(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2022017409
(22)【出願日】2022-02-07
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八子 和己
(72)【発明者】
【氏名】袴田 浩之
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和輝
【審査官】中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-068823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光体を含む電子部品が実装された基板を備えた遊技機において、
前記基板の表面には反射率が異なる第1領域と第2領域とが設けられ、
前記第1領域のほうが前記第2領域よりも反射率が低く、
前記第1領域のほうが前記第2領域よりも面積が狭く、
前記第1領域には前記発光体
が実装され、かつ、前記発光体以外の電子部品が実装されていない
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個数の賞球が遊技者に払い出され、識別情報の変動表示(「変動」ともいう。)の表示結果が特定表示結果となった場合に、遊技状態を変更する遊技機(いわゆる、パチンコ機)が知られている。
【0003】
また、1ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより識別情報の変動表示を開始し、遊技者がストップスイッチを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の変動表示を停止し、全ての変動表示を停止したときに導出された表示結果に従って入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払い出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態を変更する遊技機(いわゆる、スロットマシン)が知られている。
【0004】
そのような遊技機において、発光体が実装された基板を着色した遊技機が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、基板に発光体を実装し、発光体を発光するように構成した場合に遊技機のデザイン性と発光体の発光の強調の両立を実現する必要があった。
【0007】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、デザイン性と発光体の発光の強調の両立を実現することができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、
本発明は、発光体を含む電子部品が実装された基板を備えた遊技機において、
前記基板の表面には反射率が異なる第1領域と第2領域とが設けられ、
前記第1領域のほうが前記第2領域よりも反射率が低く、
前記第1領域のほうが前記第2領域よりも面積が狭く、
前記第1領域には前記発光体が実装され、かつ、前記発光体以外の電子部品が実装されていない。
よって、第1領域により発光体の発光時に発光体以外の電子部品が目立つことを防止するとともに発光体の消灯時に発光体が目立つことを防止して遊技機のデザイン性を向上させることができ、また、第2領域の広さにより発光体の発光を強調することができる。
【0009】
なお、前記複数の発光体の発光態様は第1発光態様と第2発光態様とを含み、
前記複数の発光体は、前記第1発光態様と前記第2発光態様との両方で発光する第1発光体と、前記第1発光態様でのみ発光する第2発光体と、前記第2発光態様でのみ発光する第3発光体とを含み、
前記第2発光体を発光させるための構造と前記第3発光体を発光させるための構造が異なる構成としてもよい。
よって、遊技機のデザイン性を向上させることができる。
【0010】
また、前記発光体の前方にレンズを設け、
前記レンズは、前記第2発光体に対応する第1レンズと、前記第3発光体に対応する第2レンズとを含み、
前記第2発光体から前記第1レンズまでの距離よりも前記第3発光体から前記第2レンズまでの距離のほうが短い構成としてもよい。
よって、第2発光体が目立つことを防止して遊技機のデザイン性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】可動体が初期位置に位置するときの遊技盤ユニットの正面図である。
【
図3】可動体が可動位置に位置するときの遊技盤ユニットの正面図である。
【
図4】可動体が可動位置に位置するときの遊技盤ユニットの正面図である。
【
図6】(a)前側可動体の外観斜視図であり、(b)前側可動体の分解斜視図である。
【
図7】(a)LED基板のLEDの配置を示す説明図であり、(b)LED基板の正面図である。
【
図8】(a)前側可動体のロゴレンズを取り外した状態で傾けた状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
[全体構成]
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、
図1を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
【0014】
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
【0015】
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
【0016】
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0017】
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部には、その内側に統一錠ユニットが設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。
図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニットは施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0018】
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニットが作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0019】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
【0020】
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域は窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0021】
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はカードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニットから受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
【0022】
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではカードユニットに接続する遊技機を例に挙げているが、パチンコ機1は現金機(カードユニットに接続しない遊技機)であってもよい。
【0023】
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セットを作動させ、遊技領域8b(
図2参照)に向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8b内に放り込まれる。遊技領域8b内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8b内を流下する。なお、遊技領域8b内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0024】
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素としてレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうちレンズユニット47にはランプ46が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のランプ51が組み込まれている。
【0025】
上述した各種ランプ46,51は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4にはそれぞれスピーカ60a~60dが組み込まれている。これらスピーカ60a~60dは、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
【0026】
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
【0027】
さらに、演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(操作入力受付手段、回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
【0028】
[遊技盤ユニットの構成]
図2は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技盤8aを備えており、遊技盤8aや後述する液晶表示器42などをセット板に取り付けてユニット化したものである。遊技盤8aの前面側には遊技領域8bが形成されている。遊技盤8aは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技盤8aの前面はガラスユニットに平行となる。
【0029】
また、遊技領域8bの左打ち領域30aには、普通入賞口22a~22c、始動入賞口23などが設けられている。また、遊技領域8bの右打ち領域30bには、始動ゲート24、可変始動入賞装置(始動入賞口)25、可変入賞装置(大入賞口)26などが設けられている。
【0030】
そして、遊技領域8bの左打ち領域30aを流下する遊技球は、普通入賞口22a~22c又は始動入賞口23に入球するか、各種入賞口に入球(入賞)しなかった場合は最終的にアウト口32に入球する。一方、遊技領域8bの右打ち領域30bを流下する遊技球は、主に始動ゲート24を通過するか、アウト口32に入球するか、作動時の可変始動入賞装置25に入球するか、開放動作時の可変入賞装置26に入球する可能性がある。
【0031】
各入賞口やアウト口に入球した遊技球は遊技盤(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
【0032】
また、遊技盤ユニット8の中央部には、液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。
【0033】
液晶表示器42の前側には演出用の可動体200が設けられている。可動体200は上下方向に移動可能である。パチンコ機1では、演出図柄の変動表示の過程で種々の演出を実行可能である。そして、パチンコ機1で実行可能な演出には可動体200が作動する演出が含まれている。そして、可動体200は液晶表示器42での演出画像と連動して作動し、大当りや小当りとなることを示唆するものである。なお、可動体200が作動してもハズレになることもあるが、可動体200が作動すると大当りとなる可能性が高くなるように、可動体200による演出パターンの選択割合が設定されている。
【0034】
[可動体の動作]
図3及び
図4に示すように、可動体200は初期位置(
図2に示す位置)から可動位置(
図3に示す位置)に向けて下方向に移動可能である。可動体200は初期位置でも視認可能であるが、可動位置に移動したときに全体が視認可能となる。
【0035】
また、可動体200は前側可動体201と、前側可動体201の奥側(背後)に配置された後側可動体202とを備えている。そして、特定演出パターンの演出が選択されたときは、可動体200が可動位置に移動したときに後側可動体202が可動し、後側可動体202が前側可動体201の背後から出現する。
【0036】
そして、前側可動体201が可動位置に移動し、後側可動体202が出現していない状態では第1発光態様で前側可動体201が発光する。具体的には、前側可動体201にパチンコ機1の機種に関連するロゴ部201aが形成されており、第1発光態様ではロゴ部201aのみが発光する。
【0037】
また、前側可動体201が可動位置に移動し、後側可動体202が出現した状態では、第2発光態様で前側可動体201が発光する。具体的には、前側可動体201のロゴ部201aの一部が発光するとともにロゴ部201a以外の部分の一部が発光する。このとき、後側可動体202の一部も併せて発光する。これにより、第2発光態様ではロゴ部201aがひび割れたように発光(以下、ひび割れ発光と称する)する。なお、図中の斜線部は発光していない部分を示している。
【0038】
すなわち、
図5に示すように、前側可動体201の発光部分は、ロゴ部210aの部分で第1発光態様(ロゴ部201aの発光)及び第2発光態様(ひび割れ発光)の両方で発光する部分A1(ロゴ部201aのハッチング部分以外の部分)と、ロゴ部210aの部分で第1発光態様でのみ発光する部分A2(ロゴ部201aのハッチング部分)と、ロゴ部210a以外の部分で第2発光態様でのみ発光する部分A3(黒塗りで示す部分)とから構成されている。
【0039】
[前側可動体の構成]
図6に示すように、前側可動体201は、ロゴレンズ210、前側飾り212、サイド飾り214、ベース意匠部材216、インナーレンズ218、LED基板220、後カバー222で構成されている。
【0040】
そして、ベース意匠部材216に、前側からロゴレンズ210、前側飾り212、サイド飾り214を組付け、後側からインナーレンズ218、LED基板220、後カバー222を組付けることにより、前側可動体201が組み立てられる。
【0041】
前側飾り212及びサイド飾り214は前側可動体201の意匠を施すものである。
【0042】
LED基板220には、複数のLED224(図中の四角部分)や図示しない電子部品(トランジスタや抵抗など)が実装されている。
【0043】
ロゴレンズ210の前面には前述したロゴ部201aがレンズで形成されており、LED224が発光するとロゴ部201aが発光する。
【0044】
インナーレンズ218は第1発光態様(ロゴ部210aのみの発光)及び第2発光態様(ロゴ部210aの一部とロゴ部210a以外の部分によるひび割れ発光)のいずれにも対応している。このため、インナーレンズ218は、LED224の発光の切り替えにより、第1発光態様及び第2発光態様の両方で発光する部分(
図5のA1参照)と、第1発光態様でのみ発光する部分(
図5のA2参照)と、第2発光態様でのみ発光する部分(
図5のA3参照)とを備えている。
【0045】
そして、インナーレンズ218の発光部分は前面側に突出するとともに突出部分の表面にレンズカットが施されている。また、インナーレンズ218の前面の突出部分のうち、ロゴ部201aの発光に対応する部分(
図5のA1,A2参照)と、ロゴ部201a以外の部分の発光に対応する部分(
図5のA3参照)とは、レンズカットの形状が異なっている。
【0046】
なお、ロゴレンズ210には、アクリルなどの透明系カラー樹脂の表面に蒸着によってアルミ薄膜層を形成するとともに、塗装によるカラーリングを施し、レーザー剥離により、任意のデザインが施されている。よって、ロゴレンズ210には、レンズカットが施されていない。一方、インナーレンズ218には上述したようにレンズカットが施されている。このように、ロゴレンズ210とインナーレンズ218はレンズカットに関する構造が異なっている。そして、本実施形態では、インナーレンズ218を設けることでロゴレンズ210での発光を強め、レンズカットが施されていないロゴレンズ210が低発光になることを防止している。
【0047】
また、本実施形態では、第2発光態様におけるロゴ部201a以外の部分の発光に関してはインナーレンズ218のみが発光し、第1発光態様におけるロゴ部210aの発光に関してはインナーレンズ218を介してロゴレンズ210が発光する。そして、第1発光態様のときの発光漏れによりロゴ部201a以外の発光部分がインナーレンズ218越しに目立ってしまうことを防止するために、インナーレンズ218がベース意匠部材216よりも奥側に配置されている。
【0048】
[LED基板の構成]
図7(a)はLED基板220の構成を示す説明図であり、
図7(b)はLED基板220の着色部分について説明する説明図である。なお、
図7(a)の四角はLED224を示し、破線はLED224をグループ分けするための仮想線であり、実際にLED基板220に印刷された線ではない。
【0049】
図7(a)に示すように、複数のLED224は、ロゴ部201aの部分で第1発光態様及び第2発光態様の両方で発光する第1LED224aと、ロゴ部201aの部分で第1発光態様のときのみ発光する第2LED224bと、ロゴ部201a以外の部分で第2発光態様のときのみ発光する第3LED224cとにグループ分けされている。
【0050】
そして、
図7(b)に示すように、LED基板220の表面には反射率の低い黒色部240と、反射率の高い白色部242が設けられている。なお、ベース意匠部材216も黒色の樹脂で形成されているため、黒色部240はベース意匠部材216の色と同一色である。
【0051】
そして、黒色部240には第3LED224cやスルーホールのみが設けられている。一方、上述したように、第3LED224cはロゴ部201a以外の部分に配置されており、第3LED224cが発光していないときに、インナーレンズ218を介して第3LED224cが目立ってしまう。
【0052】
そこで、本実施形態では、第3LED224cの配置部分をベース意匠部材216と同色の黒塗りにすることにより、第3LED224cの消灯時に第3LED224cが目立つことを防止できる。これにより、デザイン性を向上させるとともに、第2発光態様で発光可能であることが事前に察知されてしまうことを防止できる。また、黒色部240には、第3LED224c以外の電子部品は配置されていない。これにより、第3LED224cの発光時に第3LED224c以外の電子部品が目立ってしまうことを防止でき、デザイン性を向上させることができる。
【0053】
さらに、黒色部240をベース意匠部材216と同一色にすることにより、第3LED224cの消灯時にLED基板220の色(白色)が目立つことを防止でき、前側可動体201のデザイン性を向上させることができる。
【0054】
また、ロゴ部201aの発光部分は白色部242となっているため、ロゴ部201aの発光時にロゴ部201aが暗くなることを防止でき、ロゴ部201aの視認性を向上させることができる。
【0055】
また、黒色部240の面積よりも白色部242の面積のほうが大きくなっている。これにより、LED基板220の反射率が低下することを防止できる。このため、LED224の発光を強調することができる。
【0056】
また、ロゴレンズ210の位置をベース意匠部材216よりも前側に配置するとともに、ロゴ部201aに対応する部分はLED基板220の色を白色とする(すなわち、白色部242を配置)ことにより、第2発光態様のときでもロゴ部201aを目立たせることが可能になり、第2発光態様のときでもロゴ部201aの形状を確認可能とすることができる。
【0057】
また、本実施形態では、ロゴレンズ210をベース意匠部材216の前側に設けるとともにインナーレンズ218をベース意匠部材216の奥側に設けることにより、第1LED224a及び第2LED224bからロゴレンズ210までの距離よりも第3LED224cからインナーレンズ218までの距離のほうが短くなっている。これにより、第3LED224cは第1LED224a及び第2LED224bよりも奥側にあるように見える。よって、第3LED224cが目立つことを防止して遊技機のデザイン性を向上させることができる。
【0058】
[前飾り及びベース意匠部材の仕切りについて]
図8に示すように、前側飾り212及びベース意匠部材216にはロゴ部210aの輪郭に沿って隔壁230が設けられている。また、隔壁230の内側には複数の仕切り壁232が設けられている。
【0059】
そして、第1LED224aの配置部分と第2LED224bの配置部分とを隔壁230と仕切り壁232とで仕切っている。本実施形態では、第2LED224bは第2発光態様のときに消灯する。よって、このように、隔壁230と仕切り壁232とによる仕切りを設けることにより、第2発光態様で第1LED224aが発光したときに第2LED224bの配置部分に光が漏れることを防止している。これにより、第2発光態様で発光させたときに、発光部分の輪郭を明確にすることができる。
【0060】
以上のように、本実施形態のように第2発光態様(ひび割れ発光)によりロゴ部201a以外の部分が発光する構成とする場合、インナーレンズ218を設けずに、ベース意匠部材216の一部をレンズ化(透明化)してLED基板220の第3LED224cの光を発光させることが考えられる。しかし、この場合、第3LED224cが目立ってしまい、前側可動体201のデザイン性が低下してしまう。
【0061】
このため、本実施形態では、インナーレンズ218を設けるとともにLED224cの20の黒色部240を設けたので、第3LED224cが目立つことを防止でき、デザイン性を向上させることができる。
【0062】
[本実施形態の効果]
(a)本実施形態では、
発光体を含む電子部品が実装された基板を備えた遊技機(本例では、パチンコ機1)において、
前記基板の表面には反射率が異なる第1領域(本例では、黒色部240)と第2領域(本例では、白色部242)とが設けられ、
前記第1領域のほうが前記第2領域よりも反射率が低く、
前記第1領域のほうが前記第2領域よりも面積が狭く(本例では、
図7)、
前記第1領域には前記発光体以外の電子部品が実装されていない(本例では、
図7)。
よって、第1領域により発光体の発光時に発光体以外の電子部品が目立つことを防止するとともに発光体の消灯時に発光体が目立つことを防止して遊技機のデザイン性を向上させることができ、また、第2領域の広さにより発光体の発光を強調することができる。
【0063】
(b)また、本実施形態では、
前記複数の発光体の発光態様は第1発光態様(本例では、ロゴ部210aの発光)と第2発光態様(本例では、ひび割れ発光)とを含み、
前記複数の発光体は、前記第1発光態様と第2発光態様との両方で発光する第1発光体(本例では、第1LED224a)と、前記第1発光態様でのみ発光する第2発光体(本例では、第2LED224b)と、前記第2発光態様でのみ発光する第3発光体(本例では、第3LED224c)とを含み、
前記第2発光体を発光させるための構造と前記第3発光体を発光させるための構造が異なる(本例では、
図6)。
よって、遊技機のデザイン性を向上させることができる。
【0064】
(c)また、本実施形態では、
前記発光体の前方にレンズを設け、
前記レンズは、前記第2発光体(本例では、第2LED224b)に対応する第1レンズ(本例では、ロゴレンズ210)と、前記第3発光体(本例では、第3LED224c)に対応する第2レンズ(本例では、インナーレンズ218)とを含み、
前記第2発光体から前記第1レンズまでの距離よりも前記第3発光体から前記第2レンズまでの距離のほうが短い。
よって、第2発光体が目立つことを防止して遊技機のデザイン性を向上させることができる。
【0065】
[変形例]
上記実施形態では、黒色部240と白色部242を設けることにより、LED基板220での反射率を異ならせる例を挙げて説明したが、例えば、反射率が異なる塗料用いてLED基板220での反射率を異ならせるなど、反射率を異ならせる方法は上記実施形態と異なる方法でもよい。
【0066】
[その他、上記実施形態の変形例]
なお、上記実施形態では、パチンコ機に本発明を適用する例を挙げたが、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンなど、他の態様の遊技機に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 パチンコ機
8 遊技盤ユニット
8a 遊技盤
42 液晶表示器