(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】小型パークロック組立体
(51)【国際特許分類】
F16H 63/34 20060101AFI20240723BHJP
F16H 61/28 20060101ALI20240723BHJP
B60T 1/06 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
F16H63/34
F16H61/28
B60T1/06 G
(21)【出願番号】P 2022514180
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(86)【国際出願番号】 US2020050677
(87)【国際公開番号】W WO2021051061
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-08-16
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518392026
【氏名又は名称】リナマー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ジエンバ,ジェフリー
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102010053861(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 63/34
F16H 61/28
B60T 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のパークロック歯車をロックおよびロック解除するためのパークロック組立体であって、
非ロック位置とロックされるパーク位置との間で車両のパークロック歯車と係合および係脱するように枢動可能であるロッキングレバーと、
前記ロッキングレバーに接触しかつ前記ロッキングレバーを作動させて前記パークロック歯車をロックおよびロック解除するローラを有するパークロックローラ組立体を摺動可能に支持する案内板であって、前記パークロックローラ組立体を変位させて前記ロッキングレバーを枢動させるためにロッキング位置と非ロッキング位置との間で移動方向に変位可能である、案内板と、
前記案内板と動作可能に係合される当接板部材であって、前記案内板を前記ロッキング位置および前記非ロッキング位置に保持するためのばねセクションを含む、当接板部材と、
を備え、
前記案内板が、前記案内板の前記移動中の前記案内板の位置合わせを維持するための位置合わせ構造と、前記案内板を前記移動方向に変位させるためにアクチュエータ歯車ピニオンと係合可能でありかつ前記アクチュエータ歯車ピニオンによって駆動可能である複数の歯車歯を備えるラックと、前記ロッキング位置または前記非ロッキング位置における前記案内板の前記保持のために前記ばねセクションと係合可能である戻り止め特徴部と、を
含み、
前記当接板部材が、前記当接板部材のベース部分に対して片持ち梁の関係で延在する前記ばねセクションを含み、前記ばねセクションが、その端部分上にばね特徴部を含み、前記ばねセクションが、前記ばね特徴部を前記戻り止めのそれぞれの中へ付勢する一方で前記案内板の前記移動中に前記ばね特徴部が前記戻り止めから出て別の前記戻り止めへ移動することを可能にするために、弾性的に撓むことができ、
前記案内板および前記当接板部材が、単一部品の構成要素としてそれぞれ形成される、
パークロック組立体。
【請求項2】
前記ロッキングレバーが、第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部が、傾斜路端部であり、前記第2の端部が、枢動ピン上に枢動可能に取り付けられる、請求項1に記載のパークロック組立体。
【請求項3】
前記ロッキングレバーが、前記第1の端部にロッキング歯を有し、前記傾斜路端部が、前記
パークロックローラ組立体に接触し、前記
パークロックローラ組立体が前記案内板により前記ロッキング位置へ引っ張られるときに、前記傾斜路端部に接触している隣接する前記ローラが、前記ロッキングレバーを枢動させる、請求項2に記載のパークロック組立体。
【請求項4】
前記ロッキングレバーの前記ロッキング歯が、車両の動力伝達装置をパーク位置にロックするために、前記パークロック歯車の外側表面上の複数の歯と噛み合うように構成される、請求項3に記載のパークロック組立体。
【請求項5】
前記案内板が、前記パークロックローラ組立体のための支持体として作用し、前記案内板が、前記当接板部材上に移動可能に支持される、請求項1に記載のパークロック組立体。
【請求項6】
前記
案内板上の前記歯が、前記案内板が移動する前記移動方向に延在し、かつ、前記移動方向に作用する
前記アクチュエータ歯車ピニオンからの可逆的な入力負荷を受け取るように構成される、請求項1に記載のパークロック組立体。
【請求項7】
前記ラックが、前記案内板の第1の縁部上に配置され、前記戻り止め特徴部が、前記第1の縁部に対向する前記案内板の第2の縁部上に配置され、前記歯が、前記案内板が移動する前記移動方向に延在し、前記戻り止め特徴部が、前記移動方向において互いに離間された複数の戻り止めを含む、請求項1に記載のパークロック組立体。
【請求項8】
車両のパークロック歯車をロックおよびロック解除するためのパークロック組立体であって、
非ロック位置とロックされるパーク位置との間で車両のパークロック歯車と係合および係脱するように枢動可能であるロッキングレバーと、
前記ロッキングレバーに接触しかつ前記ロッキングレバーを作動させて前記パークロック歯車をロックおよびロック解除するローラを有するパークロックローラ組立体を摺動可能に支持する案内板であって、前記パークロックローラ組立体を変位させて前記ロッキングレバーを枢動させるためにロッキング位置と非ロッキング位置との間で移動方向に変位可能である、案内板と、
前記案内板と動作可能に係合される当接板部材であって、前記案内板を前記ロッキング位置および前記非ロッキング位置に保持するためのばねセクションを含む、当接板部材と、
を備え、
前記案内板が、前記案内板の前記移動中の前記案内板の位置合わせを維持するための位置合わせ構造と、前記案内板を前記移動方向に変位させるためにアクチュエータ歯車ピニオンと係合可能でありかつ前記アクチュエータ歯車ピニオンによって駆動可能である複数の歯車歯を備えるラックと、前記ロッキング位置または前記非ロッキング位置における前記案内板の前記保持のために前記ばねセクションと係合可能である戻り止め特徴部と、を含み、
前記当接板部材が、片持ち梁の関係でボディ部分に取り付けられる前記ばねセクションを含む形状とされた単一部品の構成要素として形成され、前記ボディ部分が、ハウジングときつくしっかりと係合可能である片側の縁部クリップセクションと、固定具により前記ハウジングに固定可能である反対側の側壁とをさらに支持する、パークロック組立体。
【請求項9】
車両のパークロック歯車をロックおよびロック解除するためのパークロック組立体であって、
非ロック位置とロックされるパーク位置との間でパークロック歯車と係合および係脱するように枢動可能であるロッキングレバーと、
前記ロッキングレバーに接触しかつ前記ロッキングレバーを作動させて前記パークロック歯車をロックおよびロック解除するローラを有するパークロックローラ組立体を摺動可能に支持する案内板であって、前記パークロックローラ組立体を移動方向に変位させて前記ロッキングレバーを枢動させるためにロッキング位置と非ロッキング位置との間で前記移動方向に変位可能である、案内板と、
前記案内板と動作可能に係合される当接板部材であって、前記案内板を前記ロッキング位置および前記非ロッキング位置に保持するためのばねセクションを含み、ボディ部分および前記ボディ部分から片持ち梁の関係で延在する前記ばねセクションを含む単一部品として形成される、当接板部材と、
を備え、
前記案内板が、前記案内板の移動中の前記案内板の位置合わせを維持するための位置合わせ構造と、アクチュエータ歯車ピニオンと係合可能でありかつ前記アクチュエータ歯車ピニオンによって駆動可能である複数の歯車歯を備えるラックと、前記案内板の前記保持のために前記ばねセクションと係合可能である戻り止め特徴部と、を含み、前記案内板が、第1および第2の側壁、ならびに前記第1および第2の側壁に対して横向きに配向された第1および第2の端壁によって画定される単一部品として形成され、前記第1および第2の側壁が、それらの間に延在する前記第2の端壁によって平行な関係で配置される、パークロック組立体。
【請求項10】
前記ロッキングレバーが、第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部が、傾斜路端部であり、前記第2の端部が、枢動ピン上に枢動可能に取り付けられ、前記ロッキングレバーが、前記第1の端部にロッキング歯を有し、前記傾斜路端部が、前記パークロックローラ組立体に接触し、前記パークロックローラ組立体が前記案内板により前記移動方向において前記ロッキング位置へ引っ張られるときに、隣接する前記ローラが前記傾斜路端部に接触して前記ロッキングレバーを枢動させる、請求項9に記載のパークロック組立体。
【請求項11】
前記ロッキングレバーの前記ロッキング歯が、車両の動力伝達装置をパーク位置にロックするために、前記ロッキング歯の外側表面上の複数の歯と噛み合うように構成され、前記ロッキングレバーが、前記案内板に隣接して前記パークロック歯車に作用するために前記案内板に側方に隣接して配置されるか、または、前記案内板の位置から円周方向に離間された位置において前記パークロック歯車に作用するために前記案内板の片側に配置される、請求項10に記載のパークロック組立体。
【請求項12】
前記案内板が、前記パークロックローラ組立体のための支持体として作用し、前記第1および第2の端壁が、前記パークロックローラ組立体を摺動可能に支持し、前記案内板が、前記移動方向に移動するように前記当接板部材上に移動可能に支持され、前記パークロックローラ組立体が、前記案内板に対して前記移動方向に移動可能である、請求項9に記載のパークロック組立体。
【請求項13】
前記案内板上の前記歯が、前記案内板が移動する前記移動方向に延在し、かつ、前記移動方向における前記アクチュエータ歯車ピニオンからの入力負荷を受け取るように構成される、請求項9に記載のパークロック組立体。
【請求項14】
前記ラックが、前記案内板の前記第1の側壁の第1の縁部上に配置され、前記戻り止め特徴部が、前記第1の縁部に対向する前記案内板の前記第1の側壁の第2の縁部上に配置され、前記歯が、前記案内板が移動する前記移動方向に延在し、前記戻り止め特徴部が、前記移動方向において互いに離間された複数の戻り止めを含む、請求項13に記載のパークロック組立体。
【請求項15】
前記第1および第2の側壁が、それぞれの第1および第2の位置合わせ構造を含む、請求項14に記載のパークロック組立体。
【請求項16】
前記当接板部材が、前記当接板部材のベース部分から前記移動方向に片持ち梁の関係で延在する前記ばねセクションを含み、前記ばねセクションが、その端部分上にばね特徴部を含み、前記ばねセクションが、前記ばね特徴部を前記戻り止め内へと前記移動方向に対して横向きの方向に付勢する一方で前記案内板を前記ロッキング位置および非ロッキング位置の一方に保持するために前記案内板の前記移動中に前記ばね特徴部が前記戻り止めから出るのを可能にするために、弾性的に撓むことができる、請求項9に記載のパークロック組立体。
【請求項17】
前記当接板部材が、片持ち梁の関係で前記ボディ部分に取り付けられる前記ばねセクションを含む形状とされ、前記ボディ部分が、固定具なしでハウジングときつくしっかりと係合可能である片側の縁部クリップセクションと、固定具により前記ハウジングに固定可能である反対側の側壁とをさらに支持する、請求項16に記載のパークロック組立体。
【請求項18】
前記第2の側壁が、フランジと、前記アクチュエータ歯車ピニオンの動作を制御するために前記ロッキングレバーの位置を検出するセンサと、を含む、請求項9に記載のパークロック組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2019年9月13日に出願された米国仮特許出願第62/900,111号の優先権およびあらゆる利益を主張するものであり、その開示は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、非ロック位置とロックされるパーク位置(locked,Park,position)との間で車両動力伝達装置の歯車を選択的にロックするためのパークロック組立体に関し、より詳細には、多機能構成要素で形成された小型組立体を有するパークロック組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]車両の動力伝達装置は、動力伝達装置の歯車をロックすることにより車両を停車位置(parked position)に電子的にまたは手動で切り替えるためのパークロック機構を含むことが、一般に知られている。パークロック機構は、典型的には、パーキングロック歯車の回転を防止して動力伝達装置を停車位置にロックするために、歯止め部材をパーキングロック歯車に係合させることによりパークロックロッド組立体を非ロック位置とロック位置との間で作動させるための、車両運転者によって作動されるシフトレバーおよびロッドを含む。パークロック機構の例が、米国特許第5,295,412号で開示されている。
【0004】
[0004]パークロック組立体は、シフトレバーと歯止め部材との間で案内部材内に装填されかつ捕捉されたロッドおよびばねを含み得る。パークロックロッド組立体は、典型的には、歯止め部材をパーキングロック歯車とのロック位置に付勢するために、作動中は歯止め部材に向かって長手方向に押される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]知られたパークロック組立体に関連する欠点を克服するには、非ロック位置とロックされるパーク位置との間での作動のために歯止め部材に向かって横方向に引っ張られるローラをパークロック組立体に設けて、強度およびパッケージング要求を改善することが望ましい。さらに、製造、設置、および操作を改善するために、小型のパッケージまたは組立体に形成された、改善されたパークロック組立体を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]本発明の1つの態様によれば、歯止めを作動してパークロック歯車とロッキング係合させて車両動力伝達装置をロックされるパーク位置にロックするためのパークロック組立体が提供される。パークロック組立体は、1つまたは複数のローラ、および移動可能な案内板を含み、少なくとも1つのローラが、案内板に取り付けられ、かつ、案内板とともに移動して、本明細書ではロッキングレバーとしても知られている歯止めを作動させる。パークロック組立体は、車両技術分野で知られているように、パークロック歯車上の複数の歯のうちの1つと係合するためのロッキング歯を有するロッキングレバーと選択的に係合して、動力伝達装置をパーク位置にロックする。ロッキングレバーは、典型的には、パークロック組立体に隣接する一方の端部においてブラケットに枢動可能に取り付けられる。
【0007】
[0007]本発明の別の態様では、本発明は、非ロック位置とロック位置との間での作動中に押されるのではなくロッキングレバーの傾斜路セクションに向かって引っ張られ得るパークロック組立体に関する。より詳細には、本発明のロッキングレバーは、パークロック組立体のローラによって係合される傾斜路端部を含むことができ、この場合、案内板によるローラの移動により、ロッキングレバーは、非ロック位置とロックされるパーク位置との間で枢動する。動作中、パークロック組立体のローラは、ロッキングレバーの傾斜路端部に向かって引っ張られ、ロックレバーをパークロック歯車と係合させて、車両動力伝達装置をロック位置にロックすることができる。ローラを押すのではなく引っ張ることにより、歯止めは、より小さなパッケージと、応力を軽減するのに役立つ、より厚い断面に起因するより高い強度との両方を有することが可能になる。
【0008】
[0008]さらなる態様では、本発明は、組立中にパークロック組立体を位置合わせすること、トルク伝達を向上させるためにピニオン駆動歯車機構から直接入力負荷を受け取ること、ロック位置と非ロック位置との間で案内板を位置決めしかつ案内板の移動を制限すること、および動作中のロッキングレバーの位置の検知を実現することを含む複数の機能を実行するように構成された案内板を含み得る。案内板は、単一部品の一体化された構成要素として形成され得るか、または、別の実施形態では、組合せ構成要素を含み得る。
【0009】
[0009]本発明のさらなる態様による追加の構成要素として、本発明の小型パークロック組立体は、小型パークロック組立体の取付けを容易にするための当接板セクションと、案内板を拘束するためのばねセクションと、当接板セクションをハウジングに対して付勢しかつ保持するためのクリップセクションと、当接板部材をハウジングに固定するための固定具特徴部と、場合により、当接板部材をハウジングに対して位置合わせするための位置合わせ特徴部とを備える、当接板部材を含み得る。当接板部材は、単一部品の一体化された構成要素として形成され得るか、または、別の実施形態では、組合せ構成要素を含み得る。
【0010】
[0010]上記のことを考慮すると、本発明は、これらの特徴を改善された機能を有する小型パッケージに統合する、改善された構造を有する。本発明およびその変形形態の他の目標および目的は、以下の説明を読めば、また、添付の図面を詳しく調べれば、明らかになるであろう。
【0011】
[0011]本発明の利点は、添付の図面とともに考慮したときに、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるのと同様に、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0012]完全に組み立てられたときの小型パークロック組立体の側面斜視図である。
【
図2】[0013]小型パークロック組立体の案内板の側面斜視図である。
【
図3】[0014]複合ばね特徴部を含む当接板部材の側面斜視図である。
【
図4】[0015]ロックハウジングに取り付けられた複合ばね特徴部を含む当接板部材を有する、直立させて見たときの小型パークロック組立体の断面図である。
【
図5】[0016]別個のばね特徴部を含む当接板部材を有している小型パークロック組立体の第2の実施形態の側面斜視図である。
【
図6】[0017]別個のばね特徴部を有する当接板部材を具備している小型パークロック組立体の別の側面斜視図である。
【
図7】[0018]別個の部品である第1のセクションおよび第2のセクションを有する案内板を含む小型パークロック組立体の第3の実施形態の底面斜視図である。
【
図8】[0019]別個の部品として第1のセクションおよび第2のセクションを含む案内板を有する小型パークロック組立体の側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0020]特定の術語が、以下の説明において単に便宜および参考のために使用されるが、限定的なものにはならない。例えば、用語「上方に(upwardly)」、「下方に(downwardly)」、「右方に(rightwardly)」、および「左方に(leftwardly)」は、参照される図における方向を意味する。用語「内方に(inwardly)」は、装置およびその指定された部品の幾何学的中心に向かう方向を意味し、「外方に(outwardly)」は、幾何学的中心から離れる方向を意味する。上記の術語は、明確に述べられた用語、その派生形、および同様の趣旨の用語を含む。
【0014】
[0021]
図1を参照すると、本発明は、車両動力伝達装置を非ロック位置とロックされるパーク位置との間で移行または作動させるためにパークロックまたはロッキング歯車12と解放可能に係合する、小型パークロック組立体10に関する。小型パークロック組立体10は、複数の機能を果たしかつその構造および機能を改善する部品を有することにより、部品数を減らし、したがってパークロック組立体10のサイズを縮小させる。
【0015】
[0022]
図1をさらに参照すると、小型パークロック組立体10は、ロッキングレバーまたは歯止め14を作動してパークロック歯車またはロッキング歯車12とロッキング係合させて車両動力伝達装置をロックされるパーク位置にロックするために設けられる。パークロック組立体10は、1つまたは複数のローラ16を備えるパークロックローラ組立体15を含み、かつ、移動方向に移動可能な案内板18を含み、パークロックローラ組立体15は、同じく上記の移動方向に移動するように、案内板18に移動可能に取り付けられる。ローラ組立体15は、本明細書ではロッキングレバー14としても知られる歯止めに接触しかつ歯止めを作動させる、少なくとも1つのローラ16を含む。パークロック組立体10は、ロッキングレバー14と選択的に係合し、このロッキングレバー14は、パークロック歯車12上の複数の歯20のうちの1つと係合して動力伝達装置をパーク位置にロックするためのロッキング歯19を有する。
【0016】
[0023]ロッキングレバー14は、パークロック組立体10に隣接して配置され、かつ、一方の端部において枢動ピン22を通じて(
図4に概略的に示されるように)ブラケットまたはハウジング21に枢動可能に取り付けられ得る。示された実施形態では、ロッキングレバー14は、概ね平行な関係で、全体的にパークロック組立体10の長さに沿って延在する。基本的に、案内板18およびロッキングレバー14は、概ね互いに平行にまたは並行して、案内板18の移動方向に延在する。ロッキングレバー14は、通常はロッキングレバー14を
図1の非ロック状態に付勢するまたは枢動させるためにハウジングおよびロッキングレバー14と係合されたばねアーム23Aおよび23Bを有するコイルばねまたは他の付勢手段23を含む。
【0017】
[0024]本発明のパークロック組立体10では、ローラ組立体15は、一般に、非ロック位置とロック位置との間での作動中、押されるのではなくロッキングレバー14の傾斜路セクション25に向かって引っ張られる。より詳細には、本発明のロッキングレバー14は、遠位端部26上に傾斜路セクション25を含み、この傾斜路セクション25は、パークロック組立体10の隣接するローラ16によって係合され、ローラ16の側方への変位が、ロッキングレバー14を枢動ピン22の周りで非ロック位置とロックされるパーク位置との間で枢動させる。動作中、パークロック組立体10のローラ16は、ロッキングレバー14レバーの隣接する傾斜路端部25に接触しかつ傾斜路端部25に向かって移動方向に引っ張られて、ロッキングレバー14を移動方向に対して横向きに枢動させかつパークロック歯車12と係合させて、車両動力伝達装置をロック位置にロックする。ローラ16を押すのではなく引っ張ることにより、歯止め様のロッキングレバー14は、より小さなパッケージと、応力を軽減するのに役立つより厚い断面に起因するより高い強度との両方を有することが可能になる。
【0018】
[0025]パークロックローラ組立体15は、ロッキングレバーブラケット30を有し、このロッキングレバーブラケット30は、本明細書においてより詳細に説明されるように、ローラ16を垂直方向に離間された関係で回転可能に支持する。ロッキングレバーブラケット30は、案内板18により移動可能に支持されるシャフトロッド31に接続される。シャフトロッド31は、シャフトカラー32を貫通して延在し、かつ、シャフトカラー32と案内板18との間で圧縮状態にあるばね部材を支持する。パークロックローラ組立体15は、以下で論じられるように、案内板18を通って軸方向に摺動可能であり、案内板18の側方への変位が、シャフトロッド31およびブラケット30をばね張力下で側方に引っ張って、傾斜路表面25と接触するローラ16を引っ張り、それにより、ロッキングレバー14を歯20と係合するロックされるパーク位置へ枢動させる。ロック解除中、案内板18が側方に移動して非ロック位置に戻るときに、案内板18はまた、パークロックローラ組立体15を非ロック位置に戻す。
【0019】
[0026]この構成では、ロッキングレバー14を含むパークロック組立体10は、パーク歯車12の一方の共通の側において、互いに側方に隣接して積み重ねられる。以下でさらに説明されるように、本発明は、小型でありかつ従来の機構に勝る改善を取り込む、改善されたパークロック組立体10に関する。
【0020】
[0027]
図1および2をより詳細に参照すると、本発明は、4つの主要な機能を有する案内板18を含む。第1の機能は、少なくとも移動方向における位置合わせを提供することである。この機能は、案内板18の第1の部分36を貫通する細長い位置合わせ開口部35を介して達成される。
図4に概略的に示されるように、ハウジングだぼ37が、位置合わせ開口部35に挿入されて位置合わせ開口部35を横方向に貫通して延在し、かつ、小型パークロック組立体10のハウジングと固定係合している。ハウジングだぼ37は、開口部35の両端間で摺動可能であり、案内板18は、ハウジングだぼ37に沿って上記の移動方向に移動可能である。案内板18の第1の部分36上の第1の位置合わせパッド38、および第2の部分40上の第2の位置合わせパッド39が、さらに含まれる。各位置合わせパッド38および39は、ロックハウジング21との位置合わせのためのガイドとして作用する。
【0021】
[0028]第2の機能は、駆動軸43の周りで駆動されるアクチュエータ歯車ピニオン42から入力負荷を取得することである。駆動軸43は、一般に、その周りで歯車12が回転する歯車軸に対して実質的に平行に配向される。アクチュエータ歯車ピニオン42は、駆動ユニットの1つの被動部を形成し、駆動ユニットは、アクチュエータ歯車ピニオン42に動作可能に接続してそれを回転させるモータなどの、他の駆動構成要素を含み得る。入力負荷は、アクチュエータ歯車ピニオン42と案内板18の第1の端部46の第1の縁部45上に位置するラック44Aを形成する1組の案内板歯44との間の相互作用を通じて取得される。歯44は、移動方向に延在し、かつ、入力負荷が移動方向に概ね沿って案内板18に印加されるように構成される。歯車ピニオン駆動配置の使用は、ピニオン歯車歯42Aの回転駆動運動をラック44A上の案内板歯44に直接伝達し、それにより、ピニオンのサイズに依存しかつピニオンのサイズによって制御される、より高い負荷が可能とされる。さらに、駆動力は、噛み合った案内板歯44およびピニオン歯車歯42Aを通じて、第1の縁部45により移動方向に沿って一直線に伝達される。これは、レバー幾何形状によって制御されるピンまたはレバーを通じてトルクを直線運動に移行する既知の設計よりも小さなパッケージに貢献する。
【0022】
[0029]第3の機能は、動作中およびロック位置と非ロック位置との間での移動中の案内板18を位置決めしかつその移動を制限することである。これは、好ましくは2つの凹んだ戻り止め51などの複数の戻り止め51からなる戻り止め特徴部50によって達成される。戻り止め特徴部50は、案内板18の第2の縁部52上に位置する。第2の縁部52は、第1の縁部45に対向し、かつ、第1の縁部45に平行であり得る。戻り止め特徴部50は、当接板部材57(
図1参照)のばねセクション56のばね特徴部55と相互作用する。ばね特徴部55は、ロック位置および非ロック位置での移動を制限するために、案内板18の戻り止め特徴部50と組み合う形状とされる。ばね特徴部55は、ローラ55Aを備え得ることが好ましい。具体的には、ばね特徴部55は、左側の戻り止め52に解放可能に係合して案内板18を非ロック位置に拘束することができ、かつ、右側の戻り止め52に解放可能に係合して案内板18をロックされるパーク位置に拘束することができる。上記のように、案内板18は、電気モータなどの適切なアクチュエータによるアクチュエータ歯車ピニオン42の被動回転により、左方向および右方向に駆動され得る。
【0023】
[0030]最後に、案内板18は、センサユニット58を介して小型パークロック組立体10の位置を判定するのに役立ち、このセンサユニット58は、好ましくは、ハウジング21上に位置し得るセンサ59(
図4参照)と、センサ59によって検出可能な位置センサ磁石60とを含むが、他の適切なセンサ構成が設けられてもよい。位置センサ磁石60は、センサブラケット61などにより、案内板18の第2の部分40上に配置される。案内板18は、直立フランジ62を含むことが好ましく、この直立フランジ62は、動作中の案内板18およびロッキングレバー14の運動および位置を検出するために、センサ59による検出のためのセンサ60を位置合わせする。センサ60からのこれらの信号は、アクチュエータ歯車ピニオン42の始動/停止および回転方向を制御して案内板18のシフトを制御するために使用され得る。
【0024】
[0031]前述のように、
図1は、ロッキングレバー14およびロッキング歯車12を示す。ロッキング歯車12のロックが望まれる場合、アクチュエータ歯車ピニオン42は、アクチュエータ歯車ピニオン42と案内板18の第1の縁部45上の1組の歯44との間の相互作用を通じて、案内板18を前方にまたは左側へと側方に引っ張る。案内板18は、ローラ組立体15のロッキングレバーブラケット30によって支持されたローラ16を通じて、ロッキングレバー14に動作可能に取り付けられ、かつ、ロッキングレバー14と協働する。ロッキングレバーブラケット30は、第1の端部46に対向する案内板18の第2の端部63に配置される。ロッキングレバーブラケット30はまた、案内板18の第2の部分40の各端壁65および66にある開口部64を貫通して延在するシャフトロッド31を有して形成される。
図2に見られるように、端壁65および66は、位置合わせパッド39が形成される第1の側壁67によって結合され、端壁65および66、ならびに側壁67は、ロッキング歯車12およびロッキングレバー14(
図1参照)に向かって上方に開いている開口内部18Aを形成する。この幾何形状は、曲げられるかもしくは機械加工される金属などの材料または成型され得る他の材料の単一片から案内板18を形成することを容易にする。
【0025】
[0032]案内板18は、第1の側壁67に対向しかつ全体的に第1の側壁67に面する第2の側壁68をさらに含み、この第2の側壁68には、位置合わせパッド38、ラック44A、戻り止め51、および開口部35が形成される。この第2の側壁68は、案内板18の第1の部分36を形成する。したがって、案内板18は、好ましくは、上記の機能を行うためにこれらの様々な構造が形成されたモノリシックなまたは一体形のボディとして形成され得る。
【0026】
[0033]案内板18の移動は、ロッキングレバー14のロッキングレバー歯19を引っ張って、ロッキング歯車12の外周12A上の1組の歯20と接触させる。ロッキングレバー14とロッキング歯車12との間の噛合い接触(meshed contact)が、小型パークロック組立体10をロックされるパーク位置に配置する。逆方向へのアクチュエータ歯車ピニオン42の運動により、案内板18およびローラ組立体15は、反対の右方向に引っ張られ、その結果、ロッキングレバー14は、ロッキング歯車12から離れるように径方向に移動し、したがって、小型パークロック組立体10を非ロック位置に戻す。このロック解除運動中、ローラ16は、傾斜路端部25に沿って右方に転動するが、他方のローラ16は、当接板部材57に沿って転動して、垂直方向支持を提供する。
【0027】
[0034]
図3および4を参照すると、パークロック組立体10はまた、複合ばね特徴部55を有して示されている当接板部材57を含む。当接板部材57は、異なる機能を有する2つのセクションで作られた単一部材であり得る。第1のセクションは、案内板18およびそれに隣接する第2のローラ16を支持する機能を有する当接板セクション71である。
【0028】
[0035]当接板セクション71は、補剛特徴73を含むボディ部分72を有する。補剛特徴73は、当接板セクション71の撓みを軽減する。当接板セクション71は、当接板セクション71の第1の縁部76にあるそれぞれの開口部75を通過する少なくとも1つのボルトまたは他の固定具74(
図4参照)により、ロックハウジング21に直接取り付けられ、ここで、第1の縁部76は、ボディ部分72から直立する側壁77によって画定される。いくつかの実施形態では、複数の固定具74に対応するために、第1の縁部76に2つ以上の開口部75が存在し得る。第1の縁部76および側壁77は、ボディ部分72に対して直角である。
【0029】
[0036]ロックハウジング21への取付けは、当接板セクション71の第2の縁部78によってさらに補強される。第2の縁部78は、第1の部分81および第2の部分82で構成される。第1の部分81は、当接板セクション71のボディ部分72に対して直角である。第2の縁部78の第2の部分82は、第1の部分81に対して直角であり、かつ、ボディ部分72に対して平行である。第2の縁部78の第1の部分81および第2の部分82は一緒に、ロックハウジング21への巻き付けによりハウジング21にぴったりと係合するために、全体的にU形状のチャネル様のクリップセクション83を画定した。クリップセクション83は、開口部75と同じ方向において側方に開口していることが好ましく、それにより、クリップセクション83は、当接板部材57の片側を固定具なしで所定の位置に保持するために、ハウジング71の縁部上へ摺動し、一方で、固定具74は、当接板部材57のもう片側を保持するために設置される。したがって、クリップセクション83は、当接板部材57を配置し、かつ、ボルトまたは他の固定具74がもう片側に設置されるまで、固定具を伴わない接続により当接板部材57を所定の位置に保持する。
【0030】
[0037]最後に、当接板セクション71からは、ばねセクション56が延在しており、このばねセクション56は、好ましくは、補剛特徴73に近いボディ部分72の隣接する縁部から、片持ち梁の関係で延在する。ばねセクション56は、上述のように案内板18の戻り止め特徴部50と相互作用するばね特徴部55を、その遠位端部に有する。ばね特徴部55は、運動を制限するために案内板18の戻り止め特徴部50と組み合う形状とされ、また具体的には、弓形の外側表面を含むリブ様の形状を有し、この形状は、ローラ55Aによって形成されてよく、また、この形状は、戻り止め特徴部50が案内板12の移動中に戻り止め51内に突出または位置することと戻り止め51間で摺動することとを可能にする。リブ様のばね特徴部55が戻り止め51間で摺動するにつれて、ばねセクション56は下方に曲り、次いで上方へ戻る。ばねセクション56は、ばねセクション56の曲りを可能にする、比較的堅いが弾性的に曲げることのできるまたは撓むことができるばね鋼などの材料で形成されることが好ましい。さらに、この弾性的な曲りは、望まれるのであれば上記のクリップセクション83がハウジング縁部21A(
図4)をきつく把持することも可能にするであろう。
【0031】
[0038]場合により、当接板部材57は、位置合わせ特徴部85を含むことがあり、この位置合わせ特徴部85は、タブなどの形態で、クリップセクション83を形成する第1の部分81から短い距離だけ突出してよく、また、組立体をハウジング21上に配置するのに役立つように、ハウジング縁部21A上のボアまたは他の凹部などの対応する位置合わせ特徴部と嵌合することができる。
【0032】
[0039]したがって、1つの態様では、本発明は、組立中にパークロック組立体10を位置合わせすること、トルク伝達を向上させるためにピニオン駆動歯車機構から直接入力負荷を受け取ること、ロック位置と非ロック位置との間で案内板18を位置決めしかつ案内板18の移動を制限すること、および動作中のロッキングレバー14の位置の検知を実現することを含む複数の機能を実行するように構成された案内板18を有し得る。案内板18は、上記のように単一部品の一体化された構成要素として形成され得る。本発明のさらなる態様では、当接板部材57は、小型パークロック組立体10の取付けを容易にし、案内板18を拘束するためのばねセクション56を支持し、ハウジング21に係合するためのクリップセクション83を片側に形成し、当接板部材57をハウジングに固定するための固定具特徴部をもう片側に組み込み、かつ、場合により当接板部材57をハウジング21に対して位置合わせするための位置合わせ特徴部85を含むことができる。この実施形態では、当接板部材57は、単一部品の一体化された構成要素として形成され得る。
【0033】
[0040]
図5および6を参照すると、参照番号90によって示されている当接板部材の代替的な実施形態を含むパークロック組立体89が示されており、ここで、当接板部材90は、別個のばねセクション91を含む組合せ構成要素として示されている。ばねセクション91は、もはや当接セクション92の延長部ではなく、別個の部品である。ばねセクション91は、第1の縁部93およびボディ部分94を有する。ボディ部分94は、完全に組み立てられると(
図5参照)、当接板部材90のボディ部分97に平行であり、かつ、ボディ部分97と直接接触する。ばねセクション91の第1の縁部93は、ボディ部分94に対して直角である。ばねセクション91の第1の縁部93は、当接板部材90の第1の縁部98に平行であり、かつ、第1の縁部98と直接接触する。ばねセクション91の第1の縁部93は、当接板部材90の第1の縁部98の開口部に一致する開口部を有する。完全に組み立てられると、各ボルト99または他の固定具が、ばねセクション91の第1の縁部93の開口部および当接板部材90の第1の縁部98の開口部を通過して、ロック組立体のハウジング21に入る。ばねセクション91のボディ部分からは、ばね特徴部101で終わるばねアーム100が延在している。ばねアーム100は、戻り止め特徴部50-1の領域における案内部材18-1の高さまたは厚さの増大を可能にするために、そこを垂直方向に貫通する案内部材18-1の下方縁部セクションを収容するためのスロット102を含み得る。
【0034】
[0041]パークロック組立体89は、外側歯車周囲12Aの周りに形成された歯20と係合するように、ロッキング歯車12とともに使用するために構成される。当接板部材90は、上記のパークロック組立体10の構成要素とともに使用するために適合され得るが、パークロック組立体89は、ここではロッキングレバー14-1と示されたロッキングレバー14の代替的な構成において使用され得る。ロッキングレバー14-1は、パークロック組立体89に隣接するロッキング歯車12の第2の側から離れるように円周方向に離間されたロッキング歯車12の側に移転されかつオフセットされた枢動ピン22を含む変更された幾何形状で取り付けられる。ロッキングレバー歯19は、同様に構成されるが、傾斜路表面25-1は、
図1で使用された側面ではなく端部レバー面に向かって形成される。ロッキングレバー14-1とロッキング歯車12との係合は、依然として上記されたのと同様に機能する。
【0035】
[0042]ロッキング位置と非ロッキング位置との間でロッキングレバー14-1を枢動させるために、パークロック組立体89は、依然として案内部材18-1を使用し、この案内部材18-1は、機械加工などにより固体材料の塊から形成されることを除いて、案内板18と同じ基本構造を組み込む。変更された案内部材18-1は、だぼ37と協働する位置合わせ開口部35-1、ラック44A-1を形成する駆動歯44-1、および戻り止め特徴部50-1の共通の構成を有して形成される。さらに、案内部材18-1は、上記のパークロックローラ組立体15を摺動可能に支持し、ローラ16は、ロッキングレバー14-1の傾斜路端部25-1に沿って転動してロッキングレバー14-1を動かす。アクチュエータ歯車ピニオン42は、ラック44A-1の歯44-1と噛み合いまたは係合し、かつ、
図1に類似したパークロック歯車12の歯車軸に実質的に平行に配向されたシャフトの周りで回転する。案内部材18-1は、案内部材18と実質的に同様に機能し、パークロック組立体89の動作に関するさらなる論述は、この発明性のある実施形態の理解には必要とされない。
【0036】
[0043]
図7および8を参照すると、参照番号111によって示された案内板の代替的な実施形態を含む代替的なパークロック組立体110が示されており、ここでは、案内板または案内部材111の第1のセクション112および第2のセクション113は、別個の部品である。
【0037】
[0044]第1のセクション112は、依然として位置合わせ開口部113を含むが、歯114は、もはや第1の縁部115上には配置されていない。むしろ、歯114は、案内板111の第1のセクション112の内部床上に位置するラック114Aとして形成される。これにより、アクチュエータ歯車ピニオン116は今や位置合わせ開口部113を通過する端部だぼ117を有するので、別個のハウジングだぼ37の必要性を排除する。この実施形態では、アクチュエータ歯車ピニオン116は、依然として入力負荷を案内板111に提供する機能を有し、トルクは、噛み合った案内板歯114と歯車ピニオン歯116Aとを通じて案内板111の長さに沿って直線的に伝達される。さらに、アクチュエータ歯車ピニオン116はまた、これまでの実施形態ではハウジングだぼ37の機能であった位置合わせを提供する機能を有する。しかし、アクチュエータ歯車ピニオン116は、その周りで歯車12が回転する歯車軸に対して横向きにまたは直角にすら配向されたシャフト軸の周りで回転する。これは、アクチュエータ歯車ピニオン116がパーク歯車12の配向に対して全体的に斜めにまたはより好ましくは直角に配向されることを可能にする。この点に関して、ラック歯114は、上記のラック歯44および44-1に対して直角にまたは側方に配向される。
【0038】
[0045]ロッキングレバーブラケット118は、依然として、案内板111の第2の部分113に取り付けられたローラ120を支持するパークロックローラ組立体119の一部として形成される。しかし、ここでは、レバーブラケット118から第2の部分113にある開口部122および第1の部分112にある開口部123を貫通して延在して第1の部分112と第2の部分113とをしっかりと連結する案内板コネクタ121が存在する。案内板コネクタ121は、案内板111の第1の部分112の運動を案内板111の第2の部分113に伝達する。すると、運動の可逆的な伝達が、ロッキングレバー14-1をロッキング歯車12とのロック位置に、またはロッキング歯車12との非ロック位置に移動させる。案内板コネクタ121は、シャフトロッド31およびシャフトカラー32と同様に形成された内部シャフトロッド125およびシャフトカラー126をさらに含む。
【0039】
[0046]最後に、この実施形態は、当接板セクション128およびばねセクション129を有して形成された当接板部材127を含み、当接板セクション128およびばねセクション129は、一緒に第2の部分113に接続する。ばねセクション129は、ばね特徴部131を有し、かつ、ボルトまたは他の固定具132を介して、案内板111の第2の部分113およびハウジング21に取り付けられる。ばねセクション129の自由端部は、ローラ様の湾曲した外側表面を有して形成され得るばね特徴部131を含み、ばね特徴部131は、案内板111の第1の部分112上の戻り止め特徴部132と係合する。戻り止め特徴部132は、上記の戻り止め51のような戻り止め133を有して形成される。
【0040】
[0047]この実施形態では、案内板111は、単一部品の一体化された構成要素として形成されるのではなく、第1の部分112および第2の部分113によって組合せ部品として形成され得る。ローラ組立体119は、依然として、歯止めとしても言及されるロッキングレバー14-1を作動させるために、ローラ組立体15と同様に機能する。
【0041】
[0048]例示の目的のために本発明の特定の好ましい実施形態が詳細に開示されたが、部品の再配置を含む開示された装置の変形形態または変更形態が本発明の範囲に含まれることが、認識されるであろう。