(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】間接照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240723BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240723BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21S8/04 110
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020172385
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005005
【氏名又は名称】不二サッシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】福井 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】清水 國孝
(72)【発明者】
【氏名】下沖 祐太
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-346545(JP,A)
【文献】実公昭48-019943(JP,Y2)
【文献】特開2017-226989(JP,A)
【文献】実開平07-018311(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0343194(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高天井部と、その高天井部よりも低い位置に配置された低天井部とを備えた建物の天井に設ける間接照明器具であって、
前記高天井部に取付けられ、前記低天井部に向かって下がる垂下り連結面部を有する高天井取付部材と、
前記低天井部に取付けられ、灯具が設置される灯具設置面部と、前記高天井部に向かって上昇し、その上端部が前記高天井取付部材の垂下り連結面部の下端部よりも高くなるまで延び、前記高天井取付部材の垂下り連結面部に重なる起立連結面部とを有する低天井取付部材とを備え、
前記高天井取付部材の垂下り連結面部と前記低天井取付部材の起立連結面部の重なり部分の少なくとも一方には、上下方向に長いルーズ孔が設けられており、そのルーズ孔によって前記高天井取付部材と前記低天井取付部材との上下方向の間隔を変えて固定できるように構成されていることを特徴とする間接照明器具。
【請求項2】
請求項1記載の間接照明器具において、
前記高天井取付部材は、
前記高天井部に
固定部材により固定されると共に、下面側に被掛止部が設けられた先付高天井取付部材と、
前記被掛止部に掛止する掛止部が設けられていると共に、前記垂下り連結面部を有する後付高天井取付部材を有し、
前記先付高天井取付部材の前記被掛止部は、所定間隔を空けて当該先付高天井取付部材の下面側に複数設けられている一方、
前記後付高天井取付部材の前記掛止部は、前記先付高天井取付部材に対して同じく所定間隔を空けて当該後付高天井取付部材の上面側に設けられ、前記先付高天井取付部材の前記被掛止部に掛止するように構成されていることを特徴とする間接照明器具。
【請求項3】
請求項2記載の間接照明器具において、
前記後付高天井取付部材の前記掛止部が前記先付高天井取付部材の前記被掛止部に掛止した状態では、前記先付高天井取付部材の先端部は、前記後付高天井取付部材の先端部よりも室内の壁面に向かって突出するように構成し、前記先付高天井取付部材の先端部を室内の壁面に当接又は近接するように高天井部に取付けた場合、前記後付高天井取付部材の先端部と室内の壁面との間に目透かしが空くようにしたことを特徴とする間接照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高天井部と、その高天井部よりも低い位置に配置された低天井部とを備えた建物の天井に設けるコーブ照明器具やコーニス照明器具等の間接照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ホテルや美術館、商業施設等の建物だけでなく、近年は一般の戸建て住宅でも、床面からの高さが高い高天井部と低い低天井部とで構成した折上げ天井または折下げ天井(以下、折上げ天井と総称する。)が採用され、これらの建物の天井には、いわゆるコーブ照明やコーニス照明と呼ばれる間接照明が採用されている。
【0003】
コーブ照明は、光源部(灯具)の照明を高天井部に向かって照射するコーブタイプの間接照明であり(例えば、特許文献1参照。)、コーニス照明は、光源部(灯具)の照明を壁面に向かって照射するコーニスタイプの間接照明である(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平7-18309号公報
【文献】実開昭63-123005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の特許文献1,2に開示された間接照明器具は、上下方向の間隔を調整できないように一体で構成しているため、高天井部と低天井部の間の高さが変更された場合、対応できず、上下方向の間隔を変更した別の間接照明器具を用意する必要があり、現場のニーズに容易に対応できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点を解決するためなされたもので、建物の天井を構成する高天井部と低天井部との高さが変更された場合でも別の間接照明器具を用意することなく対応して、現場のニーズに容易かつ迅速に対応して作業性を向上させることができると共に、コストを低減することができる間接照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る間接照明器具は、高天井部と、その高天井部よりも低い位置に配置された低天井部とを備えた建物の天井に設ける間接照明器具であって、前記高天井部に取付けられ、前記低天井部に向かって下がる垂下り連結面部を有する高天井取付部材と、前記低天井部に取付けられ、灯具が設置される灯具設置面部と、前記高天井部に向かって上昇し、その上端部が前記高天井取付部材の垂下り連結面部の下端部よりも高くなるまで延び、前記高天井取付部材の垂下り連結面部に重なる起立連結面部とを有する低天井取付部材とを備え、前記高天井取付部材の垂下り連結面部と前記低天井取付部材の起立連結面部の重なり部分の少なくとも一方には、上下方向に長いルーズ孔が設けられており、そのルーズ孔によって前記高天井取付部材と前記低天井取付部材との上下方向の間隔を変えて固定できるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る間接照明器具では、前記高天井取付部材は、前記高天井部に固定部材により固定されると共に、下面側に被掛止部が設けられた先付高天井取付部材と、前記被掛止部に掛止する掛止部が設けられていると共に、前記垂下り連結面部を有する後付高天井取付部材を有し、前記先付高天井取付部材の前記被掛止部は、所定間隔を空けて当該先付高天井取付部材の下面側に複数設けられている一方、前記後付高天井取付部材の前記掛止部は、前記先付高天井取付部材の前記被掛止部に対して同じく所定間隔を空けて当該後付高天井取付部材の上面側に設けられ、前記先付高天井取付部材の前記被掛止部に掛止するように構成されていることも特徴とする。
また、本発明に係る間接照明器具では、前記後付高天井取付部材の前記掛止部が前記先付高天井取付部材の前記被掛止部に掛止した状態では、前記先付高天井取付部材の先端部は、前記後付高天井取付部材の先端部よりも室内の壁面に向かって突出するように構成し、前記先付高天井取付部材の先端部を室内の壁面に当接又は近接するように高天井部に取付けた場合、前記後付高天井取付部材の先端部と室内の壁面との間に目透かしが空くようにしたことも特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る間接照明器具では、高天井部に取付けられ、低天井部に向かって下がる垂下り連結面部を有する高天井取付部材と、低天井部に取付けられ、灯具が設置される灯具設置面部と、高天井部に向かって上昇し、その上端部が高天井部の垂下り連結面部の下端部よりも高くなるまで延び、高天井部の垂下り連結面部に重なる起立連結面部とを有する低天井取付部材とを備え、高天井取付部材の垂下り連結面部と低天井取付部材の起立連結面部の重なり部分の少なくとも一方には、上下方向に長いルーズ孔が設けられており、そのルーズ孔によって高天井取付部材と低天井取付部材とは上下方向の間隔を変えて固定可能に構成する。
そのため、本発明によれば、建物の天井を構成する高天井部と低天井部との高さが変更された場合でも別の間接照明器具を用意することなく対応して、現場のニーズに容易かつ迅速に対応して作業性を向上させることができると共に、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る実施形態1の間接照明器具を折上げ天井に取り付けた状態を示す図である。
【
図2】本発明に係る実施形態1の間接照明器具の斜視図である。
【
図3】本発明に係る実施形態1の間接照明器具の
図2とは別方向からの斜視図である。
【
図4】本発明に係る実施形態1の間接照明器具を構成するコーブ用高天井取付部材の正面図である。
【
図5】本発明に係る実施形態1の間接照明器具を構成するコーブ用低天井取付部材の正面図である。
【
図6】(a),(b)は、それぞれ、本発明に係る実施形態1の間接照明器具の取付手順を示す図である。
【
図7】本発明に係る実施形態2の間接照明器具を折上げ天井に取り付けた状態を示す図である。
【
図8】本発明に係る実施形態2の間接照明器具の斜視図である。
【
図9】本発明に係る実施形態2の間接照明器具の
図8とは別方向からの斜視図である。
【
図10】本発明に係る実施形態2の間接照明器具を構成するコーニス用先付高天井取付部材の正面図である。
【
図11】本発明に係る実施形態2の間接照明器具を構成するコーニス用後付高天井取付部材の正面図である。
【
図12】本発明に係る実施形態1の間接照明器具を構成するコーニス用低天井取付部材の正面図である。
【
図13】(a),(b)は、それぞれ、本発明に係る実施形態2の間接照明器具の取付手順を示す図である。
【
図14】(a),(b)は、それぞれ、本発明に係る実施形態2の間接照明器具の取付手順を示す図である。
【
図15】本発明に係る実施形態2の間接照明器具を折上げ天井に取り付けた状態を、
図7とは直交する方向から見た状態を示す図である。
【
図16】本発明に係る実施形態2の間接照明器具を折上げ天井に取り付けた状態を示す断面図であって、コーニス用先付高天井取付部材に対しコーニス用後付高天井取付部材をズラして取り付けた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態1,2の間接照明器具について図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態1,2の間接照明器具は、長さ等の数値を含めあくまで本発明の一例であり、本発明が下記に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0011】
実施形態1.
本発明に係る実施形態1の間接照明器具1は、
図1等に示すように、高天井部31とその高天井部31よりも低い低天井部32とを設けた折上げ天井3に、LED灯具13からの光を高天井部31に向けて照射するいわゆるコーブ照明を設けるものである。
【0012】
<折上げ天井3の構成>
折上げ天井3は、
図1等に示すように上述したように高天井部31とその高天井部31よりも低い低天井部32とを設けた天井であって、軽量鉄骨材等で骨組みしたいわゆる軽天によって構成しており、高天井部31は、高天井部31用の吊りボルト31aおよびハンガー31bによって高天井部31用の野縁受け31cを支持し、その野縁受け31cに設けたクリップ31dおよび野縁31eを介して2枚の天井用石膏ボード(Pb)31f,31fを支持して構成される。
【0013】
同様に、低天井部32は、低天井部32用の吊りボルト32aおよびハンガー32bによって低天井部32用の野縁受け32cを支持し、その野縁受け32cに設けたクリップ32dおよび野縁32eを介して2枚の天井用石膏ボード(Pb)32f,32fを支持して構成される。尚、
図1において、31gは、高天井部31用の野縁受け31cに設けた低天井部32用の吊りボルト32aを支持するボルトホルダーである。
【0014】
<実施形態1の間接照明器具1の構成>
実施形態1の間接照明器具1は、上述のように構成した折上げ天井3に設けるコーブタイプの間接照明器具であって、
図1~
図3等に示すように、コーブ用高天井取付部材11、コーブ用低天井取付部材12、LED灯具13、目違い防止プレート14,15等で構成される。尚、
図2および
図3では、目違い防止プレート14,15を省略しており、コーブ用高天井取付部材11,11同士、コーブ用低天井取付部材12,12同士を連結していない状態を示している。
【0015】
(コーブ用高天井取付部材11)
コーブ用高天井取付部材11は、
図4等に示すように、高天井部31用の野縁31eにテクスビス41等によって固定される高天井固定面部11aと、高天井固定面部11aの端部から低天井部32に向かって下がり、コーブ用低天井取付部材12の上端部と連結される垂下り連結面部11bとを有する。
【0016】
高天井固定面部11aの下側(裏側)面には、
図2等に示すようにテクスビス41の取付位置を示すビス位置指示凹溝11a1が形成されていると共に、垂下り連結面部11bに近接した箇所に、目違い防止プレート14の上端部が嵌る目違い防止プレート嵌合部11a2が設けられている。
【0017】
垂下り連結面部11bにおける高天井固定面部11aの反対側には、高天井固定面部11aよりも高い上端部から高天井固定面部11aとは逆方向へ突出して
図1に示すように上側の天井用石膏ボード(Pb)31fの端部上側面に下側面が重なる石膏ボード端部支持用突出部11b1が設けられている一方、垂下り連結面部11bの高天井固定面部11a側には、高天井固定面部11aの目違い防止プレート嵌合部11a2に対向するように目違い防止プレート14の下端部が嵌る目違い防止プレート嵌合部11b2が設けられている。
【0018】
そして、垂下り連結面部11bには、コーブ用低天井取付部材12の後述する連結面部11b1と上下方向に長さを調整しながら連結するため上下方向の長さL1が例えば40mm程度で上下方向に±20mmの調整代を有するルーズ孔11b3を、
図3に示すように例えば、500mm程度の孔ピッチでコーブ用低天井取付部材12の長手方向に複数設けており、鍋ビス42等が挿入されるように構成されている。
【0019】
(コーブ用低天井取付部材12)
コーブ用低天井取付部材12は、
図5等に示すようにコーブ用高天井取付部材11の垂下り連結面部11bと連結する鉛直方向に延びる起立連結面部12aと、その起立連結面部12aの下端部から水平に延びて
図1に示すように低天井部32を構成するクリップ32dに固定されると共に、LED灯具13が取り付けられる灯具設置面部12bと、灯具設置面部12bの先端部から立ち上がってLED灯具13が光が極力壁方向に照射されないよう起立させた幕板部12cと、灯具設置面部12bの先端部から垂れ下がって幕板部12cと面一となる垂下り面部12dとを有している。
【0020】
起立連結面部12aの上端部には、増厚されたビス受け用増厚部12a1を設けており、コーブ用高天井取付部材11の垂下り連結面部11bのルーズ孔11b3に挿入された鍋ビス42等が螺合する雌ネジ孔12a2(
図2参照。)を、ルーズ孔11b3と同様に例えば、500mm程度の孔ピッチでコーブ用低天井取付部材12の長手方向に複数設けている。
【0021】
灯具設置面部12bは、
図1に示すように低天井部32を構成するクリップ32dに固定するテクスビス41の取付位置を示すビス位置指示凹溝12b1が形成されていると共に、幕板部12cと垂下り面部12dと連結部分に近接した箇所には、目違い防止プレート15の上端部が嵌る目違い防止プレート嵌合部12b2を設けている。
【0022】
また、灯具設置面部12bには、
図2に示すように適宜間隔で灯具設置面部12b上に設けるLED灯具13に配線を行なったり、熱を逃がすため円形の熱逃げ兼配線孔12b3を設けている。尚、
図2に示すように熱逃げ兼配線孔12b3の孔ピッチも、ルーズ孔11b3や雌ネジ孔12a2と同様に、例えば、500mm程度の間隔でコーブ用低天井取付部材12の長手方向に複数設けている。
【0023】
幕板部12cは、灯具設置面部12bの先端部において起立連結面部12aと対向し、かつ、起立連結面部12aとほぼ同じ高さまで起立して構成されている。
【0024】
垂下り面部12dは、灯具設置面部12bの先端部から垂下って構成されており、灯具設置面部12b側の中間部には、灯具設置面部12bの目違い防止プレート嵌合部12b2に対向するように目違い防止プレート15の下端部が嵌る目違い防止プレート嵌合部12d1が設けられていると共に、下端部には灯具設置面部12b側に僅かに突出して、
図1に示すように低天井部32を構成する下側の天井用石膏ボード(Pb)32fの先端部に重なる石膏ボード端部支持用突出部12d2が設けられている。
【0025】
(LED灯具13)
LED灯具13は、例えば、長尺で柔軟なシリコンチューブの中に複数のLEDを内蔵させたLEDチューブライトであって、灯具設置面部12bの上面に両面テープや接着剤等によって固定される。尚、LED灯具13は、LEDチューブライトに限らず、LED蛍光管等を使用しても勿論良い。
【0026】
(目違い防止プレート14,15)
目違い防止プレート14,15は、それぞれ、コーブ用高天井取付部材11,11同士またはコーブ用低天井取付部材12,12同士を連結する部材である。1枚のコーブ用高天井取付部材11およびコーブ用低天井取付部材12の長手方向の長さは、作業や運搬等に便利な例えば1.5m~3m前後の長さであるため、それ以上の長さが必要な場合は、現場においてコーブ用高天井取付部材11であれば目違い防止プレート嵌合部11a2,11b2、またはコーブ用低天井取付部材12であれば目違い防止プレート嵌合部12b2,12d1間に
図1等に示すようにジョイント材である目違い防止プレート14または目違い防止プレート15を嵌合して、コーブ用高天井取付部材11,11同士またはコーブ用低天井取付部材12,12同士を継ぎ合せて長尺化すると共に、コーブ用高天井取付部材11,11同士またはコーブ用低天井取付部材12,12同士の連結部分の目違いを防止する。
【0027】
<実施形態1の間接照明器具1の取付方法>
次に、以上のように構成された実施形態1の間接照明器具1の取付方法について図面を参照して簡単に説明する。
【0028】
まずは、
図6(a)に示すように折上げ天井3を構成する高天井部31の野縁受け31cにクリップ31dを介し設けられた野縁31eに対し、コーブ用高天井取付部材11の高天井固定面部11aのビス位置指示凹溝11a1にテクスビス41を通した後、回転させてコーブ用高天井取付部材11を野縁31eに固定する。
【0029】
次に、コーブ用高天井取付部材11の下方にコーブ用低天井取付部材12を設置して、
図6(b)に示すようにコーブ用低天井取付部材12の起立連結面部12aを、コーブ用高天井取付部材11の垂下り連結面部11bのルーズ孔11b3から鍋ビス42を挿入して雌ネジ孔12a2(
図5等参照。)に螺合する。
【0030】
ここで、垂下り連結面部11bのルーズ孔11b3は、上下方向の長さL1が例えば40mm程度で上下方向に±20mmの調整代を有するため、高天井部31と低天井部32との間の間隔が±20mm程度変化した場合でも、その変化をルーズ孔11b3で吸収して間接照明器具1を取付けることができる。
【0031】
その後、
図1に示すように高天井部31の野縁31eに2枚の天井用石膏ボード(Pb)31f,31fを固定すると共に、低天井部32の野縁32eに2枚の天井用石膏ボード(Pb)32f,32fを固定する。
【0032】
尚、LED灯具13は、予めコーブ用低天井取付部材12の灯具設置面部12b上面に取付けておいても良いし、コーブ用低天井取付部材12を折上げ天井3に取付けた後に、LED灯具13を取付けてもどちらでも良い。
【0033】
<実施形態1の間接照明器具1のまとめ>
以上説明したように、本発明に係る実施形態1の間接照明器具1は、高天井部31に固定されるコーブ用高天井取付部材11と、低天井部32に固定されると共に灯具13が設けられるコーブ用低天井取付部材12とで分割して構成すると共に、コーブ用高天井取付部材11の垂下り連結面部11bには、上下方向の長さL1が例えば40mm程度で±20mmの調整代を有するルーズ孔11b3を設けたため、高天井部31と低天井部32との間の間隔が±20mm程度変化した場合でも、その変化をルーズ孔11b3で吸収して間接照明器具1を取付けることができる。
【0034】
その結果、高天井部31と低天井部32との間の間隔が異なる折上げ天井3の場合でも、実施形態1の間接照明器具1で対応することが可能となるので、コーブ用高天井取付部材11とコーブ用低天井取付部材12との間の上下方向の間隔が異なる別の間接照明器具を用意する必要がなくなり、現場のニーズに容易かつ迅速に対応して作業性を向上させることができると共に、コストを低減することができる。
【0035】
実施形態2.
次に、本発明に係る実施形態2の間接照明器具2について説明する。実施形態2の間接照明器具2は、
図7等に示すように、折上げ天井3に、LED灯具13からの光を室内の壁面5に向けて照射するいわゆるコーニスタイプの間接照明を構成するものである。
【0036】
尚、実施形態2の間接照明器具2を取付ける折上げ天井3の構成は、
図7に示すように高天井部31とその高天井部31よりも低い低天井部32とを有する点では、実施形態1の間接照明器具1で説明した折上げ天井3と同じであるものの、コーニスタイプの間接照明を構成するため、室内の壁面5に近接した箇所に折上げ天井3を構成している。尚、
図7において、51は、2枚の壁面用石膏ボード(Pb)である。
【0037】
<実施形態2の間接照明器具2の構成>
実施形態2の間接照明器具2は、
図7に示すように壁面5に近接して構成した折上げ天井3に設けるコーニスタイプの間接照明器具であって、
図7~
図9に示すように、コーニス用高天井取付部材を構成するコーニス用先付高天井取付部材21およびコーニス用後付高天井取付部材22、コーニス用低天井取付部材23と、LED灯具13と、目違い防止プレート24,25,26等で構成される。尚、
図8および
図9では、目違い防止プレート24,25,26を省略しており、コーニス用先付高天井取付部材21,21同士、コーニス用後付高天井取付部材22,22同士、コーニス用低天井取付部材23,23同士を連結していない状態を示している。
【0038】
(コーニス用先付高天井取付部材21)
コーニス用先付高天井取付部材21は、コーニス用後付高天井取付部材22と共にコーニス用高天井取付部材を構成するもののコーニス用後付高天井取付部材22よりも先に高天井部31用の野縁31eにテクスビス41によって固定され、その先端部21aが室内の壁面5の壁面用石膏ボード(Pb)51表面に突き当るように取付けられる部材であって、
図10に示すように下面側には所定間隔を空けてL字形状の第1被掛止部21bと第2被掛止部21cを設ける一方、上面側にはコーニス用先付高天井取付部材21,21同士を連結して長尺化するため目違い防止プレート24が嵌る目違い防止プレート嵌合部21d,21e設けている。
【0039】
第1被掛止部21bおよび第2被掛止部21cは、それぞれ、コーニス用先付高天井取付部材21の下面から垂れ下がる第1被掛止垂下り部21b1および第2被掛止垂下り部21c1と、その第1被掛止垂下り部21b1および第2被掛止垂下り部21c1の下端部から部屋の中心に向かって延びる第1被掛止水平部21b2および第2被掛止水平部21c2とからL字形状に構成されている。
【0040】
第1被掛止水平部21b2および第2被掛止水平部21c2の水平方向の長さL2は、それぞれ、例えば、8mm~10mm程度の長さを確保している。
【0041】
また、第1被掛止部21bおよび第2被掛止部21cそれぞれの後方側には、
図7に示すようにコーニス用先付高天井取付部材21を高天井部31用の野縁31eに固定するテクスビス41を通すと共に、テクスビス41の頭部の突出を防止するため上方に向かって突出したビス頭部隠し用凹部21f,21gが設けられており、ビス頭部隠し用凹部21f,21gにはそれぞれテクスビス41の螺入位置を示すビス位置指示凹溝21f1,21g1を設けている。
【0042】
そして、コーニス用先付高天井取付部材21の後端部には、コーニス用後付高天井取付部材22とテクスビス41によって連結するため肉厚に形成したビス受け用増厚部21hが設けられており、ビス受け用増厚部21hには、テクスビス41の螺入位置を示すビス位置指示凹溝21h1を設けている。
【0043】
(コーニス用後付高天井取付部材22)
コーニス用後付高天井取付部材22は、コーニス用先付高天井取付部材21と共にコーニス用高天井取付部材を構成するものの高天井部31に固定したコーニス用先付高天井取付部材21に後から取付ける部材であって、
図11に示すようにコーニス用先付高天井取付部材21のL字形状の第1被掛止部21bと第2被掛止部21cにそれぞれ掛止する逆L字形状の第1掛止部22bと第2被掛止部22cを設けると共に、第1掛止部22bと第2被掛止部22cとの間には、コーニス用後付高天井取付部材22,22同士を連結して長尺化するため目違い防止プレート24が嵌る目違い防止プレート嵌合部22d,22eを設けている。
【0044】
第1掛止部22bおよび第2被掛止部22cは、それぞれ、コーニス用後付高天井取付部材22の上面から起立する第1掛止起立部22b1および第2掛止起立部22c1と、その第1掛止起立部22b1および第2掛止起立部22c1の上端部から部屋の壁面5に向かって延びる第1掛止水平部22b2および第2掛止水平部22c2とから逆L字形状に構成されている。
【0045】
第1掛止水平部22b2および第2掛止水平部22c2の水平方向の長さL3は、それぞれ、例えば、8mm~10mm程度の長さを確保している。
【0046】
さらに、コーニス用後付高天井取付部材22の後端部には、第1掛止部22bおよび第2掛止部22cよりも高く立ち上がる起立面部22fと、その起立面部22fの上端部から後方である室内の中心側に突出してコーニス用先付高天井取付部材21の後端部のビス受け用増厚部21hと重なりテクスビス41により固定される固定用突出部22gと、起立面部22fとは反対側である下方に垂れ下がり、コーニス用低天井取付部材23に連結される垂下り連結面部22hとを有する。
【0047】
固定用突出部22gには、テクスビス41の螺入位置を示すビス位置指示凹溝22g1が形成されている。固定用突出部22gの水平方向の長さL4は、例えば、20mm~25mm程度で、その後端部からビス位置指示凹溝22g1までの長さL5は、7mm~8mm程度としている。
【0048】
また、垂下り連結面部22hには、
図9等に示すように、コーニス用低天井取付部材23の後述する起立連結面部23aと連結するための上下方向の長さL6が例えば40mm程度で±20mmの調整代を有するルーズ孔22h1を設け、そのルーズ孔22h1に鍋ビス42が挿入されるように構成されている。
【0049】
(コーニス用低天井取付部材23)
コーニス用低天井取付部材23は、
図12に示すようにコーニス用後付高天井取付部材22の垂下り連結面部22hと連結する鉛直方向に延びる起立連結面部23aと、その起立連結面部23aの下端部から水平に延びて低天井部32を構成するクリップ32dに固定されると共に、LED灯具13が取り付けられる灯具設置面部23bと、灯具設置面部23bの先端部から垂れ下がって低天井部32の下側の天井用石膏ボード(Pb)32fまで延びる低天井端部隠し面部23cが設けられている。
【0050】
起立連結面部23aの上端部には、増厚して、コーニス用後付高天井取付部材22の垂下り連結面部22hのルーズ孔22h1に挿入された鍋ビス42等が螺合する雌ネジ孔23a2が形成されたビス受け用増厚部23a1を設けている。
【0051】
また、起立連結面部23aのビス受け用増厚部23a1の下方には、灯具設置面部12b上に設けるLED灯具13に配線を行なったり、熱を逃がすため円形の熱逃げ兼配線孔23a3(
図8参照。)を適宜間隔で設けている。
【0052】
灯具設置面部23bの後端部側には、
図7に示すように低天井部32を構成するクリップ32dに固定するテクスビス41の取付位置を示すビス位置指示凹溝23b1が形成されていると共に、その先端部側における低天井端部隠し面部23cと近接した箇所には、目違い防止プレート15の上端部が嵌る目違い防止プレート嵌合部23b2が設けられている。
【0053】
また、低天井端部隠し面部23cの中間部には、灯具設置面部23bの目違い防止プレート嵌合部23b2に対向するように目違い防止プレート15の下端部が嵌る目違い防止プレート嵌合部23c1が設けられていると共に、下端部には室内の中心側に僅かに突出して
図7に示すように低天井部32を構成する天井用石膏ボード(Pb)32fの先端部が重なる石膏ボード端部支持用突出部23c2が設けられている。
【0054】
<実施形態2の間接照明器具2の取付方法>
次に、以上のように構成された実施形態2の間接照明器具2の取付方法について図面を参照して簡単に説明する。
【0055】
まずは、
図13(a)に示すように折上げ天井3を構成する高天井部31の野縁受け31cにクリップ31dを介し設けられた2箇所の野縁31eにコーニス用先付高天井取付部材21を取付ける。コーニス用先付高天井取付部材21の取付けは、コーニス用先付高天井取付部材21のビス頭部隠し用凹部21f,21gにテクスビス41を通した後、回転させてコーニス用先付高天井取付部材21を野縁31eに固定する。
【0056】
次に、
図13(b)に示すようにコーニス用先付高天井取付部材21の下方からコーニス用後付高天井取付部材22の上面側の第1掛止部22bおよび第2掛止部22cがコーニス用先付高天井取付部材21の第1被掛止部21bおよび第2被掛止部21cに当接しないようにズラして持ち上げ後、コーニス用後付高天井取付部材22を室内壁面5の方へスライドさせて、
図14(a)に示すようにコーニス用後付高天井取付部材22の上面側の第1掛止部22bおよび第2掛止部22cを、コーニス用先付高天井取付部材21の第1被掛止部21bおよび第2被掛止部21cに掛止させると共に、コーニス用後付高天井取付部材22後端部の固定用突出部22gにビス位置指示凹溝22g1を参照してテクスビス41を螺入させてコーニス用先付高天井取付部材21後端部のビス受け用増厚部21hに固定する。
【0057】
ここで、テクスビス41はコーニス用先付高天井取付部材21のビス頭部隠し用凹部21f,21gで固定するため、テクスビス41の頭部がビス頭部隠し用凹部21f,21gから突出せず、コーニス用後付高天井取付部材22の上面側の第1掛止部22bおよび第2掛止部22cに干渉しないので、コーニス用先付高天井取付部材21に対するコーニス用後付高天井取付部材22の掛止作業を円滑に行うことができる。
【0058】
また、コーニス用後付高天井取付部材22の垂下り連結面部22h下端部と低天井部32の野縁受け32cとの間には、
図14(a)に示すように十分な空間が空いているため、コーニス用先付高天井取付部材21にコーニス用後付高天井取付部材22をテクスビス41で固定する際、垂下り連結面部22hの下方から工具とテクスビス41等を入れて作業を行うことが可能であり、ビス固定の作業性を向上させることができる。
【0059】
また、コーニス用先付高天井取付部材21を高天井部31の2箇所の野縁31eに固定するテクスビス41だけでなく、コーニス用後付高天井取付部材22の固定用突出部22gとコーニス用先付高天井取付部材21のビス受け用増厚部21hとを固定するテクスビス41も折上げ天井3の下方から見えなくなるので、ビス固定の作業性を向上させつつも美観を向上させることができる。
【0060】
図14(a)に示すようにコーニス用先付高天井取付部材21にコーニス用後付高天井取付部材22を固定した後は、
図14(b)に示すようにコーニス用後付高天井取付部材22の垂下り連結面部22hのルーズ孔22h1に鍋ビス42等を挿入し、コーニス用低天井取付部材23の起立連結面部23aの雌ネジ孔23a2に螺合して連結する。尚、コーニス用先付高天井取付部材21にコーニス用後付高天井取付部材22を固定すると、本実施形態の場合、
図7に示すように室内の壁面5とコーニス用後付高天井取付部材22の先端部22aとの間に例えば5mm~10mm程度の目透かし(隙間)Cが形成される。
【0061】
コーニス用後付高天井取付部材22のルーズ孔22h1は、垂下り連結面部22hの上下方向の長さL1が例えば40mm程度で±20mmの調整代を有する長孔であるため、実施形態1のコーブタイプの間接照明器具1の場合と同様に、高天井部31と低天井部32との間の間隔が±20mm程度変化した場合でも、その変化をルーズ孔22h1で吸収して間接照明器具1を取付けることができる。
【0062】
尚、LED灯具13は、予めコーニス用低天井取付部材23の灯具設置面部23b上面に取付けておいても良いし、コーニス用低天井取付部材23を折上げ天井3に取付けた後に、LED灯具13を取付けてもどちらでも良い。
【0063】
また、野縁受け32cの側面方向から見た
図13および
図14とは異なり野縁受け32cの前後端方向から見た際に、コーニス用低天井取付部材23の下方に野縁受け32c等が設けられてなく、野縁32eとの間に隙間が空く場合には、例えば、
図15に示すようにコーニス用低天井取付部材23と野縁32eとの間に木片等のスペーサ32gを挿入し、コーニス用低天井取付部材23のビス位置指示凹溝23b1からテクスビス41を螺入しスペーサ32gに固定するようにしても良い。
【0064】
また、低天井部32において天井用石膏ボード(Pb)32f,32fの野縁32eの長手方向の長さが短く、
図7に示すようにコーニス用後付高天井取付部材22の先端部22aと壁面5の壁面用石膏ボード(Pb)51との間の間隔が5mm程度ではコーニス用低天井取付部材23の石膏ボード端部支持用突出部23c2に天井用石膏ボード(Pb)32f,32f先端部を支持できない場合には、
図7に示す場合よりもコーニス用先付高天井取付部材21に対しコーニス用後付高天井取付部材22を室内の中心側にズラし取り付けて、例えば、
図16に示すように実施形態2の間接照明器具2を構成しても良い。
【0065】
図16は、コーニス用後付高天井取付部材22の先端部22aと壁面5の壁面用石膏ボード(Pb)51との間の間隔が5mmからその2倍の10mm程度に広げた場合を示している。
【0066】
図16に示すようにコーニス用先付高天井取付部材21に対しコーニス用後付高天井取付部材22を室内の中心側にズラして取り付けた場合、コーニス用先付高天井取付部材21の第1被掛止部21bおよび第2被掛止部21cそれぞれの第1被掛止水平部21b2および第2被掛止水平部21c2先端がコーニス用後付高天井取付部材22の第1掛止部22bおよび第2掛止部22cそれぞれの第1掛止起立部22b1および第2掛止起立部22c1側面に当接せず、またコーニス用後付高天井取付部材22の第1掛止部22bおよび第2掛止部22cそれぞれの第1掛止水平部22b2および第2掛止水平部22c2先端がコーニス用先付高天井取付部材21の第1被掛止部21bおよび第2被掛止部21cの第1被掛止垂下り部21b1および第2被掛止垂下り部21c1側面に当接しなくなるが、第1被掛止部21bおよび第2被掛止部21cそれぞれの第1被掛止水平部21b2および第2被掛止水平部21c2とコーニス用後付高天井取付部材22の第1掛止部22bおよび第2掛止部22cそれぞれの第1掛止水平部22b2および第2掛止水平部22c2とは先端部が重なって係合しており、かつ、コーニス用後付高天井取付部材22の固定用突出部22gとコーニス用先付高天井取付部材21のビス受け用増厚部21hとをテクスビス41で固定するため、コーニス用先付高天井取付部材21とコーニス用後付高天井取付部材22との固定に問題はない。
【0067】
また、コーニス用後付高天井取付部材22の固定用突出部22gの水平方向の長さL4(
図11参照。)は、例えば、20mm~25mm程度であり、固定用突出部22gの後端部からビス位置指示凹溝22g1までの長さL5は7mm~8mm程度であるため、
図7に示す連結状態よりもコーニス用後付高天井取付部材22をコーニス用先付高天井取付部材21に対し5mm程度、部屋の壁面5から中心側へ後退させても、テクスビス41はビス位置指示凹溝22g1から5mm程度ずれるものの固定用突出部22gとビス受け用増厚部21hとをテクスビス41で固定することができる。
【0068】
尚、この場合、コーニス用後付高天井取付部材22に固定されるコーニス用低天井取付部材23も、
図7に示す連結状態よりも、5mm程度、部屋の中心側へ後退することになるため、灯具設置面部23bの後端部のビス位置指示凹溝23b1に通したテクスビス41は、
図16に示すように低天井部32用のクリップ32dの中心から部屋の中心側へずらした位置に固定することになる。
【0069】
<実施形態2の間接照明器具2のまとめ>
以上説明したように、本発明に係る実施形態2の間接照明器具2は、コーニスタイプの間接照明器具であって、高天井取付部材をコーニス用先付高天井取付部材21とコーニス用後付高天井取付部材22で分割して構成し、コーニス用後付高天井取付部材22の垂下り連結面部22hには上下方向の長さL1が例えば40mm程度で±20mmの調整代を有する長孔のルーズ孔22h1を設けている。
【0070】
そのため、高天井部31と低天井部32との間の間隔が±20mm程度変化した場合でも、その変化をルーズ孔22h1で吸収して間接照明器具2を取付けることができるので、コーニス用後付高天井取付部材22とコーニス用低天井取付部材23との間の上下方向の間隔が異なる別の間接照明器具1を用意する必要がなくなり、現場のニーズに容易かつ迅速に対応して作業性を向上させることができると共に、コストを低減することができる。
【0071】
また、本発明に係る実施形態2の間接照明器具2では、高天井取付部材は、高天井部31にビスまたはネジ等の固定部材により固定されると共に、下面側に所定間隔を空けてL字形状の第1被掛止部21bと第2被掛止部21cを設けコーニス用先付高天井取付部材21と、上面側にその第1被掛止部21bと第2被掛止部21cに側方からスライドして掛止する逆L字形状の第1掛止部22bと第2被掛止部22cを有するコーニス用後付高天井取付部材22との2部品に分割して構成している。
【0072】
そのため、高天井部31にコーニス用先付高天井取付部材21を先に取付け、その後、コーニス用先付高天井取付部材21の第1被掛止部21bおよび第2被掛止部21cにそれぞれコーニス用後付高天井取付部材22の第1掛止部22bおよび第2被掛止部22cを掛止して仮着けした後、テクスビス41でコーニス用先付高天井取付部材21にコーニス用後付高天井取付部材22を固定することができるので、コーニス用先付高天井取付部材21にコーニス用後付高天井取付部材22を取り付け易くなり、作業性を向上させることが出来る。
【0073】
特に、
図7に示すようにコーニス用先付高天井取付部材21に対しコーニス用後付高天井取付部材22を室内の壁面5側に最大限近付け、コーニス用先付高天井取付部材21の第1被掛止部21bおよび第2被掛止部21cそれぞれの第1被掛止水平部21b2および第2被掛止水平部21c2先端がコーニス用後付高天井取付部材22の第1掛止部22bおよび第2掛止部22cの第1掛止起立部22b1および第2掛止起立部22c1側面に当接または近接、あるいはコーニス用後付高天井取付部材22の第1掛止部22bおよび第2掛止部22cの第1掛止水平部22b2および第2掛止水平部22c2先端がコーニス用先付高天井取付部材21の第1被掛止部21bおよび第2被掛止部21cそれぞれの第1被掛止垂下り部21b1および第2被掛止垂下り部21c1側面に当接または近接するように掛止させた際に、低天井部32において天井用石膏ボード(Pb)32f,32fの野縁32eの長手方向の長さが短く、石膏ボード端部支持用突出部23c2において天井用石膏ボード(Pb)32f,32f先端部を支持できずその間に隙間が空きそうな場合には、
図16に示すようにコーニス用先付高天井取付部材21に対しコーニス用後付高天井取付部材22を室内の中心側にズラして取り付けることができるため、現場のニーズに容易かつ迅速に対応して作業性を向上させることができると共に、コストを低減することができる。
【0074】
また、実施形態2の間接照明器具2では、コーニス用先付高天井取付部材21の第1被掛止部21bおよび第2被掛止部21cとコーニス用後付高天井取付部材22の第1掛止部22bおよび第2掛止部22cとを掛止させた状態では、コーニス用先付高天井取付部材21の先端部21aはコーニス用後付高天井取付部材22の先端部22aよりも室内の壁面5に向かって突出するように構成しているため、
図7や
図16に示すようにコーニス用先付高天井取付部材21の先端部21aを室内の壁面5の壁面用石膏ボード(Pb)51に当接又は近接するように高天井部31に取付けた場合、コーニス用後付高天井取付部材22の先端部22aと室内の壁面5との間に目透かし(隙間)Cが5mm~10mm程度空くように構成している。
【0075】
しかし、コーニス用後付高天井取付部材22の先端部22aと室内の壁面5の壁面用石膏ボード(Pb)51との間の目透かし(隙間)Cには、LEDライト13からの光によってスリット状の影部が形成されるため、
図16に示すようにコーニス用先付高天井取付部材21に対しコーニス用後付高天井取付部材22を室内の中心側にズラして取り付け、その目透かし(隙間)Cが10mm程度に広がった場合でも、スリット状の影部によってその目透かし(隙間)Cを下方にいる人からは気付き難くなるので、現場ニーズに容易に対応して作業性を向上させることができるだけでなく、折上げ天井3の仕上がり具合も向上させることができる。
【0076】
また、コーニス用後付高天井取付部材22の先端部22aと室内の壁面5との間の目透かし(隙間)Cは、
図7や
図16等に示すように幅が細く、かつ、目透かし(隙間)Cよりも下方であって室内中心側となる斜め下方に設置されたLED灯具13から発光されたLED光によってスリット状(線状)の影部が形成されるため、壁面5の壁面用石膏ボード(Pb)51の撓み等によってコーニス用先付高天井取付部材21の先端部21aと壁面用石膏ボード(Pb)51との間に隙間が形成されても、コーニス用先付高天井取付部材22の先端部22aと壁面用石膏ボード(Pb)51との間に形成されるスリット状(線状)の影部によって下方にいる人から見え難くなるので、意匠性を向上させることが出来る。
【0077】
尚、実施形態2の間接照明器具2では、コーニス用先付高天井取付部材21にL字形状の第1被掛止部21bと第2被掛止部21cを設ける一方、コーニス用後付高天井取付部材22にはコーニス用先付高天井取付部材21のL字形状の第1被掛止部21bと第2被掛止部21cにそれぞれ掛止する逆L字形状の第1掛止部22bと第2被掛止部22cを設けて説明したが、本発明ではこれに限らず、嵌合や係止、係合、さらには凹凸等の関係でも良く、コーニス用先付高天井取付部材21にコーニス用後付高天井取付部材22を仮掛けないしは仮留めできる形状(関係)で特にこだわらない。
【符号の説明】
【0078】
1 間接照明器具(実施形態1)
11 コーブ用高天井取付部材
11a 高天井固定面部
11a1 ビス位置指示凹溝
11a2 目違い防止プレート嵌合部
11b 垂下り連結面部
11b1 石膏ボード端部支持用突出部
11b2 目違い防止プレート嵌合部
11b3 ルーズ孔
12 コーブ用低天井取付部材
12a 起立連結面部
12a1 ビス受け用増厚部
12a2 雌ネジ孔
12b 灯具設置面部
12b1 ビス位置指示凹溝
12b2 目違い防止プレート嵌合部
12c 幕板部
12d 垂下り面部
12d1 目違い防止プレート嵌合部
12d2 石膏ボード端部支持用突出部
13 LED灯具
14,15 目違い防止プレート
2 間接照明器具
21 コーニス用先付高天井取付部材
21a 先端部
21b 第1被掛止部
21b1 第1被掛止垂下り部
21b2 第1被掛止水平部
21c 第2被掛止部
21c1 第2被掛止垂下り部
21c2 第2被掛止水平部
21d,21e 目違い防止プレート嵌合部
21f,21g ビス頭部隠し用凹部
21h ビス受け用増厚部
21h1 ビス位置指示凹溝
22 コーニス用後付高天井取付部材
22a 先端部
22b 第1掛止部
22b1 第1掛止起立部
22b2 第1掛止水平部
22c 第2被掛止部
22c1 第2掛止起立部
22c2 第2掛止水平部
22d,22e 目違い防止プレート嵌合部
22f 起立面部
22g 固定用突出部
22g1 ビス位置指示凹溝
22h 垂下り連結面部
22h1 ルーズ孔
23 コーニス用低天井取付部材
23a 起立連結面部
23a1 ビス受け用増厚部
23a2 雌ネジ孔
23a3 熱逃げ兼配線孔
23b 灯具設置面部
23b1 ビス位置指示凹溝
23b2 目違い防止プレート嵌合部
23c 低天井端部隠し面部
23c1 目違い防止プレート嵌合部
23c2 石膏ボード端部支持用突出部
24,25,26 目違い防止プレート
3 折上げ天井
31 高天井部
32 低天井部
31a 吊りボルト
31b ハンガー
31c 野縁受け
31d クリップ
31e 野縁
31f 天井用石膏ボード(Pb)
31g ボルトホルダー
32 低天井部
32a 吊りボルト
32b ハンガー
32c 野縁受け
32d クリップ
32e 野縁
32f 天井用石膏ボード(Pb)
32g スペーサ
41 テクスビス
42 鍋ビス
5 室内壁面
51 壁面用石膏ボード(Pb)