(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】ロボット制御システム
(51)【国際特許分類】
B25J 13/06 20060101AFI20240723BHJP
B25J 9/22 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B25J13/06
B25J9/22 A
(21)【出願番号】P 2022536298
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 JP2021025652
(87)【国際公開番号】W WO2022014444
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2020120851
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】柳田 揚啓
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-056161(JP,A)
【文献】特開2016-059982(JP,A)
【文献】特開2019-028518(JP,A)
【文献】特開2000-125246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
G05B 19/42 - 19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットを制御するためのロボット制御装置と、
前記ロボット制御装置と接続され、作業者によって操作される教示操作盤と、を備え、
前記ロボット制御装置は、
前記ロボット制御装置のシステムソフトウェアを記憶する記憶部と、
前記システムソフトウェアに機能を追加及び削除する機能追加部と、
前記教示操作盤に設けられ、前記機能追加部の動作を有効又は無効に設定するための切替部と、
前記切替部により前記機能追加部の動作を有効に設定した場合、前記機能追加部による機能の追加及び削除を有効にし、
前記切替部により前記機能追加部の動作を無効に設定した場合、前記機能追加部による機能の追加及び削除を無効にする機能制御部と、
を備え、
前記ロボット制御装置による前記ロボットの自動運転中に、前記切替部により前記機能追加部の動作を有効に設定すると、
前記機能制御部は、前記自動運転を停止する、
ロボット制御システム。
【請求項2】
前記機能追加部は、外部記憶装置に記憶された追加機能ファイルに基づいて前記システムソフトウェアに機能を追加及び削除する、請求項1に記載のロボット制御システム。
【請求項3】
前記追加機能ファイルは、複数のプログラム及び複数データファイルを1つのファイルとしたアーカイブファイルで構成される、請求項2に記載のロボット制御システム。
【請求項4】
前記機能追加部は、前記追加機能ファイルに基づいて、選択的に前記システムソフトウェアに機能を追加する、請求項2又は3に記載のロボット制御システム。
【請求項5】
前記機能制御部は、前記切替部により前記機能追加部の動作を有効に設定した場合、前記教示操作盤において選択的に前記システムソフトウェアに機能を追加するための操作を可能にする、請求項4に記載のロボット制御システム。
【請求項6】
前記機能制御部は、前記切替部により前記機能追加部の動作を有効に設定した場合、前記教示操作盤において選択的に前記システムソフトウェアに追加された機能を削除するための操作を可能にする、請求項4に記載のロボット制御システム。
【請求項7】
前記機能制御部は、前記自動運転
の前記停止を実行する際に、前記切替部の設定の異常を報知する報知情報を生成する
ことをさらに行う、請求項1から6のいずれか一項に記載のロボット制御システム。
【請求項8】
ロボットを制御するためのロボット制御装置と、
前記ロボット制御装置と接続され、作業者によって操作される教示操作盤と、を備え、
前記ロボット制御装置は、
前記ロボット制御装置のシステムソフトウェアを記憶する記憶部と、
前記システムソフトウェアに機能を追加及び削除する機能追加部と、
前記教示操作盤に設けられ、前記機能追加部の動作を有効又は無効に設定するための切替部と、
前記切替部により前記機能追加部の動作を有効に設定した場合、前記機能追加部による機能の追加及び削除を有効にし、
前記切替部により前記機能追加部の動作を無効に設定した場合、前記機能追加部による機能の追加及び削除を無効にする機能制御部と、
を備え、
前記機能追加部は、外部記憶装置に記憶された追加機能ファイルに基づいて前記システムソフトウェアに機能を追加及び削除し、
前記機能制御部は、前記切替部により前記機能追加部の動作を無効に設定した状態において、前記外部記憶装置に前記追加機能ファイルが存在する場合、前記追加機能ファイルを前記記憶部に一時的に記憶し、
前記機能追加部は、前記切替部により前記機能追加部の動作を有効に設定した場合、前記記憶部に一時的に記憶された前記追加機能ファイルに基づいて前記システムソフトウェアに機能を追加する、ロボット制御システム。
【請求項9】
ロボットを制御するためのロボット制御装置と、
前記ロボット制御装置と接続され、作業者によって操作される教示操作盤と、を備え、
前記ロボット制御装置は、
前記ロボット制御装置のシステムソフトウェアを記憶する記憶部と、
前記システムソフトウェアに機能を追加及び削除する機能追加部と、
前記教示操作盤に設けられ、前記機能追加部の動作を有効又は無効に設定するための切替部と、
前記切替部により前記機能追加部の動作を有効に設定した場合、前記機能追加部による機能の追加及び削除を有効にし、
前記切替部により前記機能追加部の動作を無効に設定した場合、前記機能追加部による機能の追加及び削除を無効にする機能制御部と、
を備え、
前記機能追加部は、外部記憶装置に記憶された追加機能ファイルに基づいて前記システムソフトウェアに機能を追加及び削除し、
前記機能制御部は、前記切替部により前記機能追加部の動作を無効に設定した状態において、前記外部記憶装置に前記追加機能ファイルが存在する場合、前記追加機能ファイルを前記記憶部に一時的に記憶し、
前記機能制御部は、前記切替部により前記機能追加部の動作を有効に設定した場合、前記機能追加部による機能の追加を実行するための実行情報を前記教示操作盤に表示する、ロボット制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ロボット制御装置は、ロボットを制御するためにシステムソフトウェアを用いている。システムソフトウェアは、ロボット制御装置においてメモリ等のような記憶部に記憶される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存のロボット制御装置のシステムソフトウェアに新たな機能を追加する場合、ロボットの自動運転中に新たな機能の追加が行われると、ロボットのソフト構成や設定情報が変更され、稼働中のロボットの動作に悪影響が及ぶおそれがあった。そのため、新たな機能の追加を適切に行うことが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係るロボット制御システムは、ロボットを制御するためのロボット制御装置と、前記ロボット制御装置と接続され、作業者によって操作される教示操作盤と、を備え、前記ロボット制御装置は、前記ロボット制御装置のシステムソフトウェアを記憶する記憶部と、前記システムソフトウェアに機能を追加及び削除する機能追加部と、前記教示操作盤上に設けられ、前記機能追加部の動作を有効又は無効に設定するための切替部と、前記切替部により前記機能追加部の動作を有効に設定した場合、前記機能追加部による機能の追加及び削除を有効にし、前記切替部により前記機能追加部の動作を無効に設定した場合、前記機能追加部による機能の追加及び削除を無効にする機能制御部と、を備えるロボット制御システム。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、新たな機能の追加及び削除を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係るロボット制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係るロボット制御システムの新たな機能の追加処理を示すフローチャートである。
【
図3】本実施形態に係るロボット制御システムの既に追加されている機能の削除処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係るロボット制御システム100の構成を示すブロック図である。
ロボット制御システム100は、ロボット制御装置1と、ロボット2と、教示操作盤3と、外部記憶装置4と、を備える。
ロボット制御装置1は、ロボット2と接続され、ロボット2を制御するために各種の処理を実行する。
【0009】
ロボット2は、ロボット制御装置1に接続され、ロボット制御装置1からの制御に従って動作する。
【0010】
教示操作盤3は、ディスプレイやハードウェアキー等を備えた表示入力装置である。教示操作盤3は、ロボット制御装置1と接続され、作業者によって操作され、ロボットプログラムの作成、修正、登録、あるいは各種パラメータの設定の他、教示されたロボットプログラムの再生運転、ロボット位置の手動操作等を実行する。
【0011】
また、教示操作盤3は、教示操作盤3上に設けられ、後述する制御部11の機能追加部111の動作を有効又は無効に設定するための切替部31を備える。例えば、切替部31は、ON/OFFを切替可能なスイッチ又はボタンであってもよい。
【0012】
外部記憶装置4は、例えばUSBメモリ、CFカード等のようなロボット制御装置1に接続可能な記憶装置である。外部記憶装置4は、例えば追加機能ファイル41を備える。
【0013】
ロボット制御装置1は、制御部11と、記憶部12と、を備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部11は、機能追加部111と、画面追加部112と、設定変更部113と、機能制御部114と、を備える。
【0014】
記憶部12は、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(ソリッドステートドライブ)、等で構成され、各種のデータを記憶する。
【0015】
例えば、ロボット2を制御するシステムソフトウェアや画像処理を行うシステムソフトウェアは、記憶部12のROMに格納されている。また、アプリケーションに応じてロボットの作業内容が教示されるロボットプログラムやそれに関連する設定データは、記憶部12の不揮発性メモリに格納されている。記憶部12のRAMは、制御部11が行なう各種演算処理におけるデータの一時記憶の記憶領域に使用される。
【0016】
システムソフトウェア121は、ロボット2を制御するためのシステムソフトウェアであり、複数のシステムプログラムの集合体である。
ロボットプログラム122は、ロボット2に各種の動作を実行させるためのプログラムである。
【0017】
外部記憶装置4に記憶される追加機能ファイル41は、システムソフトウェア121に機能を追加するためのファイルを含み、複数のシステムプログラム及び複数データファイルを1つのファイルとしたアーカイブファイルで構成される。
【0018】
追加機能ファイル41は、例えば、機能定義情報ファイル、追加システムソフトウェアファイル、操作画面構成ファイル、操作画面制御ファイル、ロボットプログラム命令ファイル、設定用データファイル、コマンドファイル等を含む。
【0019】
機能定義情報ファイルは、定義情報(名称、版数、ID名、機能説明文等)を有する。機能定義情報ファイル411は、記憶部12に追加される追加機能データベース内のエントリとして登録される。例えば、制御部11の機能追加部111は、追加機能データベース内のデータに基づいて、追加する機能の一覧をロボット制御装置1の教示操作盤3に表示させる。
【0020】
また、追加機能ファイル41は、追加する機能の識別情報を有する。これにより、制御部11は、追加された機能と他の機能とを区別することができる。
【0021】
追加システムソフトウェアファイルは、ロボット制御装置1の制御部11によって実行可能な機械語によるシステムプログラムを含むファイルである。
【0022】
操作画面構成ファイル及び操作画面制御ファイルは、ロボット制御装置1の教示操作盤3に操作画面を追加するためのファイルである。操作画面構成ファイル及び操作画面制御ファイルは、記憶部12に追加される画面制御データベースに登録される。
【0023】
ロボットプログラム命令ファイルは、新たなロボット命令を追加するためのファイルである。
設定用データファイルは、ロボット制御装置1によりロボット2の設定を変更するためのファイルである。
コマンドファイルは、ロボット制御装置1が各種処理(ファイル操作、システム設定操作等)を行うためのコマンドを含むファイルである。
【0024】
次に制御部11による機能を追加する処理について説明する。
【0025】
機能追加部111は、外部記憶装置4に記憶された追加機能ファイル41に基づいてシステムソフトウェア121に機能を追加する。
【0026】
また、機能追加部111は、追加機能ファイル41に基づいて、選択的にシステムソフトウェア121に機能を追加してもよい。具体的には、機能追加部111は、追加機能の一覧を教示操作盤3に表示し、教示操作盤3の操作に従って特定の機能を選択することにより、選択的にシステムソフトウェア121に機能を追加してもよい。
【0027】
追加機能の導入は、例えば以下のような処理によって実行される。
(a)機能追加部111は、追加機能ファイル41内のファイルを記憶部12のRAMに展開する。
(b)機能追加部111は、機能定義情報ファイルから機能情報(ID名、版数等)を読み取り、記憶部12の不揮発性メモリに追加機能を格納するための領域(機能導入領域)を確保する。また、機能追加部111は、追加機能のID名を機能導入領域の名称として使用する。
(c)機能追加部111は、記憶部12に展開されたファイルを確保された機能導入領域にすべてコピーし、その後、展開されたファイルを削除する。
(d)制御部11は、追加機能ファイル41に含まれる各ファイルに対応する処理を実行する。
(e)全ての処理の完了後、ロボット制御装置1を再起動すると、ロボット制御装置1は、追加機能を実行可能となる。
【0028】
画面追加部112は、操作画面構成ファイル及び操作画面制御ファイルに基づいて、システムソフトウェア121に新たなグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)画面を追加する。例えば、画面追加部112は、操作画面構成ファイル及び操作画面制御ファイルに基づいて、追加機器5を操作するための新たなGUI画面をシステムソフトウェア121に追加する。これにより、ユーザは、教示操作盤3によって追加機能の操作を行うことができる。
【0029】
設定変更部113は、設定用データファイル及びコマンドファイルに基づいてシステムソフトウェア121のシステム設定変更を行う。例えば、設定変更部113は、設定用データファイル及びコマンドファイルに基づいて、追加機器5の動作に関するシステムソフトウェア121のシステム設定変更を行う。
【0030】
機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定した場合、機能追加部111による機能の追加を有効する。また、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を無効に設定した場合、機能追加部111による機能の追加を無効にする。すなわち、機能追加部111による機能の追加は、機能追加部111の動作を有効に設定した場合に限り可能である。
【0031】
機能を追加するために、作業者が教示操作盤3において機能を追加するための画面を表示したとき、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作が無効に設定されている場合、切替部31によって機能追加部111の動作を有効することを促すメッセージを教示操作盤3に表示する。
【0032】
そして、機能制御部114は、切替部31によって機能追加部111の動作を有効する又は他の画面に遷移するまで、切替部31によって機能追加部111の動作を有効することを促すメッセージを教示操作盤3に表示し続ける。また、機能制御部114は、切替部31によって機能追加部111の動作が有効にされると、機能追加部111による機能の追加を有効にする。
【0033】
また、機能制御部は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定した場合、教示操作盤3において選択的にシステムソフトウェア121に機能を追加するための操作を可能にしてもよい。これにより、ロボット制御装置1は、選択的にシステムソフトウェア121に機能を追加することができる。
【0034】
また、ロボット制御装置1によるロボット2の自動運転中に、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定すると、機能制御部114は、ロボット2の自動運転を停止し、切替部31の設定の異常を報知する報知情報を生成する。
具体的には、ロボット制御装置1によるロボット2の自動運転中に、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定すると、機能制御部114は、ロボット2の自動運転を停止し、切替部31の設定の異常を報知する報知情報として異常メッセージを教示操作盤3に表示する。また、機能制御部114は、報知情報としてアラーム音を発生させてもよい。
【0035】
また、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を無効に設定した状態において、外部記憶装置4に追加機能ファイルが存在する場合、追加機能ファイルを記憶部12に一時的に記憶してもよい。そして、機能追加部111は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定した場合、記憶部12に一時的に記憶された追加機能ファイルに基づいてシステムソフトウェア121に機能を追加してもよい。
【0036】
また、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を無効に設定した状態において、外部記憶装置4に追加機能ファイルが存在する場合、追加機能ファイルを記憶部12に一時的に記憶してもよい。そして、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定した場合、機能追加部111による機能の追加を実行するための実行情報を教示操作盤3に表示してもよい。
【0037】
具体的には、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定した場合、実行情報として、追加機能ファイルのインストール開始を指示する情報を教示操作盤3に表示する。これにより、作業者は、教示操作盤3を操作して、追加機能ファイルのインストールを実行する。そして、機能追加部111は、記憶部12に一時的に記憶された追加機能ファイルに基づいてシステムソフトウェア121に機能を追加してもよい。
【0038】
図2は、本実施形態に係るロボット制御システム100の処理を示すフローチャートである。
ステップS1において、機能制御部114は、外部記憶装置4がロボット制御装置1に接続されたこと検出する。
【0039】
ステップS2において、機能制御部114は、所定時間T(例えば0.1秒)待機する。
ステップS3において、機能制御部114は、教示操作盤3において機能を追加するための画面以外の他の画面が選択されているか否かを判定する。他の画面が選択されている場合(YES)、処理は、ステップS12へ移る。一方、機能を追加するための画面が選択されている場合(NO)、処理は、ステップS4へ移る。
【0040】
ステップS4において、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定しているか否かを判定する。有効に設定している場合(YES)、処理は、ステップS6へ移る。一方、無効に設定している場合(NO)、処理は、ステップS5へ移る。
【0041】
ステップS5において、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定することを促すメッセージAを教示操作盤3に表示する。例えば、切替部31がスイッチの場合、機能制御部114は、「スイッチをONにしてください」、「スイッチがOFFになっています」等のようなメッセージAを教示操作盤3に表示する。
【0042】
ステップS6において、機能制御部114は、機能追加部111による機能の追加を有効にする。そして、機能制御部114は、外部記憶装置4内に追加機能ファイルが存在するか否かを判定する。追加機能ファイルが存在する場合(YES)、処理は、ステップS8へ移る。一方、追加機能ファイルが存在しない場合(NO)、処理は、ステップS7へ移る。
【0043】
ステップS7において、機能制御部114は、ステップS6において追加機能ファイルが存在しなかったため、追加機能ファイルが存在する他の外部記憶装置4の接続を促すメッセージBを教示操作盤3に表示する。例えば、機能制御部114は、「正しい外部記憶装置を接続してください」等のようなメッセージBを教示操作盤3に表示する。
【0044】
ステップS8において、機能制御部114は、教示操作盤3において機能を追加するための画面が操作されたか否かを判定する。具体的には、機能制御部114は、教示操作盤3において機能を追加するための画面の操作としてインストール実行ボタンが押されたかを判定する。インストール実行ボタンが押された場合(YES)、処理は、ステップS9へ移る。一方、インストール実行ボタンが押されない場合(NO)、処理は、ステップS2へ移る。
【0045】
ステップS9において、機能追加部111は、追加機能ファイルに基づいてシステムソフトウェア121に機能を追加(インストール)する処理を実行する。
【0046】
ステップS10において、機能制御部114は、機能追加部111による機能の追加後、機能の追加(インストール)処理が完了したことを示す情報を教示操作盤3に表示する。例えば、機能制御部114は、「インストール完了」のようなメッセージを表示する。
【0047】
ステップS11において、機能制御部114は、教示操作盤3において機能を追加するための画面以外の他の画面が選択されているか否かを判定する。他の画面が選択されている場合(YES)、処理は、ステップS12へ移る。一方、機能を追加するための画面が選択されている場合(NO)、処理は、ステップS10へ移る。
【0048】
ステップS12において、機能制御部114は、ステップS3又はステップS11において選択された画面を教示操作盤3に表示する。
【0049】
次に制御部11による機能を削除する処理について説明する。
機能追加部111及び画面追加部112は、一度追加された機能を後に削除することも可能としてもよい。
【0050】
機能追加部111は、追加された機能を選択的に削除するようにしてもよい。具体的には、機能追加部111は、既に追加された機能の一覧を教示操作盤3に表示し、教示操作盤3の操作に従って特定の機能を選択することにより、選択的に機能を削除してもよい。
【0051】
機能の削除は、例えば以下のような処理によって実行される。
(a)機能追加部111は、記憶部12の不揮発性メモリ内の機能導入領域を追加機能のID名を用いて特定することができる。
(b)制御部11は、追加機能ファイル41に含まれる各ファイルの削除に関する処理を実行する。
(c)機能追加部111は、記憶部12内の機能導入領域に展開されたファイルを削除する。
(d)機能追加部111は、記憶部12のRAMに展開する追加機能ファイル41内のファイルを削除する。
(e)全ての処理の完了後、ロボット制御装置1を再起動すると、ロボット制御装置1は、機能の削除が有効となる。
【0052】
画面追加部112は、操作画面構成ファイル及び操作画面制御ファイルに基づいてシステムソフトウェア121に追加された、追加機器5を操作するための新たなGUI画面を削除する。
【0053】
設定変更部113は、設定用データファイル及びコマンドファイルに基づいて機能削除後のシステムソフトウェア121のシステム設定変更を行う。例えば、設定変更部113は、削除する設定用データファイル及びコマンドファイルに基づいて、追加機器5の削除後の動作に関するシステムソフトウェア121のシステム設定変更を行う。
【0054】
機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定した場合、機能追加部111による機能の削除を有効にする。また、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を無効に設定した場合、機能追加部111による機能の削除を無効にする。すなわち、機能追加部111による機能の削除は、機能追加部111の動作を有効に設定した場合に限り可能である。
【0055】
機能を削除するために、作業者が教示操作盤3において機能を削除するための画面を表示したとき、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作が無効に設定されている場合、切替部31によって機能追加部111の機能削除動作を有効することを促すメッセージを教示操作盤3に表示する。
【0056】
そして、機能制御部114は、切替部31によって機能追加部111の動作を有効する又は他の画面に遷移するまで、切替部31によって機能追加部111の動作を有効することを促すメッセージを教示操作盤3に表示し続ける。また、機能制御部114は、切替部31によって機能追加部111の動作が有効にされると、機能追加部111による機能の削除を有効にする。
【0057】
また、機能制御部は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定した場合、教示操作盤3において選択的にシステムソフトウェア121に機能を削除するための操作を可能にしてもよい。これにより、ロボット制御装置1は、選択的にシステムソフトウェア121に追加された機能を削除することができる。
【0058】
また、ロボット制御装置1によるロボット2の自動運転中に、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定すると、機能制御部114は、ロボット2の自動運転を停止し、切替部31の設定の異常を報知する報知情報を生成する。
【0059】
具体的には、ロボット制御装置1によるロボット2の自動運転中に、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定すると、機能制御部114は、ロボット2の自動運転を停止し、切替部31の設定の異常を報知する報知情報として異常メッセージを教示操作盤3に表示する。また、機能制御部114は、報知情報としてアラーム音を発生させてもよい。
【0060】
図3は、本実施形態に係るロボット制御システム100の機能の削除処理を示すフローチャートである。
ステップS21において、機能制御部114は、既に追加された機能の一覧を教示操作盤3に表示する。
ステップS22において、機能制御部114は、所定時間T(例えば0.1秒)待機する。
【0061】
ステップS23において、機能制御部114は、教示操作盤3において機能を削除するための画面以外の他の画面が選択されているか否かを判定する。他の画面が選択されている場合(YES)、処理は、ステップS30へ移る。一方、機能を削除するための画面が選択されている場合(NO)、処理は、ステップS24へ移る。
【0062】
ステップS24において、機能制御部114は、教示操作盤3において機能を削除するための画面が操作されたか否かを判定する。具体的には、機能制御部114は、教示操作盤3において機能を削除するための画面の操作としてアンインストール実行ボタンが押されたかを判定する。アンインストール実行ボタンが押された場合(YES)、処理は、ステップS25へ移る。一方、インストール実行ボタンが押されない場合(NO)、処理は、ステップS22へ移る。
【0063】
ステップS25において、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定しているか否かを判定する。有効に設定している場合(YES)、処理は、ステップS27へ移る。一方、無効に設定している場合(NO)、処理は、ステップS26へ移る。
【0064】
ステップS26において、機能制御部114は、「スイッチをONにしてください」、「スイッチがOFFになっています」等のようなメッセージCを教示操作盤3に表示し、その後、処理は、ステップS22へ移る。
【0065】
ステップS27において、機能追加部111は、追加機能ファイルに基づいてシステムソフトウェア121に機能を削除(アンインストール)する処理を実行する。
【0066】
ステップS28において、機能制御部114は、機能追加部111による機能の削除後、機能の削除(アンインストール)処理が完了したことを示す情報を教示操作盤3に表示する。例えば、機能制御部114は、「アンインストール完了」のようなメッセージを表示する。
【0067】
ステップS29において、機能制御部114は、教示操作盤3において機能を削除するための画面以外の他の画面が選択されているか否かを判定する。他の画面が選択されている場合(YES)、処理は、ステップS30へ移る。一方、機能を削除するための画面が選択されている場合(NO)、処理は、ステップS28へ移る。
【0068】
ステップS30において、機能制御部114は、ステップS23又はステップS28において選択された画面を教示操作盤3に表示する。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、ロボット制御システム100は、ロボット2を制御するためのロボット制御装置1と、ロボット制御装置1と接続され、作業者によって操作される教示操作盤3と、を備える。ロボット制御装置1は、ロボット制御装置1のシステムソフトウェア121を記憶する記憶部12と、システムソフトウェア121に機能を追加する機能追加部111と、教示操作盤3上に設けられ、機能追加部111の動作を有効又は無効に設定するための切替部31と、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定した場合、機能追加部111による機能の追加及び削除を有効にし、切替部31により機能追加部111の動作を無効に設定した場合、機能追加部111による機能の追加及び削除を無効にする機能制御部114と、を備える。
【0070】
これにより、ロボット制御システム100は、教示操作盤3上に設けられた切替部31により機能追加部111の動作を有効及び無効を設定するため、機能追加部111によるシステムソフトウェア121の機能の追加及び削除の有効及び無効を適切に行うことができる。よって、ロボット制御システム100は、システムソフトウェア121に新たな機能の追加及び削除を適切に行うことができる。
【0071】
また、機能追加部111は、外部記憶装置に記憶された追加機能ファイルに基づいてシステムソフトウェアに機能を追加及び削除する。これにより、ロボット制御システム100は、システムソフトウェアに機能を適切に追加及び削除することができる。
【0072】
また、追加機能ファイルは、複数のプログラム及び複数データファイルを1つのファイルとしたアーカイブファイルで構成される。これにより、ロボット制御システム100は、追加機能を有するファイルを好適に導入することができる。
【0073】
また、機能追加部111は、追加機能ファイル41に基づいて、選択的にシステムソフトウェア121に機能を追加する。これにより、ロボット制御システム100は、ロボット制御装置1に必要な追加機能を適切に導入することができる。
【0074】
また、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定した場合、教示操作盤3において選択的にシステムソフトウェア121に機能を追加、又は追加された機能を削除するための操作を可能にする。これにより、ロボット制御システム100は、ロボット制御装置1に必要な追加機能を適切に導入することができ、また、ロボット制御システム100は、一度追加された機能を適切に削除することができる。
【0075】
また、ロボット制御装置1によるロボット2の自動運転中に、切替部31により前記機能追加部111の動作を有効に設定すると、機能制御部114は、自動運転を停止し、切替部31の設定の異常を報知する報知情報を生成する。これにより、ロボット制御システム100は、自動運転時に追加機能を導入することを回避することができるため、追加機能の導入動作によってロボット2の自動運転に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
【0076】
また、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を無効に設定した状態において、外部記憶装置4に追加機能ファイル41が存在する場合、追加機能ファイル41を記憶部12に一時的に記憶する。機能追加部111は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定した場合、記憶部12に一時的に記憶された追加機能ファイル41に基づいてシステムソフトウェア121に機能を追加する。
【0077】
これにより、ロボット制御システム100は、機能追加部111の動作を無効に設定した状態において、記憶部12に一時的に記憶した追加機能ファイル41によってシステムソフトウェア121に機能を追加することができる。
【0078】
また、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を無効に設定した状態において、外部記憶装置4に追加機能ファイル41が存在する場合、追加機能ファイル41を記憶部12に一時的に記憶する。そして、機能制御部114は、切替部31により機能追加部111の動作を有効に設定した場合、機能追加部111による機能の追加を実行するための実行情報を教示操作盤3に表示する。
【0079】
これにより、ロボット制御システム100は、機能追加部111による機能の追加を実行するための実行情報を教示操作盤3に表示する。そのため、作業者は、実行情報を参照し、教示操作盤3を操作することによって、機能追加部111による機能の追加を行うことができる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記のロボット制御システム100は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記のロボット制御システム100により行なわれる制御方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0081】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory)、SSD(ソリッドステートドライブ))を含む。
【0082】
また、上述した各実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記各実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 ロボット制御装置
2 教示操作盤
3 ロボット
111 機能追加部
112 画面追加部
113 設定変更部
114 機能制御部