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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】無人搬送車の走行制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240723BHJP
【FI】
G05D1/43
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022519489
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 CN2020118520
(87)【国際公開番号】W WO2021058010
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】201910935629.8
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519059292
【氏名又は名称】杭州海康机器人股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Hikrobot Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 304, Unit B, Building 2, 399 Dangfeng Road, Binjiang District, Hangzhou, Zhejiang 310051, China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】繆 松華
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-253414(JP,A)
【文献】国際公開第2018/021457(WO,A1)
【文献】特開平07-191755(JP,A)
【文献】特開平10-283531(JP,A)
【文献】特開2009-042845(JP,A)
【文献】特開2004-094298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人搬送車AGVの走行制御方法であって、
AGVがタスク経路を走行すると、ディスパッチ装置が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取ることと、
ディスパッチ装置が、読み取った走行制御パラメータに基づいて、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することと、
を含み、
AGVルートマップは、AGVの走行範囲内のルートマップであり、且つ、当該AGVルートマップにおける道路区間には、当該道路区間に対する走行制御パラメータが設定されており、
前記走行制御パラメータは、当該AGVが動作を実行する所定の位置、及び当該AGVが動作を実行するための当該AGVと当該所定の位置との距離に関する測位精度を含み、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、前記ディスパッチ装置は、当該AGVと当該所定の位置との距離をリアルタイムで検出し、当該距離が当該測位精度の範囲内である場合、対応する動作を実行するように当該AGVを制御し、
前記AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取った後、前記無人搬送車AGVの走行制御方法は、さらに、前記タスク経路における道路区間ごとに、前記ディスパッチ装置が、AGVルートマップから、当該道路区間には1つまたは複数の機能の有効化フラグが設定されているか否かを検索し、機能の有効化フラグが設定されている場合、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御すること、を含み、
前記ディスパッチ装置は、AGVルートマップから次の道路区間の1つまたは複数の機能有効化フラグを読み取ると、次の道路区間の各機能有効化フラグに対応する各機能と、AGVの現在実行中の各機能とを比較し、
次の道路区間の機能有効化フラグに対応するいずれかの機能について、当該機能がAGVの現在実行中の機能と同じである場合、走行命令に当該機能の有効化フラグを付加しないことで、AGVは当該走行命令を受信した後、次の道路区間で当該機能を実行し続け、同じではない場合、走行命令に当該機能の有効化フラグを付加することで、AGVは当該走行命令を受信した後、次の道路区間で当該機能を実行し始め、
AGVの現在実行中のいずれかの機能について、当該機能が次の道路区間の機能有効化フラグに対応する各機能と異なる場合、前記ディスパッチ装置は、走行命令に当該機能の無効化フラグを付加することで、AGVは当該走行命令を受信した後、次の道路区間で当該機能の実行を停止する、
無人搬送車AGVの走行制御方法。
【請求項2】
前記走行制御パラメータは、速度と、加速度とのうちの1つまたはそれらの任意の組合せを含み、
前記走行制御パラメータが速度を含む場合、前記走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、前記ディスパッチ装置が、当該道路区間に対応する速度が当該AGVの現在の速度と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合、現在の速度を当該道路区間に対応する速度に調整するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記走行制御パラメータが加速度を含む場合、前記走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、前記ディスパッチ装置が、当該道路区間に対応する加速度が当該AGVの現在の加速度と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合、現在の加速度を当該道路区間に対応する加速度に調整するように当該AGVを制御する、ことを含む、
請求項1に記載の無人搬送車AGVの走行制御方法。
【請求項3】
前記機能は、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能、又は/及び障害物回避検出距離が設定された障害物回避検出機能、又は/及び起動位置が設定された実行機構起動機能を含み、
且つ、前記機能が、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能を含む場合、前記道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、前記ディスパッチ装置が、設定された音声コンテンツの再生を開始するように当該AGVを制御し、当該AGVが当該道路区間を離れたことを検出すると、音声コンテンツの再生を停止するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記機能が、障害物回避検出距離が設定された障害物回避検出機能を含む場合、前記道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、前記ディスパッチ装置が、設定された障害物回避検出距離内の障害物の検出を開始するように当該AGVを制御し、当該AGVが当該道路区間を離れたことを検出すると、検出を停止するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記機能が、起動位置が設定された実行機構起動機能を含む場合、前記道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、前記ディスパッチ装置が、当該AGVが実行機構を起動する位置に到達するか否かをリアルタイムで検出し、到達したことを検出した場合、実行機構を起動するように当該AGVを制御する、ことを含む、
請求項1に記載の無人搬送車AGVの走行制御方法。
【請求項4】
前記ディスパッチ装置はAGVに配置されており、
前記AGVがタスク経路を走行すると、ディスパッチ装置が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから、当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る前に、さらに、
ディスパッチ装置が、ディスパッチサーバによって送信されたタスク経路を受信する、ことを含み、
前記ディスパッチ装置が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取ることは、
ディスパッチ装置が、周期的に、AGVの現在位置に基づいて、AGVルートマップから、AGVの現在位置が位置する道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る、ことを含み、
前記ディスパッチ装置が、読み取った走行制御パラメータに基づいて、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
ディスパッチ装置が、読み取った走行制御パラメータと現在使用中の走行制御パラメータとを比較し、一致しない場合、読み取った走行制御パラメータで、現在使用中の走行制御パラメータを更新し、更新後の現在使用中の走行制御パラメータに従って、現在の道路区間を走行するように当該AGVを制御する、ことを含む、
請求項1に記載の無人搬送車AGVの走行制御方法。
【請求項5】
前記ディスパッチ装置は、ディスパッチサーバに配置されており、
前記AGVがタスク経路を走行すると、ディスパッチ装置が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る前に、さらに、
ディスパッチサーバが、AGVタスクを受信し、予め作成されたAGVルートマップに基づいて、当該AGVタスクのタスク経路を計画し、当該タスク経路をAGVに送信する、ことを含み、
前記ディスパッチ装置が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取ることは、
ディスパッチサーバが、AGVによって周期的に送信されたAGVの現在位置を受信し、AGVの現在位置に基づいて、AGVルートマップから、AGVの現在位置が位置する道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取り、当該走行制御パラメータをAGVに送信する、ことを含む、
請求項1に記載の無人搬送車AGVの走行制御方法。
【請求項6】
AGVがタスク経路を走行すると、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取るための走行制御パラメータ読み取りモジュールであって、AGVルートマップは、AGVの走行範囲内のルートマップであり、且つ当該AGVルートマップにおける道路区間には、当該道路区間に対する走行制御パラメータが設定されている走行制御パラメータ読み取りモジュールと、
走行制御パラメータ読み取りモジュールによって読み取られた走行制御パラメータに基づいて、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御するための走行制御モジュールと、
を含み、
前記走行制御パラメータは、当該AGVが動作を実行する所定の位置、及び当該AGVが動作を実行するための当該AGVと当該所定の位置との距離に関する測位精度を含み、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該AGVと当該所定の位置との距離をリアルタイムで検出し、当該距離が当該測位精度の範囲内である場合、対応する動作を実行するように当該AGVを制御し、
前記走行制御モジュールは、さらに、前記タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから、当該道路区間には1つまたは複数の機能の有効化フラグが設定されているか否かを検索し、機能の有効化フラグが設定されている場合、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御する、ことに用いられ、
前記走行制御モジュールは、AGVルートマップから次の道路区間の1つまたは複数の機能有効化フラグを読み取ると、次の道路区間の各機能有効化フラグに対応する各機能と、AGVの現在実行中の各機能とを比較し、
次の道路区間の機能有効化フラグに対応するいずれかの機能について、当該機能がAGVの現在実行中の機能と同じである場合、走行命令に当該機能の有効化フラグを付加しないことで、AGVは当該走行命令を受信した後、次の道路区間で当該機能を実行し続け、同じではない場合、走行命令に当該機能の有効化フラグを付加することで、AGVは当該走行命令を受信した後、次の道路区間で当該機能を実行し始め、
AGVの現在実行中のいずれかの機能について、当該機能が次の道路区間の機能有効化フラグに対応する各機能と異なる場合、前記走行制御モジュールは、走行命令に当該機能の無効化フラグを付加することで、AGVは当該走行命令を受信した後、次の道路区間で当該機能の実行を停止する、
無人搬送車AGVの走行制御装置。
【請求項7】
前記走行制御モジュールは、さらに、
前記走行制御パラメータが速度を含む場合、前記走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該道路区間に対応する速度が当該AGVの現在の速度と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合、現在の速度を当該道路区間に対応する速度に調整するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記走行制御パラメータが加速度を含む場合、前記走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該道路区間に対応する加速度が当該AGVの現在の加速度と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合、現在の加速度を当該道路区間に対応する加速度に調整するように当該AGVを制御する、ことを含む、
ことに用いられる、
請求項6に記載の無人搬送車AGVの走行制御装置。
【請求項8】
前記走行制御モジュールによって検索された道路区間に設定された機能は、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能、又は/及び障害物回避検出距離が設定された障害物回避検出機能、又は/及び起動位置が設定された実行機構起動機能を含み、
且つ、前記機能が、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能を含む場合、前記走行制御モジュールが、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、設定された音声コンテンツの再生を開始するように当該AGVを制御し、当該AGVが当該道路区間を離れたことを検出すると、音声コンテンツの再生を停止するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記機能が、障害物回避検出距離が設定された障害物回避検出機能を含む場合、前記走行制御モジュールが、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、設定された障害物回避検出距離内の障害物の検出を開始するように当該AGVを制御し、当該AGVが当該道路区間を離れたことを検出すると、検出を停止するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記機能が、起動位置が設定された実行機構起動機能を含む場合、前記走行制御モジュールが、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、当該AGVが実行機構を起動する位置に到達するか否かをリアルタイムで検出し、到達したことを検出した場合、実行機構を起動するように当該AGVを制御する、ことを含む、
請求項6に記載の無人搬送車AGVの走行制御装置。
【請求項9】
前記無人搬送車AGVの走行制御装置はAGVに配置されており、
前記走行制御パラメータ読み取りモジュールが、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る前に、さらに、
ディスパッチサーバによって送信されたタスク経路を受信する、ことを含み、
前記走行制御パラメータ読み取りモジュールが、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取ることは、
周期的に、AGVの現在位置に基づいて、AGVルートマップから、AGVの現在位置が位置する道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る、ことを含み、
前記走行制御モジュールが、走行制御パラメータ読み取りモジュールによって読み取られた走行制御パラメータに基づいて、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
読み取られた走行制御パラメータと現在使用中の走行制御パラメータとを比較し、一致しない場合、読み取られた走行制御パラメータで、現在使用中の走行制御パラメータを更新し、更新後の現在使用中の走行制御パラメータに従って、現在の道路区間を走行するように当該AGVを制御する、ことを含む、
請求項6に記載の無人搬送車AGVの走行制御装置。
【請求項10】
前記無人搬送車AGVの走行制御装置はディスパッチサーバに配置されており、
前記走行制御パラメータ読み取りモジュールが、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る前に、さらに、
AGVタスクを受信し、予め作成されたAGVルートマップに基づいて、当該AGVタスクのタスク経路を計画し、当該タスク経路をAGVに送信する、ことを含み、
前記走行制御パラメータ読み取りモジュールが、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取ることは、
AGVによって周期的に送信されたAGVの現在位置を受信し、AGVの現在位置に基づいて、AGVルートマップから、AGVの現在位置が位置する道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取り、当該走行制御パラメータをAGVに送信する、ことを含む、
請求項6に記載の無人搬送車AGVの走行制御装置。
【請求項11】
プロセッサとメモリとを含む電子機器であって、
前記メモリは、コンピュータープログラムを格納するためのものであり、
前記プロセッサは、前記メモリに格納されたプログラムを実行すると、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法を実現するためのものである、
電子機器。
【請求項12】
コンピュータープログラムを格納しているコンピューター可読記憶媒体であって、
前記コンピュータープログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法を実現する、
コンピューター可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、AGV(Automated Guided Vehicle、無人搬送車)の分野に関し、特に無人搬送車の走行制御方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
AGV(Automated Guided Vehicle、無人搬送車)とは、電磁式又は光学式等の自動誘導装置を搭載し、所定の誘導路に沿って走行可能であり、且つ安全保護及び各種の移載機能を有する搬送車を指す。それは、産業適用において運転者が運転する必要がなく、充電式のバッテリーを動力源とする運搬車である。
【0003】
AGVは、コンピューター、電気制御装置、レーザ反射板等により制御されることができる。例えば、作業場内のある工程において、補助材が必要な場合、作業者がコンピューター端末に補助材の増加を要求する関連情報を入力し、コンピューター端末がその関連情報を中央制御室に送信し、専門の技術者がAGVへの命令を編集し、電気制御装置の協力によって、その命令が最終的にAGVによって受信及び実行され、補助材が対応する場所に送られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願実施例は、AGVの複雑な環境への適応性を向上させるように、AGVの走行制御方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願実施例に係る技術案は、以下のように実現される。
【0006】
第1の態様において、本願の実施例は無人搬送車AGVの走行制御方法を提供する。当該方法は、
AGVがタスク経路を走行すると、ディスパッチ装置が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取ることと、
ディスパッチ装置が、読み取った走行制御パラメータに基づいて、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することと、を含み、
ここで、AGVルートマップは、AGVの走行範囲内のルートマップであり、且つ、当該マップにおける道路区間には、当該道路区間に対する走行制御パラメータが設定されている。
【0007】
1つの可能な実施形態において、前記走行制御パラメータは、速度と、加速度と、測位位置及び実行動作で構成された測位精度とのうちの1つまたはそれらの任意の組合せを含み、
前記走行制御パラメータが速度を含む場合、前記当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該道路区間に対応する速度が当該AGVの現在の速度と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合、現在の速度を当該道路区間に対応する速度に調整するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記走行制御パラメータが加速度を含む場合、前記当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該道路区間に対応する加速度が当該AGVの現在の加速度と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合、現在の加速度を当該道路区間に対応する加速度に調整するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記走行制御パラメータが測位位置及び実行動作で構成された測位精度を含む場合、前記当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該AGVと測位位置との距離をリアルタイムで検出し、当該距離が測位精度より小さい場合、対応する動作を実行するように当該AGVを制御する、ことを含む。
【0008】
1つの可能な実施形態において、前記AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取った後、前記方法は、更に、
前記タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから、当該道路区間には1つまたは複数の機能の有効化フラグが設定されているか否かを検索し、機能の有効化フラグが設定されている場合、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御すること、を含む。
【0009】
1つの可能な実施形態において、前記機能は、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能、又は/及び障害物回避検出距離が設定された障害物回避検出機能、又は/及び起動位置が設定された実行機構起動機能を含み、
且つ、前記機能が、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能を含む場合、前記当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、設定された音声コンテンツの再生を開始するように当該AGVを制御し、当該AGVが当該道路区間を離れたことを検出すると、音声コンテンツの再生を停止するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記機能が、障害物回避検出距離が設定された障害物回避検出機能を含む場合、前記当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、設定された障害物回避検出距離内の障害物の検出を開始するように当該AGVを制御し、当該AGVが当該道路区間を離れたことを検出すると、検出を停止するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記機能が、起動位置が設定された実行機構起動機能を含む場合、前記当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、当該AGVが実行機構起動位置に到達するか否かをリアルタイムで検出し、到達したことを検出した場合、実行機構を起動するように当該AGVを制御する、ことを含む。
【0010】
1つの可能な実施形態において、前記ディスパッチ装置はAGVに配置されており、
前記AGVがタスク経路を走行すると、ディスパッチ装置が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る前に、さらに、
ディスパッチ装置が、ディスパッチサーバによって送信されたタスク経路を受信する、ことを含み、
前記ディスパッチ装置が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取ることは、
ディスパッチ装置が、周期的に、AGVの現在位置に基づいて、AGVルートマップから、AGVの現在位置が位置する道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る、ことを含み、
前記ディスパッチ装置が、読み取った走行制御パラメータに基づいて、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
ディスパッチ装置が、読み取った走行制御パラメータと現在使用中の走行制御パラメータとを比較し、一致しない場合、読み取った走行制御パラメータで、現在使用中の走行制御パラメータを更新し、更新後の現在使用中の走行制御パラメータに従って、現在の道路区間を走行するように当該AGVを制御する、ことを含む。
【0011】
1つの可能な実施形態において、前記ディスパッチ装置はディスパッチサーバに配置されており、
前記AGVがタスク経路を走行すると、ディスパッチ装置が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る前に、さらに、
ディスパッチサーバが、AGVタスクを受信し、予め作成されたAGVルートマップに基づいて、当該AGVタスクのタスク経路を計画し、当該タスク経路をAGVに送信する、ことを含み、
前記ディスパッチ装置が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取ることは、
ディスパッチサーバが、AGVによって周期的に送信されたAGVの現在位置を受信し、AGVの現在位置に基づいて、AGVルートマップから、AGVの現在位置が位置する道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取り、当該走行制御パラメータをAGVに送信する、ことを含む。
【0012】
第2の態様において、本願の実施例は無人搬送車AGVの走行制御装置を提供する。当該装置は、
AGVがタスク経路を走行すると、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取るための走行制御パラメータ読み取りモジュールであって、AGVルートマップは、AGVの走行範囲内のルートマップであり、且つ、当該AGVルートマップにおける道路区間には、当該道路区間に対する走行制御パラメータが設定されている走行制御パラメータ読み取りモジュールと、
走行制御パラメータ読み取りモジュールによって読み取られた走行制御パラメータに基づいて、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御するための走行制御モジュールと、を含む。
【0013】
1つの可能な実施形態において、前記走行制御パラメータ読み取りモジュールは、さらに、
前記走行制御パラメータが速度を含む場合、前記当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該道路区間に対応する速度が当該AGVの現在の速度と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合、現在の速度を当該道路区間に対応する速度に調整するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記走行制御パラメータが加速度を含む場合、前記当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該道路区間に対応する加速度が当該AGVの現在の加速度と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合、現在の加速度を当該道路区間に対応する加速度に調整するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記走行制御パラメータが測位位置及び実行動作で構成された測位精度を含む場合、前記当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該AGVと測位位置との距離をリアルタイムで検出し、当該距離が測位精度より小さい場合、対応する動作を実行するように当該AGVを制御する、ことを含む、ことに用いられる。
【0014】
1つの可能な実施形態において、前記走行制御モジュールは、さらに、
前記タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから、当該道路区間には1つまたは複数の機能の有効化フラグが設定されているか否かを検索し、機能の有効化フラグが設定されている場合、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御する、ことに用いられる。
【0015】
1つの可能な実施形態において、前記走行制御モジュールによって検索された道路区間に設定された機能は、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能、又は/及び障害物回避検出距離が設定された障害物回避検出機能、又は/及び起動位置が設定された実行機構起動機能を含み、
且つ、前記機能が、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能を含む場合、前記走行制御モジュールが、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、設定された音声コンテンツの再生を開始するように当該AGVを制御し、当該AGVが当該道路区間を離れたことを検出すると、音声コンテンツの再生を停止するように当該AGV制御する、ことを含み、
前記機能が、障害物回避検出距離が設定された障害物回避検出機能を含む場合、前記走行制御モジュールが、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、設定された障害物回避検出距離内の障害物の検出を開始するように当該AGVを制御し、当該AGVが当該道路区間を離れたことを検出すると、検出を停止するように当該AGVを制御する、ことを含み、
前記機能が、起動位置が設定された実行機構起動機能を含む場合、前記走行制御モジュールが、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、当該AGVが実行機構を起動する位置に到達するか否かをリアルタイムで検出し、到達したことを検出した場合、実行機構を起動するように当該AGVを制御する、ことを含む。
【0016】
1つの可能な実施形態において、前記ディスパッチ装置はAGVに配置されており、
前記走行制御パラメータ読み取りモジュールが、当該タスク経路道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る前に、さらに、
ディスパッチサーバによって送信されたタスク経路を受信する、ことを含み、
前記走行制御パラメータ読み取りモジュールが、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取ることは、
周期的に、AGVの現在位置に基づいて、AGVルートマップから、AGVの現在位置が位置する道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る、ことを含み、
前記走行制御モジュールが、走行制御パラメータ読み取りモジュールによって読み取られた走行制御パラメータに基づいて、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
読み取られた走行制御パラメータと現在使用中の走行制御パラメータとを比較し、一致しない場合、読み取られた走行制御パラメータで、現在使用中の走行制御パラメータを更新し、更新後の現在使用中の走行制御パラメータに従って、現在の道路区間を走行するように当該AGVを制御する、ことを含む。
【0017】
1つの可能な実施形態において、前記ディスパッチ装置はディスパッチサーバに配置されており、
前記走行制御パラメータ読み取りモジュールが、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る前に、さらに、
AGVタスクを受信し、予め作成されたAGVルートマップに基づいて、当該AGVタスクのタスク経路を計画し、当該タスク経路をAGVに送信する、ことを含み、
前記走行制御パラメータ読み取りモジュールが、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取ることは、
AGVによって周期的に送信されたAGVの現在位置を受信し、AGVの現在位置に基づいて、AGVルートマップから、AGVの現在位置が位置する道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取り、当該走行制御パラメータをAGVに送信する、ことを含む。
【0018】
第3の態様において、本願の実施例は、プロセッサとメモリとを含む電子機器を提供し、
前記メモリは、コンピュータープログラムを格納するためのものであり、
前記プロセッサは、前記メモリに格納されたプログラムを実行すると、上記のいずれか一項に記載のAGV走行制御方法を実現するためのものである。
【0019】
第4の態様において、本願の実施例は、コンピュータープログラムを格納しているコンピューター可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータープログラムがプロセッサにより実行されると、上記のいずれか一項に記載のAGV走行制御方法を実現する。
【0020】
第5の態様において、本願の実施例は、命令を含むコンピュータープログラム製品をさらに提供し、それがコンピューターで実行されると、コンピューターに上記のいずれか一項に記載のAGV走行制御方法を実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本願の実施例では、AGVのタスク経路における異なる道路区間の実際の道路状況を考慮して、異なる道路区間のそれぞれに走行制御パラメータを設定し、且つAGVが走行中に道路区間の走行制御パラメータをリアルタイムで読み取ることで、AGVが複雑な環境に適応でき、AGVのタスク実行効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本願の実施例及び従来の技術の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例及び従来の技術に使用される図面について簡単に説明するが、以下に説明される図面は単に本願に係るいくつかの実施例に係るものに過ぎず、当業者にとって、創造的な働きをせずに、それらの図面に基づいて他の図面が得られることは自明である。
【0023】
図1図1は、本願の一実施例に関するAGV走行制御方法のフローチャートである。
図2図2は、本願の別の実施例に関するAGV走行制御方法のフローチャートである。
図3図3は、本願のまた別の実施例に関するAGV走行制御方法のフローチャートである。
図4図4は、本願のまた別の実施例に関するAGV走行制御方法のフローチャートである。
図5図5は、本願の一実施例に関するAGV走行制御装置の模式構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら実施例を挙げることで、本願をさらに詳細に説明する。記載される実施例は全部の実施例ではなく、単に本願の一部の実施例にすぎないことは自明である。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な働きをせずに得られるすべての他の実施例は、いずれも本願の請求の範囲に含まれる。
【0025】
関連技術では、AGVが経路上を走行する際に、常に同じ速度で走行するが、走行環境の複雑性を考慮していない。例えば、異なる道路の実際の道路状況は異なり、道路状況が良いものがあり、道路状況が悪いものもある。同じ速度を採用すると、走行効率が低くなり、最適な速度や品質でタスクを完了することができない。また、AGVが一部の道路を走行する場合、例えば音声再生などのような特定の機能をオンにする必要があるかもしれないことは考慮されておらず、それらの関連技術も考慮されていない。
【0026】
図1は、本願の一実施例に関するAGV走行制御方法のフローチャートである。その具体的な手順は以下の通りである。
【0027】
ステップ101において、予め作成されたAGVルートマップを保存し、当該AGVルートマップにおける道路区間には、当該道路区間に対する走行制御パラメータが設定されている。
【0028】
AGVルートマップは、AGVの走行範囲全体に対するルートマップである。マップにおける隣接する2つの道路区間ノードの間の道路が道路区間と呼ばれる。AGVルートマップにおけるいずれの道路区間についても、その道路区間に対する走行制御パラメータを設定することができる。
【0029】
AGVルートマップは、サーバ側のデータベースに格納され、使用時に、ディスパッチ装置によりデータベースから読み取られるが、AGVルートマップをディスパッチ装置に直接に格納してもよい。それらは、いずれも本願の保護範囲内に属する。ディスパッチ装置は、本願のAGV走行制御方法を実現するための装置である。ディスパッチ装置は、計算資源、通信資源、及びメモリ資源などのハードウエア資源により動作する。ディスパッチ装置は、サーバ側に配置されてもよいし、AGVに配置されてもよいが、いずれも本願の保護範囲内に属する。
【0030】
走行制御パラメータには、速度と、加速度と、測位位置及び実行動作で構成された測位精度とのうちの1つまたはそれらの任意の組合せを含む。ここで、任意の組合せとは、速度と、加速度と、測位位置及び実行動作で構成された測位精度とのうちの少なくとも2つを組み合わせて走行制御パラメータを得ることを意味する。ここで、速度には、最大速度と、最小速度とのうちの1つ、またはそれらの組合せ(即ち、最大速度と最小速度の組合せ)を含む。加速度には、最大加速度と、最小加速度とのうちの1つまたはそれらの組合せ(即ち、最大加速度と最小加速度の組合せ)を含む。測位位置と実行動作で構成された測位精度について、例えば、AGVがエレベーターなどのステーションとドッキングする場合、この時に高い測位精度が必要になる。
【0031】
ここで、道路とは、AGVの走行範囲内の地理的道路、すなわち地理的区分方法に従って区分された道路を指す。
【0032】
ステップ102において、AGVがタスク経路を走行すると、ディスパッチ装置は、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る。
【0033】
タスク経路は、少なくとも1つの道路/道路区間を含み、AGVがタスク経路を実行するために走行する必要がある道路区間である。各道路区間の走行制御パラメータは、当該道路区間の実際の状況に応じて、カスタマイズできる。
【0034】
ステップ103において、ディスパッチ装置は、読み取った走行制御パラメータに基づいて、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御する。
【0035】
任意選択として、走行制御パラメータが速度を含む場合、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが一道路区間に入ったことを検出すると、当該道路区間に対応する速度が当該AGVの現在の速度と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合、現在の速度を当該道路区間に対応する速度に調整するように当該AGVを制御する、ことを含む。
【0036】
走行制御パラメータが加速度を含む場合、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該道路区間に対応する加速度が当該AGVの現在の加速度と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合、現在の加速度を当該道路区間に対応する加速度に調整するように当該AGVを制御する、ことを含む。
【0037】
走行制御パラメータが、測位位置及び実行動作で構成された測位精度を含む場合、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該AGVと測位位置との距離をリアルタイムで検出し、当該距離が測位精度より小さい場合、対応する動作を実行するように当該AGVを制御する、ことを含む。
【0038】
任意選択として、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから、当該道路区間には1つまたは複数の機能の有効化フラグが設定されているか否かを検索し、機能の有効化フラグが設定されている場合、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御する。
【0039】
本願の一実施形態において、上記機能は、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能、又は/及び障害物回避検出距離が設定された障害物回避検出機能、又は/及び起動位置が設定された実行機構起動機能を含んでよく、
且つ、この機能が、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能を含む場合、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、設定された音声コンテンツの再生を開始するように当該AGVを制御し、当該AGVが当該道路区間を離れたことを検出すると、音声コンテンツの再生を停止するように当該AGVを制御する、ことを含み、
この機能が、障害物回避検出距離が設定された障害物回避検出機能を含む場合、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、設定された障害物回避検出距離内の障害物を検出するように当該AGVを制御し、当該AGVが当該道路区間を離れたことを検出すると、検出を停止するように当該AGVを制御する、ことを含み、
この機能が、起動位置が設定された実行機構起動機能を含む場合、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、当該AGVが実行機構を起動する位置に到達するか否かをリアルタイムで検出し、到達したことを検出した場合、実行機構を起動するように当該AGVを制御する、ことを含む。
【0040】
以上の実施例では、AGVタスク経路における異なる道路区間の実際の道路状況を考慮して、異なる道路区間のそれぞれに走行制御パラメータを設定し、且つ、AGVが走行中に道路区間の走行制御パラメータをリアルタイムで読み取ることで、AGVが複雑な環境に適応でき、AGVのタスク実行効率を向上させることができる。
【0041】
上記実施例におけるステップ101~103は、全てディスパッチサーバによって実行されてもよいし、全てAGVによって実行されてもよいし、一部がディスパッチサーバによって実行され、一部がAGVによって実行されてもよい。以下に具体的な実施例を説明する。
【0042】
図2は、本願の別の実施例に関するAGV走行制御方法のフローチャートである。その具体的な手順は以下の通りである。
【0043】
ステップ201において、ディスパッチサーバは予め作成されたAGVルートマップを保存し、当該AGVルートマップにおける各道路区間には、当該道路区間に対する走行制御パラメータが設定されている。
【0044】
AGVルートマップは、AGVの走行範囲全体に対するルートマップである。
【0045】
走行制御パラメータには、速度と、加速度と、測位位置及び実行動作で構成された測位精度とのうちの1つ、またはそれらの任意の組合せを含む。速度には、最大速度と、最小速度とのうちの1つ、またはそれらの組合せを含む。加速度には、最大加速度と、最小加速度とのうちの1つ、またはそれらの組合せを含む。
【0046】
走行制御パラメータを設定する場合、対応する道路区間に設定されてもよいし、道路区間の開始ノードに設定されてもよい。
【0047】
また、AGVルートマップにおける各道路区間について、AGVが当該道路区間を走行する時に1つまたは複数の機能を実行する必要がある場合、当該道路区間には1つまたは複数の機能の有効化フラグを設定する。
【0048】
機能は、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能、又は/及び障害物回避手段(障害物回避検出距離を含むこと)が設定された障害物回避検出機能、又は/及び起動位置が設定された実行機構起動機能を含む。例えば、起動位置が設定された実行機構起動機能は、AGVが位置Aに到達した後、前方の対象物をつかむようにロボットアームを起動することができる。例えば、起動位置が設定された実行機構起動機能は、AGVが位置Bに到達した後、点滅ランプ等を点灯させることができる。
【0049】
ステップ202において、ディスパッチサーバは、ユーザによって入力されたAGVタスクを受信し、自身が保存したAGVルートマップに基づいて、当該AGVタスクのタスク経路を計画する。
【0050】
ステップ203において、ディスパッチサーバは、走行順序に従って、当該タスク経路における全ての道路区間から1番目の道路区間を選択し、AGVルートマップから1番目の道路区間の走行制御パラメータを読み取り、1番目の道路区間の経路情報と1番目の道路区間の走行制御パラメータとを走行命令に付加してAGVに送信する。
【0051】
また、ディスパッチサーバは、AGVルートマップから1番目の道路区間の1つまたは複数の機能の有効化フラグを読み取った場合、当該機能有効化フラグを走行命令に付加してAGVに送信する。
【0052】
ステップ204において、AGVは、当該走行命令に付加された1番目の道路区間の経路情報と1番目の道路区間の走行制御パラメータとに基づいて、1番目の道路区間を走行する。
【0053】
また、走行命令に1つまたは複数の機能有効化フラグが付加された場合、AGVは対応する機能を実行する必要がある。
【0054】
ステップ205において、AGVは、自身の測位位置情報を周期的にディスパッチサーバに送信する。
【0055】
AGVは、自身の測位位置情報を周期的にディスパッチサーバに送信することで、ディスパッチサーバはAGVの位置を取得し、AGVの位置によって、AGVに走行命令を発行することができる。
【0056】
ステップ206において、ディスパッチサーバは、AGVによって送信された位置情報を受信し、当該位置情報に基づいてAGVが次の道路区間の開始位置に到達したことを確定した場合、AGVルートマップから次の道路区間の走行制御パラメータを読み取る。
【0057】
また、AGVルートマップにおける次の道路区間に1つまたは複数の機能有効化フラグが設定されている場合、ディスパッチサーバはそれらを一緒に読み取る。
【0058】
ステップ207において、ディスパッチサーバは、読み取った次の道路区間の走行制御パラメータがAGVの現在使用中の走行制御パラメータと一致するか否かを判断し、一致すると判断した場合、ステップ208を実行し、一致しないと判断した場合、ステップ209を実行する。
【0059】
ディスパッチサーバは、AGVの走行制御パラメータリストを維持することができる。AGVルートマップから、ある道路区間の走行制御パラメータを読み取る時に、当該走行制御パラメータを順番に走行制御パラメータリストに保存することができる。本ステップでは、ディスパッチサーバは、当該走行制御パラメータリストからAGVの現在使用中の走行制御パラメータを読み取る。
【0060】
また、ディスパッチサーバは、AGVルートマップから次の道路区間の1つまたは複数の機能有効化フラグを読み取ると、次の道路区間の各機能有効化フラグに対応する各機能と、AGVの現在実行中の各機能とを比較する。その詳細は以下の通りである。
【0061】
1)次の道路区間の機能有効化フラグに対応するいずれかの機能について、当該機能がAGVの現在実行中の機能と同じである場合、走行命令に当該機能の有効化フラグを付加しないことで、AGVは当該走行命令を受信した後、次の道路区間で当該機能を実行し続け、同じではない場合、走行命令に当該機能の有効化フラグを付加することで、AGVは当該命令を受信した後、次の道路区間で当該機能を実行し始める。
【0062】
2)AGVの現在実行中のいずれかの機能について、当該機能が次の道路区間の機能有効化フラグに対応する各機能と異なる場合、ディスパッチサーバは、走行命令に当該機能の無効化フラグを付加することで、AGVは当該命令を受信した後、次の道路区間で当該機能の実行を停止する。
【0063】
例えば、道路区間で現在実行している機能は1、2、3とするが、次の道路区間の機能フラグに対応する機能は1、4とする場合、次の道路区間の走行命令には、機能2及び3の無効化フラグと、機能4の有効化フラグとを付加する。
【0064】
ステップ208において、ディスパッチサーバは、次の道路区間の経路情報が付加された走行命令を、AGVに送信し、AGVは当該走行命令を受信し、当該走行命令には走行制御パラメータを付加しないことを見付けた場合、当該走行命令に付加された次の道路区間の経路情報と現在使用中の走行制御パラメータとに基づいて、次の道路区間を走行し、ステップ205に戻る。
【0065】
経路情報は、例えば直進、カーブ等のようなAGVの道路区間での走行方向を示すためのものである。
【0066】
ステップ209において、ディスパッチサーバは、次の道路区間の経路情報と読み取った走行制御パラメータとが付加された走行命令を、AGVに送信し、AGVは当該走行命令を受信し、当該走行命令に付加された走行制御パラメータで、現在使用中の走行制御パラメータを更新し、当該走行命令に付加された次の道路区間の経路情報と更新後の現在使用中の走行制御パラメータとに基づいて、次の道路区間を走行し、ステップ205に戻る。
【0067】
ディスパッチサーバは、AGVによって送信された位置情報に基づいて、AGVがタスクの終点に到達したことを確定した場合、AGVに停止命令を送信する。
【0068】
図3は、本願のまた別の実施例に関するAGV走行制御方法のフローチャートである。その具体的な手順は以下の通りである。
【0069】
ステップ301において、AGVは予め作成されたAGVルートマップを保存し、当該AGVルートマップにおける各道路区間には、当該道路区間に対する走行制御パラメータが設定されている。
【0070】
AGVルートマップは、AGVの走行範囲全体に対するルートマップである。
【0071】
走行制御パラメータには、速度と、加速度と、測位位置及び実行動作で構成された測位精度とのうちの1つ、またはそれらの任意の組合せを含む。速度には、最大速度と、最小速度とのうちの1つ、またはそれらの組合せを含む。加速度には、最大加速度と、最小加速度とのうちの1つ、またはそれらの組合せを含む。
【0072】
走行制御パラメータを設定する場合、対応する道路区間に設定されてもよいし、道路区間の開始ノードに設定されてもよい。
【0073】
また、AGVルートマップにおける各道路区間について、AGVが当該道路区間を走行する時に1つまたは複数の機能を実行する必要がある場合、当該道路区間には1つまたは複数の機能の有効化フラグを設定する。
【0074】
機能は、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能、又は/及び障害物回避手段(障害物回避検出距離を含むこと)が設定された障害物回避検出機能、又は/及び起動位置が設定された実行機構起動機能を含む。
【0075】
ステップ302において、AGVは、AGVタスクを受信し、自身が保存したAGVルートマップに基づいて、当該AGVタスクのタスク経路を計画する。
【0076】
AGVタスクは、ディスパッチサーバによって送信されたものでもよい。
【0077】
ステップ303において、AGVは、走行順序に従って、当該タスク経路における全ての道路区間から1番目の道路区間を選択し、AGVルートマップから1番目の道路区間の走行制御パラメータを読み取り、1番目の道路区間の経路情報と走行制御パラメータとに基づいて、1番目の道路区間を走行する。
【0078】
また、AGVルートマップから1番目の道路区間の1つまたは複数の機能有効化フラグを読み取った場合、1番目の道路区間で対応する機能を実行する。
【0079】
ステップ304において、AGVは、自身の測位位置情報に基づいて自身が次の道路区間の開始位置に到達したことを確定した場合、AGVルートマップから、次の道路区間の走行制御パラメータを読み取る。
【0080】
また、AGVルートマップにおける次の道路区間に1つまたは複数の機能有効化フラグが設定される場合、一緒に読み取る。
【0081】
ステップ305において、AGVは、読み取った次の道路区間の走行制御パラメータが自身の現在使用中の走行制御パラメータと一致するか否かを判断し、一致すると判断した場合、ステップ306を実行し、一致しないと判断した場合、ステップ307を実行する。
【0082】
また、次の道路区間には1つまたは複数の機能有効化フラグが設定された場合、AGVは、各機能有効化フラグに対応する各機能と現在実行中の各機能とを比較する。その詳細は以下の通りである。
【0083】
1)各機能有効化フラグに対応する各機能について、当該機能が現在実行中の機能と同じである場合、次の道路区間で当該機能を実行し続け、同じではない場合、次の道路区間で当該機能を実行し始める。
【0084】
2)現在実行している各機能について、当該機能がいずれかの機能有効化フラグに対応する機能と異なる場合、次の道路区間で当該機能の実行を停止する。
【0085】
ステップ306において、AGVは、次の道路区間の経路情報と現在使用中の走行制御パラメータとに基づいて、次の道路区間を走行し、ステップ304に戻る。
【0086】
ステップ307において、AGVは、読み取った走行制御パラメータで、現在使用中の走行制御パラメータを更新し、次の道路区間の経路情報と更新後の現在使用中の走行制御パラメータとに基づいて、次の道路区間を走行し、ステップ304に戻る。
【0087】
AGVは、自身の位置情報に基づいて、タスクの終点に到達したことを確定した場合、走行を停止する。
【0088】
図4は、本願のまた別の実施例に関するAGV走行制御方法のフローチャートである。その具体的な手順は以下の通りである。
【0089】
ステップ401において、ディスパッチサーバは予め作成されたAGVルートマップを保存し、当該AGVルートマップにおける各道路区間には、当該道路区間に対する走行制御パラメータが設定されている。
【0090】
AGVルートマップは、AGVの走行範囲全体に対するルートマップである。
【0091】
走行制御パラメータには、速度と、加速度と、測位位置及び実行動作で構成された測位精度とのうちの1つ、またはそれらの任意の組合せを含む。速度には、最大速度と、最小速度とのうちの1つ、またはそれらの組合せを含む。加速度には、最大加速度と、最小加速度とのうちの1つ、またはそれらの組合せを含む。
【0092】
走行制御パラメータを設定する場合、対応する道路区間に設定されてもよいし、道路区間の開始ノードに設定されてもよい。
【0093】
また、AGVルートマップにおける各道路区間に対して、AGVが当該道路区間を走行する時に1つまたは複数の機能を実行する必要がある場合、当該道路区間には1つまたは複数の機能の有効化フラグを設定する。
【0094】
機能は、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能、又は/及び障害物回避手段(障害物回避検出距離を含むこと)が設定された障害物回避検出機能、又は/及び起動位置が設定された実行機構起動機能を含む。
【0095】
ステップ402において、ディスパッチサーバは、ユーザによって入力されたAGVタスクを受信し、自身が保存したAGVルートマップに基づいて、当該AGVタスクのタスク経路を計画する。
【0096】
ステップ403において、ディスパッチサーバは、走行順序に従って、当該タスク経路における全ての道路区間から1番目の道路区間を選択し、AGVルートマップから1番目の道路区間の走行制御パラメータを読み取り、1番目の道路区間の経路情報と1番目の道路区間の走行制御パラメータとを走行命令に付加してAGVに送信する。
【0097】
また、ディスパッチサーバは、AGVルートマップから1番目の道路区間の1つまたは複数の機能有効化フラグを読み取った場合、当該機能有効化フラグを走行命令に付加してAGVに送信する。
【0098】
ステップ404において、AGVは、当該走行命令に付加された1番目の道路区間の経路情報と1番目の道路区間の走行制御パラメータとに基づいて、対応する道路区間を走行し始める。
【0099】
また、走行命令に、1つまたは複数の機能有効化フラグが付加された場合、AGVは対応する機能を実行する必要がある。
【0100】
ステップ405において、AGVは、自身の測位位置情報を周期的にディスパッチサーバに送信する。
【0101】
ステップ406において、ディスパッチサーバは、AGVによって送信された位置情報を受信し、当該位置情報に基づいてAGVが次の道路区間のスタート位置に到達したことを確定した場合、AGVルートマップから次の道路区間の走行制御パラメータを読み取り、次の道路区間の経路情報と走行制御パラメータとを走行命令に付加してAGVに送信する。
【0102】
また、ディスパッチサーバは、AGVルートマップから次の道路区間の1つまたは複数の機能有効化フラグを読み取った場合、当該機能有効化フラグを走行命令に付加してAGVに送信する。
【0103】
ステップ407において、AGVは、当該走行命令を受信し、当該走行命令に付加された走行制御パラメータが現在使用中の走行制御パラメータと一致するか否かを判断し、一致すると判断した場合、ステップ408を実行し、一致しないと判断した場合、ステップ409を実行する。
【0104】
また、走行命令に1つまたは複数の機能有効化フラグが付加された場合、AGVは、更に、当該走行命令における機能有効化フラグに対応する各機能と、現在実行中の各機能とを比較する。その詳細は以下の通りである。
【0105】
1)当該命令における機能有効化フラグに対応する各機能について、当該機能が現在実行中の機能と同じである場合、次の道路区間で当該機能を実行し続け、同じではない場合、次の道路区間で当該機能を実行し始める。
【0106】
2)現在実行している各機能について、当該機能が当該命令におけるいずれかの機能有効化フラグに対応する機能と異なる場合、次の道路区間で当該機能の実行を停止する。
【0107】
機能が実行機構起動機能である場合、AGVは、道路区間を走行する時に、実行機構を起動する位置に到達するか否かをリアルタイムで判断し、到達したと判断した場合、実行機構を起動する。
【0108】
ステップ408において、AGVは、当該命令に付加された次の道路区間の経路情報と現在使用中の走行制御パラメータとに基づいて、次の道路区間を走行し、ステップ405に戻る。
【0109】
ステップ409において、AGVは、当該命令に付加された走行制御パラメータで、現在使用中の走行制御パラメータを更新し、当該命令に付加された次の道路区間の経路情報と更新後の現在使用中の走行制御パラメータとに基づいて、次の道路区間を走行し、ステップ405に戻る。
【0110】
ディスパッチサーバは、AGVによって送信された位置情報に基づいて、AGVがタスクの終点に到達したことを確定した場合、AGVに停止命令を送信する。
【0111】
図5は、本願の一実施例に関するAGV走行制御装置の模式構造図である。当該装置はディスパッチサーバ又はAGVに配置される。当該装置は、主に、走行制御パラメータ読み取りモジュール51と走行制御モジュール52とを含む。
【0112】
走行制御パラメータ読み取りモジュール51は、AGVがタスク経路を走行すると、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取るためのものである。ここで、AGVルートマップは、AGVの走行範囲内のルートマップであり、且つ当該マップにおける道路区間には、当該道路区間に対する走行制御パラメータが設定されている。
【0113】
走行制御モジュール52は、走行制御パラメータ読み取りモジュール51によって読み取られた走行制御パラメータに基づいて、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御する。
【0114】
1つの可能な実施例において、走行制御モジュール52は、さらに、以下のことに用いられる。
走行制御パラメータが速度を含む場合、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該道路区間に対応する速度が当該AGVの現在の速度と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合、現在の速度を当該道路区間に対応する速度に調整するように当該AGVを制御する、ことを含み、
走行制御パラメータが加速度を含む場合、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該道路区間に対応する加速度が当該AGVの現在の加速度と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合、現在の加速度を当該道路区間に対応する加速度に調整するように当該AGVを制御する、ことを含み、
走行制御パラメータが、測位位置及び実行動作で構成された測位精度を含む場合、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが対応する道路区間に入ったことを検出すると、当該AGVと測位位置との距離をリアルタイムで検出し、当該距離が測位精度より小さい場合、対応する動作を実行するように当該AGVを制御する、ことを含む。
【0115】
1つの可能な実施例において、走行制御モジュール52は、さらに、タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから、当該道路区間には1つまたは複数の機能の有効化フラグが設定されているか否かを検索し、機能の有効化フラグが設定されている場合、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御するために用いられる。
【0116】
1つの可能な実施例において、走行制御モジュール52によって検索された道路区間に設定された機能は、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能、又は/及び障害物回避検出距離が設定された障害物回避検出機能、又は/及び起動位置が設定された実行機構起動機能を含み、
且つ、機能が、再生用の音声コンテンツが設定された音声再生機能を含む場合、走行制御モジュール52が、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、設定された音声コンテンツの再生を開始するように当該AGVを制御し、当該AGVが当該道路区間を離れたことを検出すると、音声の再生を停止するように当該AGVを制御する、ことを含み、
機能が、障害物回避検出距離が設定された障害物回避検出機能を含む場合、走行制御モジュール52が、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、設定された障害物回避検出距離内の障害物を検出するように当該AGVを制御し、当該AGVが当該道路区間を離れたことを検出すると、検出を停止するように当該AGVを制御する、ことを含み、
機能が、起動位置が設定された実行機構起動機能を含む場合、走行制御モジュール52が、当該道路区間を走行する時に対応する機能を実行するように当該AGVを制御することは、
当該AGVが当該道路区間に入ったことを検出すると、当該AGVが実行機構を起動する位置に到達するか否かをリアルタイムで検出し、到達したと検出した場合、実行機構を起動するように当該AGVを制御する、ことを含む。
【0117】
1つの可能な実施例において、上記装置はAGVに配置されており、
走行制御パラメータ読み取りモジュール51が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る前に、さらに、ディスパッチサーバによって送信されたタスク経路を受信することを含み、
走行制御パラメータ読み取りモジュール51が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取ることは、
周期的に、AGVの現在位置に基づいて、AGVルートマップから、AGVの現在位置が位置する道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る、ことを含み、
走行制御モジュール52が、走行制御パラメータ読み取りモジュールによって読み取られた走行制御パラメータに基づいて、当該走行制御パラメータに従って対応する道路区間を走行するように当該AGVを制御することは、
読み取られた走行制御パラメータと現在使用中の走行制御パラメータとを比較し、一致しない場合、読み取られた走行制御パラメータで、現在使用中の走行制御パラメータを更新し、更新後の現在使用中の走行制御パラメータに基づいて、現在の道路区間を走行するように当該AGVを制御する、ことを含む。
【0118】
1つの可能な実施例において、上記装置はディスパッチサーバに配置されており、
走行制御パラメータ読み取りモジュール51が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取る前に、さらに、
AGVタスクを受信し、予め作成されたAGVルートマップに基づいて、当該AGVタスクのタスク経路を計画し、当該タスク経路をAGVに送信する、ことを含み、
走行制御パラメータ読み取りモジュール51が、当該タスク経路における道路区間ごとに、AGVルートマップから当該道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取ることは、
AGVによって周期的に送信されたAGVの現在位置を受信し、AGVの現在位置に基づいて、AGVルートマップから、AGVの現在位置が位置する道路区間に設定された走行制御パラメータを読み取り、当該走行制御パラメータをAGVに送信する、ことを含む。
【0119】
本願の実施例は非一時的なコンピューター可読記憶媒体をさらに提供する。非一時的なコンピューター可読記憶媒体には、命令が格納され、当該命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサは、ステップ101~103、またはステップ201~209、またはステップ301~307、またはステップ401~409のいずれか1つに記載のAGV走行制御方法のステップを実行する。
【0120】
本願の実施例は、上述した非一時的なコンピューター可読記憶媒体と、非一時的なコンピューター可読記憶媒体にアクセス可能な上述したプロセッサとを含む電子機器をさらに提供する。
【0121】
本願の実施例は、命令を含むコンピュータープログラム製品をさらに提供する。それがコンピューターに実行されると、コンピューターに上記いずれか1つに記載の前記AGV走行制御方法を実行させる。
【0122】
本願の実施例による有益な技術的効果は以下の通りである。
【0123】
本願の実施例では、AGVのタスク経路における異なる道路区間の実際の道路状況を考慮して、異なる道路区間のそれぞれに走行制御パラメータを設定し、且つ、AGVが走行中に道路区間の走行制御パラメータをリアルタイムで読み取ることで、AGVが複雑な環境に適応でき、AGVのタスク実行効率を向上させることができる。
【0124】
また、本発明の実施例では、AGVタスク経路における異なる道路区間の異なる機能要求を考慮して、対応する道路区間に、対応する機能を設定し、且つ、AGVが走行中に道路区間に設定された機能をリアルタイムで読み取ることで、AGVの適応性をさらに向上させることができる。
【0125】
本願において、各選択可能な技術案の技術的特徴は、矛盾しない限り、組み合わせることで技術案を構成することができ、それらの技術案はいずれも本願に開示された範囲内に属する。例えば、第1や第2等のような関係用語は1つのエンティティ又は操作を他のエンティティ又は操作と区別するためのものに過ぎず、必ずしもそれらのエンティティ又は操作の間にこのような実際の関係又は順序があることをリクエスト又は示唆しない。また、用語「含む」、「備える」又はほかの変形は非排他的包含をカバーすることで、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置はそれらの要素を含むだけでなく、明確に挙げられていないほかの要素をさらに含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置で固有の要素をさらに含む。特に限定しない限り、文「1つの…を含む」により限定される要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は装置がほかの同一の要素をさらに含むことを排除するものではない。
【0126】
以上は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願の請求の範囲を限定するものではない。本願の精神及び原則を逸脱しない範囲においてなされた如何なる補正、均等入れ替え、改善などは、いずれも本願の請求の範囲に含まれている。
【0127】
本願は2019年09月29日に中国特許庁へ提出された、出願番号が201910935629.8であり、発明の名称が「無人搬送車の走行制御方法及び装置」である中国特許出願に基づき優先権を主張し、該出願の全ての内容を援用により本願に組み込む。
図1
図2
図3
図4
図5