(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】回路基板に部品を実装する実装プログラムの最適化装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/00 20060101AFI20240723BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2022522122
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(86)【国際出願番号】 JP2020018890
(87)【国際公開番号】W WO2021229664
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 輝之
【審査官】飯田 義久
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/025408(WO,A1)
【文献】特開2002-353699(JP,A)
【文献】特開2009-129063(JP,A)
【文献】特開2003-036296(JP,A)
【文献】特開2012-094663(JP,A)
【文献】特表2019-516155(JP,A)
【文献】特開2005-032936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台の部品実装機を含む部品実装ラインにおいて、回路基板に部品を実装する実装プログラムを最適化する装置であって、
前記少なくとも1台の部品実装機に用いる最適化前の実装プログラムを入力する実装プログラム入力部と、
入力された前記最適化前の実装プログラムに対して、複数の条件で最適化処理を実行する実行部と、
前記最適化処理のそれぞれによって求められた複数の最適化結果を比較表示する表示部と、
前記複数の最適化結果の中から1つを選択するユーザ操作の入力を受け付ける選択部と、
前記最適化前の実装プログラムを、前記ユーザ操作によって選択された最適化結果に基づいて更新する実装プログラム更新部と、
を備える、最適化装置。
【請求項2】
前記条件は、前記部品実装ラインに含まれる前記少なくとも1台の部品実装機の構成であり、
前記実行部は、互いに異なる複数の前記構成に基づいて前記最適化処理を実行し、前記複数の最適化結果を求める、請求項1に記載の最適化装置。
【請求項3】
前記少なくとも1台の部品実装機の構成を入力する構成入力部を有し、
前記構成は、前記部品実装ラインを構成する部品実装機の数と、前記部品実装機の種類を少なくとも含む、請求項2に記載の最適化装置。
【請求項4】
前記条件は、前記最適化処理を実行するときの制限条件であり、
前記実行部は、互いに異なる複数の前記制限条件に基づいて最適化処理を実行し、前記複数の最適化結果を求める、請求項1に記載の最適化装置。
【請求項5】
前記条件は、前記最適化処理を実行するときの制限条件であり、
前記制限条件は、生産する回路基板の種類が変更されるときの前記少なくとも1台の部品実装機における段取替え条件に関する制限事項である、請求項1に記載の最適化装置。
【請求項6】
前記条件は、前記最適化結果を評価する評価基準であり、
前記実行部は、互いに異なる複数の前記評価基準に基づいて前記最適化処理を実行し、前記複数の最適化結果を求める、請求項1に記載の最適化装置。
【請求項7】
前記評価基準は、回路基板を生産するための総生産時間、生産する回路基板の種類が変更されるときの段取替え回数、生産する回路基板の種類が変更されるときの総段取替え時間の中から、優先する項目を指定したものである、請求項6に記載の最適化装置。
【請求項8】
前記部品実装ラインで生産される回路基板の種類と、前記回路基板の種類毎に当該回路基板に実装される複数の部品の種類及び実装位置と、前記回路基板の種類毎に生産される生産数量と、を含む生産計画を入力する生産計画入力部を有し、
前記実行部は入力された前記生産計画に基づいて前記最適化処理を実行する、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の最適化装置。
【請求項9】
前記部品実装ラインは、複数種類の回路基板を生産し、
前記表示部は、前記複数の最適化結果として、それぞれ、回路基板を生産するための総生産時間を表示するとともに、生産する回路基板の種類が変更されるときの段取替え回数と総段取替え時間のうちの少なくとも一方を表示する、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の最適化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、部品実装ラインにおいて、回路基板に部品を実装する実装プログラムの最適化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特表2015-025408号公報には、部品実装機で回路基板に部品を実装する部品実装ラインの生産最適化装置が開示されている。この装置では、生産に使用する部材の選択範囲(例えば、部品実装ラインを構成する部品実装機の種類、台数等)を実際にユーザが所有する部材(現有資産)の範囲内に制限した条件と、生産に使用する部材の選択範囲の制限を撤廃した条件(すなわち、ユーザが所有していない部材を含む条件)とに基づいて、部品実装ラインの生産の最適化処理を実行する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特表2015-025408号公報の技術では、ユーザが所有していない仮想の部材を使用する条件で部品実装ラインの最適化処理を実行することにより、投資コストと生産性のバランスを評価するものであった。しかしながら、部品実装ラインの最適化処理は与えられた条件に基づいて実行され、最適化処理の前提となる条件は1つではなく種々の条件が考えられる。このため、1つの条件で最適化処理をしたとしても、その最適化された実装プログラムより適切な実装プログラムが存在する可能性がある。したがって、適切な実装プログラムを得るためには、試行錯誤しながら種々の条件について最適化処理を実行しなければならなかった。本明細書では、回路基板に部品を実装する実装プログラムを少ない労力で最適化する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示する最適化装置は、少なくとも1台の部品実装機を含む部品実装ラインにおいて、回路基板に部品を実装する実装プログラムを最適化する。この最適化装置は、実装プログラム入力部と、実行部と、表示部と、選択部と、実装プログラム更新部を備える。前記実装プログラム入力部は、前記少なくとも1台の部品実装機に用いる最適化前の実装プログラムを入力する。前記実行部は、入力された前記最適化前の実装プログラムに対して、複数の条件で最適化処理を実行する。前記表示部は、前記最適化処理のそれぞれによって求められた複数の最適化結果を比較表示する。前記選択部は、前記複数の最適化結果の中から1つを選択する。前記実装プログラム更新部は、前記最適化前の実装プログラムを、選択された最適化結果に基づいて更新する。
【0005】
上記の最適化装置では、部品実装機に用いる最適化前の実装プログラム(例えば、既存の実装プログラム)を入力すると、当該実装プログラムに対して、複数の条件で最適化処理を実行する。そして、最適化処理によって求められた複数の最適化結果を比較表示する。すなわち、この最適化装置では、1つの或る実装プログラムに対して、与えられた複数の条件に応じて、互いに異なる複数の最適化結果が出力される。また、この最適化装置では、複数の最適化結果の中から選択された1つの最適化結果に基づいて、入力された最適化前の実装プログラムを更新する。例えば、ユーザが複数の最適化結果のうちの1つを選択した場合、当該最適化結果に基づいて実装プログラムが更新される。このように、上記の最適化装置では、複数の条件で最適化処理が実行されるため、ユーザは、或る実装プログラムの最適化を試みる際に、最適化処理の適切な条件を探りながら幾度も最適化処理を実行する必要がない。また、或る実装プログラムに対して、複数の最適化結果の中から選択した所望の最適化結果に基づいて実装プログラムが自動で更新されるので、利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施例に係る最適化前の部品実装ラインの構成の一例を示すブロック図。
【
図2】実施例に係る最適化装置の構成を示すブロック図。
【
図3】実施例に係る最適化処理を示すフローチャート。
【
図4】実施例に係る複数の最適化結果の表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の一実施形態では、前記条件は、前記部品実装ラインに含まれる前記少なくとも1台の部品実装機の構成であってもよく、前記実行部は、互いに異なる複数の前記構成に基づいて前記最適化処理を実行し、前記複数の最適化結果を求めてもよい。
【0008】
部品実装ラインでは、1又は複数の部品実装機によって複数種類の部品を実装することにより回路基板が生産される。上記の構成では、複数の条件として、互いに異なる複数の部品実装機の構成を採用して最適化処理を実行する。これにより、回路基板の生産に最適な部品実装機の構成を求めることができる。
【0009】
本技術の一実施形態では、前記少なくとも1台の部品実装機の構成を入力する構成入力部を有してもよく、前記構成は、前記部品実装ラインを構成する部品実装機の数と、前記部品実装機の種類を少なくとも含んでもよい。
【0010】
このような構成では、部品実装ラインを構成する部品実装機の数と、その種類とが入力される。このため、入力された内容(例えば、ユーザが使用を予定している生産設備)に基づいて、最適化処理を効率良く実行することができる。
【0011】
本技術の一実施形態では、前記条件は、前記最適化処理を実行するときの制限条件であってもよく、前記実行部は、互いに異なる複数の前記制限条件に基づいて最適化処理を実行し、前記複数の最適化結果を求めてもよい。
【0012】
実装プログラムの最適化にあたって、制限条件(例えば、部品実装ラインにおいて部材の配置を変更すべきでない箇所、ユーザが部材の配置を固定しておきたい箇所、段取替えの実行態様等)が存在する場合がある。上記の構成では、互いに異なる複数の制限条件に基づいて最適化処理を実行するため、ユーザの製造環境に応じたより有用な最適化結果を求めることができる。
【0013】
本技術の一実施形態では、前記制限条件は、生産する回路基板の種類が変更されるときの前記少なくとも1台の部品実装機における段取替え条件に関する制限事項であってもよい。
【0014】
一般的に、生産する回路基板の種類を変更する際には段取替えが行われる。段取替えは、比較的多くの時間を要する。したがって、このような構成では、効率良く複数種類の回路基板を生産し得る最適化結果を求めることができる。
【0015】
本技術の一実施形態では、前記条件は、前記最適化結果を評価する評価基準であってもよく、前記実行部は、互いに異なる複数の前記評価基準に基づいて前記最適化処理を実行し、前記複数の最適化結果を求めてもよい。
【0016】
このような構成では、互いに異なる複数の評価基準(例えば、部品実装ラインの稼働時間に関する基準やユーザによる段取替えに関する基準等)に基づいて最適化処理が実行される。したがって、効率良く回路基板を生産し得る最適化結果を求めることができる。
【0017】
本技術の一実施形態では、前記評価基準は、回路基板を生産するための総生産時間、生産する回路基板の種類が変更されるときの段取替え回数、生産する回路基板の種類が変更されるときの総段取替え時間の中から、優先する項目を指定したものであってもよい。
【0018】
上記の各項目は、回路基板の生産性を評価する指標となる。このような構成では、ユーザが優先すべき項目を評価基準として用いることができる。
【0019】
本技術の一実施形態では、前記部品実装ラインで生産される回路基板の種類と、前記回路基板の種類毎に当該回路基板に実装される複数の部品の種類及び実装位置と、前記回路基板の種類毎に生産される生産数量と、を含む生産計画を入力する生産計画入力部を有してもよく、前記実行部は入力された前記生産計画に基づいて前記最適化処理を実行してもよい。
【0020】
部品実装ラインでは、1又は複数の部品実装機によって複数種類の部品を実装することにより回路基板が生産される。上記の構成では、上記した各項目を生産計画として入力する。これにより、生産を予定している回路基板を好適に生産することができる、複数の最適化結果を求めることが容易となる。
【0021】
本技術の一実施形態では、前記部品実装ラインは、複数種類の回路基板を生産してもよく、前記表示部は、前記複数の最適化結果として、それぞれ、回路基板を生産するための総生産時間を表示するとともに、生産する回路基板の種類が変更されるときの段取替え回数と総段取替え時間のうちの少なくとも一方を表示してもよい。
【0022】
回路基板の生産において、上記の各項目(総生産時間や段取替え時間及び回数)は、複数の最適化結果のうちから選択すべき最適化結果を判断する際に重要な要素となる。このような構成では、表示部に当該項目が比較表示されるため、ユーザが選択すべき最適化結果を視覚的に判断することができる。
【0023】
(実施例)
以下、図面を参照して、本実施例における実装プログラムの最適化処理について説明する。回路基板11の生産は、
図1に示すように、回路基板11を搬送する搬送経路12に配列された複数の部品実装機18と、部品実装に関連する作業を行う複数の実装関連機13,14,15とにより行われる。
図1に示す部品実装ライン10は、最適化前の実装プログラム(換言すると、既存の実装プログラム)に基づいて構築された部品実装ライン10の構成の一例である。複数の実装関連機は、例えば、はんだ印刷機13、検査装置14、リフロー装置15、接着剤塗布装置等である。
【0024】
各部品実装機18には、それぞれ部品を供給するテープフィーダやトレイフィーダ等のフィーダ16がフィーダ支持部17に交換可能にセットされている。図示はしていないが、各部品実装機18の実装ヘッドは交換可能に保持され、当該実装ヘッドには、フィーダ16から供給される部品を吸着して回路基板11に実装する1又は複数の吸着ノズルが交換可能に保持されている。各部品実装機18の実装ヘッドに保持させる吸着ノズルは、ノズル径や吸着パッド形状等が異なる複数種類の吸着ノズルの中から、フィーダ16により供給される部品のサイズや種類等に応じて付け替えられる。このように構成された部品実装ライン10では、生産ジョブを実行して部品が実装された回路基板11を生産する。
【0025】
次に、最適化装置20について説明する。
図2に示すように、最適化装置20は、入力部22、表示部23、記憶部24、制御部25等を備える。入力部22は、複数のキーを備えており、ユーザは、入力部22を介して様々な指示や情報を入力することができる。表示部23は、各種情報や後述する最適化結果を表示するためのディスプレイである。表示部23は、いわゆるタッチパネルとして、入力部22と一体となって機能してもよい。記憶部24は、最適化処理プログラム等の各種プログラムやデータを記憶する。制御部25は、記憶部24に記憶されている各種プログラムに従って、様々な処理を実行する。本実施例では、制御部25は、記憶部24に記憶されている最適化処理プログラムを実行することで、後述する各種条件に従って、ユーザによって入力された最適化前の実装プログラムに対して最適化処理を実行する。
【0026】
続いて、
図3を用いて、最適化装置20によって実装プログラムを最適化する処理について説明する。
図3の処理は、最適化処理を開始するための操作がユーザによって入力されると開始される。
【0027】
S10において、制御部25は、最適化前の実装プログラムの入力を受け付ける。具体的には、ユーザにより、上述した既存の部品実装ライン10を構成する部品実装機18の数と、当該部品実装機18の種類(例えば、機種)が入力される。また、ユーザにより、当該部品実装ライン10で生産する回路基板11の種類、回路基板11の種類毎の当該回路基板11に実装する複数の部品の種類及び実装位置、及び、生産する回路基板11毎の生産数量を含む生産計画が入力される。なお、最適化前の実装プログラムは、外部装置(不図示)から入力されてもよいし、記憶部24に予め記憶されている実装プログラムであってもよい。
【0028】
S12において、制御部25は、入力された実装プログラムを記憶部24に記憶させる。次いで、S14において、制御部25は、実装プログラムの最適化処理にあたって優先すべき項目の選択の入力を受け付ける。具体的には、例えば、生産計画が示す回路基板を生産するための総生産時間、生産する回路基板の種類が変更されるときの段取替え回数、及び、生産する回路基板の種類が変更されるときの総段取替え時間の中から、優先する項目を指定するユーザ操作の入力を受け付ける。
【0029】
その後、S16において、実装プログラムの最適化処理を実行させるための操作がユーザによって入力されると、S18において、制御部25は、入力された部品実装ライン10の構成に基づいて最適化処理を実行する。具体的には、例えば、制御部25は、部品実装ライン10を構成する部品実装機18の数や種類を変更したり、部品実装機18の配列順序を入れ替えたりして、複数の新たなライン構成を生成する。そして、各ライン構成について最適化処理を実行する。また例えば、制御部25は、生成した各ライン構成について、部品実装機18のモジュール構成(すなわち、部品供給ユニット(フィーダ支持部17)の種類、実装ヘッドの種類等)を変更して、最適化処理を実行する。
【0030】
S20において、制御部25は、
図4に示すように、生成した複数のライン構成のそれぞれに基づいて求めた複数の最適化結果を表示部23に比較表示する。具体的には、制御部25は、各ライン構成について、最適化した総生産時間、段取替え回数、及び、総段取替え時間を表示する。制御部25は、S14において、優先項目を指定するユーザ操作の入力を受け付けている。このため、S20では、指定された項目(
図4では、総生産時間)に対する結果が良好な順序で、求めた複数の最適化結果のうち、いくつかの最適化結果を表示部23に比較表示する。
【0031】
S22において、制御部25は、比較表示した複数の最適化結果の中から、1つを選択するユーザ操作の入力を受け付ける。そして、S24において、制御部25は、S12において記憶させた実装プログラム(すなわち、S10で入力された実装プログラム)を、選択された最適化結果により構築される実装プログラムに更新して記憶部24に記憶させる。
【0032】
上述した実施例では、最適化装置20が、ユーザにより入力された最適化前の実装プログラムに基づいて複数のライン構成を生成し、当該複数のライン構成について最適化処理を実行する。すなわち、1つの実装プログラムの入力に対して、互いに異なる複数の条件(本実施例では複数のライン構成)で最適化処理が実行される。そして、最適化装置20が、求めた複数の最適化結果を比較表示する。その後、ユーザにより複数の最適化結果のうちから1つの最適化結果が選択されると、選択された最適化結果に基づいて、実装プログラムが更新される。このように、本実施例の最適化装置20では、複数の条件で最適化処理が実行されるため、ユーザは、実装プログラムの最適化処理を試みる際に、最適化処理の適切な条件を探りながら幾度も最適化処理を実行する必要がない。また、複数の最適化結果の中から選択した所望の最適化結果に基づいて実装プログラムが自動で更新されるので、利便性が高い。
【0033】
上述した実施例では、制御部25が、実装プログラムの最適化処理に適用する条件として、複数のライン構成を採用した。しかしながら、最適化処理に適用する条件は、最適化処理を実行するときの制限条件であってもよい。具体的には、例えば、最適化前の実装プログラムにおけるフィーダ16の配置の全体又は一部を固定した条件や、実装ヘッドに保持する吸着ノズルの配置を固定した条件、フィーダ16の段取替えを一括(いわゆる外段取り)又は個別(いわゆる内段取り)で固定した条件等のうちの複数を適用して最適化処理を実行してもよい。
【0034】
また、最適化処理に適用する条件は、最適化結果を評価する評価基準であってもよい。具体的には、例えば、最適化処理において、総生産時間を優先する条件、段取替え回数の低減を優先する条件、目標タクトタイムを指定する条件、又はコストバランスの条件等のうちの複数を適用して最適化処理を実行してもよい。
【0035】
また、上述した実施例では、単一の部品実装ライン10について最適化処理を実行した。しかしながら、本明細書に開示の技術は、複数の部品実装ラインに対して適用してもよいし、部品実装ライン10を構成する1台又は複数台の部品実装機18のみに対して適用してもよい。
【0036】
(対応関係)
図3のS10、S18、S20、S22、S24の処理が、それぞれ「実装プログラム入力部」、「実行部」、「表示部」、「選択部」、「実装プログラム更新部」によって実行される処理の一例である。
【0037】
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。