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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】ミキシングチャンバー
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20240723BHJP
   F24F 13/04 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
F24F13/02 A
F24F13/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021006956
(22)【出願日】2021-01-20
(65)【公開番号】P2022111498
(43)【公開日】2022-08-01
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】591029921
【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(72)【発明者】
【氏名】村田 孝友
(72)【発明者】
【氏名】京井 貴史
(72)【発明者】
【氏名】望月 勇佑
(72)【発明者】
【氏名】廣井 秀明
(72)【発明者】
【氏名】久野木 淳一郎
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3225910(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/02
F24F 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機からの給気と外気を送出後に合流されるように送出するミキシングチャンバーであって、
断熱性のチャンバー本体と、
前記チャンバー本体の内部を、前記給気が導入される給気室と、外気が導入される外気室とに仕切る断熱性の仕切板と、
前記仕切板の端部を跨ぐとともに前記チャンバー本体から突出されるように設けられ、外周には送風ダクトの端部が被さる金属製の送出管と、
を備え、前記仕切板の前記端部には送出路仕切板部が突設され、前記送出路仕切板部が、前記送出管に挿入されて前記送出管の内部を前記給気室に連なる給気側送出路と、前記外気室に連なる外気側送出路とに仕切っており、
前記送出管の管壁における前記送出路仕切板部の側縁と対応する部分には開口が形成されていることを特徴とするミキシングチャンバー。
【請求項2】
前記開口が、前記送出管の管軸方向に並んだ複数の開口部を含み、隣接する開口部どうしの間には前記送出管における前記開口を挟んで両側の管部分を連ねる連通部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のミキシングチャンバー。
【請求項3】
前記送出管が、周方向に分割された一対の半管体を有し、これら半管体の互いに対向する端縁どうしの間に前記開口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のミキシングチャンバー。
【請求項4】
前記一対の半管体の各々が、部分円筒状の半管部と、該半管部の周方向の両側の端縁どうし間に架け渡されるとともに前記送出路仕切板部の対応する側面に当接された平板状の仕切添接板とを有し、一方の半管体の半管部と仕切添接板とで作る内部空間が前記給気側送出路となり、他方の半管体の半管部と仕切添接板とで作る内部空間が前記外気側送出路となっていることを特徴とする請求項3に記載のミキシングチャンバー。
【請求項5】
前記送出管における前記チャンバー本体側を向く基端部には、径方向外側へ突出する環状の板状のカラーが形成されており、前記カラーにおける前記開口と同じ周方向位置には、カラー開口部が形成されていることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のミキシングチャンバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスビル等の建物における空調設備に設けられるミキシングチャンバーに関し、特に空調機からの給気と外気を別々に取り込んで送出後に合流されるように送出するミキシングチャンバーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、オフィスビル等の空調設備は、空調された給気と外気とを合流させて送出するミキシングチャンバーを備えている。
例えば、特許文献1のミキシングチャンバーにおいては、箱形状の断熱性のチャンバー本体の内部に断熱性の仕切板(隔壁)が設けられており、該仕切板によってチャンバー本体内が、給気室と外気室とに仕切られている。給気室には空調機からの給気導入管が接続され、外気室には外気導入管が接続されている。更にチャンバー本体の端壁には、仕切板の端部を跨ぐように接続口が設けられ、該接続口から短筒状の送出管が突出されている。
【0003】
仕切板の前記端部には、凸板状の送出路仕切板部が一体に設けられており、該送出路仕切板部が送出管に挿入されている。送出路仕切板部によって、送出管の内部が、給気室に連なる給気側送出路と、外気室に連なる外気側送出路とに仕切られている。送出管に送風ダクトの端部が接続されている。送風ダクトが空調対象の室内へ延びている。給気及び外気は、それぞれ給気室及び外気室に導入され、それぞれ給気側送出路及び外気側送出路を経て、送出管から送出された後、送風ダクト内において互いに混合され、送風ダクトによって室内へ送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3225910号公報(図12図13
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前掲特許文献1のミキシングチャンバーにおいては、チャンバー本体及び仕切板を断熱性材料によって構成することにより、チャンバー本体の給気室と外気室との間でヒートブリッジが形成されるのを回避できる。送風管においては、該送風管の管壁における送出路仕切板部の側縁と対応する部分を介して、給気側送出路と外気側送出路との間でヒートブリッジが形成され得る。そうすると、送風管の内壁に結露が発生するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑み、給気と外気を別々に受け入れて送風ダクトへ送出後に合流させるミキシングチャンバーにおいて、送出管におけるヒートブリッジの形成を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題点を解決するために、本発明は、空調機からの給気と外気を送出後に合流されるように送出するミキシングチャンバーであって、
断熱性のチャンバー本体と、
前記チャンバー本体の内部を、前記給気が導入される給気室と、外気が導入される外気室とに仕切る断熱性の仕切板と、
前記仕切板の端部を跨ぐとともに前記チャンバー本体から突出されるように設けられ、外周には送風ダクトの端部が被さる金属製の送出管と、
を備え、前記仕切板の前記端部には送出路仕切板部が突設され、前記送出路仕切板部が、前記送出管に挿入されて前記送出管の内部を前記給気室に連なる給気側送出路と、前記外気室に連なる外気側送出路とに仕切っており、
前記送出管の管壁における前記送出路仕切板部の側縁と対応する部分には開口が形成されていることを特徴とする。
【0007】
当該ミキシングチャンバーによれば、空調機から給気と外気とは、それぞれ給気室及び外気室に導入される。給気室及び外気室においては、仕切板によって隔てられることによって、給気と外気が混合されることはない。さらに、給気及び外気は、それぞれ給気側送出路及び外気側送出路を経る。このとき、給気と外気は、送出路仕切板部によって隔てられることによって混合されることはない。送出管から送出された後、送風ダクト内において給気と外気が互いに混合され、送風ダクトによって室内へ送られる。
チャンバー本体及び仕切板が断熱性であるために、チャンバー本体の給気室と外気室との間でヒートブリッジが形成されるのを回避できる。
送風管においては、該送出管の管壁における送出路仕切板部の側縁と対応する部分に開口が設けられることによって、該対応する部分を介して、給気側送出路と外気側送出路との間でヒートブリッジが形成されるのを防止できる。この結果、送風管の内壁に結露が発生するのを防止することができる。
【0008】
前記開口が、前記送出管の管軸方向に並んだ複数の開口部を含み、隣接する開口部どうしの間には前記送出管における前記開口を挟んで両側の管部分を連ねる連通部が設けられていることが好ましい。
連通部の幅を小さくすることによって、連通部を介して熱が伝わるのを十分に防止でき、送出管におけるヒートブリッジの形成を防止することができる。
【0009】
前記送出管が、周方向に分割された一対の半管体を有し、これら半管体の互いに対向する端縁どうしの間に前記開口が形成されていることが好ましい。
これによって、前記連通部を無くすことができ、送出管におけるヒートブリッジの形成を確実に防止することができる。
【0010】
前記一対の半管体の各々が、部分円筒状の半管部と、該半管部の周方向の両側の端縁どうし間に架け渡されるとともに前記送出路仕切板部の対応する側面に当接された平板状の仕切添接板とを有し、一方の半管体の半管部と仕切添接板とで作る内部空間が前記給気側送出路となり、他方の半管体の半管部と仕切添接板とで作る内部空間が前記外気側送出路となっていることが好ましい。
これによって、一対の半管体の間に送出路仕切板部が介在されることで、これら半管体を確実に離すことができ、送出管におけるヒートブリッジの形成を確実に防止することができる。
【0011】
前記送出管における前記チャンバー本体側を向く基端部には、径方向外側へ突出する環状の板状のカラーが形成されており、前記カラーにおける前記開口と同じ周方向位置には、カラー開口部が形成されていることが好ましい。
これによって、送出管の基端部においてヒートブリッジが形成されるのを確実に防止することができる。カラーによって、送出管をチャンバー本体に安定的に固定できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、給気と外気を別々に受け入れて送出後に合流させるミキシングチャンバーにおいて、送出管においてヒートブリッジが形成されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るミキシングチャンバーを含む空調設備の平面図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿う、前記ミキシングチャンバーの一部分の正面断面図である。
図3図3は、前記ミキシングチャンバーの送出管の斜視図である。
図4図4は、図2のIV-IV線に沿う、前記ミキシングチャンバーの側面断面図である。
図5図5は、図4の円部Vの拡大断面図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態を示し、送出管の斜視図である。
図7図7は、前記第2実施形態のミキシングチャンバーにおける図4の円部Vに相当する部分の拡大側面断面図である。
図8図8は、本発明の第3実施形態に係るミキシングチャンバーを示す側面断面図である。
図9図9は、前記第3実施形態のミキシングチャンバーの送出管の斜視図である。
図10図10は、図8のX-X線に沿う平面断面図である。
図11図11は、本発明の第4実施形態に係るミキシングチャンバーの一部分の正面断面図である。
図12図12は、前記第4実施形態のミキシングチャンバーの送出管の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<第1実施形態(図1図5)>
図1に示すように、オフィスビル等の建物の各階の天井裏空間(階層間空間)には、空調設備Sが設けられている。空調設備Sは、パッケージエアコン1(空調機)と、ミキシングチャンバー10と、ダクト3b,3cを備えている。
【0015】
ミキシングチャンバー10は、チャンバー本体11と、仕切板12を備えている。チャンバー本体11は、横長の直方体形状(箱形状)に形成されている。チャンバー本体11の材質は、断熱性材料にて構成され、好ましくはグラスウールボードにて構成されている。図示は省略するが、チャンバー本体11の隅角部は、金属製のアングル材などにて補強されている。
【0016】
チャンバー本体11の給気室側板14には、横長の接続口14aが形成されている。接続口14aに横長筒形状の給気導入管21が装着され、該給気導入管21にパッケージエアコン1が接続されている。
【0017】
チャンバー本体11の外気室側板15には、円形の接続口15bが形成されている。接続口15bに円筒形の外気導入管22が装着され、該外気導入管22に外気導入ダクト3bの下流端が接続されている。
【0018】
チャンバー本体11の内部に仕切板12が設けられている。仕切板12は、断熱性材料にて構成され、好ましくはグラスウールボードにて構成されている。仕切板12は、側板14,15と平行な長方形に形成されている。仕切板12によって、チャンバー本体11の内部空間が、給気室10aと、外気室10bとに仕切られている。給気室10aは、給気室側板14と、仕切板12との間に画成されるとともに、給気導入管21を介してパッケージエアコン1と接続されている。外気室10bは、外気室側板15と、仕切板12との間に画成されるとともに、外気導入管22を介して外気導入ダクト3bと接続されている。
【0019】
仕切板12は、チャンバー本体11における給気室側板14と外気室側板15のちょうど中間位置よりも外気室側板15の側(図1において上側)に偏って配置されている。このため、給気室10aの内容積が外気室10bの内容積よりも大きい。
【0020】
チャンバー本体11の両側の端板16には、それぞれ円形の接続口17が形成されている。接続口17に送出管30が接続されている。送出管30及び接続口17が、仕切板12の長手方向の端部を跨いでいる。
【0021】
図1及び図2に示すように、仕切板12の長手方向の両端部には、凸板状の送出路仕切板部13が一体に設けられている。送出路仕切板部13は、チャンバー本体11内における仕切板12の本体部12aから長手方向の外方へ突出されている。送出路仕切板部13の高さ寸法(上下寸法)は、仕切板本体部12aの高さ寸法より小さく、仕切板本体部12aの両端部の上下部分と送出路仕切板部13との間には、それぞれ段差状の側端縁12dが形成されている。側端縁12dが、端板16の内側面に突き当てられている。
【0022】
図1に示すように、各送出路仕切板部13が、接続口17及び送出管30に挿入されている。送出路仕切板部13によって、接続口17の内部が給気側接続口部17aと外気側接続口部17bとに仕切られ、かつ送出管30の内部が給気側送出路33aと外気側送出路33bとに仕切られている。
給気側送出路33aは、給気側接続口部17aを介して給気室10aに連なっている。外気側送出路33bは、外気側接続口部17bを介して外気室10bに連なっている。
【0023】
図3に示すように、送出管30は、円筒形の短管状の送出管本体31と、カラー32を有している。送出管30の材質は、鉄、鋼鉄、溶融亜鉛メッキ鋼、塩ビ鋼板などの金属であり、断熱材からなるチャンバー本体11及び仕切板12より熱伝導率が高い。
【0024】
図2に示すように、送出管30における、チャンバー本体11側を向く基端部にはカラー32が形成されている。カラー32は、送出管本体31から径方向外側へ突出する環状の板状に形成されている。送出管本体31の基端部が接続口17に挿し入れられ、カラー32が、接続口17のまわりの端板16の内側面に宛がわれて連結されている。これによって、送出管30がチャンバー本体11に安定的に固定されている。
送出路仕切板部13の側端縁12dには、カラー32が嵌る凹部12eが形成されている。
【0025】
送出管本体31は、カラー32ひいては端板16からチャンバー10の長手方向(図2の左右方向)に沿って外方へ突出されている。
送出管本体31ひいては送出管30の外周に、送風ダクト3cの上流側の端部が被さっている。送風ダクト3cは、図示しない空調対象室へ延びている。
【0026】
図3図5に示すように、送出管本体31の管壁における周方向に離れた2つの部分30eが、送出路仕切板部13の上下の側縁13eと対応している。これら対応部分30eに、一対の開口34が形成されている。送出管本体31が、一対の開口34すなわち前記対応部分30eを挟んで2つの半管部分31a,31bに区画されている。給気側半管部分31aによって給気側送出路33aが画成されている。外気側半管部分31bによって外気側送出路33bが画成されている。仕切板12の偏りに対応して、給気側半管部分31aの周長が、外気側半管部分31bの周長と同じか若しくはそれより大きい。
【0027】
図2及び図3に示すように、上下の各開口34は、複数の開口部34aを含む。これら開口部34aは、送出管30の管軸方向、ひいては送出路仕切板部13の側縁13eの長手方向に沿って間隔を置いて一列に並べられている。各開口部34aは、長手方向を送出管30の管軸方向へ向けた長方形のスロット状に形成されている。図において、開口部34aの幅が長さに対して誇張して大きく表されている。
なお、開口部34aの形状は、長方形のスロット状に限らず、矩形、台形その他の多角形でもよく、円形又は楕円形ないしは長円形であってもよい。
【0028】
図4に示すように、送出管30の周方向に沿う、各開口部34aの幅寸法w34aは、送出路仕切板部13の厚みt13より少し小さい(w34a<t13)。このため、送出路仕切板部13の側縁13eによって、開口34が完全に塞がれている。
【0029】
図2及び図3に示すように、隣接する開口部34aどうしの間には、連通部35が設けられている。連通部35を介して半管部分31a,31bどうしが連ねられている。送出管30の管軸方向に沿う、連通部35の幅寸法w35は、各開口部34aの同方向の長さL34aより十分に小さい(w35<L34a)。
【0030】
図2及び図3に示すように、さらに、送出管30のカラー32の周方向に離れた二箇所には、一対のカラー開口部34bが形成されている。図5に示すように、カラー開口部34bは、送出管本体31の開口34と同じ周方向位置に配置されている。カラー開口部34bの形状は、上下方向ないしはカラー32の径方向に延びる長方形のスロット状に形成されている。
なお、カラー開口部34bの形状は、前記に限らず、矩形、台形その他の多角形でもよく、円形又は楕円形ないしは長円形であってもよい。
【0031】
空調設備Sは、次のように動作する。
図1に示すように、パッケージエアコン1は、周辺の空気(屋内の空気)の一部を取り込んで温調(温度及び湿度を調節)する。温調された空気(給気g1)が、給気導入管21からミキシングチャンバー10の給気室10aに導入される。
また、外気g2が、図示しない全熱交換器2を経て、外気導入管22から外気室10bに導入される。
給気室10a内の給気g1と、外気室10b内の外気g2とは、仕切板12にて互いに隔てられており、混合されることはない。したがって、外気g2が給気室10aに入って逆流したり、給気g1が外気室10bに入って逆流したりするのを防止できる。
【0032】
給気g1は、給気室10aから給気側接続口部17a及び給気側送出路33aを順次経て、送風ダクト3cへ送られる。送出路仕切板部13によって、給気g1が仕切板12の端部を回り込んで外気室10bへ侵入するのを確実に防止することができる。
外気g2は、外気室10bから外気側接続口部17b及び外気側送出路33bを順次経て、送風ダクト3cへ送られる。
接続口17及び送出管30内における給気g1と外気g2は、送出路仕切板部13によって隔てられることによって混合されることはない。送風ダクト3c内において、給気g1と外気g2が混合される。混合後の給気g0が、送風ダクト3cによって空調対象の室へ送られる。
【0033】
ミキシングチャンバー10によれば、チャンバー本体11及び仕切板12が断熱性であるために、給気室10aと外気室10bとの間でヒートブリッジ(冷熱橋)が形成されるのを回避できる。
さらに、金属製の送風管30においては、仕切板部13の側縁13eと対応する部分30eに開口34が設けられることによって、該対応部分30eを挟んで両側の給気側半管部分31aと外気側半管部分31bとの間で熱が伝わるのを抑制できる。特に、対応部分30eにおける連通部35の幅w35を小さくすることによって、連通部35における熱の伝わりを十分に抑制できる。更には、カラー32における前記対応部分30eと同じ周方向位置には開口部34bを設けることによって、該開口部34bを挟んで両側のカラー部分32a,32bの間で熱が伝わるのを抑制できる。
この結果、送出管30におけるヒートブリッジの形成を抑制又は防止でき、送風管30の壁面に結露が発生するのを抑制又は防止することができる。
【0034】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態(図6図7)>
図6及び図7に示すように、第2実施形態における送出管30Bは、周方向に分割された一対の半管体36,37を有している。各半管体36,37は、部分筒状に形成されている。給気側の半管体36によって給気側送出路33aが画成され、外気側の半管体37によって外気側送出路33bが画成される。仕切板12の偏りに対応して、給気側の半管体36の周長が、外気側の半管体37の周長と同じか若しくはそれより大きい。
【0035】
半管体36,37どうしは、互いに少し離れて対向しており、これら半管体36,37の互いに対向する端縁36e,37eどうしの間に間隙状の開口34Bが形成されている。開口34Bは、送出管本体31の管軸方向の全域に及んでいる。図7に示すように、開口34Bに送出路仕切板部13の側縁13eが臨んでいる。
【0036】
図6に示すように、給気側の半管体36の基端部(チャンバー本体11側の端部)には、径方向外側へ突出する部分環状のカラー部分32aが一体に設けられている。外気側の半管体37の基端部には、径方向外側へ突出する部分環状のカラー部分32bが一体に設けられている。給気側のカラー部分32aの周長が、外気側のカラー部分32bの周長と同じか若しくはそれより大きい。カラー部分32a,32bの互いに対向する端縁どうし間に、間隙状のカラー開口部32cが形成されている。カラー開口部32cは、カラー32の径方向の全域に及ぶとともに、開口34Bの基端部と交差するように連なっている。仕切板12の段差状側端縁12dが、カラー開口部32cに嵌るとともに、端板16の内側面に突き当てられている(図10参照)。
【0037】
送出管30Bにおいては、半管体36,37どうしが完全に離間されているため、これら半管体36,37どうし間でヒートブリッジが形成されるのを確実に防止できる。
【0038】
<第3実施形態(図8図10)>
図8及び図9に示すように、第3実施形態における送出管30Cは、第2実施形態(図6図7)と同様に、一対の半管体36C,37Cに分割されている。各半管体36C,37Cは、半管部36a,37aと、仕切添接板38,39を有している。半管部36a,37aは、第2実施形態の半管体36,37と同様の部分円筒状に形成されている。各半管部36a,37aに平板状の仕切添接板38,39が付加されている。
【0039】
給気側の仕切添接板38は、給気側半管部36aの周方向の両側(上側及び下側)の端縁36eどうし間に架け渡されている。該仕切添接板38が、送出路仕切板部13における給気側面13aに当接されている。半管部36aと仕切添接板38とで作る半管体36Cの内部空間が、給気側送出路33aとなっている。
【0040】
外気側の仕切添接板39は、部分円筒状の外気側半管部37aの周方向の両側(上側及び下側)の端縁37eどうし間に架け渡されている。該仕切添接板39が、送出路仕切板部13における外気側面13bに当接されている。半管部37aと仕切添接板39とで作る半管体37Cの内部空間が、外気側送出路33bとなっている。
【0041】
送出路仕切板部13を挟んで、仕切添接板38,39どうしが平行に対向している。仕切添接板38,39どうし間に送出路仕切板部13が介在されることによって、半管体36C,37Cどうし間にヒートブリッジが形成されるのが防止されている。
【0042】
図8及び図10に示すように、半管部36a,37aにおける互いに同じ側の端縁36e,37eどうしの間に間隙状の開口34Cが形成されている。開口34Cは、送出管本体31の管軸方向の全域に及んでいる。開口34Cに、送出路仕切板部13の側縁13eが臨んでいる。好ましくは、半管部36a,37aの端縁36e,37eと、送出路仕切板部13の側縁13eとが面一になっている。送出路仕切板部13の側縁13eによって、半管部36a,37aの端縁36e,37eどうしが隔てられることによって、ヒートブリッジの形成が防止されている。
【0043】
図10に示すように、カラー部分32a,32bの対向端縁どうしの間には、径方向の全域に及ぶ間隙状のカラー開口部32cが形成され、該カラー開口部32cに仕切板12の段差状側端縁12dが嵌っている点は、第2実施形態と同様である。
【0044】
<第4実施形態(図11図12)>
図11及び図12に示すように、第4実施形態における送出管30Dは、カラー32(図2図3参照)を有しておらず、円筒状の送出管本体31だけで構成されている。第1実施形態と同様に、送出管30Dにおける、仕切板部13の上下の側縁13eと対応する部分30eには、一対の開口34が形成されている。
【0045】
図11に示すように、送出管30Dにおける基端部と接続口17の内周面とで作るコーナー部には、コーキング材40が設けられている。コーキング材40によって送出管30Dの基端部と接続口17の内周面との間が気密にシールされている。
【0046】
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変をなすことができる。
例えば、チャンバー本体11等の形状は適宜改変できる。仕切板12が水平面又は鉛直面に対して斜めであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、例えばオフィスビルの空調設備に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
S 空調設備
g1 給気
g2 外気
1 パッケージエアコン(空調機)
3c 送風ダクト
10 ミキシングチャンバー
10a 給気室
10b 外気室
11 チャンバー本体
12 仕切板
12a 仕切板本体部
12d 段差状側端縁
13 送出路仕切板部
13e 側縁
17 接続口
17a 給気側接続口部
17b 外気側接続口部
21 給気導入管
22 外気導入管
30 送出管
30B,30C 送出管
30e 対応部分
31 送出管本体
31a 給気側半管部分
31b 外気側半管部分
32 カラー
33a 給気側送出路
33b 外気側送出路
32c カラー開口部
34,34B 開口
34a 開口部
34b カラー開口部
35 連通部
36,36C 給気側の半管体
36a 給気側半管部
36e 端縁
37,37C 外気側の半管体
37a 外気側半管部
37e 端縁
38 給気側仕切添接板
39 外気側仕切添接板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12