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特許7525516医療用中空容器、閉止キャップを有する医療用中空容器、医療用中空容器の製造方法、およびキット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】医療用中空容器、閉止キャップを有する医療用中空容器、医療用中空容器の製造方法、およびキット
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/28 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
A61M5/28
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021570138
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2020064615
(87)【国際公開番号】W WO2020239791
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】102019207970.9
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513220920
【氏名又は名称】フェッター ファルマ-フェルティグング ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グロッカー,ヨアヒム
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-510660(JP,A)
【文献】特開2017-202231(JP,A)
【文献】米国特許第04747839(US,A)
【文献】特開2011-194045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00 - 5/52
A61J 1/00 - 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス製で、締結部(3)と受容部(5)とを備える医療用中空容器(1)であって、
前記締結部(3)は、前記受容部(5)と対向する側に肩部領域(7)を有し、前記受容部(5)とは反対側に頭部領域(9)を有し、
前記頭部領域(9)は、閉止キャップ(13)が配置可能な開口部(11)を有し、
前記締結部(3)は、前記医療用中空容器(1)と前記閉止キャップ(13)との間の互いに対する相対的な回転を少なくとも抑制するように構成されている少なくとも1つの回転抑制構造(15)を有し、
前記回転抑制構造(15)は、少なくとも1つの回転抑制要素(17)を有し、
前記少なくとも1つの回転抑制要素(17)は、少なくとも1つの凸部および/または少なくとも1つの凹部であり、および/または前記開口部(11)の非円形の形状および/または前記開口部(11)の非円形の縁部として構成されており、
前記医療用中空容器(1)の前記締結部(3)に配置され、前記医療用中空容器(1)の前記受容部(5)とは反対側の前記締結部(3)の側に配置されている閉止キャップ(13)を備え、
前記医療用中空容器(1)は、前記閉止キャップ(13)により閉止可能であり、
前記閉止キャップ(13)と前記医療用中空容器(1)の前記締結部(3)との間の領域に、封止要素(19)が少なくとも部分的に配置されているキャビティが形成され、
前記医療用中空容器(1)の前記締結部(3)は、内側に少なくとも1つの回転抑制要素(23)を有し、前記封止要素(19)は可撓性であり、前記封止要素(19)は、前記封止要素(19)および前記医療用中空容器(1)が互いに対して回転できないように前記締結部(3)の前記少なくとも1つの回転抑制要素(23)に係合する、医療用中空容器(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの回転抑制要素(17)は、少なくとも1つの凸部であり、
前記少なくとも1つの凸部は、屋根状、ピラミッド状、四面体状、円筒状および半球状からなる群から選択される幾何学形状を有する、請求項1に記載の医療用中空容器(1)。
【請求項3】
前記回転抑制構造(15)は、いくつかの回転抑制要素(17)を有し、
前記回転抑制要素(17)は、前記医療用中空容器(1)の中心軸の周りの円周方向に配置、好適には成形されている、請求項1または2に記載の医療用中空容器(1)。
【請求項4】
前記開口部(11)の前記非円形の形状および/または前記非円形の縁部は、楕円形、多角形、鋸歯状または溝付きである、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療用中空容器(1)。
【請求項5】
前記医療用中空容器(1)は、カルプル、シリンジまたはバイアルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の医療用中空容器(1)。
【請求項6】
前記封止要素(19)は、少なくとも部分的に前記閉止キャップ(13)に対して固定され、特に摩擦、材料、および/または形状による接続を形成して、前記閉止キャップ(13)および前記封止要素(19)が互いに対して回転不能となる、請求項1から5のいずれか一項に記載の閉止キャップ(13)を有する医療用中空容器(1)。
【請求項7】
前記封止要素(19)は弾性材料製である、請求項からのいずれか一項に記載の閉止キャップ(13)を有する医療用中空容器(1)。
【請求項8】
前記閉止キャップ(13)は、特にルアーロック接続によって、前記医療用中空容器(1)を医療装置(27)に軸方向に接続するために構成されているカップリング要素(25)として構成されている、請求項からのいずれか一項に記載の閉止キャップ(13)を有する医療用中空容器(1)。
【請求項9】
回転ガラス管が加熱され、
前記受容部(5)および前記頭部領域(9)および前記肩部領域(7)を有する前記締結部(3)は、成形ガラス容器が得られるようにフォームローラーによって形成され、
前記少なくとも1つの凸部および/または前記少なくとも1つの凹型は、前記成形ガラス容器から成形される、または前記成形ガラス容器へと成形され、および/または前記開口部(11)および/または前記開口部(11)の前記縁部は非円形である、回転プロセスで請求項1から5のいずれか一項に記載の医療用中空容器(1)を製造する方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの凸部を形成するために、前記成形ガラス容器が部分的に加熱され、
前記少なくとも1つの凸部を形成するための鋳型は、前記成形された部分的に加熱されたガラス容器に外側から適用され、
前記少なくとも1つの凸部が前記成形ガラス容器に形成されるように、前記医療用中空容器内の圧力媒体は、前記成形された部分的に加熱されたガラス容器を前記鋳型に対して押圧する、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記成形ガラス容器は、部分的に加熱されて前記少なくとも1つの凹部を形成し、
前記少なくとも1つの凹部を形成するための鋳型は、前記成形された部分的に加熱されたガラス容器に外側および/または内側から適用され、
前記少なくとも1つの凹部が前記成形ガラス容器に形成されるように、圧力によって前記鋳型は、前記成形された部分的に加熱されたガラス容器に対して押圧される、請求項または10に記載の方法。
【請求項12】
前記開口部(11)の前記非円形の形状を形成するために、フォームローラーによって前記頭部領域の形状が圧延される際に非円形ピンが前記成形ガラス容器の前記頭部領域の前記開口部に配置され、前記非円形ピンによって前記開口部(11)の前記非円形の形状が形成されるように、前記非円形ピンは、前記回転ガラス管の形成と同一の速度で回転される、請求項から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
医療装置(27)と組み合わされ、
前記医療用中空容器(1)が、特にフロー可能な方法で、前記医療装置(27)に接続される、請求項1からのいずれか一項に記載の医療用中空容器(1)。
【請求項14】
請求項1からのいずれか一項に記載の医療用中空容器(1)を備える、医療用途のキットであって、
前記医療用中空容器(1)は滅菌包装され、
前記医療用中空容器(1)には、好ましくは、少なくとも1つの薬剤が充填され、
前記キットは、好ましくは、前記医療用中空容器(1)の使用に関する説明書および/または説明リーフレットを備える、医療用途のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用中空容器、閉止キャップ有する医療用中空容器、医療用中空容器の製造方法、および医療用中空容器を備えるキットに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で説明されている種類の医療用中空容器は知られている。これらの一般的に円筒状の容器は、薬剤を受けるためのチャンバーを備え、このチャンバーは近位および遠位端によって両側で区切られている。特に遠位開口部を有している遠位端は、締結構造を有し、遠位端を介して薬剤を薬物容器から取り除き、または薬物容器へと導入することができる。薬物容器のデザインに応じて、遠位端を閉止するための個別の遠位閉止装置が締結構造に配置され、遠位閉止装置は薬物容器の任意のデザインの遠位端の正確な形状に適合するようになっている。近位端は、基体の内壁の一部によって閉止されている、または近位開口部を有している。開口近位端は、近位閉止装置、特にストッパーまたはプランジャーを受けるように構成されている。プランジャーは近位端に挿入することができ、薬剤はプランジャーの摺動により医療用中空容器の遠位開口部から遠位方向に放出することができ、または逆に近位への動作により、この開口部を通じて薬剤をシリンジ内へと引き込むことができる。
【0003】
既知の薬物容器は、典型的にシリンジ、カルプル、アンプルまたは注入ボトル、すなわちバイアルの形態であり、ガラスまたはプラスチック材からなることができ、典型的には中心軸を有する基体を有し、多くの場合、基体は少なくとも実質的に中心軸に回転対称である。この場合、基体は少なくとも中心軸の周りの円周方向に、少なくとも1つの薬剤を受けるように構成されている受容部を包囲する。
【0004】
シリンジは、その近位端の方向において軸方向に、特に遠位側および/または近位側にずらすことが可能な閉止装置によって閉止され、閉止装置はプランジャーロッドに作動的に接続可能なプランジャー要素、特に封止プランジャー要素として典型的に構成されている。プランジャーロッドを用いることで、少なくともプランジャーロッドが閉止プランジャー要素に作動的に接続された後、閉止プランジャー要素を遠位および/または近位方向にずらして、その結果、シリンジから薬剤を供給することおよび/またはシリンジに薬剤を導入することが可能となる。
【0005】
一方、カルプルは、ストッパーとプランジャーロッドとの間に作動的な接続なしで、特にスクリュー接続なしで容器から突出しないストッパーにより閉止される。その代わりに、カルプルから薬剤を供給するために別の供給装置が設けられ、これは近位開口部を介して薬物容器の内部に少なくとも部分的に貫通し、薬剤が膜状閉止部材を突き抜けるカニューレを介して遠位端で放出されるようにカルプルの基体内へとストッパーを変位させる。
【0006】
注入装置、特に、カニューレおよび/またはルアーロック締結を有する遠位閉止装置は、特にシリンジに締結できる。一方、バイアルが遠位端に、たとえば、ストッパー、キャップまたは膜閉止部材として構成されている閉止装置を有するように、バイアルは薬剤の直接注入を意図しているだけではない。バイアルと同様に、カルプルは典型的に、注射針またはカニューレで突き刺すことができる膜状閉止装置を有する。
【0007】
医薬品用容器のための閉止部材およびこの閉止部材を備える容器が、独国実用新案202018102680明細書により知られている。好ましくはルアーロック締結を用いて医薬品用円筒容器、特にシリンジの遠位端において開口部を脱着可能に閉止するための閉止部材は、封止要素を受けて保持するための円筒キャビティを有し、取り付け位置において容器に指向する取り付け部を有する円筒閉止キャップと、取り付け部内に少なくとも部分的に配置される封止部を有する封止要素とを有し、封止要素の外縁は取り付け部の外縁から後退している。たとえば、容器の遠位端にカニューレを締結するためにルアーロックとして知られる装置が医療分野において確立されている。プラスチック製の容器の場合、このルアーロックアタッチメントは容器と一体成形とすることができる。しかしながら、これはガラス製の医療用中空容器では同じことはできない。
【0008】
媒体搬送スレッド接続、特にルアーロック接続をねじ込むための装置が欧州特許第1567215号明細書により知られている。装置は外側部分およびその中で回転可能に受け付けられる内側部分を有し、ねじ軸受け接続部分または同部分に回転に抗して固定される付加的な部分を受けるための手段を有し、抑制手段が存在し、抑制手段は一方向のみの回転で外側部分に対して内側部分が回転することを可能にし、抵抗によってこの回転に対抗する。
【0009】
独国特許第60314018号明細書は、医療組成物用のシリンジ装置を開示しており、少なくとも1つのプランジャー要素は、少なくとも1つの流路を有する第1静止部分と、少なくとも1つの流路を有する第2可動部分とを有し、第1部分と第2部分とは並置される。2つのチャンバー間のフロー接続を確立するために、流路は、特に回転によって整列される。この場合、回転防止機能が提供され、プランジャー要素の第1部分はこのような回転防止機能を提供するために楕円形を有することが好ましく、および/またはプランジャー要素の第1部分はシリンジバレルの内面に配置される1以上の対応するリブと係合可能な1以上の溝を有する。その結果、第1部分が適所に保持され、第2部はわずかに回転できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、先行技術の欠点は、医療用中空容器に閉止キャップを取り付ける際、特に医療用中空容器上に閉止キャップを回転させる際、医療用中空容器が閉止キャップに対して少なくとも部分的に回転することである。したがって、医療用中空容器に閉止キャップを固定することがより困難となる。
【0011】
本発明は、医療用中空容器、閉止キャップを有する医療用中空容器、医療用中空容器の製造方法、および医療用中空容器を有するキットを提供する目的に基づいており、上述の欠点が発生せず、特に医療用中空容器に対する閉止キャップの回転が、特に医療用中空容器が閉止キャップによって閉止される際に、少なくとも大幅に防止される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本目的は、独立請求項の主題を作成することで達成される。有利な実施形態は、従属請求項に見つけることができる。
【0013】
本目的は、特に医療用中空容器を作成することによって達成され、医療用中空容器はガラス製で、医療用中空容器は締結部と受容部とを備え、締結部は受容部と対向する側に肩部領域を有し、受容部とは反対側に頭部領域を有し、頭部領域は閉止キャップが配置可能な開口部を有する。医療用中空容器は、締結部は医療用中空容器と閉止キャップとの間の互いに対する相対的な回転を少なくとも抑制するように構成されている少なくとも1つの回転抑制構造を有し、回転抑制構造は、少なくとも1つの回転抑制要素を有し、少なくとも1つの回転抑制要素は、少なくとも1つの凸部および/または少なくとも1つの凹部であり、および/または開口部の非円形の形状および/または開口部の非円形の縁部として構成されていることに特徴付けられる。
【0014】
本発明の医療用中空容器は、先行技術と比較して利点を有する。有利には、特に閉止キャップで中空容器が閉止される際、医療用中空容器に対する閉止キャップの相対的な回転が少なくとも抑制され、これにより医療用中空容器が閉止キャップにより容易に閉止されることが可能となる。有利には、特に医療装置が閉止キャップに配置および/または締結される場合、特に閉止キャップがカップリング要素として構成されている場合、医療用中空容器に対する閉止キャップの回転運動作が少なくとも抑制され、または完全に防止される。有利には、閉止キャップは、簡単な方法で医療用中空容器に可逆的に固定、特に閉止可能である。有利には、医療用中空容器と、閉止キャップを有する医療用中空容器は、特に取り扱いが容易である。
【0015】
医療用中空容器とは、特にシリンジ、カルプル、アンプルまたはバイアルを意味すると理解され、医療用中空容器は、好ましくは事前に充填可能または事前に充填される。
【0016】
凹部とは、特に、さらなる要素、特に凸部または突起が、その中で係合できるように適した要素であると理解される。
【0017】
凸部または突起は、特に突出要素、特に凹部において他の要素と係合できる特に伸長要素として理解される。
【0018】
医療用中空容器は、好ましくは、円筒状の中空容器として構成される。医療用中空容器は、好ましくは径方向内寸法と径方向外寸法とを有し、受容部の径方向内寸法は、好ましくは軸方向全体の長さにわたって同じである。
【0019】
軸方向は、特に医療用中空容器の中心軸に沿って伸びるまたは中央軸に対して平行に伸びる方向を意味すると理解される。半径方向は軸方向に対して、特に医療用中空容器の中心軸に対して垂直である。円周方向は軸方向を含む。
【0020】
医療用中空容器は、薬剤を受けるように構成されることが好ましい。
【0021】
薬剤、特に医薬物質とは、特に単一物質またはいくつかの物質の混合物、特に薬効成分および/もしくはアジュバントまたはいくつかのこのような物質の混合物を意味すると理解される。医療用中空容器、特に医療用中空容器の受容部は、薬剤を受けることに、ならびに注入および/または医学的に応用するために利用可能とすることに適している。
【0022】
医療装置とは、特に医療的および/または医薬的な目的を担うことが好ましい装置を意味すると理解され、医療用中空容器と共に、特に医療用中空容器に接続されて、特にフロー可能に接続されて使用できる。医療装置は、好ましくは、流体、特に液体の通路を受け付け、または許容するように構成されている。特に、医療装置は、シリンジ、チューブ、コネクタ、接続ピース、アダプターまたは輸液容器である。
【0023】
医療用中空容器、特に医療用中空容器の受容部は、好ましくは、事前殺菌後に受容部が滅菌状態のままとなるような方法で汚染および/または細菌に抗して密封できる。
【0024】
閉止キャップは、好ましくは、特に滅菌されて閉止できるように閉止キャップで医療用中空容器が閉じることができるように構成されている。
【0025】
閉止キャップは、一体成形として形成されていることが好ましいが、代替的には、閉止キャップは複数のピースで形成されることも好ましい。
【0026】
閉止キャップは、好ましくは、医療用中空容器をさらなる医療用容器、特に医療装置、たとえばシリンジと接続するためのカップリング部として構成されている。
【0027】
閉止キャップは、好ましくは、閉止キャップの外側に保持要素を有する。これにより、ユーザーによる取扱性が向上する。保持要素は、好ましくは、特にユーザーの握りやすさを改善する目的のため、少なくとも1つの柔軟なコンポーネント、少なくとも1つの凸部または凹部、特に少なくとも1つのリブ、少なくとも1つのナブ、および/または波形構造、好ましくは複数の凸部および/または凹部、好ましくは複数のリブおよび/またはナブを有する。
【0028】
封止要素は、好ましくは、一体成形として構成されている。しかしながら、代替的に、封止要素は複数のピースで構成可能である。
【0029】
封止要素は、好ましくは、閉止キャップと医療用中空容器の締結部との間にキャビティの形状を少なくとも大部分に有する。その結果、封止要素は、特に良好にキャビティを密閉することができる。
【0030】
封止要素は、好ましくは、弾性材料、特にエラストマー材料から形成される。
【0031】
閉止キャップは、好ましくは、最も厚い点において最大2.5mm、好ましくは最大2mmの肉厚を有し、壁の厚さは、閉止キャップの全長にわたって異なるように構成可能である。
【0032】
回転抑制要素は、1mm未満、好ましくは0.9mm未満、好ましくは0.8mm未満、好ましくは0.7mm未満、好ましくは0.6mm未満、好ましくは0.5mm未満、または好ましくは0.4mm未満の幅を有していることが好ましい。
【0033】
本発明のさらなる発展によれば、少なくとも1つの回転抑制要素は少なくとも1つの凸部とされ、少なくとも1つの凸部は屋根状、ピラミッド状、四面体、円筒状または半球状である。凸部に縁部がある場合、これらは面取りおよび/または断続的であることが好ましい。ここで提案される形状は、特に、回転抑制要素の形状として適していることが証明されている。
【0034】
本発明のさらなる発展によれば、回転抑制構造が複数の回転抑制要素を有し、回転抑制要素は、医療用中空容器の中心軸の周りの円周方向に配置、好ましくは成形されている。
【0035】
回転抑制構造は、少なくとも2個の回転抑制要素、好ましくは少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個、好ましくは少なくとも6個、好ましくは少なくとも8個、好ましくは少なくとも10個、好ましくは少なくとも20個、または好ましくは20個を超える回転抑制要素を有することが好ましい。
【0036】
回転抑制要素は、好ましくは、医療用中空容器の中心軸の周りの円周方向に対称的に配置、好ましくは成形されている。回転抑制構造は、好ましくは、相互に同一の複数の回転抑制要素を有する。
【0037】
回転抑制要素は、好ましくは、リブとして構成されている。
【0038】
代替的な実施形態では、回転抑制構造は、異なる構成の回転抑制要素を有する。これにより特に良好な回転防止が可能となる。
【0039】
本発明のさらなる発展によれば、開口部の非円形の形状および/または非円形の縁部が楕円形、多角形、鋸歯状または溝付きとされている。これにより特に良好な回転防止が可能となる。
【0040】
本発明のさらなる発展によれば、医療用中空容器がカルプル、シリンジまたはバイアルである。
【0041】
封止要素は、好ましくは、封止要素が閉止キャップに対して回転できないように閉止キャップに固定して保持されている。封止要素は、好ましくは、閉止キャップの内側に接着されている。
【0042】
締結部とは、特に医療用中空容器の遠位端に向く部位を意味すると理解され、締結部は少なくとも部分的に回転抑制構造を有する。締結部は、好ましくは、医療用中空容器の領域に配置され、そこには医療用中空容器を閉止するために閉止キャップが配置可能、および/または遠位閉止装置が設けられ、閉止キャップおよび/または遠位閉止装置は回転抑制構造によって回転に抗して固定される。
【0043】
締結部は、好ましくは、肩部領域の内側および/または外側に配置される。
【0044】
締結部は、好ましくは、頭部領域の内側および/または外側に配置される。
【0045】
医療用中空容器は、好ましくは、閉止キャップを締結するための径方向突起を特に医療用中空容器の外壁に有し、締結構造は閉止キャップによって後ろから把持できる。特に締結構造はこのように閉止キャップのために設けられ、閉止キャップは径方向突起の後方で締結構造に嵌め込むことが可能である。突起自体は、好ましくは、少なくとも1つの径方向凹部、特に径方向環状溝を有し、その中において閉止キャップはさらなるロック位置に嵌め込むことができる。
【0046】
締結構造の突起、特に締結構造自体は、好ましくは、医療用中空容器と共に一体成形として形成されている。
【0047】
本目的はまた、特に上記の実施形態の1つによる医療用中空容器の締結部に配置される閉止キャップを有する本発明による医療用中空容器を作成することによっても達成される。医療用中空容器に関連して既に説明されている利点は、特に閉止キャップを有する医療用中空容器に適用される。閉止キャップは、受容部とは反対側の医療用中空容器の締結部側に配置され、医療用中空容器は閉止キャップにより閉止可能であり、好ましくは閉止されており、閉止キャップと医療用中空容器の締結部との間の領域にキャビティが形成され、この中に封止要素が少なくとも部分的に配置されている。閉止キャップを有する医療用中空容器は、医療用中空容器の締結部は少なくとも1つの回転抑制構造を外側に有し、閉止キャップは少なくとも1つの回転抑制要素を内側に有し、閉止キャップの少なくとも1つの回転抑制要素は医療用中空容器の少なくとも1つの回転抑制要素と相補的に構成されており、閉止キャップの回転抑制要素は閉位置にて医療用中空容器の締結部の回転抑制要素の反対側にあり、閉止キャップを有する医療用中空容器の締結部は、締結部に対する閉止キャップの回転が少なくとも抑制されるように、摩擦、材料、および/または形状による接続を形成し、閉止キャップは締結部に対して回転可能でないことが好ましい。閉止キャップの少なくとも1つの回転抑制要素が医療用中空容器の少なくとも1つの回転抑制要素と相補的であるため、閉止キャップの少なくとも1つの回転抑制要素は、医療用中空容器の少なくとも1つの回転抑制要素と係合するようにできる。このような係合は、医療用中空容器の少なくとも1つの回転抑制要素に対する閉止キャップの少なくとも1つの回転抑制要素の回転を防止することに特徴付けられる。
【0048】
封止要素は、好ましくは、一体成形として構成されている。しかしながら、代替的には、封止要素は、複数のピースで構成されることもできる。
【0049】
封止要素は、好ましくは、閉止キャップと医療用中空容器の締結部との間のキャビティの形状を少なくとも大部分に有する。その結果、封止要素は、特に良好にキャビティを密閉できる。
【0050】
封止要素は、好ましくは、弾性材料、特にエラストマー材料から形成される。
【0051】
封止要素は、好ましくは、封止要素が閉止キャップに対して回転できないように閉止キャップに固定して保持されている。封止要素は、好ましくは、閉止キャップの内側に接着されている。
【0052】
封止要素は、好ましくは、閉止キャップと医療用中空容器の締結部との間のキャビティ全体に形成される。特に封止要素はキャビティ全体を埋める。さらなる好適な実施形態によれば、封止要素は、キャビティの一部のみを埋める。
【0053】
それによって医療用中空容器が遠位方向において閉止可能である閉止キャップの形態の遠位閉止装置は、好ましくは、医療用中空容器の開口部に配置される。閉止キャップは、好ましくは、医療用中空容器内に可逆的に少なくとも部分的に挿入でき、特にストッパー、膜閉止部材または注入装置として構成されている。閉止キャップは、好ましくは、カニューレによって閉止され、カニューレに連続し、特にカニューレが貫通できる閉止キャップである。
【0054】
閉止キャップは、好ましくは、閉止キャップの内壁の少なくとも1つの回転抑制要素によって、特にその主方向に配向され、径方向内側に突出する少なくとも1つの伸長回転抑制要素を介して、医療用中空容器の締結部の領域の封止要素に対する回転に抗して固定されている。好適な実施形態では、少なくとも2つのこのような回転抑制要素が好適には設けられている。
【0055】
閉止キャップは、内側に少なくとも1個の回転抑制要素を有することが好ましく、好ましくは少なくとも2個、好ましくは少なくとも4個、好ましくは少なくとも6個、または好ましくは少なくとも10個の回転抑制要素を内側に有する。
【0056】
回転抑制要素は、好ましくは、閉止キャップの内側に円周方向、特に等間隔で均一に配置されている。閉止キャップの内側の少なくとも1つの回転抑制要素は、たとえば取り付け時、すなわち、医療装置を閉止キャップにカップリングする際、特にカップリング要素として構成されている閉止キャップにカップリングする際に、閉止キャップに対する封止要素の回転に対抗できる。
【0057】
本目的はまた、特に上記の実施形態の1つによる医療用中空容器の締結部に配置されている閉止キャップを有する、本発明による医療用中空容器を作成することによっても達成される。医療用中空容器に関連して既に説明されている利点は、特に閉止キャップを有する医療用中空容器に適用される。さらなる実施形態では、閉止キャップは、受容部とは反対側の医療用中空容器の締結部側に閉止キャップを有する医療用中空容器に配置され、医療用中空容器は閉止キャップにより閉止可能であり、封止要素が少なくとも部分的に配置されているキャビティが閉止キャップと医療用中空容器の締結部との間の領域に形成されている。閉止キャップを有する医療用中空容器は、医療用中空容器の締結部が内側に少なくとも1つの回転抑制要素を有し、封止要素は可撓性であり、封止要素および医療用中空容器が互いに対して回転できないように封止要素は締結部の少なくとも1つの回転抑制要素に係合または成形されていることに特徴付けられる。
【0058】
本発明のさらなる発展によれば、封止要素は少なくともそのいくつかの部位で閉止キャップに対して固定されており、特に、閉止キャップおよび封止要素が互いに対して回転できないように摩擦、材料、および/または形状による接続を形成している。特に、閉止キャップと封止要素とが互いに対して回転できないように、特に上述の実施形態のいずれかにおいて、摩擦接続または接着接続によって、封止要素が回転抑制構造を介して閉止キャップと相互作用することが可能である。
【0059】
本発明のさらなる発展によれば、封止要素は弾性材料製である。
【0060】
閉止キャップの内側の回転抑制要素の形状および/またはサイズは、好ましくは、封止要素の弾性および/またはエラストマー特性に適合する。
【0061】
発明のさらなる発展によれば、閉止キャップがカップリング要素として構成されている、またはカップリング要素を有し、カップリング要素は、特にフロー可能に医療用中空容器を医療装置と軸方向に接続するために、特にルアーロック接続によって医療用中空容器と医療装置との間にフローチャネルを形成するために構成されている。
【0062】
ルアーロック接続は、特にその内部で媒体、特に液体が流れる部品同士を相互に接続するために医療技術分野で特に使用される。これらの部品としては、たとえば、輸液容器および関連するラインまたは注入シリンジおよび関連するニードルが挙げられる。このような接続がしっかりして緩んでいないことを確実にするために、好ましくは特定のトルクで締め付けられるべきである。
【0063】
医療装置は、好ましくは、シリンジ、チューブまたは輸液容器である。
【0064】
閉止キャップは、好ましくは、熱可塑性材料製である。
【0065】
本目的は、本発明による医療用中空容器、特に先に説明されている実施形態のいずれかによる医療用中空容器を回転プロセスにおいて製造する方法を作成することによっても達成され、回転ガラス管が加熱され、受容部および頭部領域および肩部領域を有する締結部は、成形ガラス容器が得られるようにフォームローラーによって形成される。方法は、特に、少なくとも1つの凸部および/または少なくとも1つの凹部が成形ガラス容器からなる、または成形ガラス容器へと形成されており、および/または開口部自体および/または開口部の縁部が非円形であることに特徴付けられる。医療用中空容器の製造方法にとって、このことは特に医療用中空容器に関連してすでに説明されている利点を結果として生み出す。
【0066】
発明のさらなる発展によれば、少なくとも1つの凸部を形成するために、成形ガラス容器が部分的に加熱され、少なくとも1つの凸部を形成するための鋳型は成形ガラス容器に外側から適用され、少なくとも1つの凸部が成形ガラス容器に形成されるように中空容器内の圧力媒体は成形された部分的に加熱されたガラス容器を鋳型に対して押圧する。
【0067】
圧力媒体は、好ましくは、液体または気体媒体である。
【0068】
発明のさらなる発展によれば、成形ガラス容器が部分的に加熱されて、少なくとも1つの凹部を形成し、少なくとも1つの凹部を形成するための鋳型は成形された部分的に加熱されたガラス容器に外側および/または内側から適用され、鋳型は、少なくとも1つの凹部が成形ガラス容器に形成されるように圧力によって成形された部分的に加熱されたガラス容器に対して押圧される。
【0069】
発明のさらなる発展によれば、非円形ピンが成形ガラス容器の頭部領域の開口部に配置されて、頭部領域の形状がフォームローラーによって圧延される際に開口部の非円形の形状を形成し、非円形ピンによって開口部の非円形の形状が形成されるように非円形ピンはガラス管の形成と同一の速度で回転される。
【0070】
本発明はまた、本発明による医療用中空容器、または上記の実施形態のいずれかによる医療用中空容器に関し、医療装置と組み合わされ、医療用中空容器は医療装置に、特にフロー可能に接続される。特に、好ましくはカップリング要素として構成される閉止キャップを介して医療用中空容器と医療装置との間にフローチャネルが形成される。
【0071】
本発明はまた、本発明による医療用中空容器、または上記の実施形態のいずれかによる医療用中空容器を備える医療用途のキットに関し、医療用中空容器は滅菌包装され、医療用中空容器には、好ましくは、少なくとも1つの薬剤が充填され、キットは、好ましくは、医療用中空容器の使用に関する説明書および/または説明リーフレットを備える。
【0072】
キットは、好ましくは、医療用中空容器に特にフロー可能な方法で接続するための医療装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0073】
以下、図面を参照し、より詳細に本発明を説明する。
図1A】いくつかの実施形態における閉止キャップを有する医療用中空容器を側面図で表した概略図である。
図1B】いくつかの実施形態における閉止キャップを有する医療用中空容器を側面図で表した概略図である。
図1C】いくつかの実施形態における閉止キャップを有する医療用中空容器を側面図で表した概略図である。
図2A】一実施形態における閉止キャップを有するシリンジの形態の医療用中空容器の概略図である。
図2B】一実施形態における接続された医療装置とのカップリング要素を持つ閉止キャップを有するシリンジの形態の医療用中空容器の概略図である。
図3A】様々な実施形態における医療用中空容器の概略図である。
図3B】様々な実施形態における医療用中空容器の概略図である。
図3C】様々な実施形態における医療用中空容器の概略図である。
図3D】様々な実施形態における医療用中空容器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図1は、いくつかの実施形態における閉止キャップ13を有する医療用中空容器1の概略図を示す(図1A図1Bおよび図1C)。
【0075】
医療用中空容器1はガラス製であり、医療用中空容器1は締結部3と受容部5とを有し、締結部3は受容部5に面する側に肩部領域7と受容部5とは反対側に頭部領域9とを有し、頭部領域9は閉止キャップ13を配置することができる開口部11を有する。締結部3は、医療用中空容器1と閉止キャップ13との間の互いに対する相対的な回転を少なくとも抑制するように構成される少なくとも1つの回転抑制構造15を有し、回転抑制構造15は少なくとも1つの回転抑制要素17を有し、少なくとも1つの回転抑制要素17は、少なくとも1つの凸部および/または少なくとも1つの凹部である、および/または開口部11の非円形の形状および/または開口部11の非円形の縁部として構成されている。
【0076】
医療用中空容器1が閉止キャップ13で閉止されると、間接的または直接的に、閉止キャップ13が回転抑制構造15と相互に作用し、その結果、閉止キャップ13の医療用中空容器1に対する回転が少なくとも防止され、これにより医療用中空容器1を閉止キャップ13で閉止することが容易となる。医療用中空容器1に対する閉止キャップ13の相対的な回転運動は、特に、医療装置27が閉止キャップ13、特にカップリング要素25として構成されている閉止キャップ13に配置または締結されている場合、少なくとも抑制または完全に防止される。医療用中空容器1および閉止キャップ13を有する医療用中空容器1は、特に取り扱いが容易である。
【0077】
本発明の一実施形態において、回転抑制構造15は複数の回転抑制要素17を有し、回転抑制要素17は医療用中空容器1の中心軸Mの周りの円周方向に配置、好ましくは成形されている。
【0078】
本発明のさらなる実施形態では、開口部11の非円形の形状および/または非円形の縁部は、楕円形、多角形、鋸歯状または溝付きである。
【0079】
本発明のさらなる実施形態では、医療用中空容器1は、カルプル、シリンジまたはバイアルである。
【0080】
一実施形態では、医療用中空容器1は医療用中空容器1の締結部3に配置されて、受容部5とは反対側の医療用中空容器1の締結部3の側に配置されている閉止キャップ13を有し、医療用中空容器1は閉止キャップ13によって閉止可能で、閉止キャップ13と医療用中空容器1の締結部3との間の領域にキャビティが形成され、そのキャビティ内には少なくとも部分的に封止要素19が配置されている。医療用中空容器1の締結部3は外側に少なくとも1つの回転抑制構造15を有し、閉止キャップ13は内側に少なくとも1つの回転抑制要素21を有し、閉止キャップ13の少なくとも1つの回転抑制要素21は医療用中空容器1の少なくとも1つの回転抑制要素17と相補的であるように構成されている。閉止キャップ13の回転抑制要素21は、閉位置では、医療用中空容器1の締結部3の回転抑制要素17の反対側にあり、閉止キャップ13が締結部3に対して回転できないように医療用中空容器1の締結部3は閉止キャップ13と摩擦、材料、および/または形状による接続を形成する(図1A)。
【0081】
代替的な実施形態では、医療用中空容器1は医療用中空容器1の締結部3に配置されて、受容部5とは反対側の医療用中空容器1の締結部3の側に配置されている閉止キャップ13を有し、医療用中空容器1は閉止キャップ13によって閉止可能であり、閉止キャップ13と医療用中空容器1の締結部3との間の領域では、封止要素19が少なくとも部分的に配置されているキャビティが形成されている。医療用中空容器1の締結部3は内側に少なくとも1つの回転抑制要素23を有し、封止要素19は可撓性であり、封止要素19および医療用中空容器1が互いに対して回転不能であるように封止要素19は締結部3の少なくとも1つの回転抑制要素23に係合する(図1Bおよび図1C参照)。
【0082】
図1Bおよび図1Cにおいて、本発明の一実施形態において、医療用中空容器1は内側に少なくとも1つの回転抑制要素23と、外側に少なくとも1つの回転抑制構造15とを有する。回転抑制構造15は、閉止キャップ13の内側の少なくとも1つの回転抑制要素21と相補的に構成されている。図1Bでは、回転抑制構造15および回転抑制要素21は、締結部3の頭部領域9に形成されており、図1Cでは、回転抑制構造15および回転抑制要素21は、締結部3の肩部領域7に構成されている。さらなる実施形態では、頭部領域9および肩部領域7に、それぞれ少なくとも1つの回転抑制構造15および閉止キャップ13の1つの回転抑制要素21の両方が形成されていると考えられる。
【0083】
本発明のさらなる実施形態では、封止要素19は少なくとも部分的において閉止キャップ13に対して固定され、特にそれと摩擦、材料、および/または形状による接続を形成することによって、閉止キャップ13および封止要素19が互いに対して回転不能となる。
【0084】
本発明のさらなる実施形態では、封止要素19は弾性材料製である。
【0085】
本発明のさらなる実施形態では、回転抑制構造15は、好適には排他的に少なくとも1つの内部回転抑制要素23を封止要素19が係合する締結部3に有する。封止要素19は、好ましくは、少なくとも部分的において、閉止キャップ13に対して固定され、特にそれに摩擦、材料、および/または形状による接続を形成することによって、閉止キャップ13および封止要素19が互いに対して回転不能となる。好適な実施形態では、封止要素19と閉止キャップ13は互いに摩擦によって接続されている。
【0086】
代替的あるいは追加的に、封止要素19と閉止キャップ13とは、少なくとも1つの追加的回転抑制要素17、21によって互いに接続される。
【0087】
代替的あるいは追加的に、封止要素19と閉止キャップ13とは互いに接着される。
【0088】
本発明のさらなる実施形態では、閉止キャップ13はカップリング要素25として構成されており、カップリング要素25は、特にルアーロック接続によって、医療用中空容器1を医療装置27(図2B)に軸方向に接続するために構成されている。
【0089】
図2は、一実施形態における、閉止キャップ13を有するカルプルの形態の医療用中空容器1の概略図(図2A)と、接続された医療装置27とのカップリング要素25を持つ閉止キャップ13を有するカルプルの形態の医療用中空容器1の概略図(図2B)である。同一および機能的に同一な要素は、同じ参照記号が付されているため、この点においては先の説明を参照する。本実施形態では、医療装置27はシリンジである。
【0090】
図3は、様々な実施形態における医療用中空容器1の概略図である(図3A図3B図3Cおよび図3D)。同一および機能的に同一な要素は、同じ参照記号で提供されているため、この点においては先の説明を参照する。
【0091】
図3Aにおいて、医療用中空容器1は、一実施形態において、締結部3の肩部領域7に回転抑制構造15を有し、回転抑制構造15は複数の回転抑制要素17を有し、回転抑制要素17は凸部として形成されている。
【0092】
好適な実施形態では、凸部は屋根状、特に面取りされたまたは断続的な縁部である。凸部は、その形状上に縁部、特に好ましくは面取りされたまたは断続的な縁部がある場合、各ケースにおいて、異なるように、好ましくはピラミッド状、四面体状、円筒状または半球状に構成されることも可能である。
【0093】
図3Bでは、医療用中空容器1は、一実施形態において、締結部3の肩部領域7に複数の回転抑制要素17を有する回転抑制構造15を有し、回転抑制要素17は凹部として構成されている。図3Cでは、一実施形態において、医療用中空容器1は、締結部3の内側に回転抑制構造15を有し、回転抑制構造15は溝付きである。図3Dでは、医療用中空容器1は、一実施形態において、締結部3の頭部領域9に回転抑制構造15を有し、回転抑制構造15は、特にローレットの形状で医療用中空容器1の円周方向に沿って分散されて配置されている複数の回転抑制要素17から形成されている。
【0094】
医療用中空容器1は、回転プロセスで製造される。回転ガラス管が加熱され、受容部5および頭部領域9および肩部領域7を有する締結部3は、成形ガラス容器が得られるようにフォームローラーによって形成される。少なくとも1つの凸部および/または少なくとも1つの凹型は成形ガラス容器から成形される、または成形ガラス容器へと成形され、および/または開口部11自体および/または開口部11の縁部は非円形である。
【0095】
本発明の方法の一実施形態では、成形ガラス容器は部分的に加熱されて少なくとも1つの凸部を形成し、少なくとも1つの凸部を形成するための鋳型は、成形ガラス容器に外側から適用され、中空容器の内部では、少なくとも1つの凸部が成形ガラス容器に形成されるように、成形された部分的に加熱されたガラス容器が圧力媒体、特に気体または液体によって鋳型に対して押圧される。
【0096】
本発明の方法のさらなる実施形態では、成形ガラス容器は部分的に加熱されて少なくとも1つの凹部を形成し、少なくとも1つの凹部を形成するための鋳型は外側および/または内側から部分的に加熱されたガラス容器に適用され、少なくとも1つの凹部が成形ガラス容器に形成されるように、圧力によって鋳型は成形された部分的に加熱されたガラス容器に対して押圧される。
【0097】
本発明の方法のさらなる実施形態では、開口部11の非円形の形状を形成するために、フォームローラーによって頭部領域9の形状が圧延される際に非円形ピンが成形ガラス容器の頭部領域9の開口部11に配置され、非円形ピンによって非円形開口部11が形成されるように非円形ピンはガラス管の形成と同一の速度で回転される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D