IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オービックの特許一覧

特許7525530クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラム
<>
  • 特許-クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラム 図1
  • 特許-クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラム 図2
  • 特許-クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラム 図3
  • 特許-クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラム 図4
  • 特許-クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラム 図5
  • 特許-クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラム 図6
  • 特許-クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラム 図7
  • 特許-クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラム 図8
  • 特許-クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラム 図9
  • 特許-クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/24 20120101AFI20240723BHJP
【FI】
G06Q20/24
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022018929
(22)【出願日】2022-02-09
(65)【公開番号】P2023116236
(43)【公開日】2023-08-22
【審査請求日】2024-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平松 彬
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-204426(JP,A)
【文献】特開2006-146344(JP,A)
【文献】特開2003-050917(JP,A)
【文献】消費者との接点で最先端のクレジットカードビジネスが成長している,CardWave,日本,株式会社シーメディア,1988年07月10日,第11巻 第8号,p.36-37
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えたクレジット債権振替システムであって、
前記制御部は、
端末識別番号と店舗識別情報を関連づけて登録した端末識別番号変換マスタと、
売上会社コードと、請求先識別情報を関連づけて登録したクレジット会社変換マスタと、
にアクセス可能に構成されており、
各店舗のPOSから、売上月、店舗識別情報、売上金額、消費税、合計金額を含む売上データを取込む売上取込手段と、
各店舗の決済用の端末で決済した実績を集計するクレジット債権照会システムから、取引日、決済用の端末の端末識別番号、カード識別情報、売上会社コード、利用額を含むクレジット債権照会データを取得するクレジット債権照会手段と、
前記クレジット債権照会データに基づいて、前記端末識別番号変換マスタを参照して、前記端末識別番号を店舗識別情報に変換し、前記クレジット会社変換マスタを参照して、前記売上会社コードを請求先識別情報に変換して、売上月、店舗識別情報、請求先識別情報、カード識別情報、売上金額、振替又は手数料を指定する発生区分を含む振替データを生成する振替手段と、
を備えたことを特徴とするクレジット債権振替システム。
【請求項2】
前記振替データでは、発生区分が手数料の場合は手数料金額をマイナス計上することを特徴とする請求項1に記載のクレジット債権振替システム。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
請求先識別情報及びカード識別情報毎に、手数料率を関連づけて登録した手数料マスタにアクセス可能に構成されており、
前記振替手段は、請求先識別情報及びカード識別情報をキーとして、前記手数料マスタから手数料率を取得し、売上金額×取得した手数料率で手数料金額を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のクレジット債権振替システム。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、
請求先識別情報及びカード識別情報毎に、手数料上限売上金額、上限手数料金額、手数料下限売上金額、下限手数料金額を関連づけて登録した手数料上限下限マスタにアクセス可能に構成されており、
前記振替手段は、請求先識別情報及びカード識別情報をキーとして、前記手数料上限下限マスタから手数料上限売上金額、上限手数料金額、手数料下限売上金額、下限手数料金額を取得し、売上金額が手数料上限売上金額以上の場合は、手数料金額=上限手数料金額とし、売上金額が手数料下限売上金額以下の場合は、手数料金額=下限手数料金額とし、手数料金額が上限手数料金額以上の場合は、手数料金額=上限手数料金額とし、手数料金額が下限手数料金額以下の場合は、手数料金額=下限手数料金額とすることを特徴とする請求項3に記載のクレジット債権振替システム。
【請求項5】
前記振替データを請求先別に纏めて、請求先識別情報、債権金額を含む現金外債権データを生成する現金外債権管理手段を備えたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載のクレジット債権振替システム。
【請求項6】
請求先から入金された場合に、前記現金外債権データの消込を行う入金消込処理手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のクレジット債権振替システム。
【請求項7】
前記決済用の端末の決済媒体は、クレジットカード、交通系IC、及び電子マネーを含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載のクレジット債権振替システム。
【請求項8】
前記店舗は、多店舗展開企業の店舗を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載のクレジット債権振替システム。
【請求項9】
制御部を備えた情報処理装置で実行されるクレジット債権振替方法であって、
前記制御部は、
端末識別番号と店舗識別情報を関連づけて登録した端末識別番号変換マスタと、
売上会社コードと、請求先識別情報を関連づけて登録したクレジット会社変換マスタと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
各店舗のPOSから、売上月、店舗識別情報、売上金額、消費税、合計金額を含む売上データを取込む売上取込工程と、
各店舗の決済用の端末で決済した実績を集計するクレジット債権照会システムから、取引日、決済端末の端末識別番号、カード識別情報、売上会社コード、利用額を含むクレジット債権照会データを取得するクレジット債権照会工程と、
前記クレジット債権照会データに基づいて、前記端末識別番号変換マスタを参照して、前記端末識別番号を店舗識別情報に変換し、クレジット会社変換マスタを参照して、前記売上会社コードを請求先識別情報に変換して、売上月、店舗識別情報、請求先識別情報、カード識別情報、売上金額、振替又は手数料を指定する発生区分を含む振替データを生成する振替工程と、を含むことを特徴とするクレジット債権振替方法。
【請求項10】
制御部を備えた情報処理装置に実行させるためのクレジット債権振替プログラムであって、
前記制御部は、
端末識別番号と店舗識別情報を関連づけて登録した端末識別番号変換マスタと、
売上会社コードと、請求先識別情報を関連づけて登録したクレジット会社変換マスタと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において、
各店舗のPOSから、売上月、店舗識別情報、売上金額、消費税、合計金額を含む売上データを取込む売上取込工程と、
各店舗の決済用の端末で決済した実績を集計するクレジット債権照会システムから、取引日、決済端末の端末識別番号、カード識別情報、売上会社コード、利用額を含むクレジット債権照会データを取得するクレジット債権照会工程と、
前記クレジット債権照会データに基づいて、前記端末識別番号変換マスタを参照して、前記端末識別番号を店舗識別情報に変換し、クレジット会社変換マスタを参照して、前記売上会社コードを請求先識別情報に変換して、売上月、店舗識別情報、請求先識別情報、カード識別情報、売上金額、振替又は手数料を指定する発生区分を含む振替データを生成する振替工程と、
を実行させるためのクレジット債権振替プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、多店舗展開企業において、店頭売上の売上金種が現金以外にクレジットカードや電子マネーなど多岐にわたる。本部で、店舗のPOSの売上データから金種情報を連携できない場合は、締めのタイミングで金種別に売上を振り替える担当者の手作業が発生する。従来、クレジット債権を管理するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-121997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、店舗のPOSの売上データから金種情報を連携できない場合に、金種別に売上を振り替える際の担当者の作業負荷を軽減することに関して何ら記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、店舗のPOSの売上データから金種情報を連携できない場合に、金種別に売上を振り替える際の担当者の作業負荷を軽減することが可能なクレジット債権振替システム、クレジット債権振替方法、及びクレジット債権振替プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えたクレジット債権振替システムであって、前記制御部は、決済用の端末の端末識別番号と店舗識別情報(店舗コード及び/又は店舗名)を関連づけて登録した端末識別番号変換マスタと、売上会社コードと、請求先識別情報(請求先コード及び/又は請求先名)を関連づけて登録したクレジット会社変換マスタと、にアクセス可能に構成されており、各店舗のPOSから、売上月、店舗識別情報、売上金額、消費税、合計金額を含む売上データを取込む売上取込手段と、各店舗の決済用の端末で決済した実績を集計するクレジット債権照会システムから、取引日、決済用の端末の端末識別番号、カード識別情報、売上会社コード、利用額を含むクレジット債権照会データを取得するクレジット債権照会手段と、前記クレジット債権照会データに基づいて、前記端末識別番号変換マスタを参照して、前記端末識別番号を店舗識別情報に変換し、クレジット会社変換マスタを参照して、前記売上会社コードを請求先識別情報に変換して、売上月、店舗識別情報、請求先識別情報、カード識別情報、売上金額、振替又は手数料を指定する発生区分を含む振替データを生成する振替手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記振替データは、発生区分が手数料の場合は手数料金額をマイナス計上することにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、請求先識別情報及びカード識別情報毎に、手数料率を関連づけて登録した手数料マスタにアクセス可能に構成されており、前記振替手段は、請求先識別情報及びカード識別情報をキーとして、前記手数料マスタから手数料率を取得し、売上金額×取得した手数料率で手数料金額を算出することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、請求先識別情報及びカード識別情報毎に、手数料上限売上金額、上限手数料金額、手数料下限売上金額、下限手数料金額を関連づけて登録した手数料上限下限マスタにアクセス可能に構成されており、前記振替手段は、請求先識別情報及びカード識別情報をキーとして、前記手数料上限下限マスタから手数料上限売上金額、上限手数料金額、手数料下限売上金額、下限手数料金額を取得し、売上金額が手数料上限売上金額以上の場合は、手数料金額=上限手数料金額とし、売上金額が手数料下限売上金額以下の場合は、手数料金額=下限手数料金額とし、手数料金額が上限手数料金額以上の場合は、手数料金額=上限手数料金額とし、手数料金額が下限手数料金額以下の場合は、手数料金額=下限手数料金額とすることにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、前記振替データを請求先別に纏めて、請求先識別情報、債権金額を含む現金外債権データを生成する現金外債権管理手段を備えることにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、請求先から入金された場合に、前記現金外債権データの消込を行う入金消込処理手段を備えることにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、前記決済用の端末の決済媒体は、クレジットカード、交通系IC、及び電子マネーを含むことにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様によれば、前記店舗は、多店舗展開企業の店舗を含むことにしてもよい。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行されるクレジット債権振替方法であって、前記制御部は、端末識別番号と店舗識別情報を関連づけて登録した端末識別番号変換マスタと、売上会社コードと、請求先識別情報を関連づけて登録したクレジット会社変換マスタと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において実行される、各店舗のPOSから、売上月、店舗識別情報、売上金額、消費税、合計金額を含む売上データを取込む売上取込工程と、各店舗の決済用の端末で決済した実績を集計するクレジット債権照会システムから、取引日、決済端末の端末識別番号、カード識別情報、売上会社コード、利用額を含むクレジット債権照会データを取得するクレジット債権照会工程と、前記クレジット債権照会データに基づいて、前記端末識別番号変換マスタを参照して、前記端末識別番号を店舗識別情報に変換し、クレジット会社変換マスタを参照して、前記売上会社コードを請求先識別情報に変換して、売上月、店舗識別情報、請求先識別情報、カード識別情報、金額、振替又は手数料を指定する発生区分を含む振替データを生成する振替工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置に実行させるためのクレジット債権振替プログラムであって、前記制御部は、端末識別番号と店舗識別情報を関連づけて登録した端末識別番号変換マスタと、売上会社コードと、請求先識別情報を関連づけて登録したクレジット会社変換マスタと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において、各店舗のPOSから、売上月、店舗識別情報、売上金額、消費税、合計金額を含む売上データを取込む売上取込工程と、各店舗の決済用の端末で決済した実績を集計するクレジット債権照会システムから、取引日、決済端末の端末識別番号、カード識別情報、売上会社コード、利用額を含むクレジット債権照会データを取得するクレジット債権照会工程と、前記クレジット債権照会データに基づいて、前記端末識別番号変換マスタを参照して、前記端末識別番号を店舗識別情報に変換し、クレジット会社変換マスタを参照して、前記売上会社コードを請求先識別情報に変換して、売上月、店舗識別情報、請求先識別情報、カード識別情報、金額、振替又は手数料を指定する発生区分を含む振替データを生成する振替工程と、を実行させるためのクレジット債権振替プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、店舗のPOSの売上データから金種情報を連携できない場合に、金種別に売上を振り替える際の担当者の作業負荷を軽減することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明のクレジット債権振替システムの処理イメージを説明するための図である。
図2図2は、本実施の形態に係るクレジット債権振替システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、端末識別番号変換マスタの構成例を示す図である。
図4図4は、クレジット会社変換マスタの構成例を示す図である。
図5図5は、クレジット手数料マスタの構成例を示す図である。
図6図6は、クレジット手数料上限下限マスタの構成例を示す図である。
図7図7は、本実施の形態に係るクレジット債権振替システムの制御部の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
図8図8は、本実施の形態に係るクレジット債権振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図9図9は、本実施の形態に係るクレジット債権振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図10図10は、本実施の形態に係るクレジット債権振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
例えば、多店舗展開企業において、店頭売上の売上金種が現金以外にクレジットカードや電子マネーなど多岐にわたる。本部で、店舗のPOSの売上データから金種情報を連携できない場合は、締めのタイミングで金種別に売上を振り替える担当者の手作業が発生する。POSから現金外情報を連動するには、店頭の仕組みを改修するしかなく、店舗数が多い場合コストがかかってしまう。他方、近年キャッシュレス化の流れがあり、管理すべき金種が増加している。
【0020】
そこで、本発明は、店舗のPOSの売上データから現金外金種の内訳が取得できない場合でも、現金外金種の明細データを締後に取得し、マスタを使用して自動振替処理を実施することで、担当者の作業負担及び作業ミスを軽減する。
【0021】
図1は、本発明のクレジット債権振替システムの処理イメージを説明するための図である。本発明のクレジット債権振替システムは、締集計の現金外データ利用実績データ(クレジット債権照会データ)を元に、各変換マスタを通し、店舗別、金種別、回収予定別に金額を集計する。入金時は、クレジット会社から手数料を引かれて入金されるので、概算手数料を計上したうえで債権管理する。店舗売上から一旦同じ科目に計上されていた金額を計算した結果に対して振替伝票を起票する。振替した債権を入金消込する。以下の説明では、金額の単位を全て「円」としてその表記を省略する。
【0022】
図1において、店舗のPOSから売上ファイルを取得する。ここでは、現金外金種の内訳が取得できない。この場合の仕訳は、例えば、売掛金:1,000,000/売上:1,000,000(金種別に分かれない)となる。
【0023】
店舗の決済端末で決済した実績を集計するクレジット債権照会システム(例えば、J-manager)から、クレジット債権照会データ(例えば、J-managerデータ)を取得する。クレジット会社からネットバンキングシステムを介して手数料が引かれて入金されるので、概算手数料を計上した上で債権管理する。
【0024】
この場合の仕訳は、例えば、売掛金:400,000/売上:400,000(元の売掛金をカード売上分減少)、カード売掛金:400,000/カード売上:400,000(カード売掛金を計上)、クレジット手数料:8,800/カード売掛金:8,800(カード売掛金のうち、概算手数料分を減少)となる。
【0025】
クレジット会社からネットバンキングシステムを介して手数料が引かれて入金される。この場合の仕訳は、預金:312,000/カード売掛金:312,000となる。
【0026】
本発明のクレジット債権振替システムは、例えば、多店舗展開企業等の業種に広く適用可能である。
【0027】
[2.構成]
本実施の形態に係るクレジット債権振替システムの構成の一例について、図2を参照して説明する。図2は、本実施の形態に係るクレジット債権振替システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
クレジット債権振替システム100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、クレジット債権振替システム100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0029】
クレジット債権振替システム100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。クレジット債権振替システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0030】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、クレジット債権振替システム100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、クレジット債権振替システム100と、各店舗のPOS400・・・、決済端末、クレジット債権照会システム(例えば、J-manager)500、ネットバンキングシステム600、サーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0031】
各店舗には、POS400とPOS400に接続された決済用の端末401が設けられている。決済用の端末401は、例えば、クレジットカード、電子マネー、交通系IC等の決済媒体で決済するためのリーダー等である。クレジット債権照会システム500は、各店舗の決済用の端末401・・・で決済した実績を集計して、取引日、決済用の端末401・・・の端末識別番号、カード識別情報(カード識別コード及び/又はカード識別名)、親会社コード、利用額を含むクレジット債権照会データ(例えば、J-managerデータ)を蓄積する。
【0032】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0033】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0034】
また、記憶部106は、端末識別番号変換マスタ106aと、クレジット会社変換マスタ106bと、クレジット手数料マスタ106cと、クレジット手数料上限下限マスタ106dと、データファイル106eと、を備えている。図3は、端末識別番号変換マスタ106aの構成例を示す図である。図4は、クレジット会社変換マスタ106bの構成例を示す図である。図5は、クレジット手数料マスタ106cの構成例を示す図である。図6は、クレジット手数料上限下限マスタ106dの構成例を示す図である。
【0035】
端末識別番号変換マスタ106aは、図3に示すように、端末識別番号、店舗コード、店舗名を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。端末識別番号は、店舗の決済用の端末402・・・の機器番号である。端末識別番号から店舗コード及び店舗名を取得する。図3に示す例では、1行目は、端末識別番号「4816151001XXX」、店舗コード「T100」、店舗名「浅草店」、2行目は、端末識別番号「4816151002XXX」、店舗コード「T200」、店舗名「京橋店」となっている。
【0036】
クレジット会社変換マスタ106bは、図4に示すように、売上会社コード(3桁目から5文字)、請求先名、請求先コードを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。売上会社コード(3桁目から5文字)から請求先を取得する。図3に示す例では、1行目は、売上会社コード「99661」、請求先名「カード会社A」、請求先コード「101」、2行目は、売上会社コード「99662」、請求先名「カード会社B」、請求先コード「102」となっている。
【0037】
クレジット手数料マスタ106cは、図5に示すように、請求先コード、カード識別コード、カード識別名、手数料率を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。図5に示す例では、1行目は、請求先コード「101」、カード識別コード「001」、カード識別名「クレジットカード」、手数料率「2.2」、2行目は、請求先コード「102」、カード識別子コード「001」、カード識別名「クレジットカード」、手数料率「2.3」となっている。
【0038】
クレジット手数料上限下限マスタ106dは、図6に示すように、請求先コード、カード識別コード、カード識別名、手数料上限売上金額、上限手数料金額、手数料下限売上金額、下限手数料金額を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。図6に示す例では、請求先コード、カード識別コード、及びカード識別名によらず、同じ手数料上限売上金額、上限手数料金額、手数料下限売上金額、下限手数料金額が設定されている例を示している。1行目は、請求先コード「101」、カード識別コード「001」、カード識別名「クレジットカード」、手数料上限売上金額「10,000」、上限手数料金額「250」、手数料下限売上金額「3,000」、下限手数料金額「50」となっている。
【0039】
データファイル106eは、売上データ、クレジット債権照会データ、振替データ、現金外債権データ、入金データ等の各種データを格納するためのファイルである。
【0040】
売上データは、売上月、店舗コード、店舗名、売上金額、消費税、合計を含んでいてもよい。
【0041】
クレジット債権照会データ(例えば、J-managerデータ)は、取引日、端末識別番号、カード識別コード、売上会社コード、利用額を含んでいてもよい。現金外利用実績は税込額のみとなる。
【0042】
振替データは、売上月、店舗コード、店舗名、請求先コード、請求先名、カード識別コード、カード識別名、金額、振替又は概算手数料を指定する発生区分を含んでいてもよい。概算手数料は債権からマイナスするため、マイナス計上する。
【0043】
現金外債権データは、請求先コード、請求先名、債権金額を含んでいてもよい。債権は、請求先別に管理する。
【0044】
入金データは、請求先コード、請求先名、入金額を含んでいてもよい。
【0045】
図2に戻り、制御部102は、クレジット債権振替システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0046】
制御部102は、記憶部106に格納されている、端末識別番号変換マスタ106aと、クレジット会社変換マスタ106bと、クレジット手数料マスタ106cと、クレジット手数料上限下限マスタ106dと、データファイル106eにアクセス可能に構成されている。なお、これらのマスタ・ファイルは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0047】
制御部102は、機能概念的に、売上取込部102a、クレジット債権照会部102bと、振替処理部102cと、現金外債権管理部102dと、入金処理部102eと、マスタメンテ部102fと、画面表示制御部102gと、を備えている。
【0048】
売上取込部102aは、各店舗のPOS400・・・から、売上月、店舗識別情報、売上金額、消費税、合計金額を含む売上データを取込んで、データファイル106eに格納する。
【0049】
クレジット債権照会部102bは、各店舗の決済端末で決済した実績を集計するクレジット債権照会システム(例えば、J-manager)500から、取引日、決済用の端末401の端末識別番号、カード識別情報(カード識別コード及び/又はカード識別名)、売上会社コード、利用額を含むクレジット債権照会データ(例えば、J-managerデータ)を取得して、データファイル106eに格納する。
【0050】
振替処理部102cは、クレジット債権照会データに基づいて、端末識別番号変換マスタ106aを参照して、端末識別番号を店舗識別情報(店舗コード及び/又は店舗名)に変換し、クレジット会社変換マスタ106bを参照して、売上会社コードを請求先識別情報(請求先コード及び/又は請求先名)に変換して、売上月、店舗識別情報、請求先識別情報、カード識別情報(カード識別コード及び/又はカード識別名)、金額、振替又は概算手数料を指定する発生区分を含む振替データを生成して、データファイル106eに格納する。振替データは、発生区分が手数料の場合は手数料金額をマイナス計上(マイナスの金額とする)することにしてもよい。
【0051】
振替処理部102cは、請求先識別情報及びカード識別情報をキーとして、クレジット手数料マスタ106cから手数料率を取得し、売上金額×取得した手数料率で手数料金額を算出してもよい。
【0052】
また、振替処理部102cは、請求先識別情報及びカード識別情報をキーとして、クレジット手数料上限下限マスタ106dから手数料上限売上金額、上限手数料金額、手数料下限売上金額、下限手数料金額を取得し、売上金額が手数料上限売上金額以上の場合は、手数料金額=上限手数料金額とし、売上金額が手数料下限売上金額以下の場合は、手数料金額=下限手数料金額とし、手数料金額が上限手数料金額以上の場合は、手数料金額=上限手数料金額とし、手数料金額が下限手数料金額以下の場合は、手数料金額=下限手数料金額としてもよい。
【0053】
現金外債権管理部102dは、振替データを請求先別に纏めて、請求先識別情報、債権金額を含む現金外債権データを生成して、データファイル106eに格納する。
【0054】
入金処理部102eは、請求先からネットバンキングシステム600を介して入金されると、入金データを作成してデータファイル106eに格納する。また、入金処理部102eは、現金外債権データに対して入金データで消込を行う。
【0055】
マスタメンテ部102fは、例えば、モニタ114に表示されるマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、端末識別番号変換マスタ106a、クレジット会社変換マスタ106b、クレジット手数料マスタ106c、クレジット手数料上限下限マスタ106dに対して、データの入力・追加・削除・編集等の設定を行う。
【0056】
画面表示制御部102gは、モニタ114に表示する各種画面の表示及びその入力を制御する。
【0057】
[3.具体例]
図2図10を参照して、本実施の形態におけるクレジット債権振替システム100の処理の具体例を説明する。まず、図7を参照して、本実施の形態におけるクレジット債権振替システム100の全体の処理の概略を説明する。図7は、本実施の形態におけるクレジット債権振替システム100の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【0058】
(3-1.全体の処理)
図7において、売上取込部102aは、売上取込処理を実行する(ステップS1)。具体的には、売上取込処理では、売上取込部102aは、各店舗のPOS400・・・から、売上月、店舗識別情報、売上金額、消費税、合計金額を含む売上データを取込んで、データファイル106eに格納する。
【0059】
クレジット債権照会部102bは、クレジット債権照会処理を実行する(ステップS2)。具体的には、クレジット債権照会処理では、クレジット債権照会部102bは、各店舗の決済用の端末401・・・で決済した実績を集計するクレジット債権照会システム500から、取引日、決済端末の端末識別番号、カード識別情報、売上会社コード、利用額を含むクレジット債権照会データを取得して、データファイル106eに格納する。
【0060】
振替処理部102cは、振替処理を実行する(ステップS3)。具体的には、振替処理では、振替処理部102cは、クレジット債権照会データに基づいて、端末識別番号変換マスタ106aを参照して、端末識別番号を店舗識別情報に変換し、クレジット会社変換マスタ106bを参照して、売上会社コードを請求先識別情報に変換して、売上月、店舗識別情報、請求先識別情報、カード識別情報、売上金額、振替又は概算手数料の発生区分を含む振替データを生成して、データファイル106eに格納する。
【0061】
現金外債権管理部102dは、振替データを請求先別に纏めて、請求先識別情報、債権金額を含む現金外債権データを生成して、データファイル106eに格納する。
【0062】
入金処理部102eは、入金消込処理を実行する(ステップS4)。具体的には、入金消込処理では、入金処理部102eは、請求先からネットバンキングシステム600を介して入金されると、入金データを作成し、現金外債権データに対して入金データで消込を行う。
【0063】
(3-2.サンプルデータ)
図8図10は、本実施の形態に係るクレジット債権振替システム100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。図8~10を参照して、本実施の形態に係るクレジット債権振替システム100の制御部102の処理の具体例を説明する。以下の説明では、図3の端末識別番号変換マスタ106a、図4のクレジット会社変換マスタ106b、図5のクレジット手数料マスタ106c、図6のクレジット手数料上限下限マスタ106dのデータ例を使用して説明する。
【0064】
(S1:売上取込処理)
売上取込部102aは、各店舗のPOS400・・・から、売上月、店舗識別情報、売上金額、消費税、合計金額を含む売上データを取込んで、データファイル106eに格納する。
【0065】
図8(A)は、売上データのデータ例を示している。売上データは、売上月、店舗コード、店舗名、売上金額、消費税、合計金額の項目を備えている。図8(A)に示す例では、1行目は、売上月「2021/6」、店舗コード「T100」、店舗名「浅草店」、売上金額「5,000,000」、消費税「500,000」、合計金額「5,500,000」、2行目は、売上月「2021/6」、店舗コード「T200」、店舗名「京橋店」、売上金額「6,000,000」、消費税「600,000」、合計金額「6,600,000」となっている。このように、売上データには、金種情報が含まれていない。
【0066】
(S2:クレジット債権照会処理)
クレジット債権照会処理では、クレジット債権照会部102bは、各店舗の決済端末で決済した実績を集計するクレジット債権照会システム(例えば、J-manager)500から、取引日、決済端末の端末識別番号、カード識別情報、請求先識別情報、利用額を含むクレジット債権照会データ(例えば、J-managerデータ)を取得して、データファイル106eに格納する。
【0067】
図8(B)は、クレジット債権照会データのデータ例を示す図である。クレジット債権照会データは、取引日、端末識別番号、カード識別コード、売上会社コード、利用額の項目を備えている。利用額(現金外利用実績)は税込額となっている。
【0068】
図8(B)に示す例では、1行目は、取引日「2021/6/1」、端末識別番号「4816151001XXX」、カード識別コード「001」、売上会社コード「2’996610000」、「11,000」、2行目は、取引日「2021/6/1」、端末識別番号「4816151002XXX」、カード識別コード「001」、売上会社コード「2’996620000」、「11,000」となっている。
【0069】
(S3:振替処理)
振替処理部102cは、クレジット債権照会データに基づいて、端末識別番号変換マスタ106aを参照して、端末識別番号を店舗識別情報に変換し、クレジット会社変換マスタ106bを参照して、売上会社コードを請求先識別情報に変換して、売上月、店舗識別情報、請求先識別情報、カード識別情報、金額、発生区分を含む振替データを生成して、データファイル106eに格納する。
【0070】
図8(C)は、振替データのデータ例を示す図である。振替データは、売上月、店舗コード、店舗名、請求先コード、請求先名、カード識別コード、カード識別名、金額、振替又は概算手数料を指定する発生区分の項目を備えている。概算手数料は債権からマイナスするため、マイナス計上する。
【0071】
図8(C)に示す例では、1行目は、売上月「2021/6」、店舗コード「T100」、店舗名「浅草店」、請求先コード「101」、請求先名「カード会社A」、カード識別コード「001」、カード識別名「クレジットカード」、金額「11,000」、発生区分「振替」となっている。これは、クレジット債権照会データの1行目について、図3の端末識別番号変換マスタ106aを参照して、端末識別番号「4816151001XXX」を店舗コード「T100」、店舗名「浅草店」に変換し、図4のクレジット会社変換マスタ106bを参照して、売上会社コード「99661」を請求先コード「101」、請求先名「カード会社A」に変換したものである。
【0072】
7行目は、売上月「2021/6」、店舗コード「T100」、店舗名「浅草店」、請求先コード「101」、請求先名「カード会社A」、カード識別コード「001」、カード識別名「クレジットカード」、金額「-242」、発生区分「概算手数料」となっている。手数料金額は、請求先コード「101」及びカード識別コード「001」をキーとして、図5のクレジット手数料マスタ106cから手数料率「2.2」を取得して、金額「11,000」×手数料率「2.2」=「242」を算出して、マイナス計上して、「-242」とする。
【0073】
現金外債権管理部102dは、振替データを請求先別に纏めて、請求先識別情報、債権金額を含む現金外債権データを生成して、データファイル106eに格納する。
【0074】
図8(D)は、現金外債権データのデータ例を示す図である。現金外債権データは、請求先コード、請求先名、債権金額の項目を備えている。債権は、請求先別に管理する。図8(D)に示す例では、1行目は、請求先コード「101」、請求先名「カード会社A」、債権金額「10,758」となっている。
【0075】
(S4:入金消込処理)
入金処理部102eは、請求先からネットバンキングシステム600を介して入金されると、入金データを作成し、現金外債権データに対して入金データで消込を行う。
【0076】
図8(E)は、入金データのデータ例を示す図である。入金データは、請求先コード、請求先名、入金額の項目を備えていてもよい。図8(E)に示す例では、1行目は、請求先コード「101」、請求先名「カード会社A」、入金額「10,758」となっている。
【0077】
(手数料計算)
図8(C)に示す例では、振替処理部102cは、振替データの手数料をクレジット手数料マスタ106cのみを使用して概算の手数料を算出した場合を示したが、さらに、クレジット手数料上限下限マスタ106dを参照して、手数料を算出してもよい。図6に示すクレジット手数料上限下限マスタ106dの例では、請求コード及びカード識別コードで、同一の手数料上限売上金額、上限手数料金額、手数料下限売上金額、下限手数料金額が設定されている。
【0078】
図9は、手数料の計算例を示す図である。図10は、手数料の算出フローを示す図である。図10において、ステップS11では、クレジット手数料上限下限マスタ106dで対応するデータを取得できなかった場合(手数料上限売上金額、上限手数料金額、手数料下限売上金額、下限手数料金額に該当しない場合)は、手数料金額=売上金額(合計金額)×手数料率で算出する。
【0079】
ステップS12では、売上金額が手数料上限売上金額以上の場合は、手数料金額=上限手数料金額とする。売上金額が手数料上限売上金額未満かつ手数料下限売上金額より大きい場合は、S13に移行する。売上金額が手数料下限売上金額以下の場合は、手数料金額=下限手数料金額とする。
【0080】
ステップS13では、手数料金額が上限手数料金額以上の場合は、手数料金額=上限手数料金額とする。手数料金額が上限手数料金額未満かつ下限手数料金額より大きい場合は、手数料金額=売上金額×手数料率とする。手数料金額が下限手数料金額以下の場合は、手数料金額=下限手数料金額とする。
【0081】
図10に示す例では、1行目は、合計金額が「2,000」となっているので、手数料下限売上金額「3,000」以下は下限手数料金額「50」の固定とする。4行目は、計算手数料が「320」で、上限手数料金額「250」を超えているので、上限手数料金「250」とする。6~9行目は、手数料上限売上金額「10,000」以上となるので、上限手数料金額「250」に固定する。2、3、5行目については、合計金額×手数料率で算出した手数料とする。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態によれば、端末識別番号と店舗識別情報を関連づけて登録した端末識別番号変換マスタ106aと、売上会社コードと、請求先識別情報を関連づけて登録したクレジット会社変換マスタ106bと、各店舗のPOS400・・・から、売上月、店舗識別情報、売上金額、消費税、合計金額を含む売上データを取込む売上取込部102aと、各店舗の決済用の端末401・・・で決済した実績を集計するクレジット債権照会システム500から、取引日、決済用の端末の端末識別番号、カード識別情報、売上会社コード、利用額を含むクレジット債権照会データを取得するクレジット債権照会部102bと、前記クレジット債権照会データに基づいて、前記端末識別番号変換マスタ106aを参照して、端末識別番号を店舗識別情報に変換し、クレジット会社変換マスタ106bを参照して、売上会社コードを請求先識別情報に変換して、売上月、店舗識別情報、請求先識別情報、カード識別情報、売上金額、振替又は手数料を指定する発生区分を含む振替データを生成する振替処理部102cと、を備えているので、店舗のPOSの売上データから金種情報を連携できない場合に、金種別に売上を振り替える際の担当者の作業負荷を軽減することが可能となる。
【0083】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0084】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0085】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0086】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0087】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0088】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0089】
また、クレジット債権振替システム100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0090】
例えば、クレジット債権振替システム100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じてクレジット債権振替システム100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0091】
また、このコンピュータプログラムは、クレジット債権振替システム100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0092】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0093】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0094】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0095】
また、クレジット債権振替システム100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、クレジット債権振替システム100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0096】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0097】
100 クレジット債権振替システム
102 制御部
102a 売上取込部
102b クレジット債権照会部
102c 振替処理部
102d 現金外債権管理部
102e 入金処理部
102f マスタメンテ部
102g 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 端末識別番号変換マスタ
106b クレジット会社変換マスタ
106c クレジット手数料マスタ
106d クレジット手数料上限下限マスタ
106e データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
400 POS
401 端末
500 クレジット債権照会システム
600 ネットバンキングシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10