IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋ゴム工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-空気入りタイヤ 図1
  • 特許-空気入りタイヤ 図2
  • 特許-空気入りタイヤ 図3
  • 特許-空気入りタイヤ 図4
  • 特許-空気入りタイヤ 図5
  • 特許-空気入りタイヤ 図6
  • 特許-空気入りタイヤ 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/13 20060101AFI20240723BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20240723BHJP
   B60C 11/12 20060101ALI20240723BHJP
   B60C 5/00 20060101ALN20240723BHJP
【FI】
B60C11/13 C
B60C11/03 300A
B60C11/03 B
B60C11/12 B
B60C11/12 A
B60C11/12 C
B60C5/00 H
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020211107
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022097874
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮垣 翼
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-104112(JP,A)
【文献】特開2017-154709(JP,A)
【文献】特開2018-086994(JP,A)
【文献】特開2015-016852(JP,A)
【文献】特開2007-153338(JP,A)
【文献】特開2018-203117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00 - 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ周方向に延びる第1及び第2の主溝と、前記第1及び第2の主溝で区画された第1の陸と、を備え、
前記第1の陸は、前記第1の陸をタイヤ幅方向に横切って延びて、前記第1及び第2の主溝に開口する複数のスリットを備え、
前記複数のスリットは、溝底の一部が隆起した第1かさ上げ部を有する第1スリットと、溝底の一部が前記第1かさ上げ部よりも低く隆起した第2かさ上げ部を有する第2スリットと、を備え、
前記第1かさ上げ部は、前記第1スリットが延びる方向に沿って延びる第1サイプを備え、
前記複数の第1スリットと前記複数の第2スリットは、タイヤ周方向に交互に配置される、空気入りタイヤ。
【請求項2】
タイヤ周方向に延びる第3の主溝と、前記第1の主溝と前記第3の主溝で区画された第2の陸と、を備え、
前記第2の陸は、前記第2の陸をタイヤ幅方向に横切って延びて、前記第1及び第3の主溝に開口する複数のスリットを備え、
前記第2の陸の複数のスリットは、溝底の一部が隆起した第3かさ上げ部を有する第3スリットと、溝底の一部が前記第3かさ上げ部よりも低く隆起した第4かさ上げ部を有する第4スリットと、を備え、
前記第3かさ上げ部は、前記第3スリットが延びる方向に沿って延びる第2サイプを備え、
前記複数の第3スリットと前記複数の第4スリットは、タイヤ周方向に交互に配置され、
前記第1スリットは、前記第1の主溝へ開口する第1開口部を備え、
前記第2スリットは、前記第1の主溝へ開口する第2開口部を備え、
前記第3スリットは、前記第1の主溝へ開口する第3開口部を備え、
前記第4スリットは、前記第1の主溝へ開口する第4開口部を備え、
前記第1開口部は、前記第3開口部よりも前記第4開口部に近く、
前記第2開口部は、前記第4開口部よりも前記第3開口部に近い、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記第1の陸は、タイヤ赤道面に最も近いセンター陸であり、
前記第1スリットは、前記第2スリットよりも幅狭である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記第1の陸は、タイヤ赤道面に最も近いセンター陸であり、
前記第1スリットは、前記第2スリットよりも幅狭であり、かつ、前記第1サイプは、前記第2サイプよりも深い、請求項2に記載の空気入りタイヤ。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、陸部にタイヤ幅方向に延びるサブ溝(横溝)を設けた空気入りタイヤにおいて、サブ溝の溝底に底上げ部が設けられ、この底上げ部にサブ溝に沿って延在するサイプが設けられた空気入りタイヤが開示されている。サイプを設けることで、接地時にサブ溝を動き易くし、サブ溝内に入り込んだ雪を排出し易くすることができる。
【0003】
しかしながら、特許文献1の空気入りタイヤでは、底上げ部にサイプを設けることでサブ溝を挟むブロックが動き易くなるため、スノー性能を向上できるが、操縦安定性能は悪化する傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-168006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、スノー性能と操縦安定性能を両立できる空気入りタイヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延びる第1及び第2の主溝と、前記第1及び第2の主溝で区画された第1の陸と、を備え、
前記第1の陸は、前記第1の陸をタイヤ幅方向に横切って延びて、前記第1及び第2の主溝に開口する複数のスリットを備え、
前記複数のスリットは、溝底の一部が隆起した第1かさ上げ部を有する第1スリットと、溝底の一部が前記第1かさ上げ部よりも低く隆起した第2かさ上げ部を有する第2スリットと、を備え、
前記第1かさ上げ部は、前記第1スリットが延びる方向に沿って延びる第1サイプを備え、
前記複数の第1スリットと前記複数の第2スリットは、タイヤ周方向に交互に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ子午面における要部断面図
図2】同実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド面の要部展開図
図3図2に示すトレッド面のIII領域拡大図
図4図3に示すトレッド面のIV-IV線断面図
図5図3に示すトレッド面のV-V線断面図
図6図3に示すトレッド面のVI-VI線断面図
図7図3に示すトレッド面のVII-VII線断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、空気入りタイヤにおける一実施形態について、図1図7を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0009】
各図において、第1の方向D1は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)1の回転中心であるタイヤ回転軸と平行であるタイヤ幅方向D1であり、第2の方向D2は、タイヤ1の直径方向であるタイヤ径方向D2であり、第3の方向D3は、タイヤ回転軸周りのタイヤ周方向D3である。
【0010】
タイヤ幅方向D1において、内側は、タイヤ赤道面S1に近い側となり、外側は、タイヤ赤道面S1から遠い側となる。なお、タイヤ幅方向D1のうち、第1側D11は、第1幅方向側D11ともいい、第2側D12は、第2幅方向側D12ともいう。また、タイヤ径方向D2において、内側は、タイヤ回転軸に近い側となり、外側は、タイヤ回転軸から遠い側となる。また、タイヤ周方向D3のうち、第1側D31は、第1周方向側D31ともいい、第2側D32は、第2周方向側D32ともいう。
【0011】
タイヤ赤道面S1とは、タイヤ回転軸に直交する面で且つタイヤ1のタイヤ幅方向D1の中心に位置する面のことであり、タイヤ子午面とは、タイヤ回転軸を含む面で且つタイヤ赤道面S1と直交する面のことである。また、タイヤ赤道線とは、タイヤ1のタイヤ径方向D2の外表面(後述する、トレッド面2a)とタイヤ赤道面S1とが交差する線のことである。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係るタイヤ1は、ビードコアを有する一対のビード1aと、各ビード1aからタイヤ径方向D2の外側に延びるサイドウォール1bと、一対のサイドウォール1bのタイヤ径方向D2の外端に連接され、タイヤ径方向D2の外表面が路面に接地するトレッド2とを備えている。本実施形態においては、タイヤ1は、内部に空気が入れられる空気入りタイヤ1であって、リム20に装着される。
【0013】
また、タイヤ1は、一対のビードコアの間に架け渡されるカーカス1cと、カーカス1cの内側に配置され、空気圧を保持するために、気体の透過を阻止する機能に優れるインナーライナ1dとを備えている。カーカス1c及びインナーライナ1dは、ビード1a、サイドウォール1b、及びトレッド2に亘って、タイヤ内周に沿って配置されている。
【0014】
タイヤ1は、タイヤ赤道面S1に対して非対称となる構造である。本実施形態においては、タイヤ1は、車両への装着向きを指定されたタイヤであり、リム20に装着する際に、タイヤ1の左右何れを車両に対面するかを指定されたタイヤである。なお、トレッド2のトレッド面2aに形成されるトレッドパターンは、タイヤ赤道面S1に対して非対称となる形状としている。
【0015】
車両への装着の向きは、サイドウォール1bに表示されている。具体的には、サイドウォール1bは、タイヤ外表面を構成すべく、カーカス1cのタイヤ幅方向D1の外側に配置されるサイドウォールゴム1eを備え、該サイドウォールゴム1eは、表面に、車両への装着の向きを表示する表示部(図示していない)を有している。
【0016】
例えば、車両装着時に内側(以下「車両内側」ともいう)に配置される一方のサイドウォール1bは、車両内側となる旨の表示(例えば、「INSIDE」等)を付されている。また、例えば、車両装着時に外側(以下「車両外側」ともいう)に配置される他方のサイドウォール1bは、車両外側となる旨の表示(例えば、「OUTSIDE」等)を付されている。特に限定されないが、例えば、第1幅方向側D11は、車両内側D11とし、第2幅方向側D12は、車両外側D12としてもよい。
【0017】
トレッド2は、路面に接地するトレッド面2aを有するトレッドゴム2bと、トレッドゴム2bとカーカス1cとの間に配置されるベルト2cとを備えている。そして、トレッド面2aは、実際に路面に接地する接地面を有しており、当該接地面のうち、タイヤ幅方向D1の外端は、接地端2d,2eという。なお、該接地面は、タイヤ1を正規リム20にリム組みし、正規内圧を充填した状態でタイヤ1を平坦な路面に垂直に置き、正規荷重を加えたときの路面に接地するトレッド面2aを指す。
【0018】
正規リム20は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ1ごとに定めるリム20であり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば「Design Rim」、ETRTOであれば「Measuring Rim」となる。
【0019】
また、正規内圧は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ1ごとに定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「INFLATION PRESSURE」であるが、タイヤ1が乗用車用である場合には180kPaとする。
【0020】
正規荷重は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ1ごとに定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば上記の表に記載の最大値、ETRTOであれば「LOAD CAPACITY」であるが、タイヤ1が乗用車用である場合には内圧180kPaの対応荷重の85%とする。
【0021】
図1及び図2に示すように、トレッドゴム2bは、タイヤ周方向D3に延びる複数の主溝3a~3dを備えている。主溝3a~3dは、タイヤ周方向D3に連続して延びている。本実施形態においては、主溝3a及び主溝3cは、タイヤ周方向D3に沿って屈折を繰り返してジグザグ状に延びており、主溝3b及び主溝3dは、タイヤ周方向D3に沿ってストレート状に延びている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、主溝3a及び主溝3cがストレート状に延びており、主溝3b及び主溝3dがジグザグ状に延びている、という構成でもよく、また、すべての主溝3a~3dがストレート状又はジグザグ状に延びている、という構成でもよく、また、湾曲を繰り返して波状に延びている、という構成でもよい。
【0022】
主溝3a~3dは、例えば、摩耗するにしたがって露出することで摩耗度合が分かるように、溝を浅くしてある部分、所謂、トレッドウエアインジケータ(図示していない)を備えていてもよい。また、例えば、主溝3a~3dは、接地端2d,2e間の距離(タイヤ幅方向D1の寸法)の3%以上の溝幅を有していてもよい。また、例えば、主溝3a~3dは、5mm以上の溝幅を有していてもよい。
【0023】
タイヤ幅方向D1の最も外側に配置される一対の主溝3a,3bは、ショルダー主溝3a,3bといい、また、一対のショルダー主溝3a,3b間に配置される主溝3c,3dは、センター主溝3c,3dという。なお、主溝3a~3dの数は、特に限定されないが、本実施形態においては、四つとしている。
【0024】
トレッドゴム2bは、複数の主溝3a~3d及び一対の接地端2d,2eによって区画される複数の陸4a~4eを備えている。なお、陸4a~4eの数は、特に限定されないが、本実施形態においては、五つとしている。
【0025】
ショルダー主溝3a,3bと接地端2d,2eによって区画される陸4a,4bは、ショルダー陸4a,4bといい、隣接される一対の主溝3a~3dによって区画される陸4c~4eは、ミドル陸4c~4eという。なお、ショルダー主溝3a,3bとセンター主溝3c,3dとによって区画される陸4c,4dは、クオーター陸(「メディエイト陸」ともいう)4c,4dともいい、一対のセンター主溝3c,3dによって区画される陸4eは、センター陸4eともいう。
【0026】
センター陸4eは、タイヤ幅方向D1に対して傾斜する方向に延びる第1及び第2スリット51,52を有する。複数の第1スリット51と複数の第2スリット52は、タイヤ周方向D3に交互に配置される。第1及び第2スリット51,52は、主溝3cと主溝3dとに接続され、主溝3cと主溝3dに開口している。これにより、センター陸4eは、第1及び第2スリット51,52によってタイヤ周方向D3に分割された複数のセンターブロック41を有する。また、センターブロック41は、主溝3c及び主溝3d並びに第1及び第2スリット51,52で区画されているとも言える。
【0027】
図2及び図3に示すように、第1及び第2スリット51,52は、ストレート状に延びている。第1スリット51と第2スリット52は平行である。なお、本明細書において、「平行」とは、完全に平行である場合だけでなく、交差角が5度以下である略平行である場合も含む(以下も同様)。
【0028】
第1スリット51及び第2スリット52の溝幅は、主溝3a~3dの溝幅よりも狭くなっている。また、第1スリット51の溝幅は、第2スリット52の溝幅よりも狭くなっている。第1スリット51の溝幅は例えば2~6mmであり、第2スリット52の溝幅は例えば2.5~8mmである。本実施形態の第1スリット51の溝幅は3.5mm、第2スリット52の溝幅は4.8mmである。
【0029】
第1スリット51及び第2スリット52の溝深さは、主溝3a~3dの溝深さの70~95%である。第1スリット51及び第2スリット52の溝深さは例えば5.5~8mmであり、本実施形態の第1スリット51及び第2スリット52の溝深さは7mmである。
【0030】
図4は、第1スリット51のIV-IV線断面図である。第1スリット51は、溝底の一部が隆起した第1かさ上げ部61を有する。第1かさ上げ部61は、第1スリット51の溝幅全体に配置される。第1かさ上げ部61は、第1スリット51の溝底51bよりもタイヤ径方向D2の外側へ向かって突出しており、第1スリット51の溝底51bから1.6~4mm突出している。本実施形態の第1かさ上げ部61は、溝底51bよりも2.7mm高い。また、第1かさ上げ部61は、トレッド面2aよりも低く、例えばトレッド面2aよりも3~5.4mm低い。本実施形態の第1かさ上げ部61は、トレッド面2aよりも4.3mm低い。
【0031】
第1かさ上げ部61は、第1スリット51のうち主溝3c寄りに形成され、主溝3cに接している。これにより、第1かさ上げ部61の周辺にあるセンターブロック41の変形を抑えるため、センターブロック41の変形により主溝3cが狭くなるワイピング現象を抑制することができる。
【0032】
第1かさ上げ部61は、第1スリット51が延びる方向に沿って延びる第1サイプ71を備える。第1サイプ71は、第1かさ上げ部61の幅方向中央に形成されている。第1サイプ71は、一端が開口し、他端が第1かさ上げ部61内で終端するように構成される。第1かさ上げ部61の頂面を基準とした第1サイプ71の溝深さは1~4mmである。本実施形態の第1サイプ71の溝深さは2.2mmである。また、第1サイプ71の溝深さは、後述する第2サイプ72の溝深さよりも深い。本実施形態の第1サイプ71の溝幅は0.6mmである。
【0033】
図5は、第2スリット52のV-V線断面図である。第2スリット52は、溝底の一部が隆起した第2かさ上げ部62を有する。第2かさ上げ部62は、第2スリット52の溝幅全体に配置される。第2かさ上げ部62は、第1かさ上げ部61よりも低い。第2かさ上げ部62は、第2スリット52の溝底52bよりもタイヤ径方向D2の外側へ向かって突出しており、第2スリット52の溝底52bから0.5~3mm突出している。本実施形態の第2かさ上げ部62は、溝底52bよりも1.1mm高い。また、第2かさ上げ部62は、トレッド面2aよりも低く、例えばトレッド面2aよりも4~6.5mm低い。本実施形態の第2かさ上げ部62は、トレッド面2aよりも5.9mm低い。
【0034】
第2かさ上げ部62は、第2スリット52のタイヤ幅方向D1の中央付近に形成されている。また、第2かさ上げ部62は、タイヤ赤道面S1を横切るように形成されている。第2かさ上げ部62の長さは、第1かさ上げ部61の長さよりも短い。なお、第2かさ上げ部62は、第1かさ上げ部61の第1サイプ71のようなサイプを備えていない。
【0035】
センターブロック41は、周溝81、及び複数の幅方向サイプ82を備える。周溝81は、センターブロック41のタイヤ幅方向D1の中央部に形成されている。周溝81の両端は、第1スリット51及び第2スリット52に開口している。特に限定されないが、周溝81の溝幅は、例えば、0.5~3.0mmとしてもよく、また、例えば、1.0~2.0mmであることが好ましい(後述の周溝83及び周溝85についても同様)。
【0036】
複数の幅方向サイプ82は、タイヤ周方向D3に並べて形成されている。幅方向サイプ82は、第1スリット51及び第2スリット52に平行となるように延びている。幅方向サイプ82の両端は、主溝3c及び主溝3dに開口している。幅方向サイプ82は、波型サイプである。なお、本明細書において、「サイプ」とは、トレッド面2aにおける溝幅が1.6mm未満の溝を意味し、「スリット」とは、トレッド面2aにおける溝幅が1.6mm以上である溝を意味する。
【0037】
メディエイト陸4cは、タイヤ幅方向D1に対して傾斜する方向に延びる第3及び第4スリット53,54を有する。複数の第3スリット53と複数の第4スリット54は、タイヤ周方向D3に交互に配置される。第3及び第4スリット53,54は、主溝3cと主溝3aとに接続され、主溝3cと主溝3aに開口している。これにより、メディエイト陸4cは、第3及び第4スリット53,54によってタイヤ周方向D3に分割された複数のメディエイトブロック42を有する。また、メディエイトブロック42は、主溝3c及び主溝3a並びに第3及び第4スリット53,54で区画されているとも言える。
【0038】
図2及び図3に示すように、第3及び第4スリット53,54は、ストレート状に延びている。第3スリット53と第4スリット54は平行である。また、第3及び第4スリット53,54は、第1及び第2スリット51,52と平行である。
【0039】
第3スリット53及び第4スリット54の溝幅は、主溝3a~3dの溝幅よりも狭くなっている。また、第3スリット53の溝幅は、第4スリット54の溝幅と略同じである。第3スリット53及び第4スリット54の溝幅は例えば2~7mmであり、本実施形態の第3スリット53の溝幅は4.1mm、第4スリット54の溝幅は4.1mmである。
【0040】
第3スリット53及び第4スリット54の溝深さは、主溝3a~3dの溝深さの70~95%である。第3スリット53及び第4スリット54の溝深さは例えば5.5~8mmであり、本実施形態の第3スリット53及び第4スリット54の溝深さは7mmである。
【0041】
図6は、第3スリット53のVI-VI線断面図である。第3スリット53は、溝底の一部が隆起した第3かさ上げ部63を有する。第3かさ上げ部63は、第3スリット53の溝幅全体に配置される。第3かさ上げ部63は、第3スリット53の溝底53bよりもタイヤ径方向D2の外側へ向かって突出しており、第3スリット53の溝底53bから1.6~4mm突出している。本実施形態の第3かさ上げ部63は、溝底53bよりも2.7mm高い。また、第3かさ上げ部63は、トレッド面2aよりも低く、例えばトレッド面2aよりも3~5.4mm低い。本実施形態の第3かさ上げ部63は、トレッド面2aよりも4.3mm低い。
【0042】
第3かさ上げ部63は、溝底53bへ向かって傾斜する傾斜面63aを有する。これにより、第3かさ上げ部63と溝底53bとの間の剛性の急激な変化を抑制できる。
【0043】
第3かさ上げ部63は、第3スリット53のうち主溝3c寄りに形成され、主溝3cに接している。これにより、第3かさ上げ部63の周辺にあるメディエイトブロック42の変形を抑えるため、メディエイトブロック42の変形により主溝3cが狭くなるワイピング現象を抑制することができる。
【0044】
第3かさ上げ部63は、第3スリット53が延びる方向に沿って延びる第2サイプ72を備える。第2サイプ72は、一端が主溝3cに開口し、他端が第3かさ上げ部63内で終端するように構成される。第3かさ上げ部63の頂面を基準とした第2サイプ72の溝深さは0.5~3mmである。本実施形態の第2サイプ72の溝深さは0.7mmである。また、第2サイプ72の溝深さは、第1サイプ71の溝深さよりも浅い。本実施形態の第2サイプ72の溝幅は1mmである。
【0045】
また、第2サイプ72は、第3かさ上げ部63のうち第1周方向側D31側に形成されている。具体的には、第2サイプ72は、主溝3cと第3スリット53が交差して形成されるメディエイトブロック42の鈍角な角部42aに隣接して形成されている。これにより、角部42aに対向する鋭角な角部42bの剛性が弱くなるのを防ぐことができる。
【0046】
図7は、第4スリット54のVII-VII線断面図である。第4スリット54は、溝底の一部が隆起した第4かさ上げ部64を有する。第4かさ上げ部64は、第4スリット54の溝幅全体に配置される。第4かさ上げ部64は、第3かさ上げ部63よりも低い。第4かさ上げ部64は、第4スリット54の溝底54bよりもタイヤ径方向D2の外側へ向かって突出しており、第4スリット54の溝底54bから0.5~3mm突出している。本実施形態の第4かさ上げ部64は、溝底54bよりも1.1mm高い。また、第4かさ上げ部64は、トレッド面2aよりも低く、例えばトレッド面2aよりも4~6.5mm低い。本実施形態の第4かさ上げ部64は、トレッド面2aよりも5.9mm低い。
【0047】
第4かさ上げ部64は、第4スリット54のタイヤ幅方向D1の中央付近に形成されている。第4かさ上げ部64の長さは、第3かさ上げ部63の長さよりも短い。なお、第4かさ上げ部64は、第3かさ上げ部63の第2サイプ72のようなサイプを備えていない。
【0048】
メディエイトブロック42は、周溝83、及び複数の幅方向サイプ84を備える。周溝83は、メディエイトブロック42のタイヤ幅方向D1の中央部に形成されている。周溝83は、一端が第3スリット53に開口し、他端がメディエイトブロック42内で閉塞するように構成される。すなわち、周溝83は、第3スリット53に開口し、第4スリット54に開口していない。これにより、第4かさ上げ部64よりも高い第3かさ上げ部63によってメディエイトブロック42の剛性が高くなり過ぎることを抑制できる。
【0049】
複数の幅方向サイプ84は、タイヤ周方向D3に並べて形成されている。幅方向サイプ84は、第3スリット53及び第4スリット54に平行となるように延びている。幅方向サイプ84は、一端が主溝3c又は主溝3aに開口し、他端がメディエイトブロック42内で閉塞するように構成される。幅方向サイプ84は、波型サイプである。
【0050】
第1スリット51は、第1の主溝3cへ開口する第1開口部51aを備え、第2スリット52は、第1の主溝3cへ開口する第2開口部52aを備え、第3スリット53は、第1の主溝3cへ開口する第3開口部53aを備え、第4スリット54は、第1の主溝3cへ開口する第4開口部54aを備える。このとき、第1開口部51aは、第3開口部53aよりも第4開口部54aに近く、かつ、第2開口部52aは、第4開口部54aよりも第3開口部53aに近くなるように配置されている。すなわち、高さの高い第1かさ上げ部61を有する第1スリット51と、高さの低い第4かさ上げ部64を有する第4スリット54とが近くに配置され、高さの低い第2かさ上げ部62を有する第2スリット52と、高さの高い第3かさ上げ部63を有する第3スリット53とが近くに配置されている。これにより、タイヤ全体のタイヤ周方向D3の剛性バランスを良好にできる。なお、開口部同士が近いとは、開口部同士のタイヤ周方向D3の距離が短いことを意味する。
【0051】
また、第1スリット51と第4スリット54は、第1開口部51aと第4開口部54aがタイヤ周方向D3に僅かにオフセットするように配置されている。これにより、第1スリット51及び第4スリット54による排水性とトラクション性能を両立させることができる。
【0052】
同様に、第2スリット52と第3スリット53は、第2開口部52aと第3開口部53aがタイヤ周方向D3に僅かにオフセットするように配置されている。これにより、第2スリット52及び第3スリット53による排水性とトラクション性能を両立させることができる。
【0053】
第1開口部51aは、主溝3cの溝幅が狭い箇所にて開口している。同様に、第3開口部53aは、主溝3cの溝幅が狭い箇所にて開口している。これにより、主溝3cの溝幅が狭い箇所に対向して第1かさ上げ部61及び第3かさ上げ部63が配置されるため、上記のワイピング現象によって排水性の悪化が懸念される溝幅の狭い箇所でのワイピング現象を効果的に抑制できる。
【0054】
メディエイト陸4dは、タイヤ幅方向D1に対して傾斜する方向に延びる第5スリット55を有する。第5スリット55は、主溝3bと主溝3dとに接続され、主溝3bと主溝3dに開口している。これにより、メディエイト陸4dは、第5スリット55によってタイヤ周方向D3に分割された複数のメディエイトブロック43を有する。
【0055】
図2に示すように、第5スリット55は、ストレート状に延びている。第5スリット55は、第1~第4スリット51~54と平行である。
【0056】
第5スリット55は、溝底の一部が隆起した第5かさ上げ部65を有する。第5かさ上げ部65は、第5スリット55の溝幅全体に配置される。第5かさ上げ部65は、第5スリット55のタイヤ幅方向D1の中央付近に形成されている。第5かさ上げ部65は、第5スリット55の溝底55bよりもタイヤ径方向D2の外側へ向かって突出しており、第5スリット55の溝底55bから0.5~3mm突出している。本実施形態の第5かさ上げ部65は、溝底55bよりも1.1mm高い。また、第5かさ上げ部65は、トレッド面2aよりも低く、例えばトレッド面2aよりも4~6.5mm低い。本実施形態の第5かさ上げ部65は、トレッド面2aよりも5.9mm低い。
【0057】
メディエイトブロック43は、周溝85、及び複数の幅方向サイプ86を備える。周溝85は、メディエイトブロック43のタイヤ幅方向D1の中央部に形成されている。周溝85は、両端がメディエイトブロック43内で閉塞するように構成される。
【0058】
複数の幅方向サイプ86は、タイヤ周方向D3に並べて形成されている。幅方向サイプ86は、第5スリット55に平行となるように延びている。幅方向サイプ86は、一端が主溝3bに開口し、他端が主溝3dに開口するように構成される。幅方向サイプ86は、波型サイプである。
【0059】
以上のように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向D3に延びる第1及び第2の主溝3c,3dと、第1及び第2の主溝3c,3dで区画された第1の陸4eと、を備え、
第1の陸4eは、第1の陸4eをタイヤ幅方向D1に横切って延びて、第1及び第2の主溝3c,3dに開口する複数のスリット51,52を備え、
複数のスリット51,52は、溝底51bの一部が隆起した第1かさ上げ部61を有する第1スリット51と、溝底52bの一部が第1かさ上げ部61よりも低く隆起した第2かさ上げ部62を有する第2スリット52と、を備え、
第1かさ上げ部61は、第1スリット51が延びる方向に沿って延びる第1サイプ71を備え、
複数の第1スリット51と複数の第2スリット52は、タイヤ周方向D3に交互に配置される。
【0060】
第2かさ上げ部62を第1かさ上げ部61よりも低くすることで、第2スリット52によるスノー性能を確保することができる。一方、第1かさ上げ部61を第2かさ上げ部62よりも高くすることで、第1スリット51を挟むセンターブロック41の剛性を高めて操縦安定性能を確保することができる。さらに、第1かさ上げ部61に第1サイプ71を設けることで、スノー性能も確保することができる。その結果、スノー性能と操縦安定性能を両立できる。
【0061】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、タイヤ周方向D3に延びる第3の主溝3aと、第1の主溝3cと第3の主溝3aで区画された第2の陸4cと、を備え、第2の陸4cは、第2の陸4cをタイヤ幅方向D1に横切って延びて、第1及び第3の主溝3c,3aに開口する複数のスリット53,54を備え、第2の陸4cの複数のスリット53,54は、溝底53bの一部が隆起した第3かさ上げ部63を有する第3スリット53と、溝底54bの一部が第3かさ上げ部63よりも低く隆起した第4かさ上げ部64を有する第4スリット54と、を備え、第3かさ上げ部63は、第3スリット53が延びる方向に沿って延びる第2サイプ72を備え、複数の第3スリット53と複数の第4スリット54は、タイヤ周方向D3に交互に配置され、第1スリット51は、第1の主溝3cへ開口する第1開口部51aを備え、第2スリット52は、第1の主溝3cへ開口する第2開口部52aを備え、第3スリット53は、第1の主溝3cへ開口する第3開口部53aを備え、第4スリット54は、第1の主溝3cへ開口する第4開口部54aを備え、第1開口部51aは、第3開口部53aよりも第4開口部54aに近く、第2開口部52aは、第4開口部54aよりも第3開口部53aに近い、という構成である。
【0062】
この構成によれば、高さの高い第1かさ上げ部61を有する第1スリット51と、高さの低い第4かさ上げ部64を有する第4スリット54とが近くに配置され、且つ高さの低い第2かさ上げ部62を有する第2スリット52と、高さの高い第3かさ上げ部63を有する第3スリット53とが近くに配置されるため、タイヤ全体のタイヤ周方向D3の剛性バランスを良好にできる。
【0063】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第1の陸4eは、タイヤ赤道面S1に最も近いセンター陸4eであり、第1スリット51は、第2スリット52よりも幅狭である、という構成である。
【0064】
この構成によれば、第1スリット51の幅が狭いため、センター陸4eの剛性を確保することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第1の陸4eは、タイヤ赤道面S1に最も近いセンター陸4eであり、第1スリット51は、第2スリット52よりも幅狭であり、かつ、第1サイプ71は、第2サイプ72よりも深い、という構成である。
【0066】
この構成によれば、第2スリット52よりも幅の狭い第1スリット51の第1かさ上げ部61に対して、第2サイプ72よりも深い第1サイプ71を設けることで、センターブロック41が動き易くなるため、スノー性能を向上することができる。
【0067】
なお、空気入りタイヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、空気入りタイヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記した複数の実施形態の各構成や各方法等を任意に採用して組み合わせてもよく、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0068】
(1)上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、タイヤ周方向D3に延びる第3の主溝3aと、第1の主溝3cと第3の主溝3aで区画された第2の陸4cと、を備え、第2の陸4cは、第2の陸4cをタイヤ幅方向D1に横切って延びて、第1及び第3の主溝3c,3aに開口する複数のスリット53,54を備え、第2の陸4cの複数のスリット53,54は、溝底53bの一部が隆起した第3かさ上げ部63を有する第3スリット53と、溝底54bの一部が第3かさ上げ部63よりも低く隆起した第4かさ上げ部64を有する第4スリット54と、を備え、第3かさ上げ部63は、第3スリット53が延びる方向に沿って延びる第2サイプ72を備え、複数の第3スリット53と複数の第4スリット54は、タイヤ周方向D3に交互に配置され、第1スリット51は、第1の主溝3cへ開口する第1開口部51aを備え、第2スリット52は、第1の主溝3cへ開口する第2開口部52aを備え、第3スリット53は、第1の主溝3cへ開口する第3開口部53aを備え、第4スリット54は、第1の主溝3cへ開口する第4開口部54aを備え、第1開口部51aは、第3開口部53aよりも第4開口部54aに近く、第2開口部52aは、第4開口部54aよりも第3開口部53aに近い、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、かかる構成に限られない。例えば、タイヤ周方向D3において、第1開口部51a及び第2開口部52aを、第3開口部53aと第4開口部54aの中央部にそれぞれ配置するようにしてもよい。
【0069】
(2)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第1の陸4eは、タイヤ赤道面S1に最も近いセンター陸4eであり、第1スリット51は、第2スリット52よりも幅狭である、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、かかる構成に限られない。例えば、第1スリット51は、第2スリット52と同じ幅である、という構成でもよい。
【0070】
(3)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第1の陸4eは、タイヤ赤道面S1に最も近いセンター陸4eであり、第1スリット51は、第2スリット52よりも幅狭であり、かつ、第1サイプ71は、第2サイプ72よりも深い、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、かかる構成に限られない。例えば、第1スリット51は、第2スリット52と同じ幅であり、かつ、第1サイプ71は、第2サイプ72と同じ深さである、という構成でもよい。
【0071】
(4)また、上記実施形態では、センター陸4eが「第1の陸」に相当し、主溝3c,3dが「第1及び第2の主溝」に相当するとして説明を行ったが、これに限定されない。メディエイト陸4cが「第1の陸」に相当し、主溝3c,3aが「第1及び第2の主溝」に相当してもよい。このとき、第3スリット53が「第1スリット」に、第4スリット54が「第2スリット」に、第3かさ上げ部63が「第1かさ上げ部」に、第4かさ上げ部64が「第2かさ上げ部」に、第2サイプ72が「第1サイプ」にそれぞれ相当する。
【0072】
(5)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、タイヤ赤道面S1と交差する陸4eは、一つであり、タイヤ赤道面S1に最も近くに配置されるセンター陸4eは、当該陸である、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0073】
例えば、タイヤ赤道面S1と交差する陸は、例えば、ゼロである、という構成でもよく、また、例えば、二つである、という構成でもよい。これらの構成においては、タイヤ赤道面S1に最も近くに配置されるセンター陸4eは、二つ備えられることになるが、第1及び第2のセンター陸4e,4eが、所定の構成を有していればよい。
【0074】
なお、所定の構成とは、第1及び第2のセンター陸4e,4eをタイヤ幅方向D1に横切って延びて、第1及び第2の主溝に開口する複数のスリット51,52を備え、複数のスリット51,52は、溝底51bの一部が隆起した第1かさ上げ部61を有する第1スリット51と、溝底52bの一部が第1かさ上げ部61よりも低く隆起した第2かさ上げ部62を有する第2スリット52と、を備え、第1かさ上げ部62は、第1スリット51が延びる方向に沿って延びる第1サイプ72を備え、複数の第1スリット51と複数の第2スリット52は、タイヤ周方向D3に交互に配置される、という構成である。
【符号の説明】
【0075】
1…空気入りタイヤ、3a~3d…主溝、4a~4e…陸、51…第1スリット、51a…第1開口部、51b…溝底、52…第2スリット、52a…第2開口部、52b…溝底、53…第3スリット、53a…第3開口部、53b…溝底、54…第4スリット、54a…第4開口部、54b…溝底、55…第5スリット、61…第1かさ上げ部、62…第2かさ上げ部、63…第3かさ上げ部、64…第4かさ上げ部、65…第5かさ上げ部、71…第1サイプ、72…第2サイプ、D1…タイヤ幅方向、D2…タイヤ径方向、D3…タイヤ周方向、S1…タイヤ赤道面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7