(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】表示パネル、その製造方法、および表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240723BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240723BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240723BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240723BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240723BHJP
H10K 59/40 20230101ALI20240723BHJP
H10K 59/82 20230101ALI20240723BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240723BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G09F9/30 348A
G09F9/30 330
G09F9/00 366A
G09F9/30 338
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349E
G09F9/00 302
G09F9/00 338
H10K50/10
H10K50/844
H10K59/122
H10K59/40
H10K59/82
G06F3/041 410
G06F3/041 422
G06F3/044 120
G06F3/044 126
G06F3/044 129
(21)【出願番号】P 2022525064
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2020095819
(87)【国際公開番号】W WO2021248453
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】519427505
【氏名又は名称】▲綿▼▲陽▼京▲東▼方光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIANYANG BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.198, Middle Of Kefa Avenue, Hi-tech Zone, Mianyang, Sichuan 621050, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】朱 力
(72)【発明者】
【氏名】李 世▲軍▼
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0127220(US,A1)
【文献】特開2018-018049(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0049157(US,A1)
【文献】特開2019-102087(JP,A)
【文献】特表2017-532604(JP,A)
【文献】中国実用新案第210379052(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第108874256(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110196656(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108321181(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0331058(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/133-1/1335
G02F 1/13363
G02F 1/1339-1/1341
G02F 1/1347
G06F 3/03
G06F 3/041-3/047
G09F 9/00-9/46
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域、前記表示領域の周囲を囲む周辺領域、および前記周辺領域の前記表示領域から離れた側に配置されたパッド領域を有する基板と、
前記周辺領域に配置され且つ前記表示領域の周囲を囲む第1ダムと、
前記第1ダム内に配置され、前記第1ダムとの間に第1溝があり、第1側の縁の延在方向に沿って、前記第1側の縁は、繋がっている第1段の境界および第2段の境界を含み、前記第1側と前記パッド領域は、前記表示領域の同一側に配置された平坦化層と、
前記平坦化層を覆うパッケージング層と、
前記パッケージング層に配置され、タッチセンサー信号線とタッチセンサー電極パターンとを含み、前記タッチセンサー信号線の一端は、前記タッチセンサー電極パターンに電気的に接続され、前記タッチセンサー信号線の他端は、前記表示領域から前記パッド領域まで延び、前記パッド領域のパッドに電気的に接続され、前記タッチセンサー信号線は、前記第1段の境界を通過するタッチセンサー層と、
を含み、
ここで、前記パッケージング層は、有機層を含み、前記平坦化層の第1側と前記表示領域の同一側に配置された前記有機層の縁は、前記第1溝内に配置され、前記有機層の縁と前記平坦化層の第1段の境界との間隔は、前記有機層の縁と前記第2段の境界との間隔より大きい、
ことを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
前記平坦化層の前記第1側は、繋がっている第1段のスロープおよび第2段のスロープを含み、前記第1段のスロープの底辺は、前記第1段の境界であり、前記第2段のスロープの底辺は、前記第2段の境界であり、
前記基板の担持面に垂直な方向において、前記第1段のスロープの高さは、前記第2段のスロープの高さより大きく、前記第1段のスロープの高さは、前記基板の担持面に垂直な方向において、前記第1段のスロープの頂面から前記基板の底面までの距離であり、前記第2段のスロープの高さは、前記基板の担持面に垂直な方向において、前記第2段のスロープの頂面から前記基板の底面までの距離である、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1ダムの前記第2段の境界と対向する縁と前記第2段の境界との距離は、前記第1ダムの前記第1段の境界と対向する縁と前記第1段の境界との距離より小さいことを特徴とする請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記表示パネルは、薄膜トランジスタアレイ層をさらに含み、前記平坦化層は、前記薄膜トランジスタアレイ層上に配置され、
前記薄膜トランジスタアレイ層は、ゲート線とデータ線とを含み、前記ゲート線と前記データ線は、前記表示領域から前記パッド領域まで延び、且つ前記第2段の境界を通過する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1側の縁の延在方向において、前記第1段の境界と前記第1ダムとの間の前記有機層の長さは、1ミリメートルから3ミリメートルの間であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記有機層の縁と前記第1段の境界との間隔は、50ミクロンメートルから150ミクロンメートルの間であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記平坦化層の第1側は、2つの前記第1段の境界を含み、前記第1側の縁の延在方向において、2つの前記第1段の境界は、それぞれ前記第2段の境界の両側に位置することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1段の境界と前記第1ダムとの間の前記有機層に第1スロープを形成し、前記第1スロープの勾配角の角度は、1度から35度の間であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記平坦化層は、第1平坦化層と第2平坦化層とを含み、
前記表示領域は、前記第2平坦化層上に配置された第1画素定義層をさらに含み、
前記第1段の境界に対応する前記第1平坦化層、前記第2平坦化層及び前記第1画素定義層の前記パッド領域に近い部分は、第2スロープを形成し、前記第1段の境界に対応する前記第1平坦化層、前記第2平坦化層及び前記第1画素定義層の縁は、重なっている、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第2スロープの勾配角の角度は、35度から55度の間であることを特徴とする請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記第1ダムの前記第2段の境界と対向する縁と前記第2段の境界との距離は、前記第1ダムの前記第2段の境界と対向する縁と前記第2段の境界と対向する前記第1画素定義層の縁との距離より小さいことを特徴とする請求項9に記載の表示パネル。
【請求項12】
第2ダムをさらに含み、前記第2ダムは、前記周辺領域に配置され且つ前記第1ダムの周囲を囲み、
前記第1ダムと前記第2ダムとの間に第2溝があり、前記第2ダムの高さは、前記第1ダムの高さより大きく、前記平坦化層の第1表面と前記第1画素定義層の第2表面との間隔は、前記第2ダムの高さより大きく、前記第1ダムの高さは、前記基板の担持面に垂直な方向において前記第1ダムの前記基板から離れた頂面から前記平坦化層の第1表面までの距離であり、前記第2ダムの高さは、前記基板の担持面に垂直な方向において前記第2ダムの前記基板から離れた頂面から前記平坦化層の第1表面までの距離であり、前記平坦化層の第1表面は、前記平坦化層の前記基板に近い面であり、前記第1画素定義層の第2表面は、前記第1画素定義層の前記基板から離れた面である、
ことを特徴とする請求項9に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記第1ダムは、順次に積層された第3平坦化層、第2画素定義層およびスペーサ層を含み、
前記第2ダムは、順次に積層された前記第3平坦化層、第4平坦化層、前記第2画素定義層および前記スペーサ層を含み、
前記第3平坦化層は、前記第1平坦化層と同一層に配置され、前記第4平坦化層は、前記第2平坦化層と同一層に配置され、前記第2画素定義層は、前記第1画素定義層と同一層に配置される、
ことを特徴とする請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記第2ダムの高さと前記第1ダムの高さとの差は、0.4ミクロンメートルから1.0ミクロンメートルの間であることを特徴とする請求項13に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記タッチセンサー電極パターンは、複数のタッチセンサー駆動電極と複数のタッチセンサー感知電極とを含み、前記タッチセンサー駆動電極と前記タッチセンサー感知電極は、交差するように配置され、前記タッチセンサー駆動電極と前記タッチセンサー感知電極との交差においてタッチセンサー絶縁層によって絶縁離間され、各前記タッチセンサー駆動電極と各前記タッチセンサー感知電極は、いずれも1本の前記タッチセンサー信号線に対応して接続されることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記パッケージング層は、第1無機パッケージング層と第2無機パッケージング層とをさらに含み、前記有機層は、前記第1無機パッケージング層と前記第2無機パッケージング層との間に配置されることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記表示領域において、前記基板上には、薄膜トランジスタアレイ層、前記平坦化層、第1画素定義層、スペーサ層、発光層、前記パッケージング層、及び前記タッチセンサー層が積層されることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記周辺領域において、前記基板上には、前記薄膜トランジスタアレイ層、第3平坦化層、第4平坦化層、第2画素定義層、前記スペーサ層、前記パッケージング層、及び前記タッチセンサー層が積層されることを特徴とする請求項17に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記表示パネルは、前記タッチセンサー層上に積層された偏光子およびカバープレートをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の表示パネル。
【請求項20】
基板上に第1ダム、平坦化層、およびパッケージング層を形成し、前記基板は、表示領域、前記表示領域の周囲を囲む周辺領域、および前記周辺領域の前記表示領域から離れた側に配置されたパッド領域を有し、前記第1ダムは、前記周辺領域に配置され且つ前記表示領域の周囲を囲み、前記平坦化層は、前記表示領域に配置され、前記第1ダムと前記平坦化層との間に第1溝があり、前記平坦化層の第1側の縁の延在方向に沿って、前記第1側の縁は、繋がっている第1段の境界および第2段の境界を含み、前記第1側と前記パッド領域は、前記表示領域の同一側に配置され、ここで、前記パッケージング層は、有機層を含み、前記有機層の縁と前記平坦化層の第1段の境界との間隔は、前記有機層の縁と前記第2段の境界との間隔より大きいことと、
前記パッケージング層上にタッチセンサー層を形成し、前記タッチセンサー層は、タッチセンサー信号線とタッチセンサー電極パターンとを含み、前記タッチセンサー信号線の一端は、前記タッチセンサー電極パターンに電気的に接続され、前記タッチセンサー信号線の他端は、前記表示領域から前記パッド領域まで延び、前記パッド領域のパッドに電気的に接続され、前記タッチセンサー信号線は、前記第1段の境界を通過することと、
を含む、
ことを特徴とする表示パネルの製造方法。
【請求項21】
請求項1から19のいずれか1項に記載の表示パネルを含むことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディスプレイの分野に関し、特に表示パネル、その製造方法、および表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチセンサーパネル(英語:Touch Sensor Panel、TSPと略称される)は、表示パネルとタッチセンサー構造を一体化し、表示とタッチセンサー機能を同時に実現する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本出願の実施例は、タッチ不良の問題を低減することができる表示パネル、その製造方法、および表示装置を提供する。技術案は以下の通りである。
【0004】
一側面において、
表示領域、前記表示領域の周囲を囲む周辺領域、および前記周辺領域の前記表示領域から離れた側に配置されたパッド領域を有する基板と、
前記周辺領域に配置され且つ前記表示領域の周囲を囲む第1ダムと、
前記第1ダム内に配置され、前記第1ダムとの間に第1溝があり、第1側の縁の延在方向に沿って、前記第1側の縁は、繋がっている第1段の境界および第2段の境界を含み、前記第1側と前記パッド領域は、前記表示領域の同一側に配置された平坦化層と、
前記平坦化層を覆うパッケージング層と、
前記パッケージング層に配置され、タッチセンサー信号線とタッチセンサー電極パターンとを含み、タッチセンサー信号線の一端は、前記タッチセンサー電極パターンに電気的に接続され、タッチセンサー信号線の他端は、前記表示領域から前記パッド領域まで延び、前記パッド領域のパッドに電気的に接続され、前記タッチセンサー信号線は、前記第1段の境界を通過するタッチセンサー層と、
を含み、
ここで、前記パッケージング層は、有機層を含み、前記平坦化層の第1側と前記表示領域の同一側に配置された前記有機層の縁は、前記第1溝内に配置され、前記有機層の縁と前記平坦化層の第1段の境界との間隔は、前記有機層の縁と前記第2段の境界との間隔より大きい、
表示パネルに関する。
【0005】
本開示の実施例の一実施形態では、前記平坦化層の前記第1側は、繋がっている第1段のスロープおよび第2段のスロープを含み、前記第1段のスロープの底辺は、第1段の境界であり、前記第2段のスロープの底辺は、第2段の境界であり、
前記基板の担持面に垂直な方向において、前記第1段のスロープの高さは、前記第2段のスロープの高さより大きく、前記第1段のスロープの高さは、前記基板の担持面に垂直な方向において、前記第1段のスロープの頂面から前記基板の底面までの距離であり、前記第2段のスロープの高さは、前記基板の担持面に垂直な方向において、前記第2段のスロープの頂面から前記基板の底面までの距離である。
【0006】
本開示の実施例の一実施形態では、前記第1ダムの前記第2段の境界と対向する縁と前記第2段の境界との距離は、前記第1ダムの前記第1段の境界と対向する縁と前記第1段の境界との距離より小さい。
【0007】
本開示の実施例の一実施形態では、前記表示パネルは、薄膜トランジスタアレイ層をさらに含み、前記平坦化層は、前記薄膜トランジスタアレイ層上に配置され、
前記薄膜トランジスタアレイ層は、ゲート線とデータ線とを含み、前記ゲート線と前記データ線は、前記表示領域から前記パッド領域まで延び、且つ前記第2段の境界を通過する。
【0008】
本開示の実施例の一実施形態では、前記第1側の縁の延在方向において、前記第1段の境界と前記第1ダムとの間の前記有機層の長さは、1ミリメートルから3ミリメートルの間である。
【0009】
本開示の実施例の一実施形態では、前記有機層の縁と前記第1段の境界との間隔は、50ミクロンメートルから150ミクロンメートルの間である。
【0010】
本開示の実施例の一実施形態では、前記平坦化層の第1側は、2つの前記第1段の境界を含み、前記第1側の縁の延在方向において、2つの前記第1段の境界は、それぞれ前記第2段の境界の両側に位置する。
【0011】
本開示の実施例の一実施形態では、前記第1段の境界と前記第1ダムとの間の前記有機層に第1スロープを形成し、前記第1スロープの勾配角の角度は、1度から35度の間である。
【0012】
本開示の実施例の一実施形態では、前記平坦化層は、第1平坦化層と第2平坦化層とを含み、
前記表示領域は、前記第2平坦化層上に配置された第1画素定義層をさらに含み、
前記第1段の境界に対応する前記第1平坦化層、前記第2平坦化層及び前記第1画素定義層の前記第1ダムに近い部分は、第2スロープを形成し、前記第1段の境界に対応する前記第1平坦化層、前記第2平坦化層及び前記第1画素定義層の縁は、重なっている。
【0013】
本開示の実施例の一実施形態では、前記第2スロープの勾配角の角度は、35度から55度の間である。
【0014】
本開示の実施例の一実施形態では、前記第1ダムの前記第2段の境界と対向する縁と前記第2段の境界との距離は、前記第1ダムの前記第2段の境界と対向する縁と前記第2段の境界と対向する前記第1画素定義層の縁との距離より小さい。
【0015】
本開示の実施例の一実施形態では、前記表示パネルは、第2ダムをさらに含み、前記第2ダムは、前記周辺領域に配置され且つ前記第1ダムの周囲を囲み、
前記第1ダムと前記第2ダムとの間に第2溝があり、前記第2ダムの高さは、前記第1ダムの高さより大きく、前記平坦化層の第1表面と前記第1画素定義層の第2表面との間隔は、前記第2ダムの高さより大きく、前記第1ダムの高さは、前記基板の担持面に垂直な方向において前記第1ダムの前記基板から離れた頂面から前記平坦化層の第1表面までの距離であり、前記第2ダムの高さは、前記基板の担持面に垂直な方向において前記第2ダムの前記基板から離れた頂面から前記平坦化層の第1表面までの距離であり、前記平坦化層の第1表面は、前記平坦化層の前記基板に近い面であり、前記第1画素定義層の第2表面は、前記第1画素定義層の前記基板から離れた面である。
【0016】
本開示の実施例の一実施形態では、前記第1ダムは、順次に積層された第3平坦化層、第2画素定義層およびスペーサ層を含み、
前記第2ダムは、順次に積層された前記第3平坦化層、第4平坦化層、前記第2画素定義層および前記スペーサ層を含み、
前記第3平坦化層は、前記第1平坦化層と同一層に配置され、前記第4平坦化層は、前記第2平坦化層と同一層に配置され、前記第2画素定義層は、前記第1画素定義層と同一層に配置される。
【0017】
本開示の実施例の一実施形態では、前記第2ダムの高さと前記第1ダムの高さとの差は、0.4ミクロンメートルから1.0ミクロンメートルの間である。
【0018】
本開示の実施例の一実施形態では、前記タッチセンサー電極パターンは、複数のタッチセンサー駆動電極と複数のタッチセンサー感知電極とを含み、前記タッチセンサー駆動電極と前記タッチセンサー感知電極は、交差するように配置され、前記タッチセンサー駆動電極と前記タッチセンサー感知電極との交差においてタッチセンサー絶縁層によって絶縁離間され、各前記タッチセンサー駆動電極と各前記タッチセンサー感知電極は、いずれも1本の前記タッチセンサー信号線に対応して接続される。
【0019】
本開示の実施例の一実施形態では、前記パッケージング層は、第1無機パッケージング層と第2無機パッケージング層とをさらに含み、前記有機層は、前記第1無機パッケージング層と前記第2無機パッケージング層との間に配置される。
【0020】
本開示の実施例の一実施形態では、前記表示領域において、前記基板上には、薄膜トランジスタアレイ層、前記平坦化層、第1画素定義層、スペーサ層、発光層、前記パッケージング層、及び前記タッチセンサー層が積層される。
【0021】
本開示の実施例の一実施形態では、前記周辺領域において、前記基板上には、前記薄膜トランジスタアレイ層、第3平坦化層、第4平坦化層、第2画素定義層、前記スペーサ層、前記パッケージング層、及び前記タッチセンサー層が積層される。
【0022】
本開示の実施例の一実施形態では、前記表示パネルは、前記タッチセンサー層上に積層された偏光子およびカバープレートをさらに含む。
【0023】
別の側面において、本開示の実施例は、
基板上に第1ダム、平坦化層、およびパッケージング層を形成し、前記基板は、表示領域、前記表示領域の周囲を囲む周辺領域、および前記周辺領域の前記表示領域から離れた側に配置されたパッド領域を有し、前記第1ダムは、前記周辺領域に配置され且つ前記表示領域の周囲を囲み、前記平坦化層は、前記表示領域に配置され、前記第1ダムと前記平坦化層との間に第1溝があり、前記平坦化層の第1側の縁の延在方向に沿って、前記第1側は、繋がっている第1段の境界および第2段の境界を含み、前記第1側と前記パッド領域は、前記表示領域の同一側に配置され、ここで、前記パッケージング層は、有機層を含み、前記有機層の縁と前記平坦化層の第1段の境界との間隔は、前記有機層の縁と前記第2段の境界との間隔より大きいことと、
前記パッケージング層上にタッチセンサー層を形成し、前記タッチセンサー層は、タッチセンサー信号線とタッチセンサー電極パターンとを含み、前記タッチセンサー信号線の一端は、前記タッチセンサー電極パターンに電気的に接続され、前記タッチセンサー信号線の他端は、前記表示領域から前記パッド領域まで延び、前記パッド領域のパッドに電気的に接続され、前記タッチセンサー信号線は、前記第1段の境界を通過することと、
を含む、
表示パネルの製造方法に関する。
【0024】
別の側面において、本開示の実施例は、上記のいずれかに記載の表示パネルを含む表示装置に関する。
【0025】
本出願の実施例による技術案の有益な効果は、少なくとも以下のものを含む。
【0026】
本開示の実施例では、第1ダムと平坦化層との間に第1溝が形成される。タッチセンサー信号線は、第1段の境界および第1段の境界に対応する第1溝を通過する。パッケージング層における有機層の縁と平坦化層の第1段の境界との間隔は、有機層の縁と平坦化層の第2段の境界との間隔より大きく、つまり第1段の境界に対応する第1溝には有機層を設け、且つ第1段の境界に対応する第1溝内の有機層の材料は多く、この結果、第1段の有機層に対応する第1溝の深さは、露光深さより小さくなり、露光エッチング時に第1溝内のタッチセンサー材料層によるタッチセンサー材料の残留を回避し、タッチ不良の現象を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本出願の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に使用される図面を簡単に説明し、以下の説明における図面は、本出願のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできることは明らかである。
【0028】
【
図1】本開示の実施例による表示パネルの平面図である。
【
図4】本開示の実施例による印刷パターンの概略図である。
【
図6】本開示の実施例による第1溝内のスライスの概略図である。
【
図8】本開示の実施例による表示パネルの第1側の印刷効果図である。
【
図9】本開示の実施例による表示パネルの第1側の印刷効果図である。
【
図10】本開示の実施例による表示パネルを製造するためのフローチャートである。
【
図11】本開示による表示パネルの製造プロセス図である。
【
図12】本開示による表示パネルの製造プロセス図である。
【
図13】本開示による表示パネルの製造プロセス図である。
【
図14】本開示による表示パネルの製造プロセス図である。
【
図15】本開示による表示パネルの製造プロセス図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本出願の目的、技術案および利点をより明確にするために、以下、図面を参照して本出願の実施形態をより詳細に説明する。
【0030】
関連技術において、表示パネルは、表示領域と表示領域の周囲を囲む周辺領域とを有し、周辺領域には表示領域の周囲を囲む第1ダム(英語:Dam)が設けられる。表示領域内に配置された平坦化(英語:Planarization、PLNと略称される)層の境界と第1ダムとの間に第1溝が形成される。タッチセンサー構造は、表示領域に配置されたタッチセンサー電極、およびタッチセンサー電極と駆動集積回路とを接続するタッチセンサー配線(英語:TSP Trace line)を含み、タッチセンサー配線は、平坦化層の側縁を通って周辺領域に延びる。
【0031】
表示パネルの製造プロセスでは、タッチセンサー材料層に対して露光エッチングを行うことにより、タッチセンサー配線を形成し、タッチセンサー配線が通過する平坦化層の縁における第1溝の深さは、露光深さより深く、この結果、この箇所で第1溝内のタッチセンサー材料層は、露光エッチング時にタッチセンサー材料の残留を生じやすく、残留したタッチセンサー材料は、形成されたタッチセンサー配線の間の短絡を招きやすく、タッチ不良を招く。
【0032】
図1は、本開示の実施例による表示パネルの平面図である。
図1を参照すると、表示パネルは、基板100、第1ダム201、平坦化層101、およびタッチセンサー層103を含む。
【0033】
ここで、基板100は、表示領域1、表示領域1の周囲を囲む周辺領域2、および周辺領域2の表示領域1から離れた側に配置されたパッド(英語:Pad)領域5を有し、第1ダム201は、周辺領域2に配置され且つ表示領域1の周囲を囲み、平坦化層101は、第1ダム201内に配置され、第1ダム201と平坦化層101との間に第1溝3があり、平坦化層101の第1側111の縁の延在方向aに沿って、平坦化層101の第1側111の縁は、繋がっている第1段の境界112および第2段の境界113を含み、第1側111とパッド領域5は、表示領域1の同一側に配置される。平坦化層101の第1側111は、平坦化層101の一方側の辺である。基板100の担持面は、基板100の平坦化層101に向かう表面である。タッチセンサー層103は、タッチセンサー信号線1031とタッチセンサー電極パターン1032とを含み、タッチセンサー信号線1031の一端は、タッチセンサー電極パターン1032に電気的に接続され、タッチセンサー信号線1031の他端は、表示領域1からパッド領域5まで延び、パッド領域5のパッド501に電気的に接続され、タッチセンサー信号線1031は、第1段の境界112を通過する。
【0034】
図2は、
図1のA-A面の断面の概略図である。
図2を参照すると、表示パネルは、パッケージング層102をさらに含む。パッケージング層102は、平坦化層101を覆う。
【0035】
図3は、
図1のB-B面の断面の概略図である。
図3を参照すると、タッチセンサー層103は、パッケージング層102に配置され、パッケージング層102は、有機層121を含む。
図1を参照すると、平坦化層101の第1側111と表示領域1の同一側に配置された有機層121の縁は、第1溝3内に配置され、有機層121の縁と平坦化層101の第1段の境界112との間隔L1は、有機層121の縁と平坦化層101の第2段の境界113との間隔L2より大きい。
【0036】
本開示の実施例では、基板の周辺領域には表示領域を囲む第1ダムが設けられ、第1ダム内に平坦化層、パッケージング層およびタッチセンサー層を配置し、第1ダムと平坦化層との間に第1溝が形成される。
【0037】
平坦化層の第1側の縁は、繋がっている第1段の境界および第2段の境界を含み、タッチセンサー信号線は、第1段の境界および第1段の境界に対応する第1溝を通過する。パッケージング層における有機層の縁と平坦化層の第1段の境界との間隔は、有機層の縁と平坦化層の第2段の境界との間隔より大きく、つまり第1段の境界に対応する第1溝には有機層を設け、且つ第1段の境界に対応する第1溝内の有機層の材料は多く、この結果、第1段の有機層に対応する第1溝の深さは、露光深さより小さくなり、露光エッチング時に第1溝内のタッチセンサー材料層によるタッチセンサー材料の残留を回避し、タッチ不良の現象を低減することができる。
【0038】
本開示の実施例では、表示領域1は、画面を表示するためのものであり、表示領域は、第1方向に沿って延びる複数のゲート線と第2方向に沿って延びる複数のデータ線とを含み、第1方向と第2方向は、互いに垂直である。複数のゲート線と複数のデータ線は、交差することにより複数の画素領域を規定し、各画素領域には画素が設けられ、各画素は、有機発光ダイオード(英語:Organic Light-Emitting Diode、OLEDと略称される)のような有機発光素子を有する。
【0039】
本開示の実施例では、周辺領域2は、駆動集積回路(英語:Integrated Circuit、ICと略称される)等を配置するために用いられる。パッド領域5は、周辺領域2の片側に配置され、平坦化層101の第1側111に対応して設けられている。パッド領域は、複数のパッド501を含み、各パッドは、表示領域から延びる信号線に電気的に接続されている。パッド501は、パッド領域の表面に露出していてもよく、すなわち、いかなる層によって覆われていないので、パッド501をフレキシブルプリント基板に電気的に接続することが容易になる。フレキシブルプリント基板は、コントローラに電気的に接続され、コントローラからの信号や電力を伝送する。例えば、パッド501は、タッチセンサー信号線1031に電気的に接続され、タッチセンサー信号線1031とフレキシブルプリント基板との間の通信を実現する。
【0040】
本開示の実施例では、タッチセンサー信号線1031は、タッチセンサー電極パターン1032とパッド領域5のパッド501にそれぞれ電気的に接続され、タッチセンサー信号線1031は、タッチセンサー電極パターン1032の信号をパッド501に伝達することにより、フレキシブルプリント基板に伝達し、表示パネルのタッチセンサー機能を実現する。
【0041】
選択肢の一つとして、本開示の実施例では、有機層121は、インクジェット印刷層である。以下、インクジェット印刷層を例に挙げて説明する。
【0042】
本開示の実施例では、第1ダム201は、表示領域1を囲むように配置され、第1ダム201は、外部からの水蒸気や酸素が表示領域1に入り込むことを防ぐことができ、表示領域1内の機器への影響を回避することにより、表示効果を及ぼす。同時に、第1ダム201は、インクジェット印刷層におけるインクのオーバーフローを回避し、パッケージ効果を保証することもできる。
【0043】
本開示の実施例では、平坦化層101は、表示領域1の表面をより平坦にすることで、パッケージングを容易にする一方で、表示パネルの出光面をより平坦にすることで、光の正常な出射を保証することにより、表示効果を向上させる。
【0044】
例示的に、平坦化層101は、絶縁層であってもよく、絶縁層の材料は、ポリイミド、エポキシ、アクリル、ポリエステルなどの材料のうちの1種以上であってもよい。
【0045】
再度
図3を参照すると、平坦化層101は、第1平坦化層114と第2平坦化層115とを含み得て、第1平坦化層114は、基板100上に配置され、第2平坦化層115は、第1平坦化層114上に配置される。2層の平坦化層を配置し、平坦化効果を増加させ、同時に製作を容易にする。
【0046】
例示的に、第1平坦化層及び第2平坦化層は、同じ材料で作製してもよいし、異なる材料で作製してもよいが、本開示は、これについて限定しない。
【0047】
本開示の実施例では、パッケージング層102は、表示パネルの基板100から平坦化層101までの構成をパッケージ化し、この後のタッチセンサー信号線の作製を容易にする。
【0048】
図3に示されたように、パッケージング層102は、第1無機パッケージング層122と第2無機パッケージング層123とをさらに含み得て、有機層121は、第1無機パッケージング層122と第2無機パッケージング層123との間に配置される。
【0049】
当該実施形態において、パッケージング層102は、第1無機パッケージング層122、有機層121および第2無機パッケージング層123で形成された積層体として配置され、パッケージ効果を保証する。
【0050】
例示的に、第1無機パッケージング層122と第2無機パッケージング層123は、化学蒸着(英語:Chemical Vapor Deposition、CVDと略称される)の技術を用いて作製されることができる。
【0051】
例示的に、第1無機パッケージング層122と第2無機パッケージング層123は、窒化ケイ素層、酸窒化ケイ素層、および酸化ケイ素層のうちの1つ、または複数で形成された積層体であってもよい。
【0052】
本開示の実施例では、有機層121は、第1ダム201内に配置され、第1無機パッケージング層122および第2無機パッケージング層123は、いずれも表示領域および第1ダムを覆っている。
【0053】
図1に示されたように、タッチセンサー電極パターン1032は、複数のタッチセンサー駆動電極131と複数のタッチセンサー感知電極132とを含み、タッチセンサー駆動電極131とタッチセンサー感知電極132は、交差するように配置され、タッチセンサー駆動電極131とタッチセンサー感知電極132との交差においてタッチセンサー絶縁層によって絶縁離間され、各タッチセンサー駆動電極131と各タッチセンサー感知電極132は、いずれも1本のタッチセンサー信号線1031に対応して接続される。
【0054】
当該実施形態において、タッチセンサー駆動電極131とタッチセンサー感知電極132は、いずれもタッチセンサー信号線1031を介してパッド501に接続され、タッチセンサー信号線1031は、タッチセンサー駆動電極131およびタッチセンサー感知電極132の信号をパッド501に伝達することにより、フレキシブルプリント基板に伝達し、表示パネルのタッチセンサー機能を実現する。
【0055】
タッチセンサー駆動電極131とタッチセンサー感知電極132は、タッチセンサー絶縁層によって分離され、電極間の短絡を回避し、タッチセンサー機能に影響を及ぼす。
【0056】
図1と
図3に示されたように、タッチセンサー駆動電極131とタッチセンサー感知電極132は、第1タッチセンサーサブ層133に配置され、タッチセンサー駆動電極131とタッチセンサー感知電極132は、いずれも複数の電極ブロックを含む。タッチセンサー駆動電極131とタッチセンサー感知電極132のうちの一方の電極ブロックは、同一層の接続ブロックによって電気的に接続され、タッチセンサー駆動電極131とタッチセンサー感知電極132のうちの他方の電極ブロックは、異なる層のタッチセンサーブリッジ136によって接続され、タッチセンサーブリッジ136は、第2タッチセンサーサブ層134に配置され、第1タッチセンサーサブ層133と第2タッチセンサーサブ層134は、タッチセンサー絶縁サブ層135によって絶縁離間される。
【0057】
他の実施形態において、タッチセンサーブリッジ136は、第1タッチセンサーサブ層133に配置され、タッチセンサー駆動電極131とタッチセンサー感知電極132は、第2タッチセンサーサブ層134に配置される。つまり、タッチセンサーブリッジ136は、基板100により近い。
【0058】
例示的に、第1タッチセンサーサブ層133は、金属層または酸化インジウムスズ(英語:Indium Tin Oxide、ITOと略称される)層であってもよく、タッチセンサー駆動電極131およびタッチセンサー感知電極132の導電性を保証し、電気信号を伝送することができる。
【0059】
例示的に、第2タッチセンサーサブ層134は、金属層または酸化インジウムスズ層であってもよく、タッチセンサーブリッジ136の導電性を保証し、電気信号を伝送することができる。
【0060】
本開示の実施例では、第1タッチセンサーサブ層133と第2タッチセンサーサブ層134の材料は、異なっていてもよいし、同一であってもよいが、本開示は、これについて限定しない。
【0061】
例示的に、タッチセンサー絶縁サブ層135は、酸窒化酸化ケイ素層、窒化ケイ素層または酸窒化ケイ素層のうちの1種又は複数種で形成された積層体であってもよく、タッチセンサー絶縁サブ層の絶縁效果を保証する。
【0062】
再度
図3を参照すると、表示パネルは、薄膜トランジスタ(英語:Thin Film Transistor、TFTと略称される)アレイ層104をさらに含み、平坦化層101は、薄膜トランジスタアレイ層104上に配置される。
【0063】
ここで、薄膜トランジスタアレイ層104は、ゲート線(図示せず)とデータ線(図示せず)とを含み、データ線は、薄膜トランジスタアレイ層104におけるソース・ドレイン(英語:Source Drain、SDと略称される)層に配置される。ゲート線とデータ線は、表示領域1からパッド領域5まで延び、第2段の境界113を通過する。ここで、ゲート線は、TFTのゲートおよび駆動集積回路に電気的に接続され、駆動集積回路は、ゲート線およびゲートによってTFTのスイッチを制御し、データ線は、TFTのソースおよび駆動集積回路に電気的に接続され、駆動集積回路は、データ線およびソースによってTFTの電圧を制御する。
【0064】
本開示の実施例では、薄膜トランジスタのゲートは、ゲート線によって駆動集積回路に接続され、駆動集積回路は、ゲート線によって薄膜トランジスタのゲートに駆動信号を提供し、ゲート線は、表示領域の縁に沿って配置され、表示領域1からパッド領域5まで延びる。薄膜トランジスタのソース・ドレインのうちの一方は、データ線に接続され、ソース・ドレインは、データ線によって駆動集積回路に接続され、駆動集積回路は、データ線によって数据信号線にデータ信号を書き込み、表示パネルに画像を表示させる。ゲート線とデータ線は、第1側の第2段の境界113からパッド領域5まで延び、ゲート線、データ線およびタッチセンサー信号線を第1側により均一に分布させ、配線を容易に配置する。
【0065】
再度
図2を参照すると、平坦化層101の第1側111は、繋がっている第1段のスロープ112aおよび第2段のスロープ113aを含み、第1段のスロープ112aの底辺は、第1段の境界112であり、第2段のスロープ113aの底辺は、第2段の境界113である。基板100の担持面に垂直な方向bにおいて、第1段のスロープ112aの高さは、第2段のスロープ113aの高さより大きい。第1段のスロープ112aの高さは、基板100の担持面に垂直な方向において、第1段のスロープ112aの頂面から基板100底面までの距離であり、第2段のスロープ113aの高さは、基板100の担持面に垂直な方向において、第2段のスロープ113aの頂面から基板100の底面までの距離である。第1段のスロープ112aの底辺は、第1段のスロープ112aの平坦化層101の第1表面上の辺であり、第2段のスロープ113aの底辺は、第2段のスロープ113aの平坦化層101の第1表面上の辺であり、平坦化層101の第1表面は、基板に向かう面である。
【0066】
当該実施形態において、タッチセンサー信号線1031は、表示領域1からパッド領域5まで伸びた際に、第1段のスロープ112aを通過し、即ち、タッチセンサー信号線1031は、高さの高い平坦化層からパッド領域5まで延び、つまり、タッチセンサー信号線1031は、第1段のスロープ112aを通過する。関連技術において、第1段のスロープ112aの高さが高いため、第1段のスロープ112aに対応する第1溝3の深さが露光深さより深くなり、この後タッチセンサー材料層は、露光エッチング時にタッチセンサー材料の残留を生じる。本開示の実施例では、第1段のスロープ112aに対応する第1溝3内に有機層121を設け、第1溝3の深さを小さくして露光深さより小さくし、露光エッチング時に第1溝3内のタッチセンサー材料層によるタッチセンサー材料の残留を回避することができ、この結果、タッチ不良の現象を低減することができる。
【0067】
本開示の実施例では、第1段の境界112に対応する平坦化層の高さ(即ち前述の第1段のスロープ112aの高さ)は、第2段の境界113に対応する平坦化層の高さ(即ち前述の第2段のスロープ113aの高さ)より大きく、関連技術において、インクを印刷する場合、インクは、第2段の境界113から第1溝3内に流れ込みやすい。第1段の境界112に対応する平坦化層の高さが高いため、インクが第1段の境界112に流れにくく、この結果、第1段の境界112に対応する第1溝3内に印刷用インクが存在しない。本開示による技術案は、有機層121の範囲を拡大し、第1溝3において拡大印刷を行い、すなわち、インクを印刷する場合、印刷範囲を第1溝3内に拡大し、拡大された位置は、第1段の境界112に対応し、且つ第2段の境界113に隣接する。このような異形印刷により、インクを第1溝3内に直接に印刷し、この結果、第1段の境界112に対応する第1溝3の深さを減少させる。
【0068】
例示的に、第1段の境界112に対応する平坦化層の高さは、4.5ミクロンメートルから5ミクロンメートルの間であってもよく、例えば、第1段の境界112に対応する平坦化層の高さは、4.89ミクロンメートルであってもよい。
【0069】
例示的に、第2段の境界113に対応する平坦化層の高さは、3.5ミクロンメートルから4ミクロンメートルの間であってもよく、例えば、第2段の境界113に対応する平坦化層の高さは、3.79ミクロンメートルであってもよい。
【0070】
再度
図1を参照すると、第1ダム201の第2段の境界113と対向する縁と第2段の境界113との距離は、第1ダム201の第1段の境界112と対向する縁と第1段の境界112との距離より小さい。ここで、第1ダム201の第2段の境界113と対向する縁および第1ダム201の第1段の境界112と対向する縁とは、いずれも第1ダム201の第1側111と表示領域の同一側に配置され、表示領域に向いている縁を指す。
【0071】
本開示の実施例では、第2段の境界113は、第1段の境界112に対して第1ダム201に向かって凸出し、即ち平坦化層101は、第1ダムに向かって凸出している部分を有し、第2段のスロープ113aは、凸出した部分に配置されている。平坦化層101の凸出した部分により、パッケージ化される過程で、ゲート線、データ線を包むことができ、ゲート線、データ線がこの後の製造工程で損傷を受けないことを保証する。
【0072】
例示的に、外凸の第2段のスロープ113aの基板100の担持面上への正投影は、矩形である。
【0073】
当該実施形態において、第1段のスロープ112aの勾配角は、第2段のスロープ113aの勾配角より大きい。
【0074】
他の実施形態において、第1段の境界112と第1ダム201との距離と第2段の境界113と第1ダム201との距離は、等しくてもよく、すなわち、第1段の境界112と第2段の境界113は、同じ直線上に位置する。
【0075】
本開示の実施例の一実施形態では、第1側111の縁の延在方向aにおいて、いずれかの第1段の境界112と第1ダム201との間の有機層121の長さは、1ミリメートルから3ミリメートルの間である。
【0076】
当該実施形態において、第1段の境界112と第1ダム201との間に配置された有機層121の長さを制限することで、当該タッチセンサー信号線の下方に有機層121を配置することにより、タッチセンサー材料層をエッチングする際にタッチセンサー材料が残留することを回避し、タッチ不良の現象を低減させることができる。
【0077】
本開示の実施例の一実施形態では、有機層121の縁と第1段の境界112との間隔は、50ミクロンメートルから150ミクロンメートルの間である。
【0078】
当該実施形態において、第1段の境界112に対応する有機層121は、第1溝3内に配置され、有機層121の縁と第1段の境界112との間隔を制限し、第1段の境界112対応の第1溝3内の有機層121の面積を大きくし、有機層121によって形成されたスロープを緩やかにし、断差を小さくし、この結果、タッチセンサー層に対するエッチングを容易にする。
【0079】
再度
図1と
図2を参照すると、平坦化層101の第1側111は、2つの第1段の境界112を含み、第1側111の縁の延在方向aにおいて、2つの第1段の境界112は、第2段の境界113の両側にそれぞれに配置される。
【0080】
当該実施形態において、2つの第1段の境界112を設け、且つ第2段の境界113の両側に位置し、即ち2つの第1段の境界112は、ぞれぞれ平坦化層101の第1側111の縁の両側に位置し、このようにすると、タッチセンサー信号線は、両側の第1段の境界112からパッド領域5まで延びてパッド501に接続され、タッチセンサー信号線の作成が容易になる。一方、表示パネルの両側のタッチセンサー信号線の長さが相当することを保証し、タッチセンサー信号線の抵抗差を小さくし、表示パネルの異なる位置におけるタッチセンサー信号の大きさが異なることを回避し、タッチセンサー効果に影響を与える。
【0081】
本開示の実施例では、インクジェット印刷の工程では、コンピューター支援設計(英語:Computer Aided Design、CADと略称される)の図面に従って印刷領域を定義することができ、インクの実際の流動効果に応じて、インクジェット印刷領域を柔軟に調整し、工程をタイムリーに改善することができ、平坦化層のマスクを直接に変更するよりも、コストが低い。
【0082】
本開示の実施例の一実施形態では、インクを印刷する過程で、自動光学検査(英語:Automated Optical Inspection、AOIと略称される)によって、インクが平坦化層の縁をカバーする状況をタイムリーに監視することができ、監視結果に基づいて、対応領域のカバー状況をタイムリーに調整し、表示パネルの生産歩留まりを確保することができる。
【0083】
図4は、本開示の実施例による印刷パターンの概略図である。
図4を参照すると、有機層が拡大印刷され、且つ第1段の境界112に対応する箇所、すなわち図面における2つの凸出した部分のみが拡大印刷され、有機層が大きくなりすぎて前述のオーバーフロー(英語:Overflow)を引き起こすのを防ぐ。第1段の境界112に対応する平坦化層の高さが比較的高いので、インクを再印刷する場合、有機層の範囲が広すぎると、インク量が大きくなり、第2段の境界113に対応する第1溝3内にインクがより多く流入し、インクが第1ダム内から溢れ出し、パッケージが失効する。
【0084】
図4に示されたように、拡大印刷の領域は、2つの矩形であり、2つの矩形は、それぞれ2つの第1段の境界112に対応して配置される。インクが流動性を持つので、インクが印刷パターンの外側に流れ、最終的に
図1に示された有機層121の境界が形成される。
【0085】
本開示では、タッチセンサー材料の残留が発生しやすい部分のみに特殊印刷を行うことにより、他の領域におけるインクの滞留位置に影響を与えることなく、インクが平坦化層から溢れ出ることができ、この結果、上り勾配領域(即ち第1スロープ6)の断差を著しく減少させ、当該箇所におけるタッチセンサー材料の残留問題を改善する。
【0086】
図5は、
図1のC-C面の断面の概略図である。
図5を参照すると、第1側111の縁の延在方向aにおいて、第1段の境界112の第1ダム201に近い部分について拡大印刷を行わないので、当該領域内に有機層121の境界が表示領域1の境界により近い。
【0087】
図6は、本開示の実施例による第1溝内のスライスの概略図である。
図6を参照すると、第1段の境界112と第1ダム201との間の有機層121に第1スロープ6を形成し、第1スロープ6の勾配角α1の角度は、1度から35度の間である。
【0088】
当該実施形態において、有機層121が作成された後、第1段の境界112と第1ダム201との間に形成された第1スロープ6の勾配角α1は、比較的穏やかであり、第1溝3とパッケージング層との間の断差を小さくし、タッチセンサー層の配線の通過は容易になる。同時に、第1溝3の深さを小さくし、この後のタッチセンサー層に対するエッチングを容易にし、タッチセンサー材料の残留によるタッチ不良を回避する。
【0089】
選択肢の一つとして、本開示の実施例では、第1スロープ6の勾配角α1の角度は、10度から15度の間である。
【0090】
図6に示されたように、第1溝3内に有機層が設けられ、有機層は、第1溝3の深さを減少させ、この後のタッチセンサー層に対するエッチングを容易にする。
【0091】
例示的に、
図6に示されたスライスの概略図は、集束イオンビーム(英語:Focused ion beam、FIBと略称される)スライス図であってもよい。
【0092】
再度
図3を参照すると、表示領域1内の表示パネルは、第2平坦化層115上に配置された第1画素定義層(英語:Pixel Definition Layer、PDLと略称される)105をさらに含み、第1段の境界112に対応する第1平坦化層114、第2平坦化層115及び第1画素定義層105の第1ダム201に近い部分は、第2スロープ7を形成し、第1段の境界112に対応する第1平坦化層114、第2平坦化層115及び第1画素定義層105の縁は、重なっている。
【0093】
第2平坦化層115及び第1画素定義層105の第1ダム201に近い部分は、第2スロープ7を形成し、第1画素定義層105と第1溝3の底辺との間の遷移を緩やかにし、この後のタッチセンサー層に対するエッチングを容易にする。
【0094】
本開示の実施例の一実施形態では、第2スロープ7の勾配角α2の角度は、35度から55度の間である。
【0095】
当該実施形態において、第2スロープ7の勾配角α2の角度範囲を制限することにより、第1画素定義層105と第1溝3の底辺との間の遷移を緩やかにすることを保証する。一方、第2スロープ7が緩すぎて周辺領域が大きすぎて、表示パネルの狭額縁設計に不利になることを回避する。
【0096】
図2に示されたように、第2段の境界113に近い平坦化層101の高さは、第1段の境界112に近い平坦化層101の高さより低く、即ち第2段の境界113に近い平坦化層101には溝が形成される。相応的に、第1段の境界112に対応する第1画素定義層105の高さは、第2段の境界113に対応する第1画素定義層105の高さより大きく、即ち第1画素定義層105にも溝が形成される。有機層121におけるインクが流動性を持つので、より多くのインクが溝に堆積されて、有機層の表面を平坦にし、これによって、表示領域1内に配置されたパッケージング層102の表面を平坦にする。
【0097】
図7は、
図1のD-D面の断面の概略図である。
図7を参照すると、第1ダム201の第2段の境界113と対向する縁と第2段の境界113との距離は、第1ダム201の第2段の境界113と対向する縁と第2段の境界113と対向する第1画素定義層105の縁との距離より小さい。ここで、第1画素定義層105の第1側111と対向する縁とは、第1画素定義層105の第1側111と表示領域の同一側に配置され、且つ表示領域に向いている縁を指す。
【0098】
当該実施形態において、第2段の境界113が第1段の境界112に対して第1ダム201に突出しているので、第1画素定義層105の縁を表示領域1内に縮めることができ、第2段の境界113の平坦化層101と第1画素定義層105とによって形成される勾配を緩やかにし、印刷する際に、第2段の境界113から第1溝3内へインクが流れやすくなり、第2段の境界113に対応する第1溝3内に同様に印刷インクが存在するようになり、第2段の境界113に対応する第1溝3の深さが浅くなり、この後のフィルム層の作製が容易になる。
【0099】
本開示の実施例では、第2段の境界113に対応する第1溝3内のインクの厚さが比較的厚いので、有機層121が作成された後、第1スロープ6の勾配角が、第2段の境界113と第1ダム201との間の有機層121によって形成されたスロープの勾配角より小さくなり、ここで、第1スロープ6の勾配角は、第1段の境界112と第1ダム201との間の有機層121によって形成された第1スロープ6の勾配角である。
【0100】
再度
図1、
図3および
図7を参照すると、表示パネルは、第2ダム202をさらに含み、第2ダム202は、周辺領域2に配置され且つ第1ダム201の周囲を囲み、第1ダム201と第2ダム202との間に第2溝4があり、第2ダム202の高さは、第1ダム201の高さより大きく、平坦化層101の第1表面と第1画素定義層105の第2表面との間隔は、第2ダム202の高さより大きく、第1ダム201の高さは、基板100の担持面に垂直な方向bにおいて第1ダム201の基板100から離れた頂面から平坦化層101の第1表面までの距離であり、第2ダム202の高さは、基板100の担持面に垂直な方向bにおいて第2ダム202の基板100から離れた頂面から平坦化層101の第1表面までの距離である。平坦化層101の第1表面は、平坦化層101の基板100に近い面であり、第1画素定義層105の第2表面は、第1画素定義層105の基板100から離れた面である。
【0101】
当該実施形態において、表示パネルに第2ダム202を設け、第2ダム202は、同様に外部からの水蒸気や酸素が表示領域1に入り込むことを防ぐことができ、同時に第1ダムと第2の障壁を設置することで、水酸素に対する遮断作用を強化することができ、水酸素の侵食による表示領域1内のデバイスへの影響を回避することができ、この結果、表示効果を及ぼす。
【0102】
関連技術において、一般に、露光深さは、第2溝4の深さ(即ち第2溝4の底部から第1ダム201の上部までの距離)によって定義され、第1画素定義層105の高さが第2ダム202の高さより大きいので、第1溝3の深さが第2溝4の深さより大きくなり、この結果、タッチセンサー材料層を露光エッチングする際にタッチセンサー材料層が残留する。一方、本開示では、第1溝3内に有機層を配置することにより、第1溝3の深さを小さくし、第1溝3の深さを露光深さより小さくすることができ、これにより、タッチセンサー材料層を露光エッチングする際にタッチ材料の残留が引き起こさず、タッチセンサー信号線間の短絡によるタッチ不良を回避することができる。
【0103】
本開示の実施例では、表示パネルに第2ダム202を設ける場合、第1無機パッケージング層122と第2無機パッケージング層123は、いずれも表示領域、第1ダム201および第2ダム202を覆う。
【0104】
再度
図3および
図7を参照すると、第1ダム201は、順次に積層された第3平坦化層211、第2画素定義層212およびスペーサ(英語:Photo Spacer、PSと略称される)層110を含み、第2ダム202は、順次に積層された第3平坦化層211、第4平坦化層213、第2画素定義層212およびスペーサ層110を含み、第3平坦化層211は、第1平坦化層114と同一層に配置され、第4平坦化層213は、第2平坦化層115と同一層に配置され、第2画素定義層212は、第1画素定義層105と同一層に配置される。ここで、「同一層」とは、同一の成膜プロセスを用いて特定のパターンを形成するための膜層を形成し、この後、同一のマスクを用いて一次パターニングプロセスによって形成された層構造を意味する。特定のパターンによっては、同じ構図プロセスは、複数回の露光、現像、またはエッチングプロセスを含むことができ、形成された層構造における特定のパターンは、連続的であっても不連続であってもよく、これらの特定のパターンは、異なる高さにあるか、または異なる厚さを有する可能性もある。
【0105】
当該実施形態において、第3平坦化層211は、第1平坦化層114と同一層に配置され、第4平坦化層213は、第2平坦化層115と同一層に配置される。製造する際に、まず、2層の平坦化フィルムを作製し、この後、パターニングプロセスによって表示領域に第1平坦化層114と第2平坦化層115を形成し、周辺領域に第3平坦化層211と第4平坦化層213を形成することができる。次に、1層の画素定義フィルムを作製し、さらにパターニングプロセスによって表示領域に第1画素定義層105を形成し、周辺領域の第3平坦化層211上に第2画素定義層212を形成し、第1ダム201を構成し、周辺領域の第3平坦化層211と第4平坦化層213上に第2画素定義層212を形成し、第2ダム202を構成する。このような作製形態では、第1平坦化層114を作製する際に第3平坦化層211を形成し、第2平坦化層115を作製する際に第4平坦化層213を形成し、第1画素定義層105を作製する際に第2画素定義層212を形成し、最終的に第1ダム201と第2ダム202を形成し、作製が容易である。
【0106】
本開示の実施例では、第3平坦化層211の材料は、第1平坦化層114の材料と同じである。第4平坦化層213の材料は、第2平坦化層115の材料と同じである。第2画素定義層212の材料は、第1画素定義層105の材料と同じである。
【0107】
本開示の実施例では、スペーサ層110は、第2画素定義層212上に配置され、第2ダム202および第1ダム201の高さを保証する。
【0108】
本開示の実施例では、表示パネルの表示領域1の画素領域にも、スペーサ層110を配置することができ、スペーサ層110は、有機発光層を蒸着する際に、マスクプレートを支持するために使用される。
【0109】
本開示の実施例の一実施形態では、第2ダム202の高さと第1ダム201の高さとの差は、0.4ミクロンメートルから1.0ミクロンメートルの間である。
【0110】
当該実施形態において、第1ダム201の高さを制限することにより、第1ダム201が第2ダム202よりも若干低くなり、第1ダム201の高さと第2ダム202の高さとの差が大きすぎて、第1ダム201によるバリア効果に影響を及ぼすことを避ける。
【0111】
例示的に、第1ダム201の高さは、3.0ミクロンメートルから4.0ミクロンメートルの間であってもよく、例えば、第1ダム201の高さは、3.47ミクロンメートルであってもよい。
【0112】
例示的に、第2ダム202の高さは、3.5ミクロンメートルから4.5ミクロンメートルの間であってもよく、例えば、第2ダム202の高さは、4.0ミクロンメートルであってもよい。
【0113】
再度
図2と
図3を参照すると、第1ダム201と第2ダム202は、いずれもスロープを有する。第1ダム201の側辺のスロープの勾配角(即ち第1ダムのテーパ角(英語:Taper angle))α3の角度は、15度から50度の間であってもよく、第2ダム202の側辺のスロープの勾配角(即ち第2ダムのテーパ角)α4の角度は、15度から50度の間であってもよい。
【0114】
例えば、第1ダム201のスロープのテーパ角α3の角度は、46.37度であってもよく、第2ダム202のスロープのテーパ角α4の角度は、45度であってもよく、上記の角度の設定により、タッチセンサー信号線が第1ダムと第2ダムを通過するのを容易にすることができる。
【0115】
本開示の実施例では、表示領域において、基板100上には、薄膜トランジスタアレイ層104、平坦化層101、第1画素定義層105、スペーサ層(
図3に図示せず)、発光層(
図3に図示せず)、パッケージング層102、及びタッチセンサー層103が積層される。ここで、発光層は、第1画素定義層105の溝内に配置され、発光層は、表示パネルの発光表示に使用される。
【0116】
本開示の実施例では、周辺領域において、基板100上には、薄膜トランジスタアレイ層104、第3平坦化層211、第4平坦化層213、第2画素定義層212、スペーサ層110、パッケージング層102、及びタッチセンサー層103が積層される。
【0117】
当該実施形態において、基板100は、表示パネルの内部構造を支持するものである。薄膜トランジスタアレイ層104は、TFT構造を形成して表示パネルの表示画面を制御する。
【0118】
本開示の実施例では、発光層は、積層されたアノード層、電子輸送層、有機発光層、正孔輸送層、およびカソード層を含み、アノード層、電子輸送層、有機発光層、および正孔輸送層は、画素定義層によって形成された溝内に配置され、カソード層は、画素定義層の上方を覆うことができる。
【0119】
本開示の実施例では、表示パネルは、タッチセンサー層103上に積層された偏光子120およびカバープレート200をさらに含む。
【0120】
当該実施形態において、カバープレート200は、表示パネルの内部構造を保護する。偏光子120は、光の偏光方向を変えることができ、偏光子120により光の偏光方向を制御し、表示パネル内の干渉光をフィルタリングすることにより、表示効果を保証する。
【0121】
例示的に、タッチセンサー層103上に1層の填充層130を配置することができ、当該填充層130は、タッチセンサー層103の表面を平坦にし、偏光子120の配置を容易にする。
【0122】
例示的に、カバープレート200は、ガラスカバープレート又は透明プラスチックカバープレートであり、カバープレート200の光透過性を保証することができる。
【0123】
再度
図2、
図3、
図5および
図7を参照すると、基板100は、第1基板1001と第2基板1002とを含み、第1基板1001上に第1バリア層(英語:Barrier)161が設けられ、第2基板1002上に第2バリア層162が設けられる。
【0124】
本開示の実施例では、基板上にバリア層を形成し、当該バリア層によって絶縁層を形成し、外部静電気が表示パネルの内部回路に影響を及ぼすことを回避し、同時に、バリア層は、表示パネルの内部への熱の拡散を遮断し、過度な温度による表示パネルの損傷を回避することもできる。
【0125】
2層のバリア層を設け、バリア層の絶縁効果を保証する。同時に、第1バリア層161と第2バリア層162は、それぞれ2つの基板上にあり、基板の表面が平坦でない場合、第1バリア層161は、第1基板1001の表面平坦度を改善することができ、第2バリア層162は、第2基板1002の表面平坦度を改善することができる。第1バリア層161の付着力は、良好であり、第1基板1001と第2基板1002との接着を容易にする。
【0126】
本開示の実施例では、基板は、フレキシブル基板であってもよく、フレキシブル基板は、フレキシブル有機材料で作製されてもよく、当該有機材料は、例えばポリイミド(英語:Polyimide、PIと略称される)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレートなどの樹脂材料である。
【0127】
本開示の実施例では、第1バリア層161と第2バリア層162は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸窒化ケイ素などの無機材料を含み得て、多層または単層に形成されることができる。
【0128】
選択肢の一つとして、表示パネルは、第2バリア層162に設けられたバッファ(英語:Buffer)層107をさらに含む。薄膜トランジスタアレイ層104は、バッファ層107上に配置される。
【0129】
バッファ層107は、バリア層と薄膜トランジスタアレイ層104とを分離し、バリア層が薄膜トランジスタアレイ層104の作動に影響を与えないようにするとともに、薄膜トランジスタアレイ層104の作製を容易にする。
【0130】
例示的に、バッファ層107は、酸化ケイ素層、窒化ケイ素層、または酸窒化ケイ素層であってもよく、あるいは酸化ケイ素層、窒化ケイ素層及び酸窒化ケイ素層のいずれかの2層又は3層で形成された積層体であってもよく、バッファ層107の絶縁効果を保証する。
【0131】
選択肢の一つとして、薄膜トランジスタアレイ層104は、バッファ層107上に順次に積層されたアクティブ層141、ゲート絶縁(英語:Gate Insulator、GIと略称される)層142、ゲート(英語:Gate)層143、層間誘電体層(英語:Inter-Layer Dielectric)144、およびソース・ドレイン層145を含む。
図3と
図5に示された薄膜トランジスタは、単なる一例にすぎず、表示パネルは、他の構成の薄膜トランジスタを含んでもよい。
【0132】
本開示の実施例では、ゲート絶縁層142は、アクティブ層141とゲート層143との間に配置され、ゲート絶縁層142によってアクティブ層141とゲート層143とが離間され、アクティブ層141とゲート層143が互いに離間して信号を独立して伝送できることが保証される。層間誘電体層144は、ゲート層143とソース・ドレイン層145との間に配置され、ゲート層143とソース・ドレイン層145が信号を独立して伝送できることが保証される。
【0133】
例示的に、アクティブ層141は、低温多結晶シリコン(Low Temperature Poly-Silicon、LTPS)層であってもよい。LTPSの移動度が高く、安定性がよく、高解像度ディスプレイの要求を満たすことができる。
【0134】
例示的に、ゲート絶縁層142と層間誘電体層144は、例えば窒化ケイ素層または酸窒化ケイ素層などの無機絶縁層であってもよく、例えばリング状樹脂絶縁層などの有機絶縁層であってもよい。窒化ケイ素、酸窒化ケイ素およびリング状樹脂の絶縁性は、良好であり、ゲート絶縁層142および層間誘電体層144の絶縁性は、保証される。ゲート絶縁層142および層間誘電体層144の材料は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0135】
本開示の実施例では、ゲート層143およびソース・ドレイン層145は、金属層または酸化インジウムスズ層であってもよい。ゲート層143およびソース・ドレイン層145との間の電気信号の伝送の安定性が保証される。
【0136】
選択肢の一つとして、表示パネルは、ソース・ドレイン層145上に配置された絶縁層(PVX)108をさらに含み、絶縁層108は、ソース・ドレイン層145と第1画素定義層105内に配置されたアノード層とを分離し、ソース・ドレイン層145とアノード層との間で信号を独立して伝送することができる。
【0137】
選択肢の一つとして、表示パネルは、パッケージング層102上に配置された第3バリア層109をさらに含む。表示パネルの対向した両側にバリア層を配置し、水酸素バリアの効果を増加させる。
【0138】
本開示の実施例では、第3バリア層109は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸窒化ケイ素などの無機材料を含み得て、多層または単層に形成されることができる。
【0139】
図8は、本開示の実施例による表示パネルの第1側の印刷効果図である。
図9は、本開示の実施例による表示パネルの第1側の印刷効果図である。
図8と
図9を参照すると、有機層121の境界は、第1溝内にあるが、第1ダム201の境界を超えず、第1溝の深さを減少させるだけでなく、パッケージの失効を回避することもできる。
【0140】
図10は、本開示の実施例による表示パネルを製造するためのフローチャートである。
図10を参照すると、当該方法は、以下のステップを含む。
【0141】
ステップS101において、基板上に第1ダム、平坦化層およびパッケージング層を形成する。
【0142】
基板は、表示領域、表示領域の周囲を囲む周辺領域、および周辺領域の表示領域から離れた側に配置されたパッド領域を有し、第1ダムは、周辺領域に配置され且つ表示領域の周囲を囲み、平坦化層は、表示領域に配置され、第1ダムと平坦化層との間に第1溝があり、平坦化層の第1側の縁の延在方向に沿って、第1側の縁は、繋がっている第1段の境界および第2段の境界を含み、第1側とパッド領域は、表示領域の同一側に配置され、ここで、パッケージング層は、有機層を含み、有機層の縁と平坦化層の第1段の境界との間隔は、有機層の縁と第2段の境界との間隔より大きい。
【0143】
図11から
図15は、本開示による表示パネルの製造プロセス図である。以下、
図11から
図15を参照して本開示の表示パネルの製造方法を説明する。
【0144】
例示的に、当該ステップS101は、以下のステップを含む。
【0145】
ステップ1において、基板を準備する。
【0146】
図11を参照すると、基板100を準備する。基板100は、例えばガラス基板、プラスチック基板などの透明基板であってもよい。
【0147】
ステップ2において、基板上に、バリア層およびバッファ層を順次に制作する。
【0148】
図12を参照すると、基板100上に、バリア層106およびバッファ層107を順次に制作する。
【0149】
例示的に、蒸着法により第1基板1001上に第1バリア層161を作製し、第1バリア層161が作成された後、第1バリア層161上に第2基板1002を覆い、この後、第2基板1002上に第2バリア層162を形成し、蒸着法により第2バリア層162上にバッファ層107を作製することができる。
【0150】
例示的に、第1バリア層161と第2バリア層162は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸窒化ケイ素などの無機材料を含み得て、多層または単層に形成されることができる。
【0151】
例示的に、バッファ層107は、酸化ケイ素層、窒化ケイ素層、または酸窒化ケイ素層であってもよく、あるいは酸化ケイ素層、窒化ケイ素層及び酸窒化ケイ素層のいずれかの2層又は3層で形成された積層体であってもよく、バッファ層107の絶縁効果を保証する。
【0152】
ステップ3において、バッファ層上に薄膜トランジスタアレイ層を形成する。
【0153】
図13を参照すると、バッファ層107上薄膜トランジスタアレイ層104を形成する。
【0154】
当該ステップは、バッファ層107上に、アクティブ層141、ゲート絶縁層142、ゲート層143、層間誘電体層144、およびソース・ドレイン層145を順次に形成することを含み得る。
【0155】
例示的に、アクティブ層141は、多結晶シリコン層または単結晶シリコン層であってもよい。
【0156】
例示的に、ゲート絶縁層142と層間誘電体層144は、例えば窒化ケイ素層または酸窒化ケイ素層などの無機絶縁層であってもよく、例えばリング状樹脂絶縁層などの有機絶縁層であってもよい。窒化ケイ素、酸窒化ケイ素およびリング状樹脂の絶縁性は、良好であり、ゲート絶縁層142および層間誘電体層144の絶縁性は、保証される。ゲート絶縁層142および層間誘電体層144の材料は、同じであってもよいし、異なっていてもよい
【0157】
例示的に、ゲート層143およびソース・ドレイン層145は、金属層または酸化インジウムスズ層であってもよい。ゲート層143およびソース・ドレイン層145との間の電気信号の伝送の安定性が保証される。
【0158】
例示的に、まず蒸着法によりバッファ層107上にアクティブ層141を形成し、次いで蒸着法によりアクティブ層141上にゲート絶縁層142を形成し、この後、スパッタ法によりゲート絶縁層142上にゲート層143を形成し、そして蒸着法によりゲート層143上に層間誘電体層144を形成し、最後にスパッタ法により層間誘電体層144上にソース・ドレイン層145を形成することができる。
【0159】
ステップ4において、薄膜トランジスタアレイ層上に平坦化層およびパッケージング層を順次に形成する。
【0160】
図14を参照すると、まず薄膜トランジスタアレイ層104上に絶縁層108を形成し、この後、絶縁層108上に平坦化層101、第1画素定義層105およびパッケージング層102を形成することができる。
【0161】
例示的に、平坦化層101は、絶縁層であってもよく、絶縁層の材料は、ポリイミド、エポキシ、アクリル、ポリエステルなどの材料のうちの1種以上であってもよい。
【0162】
例示的に、平坦化層101は、第1平坦化層114および第2平坦化層115を含み得て、第1平坦化層114は、基板100上に配置され、第2平坦化層115は、第1平坦化層114上に配置される。2層の平坦化層を配置し、平坦化効果を増加させる。
【0163】
本開示の実施例では、まず、2層の平坦化フィルムを作製し、この後、パターニングプロセスによって表示領域に第1平坦化層114と第2平坦化層115を形成し、周辺領域に第3平坦化層211と第4平坦化層213を形成することができる。次に、1層の画素定義フィルムを作製し、さらにパターニングプロセスによって表示領域に第1画素定義層105を形成し、周辺領域の第3平坦化層211上に第2画素定義層212を形成し、第1ダム201を構成し、周辺領域の第3平坦化層211と第4平坦化層213上に第2画素定義層212を形成し、第2ダム202を構成する。
【0164】
そして、画素定義層上に第1無機パッケージング層122、有機層121および第2無機パッケージング層123を順次に形成する。
【0165】
本開示の実施例では、第1画素定義層105が作成された後、第1画素定義層105の溝内に発光層を形成する。
【0166】
例示的に、化学気相蒸着法で画素定義層上に第1無機パッケージング層122を作製し、インクジェット印刷法で第1無機パッケージング層122上に有機層121を作製し、この後、化学気相蒸着法で有機層121上に第2無機パッケージング層123を作製することができる。
【0167】
例示的に、有機層を作製する際に、バックプレートのサイズに応じてCAD図面で印刷領域を定義し、この後、印刷することができる。
【0168】
ステップS102において、パッケージング層上にタッチセンサー層を形成し、タッチセンサー層は、タッチセンサー信号線およびタッチセンサー電極パターンを含み、タッチセンサー信号線の一端は、タッチセンサー電極パターンに電気的に接続され、タッチセンサー信号線の他端は、表示領域からパッド領域まで延び、パッド領域のパッドに電気的に接続され、タッチセンサー信号線は、第1段の境界を通過する。
【0169】
図15を参照すると、まずパッケージング層102上に第3バリア層109を形成し、次に第3バリア層109上にタッチセンサー層103を形成する。タッチセンサー層103は、タッチセンサー信号線およびタッチセンサー電極パターンを含む。
【0170】
例示的に、化学気相蒸着法でパッケージング層102上に第3バリア層109を形成し、次にパッケージング層102上に第1タッチセンサー信号線フィルム層を形成し、この後第1タッチセンサー信号線フィルム層をパターニングすることにより、第1タッチセンサーサブ層を形成することができる。第1タッチセンサーサブ層は、タッチセンサーブリッジを含む。そして、第1タッチセンサーサブ層上にタッチセンサー絶縁サブ層を形成し、次にタッチセンサー絶縁サブ層に第2タッチセンサー信号線フィルム層を形成し、この後第2タッチセンサー信号線フィルム層をパターニングすることにより、第2タッチセンサーサブ層を形成する。第2タッチセンサーサブ層は、複数のタッチセンサー駆動電極および複数のタッチセンサー感知電極を含み、タッチセンサー駆動電極とタッチセンサー感知電極は、交差するように配置され、タッチセンサー駆動電極とタッチセンサー感知電極との交差においてタッチセンサー絶縁層によって絶縁離間される。最終的にタッチセンサー層103を形成する。後続のモジュールアセンブリを行い、偏光子120をタッチセンサー層103上に貼り付け、次に、偏光子120上でカバープレート200を覆うことにより、表示パネルを形成する。
【0171】
本開示の実施例では、表示装置をさらに提供し、前記表示装置は、上記のいずれかの技術案に記載された表示パネルを含む。
【0172】
具体的な実施形態において、本開示の実施例による表示装置は、携帯電話、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーションなど、表示機能を備えたあらゆる製品または部品であってもよい。
【0173】
上記は、本出願の好適な実施例にすぎず、本出願を限定するものではなく、本出願の精神および原則内でなされた任意の変更、等効な置換、改善などは、本出願の範囲に含まれるものとする。