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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】プリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
H05K3/46 N
H05K3/46 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021009291
(22)【出願日】2021-01-25
(65)【公開番号】P2022113222
(43)【公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122622
【弁理士】
【氏名又は名称】森 徳久
(72)【発明者】
【氏名】清水 敬介
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/007861(WO,A1)
【文献】特開2002-280739(JP,A)
【文献】特開2012-028730(JP,A)
【文献】特開2016-219452(JP,A)
【文献】特開2020-036011(JP,A)
【文献】特開2002-280740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成されているビルドアップ層と、を備えるプリント配線板であって、
前記ビルドアップ層は、N層(Nは5以上の整数)の樹脂絶縁層と、N層の導体層とが交互に積層されて形成されており、
前記ビルドアップ層は、前記N層の樹脂絶縁層のそれぞれを貫通し、当該樹脂絶縁層の上方に積層された前記導体層と当該樹脂絶縁層の下方に積層された前記導体層とを接続するN層の導体ビアを含み、
前記N層の導体ビアは、M個(Mは5以上N以下の整数)の導体ビアが、前記樹脂絶縁層と前記導体層の積層方向に沿って積み重ねられて形成されるスタックビア構造を含み、
前記スタックビア構造は、第1種の導体ビアと、前記第1種の導体ビアとは異なる第2種の導体ビアとが交互に積み重ねられて形成されており、
前記第1種の導体ビアのランドの第1種の径は、前記第2種の導体ビアのランドの第2種の径よりも大きい。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板であって、
前記第1種の径は、前記第2種の径の1.2倍~2倍の範囲である。
【請求項3】
請求項1のプリント配線板であって、
前記第2種の径は、固定値である第1の径である。
【請求項4】
請求項1のプリント配線板であって、
前記第1種の径は、固定値である第1の径であり、前記第2種の径は、固定値である第2の径である。
【請求項5】
請求項1のプリント配線板であって、
前記スタックビア構造を構成する前記M個の導体ビアのそれぞれの中心軸同士の間隔は、10μm~20μmの範囲である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁層とが順次積層されて形成されるビルドアップ層を備える多層プリント配線板を開示する。この多層プリント配線板では、階層の異なるバイアホール同士がスタックビア構造を形成するように積層されている。スタックビア構造に含まれるバイアホールのうちの一部は、そのランドが拡大して形成されている。特許文献1の技術では、拡大されたランドを補強材として機能させることによって、バイアホールのランドと層間樹脂絶縁層との剥離の防止を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-280740号公報
【発明の概要】
【0004】
[特許文献1の課題]
近年、ビルドアップ層を備えるプリント配線板の分野では、通信速度の向上のために導体ビアの表面が低粗度に形成される場合がある。また、電気エネルギー損失の低減のために、層間樹脂絶縁層に用いられる樹脂材料の低Df(誘電正接)化も進められており、層間樹脂絶縁層の熱膨張率も上昇傾向にある。このような事情のもと、上記分野において、樹脂絶縁層とランドとの剥離が発生し易くなる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示されるプリント配線板は、基板と、前記基板上に形成されているビルドアップ層と、を備える。前記ビルドアップ層は、N層(Nは5以上の整数)の樹脂絶縁層と、N層の導体層とが交互に積層されて形成されている。前記ビルドアップ層は、前記N層の樹脂絶縁層のそれぞれを貫通し、当該樹脂絶縁層の上方に積層された前記導体層と当該樹脂絶縁層の下方に積層された前記導体層とを接続するN層の導体ビアを含む。前記N層の導体ビアは、M個(Mは5以上N以下の整数)の導体ビアが、前記樹脂絶縁層と前記導体層の積層方向に沿って積み重ねられて形成されるスタックビア構造を含む。前記スタックビア構造は、第1種の導体ビアと、前記第1種の導体ビアとは異なる第2種の導体ビアとが交互に積み重ねられて形成されている。前記第1種の導体ビアのランドの第1種の径は、前記第2種の導体ビアのランドの第2種の径よりも大きい。
【0006】
上記のプリント配線板では、スタックビア構造は、M個(Mは5以上N以下の整数)の導体ビアが積み重ねられて形成されているとともに、第1種の径を有する第1種の導体ビアと第2種の径を有する第2種の導体ビアとが交互に積み重ねられて形成されている。即ち、積み重ねられているM個の導体ビアのランドの径が1個おきに異なっている。そのため、各ランドが樹脂絶縁層の補強材としての役割を果たす。さらに、各ランドと樹脂絶縁層とが密着する範囲が1層おきに異なるため、応力がビルドアップ層の一部のみに集中することが抑制される。その結果、プリント配線板に応力が加わる場合における樹脂絶縁層とランドの剥離が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施例のプリント配線板の一部を模式的に示す断面図である。
図2】第1実施例のプリント配線板におけるスタックビア構造を模式的に示す説明図である。
図3】第2実施例のプリント配線板におけるスタックビア構造を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施例]
図1図2を参照して、第1実施例のプリント配線板2の構成を説明する。図1は、実施例のプリント配線板2の一部を示す断面図である。図2は、実施例のプリント配線板2中のスタックビア構造110部分を模式的に示す説明図である。図1に示すように、本実施例のプリント配線板2は、基板4上にビルドアップ層10を備え、ビルドアップ層10上にソルダーレジスト層60を備える多層プリント配線板である。変形例では、プリント配線板は、基板4の両面にビルドアップ層10及びソルダーレジスト層60を備える多層プリント配線板であってもよい。
【0009】
図1に示すように、基板4は、例えばシリカやアルミナ等の無機フィラーとエポキシ系樹脂とを含む樹脂組成物等で構成される。基板4の上面には導体層6が形成されている。導体層6は、導電性金属、例えば銅を主成分とする金属で形成される。図1の例では、導体層6は導体回路6a、6b、6cを含む。
【0010】
ビルドアップ層10は、基板4及び導体層6上に形成されている。本実施例のビルドアップ層10は、9層の樹脂絶縁層21~29と、9層の導体層41~49と、9層の導体ビア101~109とを含む。9層の樹脂絶縁層21~29と9層の導体層41~49は交互に積層されている。導体ビア101~109は、対応する樹脂絶縁層21~29をそれぞれ貫通し、当該樹脂絶縁層の上方に積層された導体層と当該樹脂絶縁層の下方に積層された導体層とを接続している。樹脂絶縁層21~29は、絶縁材料、例えばシリカやアルミナ等の無機フィラーとエポキシ系樹脂とを含む樹脂組成物等で構成される。導体層41~49及び導体ビア101~109は、導電性金属、例えば銅を主成分とする金属で形成される。本実施例では、樹脂絶縁層の層数、導体層の層数、導体ビアの層数は9であるが、変形例では、樹脂絶縁層の層数、導体層の層数、導体ビアの層数は9に限られず5以上の任意の数であってもよい。
【0011】
図1に示すように、9層の樹脂絶縁層21~29と9層の導体層41~49は、下から上に向かって、第1樹脂絶縁層21、第1導体層41、第2樹脂絶縁層22、第2導体層42、第3樹脂絶縁層23、第3導体層43、第4樹脂絶縁層24、第4導体層44、第5樹脂絶縁層25、第5導体層45、第6樹脂絶縁層26、第6導体層46、第7樹脂絶縁層27、第7導体層47、第8樹脂絶縁層28、第8導体層48、第9樹脂絶縁層29、第9導体層49の順で積層されている。
【0012】
第1樹脂絶縁層21は、基板4及び導体層6上に設けられている。第1樹脂絶縁層21上には、第1導体層41が設けられている。第1導体層41は、導体回路41a、41bと第1導体ビア101のランド101aとを含む。第1導体ビア101は、第1樹脂絶縁層21を上下に貫通しており、第1導体層41(即ちランド101a)と導体層6(即ち導体回路6c)とを電気的に接続している。
【0013】
第2樹脂絶縁層22は、第1樹脂絶縁層21及び第1導体層41上に設けられている。第2樹脂絶縁層22上には、第2導体層42が設けられている。第2導体層42は、導体回路42a、42bと第2導体ビア102のランド102aとを含む。第2導体ビア102は、第2樹脂絶縁層22を上下に貫通しており、第2導体層42(ランド102a)と第1導体層41(ランド101a)とを電気的に接続している。
【0014】
第3樹脂絶縁層23は、第2樹脂絶縁層22及び第2導体層42上に設けられている。第3樹脂絶縁層23上には、第3導体層43が設けられている。第3導体層43は、導体回路43a、43bと第3導体ビア103のランド103aとを含む。第3導体ビア103は、第3樹脂絶縁層23を上下に貫通しており、第3導体層43(ランド103a)と第2導体層42(ランド102a)とを電気的に接続している。
【0015】
第4樹脂絶縁層24は、第3樹脂絶縁層23及び第3導体層43上に設けられている。第4樹脂絶縁層24上には、第4導体層44が設けられている。第4導体層44は、導体回路44aと第4導体ビア104のランド104aとを含む。第4導体ビア104は、第4樹脂絶縁層24を上下に貫通しており、第4導体層44(ランド104a)と第3導体層43(ランド103a)とを電気的に接続している。
【0016】
第5樹脂絶縁層25は、第4樹脂絶縁層24及び第4導体層44上に設けられている。第5樹脂絶縁層25上には、第5導体層45が設けられている。第5導体層45は、導体回路45a、45bと第5導体ビア105のランド105aとを含む。第5導体ビア105は、第5樹脂絶縁層25を上下に貫通しており、第5導体層45(ランド105a)と第4導体層44(ランド104a)とを電気的に接続している。
【0017】
第6樹脂絶縁層26は、第5樹脂絶縁層25及び第5導体層45上に設けられている。第6樹脂絶縁層26上には、第6導体層46が設けられている。第6導体層46は、導体回路46aと第6導体ビア106のランド106aとを含む。第6導体ビア106は、第6樹脂絶縁層26を上下に貫通しており、第6導体層46(ランド106a)と第5導体層45(ランド105a)とを電気的に接続している。
【0018】
第7樹脂絶縁層27は、第6樹脂絶縁層26及び第6導体層46上に設けられている。第7樹脂絶縁層27上には、第7導体層47が設けられている。第7導体層47は、導体回路47aと第7導体ビア107のランド107aとを含む。第7導体ビア107は、第7樹脂絶縁層27を上下に貫通しており、第7導体層47(ランド107a)と第6導体層46(ランド106a)とを電気的に接続している。
【0019】
第8樹脂絶縁層28は、第7樹脂絶縁層27及び第7導体層47上に設けられている。第8樹脂絶縁層28上には、第8導体層48が設けられている。第8導体層48は、導体回路48aと第8導体ビア108のランド108aとを含む。第8導体ビア108は、第8樹脂絶縁層28を上下に貫通しており、第8導体層48(ランド108a)と第7導体層47(ランド107a)とを電気的に接続している。
【0020】
第9樹脂絶縁層29は、第8樹脂絶縁層28及び第8導体層48上に設けられている。第9樹脂絶縁層29上には、第9導体層49が設けられている。第9導体層49は、導体回路49aと第9導体ビア109のランド109aとを含む。第9導体ビア109は、第9樹脂絶縁層29を上下に貫通しており、第9導体層49(ランド109a)と第8導体層48(導体回路48a)とを電気的に接続している。
【0021】
上記の通り、本実施例では、ビルドアップ層10には、9層の導体ビア101~109が含まれる。この9層の導体ビア101~109のうち、8個の導体ビア101~108(即ち8層分の導体ビア)によってスタックビア構造110が形成されている。本実施例では、最上層である第9導体ビア109は、スタックビア構造110には含まれていない。図1及び図2に示すように、スタックビア構造110は、導体ビア101~108が上下方向(即ち樹脂絶縁層21~29と導体層41~49の積層方向)に沿って積み重ねられて形成されている。図2に示すように、本実施例では、導体ビア101~108は上下方向に真っすぐ積層されており、各中心軸同士がほぼ一致している。
【0022】
そして、図1及び図2に示すように、スタックビア構造110は、ランドの径が大きい導体ビア101、103、105、107と、ランドの径が小さい導体ビア102、104、106、108とが交互に積み重ねられて形成されている。
【0023】
本実施例では、第1導体ビア101のランド101aの径と、第3導体ビア103のランド103aの径と、第5導体ビア105のランド105aの径と、第7導体ビア107のランド107aの径は、いずれも同じ固定値である第1の径である。そして、第2導体ビア102のランド102aの径と、第4導体ビア104のランド104aの径と、第6導体ビア106のランド106aの径と、第8導体ビア108のランド108aの径は、いずれも同じ固定値である第2の径である。第1の径は、第2の径よりも大きい。第1の径は、第2の径の1.2倍~2倍の範囲に設定されている。即ち、本実施例では、スタックビア構造110は、ランドの径が第1の径(即ち大径)である導体ビア101、103、105、107と、ランドの径が第2の径(即ち小径)である導体ビア102、104、106、108とが交互に積み重ねられて形成されている。
【0024】
第1の径(即ち大径)のランド101a、103a、105a、107aを含む導体層41、43、45、47は、例えば、グランド層、電源層として用いられる。第2の径(即ち小径)のランド102a、104a、106a、108aを含む導体層42、44、46、48は、例えば、信号配線層として用いられる。また、ビルドアップ層10に含まれる9層の導体ビア101~109は、いずれも、その上端部の径(いわゆるトップ径)が下端部の径(いわゆるボトム径)よりも大きく形成されている。トップ径とボトム径との差は5μm以下の範囲内である。また、ランド101a~109aの外表面の算術平均粗さ(Ra)は、0.01~0.2μmの範囲内である。即ち、ランド101a~109aの外表面は比較的低粗度である。また、ランド101a~109aを含む導体層41~49の厚さは、いずれも10μm~15μmの範囲内である。
【0025】
図1に示すように、ソルダーレジスト層60は、ビルドアップ層10の最上層である第9樹脂絶縁層29及び第9導体層49上に設けられている。ソルダーレジスト層60は、第9導体層49(即ち導体回路49a及びランド109a)を露出させるための開口62を有する。開口62から露出する導体層49は導体パッドとして機能する。各開口62内には、露出した導体層49と電気的に接続されるはんだバンプ64が形成されている。
【0026】
本実施例のプリント配線板2は、公知の工法によって形成可能である。即ち、本実施例のプリント配線板2は、ビルドアップ層10の形成の際に、導体ビアのランドの径を1個おきに異ならせることによって形成することができる。そのため、プリント配線板2の製造方法の詳しい説明は省略する。
【0027】
以上、本実施例のプリント配線板2の構成について説明した。本実施例では、プリント配線板2のビルドアップ層10にはスタックビア構造110が含まれている(図1図2参照)。スタックビア構造110は、ランドの径が第1の径である導体ビア101、103、105、107と、ランドの径が第2の径である導体ビア102、104、106、108とが交互に積み重ねられて形成されている。第1の径は第2の径より大きく、第2の径の1.2倍~2倍である。即ち、本実施例では、積み重ねられている8個の導体ビア101~108のランド101a~108aの径は1個おきに異なっている。そのため、各ランド101a~108aが樹脂絶縁層21~28の補強材としての役割を果たす。さらに、各ランド101a~108aと樹脂絶縁層21~28とが密着する範囲が1層おきに異なる。そのため、応力がビルドアップ層10の一部のみに集中することが抑制される。その結果、プリント配線板2に応力が加わる場合において、樹脂絶縁層21~29とランド101a~108aとの剥離が抑制される。
【0028】
また、本実施例では、導体ビア101~108は上下方向に真っすぐ積層されており、各中心軸同士がほぼ一致している(図2参照)。そのため、樹脂絶縁層21~28とランド101a~108aとの密着箇所の一部にのみ応力が集中する事態が抑制される。その結果、樹脂絶縁層21~29とランド101a~108aとの剥離がより効果的に抑制される。
【0029】
本実施例と請求項の対応関係を説明する。本実施例の導体ビア101、103、105、107が「第1種の導体ビア」の一例である。導体ビア102、104、106、108が「第2種の導体ビア」の一例である。ランド101aの径、ランド103aの径、ランド105aの径、ランド107aの径が「第1種の径」の一例である。ランド102aの径、ランド104aの径、ランド106aの径、ランド108aの径が「第2種の径」の一例である。
【0030】
[第2実施例]
図3は、第2実施例のプリント配線板2におけるスタックビア構造110部分を模式的に示す断面図である。図3では、理解の容易のためにスタックビア構造110のみを図示し、その他の要素の図示を省略している。本実施例のプリント配線板2は、第1実施例のプリント配線板2(図1図2参照)の変形態様である。そのため、本実施例のプリント配線板2の基本的構成は第1実施例のプリント配線板2と共通する。本実施例では、スタックビア構造110の形状が第1実施例と一部異なる。
【0031】
図3に示すように、本実施例のスタックビア構造110では、上下に積層される2個の導体ビア(例えば、第1導体ビア101と第2導体ビア102)の中心軸同士が側方にずれている。ただし、上下に積層される2個の導体ビアの中心軸同士の間隔(ずれ量)は、いずれも10μm以下の範囲内である。さらに、スタックビア構造110を構成する導体ビア101~108のそれぞれの中心軸同士の間隔(ずれ量)は、10μm~20μmの範囲内である。即ち、導体ビア101~108のそれぞれの中心軸同士の間隔の最大値(図3中の符号G参照)が10μm~20μmの範囲内である。図3の例では、第3導体ビア103の中心軸と第6導体ビア106の中心軸の間隔が、導体ビア101~108の中心軸同士の間隔の最大値(符号G参照)である。この例では、第3導体ビア103の中心軸と第6導体ビア106の中心軸の間隔Gは10μm~20μmの範囲内である。
【0032】
本実施例の構成でも、樹脂絶縁層21~29とランド101a~108aとの密着箇所の一部にのみ応力が集中する事態が抑制される。その結果、プリント配線板2に応力が加わる場合における樹脂絶縁層21~29とランド101a~108aとの剥離が効果的に抑制される。
【0033】
以上、実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例が採用されてもよい。
【0034】
(変形例1)スタックビア構造110において、複数個の大径のランド(即ちランド101a、103a、105a、107a)のそれぞれの径は、複数個の小径のランド(即ちランド102a、104a、106a、108a)のそれぞれの径よりも大きければ、固定値でなくてもよい(即ち同じでなくてもよい)。同様に、スタックビア構造110において、複数個の小径のランドのそれぞれの径も、複数個の大径のランドのそれぞれの径よりも小さければ、固定値でなくてもよい(即ち同じでなくてもよい)。この場合も、複数個の大径のランドのそれぞれの径は、複数個の小径のランドのそれぞれの径の1.2倍~2倍の範囲内であることが好ましい。本変形例でも、複数個の大径のランド(ランド101a、103a、105a、107a)のそれぞれの径が「第1種の径」の一例であり、複数個の小径のランド(ランド102a、104a、106a、108a)のそれぞれの径が「第2種の径」の一例である。
【0035】
(変形例2)上記の各実施例では、スタックビア構造110において、複数個の大径のランドのそれぞれの径は、複数個の小径のランドのそれぞれの径の1.2倍~2倍の範囲内である。これに限られず、スタックビア構造110において、複数個の大径のランドのそれぞれの径は、複数個の小径のランドのそれぞれの径よりも大きければ、任意の大きさであってもよい。
【0036】
(変形例3)上記の各実施例では、スタックビア構造110を構成する導体ビア101~108のそれぞれの中心軸同士の間隔(ずれ量)は、10μm~20μmの範囲内である(図1図3参照)。これに限られず、スタックビア構造110を構成する導体ビア101~108のそれぞれの中心軸同士の間隔(ずれ量)は、20μm以上であってもよい。
【0037】
(変形例4)上記の各実施例では、ビルドアップ層10を構成する樹脂絶縁層の層数、導体層の層数、導体ビアの層数は9であり、スタックビア構造110を構成する導体ビア101~108の数は8である。これに限られず、ビルドアップ層10を構成する樹脂絶縁層の層数、導体層の層数、導体ビアの層数は、5以上の任意の数N(即ちNは5以上の整数)であればよい。同様に、スタックビア構造110を構成する導体ビアの数も、5以上N以下の任意の数M(即ちMは5以上N以下の整数)であればよい。
【符号の説明】
【0038】
2:プリント配線板
4:基板
6:導体層
6a、6b、6c:導体回路
10:ビルドアップ層
21:第1樹脂絶縁層
22:第2樹脂絶縁層
23:第3樹脂絶縁層
24:第4樹脂絶縁層
25:第5樹脂絶縁層
26:第6樹脂絶縁層
27:第7樹脂絶縁層
28:第8樹脂絶縁層
29:第9樹脂絶縁層
41:第1導体層
41a、41b:導体回路
42:第2導体層
42a、42b:導体回路
43:第3導体層
43a、43b:導体回路
44:第4導体層
44a:導体回路
45:第5導体層
45a、45b:導体回路
46:第6導体層
46a:導体回路
47:第7導体層
47a:導体回路
48:第8導体層
48a:導体回路
49:第9導体層
49a:導体回路
60:ソルダーレジスト層
62:開口
64:はんだバンプ
101:第1導体ビア
101a:ランド
102:第2導体ビア
102a:ランド
103:第3導体ビア
103a:ランド
104:第4導体ビア
104a:ランド
105:第5導体ビア
105a:ランド
106:第6導体ビア
106a:ランド
107:第7導体ビア
107a:ランド
108:第8導体ビア
108a:ランド
109:第9導体ビア
109a:ランド
110:スタックビア構造
図1
図2
図3