IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヘーベルライン・テクノロジー・アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

特許7525523織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械
<>
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図1
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図2
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図3
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図4
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図5
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図6
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図7
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図8
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図9
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図10
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図11
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図12
  • 特許-織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械
(51)【国際特許分類】
   D02J 1/00 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
D02J1/00 J
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021575421
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2019066250
(87)【国際公開番号】W WO2020253958
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】524036365
【氏名又は名称】ヘーベルライン・テクノロジー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HEBERLEIN TECHNOLOGY AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブッフミュラー,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】フォーラー,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】レゲンシュタイン,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ブルンネル,アンドレアス
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0051735(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0027038(US,A1)
【文献】特開平02-276773(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1262619(EP,A2)
【文献】米国特許第2549793(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D02J 1/00-13/00
F16B 5/00- 5/12,
21/00-21/20
B65H 69/00-69/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物機械のためのノズルシステム(100)であって、
少なくとも1つのノズル要素(1)と、
前記ノズル要素(1)を織物機械に接続するための接続要素(2)と、を備え、
前記接続要素(2)は少なくとも1つの迅速固定システム(3)を備え
前記迅速固定システム(3)は、固定部分とクランプ部分とを有する、クランプ要素(3b)を備え、
前記迅速固定システム(3)は第1の固定位置と第2の固定位置とを備え
前記第1の固定位置において、前記迅速固定システム(3)は、補助装置が前記迅速固定システム(3)または前記迅速固定システム(3)の部品を動かすことなく前記接続要素(2)から前記ノズル要素(1)を取り外すことができるように前記ノズル要素(1)が前記迅速固定システム(3)に固定されることができるように、前記接続要素(2)に接続され
前記第1の固定位置において、前記ノズル要素(1)は移動可能に設けられ、
前記迅速固定システム(3)は、前記第2の固定位置において前記ノズル要素(1)が前記接続要素(2)に不動に固定されるように設計され、前記第2の固定位置において前記ノズル要素(1)が1つもしくは2つの場所にクランプ留めされることを特徴とする、ノズルシステム(100)。
【請求項2】
前記迅速固定システム(3)の前記第1の固定位置において、前記ノズル要素(1)は第1の位置と第2の位置との間で移動可能であることを特徴とする、請求項に記載のノズルシステム(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのノズル要素(1)はアダプタ要素(6)を備え、前記アダプタ要素(6)上には少なくとも1つのノズル(4)が設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載のノズルシステム(100)。
【請求項4】
前記迅速固定システム(3)によって、前記少なくとも1つのノズル(4)は、直接、または、前記アダプタ要素(6)への中間アダプタ要素および/もしくは前記アダプタ要素(6)を介して、前記接続要素(2)に固定されるまたは固定可能であることを特徴とする、請求項に記載のノズルシステム(100)。
【請求項5】
前記接続要素(2)は空気送達システムを封止するためのシール(90)を備えることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のノズルシステム(100)。
【請求項6】
前記シール(90)は円錐形の形状を備え、内面は、前記シール(90)の軸に向かって一定である半径を備えることを特徴とする、請求項に記載のノズルシステム(100)。
【請求項7】
前記接続要素(2)は、前記迅速固定システム(3)のスリーブ要素(33)を受容するための少なくとも1つの凹部(64)を備えることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のノズルシステム(100)。
【請求項8】
前記ノズル要素(1)は、前記ノズル(4)を保護するための少なくとも1つの保護要素(5)を備えることを特徴とする、請求項に記載のノズルシステム(100)。
【請求項9】
前記保護要素(5)は衝撃ケージ(5a,5b)を備えることを特徴とする、請求項に記載のノズルシステム(100)。
【請求項10】
請求項に記載のノズルシステム(100)の迅速固定システム(3)のためのねじシステム(3a)であって、
前記ねじシステム(3a)は、
前記接続要素(2)に固定するためのスリーブ要素(33)と、
前記アダプタ要素(6)に接続するためのピン(32)と、を備え、
前記ピン(32)は、少なくとも1つの周方向に設けられたガイド要素(34)を備え、
前記スリーブ要素(33)は、前記ガイド要素(34)を案内するためのガイド(44)を備え、
前記ピン(32)は、前記ピン(32)が前記スリーブ要素(33)に対して回転可能かつ移動可能に設置されるように、少なくとも部分的に前記スリーブ要素(33)内に設けられ、
前記ガイド(44)は、最大3/4ターンを備えることを特徴とする、ねじシステム(3a)。
【請求項11】
前記スリーブ要素(33)は回転防止要素(50)を備えることを特徴とする、請求項10に記載のねじシステム(3a)。
【請求項12】
前記ガイド(44)は、少なくとも1.55mmの前記ピン(32)のストロークが可能であるように設計されることを特徴とする、請求項10または11のいずれか一項に記載のねじシステム(3a)。
【請求項13】
前記ガイド(44)は閉じていることを特徴とする、請求項1012のいずれか一項に記載のねじシステム(3a)。
【請求項14】
前記ガイド(44)はいくつかの部分(46a,46b,48)を備え、前記部分は傾斜角度を有してまたは傾斜角度なしで形成されることを特徴とする、請求項12に記載のねじシステム(3a)。
【請求項15】
前記部分(46a,46b,48)の間における遷移部は丸くなっていることを特徴とする、請求項14に記載のねじシステム(3a)。
【請求項16】
前記ガイド(44)は係合要素(53)を備え、前記係合要素(53)は、前記ガイド(44)の一端(45a,45b)に設けられることを特徴とする、請求項1015のいずれか一項に記載のねじシステム(3a)。
【請求項17】
前記係合要素(53)は前記ガイド(44)のバルジを備え、前記バルジは、前記ガイド(44)の直径の半分の半径を有することを特徴とする、請求項16に記載のねじシステム(3a)。
【請求項18】
前記ピン(32)は、前記ガイド要素(34)を受容するための凹部(37)を備え、前記凹部(37)は、1.5mmの断面直径を備える、請求項1017のいずれか一項に記載のねじシステム(3a)。
【請求項19】
前記ピン(32)は7.5mmの高さ、および、4mmの断面直径(41)を備える、請求項1018のいずれか一項に記載のねじシステム(3a)。
【請求項20】
前記ピン(32)は、前記アダプタ要素(6)をクランプ留めするためのヘッド(60a)を備える、請求項1019のいずれか一項に記載のねじシステム(3a)。
【請求項21】
前記ヘッド(60a)は、外縁において、平坦面(62a)と丸形面(61a)とを備える、請求項20に記載のねじシステム(3a)。
【請求項22】
前記平坦面(62a)への前記丸形面(61a)の遷移部において、少なくとも1つの丸み部分(72,73)が、前記丸形面(61a)の半径とは違う半径を有して設けられることを特徴とする、請求項21に記載のねじシステム(3a)。
【請求項23】
各遷移部には、2つの丸み部分(72,73)が設けられ、前記丸み部分(72,73)の各々の間には、真っ直ぐな部分(74)が設けられることを特徴とする、請求項22に記載のねじシステム(3a)。
【請求項24】
前記ねじシステム(3a)はばね要素(40)を備え、前記ばね要素(40)は、前記ピン(32)を前記スリーブ要素(33)内へ移動させることによって前記ばね要素(40)が張力をかけられることができるように、前記スリーブ要素(33)に設けられることを特徴とする、請求項1023のいずれか一項に記載のねじシステム(3a)。
【請求項25】
前記迅速固定システム(3)が、少なくとも1つの請求項1024のいずれか一項に記載のねじシステム(3a)と、クランプ要素(3b)と、を備えることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のノズルシステム(100)。
【請求項26】
前記ねじシステム(3a)が、前記ねじシステム(3a)の要素を181°未満で回すことによって、前記第1の固定位置から前記第2の固定位置まで変化可能であるように設計されることを特徴とする、請求項25に記載のノズルシステム(100)。
【請求項27】
少なくとも1つの請求項1~または2526のいずれか一項に記載のノズルシステム(100)を備える、織物機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術から様々なノズルシステムが知られている。ノズルシステムは、通常、流体を反らしたり、加速させたり、または精密に印加したりするために用いられる。流体は気体および液体の両方を意味する。ノズルシステムは、とりわけ、織物機械において用いられる。織物機械は、通常、糸を処理するためにいくつかのノズルシステムを備える。ノズルの保守または交換のために、それらは分解される必要がある。これを行うために、ノズルを通常固定するねじは、緩められなければならない。
【0003】
EP 2 420 466は、ノズルがいくつかのねじボルトで据え付けられるこのようなノズルシステムを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの既知のノズルシステムは、組立ておよび解体が多くのステップ、したがってたくさんの時間を要するという不都合を有する。さらに、ノズルシステムまたはノズルシステムの固定手段が落下することにより損傷し得るというリスクが存在する。
【0005】
先行技術のこれらのおよび他の不都合を改善することが本発明の目的である。特に、迅速に、容易にかつ確実に固定されることができるノズルシステムが提供されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらのタスクは、独立請求項に係る、織物機械のためのノズルシステム、迅速固定システムのためのねじシステムおよびノズルシステムを有する織物機械によって解決される。
【0007】
特に、タスクは、織物機械のためのノズルシステムによって解決される。ノズルシステムは、少なくとも1つのノズル要素と、ノズル要素を織物機械に接続するための接続要素とを備える。接続要素は、少なくとも1つの迅速固定システムを備える。迅速固定システムは、第1の位置と第2の位置とを備える。第1の位置において、迅速固定システムは、ノズル要素が補助手段なしで取外し可能であるようにノズル要素が迅速固定システムに取付け可能であるように、接続要素に接続される。迅速固定システムは、第2の位置においてノズル要素が接続要素に不動に取り付けられるように設計される。
【0008】
これは、確実な固定、およびさらには単純で迅速な取外しを可能とする。補助手段なしで取外し可能であるとは、本願においては、ねじを緩めたり、プライヤ、ハンマー、ねじ回しもしくは他の工具を用いたりするなどして、迅速固定システムまたは迅速固定システムの部品を動かす必要なく、ノズル要素を動かして、それを接続要素から取り外すことが可能であるとして定義される。迅速固定システムは、ノズル要素が取り外されたときに、この接続が緩められることがない、および/または、ねじシステムが接続要素から取り外されることができるように、接続要素に据え付けられてもよい。迅速固定システムは、1つ以上の開口部において、据え付けられ得る、好ましくはクランプ留めされ得る。この方法において、ノズル要素が緩められたときにねじシステムが落下しないことが保証され得る。第1の位置において、ノズル要素は、磁石および/またはばね要素によって維持可能であってもよい。ノズル要素は、2点において第1の位置に保持されてもよく、および/または、1つもしくは2つの場所において第2の位置にクランプ留めされてもよい。
【0009】
織物機械は、一般的に、織物の工業生産のための機械、たとえば紡機、原糸加工機、開口機および延伸機であると理解される。これらの機械にはすべてノズルが備えられる。織物機械は、すべての種類の縫糸、糸、ケーブルまたは類似の材料を処理するために用いられる。これらは、人工繊維(PE、PPなどのプラスチック)でできていてもよい。しかしながら、天然繊維(コットン、ウール、ラフィアなど)または混合繊維からなってもよい。本願において、「糸」という用語は、これらすべてのタイプの材料について用いられる。
【0010】
接続要素は、ノズルシステムを織物機械に固定するための固定要素を備えてもよい。接続要素は、基部要素、特に基板を備えてもよい。接続要素は、糸ガイド要素および/または糸クランプ要素を備えてもよい。糸ガイド要素および/または糸クランプ要素は、基部要素の表面に実質的に垂直に設けられ得る。糸ガイド要素および/または糸クランプ要素は、各々、基部要素の一端に設けられ得る。基部要素および糸ガイド要素は、1つの部品で製造されてもよく、すなわち、特に、1つの材料からの1つの部品としてフライス加工または鋳造されてもよい。好ましくは、ノズル要素は、糸ガイド要素および/または糸クランプ要素の間に設けられる。迅速固定システムは、基部要素の表面上および/または面上に設けられてもよい。しかしながら、迅速固定システムは、糸ガイド要素および/または糸クランプ要素の一部に取り付けられるか、糸ガイド要素および/または糸クランプ要素の一部であることも可能である。接続要素は、空気送達システムを固定するための、固定手段、特にねじ山を備えてもよい。接続要素は、アルミニウム、マグネシウムおよびケイ素の合金を含んでもよい。接続要素は、迅速固定システムを固定するための固定開口部を備えてもよい。設置開口は、ねじ山を備えてもよい。固定開口は、周方向に開いていてもよく、または閉じていてもよい。固定開口が周方向に閉じているとき、ねじ山を切ることによって固定開口の縁においてバリが形成されることはない。
【0011】
迅速固定システムは、剛体要素、特にクランプ要素、および/または作動可能装置を備えてもよい。作動可能装置は、可動要素、特に回転可能要素を備えてもよい。可動要素は、特に、最大180°回転可能であってもよい。可動要素は、移動可能であり得る。作動可能装置は、可動要素と不動要素とを備えてもよい。可動要素は、移動可能および/または不動要素において回転可能であってもよい。可動要素は、該要素を動かすことによって、ノズル要素を移動させることができ、接続要素と迅速固定システムとの間および可動要素と迅速固定装置の剛体要素との間においてそれぞれクランプ効果を達成することができるように設計され得る。迅速固定システムは、2つの操作可能装置を備え得る。剛体要素と動作可能装置とを組み合わせる利点は、1つの接続が解放される必要があるのみであることから、ノズルシステムの交換をより容易により速くするということである。
【0012】
好ましくは、迅速固定システムは、接続要素の1つの固定位置において、ノズル要素が落下することを防止可能であるように設計される。
【0013】
固定位置において、接続要素は織物機械上に設けられ、ノズル要素は基部要素の面に設けられる。この固定位置において、迅速固定システムまたは少なくともその一部は、特にノズル要素の下方に、好ましくはノズル要素がねじシステムの要素上、好ましくは剛体要素上に位置するように、設けられる。この位置において、可動装置は、ノズル要素の上方に設けられてもよい。これは、可動装置が緩められたときにノズル要素の落下を防止することを容易にする。
【0014】
好ましくは、迅速固定システムの第1の位置において、ノズル要素は第1の位置と第2の位置との間で移動可能に設けられる。
【0015】
第1の位置において、ノズル要素は、特に迅速固定システムの2つの要素の間に、すなわち第1の要素から離れて第2の要素に向かって、移動可能に設けられてもよい。しかしながら、ノズル要素が横方向に移動可能および/または傾斜可能および/または枢動可能であるように第1の位置に設けられることも可能である。
【0016】
好ましくは、少なくとも1つのノズル要素は、アダプタ要素を備える。アダプタ要素上には、少なくとも1つのノズルが設けられる。
【0017】
アダプタ要素は、固定要素および/または固定部分および/または固定彫込み、特に実質的に細長い彫込みおよびより小さい少なくとも1つの開放端のより幅広い彫込みを備えてもよい。細長い湾入は、実質的に、開放端を有する細長い穴であってもよい。細長い湾入の深さは、7mmであってもよい。細長い湾入は、0~+0.075mmの公差を有して、4mmの幅を有してもよい。細長い彫込みの閉鎖端は、2mmの丸みを有していてもよい。細長い彫込みの縁は、好ましくは3mmの半径を有して、丸くなっていてもよい。好ましくは、細長い湾入は、ノズル要素が迅速固定システムの第1の位置において糸ガイド方向に沿って摺動することを可能にするように構成される。
【0018】
好ましくは、迅速固定システムは、少なくとも1つのノズルを、直接、または、アダプタ要素への中間アダプタ要素および/もしくはアダプタ要素を介して、接続要素に取り付ける、または取り付けることができる。
【0019】
第1の場合において、迅速固定システムは、迅速固定システムと接続要素との間における接続が上述されたものである場合と同様に、アダプタ要素に接続される、または接続可能である。
【0020】
本発明によれば、課題は、さらに、特に先述された、ノズルシステムによって解決される。接続要素は、空気送達システムを封止するためのシールを備える。
【0021】
シールは、基部要素に、据付け可能にもしくは解放可能に接続されてもよく、または接続可能であってもよい。
【0022】
好ましくは、シールは、実質的に円錐形の形状を備える。特に、内面は、シールの軸に向かって一定の半径を備える。
【0023】
この円錐形状は、好ましくは、円錐形状の広面が接続要素の内部に配置されるように設けられる。これは、シールの接続要素からの落下を防止することを容易にする。シールは、好ましくは、プラスチック、特にフルオロカーボンゴムでできている。シールは、楕円形断面を有してもよく、および/または、たとえばいくつかのノズルが中間アダプタ要素もしくはアダプタ要素上に設けられる場合、アダプタ要素もしくは中間アダプタ要素に設けられてもよい。
【0024】
好ましくは、接続要素は、迅速固定システムのスリーブ要素を受容するための少なくとも1つの凹部を備える。
【0025】
スリーブ要素は、作動可能装置の不動要素として構成されてもよい。バルジが、固定ピンを収容するように設計されてもよい。したがって、スリーブ要素は、固定ピンで固定されてもよく、および/または、据付け可能であってもよい。
【0026】
凹部は、平坦面を有する実質的に円形の形状を備えてもよい。凹部は、特に丸形状から平坦面までの遷移部に隣接して、丸いバルジを備えてもよい。
【0027】
接続要素は、たとえば剛体要素を受容するための、実質的に同一のさらなる凹部を備えてもよい。
【0028】
好ましくは、ノズル要素は、ノズルを保護するための少なくとも1つの保護要素を備える。
【0029】
保護要素は、アダプタ要素の一部であってもよい。保護要素は、金属または硬質プラスチックでできていてもよい。保護要素は、鋳造、打抜またはフライス加工されてもよい。
【0030】
好ましくは、保護要素は、衝撃ケージを備える。
特に、これは、糸ガイド要素または糸クランプ要素などの、ノズルシステムの他の要素によって既に保護されてないノズルの側面を保護するために設けられる。好ましくは、衝撃ケージは、少なくとも2つの側面保護要素を備える。
【0031】
本発明によれば、課題は、さらに、ノズルシステム、特に先述のノズルシステムの迅速固定システムのためのねじシステムによって解決される。ねじシステムは、第1の要素への取付けのためのスリーブ要素と、第2の要素への接続のためのピンとを備える。ピンは、少なくとも1つの周方向に設けられたガイド要素を備える。スリーブ要素は、ガイド要素を案内するためのガイドを備える。ピンは、ピンがスリーブ要素に対して回転可能かつ移動可能に設置されるように、少なくとも部分的にスリーブ要素内に設けられる。ガイドは、最大3/4ターン、特に最大1/2ターンを備える。
【0032】
このようなねじシステムは、小さな回転によって第1の要素と第2の要素との間における接続を緩めることを可能とする。したがって、スリーブ要素はたとえば接続要素に設けられてもよく、ピンはノズル要素を据え付けるように設計されてもよい。したがって、ねじシステムは、迅速固定システムの動作可能装置として作用し得る。好ましくは、迅速固定システムは、第1の要素に対して据付け可能に接続されるように、第2の要素に対して解除可能に接続されるおよび/または接続可能であるように適合される。好ましくは、ガイド要素およびガイドは、ガイド要素とガイドとの間における支持が直線であるように構成される。
【0033】
好ましくは、スリーブ要素は、最大8.5mmの長さであり、6mmの最大直径を備える。
【0034】
ノズルシステムのタイトスペース条件は、可能な限り小さい固定装置を要求する。しかしながら、ノズル要素が圧力下においても十分な支持を提供するために、迅速固定システムは依然としてある程度のサイズにされなければならない。
【0035】
好ましくは、ガイドは、特に+/-0.1mmの公差を有して、1.72mmの直径を備える。
【0036】
ある程度のガイドの寸法を維持することは、容易かつ安全な解除を可能にするために必要である。したがって、ガイド要素の断面直径は、より小さく、好ましくは最大1.5mmである。
【0037】
好ましくは、スリーブ要素は、ツイストロック要素を備える。
スリーブ要素は、回転防止要素として、バルジ、突出部、湾入および/または他の不規則な外形を有してもよい。
【0038】
好ましくは、回転防止要素は、繋留部分を備える。繋留部分は、輪郭を有する断面を備える。特に、輪郭は、実質的に丸面と平坦面とを備える。断面の輪郭は、湾入を備える。湾入は、特に平坦面から丸面までの遷移部に設けられる。湾入の半径は、特に丸面の半径の半分、好ましくは1.4mmの半径を備える。
【0039】
好ましくは、丸面は3mmの半径を備える。特に、半径は0.05mmの公差を有する。
【0040】
精密に適合する製造は、ねじシステムの確実な固定を可能にする。
好ましくは、輪郭の平坦面は丸形面の中央部まで約2.5mmの距離を備える。
【0041】
好ましくは、ガイドは、少なくとも1.55mmのピンのストロークが可能であるように設計される。
【0042】
補助手段なしで第2の要素の容易な取外しを可能とするために、ピンを十分に持ち上げることが可能でなくてはならない。
【0043】
ガイドは、少なくとも部分的に、15°~45°の間、好ましくは18または30°の傾斜角度を備えてもよい。
【0044】
これは、第2の要素、たとえばノズル要素が、落下に対して十分に安全でありながら容易に取り外されることが可能であるように、ピンが小さな運動で十分に大きい距離を乗り越えることを保証する。
【0045】
好ましくは、ガイドは閉じている。
したがって、ガイドは、ガイド要素がガイド内に挿入され得る円周に開口部を有しない。
【0046】
好ましくは、ガイドはいくつかの部分を備え、部分は傾斜角度を有してまたは傾斜角度なしで形成される。
【0047】
第1の部分の傾斜角度は、第2の部分の傾斜角度とは異なっていてもよい。勾配のない部分と勾配のある部分とが交互に設けられてもよい。
【0048】
好ましくは、部分の間における遷移部は丸くなっている。
したがって、ガイドは、好ましくは上部ガイド壁上において、ガイド要素の移動を妨げ得る縁を備えない。さらに、ガイドはくびれを備えないため、ガイド要素は容易かつ迅速に案内されることができる。ガイド要素は円柱形であってもよい。特に、ガイド要素は、ガイドに設けられるガイド要素の一部がスリーブ要素を超えて突出しないように設けられてもよい。この方法で、引っかかりは容易に防止されることができる。
【0049】
好ましくは、ガイドは、係合要素を備える。係合要素は、特にガイドの一端、特に好ましくはスリーブ要素の接続位置におけるガイドの下端に設けられる。
【0050】
これは、ピンが第1の位置に容易に保持されることを可能とする。ガイド要素は、係合位置を可能とするばね要素を備えてもよい。
【0051】
好ましくは、係合要素は、ガイドのバルジを備える。特に、バルジは、ガイドの直径の実質的に半分の半径、好ましくは0.86mmの半径を有する。
【0052】
精密に適合する製造は、ガイド要素の確実な固定を可能にする。
好ましくは、ピンは、ガイド要素を受容するための凹部を備える。特に、凹部は、好ましくは-0.014~-0.034mmの公差を有して、1.5mmの断面直径を備える。
【0053】
これは、ガイド要素の安定した取付けを保証する。
好ましくは、ピンは、7.5mmの高さ、および特に、好ましくは-0.01~-0.05mmの公差を有して、4mmの断面直径を備え、これにより、スリーブ要素の内側断面直径は、0.1mm~0mmの間の公差を有して、4mmである。
【0054】
これは、アダプタ要素が糸ガイド要素によって糸ガイドに対して良好にセンタリングされること、ならびに、ピンがスリーブ要素から外におよびスリーブ要素の中へ迅速かつスムーズに摺動することを可能とする。
【0055】
好ましくは、ピンは、第2の要素をクランプ留めするためのヘッドを備える。特に、ヘッドは、実質的に1.8mmの高さを備える。
【0056】
ピンは、接続要素またはアダプタ要素からあまり遠くに突出してはならず、さもなければ、ノズル要素内への糸経路が妨げられ得る。
【0057】
好ましくは、ヘッドは、円周において平坦面と丸形面とを備える。特に、平坦面は、ピンの回転軸から1.95mmの最大距離に位置する。特に、丸形面は、3.75mmの半径を有する。
【0058】
一方、これは、ピンが制限された空間において他の要素へのアクセスを妨げないことを保証する。他方では、対応する相当物はピンを回すことによって容易にクランプ留めされ得る。
【0059】
好ましくは、平坦面への丸形面の遷移部において、丸形面の半径とは違う半径、特に2mmの半径を有する、少なくとも1つの丸み部分が設けられる。
【0060】
これは、精密に適合する回転を可能にする。
好ましくは、各遷移部には、2つの丸み部分が設けられる。丸み部分の各々の間には、真っ直ぐな部分が、特にヘッドの真っ直ぐな面に対して45°の角度で設けられる。
【0061】
好ましくは、ねじシステムは、ばね要素を備える。ばね要素は、ピンをスリーブ要素内へ動かすことによってばね要素が張力をかけられることができるように、スリーブ要素に設けられる。
【0062】
これは、ばね圧によってガイド要素が係合要素に直接接続されることができるため、迅速係合を可能とする。ねじシステムは、他のリセット機構を備えてもよい。
【0063】
課題は、織物機械のノズル要素を固定するための迅速固定システムによっても解決される。迅速固定装置は、少なくとも1つの上述のねじシステムと、剛体要素とを備えてもよい。剛体要素は、クランプ要素、特にクランプボルトを備えてもよい。
【0064】
クランプ要素は、円周において平坦面と丸形面とを備えてもよい。ねじなどの固定要素を配置するために、平坦面と丸形面との間には、凹部が設けられてもよい。
【0065】
クランプ部材は、固定部分とクランプ部分とを備えてもよい。特に、固定部分は、5.8mmの最大断面直径を備え得る。クランプ部分は、固定されることとなる要素をクランプ留めするためのクランプ要素、特に突出部を備えてもよい。クランプ部分は、固定されることとなる要素を配置するためのノッチを備えてもよい。クランプ部材は、12.7mmの高さを備えてもよい。
【0066】
好ましくは、先述のノズルシステムは、少なくとも1つの先述のねじシステムと、特にクランプ要素とを備える、迅速固定システムを備える。
【0067】
好ましくは、ねじシステムは、ねじシステムの要素を181°未満で回転させることによって、第1の固定位置から第2の固定位置まで変化可能であるように設計される。
【0068】
本発明によれば、課題は、さらに、少なくとも1つの先述のノズルシステムを備える織物機械によって解決される。
【0069】
好ましくは、ノズルシステムは、ノズル要素が第1の位置において少なくとも2つの移動方向に制限されるように、織物機械上に配置される、および/または、配置可能である。好ましくは、ノズル要素は、ノズル要素と接続板との間における接続が圧縮空気または重力によっては接続要素から外れることはないが、使用者が好ましくは接合方向に逆らって単純にノズル要素を動かすことによって、特にそれを傾けることによって、ノズル要素を接続要素から取り外すことができるように配置される。ノズルシステムは、クランプ要素が垂直方向において底部に設けられ、可動要素または装置が頂部に設けられるように配置されてもよい。
【0070】
課題は、さらに、ノズル要素、特に先述のノズルシステムのためのノズル要素によって解決される。ノズル要素は、接続要素への接続のためのアダプタ要素とノズルとを備える。ノズルは、ノズルチャネルおよびカバーを形成する2つの成形要素を備える。ノズルは、アダプタ要素の上側に設けられる。ノズルは、2つのねじを介してアダプタ要素に接続され、ねじはアダプタ要素の下側から挿入される。2つのねじを介した接続は、成形要素がねじによって互いに位置合わせされ、アダプタ要素上でセンタリングされるようになる。
【0071】
この方法において、ノズル要素は、追加のセンタリングピンを省略することができるため、容易かつ精密に製造されることができる。成形要素は、セラミックでできていてもよい。
【0072】
タスクは、ノズルシステム、特に先述のノズルシステムを提供するための方法によっても解決され、方法は、
ノズルシステムを提供することであって、
-最大180°ピンを回転させることによって、第2の位置から第1の位置に迅速固定システムを持ち込むステップと、
-垂直に移すことによって、第1の位置から第2の位置にノズル要素を移すステップと、
-ノズル要素を傾けるステップと、
-センタリング要素からノズル要素および/またはノズル要素のアダプタを取り外すステップとを備える。
【0073】
以下の図を参照して、好ましいノズル要素の実施形態が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】ノズルシステムの斜視図である。
図2図1からのノズルシステムの頂面図である。
図3】ねじシステムの断面図である。
図4】スリーブ要素の第1の実施形態の斜視図である。
図5】ピンの頂面図である。
図6】クランプ要素の斜視図である。
図7】クランプ要素の頂面図である。
図8】アダプタ要素の底面図である。
図9】シールの断面図である。
図10】接続要素の断面図である。
図11】スリーブ要素の第2の実施形態の第1の側面図である。
図12】スリーブ要素の第2の実施形態の第2の側面図である。
図13】スリーブ要素の第2の実施形態の第3の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1は、ノズルシステム100の斜視図を示す。ノズルシステム100は、迅速固定システム3によって接続要素2に取り付けられるノズル要素1を備える。
【0076】
ノズル要素1は、ノズル4と、衝撃ケージを形成する2つのサイドアーム5aおよび5bを有する保護要素5と、アダプタ要素6とを備える。保護要素5およびアダプタ要素6は1つの部品で製造され、この実施形態においては1つの部品として打ち抜かれる。
【0077】
接続要素2は、2つの穴22が開けられる、基部要素、この場合においては基板21を備える。これらは、織物機械への接続のためのものである。基板21の端部26a,26bの各々には、糸ガイド要素24が基板21に垂直に設けられる。糸ガイド要素24は糸保護要素25を備え、その各々はねじ23、この場合においては鍋小ねじによって固定される。糸ガイド要素24は、基板21とともに1つの部品で作製される。
【0078】
ノズル要素1は、基板21の広面、ここでは上面27上に、糸保護要素24および穴22の間に設けられる。ノズル4の糸チャネルは、横方向に設けられる(ここでは示されない)。
【0079】
糸は、端部26aから、第1の糸ガイド要素24を通って、迅速固定システム3の上方に、そしてノズル4内に案内され、そこで処理される。その後、再び糸ガイド要素24を通ってノズルシステム100から外に案内される。
【0080】
ノズルシステム100の固定位置において、図の右側に示される端部26bは底部に設けられ、基板21の頂面27および側面28は垂線に対して平行に設けられる。
【0081】
ノズル要素1の接続要素2からの取付けおよび取外し方法の詳細が、図2に関連して記載される。
【0082】
図2は、図1からのノズルシステム100の頂面図を示す。ノズル要素1を見ることができ、ノズル要素1は迅速固定システム3によって接続要素2に取り付けられている。穴22は、ここでは、皿穴として設計される。穴22は、ノズル要素1の狭面63に直接隣接して設けられる。迅速固定システム3は、ねじシステム3aとクランプ要素3bとを備える。クランプ要素3bは、接続要素2の開口部において固定要素31によってクランプ要素3bをクランプ留めすることによって、接続要素2にしっかりと接続される。同様にねじシステム3aが固定される(ここでは示されない)。ねじシステム3aおよびクランプ要素3bの両者は、ヘッド60aおよび60bを備え、各ヘッド60aおよび60bは、丸クランプ面61a,61bと、平坦面62aおよび62bとを備える。平坦面62aおよび62bは、ねじが穴22内に容易に挿入されることができる程度に平坦化される。丸形クランプ面61aおよび61bは、ノズル要素1を容易にクランプ留めできるように設計される(図5および図7参照)。
【0083】
図は、第2の位置における迅速固定システム3を示す。この第2の位置において、ねじシステム3aのヘッド60aの丸形面61aは、ノズル要素1をクランプ要素3bに向かって押すように配向される。その結果、ノズル要素1は、接続要素2にしっかりと接続され、動くことはない。迅速固定システム3が解放されるとき、ねじシステム3aのヘッド60aは第1の位置に持ち込まれる、すなわち、ねじシステム3aの丸クランプ面61aがクランプ要素3bから離れる方を向くように一定の位置まで回される。これは、ヘッド60aとノズル要素1との間におけるクランプ接続を解放し、ノズル要素1は縫糸ガイド線Fに沿って動かされることができる。これが迅速固定システム3の第1の位置である。この位置において、ノズル要素1は、ノズル上にまだ圧力があったとしてもノズル要素が落下することのない程度に保持される。
【0084】
図3は、ねじシステム3aの断面を示す。ねじシステム3aは、剛体要素(ここではスリーブ要素33)と、可動要素(ここではピン32)と、ガイド要素34とを備える。
【0085】
スリーブ要素33は、0~-0.1mmの公差を有する6mmの外側断面直径、および、平坦面50(図4参照)上において+/-0.05mmの公差を有する4mmの壁厚を有する。内部において、スリーブ要素33は、第1の内側空間47と第2の内側空間57とを有する。第1の内側空間47は頂部に設けられ、スリーブ要素の下面56(図4参照)に向かって6mm、スリーブ要素33の上面52から通じる。第1の内側空間47の断面直径は、+0.05mm~0mmの間の公差を有して、4mmである。第2の内側空間57は、第1の内側空間47の下方に設けられ、下面56(図4参照)に向かって2mm、第1の内側空間47から通じる。第2の内側空間は、3.8mmの断面直径を有する。
【0086】
ガイド要素34は、スリーブ要素33のガイド44に案内されるように設けられる。ガイド要素34は、ピン32のシャフト36における凹部37にも設けられる。シャフト36は、部分的にスリーブ要素33の内部に設けられる。シャフト36の下方、スリーブ要素33の底部における開口部39の上方には、ばね要素40が設けられる。
【0087】
シャフト36は、-0.1mm~-0.5mmの公差を有して、4mmの断面直径41を備える。シャフト36における凹部37は、0.014~-0.034の公差を有する1.5mmの断面直径、および3.3mmの深さを備える。
【0088】
ピン32は、六角ねじ回しのための凹部43を有する、ねじシステム3aのヘッド60aも備える。
【0089】
ガイド要素34は、円柱形状を有する。ガイド要素34は、凹部37に設けられないガイド要素34の部分42が突出しないように、凹部37へ押し込まれる。
【0090】
図は、ねじ込まれた固定位置におけるねじシステム3aを示す。スリーブ要素33とピン32のヘッド60aとの間における距離は、固定されることとなる物体、図1においてはアダプタ要素6が置かれる固定距離である。ばね要素40はぴんと張られる。
【0091】
ピン32を解放するために、ピン32は、ばね要素40の方向に下向きに押され、ガイド要素34がガイド44の上端45aに配置されるまで、ピン軸Aの周りに180°回転される。
【0092】
図4は、スリーブ要素33の第1の実施形態の斜視図を示す。スリーブ要素33は、基本的に、大きな開口部55を備える上面52と、小さな開口部(図3参照)を備える下面56とを有する、丸断面のスリーブ51を備える。スリーブ51は、平坦面50と凹部49とを備える。平坦面50は、スリーブ要素33の回転を防止するように機能する。スリーブ要素33は、たとえば、接続要素2(図1参照)の凹部に設けられる。その後、スリーブ要素33を据え付けるために、固定ピン31が凹部49に設けられる(図示せず)。凹部49は、平坦面50から丸面54までの遷移部に設けられ、7.7mm上面52から下向きに通じる。
【0093】
スリーブ要素33は、ガイド44をさらに備える。ガイド44は、スリーブ51の外面からスリーブ51の内面までの通路を備える。ガイド44は、2つの端部45aおよび45bを備え、第1の上端45aは、スリーブ要素33の上面52から+/-0.05mmの公差を有して0.75mm設けられ、第2の下端45bは、+/-0.5mmの公差を有して2.6mm設けられる。下端45bには、係合要素53、この場合においては凹部が設けられる。さらに、端部45aおよび45bにおいて、ガイド44は、傾斜角度を伴わない2つの部分46aおよび46bを備える。これらの部分46aおよび46bの間には、傾斜角度を有する部分48が設けられる。
【0094】
スリーブ要素33は、クロムニッケル鋼でできている。
図5は、ねじシステム3aを上から示す。ヘッド60aを有するピン32を見ることができ、ヘッド60aには六角ねじ回しを挿入するための凹部43が設けられる。断面において、ヘッド60aは、丸面61aと平面62aとを備える。丸面61aは、+/-0.05mmの公差を有して、3.75mmの半径を備える。丸面61aから平面62aまでの遷移部の各々には、3つの遷移部分72,73,74が設けられる。丸面61aから平面62aまで第1の遷移部分72が続き、遷移部分72は2mmの半径を有する丸みを備える。同じ方向に続く第2の遷移部分74は真っ直ぐであり、真っ直ぐな面62aに対して45°の傾きを有する。第3の、続く遷移部分73もまた、2mmの丸みを備える。
【0095】
その最も広い点75において、ヘッド60aは、7.45mmの断面直径を備える。この最も広い断面直径を横断して、ヘッド60aは、5.7mmの断面直径を備える。
【0096】
また、スリーブ要素33の頂面が示される。
図6は、クランプ要素3bを側面図で示す。クランプ要素3bの高さは、実質的に12.7mmである。クランプ要素3bは、丸面61b(図7も参照)上に突出部80を有するクランプヘッド60bを備える。突出部80は、2mmの高さを有する。突出部80の下方には、基板21が配置され得る(図1参照)、クランプ凹部81がある。クランプ凹部81の高さは、2.3mmである。突出部80は、クランプ要素3bの頂部に向かうおよび凹部81に向かう傾斜縁83を備える。クランプ凹部81の下方には、クランプ要素3bのクランプ本体77が設けられる。
【0097】
クランプ本体77の側面には、2つのさらなる切欠き82および84が設けられる。切欠き84は、固定要素31に接続されるように設計され(図1参照)、クランプ本体77の下面85から5mm離れた点から、クランプヘッド60bの上面70まで延在する。切欠き84の長さは7.7mmである。切欠き82の長さは4mmであり、クランプ本体77の下面85から2.4mmの位置で始まる。
【0098】
図7は、クランプ部材3bを頂面図で示す。断面において、クランプヘッド60bは、丸面61bと真っ直ぐな面62bとを有する。丸面61bは、2.7mmの半径を有する。丸面61bから真っ直ぐな面62bまでの遷移部の1つには、3つの遷移部分76,89および88ならびに切欠き84がある。丸面61bから、真っ直ぐな遷移部分76がまず時計回りの方向に続き、その後、真っ直ぐな遷移部分89、切欠き84、最後に丸形遷移部分88が続く。
【0099】
丸面61bから、真っ直ぐな遷移部分76が反時計回りの方向に続く1番目のものであり、よじれた遷移部分86、丸形遷移部分87、最後に丸形遷移部分88が続く。
【0100】
遷移部分86から遷移部分89までの断面直径の長さは5.8mmである。真っ直ぐな面62bから丸面61bの最遠点までの断面直径は5.5mmである。
【0101】
クランプ本体77は、実施的に同じ断面を備える。しかしながら、輪止め断面の丸面61cは、+/-0.05mmの公差を有して、3mmの半径を備える。丸面61cは、遷移部分86および89へ直接統合する。
【0102】
図8は、アダプタ要素6の底面図を示す。矩形基部を有するアダプタ要素6の底面10を見ることができる。基面の狭端11aには、固定開口部12aが設けられる。取付開口12aは実質的に三角形の形状を備え、内側先端13aは丸くなっており、3.05mmの半径を有する。先端13とは反対の側13bは、固定開口部12aがクランプ要素3bと連通可能であるように開いている(図1参照)。
【0103】
基部のさらなる狭端11bには、固定開口部12bが設けられる。固定開口部12bは、基本的に、細長い穴、すなわち、ここでは端部丸み14bを伴う2つの平行面14aを備える。端部丸み14bとは反対の側14cは、固定開口部12bがねじシステム3aと連通可能であるように開いている(図1参照)。開口側14cの縁15は丸くなっており、3mmの半径を有する。
【0104】
下面10の中央には、ノズル4(図1参照)のための空気送達システムに接続可能である空気ダクト17が設けられる。空気ダクト17は、6mmの断面直径を有する。
【0105】
さらに、アダプタ要素6は、ノズル4(図1参照)への接続のための2つの接続開口部16を備える。これらの接続開口部16は、3.2mmの外側断面直径、およびH8の公差を有する1.6mmの内側断面直径を備える皿穴として設計される。
【0106】
さらに、アダプタ要素6は、下面10に皿穴18を備える。これらの皿穴18は、異なるタイプのノズル要素(ここでは示されない)を取り付けるために用いられる。
【0107】
この実施形態において、アダプタ要素6は、打抜部品として、保護要素5とともに1つの部品で製造される。したがって、ここでは下面10に穿孔開口部19が見られる。
【0108】
図9は、シール90の断面を示す。シール90は実質的に円錐形であり、傾斜外面壁92と真っ直ぐな内面壁93とを有する。内側断面直径は、6mmである。広面91a上において、外側断面直径は、+/-0.15mmの公差を有して、10.8mmである。狭面91b上において、外側断面直径は、+/-0.15mmの公差を有して、9.126mmである。シール90の高さは、+/-0.1mmの公差を有して、2.3mmである。シール90は、フルオロカーボンゴムでできている。
【0109】
図10は、接続要素2の断面を示す。側部に設けられる糸ガイド要素24を見ることができ、その各々は糸保護要素25(図1参照)を受容するための凹部29を備える。
【0110】
凹部29の下方には、糸保護要素25(図1参照)を固定するためにねじを挿入することができる開口部30がある。
【0111】
接続要素2の中央には、空気チャネル20の中心軸Lが設けられる。空気チャネル29は、圧縮空気接続への接続のためのねじ山を備える。空気チャネル20のねじ山は、接続要素2の上面27の方向に6.5mm、接続要素2の下面67から通じる。空気チャネル20に隣接して、シール90を設けることができる円錐形状拡張部65があり、広面91aは空気チャネル20の端部に当接する(図9参照)。
【0112】
穴22は皿穴であり、各々、+/-0.1mmの公差を有する9mmの大きな断面直径と、5.3mmの小さな断面直径とを有する。穴22の中心軸Mは、45mm離れている。
【0113】
穴22の各々と空気ダクト20との間には、迅速嵌合開口64が位置する。迅速固定開口部64は、接続要素2の上面27から接続要素2の下面67に向かって8.5mm通じる。迅速固定システム3は、迅速固定開口部64に設けられる(図1参照)。迅速固定開口部64は、クランプ本体77およびスリーブ要素33と基本的に同じ断面を有する。
【0114】
加えて、各迅速固定開口64に隣接して、固定開口66が設けられる(ここでは1つのみ示される)。固定開口66は、底面67に向かって接続要素2の頂面27から7mm延在し、ねじ山を備え、固定開口66の円周の一部は迅速固定開口64に開いている。各固定開口部66には固定要素31が設けられ、このようにしてねじシステム3aおよびクランプ要素2bを接続要素2に接続する(図2参照)。別の実施形態においては、この固定開口部の深さは、+/-0.05mmの公差を有して、わずか1.6mmであり、円周において閉じている(ここでは示されない)。この実施形態の利点は、迅速固定開口部64にバリがないということである。
【0115】
図11は、スリーブ要素133の第2の実施形態を側面図で示す。スリーブ要素33の第1の実施形態との相違点のみについてここで説明する。
【0116】
スリーブ要素133は、第1の真っ直ぐな部分134と、傾斜角度を有する第2の部分135と、第3の真っ直ぐな部分136と、傾斜角度を有する第4の部分137とを有する、ガイド144を備える。第2の部分135は、+/-0.05の公差を有する0.315mmの高さを乗り越える、18°の傾斜角度を備える。
【0117】
下側壁134aは、上側壁134bよりも長い。同様に、下側壁136aは、上側壁136bよりも長い。
【0118】
部分134,135,136および137間における遷移部は丸くなっており、0.5~2mmの間の半径を有し、これはガイド要素34の容易な案内を可能にする(図3参照)。
【0119】
図12は、スリーブ要素133の第2の実施形態の別の側面図を示す。
ガイド144の部分138は、勾配以外に真っ直ぐな部分を備えないが、端部139は丸くなっている。部分138は、2.8mmの回転軸Dに平行な高さを備える。下側140は、0.5mmの半径を有する遷移部140を備える。
【0120】
図13は、スリーブ要素133の第2の実施形態の第3の側面図を示す。ここで、スリーブ要素133はノッチ149も備える。この実施形態において、彫込み149の高さは1.5mmであり、+/-0.05mmの公差を有して、1.85mmの半径を有する。凹部149は、ねじのヘッドが凹部149の下面を押すようにねじのヘッドを配置するために用いられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13