(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】回転電機および回転電機の回転軸保護構造
(51)【国際特許分類】
H02K 5/08 20060101AFI20240723BHJP
H02K 15/14 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
H02K5/08 Z
H02K15/14 A
(21)【出願番号】P 2021100162
(22)【出願日】2021-06-16
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】三石 健央
(72)【発明者】
【氏名】下薗 忠弘
(72)【発明者】
【氏名】安藤 宏明
(72)【発明者】
【氏名】阿部 敦
(72)【発明者】
【氏名】石井 大介
【審査官】北川 大地
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-003771(JP,U)
【文献】特開2019-097238(JP,A)
【文献】特開2018-095324(JP,A)
【文献】特開2003-267449(JP,A)
【文献】実開昭63-187573(JP,U)
【文献】実開昭63-182667(JP,U)
【文献】特開2014-204594(JP,A)
【文献】特開平10-014180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/08
H02K 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に固定子を有する外枠と、
両側部が軸受で支持され中央部に回転子を有する回転軸と、
前記軸受を回転自在に支持して前記外枠と一体に形成される一対のブラケットとを備え、
前記回転軸は少なくとも一方側のブラケットから外側に出ており、
運転を行わない輸送時、保管時に、ベルト・ロープ状部材を用いて前記回転子のスラスト方向への移動を抑制し、
前記ベルト・ロープ状部材は、その長さを調整する長さ調整部または伸縮自在な弾性材が追加され、
前記回転軸は、反負荷側で固定され、負荷側には回転軸固定用部材は取り付けられていない
ことを特徴とする回転電機。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、
前記ベルト・ロープ状部材は、ベルトまたはロープまたは紐である
ことを特徴とする回転電機。
【請求項3】
請求項1に記載の回転電機において、
前記ブラケットは、前記ベルト・ロープ状部材が係合する溝が設けられている
ことを特徴とする回転電機。
【請求項4】
請求項1に記載の回転電機において、
前記回転軸に取り付けられる羽根と、
前記羽根を保護する羽根カバーとを備え、
前記羽根カバーは、前記ベルト・ロープ状部材が係合する溝が設けられている
ことを特徴とする回転電機。
【請求項5】
内側に固定子を有する外枠と、
両側部が軸受で支持され中央部に回転子を有する回転軸と、
前記軸受を回転自在に支持して前記外枠と一体に形成される一対のブラケットとを備え、
前記回転軸は少なくとも一方側のブラケットから外側に出ており、
運転を行わない輸送時、保管時に、ベルト・ロープ状部材を用いて前記回転子のスラスト方向への移動を抑制する回転電機の回転軸保護構造において、
前記ベルト・ロープ状部材により、前記回転子を抑えることで前記回転子のスラスト方向への移動を抑制し、
前記ベルト・ロープ状部材は、その長さを調整する長さ調整部または伸縮自在な弾性材が追加され、
前記回転軸は、反負荷側で固定され、負荷側には何も取り付けられていない
ことを特徴とした回転電機の回転軸保護構造。
【請求項6】
請求項
5に記載の回転電機の回転軸保護構造において、
前記回転軸をスラスト方向に押すための固定用冶具を備えている
ことを特徴とした回転電機の回転軸保護構造。
【請求項7】
請求項
5に記載の回転電機の回転軸保護構造において、
前記回転軸をスラスト方向に押すための固定用冶具を備え、
前記固定用冶具は、前記ベルト・ロープ状部材が係合する溝または穴が設けられている
ことを特徴とする回転電機の回転軸保護構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機および回転電機の回転軸保護構造に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機の輸送時や保管時あるいは運転停止時に、外部から加わる振動が回転軸に伝わる場合がある。すると、振動が回転軸を支持する軸受に伝達され、軸受が損傷するおそれがある。そこで、回転電機の輸送時、保管時、運転停止時に軸受の損傷を防ぐことが必要になっている。
【0003】
特許文献1には、
図1等に示すように、回転電機の主軸(8)を固定するための押さえ部材(7)を適正に取り付けるために、回転電機本体とベアリングブラケット(1)との間に設けられた継ぎブラケット部(2)をスタッド(3)の固定部とし、スタッド(3)で回転電機の主軸(8)の押さえ部材(7)を固定する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-299955号公報(段落0016~0019、
図1、
図2等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図22に、回転電機100及び従来の回転軸固定構造を示す。
回転電機100は、固定子107が外枠106の内部に固定され、回転子108が回転軸101の中央部に固定されている。
回転軸101は、両端部側が軸受102、103に回転自在に支持されている。軸受102、103は、それぞれブラケット104、105に固定されている。
【0006】
電動機、発動機などの回転電機100は、その輸送中あるいは保管時等に外部から振動が加わると回転軸101に振動が伝わり、回転軸101を支持する軸受102、103が損傷を受ける場合がある。そこで従来、押さえ部材113及びスタッド114を取り付け、軸受102、103の保護を行っていた。つまり、ブラケット104を、スタッド114を固定するための固定部とする。そして、スタッド114で回転電機100の回転軸101をスラスト方向に押さえる押さえ部材113を固定する。
【0007】
しかし、上記の保護方法では、押さえ部材113を取り付ける際に、回転軸101の移動を抑えるため、回転軸101の軸端部との接触面が平行になるようスタッド114を固定する必要がある。更にスタッド114の締め付けに際してトルク管理を行う必要があり、取り付け作業の工数が多くなってしまう欠点がある。また、部材点数が多い、押さえ部材113やスタッド114のサイズが大きいことにより、保護装置(113、114)を取り外した後の廃棄コストが高くなるという問題もある。
【0008】
一方、特許文献1の構造では、押さえ部材(7)に使用する部材点数が多いことから作業性に問題がある。また、押さえ部材(7)等の部品点数の多さ及び大きさから、押さえ部材(7)等の部品の廃棄時のコストが高額となる可能性がある。
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、容易に取り付けでき、低コストの回転電機および回転電機の回転軸保護構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明の回転電機は、内側に固定子を有する外枠と、両側部が軸受で支持され中央部に回転子を有する回転軸と、前記軸受を回転自在に支持して前記外枠と一体に形成される一対のブラケットとを備え、前記回転軸は少なくとも一方側のブラケットから外側に出ており、運転を行わない輸送時、保管時に、ベルト・ロープ状部材を用いて前記回転子のスラスト方向への移動を抑制し、前記ベルト・ロープ状部材は、その長さを調整する長さ調整部または伸縮自在な弾性材が追加され、前記回転軸は、反負荷側で固定され、負荷側には回転軸固定用部材は取り付けられていないことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、容易に取り付けでき、低コストの回転電機および回転電機の回転軸保護構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2A】本発明に係る実施形態1の回転電機の回転軸保護構造の一例の上面図。
【
図2B】本発明に係る実施形態1の回転電機の回転軸保護構造の一例の側面図。
【
図3A】実施形態1におけるベルトを取り付け前の回転軸の負荷側の拡大図の一例。
【
図3B】実施形態1におけるベルトを取り付け後の回転軸の負荷側の拡大図の一例。
【
図4】ブラケットに溝を設けた一例の負荷側から回転電機を見た図。
【
図5】実施形態1における回転電機を負荷側から見た外観図の一例。
【
図6A】実施形態2における回転軸の負荷側の拡大図の一例。
【
図7A】実施形態2の他例の治具を回転軸の軸端に取り付けた状態の拡大図の一例。
【
図8A】実施形態3における回転電機の反負荷側の拡大図の一例。
【
図8B】実施形態3における回転電機の反負荷側に冶具701を装着した状態の拡大図の一例。
【
図9A】実施形態4のサイドリリースバックルを用いてベルトを留める例の開放状態を示す図。
【
図9B】実施形態4のサイドリリースバックルを用いてベルトを留めた状態を示す図。
【
図10】実施形態4のベルトの一方端部とベルトの他方端部とをフックを用いて留める例を示す図。
【
図11】ベルトの一方端部にカムバックルが取り付けられた斜視図。
【
図12A】実施形態4のベルトの一方端部とベルトの他方端部とをカムバックルを用いて留める過程の上面図。
【
図12B】実施形態4のベルトの一方端部とベルトの他方端部とをカムバックルを用いて留められている状態の斜視図。
【
図13】カムバックルとフックとを用いてベルトの一方端部と他方端部とを固定する例を示す図。
【
図14A】実施形態5における回転電機の反負荷側の拡大分解図の一例。
【
図14B】実施形態5における回転電機の反負荷側の拡大図の一例。
【
図15】実施形態5おける印をもつ回転軸の形状の一例を示す図。
【
図16A】実施形態6における回転電機の負荷側の拡大図の一例。
【
図16B】実施形態6における回転電機の負荷側の拡大断面図の一例。
【
図18A】実施形態5、実施形態6に用いる柱材の形状の一例の図。
【
図18B】実施形態5、実施形態6に用いる柱材の形状の一例の図。
【
図18C】実施形態5、実施形態6に用いる柱材の形状の一例の図。
【
図18D】実施形態5、実施形態6に用いる柱材の形状の一例の図。
【
図19A】実施形態7の回転電機の回転軸に設けられたキー溝の一例の上面図。
【
図20】実施形態7のキー溝を利用した冶具による回転軸の固定方法の一例の縦断面図。
【
図21】実施形態7のキー溝を利用した冶具による回転軸の固定方法の他例の縦断面図。
【
図22】回転電機及び従来の回転軸固定構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1Aに回転電機100の外観図を示し、
図1Bに回転電機の構造図の模式図を示す。
回転電機100は、平面状の負荷側ブラケット104および反負荷側ブラケット105と円筒状の外枠106とで外郭が形成されている。
【0013】
図1Bに示すように、回転電機100の固定子107は、外郭を形成する円筒状の外枠106の内部に固定されている。一方、回転電機100の回転子108は、回転軸101の中央部に固定されている。
回転軸101は、両端部側が軸受102、103に回転自在に支持されている。軸受102、103は、それぞれ平面状の負荷側ブラケット104と反負荷側ブラケット105に固定されている。
【0014】
回転軸101は、固定子107の内側に回転子108が対向する位置関係をもって配置される。また、外羽根109は回転軸101の負荷が設置されない反負荷側に固定されている。外羽根109は、回転軸101と共に回転し、回転電機100を冷却するための冷却用の空気の流れを形成する。外羽根カバー110は、一方端が開放された略皿形状に形成されている。
外羽根カバー110は、回転電機100の外羽根109を反負荷側から覆っている。
【0015】
外羽根カバー110は、外羽根109への接触防止のため、反負荷側ブラケット105の外周部にボルト112で固定されている。こうして、外羽根カバー110と外羽根109との間には空間が形成されている。
外羽根カバー110の反負荷側の中心部分には試験穴111が設けられている。
【0016】
<<実施形態1>>
図2Aに、本発明に係る実施形態1の回転電機100の回転軸101の保護構造の一例の上面図を示す。
図2Bに、本発明に係る実施形態1の回転電機100の回転軸101の保護構造の一例の側面図を示す。
実施形態1では、回転電機100の回転軸101がスラスト方向へ振動しないよう、ベルト201で回転軸101をスラスト方向の反負荷側へ押し付けている。
【0017】
ベルト201は回転電機100を回転軸101の延在方向に一周、もしくは外枠106の途中にベルト201の両端部を固定することで張られる(
図5の耳501参照)。ベルト201の外枠106への固定はフックのようなものを使用する。もしくはベルト201の端部同士を結ぶなどする。なお、ベルト201の留め方については後記する。
ベルト201は、例えば、輸送に使用されるプラスチック製のベルトや、革製のベルトや、伸縮性のあるベルト(ゴム製のベルト)等が挙げられる。
なお、ベルト201は、伸縮性が少ないものは、予め回転電機100に設置した際に適度な張力になるように設定する。或いは、
図11、
図12A、
図12B、
図13に示すような長さ調整可能な機構を用いる。或いは、ベルト201の一部をゴムベルト、バネ等のような伸縮自在な構成を追加してもよい。
【0018】
ベルト201は、従来の
図22に示す押さえ部材113に比べ弾性係数が大きい。また、ベルト201は、従来の
図22に示す押さえ部材113に比べて柔軟である。そのため、ベルト201は、回転軸101を傷つける恐れがないので、トルク管理の必要がない。そして、ベルト201は、柔軟な部材のため取り付け作業の工数の低減が可能である。また、部材が柔軟なベルト201のみのため、小形に変形でき廃棄に必要なコストを大幅に抑えることができる。
【0019】
<ベルト201の取り付け>
ベルト201を用いた保護方法に対し、作業性向上のための方策の一例を
図3A、
図3Bに示す。
【0020】
図3Aに、実施形態1におけるベルト201の取り付け前の回転軸101の負荷側の拡大図の一例を示し、
図3Bに、実施形態1におけるベルト201を取り付け後の回転軸101の負荷側の拡大図の一例を示す。
【0021】
図3Aに示すように、回転軸101の負荷側の軸端101tにベルト201が係合する凹状の溝301を設けている。
回転電機100の輸送、停止時に際して、
図3Bに示すように、ベルト201を負荷側の軸端101tを反負荷側に押さえるように凹状の溝301に係合させてスラスト方向に装着する。
ベルト201の取り付け作業時に、ベルト201を回転軸101の溝301に係合することで、ベルト201の位置決めを容易に行える。加えて、更に、
図3Bに示すように、ベルト201を回転電機100に取り付け後にベルト201が回転電機100に取り付けた位置から移動することを防止または抑制することが可能である。
【0022】
また、
図2Bに示すように、外羽根カバー110にベルト201が通る溝110mを設けるとよい。ベルト201を回転電機100に巻き付ける際のベルト201の位置決めが容易である。また、回転電機100の移動時、保管時等にベルト201が外れることを抑制できる。
【0023】
図4に、ブラケット104に溝401を設けた一例の負荷側から回転電機100を見た図を示す。
図4の例は、ブラケット104に回転軸101の溝301と合致する位置の外周部104gの両脇に凹状の溝401を設けている。
軸端101tではなくブラケット104に溝401を設けることで、軸端101tに溝301を設けた場合と同様の効果が得られる。
【0024】
更に、回転軸101の軸端101tに溝301を設け、かつ、ブラケット104に溝401を設けることで、より強いベルト201の移動防止の効果が得られる。
なお、ブラケット104のみに溝401を設けてもよい。
回転電機100の輸送、移動等に際して、ベルト202を、ブラケット104の外周部104gの両脇の溝401と、回転軸101の負荷側の軸端101tの溝301に通して装着する。
【0025】
溝401を設けたブラケット104の型を作製すれば、追加加工が不要となり、作業工数が削減可能である。
図5に、実施形態1における回転電機100を負荷側から見た一例の外観図を示す。
ブラケット104の外周部104gの両脇に、溝401ではなく、ベルト201を取り付け可能な略コ字状の耳501を設けることでも、溝401を設けた場合と同等のベルト201の位置決め効果や、ベルト201の移動阻止効果が得られる。
【0026】
溝401(
図4参照)ではなく
図5に示す耳501を設けた場合、耳501にベルト201を固定することで、ベルト201の長さを短くすることができ、ベルト201の材料費の削減が可能となる。
実施形態1の構成によれば、回転電機100の輸送時や保管時、運転停止時に回転軸101がスラスト方向へ振動することを抑制または防ぐことができる。
この際、使用する部材の点数が少なくなることで作業性を向上できる。更に、回転軸101の固定に使用する部材の製造や、廃棄コストを安価にすることができる。
【0027】
<<実施形態2>>
実施形態1では、
図2A、
図2Bに示すように、回転軸101をベルト201で負荷側から反負荷側に押し付けることにより、回転電機100を輸送する際の回転軸101のスラスト方向への振動を防止する構造を実現した。また、
図3A、
図3Bに示すように、回転軸101の軸端101tに溝301を加工することで、ベルト201の取り付け作業の効率を向上させることも可能とした。
【0028】
図6Aに、実施形態2における回転軸101の負荷側の拡大図の一例を示す。
図6Aでは、冶具601の断面形状を示している。
図6Bに、
図6AのI方向矢視図を示す。
【0029】
実施形態2では、回転軸101の軸端101tに溝301を設けるのではなく、回転軸101の軸端101tに、冶具601を取り付ける。
図6A、
図6Bはその一例である。冶具601は、円板部601aと短い筒状の短筒部601bとをもつ底浅の略皿形状に形成されている。冶具601は、回転軸101の軸端101tを覆う形状をもつ。冶具601は、中央部にベルト201が通る貫通穴601hもしくはその片面にベルト201が係合される溝601mが設けられる。
【0030】
図6Aに示すように、冶具601を軸端101tに取り付ける。
これにより、軸端101tと冶具601の円板部601aとの間に異物が混入することを抑制できる。
【0031】
図6Bに示すように、冶具601に設けた貫通穴601hまたは溝601mにベルト201を通し、回転軸101を冶具601とベルト201とで反負荷側に押圧する。これにより実施形態1と同等の効果が得られる。
この構成により、回転軸101の軸端101tの追加加工(
図3A参照)が不要となる。そして、軸端101tに特殊な加工が必要な製品である場合にも、溝301のような加工を施せない場合でも、実施形態1と同様に運用が可能となる。
【0032】
また、治具601は回転電機100のサイズに関わらず使用可能である。加えて、回転電機100の機種毎に冶具601を新たに製作したり、ストックする必要がない。
図7Aに、実施形態2の他例の治具602を回転軸101の軸端101tに取り付けた状態の拡大図の一例を示す。
図7Aでは、冶具602の断面形状を示している。
【0033】
図7Bに、
図7AのII方向矢視図を示す。
図7Aに示すように、実施形態2の他例の治具602は、円板部602aと長い筒状の長筒部602bとをもつ有底円筒形状に形成されている。
冶具602には、中央部にベルト201が通る貫通穴602hもしくはその片面にベルト201が係合される溝602m設けられている。
冶具602は、回転軸101の長筒部602bの開放端は、負荷側ブラケット104(
図1参照)に当接させている。ベルト201は、冶具601の中央部の貫通穴601hもしくはその片面の溝601mを通す。
【0034】
こうして、治具602のように負荷接続部分の回転軸101を覆う形状にすることで、回転軸101のスラスト方向の固定だけでなく、回転軸101の保護も兼ねることが可能である。これにより、回転軸101の防錆処理が不要となり、作業工数の削減が可能となる。
【0035】
<<実施形態3>>
図7A、
図7Bに示す実施形態2は、回転軸101の負荷側の軸端101tに冶具601、602を取り付けて、回転軸101の固定を行った。
【0036】
図8Aに、実施形態3における回転電機100の反負荷側の拡大図の一例を示し、
図8Bに実施形態3における回転電機100の反負荷側に冶具701とベルト201を装着した状態の拡大図の一例を示す。
実施形態3は、反負荷側に冶具701を取り付け、回転軸101を固定する例である。
【0037】
図8Aに示すように、外羽根カバー110の中心には試験穴111が設けられている。
実施形態3で用いられる冶具701は、円板部701aと円板部701aに立設される丸軸状の凸部701bとを有している。円板部701aには、ベルト201を通すための凹部701oが形成されている。
冶具701の凸部701bを外羽根カバー110の中心の試験穴111に挿通させ、冶具701の凸部701bを外羽根カバー110の試験穴111を介して回転軸101の端面101t1に押し付ける。
【0038】
そして、
図8Bに示すように、冶具701の凹部701bにベルト201を通し、冶具701をスラスト方向負荷側へ押し付ける(
図8Bの白抜き矢印α)ことで、回転軸101を固定する構造である。
反負荷側で回転軸101を固定することで、回転軸101の負荷側には何も取り付けられていない状態となる。そのため、負荷を取り付けた状態で、回転電機100の回転軸101を固定することが可能である。
【0039】
これにより、回転電機100の負荷側に負荷を取り付けた状態での輸送が可能となる。
<<実施形態4>>
実施形態4は、ベルト201を回転電機100に留める留め方の例を示す。
【0040】
<サイドリリースバックル11>
図9Aに、実施形態4のサイドリリースバックル11を用いてベルト201を留める例の開放状態を示し、
図9Bに、実施形態4のサイドリリースバックル11を用いてベルト201を留めた状態を示す。
ベルト201の両端部をワンタッチで互いに係合して留められるサイドリリースバックル11(11a、11b)を用意する。サイドリリースバックル11(11a、11b)は樹脂等の弾性材で形成されている。
【0041】
サイドリリースバックル11は、雌型部材11aと雄型11bとを、互いに押圧することで留められる。
雄型部材11bは、中央係合片11c、側係合片11d、11eが形成されている。側係合片11dには、幅広突起部11d1と柱状部11d2が形成されている。側係合片11eには、幅広突起部11e1と柱状部11e2が形成されている。
雌型部材11aには、雄型部材11bの中央係合片11c、側係合片11d、11eが嵌入される穴11a1が内部に形成されている。
【0042】
また、雌型部材11aには、雄型部材11bの側係合片11dの幅広突起部11d1が内部から係合される第1凹部11a2が形成されている。また、雌型部材11aには、雄型部材11bの側係合片11eの幅広突起部11e1が内部から係合される第2凹部11a3とが形成されている。
ベルト201の一方端部には、サイドリリースバックルの雌型部材11aが取り付けられている。
【0043】
ベルト201の他方端部には、サイドリリースバックルの雄型部材11bが取り付けられている。
ベルト201で、回転電機100の回転軸101を押圧しつつ、ベルト201を回転電機100の周りを1周させる。
【0044】
そして、ベルト201の一方端部の雌型部材11aの穴11a1に、雄型部材11bの中央係合片11c、側係合片11d、11eを差し入れる。すると、側係合片11dの柱状部11d2と側係合片11eの柱状部11e2とがそれぞれ内側に弾性変形して穴11a1に嵌入され、側係合片11dの幅広突起部11d1が雌型部材11aの第1凹部11a2に係合されるとともに、側係合片11eの幅広突起部11e1が雌型部材11aの第2凹部11a3に係合される。
【0045】
これにより、ベルト201の一方端部のサイドリリースバックルの雌型部材11aと、ベルト201の他方端部のサイドリリースバックルの雄型部材11bとが留められる。
上記構成によれば、ベルト201の一方端部とベルト201の他方端部とを、ワンタッチで留められる。
なお、ベルト201にたるみが生じるおそれがある場合、予め寸法をきつめに設定する。または、ゴムベルトやバネ等の弾性材を一部に追加してもよい。
なお、ベルト201の端部は、サイドリリースバックルを用いないで、紐を結ぶようにベルトの端部同士を結んで固定する方法を採用してもよい。
【0046】
<フック12>
図10に、実施形態4のベルト201の一方端部とベルト201の他方端部とをフック12を用いて留める例を示す。
フック12は、線材を用いて、かぎ状のフック部12aと取り付け部12bが形成されている。
ベルト201の一方端部には、フック12が取り付け部12bを用いて取り付けられる。ベルト201の他方端部には、フック12のフック部12aが係合される輪状部材(図示せず)が取り付けられる。
【0047】
そして、ベルト201で回転軸101を押圧しつつ、ベルト201を回転電機100の周りに1周させて、ベルト201の一方端部のフック12のフック部12aを、ベルト201の他方端部の輪状部材に係合して、ベルト201が固定される。
或いは、フック12が一対用意される。
【0048】
図10に示すように、ベルト201の一方端部は、一方のフック12が取り付け部12bに取り付けられる。ベルト201の他方端部は、他方のフック12が取り付け部12bに取り付けられる。
そして、ベルト201で回転軸101を押圧しつつ、ベルト201を回転電機100の周りに1周させて、ベルト201の一方端部のフック12のフック部12aを、ベルト201の他方端部のフック12のフック部12aに係合して、ベルト201が固定される。
なお、ベルト201にたるみが生じるおそれがある場合、予め寸法をきつめに設定する。または、ゴムベルトやバネ等の弾性材を一部に追加してもよい。
【0049】
或いは、ベルト201の両端部にフック12を取り付け、
図5に示す回転電機100の耳501や、アイボルト等にフック12のフック部12aを係合して、ベルト201を回転電機100(外枠106)に固定する。
なお、ベルト201にたるみが生じるおそれがある場合、予め寸法をきつめに設定する。または、ゴムベルトやバネ等の弾性材を一部に追加してもよい。
【0050】
<カムバックル13>
図11に、ベルト201の一方端部にカムバックル13が取り付けられた斜視図を示す。
ベルト201の一方端部に、カムバックル13が取り付けられている。
カムバックル13は、バックル刃13a1が設けられるバックル部13aがカムバックル体13bに回転自在に設けられている。
【0051】
図12Aに、実施形態4のベルト201の一方端部とベルト201の他方端部とをカムバックル13を用いて留める過程の上面図を示し、
図12Bに、実施形態4のベルト201の一方端部とベルト201の他方端部とをカムバックル13を用いて留められている状態の斜視図を示す。
【0052】
図12Aに示すように、ベルト201の一方端部がカムバックル13の取り付け部13dに取り付けられている。
ベルト201の一方端部のカムバックル13のバックル部13aが開放されている。
そして、ベルト201を回転軸101を押圧して回転電機100に1周させて、ベルト201の一方端部のカムバックル13のバックル部13aのバックル刃13a1と係合部13cとの間に、ベルト201の他方端部を挿入して、回転電機100の回転軸101の押圧力が適度になるように長さを調整する(
図12の矢印α11)。
【0053】
その後、
図12Bに示すように、カムバックル13のバックル部13aを閉じて、ベルト201の一方端部のカムバックル13のバックル部13aのバックル刃13a1でベルト201の他方端部をかんで、ベルト201の一方端部と他方端部とが固定される。
カムバックル13の方式によれば、ベルト201の長さを回転軸101の固定後に調整できるためテンションの調整が容易である。
また、ベルト201の長さを調整できるため回転電機100の体格によらず同じ長さのベルト201が使用可能である。
【0054】
<フック22とカムバックル13>
図13に、カムバックル13とフック12とを用いてベルト201の一方端部と他方端部とを固定する例を示す。
補助ベルト201hには、カムバックル13とフック12とが取り付けられている。
ベルト201の一方端部は、補助ベルト201hのカムバックル13で長さが調整される。ベルト201の他方端部には、フック12または輪状部材(図示せず)が取り付けられる。
【0055】
そして、ベルト201を回転軸101を押圧して回転電機100に1周させて、
図13に示すように、補助ベルト201hのカムバックル13のバックル部13aを開いて、回転電機100の回転軸101の押圧力が適度になるように、ベルト201の一方端部でベルト201の長さを調整する(
図13の矢印α12)。ベルト201の長さの調整後、カムバックル13のバックル部13aを閉じてバックル刃13a1でベルト201の一方端部を固定後、補助ベルト201hのフック12を、ベルト201の他方端部のフック12または輪状部材(図示せず)に係合する。これにより、ベルト201で回転軸101を押圧して回転電機100を1周して、ベルト201が固定される。
【0056】
この構成によれば、カムバックル13でベルト201の長さを調整後、フック12を係合することで、ベルト201を、回転軸101を押圧して回転電機100に1周させて容易に固定できる。
【0057】
<<実施形態5>>
実施形態1、2、3では、ベルト201を用いて回転軸101をスラスト方向に押圧することで、回転軸101の固定を行った。
【0058】
図14Aに、実施形態5における回転電機100の反負荷側の拡大分解図の一例を示し、
図14Bに、実施形態5における回転電機100の反負荷側の拡大図の一例を示す。
実施形態5では、柱材801を用いた回転軸固定構造の例を示す。
【0059】
図14Aに示すように、略皿形状をもつ外羽根カバー110は、円筒部110eを貫通するように穴802が設けられている。穴802は、円柱棒の柱材801が挿通する径を有している。
柱材801は、回転電機100の回転軸101を外羽根カバー110に固定する円柱状の棒部材である。
回転電機100の回転軸101には、穴803が設けられている。穴803は、柱材801が挿通する径を有している。
【0060】
回転軸101の反負荷側に外羽根109が固定されている。
図14Bに示すように、回転軸101に固定された外羽根109を外羽根カバー110で覆い、ボルト112で外羽根カバー110を反負荷側ブラケット105に固定する。その後、柱材801を、外羽根カバー110の一方側の穴802を挿通して、外羽根カバー110の内部に入れ、回転軸101の穴803を通して、外羽根カバー110の他方側の穴802を挿通して外部空間に出す。
【0061】
こうように、柱材801を外羽根カバー110の穴802と回転軸101の穴803を通すことで、回転軸101が固定される。本実施形態5の場合、回転軸101のスラスト方向の固定のみでなく、回転方向の固定も可能である。
実施形態5では、回転軸101の固定に必要な部材は柱材801が1本のみである。そして、取り付け作業は柱材801を外羽根カバー110の穴802と回転軸101の穴803に通すだけと容易である。
【0062】
また、回転軸101の固定を外した後の柱材801の廃棄及び保管が容易である。
図14Bに示すように、実施形態5は反負荷側で回転軸101を固定するため、負荷を取り付けた状態で回転軸101を固定することが可能である。
【0063】
図14Aに示す回転軸101に設けた穴803は外羽根カバー110で隠れているため視認できず、作業に影響が出る。その対策の一例を
図15に示す。
図15に、実施形態5おける印901をもつ回転軸101の形状の一例を示す。
回転軸101の反負荷側に設けた穴803の直線o1上の負荷側に印901が設けられる。
作業者は、回転軸101の負荷側の印901を目視することで、印901の直線o1上にある穴803の位置を把握することが可能である。
【0064】
<<実施形態6>>
図14Bに示す実施形態5は、反負荷側で柱材801を用いて回転軸101の固定を行う。そのため、ユーザーが回転軸101を柱材801で固定したままで運転を行う可能性がある。本実施形態6では回転軸101の固定装置(柱材801等)の取り外し忘れを防止するための例を示す。
【0065】
図16Aに、実施形態6における回転電機100の負荷側の拡大図の一例を示し、
図16Bに、実施形態6における回転電機100の負荷側の拡大断面図の一例を示す。
図17に、実施形態6における回転電機100を負荷側から見た外観図、つまり
図16AのIII方向矢視図を示す。
実施形態6では、
図16A、
図16Bに示すように、負荷側ブラケット104に円筒状の突起1001を設けている。
【0066】
そして、回転軸101を固定するための部材として、回転軸101を貫くことができる径をもつ円柱棒の柱材801(
図17参照)が準備される。
回転軸101には、柱材801が挿通される貫通穴1003(
図16B参照)が設けられる。これに対応して、突起1001には、回転軸101の貫通穴1003を通る位置に、柱材801が挿通される貫通穴1002(
図16A、
図17参照)を設ける。
回転軸101の固定は次のように行われる。
【0067】
負荷側ブラケット104の突起1001の貫通穴1002と、回転軸101の貫通穴1003とを合わせる。
そして、
図16A、
図16Bに示すように、柱材801を、負荷側ブラケット104の突起1001の貫通穴1002と回転軸101の貫通穴1003とを通す(
図17参照)。
こうして、負荷側ブラケット104の突起1001の貫通穴1002と、回転軸101の貫通穴1003とを通った柱材801により、回転電機100の回転軸101の固定が行われる。
【0068】
上述した如く、回転電機100の負荷側で回転軸101の固定を行うことで、ユーザーが回転軸101を固定した状態で、運転することを予防できる。また、回転軸101の負荷側の負荷取り付け部分に、固定器(ここでは、柱材801が相当)が干渉しないため、実施形態5と同様に負荷を取り付けた状態で、回転軸101の固定が可能である。
実施形態5(
図14A、
図14B参照)、実施形態6(
図16A、
図16B参照)に用いる柱材801の形状の一例を
図18A、
図18B、
図18C、
図18Dに示す。
【0069】
図18Aに示すような、柱材801の端部が嵌合できる穴1201aをもつ円柱段状のキャップ1201を準備する。
そして、柱材801の両端にそれぞれキャップ1201の穴1201aに柱材801の端部801tを嵌入して取り付けることで、柱材801が穴(1002、1003)から抜けることを防止できる。また、作業者及びユーザーが柱材801の端部801tに接触した際のケガを予防することが可能である。
【0070】
柱材801として、
図18Bに示すボルト1202及び
図18Cに示すスタッド1204を用いる。
ボルト1202、スタッド1204を、それぞれ負荷側ブラケット104の突起1001の貫通穴1002と回転軸101の貫通穴1003とに通して、それぞれの雌ねじ1202m、1204mにそれぞれナット1203a、1203bを螺着する。
この構成により、キャップ1201と同等の穴(1002、1003)から抜けることを防止する効果、およびケガ予防効果を得ることができる。
また、
図18Dに示すように、柱材801の断面を略D状1205にすることで作業時や保管時に柱材801が転がることを防止できる。
【0071】
<<実施形態7>>
実施形態6では、柱材801を用いた回転軸101の固定を行った。本実施形態7では回転軸101に設けてあるキー溝を利用した回転軸固定の一例を示す。
【0072】
図19Aに、実施形態7の回転電機100の回転軸101に設けられたキー溝1301の一例の上面図を示す。
図19Bに、
図19AのIV-IV断面図を示し、
図19Cに、
図19AのV方向矢視図を示す。
回転電機100の回転軸101には、
図19A~
図19Cに示すように、キー溝1301が設けられている。キー溝1301は、回転電機100に取り付ける負荷と回転電機100とを結合させる際に用いる。
【0073】
図20に、実施形態7のキー溝1301を利用した冶具1401による回転軸の固定方法の一例の縦断面図を示す。
負荷側ブラケット104には、ボルト1402が螺着される雌ねじ104mが設けられる。
実施形態7では、負荷側ブラケット104に当接する第1端部1401t1と、回転軸101のキー溝1301に当接する第2端部1401t2と、ボルト挿通孔1401sが形成されるL字型の冶具1401を用意する。
【0074】
キー溝1301に、L字型の冶具1401の第1端部1401t1を負荷側ブラケット104に当接させるとともに、L字型の冶具1401の第2端部1401t2を回転軸101のキー溝1301に当接させる。
そして、ボルト1402をL字型の冶具1401のボルト挿通孔1401sを挿通させて、負荷側ブラケット104の雌ねじ104mに螺着して、ボルト1402でL字型の冶具1401を負荷側ブラケット104に固定する。
【0075】
これにより、L字型の冶具1401の第2端部1401t2を、回転軸101のキー溝1301に当接させて固定することで、回転軸101をL字型の冶具1401によって固定する。
実施形態7では、回転電機100の負荷側に形成されるキー溝1301に冶具1401を取り付けている。そのため、ユーザー側で回転電機100を負荷に取り付ける際には、冶具1401を必ず取り外す必要がある。
【0076】
これにより、回転軸101を固定したまま回転電機100を運転する事故を未然に防止できる。
図21に、実施形態7のキー溝1301を利用した冶具1401による回転軸101の固定方法の他例の縦断面図を示す。
負荷側ブラケット104には、ボルト1402aが螺着される雌ねじ104m1が設けられる。
【0077】
クランク形状をもつクランク状の冶具1403が準備される。
クランク状の冶具1403は、負荷側ブラケット104に当接する第1端部1403t1と、回転軸101のキー溝1301に当接する第2端部1403t2と、ボルト挿通孔1403sが形成されている。
クランク状の冶具1403とボルト1402aとを用いて、下記のように、回転電機100の回転軸101を固定する。
【0078】
キー溝1301に、クランク状の冶具1403の第1端部1403t1を負荷側ブラケット104に当接させるとともに、クランク状の冶具1403の第2端部1403t2を回転軸101のキー溝1301に当接させる。
そして、ボルト1402aをクランク状の冶具1403のボルト挿通孔1403sを挿通させて、負荷側ブラケット104の雌ねじ104m1に螺着して、ボルト1402aでクランク状の冶具1403を負荷側ブラケット104に固定する。
【0079】
これにより、クランク状の冶具1403の第2端部1403t2を、回転軸101のキー溝1301に当接させて固定することで、回転軸101をクランク状の冶具1403によって固定する。
この構成によれば、クランク状の冶具1403を使用した場合、L字型冶具1401と同等の回転軸101を固定する効果と、回転軸101を固定したまま回転電機100を運転する事故を未然に防止する効果を得つつ、短いボルト1402aを使用することが可能である。
【0080】
<<その他の実施形態>>。
【0081】
1.本発明は、前記した実施形態では、回転軸101を固定する柔軟なベルト・ロープ状部材としてベルト201を例に挙げたが、柔軟なベルト・ロープ状部材であれば、ベルト201以外の部材、例えばロープ、紐等のその他の部材を適用してもよい。
【0082】
2.本発明は、前記した実施形態、変形例の構成に限られることなく、添付の特許請求の範囲内で様々な変形形態、具体的形態が可能である。
【符号の説明】
【0083】
100 回転電機
101 回転軸
102 負荷側軸受(軸受)
103 反負荷側軸受(軸受)
104 負荷側ブラケット(ブラケット)
105 反負荷側ブラケット(ブラケット)
106 外枠
107 固定子
108 回転子
109 外羽根(羽根)
110 外羽根カバー(羽根カバー)
110m 溝
201 ベルト(ベルト・ロープ状部材)
301 回転軸端面に設けた溝(溝)
401 ブラケット両脇に設けた溝(溝)
501 ブラケット両脇に設けた耳
601:回転軸先端に取付ける蓋状の冶具
602:回転軸先端に取付けるカバー状の冶具
701 外羽根カバーに取付ける冶具(固定用冶具)
701o 凹部(溝)
801 柱材
802:外羽根カバーに設けた穴(カバー固定用穴)
803:回転軸反負荷側に設けた穴(穴、軸固定用穴)
804:外羽根カバー及び回転軸に設けた穴
901:回転軸負荷側に設けた印
1001 負荷側ブラケットに設けた円筒(固定用部材)
1002 円筒に設けた穴(軸固定用穴)
1003 回転軸の負荷側に設けた穴(軸固定用穴)
1201 柱材に取付けるキャップ(キャップ状部材)
1202 ボルト(柱材)
1202m 雌ねじ
1203a ナット
1203b ナット
1204 スタッド(柱材)
1204m 雌ねじ
1205 柱材をDカットしたもの(略D字形の断面)
1301 キー溝
1401 L字型冶具(固定用冶具)
1403 クランク型冶具(固定用冶具)