照)に対向する支持面561Aを有し、鉛直方向に延びる支持板561と、支持板561の下端561Cの付近にあり、かつ、支持板561の支持面561Aから離れた一点(後述するピン562A)を回動中心として支持板561の支持面561Aと直交する面内において回動可能な第一部材562と、第一部材562を取り囲むボックス状の第二部材563(
図20参照)と、スライド部材564と、を備えている。
第一部材562は、第二部材563の両側壁に支持され、かつ、上記の回動中心を通るピン562Aに回動自在に支持されており、ピン562Aを中心として回動する。
【0048】
支持板561はその上端561B及び下端561C(
図14参照)においてそれぞれ上部枠830及び下部枠810に固定されており、支持板561は鉛直方向に直立している。
図20(A)に示すように、第二部材563の両側壁には鉛直方向に延びる長孔563Aが形成されており、スライド部材564は長孔563Aに沿ってスライド可能であるように支持されている。
スライド部材564はピン562Aと第一部材562の一端562D(
図17の上端)との間において第一部材562の裏面(遊技台700の背面700Cと対向している面が第一部材562の表面であり、裏面はその裏側の面、すなわち、
図17において見えている面)と接しており、第一部材562の裏面上をスライドする。
【0049】
ベース部材110の平面110Dには、ワイヤー580が通過する貫通孔(図示せず)が形成されており、ワイヤー580はこの貫通孔を通ってその一端は第五ピン145Eに回動自在に連結され(
図15及び
図16参照)、他端はスライド部材564に回動自在に連結されている(
図17参照)。
後述するようにワイヤー580がその長さ方向に移動すると、それに応じて、スライド部材564は長孔563Aに沿って第一部材562の裏面上を無回転の状態でスライドする。スライド部材564がスライドすると、第一部材562はピン562Aを中心として回動する。
ワイヤー580の周囲にはバネ581が張り渡されており、バネ581はワイヤー580に固定されたネジ582とスライド部材564との間に嵌められている。バネ581は圧縮バネであり、スライド部材564に対してネジ582から離れる方向に弾性力を作用させてている。
支持板561の支持面561Aには開口561Dが形成されており、第一部材562は開口561Dを通って回動し、支持板561の支持面561Aとは干渉しない。
【0050】
図19及び
図20(B)に示すように、背面支持ユニット550はバネ565をさらに備えている。バネ565は一端において支持板561の支持面561Aに、他端において第一部材562の先端(
図19では下端)付近にそれぞれ取り付けられている。バネ565は引張バネであり、第一部材562が回動限界の位置、すなわち、
図18に示す位置にとどまっているように第一部材562に弾性力を作用させている。
図17に示すように、第一部材562の先端には高摩擦係数を有するパッド562Bが取り付けられており、第一部材562が回動限界の位置(
図18に示す位置)にあるときにはパッド562Bが遊技台700の背面700Cに当接する。パッド562Bとしては、例えば、自転車用のブレーキパッドなどが用いられる。
【0051】
前述のように、ワイヤー580はその両端の各々において第五ピン145E及びスライド部材564に連結されている。
伝達部材としてのワイヤー580はスティール製であるため伸縮しない(あるいは、伸縮率が無視できる程度に極めて小さい)。ワイヤー580は樹脂製の被覆材(図示せず)に覆われており、被覆材の内部においてはワイヤー580の長さ方向に移動可能である。被覆材は、例えば、支持板561の適当な箇所において支持板561に固定されており、ワイヤー580が蛇行しないようにされている。
ワイヤー580は側面支持ユニット130の操作レバー120の動き(正確には、第二リンク部材142に取り付けられている第五ピン145Eの動き)に応じてワイヤー580の長さ方向において変位する。すなわち、ワイヤー580は第五ピン145Eに取り付けられているため、第五ピン145Eが変位すれば、ワイヤー580も第五ピン145Eとともに同一方向に同一水平長さだけ変位する。
【0052】
図15に示すように、接触パッド133が第一位置にあるときの貫通孔111Dから第五ピン145Eまでの水平距離をLa、
図16に示すように、接触パッド133が第二位置にあるときの貫通孔111Dから第五ピン145Eまでの水平距離をLbとする。
接触パッド133が第二位置(
図16)から第一位置(
図15)に移行すると、それに伴い、第三リンク部材143は全体的に左方向に移行し、第五ピン145Eも同様に左方向に移行する。このため、LaはLbより短い(La<Lb)。
すなわち、接触パッド133が第二位置(
図16)から第一位置(
図15)に移行すると、それに伴い、ワイヤー580もその長さ方向において左方向に(Lb―La)の距離だけ変位する。
【0053】
ワイヤー580がこのように変位すると、ワイヤー580は非伸縮性であるため、ワイヤー580の一端に連結されているスライド部材564はワイヤー580が第五ピン145Eから延びる方向(
図17では下方向)にワイヤー580によって(Lb―La)の距離だけ変位させられる。スライド部材564が
図17の下方向に移動すると、
図18に示すように、スライド部材564は第一部材562の底面と接触するに至る。この状態においては、スライド部材564が第一部材562に対する障害物となり、第一部材562はピン562Aを中心として時計回りの方向に回動することが不可能になる。
以上のように、第一部材562は、下降してきたスライド部材564によって、遊技台700の背面700Cと接する位置に固定された状態にあるため、遊技台700の背面700Cと当接している第一部材562は、遊技台700が後方(第一部材562に向かう方向)にずれようとしても、遊技台700の後方へのずれを阻害する機能を発揮することになり、遊技台700の後方へのずれを防止することができる。
【0054】
接触パッド133が第一位置(
図15)から第二位置(
図16)に移行すると、第三リンク部材143は全体的に右方向に移行し、第五ピン145Eも同様に右方向に移行する。これにより、ワイヤー580もその長さ方向において右方向に(Lb―La)の距離だけ変位する。
ワイヤー580がこのように変位すると、ワイヤー580の一端に連結されているスライド部材564は逆方向(
図18では上方向)にワイヤー580によって変位させられる。スライド部材564が
図18の上方向に移動すると、第一部材562はスライド部材564との接触が解除され、ピン562Aを中心としてフリーに回動可能の状態になり、遊技台700の背面700Cを支持する機能は停止する。
以上のように、接触パッド133がその第二位置(
図16)からその第一位置(
図15)に回動すると、接触パッド133の回動動作がワイヤー580を介して背面支持ユニット550に伝達されるため、スライド部材564が下降し、第一部材562と接触し、第一部材562がピン562Aを中心として回動することを阻止する。このため、第一部材562は遊技台700の背面700Cと当接している位置に固定され、遊技台700が後方にずれようとしても、遊技台700のずれを防止する。また、接触パッド133がその第一位置からその第二位置に回動すると、第一部材562は遊技台700の背面700Cと当接している位置に固定された状態から解放される。
【0055】
以上のような構造を有する遊技台保持装置300は以下のようにして用いられる。
前述のように、接触パッド133は、遊技台700の左側面700Aに接触し、左方向に向かって遊技台700を押圧する第一位置(
図15に示す位置)と、遊技台700の左側面700Aとは接触していない第二位置(
図16に示す位置)との間においてスライドする。接触パッド133をその第二位置から第一位置に回動させると、ワイヤー580の一端が取り付けられている第五ピン145Eが水平方向において変位するため、接触パッド133のスライド動作はワイヤー580のその長さ方向における移動に変換される。具体的には、ワイヤー580は(Lb―La)の長さの分だけ左方向に押される。
【0056】
この結果、ワイヤー580に取り付けられているスライド部材564が支持板561に沿って下方向に移動し、第一部材562の上端562Dとピン562Aとの間において第一部材562と接触する。このようにスライド部材564が第一部材562と接触すると、ピン562Aを中心とする第一部材562の回動がスライド部材564によって阻害されるため、第一部材562は遊技台700の背面700Cと当接する位置に固定され、遊技台700の後方へのずれを防止する。
接触パッド133を第一位置(
図15)から第二位置(
図16)に移行させると、前述のように、ワイヤー580もその長さ方向において右方向に引っ張られて、(Lb―La)の距離だけ変位する。これにより、ワイヤー580の一端に連結されているスライド部材564は逆方向(
図18では上方向)にワイヤー580によって変位させられる。スライド部材564が
図18の上方向に移動すると、第一部材562はスライド部材564との接触が解除されるため、第一部材562が遊技台700の背面700Cと当接する位置に固定されている状態が解除され、背面支持ユニット550による遊技台700の背面700Cの支持は解除される。
【0057】
本実施形態に係る遊技台保持装置300によれば、以下の効果を得ることができる。
接触パッド133を第二位置から第一位置に回動させると、接触パッド133の回動に伴ってスライド部材564が下方向に移動し第一部材562と接触した状態になるため、第一部材562は遊技台700の背面700Cと当接している位置に固定された状態になる。これにより、遊技台700の下方部分が後方にずれようとしても、第一部材562に阻害されることになり、遊技台700の後方向へのズレを防止することができる。
このように、操作レバー120を回動させるという単一の動作を実行することにより、遊技台700の左側面700A及び背面700Cを同時に支持することが可能であり、遊技台700の左右方向のずれ及び後方向へのずれを防止することが可能である。
【0058】
さらに、接触パッド133の第一位置から第二位置への移行は、背面支持ユニット550の第一部材562が遊技台700の背面700Cと当接している位置に固定されている状態の解除を伴うため、操作レバー120(取っ手120A)の時計回りの方向Sへの回動という単一の動作によって、遊技台700の左右方向及び後方向に対する支持の解除を容易に行うことが可能である。
本実施形態に係る遊技台保持装置300は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
本実施形態に係る遊技台保持装置300においては、バネ565は引張バネとして構成されているが、バネ565に代えて、圧縮バネからなるバネ565Aを用いることも可能である。
【0059】
図21はバネ565Aを用いた場合の背面支持ユニット550の斜視図(第二部材563を省略したもの)、
図22は同正面図、
図23(A)は
図21と同様の背面支持ユニット550の斜視図(第二部材563を図示したもの)、
図23(B)は同側面図、
図24は遊技台保持装置300の
図14と同様の全体の斜視図である。
圧縮バネからなるバネ565Aを用いると、
図21に示すように、第一部材562は遊技台700の背面700Cと当接していない位置、あるいは、遊技台700の背面700Cから離れた位置にあるようにバネ565Aによって付勢される。
接触パッド133の第二位置から第一位置への回動に伴ってスライド部材564が下方向に移動すると、第一部材562はバネ565Aの付勢力に抗してピン562Aを中心として反時計回りの方向に回動し、遊技台700の背面700Cと当接している位置に固定される(
図18に示した状態)。これにより、遊技台700が後方にずれることが防止される。
【0060】
接触パッド133の第一位置から第二位置への回動に伴ってスライド部材564が上方向に移動すると、第一部材562はバネ565Aの付勢力によってピン562Aを中心として時計回りの方向に回動し、当初の位置(
図21に示す位置)に復帰する。
このように、バネ565に代えてバネ565Aを用いれば、遊技台700の背面700Cと当接していない場合のバネ565Aの位置が同様の場合のバネ565の位置と異なるが、バネ565を使用する場合と同様の機能を発揮させることが可能である。
バネ565の取り付け位置は
図20(B)に示した位置には限定されない。
図25はバネ565の他の取り付け位置を示す部分的な側面図である。
【0061】
図25に示すように、バネ565の一端を第一部材562の上端562Dの付近(正確には、第一部材562の上端562Dとピン562Aとの間)に、他端を第二部材563の内壁(支持板561の支持面561Aと平行な壁の内側表面)にそれぞれ取り付けることも可能である。バネ565は、
図25に示す位置に取り付けても、
図20(B)に示した位置に取り付けた場合と同様の機能を奏する。
【符号の説明】
【0062】
100 本発明の第一の実施形態に係る遊技台保持装置
110 ベース部材
120 操作レバー
130 側面支持ユニット
140 リンク機構
141 第一リンク部材
142 第二リンク部材
143 第三リンク部材
300 本発明の第三の実施形態に係る遊技台保持装置
550 背面支持ユニット
700 遊技台
【要約】
【課題】遊技台保持装置が遊技台の側面を支持する際に必要な稼働スペースを最小にする。
【解決手段】側面支持ユニット(130)は、遊技台(700)の側面(700A)に当接する第一位置と遊技台(700)の側面からは離れた第二位置との間を水平方向にスライド可能であるように配置されている。リンク機構(140)は操作レバー(120)の回動動作を水平方向の直線運動に変換し、この直線運動を側面支持ユニット(130)に伝達する。これにより、側面支持ユニット(130)は操作レバー(120)の回動動作に応じて第一位置と第二位置との間をスライドする。
【選択図】
図1