(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】表示基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20240723BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240723BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240723BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
H01L21/92 602E
H01L33/62
G09F9/30 310
G09F9/30 330
H01L21/92 603Z
H01L21/92 604A
G09F9/33
(21)【出願番号】P 2021500811
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(86)【国際出願番号】 CN2019097438
(87)【国際公開番号】W WO2021012207
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ユアン グアンツァイ
(72)【発明者】
【氏名】ルゥー ジージュン
(72)【発明者】
【氏名】リー ハイシュー
(72)【発明者】
【氏名】ソン シャオシン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン フェン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ウェンク
(72)【発明者】
【氏名】ドン リーウェン
(72)【発明者】
【氏名】ツゥイ ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン リーボー
(72)【発明者】
【氏名】メン デティアン
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-027933(JP,A)
【文献】特開2009-099765(JP,A)
【文献】特開2010-226086(JP,A)
【文献】国際公開第2018/214199(WO,A1)
【文献】特開2010-219272(JP,A)
【文献】特開2007-180166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 33/62
G09F 9/30
G09F 9/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に位置する第1電極と、
前記第1電極上に位置する導電性バンプと、を含み、
前記基板に平行な平面における前記導電性バンプの断面の大きさは、前記断面から前記第1電極の表面までの距離と負の相関を有し、
前記導電性バンプは三角柱を含み、
前記三角柱は、2つの三角形の底面と、前記底面に隣接する3つの側面とを含み、前記3つの側面のうちの1つは、前記基板の表面に平行であり、前記基板の表面に平行である側面は、隣接する底面と共通の第2辺と、前記第2辺に交差する第1辺とを含み、
前記第2辺の寸法は1~5μmであり、
前記三角柱の前記基板に垂直な方向の高さは1~5μmである、
表示基板。
【請求項2】
前記導電性バンプの前記基板に向かう表面の、前記基板に平行な方向における最小寸法と、前記導電性バンプの頂部から前記第1電極までの距離との比は、1:1~1:3の範囲内である、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記導電性バンプの形状は、錐体、切頂錐体、及び角柱のうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の表示基板。
【請求項4】
前記導電性バンプは、第1部分と、前記第1部分を覆う第2部分とを含み、
前記第1部分の前記基板への正射影は、前記第1電極の前記基板への正射影内に位置し、
前記第2部分は、前記第1電極と接触し、
前記第2部分の前記基板から離れた表面と、前記第1部分の前記基板から離れた表面とは、共形であり、
前記第1部分は誘電体材料からなり、前記第2部分は導電性材料からなる、
請求項1に記載の表示基板。
【請求項5】
前記誘電体材料は、有機材料を含み、
前記導電性バンプは、さらに、前記第1部分と前記第2部分との間に位置し、前記第1部分を覆う無機材料層を含む、
請求項4に記載の表示基板。
【請求項6】
前記第2部分は、さらに、前記第1部分に近接する前記第1電極の表面を覆う、請求項4に記載の表示基板。
【請求項7】
前記導電性バンプは、導電性材料からなる、請求項1に記載の表示基板。
【請求項8】
前記第1電極は、前記導電性バンプと一体に形成され、
前記第1電極の厚さと、前記導電性バンプの頂部から前記第1電極の底部までの距離との比は、1:4~1:2の範囲内である、請求項7に記載の表示基板。
【請求項9】
前記第1電極の各々に、アレイ状に配列された複数の前記導電性バンプが配置される、請求項1に記載の表示基板。
【請求項10】
前記第1辺の寸法は2~10μmであり、
前記第1辺の方向に隣接する2つの前記導電性バンプの間の距離は、2~10μmであり、
前記第2辺の方向に隣接する2つの前記導電性バンプの間の距離は、2~5μmである、
請求項9に記載の表示基板。
【請求項11】
さらに、前記導電性バンプ上に配置された電子デバイスと、
前記導電性バンプの間に配置された接着剤と、を含み、
前記電子デバイスのピンが前記導電性バンプと接触し、
前記接着剤は、前記ピンと前記第1電極とを接合する、
請求項1~10のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項12】
さらに、前記基板上に位置する薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタ上に位置する第1誘電体層と、を含み、
前記第1電極は、前記第1誘電体層上に位置し、前記薄膜トランジスタと電気的に接続される、
請求項11に記載の表示基板。
【請求項13】
基板を提供するステップと、
前記基板上に第1電極を形成するステップと、
前記第1電極上に導電性バンプを形成するステップと、を含み、
前記基板に平行な平面における前記導電性バンプの断面の大きさは、前記断面から前記第1電極の表面までの距離と負の相関を有し、
前記導電性バンプを形成するステップは、
前記第1電極上に誘電体材料層を形成するステップと、
前記誘電体材料層をパターニングして、前記導電性バンプの第1部分を形成するステップと、を含み、
前記誘電体材料層は、感光性材料を含み、
前記誘電体材料層をパターニングするステップは、第1マスクを用いて前記誘電体材料層を露光及び現像するステップを含み、
前記露光に使用される光の照射線量、前記
第1マスクの遮光部が延在する方向に垂直な方向における前記第1マスクの遮光部の寸法、及び前記第1マスクから前記誘電体材料層までの距離は、前記露光時に、前記遮光部のエッジにおいて回折光が発生し、前記回折光の少なくとも一部が、前記遮光部の中央部の下方に位置する前記誘電体材料層の表面に到達できるように配置される、
表示基板の製造方法。
【請求項14】
前記導電性バンプを形成するステップは、さらに、
前記基板、前記第1電極及び前記第1部分の上に第1導電材料層を形成するステップと、
前記第1導電材料層をパターニングして、前記導電性バンプの第2部分を形成するステップと、を含み、
前記第1部分の前記第1電極への正射影は、前記第2部分の前記第1電極への正射影内に位置し、
前記第2部分は、前記第1電極と接触し、
前記第2部分と前記第1部分の前記基板から離れた表面とは、共形である、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1部分の上に前記第1導電材料層を形成する前に、さらに、前記第1部分の表面を粗面化するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記導電性バンプを形成するステップは、さらに、前記第1部分を形成した後、前記第1導電材料層を形成する前に、前記第1部分の上に無機材料層を形成するステップを含み、前記無機材料層の前記基板から離れた表面と前記第1部分の前記基板から離れた表面とは、共形である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記基板上に前記第1電極を形成するステップ及び前記第1電極上に前記導電性バンプを形成するステップは、
前記基板上に第2導電材料層を形成するステップと、
前記第2導電材料層をパターニングして、前記第1電極と、前記第1電極上に位置する前記導電性バンプとを形成するステップと、を含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項18】
さらに、前記導電性バンプと、前記第1電極の前記導電性バンプの間に位置する部分とを覆うように接着剤層を形成するステップと、
前記接着剤層の上に電子デバイスを載置し、前記電子デバイスに力を加えて、前記導電性バンプを前記接着剤層を貫通させて前記電子デバイスと接触させるステップと、
前記接着剤層を硬化するステップと、を含む、
請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術の分野に関し、特に、表示基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロLEDは、OLEDに取って代わる可能性が最も高い次世代表示技術と見なされている。
マイクロLEDの利点は、低消費電力、高輝度、超高解像度及び色飽和、高速応答、超省電力、長寿命、高効率、様々なサイズへの適応性、シームレス接続などを含む。マイクロLEDの消費電力はLCDの10%、OLEDの50%であるため、ウェアラブルなデバイスに適している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施例は、表示基板及びその製造方法を提供する。
【0004】
本開示の一態様は、表示基板を提供する。前記表示基板は、基板と、前記基板上に位置する第1電極と、前記第1電極上に位置する導電性バンプと、を含む。前記基板に平行な平面における前記導電性バンプの断面の大きさは、前記断面から前記第1電極の表面までの距離と負の相関を有する。
【0005】
本開示の例示的な実施例において、前記導電性バンプの前記基板に向かう表面の、前記基板に平行な方向における最小寸法と、前記導電性バンプの頂部から前記第1電極までの距離との比は、1:1~1:3の範囲内とすることができる。
【0006】
本開示の例示的な実施例において、前記導電性バンプの形状は、錐体、切頂錐体、及び角柱のうちの少なくとも1つから選択される。
【0007】
本開示の例示的な実施例において、前記導電性バンプは、第1部分と、前記第1部分を覆う第2部分とを含む。前記第1部分の前記基板への正射影は、前記第1電極の前記基板への正射影内に位置する。前記第2部分は、前記第1電極と接触する。前記第2部分の前記基板から離れた表面と、前記第1部分の前記基板から離れた表面とは、共形である。前記第1部分は誘電体材料からなり、前記第2部分は導電性材料からなる。
【0008】
本開示の例示的な実施例において、前記誘電体材料は有機材料を含む。前記導電性バンプは、さらに、前記第1部分と前記第2部分との間に位置し、前記第1部分を覆う無機材料層を含む。
【0009】
本開示の例示的な実施例において、前記第2部分は、さらに、前記第1部分に近接する前記第1電極の表面を覆う。
【0010】
本開示の例示的な実施例において、前記導電性バンプは導電性材料からなる。
【0011】
本開示の例示的な実施例において、前記第1電極は、前記導電性バンプと一体に形成される。前記第1電極の厚さと、前記導電性バンプの頂部から前記第1電極の底部までの距離との比は、1:4~1:2の範囲内である。
【0012】
本開示の例示的な実施例において、前記第1電極の各々に、アレイ状に配列された複数の前記導電性バンプが配置される。
【0013】
本開示の例示的な実施例において、前記導電性バンプは三角柱を含む。前記三角柱は、前記基板の表面に平行な第1面を含む。前記第1面は、第1辺と、前記第1辺と交差する第2辺とを含む。前記第1辺の寸法は2~10μmであり、前記第2辺の寸法は1~5μmであり、前記三角柱の前記基板に垂直な方向の高さは1~5μmであり、前記第1辺の方向に隣接する2つの前記導電性バンプの間の距離は、2~10μmであり、前記第2辺の方向に隣接する2つの前記導電性バンプの間の距離は、2~5μmである。
【0014】
本開示の例示的な実施例において、前記表示基板は、さらに、前記導電性バンプ上に配置された電子デバイスと、前記導電性バンプの間に配置された接着剤と、を含む。前記電子デバイスのピンが前記導電性バンプと接触し、前記接着剤は、前記ピンと前記第1電極とを接合する。
【0015】
本開示の例示的な実施例において、前記表示基板は、さらに、前記基板上に位置する薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に位置する第1誘電体層と、を含む。前記第1電極は、前記第1誘電体層上に位置し、前記薄膜トランジスタと電気的に接続される。
【0016】
本開示の例示的な実施例において、前記第1誘電体層は、順次に積層される第1サブ誘電体層及び第2サブ誘電体層を含む。前記表示基板は、さらに、前記第1サブ誘電体層と前記第2サブ誘電体層との間に配置される第2電極及び第3電極を有する。前記第2電極は、前記第1サブ誘電体層の第1ホールを介して前記薄膜トランジスタのソース/ドレイン領域に接続される。前記第1電極は、第1サブ電極と第2サブ電極とを含む。前記第1サブ電極は、前記第2サブ誘電体層の第2ホールを介して前記第2電極に接続される。前記第2サブ電極は、前記第2サブ誘電体層の第3ホールを介して前記第3電極に接続される。
【0017】
本開示の一態様は、表示基板の製造方法を提供する。前記方法は、基板を提供するステップと、前記基板上に第1電極を形成するステップと、前記第1電極上に導電性バンプを形成するステップとを含む。前記基板に平行な平面における前記導電性バンプの断面の大きさは、前記断面から前記第1電極の表面までの距離と負の相関を有する。
【0018】
本開示の例示的な実施例において、前記導電性バンプを形成するステップは、前記第1電極上に誘電体材料層を形成するステップと、前記誘電体材料層をパターニングして、前記導電性バンプの第1部分を形成するステップと、前記基板、前記第1電極、及び前記第1部分上に第1導電材料層を形成するステップと、前記第1導電材料層をパターニングして、前記導電性バンプの第2部分を形成するステップと、を含む。前記第1部分の前記第1電極上への正射影は、前記第2部分の前記第1電極への正射影内に位置し、前記第2部分は前記第1電極と接触する。前記第2部分と前記第1部分の前記基板から離れた表面とは、共形である。
【0019】
本開示の例示的な実施例において、前記第1部分の上に前記第1導電材料層を形成する前に、前記方法は、第1部分の表面を粗面化するステップをさらに含む。
【0020】
本開示の例示的な実施例において、前記第2部分は、前記第1電極の前記第1部分に近接する表面をさらに覆うように形成される。
【0021】
本開示の例示的な実施例において、前記誘電体材料層は感光性材料を含む。前記誘電体材料層をパターニングするステップは、第1マスクを使用して前記誘電体材料層を露光及び現像するステップを含む。前記露光に使用される光の照射線量、前記遮光部が延在する方向に垂直な方向における前記第1マスクの遮光部の寸法、及び前記第1マスクから前記誘電体材料層までの距離は、前記露光時に、前記遮光部のエッジにおいて回折光が発生し、前記回折光の少なくとも一部が、前記遮光部の中央部の下方に位置する前記誘電体材料層の表面に到達できるように配置される。
【0022】
本開示の例示的な実施例において、前記導電性バンプを形成するステップは、さらに、前記第1部分を形成した後、前記第1導電材料層を形成する前に、前記第1部分の上に無機材料層を形成するステップを含む。前記無機材料層の前記基板から離れた表面と前記第1部分の前記基板から離れた表面とは、共形である。
【0023】
本開示の例示的な実施例において、前記基板上に前記第1電極を形成するステップ及び前記第1電極上に前記導電性バンプを形成するステップは、前記基板上に第2導電材料層を形成するステップと、前記第2導電材料層をパターニングして、前記第1電極と、前記第1電極上に位置する前記導電性バンプとを形成するステップと、を含む。
【0024】
本開示の実施例において、前記方法は、さらに、前記導電性バンプと、前記第1電極の前記導電性バンプの間に位置する部分とを覆うように接着剤層を形成するステップと、前記接着剤層の上に電子デバイスを載置し、前記電子デバイスに力を加えて、前記導電性バンプを前記接着剤層を貫通させて前記電子デバイスと接触させることにより、前記電子デバイスと前記第1電極とを前記接着剤層を介して接合するステップと、前記接着剤層を硬化するステップと、を含む。
【0025】
適応的及びさらなる態様及び範囲は、本明細書に提供される説明から明らかになる。本開示の様々な態様は、単独で、又は1つもしくは複数の他の態様と組み合わせて実施され得る。さらに、本明細書における説明及び特定の実施例は、例示のみを目的としており、本発明の範囲を限定することを目的としていない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本明細書に記載された図面は、選択された実施例の例示目的のみに使用され、全ての可能な実施例ではなく、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【
図1A】本開示の実施例に係る表示基板の概略断面図である。
【
図1B】本開示の実施例に係る導電性バンプの形状を示す概略図である。
【
図1C】本開示の実施例に係る導電性バンプの形状を示す概略図である。
【
図1D】本開示の実施例に係る導電性バンプの形状を示す概略図である。
【
図1E】本開示の実施例に係る導電性バンプの形状を示す概略図である。
【
図1F】本開示の実施例に係る導電性バンプの形状を示す概略図である。
【
図2】本開示の別の実施例に係る表示基板の概略断面図である。
【
図3】本開示のさらに別の実施例に係る表示基板の概略断面図である。
【
図4】本開示のさらに別の実施例に係る表示基板の概略断面図である。
【
図5】本開示のさらに別の実施例に係る表示基板の概略断面図である。
【
図6】本開示の実施例に係る表示基板の透視図である。
【
図7A】本開示のさらに別の実施例に係る表示基板の概略断面図である。
【
図7B】本開示のさらに別の実施例に係る表示基板の概略断面図である。
【
図7C】本開示のさらに別の実施例に係る表示基板の概略断面図である。
【
図8】本開示のさらに別の実施例に係る表示基板の概略断面図である。
【
図9】本開示の実施例に係る表示基板の製造方法を示すフローチャートである。
【
図10】本開示の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。
【
図11】本開示の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。
【
図12】本開示の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。
【
図13】本開示の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。
【
図14】本開示の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。
【
図15】本開示の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。
【
図16】本開示の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。
【
図17】本開示の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。
【
図18】本開示の別の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。
【
図19】本開示の別の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。
【
図20】本開示の別の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。
【
図21】本開示の別の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。
【
図22】本開示の別の実施例に係る導電性バンプの製造方法を示す概略図である。 これらの図面の様々な概略図において、対応する参照番号は、対応する部品又は特徴を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
まず、文脈において別途明確に指摘されない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語の単数形は複数形を含み、その逆も同様である。したがって、単数形に言及する場合、対応する用語の複数形が通常含まれる。同様に、「包含」、「含む」という言葉は、排他的ではなく、包括的であると解釈されるべきである。同様に、「含む」及び「又は」という用語は、文脈が別段の説明がない限り、包括的であると解釈されるべきである。「実例」という用語が本明細書で使用される場合、特に一連の用語の後に続く場合、前記「実例」は、単に例示的且つ説明的であり、排他的又は広範であるとみなされるべきではない。
【0028】
また、本開示の要素及びその実施例を紹介する場合、「一」、「1つ」、「該」、及び「前記」という冠詞は、1つ又は複数の要素があることを意味することが意図される。特に明記しない限り、「複数」は、2つまたは2つ以上を意味する。「包含」、「含む」、「備える」及び「有する」という用語は、包含的であることを意図し、列挙された要素以外の追加の要素が存在する可能性があることを意味する。「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明の目的のみであり、相対的な重要性及び形成順序を示すもの又は暗示するものと理解されるべきではない。
【0029】
また、図面において、各層の厚み及び領域は、明瞭化のために誇張されている。層、領域、又は構成要素が他の部分の「上」にあると言及された場合、それは、直接に他の部分の上に直接あるか、又はそれらの間に他の構成要素が介在することもあることを理解すべきである。逆に、ある部品が他の部品上に「直接」に位置すると言及された場合、それらの間に他の部品が介在しないことを意味する。
【0030】
本開示に説明されるフローチャートは、単なる一例である。本開示の精神から逸脱することなく、該フローチャート又はそこに記載されたステップの多くの変形が存在する可能性がある。例えば、各ステップは、異なる順序で行われてもよく、又は追加、削除、又は修正されてもよい。これらの変形形態は、すべて、特許請求の範囲に記載された態様の一部であるとみなされる。
【0031】
以下、図面を参照して、例示的な実施例をより詳細に説明する。
【0032】
現在、マイクロLED技術は、かなりの技術的課題に直面している。マイクロLEDの移載及び接合は、マイクロLED技術における重要な技術の1つである。
【0033】
従来、マイクロLEDの接合方法としては、4つの方法がある。第1の方法は、はんだペーストを利用して接合を行うが、接合の際にはんだペーストを加熱する必要があり、加熱はマイクロLEDの性能を劣化させる。第2の方法は、異方性導電ペーストを利用して接合する方法であるが、異方性導電ペーストのコストが高い。第3の方法は、ダイボンドによる接合であるが、ダイボンドする際に表示基板に圧力が加わると、表示基板内の薄膜トランジスタ等の電子デバイスの特性に悪影響を与える。第4の方法は、金属と金属を直接接触させて移載する方法であるが、金属と金属の間の接着剤が排出されにくく、金属と金属の間の接触面積が減少する。
【0034】
本開示の実施例は、導電性バンプを含む表示基板を提供する。該導電性バンプは、マイクロLEDと容易に接続できるように配置され、それによって、製造コストを低減し、マイクロLEDの移載効率を向上させることができる。
【0035】
図1Aは、本開示の実施例に係る表示基板の概略断面図である。
図1Aに示すように、表示基板100は、基板1と、基板1上に位置する第1電極2と、第1電極2上に位置する導電性バンプ3と、を含む。
【0036】
本開示の例示的な実施例において、
図1Aに示すように、基板1に平行な平面における導電性バンプ3の断面S1の大きさは、該断面S1から第1電極2の表面までの距離D1と負の相関を有する。ここで、負の相関とは、距離D1が大きいほど断面S1の大きさが小さいことを意味する。なお、ここでの断面S1の大きさとは、例えば、断面S1の面積を指し、第1電極2の表面とは、第1電極2の、導電性バンプ3と接触する表面を指す。また、本開示の例示的な実施例において、導電性バンプの数は、1つ又は複数であってもよく、本開示はこれに特に限定されない。
【0037】
図1A及び以下で説明する他の図面において、各部品の寸法の間の比例関係が本開示を限定するものとみなされるべきではない。ある部品の構造を明確に図示するために、該部品の寸法を他の部分の寸法よりも大きく図示する可能性がある。本開示の図面は、単なる例示であり、本開示を限定するものとみなされるべきではない。
【0038】
本開示の例示的な実施例において、第1電極2の表面における導電性バンプ3の正射影が占める面積と、第1電極2の表面積との比は、例えば、20%より大きくてもよい。
【0039】
本開示の例示的な実施例において、
図1Aに示すように、導電性バンプ3の、基板1に対向する表面の、基板1に平行な方向における最小寸法L1と、導電性バンプ3の頂部から第1電極2までの距離D2との比は、1:1~1:3の範囲内とすることができる。
【0040】
本開示の例示的な実施例において、導電性バンプ3の形状は、錐体、切頂錐体、及び角柱のうちの少なくとも1つから選択される。一例として、
図1A及び図6に示すように、導電性バンプの形状は、角柱を含んでもよい。
【0041】
図1B~
図1Fは、本開示の実施例に係る導電性バンプの形状概略図である。
図1B~
図1Fの導電性バンプ3の形状は、不規則な形状であってもよい。例えば、
図1Bにおいて、導電性バンプ3の形状は、一側縁が円弧状の錐体であってもよい。例えば、
図1C~
図1Fにおいて、導電性バンプ3は、複数の尖った部分を有してもよい。
【0042】
以下、本開示の実施例の導電性バンプ3の構造について具体的に説明する。
【0043】
一方、本開示の実施例において、導電性バンプ3は、第1部分と、第1部分を覆う第2部分と、を含む。
【0044】
具体的には、
図2は、本開示の実施例に係る表示基板の概略断面図である。本開示の例示的な実施例において、
図2に示すように、導電性バンプ3は、第1部分31と、第1部分31を覆う第2部分32と、を含んでよい。例えば、第1部分31の基板1への正射影は、第1電極2の基板1への正射影内に位置してもよい。第2部分32は、第1電極2と接触してもよい。第1部分31の基板1から離れた表面311と、第2部分32の基板1から離れた表面321とは、共形であってもよく、即ち、第1部分31の基板1から離れた表面の形状と、第2部分32の基板1から離れた表面の形状とは、相似形状である。
【0045】
本開示の例示的な実施例において、導電性バンプ3の第1部分31は誘電体材料からなってもよい。本開示の例示的な実施例において、導電性バンプ3の第2部分32は、導電性材料からなってもよい。
【0046】
一例として、誘電体材料は、有機材料を含んでよい。さらに、一例として、有機材料は、有機樹脂材料を含んでよい。有機樹脂材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂やアクリル系樹脂が挙げられる。
【0047】
一例として、導電性材料は、アルミニウム、銅、モリブデン、チタン、タングステンなどを含んでもよい。
【0048】
本開示の例示的な実施例において、導電性バンプ3の第2部分32の材料は、第1電極2の材料と同一であってもよく、異なってもよい。当業者は必要に応じて又は製造工程などを考慮して選択することができ、本開示はこれに特に限定されない。
【0049】
図3は、本開示の実施例に係る表示基板の概略断面図である。また、本発明の他の実施例として、
図3に示すように、導電性バンプ3は、さらに、第1部分31と第2部分32との間に位置して第1部分31を覆う無機材料層33を含んでもよい。なお、無機材料層33は、導電性バンプ3の第2部分32を製造する際に、下の誘電体材料(即ち、第1部分31)を保護することができる。例えば、第2部分32をスパッタリングによって形成する際、スパッタリングされたイオン(例えば、金属イオン)が第1部分31の表面に衝突し続け、大量の熱を発生させ、これにより、第
1部分
31の有機材料などの誘電体材料に崩壊などの変形を引き起こす可能性がある。
【0050】
本開示の例示的な実施例において、無機材料層33の材料は、例えば、窒化ケイ素(SiNx)又は酸化ケイ素(SiOx)などを含んでもよい。
【0051】
図4は、本開示の実施例に係る表示基板の概略断面図である。さらに、本開示の他の実施例として、導電性バンプ3の第2部分32は、
図4の点線円内に示すように、隣接する2つの第1部分31の間に露出した第1電極2の表面を覆うこともでき、これにより、導電性バンプ3と第1電極2との電気的接続をより効果的にし、接触抵抗をさらに低減することができる。
【0052】
他方、本開示の実施例において、導電性バンプ3は、導電性材料のみからなってもよい。
【0053】
本開示の実施例において、第1電極2と導電性バンプ3を一体に形成してもよい。即ち、第1電極2と導電性バンプ3とは、同一の材料からなってもよく、同一の工程で形成されてもよい。
【0054】
図5は、本開示の実施例に係る表示基板の概略断面図である。
図5に示すように、第1電極2の厚さT1と、導電性バンプ3の頂部から第1電極2の底部までの距離D3との比は、1:4~1:2の範囲内とすることができる。一例として、厚さT1は0.5μmであってもよい。一例として、距離D3は1~2μmであってもよい。
【0055】
上述の実施例と同様に、本実施例においても、例えば、導電性材料は、アルミニウム、銅、モリブデン、チタン又はタングステンなどを含んでもよい。
【0056】
図6は、本開示の実施例に係る表示基板100の透視図である。本開示の例示的な実施例において、
図6に示すように、第1電極2の各々に、アレイ状に配列された複数の導電性バンプ3が配置される。なお、
図6に示す導電性バンプ3の数は、単なる例示であり、本開示を限定するものとみなされるべきではない。
【0057】
図6に示すように、他の実施例として、導電性バンプ3は三角柱であってもよい。該実施例において、三角柱3は、基板1の表面に平行な第1面S2を含んでもよい。該第1面S2は、第1辺L2と、第1辺L2と交差する第2辺L3と、を含んでもよい。一例として、第1辺L2の延在方向(即ち、X方向)に隣接する2つの導電性バンプ3(即ち、三角柱3)の間の距離D4は、2~10μmの範囲内とすることができる。一例として、第2辺L3の延在方向(即ち、Y方向)に隣接する2つの導電性バンプ3(即ち、三角柱3)の間の距離D5は、2~5μmの範囲内とすることができる。一例として、第1辺L2の寸法は2~10μm、第2辺L3の寸法は1~5μm、三角柱3の基板1に垂直な方向の高さH1は1~5μmの範囲内とすることができる。
【0058】
他の実施例として、三角柱3は、
図6に示すように、正三角柱を含んでもよい。
【0059】
図7Aは、本開示の実施例に係る表示基板の概略断面図である。また、
図7Aに示すように、表示基板100は、さらに、導電性バンプ3上に配置された電子デバイス4と、導電性バンプ3の間に配置された接着剤5と、を含んでもよい。
【0060】
本開示の例示的な実施例において、電子デバイス4のピン41、42は、導電性バンプ3と接触してもよい。接着剤5は、ピン41、42と第1電極2とを接合する。なお、
図6における導電性バンプ3の間の距離D4、D5は、ピン41、42と第1電極2とを接着剤5により接合する際に、その接合箇所から接着剤5をより効果的に排出できるように配置され、それにより、ピン41、42と第1電極2との良好な電気的接触を実現する。
【0061】
なお、
図7Aに示す導電性バンプ3とピン41、42との接触状態は例示的なものに過ぎず(以下、
図8の構造も例示的である)、本開示はこれに特に限定されない。実際の使用においては、
図7Bに示すように、導電性バンプ3の頂部がピン41、42の形状に適合するように変形することを許容することができる。
【0062】
また、導電性バンプ3の材料の硬度がピン41、42の材料の硬度よりも高い場合、
図7Cに示すように、導電性バンプ3の頂部をピン41、42に突き刺すことができ、より効果的な電気的接続及び機械的接続を実現することができる。
【0063】
本開示の例示的な実施例において、電子デバイス4はマイクロLEDを含んでもよい。
【0064】
接着剤5の材料としては、例えば、シリコーン系接着剤、樹脂系接着剤、光硬化型接着剤等を含んでもよい。一例として、光硬化型接着剤は、アクリレート系プレポリマー(オリゴマーとも称する)、反応性モノマー、紫外線光開始剤などを含んでもよい。
図8は、本開示の実施例に係る表示基板の概略断面図である。また、
図8に示すように、表示基板100は、さらに、基板1上に位置する薄膜トランジスタ6と、薄膜トランジスタ6上に位置する第1誘電体層7と、を含んでもよい。該実施例において、第1電極2は、第1誘電体層7上に位置し、薄膜トランジスタ6に電気的に接続される。本開示の例示的な実施例において、
図8に示すように、薄膜トランジスタ
6は、基板1上に位置するバッファ層61と、バッファ層61上に位置する活性層62と、バッファ層61及び活性層62を覆う絶縁層63と、絶縁層63上に位置するゲート電極層64と、を含んでもよい。
図8に示す薄膜トランジスタ
6はトップゲート型薄膜トランジスタであるが、薄膜トランジスタ
6はボトムゲート型薄膜トランジスタであってもよい。当業者は必要に応じて薄膜トランジスタの種類を選択することができる。
図8に示す薄膜トランジスタ
6は、単なる一例であり、本開示を限定するものではない。
【0065】
本発明の実施例において、
図8に示すように、第1誘電体層7は、順次積層された第1サブ誘電体層71と第2サブ誘電体層72とを含んでもよい。第1サブ誘電体層71は、絶縁層63及びゲート電極層64を覆うことができる。一例として、第1サブ誘電体層71は、層間絶縁層であってもよい。一例として、第2サブ誘電体層72は、パッシベーション層又は平坦化層であってもよい。
【0066】
また、
図8に戻り、表示基板100は、さらに、第1サブ誘電体層71と第2サブ誘電体層72との間に配置される第2電極81及び第3電極82を含んでもよい。本開示の例示的な実施例において、第2電極81は、第1サブ誘電体層71の第1ホール711を介して薄膜トランジスタ6のソース/ドレイン領域に接続することができる。
【0067】
本開示の例示的な実施例において、第2電極81は第3電極82と同一の層に配置されてもよい。即ち、第2電極81及び第3電極82は、同一の材料からなってもよく、同一の工程で形成されてもよい。一例として、第2電極81は薄膜トランジスタ6のソース/ドレイン電極であってもよい。一例として、第3電極82は表示基板100内の配線であってもよい。
【0068】
また、本開示の例示的な実施例において、
図8に示すように、第1電極2は、第1サブ電極21及び第2サブ電極22を含んでもよい。第1サブ電極21は、第2サブ誘電体層72の第2ホール721を介して第2電極81に接続することができる。第2サブ電極22は、第2サブ誘電体層72内の第3ホール722を介して第3電極82に接続することができる。一例として、第1電極2は、電子デバイス4を接合するための接合パッドであってもよい。
【0069】
本発明の実施例において、例えば、電子デバイス4を第1電極2に接合した後、薄膜トランジスタ6によって電子デバイス4を制御してもよい。一例として、電子デバイス4がマイクロLEDを含む場合、薄膜トランジスタ6は、第1電極2及び導電性バンプ3によってマイクロLEDの発光を制御することができる。
【0070】
本開示の実施例は、さらに、表示基板の製造方法を提供する。本開示の実施例により製造された表示基板は、導電性バンプを有する。該導電性バンプは、マイクロLEDと容易に接続できるように配置され、これにより、製造コストを低減し、マイクロLEDの接合歩留まりを向上させることができる。
【0071】
図9は、本開示の実施例に係る表示基板の製造方法を示すフローチャートである。
図9に示すように、表示基板の製造方法は、ステップS901~ステップS903を含んでもよい。
図1A及び
図9に示すように、ステップS901において、基板1を提供する。ステップS902において、基板1上に第1電極2を形成する。ステップS903において、第1電極2上に導電性バンプ3を形成する。
【0072】
図1Aに関する説明と同様に、本開示の例示的な実施例において、
図1Aに示すように、基板1に平行な平面における導電性バンプ3の断面S1の大きさは、該断面S1から第1電極2の表面までの距離D1と負の相関を有する。ここで、負の相関とは、距離D1が大きいほど断面S1の大きさが小さいことを意味する。なお、ここでの断面S1の大きさとは、例えば、断面S1の面積を指し、第1電極2の表面とは、第1電極2の導電性バンプ3と接触する表面を指す。また、本開示の一実施例において、導電性バンプの数は、1つ又は複数であってもよく、本開示はこれに特に限定されない。
【0073】
導電性バンプ3に関するいくつかの説明は、
図1A~
図1Fに関する説明を参照することができ、ここではその説明を省略する。
【0074】
以下、導電性バンプ3の形成方法について具体的に説明する。
【0075】
一方、
図10~
図17を参照して、本開示の実施例による導電性バンプ3を形成するプロセスを説明する。形成された導電性バンプ3は、
図2に示すような構造を有する。
【0076】
図10は、本開示の実施例に係る導電性バンプの形成方法を示すフローチャートである。
図10及び
図11に示すように、ステップS9031において、基板1及び第1電極2上に誘電体材料層3’を形成する。
【0077】
図10に戻り、ステップS9032において、誘電体材料層をパターニングして、導電性バンプの第1部分を形成する。
【0078】
本開示の例示的な実施例において、誘電体材料層の材料は、感光性材料を含んでもよい。例えば、誘電体材料層の材料としては、有機感光性材料が挙げられる。
【0079】
誘電体材料層の材料の例については、
図2に関する上記の説明を参照することができ、ここでその説明を省略する。
【0080】
具体的には、誘電体材料層の材料が感光性材料を含む場合、
図12に示すように、誘電体材料層3’をパターニングする処理は、第1マスクM1を用いて誘電体材料層3’を露光及び現像して、導電性バンプ3の第1部分31(
図12の破線部分に示す)を形成するステップを含んでもよい。
【0081】
本開示の例示的な実施例において、露光時に遮光部M1-1のエッジで回折光LDが発生するように、誘電体材料層3’を露光する光Lの照射線量と、第1マスクM1の遮光部M1-1が延在する方向に垂直な方向における遮光部M1-1の寸法D6と、第1マスクM1から誘電体材料層3’までの距離D7とを配置する。
【0082】
本開示の例示的な実施例において、回折光LDの少なくとも一部は、遮光部M1-1の中央部Cの下方に位置する誘電体材料層3’の表面に到達することができる。中央部Cの直下に位置する誘電体材料の対応部分に入射する回折光LDの強度は、該対応部分までの距離が減少するにつれて減少するので、
図12の破線に示す誘電体材料の対応部分の凸形状を有する未露光部分が形成され、該未露光部分は導電性バンプ3の第1部分31を形成する。
【0083】
図12に戻り、本開示の例示的な実施例において、第1マスクM1の遮光部M1-1の寸法D6と、第1マスクM1の非遮光部M1-
2の寸法D8との比は、1:1~3:2の範囲内とすることができる。
【0084】
また、従来の露光工程では、マスクと被露光構造体との距離は、一般的に一定である。本開示の例示的な実施例において、第1マスクM1から誘電体材料層3’までの距離D7が大きい場合に、光Lの照射線量を増加することができる。これに対し、第1マスクM1から誘電体材料層3’までの距離D7が小さい(さらに接触している)場合に、光Lの照射線量を減少することができる。当業者は実際の製造工程に応じて選択することができ、本開示はこれに特に限定されない。
【0085】
本開示の他の実施例として、誘電体材料層3’をパターニングすることは、誘電体材料層3’をインプリント処理することを含んでもよく、これにより、導電性バンプ3の第1部分31を得る。該実施例において、インプリントを行うインプリントヘッドの表面は、凸部に対応する凹部構造を有してもよい。
【0086】
以上の方法により最終的に得られた構造を
図13に示す。そして、
図10に戻り、ステップS9033において、
第1導電材料層3’’を形成する。
【0087】
具体的には、本開示の例示的な実施例においては、
図14に示すように、基板1、第1電極2、及び導電性バンプの第1部分31の表面に、第1導電材料層3’’を形成する。
【0088】
本開示の実施例において、第1導電材料層3’’の形成方法は、例えば、スパッタリング法を含んでもよい。
【0089】
図10に戻り、ステップS9034において、導電性バンプの第2部分を形成する。
【0090】
具体的には、本開示の実施例においては、
図14及び
図15に示すように、第1導電材料層3’’をパターニングして、導電性バンプ3の第2部分32を形成する。これにより得られた構造を
図15に示す。
【0091】
一例として、該パターニングは、当技術分野で従来用いられるフォトリソグラフィー法を用いることができ、本開示はこれに特に限定されない。
【0092】
第1導電材料層の材料の例示については、上記の
図2に関する説明を参照することができ、ここではその説明を省略する。
【0093】
本開示の例示的な実施例において、導電性バンプ3は、
図15に示すように、第1部分31と、第1部分31を覆う第2部分32と、を含んでもよい。第1部分31の基板1への正射影は、第1電極2の基板1への正射影内に位置してもよい。第2部分32は、第1電極2と接触してもよい。第1部分31の基板1から離れた表面311と、第2部分32の基板1から離れた表面321とは、共形であってもよい。本開示の他の実施例として、
図16の点線円内に示すように、導電性バンプ3の第2部分32は、第1部分31に覆われていない第1電極2の表面に位置してもよく、それにより、導電性バンプ3と第1電極2との電気的接続をより効果的にすることができる。
【0094】
本開示の他の実施例として、
図10に示すように、ステップS9032とステップS9033との間にステップS9035が含まれてもよい。即ち、第1導電材料層3’’を形成する前に、
図13に示すように、導電性バンプ3の第1部分31の表面を粗面化してもよい。一例として、該粗面化は、マイクロエッチング加工を含んでもよい。これにより、第1導電材料層3’’を形成する間に、導電性バンプ3の第1部分31における第1導電材料層3’’の間の付着力を向上させることができる。
【0095】
本開示の他の実施例として、スパッタリング法によって第1導電材料層3’’を形成する工程は、導電性バンプの第1部分31の頂部の崩壊を引き起こす可能性があり、この問題を解決するためには、以下の2つの方法の少なくとも一方を採用することができる。
【0096】
第1の方法は、第1導電材料層の堆積電力を低減することである。即ち、複数回に堆積するが、毎回少量の導電材料を堆積する方法である。これにより、崩壊の問題を改善することができる。
【0097】
第2の方法は、導電性バンプの第1部分を形成した後、第1導電材料層を形成する前に、導電性バンプ
の第1部分の上に無機材料層を形成する方法である。
図10に示すように、ステップS9032とステップS9033との間に、該無機材料層を形成するためのステップS9036を含んでもよい。
【0098】
即ち、本開示の例示的な実施例においては、
図17に示すように、第1部分31を形成した後、第1導電材料層3’’を形成する前に、第1部分31の表面に無機材料層33を形成してもよい。また、第1部分31の表面を粗面化した後、第1導電材料層3’’を形成する前に、第1部分31の表面に無機材料層33を形成してもよい。これにより、第1部分31への無機材料層33及び第1導電材料層3’’の効果的な付着により有利となる。
【0099】
本開示の例示的な実施例において、無機材料層33と第1部分31の基板1から離れた表面とは、共形である。
【0100】
本開示の例示的な実施例において、無機材料層33の材料は、例えば、窒化ケイ素(SiNx)又は酸化ケイ素(SiOx)などを含んでもよい。
【0101】
無機材料層33の製造方法は、第1部分31に崩壊等の望ましくない変形を引き起こさない限り、CVD法等の従来から用いられるプロセスを採用することができる。
【0102】
他方、
図18~
図22を参照して、本開示の実施例による導電性バンプ3を形成するプロセスを説明する。形成された導電性バンプ3は、
図5に示すような構造を有する。
【0103】
図18は、本開示の実施例に係る導電性バンプの製造方法のフローチャートである。
図18に示すように、導電性バンプの製造方法は、ステップS9031’及びS9032’を含む。
【0104】
図18及び
図19に示すように、ステップS9031’において、基板1上に第2導電材料層3’’’を形成する。第2導電材料層3’’’の形成方法としては、例えば、スパッタリング法が挙げられる。
【0105】
図18及び
図5に示すように、ステップS9032’において、第2導電材料層3’’’をパターニングして、第1電極2と、第1電極2上に位置する導電性バンプ3とを形成する。
【0106】
一例として、該パターニングは、従来のフォトリソグラフィー法を用いることができ、本開示はこれに特に限定されない。
【0107】
本開示の例示的な実施例において、第1電極2の厚さT1と、導電性バンプ3の頂部から第1電極2の底部までの距離D3との比は、1:4~1:2の範囲内とすることができる。一例として、厚さT1は0.5μmであってもよい。一例として、距離D3は1~2μmであってもよい。
【0108】
上記実施例と同様に、該実施例においても、例えば、導電性材料は、アルミニウム、銅、モリブデン、チタン又はタングステンなどを含んでもよい。
【0109】
導電性バンプの他の詳細な説明は、上述の構造的実施例の説明を参照することができ、ここではその説明を省略する。
【0110】
また、本開示の例示的な実施例において、表示基板の製造方法は、さらに、
図20のフローチャートにおける点線枠内のステップに示すように、ステップS904~S906を含んでもよい。
【0111】
図20及び
図21に示すように、ステップS904において、接着剤層を塗布する。具体的には、導電性バンプ3の上方及び間に、導電性バンプの頂部を覆うように接着剤層5を塗布する。本開示の例示的な実施例において、接着剤層5の上面が導電性バンプ3の頂部よりも約1μm高い。ステップS905において、
図21に示すように、電子デバイスを接着剤層に接合し、
図7Aに示す構造を得る。具体的には、電子デバイス4を接着剤層5上に載置し、電子デバイス4に力Fを加えて、導電性バンプ3を接着剤層5を貫通させて電子デバイス4に接触させることにより、電子デバイス4と第1電極2とを接着剤層5を介して接合する。
【0112】
より具体的には、本開示の例示的な実施例において、接着剤層5を介して電子デバイス4のピン41、42を第1電極2に接合する際に、大量移載技術を用いて、複数の電子デバイス4を同時に接着剤層5(例えば、樹脂材料)に移載する。電子デバイス4のピン41、42は、導電性バンプ3に接触する。このとき、電子デバイス4のピン41、42は、樹脂材料に入り込む。
【0113】
なお、大量移載技術とは、上述の
図1A及び
図2~
図5に示す構造(以下、中間構造体と呼ぶ)に、真空、静電気、接着などにより大量の電子デバイスを同時に移載する技術である。上記の過程において、電子デバイス4との接合を容易にするために、中間構造体の導電性バンプ3を備える面を上向きにする。本開示の例示的な実施例において、接着剤層5(例えば、樹脂材料)を中間構造体に塗布した後、電子デバイス4を中間構造体に移載して接合する際に、樹脂材料が周囲にあふれる可能性がある。具体的には、例えば、電子デバイス4を中間構造体上に移載する際に、電子デバイス4のピン41、42が導電性バンプの頂部に接触するように、電子デバイス4を樹脂材料中に一定の圧力で押し込む必要がある。電子デバイス4の進入により、樹脂材料が周囲にあふれるようになる。
【0114】
なお、
図7Aに示す導電性バンプ3とピン41、42との接触状態は単なる一例であり、本開示はこれに特に限定されない。実際の使用においては、
図7Bに示すように、導電性バンプ3の頂部がピン41、42の形状に適合するように変形することを許容することができる。
【0115】
また、導電性バンプ3の材料の硬度がピン41、42の材料の硬度よりも高い場合、
図7Cに示すように、導電性バンプ3の頂部をピン41、42に突き刺すことができ、より効果的な電気的接続及び機械的接続を実現することができる。
【0116】
ステップS906において、接着剤層5を硬化させる。一例として、接着剤層5の材料は、樹脂を含んでもよい。樹脂には、例えば、溶剤が含まれていてもよい。
本開示の例示的な実施例において、硬化は、従来の熱硬化プロセスを用いて行うことができる。例えば、樹脂材料を加熱して、樹脂材料を硬化させる。なお、樹脂材料には溶剤が配合されているため、加熱する際に、これらの溶剤が蒸発することにより、樹脂材料が硬化する。一例として、加熱温度は約140℃であってよい。
【0117】
なお、樹脂材料が硬化する際、樹脂材料の表面張力により電子デバイス4が押し下げられる。また、電子デバイス4からの押下力により、導電性バンプ3の頂部は、その周囲に被覆された樹脂材料を突き破り、これにより、電子デバイス4と第1電極2との電気的接続が実現される。また、一例として、電子デバイス4のピン41、42の材料の硬度が導電性バンプ3の材料の硬度よりも低い場合には、上記の張力により導電性バンプ3の頂部が最終的にピン41、42に突き刺さり、これにより、電子デバイス4と第1電極2との電気的接続がさらに保証される。また、樹脂材料の硬化後においても、その電気的接続の堅牢性が保証される。
【0118】
また、本開示の他の実施例として、
図22のフローチャートに示すように、基板を形成した後、第1電極を形成する前に、表示基板の製造方法は、さらに、ステップS2301~S2307を含んでもよい。
【0119】
図22及び
図8に示すように、ステップS2301において、薄膜トランジスタを形成する。具体的には、第1基板1上に薄膜トランジスタ6を形成する。
【0120】
より具体的に、薄膜トランジスタ6を形成するステップは、基板1上にバッファ層61を形成するステップと、バッファ層61上に活性層材料層を形成するステップと、活性層材料層をパターニングして活性層62を形成するステップと、バッファ層61及び活性層62上に絶縁層63を形成するステップと、絶縁層63上にゲート電極材料層を形成するステップと、ゲート電極材料層をパターニングしてゲート電極層64を形成するステップと、を含んでもよい。
【0121】
次に、ステップS2302において、第1サブ誘電体層を形成する。具体的には、絶縁層63及びゲート電極層64上に第1サブ誘電体層71を形成する。一例として、第1サブ誘電体層71は、層間絶縁層であってもよい。
【0122】
ステップS2303において、第1サブ誘電体層に位置する第1ホールを形成する。具体的には、露光、現像、エッチング等の工程を経て、第1サブ誘電体層71に薄膜トランジスタ6のソース/ドレイン領域を露出する(即ち、活性層62を露出する)第1ホール711を形成する。
【0123】
ステップS2304において、第3導電材料層を形成する。具体的には、第1サブ誘電体層71上に第3導電材料層を形成する。
【0124】
ステップS2305において、第2電極と第3電極を形成する。具体的には、第3導電材料層をパターニングすることによって、第2電極81及び第3電極82を形成する。
【0125】
本開示の例示的な実施例において、一例として、第2電極81は、薄膜トランジスタ6のソース/ドレイン電極であってもよい。第2電極81は、第1ホール711を介して薄膜トランジスタ6の活性層62に接続することができる。一例として、第3電極82は表示基板100内の配線であってもよい。
【0126】
次に、ステップS2306において、第2サブ誘電体層を形成する。具体的には、第1サブ誘電体層71、第2電極81及び第3電極82上に第2サブ誘電体層72を形成する。一例として、第2サブ誘電体層72は、パッシベーション層又は平坦化層であってもよい。
【0127】
ステップS2307において、第2サブ誘電体層に位置する第2ホール及び第3ホールを形成する。具体的には、第2サブ誘電体層72をパターニングすることによって、第2サブ誘電体層72に位置する第2ホール721及び第3ホール722を形成する。該実施例において、第2ホール721は第2電極81を露出し、第3ホール722は第3電極82を露出する。
【0128】
また、本開示の例示的な実施例において、
図8に示すように、第1電極2は、第1サブ電極21及び第2サブ電極22を含んでもよい。第1サブ電極21は、第2サブ誘電体層72の第2ホール721を介して第2電極81に接続される。第2サブ電極22は、第2サブ誘電体層72の第3ホール722を介して第3電極82に接続される。一例として、第1電極2は、電子デバイス4を接合するための接合パッドであってもよい。
【0129】
本開示の実施例において、例えば、電子デバイス4は、第1電極2に接合された後、薄膜トランジスタ6によって電子デバイス4を制御することができる。一例として、電子デバイス4がマイクロLEDを含む場合、薄膜トランジスタ6は、第1電極2及び導電性バンプ3を介してマイクロLEDの発光を制御することができる。
【0130】
パターニングに用いられる具体的な工程については、当業者は従来の露光、現像、エッチングなどの工程を用いることができ、ここではその説明を省略する。
【0131】
実施例の前述の説明は、例示及び説明の目的で提供された。これは、網羅的であること、又は、本開示を限定することを意図していない。特定の実施例の様々な要素又は特徴は、概して特定の実施例に限定されないが、適切な場合では、これらの要素及び特徴は、具体的に図示又は記載されていなくても、交換可能であり、選択された実施例において使用されてもよい。同様に、多くの方法で変更することができる。このような変更は、本出願からの逸脱とはみなされず、これらの変更はすべて、本出願の範囲内に含まれる。