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特許7525450高平坦銅メッキ膜の形成のための電解銅メッキ用有機添加剤及びこれを含む電解銅メッキ液
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】高平坦銅メッキ膜の形成のための電解銅メッキ用有機添加剤及びこれを含む電解銅メッキ液
(51)【国際特許分類】
   C25D 3/38 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
C25D3/38 101
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021124982
(22)【出願日】2021-07-30
(62)【分割の表示】P 2019237108の分割
【原出願日】2016-12-07
(65)【公開番号】P2022037901
(43)【公開日】2022-03-09
【審査請求日】2021-07-30
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-04
(31)【優先権主張番号】10-2016-0032872
(32)【優先日】2016-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514100360
【氏名又は名称】コリア インスティテュート オブ インダストリアル テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】KOREA INSTITUTE OF INDUSTRIAL TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】89, Yangdaegiro-gil, Ipjang-myeon,Seobuk-gu, Cheonan-si Chungcheongnam-do 331-822,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ミン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウン ヨン
【合議体】
【審判長】井上 猛
【審判官】佐藤 陽一
【審判官】土屋 知久
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-37232号公報
【文献】特表2009-541580号公報
【文献】特表2018-530675号公報
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 1/00- 3/66
C25D 5/00- 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンが形成された基板上に電解メッキ方式で銅膜を形成するための銅メッキ液に添
加される電解銅メッキ用有機添加剤であって、
前記パターン上に形成される前記銅膜の均一度及び平坦度を高めるために、少なくとも2種の平坦化剤を含み、
前記平坦化剤が、前記銅膜の表面を凸状にする第1の平坦化剤と、前記銅膜の表面を凹
状にする第2の平坦化剤とを含み、
前記銅メッキ液内で、前記第2の平坦化剤に対する前記第1の平坦化剤の濃度比が、重
量百分率(wt%)で4.2~9.8倍の範囲であり、
前記第1の平坦化剤が、下記の化学式1で示される構造を有した化合物
【化1】
(Aは、N‐ニトロソメタンアミン、N'‐ヒドロキシイミドホルムアミド、(ヒドロキ
シニトリル)メタニドアンモニア化物、ウレア、ジアゼニルメタノールまたは3‐ジアジ
リジノールのうちの一つであり、
及びTは、エーテル作用基が含まれた6個の炭素を有する分岐状構造のアルキルであり、
及びTは、単独で水素であるか、1~10個の炭素を有する線状構造のアルキルであるか、または5~20個の炭素を有する分岐状構造のアルキルであり、
m及びnの和は、5から10までの整数であり、
oは、2から30までの整数であり、
Xは、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)からなるイオン群のうちの一つである)
を含み、
前記第2の平坦化剤が、下記の化学式2で示される構造を有した化合物
【化2】
(Rは、3つの炭素を有する線状構造のアルキルであり、
は、ブチルメタクリレート、エチルメタクリレート、またはグリシジルメタクリレートのうちの一つでり、
及びRは、不飽和ヘテロ環化合物であって、アジリン、ピロール、ピラゾール、ピリジン、ジアジン、イミダゾールまたはチアジンのうちの一つであり、
q及びrの和は、150から250までの整数であり、
Xは、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)からなるイオン群のうちの一つである)
を含む
ことを特徴とする電解銅メッキ用有機添加剤。
【請求項2】
前記第1の平坦化剤が、100~500,000g/molの範囲の分子量を有する
請求項1に記載の電解銅メッキ用有機添加剤。
【請求項3】
前記第2の平坦化剤が、100~500,000g/molの範囲の分子量を有する
請求項1に記載の電解銅メッキ用有機添加剤。
【請求項4】
抑制剤及び加速剤をさらに含む
請求項1ないし3のいずれかに記載の電解銅メッキ用有機添加剤。
【請求項5】
前記抑制剤が、ポリオキシアルキレングリコール、カルボキシメチルセルロース、N-ノニルフェノールポリグリコールエーテル、オクタンジビスグリコールエーテル、オレイン酸ポリグリコールエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリ(エチレングリコール) - ブロック - ポリ(プロピレングリコール) - ブロック - ポリ(エチレングリコール)、ポリプロピレン グリコール、ポリビニルアルコール、ステアリルアルコールポリグリコールエーテル、ステアリン酸ポリグリコールエステル、3-メチル-l-ブチン-3-オール、3-メチル - ペンテン-3-オール、L-エチニルシクロヘキサノール、フェニル - プロピノール、3-フェニル-1- ブチン‐3‐オール、プロパルギルアルコール、メチルブチノールエチレンオキシド、2‐メチル‐4‐クロロ‐3‐ブチン‐2‐オール、ジメチルヘキシジオール、ジメチルヘキシジオール - エチレンオキシド、ジメチルオクチルジオール、フェニルブチノール、1,4‐ブタンジオールジグリシジルエーテルからなる物質群のうちの一つ以上を含む
請求項4に記載の電解銅メッキ用有機添加剤。
【請求項6】
前記加速剤が、(O‐エチルジチオカルボナート)‐S‐(3‐スルホプロピル) - エステル、3 - [(アミノ - イミノメチル) - チオール] ‐1‐プロパンスルホン酸、3‐(ベンゾチアゾリル‐2‐メルカプト) - プロピル - スルホン酸、ナトリウムビス - (スルホプロピル) - ジスルフィド、N、N - ジメチル - ジチオカルバミルプロピルスルホン酸、3,3 - チオビス(1 - プロパンスルホン酸)、2 - ヒドロキシ - 3 - [トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ] - 1 - プロパンスルホン酸、ナトリウム2 、3‐ジメルカプトプロパンスルホン酸、3‐メルカプト‐1‐プロパンスルホン酸、N、N‐ビス(4‐スルホブチル)‐3,5‐ジメチルアニリン、ナトリウム2‐メルカプト‐5‐ベンズイミダゾールスルホン酸、5,5′‐ジチオビス(2‐ニトロ安息香酸)、DL-システイン、4-メルカプト - ベンゼンスルホン酸、5-メルカプト-1H-テトラゾール-1-メタンスルホン酸からなる物質群のうちの一つ以上を含む
請求項4に記載の電解銅メッキ用有機添加剤。
【請求項7】
前記加速剤及び前記抑制剤が、100~100,000g/molの範囲の分子量をそれぞれ有する
請求項4に記載の電解銅メッキ用有機添加剤。
【請求項8】
銅イオンを含有する電解質と、前記電解質に添加される請求項4に記載の有機添加剤とを含む
ことを特徴とする電解銅メッキ液。
【請求項9】
前記第1の平坦化剤が、前記メッキ液の1リットル当たり0.1~1000mgの範囲の濃度で添加される
請求項8に記載の電解銅メッキ液。
【請求項10】
前記第2の平坦化剤が、前記メッキ液の1リットル当たり0.1~1000mgの範囲の濃度で添加される
請求項8に記載の電解銅メッキ液。
【請求項11】
前記抑制剤及び前記加速剤が、前記メッキ液の1リットル当たり0.1~1000mgの範囲の濃度でそれぞれ添加される
請求項8に記載の電解銅メッキ液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッキ組成物に関するものであり、特に基板上の銅メッキ膜の平坦度(flatness)を向上することのできる電解銅メッキ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
電解メッキは、外部から供給される電子を用いて金属或いは金属酸化物を電着する方法である。電解メッキシステムは、一般的な電気化学システムと同様に、電極、電解質、そして電子を供給する電源からなる。銅電解メッキのためには、パターンが形成されている基板をカソード(cathode)として使用し、リンが含まれた銅或いは不溶性物質をアノード(anode)として使用する。電解質は基本的に銅イオンを含んでおり、電解質自体の抵抗を低減するために硫酸を含み、銅イオンと添加剤との吸着性を改善するために、塩素イオンなどを含む。
【0003】
近年では、フリップチップ(flip chip)のパッケージング工程等の開発で電解メッキ工程を用いたボンディング技術が適用されることで、パターン上のメッキ膜の高平坦化に対する要求が高まりつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、パターンが形成された基板上に電解銅メッキを施す際に、メッキ後のパターンの平坦化を高める電解銅メッキ用有機添加剤及び電解銅メッキ液を提供しようとする。しかしながら、このような課題は例示的なものに過ぎず、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点による電解銅メッキ用有機添加剤は、パターンが形成された基板上に電解メッキ方式で銅膜を形成するための銅メッキ液に添加されるものであって、前記パターン上に形成される前記銅膜の均一度及び平坦度を高めるために、少なくとも2種の平坦化剤を含む。前記平坦化剤は、前記銅膜の表面を凸状にする第1の平坦化剤及び前記銅膜の表面を凹状にする第2の平坦化剤を含んでもよく、重量百分率(wt%)を基準として、前記銅メッキ液内で、前記第1の平坦化剤の濃度は、前記第2の平坦化剤の濃度よりも高くてもよい。
【0006】
前記電解銅メッキ用有機添加剤において、前記第2の平坦化剤に対する前記第1の平坦化剤の濃度比は、重量百分率(wt%)を基準として4.2~9.8倍の範囲であってもよい。
【0007】
前記電解銅メッキ用有機添加剤において、前記第1の平坦化剤は、下記の化学式1で示される構造を有した化合物を含んでもよい。
【0008】
【化1】
【0009】
(Aは、エーテル作用基、エステル作用基、及びカルボニル作用基のうちの一つ以上を含み、
及びTは、単独で水素を含むか、エーテル作用基を含む1~10個の炭素を有する線状構造のアルキルであるか、またはエーテル作用基を含む5~20個の炭素を有する分岐状構造のアルキルであり、
及びTは、単独で水素を含むか、1~10個の炭素を有する線状構造のアルキルであるか、または5~20個の炭素を有する分岐状構造のアルキルであり、
m及びnの和は、1から50までの整数であり、
oは、1から100までの整数であり、
Xは、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、硝酸塩(NO)、硫酸塩(SO)、炭酸塩(CO)、及び水酸基(OH)からなるイオン群のうちの一つ以上を含む)
【0010】
前記電解銅メッキ用有機添加剤において、前記第2の平坦化剤は、下記の化学式2で示される構造を有した化合物を含んでもよい。
【0011】
【化2】
【0012】
(Rは、単独で水素を含むか、または1~10個の炭素を有する線状構造のアルキルであるか、または5~20個の炭素を有する分岐状構造のアルキルであり、
は、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ブチルメタクリレート、エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルエステル、グリシジルアミン、及びグリシドールからなる物質群のうちの一つ以上を含み、
及びRは、一つまたは二つのヘテロ原子(窒素、酸素、硫黄、リン等)を含む不飽和ヘテロ環化合物であって、アジリン、オキシリン、チイレン、ジアジリン、アゼト、オキセト、チエト、ジオキセト、ジチエト、ピロール、フラン、チオフェン、ホスホール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピラン、チオピラン、ホスフィニン、ジアジン、オキサジン、チアジン、ジオキシン、ジチイン、アゼピン、オキセピン、チエピン、ジアゼピン、チアゼピン、及びアゾシンからなる物質群のうちの一つ以上を含み、
q及びrの和は、1から300までの整数であり、
Xは、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、硝酸塩(NO)、硫酸塩(SO)、炭酸塩(CO)、及び水酸基(OH)からなるイオン群のうちの一つ以上を含む)
【0013】
前記電解銅メッキ用有機添加剤は、抑制剤及び加速剤をさらに含んでもよい。
【0014】
前記電解銅メッキ用有機添加剤において、前記抑制剤は、Polyoxyalkylene glycol、Carboxymethylcellulose、N‐nonylphenolpoly glycol ether、Octandiobis glycol ether、Oleic acid polyglycol ester、Polyethylene glycol、Polyethylene glycol dimethyl ether、Poly(ethylene glycol)‐block‐poly(propylene glycol)‐block‐poly(ethylene glycol)、Polypropylene glycol、Poly vinyl alcohol、Stearyl alcoholpolyglycol ether、Stearic acidpolyglycol ester、3‐Methyl‐l‐butyne‐3‐ol、3‐Methyl‐pentene‐3‐ol、L‐ethynylcyclohexanol、phenyl‐propynol、3‐Phenyl‐l‐butyne‐3‐ol、Propargyl alcohol、Methyl butynol‐ethylene oxide、2‐Methyl‐4‐chloro‐3‐butyne‐2‐ol、Dimethyl hexynediol、Dimethylhexynediol‐ethylene oxide、Dimethyloctynediol、Phenylbutynol、及び1,4‐Butandiol Diglycidyl Etherからなる物質群のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0015】
前記電解銅メッキ用有機添加剤において、前記加速剤は、(O‐Ethyldithiocarbonato)‐S‐(3‐sulfopropyl)‐ester、3‐[(Amino‐iminomethyl)‐thiol]‐1‐propanesulfonic acid、3‐(Benzothiazolyl‐2‐mercapto)‐propyl‐sulfonic acid、sodium bis‐(sulfopropyl)‐disulfide、N,N‐Dimethyl‐dithiocarbamyl propyl sulfonic acid、3,3‐Thiobis(1‐propanesulfonic acid)、2‐Hydroxy‐3‐[tris(hydroxymethyl) methylamino]‐1‐propanesulfonic acid、sodium2,3‐dimercaptopropanesulfonate、3‐Mercapto‐1‐propanesulfonic acid、N,N‐Bis(4‐sulfobutyl)‐3,5‐dimethylaniline、sodium2‐Mercapto‐5‐benzimidazolesulfonic acid、5,5′‐Dithiobis(2‐nitrobenzoic acid)、DL‐Cysteine、4‐Mercapto‐Benzenesulfonic acid、及び5‐Mercapto‐1H‐tetrazole‐1‐methanesulfonic acidからなる物質群のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0016】
本発明の他の観点による電解銅メッキ液は、銅イオンを含む電解質と前記電解質に添加される前述の有機添加剤とを含む。
【0017】
前記電解銅メッキ液内で、前記第1の平坦化剤は、前記メッキ液の1リットル当たり0.1~1000mgの濃度で添加されてもよい。
【0018】
前記電解銅メッキ液内で、前記第2の平坦化剤は、前記メッキ液の1リットル当たり0.1~1000mgの範囲の濃度で添加されてもよい。
【0019】
前記電解銅メッキ液内で、前記抑制剤及び前記加速剤は、前記メッキ液の1リットル当たり0.1~1000mgの範囲の濃度でそれぞれ添加されてもよい。
【発明の効果】
【0020】
前述したようになされた本発明の一実施例による電解銅メッキ用有機添加剤及び電解銅メッキ液によると、基板上のパターンの内部に均一かつ平坦な銅メッキ膜の蒸着が可能であるため、これを用いて製造される素子は電気的な特性に優れ、信頼性の高いものとすることができる。勿論、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】本発明による実験例1の条件下で基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真
図1B図1Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査(scan)した銅メッキ膜のプロファイル
図2A】本発明による実験例2の条件下で基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真
図2B図2Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査した銅メッキ膜のプロファイル
図3A】本発明による実験例3の条件下で基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真
図3B図3aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査した銅メッキ膜のプロファイル
図4A】本発明による実験例4の条件下で基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真
図4B図4Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査した銅メッキ膜のプロファイル
図5A】本発明による実験例5の条件下で基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真
図5B図5Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査した銅メッキ膜のプロファイル
図6A】本発明による実験例6の条件下で基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真
図6B図6Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査した銅メッキ膜のプロファイル
図7A】本発明による実験例7の条件下で基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真
図7B図7Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査した銅メッキ膜のプロファイル
図8A】本発明による実験例8の条件下で基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真
図8B図8Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査した銅メッキ膜のプロファイル
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照に本発明の実験例を詳しく説明すると次のとおりである。しかしながら、本発明は、以下に開示される実験例に限定されるものではなく、他の様々な形態に具現することができるものであって、以下の実験例は、本発明の開示が完全になるようにし、当業者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。また、説明の便宜のため、図面では構成要素のサイズが誇張または縮小されることがある。
【0023】
図面において、例えば、製造技術及び/または公差(tolerance)によって、図示された形状の変形が予想されることがある。従って、本発明思想の実験例は、本明細書に図示された領域の特定の形状に制限されたものと解釈されてはならず、例えば、製造上に引き起こされる形状の変化も含まれるべきである。
【0024】
本発明の実施例において、電解メッキ方式は、電気を印加するという点で無電解メッキ方式と区分される。また、本発明の実施例において、電解銅メッキは、電解メッキ方式によって銅をメッキすることを称することができる。
【0025】
本発明の実施例による電解銅メッキ用有機添加剤は、電解メッキ方式で銅膜を形成するための銅メッキ液に添加されてもよい。例えば、銅メッキ液は、基本的に銅イオンを含む電解質を含み、付加的に、これに添加される添加剤を含んでもよい。例えば、銅メッキ液は、電解質に、その抵抗を低減するための硫酸、銅イオンと添加剤との吸着性を改善するための塩素イオンを含んでもよい。
【0026】
本発明の一実施例による電解銅メッキ用有機添加剤は、パターンが形成された基板上に電解メッキ方式で銅膜を形成するための銅メッキ液に添加されるものであって、このようなパターン上に形成される銅膜の均一度及び平坦度を高めるために、少なくとも2種の平坦化剤を含んでもよい。このように、銅膜の均一度及び平坦度が高くなると、銅膜が形成された後のパターンの均一度及び平坦度もまた高くなる。
【0027】
例えば、このような平坦化剤は、銅膜の表面を凸状にする第1の平坦化剤と、銅膜の表面を凹状にする第2の平坦化剤とを含んでもよい。
【0028】
前記第1の平坦化剤は、下記の化学式1で示される構造を有した化合物を含んでもよい。
【0029】
【化3】
【0030】
(Aは、エーテル作用基、エステル作用基、及びカルボニル作用基のうちの一つ以上を含み、
及びTは、単独で水素を含むか、エーテル作用基を含む1~10個の炭素を有する線状構造のアルキルであるか、またはエーテル作用基を含む5~20個の炭素を有する分岐状構造のアルキルであり、
及びTは、単独で水素を含むか、1~10個の炭素を有する線状構造のアルキルであるか、または5~20個の炭素を有する分岐状構造のアルキルであり、
m及びnの和は、1から50までの整数であり、
oは、1から100までの整数であり、
Xは、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、硝酸塩(NO)、硫酸塩(SO)、炭酸塩(CO)、及び水酸基(OH)からなるイオン群のうちの一つ以上を含んでもよい。)
【0031】
前記第1の平坦化剤の分子量の範囲は、100~500,000g/molであり、電解銅メッキ液の1リットル当たり0.1~1000mgの濃度で添加されてもよい。
【0032】
このような第1の平坦化剤は、パターンが存在する基板上に銅膜を形成するための電解銅メッキ工程において、電流密度が高く形成されるメッキ膜部位に吸着して銅イオンの還元を抑制することで銅メッキ膜の均一度及び平坦度を改善し、その結果、メッキ後のパターンの均一度及び平坦度を改善することができる。
【0033】
前記第2の平坦化剤は、下記の化学式2で示される構造を有した化合物を含んでもよい。
【0034】
【化4】
【0035】
(Rは、単独で水素を含むか、または1~10個の炭素を有する線状構造のアルキルであるか、または5~20個の炭素を有する分岐状構造のアルキルであり、
は、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ブチルメタクリレート、エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルエステル、グリシジルアミン、及びグリシドールからなる物質群のうちの一つ以上を含み、
及びRは、一つまたは二つのヘテロ原子(窒素、酸素、硫黄、リン等)を含む不飽和ヘテロ環化合物であって、アジリン、オキシリン、チイレン、ジアジリン、アゼト、オキセト、チエト、ジオキセト、ジチエト、ピロール、フラン、チオフェン、ホスホール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピラン、チオピラン、ホスフィニン、ジアジン、オキサジン、チアジン、ジオキシン、ジチイン、アゼピン、オキセピン、チエピン、ジアゼピン、チアゼピン、及びアゾシンからなる物質群のうちの一つ以上を含み、
q及びrの和は、1から300までの整数であり、
Xは、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、硝酸塩(NO)、硫酸塩(SO)、炭酸塩(CO)、及び水酸基(OH)からなるイオン群のうちの一つ以上を含んでもよい。)
【0036】
このような第2の平坦化剤は、100~500,000g/molの範囲の分子量を有し、前記メッキ液の1リットル当たり0.1~1000mgの範囲の濃度で添加されてもよい。
【0037】
このような第2の平坦化剤は、パターンが存在する基板上に銅膜を形成するための電解銅メッキ工程において、電流密度が高く形成されるメッキ膜部位に吸着して銅イオンの還元を抑制することで銅メッキ膜の均一度及び平坦度を改善し、その結果、メッキ後のパターンの均一度及び平坦度を改善することができる。
【0038】
本発明の一部実施例による電解銅メッキ用有機添加剤は、抑制剤(suppressor)及び/または加速剤(accelerator)をさらに含んでもよい。
【0039】
例えば、抑制剤は、電解銅メッキ工程において、銅の還元を抑制しながらメッキ液の濡れ性を向上させ、パターンを有する基板上に銅膜が容易に形成されるように手伝うことができる。例えば、抑制剤は、Polyoxyalkylene glycol、Carboxymethylcellulose、N‐nonylphenolpoly glycol ether、Octandiobis glycol ether、Oleic acid polyglycol ester、Polyethylene glycol、Polyethylene glycol dimethyl ether、Poly(ethylene glycol)‐block‐poly(propylene glycol)‐block‐poly(ethylene glycol)、Polypropylene glycol、Poly vinyl alcohol、Stearyl alcoholpolyglycol ether、Stearic acidpolyglycol ester、3‐Methyl‐l‐butyne‐3‐ol、3‐Methyl‐pentene‐3‐ol、L‐ethynylcyclohexanol、phenyl‐propynol、3‐Phenyl‐l‐butyne‐3‐ol、Propargyl alcohol、Methyl butynol‐ethylene oxide、2‐Methyl‐4‐chloro‐3‐butyne‐2‐ol、Dimethyl hexynediol、Dimethylhexynediol‐ethylene oxide、Dimethyloctynediol、Phenylbutynol、及び1,4‐Butandiol Diglycidyl Etherからなる物質群のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0040】
このような抑制剤は、100~100,000g/molの範囲の分子量を有し、メッキ液の1リットル当たり0.1~1000mgの範囲の濃度で添加されてもよい。
【0041】
前記加速剤は、電解銅メッキ工程において、メッキ液の過電圧を低減させて高い密度の核を生成させる物質であり、銅の還元反応速度を加速化して核の生成及び成長を向上する役割を果たすことができる。例えば、加速剤は、(O‐Ethyldithiocarbonato)‐S‐(3‐sulfopropyl)‐ester、3‐[(Amino‐iminomethyl)‐thiol]‐1‐propanesulfonic acid、3‐(Benzothiazolyl‐2‐mercapto)‐propyl‐sulfonic acid、sodium bis‐(sulfopropyl)‐disulfide、N,N‐Dimethyl‐dithiocarbamyl propyl sulfonic acid、3,3‐Thiobis(1‐propanesulfonic acid)、2‐Hydroxy‐3‐[tris(hydroxymethyl)methylamino]‐1‐propanesulfonic acid、sodium2,3‐dimercaptopropanesulfonate、3‐Mercapto‐1‐propanesulfonic acid、N,N‐Bis(4‐sulfobutyl)‐3,5 ‐dimethylaniline、sodium2‐Mercapto‐5‐benzimidazolesulfonic acid、5,5′‐Dithiobis(2‐nitrobenzoic acid)、DL‐Cysteine、4‐Mercapto‐Benzenesulfonic acid、及び5‐Mercapto‐1H‐tetrazole‐1‐methanesulfonic acidからなる物質群のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0042】
このような加速剤は、100~100,000g/molの範囲の分子量を有し、メッキ液の1リットル当たり0.1~1000mgの範囲の濃度で添加されてもよい。
【0043】
本発明の一部実施例による電解銅メッキ液は、銅イオンが含有された電解質に、前述の有機添加剤を含んでもよい。付加的に、電解銅メッキ液は、電解質の抵抗を低減するための硫酸、銅イオンと、添加剤の吸着性を改善するための塩素イオンとをさらに含んでもよい。
【0044】
このような電解銅メッキ液は、基板、例えば、半導体ウェーハ上にパターンが形成され、このようなパターン内に選択的に銅メッキを施す際に有用であり得る。さらに、このような電解銅メッキ液は、メッキの速度が高いために厚膜メッキができることによって、厚膜銅メッキを必要とするインダクターのような受動素子、電力素子等の形成の際に利用できる。
【0045】
本発明の一部実施例による電解銅メッキの方法は、前述の電解銅メッキ有機添加剤が含有された電解銅メッキ液を用いて電解メッキの方法で銅膜を形成する段階を含んでもよい。このような電解銅メッキの方法は、多段階の直流電流印加またはパルス電流印加を通じて行われることができる。
【0046】
例えば、基板は、シリコンウェーハ上にフォトレジストパターンが形成された構造を利用し、このような基板上に電解銅メッキ法で銅膜を形成することができる。例えば、このような銅膜は、パターン上に10μm以上の厚さに厚く形成される厚膜銅であってもよく、この場合、インダクターのような受動素子または電力素子の配線等に利用され得る。さらに、厚膜銅膜は、インダクターまたは配線用として10~50μmの厚さを有してもよい。ただし、本発明による電解銅メッキ用添加剤または電解銅メッキ液を用いて形成された銅膜の厚さがこのような厚さに限定されるものではない。
【0047】
以下、本発明の技術的思想を具体的に具現した実験例を提供する。ただし、下記の実験例は、本発明の理解を容易にするためだけのものであり、本発明が下記の実験例によって限定されるものではない。
(実験例)
【0048】
本実験例では、パターンを有するウェーハ上に10μmの厚さ以上に銅メッキを施した。また、1段階ないし4段階の多段階の電流印加を通じて銅電解メッキを施しており、1ASDないし15ASD(Ampere per Square Deci‐metre)の電流密度の範囲で電流を印加した。
【0049】
実験例1ないし8において、共通してメッキ液の1リットル当たり100gの銅イオンと、150gの硫酸イオンと、50mgの塩素イオンと、抑制剤として芳香族炭化水素を含むポリエチレンオキシド(poly ethylene oxide)誘導体と、加速剤としてメルカプト基が含まれた有機化合物が添加された。
【0050】
付加的に、実験例1には、有機添加剤として第1の平坦化剤がさらに添加され、実験例2には、有機添加剤として第2の平坦化剤がさらに添加され、実験例3には、有機添加剤として第1の平坦化剤及び第2の平坦化剤がさらに添加された。
【0051】
実験例4ないし8では、メッキ液に添加される第1の平坦化剤及び第2の平坦化剤の濃度の割合について様々な実験が行われた。実験例において、メッキ液に添加される適切な濃度の割合の基準は、メッキの際にパターンの上部の最高点から最低点の銅メッキ膜の厚さの差は2.0μm以下、厚さの均一度(max‐min uniformity)は3.0%以下に設定した。下記は、例示的な実験例の条件を示し、下記の実験例においてメッキ液の濃度は、重量百分率(wt%)を基準として示した。
【0052】
例えば、実験例1及び8において、第1の平坦化剤のAは、N‐ニトロソメタンアミン、N'‐ヒドロキシイミドホルムアミド、(ヒドロキシニトリル)メタニドアンモニア化物、ウレア、ジアゼニルメタノール、3‐ジアジリジノールのうちの一つである。第1の平坦化剤のTは、単独で水素を含み、第1の平坦化剤のTは、エーテル作用基が含まれた6個の炭素を有する分岐状構造のアルキルである。第1の平坦化剤のm及びnの和は、5ないし10の整数であり、第1の平坦化剤のoは、2ないし30の整数である。第1の平坦化剤のXは、ハロゲンイオンのうちの一つである。
【0053】
第2の平坦化剤のRは、3つの炭素を有する線状構造のアルキルであり、第2の平坦化剤のRは、ブチルメタクリレート、エチルメタクリレート、またはグリシジルメタクリレートのうちの一つである。第2の平坦化剤のR及びRは、不飽和ヘテロ環化合物であって、アジリン、ピロール、ピラゾール、ピリジン、ジアジン、イミダゾールまたはチアジンのうちの一つである。第2の平坦化剤のq及びrの和は、150から250までの整数であり、第2の平坦化剤のXは、ハロゲンイオンのうちの一つである。
【0054】
実験例4ないし8において、有機添加剤として第1の平坦化剤及び第2の平坦化剤が添加され、メッキ液に添加された第2の平坦化剤に対する第1の平坦化剤の濃度比は、2.9~11.5倍の範囲である。
【0055】
実験例4において、有機添加剤としてメッキ液に添加された第2の平坦化剤に対する第1の平坦化剤の濃度比は4.2倍であり、実験例5において、有機添加剤のうち第2の平坦化剤に対する第1の平坦化剤の濃度比は7.0倍であり、実験例6において、有機添加剤のうち第2の平坦化剤に対する第1の平坦化剤の濃度比は9.8倍であり、実験例7において、有機添加剤のうち第2の平坦化剤に対する第1の平坦化剤の濃度比は2.8倍であり、実験例8において、有機添加剤のうち第2の平坦化剤に対する第1の平坦化剤の濃度比は11.2倍である。
【0056】
図1Aは、本発明による実験例1の条件下で、基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真であり、図1Bは、図1Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査(scan)した銅メッキ膜のプロファイルである。
【0057】
図1A及び図1Bに図示されたように、実験例1によるメッキ膜の場合、パターン上部の真ん中の部分に凸状の銅メッキ膜が形成されており、パターン上部の銅メッキ膜の厚さの差は、約5.3μmと示された。
【0058】
図2Aは、本発明による実験例2の条件下で、基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真であり、図2Bは、図2Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査した銅メッキ膜のプロファイルである。
【0059】
図2A及び図2Bに図示されたように、実験例2によるメッキ膜の場合、パターン上部の真ん中の部分に凹状の銅メッキ膜が形成されており、パターン上部の最高点から最低点の銅メッキ膜の厚さの差は、約6.3μmと示された。
【0060】
図3Aは、本発明による実験例3の条件下で、基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真であり、図3Bは、図3Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査した銅メッキ膜のプロファイルである。
【0061】
図3A及び図3Bに図示されたように、実験例3によるメッキ膜の場合、パターン上部の真ん中の部分に大体平坦状の銅メッキ膜が形成されており、パターン上部の最高点から最低点の銅メッキ膜の厚さの差は、約1.7μmと示された。
【0062】
実験例3の場合、実験例1と実験例2に比べてパターン表面の平坦度が改善されたことが分かる。
【0063】
図4Aは、本発明による実験例4の条件下で、基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真であり、図4Bは、図4Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査(scan)した銅メッキ膜のプロファイルである。
【0064】
図4A及び図4Bに図示されたように、実験例4によるメッキ膜の場合、メッキ液に添加された第2の平坦化剤に対する第1の平坦化剤の濃度比が4.2倍であって、パターンの上部の最高点から最低点の銅メッキ膜の厚さの差は2.0μm、厚さの均一度は2.0%と示された。
【0065】
図5Aは、本発明による実験例5の条件下で、基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真であり、図5Bは、図5Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査した銅メッキ膜のプロファイルである。
【0066】
図5A及び図5Bに図示されたように、実験例5によるメッキ膜の場合、メッキ液に添加された第2の平坦化剤に対する第1の平坦化剤の濃度比が7.0倍であって、パターンの上部の最高点から最低点の銅メッキ膜の厚さの差は1.4μm、厚さの均一度は1.8%と示された。
【0067】
図6Aは、本発明による実験例6の条件下で、基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真であり、図6Bは、図6Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査した銅メッキ膜のプロファイルである。
【0068】
図6A及び図6Bに図示されたように、実験例6によるメッキ膜の場合、メッキ液に添加された第2の平坦化剤に対する第1の平坦化剤の濃度比が9.8倍であって、パターンの上部の最高点から最低点の銅メッキ膜の厚さの差は1.5μm、厚さの均一度は1.9%と示された。
【0069】
図7Aは、本発明による実験例7の条件下で、基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真であり、図7Bは、図7Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査(scan)した銅メッキ膜のプロファイルである。
【0070】
図7A及び図7Bに図示されたように、実験例7によるメッキ膜の場合、メッキ液に添加された第2の平坦化剤に対する第1の平坦化剤の濃度比が2.8倍であって、パターンの上部の最高点から最低点の銅メッキ膜の厚さの差は3.2μm、厚さの均一度は4.3%で、前記で設定したメッキ特性の基準(パターンのメッキ膜の厚さの差:2.0μm以下、厚さの均一度(max‐min uniformity):3.0%)を満たすことができなかった。また、メッキ膜の表面も非常に荒かった。
【0071】
図8Aは、本発明による実験例8の条件下で、基板上に電解銅メッキが施された結果物を示すための走査電子顕微鏡(SEM)の写真であり、図8Bは、図8Aの結果物に対して表面分析器(surface profiler)を用いて走査(scan)した銅メッキ膜のプロファイルである。
【0072】
図8A及び図8Bに図示されたように、実験例8によるメッキ膜の場合、メッキ液に添加された第2の平坦化剤に対する第1の平坦化剤の濃度比が11.2倍であって、パターンの上部が「m」字状に形成され、パターンの上部の最高点から最低点の銅メッキ膜の厚さの差は4.7μm、厚さの均一度は5.6%で、前記で設定したメッキ特性の基準を満たすことができなかった。
【0073】
前述の実験の結果、平坦なメッキ膜を形成するためにメッキ液に添加される有機添加剤において、重量百分率(wt%)の基準からみると、第1の平坦化剤の濃度が第2の平坦化剤の濃度よりも高くなるように設定されてもよい。さらに、メッキ膜パターンの上部の最高点から最低点の銅メッキ膜の厚さの差が2.0μm以下、厚さの均一度を3.0%以下に設定する場合、第2の平坦化剤に対する第1の平坦化剤の濃度比は、2.0~12.0倍の範囲を有するように設定されてもよく、好ましくは4.2~9.8倍の範囲を有するように設定されてもよい。
【0074】
本発明は、図面に図示された実験例を参考として説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有した者であれば、これらから様々な変形及び均等な他の実験例が可能であるということを理解することができる。従って、本発明の真正の技術的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B