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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】検出装置、検出方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/08 20060101AFI20240723BHJP
   G01R 31/00 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G01R29/08 D
G01R31/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023031881
(22)【出願日】2023-03-02
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】北尾 耕司
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-096376(JP,A)
【文献】特開2010-216948(JP,A)
【文献】特開2006-071383(JP,A)
【文献】特開平11-174100(JP,A)
【文献】特開平11-038051(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112910573(CN,A)
【文献】特開2020-085646(JP,A)
【文献】特開2004-245709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 29/00-29/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させることのできる第1共振手段と、
前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させることのできる第2共振手段と、
前記第1共振手段が前記第1信号を共振させ、かつ、前記第2共振手段が前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定する判定手段と、
を備える検出装置。
【請求項2】
前記第1信号は、前記基本波の3次高調波であり、
前記第2信号は、前記基本波の5次高調波である、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記第1共振手段は、
信号を受信可能な導体を有する第1アンテナ素子と、
前記第1アンテナ素子が受信した信号を、前記第1周波数で共振させるように回路定数を調整可能な第1共振回路と、
を備え、
前記第2共振手段は、
信号を受信可能な導体を有する第2アンテナ素子と、
前記第2アンテナ素子が受信した信号を、前記第2周波数で共振させるように回路定数を調整可能な第2共振回路と、
を備える、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させることと、
前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させることと、
前記第1信号を共振させ、かつ、前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定することと、
を含む検出方法。
【請求項5】
検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させることのできる第1共振手段と、前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させることのできる第2共振手段と、を備える検出装置のコンピュータに、
前記第1共振手段が前記第1信号を共振させ、かつ、前記第2共振手段が前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定すること、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検出装置、検出方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな分野で電子機器が用いられている。電子機器内では、放射ノイズが発生し放出される場合がある。特許文献1には、関連する技術として、ノイズの発生機構を解析するシステムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平07-035792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、放射ノイズは、電子機器の動作に影響を及ぼす可能性がある。そのため、放射ノイズの発生を検出することが望まれている。しかしながら、電子機器の外部からの外来ノイズが電子機器に到来する場合があり、その外来ノイズが放射ノイズとして検出されることがある。そのため、外来ノイズの有無に関わらず、放射ノイズを検出することのできる技術が求められている。
【0005】
本開示の各態様は、上記の課題を解決することのできる検出装置、検出方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様によれば、検出装置は、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させることのできる第1共振手段と、前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させることのできる第2共振手段と、前記第1共振手段が前記第1信号を共振させ、かつ、前記第2共振手段が前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定する判定手段と、を備える。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、検出方法は、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させることと、前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させることと、前記第1信号を共振させ、かつ、前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定することと、を含む。
【0009】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、プログラムは、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させることのできる第1共振手段と、前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させることのできる第2共振手段と、を備える検出装置のコンピュータに、前記第1共振手段が前記第1信号を共振させ、かつ、前記第2共振手段が前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定すること、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の各態様によれば、外来ノイズの有無に関わらず、放射ノイズを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態による電子機器の構成の一例を示す図である。
図2】本開示の一実施形態による待機電源系処理部の構成の一例を示す図である。
図3】本開示の一実施形態による判定部が行う放射ノイズを検出したか否かの判定を説明するための図である。
図4】本開示の一実施形態による放射ノイズ検出システムの処理フローの一例を示す図である。
図5】本開示の実施形態による検出装置の最小構成を示す図である。
図6】本開示の実施形態による最小構成の検出装置の処理フローの一例を示す図である。
図7】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
<実施形態>
(電子機器の構成)
本開示の一実施形態による電子機器1について図面を参照して説明する。図1は、本開示の一実施形態による電子機器1の構成の一例を示す図である。電子機器1は、図1に示すように、放射ノイズ検出システム10(検出システムの一例)を備える。
【0013】
放射ノイズ検出システム10は、電子機器1において発生する放射ノイズを検出することのできるシステムである。放射ノイズ検出システム10は、図1に示すように、主要電源系処理部101(ノイズ放出装置の一例)、および待機電源系処理部102(検出装置の一例)を備える。
【0014】
主要電源系処理部101は、電子機器1において放射ノイズを放出する処理部である。主要電源系処理部101は、図1に示すように、電源回路1011(電源の一例)を備える。
【0015】
電源回路1011は、電力を生成する。そして、電源回路1011は、電子機器1における主要デバイスに生成した電力を供給する。なお、電源回路1011は、電力を生成中に放射ノイズを放出する。
【0016】
図2は、本開示の一実施形態による待機電源系処理部102の構成の一例を示す図である。待機電源系処理部102は、主要電源系処理部101から放出された放射ノイズを検出する処理部である。待機電源系処理部102は、図2に示すように、アンテナ部1021、および監視回路1022を備える。
【0017】
アンテナ部1021は、図2に示すように、アンテナ1021a(第1共振手段の一例、第2共振手段の一例)、およびアンテナ1021b(第2共振手段の一例、第1共振手段の一例)を備える。
【0018】
アンテナ1021aは、図2に示すように、アンテナ素子10211a、および共振回路10212a(第1共振回路の一例、第2共振回路の一例)を備える。アンテナ1021aは、放射ノイズを検出する。
【0019】
アンテナ素子10211aは、図2に示すように、放射ノイズの基本波の4分の1波長の長さに設定されたアンテナ導体である。そのため、アンテナ素子10211aによって強調される信号は、放射ノイズの基本波である。アンテナ素子10211aは、共振回路10212aを介して監視回路1022の後述するセンサ10221aに接続される。
【0020】
共振回路10212aは、図2に示すように、コイル10212a1、抵抗10212a2、およびキャパシタ10212a3を備える。図2に示すように、コイル10212a1の第1端子は、アンテナ素子10211aに接続される。コイル10212a1の第2端子は、抵抗10212a2の第1端子に接続される。抵抗10212a2の第2端子は、キャパシタ10212a3の第1端子、およびセンサ10221aに接続される。キャパシタ10212a3の第2端子は、グラウンドGNDに接続される。
【0021】
アンテナ1021bは、図2に示すように、アンテナ素子10211b、および共振回路10212b(第2共振回路の一例、第1共振回路の一例)を備える。アンテナ1021bは、放射ノイズを検出する。
【0022】
アンテナ素子10211bは、図2に示すように、放射ノイズの基本波の4分の1波長の長さに設定されたアンテナ導体である。そのため、アンテナ素子10211bによって強調される信号は、放射ノイズの基本波である。アンテナ素子10211bは、共振回路10212bを介して監視回路1022の後述するセンサ10221bに接続される。
【0023】
共振回路10212bは、図2に示すように、コイル10212b1、抵抗10212b2、およびキャパシタ10212b3を備える。図2に示すように、コイル10212b1の第1端子は、アンテナ素子10211bに接続される。コイル10212b1の第2端子は、抵抗10212b2の第1端子に接続される。抵抗10212b2の第2端子は、キャパシタ10212b3の第1端子、およびセンサ10221bに接続される。キャパシタ10212b3の第2端子は、グラウンドGNDに接続される。以下、アンテナ素子10211aおよびアンテナ素子10211bを総称して、アンテナ素子10211ということがある。また、共振回路10212aおよび共振回路10212bを総称して、共振回路10212ということがある。
【0024】
放射ノイズは、一般的に、その放射ノイズの基本波の高調波成分を含んでおり、奇数倍の高調波成分が強く出力されることが知られている。上述したように、アンテナ素子10211を放射ノイズの基本波の4分の1波長の長さに設定された場合、アンテナ素子10211によって強調される信号は、放射ノイズの基本波である。共振回路10212は、アンテナ素子10211を放射ノイズの基本波の4分の1波長の長さに設定した場合であっても、アンテナ部1021が放射ノイズの奇数倍の高調波成分のうち3次高調波(第1高調波の一例、第2高調波の一例)や5次高調波(第2高調波の一例、第1高調波の一例)を検出できるようにする。
【0025】
例えば、アンテナ1021aにおいて、アンテナ素子10211aを放射ノイズの基本波の4分の1波長の長さに設定した場合に、共振回路10212aのコイル10212a1のインダクタンス、およびキャパシタ10212a3のキャパシタンスを調整する。これにより、アンテナ1021aは、放射ノイズの基本波の3次高調波を強調させる(すなわち、共振させる)ことが可能となる。
【0026】
また、例えば、アンテナ1021bにおいて、アンテナ素子10211bを放射ノイズの基本波の4分の1波長の長さに設定した場合に、共振回路10212bのコイル10212b1のインダクタンス、およびキャパシタ10212b3のキャパシタンスを調整する。これにより、アンテナ1021bは、放射ノイズの基本波の5次高調波を強調させる(すなわち、共振させる)ことが可能となる。
【0027】
監視回路1022は、センサ10221a、センサ10221bおよび判定部10222を備える。
【0028】
センサ10221aは、放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したか否かを判定する。例えば、センサ10221aは、アンテナ1021aから受けた信号の大きさと、放射ノイズの基本波の3倍の周波数に対して設定された所定のしきい値とを比較する。所定のしきい値は、センサ10221aが放射ノイズの基本波の3次高調波を検出したとみなすことができる大きさのしきい値である。そして、センサ10221aは、アンテナ1021aから受けた信号の大きさがその所定のしきい値以上であると判定した場合、放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したと判定する。また、センサ10221aは、アンテナ1021aから受けた信号の大きさがその所定のしきい値以上ではないと判定した場合、放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出しないと判定する。
【0029】
センサ10221bは、放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したか否かを判定する。例えば、センサ10221bは、アンテナ1021bから受けた信号の大きさと、放射ノイズの基本波の5倍の周波数に対して設定された所定のしきい値とを比較する。所定のしきい値は、センサ10221bが放射ノイズの基本波の5次高調波を検出したとみなすことができる大きさのしきい値である。そして、センサ10221bは、アンテナ1021bから受けた信号の大きさがその所定のしきい値以上であると判定した場合、放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したと判定する。また、センサ10221bは、アンテナ1021bから受けた信号の大きさがその所定のしきい値以上ではないと判定した場合、放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出しないと判定する。以下、センサ10221aおよびセンサ10221bを総称して、センサ10221ということがある。
【0030】
判定部10222は、センサ10221aおよびセンサ10221bのそれぞれから検出結果を取得する。判定部10222は、取得した検出結果に基づいて、放射ノイズを検出したか否かを判定する。具体的には、判定部10222は、センサ10221aおよびセンサ10221bの両方が放射ノイズの基本波の整数倍の周波数の信号を検出した場合にのみ、放射ノイズを検出したと判定する。
【0031】
例えば、判定部10222は、センサ10221aの判定結果が放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果であるか否かを判定する。判定部10222は、センサ10221aの判定結果が放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果であると判定した場合、センサ10221bの判定結果が放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果であるか否かを判定する。そして、判定部10222は、センサ10221bの判定結果が放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果であると判定した場合、放射ノイズを検出したと判定する。また、判定部10222は、センサ10221bの判定結果が放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果ではないと判定した場合、放射ノイズを検出していないと判定する。また、判定部10222は、センサ10221aの判定結果が放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果ではないと判定した場合、放射ノイズを検出していないと判定する。
【0032】
なお、上記の判定部10222による放射ノイズを検出したか否かの判定の例では、判定部10222が、センサ10221aの判定結果について判定を行った後にセンサ1022abの判定結果について判定を行うものとして説明した。しかしながら、判定部10222による放射ノイズを検出したか否かの判定は、判定部10222が、センサ10221bの判定結果について判定を行った後にセンサ1022aの判定結果について判定を行うものであってもよい。
【0033】
上記の判定部10222による放射ノイズを検出したか否かの判定は、以下に示す考えに基づくものである。図3は、本開示の一実施形態による判定部10222が行う放射ノイズを検出したか否かの判定を説明するための図である。図3は、放射ノイズまたは外来ノイズの少なくとも一方がアンテナ部1021に入力され、アンテナ部1021で入力されたノイズが強調され、監視回路1022がその強調されたノイズを監視するイメージを示している。なお、図3では、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数が266メガヘルツであると仮定されている。また、アンテナ1021aが放射ノイズの基本波の3次高調波を強調するように、共振回路10212aのコイル10212a1のインダクタンス、およびキャパシタ10212a3のキャパシタンスが調整されていると仮定されている。また、アンテナ1021bが放射ノイズの基本波の5次高調波を強調するように、共振回路10212bのコイル10212b1のインダクタンス、およびキャパシタ10212b3のキャパシタンスが調整されていると仮定されている。また、外来ノイズの周波数は、放射ノイズの基本波の3次高調波の周波数にほぼ等しい800メガヘルツであると仮定されている。
【0034】
ここでは、放射ノイズと外来ノイズの両方がアンテナ部1021に入力される場合、放射ノイズと外来ノイズのうち放射ノイズのみがアンテナ部1021に入力される場合、および放射ノイズと外来ノイズのうち外来ノイズのみがアンテナ部1021に入力される場合のそれぞれにおいて、判定部10222が行う放射ノイズを検出したか否かの判定について説明する。
【0035】
まず、放射ノイズと外来ノイズの両方がアンテナ部1021に入力される場合の判定部10222が行う放射ノイズを検出したか否かの判定について説明する。
【0036】
この場合、アンテナ1021aは、放射ノイズと外来ノイズの両方を受ける。アンテナ1021aは、放射ノイズの266メガヘルツの基本波の3次高調波である798メガヘルツの信号を強調するように共振回路10212aが設定されている。そのため、アンテナ1021aは、放射ノイズの基本波の3次高調波を強調するとともに、ほぼ同等の周波数である800メガヘルツの外来ノイズも強調する。その結果、監視回路1022のセンサ10221aは、798メガヘルツの信号(第1信号の一例、第2信号の一例)および800メガヘルツの信号(第1信号の一例、第2信号の一例)の両方を受けることになる。そして、センサ10221aは、受けた信号の大きさと所定のしきい値とを比較する。この場合、センサ10221aは、受けた信号の大きさが所定のしきい値以上であると判定する。つまり、センサ10221aによる判定結果は、放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果となる。
【0037】
また、アンテナ1021bは、放射ノイズの266メガヘルツの基本波の5次高調波である1330メガヘルツの信号(第2信号の一例、第1信号の一例)を強調するように共振回路10212bが設定されている。そのため、アンテナ1021bは、放射ノイズの基本波の5次高調波を強調する。一方、外来ノイズの周波数800メガヘルツは、1330メガヘルツから大きくずれている。そのため、アンテナ1021bは、外来ノイズを強調しない。その結果、監視回路1022のセンサ10221bは、1330メガヘルツの信号を受けることになる。そして、センサ10221bは、受けた信号の大きさと所定のしきい値とを比較する。この場合、センサ10221bは、受けた信号の大きさが所定のしきい値以上であると判定する。つまり、センサ10221bによる判定結果は、放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果となる。
【0038】
判定部10222は、放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果を、センサ10221aから受ける。また、判定部10222は、放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果を、センサ10221bから受ける。その結果、判定部10222は、放射ノイズを検出したと判定する。この場合、放射ノイズがアンテナ部1021に入力されているので、判定部10222が放射ノイズを検出したという判定は正しい。
【0039】
次に、放射ノイズと外来ノイズのうち放射ノイズのみがアンテナ部1021に入力される場合の判定部10222が行う放射ノイズを検出したか否かの判定について説明する。
【0040】
この場合、アンテナ1021aは、放射ノイズを受ける。アンテナ1021aは、放射ノイズの266メガヘルツの基本波の3次高調波である798メガヘルツの信号を強調するように共振回路10212aが設定されている。そのため、アンテナ1021aは、放射ノイズの基本波の3次高調波を強調する。その結果、監視回路1022のセンサ10221aは、798メガヘルツの信号を受けることになる。そして、センサ10221aは、受けた信号の大きさと所定のしきい値とを比較する。この場合、センサ10221aは、受けた信号の大きさが所定のしきい値以上であると判定する。つまり、センサ10221aによる判定結果は、放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果となる。
【0041】
また、アンテナ1021bは、放射ノイズの266メガヘルツの基本波の5次高調波である1330メガヘルツの信号を強調するように共振回路10212bが設定されている。そのため、アンテナ1021bは、放射ノイズの基本波の5次高調波を強調する。その結果、監視回路1022のセンサ10221bは、1330メガヘルツの信号を受けることになる。そして、センサ10221bは、受けた信号の大きさと所定のしきい値とを比較する。この場合、センサ10221bは、受けた信号の大きさが所定のしきい値以上であると判定する。つまり、センサ10221bによる判定結果は、放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果となる。
【0042】
判定部10222は、放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果を、センサ10221aから受ける。また、判定部10222は、放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果を、センサ10221bから受ける。その結果、判定部10222は、放射ノイズを検出したと判定する。この場合、放射ノイズがアンテナ部1021に入力されているので、判定部10222が放射ノイズを検出したという判定は正しい。
【0043】
次に、放射ノイズと外来ノイズのうち外来ノイズのみがアンテナ部1021に入力される場合の判定部10222が行う放射ノイズを検出したか否かの判定について説明する。
【0044】
この場合、アンテナ1021aは、外来ノイズを受ける。アンテナ1021aは、放射ノイズの266メガヘルツの基本波の3次高調波である798メガヘルツの信号を強調するように共振回路10212aが設定されている。そのため、アンテナ1021aは、放射ノイズの基本波の3次高調波とほぼ同等の周波数である800メガヘルツの外来ノイズも強調する。その結果、監視回路1022のセンサ10221aは、800メガヘルツの信号を受けることになる。そして、センサ10221aは、受けた信号の大きさと所定のしきい値とを比較する。この場合、センサ10221aは、受けた信号の大きさが所定のしきい値以上であると判定する。つまり、センサ10221aによる判定結果は、放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果となる。
【0045】
また、アンテナ1021bは、放射ノイズの266メガヘルツの基本波の5次高調波である1330メガヘルツの信号を強調するように共振回路10212bが設定されている。外来ノイズの周波数800メガヘルツは、1330メガヘルツから大きくずれている。そのため、アンテナ1021bは、外来ノイズを強調しない。その結果、監視回路1022のセンサ10221bは、1330メガヘルツの信号を受けないことになる。そして、センサ10221bは、受けた信号の大きさと所定のしきい値とを比較する。この場合、センサ10221bは、受けた信号の大きさが所定のしきい値以上ではないと判定する。つまり、センサ10221bによる判定結果は、放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出しないことを示す判定結果となる。
【0046】
判定部10222は、放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果を、センサ10221aから受ける。また、判定部10222は、放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出しないことを示す判定結果を、センサ10221bから受ける。その結果、判定部10222は、放射ノイズを検出しないと判定する。この場合、放射ノイズがアンテナ部1021に入力されていないので、判定部10222が放射ノイズを検出しないという判定は正しい。
【0047】
したがって、判定部10222は、センサ10221aおよびセンサ10221bの両方が放射ノイズの基本波の高調波を検出した場合にのみ、放射ノイズを検出したと判定する処理を行えばよい。
【0048】
(放射ノイズ検出システムが行う処理)
図4は、本開示の一実施形態による放射ノイズ検出システム10の処理フローの一例を示す図である。ここで、電子機器1において放射ノイズ検出システム10が行う処理について図4を参照して説明する。なお、アンテナ素子10211aおよびアンテナ素子10211bのそれぞれは、検出対象の放射ノイズの基本波の4分の1波長の長さに設定されたアンテナ導体であるものとする。また、共振回路10212aのコイル10212a1のインダクタンス、およびキャパシタ10212a3のキャパシタンスは、アンテナ1021aが放射ノイズの基本波の3次高調波を強調するように調整されているものとする。また、共振回路10212bのコイル10212b1のインダクタンス、およびキャパシタ10212b3のキャパシタンスは、アンテナ1021bが放射ノイズの基本波の5次高調波を強調するように調整されているものとする。
【0049】
アンテナ1021aのアンテナ素子10211a、およびアンテナ1021bのアンテナ素子10211bのそれぞれは、信号を受信する(ステップS1)。アンテナ素子10211aは、受信した信号を共振回路10212aを介して監視回路1022に出力する(ステップS2)。また、アンテナ素子10211bは、受信した信号を共振回路10212bを介して監視回路1022に出力する(ステップS3)。
【0050】
監視回路1022のセンサ10221aは、受けた信号の大きさと所定のしきい値とを比較する。この場合のしきい値は、放射ノイズの基本波の3倍の周波数に対して設定されたしきい値である。センサ10221aは、比較結果に基づいて、放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したか否かを判定する(ステップS4)。
【0051】
例えば、センサ10221aは、アンテナ1021aから受けた信号の大きさがその所定のしきい値以上であると判定した場合、放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したと判定する。また、センサ10221aは、アンテナ1021aから受けた信号の大きさがその所定のしきい値未満であると判定した場合、放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出していないと判定する。
【0052】
また、監視回路1022のセンサ10221bは、受けた信号の大きさと所定のしきい値とを比較する。この場合のしきい値は、放射ノイズの基本波の5倍の周波数に対して設定されたしきい値である。センサ10221bは、比較結果に基づいて、放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したか否かを判定する(ステップS5)。
【0053】
例えば、センサ10221bは、アンテナ1021bから受けた信号の大きさがその所定のしきい値以上であると判定した場合、放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したと判定する。また、センサ10221bは、アンテナ1021bから受けた信号の大きさがその所定のしきい値未満であると判定した場合、放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出していないと判定する。
【0054】
判定部10222は、センサ10221aから判定結果を取得する。また、判定部10222は、センサ10221bから判定結果を取得する。判定部10222は、センサ10221aから取得した判定結果、およびセンサ10221bから取得した判定結果に基づいて、放射ノイズを検出したか否かを判定する。具体的には、判定部10222は、センサ10221aおよびセンサ10221bの両方が放射ノイズの基本波の整数倍の周波数の信号を検出した場合にのみ、放射ノイズを検出したと判定する(ステップS6)。
【0055】
例えば、判定部10222は、センサ10221aの判定結果が放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果であるか否かを判定する。判定部10222は、センサ10221aの判定結果が放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果であると判定した場合、センサ10221bの判定結果が放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果であるか否かを判定する。そして、判定部10222は、センサ10221bの判定結果が放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果であると判定した場合、放射ノイズを検出したと判定する。また、判定部10222は、センサ10221bの判定結果が放射ノイズの基本波の5倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果ではないと判定した場合、放射ノイズを検出していないと判定する。また、判定部10222は、センサ10221aの判定結果が放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を検出したことを示す判定結果ではないと判定した場合、放射ノイズを検出していないと判定する。なお、判定部10222による放射ノイズを検出したか否かの判定は、判定部10222が、センサ10221bの判定結果について判定を行った後にセンサ1022aの判定結果について判定を行うものであってもよい。
【0056】
以上、本開示の一実施形態による電子機器1について説明した。電子機器1の放射ノイズ検出システム10において、待機電源系処理部102(検出装置の一例)は、アンテナ1021a(第1共振手段の一例)、アンテナ1021b(第2共振手段の一例)、および監視回路1022(判定手段の一例)を備える。アンテナ1021aは、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させることができる。アンテナ1021bは、前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させることができる。監視回路1022は、アンテナ1021aが前記第1信号を共振させ、かつ、アンテナ1021bが前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定する。
【0057】
この待機電源系処理部102により、外来ノイズの有無に関わらず、放射ノイズを検出することができる。
【0058】
<実施形態の第1変形例>
本開示の一実施形態では、アンテナ素子10211aおよびアンテナ素子10211bのそれぞれは、検出対象の放射ノイズの基本波の4分の1波長の長さに設定されたアンテナ導体であるものとして説明した。しかしながら、本開示の一実施形態の第1変形例では、アンテナ素子10211aおよびアンテナ素子10211bのそれぞれは、それぞれに対応する高調波の4分の1波長の長さに設定されたアンテナ導体であってもよい。
【0059】
例えば、アンテナ素子10211aが放射ノイズの基本波の3倍の周波数の信号を強調させる場合、アンテナ素子10211aは、その基本波の3次高調波の4分の1波長の長さに設定されたアンテナ導体であってもよい。
【0060】
なお、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数が266メガヘルツの場合、基本波の3次高調波の周波数は、798メガヘルツとなる。よって、光速cを30万キロメートル/秒とすると、アンテナ素子10211aの長さは、光速c(30万キロメートル)÷3次高調波の周波数(798メガヘルツ)÷4=9.38センチメートルとなる。また、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数が266メガヘルツの場合、基本波の5次高調波の周波数は、1330メガヘルツとなる。よって、光速cを30万キロメートル/秒とすると、アンテナ素子10211bの長さは、光速c(30万キロメートル)÷5次高調波の周波数(1330メガヘルツ)÷4=5.64センチメートルとなる。これらの長さは、電子機器1内で実現し易い長さである。
【0061】
この場合、アンテナ素子10211aおよびアンテナ素子10211bのそれぞれは、単独でも対応する高調波の周波数に等しい信号を強調させることができる。そのため、本開示の一実施形態の第1変形例によるアンテナ1021aおよびアンテナ1021bは、本開示の一実施形態によるアンテナ1021aおよびアンテナ1021bに比べて、対応する高調波の周波数に等しい信号を、より効率よく強調させることができる。
【0062】
<実施形態の第2変形例>
本開示の一実施形態の第1変形例では、アンテナ素子10211aおよびアンテナ素子10211bのそれぞれは、それぞれに対応する高調波の4分の1波長の長さに設定されたアンテナ導体であるものとして説明した。しかしながら、アンテナ素子10211aおよびアンテナ素子10211bのそれぞれの長さが短くなる(例えば、数センチメートル以下となる)ような、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数が高周波である場合、アンテナ1021aおよびアンテナ1021bそれぞれのアンテナ感度が低下する可能性がある。
【0063】
そのため、本開示の一実施形態による第2変形例では、アンテナ素子10211aおよびアンテナ素子10211bのそれぞれは、それぞれに対応する高調波の2分の1波長の長さに設定されたアンテナ導体とするものであってもよい。この場合、本開示の一実施形態の第1変形例によるアンテナ1021aおよびアンテナ1021bでは、低下してしまうアンテナ感度を、本開示の一実施形態の第2変形例によるアンテナ1021aおよびアンテナ1021bにより、改善させることができる。
【0064】
<実施形態の第3変形例>
本開示の一実施形態の第2変形例では、アンテナ素子10211aおよびアンテナ素子10211bのそれぞれは、それぞれに対応する高調波の2分の1波長の長さに設定されたアンテナ導体とするものとして説明した。しかしながら、アンテナ素子10211aおよびアンテナ素子10211bのうち長さが短くなりアンテナ感度が低下するアンテナ素子についてのみ、対応する高調波の2分の1波長の長さに設定されたアンテナ導体とするものであってもよい。
【0065】
例えば、アンテナ素子10211aが、検出対象の放射ノイズの基本波の3次高調波の4分の1波長の長さに設定されたアンテナ導体であり、アンテナ素子10211bが、検出対象の放射ノイズの基本波の5次高調波の4分の1波長の長さに設定されたアンテナ導体である場合に、アンテナ素子10211bのアンテナ感度が低いとする。この場合、アンテナ素子10211aの長さを、3次高調波の4分の1波長の長さのままとし、アンテナ素子10211bの長さのみを、5次高調波の2分の1波長の長さに変更するものであってもよい。
【0066】
なお、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数が266メガヘルツの場合、基本波の3次高調波に対応するアンテナ素子10211aの長さは、光速c(30万キロメートル)÷3次高調波の周波数(798メガヘルツ)÷4=9.38センチメートルとなる。また、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数が266メガヘルツの場合、基本波の5次高調波に対応するアンテナ素子10211bの長さは、光速c(30万キロメートル)÷5次高調波の周波数(1330メガヘルツ)÷2=11.28センチメートルとなる。
【0067】
<実施形態の第4変形例>
本開示の一実施形態の第4変形例では、監視回路1022(判定手段の一例)の判定部10222は、放射ノイズを検出し、かつ、電子機器1において電源回路1011(電源の一例)が遮断された場合、電源回路1011が遮断された要因を検出した放射ノイズと判定するものであってもよい。この場合、判定部10222は、電源回路1011が遮断された要因が放射ノイズであることを、電子機器1の外部に報知するものであってもよい。
【0068】
図5は、本開示の実施形態による検出装置20の最小構成を示す図である。検出装置20は、図5に示すように、第1共振手段201、第2共振手段202、および判定手段203を備える。第1共振手段201は、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させることができる。第2共振手段202は、前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させることができる。判定手段203は、前記第1共振手段が前記第1信号を共振させ、かつ、前記第2共振手段が前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定する。第1共振手段201は、例えば、図1に例示されているアンテナ1021aが有する機能を用いて実現することができる。第2共振手段202は、例えば、図1に例示されているアンテナ1021bが有する機能を用いて実現することができる。判定手段203は、例えば、図1に例示されている監視回路1022が有する機能を用いて実現することができる。
【0069】
図6は、本開示の実施形態による最小構成の検出装置20の処理フローの一例を示す図である。次に、本開示の実施形態による最小構成の検出装置20の処理について図6を参照して説明する。
【0070】
第1共振手段201は、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させる(ステップS101)。第2共振手段202は、前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させる(ステップS102)。判定手段203は、前記第1共振手段が前記第1信号を共振させ、かつ、前記第2共振手段が前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定する(ステップS103)。
【0071】
以上、本開示の実施形態による最小構成の検出装置20について説明した。この検出装置20により、外来ノイズの有無に関わらず、放射ノイズを検出することができる。
【0072】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0073】
本開示の実施形態について説明したが、上述の電子機器1、主要電源系処理部101、待機電源系処理部102、監視回路1022、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
【0074】
図7は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ5は、図7に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
【0075】
例えば、上述の電子機器1、主要電源系処理部101、待機電源系処理部102、監視回路1022、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0076】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0077】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0078】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
【0079】
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0080】
(付記1)
検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させることのできる第1共振手段と、
前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させることのできる第2共振手段と、
前記第1共振手段が前記第1信号を共振させ、かつ、前記第2共振手段が前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定する判定手段と、
を備える検出装置。
【0081】
(付記2)
前記第1信号は、前記基本波の3次高調波であり、
前記第2信号は、前記基本波の5次高調波である、
付記1に記載の検出装置。
【0082】
(付記3)
前記第1共振手段は、
信号を受信可能な導体を有する第1アンテナ素子と、
前記第1アンテナ素子が受信した信号を、前記第1周波数で共振させるように回路定数を調整可能な第1共振回路と、
を備え、
前記第2共振手段は、
信号を受信可能な導体を有する第2アンテナ素子と、
前記第2アンテナ素子が受信した信号を、前記第2周波数で共振させるように回路定数を調整可能な第2共振回路と、
を備える、
付記1または付記2に記載の検出装置。
【0083】
(付記4)
前記判定手段は、
前記第1共振手段が出力する信号が前記第1信号を共振させた信号であるか否かを判定する第1判定手段と、
前記第2共振手段が出力する信号が前記第2信号を共振させた信号であるか否かを判定する第2判定手段と、
前記第1共振手段が出力する信号が前記第1信号を共振させた信号であると前記第1判定手段が判定し、かつ、前記第2共振手段が出力する信号が前記第2信号を共振させた信号であると前記第2判定手段が判定した場合に、前記放射ノイズを検出したと判定し、前記第1共振手段が出力する信号が前記第1信号を共振させた信号ではないと前記第1判定手段が判定した、または、前記第2共振手段が出力する信号が前記第2信号を共振させた信号ではないと前記第2判定手段が判定した場合に、前記放射ノイズを検出していないと判定する第3判定手段と、
を備える付記1から付記3の何れか1つに記載の検出装置。
【0084】
(付記5)
付記1から付記4の何れか1つに記載の検出装置と、
前記放射ノイズを出力する電源を有するノイズ放出装置と、
を備える検出システム。
【0085】
(付記6)
前記判定手段は、
前記放射ノイズを検出し、かつ、前記電子機器において前記電源が遮断された場合、前記電源が遮断された要因を検出した前記放射ノイズと判定する、
付記5に記載の検出システム。
【0086】
(付記7)
検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させることと、
前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させることと、
前記第1信号を共振させ、かつ、前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定することと、
を含む検出方法。
【0087】
(付記8)
検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させることのできる第1共振手段と、前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させることのできる第2共振手段と、を備える検出装置のコンピュータに、
前記第1共振手段が前記第1信号を共振させ、かつ、前記第2共振手段が前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定すること、
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0088】
1・・・電子機器
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・放射ノイズ検出システム
20・・・検出装置
101・・・主要電源系処理部
102・・・待機電源系処理部
201・・・第1共振手段
202・・・第2共振手段
203・・・判定手段
1011・・・電源回路
1021・・・アンテナ部
1021a、1021b・・・アンテナ
1022・・・監視回路
10211a、10211b・・・アンテナ素子
10212a、10212b・・・共振回路
10212a1、10212b1・・・コイル
10212a2、10212b2・・・抵抗
10212a3、10212b3・・・キャパシタ
10221a、10221b・・・センサ
10222・・・判定部
GND・・・グラウンド
【要約】
【課題】外来ノイズの有無に関わらず、放射ノイズを検出することのできる検出装置を提供する。
【解決手段】検出装置は、検出対象の放射ノイズの基本波の周波数の整数倍の第1周波数を有する第1信号を共振させることのできる第1共振手段と、前記基本波の周波数の整数倍の第2周波数であって、前記第1周波数と異なる第2周波数を有する第2信号を共振させることのできる第2共振手段と、前記第1共振手段が前記第1信号を共振させ、かつ、前記第2共振手段が前記第2信号を共振させた場合に、前記放射ノイズを検出したと判定する判定手段と、を備える。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7