(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】消泡剤活性物質、その製造方法、及び消泡配合物
(51)【国際特許分類】
C09C 1/28 20060101AFI20240723BHJP
C09D 17/00 20060101ALI20240723BHJP
C09D 7/62 20180101ALI20240723BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20240723BHJP
B01D 19/04 20060101ALI20240723BHJP
C09C 3/12 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
C09C1/28
C09D17/00
C09D7/62
C09D201/00
B01D19/04 A
C09C3/12
(21)【出願番号】P 2020569805
(86)(22)【出願日】2019-06-13
(86)【国際出願番号】 US2019036941
(87)【国際公開番号】W WO2019241498
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-06-06
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590001706
【氏名又は名称】ダブリュー・アール・グレース・アンド・カンパニー-コーン
【氏名又は名称原語表記】W R GRACE & CO-CONN
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】グ、フェン
【審査官】川嶋 宏毅
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0114542(US,A1)
【文献】特開昭58-208124(JP,A)
【文献】特開2011-072993(JP,A)
【文献】特開平10-007415(JP,A)
【文献】特開2016-113305(JP,A)
【文献】特開2005-231990(JP,A)
【文献】特表2015-506264(JP,A)
【文献】特開平10-7415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09C 1/00-3/12
C09D 1/00-10/00,
101/00-201/10
C01B 33/00-33/193
B01D 19/00-19/04
B02C 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3%以下の炭素含有量を有する疎水化シリカ粒子を含む、消泡剤活性物質であって、
前記疎水化シリカ粒子が、
60m
2/g未満のBET表面、少なくとも10の表面pH、及び2μm~50μmの範囲の中央粒径を有するシリカ粒子を含み、
前記疎水化シリカ粒子が、その前記表面上に
少なくとも3,000Daの平均モル質量を有するポリジメチルシロキサンを含む、消泡剤活性物質。
【請求項2】
前記疎水化シリカ粒子の前記炭素含有量が、2.0%以下である、請求項1に記載の消泡剤活性物質。
【請求項3】
前記疎水化シリカ粒子の前記中央粒径が、2μm~15μmの範囲である、請求項1に記載の消泡剤活性物質。
【請求項4】
前記疎水化シリカ粒子の前記表面上の前記ポリジメチルシロキサンのうちの少なくとも90重量%が、前記シリカ粒子に共有結合している、請求項1に記載の消泡剤活性物質。
【請求項5】
前記疎水化シリカ粒子が、60%対40%の体積比を有するメタノールと水との混合溶媒中の浮揚法に従って測定して、少なくとも2の疎水性評価を有する、請求項1に記載の消泡剤活性物質。
【請求項6】
前記ポリジメチルシロキサンが、前記疎水化シリカ粒子の総重量に基づいて、8重量%以下の量である、請求項1に記載の消泡剤活性物質。
【請求項7】
請求項1に記載の消泡剤活性物質を含む、消泡配合物。
【請求項8】
請求項
7に記載の消泡配合物を含む、コーティング配合物。
【請求項9】
消泡剤活性物質を形成する方法であって、
スパイラルジェットミル又は流体エネルギーミルを使用して、シリカ粒子を
少なくとも3,000Daの平均モル質量を有するポリジメチルシロキサンを含む疎水化剤とミル粉砕及び結合させて、疎水化シリカ粒子を得ることを含み、
前記シリカ粒子が、
60m
2/g未満のBET表面、少なくとも10の表面pH、及び2μm~50μmの範囲の中央粒径を有し、
前記疎水化シリカ粒子の炭素含有量が、3%以下である、方法。
【請求項10】
前記スパイラルジェットミル又は流体エネルギーミルを使用して、前記シリカ粒子を前記疎水化剤とミル粉砕及び結合させて、前記疎水化シリカ粒子を得ることが、
前記シリカ粒子及び前記疎水化剤を、前記スパイラルジェットミル又は流体エネルギーミルに添加することと、
前記シリカ粒子及び前記疎水化剤を、前記スパイラルジェットミル又は流体エネルギーミル内でミル粉砕及び加熱して、前記疎水化シリカ粒子を形成することと、を含む、請求項
9に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
【請求項11】
前記疎水化剤が、前記疎水化シリカ粒子の総重量に基づいて、8重量%以下の量である、請求項
9に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
【請求項12】
請求項
9に記載の消泡剤活性物質を形成する方法であって、
(a)前記疎水化剤のうちの少なくとも90重量%が、前記シリカ粒子に共有結合しているか、又は
(b)前記消泡剤活性物質が、60%対40%の体積比を有するメタノールと水との混合溶媒中の浮揚法に従って測定して、少なくとも2の疎水性評価を有するか、又は
(c)前記疎水化シリカ粒子が、2μm~15μmの範囲の中央粒径を有するか、又は
(d)前記疎水化シリカ粒子上の前記疎水化剤の総量のうちの10重量%以下が、前記シリカ粒子上に結合せず物理的に吸着している、方法。
【請求項13】
前記ポリジメチルシロキサンが、少なくとも5,000Daの平均モル質量を有する、請求項1に記載の消泡剤活性物質。
【請求項14】
前記ポリジメチルシロキサンのうちの少なくとも95重量%が、前記シリカ粒子に共有結合している、請求項1に記載の消泡剤活性物質。
【請求項15】
前記ポリジメチルシロキサンが、前記疎水化シリカ粒子の総重量に基づいて、6重量%以下の量である、請求項1に記載の消泡剤活性物質。
【請求項16】
前記疎水化剤が、前記疎水化シリカ粒子の総重量に基づいて、6重量%以下の量である、請求項
9に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消泡技術に関し、より具体的には消泡剤活性物質、その製造方法、及び消泡配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
疎水処理シリカ又は他の無機粒子は、製紙業界、塗料及びコーティング配合物を含む多くの領域において消泡剤活性物質として使用されてきた。消泡剤活性物質は、マイクロ気泡又は泡沫を低減及び排除するために、特に水性系で使用される。典型的には、シリカ粒子を、シリコーン油(ポリジメチルシロキサン又は(polydimethylsiloxane)PDMS)と化学的に結合させて疎水処理粒子を生成し、次いでこれを消泡剤活性物質として使用する。1963年に、Hercules Powder Companyは、米国特許第3076768号において主消泡組成物の特許を最初に得た。同社はまた、シリコーン油をシリカ上に噴霧し、次いで2つを一緒に加熱することによって、10~15重量%のシリコーン油又はPDMSをシリカ上に結合させるプロセスの特許を得た(米国特許第3408306号)。
【0003】
米国特許第3207698号は、約8~約10の表面pH、約0.005~0.050マイクロメートルの平均粒子直径、及び1グラム当たり約200~400平方メートルの表面積を有する疎水性沈殿シリカを含む、消泡組成物を開示している。
【0004】
米国特許第3714068号は、改善された表面改質微細シリカを開示している。シリカスラリーのpHを約1.5~12に制御し、シリカの重量に基づいて6~20%のシロキサン又はシランを永続的に固着させることによって、表面を改質することができる。シリカ表面上の水層の組成を変動させ、シリコーン及び/又はシリカの選択及び硬化を制御することによって、表面を更に制御することができる。次いで、約2.5~約8%のNa2O及び約175m2/g未満の表面積を有する改善された3~30%の疎水性シリカを、約10~3000cpsの粘度を有する有機炭化水素液体と混合することによって、水性系にとって改善された消泡剤活性物質が形成される。
【0005】
米国特許第8614256号は、110m2/g未満のBET表面、150m2/g未満のCTAB、3未満のBET/CTAB比、3.1%超の炭素含有量、9.7~10.5のpH、230g/(100g)未満のDBP、及び50%超のメタノール湿潤性を有する疎水性沈殿シリカを開示している。疎水性沈殿シリカは、消泡剤、シリコーンゴム、及びHTV架橋性シリコーンゴム組成物を含む組成物で使用される。疎水性沈殿シリカはまた、流動助剤、担体、又はブロッキング防止剤としても有用である。
【0006】
シリコーン流体を用いる表面処理によって親水性シリカを疎水性にするために従前より使用されている2つの従来の方法としては、「インサイチュ」及び「乾燥焙煎」方法が挙げられる。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5575950号に、両方の方法が開示及び記載されている。しかしながら、これらの方法は、プロセスの非効率性及び高い関連コストに起因して不利であり得る。
【0007】
例えば、シリコーン油が疎水性剤として使用されるとき、その非常に低い表面張力又は表面エネルギーに起因して、遊離した未反応のシリコーン油は、多くの周囲表面に迅速に拡散し得る。この現象は、多くの水性系に有害であり得る。例えば、自動車用塗料系では、遊離シリコーン油、特に低分子及び非常に流動性のシリコーン油は、あらゆる場所に広がり、したがって、床から天井までの生産区画を汚染する傾向を有する。遊離シリコーン油は、塗料及び糊剤の接着を妨害し、泡沫の収縮を引き起こし、時折「フィッシュアイ」と称される塗料欠陥を生じ得る。したがって、前述の両方のプロセス(すなわち、インサイチュ及び乾燥焙煎)において、遊離した未反応の、物理的に吸着しているシリコーン油のレベルを確実に最小限にするために、長い反応時間が必要とされることが多い。このような長い反応時間は、高コストにより、劣悪なプロセス効率などの欠点を有する。
【0008】
更に、インサイチュ及び乾燥焙煎プロセスは、典型的にはバッチプロセスであり、連続プロセスではなく、それにより、所与の期間内での生産サイクルが更に制限される。
【0009】
したがって、迅速、効率的、かつより費用効果が高い、改善された疎水化シリカ粒子及びそれを調製するプロセスを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、低表面積と組み合わせて高い表面pHを有するシリカ粒子が、シラノール末端PDMS、特に高分子量又は粘度を有するシラノール末端PDMSへの結合に対する向上した反応性を予想外にも提供することを開示する。この高い反応性は、例えば、反応時間を著しく短縮し、それにより、長い反応時間を必要とし得るバッチプロセスとは対照的に、反応を連続モードで実行することを可能にするという予想外の利点を有する。更に、優れた疎水性を有する疎水化粒子を得るのに、より少ない量のPDMSを必要とし得る。したがって、疎水化シリカ粒子は、予想外に低い炭素含有量並びに優れた疎水性性能を有する。
【0011】
したがって、本発明の一実施形態は、消泡剤活性物質である。消泡剤活性物質は、シリカ粒子を疎水化剤で処理することによって得られる疎水化シリカ粒子を含み得る。シリカ粒子は、約150m2/g未満のBET表面、少なくとも約10の表面pH、及び約2μm~約50μmの範囲の中央粒径を有し得る。疎水化シリカ粒子の炭素含有量は、3%以下であり得る。疎水化剤は、少なくとも2,000ダルトン(dalton、Da)の平均モル分子量を有するシラノール末端ポリジメチルシロキサンであり得る。
【0012】
本発明の別の実施形態は、消泡剤活性物質を形成する方法である。本方法は、約2μm~約50μmの範囲の中央粒径を有するシリカ粒子を、スパイラルジェットミル又は流体エネルギーミルを含み得る高エネルギーミル粉砕装置内で疎水化剤と高エネルギーミル粉砕及び/又は結合させて、疎水化シリカ粒子を得ることを含み得る。
【0013】
疎水化シリカ粒子は、約2μm~約15μmの範囲の中央粒径を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示とみなされる主題は、本明細書の結びにおける特許請求の範囲で具体的に指摘され、明確に特許請求されている。本開示の前述及び他の目的、特色、及び利点は、以下の添付図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかである。
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による疎水化粒子の疎水性試験の結果を示す。
【0016】
【
図2】本発明の一実施形態による反応速度に対するシリカ粒子の表面pHの影響を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、本開示の技術的解決策に対するより良好な理解を当業者に提供するために、添付図面及び実施形態を参照して更に詳細に説明される。本開示の説明全体にわたり、
図1及び
図2を参照するものとする。
【0018】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される以下の用語は、以下の定義を有する。
【0019】
本明細書において「約」によって修飾される数値範囲は、数値範囲の上限及び下限がその10%変動し得ることを意味する。本明細書における「約」によって修飾されている数値は、数値がその10%変動し得ることを意味する。
【0020】
本明細書では、用語「疎水化された」は、60%対40%の体積比を有するメタノールと水との混合溶媒中の浮揚法に従って測定して、0~3.0の尺度範囲で少なくとも2.0の疎水性評価を有するシリカ粒子を示すために使用される。
【0021】
本発明の一例は、消泡剤活性物質である。消泡剤活性物質は、シリカ粒子を疎水化剤で処理することによって得られる疎水化シリカ粒子を含み得る。シリカ粒子は、約150m2/g未満のBET表面、少なくとも約10の表面pH、及び約2μm~約50μmの範囲の中央粒径を有し得る。疎水化シリカ粒子の炭素含有量は、3.0%以下であり得る。
【0022】
疎水化シリカ粒子の中央粒径は、約2μm~約15μm、好ましくは約4μm~約12μmの範囲であり得る。
【0023】
一実施形態では、シリカ粒子の表面pHは、少なくとも約10である。シリカ粒子の表面pHは、典型的には約10~約12の範囲である。一実施形態では、シリカ粒子のBET表面は、約100m2/g未満、好ましくは約60m2/g未満である。一実施形態では、疎水化シリカ粒子の炭素含有量は、2.0%以下である。
【0024】
一実施形態では、シリカ粒子は、約2μm~約30μm、好ましくは約4μm~約15μmの範囲の中央粒径を有し得る。
【0025】
疎水化剤は、ポリジメチルシロキサン(PDMS又はシリコーン油)、ポリメチル水素シロキサン、又はポリメチルフェニルシロキサンなどのシリコーン化合物であり得る。
【0026】
本発明の一実施形態では、シリコーン化合物は、ポリジメチルシロキサンである。ポリジメチルシロキサンは、少なくとも約2,000ダルトン(Da)、好ましくは約3,000Da~約50,000Daの範囲、より好ましくは約5,000Da~30,000Daの範囲の平均モル質量を有し得る。ポリジメチルシロキサンは、シラノール末端ポリジメチルシロキサンであり得る。シラノール末端ポリジメチルシロキサンは、少なくとも約0.001重量%、好ましくは約0.01重量%~約2.0重量%の範囲、より好ましくは約0.1重量%~約1.8重量%の範囲のヒドロキシル基の含有量を有し得る。一実施形態では、シラノール末端ポリジメチルシロキサンは、少なくとも約50センチポアズ、好ましくは約100センチポアズ~約5000センチポアズの範囲、より好ましくは約200センチポアズ~3000センチポアズの範囲の粘度を有する。
【0027】
疎水化シリカ粒子の炭素含有量は、約3.00%以下、好ましくは約2.5%以下、より好ましくは約1.0%~約2.0%である。
【0028】
典型的には、疎水化シリカ粒子に存在する疎水化剤の総量は、疎水化シリカ粒子の総重量に基づいて、約8重量%以下、好ましくは約7重量%以下の量である。一実施形態では、疎水化粒子上に存在する疎水化剤の量は、疎水化シリカ粒子の総重量に基づいて、約3~約7重量%、好ましくは約4~約6重量%の範囲である。
【0029】
疎水化シリカ粒子は、60%対40%の体積比を有するメタノールと水との混合溶媒中の浮揚法に従って測定して、少なくとも2の疎水性評価を有し得る。好ましくは、疎水性評価は、約2~約3の範囲である。
【0030】
疎水化シリカ粒子は、従来のバッチ法又は連続プロセスを使用して調製することができる。バッチ又は連続プロセスのいずれにおいても、プロセスで使用される疎水化剤のうちの少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約95重量%が、最終疎水化シリカ粒子に共有結合するような様式で、プロセスを行うことが好ましい。これにより、任意の遊離した未反応のシリコーン油のレベルを確実に最小限に保つ。
【0031】
一実施形態では、プロセスは、シリカ粒子上に存在する疎水化剤の総量のうちの低い率又はゼロに近い量のみが、シリカ粒子上に結合せず物理的に吸着している成分として存在するような様式で行われる。好ましくは、結合せず物理的に吸着している疎水化剤の量は、プロセスで使用される疎水化剤の総重量に基づいて、約10重量%、好ましくは約6重量%以下である。より好ましい実施形態では、疎水化粒子上に存在する結合していない疎水化剤の量は、プロセスで使用される疎水化剤の総重量に基づいて、約0%~約5%の範囲である。
【0032】
一実施形態では、疎水化粒子は、インサイチュ方法によって調製され得る。インサイチュ方法の間、シリカ粒子を鉱油中のヒドロキシ末端シリコーン油と反応させる。シリカ粒子とシリコーン油との間の縮合反応は、かなり低い温度(100~120℃など、希釈剤の引火点に制限される)で起こる。疎水化粒子はまた、乾燥焙煎方法を使用して調製してもよい。乾燥焙煎方法の間、流動床反応器内でシリカ粒子をシリコーン油(PDMS)(例えば、100cps)と反応させて、シリカ粒子とシリコーン油との間の良好な接触を促進する。シリカ粒子とシリコーン油との間の縮合反応は、約260℃で起こる。水は、縮合反応の間の副生成物として放出される。親水性シリカ粒子が疎水性になると、二酸化シリコーンが、鉱油又はシリコーン油などの希釈剤中に懸濁する。次いで、界面活性剤及び湿潤剤を更に添加する。
【0033】
好ましい実施形態では、疎水化シリカ粒子は、高エネルギーミル、例えばスパイラルジェットミル又は流体エネルギーミルを使用する連続プロセスによって調製される。スパイラルジェットミルは、粒子を特定の粒径分布に摩砕するために主に使用される。このプロセスの間、流体、典型的には圧縮空気が、接線方向に整列するノズルを通って、スパイラルジェットミルの摩砕チャンバに注入されて、摩砕リング自体よりもわずかに小さい渦を生成する。ノズルを通って流れる空気は、音速に達し、摩砕チャンバ内で粒子間の粉砕を引き起こす。自然分類プロセスは、流体渦から発生し、より大きい粒子をミル内に保持し、より小さい粒子を退出させることを引き起こす。反応物をコーティング/混合し、それらを加熱して反応を迅速に完了させることによって粒子の表面反応を完了させるには、高空気流対固体比及び乱流条件により、スパイラルジェットミルは望ましい処理機器である。
【0034】
一実施形態では、シラノール末端ポリジメチルシロキサン、PDMSが、スパイラルジェットミルの乱流区域に注入されている間、同時に、シリカ粒子がスパイラルジェットミルに添加される。シリカ粒子は、粒子の表面上のヒドロキシル基と反応するPDMSで均一にコーティングされて、疎水化シリカ粒子が形成される。このプロセスは、連続的に実行することができ、また摩砕及び表面反応を1つの処理工程に組み合わせることができるので、疎水化粒子を生成するのに望ましい。
【0035】
本発明の別の例は、消泡配合物である。消泡配合物は、本開示の一実施形態による変形活性物質を含み得る。
【0036】
消泡配合物はまた、二次消泡剤、担体、乳化剤、カップリング剤、又は安定剤などの他の既知の成分を含有してもよい。二次消泡剤としては、脂肪族アルコール、脂肪族エステル、シリコーン、及びある特定の油不溶性ポリマーを挙げることができる。担体としては、炭化水素油又は水を挙げることができる。乳化剤の例としては、エステル、エトキシル化生成物、ソルビタンエステル、シリコーン、及びアルコールサルフェートを挙げることができる。カップリング剤の例としては、赤色油(オレイン酸)、ヘキシレングリコール、脂肪族アルコール、ナフタレンスルホネート、ブチルアルコール、及びホルムアルデヒドを挙げることができる。本発明の消泡配合物は、消泡配合物が現在使用されている任意の水性系で使用することができる。
【0037】
限定を意図しないが、変形配合物の意図される使用に応じて、消泡配合物は、約70~97重量%の鉱油、任意選択的に約0.5~約3重量%の界面活性剤、及び約3重量%~約30重量%、好ましくは約5重量%~約20重量%の疎水性消泡剤活性物質を含み得る。
【0038】
本発明の消泡剤活性物質を含む消泡配合物は、マクロ及びマイクロ気泡を破壊し、水性系を消泡するために、多くの種類の製造プロセスで利用することができる。配合物を使用することができる主な産業としては、限定されないが、製紙、塗料及びコーティング製造、水処理施設、織物製造、及び油分野が挙げられる。当業者には理解されるであろうように、本発明の消泡配合物は、意図される使用に応じて、従来の量でこのような水性系で使用することができる。
【0039】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示を目的として提示されたものであり、包括的であることを意図するものでも、開示された実施形態に限定されるものでもない。記載された実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの変更及び変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見出される技術に対する実用的若しくは技術的改良、又は当業者が本明細書に開示される実施形態を理解できるようにするために選択された。
【0040】
以下、本発明について、実施例を参照してより詳細に述べる。但し、本発明の範囲は以下の実施例に限定されない。
【実施例】
【0041】
材料
以下の実施例では、シリコーン油、及びポリジメチルシロキサン、又はPDMSは、互換的に使用される。表1は、中央粒径(PS)D50、BET表面積(BET)、及び細孔容積(PV)などの、使用される粒子の特性を列挙する。
【表1】
【0042】
表のP-1~P-5は、異なる粒径、BET表面積、及び細孔容積を有するシリカゲル及び沈殿シリカ試料である。これらのシリカゲル又は沈殿シリカは、シリカナトリウム及び硫酸などの酸から作製される。これらの粒子を作製するためのプロセスは、当該技術分野において周知であり、これらの粒子の大部分は、W.R.Grace&Co.,若しくはEvonikのような企業、又は他の供給元から市販されている。
【0043】
表2は、以下の実施例で使用されるPDMSの特性を列挙する。PDMS-1及びPDMS-2は、シラノール末端であり、PDMS-3は、トリメチルシリル((trimethyl silyl)TMS)末端である。PDMS-1は、Dow Corning(Midland,MI)から入手可能であり、PDMS-2は、Momentive Performance Materials(Waterford,NY)から入手可能であり、PDMS-3は、Wacker Chemie AG(Munich,Germany)から入手可能である。
【表2】
【0044】
ここで、以下は、2種類のPDMSの構造である。
【化1】
【0045】
表2のシラノール末端PDMS及びTMS末端PDMSの両方の平均モル分子量は、化学物質供給元によって提供されたものである。平均モル分子量はまた、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)技法によって測定することもできる。
【0046】
表2のシラノール末端PDMS及びTMS末端PDMSの粘度は、化学物質供給元によって提供されたものである。PDMSの粘度はまた、スタンド及び関連するスピンドルセットを備えるBrookfield DV-II+Pro粘度計(Brookfield Engineering Laboratories,Inc.(Middleboro,MA)から入手可能)を使用して、測定することもできる。測定は、室温で実行し、手順(シングルポイント粘度法)は、Brookfieldによってその手引書に提供されたものである。推奨される手順は、ASTM D2983に記載のものと同様であった。
【0047】
表2のシラノール末端PDMSの(OH)含有量もまた、化学物質供給元によって提供されたものである。シラノール末端PDMSのOH含有量はまた、以下の原理に基づいて計算することができる。
各リンカーPDMSは、2つのOH基からなり、したがって、各鎖上のOH基の重量パーセントは、以下のとおりである。
OH含有量%=2×17/ポリマーのMW×100%
例えば、15,000ダルトンのモル分子量のポリマー鎖については、OH含有量%=2×17/15000=0.226%
一般的な結合手順
結合手順1:
【0048】
2L丸底フラスコ及び出発粒子の両方を、例えば120℃で約12時間オーブン乾燥させた。フラスコに、オーブン乾燥させた出発粒子を充填した。次いで、ピペットを使用してある特定の量のPDMSをフラスコ内に滴加しながら、出発粒子及びPDMSを可能な限り均質に混合するように、フラスコを頻繁に振盪させた。シリコーン油が粘稠すぎる場合、少量のトルエンを使用してPDMSを溶解させ、次いで溶解させたPDMSを添加した。PDMSと粒子との混合物を、室温で少なくとも約5時間~約12時間の間、ロータリーエバポレータで回転させた。次いで、PDMSと粒子との混合物を結晶皿に移し、次いで数時間の間ドラフトチャンバ内に置いて、トルエンを使用した場合はこれを蒸発させた。最後に、PDMSと粒子との混合物を含有する結晶皿をオーブンに入れ、120℃で約12時間焼成した。
結合手順2:
【0049】
ミル粉砕/摩砕方法:ある特定の量の粒子及びある特定の量のPDMSを乳鉢乳棒に入れ、混合物を手動で30分~1時間摩砕する。このプロセスは、例えば、ミル粉砕を清浄なボールミルに置き換えてもよい。次いで、混合物を結晶皿に移し、次いでオーブンに入れ、120℃で約12時間焼成した。
結合手順3:
【0050】
8つの0.011インチの摩砕孔を有する10インチのスパイラルジェットミルを使用した。スパイラルジェットミルの摩砕チャンバは、0.8mmのノズルを摩砕リング壁の外側から内側に挿入することができるように改変した。このノズルは、PDMS中の計量に使用される計量ポンプに接続した。
【0051】
具体的には、結合手順は、以下の工程を含む。まず、ミル粉砕過熱機を、例えば300°F~340°Fの範囲の温度にした。Acrison Loss-in-weight供給器に、ミル粉砕される粒子を充填した。供給器を、40lb/時間の一定速度の粒子に設定した。結合の間、ミル粉砕過熱器の温度は、制御システムによって一定に調節して、ミル粉砕出口温度を300~340°Fに維持し、ミル粉砕摩砕圧力及び注入圧力をそれぞれ18及び80psigに制御した。次いで、予め較正した計量ポンプをオンにして、ノズルを通してミル粉砕チャンバ内にPDMSを注入した。したがって、粒子及びPDMSは、同時にミルに添加した。所望の量のミル粉砕された疎水性生成物が生成されるまで、このプロセスを継続した。
試験方法
【0052】
粒径は、ASTM B822-10に従って、Malvern Instrument Ltd.から入手可能なMalvern Mastersizer 2000又は3000を使用する光散乱法によって測定した。
【0053】
粒子の「BET表面積」は、Brunauer Emmet Teller窒素吸着法(Brunauer et al,J.Am.Chem.Soc.,1938,60(2),309-319)によって測定した。
【0054】
粒子の炭素含有量は、LECO Corp.から入手可能なLECO Carbon Analyzer SC-632を使用して測定した。
疎水性試験
【0055】
疎水化粒子の疎水性は、浮揚法によって測定した。疎水性試験は、乾燥させた疎水性粒子を、60%/40%の体積比を有するメタノールと水との混合溶媒中に入れることによって実施した。具体的には、約0.25gの疎水化粒子を、約6mLの混合溶媒を含有する小さい20mLのバイアル瓶に入れた。幾分激しく振盪させた(~20回)後、疎水化粒子を混合溶媒と完全に混合した。30分後、
図1に示されるように、疎水化粒子の浮揚特性を、0(浮揚なし、全てバイアルの底部に沈降した)、1(約50%浮揚)、2(約75%浮揚)、及び3(全ての粒子が浮揚し、バイアルの底部に沈降しない)の評価で視覚的に検査した。
【0056】
3又はある特定の近似する(例えば、粒子のうちの95%が試験混合物中で浮揚している)評価は、疎水化粒子が、最も高い疎水性を有し、混合溶媒中で湿潤性ではなかったことを示した。これは、可能な最も高い評価であり、疎水化粒子の性能として好ましい。
遊離シリコーン評価
【0057】
化学的に結合しているPDMS対物理的に吸着しているPDMSの率を、遊離シリコーン評価法を使用して評価した。吸着しているPMDSは脱着かつ遊離し得、これらは、実施形態に記載のように、システム及び環境に有害であった。遊離PDMSの量を評価する方法は、以下の工程を含む。
1).洗浄工程の間、疎水化粒子をトルエンで十分に洗浄した。4回の洗浄後、疎水化粒子を110℃で4時間乾燥させた。
2).LECO器具を用いる燃焼法により、洗浄工程前後の疎水化粒子について元素炭素分析を実行した。洗浄工程後の疎水化粒子に対する元素炭素分析の結果を、洗浄工程前の疎水化粒子、すなわち、未洗浄の疎水化粒子のものと比較した。
3).洗浄工程前後の疎水化粒子に対する炭素値の差を計算する。この差は、物理的に吸着しているPDMSの量の指標であった。ゼロ又はゼロに近い値は、100%又は100%に近いPMDSが化学的に結合していることを示唆している。
反応速度研究
【0058】
ある特定の温度での反応を、数分~数時間などの時間に対して監視した。アリコートをある特定の時間に採取し、試料を、遊離シリコーン評価に記載のようにトルエンで洗浄した。次いで、試料をC%及び反応完了率に関して評価した。
粒子の苛性処理
【0059】
シリカ粒子の表面pHの影響を研究するために、中性に近い表面pHを有するシリカ粒子(例えば、以下のSM850C又はP-3/P-3(大))を生成した。この手順を実行するために、粒子を水中でスラリー化し、標的pHに達するまで1MのNaOH溶液で処理した。次いで、PDMS結合試験のために粒子を濾過及び乾燥させた。
実施例
実施例1~4
疎水化粒子の疎水性に対するシリカ粒子表面積の影響
【0060】
シリカ粒子P-1、P-2、P-3、及びP-5を、結合手順1を使用して、PDMS-1で処理した。シリカ粒子及びPDMS-1の総重量に基づいて10重量%のPDMSを使用した。疎水化シリカ粒子の疎水性を、以下の表3に示されるように測定した。
【表3】
【0061】
表3に示されるように、PDMS-1で処理した沈殿シリカ粒子P-3は、2の疎水性の結果を達成したが、PDMS-1で処理した他のシリカ粒子P-1、P-2、及びP-3は、0の劣悪な疎水性を有した。したがって、これらの結果は、より小さい表面積を有する粒子が、より大きい表面積を有する粒子よりも予想外に著しくより良好な疎水性性能を有したことを示した。
実施例5~7
反応速度に対するシリカ粒子表面pHの影響
【0062】
シリカ粒子P-3及びシリコーン試料PDMS-1を選択して、85℃での反応速度に対するpHの影響を研究した。研究前に、シリカ粒子の表面pHを、標的pH:7.0(実施例5)、9.0(実施例6)、及び10.5(実施例7)にそれぞれ調節した。反応完了を0.25、0.5、1、2、3、5、8、及び22時間で研究し、反応完了率を
図2に示される時間に対してプロットした。結合手順1を、結合に使用した。シリカ粒子及びPDMS-1の総重量に基づいて10重量のPDMSを使用した。
【0063】
図2に示されるように、実施例5~7は、反応完了に対するシリカ粒子表面pHの重要性を示した。反応がより短時間で完了するのには、より高い表面pHが好ましい。
実施例8~11
より小さい表面積を有するシリカ粒子を含む疎水化粒子の疎水性性能に十分な、より低い量のPDMS
【0064】
上の全ての実施例から、10%の最小量のPDMSを結合に使用していた。10%の結合した材料を含む粒子からのC%含有量は、典型的にはほぼ2.7~2.9であった。しかしながら、P-3及びP-4などの非常に低い表面積(40m2/g未満)を有する粒子では、疎水性の高い評価を依然としてもたらすために、代わりにより少量のPDMSを使用することができる。
【0065】
この研究では、約50グラムのシリカ粒子P-3を約8.6gの1MのNaOHで疎水化して、粒子の表面pHをほぼ10にした。次いで、シリカ粒子を乾燥させ、2つのアリコートに分割した。
【0066】
2組のpHを調節したシリカ粒子を、結合手順2に従って、それぞれ5.0重量%及び5.5重量%のPDMS-2で処理した。2組の疎水化シリカ粒子の各々を、再び2組に分割して、表4に示される実施例8~11である合計4つの実施例を得た。実施例8及び10は、120℃で約12時間直接乾燥させた。実施例9及び11は、ボールミルで摩砕し、次いで120℃で約12時間乾燥させた。実施例8~11の各々からの小さい試料をトルエンで4回洗浄し、次いで120℃で約12時間乾燥させた。表4に示されるように、トルエンで洗浄したもの及び洗浄しなかったものの両方の4つの試料を、C%及び疎水性試験について評価した。
【表4】
【0067】
表4に示されるように、実施例8~10全ての炭素含有量は小さいままでありながら、疎水化シリカ粒子の反応完了及び疎水性評価は非常に高かった。非常に低いBET表面積(~35m2/g)を有するシリカ粒子は、比較的大きい表面積を有するシリカ粒子と同等以上の疎水性性能を有する疎水化シリカ粒子を生成するのに、シリカ粒子の重量に基づいて約5重量%のみのPDMSを必要とした。また、遊離した物理的に吸着しているPDMSの量はゼロに近い。
実施例12及び13
反応速度に対するPDMSの分子量の効果
【0068】
これらの実施例では、シリカ粒子P-3を使用し、結合前に、シリカ粒子P-3の表面pHを前述のように1MのNaOHで約10まで上昇させた。乾燥後、シリカ粒子を、結合手順1を使用して、それぞれ5%のPDMS-1及びPDMS-2で処理する。120℃で12時間加熱した後、両方の試料について変換完了を評価した。結果を表5に示す。
【表5】
【0069】
表5に示されるように、同じ反応条件下では、より低い分子量のPDMSは、はるかに低い反応変換を有した。
実施例14及び15
反応速度に対するシラノール末端PDMSの効果
【0070】
これらの実施例では、TMS末端PDMS及びシラノール末端PMDSの反応速度を比較した。いずれの場合も、シリカ粒子P-6をこれらの実験に使用した。シリカ粒子P-6は、実施形態に記載のように、10よりも低い約8.3の表面pHを有した。しかし、2つの異なる種類のPDMSに対する試料粒子の反応性は、依然として有意な差を示した。シリカ粒子P-6を、結合研究前に乾燥させた。粒子を、10w/w%のPDMS-2及びPDMS-3で処理し、120
oでの反応速度を比較した。以下の表6は、1、2、3、4、5時間での変換についての比較結果を提供する。
【表6】
【0071】
理解され得るように、同様の条件下では、PDMS-3(TMS末端を有する)は、2つのPDMSが同様の分子量を有していても、PDMS-2(OH末端を有する)よりもはるかに遅い反応速度を有した。
実施例16
疎水化粒子のスパイラルジェットミル生産
【0072】
結合手順3に記載の10インチスパイラルジェットミル又は流体エネルギーミルの使用を、実施例16に示す。以下の段落は、実験条件を列挙し、表7は、結合完了及び疎水性性能評価の結果を示す。
【0073】
実験条件は以下のとおりであった:粒子供給速度は約40lb/時間であり、添加剤供給速度は約45g/分であり、過熱温度は約1000°Fであり、注入温度は約350°Fであり、注入圧力は約80psiであり、摩砕温度は約612°Fであり、摩砕圧力は約18psiであり、出口温度ミルは約320°Fであり、浴温度は約300°Fであった。以下の表5は、結合完了及び疎水性性能評価の結果を示す。
【表7】
【0074】
表7に示されるように、スパイラルジェットミル又は流体エネルギーミルの使用は、疎水性粒子の生産に実行可能であった。反応は、平均粒径(average particle size、APS)をいくらか低減することによって達成することができ、これは異なるミル粉砕条件で調節して粒径の必要性を満たすことができる。最も重要なことには、これは、大規模な商業的生産の可能性を有する連続プロセスであった。
本発明は以下の態様を含む。
[1]
3以下の炭素含有量を有する疎水化シリカ粒子を含む、消泡剤活性物質であって、
前記疎水化粒子が、約150m
2
/g未満のBET表面、少なくとも約10の表面pH、及び約2μm~約50μmの範囲の中央粒径を有するシリカ粒子を含み、
前記疎水化シリカ粒子が、その前記表面上に疎水化剤を含む、消泡剤活性物質。
[2]
前記シリカ粒子の前記BET表面が、約100m
2
/g未満である、[1]に記載の消泡剤活性物質。
[3]
前記シリカ粒子の前記BET表面が、約60m
2
/g未満である、[2]に記載の消泡剤活性物質。
[4]
前記疎水化シリカ粒子の前記炭素含有量が、2.0%以下である、[1]に記載の消泡剤活性物質。
[5]
前記疎水化シリカ粒子の前記中央粒径が、約2μm~約15μmの範囲である、[1]に記載の消泡剤活性物質。
[6]
前記シリカ粒子の前記表面pHが、少なくとも約10である、[1]に記載の消泡剤活性物質。
[7]
前記疎水化剤が、シリコーン化合物である、[1]に記載の消泡剤活性物質。
[8]
前記シリコーン化合物が、ポリジメチルシロキサンであり、前記ポリジメチルシロキサンが、少なくとも3,000Daの平均モル質量を有する、[7]に記載の消泡剤活性物質。
[9]
前記ポリジメチルシロキサンが、少なくとも5,000Daの平均モル質量を有する、[8]に記載の消泡剤活性物質。
[10]
前記ポリジメチルシロキサンが、シラノール末端ポリジメチルシロキサンである、[8]に記載の消泡剤活性物質。
[11]
前記シラノール末端ポリジメチルシロキサンが、少なくとも0.10重量%のヒドロキシル基の含有量を有する、[10]に記載の消泡剤活性物質。
[12]
前記シラノール末端ポリジメチルシロキサンが、少なくとも3600センチポアズの粘度を有する、[10]に記載の消泡剤活性物質。
[13]
前記シリカの前記表面上の前記疎水化剤のうちの少なくとも90重量%が、前記シリカ粒子に共有結合している、[1]に記載の消泡剤活性物質。
[14]
前記疎水化剤のうちの少なくとも95重量%が、前記シリカ粒子に共有結合している、[13]に記載の消泡剤活性物質。
[15]
前記疎水化シリカ粒子が、60%対40%の体積比を有するメタノールと水との混合溶媒中の浮揚法に従って測定して、少なくとも2の疎水性評価を有する、[1]に記載の消泡剤活性物質。
[16]
前記疎水化剤が、前記疎水化シリカ粒子の総重量に基づいて、8重量%以下の量である、[1]に記載の消泡剤活性物質。
[17]
前記疎水化剤が、前記疎水化(hdrophobized)シリカ粒子の総重量に基づいて、6重量%以下の量である、[16]に記載の消泡剤活性物質。
[18]
前記消泡剤活性物質が、連続スパイラルジェットミルプロセスによって調製される、[1]に記載の消泡剤活性物質。
[19]
[1]に記載の変形活性物質を含む、消泡配合物。
[20]
[19]に記載の消泡配合物を含む、コーティング配合物。
[21]
消泡剤活性物質を形成する方法であって、
スパイラルジェットミル又は流体エネルギーミルを使用して、シリカ粒子を疎水化剤とミル粉砕及び結合させて、疎水化シリカ粒子を得ることを含み、
前記シリカ粒子が、約150m
2
/g未満のBET表面、少なくとも約10の表面pH、及び約2μm~約50μmの範囲の中央粒径を有し、
前記疎水化シリカ粒子の炭素含有量が、3%以下である、方法。
[22]
前記スパイラルジェットミル又は流体エネルギーミルを使用して、前記シリカ粒子を前記疎水化剤とミル粉砕及び結合させて、前記疎水化シリカ粒子を得ることが、
前記シリカ粒子及び前記疎水化剤を、前記スパイラルジェットミル又は流体エネルギーミルに添加することと、
前記シリカ粒子及び前記疎水化剤を、前記スパイラルジェットミル又は流体エネルギーミル内でミル粉砕及び加熱して、前記疎水化シリカ粒子を形成することと、を含む、[21]に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
[23]
前記シリカ粒子の前記表面pHが、少なくとも約10である、[21]に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
[24]
前記疎水化剤が、前記疎水化シリカ粒子の総重量に基づいて、8重量%以下の量である、[21]に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
[25]
前記疎水化剤が、前記疎水化シリカ粒子の総重量に基づいて、6重量%以下の量である、[24]に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
[26]
前記疎水化剤が、シリコーン化合物である、[21]に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
[27]
前記シリコーン化合物が、ポリジメチルシロキサンであり、前記ポリジメチルシロキサンが、少なくとも3000Daの平均モル質量を有する、[26]に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
[28]
前記ポリジメチルシロキサンが、シラノール末端ポリジメチルシロキサンである、[27]に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
[29]
前記疎水化剤のうちの少なくとも90重量%が、前記シリカ粒子に共有結合している、[21]に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
[30]
前記消泡剤活性物質が、60%対40%の体積比を有するメタノールと水との混合溶媒中の浮揚法に従って測定して、少なくとも2の疎水性評価を有する、[21]に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
[31]
前記疎水化シリカ粒子が、約2μm~約15μmの範囲の中央粒径を有する、[21]に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。
[32]
前記疎水化シリカ粒子上の前記疎水化剤の総量のうちの10重量%以下が、前記シリカ粒子上に結合せず物理的に吸着している、[21]に記載の消泡剤活性物質を形成する方法。