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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】投げ釣り用補助装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/00 20060101AFI20240723BHJP
   A01K 91/02 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
A01K87/00 640D
A01K87/00 640Z
A01K91/02 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021168553
(22)【出願日】2021-10-14
(65)【公開番号】P2023058821
(43)【公開日】2023-04-26
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】安田 悠
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-216938(JP,A)
【文献】実開昭61-207174(JP,U)
【文献】特開2019-154418(JP,A)
【文献】特開平10-327725(JP,A)
【文献】特開2017-093374(JP,A)
【文献】特開2020-080766(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0241408(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0109461(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 87/00
A01K 91/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リールから繰り出される釣糸を拘束し、釣竿のキャスティング操作時に前記釣糸の拘束を解除して仕掛けをポイントに投入するのを補助する投げ釣り用補助装置において、
前記釣竿又はリールに装着される本体と、
前記本体に設けられ、閉空間を形成し、前記閉空間内に前記釣糸を拘束する拘束状態と、前記閉空間から前記釣糸を解放する開放状態とを切り替えることが可能な釣糸拘束部材と、
前記釣糸拘束部材を、拘束状態から開放状態へ駆動すると共に開放状態から拘束状態へ駆動する駆動機構と、
検知手段からの入力信号によって前記駆動機構の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記検知手段からのトリガー信号を受信した際、前記駆動機構を駆動して前記釣糸拘束部材を拘束状態から開放状態へ駆動する、ことを特徴とする投げ釣り用補助装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記釣糸拘束部材に釣糸が接近した際、検知信号を発生する釣糸接近検知センサを備えており、
前記制御部は、前記釣糸接近検知センサからの検知信号を受信した際、前記駆動機構を駆動して前記釣糸拘束部材を開放状態から拘束状態へ駆動する、ことを特徴とする請求項1に記載の投げ釣り用補助装置。
【請求項3】
前記検知手段は、釣糸の張力を検出する張力検出センサを備えており、
前記制御部は、前記張力検出センサで検出される張力が所定値以上であることを検出した際に、前記駆動機構を駆動して前記釣糸拘束部材を拘束状態から開放状態へ駆動する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の投げ釣り用補助装置。
【請求項4】
前記検知手段は、釣竿に加わる加速度、角速度、角加速度のうちの少なくとも一つを検出するモーションセンサを備え、
前記制御部は、釣竿に加わる加速度、角速度、角加速度のうちの少なくとも一つが所定の条件を満たした際に、前記駆動機構を駆動して前記釣糸拘束部材を拘束状態から開放状態へ駆動する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の投げ釣り用補助装置。
【請求項5】
前記検知手段は、釣竿に加わる加速度、角速度、角加速度のうちの少なくとも一つを検出するモーションセンサを備え、
前記制御部は、前記モーションセンサの出力値により釣竿の姿勢を算出し、前記釣竿の姿勢が所定の条件を満たした際に、前記駆動機構を駆動して前記釣糸拘束部材を拘束状態から開放状態へ駆動する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の投げ釣り用補助装置。
【請求項6】
リールから繰り出される釣糸を拘束し、釣竿のキャスティング操作時に前記釣糸の拘束を解除して仕掛けをポイントに投入するのを補助する投げ釣り用補助装置において、
前記釣竿又はリールに装着される本体と、
前記本体に設けられ、閉空間を形成し、前記閉空間内に前記釣糸を拘束する拘束状態と、前記閉空間から前記釣糸を解放する開放状態とを切り替えることが可能な釣糸拘束部材と、
前記釣糸拘束部材を、拘束状態から開放状態へ駆動すると共に開放状態から拘束状態へ駆動する駆動機構と、
検知手段からの入力信号によって前記駆動機構の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、外部からトリガー信号を受信する受信部を有し、
前記制御部は、外部からトリガー信号を受信した際に、前記駆動機構を駆動して前記釣糸拘束部材を拘束状態から開放状態へ駆動する、ことを特徴とする投げ釣り用補助装置。
【請求項7】
前記トリガー信号を発する条件を設定するトリガー条件設定部をさらに内部に有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の投げ釣り用補助装置
【請求項8】
前記制御部は、外部機器に設けられたトリガー条件設定部からのトリガー条件を受信する通信部を有することを特徴とする請求項6に記載の投げ釣り用補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投げ釣りをする際に用いられる投げ釣り用補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、投げ釣り用竿にリール(スピニングリール)を装着して、ルアーや錘などの仕掛け(投擲対象物とも称する)をポイントに向けて投入する場合、リールのベールを倒し、スプールに巻きつけられた釣糸を人差し指で引っ掛け、釣竿をスイングする操作が行なわれる。この操作では、釣竿をスイング操作している最中に適切なタイミングで、釣糸に引っ掛けている人差し指を開放する必要がある。
【0003】
ところで、釣りの経験が無い人、経験が浅い人は、前記スイング操作している最中に、人差し指に引っ掛けてある釣糸を放すタイミングが難しく、投入ポイントとは違う方向(左右方向に投げる、直ぐ手前に投げる等)に投げ出されて、狙ったポイントに仕掛けを投入できなかったり、周囲の人に迷惑をかけるおそれがある。
【0004】
このような問題を解決するために、特許文献1には、釣糸に人差し指を引っ掛けることなく、弾性手段によって押圧された拘束部材によって釣糸を挟み込み、釣竿をスイングした際、釣糸にかかる張力が所定値以上になったときに釣糸の拘束を解除するように構成された投げ釣り用補助装置が開示されている。この投げ釣り用補助装置によれば、釣糸に対する拘束を外す押圧力を適切な値に設定することで、釣竿をスイングした際、タイミング良く拘束を外すことができ、初心者でも比較的容易に仕掛けを目的のポイントに投入することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-101864号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている投げ釣り用補助装置には、以下のような課題がある。
前記拘束部材を弾性手段によって押圧しているため、釣糸を拘束部材にセットする際、所定値以上の張力をかける必要があるが、この力が割と強く、セッティングの作業性が悪いという問題がある。また、2つの凸面を持つ拘束部材で釣糸を挟むため、細い釣糸を使用する場合は、拘束が外れることがあり、張力がばらつきやすい。さらに、釣糸に対する押圧力の最適値は、釣糸の太さや錘の重さ、釣竿の長さ、釣竿を振る速さ等、様々なパラメータによって変化する。このため、ネジでチャージ量を変えるだけでは、条件を変えたときの設定値の最適化が難しい。
【0007】
本発明は、上記した課題に着目してなされたものであり、釣糸をセッティングする際の作業性が良く、釣糸の太さに関係なく最適な状態でキャスティング操作が行なえる投げ釣り用補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明は、リールから繰り出される釣糸を拘束し、釣竿のキャスティング操作時に前記釣糸の拘束を解除して仕掛けをポイントに投入するのを補助する投げ釣り用補助装置において、前記釣竿又はリールに装着される本体と、前記本体に設けられ、前記釣糸を拘束状態及び開放状態に切り替えることが可能な釣糸拘束部材と、前記釣糸拘束部材を、拘束状態から開放状態へ駆動すると共に開放状態から拘束状態へ駆動する駆動機構と、検知手段からの入力信号によって前記駆動機構の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記検知手段からのトリガー信号を受信した際、前記駆動機構を駆動して前記釣糸拘束部材を拘束状態から開放状態へ駆動する、ことを特徴とする。
【0009】
上記した構成の投げ釣り用補助装置は、前記本体に、釣糸を拘束状態及び開放状態に切り替えることが可能な釣糸拘束部材が配設されており、釣糸拘束部材が開放状態のときに釣糸をセッティングすることが可能となっている。また、前記制御部によって、その状態が制御されるようになっており、検知手段から入力信号が入力された際、駆動機構が駆動されて、釣糸の拘束状態から開放状態へ駆動されることから、釣竿のスイング操作時に、安定した状態で最適なタイミングで釣糸を放出することが可能となる。このため、狙ったポイントに投擲対象物を投入することが容易に行えるようになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、仕掛けを投げる際のセッティングの作業性が良く、釣糸の太さに関係なく最適な状態に設定することが可能な投げ釣り用補助装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る投げ釣り用補助装置の一実施形態を示す図であり、スピニングリールを装着した釣竿に取り付けた状態を示す斜視図。
図2図1に示す投げ釣り用補助装置の分解斜視図。
図3図2に示す投げ釣り用補助装置の可動ユニットの構成を示した分解斜視図。
図4】投げ釣り用補助装置の構成要素の概略を示す図。
図5】釣糸を拘束位置に向けて案内する状態を示す図。
図6】釣糸を拘束位置に案内した状態を示す図。
図7図6に示す状態から拘束部材が駆動されて釣糸の拘束状態を示す図。
図8】(a)~(g)は、釣人が釣竿をスイングして仕掛けを所定ポイントに向けて投入する一連の動作を示す概略図。
図9】外部装置(スマートフォン)の表示画像の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る投げ釣り用補助装置(以下、補助装置と称する)の一実施形態について説明する。
図1から図3は、補助装置の構成を示す図であり、図1は、スピニングリールを装着した釣竿に取り付けた状態を示す斜視図、図2は、分解斜視図、図3は、可動ユニットの構成を示した分解斜視図である。
【0013】
図1に示すように、補助装置1は、スピニングリール200を取付けた釣竿300に取り付け可能に構成される。補助装置1は、グリップ301の付近で、リール取付部303よりもやや竿先側で、最も基端側のガイド部305よりも基端側の竿杆(元竿杆)に取り付けられる。補助装置1をこの箇所に取り付けることで、一般的なキャスティング操作における人差し指と同様、釣糸400を拘束することができる。
【0014】
仕掛けをキャスティング操作する時の作業手順(釣糸を拘束状態にして、釣竿をスイングするまでの作業手順)については、スプール210に巻回された釣糸400を摘まんで、後述する補助装置1の空隙部内に案内するだけで良い。この場合、空隙部に案内された釣糸は、拘束部材によって拘束状態及び開放状態に切り替えられる。この拘束部材は、通常は開放状態にあり、釣糸400を所定位置に案内すると、釣糸を拘束するように駆動され、キャスティング操作可能な状態となる。
図1では、ベール220は、釣糸巻取り状態に回動、保持されており、キャスティング操作する際には、ベール220を釣糸放出状態となるように回動させる。或いは、釣糸400を空隙部に案内する前にベール220を釣糸放出状態となるように回動させておき、この状態で釣糸400を摘まんで、空隙部に案内するようにしても良い。
【0015】
前記補助装置1の構成について、図2及び図4を参照して説明する。
補助装置1は、釣竿300に固定されるベースとなる固定部材3と、固定部材3を釣竿300の外周面に対して挟持、固定する釣竿ホルダ5と、前記固定部材3を覆うように装着される蓋部材7とを備えている。
前記固定部材3には、補助装置1の動作を制御するCPU、ROM等の制御部(マイクロコンピュータ)10Aや、モータドライバ等を実装した制御基板10が配設されており、後述する各検知手段から出力される検知信号を受信した際、その値やそれらを算出した値をトリガーとして、駆動機構(駆動源)を駆動させる制御手段を構成している。また、前記蓋部材7には、電源(例えば、着脱される電池)7Aが設けられており、駆動機構が駆動されるように電力を供給する。前記制御基板10と、駆動源及び各検知手段とは、それぞれフレキシブルケーブルや無線通信によって電気的に接続されており、その出力値は、制御部10Aに送信される。また、電源7Aは、制御基板10に給電することができ、前記制御基板10および電源7Aは、固定部材3と蓋部材7との間の空間内に収納される。
【0016】
前記固定部材3には、支持部3Aが一体化して設けられており、この支持部3Aには、可動部材(可動ユニットとも称する)20が回動可能に支持されている。前記可動部材20は、支持部3Aの回動支持部3aに対して、軸部20Aを介して回動可能に軸支されている。この場合、支持部3Aの回動支持部3aと可動部材20との間には、付勢バネ(例えば、トーションバネ、圧縮コイルバネ、皿バネ等)20Dが配設されており、可動部材20は一方向に付勢保持されている。また、可動部材20には、回動支持部3aから離れた先端側に、窪んだ状態(本実施形態では、略V字状に窪むように形成されている)の空隙部21Aが形成されており、スプール210からの釣糸400を摘まんで案内できるようになっている。この空隙部21Aは、補助装置1を釣竿に固定すると、図1に示すように、その開放側がスピニングリールのスプールに向かって開いた状態となり、案内される釣糸400は、前記軸部20Aの軸心方向に対して略直角方向(矢印Dで示す方向)となる。釣糸400を空隙部21A内に案内すると、その釣糸400は、開放状態から、後述する拘束部材23によって空隙部21A内に拘束される。
【0017】
釣糸400が空隙部21A内に拘束された状態で、キャスティング操作をすると、釣糸400には放出方向へ移動しようとする力(矢印D方向の張力)が作用し、その張力によって、可動部材20を付勢バネ20Dの付勢力に抗して回動させようとする。前記支持部3Aには、固定部材3に対する可動部材20の回動量を測定することが可能な検知手段12が設けられており、固定部材3に対する可動部材20の回動量を測定することが可能となっている。すなわち、後述する拘束部材23が釣糸を拘束している状態で、釣糸に張力が作用すると、可動部材20は、付勢バネ21Dがチャージされる方向へ回転する。このときの釣り合いの位置を測定することで、釣糸に働く張力を算出するようにしている。
【0018】
本実施形態の検知手段12は、固定部材3に回動可能に支持された可動部材20が、付勢力に抗して回動した際の回動量を検出する張力検出センサ(例えば、回動位置を検出するボリュームセンサ)12Aを備えた構成となっている。ボリュームセンサ12Aは、可動部材20に設けられたセクターギア20aと噛合する回転ギア12aを備えており、この回転ギア12aが、可動部材20の回動によってセクターギア20aを介して回転した際の回転量に応じた信号を出力する。このように、ボリュームセンサ12Aは、回転ギア12aの回転位置を検出することで可動部材20の回動量を検出することから、釣糸に働く張力を算出することができる。すなわち、ボリュームセンサ12Aから出力される信号によって釣糸400に作用する張力が検出可能となっており、この信号の閾値を適切に設定することで、駆動機構の駆動を制御するトリガー信号とすることができる。前記ボリュームセンサ12Aは、ケース13によって、固定部材3(支持部3A)に取り付けられる。
なお、上記した張力検出センサは、実施例の一つであって、本発明はこのような構成に限定されることはない。例えば、フォトセンサや磁気センサなどによって可動部材20の可動量を測定する方法や、張力が働いた際に応力が発生する部位にひずみゲージを配置することにより張力を検出する方法などが考えられる。
【0019】
次に、可動部材20の構成について図3を参照して説明する。
可動部材20は、上記したように、固定部材3に対して回動可能に支持されており、固定部材3を介して釣竿に装着される本体21には、可動部材の回動方向と直交する方向に摘まんだ釣糸を案内する(挿入する)ように、略V字状に切り欠かれた空隙部21Aが形成されている。
【0020】
前記本体21の内面側には、空隙部21Aに案内された釣糸を拘束する釣糸拘束部材(以下、拘束部材とも称する)23、拘束部材23を駆動する駆動機構30、前記拘束部材23(空隙部21A内の所定位置)に釣糸400が接近した際に検知信号を発生する釣糸接近検知センサ等の構成要素が配設されている。これらの構成要素は、本体21の内側面側に支持され、蓋部材22によって閉塞される。すなわち、可動部材20は、本体21と蓋部材22との間で内部空間を形成し、内部空間内に各種の構成要素を保持した構成となっている。このような可動部材20は、上記したように、軸部20Aによって、固定部材3の支持部3Aに対して所定の範囲内で回転可能に軸支される。本実施形態では、可動部材20は、支持部3Aに対して0°~20°の範囲で回動可能となっている。
【0021】
前記拘束部材23の本体23Aは、可動部材の本体21と蓋部材22との間に配設される支軸23aを介して、可動部材20の本体21に対して所定の範囲内で回動可能に軸支されて、可動部材20とともに拘束手段を構成している。前記拘束部材23の本体23Aは、支軸23aを中心としたトーラス状のブレード部23bを備えており、ブレード部23bは、本体23Aの回動に伴って前記可動部材20の空隙部21A内に突没可能となっている。具体的には、前記空隙部21Aを形成している本体21には、空隙部に面して開口21a(図3では片方のみ図示)が形成されており、この開口21aにブレード部23bが配設されている。この場合、ブレード部23bが回動して、その先端が図3に示す開口21a内に移動すると、空隙部21Aとブレード部23bによって閉空間が形成され、この閉空間に釣糸400を拘束することができる。
【0022】
また、ブレード部23bが回動して図3に示す開口21aから反対側に移動すると、ブレード部23bの先端側は、本体21の反対側の開口(図示せず)内に収納され、拘束した釣糸を解放することができる。なお、ブレード部23bを、上記したようにトーラス状に形成することで、回動移動をした際に釣糸の位置を変えることが無く、釣糸に張力が働いた際の負荷を減らすことができる。
【0023】
前記拘束部材23を駆動する駆動機構30は、例えば、以下のような構成要素を備えている。
駆動機構30は、拘束部材23に対して駆動力を与える駆動源(本実施形態では、駆動モータ)31と、駆動源31の駆動力を拘束部材23に伝達する動力伝達部とを備えている。この場合、駆動源(以下、駆動モータとする)31は高速で回転駆動するため、その駆動力を減速するように、動力伝達部は、2段平歯車による減速ギア列を備えている。具体的には、拘束部材23の本体23Aには、セクターギア23cが形成されており、駆動モータ31の出力軸に装着された出力ギア31aとセクターギア23cとの間に減速ギア列33,34が配設される。すなわち、減速ギア列の入力側ギア33aが駆動モータ31の出力ギア31aに噛合し、減速ギア列の出力側ギア34aがセクターギア23cに噛合することで、駆動モータ31の出力を減速して、拘束部材23に駆動力が伝達される。
【0024】
上記した構成において、減速ギア列は、駆動モータ31の回転を減速・倍力して拘束部材23に伝達する機能を果たす。本実施形態では、2段平歯車33,34によって減速しているが、ウォームギアや遊星ギアなど公知の他の減速装置を用いても良い。また、減速比を10~200倍程度にすることで、駆動モータを小型化しても拘束部材23に働く抵抗に打ち勝って安定して拘束部材を駆動することが可能である。
【0025】
前記駆動モータ31は、例えば、公知のブラシモータを用いることができ、正方向に回転することで拘束部材23を拘束状態に切り替えることができ、逆方向に回転することで拘束部材23を開放状態に切り替えることができる。駆動モータとしては、ブラシモータ以外にも、ブラシレスモータ、ステッピングモータ、超音波モータなどの公知の電動機を用いても良い。また、回転タイプの駆動モータだけでなく、直線駆動するリニアモータを用いても良い。その場合は、減速ギア列としてラックアンドピニオンやカム機構など、公知の適切な動力伝達部を共に用いると良い。或いは、駆動源として、ソレノイド等を用いても良い。
【0026】
前記可動部材20には、空隙部21Aに釣糸を案内する(空隙部21Aに釣糸が接近する)と、その状態を検知して検知信号を発生する検知手段(釣糸の接近を検知する釣糸接近検知センサ)が設けられている。本実施形態の検知手段(釣糸接近検知センサ)は、可動部材20の本体21に形成された支持孔21cに支軸41を嵌合して所定の範囲回動可能に支持される近接部材40と、近接部材40に一体形成された作動部42と係合してON/OFFされるリミットスイッチ45と、を備えている。
【0027】
前記近接部材40は、前記空隙部21A付近で回動するように支軸41を介して回動可能に支持されており、本体21に対して所定の範囲内で回転可能に軸支される。近接部材40には、前記空隙部21Aの底から上昇して、図5に示すように位置する当接部43が形成されている。この場合、近接部材40は、リミットスイッチ45の内部に配設されたバネによって付勢されており、前記当接部43は、図5に示す自然状態(非使用状態であり、釣糸が接近していない状態)のとき、空隙部21Aの底から上昇した位置に付勢、保持されている。
【0028】
前記リミットスイッチ45は、図5に示すように、釣糸400が空隙部21Aに案内されて近接部材40の当接部43に接触する(付勢力に抗して押し下げられる)と、近接部材40が支軸41を中心に回動し、作動部42を介してリミットスイッチ45が押された状態になって検知信号(駆動機構を駆動するトリガー信号)を発生する。これにより、制御基板10に配置された制御部10Aに釣糸の近接を報知することができる。
【0029】
なお、釣糸の接近を検知する釣糸接近検知センサとしては、上記したように、接触式のリミットスイッチ45を用いる方法に限らず、フォトセンサを利用して光学的に釣糸400の接近を検出する非接触式の方法を用いるなど、釣糸400の接近を検知可能な各種の方式を用いることが可能である。
【0030】
上記した構成において、拘束部材23の位置を検出する位置検出手段を設け、その出力を監視しながらフィードバック制御を行うようにしても良い。この位置検出手段は、例えば、前記拘束部材23の本体23Aに設けられた遮光部23dと、可動部材20の本体21に設けられて遮光部23dの位置を検知するフォトセンサ50で構成することが可能である。このようにフィードバック制御することにより、安定して拘束部材23の切り替えを行なうことが可能となる。
【0031】
また、上記した制御基板10内にモーションセンサ60を配置しても良い。
ここでのモーションセンサとは、釣竿300に働く動きや姿勢を検出可能なセンサであり、例えば、直交する3軸それぞれの方位、加速度、角速度を検出する9軸モーションセンサと呼ばれるセンサを用いることが可能であり、各センサから出力される信号は制御部10Aに入力される。
【0032】
方位センサは、地磁気の方向を検出することで、釣竿300の向いている方角を検出することが可能である。加速度センサは、釣竿300の並進方向の加速度を検出するものであり、例えば、ピエゾ抵抗方式や静電容量検出方式などの、従来公知の加速度センサを利用することが可能である。また、角速度センサは、釣竿300の角速度(回転方向の速度)を検出するものであり、振動させた圧電素子の周波数変化を検知する方式など、従来公知のジャイロセンサを利用することが可能である。
【0033】
これらのモーションセンサから出力される信号の閾値を適切に設定することで、駆動機構の駆動を制御するトリガー信号とすることができる。或いは、制御部10Aにおいて、これらのセンサからの検出結果を演算することで、より詳細な釣竿300の姿勢やユーザによる操作を取得することが可能である。例えば、加速度センサにより、リール静止状態における重力加速度の各成分を測定することで、釣竿300の仰角を算出できる。また、その状態から各軸の角速度センサの値をそれぞれ時間積分することにより、釣竿300の時間変化を算出できる。
【0034】
このため、制御部10Aにおいて、モーションセンサの出力値、或いはその出力値から釣竿300の姿勢を算出し、釣竿300の姿勢が所定の条件を満たした際に、前記駆動機構を駆動して釣糸拘束部材を拘束状態から開放状態へ駆動することで、より正確なタイミングで釣糸を解放することができ、正確なキャスティング操作をすることが可能となる。
なお、各々のセンサの出力値には、誤差を含む可能性があり、時間積分等によってその誤差が積算されることがある。したがって、モーションセンサの複数の出力値から、カルマンフィルタなどの公知の演算手法を使って、リールの位置や姿勢を確立的に推定することが好ましい。また、モーションセンサの出力値から、必要に応じて釣竿300の姿勢を算出するようしても良く、モーションセンサとして、上述の9軸センサの値の一部を用いるのみでも良い。
【0035】
次に、上記した補助装置1の動作について説明する。
まず、釣糸400を拘束する動作について図5図7を用いて説明する。図5は、釣糸を拘束位置に向けて案内する状態を示す図、図6は、釣糸を拘束位置に案内した状態を示す図、そして、図7は、図6に示す状態から拘束部材が駆動されて釣糸の拘束状態を示す図である。
【0036】
釣糸400が空隙部21Aに近接すると、その底部に位置する当接部43が押さえ付けられ(図6参照)、これに伴い、近接部材40が回動して、リミットスイッチ45が押圧される。リミットスイッチ45からの信号がトリガーとなり、制御部10Aは、駆動モータ31を正方向駆動し、拘束部材23を回動させてブレード部23bを拘束側へ移動させる。これにより、釣糸400は、図7に示すように、ブレード部23bと空隙部21Aで形成する閉空間内に拘束される。
【0037】
近接部材40は、この閉空間内への釣糸400の近接を検知できるように配置されているため、ユーザは釣糸400を当接部43に軽く接触させるだけで、容易且つ確実に釣糸400を拘束させることができる。このとき、図1に示すように、拘束部材23がスプールの概略接線方向で、ブレード部23bで釣糸400を適切な角度(90°程度)で曲げられるように配置されると、スピニングリールのベールアームを開放状態にしても、釣糸400のスプールからの放出を妨げることができる。
【0038】
前記フォトセンサ50は、この間の拘束部材23の動きを監視する機能を有する。具体的には、拘束部材23のブレード部23bが空隙部21A内に存在しない状態では、フォトセンサ50は遮光部23dで遮光されることはない。また、当接部43が押し下げられて図6から図7の状態に移行すると、フォトセンサ50は遮光部23dで遮光される。そして、拘束部材(ブレード部)が拘束端に移動すると、フォトセンサ50は遮光部23dで遮光されることはない。
【0039】
このため、当接部43が押し下げられて、フォトセンサ50が遮光状態を検出すると、駆動モータ31への通電が開始され、遮光状態が終わったら、拘束部材23が正常に回動したと判断し通電を終了する。これにより、拘束部材23を安定して開放状態から拘束状態へ切り替えることができる。
【0040】
次に、拘束された釣糸400を開放する動作について説明する。
制御部10Aに何らかのトリガー信号が入ると、制御部は駆動モータ31を逆方向駆動し、拘束部材23を開放側へ移動させる。これにより、釣糸400は、図6に示すようにブレード部23bから拘束されなくなり、スプールから放出可能となる。
【0041】
トリガー信号として、上述した張力検出センサ(可動部材20の回動位置を検出するボリュームセンサ)12Aから出力される出力を利用する場合について説明する。
上述したように、釣糸400が拘束された状態において釣糸400に張力が働くと、可動部材20は軸部20Aを回転中心として釣糸400から回転モーメントを受け、付勢バネ20Dとの釣り合いの位置で安定する。ボリュームセンサ12Aによってこの釣り合いの位置変化を検出することで、釣糸400に働く張力が得られる。
【0042】
図8(a)から(g)は、釣人が釣竿300をスイングして仕掛けを所定ポイントに向けて投入する一連の動作を示す概略図である。図8では、オーバーヘッドキャストと呼ばれる、釣竿300を後方から頭の上方、前方へと振る投法である。
【0043】
釣竿300を振る速度が上昇するに伴って、釣糸400には、仕掛けによる遠心力によって、張力が上昇し(図8(b)~(e))、図8(f)では、釣糸400に作用する張力が適切な値まで上昇している。この状態になったことを、ボリュームセンサ12Aが検出すると、拘束部材23を開放状態に切り替える。これにより、釣糸400はフリー状態となり、張力に引かれることでスプールから放出され、仕掛けは遠方へ飛ぶ(図8(g))。
【0044】
この場合、拘束部材23を開放状態に切り替える際の張力の閾値を適切な値に設定することで、適切なタイミングで釣糸400をフリー状態にすることができる。この張力の閾値の最適値については、釣竿300の長さや硬さ、仕掛けの重さ、ユーザのキャスト方法によって変わり得るが、一旦条件を決めれば再現性がある。
【0045】
次に、トリガー信号として、モーションセンサ60からの出力信号を用い、これが所定の条件を満たした場合の動作例について説明する。なお、ここでの所定の条件とは、トリガー信号が、一定の閾値以上になったこと、或いは、一定の閾値以下になったことを検知した場合等が該当する。
釣竿300を振ると、その動作に応じて角速度や並進加速度が上昇する。これらの値が閾値を越えた(所定の条件を満たした)ことを検知した際に、制御部10Aは、駆動モータ31を逆方向駆動し、拘束部材23を開放状態に切り替える。これにより、釣糸400は開放状態となり、張力に引かれることでスプールから放出され、仕掛けは遠方へ飛ぶ。このように、張力を閾値とする方法以外でも、比較的容易に仕掛けを目的のポイントに投入することができる。
【0046】
上記したように、釣糸に作用する張力を閾値とする場合、仕掛けの重量が変わるとそれに応じて張力も変わる。したがって、閾値も調整する必要がある。しかしながら、角速度や並進加速度を閾値とする場合、仕掛けの重量が変わっても、閾値の調整をする必要性が比較的少ない。したがってルアー釣りのように仕掛けを頻繁に変更し、その重量変化も大きい場合、モーションセンサの出力値を閾値にすることが好ましい。
【0047】
また、キャスティング操作時に、釣竿300を前方から後方へ振ることで、釣竿300を曲げるテイクバックと呼ばれる動作がとられることがあるが、この動作によっても釣糸400に働く張力は上昇する。前記したように、張力をトリガーとした場合、このテイクバック動作によって拘束部材23を開放動作してしまうことがあり、仕掛けが後方へ飛んでしまうことがある。これを避けるために、モーションセンサの並進加速度または角速度を検出することにより、釣竿300が後方へ向かって振られたのか、前方へ向かって振られたのかを判別し、前方へ向かって振られたときに拘束部材を開放動作することが好ましい。
【0048】
次に、制御部10Aが、モーションセンサ60からの出力信号を算出することで釣竿300の姿勢を検出し、これをトリガー信号とした場合の例について説明する。
上述のように、モーションセンサ60の各出力値を時間積分することなどにより、釣竿300の姿勢を常時算出することができる。そして、この値が所定の値(例えば、釣竿300の仰角が60°のとき)になったことを検出した際に、拘束部材を開放動作させることができる。
【0049】
これにより、比較的容易に仕掛けを目的のポイントに投入することができる。すなわち、モーションセンサの出力値に基づいて算出した釣竿300の姿勢を用いると、キャスト方法を変えたときに、それぞれ異なる開放条件を用いることができ、様々なキャスト方法に対応可能な装置とすることができる。
【0050】
次に、トリガー信号として、外部からのトリガー信号を利用する例について説明する。
このような構成では、前記制御基板10に、外部からの信号を受け付ける受信部を設ければ良い。受信部としては、無線受信部、有線受信部の双方が実現可能である。これにより、他の機器を利用して拘束部材を開放動作させることができる。例えば、釣りの上級者がトリガースイッチを押すことで、拘束部材を開放動作させても良いし、カメラ等を用いて画像解析によって拘束部材を開放動作させるタイミングを解析し、トリガー信号を出力するようにしても良い。
【0051】
また、拘束部材を開放する条件は、上記の条件のうちの複数を用いても良い。例えば、張力および角加速度の双方がそれぞれの閾値を越えた際に、拘束部材を開放動作しても良い。これにより、キャスト時以外に張力が上昇した際(例えば不意に釣糸400を触ってしまった場合など)には拘束部材を開放動作させてしまう誤動作を避けることができる。
この他、張力の閾値を角速度の値に応じて変更しても良い。これにより、釣竿300を早く振った際でも遅く振った際でも、それぞれ適切なタイミングで拘束部材を開放動作させることが可能となる。
【0052】
次に、トリガー信号を発する条件を設定する方法について説明する。
拘束部材を開放するタイミングについては、釣竿300の長さや硬さ、仕掛けの重量、ユーザの操作(たらしの長さ、釣竿300の動かし方)等で変わり得る。したがって、トリガー信号を出す条件設定を決めることは容易ではない。
しかしながら、そのうちの少なくても一部(使用する釣竿、投擲対象物の重量等)が定まれば、トリガー信号を出す条件はある程度決まってくる。このため、トリガー条件設定部を設けることで、上述の調整を容易にすることができる。
【0053】
図9はトリガー条件設定部の実現例として、スマートフォン70を利用した例を示している。スマートフォン70には、予め専用のアプリケーションソフトをダウンロードしておく。
この例では、タッチパネルである画像表示部71から、仕掛けの重量(ルアー重量)、ロッドの長さ、調子、釣糸の太さ等を入力可能としている。これらの条件を設定すると、あらかじめそれぞれの条件での最適値を実験により求めておくことにより、最適なトリガー条件(たとえば閾値となる張力)を算出することができる。例えば、多数の教師データや上級者データを集め、機械学習方法等でその最適化が行なえる。制御基板10には、スマートフォンで算出したトリガー条件を受信する通信部を持たせことで、ユーザは試行錯誤することなく、自分の使用しているタックルの条件を打ち込むだけで、トリガー条件の最適化が行なえる。
【0054】
なお、この最適値に対して、タイミング補正部によって微調整できるようにしても良い。
また、トリガー条件設定部は、このようにスマートフォン等の外部機器を利用する例に限らず、補助装置の内部にダイヤル等の入力部を持たせても良い。
【0055】
以上のように、上記した実施形態では、釣糸400を摘まんで空隙部21Aに挿入すると、釣糸接近検知センサがこれを検知し、拘束部材23を開放状態から拘束状態に切り替えるため、釣糸を拘束させる際の作業性を向上することができる。また、釣糸を拘束させる際に、釣糸400には、リミットスイッチ45を押し込むための張力をかけるだけで十分であり、釣糸400を開放させる際の張力よりも弱い張力で拘束状態にすることができる。これにより、キャスティング操作前の釣糸のセッティングをきわめて容易に行うことができる。そして、釣糸400が拘束された状態で、キャスティング操作によって、制御部10Aがトリガー信号を受信した際、駆動機構を介して拘束部材23は開放駆動されて釣糸400はフリー状態となることから、通常のキャスティング操作のように、人差し指を釣糸から開放するタイミングを考慮することなく、仕掛けを所望のポイントに投入することが可能となる。
【0056】
上述したように、本発明では、張力センサ、モーションセンサ、外部信号など、様々なトリガー信号を用いることができることから、拘束部材23を開放動作させるタイミングを細かく判別することができ、誤動作の少ない装置とすることができる。また、トリガー条件設定部を持たせることで、ユーザは容易に最適条件を見つけることができ、初心者でも比較的容易に釣具を目的のポイントに投入することができる。
【0057】
また、駆動モータ31によって拘束部材23の開放、拘束を切り替えることから、釣糸400の太さに影響されず、幅広い条件で拘束部材の開放、拘束を切り替えることができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。本発明は、釣糸を拘束状態及び開放状態に切り替える拘束部材23を、各検知手段から制御部10Aに入力される信号よって制御するメカトロニクスを利用した解決手段を採用したことに特徴があり、各構成要素については適宜変形することが可能である。
【0059】
また、本実施形態では、リールとしてスピニングリールを用いた例を説明したが、本発明ではこの例に限らず、ベイトキャストリールやスピンキャストリールを用いても実施することが可能である。
これらのリールを用いる場合、例えば、釣糸400を、複数の摩擦面で挟持した際に生じる摩擦力によって拘束するような拘束手段とすることで、上記した実施形態と同様の効果を実現可能である。例えば、ベイトキャストリールでは、スプールをサミング状態(押さえ付けた状態、或いはスプールが回転しない状態)にしておき、トリガー信号の入力によってサミング状態を開放することで、キャスティング操作を行なうことが可能である。また、これらのリールでは、補助装置1(可動部材20の本体21)を釣竿に装着するのではなく、予めリール本体に組み込んだ構成であっても良いし、リール本体に着脱できるような構成であっても良い。
【0060】
また、本発明で用いる釣竿は、図1に示した外ガイド式の釣竿に限定されることはなく、元ガイド部より先で釣糸400が釣竿内に収納されるインターと呼ばれるタイプのものであっても良い。
【符号の説明】
【0061】
1 投げ釣り用補助装置
3 固定部材
7 蓋部材
10 制御基板
10A 制御部
12A 張力検出センサ
20 可動部材
21 本体
21A 空隙部
23 釣糸拘束部材(拘束部材)
30 駆動機構
31 駆動モータ
40 近接部材
45 リミットスイッチ
50 フォトセンサ
60 モーションセンサ
200 スピニングリール
300 釣竿
400 釣糸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9